ペット・サウンズ・レコード店の店長
森 勉が選ぶ “2007年ベスト・アルバム”

        

        

もう飽きるくらいに口にしてしまうのですが、「時のたつのが早い!」。
またまた1年が過ぎてしまいました。

しかし2007年は新しい店舗がオープンできたという大きな節目があったので、
早いと感じる中にも充実感があるような気がします。

ライヴや落語会もいつもの年よりたくさん見に行くことができました。
これは地下にイベントカフェ<アゲイン>ができたおかげでしょう。

そしていいCD、DVDがたくさん出ました。
いつものように迷いましたが、新録・再発とりまぜてこんな風になりました。





(国内CD) V.A 『ゴフィン&キング・ソング・コレクション 1961-67』
 (MSIG-423 解説付 \3,150)

2007年後半は11月のキャロル・キング17年ぶり2度目の来日で個人的には大いに盛り上がりました。
紙ジャケもいっぱい出ました。そこへこの内容充実のジェリー・ゴフィン&キャロル・キング作品集。
有名どころをあえて外したマニアックな選曲と詳細なライナーノーツ(日本盤はその和訳付)は、
イギリスのACEレーベルのブランドをさらに高めた素晴らしいコンピレーション。
それにしても本当にいい曲が多いソングライター時代のキャロル。ジャケットのキュートさにもノックアウトです。


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(国内CD) 竹内 まりや 『デニム』 
(初回限定盤ボーナスCD付 WPCL-10405 \3,059)

木崎義二さんと同様に彼女の歌には、デビュー時から無条件降伏状態です。
 アルバム発売前にNHKテレビで放送された<ソングス>での"動くまりや様"、良かったなあ〜。
 アルバム・ラストに収録されている名曲「人生の扉」。 年を重ねていくと沁みてきます。



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(国内CD) 寺尾 紗穂 『御身』
(MDCL-1478  \3,150)

 昨年に続き"テラオ・サホ"!
初のフル・アルバム、全曲素晴らしい! 
ピアノ弾き語りを全面に出して、
気のきいたゲストが絶妙なスパイスをきかせてくれるシンプルなアレンジは、
より彼女の歌を際立たせているように思います。
今の日本で作られている音楽とは、
手触りも味わいもまるで違う歌う歌のぬくもりが伝わってくるアルバムなのです。



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(輸入CD) V.A 『NEW MUSIC FROM AN OLD FRIEND』
(Target OEM-00004-2)

 バート・バカラック、キャロル・キング、ブライアン・ウィルソン、
クリス・クリストファーソン、ケニー・ロギンス、スティーヴン・ビショップなど、
ベテラン・アーティストの新録音を1〜2曲ずつ収録したオムニバス・アルバム。
ブライアン・ウィルソンがバート・バカラックと共作した新曲
「What Love Can Do」が入っているだけでも事件なのに、
キャロル・キングがポール・ウィリアムスと共作した「Say Goodbye Today」も入っているなんて大事件!
ブライアンは「God Only Knows」、キャロルは「Home Again」を新録で披露も♪ 
他のアーティストの曲もいい出来です。全体のプロデュースはあのフィル・ラモーン。



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 (国内CD) マジック・ナンバーズ 『ゾーズ・ザ・ブロークス』
(TOCP-66633 解説・歌詞・対訳付 \2,500)

ロンドン出身の男2人、女2人のギター・ポップと呼ばれる雰囲気を持ったグループのセカンド・アルバム。
音のすき間を大切にしている感じが大好きです。
発売は2006年11月でしたが、2007年ものとして入れさせてもらいます。
夢の中でビーチ・ボーイズのカール・ウィルソンが歌ってくれたメロディーが元になった、
という「カールズ・ソング」なんていう曲が収録されているように、
ビーチ・ボーイズ好きなところも好感度アップ♪ (サウンドはビーチ・ボーイズっぽくはありませんが・・・)



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(国内CD) OST 『フォロー・ミー』 
(UICY-93259 \2,500)

美麗なジャケットとソフト・ロック・テイストのサウンドが見事にマッチした"ジャケガイノススメ"シリーズの1枚。
 ディノ・デシ&ビリーによるテーマ曲「スルー・スプレイ・カラード・グラス」は名曲。
大評判のためすぐに完売してしまったので、是非また再発して欲しい1枚です。


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 (輸入CD) Frankie Valli & The 4 Seasons 『Jersey Beat』
(RHINO R2-74852)

何度も何度も出ている彼らのベスト盤ですが、これが本当の決定盤になるのではないでしょうか。
CD3枚にDVD1枚。初めて見るDVDの映像は彼らの魅力をよりふくらませてくれるもので、
60〜70年代の彼らを体験できるタイムマシーンのようです。
 このBOXとは別にフランキー・ヴァリのニュー・アルバムも出ました。
 (輸入CD) Frankie Valli 『Romancing The 60's』 (universal motown 9908-2)

1960年代の名曲をカヴァーした新録音で、ボブ・ゴーディオがプロデュース。
チャーリー・カレロがアレンジ、とオールド・ファンは涙する好内容でした。



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 (国内CD) エリック・バードン&アニマルズ 『ウインズ・オブ・チェンジ』
(UICY-93374  解説・歌詞・対訳付 \2,700)

長らく日本盤で出ていなかったアーティストのCDが2007年にはたくさん発売されました。
1960年代のビート・グループものが特に目立ち、
レコードで愛聴していた盤がいい音のCDで聴けるようになるのは個人的にもうれしいことですし、
店をやっている者としてもお客様におすすめできる喜びがあります。

 モビー・グレープ、マッコイズのベストや、ウォーカー・ブラザーズ、スティーヴ・ミラー・バンド、
アイドル・レース、ブルー・チアーの紙ジャケ・シリーズも入れたかったのですが、
それらを代表してアニマルズのこのアルバムを。

エリック・バードンの印象的なナレーションから始まる「サンフランシスコの夜」は、
アコースティック伴奏が美しい異色作ながら傑作ヒット・ソング。
他の曲も1967年ならではのサイケな雰囲気が充満している隠れた名アルバムです。



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(国内DVD)V.A 『ハイドパーク・ミュージック・フェスティヴァル』
(HMF-1  \5,250)

2005年に狭山で行なわれた2日間の素晴らしいコンサートのライヴDVD2枚組。
 これを見たら、このフェスに行きたくなってしまいました。2008年は開催されることを祈っています。
 エリック・アンダーソンの雨の中の「ブルー・リヴァー」が感動的です



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(国内DVD) 映画 『断絶』
(KIBF-9417  \7,035)

原題『Two-Line Blacktop』。1971年作品。
これといったストーリーがあるわけではない映画ですが、
主演がジェイムス・テイラーとデニス・ウィルソン。
2人の若々しい姿を見るだけでも価値のあるカルト・ムーヴィーのDVD化です。
ブックレットなどのおまけ付コレクターズ・エディションは7,035円と少し値が張りますが、
"よくぞ出してくれましたで賞"を。


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<追加でもう1枚♪>



(国内DVD) キャロル・キング 『ベスト・ヒッツ・ライヴ〜ウェルカム・トゥ・マイ・リヴィング・ルーム』
<日本語字幕付 VIBP-63 \4,500>

本来は、来日している頃の11月上〜中旬には出る予定だったDVDが発売延期になってしまったため、
2007年のベスト選考から漏れてしまっていたのですが、12月19日にめでたく発売されましたので・・・。
これを入れずして2007年は語れない、ということで、追加させてもらいます。

キャロル・キングが2005年に行なった<リヴィング・ルーム・ツアー>を収録したライヴDVD。
同タイトルのCDが以前から出ていますが、収録の年や場所も選曲も違う内容です。
声の調子や曲などを聴くかぎりDVDの方がベスト、という感じがします。

来日公演を思い出すなぁ〜。
日本ではここで♪私のリヴィング・ルームへようこそ♪とか、♪東京に来れてうれしいです♪、と
日本語であいさつをしてくれたんだよなあ〜、なんて2007年最高のライヴを想い出すことができます。
ソングライター時代のメドレーや新曲もいいですし、名作『つづれおり』収録曲もたっぷり。
日本公演を見れなかった方もキャロルの真骨頂であるピアノ弾き語りが堪能でき、
実際に見た感覚が味わえることうけあいです。




ペット・サウンズ・レコード店  森 勉
(2007.12.31)

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Good Timin' (コラム)
VOL.16 ペット・サウンズ・レコード店が選ぶ2007年ベスト・アルバム!