PET SOUNDS RECORD
Good Timin' (コラム)


VOL.13  ペット・サウンズ仮店舗回想録




新店舗がオープンした今となっては懐かしい仮店舗。
仮店舗での営業は2005年12月にオープンしてから約1年ちょっとという短い間でしたが、
それでも様々な悲喜交々がありました。

そんな仮店舗での色々な思い出や体験を少しずつご紹介していきます。



<part.1> 仮店舗営業場所やっと決定!・・・、でも・・・。(2007 2/18UP)



2005年1月31日で一時閉店してから、武蔵小山から徒歩12分くらいの場所にある倉庫で、
お客様からご予約いただいた商品を渡したり、通販をしたり、と
こっそり仮営業的なことはしていましたが、
やはり“ペット・サウンズ・レコード店”は店舗ありき!
ということで、新店舗がオープンするまでの仮店舗場所を探していました。

しかしながら、駅から比較的近くて大きすぎず小さすぎない場所がなかなか見つからず・・・。


でもやっと縁があって場所が決定!
さあ店舗の内装をパッとやって営業開始!と思っていたのですが・・・。

  


床は一部、水が浸っていて、とてもその上からシートを張るだけでは1年もたなそうな状態。
壁もボロボロ。ところどころ穴があいていて、やや大きな穴を
ダンボールでふさいだような箇所をはがしてみると、
ミイラ化したねずみの死骸がくっついていたり・・・、となんとも凄い状態でした。

でも新店舗ができるまでの約1年もつように、ということで、
内装業者の方にも協力してもらい、様々な箇所を補修。
なんとか目標であった12月3日に営業を再開することができたのでした。



<part.2> ♪ せまいながらもたのしい〜 ♪ (2007 2/20UP)





♪ せまいながらも たのしい我が家
愛の日陰のさすところ ♪
 川畑文子 「青空」より



“我が家”ではなく、“店”でしたが、まさにせまいながらも楽しい仮店舗でした。

武蔵小山パルム商店街の駐車場に近いということもあり、
以前、駅前にあったときの店舗をご存知でない方も多く来て頂けるようになり、
在庫を多く置けないものの、充実した営業を続けることができました。

ただ、ひとつ苦労した点を挙げると、
この仮店舗には、“水回りが全くない”、ということ。

やはり、お手洗いは重要ですね。(当たり前ですが・・・)
店で1人の時にお手洗いにいきたくなったときは、ひたすら我慢。
休憩などの時に外のお手洗いを利用するのですが、
駐車場や品川区の出張所のを利用させていただきました。
(駐車場&出張所のトイレ掃除の方、今更ですがありがとうございました)


他にも、入口付近に犬のふんがあった場合は、水を使わないと取れないですし、
観葉植物にもお水をあげないとダメですし、雨が降った後の店内掃除も・・・ということで
やはり水は必要不可欠。
(そういう場合は、自宅から水を空のペットボトルに入れてもってきたり、
バケツを持っていってご近所の方から水をいただきました。)

レコード店だからCD・レコードだけあればいい、というわけにはいかないのだな、
というのを実感した約1年の仮店舗営業でした。




<part.3> 山崎まさよし アルバム『ADDRESS』 TV CM撮影 (2007 8/14UP)



ちょっと間が空いてしまいましたが、
久々に仮店舗での懐かしい思い出を回想したいと思います。


仮店舗での一番のトピックといえば、やはり、
山崎まさよしさんの新作オリジナル・アルバム『ADDRESS』の
TV CM撮影のロケ地として選ばれ、撮影を行ったことでしょう。

NHKのコメディ番組『サラリーマンNEO』や多くの音楽クリップ、
そして『海でのはなし』、『男はソレを我慢できない』などの映画・脚本を手掛け、
現在大人気のディレクターである大宮エリーさん。
彼女が山崎まさよしさんのTV CMを手掛けるにあたって、
当店をロケ地に選んでいただいたのがきっかけでした。
(彼女は以前駅前にあった時の店舗にも来て頂いていたことがあったのです。感謝!)


撮影日は、2006年5月31日だったのですが、
撮影スタッフは前日の30日閉店後の22時頃から現場である仮店舗に集合し、
店内ディスプレイの変更や、カメラ位置の確認などを深夜1時過ぎまで行っていました。

 そして翌日31日朝6時半くらいにはすでに再集合し撮影開始。
当日は5月とはいえとても暑い1日で、店内撮影では集音マイクの関係もあり、
カメラが回っている間は冷房を入れずに撮影を続けていました。
(スタッフの方、役者さん、皆様本当にお疲れ様でした!)



撮影の合間には、そのTV CMに実際に出演された山崎まさよしさんと
音楽のお話をさせていただくこともできたのですが、
その時に話題にのぼったのがこのマーク・ベノのアルバムでした。


(CD) マーク・ベノ 『雑魚』 (UICY-93002 \2,141)


 マーク・ベノは1970年代から活動している
テキサス出身のシンガー・ソングライター/スワンプ・ロッカー。

 1971年に発表した2ndアルバム『雑魚(原題:minnows)』は、彼の代表作とも言える1枚で、
ボビー・ウォマック、クラレンス・ホワイト、ジム・ケルトナー、リタ・クーリッジなど様々なミュージ
シャンが参加していますが、特にジェシ・エド・デイヴィスのスライド・ギターがいぶし銀の切れ味
で渋いっ! ブルース好きの方にもオススメの作品です。

ちょうど撮影があった頃にそのアルバムが限定紙ジャケット仕様で再発されていて、
店内に飾られていたので、撮影中の山崎まさよしさんの目にも留まったようです。
 ちなみにその山崎まさよしさんは、この名作をアナログ盤で持っているそうで、
魚がプリントされたインナーがオマケのような形で入っているのを憶えていました。
   
↑普通の用紙よりも厚手の紙に、魚拓のようにプリントされたものと、
魚の種類を紹介している紙が2枚ブックレットとは別に、ジャケット内に挿入されています。


「それってCDにも入っているのかな?」と山崎まさよしさんに聞かれたのですが、
ちゃんとそのインナーも再現して入っていました。

もともと、アメリカ南部のルーツ・ミュージックなどがお好きな山崎まさよしさん。
最近は、タイアップの関係もあり、ラヴ・ソング中心の楽曲が多いのですが、
是非、いつかアメリカ南部にわたって、
渋〜いブルース・アルバムなんかも作ってみて欲しいですね。

綿密な打ち合わせ、そして細かい演出など撮影スタッフのご苦労を実感し、
そして、ミュージシャンのルーツを再確認できた、という意味でも
とても印象に残る出来事でした。
もちろん、今現在はなくなってしまった仮店舗の記念としても。


<ペット・サウンズ・レコード店 森 陽馬>


まだ続く・・・予定



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