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 ブライアン・ウィルソン 『スマイル・ツアー』

2005年2月3日(木) 大阪厚生年金会館





セット・リスト

<第一部> (約1時間弱)

Surfer Girl (違う歌詞?ヴァージョン)
Wendy 
Add Some Music To Your Day 
Please Let Me Wonder 
Drive In 
And Your Dream Comes True 
You're Welcome 
Sloop John B 
Desert Drive 
Dance Dance Dance 
Hawaii
California Girls 
God Only Knows 
Forever 
Good Timin' 
I Get Around 
Sail On Sailor 
Marcella 

   約15分の休憩

<第二部> (約1時間10分・・・アンコール含む)

Our Prayer/Gee   (以下、「Good Vibrations」まで『スマイル』全曲)
Heroes And Villains 
Roll Plymouth Rock 
Barnyard 
Old Master Painter/You Are My Sunshine 
Cabin Essence 
Wonderful 
Song For Children 
Child Is Father Of The Man 
Surf's Up 
I'm In Great Shape/I Wanna Be Around/Workshop 
Vega-Tables 
On A Holiday 
Wind Chimes 
Mrs. O'Leary's Cow 
In Blue Hawaii 
Good Vibrations
 
(アンコール)

Do It Again 
Help Me Rhonda 
Barbara Ann  (ブライアン、立ってベースを弾きながらのナンバー)
Surfin' U.S.A.  (ブライアン、立ってベースを弾きながらのナンバー)
Fun Fun Fun 

(アンコール2)

Love And Mercy (<現在行方不明中のバック・バンド・メンバー、チェロ奏者>マーカス・サンドランドに捧ぐ、というブライアンのコメントあり、歌が始まる)



簡単な感想・気づいた点など


・なんといっても千秋楽、もしくは全世界的に最後の「スマイル公演」ということもあり、会場の雰
 囲気は最高潮。3階席の上部はやや空席あったものの、ほとんど満員状態。

・大阪厚生年金会館のホール・客席の都合上か、ステージと一番前の客席の列との間に、オ 
 ーケストラ・ピットのような隙間というか間が空いており、前の方でプレゼントを渡そうと思って
 いた人でも、ちょっと難しい状況でした。といっても、会場自体は中野サンプラザをもうちょい
 こじんまりさせた感じで、どの場所でもとても見やすいホールですね。

・グッズは、パンフレットが限定100部、他Tシャツ・長袖シャツなども私が入場したときには売り
 切れており、予約販売。でもなんでパンフレットは予約販売しないのか? 謎。

・1曲目「サーファー・ガール」は、ブライアンがいつも歌うパートが違う歌詞で歌われる。
 どうやら、「Love And Mercy」の詞と同じっぽかったが、詳細不明。あえて、その歌詞で歌っ 
 たのか? それともただ単にブライアンが間違えたのか不明。

・この日のブライアンは、“今日のこの1曲”でも書いたように、とにかく声が出ない状態だった。
 いつも以上の派手?なアクションを見る限り、風邪とかではなさそうで、東京&名古屋公演と
 タイトなスケジュールで喉を酷使した影響か、声を出したくてもすんなりときれいな声が出ず、
 無理に歌おうとすると裏返ったり、音程が外れてしまう様子。1・2曲目では、たまたまかな~、
 と思ってみていたが、3・4曲目あたりから顕著になり、会場内もちょっと心配モード。

・メンバーもそれを承知してか、ジェフリーがPAやダリアン、テイラー・ミルズなどに耳打ち。お 
 そらく、コーラス・パートの割り振りなどを若干変更したのでは。
 ジェフリーが普段はブライアンのみで歌うパートなどを、ジェフリー自ら音程を下げて歌い補っ
 ている場面もあったように見受けられた。
 
・会場内もそれを知ってか、“がんばれ! ブライアン!”的なモードになっていき、拍手も曲を
 追うごとに大きくなっていった印象。

・何度も飲み物を飲んで喉を潤すブライアン。

・なんといっても、この日は、11曲目「夢のハワイ」!
 ジェフリーが歌うファルセット、そして、“ハワイ!・ハワイ!”の掛け声をともに、ブライアンが
 客席の四方に指さすアクションがもう最高! バンド・ヴァージョン(!)で鳥肌が立ちました!

・第2部『スマイル』では、バックのメンバーもこの日が最後ということで力の入った演奏。
 ダリアンは特製スマイル・シャツ、テイラー・ミルズは黒の超ミニ・スカート(セクシー!)に衣裳
 チェンジ。

・本日は「ミセス・オレアリーズ・カウ」での、ブライアン“アチチ・ポーズ”はなし。

・「グッド・ヴァイブレーション」が始まった瞬間、客席から自然発生的に拍手が。
 ブライアン、うれしそうにニコッとして、歌の途中にも関わらず、「サンキュー」と一言。
 場内、更に大歓声!

・正直、ブライアンの声の調子から、アンコールやってくれるかちょっと心配だったのですが、い
 つものメンバー紹介後、ブライアン元気に登場! [昭和のいるこいる]のスミマセン・ポーズ 
 的なアクションで歓声に応え席に座る。(わかりにくい例えでスミマセン)

・ここ最近のいつもの公演と同じように、「バーバラ・アン」で立ってベースを持ちながら歌唱。
 ただ、今までとは違い本日は、直立不動でベースを持つだけでなく、足でステップを踏みなが
 ら演奏&歌!その動きもいつになく滑らかで、声の不調も気にならないくらいの盛り上がり!

・「ファン・ファン・ファン」も、いつもなら曲途中でそそくさと席を立って、舞台から下がっていって
 しまうのだが、本日はピアノ前で、しっかりと客席を見据え、深くお辞儀をしてから、手を振っ 
て退場。あんなに深くお辞儀をするブライアン、初めて見ました。

・再度のアンコール、「Love And Mercy」前には、客席から「Thank You! Brian!」の掛け声に反 
 応、しばしの微笑み後、「Dedicate to Markus Sandlund」とのコメントを発し、歌へ。

・正直言って、最後のこの「Love And Mercy」も声が裏返ってしまったり、つっかえそうになるな
 ど、ブライアンの声の調子は決して良くはなかったが、それがかえって心に沁みてしまい、涙
 を誘う「Love And Mercy」だった。
 
・この曲後も、いつもならそそくさと帰ってしまうのだが、この日はうれしそうに歓声に応え、カー
 テンコール後も再びマイクの前に立ち大声で「Good Night. Drive Safety. アリガトー!!!」とMC。

・その後も、大歓声の中、袖に下がろうとするところ、ステージ脇で突如こちらに振り向き、続い
 て袖に下がってくるバック・メンバー達1人1人を笑顔でやさしく迎え、ねぎらうブライアン!
 会場全体この日最高の大拍手! 感涙の嵐!





 陳腐な言い回しですが、とにかく感動的なライヴでした。
はっきりいって、コンサート全体の出来(音源を聴いただけの場合)に関しては、東京公演の方
が上だったと断言できるでしょう。
 ただ、この日の大阪厚生年金会館内は、千秋楽ゆえか、なにか特別な熱気に包まれてい
て、メンバーもブライアン自身も、「この公演で長かった『スマイル・ツアー』はもう終わりなんだ」
というような郷愁&気合のようなものも感じ取れました。

それに応えるかのような観客の大歓声にブライアンの「アリガト」MCもとても多かったですね。

 先にも書きましたが、最後、いつもならステージ脇に仏頂面でさっさと下がっていってしまうブ
ライアンが、この日は袖手前で再度客席側に振り向き、メンバーひとりひとりと握手したり抱き
合ったりしている光景に、『スマイル』以上の感動とヴァイブレーションを感じた素晴らしい一夜
でした。



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