PET SOUNDS RECORD
Good Timin' (コラム)


VOL.17 村田和人さんのアルバム『Now Recording』について
(2008.7.11)  



2008年4月1日より当店にて販売させていただいております
村田和人さんの久々のアルバム『Now Recording』。
この作品が8月27日にユニバーサル・ミュージックから
『Now Recording +(プラス)』というタイトルで全国発売されることとなりました。

元々、このCDは村田和人さんがライヴ会場で販売したいということで、
手売り用で完全自主制作した作品ですが、
当店が武蔵小山駅前にあった26年前、
(村田和人さんがデビューされた1982年)からの繋がりもあり、
また当店地下アゲインにて毎月ライヴをやっていただいている関係もあって、
置かせていただくことになった商品でした。

今回の再発売に関しましては、
自主制作盤発売後、ユニバーサルの担当者がこの作品のことを知り、メジャー・リリースへと
繋がった、という経緯があり、
4月の発売の時点ではメジャー・レーベルからのリリースは全く予定されていませんでした。

しかしながら、ボーナス・トラック5曲追加、及びリマスターが施されての再発売、
ということなので、すでにお買い上げいただいた方の中には複雑な思いを抱いている方もいら
っしゃると思います。


 過去の作品にボーナス・トラックを追加したり、デジタルリマスターを施すという付加価値をつ
けるのは、レコード会社の編成方法としてここ数年定着してきた感があります。
 それによって同一アルバムが数種類発売され、結果的にお客様に混乱を招いてしまうという
現象が近年多く見られます。
 この作品も結果的に2種類発売されることになり、すでに自主制作盤をお買い上げいただい
たお客様を混乱させることになってしまいましたことを深くお詫びいたします。
 大変申し訳ございませんでした。


この度の再発に関しまして、村田和人さんから以下のコメントをいただきました。

すでにお買い上げいただいた村田さんファンの方はもちろん、新作をこれから聴こう、と思って
いらっしゃる方にも、ご一読いただければ幸いです。


■ ■ ■


村田和人です。

4月に発表いたしました自主制作「Now Recording」が
ユニバーサル・ミュージックより8月27日に「Now Recording +(プラス)」と
タイトルを変えて再リリースされることになりました。
デジタルリマスター+ボーナストラックがプラスされています。

いきさつは村田の自主盤を業界のたくさんの方が聞いてくれて
そして何とかメインストリームに乗せようと、
その人たちが一生懸命話を進めてくれて今回のリリースは実現しました。
本当にありがたいことでした。

ユニバーサル・ミュージックの希望で今年の夏にぜひリリースをということで、
忙しく6月半ばに契約書を交わし、すぐさまマスタリング、ジャケット作成、と
8月のリリースをにらんで作業を完了いたしました。

4月の自主盤を購入された方々の中には複雑な思いの方もいらっしゃることでしょう。

でも村田はあえて言いますが、4月の自主盤でこのアルバムは完成しています。パーフ
ェクトです。
それを持っていらっしゃれば8月リリースの「Now Recording +(プラス)」は必要ありませ
ん。

形を変えてリリースの形でないと今回のリリースはできなかったでしょう。
それにはレコード会社の事情があります。それも当然だと思います。
複雑な思いをする方々がいることを知りながら、なぜ村田は再リリースすることを決めた
のか。
それは早く村田が活動を再開したことを全国的な規模で知らせたかったからです。

インターネットの時代ではありますが、まだまだ雑誌・FMなどの力は必要です。
80年代・90年代に村田の音楽を楽しんでくれた人たちに村田のことを知らせたかった
のです。
そしてもう一度、今だから楽しめるCDや音楽・ライブを提供し、共有したいと村田は思っ
ています。

さらに今回のアルバムを今年リリースしたかったもうひとつの理由は
来年の夏に向けての次のアルバムの構想がすでに出来上がっているからです。
今回のアルバムを次のアルバムに繋げるために今年リリースしておきたかったので
す。

来年、より多くの人に村田のアルバムを楽しんでいただくために。


自分の作る音楽やライブで利益を追求しようとは思いません。
村田の音楽が好きで、ライブを見に来てくれる人がいてくれれば
どんな形であっても、作品を発表し、ライブを続けようと思っています。
その人たちがいてこそ、村田が音楽をする意味があります。

以上、再リリースに関しての村田の素直な気持ちと経過報告です。
なにとぞご理解ください。そしてまたどこかの村田のライブで会いましょう!


■ ■ ■


不明な点などございましたら、お気軽に当店までお問い合わせくださいませ。

最後に、村田和人ファンの方々、これからも村田さんへの応援をよろしくお願い致します。


(2008年7月 ペット・サウンズ・レコード)




※以下、当店で作成した発売記念リーフレットに掲載した森 勉の文章を転載いたします。


■ 新旧 PET SOUNDS RECORD 1周年と村田和人 ■




<ペット・サウンズ・レコード>をオープンしたのが、1981年4月。
オープンしてからもうすぐ1周年を迎えようとしていた1982年3月のある日。
地元、武蔵小山に住んでいるというレコード会社の人が突然店を訪れて、
“1本の音楽”ならぬ、“1本のカセット”を差し出して、
「これ聴いてもらえませんか」と言った。

 それは村田和人のデビュー・アルバム『また明日』からの数曲が入ったカセットだった。
新生ムーン・レコードより4月21日に「電話しても」がシングルで、
その後6月21日にアルバムが発売予定になっている、とのことだった。

 あの山下達郎も参加しているということで、聴く前から期待が膨らんでいた。
 音を聴いてみると、期待通りの素晴らしさ。
 よく伸びる声とアメリカン・ウエスト・コーストを感じさせてくれる楽曲。
演奏の雰囲気も申し分なかった。

 特に「電話しても」は大好きな1曲となり、
サンプルでもらったカセット・テープがすり切れるぐらいに聴いたことを思い出す。

 さて、今回発売の13年ぶりのアルバムは、その「電話しても」と同じ頃、
レコードデビュー前に作った楽曲を今の村田和人が歌ったというもの。

 デビュー当時のライヴではおなじみだった
「ハッピー・ハネムーン」、「トロピカル・パーティ」も収録。
どの曲も今までレコーディングされなかったのが不思議なくらい
<村田メロディー>の魅力がタップリ詰まった楽曲群だ。


 村田くんとの出会いは26年前、武蔵小山駅のすぐ横に店があった時の1周年。

レコード会社の営業担当からのカセット

「電話しても」のシングル発売日前日のライヴで初めてあいさつを交わして

その後、村田くんが店にも遊びに来てくれたり

村田くんのライヴでの客入れ音楽を勝手に作ったり。(タイトル『ひとかけらのアメリカン・
ロック Vol.1』)

色々あって2005年1月で前の店舗立退きの時には、
<ペット・サウンズ感謝祭>というイベントにビデオ・レターを送ってくれたり・・・。


 そして今回は現在の場所での新店舗での1周年。
 ニュー・アルバムを当店だけが販売できるようになったのは
村田くんからのプレゼントなのかもしれません。
(追記:8月27日にユニバーサル・ミュージックから再発売になります)

 ペット・サウンズ・レコードの地下にあるイベント・カフェ<アゲイン>では、
毎月1回“モア・リラックス・ライヴ”というタイトルで、
ソロ・ライヴを続けてくれている村田くん。

当店の下でライヴをやってくれるなんて夢のようです。
ありがとう。そして、ニュー・アルバム発売、本当におめでとう!


2008年3月31日
<ペット・サウンズ・レコード 森 勉>




トップへ
トップへ
戻る
戻る