PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2005月1月>

2005年1月に更新した 店内でかけていた曲
“今日のこの1曲”コーナー。

廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。


<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2005年1月1日(土) 大滝詠一 「Rockn' Roll お年玉」

 ペット・サウンズ・レコード・ショップをオープンして24回目のお正月を迎えました。これもお客様あってのことと感謝しております。

 さて、そのお正月。毎年一番最初に店内で流れるのはきまってこの曲です。今年も「みなさん、明けましておめでとうございます。」の大滝さんの声とともに幕が開きました。

 1977年12月25日に発売された『ナイアガラ・カレンダー ’78』の1曲目、1月の歌です。

 この曲は歌詞の中に、エルヴィス・プレスリー、ジーン・ヴィンセント、バディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、フレディ・キャノンなど、有名ロックンローラーのヒット曲が織り込まれています。

1978年1月2日放送の<ゴーゴー・ナイアガラ>では特集も組まれていました。森 勉

2005年1月2日(日) Neil Young 「Rockin' In The Free World」

 1989年発表アルバム『フリーダム』に収録、後期ニール・ヤングを代表する名曲。

最近では、マイケル・ムーア監督の話題映画『華氏911』にも使用され、2004年暮れに発売されたニール・ヤング『グレイテスト・ヒッツ』(WPCR-11995 \2,520)にも収録されました。
 
 私がニール・ヤングにはまるようになったのは、思いかえしてみると、1989年の“サタデー・ナイト・ライヴ”でニールがこの曲をガツンッ!と演っているのを見てからだったような気がします。

 スタジオ・ライヴにもかかわらず、異様なテンションで演奏する凄まじい形相のニールを見るたびに、「自分ももっと気合を入れて頑張らなければ!」と今でも触発されるのです。森 陽馬

2005年1月3日(月) スマイリー小原 「マナマナ」

 大滝詠一ファンにとっては、新年のお年玉ともいえる、山下達郎氏のラジオ番組『サンデー・ソング・ブック』年明け一発目・恒例の“新春放談”(大滝詠一氏と山下達郎氏による雑談議)にて、話題に上り、オンエアーもされた1曲。

 近年はモンド・ファンに有名なPieru Umliani作曲によるナンバーを、1969年にスマイリー小原がカヴァーしシングル化していたこの曲。

 「今、店頭にあるCDで収録されているアルバムないかな〜?」
と思って探してみたら、ありましたよ! 

 その名も『笑いの殿堂! コミック・ソング・カーニバル』(SPW-20039 \1,800)。 

植木等、谷啓らクレイジーキャッツ関連はもちろん、エマニエル坊やから志ん朝さんの「ソロバン節」まで入っていて、ステキな1枚です。森 陽馬

2005年1月4日(火) HONEYMUNCH 「SOLON」

 アートと音楽の融合や先鋭的なCLUB MUSICを多数輩出しているイタリアの新進レコード会社、“IRMA”。

 その中でも質の高い新人グループを発掘している“SUONAPHONE”というレーベルから、2003年に発売された最高にクールな1枚がこのHONEYMUNCH 『SOLON』。
 
 ドイツ出身のグループで、ブレイク・ビーツ/フューチャー・JAZZを生バンドでやっている”というのがコンセプト。

 CLUB MUSIC的な洗練されたかっこいいクールな雰囲気と生バンドJAZZの熱さが同居したこのハイパー・ナンバーは、まさに“21世紀のJAZZ”!

 フロア向けナンバーを集めた10インチのアナログ盤も発売されてます。森 陽馬

2005年1月5日(水)SWING OUT SISTER「Love Won't Let You Down」

 マンチェスター出身、アンディ・コーネルを中心とした3人組として1985年にデビュー。女性Vo、コリーン・ドリューリーの爽やかな歌声とスタイリッシュ・サウンドが人気を呼び、「ブレイク・アウト」などが大ヒットを記録。1人メンバーが抜けて2人組のユニットとなってからも、センスの良い作品を発表し続けてきた彼らの2004年発表の新作アルバム。

 正直聴く前は、
「懐かしいなあ〜。学生時代よく聴いたよな〜。」なんていう郷愁しか感じてなかったのですが、この作品を最後まで聴いてビックリ!
 ビーチ・ボーイズの“ペット・サウンズ”風な味付けがなされた傑作アルバムだったのです。

 以前なにかで、メンバーの人のフェイバリット・アーティストとして、ビーチ・ボーイズが挙げられていたのを憶えているのですが、これはまさにその音楽趣味の延長線上に作られたアルバムではないか、と勝手に想像しちゃってます。

 アルバム内には、モロに「Pet Sounds」的なインスト・ナンバーもあったりして、より彼らのことが大好きになってしまいました。森 陽馬

2005年1月6日(木)アンドリュー・オールダム・オーケストラ
                  「ブルー・ターンズ・トゥ・グレイ」

 まちがって買ったものが、意外と気に入ってしまったりすることがあるもの。

 1960年代半ば、ローリング・ストーンズのベスト盤を人に頼んだら、なんと手元にきたのがこのインスト集。最初はちょっとがっかり…、しかし少しして愛聴盤となりました。

 アンドリュー・オールダムは当時ストーンズのマネージャーだった人。
 ビーチ・ボーイズとフィル・スペクターをこよなく愛した彼は、ジャック・ニッチェの『ロンリー・サーファー』に触発され、こんな素敵なアルバムを残してくれた。当時のイギリスの優秀なスタジオ・ミュージシャンの腕がいかんなく発揮されている。

 ちなみにこの曲は、クリフ・リチャードもナイス・カヴァー。 森 勉

2005年1月7日(金) Sam Kininger 「Pieces」

 2004年は質の高いJazzの新作&リイシューものが色々と発売されましたが、私自身一番よく聴いたJazzアルバムはダントツでこの1枚でした。

 新世代Jazz Funk グループの雄、“ソウライヴ”のSax奏者として知られるサム・キニンジャーの初ソロ作。

 とにかくアルバム全体を通して、激Funkyナンバーが連発! 
 メイシオ直系の彼のブロウももちろん素晴らしいのですが、JB'sのフレッド・ウェズリー(tb)、ソウライヴのニール・エヴァンス(key)らゲスト陣のプレイもお見事の一語。

 特にこの曲で聴かせるエリック・クラズノー(g)のギター・プレイは、筆舌に尽くしがたいほどのかっこよさ!

 Jazz Funk愛好者だけに聴かせるには惜しい、全音楽ジャンルのリスナーにおすすめしたい1枚です。森 陽馬

2005年1月8日(土) 平野愛子 「港の見える丘」

 ビクターの戦災復興第一号歌手としてデビューした平野愛子が、昭和22年に発表した昭和歌謡名曲中の名曲で、私も大好きな1曲。
 日本語本来の美しさ・素晴らしさを実感させてくれる東辰三による詞が、何時聴いても心を打ちます。

♪あなたと二人で来た丘は港が見える丘 色褪せた桜ただ一つ 淋しく咲いていた 船の汽笛咽び泣けば チラリホラリと花びら あなたとわたしに降りかかる 春の午後でした♪

 これは一番の歌詞なのですが、二番・三番の歌詞も古き良き日本の情景が目に浮かぶような美しく切ない詞ですので、是非皆さん聴いて確かめてみてくださいね。

 ちなみに横浜港にある“港が見える丘公園”の名前は、この歌が元になっています。森 陽馬

2005年1月9日(日) SLY & THE FAMILY STONE 「Dance To The Music」

 彼らのファースト・ヒットがこの曲。
 
 1968年、ラジオから突然流れてきた曲を聴いて、「なんてカッコイイ曲なんだ!」というのが、第一印象だった。

 聴いただけでは、それがロックなのか、ソウルなのかわからなかったが、今までにない音を感じた。
 ヴォーカリストが入れ替わってリードを取り、途中の♪プンプンププンプン♪からドラムスの連打、♪ダンス・トゥ・ザ・ミュージック♪のコーラス、と曲の構成が単純でないところも時代としては食いつきやすかった。 その後、スライという人がリーダーで、そのいとこであるラリー・グラハムが低音の声とベースを担当ということがわかった。

 「エヴリデイ・ピープル」、「ファミリー・アフェア」もいいが、僕にとってはこの曲がベスト。 森 勉

2005年1月10日(月) Jim Croce 「Photographs And Memories」

 音楽がお好きな方なら誰にでも“ルーツ”となる音楽があると思います。
 私の場合は、それが“70年代のシンガーソングライター”なのですが、ある意味それは必然だったのかも、と最近思っています。
 それというのも、私が生まれる時の母の胎教音楽がジム・クロウチだった、というのを結構最近知ったからです。

1972〜73年にかけて活躍したこのジム・クロウチは、73年9月に不慮の飛行機事故で死亡。その死後、くしくも「タイム・イン・ア・ボトル」などが大ヒットを記録しましたが、ちょうどその翌年74年に私は生まれたので、知らず知らずのうちにそれらの曲を母のおなかの中で聴いていたのかもしれませんね。

 実は自分自身ジム・クロウチを意識して聴くようになったのは、かなり遅くて高校3年生ごろだったのですが、その当時、不思議と郷愁をおぼえるそのメロディーと歌声に感動したのを、今でも写真のように鮮明に記憶しています。森 陽馬

2005年1月11日(火) スピッツ 「ありふれた人生」

 “ポップス”という言葉はもう死語に近いのかもしれない、と思えるほど、HIP HOP全盛のここ最近、“ポップス”と表現できるような曲が減ってきたような気がします。
 でもこれはHIP HOP以外の普通のJ-POPSや洋楽ROCKに対しても同様のことがいえるようで、日々変化していく音楽業界上、致し方ないことなのかもしれません。

 それが決して悪い、というわけではないのですが、しかしながら、その“ポップであり続ける”ということの重要さを、作り手も聴き手も最近軽視しすぎのような気がしてなりません。

 そんなことを考えているときに届けられたスピッツの新作アルバムは、本当にポップな曲が満載で、そのような親しみやすいポップスの中にも実験的な試みも行なわれていて、素晴らしい内容でした。

 “ポップであり続けること”は、簡単なようで実は大変難しいことだと思うのですが、サザンオールスターズ同様、このスピッツも末永く“ポップ”でいてほしいバンドであります。 森 陽馬

1月12日(水) スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ 「モア・ラヴ」

 1966年まではミラクルズ名義で作品を発表していたが、1967年からはスモーキー・ロビンソンを名実ともに前面に押し出すことになった。

 1967年全米23位のヒットで、イントロのベース・ギターとスモーキーの声がブレンドされる所からもうノックアウトされてしまう。

 当時のレコードのライナーノーツか雑誌の記事か忘れたが、「スモーキー・ロビンソンのファルセットが…」という表現で初めて、ファルセットが裏声を使ってのヴォーカル・スタイルであることを知った記憶が残っている。

 それからというもの、デルフォニックス、スタイリスティックス、モーメンツなど裏声スウィート・ソウルの虜に。 森 勉

1月13日(木) マーサ&ヴァンデラス 「ジミー・マック」

 昨日に続きモータウンをもう一丁。

 彼女達は「カム&ゲット・ジーズ・メモリーズ」、「ヒート・ウェイヴ」、「ダンシング・イン・ザ・ストリート」などヒット曲が多いのですが、1967年のこの曲を。シュプリームスとどこが違うの?…と思ってしまう曲ですが、いいのですっ、これで。
 
 彼女達は1968年2月にスティーヴィー・ワンダーとともに来日、印象深いステージを見せてくれました。

 本当はモータウン・パッケージ・ショーということで、メインにテンプテーションズも来日が予定されていたのですが、寸前で来日中止。チケットは全額払い戻しなのに、スティーヴィーとマーサたちのステージはタダで見れたという主催者のイキなはからいがありました。森 勉

2005年1月14日(金) Blossom Dearie 「Feelin' Groovy」

 1950年代から現在まで変わらず、そのキュートなヴォーカルで僕らを夢見心地にさせてくれる女性Jazzヴォーカリスト、ブロッサム・ディアリーの1970年代の作品『1975』より、とびきり素敵なサイモン&ガーファンクルのカヴァーを。

 彼女の作品が語られるときは、どうしても彼女のその歌声ばかりに話題が行きがちですが、彼女のピアノ、バックの演奏も、心にやさしく語りかけてくるような演奏ですので、じっくり聴きこんでみてくださいね。

 ちなみにこのCDを出しているceleste(セレスト)というレーベルは、他の作品も内容の良いアルバムが多く、ライナーノーツなどもしっかりしていて、なおかつジャケット、ブックレットの装丁も素晴らしいので、オススメのレーベルです。森 陽馬

2005年1月15日(土)東京ローカル・ホンク(元うずまき) 「心の行進」

 数々の名物イヴェントを行なってきたペット・サウンズ・レコード店4階での、本日の東京ローカル・ホンクのライヴ!

 これでこの世に未練はありません 
    ―くらいの想いです。

 メンバーの木下さん、田中さん、井上さん、荒井さん、そしてスタッフの今村さん、石塚さん、他皆様、本当にありがとう!

 新店舗に移っても、またやりましょう。  森 勉

2005年1月16日(日) ヘンリー・マンシーニ楽団とコーラス 「スイートハート・トリー」 ≪映画『グレート・レース』のサントラより≫

 1965年制作、ブレイク・エドワーズ監督のドタバタ・コメディー映画『グレイト・レース』の中で使われたヘンリー・マンシーニ作曲の隠れた名曲。

 マンシーニの有名曲といえば、映画『ティファニーに朝食を』の「ムーン・リヴァー」がまず思い浮かびますが、それに勝るとも劣らない曲だと思います。

 映画の中では、何度もパターンをかえて流れます。その中では、後半、主演のナタリー・ウッドがトニー・カーティスに対して気持ちを伝えるために歌うシーンで流れるこのヴァージョンが印象的でした。サントラ盤には、コーラス隊にオーケストラが加わったものが収録。

 音楽もいいのですが、映画も個人的にはコメディーの最高傑作だと思っています。ジャック・レモンの二役の名演は、この映画を見た当時中学2年生の僕に、新しい映画の楽しみ方を教えてくれました。 森 勉

(現在、この商品は店頭にないのですが、ペット・サウンズ感謝祭Finalにてご紹介した、“森 勉が選んだ5曲”のコーナーにて取り上げたものを掲載いたしました。)

2005年1月17日(月) Howdy Moon 「Nora Lee」

 ローラ・ニーロ似の美しいヴォーカルが魅力の女性シンガー、ヴァレリー・カーターが在籍していたことで知られるバンド、ハウディ・ムーン74年発表唯一のアルバム。

 地味な作品ではありますが、シンガーソングライター・ファンには長年愛されてきている味わい深い1枚で、この曲は、フィフス・アヴェニュー・バンドのジョン・リンドがメイン・ヴォーカル、ヴァレリーのコーラスがやさしく心のドアをノックしてくれます。

 ちなみに、このアルバム全体は一聴するとシンプルなサウンドに感じますが、プロデュースは、リトル・フィートのローウェル・ジョージ(スライド・ギターやコーラスでも参加)。チャック・レイニー、ウィルトン・フェルダー、ビル・ペイン、ヴァン・ダイク・パークスも他の曲などで参加しており、目立たないものの、ヴァレリーの美声を引き立たせるバックの演奏も聴き込むほどに沁みてきます。森 陽馬

2005年1月18日(火) 山下達郎 「マイダス・タッチ」

 山下達郎待望の新曲は、わがペット・サウンズ・レコード店の現在地での最後を飾ってくれる曲となりました。

 1曲目のバラード「フォー・エヴァー・マイン」も素敵な曲ですが、今日は2曲目の「マイダス・タッチ」の話題で。イントロの達郎特許カッティング・ギターにまず耳がくぎ付け。いい音してます。次のライヴ・ツアーでは是非、演って欲しい1曲に加わりました。

 このタイトル、前にどこかで耳にしたようなと思っていたら、昔よく聴いたヒット曲の中の一節にあったものでした。
 ギリシャ神話に出てくる手にふれるものはすべて黄金に変えてしまうという王の名前ーマイダス。シャーリー・バッシーが歌った1965年の大ヒット、007映画「ゴールドフィンガー」の主題歌に出てきてました。 森 勉

2005年1月19日(水) Eddie Roberts 「Roughneck」

 現在、最も脂の乗っている新世代Jazz Funkグループといえば、USの代表格がSouliveなら、UKの代表格はなんといってもNew Mastersoundsでしょう。

 著名なFunk DJであり、また大のFunkコレクターでもあるケブ・ダージの後押しでデビューした彼らの1stアルバム(輸入盤のみ)は今でもロングセラーを続けていますが、そのNew Mastersoundsのリーダー兼ギタリスト、エディー・ロバーツのソロ・アルバムが昨年発売になりました。

 そのアルバムの一曲目を飾るこの「ラフネック」は、“えっ?!これなに?”と思わせるような、鳥肌がたつほど最高にクールなFunky&Jazzyなインスト・ナンバー。

 Soul/Funkファンにもオススメですが、むしろJazzファンや、Club Musicファンにこそ聴いてもらいたい1枚です。森 陽馬

2005年1月20日(木) Dire Straits 「Sultans of Swing」

 名ギタリスト、マーク・ノップラーが在籍していたことでも有名なイギリス・ロンドン出身のロック・バンド、ダイアー・ストレイツの1978年発表デビュー・アルバムに収録されていた大ヒット・ナンバー(邦題「悲しきサルタン」)。

 叙情的かつ特徴的なマーク・ノップラーのギターの音色は何時聴いてもゴキゲンですね。
 昨年発売された元CCRのジョン・フォガティ、久々の新作を、以前店内でクレジットも見ずに聴いていたら、そのゴキゲンな音色のギターのフレーズがポロポロリン♪と・・・。「あれ? マーク・ノップラーのギターに似ているなあ」と思っていたら、なんてことはない、マーク本人がその曲に参加してギターを弾いていたのでした。

 ニール・ヤングやエリック・クラプトンなども特徴的なギターの音色ですが、そのようなことからも、彼のギターは、聴いてすぐ彼のそれ、とわかるくらい独特な響きがありますよね。

 ダイアー・ストレイツは各アルバムも是非、デジタル・リマスター&ボーナストラック入りで国内再発してもらいたいものです。森 陽馬

2005年1月21日(金) デレク・アンド・ドミノス 「恋は悲しきもの」

 エリック・クラプトンが在籍、大名曲「いとしのレイラ」が収録されていることでも有名なデレク・アンド・ドミノスの70年発表アルバムに収録されているエリック・クラプトンとボビー・ウィットロックの共作ナンバー(原題はWhy Does Love Got To Be So Sad ?」)。

 僕自身は「いとしのレイラ」よりも大好きな曲で、この曲のフィルモアでのライヴ・ヴァージョン(約14分!)も、クラプトンのギター・ソロもさることながら、ボビー・ウィットロックのキーボードが、曲全体を高揚感ある雰囲気に包んでいて、何時聴いても鳥肌もの!ですね。

 ちなみに、この曲(オリジナルVer)の中間部分の間奏で、2本のギター・ソロがクロスするところがあり、これが、<エリック・クラプトンとデュアン・オールマンによるツイン・ギター>という説と、<エリック・クラプトン1人によるギターのオーバー・ダビング>という説の2種あるそうなのですが、私の不勉強で、どちらが本当なのかまだ知りません。

ご存知の方がいらっしゃいましたら、是非教えてください。森 陽馬

2005年1月22日(土) バリー・ライアン 「エロイーズ」

 ドラマティック・ポップス―なんていうジャンルがあるとすれば、リチャード・ハリスの「マッカーサー・パーク」とこのバリー・ライアンの「エロイーズ」は、その代表曲と言えるだろう。

 あのダムドがカヴァー・ヒットを出したことでも知られるこの曲は、1968年イギリスで大ヒットを記録。日本でもちょっとした洋楽マニアの間では話題になった。曲は双子の兄にあたるポール・ライアン作品。

 このCDは、バリーのソロとともに65年〜68年、デュオとして活動していたポール&バリー・ライアンの音源も収録された2枚組。
デュオ作品としては、「ハヴ・ピティ・オン・ザ・ボーイ」、バリー・マン作品「アイ・ラヴ・ハウ・ユー・ラヴ・ミー」が推薦曲。森 勉

2005年1月23日(日) ダニー・ハサウェイ 「Little Ghetto Boy」

 カートム・レーベル、スタックスなどでレコード制作の裏方として活動した後、アトランティック・レーベルから1970年に1stアルバムを発表。その後、71年にはロバータ・フラックとのデュエット「きみの友だち」がヒットを記録し、ソウル・ミュージック・シーンで注目される存在となった彼が、72年に発表したジャンルを超越する屈指のライヴ名盤アルバム『ライヴ』。
 それらのライヴ音源に、更に、未発表ライヴ音源6曲が収録された1枚も昨年発売になりました。

 コーネル・デュプリー(g)、ウィリー・ウィークス(b)等豪華バックメンツの演奏とダニーのその息づかいが伝わってくる臨場感が最高! 個人的に、“タイム・スリップして見たいライヴ BEST 5”の中のひとつです。

 79年に自殺にて他界してしまった彼ですが、もし彼が生きていたら、現在のこの混乱の世の中、どんな活動をしていたのでしょうか。 森 陽馬

2005年1月24日(月)George Harrison 「Love Comes To Everyone」

 このコラムも1ヶ月が過ぎたのに、この人がまだ登場していなかったんですね。
ジョージ、スマン。

ということで、わが最愛のビートル、1979年発表『慈愛の輝き』1曲目のこの曲。ジョージ&エリック・クラプトンのギターに、スティーヴ・ウィンウッドのシンセが絡み、アンディー・ニューマークとウィリー・ウィークスが絶妙なリズムを刻む名曲。

 この当時、勤めていたレコード店で、新譜として出たこの盤を毎日のように店内演奏していたら、同僚に言われてしまいました。 

― 「また聴くの〜? すきだねぇ〜」 ―
違うんですヨ。もちろん好きだったけど、自分で聴くためでなく、この良さをお客さんに知ってもらいたかったんです。本当にいい曲なんだから。 森 

2005年1月25日(火) Red Hot Chilli Peppers 「Brandy」

 2004年6月、ロンドンのハイドパークにて3日間計30万人以上を集めて行なったコンサートの音源を収録した2枚組ライヴ盤『Live In Hyde Park』より、パワー・ポップ・ファン狂喜!?のルッキング・グラスのカバー曲。

 その人気は留まるところをしらず、“モンスター・バンド”的な雰囲気になってきた“レッチリ”ではありますが、大・大・大観衆を前にして、こんなマニア泣かせの超ポップ・ナンバーのカヴァーを、自分達のヒット曲&人気曲に混じってやっちゃうところに、彼らは真に音楽好きなんだなあ、と感心させられるのです。

 ちなみに約3年前に大ヒットしたナンバー「By The Way」のシングル盤のカップリングには、なんとオールディーズ・ファンにはおなじみ!Dion & The Belmonts の「Teenager In Love」を、お世辞にも美しいコーラスとはいえないものの、微笑ましいゴキゲンな4人のコーラスを重ねて、オリジナルに忠実にカヴァーしてたりもして、改めて彼らのルーツの深さを知り、より彼らを好きになってしまいました。 森 陽馬

2005年1月26日(水) シャドウズ 「サンダーバードのテーマ」

 イギリス制作のテレビ番組「サンダーバード」は日本でもおなじみのSF人形劇だ。特撮CGなどが当たり前の世の中になってしまったが、人間の手で操られる人形の活躍は、なんとも微笑ましい愛すべきキャラクターだ。

 この曲は本国では1966年末に公開された映画版のため録音されたもので、このCDにはボーナス曲として収録。
バリー・グレイ作曲のテーマ曲をなんと、シャドウズはやらない、と皆思っていた“テケテケテケ”を用いて演奏。

 ハンク、ブルース、ブライアン、ジョンの4人のアンサンブルの妙というかチームワークのグルーヴ感というか、素晴らしい出来に仕上がっている。 森 勉

2005年1月27日(木) ビートルズ「ロング・アンド・ワインディング・ロード」

 映画『レット・イット・ビー』は、有楽町のスバル座で観た記憶がある。そう、ビートルズの映画はいつも銀座周辺で観ることが多かった。
(『ア・ハード・デイズ・ナイト』は東銀座の松竹セントラル、『ヘルプ』は日比谷の有楽座だった。行けば最低でも2回は観ることが多く、ビデオがない時代はそうやって記憶に留め、楽しんでいた。)

 さて、ポール・マッカートニーが作ったこの曲は映画でも印象深い曲だったが、レコードで出たヴァージョンはより素晴らしい出来ばえになっていた。
 ポール自身は気に入っていなかったと言われているが、フィル・スペクターが加えたストリングスは、僕にとってはこれがなければ…と思ってしまうほどのものになっている。

 『〜ネイキッド』より、やはり、このオリジナル『レット・イット・ビー』の方が長く聴いてきたこともあり、しっくりきてしまう。 森 勉

2005年1月28日(金) 佐藤竹善 「木蓮の涙」

シング・ライク・トーキングのヴォーカリスト、佐藤竹善のカヴァー・アルバム・シリーズ第3弾『CORNERSTONES 3』より、シングル・カットもされたこの1曲を。

 原曲は名シンガー根本要を擁するスターダスト・レヴュー1993年の人気ナンバー。
この原曲が素晴らしいだけにカヴァーは困難かと思っていましたが、佐藤竹善&コブクロの2人、計3人による歌声のアンサンブルが、切ないメロディーに見事フィットしていて、昨年末の発売以来、すっかり店内でヘヴィー・ローテーションです。

 ちなみにこのアルバムでは、山下達郎「ゲット・バック・イン・ラヴ」のカヴァーも収録。ブックレット内、この曲のクレジットでギター奏者の部分のみが、なぜか名前が書いておらず、「・・・」となっていて・・・。やはりあの人が弾いているのでしょうか? 森 陽馬

2005年1月29日(土) ママス&パパス 「私の小さな夢」

 ジョン・フィリップス、キャス・エリオット、デニー・ドハーティー、ミッシェル・フィリップスの4人からなるママス&パパス。
ハッとするような美貌のミッシェルに比べ、ちょっと?ぽっちゃりキャス・エリオットことママキャス(ウィズ・ママス&パパス)名義でシングル発売され、1968年に全米12位のヒットとなったナンバー。(原題「Dream A Little Dream of you」)
 
 もともとは1930年代からあるスタンダード・ナンバーのカヴァーで、素敵な歌詞とメロディーに何時聴いても心和ませられます。ママス&パパス以外にも多くの人達のカヴァーがあり、エラ&ルイ、ナット・キング・コールなどもいい感じ♪ですが、ドリームズヴィル・レコードより発売されているCDに収録のMFQヴァージョンもNice!

  明日はブライアン・ウィルソンの来日公演。
 これを聴きながらぐっすり眠り、“素敵な夢”を見て、明日に備えることにしましょう。 森 陽馬

2005年1月30日(日) ビーチ・ボーイズ(ブライアン・ウィルソン) 「サーファー・ガール」

 ブライアン・ウィルソン『スマイル・ツアー』、1月30日中野サンプラザ公演。
白くなる息をはずませ会場に到着、席に座ってもまだコンサートが始まるという実感がわかなかった僕は、この曲イントロのコーラスを聴いた瞬間、思わず息を呑んだ。

 たった2分たらずのナンバー。
 ブライアン・ウィルソン本人曰く“僕が書いた最初の曲”・・・。
約2時間半の“夢”が1963年発表のこの曲から始まったのだ。

♪ リトル・サーファー 可愛い君 僕の心を開いてくれた ♪

♪ 心から君に約束しよう 君の夢を叶えてあげると ♪

 希望と絶望、夢と失落、太陽と嵐をもがくようにくぐりぬけてきた62歳のブライアン・ウィルソンによって歌われる「サーファー・ガール」約120秒に、“ポップ・ミュージックのすべて”が込められていると今日やっと気づかされた。


そのイノセントな輝きは、やさしくて、とても暖かいものだった。  森 陽

(来日公演セット・リストはこちら

2005年1月31日(月)ブライアン・ウィルソン「グッド・ヴァイブレーションズ」

 本日をもちまして、現在の場所での営業は終了となりました。
約24年間、長い間のご愛顧、誠にありがとうございました。

 一時閉店となりますが、“これで終わり”、ではなく、“これを始まり”として、また新たな気持ちで、お客様が“スマイル”できるような“街のCD店”を守り続けていく所存です。

 ラスト営業だった本日、お客様皆様方の“スマイル”、そしてブライアンの“スマイル”を見ることができて、本当に幸せでした。
 
 またとびきりの“スマイル”でお会いいたしましょう。 森 勉、 森 陽馬



 <こちらの“今日の1曲”コーナーは、一時閉店中も続行いたします。
その日に私たちが聴いた曲をピックアップして、ご紹介していきますので、お楽しみに!(変な曲ばっかりだったら、ゴメンナサイ。)>

ブライアン・ウィルソン1月31日東京国際フォーラム公演のセット・リストはこちら



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