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 今日のこの1曲コーナー

ペット・サウンズ・レコード店にて、その日に店内でかけていた曲の中から
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”をご紹介いたします。

以前こちらで掲載した“今日のこの1曲”は“今日のこの1曲 アーカイヴス”コーナーにてご覧になれます。

◆こちらでご紹介している商品もご注文いただけます◆

くわしくは通販コーナー、もしくは直接こちらまでご連絡くださいませ。
(廃盤・生産中止になっている商品もございますので、その際はご了承くださいませ)



2025年6月30日(月) ライチャス・ブラザーズ 「ジャスト・ワンス・イン・マイ・ライフ」

ライチャス・ブラザーズのレコードを初めて買ったのは、日本のキング・レコードが出したベスト盤でした。

1960年代中頃のことです。
日本ではフィル・スペクター関連のレコードは、キング・レコードから発売されていたんですね。

日本でライチャス・ブラザーズの名前は、洋楽ファンの間では当時から知られていましたが、一般の人々(ここでは普段洋楽をあまり聴かない方々という意味)には、未知の存在だったと思います。
それがそうでもなくなった、1980~1990年代にかけてでした。

まず、1986年の映画『トップガン』。
ライチャス・ブラザーズの「ふられた気持」が劇中歌として使われていました。
当初、映画のサントラ盤には収録されていなかったので、店に問い合わせがかなりあったことを憶えています。
「映画の後半、ジュークボックスでかかる曲は?」
ライチャス・ブラザーズの曲に注目してくれる人々がいることがうれしかったですね。

それから、1990年の映画『ゴースト』。
こちらは主題歌のようなかたちで、彼らの「アンチェインド・メロディー」が使われ大ヒットしました。
オリコンにもチャートイン!

今日はそんなライチャス・ブラザーズの曲を、日本ではあまり知られていませんが、キャロル・キング&ジェリー・ゴフィンが書いた名曲の「ジャスト・ワンス・イン・マイ・ライフ」を。森勉

★掲載ジャケットは、ライチャス・ブラザーズ『ベスト~アンチェインド・メロディー』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 全24曲収録 UICY-80024 2,305円税込)


2025年6月29日(日) The Swell Season 「People We Used To Be」

『はじまりのうた』、『シング・ストリート 未来へのうた』など音楽映画の名作を送り出してきたジョン・カーニー監督の出世作『ONCE ダブリンの街角で』。
日本でも2007年に公開されサントラ共に世界的に大ヒットしました。

その映画で主演を務めたグレン・ハンサードとマルケタ・イルグロヴァによる男女デュオ、スウェル・シーズンが16年ぶりの新作をリリースしました。

The Swell Season『Forward』
(輸入CD MASTSS01CD / 輸入カラーLPもあり)

『ONCE~』はダブリンの街を舞台に出会った男女が音楽で心を通わせていく切ないラヴ・ストーリー。
実生活でも恋仲だった2人は、その後その関係もミュージシャンとしてのコンビも解消してしまいますが、最新作では再び音楽活動を共にする喜びや、お互いへの想いが詞や歌声に溢れているなと感じます。

「昔の私たちがどれだけ恋しいか もう元に戻れないことはわかっているけれど(中略) 僕たちが懸命に築き上げてくた炎をさらに高くしようと望むなら きっとそうなるだろう」
マルケタの歌とピアノで訥々と始まる熱を帯びていく叙情的な「People We Used To Be」を今日の1曲に。

なお、ジョン・カーニー監督の人気作『はじまりのうた』が、日本公開10周年を記念して現在限定リバイバル上映中♪
『ONCE ダブリンの街角』は日本最終上映となるそうで、7月11日から劇場公開が予定されています。東尾沙紀


2025年6月28日(土) モーニングコールズ 「列車」

祝!雷音レコード設立10周年!(2025年で11周年!)

レコスケくんでお馴染みのイラストレーター/漫画家、本秀康さんが主宰しているアナログにこだわったレーベル、雷音レコードが2014年の第1回発売から、2025年で11周年を迎えました。
今までリリースしたラインナップを見ると、本さんは本当に先見の明がありますよね。

さて、今日紹介するモーニングコールズは、木村サスケと田中セージによる20代前半男性二人ユニット。
2024年末に配信リリースした彼らのデビュー曲が、雷音レコード10周年記念盤として7インチ・レコードで出ました。

モーニングコールズ『列車/猫の調子』
(国内7inch RHION-38 1,760円税込)

<喫茶ロック>コンピに入っていても違和感がないような懐かしいサウンド♪
「列車」はnever young beach等をお好きな方にもオススメしたい名曲です。

なお、雷音レコードからは、水中カメラ、マイティマウンテンズの7インチ2種が7月23日発売予定。
10周年を過ぎた今年は、たくさんのアイテムが出るそうです!楽しみですね。森陽馬


2025年6月27日(金) ロバート・ランドルフ 「Big Woman」

<ペダル・スティール界のジミ・ヘンドリックス>!?
ロバート・ランドルフは1977年ニュージャージー州出身、幼い時から教会でペダル・スティールを駆使しゴスペルを演奏してきた黒人ペダル・スティール奏者。2003年12月新宿リキッド・ルーム初来日公演の衝撃は強く記憶に残っています。

彼の2019年作以来となる新作アルバム『Precher Kids』が本日発売されました。

Robert Randolph『Precher Kids』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICX-30240 2,860円税込)

ゴスペル・ルーツを感じさせる前作『Brighter Days』(2019)から一転。
豪放なペダル・スティールが爆発しているかっこいい1枚!
エルヴィス・プレスリーで有名なサン・レコードからで、CDレーベル面もあの“SUN”ロゴなのがうれしいですね。

プロデュースはShooter Jennings(Waylon Jenningsの息子)が手掛けており、サザン・ロック風味も加わった、全体的に活気に溢れたサウンドの仕上がりです。

今日のこの1曲は、曲が進むにつれて熱を増していくペダル・スティールが聴きもの!①「Big Woman」。
なお、ロバート・ランドルフは2025年7月27日フジロック・フェス出演決定!
フィールド・オブ・ヘヴンは盛り上がるでしょうね。森陽馬



2025年6月26日(木) Peter Gallway&佐橋佳幸 「English Football At The Prince Hotel」

ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸 "EN" Japan Tour 2025 ビルボードライヴ東京公演を観てきました。

たくさんの"EN"(縁)が繋がり発売された共作アルバム『EN』(
2025年4月23日今日のこの1曲紹介)でバックを務めていた小原礼、屋敷豪太、Dr.Kyon、山本拓夫に、スペシャル・ゲストとして松たか子&大貫妙子も参加。
ピーターと佐橋さん自身も「夢のような」と語る素晴らしいコンサートでした。

アルバム『EN』の楽曲をピーターが丁寧に解説してから披露してくれたことに加え、彼が1966年にStrangersという名義で一番最初にレコーディングした楽曲「Land Of Music」や、フィフス・アヴェニュー・バンド「Good Lady Of Tronto」、ローラ・ニーロ作「Save The Country」もうれしい選曲でしたね。

今年78才を迎えながらも活気に満ちたピーターの歌声、佐橋さんの優しい人柄が伝わってくる温もりに溢れたギターに、心が浄化されるような気持ちになりました。

そして、ステージ上でのピーターの笑顔は、人との繋がりの大事さを教えてくれると共に、彼の音楽を聴くときには必ず思い出すであろう、感慨深いものでした。森陽馬

★ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸『EN』
(国内CD 初回生産分のみA3ポスター&ステッカー封入 VSCD-3245 4,000円税込)


2025年6月25日(水) サーフコースターズ 「エボシ・ロック」

「夏だ!エレキだ!サーフィンだ!」
エレキ60周年記念で、ゴキゲンなエレキものCDがいろいろ発売になりました。

1965年ベンチャーズの来日公演をキッカケに、日本中にエレキ・ギター・ブームが爆発。
それから60周年ということで、【ニュー・エレキ・ダイナミカ】が中心となり、ウルトラヴァイヴ・レーベルからチャレンジャーズ絡みが9種、ボー・ブラメルズ2種、コンピレーションが1種の全11種が発売になりました。

特典として、【ニュー・エレキ・ダイナミカ】編集による16ページ・ブックレット(佐々木雄三氏、エディ・ウガタ氏、宮治淳一氏が執筆)を先着で差し上げております。


今日はコンピものから1曲。
V.A.『バンザイ・エレキ・ロック:ニュー・エレキ・ダイナミカ2025』
(国内CD CDSOL-3165 2,640円税込)

全29曲収録のラストには、サーフコースターズの新録音源「エボシ・ロック」も収録。
桑田佳祐の近年のバンドにも参加している中重雄の絶品エレキを御堪能あれ。森勉


2025年6月24日(火) 山下達郎 「DARLIN'」

山下達郎デビュー50周年を記念してのムーン・レーベル時代のアナログ再発第2弾は『BIG WAVE』です。

1984年に発表されたこのアルバムは全曲英語詞による作品で、A面は山下達郎のオリジナル、B面はビーチ・ボーイズのカヴァーを中心に、ブライアン・ウィルソン作品などを山下達郎がヴォーカル、コーラスはもちろん、ドラムス、ギター、キーボードなどを一人多重録音した楽曲が収められています。

ムーン・レコード移籍後のシングルB面には、「DARLIN'」、「Please Let Me Wonder」と、アマチュア時代に作った『Add Some Music To Your Day』を思い出したかのように、ビーチ・ボーイズのカヴァーをしていたことが、この『BIG WAVE』に繋がったのですね。

「Girls On The Beach」、「Please Let Me Wonder」、「DARLIN'」と続くB面は、山下達郎のビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソンに対するたくさんの愛情と敬意が溢れ出ていると感じます。

今日の1曲は「DARLIN'」。
この曲には、ブライアン・ウィルソンが1964年シャロン・マリーに書いた「Thinkin' 'bout You Baby」という原曲があります。
山下達郎ヴァージョンの「DARLIN'」は、「Thinkin' 'bout You Baby」を合体させたもので、アイディアも素晴らしいしその出来栄えも抜群。
ビーチ・ボーイズ・ファンを唸らせたこんなこと、山下達郎にしかできないでしょうね。森勉

★山下達郎『BIG WAVE』
(国内LP 山下達郎による詳細なライナーノーツ付 WPJL-10259 4,400円税込)
(カセット・テープ WPTL-10008 3,410円税込)


2025年6月23日(月) 寺尾紗穂 「あらぐれ」 feat.折坂悠太

2025年6月21日に行われた寺尾紗穂さんの草月ホール公演へ行ってきました。

前半は「楕円の夢」「魔法みたいに」等人気曲を中心にピアノ弾き語り。
後半は6月25日発売『わたしの好きな労働歌』の楽曲を、録音に参加したメンバーを加え次々と披露。
(出演:あだち麗三郎、伊賀航、歌島昌智、やぶくみこ、近藤達郎、音無史哉、小林うてな、折坂悠太)
これが素晴らしいセッションでしたね。

労働歌というと、昭和以前に各地で歌われてきた民謡的なイメージで、とっつきにくい印象がありました。
しかし、寺尾紗穂を中心とした<労働歌バンド>の演奏・アレンジは、音楽の醍醐味を感じさせてくれました。

今日のこの1曲は、アルバム中でも強烈な迫力を感じさせる「あらぐれ」を。

岩手の和賀郡和賀町山口に伝わる歌。紗穂さんは楽譜を見た時点で、これは折坂さんの声だ、と思ったそう。
たしかに、折坂さんのオリジナル曲のようにピッタリ合っていて、ライヴでもかっこよかったのですが、折坂さんのダイナミックな歌声以上に、紗穂さんの人の心を動かす”ロック”な歌と姿勢に圧倒されました。

更に、アンコールに出てきた時のMCで、ある政党の駅前街宣に触れはっきりと不快の意を示し、「分断や排除を越えて、人と人は繋がらないといけない」と語ったメッセージにも感動しました。森陽馬


★<2025年6月25日発売> 寺尾紗穂『わたしの好きな労働歌』
(国内CD 書き下ろしエッセイ+当店作成リーフレット付 KHGCD-005 3,300円税込)

★寺尾紗穂『わたしの好きな労働歌』の発売を記念して、インタビューリーフレットを作成いたしました。
歌詞カードにも曲解説が記載されていますが、リーフレットをご覧いただければ、より本作を楽しめると思います。
寺尾紗穂さん書き下ろしエッセイ『歌の生まれた場所で考える』と合わせて、よろしければお楽しみください。


2025年6月22日(日) 忌野清志郎 「baby何もかも」

「俺がデビューした頃、ベトナム戦争とかやっていたけれど、いまだに戦争なんてやっているんだよ。この世の中は。俺はよ!そんな35年間、ベイビー!とかイエー!とかずっと言ってきたんだ! ザマーみやがれ!<中略> そんなお前らにここで一つだけ聴きたいことがある。ひとつだけ。“愛し合ってるかーーーい!”」
(2005年7月29日 FUJI ROCK FESTIVAL ホワイト・ステージ 忌野清志郎のMCより)

米軍がイランの核施設を攻撃した、というニュースが報じられた今朝。
2005年フジロックのステージで、忌野清志郎が放った言葉を思い出した。

あれから、約20年経ったが、相変わらず戦争は行われている。そして、分断も進んでいる。
でも、愛し合うことを忘れてはいけないのだ。

今日のこの1曲は、忌野清志郎「baby何もかも」。
コンサートのクライマックスでよく披露され、ジェームス・ブラウンが行っていたマントショーのように、マントをかけられ何度も立ち上がる清志郎のパフォーマンス&後半へ向けてテンポアップしていく展開が最高だった。森陽馬

★掲載ジャケットは、清志郎最後のワンマンライヴとなった2008年3月2日京都会館でのライヴ音源。
忌野清志郎『LAST LIVE at 京都会館2008』
(2025年4月2日発売 国内2枚組CD UPCY-90258 5,500円税込/国内3枚組LP 14,300円税込)
なお、「baby何もかも」オリジナルverは、2003年作『KING』に収録。


2025年6月21日(土) 花想い 「ららら」

''夏の海''をコンセプトにした、日本のギターポップ/ロック・アルバム推薦盤♪

花想い『The Port』
(国内CD 歌詞付 PCD-25478 2,750円税込)

花想いは、鹿児島を拠点に活動している南龍太郎(vo,g)、すいか(b)、ソノマ(g)、ニック(ds)による男性4人組バンド。
2021年の結成以降、配信での楽曲リリースを重ねてきた彼らの1stアルバム『The Port』が発売になりました。

「温泉に浸かりたい~♪」のフレーズがキャッチーなまったりソング「onsen」、女性ヴォーカルをフィーチャーし淡い夏の恋を歌う「サンダル」など、<田舎ポップ>を提唱するバンドらしいのんびりとした雰囲気が漂いながら、演奏やアレンジは洗練されていて骨太な部分も見え隠れして...なかなかクセになるサウンドで気に入っています。

本日は今夏のアンセムになりそうな予感!?
センチメンタルなメロディと、エモーショナルなギター・ソロのギャップにグッときた「ららら」を今日の1曲に。

日常の音を取り込んだ心地良いギターインスト「シグナル」に始まり、そのReprise的ナンバー「Throwback」で締め括られる全8曲入りのアルバムです。東尾沙紀

2025年6月20日(金) Neil Young And The Chrome Hearts 「Thankful」

ニール・ヤングの新作アナログLPが本日入荷しました。

Neil Young And The Chrome Hearts『Talkin To The Trees』
(輸入LP Reprise/Warner 093624835073/輸入CDは6/27予定、国内CDは7/23発売)

<The Chrome Hearts>という新編成バンドを従えての新作オリジナル・アルバムです。
メンバーはまず、スプーナー・オールダム(オルガン)!
今までにも一緒にやってきた盟友ですが、ニールのバンドに再び入るとは意外ながらうれしいですね。

あと、近年のクレイジー・ホースとのツアーでも参加していたマイカ・ネルソン(ギター)。
コーリー・マコーミック(ベース)、アンソニー・ロガーフォ(ドラムス)というバック・メンツ。
リック・ルービンが所有しているShangri La Studioでの録音です。

プロデューサーの名義に、ルー・アドラーの名前が入っているのも注目!
(ルー・アドラーの現妻ペイジ・ハンナは、ニールの現妻ダリル・ハンナの妹にあたる関係だからかも)

さて、気になる内容は、先行シングル「Big Change」(
2025年1月27日今日のこの1曲で紹介)がラウドなロックだったので、アルバム全体的にもロックな感じかな、と思いきや、アコースティックな楽曲も多く入っていて、それが味わい深くてよかったですね。

今日のこの1曲は、B面ラスト5曲目「Thankful」を。
タイトル曲含め、『ハーヴェスト・ムーン』頃の雰囲気があって沁みるナンバーです。森陽馬


2025年6月19日(木) Julia Mestre 「Maravilhosamente Bem」

ブラジルの新世代シティ・ポップ!?

現代ブラジル音楽の注目バンド、Bala Desejo(バーラ・デセージョ)に在籍している女性シンガー・ソングライター、Julia Mestre(ジュリア・メストリ)がソロ3作目となるアルバムを発表しました。

Julia Mestre『Maarvilhosamete Bem』
(国内仕様CD 日本語解説付 UNCD-94 2,750円税込)

ジュリア・メストリは1996年ブラジル/リオ生まれのソングライター。
本作は、80年代ソウル/ディスコ・サウンドを基に制作されたアルバム(歌詞は全編ポルトガル語)ですが、シティ・ポップ的なグルーヴ+哀愁漂うメロウな雰囲気も感じさせる1枚です。

今日のこの1曲は、1曲目「Maravilhosamente Bem」を。
一十三十一「Like A First Kiss」(
2025年4月13日今日のこの1曲で紹介)と繋がっているようなキラー・チューン!
躍動感溢れるトラックとドラマチックなアレンジがかっこいい! 森陽馬


2025年6月18日(水) マルコス・ヴァーリ 「ソー・ナイス (サマー・サンバ)」

あたたかい季節になってきました。
こういう陽気になってくると、ボサノヴァを聴きたくなる今日この頃。

いろいろなミュージシャンの作品がまとめて聴けるゴキゲンなオムニバスCDを紹介したいと思います。

『わたしとボサ・ノヴァ』
(国内2枚組CD UCCU-1667 解説・歌詞付 2,750円税込)

全30曲、豊富な音源を持つユニヴァーサル・ミュージックが2年ほど前に編集した2枚組CDです。
アントニオ・カルロス・ジョビン/ジョルジ・ベン/ワルター・ワンダレー/エリス・レジーナ/ミルトン・バナナ・トリオ/アストラッド・ジルベルト/ナラ・レオン/ヴィニシウス・ヂ・モライス/スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト等々収録。
ヴォーカルものとインストものがいい感じのバランスで入っています。

今日の1曲は、マルコス・ヴァーリ「ソー・ナイス (サマー・サンバ)」を。森勉



2025年6月17日(火) AZYMUTH 「Last Summer In Rio」feat.Bluey

今日は、夏が来た!と実感するような猛暑でしたね。
そんな夏の到来を感じた日に、涼しい部屋で聴きたいオススメのアルバムが入荷しました。

アジムス『MARCA PASSO』
(国内仕様CD UNCD-97 2,750円税込/輸入LPもあり)

マルコス・ヴァーリの名曲がバンド名の由来で、デビュー50周年を迎えたアジムスの新作です。

アジムス2016年作『Fenix』(
2016年12月4日今日のこの1曲で紹介)、唯一のオリジナル・メンバーとなったAlex Malheirosの2021年ソロ作『Tempos Futuros』(2023年1月3日今日のこの1曲で紹介)の流れを引き継ぐ、クールでメロウ・グルーヴなサウンドがとても心地良い1枚。

中でも、5曲目「Last Summer In Rio」新ヴァージョンは、極上のブラジリアン・メロウ・フュージョン♪
なお、前作に引き続き本作は、Daniel Maunickがプロデュースを担当していますが、彼はBluey(ブルーイ/インコグニート)の息子で、この「Last Summer In Rio」には父Blueyがギターで参加しています。森陽馬


2025年6月16日(月) Calibro35 「Lunedì Cinema」feat.Marco Castello

<Italian Golden Age Cinematic Sound>を掲げ、2007年から活躍するイタリアのインスト・ジャズ・ファンク/ロック・バンド♪

Calibro35『Exploration』
(輸入CD RECORD KICKS RKX103 / 輸入LPもあり)

<シネマティック・ファンク>と称され、70年代映画音楽のレトロでクールなテイストを盛り込んだサウンドを聴かせるイタリア・ミラノ発のインスト・バンド、Calibro35。
映画劇伴なども多数手掛け、有名アーティストにサンプリングネタに使われるなど世界的な活躍を続けています。

9作目となる2025年発表作『Exploration』でも、<映画>にまつわる曲をいくつか取り上げています。

ロイ・エアーズが音楽を手掛けた70年代アメリカ映画『コフィー』から「Coffy Is The Color」、歪ませたギターのワイルドのアレンジがかっこいい「スパイ大作戦(Mission Impossible)のテーマ」、イタリア映画音楽の作曲家ピエロ・ウミリアーニの楽曲などなど。(他にボブ・ジェームス「Nautilus」、ハービー・ハンコック「Chameleon」のカヴァーも収録されています。)

本日は、本編最後に収録された「Lunedī Cinema」feat.Marco Castelloを今日の1曲に。

オリジナルは80~90年代にイタリアのテレビ局で放送されていた金曜ロードショー的番組『Lunedīfilm』(月曜映画)のテーマ曲。ベテラン・シンガーLucio Dalla作曲のシャレたナンバーを、現代の若きSSWをフィーチャーし、ファンキーにカヴァーしています。

イタリア人の方にとっては昔懐かしい、心象風景の中にある曲のようですが、当時子供たちを怖がらせた曲(+映像)だったとの記述もあります。東尾沙紀


2025年6月15日(日) YMO 「Fire Bird」

高橋幸宏さんがご存命ならば73歳の誕生日であった2025年6月6日に、ワールド・ハピネスのBOXが出ました。

『WORLD HAPPINESS』
(国内4CD+Blu-ray+本 COZB-2177 22,000円税込)

ワールド・ハピネスは、高橋幸宏さんがキュレーターを務め2008年から始まった都市型フェス。
その名演の数々を4CD+ブルーレイに収めた編集盤です。
LPサイズの116ページ・ブックには貴重な写真も充実していて、これを眺めているだけでも心豊かになりますね。

今日のこの1曲は、2011年に披露されたYMO「Fire Bird」を。

東日本大震災が起きた2011年のワールド・ハピネスは、再生の道をテーマに「火の鳥」(手塚治虫)がキービジュアルとして使われました。そこでYMOが新曲を書き下ろし、ライヴで披露したのが「Fire Bird」です。

その後、「Fire Bird」は配信でリリースされましたが、CDやLPでは未収録のまま。
約14年を経て、このワールド・ハピネスBOXにて初CD化となりました。

今は生で観ることができなくなってしまったYMOの名演を、本ブックレットを手に是非聴いてください。森陽馬


2025年6月14日(土) 神野美伽 「旅立つ朝」

2022年7月3日の今日のこの1曲で取り上げた神野美伽の「旅立つ朝(あした)」が、なんとアナログ・7インチ化されました。

もともと、この「旅立つ朝」は、1971年に江利チエミがL.A.録音しシングルとして発売した知る人ぞ知る名曲です。

江利チエミ没後40周年だった2022年に彼女を敬愛する神野美伽が、オリジナルに敬意を表して完コピでカヴァーしたのですが、あまり評判にならずに時は過ぎてしまいました。

そんな経緯がある中、今回のアナログ化です。
うれしいですね。

神野美伽『旅立つ朝』
(雲見レコード 7インチ KUMOMI-004 2,200円税込)
作曲:村井邦彦、作詞:保富康午、編曲:鈴木豪

B面には別ヴァージョンが収められています。森勉


2025年6月13日(金) Van Morrison 「Stretching Out」

ヴァン・モリソンの新作オリジナル・アルバムが本日入荷しました。

ヴァン・モリソン『REMEMBERING NOW』
(国内CD 天辰保文氏による解説・歌詞・対訳付 UICB-1033 3,300円税込)

これが彼の晩年を代表する名盤となるであろう素晴らしい1枚でした。

近年も高いクオリティのアルバムをたくさん出していましたが、本盤はそれを更に越えた傑作!
ヴァン節全開の歌いまわしに、時を経ても色褪せないであろうサウンドと演奏は、聴くほどに味が沁み出てきます。

今日のこの1曲は、9分弱に及ぶラスト14曲目「Stretching Out」を。

Shady Laneでの遠い夏の想い出を、滔々と語るように歌う哀愁のナンバー。
♪君の瞳が、あの遠い夏の記憶を連れてくる。~ 覚えているだろうか?あのShady Laneでのこと♪

純粋な記憶と心を取り戻そうとする切実な想いが伝わってきて、胸が熱くなりました。森陽馬


2025年6月12日(木) Brian Wilson 「Lay Down Burden」

今日はビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソンの曲を1日中ずっと聴いていました。

唯一無二のメロディーメーカーであり、オンリー・ワンのヴォーカリストであったことを再認識しましたね。
ブライアンの歌は、上手い/美しいだけではなく、求心力があって、心の琴線に響く歌声なのです。

今日のこの1曲は、ブライアン・ウィルソン「Lay Down Burden」を。

この曲が収録されたブライアン・ウィルソン1998年発表アルバム『イマジネーション』は本当によく聴きましたね。
発売当時は、AOR風なジョー・トーマスのプロデュース・ワークに批判的な声もありましたが、ポップな楽曲&ブライアンらしいコーラス・ワークに僕はとても癒されました。

「Lay Down Burden」は、1998年2月にガンで逝去した弟カール・ウィルソンへ捧げられたナンバー。
♪You're Always In My Heart. 君はいつも僕の心の中にいるんだ♪ (「Lay Down Burden」歌詞より)

改めて、人生を共に過ごしてくれる歌と音楽をありがとう。ブライアン。
あなたの音楽とその情熱は、僕らの心の中にいつまでも残り続けるでしょう。森陽馬

★掲載ジャケットは、ブライアン・ウィルソン『プレイバック~ザ・ブライアン・ウィルソン・アンソロジー』
(国内CD WPCR-17877 2,420円税込)


2025年6月11日(水) Brian Wilson 「Love And Mercy」

これを書いているのは、6月11日の深夜26時(6月12日2時)。

ブライアン・ウィルソンが亡くなった、という報が入ってきました。

ブライアンを支えてきた奥方メリンダさんが2024年に逝去し、彼も療養中ということはファンの間でも伝わっていました。
2025年6月20日で83歳を迎える予定ながら、リリースや活動が途絶えていたため心配していましたが...。

今はとても悲しく、残念です。

素晴らしい音楽と感動をありがとう!ブライアン。

あなたの愛と慈悲が込められた音楽は、ささやかな日常に温かな陽射しを照らしてくれました。森陽馬


★掲載ジャケットは、ブライアン・ウィルソンによる2021年発表ソロ・ピアノ・アルバム。
ブライアン・ウィルソン『At My Piano』
(国内CD UCCM-1267 2,860円税込)


2025年6月10日(火) Sly & The Family Stone 「Everyday People」

カリフォルニア州の不法移民摘発をめぐる抗議デモに、トランプ政権は州兵を派遣した、というニュースが報道される中、スライ・ストーンが82歳で6月9日に亡くなった、との報が飛び込んできた。

♪Different Strokes For Different Folks <中略> We Got To Live Together♪
(人それぞれ、好みや考え方も違うもの。~ 僕らは一緒に生きていかなければならないんだ。)
Sly & The Family Stone「Everyday People」歌詞より

人種問題やベトナム戦争で揺れる1968年12月アメリカ。
スライ&ザ・ファミリー・ストーン「Everyday People」はそんな時代に生まれた歌だ。

Different Strokes For Diffrent Folksのフレーズは、モハメド・アリが「相手が異なれば打ち方・倒し方も違う」という意味合いで語り、スライのこの歌で広まったと言われている。

「僕はありふれた普通の人間(Everyday People)なんだ」
彼は、この歌にどんな想いを込めたのだろうか。森陽馬

★掲載ジャケットは、The Rootsのドラマー/リーダーであり、映画『サマー・オブ・ソウル』を手掛けたクエストラブ監督によるスライ&ザ・ファミリー・ストーンのドキュメンタリー映画『SLY LIVES! (aka The Burden of Black Genius)』サウンドトラック盤。願!日本公開。


2025年6月9日(月) Lauri Porra 「A Song For Summer」

小説、絵本、アニメーション、テーマパーク、etc...
トーベ・ヤンソンによって生み出され、世界中で長年愛され続けているムーミンの物語とキャラクター達。

小説第1作目の出版(ムーミン誕生)から80周年を記念したインストゥルメンタル作品『ムーミン谷の四季』が発売されました。

Lauri Porra『Seasons In Moominvalley』
(国内CD SICP-31766 3,300円税込/輸入CD、輸入LPもあり)

今作の作曲を手掛け、ムーミン作品に以前から携わっているラウリ・ポラーは、映画・舞台・テレビ・CM音楽などを多数手掛けるフィンランドの作曲家/キュレーター。メタル・バンド、ストラトヴァリウスのベーシストとしても活躍。有名な作曲家シベリウスのひ孫としても知られています。

『たのしいムーミン一家』、『さびしがりやのクニット』、『ムーミンパパ海へいく』ほか数作品からのイメージを元に、ムーミン谷の季節の移り変わりをピアノと弦のアンサンブルで表現した繊細で美しい室内楽作品。
鳥のさえずり、波、せせらぎ...目を瞑ると幻想的な光景がひろがります。

本日はやさしく降り注ぐ雨と柔らかな弦の音色に癒やされる「A Song For Summer」を今日の1曲に。

輸入盤LPは、キャラクターが配されたゾートロープ(回転のぞき絵)ピクチャー・ディスク仕様♪
LPジャケット・サイズのリトグラフ2枚、ポストカード4枚が封入されています。東尾沙紀


2025年6月8日(日) キャロル・バーネット 「雨の日と月曜日は」

ロジャー・ニコルズの訃報が伝わってきたのは、2週間ほど前だったでしょうか。
来店される常連の方々の話題で一番多いのは、彼の死とソングライターとしての功績についてではないかと思います。

A&Mレーベルの販売権を獲得したポニー・キャニオンが1987年に『ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ』(1968年発表)を、日本のみで世界初CD化してくれた事により、日本人の洋楽ファンに浸透していったロジャー・ニコルズの名を忘れる事はないでしょう。彼の作った数々の名曲とともに・・・。

ロジャー・ニコルズが亡くなる前に企画されていた日本編集による彼の作品集が、ソニー・ミュージックより8月6日に発売。御本人公認の作品集で、世界初CD化楽曲も多く含まれます。

『ロジャー・ニコルズ・ソングブック』
(2025年8月6日発売 国内2枚組CD SICP-31776 2,860円税込)

監修&解説は濱田髙志さん。
信頼・安心のブランドです。全42曲収録でこの価格。

今日の1曲は、そのCDに収録される予定のアメリカの女優キャロル・バーネットによる「雨の日と月曜日は」を。
すてきなアレンジはアーニー・フリーマン。世界初CD化です。

ロジャー・ニコルズが亡くなったのは悲しい出来事ですが、8月6日発売のこのCDを聴いて追悼したいですね。森勉


2025年6月7日(土) Willie Nelson 「Oh What A Beautiful World」 with Rodney Crowell

スモーキー・ロビンソン85歳の新作(2025年5月23日今日のこの1曲で紹介)、タジ・マハール83歳の新作(5月24日今日のこの1曲で紹介)は、どちらも心を浄化させてくれるようなアルバムでしたが、上には上が、ということで、ウィリー・ネルソン92歳の新作も素晴らしい1枚でした。

Willie Nelson『Oh What A Beautiful World』
(輸入CD Legacy 198028872827)

2025年4月で92歳を迎えたアメリカン・ロック/カントリー界のレジェンド、ウィリー・ネルソン。
スタジオ録音のソロ・アルバムとしては77枚目!全体としては154枚目!!となる2025年作品です。

1970年代から活動しているソングライター/カントリー歌手ロドニー・クロウェルの楽曲を12曲取り上げており、彼の哀愁あるメロディーとウィリー・ネルソンの滋味深い歌声は、引き返せない時間と人生を温もりあるまなざしで包み込んでくれます。

今日のこの1曲は、ロドニー・クロウェルと一緒に歌っているタイトル曲「Oh What A Beautiful World」を。
軽快なリズムながら、ハーモニカ&ピアノの旋律がやさしく響くナンバー。

ちなみに、裏ジャケットにも“馬”が描かれているので、馬ジャケ好きの方は要チェックですね。森陽馬


2025年6月6日(金) ドゥービー・ブラザーズ 「Walk This Road」 feat.メイヴィス・ステイプルズ

2025年で結成55周年を迎えたドゥービー・ブラザーズの新作アルバムが本日入荷しました。

ドゥービー・ブラザーズ『Walk This Road』
(国内CD  天辰保文氏による解説・歌詞・対訳付 WPCR-18734 2,970円税込)

2021年発表の前作『リベルテ』に続き、ジョン・シャンクスがプロデュースを務めた本作は、なんと!マイケル・マクドナルドが正式メンバーとして復帰!
2014年作『サウスバウンド』にもゲスト参加していましたが、ドゥービーのバンド・メンバーとして全面的にアルバム作りに関わるのは、約45年前の1980年作『ワン・ステップ・クローサー』以来でしょうか。
トム・ジョンストン、パトリック・シモンズ、ジョン・マクフィーと共に、バンド人生の集大成を感じさせてくれる1枚です。

今日のこの1曲は、タイトルにもなっている1曲目「Walk This Road」を。

♪私とこの道を一緒に歩いてくれ。そうすれば行き先が分かるだろう。
一緒にいるかぎり、常に故郷と繋がっている♪ (「Walk This Road」歌詞より)

バンド・メンバー、そしてファンの一人一人へ語りかけるような歌詞にドゥービー・ファンは感涙必至♪
マイケル・マクドナルド→トム・ジョンストン→パトリック・シモンズと順番に歌い継いでいき、更に、メイヴィス・ステイプルズが大トリのメイン・ヴォーカルで歌う部分にもグッときますね。森陽馬


2025年6月5日(木) 映画『侍タイムスリッパー』

今日の1曲はお休みして、今日は映画の話で失礼いたします。

『侍タイムスリッパー』のブルーレイ/DVDが発売になりました。

2024年8月17日に東京・池袋のシネマ・ロサ、ただ1館のみで公開された自主制作映画が話題を呼び、2か月後には全国100館→200館→300館と上映館を増やしていきました。

そして、2025年3月14日の第48回日本アカデミー賞では、メジャーな映画会社の作品を抑え、なんとなんと、<最優秀作品賞>を受賞!
公開2日目に観て感動したファンとしては、本当にうれしい瞬間でした。

山口馬木也さん、冨家ノリマサさん、沙倉ゆうのさん、主要キャスト3人の他にも、なんとも言えぬイイ味を出している役者がいっぱい出演しています。
そこのところを、ブルーレイ/DVDでまた観たいですね。未公開シーンや舞台挨拶など、約62分の特典映像、そして安田淳一監督によるオーディオ・コメンタリーも収録されています。森勉

★『侍タイムスリッパー』
(国内ブルーレイ ギャガ GABS2807 5,500円税込/国内DVD GADS2808 4,400円税込)


2025年6月4日(水) Lemon 「Shout To The Top」

2025年5月25日で67歳の誕生日を迎えたポール・ウェラー。
7月25日に新作カヴァー・アルバム『Find El Dorado』のリリースが発表になりました!
全編カヴァー曲で構成された作品としては2004年発表の『Studio150』以来となります。

その新作には、ボビー・チャールズ「Small Town Talk」、キンクス「Nobody's Fool」、ビー・ジーズ「I Started A Joke」をはじめ、リッチー・ヘヴンス、ホワイト・プレインズ、フライング・ブリトー・ブラザーズ、ダンカン・ブラウン他、前作よりちょっとマニアックな選曲で全15曲を収録。先行シングル「Lawdy Rolla」(オリジナルはフランスのグループThe Guerrillas/1969年)のビデオも公開されていますので是非チェックしてみてください。

本日は、スタイル・カウンシルの楽曲をなんと日本語詞でカヴァーしている女性シンガーこの1枚♪

Lemon「Shout To The Top/恋のブルーライト」
(国内7inchレコード UCT-059 2,200円税込)

Wack Wack Rhythm Band、ザ・ヘアなどでヴォーカリストを務め、現在はソロで活躍している女性シンガー、Lemon。
彼女のライヴ・レパートリーでもある「Shout To Top」のカヴァーを、キャッチーなオリジナル曲とのカップリングで7インチ化。

♪生まれてからは辛い人生歩き続けたけれど いつかチャンスを掴まえ よじのぼり這い上がる 山と谷これが人生 希望を捨てないで 今できることそれはひとつ 空へ向かい叫ぶことさ♪

オリジナルに近いアレンジで溌剌と歌い上げるLemonさんの歌声...かっこいい!東尾沙紀


2025年6月3日(火) JOAN OSBORNE 「Buckets Of Rain」 feat Amy Helm

昨日に続いて、店内中央の<カヴァー特集>コーナーから取り上げましょう。

JOAN OSBORNE『DYLANOLOGY LIVE』
(輸入CD Special Rider Music 020286245216)

アメリカ/ケンタッキー州出身1962年生まれの女性シンガー・ソングライター、ジョーン・オズボーン。
「One Of Us」(1995)のヒットで知られる彼女の2025年作は、ボブ・ディラン楽曲をカヴァーしたライヴ音源です。

2017年に『Songs Of Bob Dylan』というカヴァー・アルバムを発表しており、そのライヴ盤となる1枚ですが、バンドの演奏はなかなかにタイトでかっこよく、ジャッキー・グリーン、ロバート・ランドルフ、エイミー・ヘルムが参加しているのもいいですね。

今日のこの1曲は、かなりの雨が1日中降っていたので「Buckets Of Rain」を。

ディランのオリジナルは、1975年発表名盤『Blood On The Tracks』(血の轍)に収録。
ジョーン・オズボーンのライヴ・ヴァージョンでは、エイミー・ヘルムとのデュエットでしっとりと聴かせます。
スコット・ジョプリン「The Entertainer」のピアノ・フレーズが織り込まれているのもライヴならではですね。森陽馬


2025年6月2日(月) マイケル・マクドナルド 「I Was Made To Love Her」

当店の中央特設コーナーでは、<カヴァー特集>を現在展示中。
スモーキー・ロビンソンの新作『What The World Needs Now』(2025年5月23日今日のこの1曲で紹介)を中心に、オススメのカヴァー作品を新譜・名盤揃えて紹介しています。

今日は、その<カヴァー特集>コーナーから、ロング・セラー&人気盤をピックアップ♪

マイケル・マクドナルド『モータウン2』
(国内CD 完全限定盤 解説・歌詞・対訳付 UICY-79283 1,100円税込)

本作は、マイケル・マクドナルドがモータウン・レーベルのヒット曲を中心にカヴァーしたアルバム第2弾。
2003年発表第1弾も良いのですが、この2004年発表第2弾作品も選曲含めオススメの1枚です。

今日のこの1曲は、スティーヴィー・ワンダーのカヴァー「I Was Made To Love Her」を。
ソウルフルな彼の歌声とモータウン・ナンバーの相性は抜群♪
スティーヴィー・ワンダー本人による見事なハーモニカ・ソロも聴きものです。

なお、マイケル・マクドナルドがメンバーとして復帰したドゥービー・ブラザーズの新作アルバム『Walk This Road』が今週金曜日6月6日に発売予定になっています。そちらも楽しみですね。森陽馬



2025年6月1日(日) ヘレン・シャピロ 「ヒー・ノウズ・ハウ・トゥ・ラヴ・ミー」

森勉がレコードをかけて、おしゃべりもちょっとさせていただくイヴェントのお知らせです。

2025年6月28日土曜日、14時スタート。
場所は茅ヶ崎(最寄りの駅は辻堂)の
ブランディンです。

「日本一のレコード大好き男」の異名を持つ宮治淳一さんのお店です。
レコードに囲まれた空間/いいオーディオ装置で、音楽が楽しめる最高の場所ですね。

昼間のイヴェントなので、東京の方も終電を気にせずお楽しみいただけます。
詳細はブランディンまで。

で、何をテーマにするのか? ですが、今回はこんなタイトルを考えました。

<名曲!1,000本ノック・乱れ打ち>

1,000本ノックの乱れ打ちですので、ジャンルは決めずに、1960年代/1970年代の名曲を我が家にあるシングル・レコードを使って聴いてくれる方々に、やさしくノックしていこうと思います。
アメリカン・ポップスはもちろん、イギリス、イタリア、フランス、ブラジル、そして日本の60's、70'sの隠れた名曲なども選曲するつもりです。

今日の1曲は、宮治淳一さんが制作・選曲した労作、ワーナーの『ナゲッツ』シリーズから、イギリス人女性シンガー、ヘレン・シャピロの曲を。

・『ブレイカウェイ~ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツ Vol.6』
(ワーナー WPCR-17096 解説・歌詞付 1,760円税込)

『ナゲッツ』シリーズの中でも、いい曲が集まった、かなりの高グレードでマニアックな1枚です。森勉


2025年5月31日(土) 吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズ 「おいこら、お嬢ちゃん」

今月も新品アナログ・レコードがたくさんリリースされました。

新録音作品では、Kanekoayano、小西康陽、WiNK MUSiC SERViCE、ステレオラブ、大橋トリオ等。
リイシュー作品では、キリンジ1st&2nd、ロッテン・ハッツ『Sunshine』、山下達郎『Melodies』、ミッシェル・ガン・エレファント、Blankey Jet City、Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin再入荷等々、話題盤・人気盤が多数ありました。

今日はその中から、こんなレコードも令和の時代に!?というアイテムを取り上げましょう。

吾妻光良&スウィンギン・パッパーズ『おいこら、お嬢ちゃん』
(国内7inchレコード VSEP863 2,200円税込)

本作は、吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズがデビューした1983年シングルの復刻盤。
「おいこら、お嬢ちゃん」は、キャブ・キャロウェイ「Que Pasa Chila」(1949)を日本語でカヴァーした楽曲で、吾妻光良さんによる日本語ジャンプ・ブルースの原点と言えますね。
サビの♪ケ・パ・サ・チ・カ♪を皆で合唱できるラテン調の楽しいナンバーです。

なお、この7インチと一緒に、1983年発表1stと1988年発表2ndがCDとLPで新たに再発。
2024年発表作『Sustainable Banquet』もアナログLPが6/25発売予定になっています。森陽馬


2025年5月30日(金) DOC WALKER 「Girls In Their Summer Clothes」

猫ジャケ、犬ジャケ、車ジャケ、飛行機ジャケ、美女ジャケ、etc...
CD・レコードのジャケットは色々ありますが、僕が集めているのは“馬ジャケ”です。

本日は、最近リリースしたお気に入りの“馬ジャケ”を紹介しましょう。

V.A.『SPRINGSTEEN'S COUNTRY』
(輸入CD ACE CDTOP-1661)

ブルース・スプリングスティーン作の楽曲をカントリー歌手が取り上げたカヴァー全20曲収録。
UKのACEレーベルによるソングライター・シリーズのスピンオフ的なコンピレーションCDです。

1982年発表作『ネブラスカ』を彷彿とさせる色調に、若きBOSSと精悍な馬2頭の写真がいいですね。
初めて聴くカントリー歌手やカヴァー曲がほとんどで、内容的にもBOSSファンなら楽しめる1枚。

今日のこの1曲は、カナダ/マニトバ州出身バンド、DOC WALKERによる「Girls In Their Summer Clothes」。
ブルースのオリジナルは2007年発表快心作『Magic』に収録。
そのかっこよさを引き継ぐナイス・カヴァーです。

ちなみに、6/1日本ダービーは、2015年ダービー馬ながら2021年に若くして急逝したドゥラメンテ産駒による最後の後継馬、マスカレードボール(仮面舞踏会の意)に期待しています。森陽馬


2025年5月29日(木) Candy Opera 「Wide Open Spaces」

1982年にリヴァプールで結成され、活動期間10年間に作品を残さぬまま解散してしまったバンド、キャンディ・オペラ。

2018年にベルリンのレーベルからリリースされ、ネオアコ~ギター・ポップ・ファンの間で話題となった彼らの発掘音源集2作品『45レヴォリューション・パー・ミニット』&『レアリティーズ』が2枚組で再発!
さらに国内盤としては初登場となる、再始動後2020年発表の1stアルバムも同時発売されました。

キャンディ・オペラ『ザ・パトロン・セイント・オブ・ハートレイク』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック3曲追加収録 先着特典マグネット付 2,750円税込)

ペイル・ファウンテンズ、アズテック・カメラ等が引き合いに出される当時の瑞々しさを残しつつ、成熟したサウンドを聴かせてくれる1stアルバムは、ブリティッシュらしいグッド・メロディが満載です。

フロントマンPaul Maloneの歌声も相まって、プリファブ・スプラウトっぽい「Real Life」、牧歌的な「Five Senses, Four Seasons」、「Move On Up」風の疾走感ある「Rise (If That's What People Want)」など、ちょっと懐かしさも感じさせます。

今日のこの1曲は、国内盤ボーナス・トラックの中から近年作られた楽曲?「Wide Open Spaces」を。
ポール・ウェラー『Wild Wood』~『Heavy Soul』あたりを彷彿とさせる骨太なロック・ナンバーです。

なお、キャンディ・オペラは新作を現在制作中とのこと! そちらも楽しみです。東尾沙紀



2025年5月28日(水) 「楽しい夜更かし」 (Daiki Chiba from Kroi Remix)

1975年に設立した大滝詠一ナイアガラ・レコードの50周年記念新アイテムが発表されました。

『Eiichi Ohtaki's NIAGARA 50th Odyssey Remix EP』
(2025年7月7日発売 8cmCD 完全生産限定盤 SRDL-4770 2,200円税込)

短冊の日2025が行われる7月7日に、『Niagara Song Book3』アナログ盤とイラスト・ブックに加え、ナイアガラ8cmCDが完全限定盤で発売決定!
ナイアガラ・レーベル50年間で初!となるリミックス企画です。
Cornelius、スチャダラパー、Night Tempo、原口沙輔、千葉大樹(Kroi)、Mega Shinnosukeの6組が、大滝詠一の名曲に新たな息吹を吹き込んだリミックスになっているそうです。

更に、7月11日からは
東京・神保町New Galleryにてナイアガラ企画展も開催決定しました。
<もしも今、東京・神保町に「ナイアガラ・レコード」の事務所があったら>をコンセプトに、貴重アイテム等が展示。
河村康輔が手掛けたオリジナル作品の展示や、50周年記念グッズも発売されるそうで楽しみですね。

7月12日・13日代々木公園イベント広場ケヤキ並木で開催されるナイアガラ盆踊り。
そして、7月12日LINE CUBE SHIBUYAでのナイアガラ・コンサート等々、7月はイベント盛りだくさん!
七夕~お盆はナイアガラ三昧な楽しい夜更かしが続きそうですね。森陽馬


2025年5月27日(火) STREOLAB 「Melodie Is A Wound」

ステレオラブの15年ぶりとなる新作アルバムが発売されました。

STEREOLAB『Instant Holograms On Metal Film』
(国内CD 先着ステッカー付 解説・歌詞・対訳付 BRC784 2,860円税込/輸入LPもあり)

1990年頃ロンドンで結成したステレオラブは2025年で約35周年。
本作は2010年発表作『NOT MUSIC』以来となるオリジナル・アルバムです。

無機質なようで有機的。
無関心のようで政治的。
アンビエントなようでグルーヴかつロックなサウンド。
そして、ポップ・ワールド全開な、ステレオラブらしさに溢れた傑作。

今日のこの1曲は、3曲目「Melodie Is A Wound」を。
めくるめく“ステレオラブ・ビート”に、戦争経済や言論統制への批判をテーマにした歌詞。
長いイントロ&アウトロ。浮遊し揺れながらも前に進んでいきます。森陽馬


2025年5月26日(月) Flower Pot Men「Let's Go To San Francisco」

フラワー・ムーヴメントという言葉が流行した時代がありました。
1967年がまさにそんな年でした。

そんな時代にデビューしたのが、フラワー・ポット・メンというバンドです。

1967年夏に「Let's Go To San Francisco」(邦題:花咲くサンフランシスコ)という曲が、イギリスで大ヒットしました。
当時日本盤も発売され、日本のラジオでも結構よく流れていました。
アメリカでもヒットしたのかと思っていたのですが、アメリカのチャートには登場していないのですね。

そのフラワー・ポット・メンのアンソロジー3枚組CDが発売されました。

The Flower Pot Men『Mid Summer Dreaming - An Anthology 1967-1970』
(輸入3枚組CD Grapefruit/Cherry Red CRSEG157T)

作曲家コンビとして活動していたジョン・カーター&ケン・ルイスが中心のグループで、当時は発表されなかったアルバム音源、未発表デモ、BBCセッションなど、盛りだくさんの全64曲収録。ポップでサイケなサウンドが楽しめます。森勉


2025年5月25日(日) Kelyn & Keite 「Back Against The Wall」

ムーディな雰囲気を演出してくれるメロウ・グルーヴな新世代ソウル・オススメ盤♪

V.A.『LUXURY SOUL 2025』
(輸入3枚組CD EXPANSION RECORDS CDBEXP-25)

良質なソウル作品をリリースし続けているEXPANSION RECORDSが編集した3CDコンピレーションです。

有名ではないアーティストでもイイ歌が多くて、全35曲捨て曲なし!
さりげないスムースなソウルBGMとしても楽しめますが、オッ!と思わせる曲も多々あるんですよね。

その中から、今日のこの1曲はKelyn&Keite「Back Against The Wall」を。

黒人男性シンガーのKelyn CrappとKeite Youngによるユニットが、2024年6月に配信のみでリリースしたカーティス・メイフィールドのカヴァー・アルバム『Curtis』に収録されていた楽曲。
フィジカルは出ていなかったので、本作の存在自体をこのコンピで聴いて初めて知りました。

歌もバックのトラックも上品な感じで凄くいいですね。
カーティス好きはもちろん、R&B好きの方も要チェックです。森陽馬


2025年5月24日(土) Taj Mahal & Keb' Mo' 「Room On The Porch」 feat. Ruby Amanfu

昨日のスモーキー・ロビンソンに続き、音楽界の重鎮による新作を紹介しましょう。
先週5月17日で83歳を迎えたタジ・マハールが、ケヴ・モと組んだ2025年発表作です。

TAJ MAHAL & KEB' MO' 『Room On The Porch』
(輸入CD Concord 00888072678002)

グラミーのコンテポラリー・ブルース賞を受賞した2017年発表作『TAJMO』以来となる2人のコラボ・アルバム。
渋~いブルース作品?、と思いきや、リラックスして聴けるグッド・タイム・ミュージックな1枚でした。

テネシー州フランクリンにあるStu Stu Studioと、ナッシュビルAddiction Sound Studiosでの録音で、アコースティック・ギター&スライド・ギター&フィドルが絡む穏やかな演奏に、味わい深いタジとケヴ・モの歌声がゴキゲンな仕上がりです。

今日のこの1曲は1曲目「Room On The Porch」 feat. Ruby Amanfu。

♪Come On Up. There's Room On The Porch For Everyone♪
(さあ、上がりなよ。ポーチにはみんなのための部屋があるんだ。)

ナッシュビルを拠点に活動している黒人女性シンガーRuby Amanfuのゲスト・ヴォーカルもイイ感じ。
ポーチに腰かけてゆったりしたくなるナンバーですね。森陽馬


2025年5月23日(金) Smokey Robinson 「You've Got A Friend」

唯一無二の優しいベルベット・ヴォイスは健在!
2025年で85歳を迎えたスモーキ・ロビンソンの新作が発売されました。

Smokey Robinson『What The World Needs Now』
(輸入CD Gaither Music SHD9586)

バート・バカラック作曲「What The World Needs Now』(世界は愛を求めている)をタイトルに冠した本作は、ボブ・マーリィ「Three Little Birds」、ビル・ウィザース「Lean On Me」、ステイプル・シンガーズ「I'll Take You There」等々、名曲のカヴァーを中心とした10曲入りのアルバムです。

テンプテーションズを招き再演した「Be Kind To The Growing Mind」、ルイ・アームストロングで有名な「What A Wonderful World」カヴァーなど、聴きどころは多々ありますが、今日のこの1曲は「You've Got A Friend」(キャロル・キング作)のカヴァーを。
この大好きな曲を、スモーキーの包容力ある歌声で聴くことができて、幸せな気持ちになりますね。森陽馬


2025年5月22日(木) スカート 「スペシャル」

2025年でCDデビュー15周年。
通算10作目(メジャー5作目)となる澤部渡ソロ・プロジェクト<スカート>の新作がリリースされました。

スカート『スペシャル』
(国内CD ブルーレイ付 PCCA-06380 4,950円税込 / 通常盤もあり)

ライヴでもサポートを務める佐藤優介(カメラ=万年筆etc)、シマダボーイ(per)、岩崎なおみ(b)、佐久間裕太(dr)らバンドを軸に、重住ひろこ(smooth ace/コーラス・アレンジ)、柴田聡子、畳野彩加(Homecomings)がゲスト参加♪

「今日もまたバスに乗れてしまったんだ スペシャルな予感は思い違いだった!」

''バスに乗れたから、スペシャルな一日になりそう''...とはいかない、印象的なフレーズからはじまる「スペシャル」。
跳ねるリズム、キャッチーなギターソロ、アウトロのウーリッツァー、軽やかな女性コーラス(♪ウ~バッバッ♪)
詞は切ないけれど、メロディはとびきりポップ!バンドの一体感も感じられる必聴曲です。

付属のブルーレイには、2024年9月13日に代官山UNITで行われた『スカート presents 炎のフリーライヴ2024』のライヴ映像(51分)を収録。
先着特典として、澤部さんの似顔絵が入った''優勝記念タオル''が付きます。東尾沙紀


2025年5月21日(水) ロッテン・ハッツ 「Always」

ロッテン・ハッツが1992年に発表したメジャー1stアルバム『Sunshine』。
大好きなこの名盤が、アナログ・レコードで再発売されました。

ロッテン・ハッツ『Sunshine』
(国内LP 完全限定盤 MHJL-386 4,620円税込)

ロッテン・ハッツは、後にGREAT3を結成する片寄明人、高桑圭、白根賢一と、ヒックスヴィルとなる木暮晋也、中森泰弘、真城めぐみが組んでいた6人組バンド。
佐橋佳幸をプロデューサーに迎え制作された1992年発表の本作は、エヴァー・グリーンな魅力に溢れたグッド・タイム・ミュージックな1枚で、ドラマ『ホームワーク』挿入歌「STAY」含めイイ曲揃い!本当に何度も繰り返し聴きましたね。

今日のこの1曲は、A面3曲目「Always」を。
シュガー・ベイブ「パレード」の90年代版を目指そう、との意図で、元々は作られたナンバーだそうです。
フィフス・アヴェニュー・バンドを甘く爽やかに味付けしたようなサウンドと、片寄さんのヴォーカルにキュンときますね。

ちなみに、昨日紹介した書籍『佐橋佳幸の仕事』に、ロッテン・ハッツのことも紹介されていました。
佐橋佳幸さんは自身のバンドでの苦い経験から、バンドをプロデュースするのは当時断っていましたが、ロッテン・ハッツに関しては、「俺がプロデュースしなかったら誰がやるんだ」との強い想いで引き受けたとのこと。(残念ながら、本作に続く1993年発表2ndアルバム『スマイル』の後、ロッテン・ハッツは解散してしまいます。) 森陽馬


2025年5月20日(火) 小坂忠 「夢を聞かせて」

書籍『佐橋佳幸の仕事 1983-2025』が本日発売されました。

(リットー・ミュージック 著:能地祐子 全304ページ 2,750円税込)

名ギタリスト/編曲家であり、心優しきミュージシャンである佐橋佳幸さんの仕事を纏めた1冊。
ギターテクニックだけでなく、佐橋佳幸さんが築き上げてきた“人”との繋がりや、温和な性格の内に秘めた音楽への情熱が、名曲をたくさん作り出してきたということを実感できる素晴らしい1冊です。

彼が深く関わった40曲を佐橋さんの証言を基に解説した項は特に面白いですね。
渡辺美里「センチメンタルカンガルー」(1988)は、移動中にイントロのギターリフが浮かび、忘れないうちに!と、公衆電話から自宅の留守番電話へそのメロディーを歌った思い出(元ネタはアンドリュー・ゴールド「ロンリー・ボーイ」だったそう)や、小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」イントロの有名なギター・リフが生まれた瞬間の話。藤井フミヤ「True Love」編曲時の逸話や、鈴木祥子さんを手掛けていた頃の話、山下達郎、竹内まりや、佐野元春、松たか子さんとの出逢い等々、興味深いエピソードが満載です。

今日のこの1曲は、佐橋さんが作曲・編曲を手掛けた小坂忠の2001年発表曲「夢を聞かせて」。
プロデューサーの細野晴臣さんから、「ジェイムス・テイラー・ミーツ・ビル・ウィザースの感じでお願いします。いい曲待っています。」との連絡をもらい、一気に書き上げたナンバーだそうです。森陽馬

★掲載ジャケットは、小坂忠『People』
(国内CD 
「夢を聞かせて」収録 MHCL-30630 2,750円/国内LP MHJL-140 4,070円)


2025年5月19日(月) 高橋優 「はなうた pray for Akita」

先週、所用で秋田へ行った際、秋田市土崎の細川レコード店に立ち寄りました。


細川レコード店は大正14年創業、2025年で100周年!を迎えた街のCD店です。
正式名称は<細川蓄音機店>。歴史を感じますね。

新品商品のみながら、ジャンル問わず幅広く扱っていて在庫が充実。
ご当地CDや土崎港曳山祭のDVD、一般的に入手困難になっているCD・LPも色々ありました。
滞在中にもお客様がいらっしゃっていて、地元に根付き音楽を届けているのだな、と実感しました。
末永く営業を続けてほしいですね。

さて、現在活躍している秋田出身ミュージシャンと言えば、高橋優でしょう。
今日のこの1曲は、高橋優の最新作『HAPPY』(WPCL-13617 3,520円)から「はなうた pray for Akita」。
まっすぐで気骨ある歌声に心打たれます。

ちなみに、細川レコード店から徒歩10分ほどの「道の駅あきた港セリオン」には、無料で楽しめる展望台や、NHKの番組『ドキュメント72時間』で取り上げられ話題となった
うどん自販機が設置してありました。秋田市へ来る機会がありましたら、是非立ち寄ってみてください。森陽馬


2025年5月18日(日) リトル・フィート 「4 Days Of Heaven 3 Days Of Work」

リトル・フィートの2025年新作『STRIKE UP THE BAND』が入荷しました。

LITTLE FEAT『Strike Up The Band』
(輸入CD HOT TOMATO PRODUCTIONS LFR002CD)

前作『SAM'S PLACE』(
2024年7月15日今日のこの1曲で紹介)は、黒人パーカショニストのサム・クレイトンが歌うブルース・カヴァー・アルバムでしたが、本作は約13年ぶりのオリジナル曲を中心とした作品です。

これが凄く!素晴らしい!!
まさに、リトル・フィート・サウンド!な1枚に仕上がっています。

現バンドは、Bill Payne、Fred Tackett、Kenny Gradney、Sam Clayton、Scott Sharrard、Tony Leoneの6人体制。
グルーヴ感あるフィートらしい独特なリズムはもちろんのこと、ポール・バレアが2019年に亡くなった後(2020年頃)に加入したスコット・シャラード(元グレッグ・オールマン・バンドのギタリスト)が、ローウェル・ジョージ的なスライド・ギターを弾いていてグッときますね。

今日のこの1曲は、スコット・シャラードのギターが大活躍する1曲目「4 Days Of Heaven 3 Days Of Work」。
なお、他曲にモリー・タトル、ラリー・キャンベル&テレサ・ウィリアムス、ラーキン・ポーが参加しています。森陽馬


2025年5月17日(土) ボックス・トップス 「ネオン・レインボウ」

1966年頃メンフィスで結成されたボックス・トップスは、1967~70年の間に10曲のチャート・ヒットを放ちました。

しかし、日本では1967年に全米No.1を記録した「あの娘のレター」(The Letter)が少し話題になった程度で、その後はほとんどレコードが出ない状態になってしまいました。
原盤のMALA/BELLレーベルが、日本では東芝から新設されたCBSソニーに移る時期だったのが禍してしまったのだと思います。

そんな彼らの1967年発表ファースト・アルバムが、日本のみで最近CD化されました。
うれしいことに、シングルのモノラル・ヴァージョンなど4曲のボーナス・トラックも収録されています。

グループには若き日のアレックス・チルトンが在籍していたり、ダン・ペンが楽曲提供したりしてサポートしていたことを1970年代に入ってから知り、このボックス・トップスというグループの重要性を再認識したわけです。

今日の1曲は、アレックス・チルトンのハスキー・ヴォイスが魅力のセカンド・ヒット「ネオン・レインボウ」を。森勉

★ボックス・トップス『ザ・レター/ネオン・レインボウ』
(国内CD 山田順一氏による日本語解説付 SICP-6662 1,430円税込)


2025年5月16日(金) The Freedom Affair 「Picking Up The Pieces」

タフに、ときにスウィートに歌い上げる3人の女性ヴォーカリスト''freedom threedom''を擁する、アメリカ・カンザスシティ発のソウル・バンド、The Freedom Affair。

2020年発表の1st『Freedom Is Love』から約5年ぶり、セルフタイトルを冠した2ndアルバムがリリースされました。

The Freedom Affair『The Freedom Affair』
(輸入CD TFA-01 / 輸入カラーLPもあり)

The Freedom Affairは鍵盤奏者Chris Hazelton(Boogaloo7他)を中心に2017年に結成されたホーン含む9人組バンド。
新作はメンフィスの伝説的スタジオ<Royal Srudios>でのレコーディング!(エンジニアはLaurence''Boo''Mitchell)

ヴィンテージ感のあるサウンド&アレンジにもますます磨きがかかり、サザン・ソウルへと迫った今作でも、<Paula、Seyko、Shon>シンガー3人のパワフルで変幻自在なヴォーカル&ハーモニーが炸裂しています。

心地良いスロー・ナンバー「Tell Me I'll Be Yours」、ガツンと聴かせる「The Water」、感動的なゴスペル・バラード「Anchor」、ポップで高揚感のある「Coming Home」などなど。

気になる曲がたくさんですが、本日はどことなくアーロン・ネヴィル「Hercules」のフレーズを想起させる「Picking Up The Pieces」を今日の1曲に。ユニゾンで歌うサビもクールでかっこいいのです。東尾沙紀


2025年5月15日(木) ウェザー・リポート 「バードランド」

昔、六本木に【ウェザー・リポート】という雨の日は休みになる小さな洋服屋さんがありました。

ジョー・ザヴィヌル、ウェイン・ショーターがいたジャズ・グループのウェザー・リポートを聴くと、1960年代後半から1970年代前半の六本木の街の風景、その【ウェザー・リポート】という店があったあたりを思い出します。(バイト先が六本木だったので)

ということで、今日はウェザー・リポートの曲を。

ジャコ・パストリアス、アレックス・アクーニャが参加し鉄壁の布陣で録音、1977年に発表された名盤『ヘヴィー・ウェザー』から「バードランド」。

曲を書いたのは、メンバーのジョー・ザヴィヌル。
彼は印象に残るフレーズ/リフを作るのがうまいですね。
彼がキャノンボール・アダレイのグループに在籍していた時にも、「マーシー・マーシー・マーシー」というポップ・チャートの上位にランクされるヒット曲を作っていましたし。

なお、「バードランド」は後にマンハッタン・トランスファーが歌詞を付けてカヴァーし、話題になりました。森勉

★ウェザー・リポート『ヘヴィー・ウェザー』
(国内CD 解説付 SICJ-121 1,100円税込)


2025年5月14日(水) 高木正勝 「まだ生まれてもいない大地から」 feat.寺尾紗穂

アン・サリー、角銅真実、クレモンティーヌ、寺尾紗穂、Hana Hope。
この女性シンガー達が参加しているアルバムは何でしょうか?

答えは、高木正勝の2025年新作『スタジオ地図 Music Journey Vol.2 うたの時間』です。

高木正勝『スタジオ地図 Music Journey Vol.2 うたの時間』
(国内CD SICL-30070 3,300円税込/限定アナログは2025年10月1日発売予定 4,950円)

高木正勝が音楽を手掛けた細田守監督劇場作品『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』、『未来のミライ』の中から厳選した楽曲に、歌い手が歌詞をつけ、新たに編曲された13曲が収められています。

生と死の境界線で鳴っているような、静謐で奥深い高木正勝が紡ぐ音と、各シンガーの歌が共鳴した1枚。
今日のこの1曲は、寺尾紗穂が歌う「まだ生まれてもいない大地から」(映画『バケモノの子』より)。森陽馬



2025年5月13日(火) 星野源 「Sayonara」

星野源が2018年12月発表作『POP VIRUS』以来、約6年半ぶりの新作アルバム『Gen』をリリースしました。

星野源『Gen』
(限定CD+Blu-ray VIZL-2436 8,910円税込/通常CD VICL-66033 3,410円税込)
(初回生産分のみMAD HOPE追加公演チケット先行抽選シリアルナンバー封入)

この6年半の間に、コロナ禍があり、彼にとっては結婚もあり、出逢いや別れ等色々なことが皆あったと思います。

本作にはシングル曲「創造」、「喜劇」、「不思議」、「生命体」、「Eureka」他全16曲を収録。
日常の喜怒哀楽が様々な形で表現されていますが、14曲目「Sayonara」を聴いて、言葉には表せない感情を抱きました。

SAKEROCKが解散を発表し、最後に出した2015年作『SAYONARA』のラストが「Sayonara」という曲でした。
今回の「Sayonara」は、同じ曲目ながら10年前の「Sayonara」とは曲調も雰囲気も全く違っています。

これ以上ない程低い歌声で始まるこの「Sayonara」という歌に、彼はどんな想いを込めたのでしょうか? 森陽馬



2025年5月12日(月) Jesse Ed Davis 「Every Night Is Saturday Night」(Unissued Alternate Version)

Black Friday2024/レコード・ストア・デイ秋版で出て話題となったジェシ・エド・デイヴィスの貴重音源集LP(2025年2月6日今日のこの1曲で紹介)が、この度CDで発売されました。

JESSE ED DAVIS『tomorrow May Not Be Your Day-The Unissued ATCO Recordings 1970-1971』
(輸入CD REAL GONE MUSIC RGM-1815 3,300円+税)

2枚組LPは値段が高く、現在は入手困難となっていたので、うれしい再発ですね。
彼が1stと2nd『ULULU』を録音していた1970~1971年頃の未発表音源なので、ジェシ・エドのギタープレイはもちろん、エリック・クラプトン、レオン・ラッセル、ジム・ケルトナー等々、名ミュージシャンの素晴らしい演奏が全17トラック楽しめます。

今日のこの1曲は、6曲目「Every Night Is Saturday Night」(Unissued Alternate Version)を。
ロンドンOlympic Sound Studioでの1970年録音で、1stに入っているオリジナルより約30秒長い別ヴァージョン!
後半に延々と続くエリック・クラプトンのギター・ソロが、更に長くなり聴きもの!

クラプトンは『レイラ』を制作していた時期でしょうか。その頃らしいキレキレなギターがかっこいいですね。森陽馬


2025年5月11日(日) Darrell Banks 「Beautiful Feeling」

<ソウルは幼少期のサウンドトラックだった。友達とテープを交換したり、女の子に好かれようと作ったミックステープにもソウルが溢れていた。なぜならソウル・ミュージックは僕らが感じていることを、自分よりもずっとうまく表現してくれていたからだ。>
(ポール・ウェラーによる序文より)

ポール・ウェラーお気に入りのソウル・ミュージックを、自身の選曲でまとめたコンピレーションがaceからリリースされました。

V.A.『Paul Weller presents That Sweet Sweet Music

(輸入CD ace CDTOP1655)

ジャムの時代から作品やライヴで様々な曲をカヴァーしたり、憧れのミュージシャンと共演したり、ソウル愛を体現したきたキャリアの中で意外とありそうでなかった編集盤です。

ノーザン・ソウル人気曲The Dells「Run For Cover」、男女デュオPeggy Scott&JoJo Bensonのキャッチーな69年ヒット「Soulshake」、謎多きバンドBlackrockのファンク・インスト「Blackrock''Yeah,Yeah''」、アシュフォード&シンプソン作・Collins&Collinsの秀逸なバージョン「Top Of The Stairs」('80)など気になる曲が盛り沢山♪

スピナーズ、ジョン・ルシアン、ジェームズ・カー、ビリー・スチュワート、ベティ・デイヴィス、ベイビー・ヒューイなど有名どころからレアなものまで全26曲が収録されています。

本日は本コンピを締めくくる、ダレル・バンクスの感動的な名曲「Beautiful Feeling」を今日の1曲に。東尾沙紀


2025年5月10日(土) I'M WITH HER 「Mother Eagle (Sing Me Alive)」

忙しなく進んでいく日常に、穏やかで澄んだ風を運んでくれる1枚。

I'M WITH HER『Wild And Clear And Blue』
(輸入CD ROUNDER 00888072659216/輸入LP 00888072659230)

I'M WITH HERは、サラ・ワトキンス、サラ・ジャローズ、イーファ・オドノヴァンによる女性3人組ユニット。
2018年発表1stアルバム『See You Around』(
2018年2月16日今日のこの1曲で紹介)以降、各々のソロ活動を経て約7年ぶりとなる2ndアルバムがこの度リリースされました。

近年はテイラー・スウィフトの作品にも参加しているジョシュ・カウフマンによるプロデュース。
サラ・ワトキンスのフィドル、サラ・ジャローズのマンドリン、イーファ・オドノヴァンのギターを基にしたアコースティック・サウンドと、3人のコーラス・ワークが心地良く融和した美しい作品に仕上がっています。

今日のこの1曲は、やさしさを携えながら勇敢に歌い生きていく決意が伝わる「Mother Eagle (Sing Me Alive)」。森陽馬


2025年5月9日(金) シュガー・ベイブ 「ダウンタウン」

5月5日に放送された【JFNスペシャル2025 山下達郎50thアニバーサリー シュガー・ベイブ『SONGS』~50年後の僕たちは】、お聴きになりましたでしょうか?

シュガー・ベイブの51年目のファンとしては、とても感慨深い番組でした。

JFN全国38局ネットでシュガー・ベイブをテーマにして、こんなラジオ・ドラマが作られるなんて…。
そこに、パーソナリティとして山下達郎さん、そして大貫妙子さんもナレーションで参加しているなんて。
時を戻せるなら、51年前の自分のまわりにいる人たちに、こっそりこのことを教えてあげたくなります。

僕が初めて“おっかけ”をしたバンド、シュガー・ベイブ。
当時のミュージック・シーンではとってもマイナーな存在でしたが、そんなシュガー・ベイブがレコード発売から50周年を迎え、こんな形で多くの方々に受け入れられるなんて本当にうれしい。
アルバム『SONGS』&シングル『ダウンタウン c/wいつも通り』発売50周年おめでとうございます。

今日はシングル・レコード押しということで、「ダウンタウン」を。

シュガー・ベイブ『ダウンタウン』
(7インチ・アナログ・シングル SRKL-3053 2,200円税込)

番組を聴いた多くの方々は、大貫妙子さんが店主を務める<喫茶ソングス>へ行ってみたくなったのでは。森勉


2025年5月8日(木) The Derek Trucks Band 「I Wish I Knew」(How It Would Feel To Be Free)

時は約21年前の2004年5月20日。場所は渋谷CLUB QUATTRO。
デレク・トラックス・バンド初来日ツアーを観た衝撃は、今でも胸に焼き付いています。

会場はあまり混んでいなくて、スタンディングながら隣の人とは余裕があるくらいの客入りでした。
しかしながら、演奏が始まるとデレクのギターに圧倒され場内は大熱狂!
終演後にサイン会もあって、CD『Joyful Noise』にサインをしてもらったこともいい想い出です。

そのデレク・トラックス・バンド『Joyful Noise』に、ライヴ音源4曲を追加した新エディションがリリースされました。

The Derek Trucks Band『Joyful Noise/Backyard Trucks』
(輸入CD FLOATD6470/国内仕様盤 BSMF7748 2,970円税込)

『Joyful Noise』は2002年に発表された初期の名盤で、名ソウル・シンガーのソロモン・バークや、後にデレクの奥方となるスーザン・テデスキもゲスト・ヴォーカルで参加しています。近年は入手困難となっていたのでうれしい再発ですね。
今日のこの1曲は、今回追加収録されたライヴ音源「I Wish I Knew」(How It Would Feel To Be Free)。森陽馬


2025年5月7日(水) Young Gun Silver Fox 「The Greatest Loser」

アンディ・プラッツ(ママズ・ガン)、ショーン・リーによるAOR/ブルー・アイド・ソウル・ユニット、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス。
1stアルバム『ウェスト・エンド・コースト』から2025年でちょうど10年。一貫してグッド・メロディ&洗練されたサウンドを届けてくれる彼らの約3年ぶり5枚目となる新作がリリースされました。

ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス『プレジャー』
(国内CD 解説・歌詞付 PCD-25472 2,750円税込)

♪スティーヴィー(・ワンダー)&スライ(・ストーン)の時代に 1975年に連れてって そこが僕の行きたいところ♪と歌うファンキーなリード曲「Stevie&Sly」から伸びやかな歌声、アレンジの気持ちよさは格別♪
今作ではホーンは最小限に、ハーモニーは増し増しという印象で、音の良さは今まで一番かも!と感じています。

初めて聴いた時からグッと心を掴まれた「The Greatest Loser」は、サビのハーモニーがとても美しい曲。
この曲で描かれる''最大の敗者''とはデヴィッド・キャメロン元首相のこと。
イギリスのEU離脱がもたらしたものは何か...アンディによる皮肉めいた詞には呆れ、強い憤りが表われています。
郷愁を誘う穏やかなメロディながら、気概を感じさせるナンバーです。東尾沙紀


2025年5月6日(火) Toni Wine 「Only Fools」

オールディーズ/ポップス・ファン、お待たせいたしました。
ティーンズヴィル・レーベルの新しい編集盤が出ました。

V.A.『All Dressed Up ~1960's Girl Goodies Lost & Found』
(輸入CD Teensville TV1067/国内仕様CDは5月28日発売予定)

今回はみなさんお待ちかねの60'sガール・ポップスものです。
未発表曲2曲を含めて全36曲、約80分収録。
ほとんどが無名アーティストのヒットしなかった曲なのにイイ曲ばかり。
いつも言っていますが、いったいどれだけの曲が埋蔵されているんでしょうか。本当に驚きです。

24ページ・カラー・ブックレットに、シングル盤のレーベルや女性シンガーの写真、詳細な英文解説が付いていますが、よく調べてくれたものです。頭が下がります。

注目曲はいろいろありますが、ブックレットの写真が気になったレスリー・ミラーや、ジェシー・ポールは曲も良かったし、ボブ・クルー&エディ・ランボウ作を歌ったロニー・ウォリス、バリー・デヴォーゾンが関係するスウィーツや、ダイアン・エモンドも素敵な曲でした。本当に目移りするイイ曲が並んでいます。

今日の1曲は、女性シンガー・ソングライターのトニ・ワインが、コルピックスから1964年に出したシングルのB面曲「オンリー・フールズ」を。いいバラードです。森勉



2025年5月5日(月) JIMI TENOR 「Summer Of Synesthesia」

昨日紹介したROSETTESに続き、フィンランド出身ミュージシャンによるまったりとした雰囲気の時に聴きたいこの1枚。

JIMI TENOR『July Blue Skies』
(輸入CD TIMMION RECORDS TRCD-12015)

JIMI TENORは1965年フィンランド生まれのテナー・サックス/フルート奏者。
2024年発表アルバム『Is There Love In Outer Space?』(
2024年6月24日今日のこの1曲参照)と同様に、TIMMION RECORDSのスタジオ・バンドCold Diamond & Milkと組み、独特なメロウ・グルーヴ/コズミック・ソウルを聴かせる作品です。

生バンドとシンセが融合したソウル・サウンドは、ゆらゆらと漂うような浮遊感があります。
熱くファンキーなソウルとはまた違った、ゆったりと身体が揺れるグルーヴを感じさせますね。

今日のこの1曲は5曲目「Summer Of Synesthesia」(夏の共感覚)を。
4月の桜から5月の藤、そして、色鮮やかなツツジから夏の向日葵。
季節の花と同じく、変化していく心の移ろいを描いたサウンドトラックのようなナンバーです。森陽馬


2025年5月4日(日) ROSETTES 「Green Ray」

ゴールデンウィーク真っ只中の本日5月4日は、みどりの日。
当店がある武蔵小山は、普段の日曜日よりまったりとした空気が流れています。

そんな雰囲気の昼下がり~休日の夜に合いそうな新譜この1枚。

ROSETTES『LIFESTYLES』
(輸入CD TIMMION RECORDS TRCD-12018)

ROSETTES(ロゼッツ)は、フィンランド/ヘルシンキを拠点に活動している8人組ソウル・グループ。
<北欧のクルアンビン>!?な浮遊感あるソウル・サウンドに、女性シンガー/ピアニストTytti Rotoによるヴォーカルが合わさり、ラウンジーに楽しめる1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、Green Day(みどりの日)ならぬ3曲目「Green Ray」(みどりの光)を。
ゆったり漂うような曲が多いアルバム中、最もグルーヴィー&ファンキーなナンバーです。 森陽馬


2025年5月3日(土) Galactic and Irma Thomas 「Where I Belong」

ジョン・クリアリーの新作(2025年4月28日今日のこの1曲で紹介)は大好評!
店でかけていると、店内にいる方からの問い合わせがとても多いんですよね。9月の来日も楽しみ♪

それに続いて、ニューオリンズ・サウンドの新譜オススメ盤を紹介しましょう。

Galactic And Irma Thomas『Audience With The Queen』
(輸入CD TZR-003CD)

2025年で84歳を迎えた“ニューオリンズの女王”アーマ・トーマスと、ニューオリンズ発ジャズ・ファンク・バンドのギャラクティクが組んだ2025年新作アルバムです。

ローリング・ストーンズがカヴァーしたことで有名な「Time Is On My Side」や、名曲「It's Raining」で知られるアーマ・トーマスですが今も現役バリバリ! ギャラクティクによる楽曲&演奏も、ルーツに根ざした味わい深いサウンドで、彼女の元気な歌声を引き立てています。スタントン・ムーアのドラミングもタイトかつグルーヴ感があってかっこいいですね。

今日のこの1曲は2曲目「Where I Belong」を。
オルガン&ホーンもファンキーに響いて、スタックス・サウンド的でゴキゲンなナンバーです♪ 森陽馬



2025年5月2日(金) デイヴィッド・リー・ロス 「カリフォルニア・ガールズ」

新しいミュージシャンに興味を持つ時、僕の場合、今も昔も<60's>がキーワードになっていることが多いようです。

1978年レコード・デビューしたヴァン・ヘイレンに注目した時もそんな理由からでした。
彼らのデビュー曲はキンクスのカヴァー「ユー・リアリ・ガット・ミー」で、プロデューサーは60'sに活躍したグループ、ハーパース・ビザールのメンバーだったテッド・テンプルマン。60'sファンとしては放っておけないファクターです。

今日の1曲は、ヴァン・ヘイレンのリード・ヴォーカリスト、デイヴィッド・リー・ロスがグループを離れて出した大ヒット・シングルを。

1985年、デイヴィッド・リー・ロスがソロ・シングルとして出した曲は、なんと、ビーチ・ボーイズ1965年のヒット「カリフォルニア・ガールズ」のカヴァーでした。
この曲はあれよあれよという間にチャートを駆け上がり、全米チャート第3位を記録する大ヒットとなりました。

ビーチ・ボーイズのファンの中には、曲を冒涜しているという意見も当時ありましたが、僕は意外と気に入っています。
デイヴィッド・リー・ロスの猥雑な歌い方が、この曲に合っていると思いますし、なんと言ってもバック・コーラスにビーチ・ボーイズのカール・ウィルソンと、ファルセット部分ではクリストファー・クロスが参加していて素晴らしい。森勉

★デイヴィッド・リー・ロス『ザ・ベスト』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-26310 1,430円税込)


2025年5月1日(木) CHAPPO 「You Came A Long Way From St.Louis」

Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin(通称チョコパ)でも活躍中の細野悠太と、細野晴臣50周年記念イベントに出演したこともあった福原音が2019年に組んだユニット、CHAPPO(シャッポ)。
待望の1stフル・アルバム『a one & a two』が発売されました。

CHAPPO『a one & a two』
(国内CD 全14曲入 
当店のみの先着特典マグネット付 DDCK-1081 3,300円)

ユニット名のCHAPPO(シャッポ)は細野晴臣さんが名付け親。
タイトル『a one & a two』は、エドワード・ヤン監督2000年公開映画『ヤンヤン 夏の想い出』の英題から命名。
カクバリズムからの発売で、小山田米呂(コーネリアス小山田圭吾の息子)も参加、...等々。
注目点が多々ありながらも、肩の力が抜けたような独特な空気感で統一されている作品でした。
インスト楽曲に加え、歌、セリフ、朗読、ムシ声まで入っている不思議な1枚です。

今日のこの1曲は、細野悠太が歌っている「You Came A Long Way From St.Louis」カヴァーを。
後半のムシ声(早回しした高い歌声)は、ムシ声マニアであり本作のジャケット・デザインも手掛けた岡田崇さんが所有している、ムシ声専用テープ・レコーダーを使用して録音したそうです。森陽馬


2025年4月30日(水) Sting 「SynchronicityⅡ(Live)」

2年ぶりの来日公演が発表になったスティング。
2025年9月12~21日の間に、神戸・東京・名古屋・広島・福岡の5都市(6公演)を回るツアーです。

盟友ドミニク・ミラー(g)と、マムフォード&サンズのサポート等で活躍するルクセンブルク出身のクリス・マース(dr.)と共に2024年からスタートさせた今回のツアーは、ポリス以来のトリオ編成ということでも話題となっています!

<スティング3.0>として世界各国を絶賛ツアー中である彼らの最新ライヴ・アルバムがリリースされました。

スティング『3.0ライヴ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 日本限定デラックス2CD UICY-80593 4,400円税込)

「孤独のメッセージ」に始まり、「Englishman In New York」、「Fields Of Gold」、「見つめていたい」、「シンクロニシティーⅡ」、「Seven Days」、「世界は悲しすぎる(Driven To Tears)」、ライヴ音源としては初収録となる最新曲「I Wrote Your Name(Upon My Heart)」など、ポリスやソロの楽曲を交えたキャリアを総括する内容。

これまでのツアーでもヒット曲・名曲は沢山演奏されていると思いますが、クリス・マースのアグレッシヴ且つ表現力豊かなドラムが新鮮に響きます。大ベテラン2人と若き(?)ドラマーとの熱いライヴを是非生で体感してみたいですね。

日本限定デラックス盤は嬉しいことにCD2枚組!
レコード・ストア・デイ2025限定で発売された今作のデラックス2LPのディスク2の音源が、日本のみでCD化されています。東尾沙紀


2025年4月29日(火) ジェフリー・フォスケット 「Do It Again」

この所、これといった話題が少ないビーチ・ボーイズ界隈です。が・・・

今年は2025年。
1965年に出た『トゥデイ』そして『サマー・デイズ』は60周年ということになります。

もっと言うと、1985年発表「ゲッチャ・バック」収録の『ビーチ・ボーイズ』は40周年。
それから、ブライアン・ウィルソンのソロで1995年に出たドン・ウォズ・プロデュースの『アイ・ジャスト・ワズント・メイド・フォー・ジーズ・タイム』(駄目な僕)は30周年なんです。

エ~イ、なんでもいいから出してくれ~、と言いたくなりますね。

今日の1曲は、ブライアン・ウィルソンを、ビーチ・ボーイズを助けてくれた影の立役者、ジェフリー・フォスケットの歌。森勉

ジェフリー・フォスケット『ヴィンテージ・サマー』
(国内CD 解説付 VSCD-3984 2,547円税込)


2025年4月28日(月) ジョン・クリアリー 「So Damn Good」

ニューオリンズでは、恒例のNew Oleans Jazz & Heritage Festival(通称ジャズフェス)が現在開催中。
ジャズフェス会場はもちろん、バーボン・ストリート他中心街は夜中も賑わっているのでしょうね。

そのジェズフェスと合わせるように、ジョン・クリアリーの新作アルバムが発売されました。

ジョン・クリアリー『The Bywater Sessions』
(国内CD ピーター・バラカン氏による解説・歌詞・対訳付 SICX-30233 2,970円税込)

アラン・トゥーサン&ドクター・ジョン亡き後、ニューオリンズ・ピアノの正しき継承者とも言えるジョン・クリアリー。
彼自身のスタジオFUNK HEADQUATERSでの録音で、John Poterとの共同プロデュースによる新作です。
バック演奏はジョンのバンドAbsolute Monster Gentleman(Cornell Williams、A.J.Hall、Nigel Hall、Pedro Segundo、Xavier Lynn、Aaron Narcisse、Charlie Halloran、Jason Mingledorf、Harry Shearer)が務めています。

今日のこの1曲は、冒頭のファンキー・チューン「So Damn Good」。
2ビートのゴスペル調ファンクで最高にかっこいい!

なお、日本盤CDには、2024年ジャズフェスでのライヴ音源が3曲追加収録されています。森陽馬


2025年4月27日(日) 寺尾紗穂 「Glory Hallelujah」

寺尾紗穂さんが発起人のりんりんふぇすVol.12が、東京・山谷の玉姫公園にて本日行われました。

玉姫公園での<りんりんふぇす山谷>は、昨年に引き続き2回目(
2024年3月5日今日のこの1曲で紹介)。
初夏のような陽気の素晴らしい1日で本当によかったです。

今年から入場料は自由価格で、入場時に各々の気持ち分を支払うシステムでしたが、混乱や滞りは特になし。
山谷にお住まいの方含め、老若男女たくさんの方々が楽しめたと思います。

寺尾紗穂with新人Hソケリッサ、坂口恭平(ゲスト七尾旅人)、よしだよしこ、冬にわかれて、川村亘平斎(影絵)に加えて、ご年配の方々が歌う『カラオケタイム』が今年も大好評! 座談会・慰霊にも多くの来場者が耳を傾けていました。

特に、よしだよしこさんが歌う「高野君の焼き鳥屋」、「クラウディオさんの手」に僕はとても感動しました。
この場で歌われることに意義を感じましたね。誠実な歌声に背筋が伸びる想いでした。

なお、寺尾紗穂さんは「青春時代」「たよりないもののために」「アジアの汗」。
冬にわかれてでは、「君の街」「もうすぐ雨は」「しゅーしゃいん」「なんにもいらない」「君が誰でも」を披露。
りんりんふぇすラストで毎回歌われる「どうにかなるさ」の後に、「グローリーハレルヤ」も歌ってくれました。

「愛は生きること。私が私であることを願いながら。」
「私もあなたも一人じゃないと。共に生きている。」
この歌に込められた想いを日々噛みしめなければ、と改めて今感じています。
寺尾紗穂さん、りんりんふぇすスタッフの皆様、おつかれさまでした。そしてありがとうございました。森陽馬

★掲載ジャケットは、寺尾紗穂さんが歌う「Glory Hallelujah」収録の2022年発表10作目『余白のメロディ』(KHGCD-002 3,300円税込)。なお「Glory Hallelujah」のオリジナルは西岡恭蔵さんです。


2025年4月26日(土) yojikとwanda 「ヘイヒュー」

一息ついた時につまむクッキーと紅茶のように、ささやかな平穏と幸せを与えてくれる1枚。

僕が長年応援している二人ユニット、yojikとwandaの新作アルバムが本日入荷しました。

yojikとwanda『シーセイ』
(hdhg-2504 先着特典:ジャケット・イラスト四角マグネット 2,500円税込)

変わらぬ素晴らしい歌声が魅力的な女性シンガー、yojikさん。
唯一無二の個性を持つwandaくん。
アンバランスなようで相性バツグン!?な二人によるyojikとwanda。

コロナ禍に入った2020年以降、宅録&データのやりとりで制作した楽曲を中心に構成された本作。
二人らしいゆるやかなようでいて奇想天外。でも、心に沁みる楽曲が14曲収められています。

今日のこの1曲は、5曲目「ヘイヒュー」を。
yojikとwandaの代表曲「I Love You」と同様に、優しさと切なさを感じさせるナンバーです。

なお、歌詞のイメージを散りばめたジャケットは富山在住のイラストレーターおざわさよこ氏とデザイナー高森崇史(T&K)氏が手掛けており、そのイラストのマグネットを当店でお買い上げの方に先着で差し上げています
。森陽馬


2025年4月25日(金) 寺尾紗穂 「悲しみが悲しみであるうちに」

寺尾紗穂さんが発起人となって行われている<りんりんふぇす>。
第12回目となる今年は、東京・山谷の玉姫公園で2025年4月27日(日)に開催されます。


路上生活者が販売員となり、売上の約6割が収入になる仕組みの雑誌『BIG ISSUE』を多くの人に知ってもらい、ホームレス問題や自分たちの生活・仕事について考えよう、という目的で行われてきたイベントです。
2025年の入場料金は自由価格。様々な方々の想いが来場者に伝わるといいですね。

なお、今年の出演者は、寺尾紗穂、坂口恭平、よしだよしこ、川村亘平斎、新人Hソケリッサ!。
モンゴル発のDelkhiiはキャンセルとなり、冬にわかれて(寺尾、伊賀航、あだち麗三郎)の出演が決定しました。
恒例の座談会や炊き出し(無料の軽食配布)も行われます。
お時間ある方は是非立ち寄ってみてください。

今日のこの1曲は、2023年3月りんりんふぇすVol.10のステージで初めて聴き、印象に残った「悲しみが悲しみであるうちに」を。

ウクライナのある少年が「戦争の止め方」とネット検索していたのが1年後には「武器がほしい」と語っている、という記事を読んだことがきっかけで書かれた楽曲。悲しみが怒りや憎しみへ変わる前に、私たちはこの世界をどうにかできないのだろうか、と願う紗穂さんの気持ちが痛いほど伝わってくるナンバーです。森陽馬

★掲載ジャケットは、「悲しみが悲しみであるうちに」収録の2024年発表作『しゅーしゃいん』。
(国内CD KHGCD-004 3,300円税込)


2025年4月24日(木) Lucy Rose 「Over When It's Over」

リリースされたのは2024年4月。ほぼ1年前の作品になりますが、ここ最近ずっと聴いている1枚です。

Lucy Rose『This Ain't The Way You Go Out』
(輸入CD COMMUNION COMM574)

ルーシー・ローズは1989年生まれ、イギリス・ウォリックシャー出身、2012年にデビューした女性シンガーソングライター。
結婚・出産(現在2児のママ)を経て、約5年ぶり5枚目となる最新作です。

これまでの作風はフォーキーで穏やかなものが多かったのですが、ギターではなくピアノ主体になったこと+ジャズ/ソウルのエッセンス/グルーヴが加わって、彼女のソングライターとしての新たな魅力が開花!

1人目を出産して経験した身体の不調、人間関係...曲のテーマは決して明るいものばかりではないけれど、しなやかな歌声、躍動するメロディに、とても強い生命力を感じます。
「Over When It's Over」を筆頭に、彼女のこれまでの楽曲とはまた違った高揚感を味わえます。
フルートのソロもかっこいいです。

エレクトロニカの分野でも活躍する男性アーティストKwes.(クウェズ)をプロデューサーに迎え、打ち込みと生の管弦楽器を用いたアレンジも聴きものです。お子さんの声が収録されたインタールードに和みます。東尾沙紀


2025年4月23日(水) ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸 「Tokyo To Me」

ニューヨーク州ロング・アイランドで1947年に生まれたピーター・ゴールウェイと、東京で1961年に生まれた佐橋佳幸が交差点で出会い、ギターケースを抱えてハイタッチをしているジャケット。
まさに、EN(縁)を感じさせるコラボ・アルバムが本日発売されました。

ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸『EN』
(国内CD 初回生産分のみA3ポスター&ステッカー封入 VSCD-3245 4,000円税込)

本作は、ピーター・ゴールウェイが2025年1月に来日し、佐橋佳幸と日本で録音した新作アルバムです。
バックは、林立夫、屋敷豪太、小原礼、Dr.kyon、山本拓夫が務め、更にピーターが初来日した1978年時に共演したことがあった細野晴臣、大貫妙子、矢野顕子が、また一緒に演奏したいとのピーターの希望もあり、ゲストで参加しています。

今日のこの1曲は、松たか子もコーラスで参加している3曲目「Tokyo To Me」を。
ピーターの味わい深いソングライティングと歌声、そして佐橋佳幸のギター・ソロに温もりを感じますね。

ちなみに、「Kyoto」「Shinjuku Neon」「Meiji Shrine」「Decidedly Kabuki-cho」という曲も収録されています。森陽馬


2025年4月22日(火) 山下達郎 「ドリーミング・デイ」

シュガー・ベイブの唯一のアルバム『SONGS』発表から50周年、おめでとうございます。

何回か再発されてきたので、それをお持ちの方がいらっしゃると思いますが、今回は見逃せない内容になっています。

アナログLP、カセットも出ましたが、そちらはオリジナルのフォーマットでの発売です。
CDは2枚組でボーナス・トラックがたくさん収められています。

シュガー・ベイブ『SONGS』 50th Anniversary Edition
(国内2枚組CD 山下達郎による解説付 WPCL-13642 4,180円税込)

CDのディスク1には、オリジナル・フォーマットの11曲に加え、デモ・ヴァージョン4曲、仙台でのライヴ4曲の全19曲収録。一応、今までのCDで聴ける音源です。

ディスク2は初CD化となる1994年の<山下達郎 SINGS SUGAR BABE>の音源を全14曲収録。
中野サンプラザ・ホールで4日間だけ行われた伝説のコンサートです。
どの曲も達郎さんの声の出が素晴らしく、圧倒されます。

今日はその中から、ディスク2の5曲目に入っている「ドリーミング・デイ」を。
♪パパ・ドゥ・ランラン♪コーラスで始まり、ゴキゲンな演奏を伸び伸びしたヴォーカルで包み込み、ラストはラスカルズの名曲「ア・ビューティフル・モーニング」の一節を気持ち良く歌う。―なんて素敵な瞬間だったのでしょう。森勉


2025年4月21日(月) ビーチ・ボーイズ 「Our Prayer」

1981年4月22日にオープンしたPET SOUNDS RECORDは、明日2025年4月22日で44周年を迎えます。
お客様皆様、ありがとうございます。

街のCD・レコード店として、できる限り営業を続けていきたいと思っております。
これからも末永くよろしくお願い申し上げます。

さて、2005年武蔵小山駅前再開発の時、当店を救ってくれた恩人ともいえる桜の木(
こちらのコラムコーナー参照)を、移植先へ先日見に行ってきました。


老木でありながら、新しい枝も増えて、桜の花を広げていました。
移植後も花を咲かせているこの桜の木を、当店も見習わなければ、と感じましたね。

今日のこの1曲は、ビーチ・ボーイズ『スマイル』の1曲目「Our Prayer」を。
桜の木が武蔵小山駅前にまだあって、当店旧店舗が閉店した時(2005年1月)。
ブライアン・ウィルソンの来日公演で、この歌のコーラスを聴いた瞬間の感動は忘れられません。森陽馬

★掲載ジャケットは、ビーチ・ボーイズ『スマイル』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 TOCP-71112 2,619円税込)


2025年4月20日(日) Neil Young 「SONG X」

ニール・ヤングの2023年ソロ・ツアー・ライヴ&舞台裏を纏めた映像作品『COASTAL』(監督はニールの現妻:ダリル・ハンナ)のサントラ盤『COASTAL:THE SOUNDTRACK』が、4月18日にCD、LPで発売されました。

・・・が、マスター不良の連絡があり、CDは急遽出荷停止に・・・。
配信も一部ストップしているようです。

しかしながら、アナログLPは回収にならず、店に入荷したので早速聴いてみました。

Neil Young『COASTAL:THE SOUNDTRACK』
(輸入LP Reprise/Warner 9362483877)

うーーーん、このLPもマスター不良なのでは?と思える箇所があるんですよね。
後半の「SONG X」、「I AM A CHILD」の歌が、ニールとは別人のような低い男性の声なのです。
(というか、ニールの声を遅い回転数で聴いたような、もしくは仮歌のような小さく低い声)
映画を観ていないのでなんとも言えませんが、違和感を感じました。

ハーモニカと歌が被っている箇所があることを指摘している方もいて、オーバーダブの問題でしょうか?
買ったのに聴いていないマニアに、ちゃんと聴きなさい!という裏メッセージなのか?!
どの点が不良かわからないので、良品が届いてから再検証することとしましょう。森陽馬


2025年4月19日(土) トミ藤山 「Danny Boy」

2005年9月3、4日に狭山の稲荷山公園で行われたハイドパーク・ミュージック・フェスティヴァル。
暑かった1日目、豪雨で過酷だった2日目、虫の鳴き声をバックに聴いた細野晴臣さん。
数日前のことのように色々と思い出すことができます。

麻田浩さんのステージに客演した、日本カントリー界の女王、トミ藤山さんも印象深いですね。
ギター早弾きと圧倒的な歌声、貫禄のパフォーマンスでした。

あれから約20年を経て2025年。85歳になったトミ藤山さんは今も現役です。
この度、スタンダード・ジャズを歌った新作アルバムを発表しました。

トミ藤山『トミ・シングス・ジャズ』
(国内CD MIRION-21 3,300円税込)

トミ藤山さんの味わい深いヴォーカル、そして、渋谷毅(ピアニスト、85歳!)、廣木光一(ギター)、飯田雅春(ベース)による、彼女の歌声を引き立たせる素晴らしい演奏が心に沁みる1枚♪
今日のこの1曲は、ずっと聴いていたくなる11曲目「Danny Boy」。森陽馬


2025年4月18日(金) Cyndi Lauper 「Girls Just Want to Have Fun」

明日4月19日の大阪公演を皮切りに、6年ぶりの日本ツアーがスタートとするシンディ・ローパー。
ツアー引退を表明し、今回が最後の来日...。

来日に先駆け、4月11日から1週間限定で劇場公開されたドキュメンタリー映画『シンディ・ローパー:レット・ザ・カナリア・シング』を観ました。

幼少期から、ソロ・デビュー前<ブルー・エンジェル>でのバンド活動、ソロ・シンガーとしての成功、LGBTQ+をはじめとする支援活動、ミュージカルに取り組む近年の姿までが1時間半ほどにギュッと凝縮されていて、とても面白かったです。

「Girls Just Want to Have Fun」がカヴァー曲で、男目線の曲だと最初は拒絶していたこと、この曲をヒットさせるための一風変わったプロモーション、「Time After Time」制作時の話など、どのエピソードも自分には新鮮で、彼女のひと言ひと言を書き留めておきたくなったり、胸が熱くなるような場面も沢山ありました。
パティ・ラベルとの熱い掛け合い、「Change Of Heart」2004年のライヴなど、パワフルなパフォーマンスにも圧倒されました。

海外ではLP、配信のみでリリースされている本作品のサウンドトラックが、来日記念盤として日本のみで世界初CD化!
「ジャンルはパレットよ」...ブルース、スタンダード、ダンス・ミュージックなど型に嵌らない表現を続けてきた歴史、幅広い世代のアンセムとなった名曲・ヒット曲が収録されています。

シンディ・ローパー『レット・ザ・カナリア・シング (ジャパン・エディション)』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック6曲収録 SICP-31756 2,200円税込)

楽曲のエピソード/劇中での描き方も印象的だった「Hat Full Of Stars」もサントラに入れてほしかったです...。
今まで知らなかった素敵な曲に出会えて嬉しかったです。東尾沙紀



2025年4月17日(木) 上原ひろみ HIROMI'S SONICWONDER 「Yes! Ramen!!」

武蔵小山にはラーメン店がたくさんあります。
ボニート・ボニート、じらい屋、楽観、一途、風は南から、がんくろ、爆龍、はいむる、一球、坂内、せい家、どさん子、ニュータンタンメン本舗、きりきり舞、街中華の明星飯店、鉱月、とき、銀嶺、等々激戦区ですね。
皆さんのお気に入りのラーメン店は何処でしょうか?

さて、今日のこの1曲は、ラーメン大好きミュージシャンによるラーメン讃歌の楽曲。
上原ひろみのバンド、HIROMI'S SONICWONDER「Yes! Ramen!!」!

上原ひろみ HIROMI'S SONICWONDER『OUT THERE』
(国内CD 初回限定DVD付 UCCO-8048 4,180円税込/CDのみ UCCO-1248 3,300円/輸入LPもあり)

現代で日本一人気と実力を兼ね備えたJAZZピアニスト、上原ひろみが中心となって、アドリアン・フェロー(B)他と組んでいるバンド、HIROMI'S SONICWONDER。傑作1st『Sonicwonderland』(
2023年9月10日今日のこの1曲で紹介)以来となる2ndアルバムが先日発売されました。

その2曲目に収められているのが、「Yes! Ramen!!」。
ラーメン屋の店主が1杯のラーメンに人生をかける想いを、上原ひろみが影響を受け書き下ろした1曲。
ラーメンを食べて美味しかった時の高揚感が伝わってくる、アグレッシヴでかっこいいジャズ・ナンバーです。森陽馬


2025年4月16日(水) 大滝詠一 「恋の汽車ポッポ」(シングル・ヴァージョン)

「僕のやりたい音楽は、“POP”なのだ。」

1972年に愛用していた手帳の巻頭の一言として、大滝詠一が記していた言葉です。
(2023年11月1日発売はっぴいえんど『HAPPY END』(3rdアルバム)のブックレットに掲載されていました。)

個人的にははっぴいえんど時代の大滝詠一は、「ロックの人」というイメージでした。
しかし、1971年に出たソロ・シングル第一弾「恋の汽車ポッポ」、その後1972年のソロ・ファーストLPを聴いてからは、オールディーズ/50's、60'sのポップスにとてもシンパシーを感じている人になりました。

そして、ラジオ番組『GO GO NIAGARA』が始まった1975年からは、本当にオールディーズを研究しつくしている人となったのです。

ということで、今日はこのアルバムから。
大瀧詠一『乗合馬車(オムニバス)』
(国内CD SRCL-12345 4,290円税込)

なお、短い時間ですが、ひさしぶりに恵比寿『セイリン・シューズ』でDJをさせていただく事になりました。
4月28日(月)19時~ 『ナイアガラ・ナイト』
この日はノー・チャージ・デイで、ドリンク代だけでいいそうです。
わたくしの出番は20:00~21:00頃の予定です。
大滝詠一関連の曲を12~15曲ぐらい。トークもします。森勉


2025年4月15日(火) 鈴木雅之(竜ケ崎宇童) 「禁煙音頭」(Niagara Triangle 1978 Mix)

大滝詠一が1978年に発表した奇盤『LET'S ONDO AGAIN』。
B面2曲目収録の「禁煙音頭」は、ダウン・タウン・ブギ・ウギ・バンド「スモーキン・ブギ」(作曲:宇崎竜童)をビーチ・ボーイズ「ヘルプ・ミー・ロンダ」等をミックスした音頭にアレンジし、禁煙をテーマにした歌詞に改変した楽曲でした。

その「禁煙音頭」を歌っていたのが、竜ケ崎宇童(鈴木雅之の変名)。
シャネルズ「ランナウェイ」でデビューする約2年前のことです。

2025年でデビュー45周年を迎えた鈴木雅之がドゥーワップに特化した記念盤『All Time Doo Wop!!』を発表。
本作は「ランナウェイ」2025新ヴァージョンなど、単なる寄せ集めではなく新録音も収録した3CD編集盤です。
そのディスク1の1曲目には、「禁煙音頭」(Niagara Triangle 1978 Mix)が収録されていました。

鈴木雅之『All Time Doo Wop!!』
(初回限定3CD+Blu-ray ESCL-6076 7,700円税込/通常3CD ESCL-6080 5,500円税込)

この「禁煙音頭」(Niagara Triangle 1978 Mix)は、新たに発掘されたレア・トラック!
本編歌唱の一部を大滝詠一本人も一緒に歌っている未発表音源です。

なお、曲の中間、煙にむせて咳き込んでいるのは山下達郎によるもので、この3人が参加しているトラックということから、<Niagara Triangle 1978 Mix>という副題が付いているのでしょう。
栄えある45周年記念盤の1曲目に、こんなマニアックなトラックを選曲するなんて、マーチンのナイアガラ愛を感じますね。森陽馬


2025年4月14日(月) Stone Foundation 「Cut Me Loose」 feat.J.P.Bimeni

ホーン・セクションを擁するUKの正統派8人組ソウル・バンド、ストーン・ファンデーション。
結成25周年を越え、作品毎に味わいが増していく彼らの3年ぶりの新作がリリースされました。

Stone Foundation『The Revival Of Survival』
(輸入CD 100% Records 100CD158 /輸入LPもあり)

11作目となる今作は、ストーン・ファンデーションらしい渋味の中に、じわじわと胸を熱くさせてくれるファンクネスが共存した、クールなナンバーがずらり♪

UK人気ベテラン・シンガーOmar、Acid Jazzの新鋭Laville、東アフリカ・ブルンジがルーツであるJ.P.Bimeni、Sheree Dubois&Carmy Loveの女性シンガー2人など多彩なゲスト・ヴォーカリストをはじめ、元スタイル・カウンシルのミック・タルボット、サックスにジャッコ・ピーク、エンジニアはチャールズ・リース...とポール・ウェラー人脈も参加。
おなじみとなったポール・ウェラー所有のBlack Barn Studiosでレコーディングされています。

J.P.ビメニの太い歌声がかっこいい「Cut Me Loose」は今作の中でも特にファンキーで熱い1曲!
Feel The Rhythm!Join Together! これはライヴで盛り上がりそうです。東尾沙紀


2025年4月13日(日) 一十三十一 「Like A First Kiss」 feat. Wild Nothing

聴くたびに胸の鼓動が早くなって、夢のような現実を突き抜けさせてくれる1曲。
真に、First Kissのような・・・。

一十三十一(ヒトミトイ)がWild Nothingと組んだ新曲「Like A First Kiss」。

Jack Tatum(Wild Nothing)が手掛けた躍動感溢れるトラックと、一十三十一の艶やかな歌声は、"First Kiss"の如く忘れられず、音楽がかかっていない時でも脳内再生されるほど、媚薬のような中毒性を感じるキラーチューンです。

流線形の2006年発表傑作『TOKYO SNIPER』(リード・ヴォーカルは一十三十一)から早19年。
シティ・ポップを更にアップデートさせたグルーヴに心躍らされました。森陽馬


★掲載ジャケットは、Record Store Day 2025で発売された7inchアナログ盤。
一十三十一『Like A First Kiss』 feat. Wild Nothing
(国内7inch 限定盤 HBAJ-1001 2,200円税込)

★この曲が収録された彼女の約7年半ぶりとなる新作アルバム『Telepa Telepa』も好評発売中です。

(国内CD HBRJ-1029 3,080円税込)


2025年4月12日(土) LIANNE LA HAVAS 「Lost & Found」

本日のRECORD STORE DAY 2025、たくさんのご来店・お買い上げ、ありがとうございました。

音楽の聴き方や楽しみ方は変化していますが、音楽を聴いて心が熱くなる気持ちは忘れずにいたいですね。

僕が楽しみにしていたレコード・ストア・デイ2025アイテムはこの1枚です。

LIANNE LA HAVAS『Is Your Love Big Enough?』
(輸入LP Limited Edition PINK & BLUE GALAXY MARBLE VINYL 5021732550439)

1989年英国でギリシャ系父とジャマイカ人母との間に生まれた女性シンガー、リアン・ラ・ハヴァス。
<女性版プリンス>、<新世代のシャーデー>とも評される彼女が2012年に発表した1stアルバム。
聴いた瞬間、身体に電気が走るような歌声とオーガニックな演奏が素晴らしい作品です。

発売当時もアナログは出ていましたが、近年は中古LPが超高値なのでうれしいリイシュー。
シングル・ジャケットのカラー盤仕様になっています。

今日のこの1曲は、スローナンバーA面3曲目「Lost & Found」を。
疲れて帰ってきた夜遅くに、部屋でじっくりと聴いて、物心に耽りたくなります。森陽馬


2025年4月11日(金) すずめのティアーズ 「糸繰り節」

2025年4月12日(土)はRECORD STORE DAY!

<レコード店へ足を運び、アナログ・レコードを聴いて音楽を楽しもう!>
RECORD STORE DAYは、2008年に米国で始まった中小レコード店と音楽ファンのためのイベント。
様々なレコードがRECORD STORE DAY当日に限定発売されます。

RECORD STORE DAY JAPAN 2025のアンバサダーは、DJ KOCO aka SHIMOKITA。
当店で販売する国内盤タイトルは以下になります。
DJ KOCO aka SHIMOKITA、3776、大貫妙子、一十三十一、さらさ、すずめのティアーズ、ムーンライダーズ、満島ひかり、Chilli Beans.、Alan Kwan&林正樹、Balming Tiger、Jah Gumby、Tiroleantape Chapter4、綾小路翔/夏海姉妹、45trio、かとうれい子、田中裕梨、渡辺シュンスケ、etc...。

入荷した輸入盤タイトルは以下です。
John & Yoko Plastic Ono Band、Taylor Swift、Liam Gallagher、Lianne La Havas、Nick Lowe、Joni Mitchell、Alex Chilton、PiL、The Cure、Jethro Tull、David Bowie、Michael Kiwanuka、Carla Thomas、Cimarons、Jackie DeShannon、Virgin Suicides OST、『Jazz Dispensary:Night Lights』、『Caroline Now! The Songs of Brian Wilson and The Beach Boys』
大幅にショートして1枚のみのタイトルがございます。売り切れの際はご了承ください。

今日のこの1曲は売切必至?!、すずめのティアーズ(佐藤あずさ&あがさ)の1stアルバムから「糸繰り節」。

すずめのティアーズ『Sparrow's Arrows Fly So High』
(国内LP RSD2025完全限定盤 DYSU1 5,000円税込/国内CD DYS007 3,300円税込)

ミュージック・マガジン誌2025年1月号『ベスト・アルバム2024』、JPOP/歌謡曲部門第1位を獲得した1枚!
すずめのティアーズによる日本民謡×ブルガリア民謡×二声ヴォーカルを、アナログで楽しみましょう。森陽馬


2025年4月10日(木) LAKE 「Bucolic Gone」

当店の近隣にある桜の隠れ名所、かむろ坂や西小山の桜並木通りも、葉桜が目立ってきました。

開花後寒い日が続いたこともあり、例年よりも長く桜を楽しめましたが、だいぶ散ってきましたね。

そう、4月のこの時期は、春の陽射しを心地良く感じる日もあれば、今日のような雨模様の日もあります。
新しい出会いや生活で華やかな面があるのと対照的に、別れや郷愁で切ない想いになることもありますよね。

そんな春の曇り空の日、メランコリックな心持ちの時に聴きたくなるのが、今日紹介するこの1枚です。

LAKE『Bucolic Gone』
(国内CD 日本限定CD化 歌詞・対訳付 EPCD138 2,640円税込)

LAKEはイーライ・ムーア&アシュレー・エリクソン夫婦を中心にワシントン州オリンピアで結成されたユニット。
2025年で結成20周年を迎え、現在はアンドリュー・ドーセットを加えた3人編成で活動している彼らの通算10作目は、メロウなメロディーと浮遊感あるサウンドが合わさった、不思議な魅力を持ったアルバムです。

今日のこの1曲は、落ち込んでいる時でも、ほどよく心に響いてくるポップ・ナンバー「Bucolic Gone」。森陽馬


2025年4月9日(水) 相川理沙 「おくり火」

当店が応援し続けている福岡出身の女性シンガー、相川理沙さん。
彼女がライヴ会場で販売しているCDを、当店にて取り扱いさせていただけることになりました。

相川理沙『あの頃よりも、青く』
(国内CD TR-004 2,000円税込)

相川理沙さんは数年前まで関東を拠点にしていましたが、現在は故郷の福岡へ戻り活動中。
澄んだ美しい声は健在で、誠実な歌を歌い続けています。

本作は彼女が2024年に制作した6曲入りのミニ・アルバム。
ピアニスト郡奈津子、ドラムスchang skywalkerと共に、アコースティックな演奏をバックに録音された1枚です。

アン・サリーが歌う「蘇州夜曲」(『MOON DANCE』収録)を彷彿とさせるアレンジの「夏の風」も印象的ですが、今日のこの1曲は、亡き人を想う切ない気持ちが伝わってくる4曲目「おくり火」を。
包容力があって、安らぎを与えてくれる女性ヴォーカルお好きな方は、是非聴いてみてください。森陽馬

通販コーナーにも掲載しました。


2025年4月8日(火) Silje Nergaard 「Tomorrow We'll Figure Out The Rest」

春の陽射しを感じながら、昼にゆったりと。
もしくは、疲れた身体と心をやさしく労わりながら、夜にしっとりと。

何時聴いても、穏やかな気持ちになれるオススメの1枚です。

SILJE NERGAARD『Tomorrow We'll Figure Out The Rest』
(輸入CD Masterworks/Sony 19802890702/輸入LPもあり)

Silje Nergaard(セリア・ネルゴール)は、1966年生まれノルウェー発の女性シンガー。
セリアの名義で1990年頃に発表した「やさしい光につつまれて」(Tell Me Where You're Going)が、日本でもヒットしてラジオでよくかかっていました。
本作はその彼女が両親と家族への想い出を歌に込めた2025年作品です。

今日のこの1曲は、アルバム最後に収録されているタイトル曲「Tomorrow We'll Figure Out The Rest」。
セリアの透き通った歌声と、Vince Mendoza(ヴィンス・メンドーサ)が指揮するStavanger Symphony Orchestraの上品なバック・サウンドが美しく調和した、とても素晴らしいナンバーです。森陽馬



2025年4月7日(月) Alpaca Sports 「Tonight」

さわやかで甘酸っぱくて切ない、ギター・ポップ/ソフト・ロック・アルバム。

スウェーデン・ヨーテボリで結成、2011年から活動している男女インディー・ポップ・トリオ、アルパカ・スポーツ。
スペインの人気レーベルElefant Recordsから、約7年ぶりの新作がリリースされました。

アルパカ・スポーツ『アナザー・デイ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック2曲 TCRD-042 2,200円税込)

春から初夏にかけてのやわらかな陽気が似合う彼らの音楽。
瑞々しいアレンジ、スウィートな歌声は変わらずながら、コロナ禍、結婚、最愛の母との別れ...中心人物アンドレアス(vo/g)の人生の転機となった出来事、心情が反映された詞には切なさ、儚さも感じられます。

今作には、彼の奥さんでミュージシャンのクリスティーナ・ケサダもバック・ヴォーカルで参加。
彼女の声も加わり、コーラス・ワークにはこれまで以上にこだわりが感じられます。

叙情的なメロディ、賛美歌のような美しいハーモニーに癒やされる「Tonight」を今日の1曲に。東尾沙紀



2025年4月6日(日) イノセンス 「メアジー・ドーツ」

ソニー・ミュージックから3月中旬発売になった<Hidden Gem In 60/70's~発掘!洋楽隠れ名盤>シリーズが、なかなかの評判です。
先日3月13日にこのページで、スリー・ディグリーズを紹介させてもらいましたが、今日はこちらを。

イノセンス『イノセンス』+3
(国内CD 解説付 SICP-6655 1,430円税込)

ソングライター・コンビのピート・アンダース&ヴィニ・ポンシアが中心となり、カーマ・ストラ・レコードの社長アーティ・リップを加えた3人が、イノセンスという名義で1967年に発表した唯一のアルバム。これがいいんです。

「すてきな言葉」(There's Got To Be A Word)と「メアジー・ドーツ」のチャート・ヒットがあるとは言え、当時の日本ではちゃんとした評価をされませんでした。しかし、CDの時代になり、何度か再発される内にソフトロックの隠れ名盤として知られるようになった、僕も大好きな1枚です。
ボーナス・トラック3曲の中の1曲は、「すてきな言葉」を作ったドン・シコーニが自ら歌ったヴァージョンも入っています。

今日の1曲は「メアジー・ドーツ」を。
古いノベルティ・ソングを彼ららしいアレンジで聴かせてくれるものです。

余談ですが、オールド競馬ファンにはこの曲タイトルに反応するかも?
当店がオープンした1981年、JRAの記念すべき第1回ジャパン・カップの勝ち馬は、キャッシュ・アスムッセン騎乗の伏兵【メアジー・ドーツ】というアメリカの馬でした。森勉


2025年4月5日(土) エルトン・ジョン&ブランディ・カーライル 「ローラ・ニーロの薔薇」

曲名が「ローラ・ニーロの薔薇」(原題:The Rose Of Laura Nyro)。
どんな曲なのだろう?と興味が湧きますよね。

これは、エルトン・ジョンとブランディ・カーライルが組んだ新作アルバム『天使はどこに』(原題:Who Believes In Angels?)の1曲目に収録されている楽曲です。

エルトン・ジョン&ブランディ・カーライル『天使はどこに』(Who Believes In Angels?)
(国内CD DVD付完全生産限定盤 UICY-80579 7,700円税込/国内CD 通常盤 UICY-16279 3,300円税込)

本作のプロデュースは、ローリング・ストーンズの2023年傑作『ハックニー・ダイアモンズ』を手掛けたアンドリュー・ワット。
バックバンドは、チャド・スミス(レッチリ)、ピノ・パラディーノ、ジョシュ・クリングホッファーと超豪華メンツ!
『ハックニー~』を彷彿とさせるエネルギッシュなロックでポップな1枚に仕上がっています。

で、1曲目の「ローラ・ニーロの薔薇」。
ローラ・ニーロ「ELI'S COMIN'」を大胆に織り込んだ、エルトン印の壮大なポップ・ナンバーでした。
ブランディ・カーライルのきれいな歌声も素晴らしいですね。
アンドリュー・ワットの編曲パワー、おそるべし! 森陽馬


2025年4月4日(金) RUMER 「Dangerous」 with Redtenbacher's Funkestra

風はまだ冷たいけれど、陽射しはやっと春らしくなってきましたね。
そんな春の陽気にピッタリのアルバムを取り上げましょう。

RUMER『IN SESSION with Redtenbacher's Funkestra』
(輸入CD RUM001CD)

カレン・カーペンター似の歌声が魅力的なパキスタン生まれ英国育ちの女性シンガー、ルーマー。
ロンドンを拠点に活動中のオーストラリア人ギタリスト、Stefan Redtenbacherとの共同プロデュースによる、セルフ・カヴァーを中心とした新作アルバムです。

StefanのバンドRedtenbacher's FunkestraはUK発ジャズファンク作品を出していることもあり、本作もグルーヴ感あるアレンジになっているのかな?と思って聴き始めたのですが、その予想を良い意味で裏切り、今までのルーマーと基本的には変わらずの雰囲気。
より生バンド的な演奏と、彼女の柔らかな歌声が心地良く調和した1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、4曲目「Dangerous」。
ダンサブルなオリジナルよりもメロウ・グルーヴな編曲で、こちらの方が好みかも。
Pete Billingtonが奏でるエレピ&ハモンド・オルガンの温もり溢れる音色は、心穏やかになる春の陽射しのようです。森陽馬


2025年4月3日(木) Iggy Pop 「I Got A Right」

イギー・ポップ来日公演を2025年4月2日東京ガーデンシアターで観てきました。

ザ・クロマニヨンズが前座で疾風の約30分。イギーオマージュでヒロトが上半身裸になる熱演+「初めてロック・コンサートへ来た人は、きっと一生忘れられない1日になると思うよ!」という熱いMCもあり程よく温まった後イギー登場!

1曲目のイントロで早くも上半身裸になり、そこから怒涛の1時間半!まさに伝説ではなく現役!
77歳(4月21日で78歳!)ながら、客席へダイブしたり、マイクスタンドを投げ放つなど凄まじいステージでした。

ギター二人(片方はヤー・ヤー・ヤーズのニック・ジナー)、ベース、ドラム、キーボード、ホーン二人を加えた7人編成バンドはかなりの爆音! 耳鳴りが残るほどでしたが、PUNK魂が宿ったイギーの歌声はしっかりと聴き取れました。

そしてラスト、バンドと共に脇へ下がった後、イギーのみ再び登場し、マイク無しで何かを叫んでいました。
その勇姿を見て、言葉にならない感動が押し寄せ涙が溢れました。
生き抜くということ、その覚悟を持つことの大切さを改めて教えてもらった一夜となりました。森陽馬

★今日のこの1曲は、「Raw Power」「The Passenger」等も良かったけれど、最も盛り上がった「I Got A Right」!
掲載ジャケットは、イギーの最新盤『Live At Montreux Jazz Festival 2023』。(「I Got A Rightは未収録)
(国内Blu-ray+2CD 日本盤限定仕様 解説付 GQXS-90509 7,150円税込)


2025年4月2日(水) Curtis Stigers 「Until You Were Gone」

「I Wonder Why」のヒットなどで知られ、90年代初頭から活躍しているアメリカ出身のシンガーソングライター/サックス奏者、カーティス・スタイガース。
約3年ぶりの新作は、味わい深い歌声が活きるシンプルなシンガーソングライター作品♪

Curtis Stigers『Songs From My Kitchen Volume 1』
(輸入CD PPR002)

コロナ禍にもファンとの交流をと、愛犬4匹が自由に行き来する自宅の素敵なキッチンから配信された弾き語りライヴ(2021年4月から全53回!)をきっかけに生まれた本作。配信でいろんな曲を取り上げたことで再発見したオリジナル&カヴァーを、バンドで録音しています。

パティ・グリフィン「Goodbye」のカヴァーや、アイルランド出身ブライアン・ケネディとの共作曲「Don't Look At Me That Way」、兄ジェイクとの共作「Burn It Down」、50年近く経って初めて顔を合わせた父親との関係を描いた「Good To Know You」などなど全11曲。

本日は前々作でも取り上げていた、彼のお気に入りのシンガーソングライターJohn Fulbright「Until You Were Gone」カヴァーを。カーティスのハスキーな歌にもぴったり。穏やかなアレンジ、サックス・ソロが良い雰囲気です。

左の小さい画像ではわかりづらいのですが、小さくて可愛らしい愛犬1匹がいい感じに写り込んでいます。
犬ジャケ好きな方にも是非チェックしてほしい1枚です。東尾沙紀


2025年4月1日(火) 竹内まりや 「人生の扉」(ライヴ)

CDジャケットだけを見ると、まりやさんの新しいのがまた出た!と思ってしまいますが・・・。
これは、2024年10月23日に発売された『Precious Days』に加え、CD+ブルーレイ又はCD+DVDのライヴ映像部分の音源だけをCDにして付属した特別盤。
4月15日から始まる11年ぶりのライヴ・ツアーを記念して作られた2枚組CDです。

竹内まりや『Precious Days (souvenir edition)』
(2枚組CD 初回生産限定盤 先着でポストカード付 WPCL-13640 4,180円税込)

ディスク2のライヴCDには、映像は17曲入りでしたがCDの収録時間の関係もあり、洋楽カヴァー2曲(「瞳のささやき」、「悲惨な戦争」)をカットして、全15曲収録になっています。

・2020年11月20日Zepp Tokyo限定配信ライヴから「September」、「Oh No, Oh Yes!」、「静かな伝説」等8曲。
・2012年9月2日山中湖SWEET LOVE SHOWERから「家に帰ろう」、「元気を出して」の2曲。
・2010年12月4日日本武道館での「みんなひとり」。
・2010年12月21日大阪城ホールでの「人生の扉」。
・2014年12月13日大阪城ホールでの「いのちの歌」。
・2014年12月20日日本武道館での「プラスティック・ラヴ」、「駅」。
すべて、初CD化音源です。

2024年に出た『Precious Days』をお持ちの方は、1枚目はダブりますが、2枚目は上記のような内容ですので是非!
青いスーツ姿でギターを持つまりやさんの勇姿(2014年ライヴ・ツアー冒頭の衣装)、すてきです。
このジャケット、アナログの大きさでも欲しくなりますね。森勉

★PET SOUNDS RECORDが選ぶ2024年ベスト・アルバム、コラム・コーナーにて。




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■

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