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 今日のこの1曲コーナー

ペット・サウンズ・レコード店にて、その日に店内でかけていた曲の中から
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”をご紹介いたします。

以前こちらで掲載した“今日のこの1曲”は“今日のこの1曲 アーカイヴス”コーナーにてご覧になれます。

◆こちらでご紹介している商品もご注文いただけます◆

くわしくは通販コーナー、もしくは直接こちらまでご連絡くださいませ。
(廃盤・生産中止になっている商品もございますので、その際はご了承くださいませ)



2024年10月21日(月) Carla Bley 「Ida Lupino」

女性ピアニスト/作曲家のカーラ・ブレイが2023年10月に逝去した際、ピーター・バラカン氏や大友良英さんのラジオで彼女の楽曲が色々かかりました。

その頃、カーラ・ブレイのCDは生産中止になっている名作が多く、歯がゆい思いで聞いていましたが、この度、長らく入手困難だった10枚のアルバムが国内盤でリリース。中でも、彼女にとっては異色ながら、オススメしたいのがこの1枚。
スタッフがバックを務めた1976年録音作『ディナー・ミュージック』です。

カーラ・ブレイ『Dinner Music』
(国内CD 日本語解説付 UCCE-9471 2,640円税込)

コーネル・デュプリー(G)、エリック・ゲイル(G)、リチャード・ティー(P)、ゴードン・エドワーズ(B)、スティーヴ・ガッド(Dr)、マイケル・マントラー(Tp)、ラズウェル・ラッド(Tb)、カルロス・ワード(As)、ボブ・スチュワート(tuba)による編成で、1976年6~9月ニューヨークGrog Killスタジオでの録音作。
スタッフの1stアルバムが1976年ですから、まさに彼らの絶頂期ですね。

今日のこの1曲は、ポール・ブレイ・トリオの名演でも知られるカーラ・ブレイ作曲「Ida Lupino」を。
エリック・ゲイルらしいギター・ソロ、カーラ・ブレイ自身による叙情的なサックス・ソロは、秋のやさしい風と調和して、心地良く響きます。森陽馬

★1,000円以上お買い上げの方、当店ロゴ入りA5クリアファイルをプレゼント中!


★現在の営業時間は11時~21時。年中無休です。

2024年10月20日(日) Matthew Halsall 「An Ever Changing View」

10月19日恵比寿で行われたピーター・バラカンさん監修の音楽フェス、LIVE MAGIC! 2024 Finaleへ行ってきました。

前売券完売(当日券はあり)で、12時開場からグッズもフードもライヴも大盛況! 21時終演まで満喫できました。
フェス形式は今年で最後とのことで寂しいですね。(何かしらの続きはあるそうです。)

以下は今回僕が観たアーティスト/ライヴ。
・Lau(ラウー)・・・スコットランドのケルト/トラッド系3人組バンド。穏やかなようで情熱的なアンサンブルが素晴らしい。男性ギタリストのクリス・ドリーヴァーによる歌声が温もりあって良かった。

・民謡交換プロジェクト(Moseb Band+こでらんに~)・・・エリオピアのMoseb Bandと、民謡クルセイダーズのフレディ塚本率いるグループ、こでらんに~のコラボ。エチオピアの男女ダンサーが素敵でした。楽しくも感動的な融和。

・オーサカ=モノレール・・・日本が誇れるJB直系ファンク・バンド。変わらずのパフォーマンスも音が大きすぎ。

・里アンナ×佐々木敏之・・・奄美出身の女性シンガー/三線奏者とドラマーのコラボ・ユニット。かっこいい!

・el tempo・・・シシドカフカ率いるハンドサインによる即興リズム・プロジェクト。少し観てから別会場へ移動...と思っていたら、あまりにも凄くて、結局最後まで観てしまった。まさに、LIVE MAGIC!

・Thee Marloes(ジー・マーローズ)・・・インドネシア・ジャヴァ島出身のソウル・バンド。ヴィンテージ感溢れる演奏ながら、若々しくて愛嬌ある雰囲気が心地良いライヴ。

・Matthew Halsall・・・英国マンチェスター発トランペット奏者/ジャズ・ミュージシャンのマシュー・ハルソール率いる7人編成バンド。ライヴが始まると、会場全体が魔法にかかったような静謐な空間に。これも、まさにLIVE MAGIC!

今日のこの1曲は、マシュー・ハルソールの2023年発表作からタイトル曲「An Ever Changing View」を。
日々変わっていく景色と世情ですが、芯の通った信念と穏やかな心は失わずにいたいですね。森陽馬


2024年10月19日(土) Kate Bollinger 「Postcard From A Cloud」

耳をくすぐるようなウィスパー・ヴォーカル、ポップ&メロウなサウンド。

60~70年代から抜け出てきたような佇まい/ヴィジュアル・センスからも目が離せない、インディー・ポップ注目の女性シンガーソングライターです。

ケイト・ボリンジャー『ソングス・フロム・ア・サウンド・フレイムス・オブ・マイ・マインド』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック2曲 ARTPL-221 2,530円税込)

ケイト・ボリンジャーは、現在ロサンゼルスを拠点に活動しているヴァージニア州出身のシンガーソングライター。
ティコ、ジンジャー・ルート等の作品をリリースしている米インディー・レーベルGHOSTLY INTERNATIONALから1stフル・アルバムがリリースされました。

フォーキーなベッドルーム・ポップ、ピアノ・バラード、儚げなロック・ナンバー...
彼女のホワンと柔らかい声とレトロなサウンドは初めて聴いてもどこか懐かしさを感じます。

曲中でテンポが変わり、展開のあるドリーミーな「Postcard From A Cloud」は、ハープシコードを用いた美しいメロディとアレンジが耳に残ります。

日本盤ボーナス・トラックには、フランソワーズ・アルディのパートナーだったことでも知られるフランスの歌手ジャック・デュトロンの「J'aime Les Filles」カヴァー他が追加収録されています。東尾沙紀


2024年10月18日(金) Kelly Finnigan 「Be Your Own Shelter」

60~70'sソウルお好きな方に大推薦!
2024年ソウルのNo.1アルバム候補が本日発売になりました。

Kelly Finnigan『A Lover Was Born』
(輸入CD Colemine CLMN-12046/輸入LPもあり)

名鍵盤奏者マイク・フィニガンを父に持つケリー・フィニガン。
PET SOUNDS RECORDが選ぶ2019年ベストに選出した1stアルバム以来、約5年ぶりの2ndソロ作です。

サザン・ソウル的だったソロ1stに比べ、彼が率いるバンドMonophonicsはノーザン・ソウル的な作風でした。
本作はそれが見事にブレンドした雰囲気の傑作ですね。
ソウルフルな歌声だけでなく、演奏やアレンジからも古き良きソウルを受け継ぐ心意気が伝わってきます。

今日のこの1曲は、2曲目「Be Your Own Shelter」を。
ダニー・ハサウェイを彷彿とさせるキーボードのイントロから、グッと心を掴まれました。森陽馬


2024年10月17日(木) ピーター・ゴールウェイ 「Save The Country」

1997年4月に急逝した女性シンガー・ソングライター、ローラ・ニーロ。
生きていれば2024年10月18日で77歳です。

その彼女の誕生日に、ピーター・ゴールウェイがローラの曲を歌う作品を発表します。

ピーター・ゴールウェイ『LAURA』
(国内CD 長門芳郎氏による解説・歌詞付 VSCD-3239 2,970円税込)

ローラとピーターは同じ年齢で、1960年代後期からニューヨークで親交がありました。
今までにも彼女へ捧げた楽曲を制作していましたが、本作は全てローラの初期3作に収められていた曲です。

全体的にピーターの歌とギターを基にしたシンプルなアレンジ。一語一音を大事に綴っています。
今日のこの1曲は、日本盤のみのボーナス曲「Save The Country」を。

長門芳郎氏のローラへの愛が滲み出た解説文も是非ご覧ください。森陽馬


2024年10月16日(水) ダン・フォーゲルバーグ 「パート・オブ・ザ・プラン」

70's、80'sに多くのヒット曲と良質なアルバムを出したダン・フォーゲルバーグ。
2007年に惜しくも病気で亡くなってしまいましたが、彼の作品にはいまだに忘れられない曲がたくさんあります。

ダン・フォーゲルバーグ『ヴェリー・ベスト・オブ・ダン・フォーゲルバーグ』
(国内CD CD EXTRA仕様デジタル・ブックレット付 SICP-3621 1,362円税込)

「ロンガー」「懐かしき恋人の歌 (Same Old Lang Syne)」「失われた影 (Missing You)」「風に呼ばれた恋 (Hard To Say)」「ランゲージ・オブ・ラヴ」「バンド・リーダーの贈り物 (Leader Of The Band)」など全14曲が入っています。

今日はこのベストCDから初のシングル・ヒット(1975年全米31位)を記録した「パート・オブ・ザ・プラン」を。

プロデュース&間奏の12弦によるリード・ギターはジョー・ウォルシュ。
バック・コーラスにグラハム・ナッシュが参加しています。

ダンの思慮深く、力強いヴォーカルが魅力です。森勉


2024年10月15日(火) 竹内まりや 「Watching Over You」 (Duet With 杏里)

書籍『PMC ぴあMUSIC COMPLEX Vol.33』 竹内まりや特集号が入荷しました。

(ぴあMOOK 1,320円税込)

竹内まりやさんへのロング・インタビュー+ぴあ名物の100Q(100問100答)。
山下達郎、杉真理&松尾清憲、林哲司、杏里、難波弘之、生田絵梨花、早見沙織へのインタビューも掲載!
10月23日発売『Precious Days』のお供に、是非ご覧くださいね。

この書籍を読んで、「Watching Over You」を改めて聴くのが楽しみになりました。
相葉雅紀主演ドラマ『和田家の男たち』(2021)の主題歌として、林哲司プロデュースのPeach & Apricot名義(竹内まりや&杏里)で発売された本楽曲。配信リリースのみだったため、CD・レコードには初収録となります。

林哲司さんの編曲に、山下達郎のカッティング・ギターが加わった、現代シティ・ポップ・チューン♪

林哲司さんのインタビュー記事によると、まりやさんが求める理想のサウンドへの追求度がかなりのものだったそうで、「Watching Over You」も最後の最後まで修正を重ねて、やっと完成したそうです。

名プロデューサーも舌を巻く音へのこだわり。
スピーカーから出る大音量で聴いて、堪能しましょう! 森陽馬

★掲載ジャケットは、10月23日に発売される竹内まりや『Precious Days』。
(CD+Blu-ray WPZL-32154 8,800円税込/CDのみ WPCL-13607 3,410円ほか、LP、カセットもあり)
初回入荷分のみ2025年ツアーの先行予約に申し込めるシリアル・ナンバー入マジックカード付

当店作成の発売記念リーフレットも差し上げます♪


2024年10月14日(月) Dawes 「House Parties」

昨日取り上げたマイク・ヴァイオラが、プロデューサーとして関わった新譜を紹介しましょう。

ジャクソン・ブラウン似の歌声とソングライティングが魅力のTaylor Goldsmith率いるDawesの2024年作です。

The Dawes『Oh Brother』
(国内仕様CD 歌詞付 AMIP-366 2,750円税込)

2022年発表『Misadventures Of Doomscroller』(
2022年7月24日今日のこの1曲参照)は、バンドとしての充実期を感じさせる力作でしたが、その後ベーシストWylie Gelber、キーボード奏者Lee Pardiniが脱退。
Dawesのメンバーは、TaylorとGriffinのGoldsmith兄弟のみとなりました。
本作は、Goldsmith兄弟にギタリストTrevor Menearが加わり、Mike Violaとの共同プロデュースで制作した1枚です。

バンド感は薄れましたが、テイラー・ゴールドスミスらしい歌世界は健在。
今日のこの1曲は、先行シングルとしてMVも公開された「House Parties」を。

ボウイ・ファン、ジョニ・ファン、そしてカニエ・ファン(皮肉も込めた意味合いか)も歌詞に登場します。森陽馬


2024年10月13日(日) Mike Viola 「The Bansch」

プロデューサーとしても大活躍♪
アメリカのシンガーソングライター、マイク・ヴァイオラの新作が前作から約1年半という短いスパンで届けられました。

マイク・ヴァイオラ『ロック・オブ・ボストン』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICX-203 2,860円税込)

他アーティストのプロデュースやライヴ・サポート、自身のツアーなど忙しい合間にも曲を作り、前作『ポール・マッカーシー』(2023)と同じく、ブレンドン・ユーリー(dr/パニック!アット・ザ・ディスコ)、ジェイク・シンクレア(b)とのトリオでレコーディングされた本作。

ギターリフが耳に残るロックな曲、家族へあてたフォーキーで穏やかな曲、別れや喪失感、過去の出来事を振り返る内省的な曲...。
アナログ録音された音の雰囲気は前作と地続きながら、よりパーソナルな部分が反映された作品となっています。

奥さん、娘さん2人それぞれに書いた曲の中から、長女への想いが込められた「The Bansch」を今日の1曲に。

「君にさよならするなんてとても耐えられない」
大学進学で自分の元を離れていく娘への寂しい気持ちを、タイトなバンド・サウンドに乗せて歌ったかっこいい1曲です。東尾沙紀


2024年10月12日(土) Amy Helm 「Silver City」

ザ・バンドのリヴォン・ヘルムとリビー・タイタスとの間に生まれた娘、エイミー・ヘルムが新作を発表しました。

Amy Helm『Silver City』
(輸入CD Sun Records 015047810420)。

2015年に1stソロ・アルバム『Didn't It Rain』(
2015年9月17日今日のこの1曲で紹介)を発表後、着実に活動を続けて、本作『Silver City』が4作目のアルバムになります。

Josh Kaufmanをプロデューサーに迎え、シンガーソングライター色の濃い1枚。
1曲1曲がどなたかへの手紙のような歌詞で、気持ちが込められているのが伝わってきます。

今日のこの1曲は、彼女の両親、そして離婚の悲しみについて書かれたという「Silver City」。
力強い彼女の歌声が心に響きました。森陽馬


2024年10月11日(金) 浜田真理子 「ラストダンスは私に」

最近のささやかな楽しみは、フジモトマサルさんの本を読むことです。

フジモトマサルさんは1968年生まれの漫画家・イラストレーター。
村上春樹『村上さんのところ』、『村上RADIO』のイラストを手掛けていることでも有名ですね。
彼は2015年に若くして亡くなってしまいましたが、数多くの作品を残しています。

武蔵小山に先月オープンした小さな本屋「ひつじ堂ブックス」で、『フジモトマサル傑作集』を購入したことをきっかけに、少しずつ集めるようになりました。
シュールでかわいい動物たちの絵と物語は、不思議と読み返したくなるのです。
特に、『ウール100%』に出てくる羊の主人公ドリーの、さりげない日常を楽しむ姿がとても愛おしいですね。

印象的なのは、『ウール101%』。物語の中で「ラストダンスは私に」が“かかります”。
(オリジナルはドリフターズですが、岩谷時子さんによる日本語訳の歌詞が出てきます)。
ちょっと切ないけれど、素敵な場面なのです。

ちなみに、2024年9月29日放送『村上RADIO』(「安井かずみと岩谷時子の世界」特集)で、越路吹雪が歌う「ラストダンスは私に」が紹介されました。村上春樹さんもフジモトマサルさんを意識して選曲したのかもしれません。森陽馬


★掲載ジャケットは、浜田真理子さんが歌う「ラストダンスは私に」収録の作品『Love Song』。
浜田真理子『Love Song』(国内CD SFS-009 1,870円税込)


2024年10月10日(木) ヘレン・シャピロ 「アイ・ウォズ・オンリー・キディング」

ヘレン・シャピロは1960年代前半に大活躍したイギリスの女性シンガー。
イギリスでは10曲以上のチャート・ヒットを放ち、日本でもとても人気がありました。
ラジオでも彼女の歌を頻繁に聴くことが当時はできました。

「子供じゃないの」「悲しさかた想い」「夢見る恋」「リトル・ミス・ロンリー」など、バックのアレンジ、演奏も素晴らしいものがあります。クリフ・リチャードでもおなじみのノリー・パラマー・オーケストラが担当している曲が多かったようです。

今日は今でも聴く価値がある曲が満載の彼女のベストCDから。

ヘレン・シャピロ『悲しきかた想い~ベスト・オブ・ヘレン・シャピロ』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-16665 1,320円税込)

全18曲収録。僕のエヴァーグリーン愛聴CDです。
発表から60年以上が経過したにも関わらず、ヒット曲以外にもイイ曲がいっぱいあります。

今日はその中から、アメリカの曲をカヴァーしたものを。
アン・マーグレットが歌ったジェリー・ゴフィン&キャロル・キング作品の「アイ・ウォズ・オンリー・キディング」を。
ヘレン・シャピロらしい力に満ちあふれたヴォーカルが楽しめます。

1964年に来日して、テレビの音楽番組『ザ・ヒットパレード』に出演した映像が頭の中にうっすら残っているのですが、また見てみたいという想いがあります。・・・無理かなぁ・・・。森勉


2024年10月9日(水) John Douglas 「Always」

東京は昨日よりさらに気温が下がり、雨がやんでも冷たい風吹く一日でした。

トラッシュキャン・シナトラズのギタリスト、ジョン・ダグラスが2023年に発表した初ソロ・アルバムは、これからの季節にぴったり。
切なさもある素朴な歌声、アコースティック・ギターの音色が胸の奥をじんわりとあたたかくしてくれる、穏やかな弾き語り作品です。

John Douglas『John Douglas』
(輸入CD REVEAL195CDX / 輸入ホワイト・カラーLPもあり)

自身のオリジナル曲に加え、「Weightlifting」、「Oranges&Apples」他トラッシュキャンの楽曲、彼が大好きなプリファブ・スプラウトのカヴァー「We Let The Stars Go」など全11曲が収録されています。
付属の歌詞ブックレットには、各曲毎への想いやエピソードが掲載されています。

本日は、彼の奥様エディ・リーダー(フェアーグランド・アトラクション)に捧げられた「Always」を今日の1曲に。

''My autumn heart says I'll love you always'
愛は永遠に続く...シンプルなメロディと言葉で紡がれた、心のこもった美しいラヴ・ソングです。東尾沙紀



2024年10月8日(火) Leon Bridges 「Ain't Got Nothing On You」

冷房をつけた昨日から一転して、暖房をいれたいほど冷たい雨が一日中降りました。
秋というより冬が近づいていることを感じた今日は、温もりが伝わってくる新譜をピックアップしたいと思います。

Leon Bridges『Leon』
(輸入CD Columbia 19802843872)

アメリカ/テキサス州出身1989年生まれの黒人男性シンガー、Leon Bridges(リオン・ブリッジス)。
本作『Leon』は2021年作『Gold -Diggers Sound』以来、約3年ぶりの4thオリジナル・アルバムです。

"21世紀のサム・クック”!?
この表現は、2015年発表1st『Coming Home』(
2015年7月9日今日のこの1曲で紹介)時に形容した言葉です。
その後はサザン・ソウル的なイメージもありましたが、自身の名前を冠した入魂作といえる今回のアルバムは、ポップでメロウな、まさに、サム・クックが現代に生まれていたら、と想像したくなる1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、ジョン・メイヤーっぽい雰囲気の⑤「Ain't Got Nothing On You」を。
ビヨンセやケイシー・マスグレイヴスを手掛けている若き白人編曲家Ian Fitchukによるプロデュース楽曲。
ソウルファンのみならず、ロック/ポップス好きにも是非チェックしてもらいたいですね。森 陽馬


2024年10月7日(月) Matthew Halsall 「The Sun In September」

今日の東京は29℃ながらとても蒸し暑くて、体感は真夏日。
ここ数日つけていなかった冷房を再びつけました。

店内の音楽も、最後(?)の夏日を惜しむように、夏の曲を色々とかけました。

そして、秋の風が吹きはじめた夜に、穏やかな気持ちにさせてくれたのがこの1枚です。

マシュー・ハルソール『Togetherness. The Best Of Matthew Halsall 2008-2023』
(国内CD 解説:ピーター・バラカン PCD-25423 2,750円税込)

Matthew Halsallは、イギリス北部のマンチェスターを拠点に2008年頃から活動しているトランペット奏者/ジャズ・ミュージシャンで、Go Go Penguin等を輩出したGondwanaレーベルの創設者でもあるアーティスト。
2023年作『An Ever Changing View』はピーター・バラカン氏が年間ベストに挙げ、ロングセラーになっています。

本作は、彼の初来日公演を記念したマシュー本人による選曲のベスト・アルバム。
2023年EUツアーにてレコードで限定販売されていた楽曲「Bright Sparkling Light」も追加収録されています。
今日のこの1曲は、2012年作『Fletcher Moss Park』からの楽曲「The Sun In September」を。

なお、来日公演は7人編成のバンドで、10/19LIVE MAGIC、10/21ブルーノート東京が予定されています。森陽馬


2024年10月6日(日) The Smiths 「There Is A Light That Never Goes Out」

その人と出会って、人生が変わっていく...
2010年に観た『(500)日のサマー』は、閃光のような恋愛・青春を越えて、人生の憂いに訴えかけてくる映画でした。

使われていた音楽も個性的でしたね。
その映画のサウンドトラックが、発売15周年を記念してアナログ・レコードで復刻されました。

『(500) Days Of Summer』
(輸入2枚組LP SIRE 726743-1)

サントラ収録の16曲がレコード2枚、A、B、C、D面の4つに分けられ、各々の表情を見せて(聴かせて)くれます。

特に、『(500)日のサマー』といえばこの曲!と言えるくらい、イントロのピアノが印象的なRegina Spector「Us」収録のA面は、何時聴いても心がトキめきます。

今日のこの1曲は、そのA面に収録されている、主人公トムとサマーの出会いのきっかけとなったThe Smiths「There Is A Light That Never Goes Out」を。

「今夜僕を連れ出して ~ 10トントラックに今轢き殺されても、君と一緒に死ねるなら幸せだ」という、爽快な曲調ながら、モリッシーらしい捻じ曲がったソングライティングが魅力的なナンバー。物語ともリンクしていますね。森陽馬


2024年10月5日(土) ブギ連 「49号線のブルース (スリーピーとハミー)」

今週店で一番よくかけていたのは、この1枚!

ブギ連『懲役二秒』
(ボーナスディスク付2枚組CD 先着ステッカー付 BVCL-1407 3,565円税込/国内LP BVJL-107 3,565円税込)

内田勘太郎(憂歌団)と甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)が組んだブルース・デュオ、ブギ連。
2019年発表1stアルバム『ブギ連』(
2019年6月28日今日のこの1曲で紹介)から、約5年ぶりの新作です。

勘太郎さんのわびさびが沁み込んだギター、ヒロトのシャウト&ブルース・ハープが痛快!
まさに、続けて聴くのを我慢するのが「懲役二秒」(お酒が止められない人の歌)となる傑作!

意味不明な「畑の鯛」を始め、ヒロトによるナンセンスな歌詞も最高ですが、今日のこの1曲は、内田勘太郎さんが書き下ろした「49号線のブルース (スリーピーとハミー)」を。

1976年12月に名ブルースマンのスリーピー・ジョン・エスティスとハミー・ニクソンが来日公演を行った際、憂歌団が一緒にツアーを廻ったそうで、その時の想い出が綴られています。

なお、CDのみボーナス・ディスク付2枚組仕様。本編10曲に加え、「おーい 友達」「ランブリンライトニン」「海の向こう側」「波を越えて」が追加収録。この4曲も聴きものです。森陽馬


2024年10月4日(金) 梅木マリ 「マイ・ボーイ・ロリーポップ」

初めてジャマイカの音楽を意識して聴いたのは、ミリー・スモール(イギリスではミリーのみの表記)の「マイ・ボーイ・ロリポップ」という曲でした。

1964年初夏から夏にかけてアメリカで大ヒットしていました。イギリスでも。
日本でもシングル・レコードが出て、とても気に入っていた曲だったので買いました。330円でした。
ジャケットには、この曲は新しい“スカ”というリズムで欧米では“ブルー・ビート”とも呼ばれていて、ジャマイカのリズムなんだということが書いてありました。
ミリーちゃんの若いカン高い声と、そのスカのリズムが心地良い曲で今でも大好きな曲です。

さて、先日、梅木マリがこの「マイ・ボーイ・ロリポップ」を日本語詞(安井かずみ訳)でカヴァーしたものが、アナログ・シングルで復刻されました。
梅木マリがカヴァーしていることは当時知らなかったので、今回初めて聴きましたが、なかなかいいカヴァーだと思いました。

梅木マリ『マイ・ボーイ・ロリーポップ』 c/w「トミー」
(国内7インチ・アナログレコード パンジャ・レコード JBK001 2,580円税込)

B面の「トミー」はコニー・フランシスのカヴァーです。
作曲スタン・ヴィンセント、作詞ハンク・ハンターのコンビによる隠れた名曲です。森勉



2024年10月3日(木) Hurray For The Riff Raff 「Hawkmoon」

”女性版トム・ペティ”!?

ニューヨーク/ブロンクス出身のシンガー・ソングライターAlynda Segarraが中心になって結成し、現在はニューオリンズを拠点に活動しているバンド、Hurray For The Riff Raff。
Nonesuchレーベルからの2024年作は、トム・ペティを彷彿とさせるロック・サウンドがかっこいい1枚でした。

Hurray For The Riff Raff『The Past Is Still Alive』
(輸入CD Nonesuch 075597902596)

僕が
2019年ベストに選出したWHITNEY『Forever Turn Around』や、近年はWaxahatcheeなども手掛けているベーシスト兼プロデューサーBrad Cookによるプロデュース作。

今日のこの1曲は、3曲目「Hawkmoon」を。
武骨な演奏だけでなく、歌い方もトム・ペティ的! アメリカン・ロック好きの方にオススメです。

ちなみに、トム・ペティは2017年10月2日に逝去。もう7年が経ってしまいました。森陽馬


2024年10月2日(水) Tahiti80 「Every Little Thing」

活動開始から30年を越え、今もなお甘酸っぱく瑞々しいポップ・ソングを生み出し続けるフランスのバンド、タヒチ80。
先日リリースされた最新作も、彼ららしい軽やかなグッド・メロディーが満載です。

タヒチ80『ハロー・ハロー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 VICP-65622 2,860円税込 /輸入オレンジ-・カラーLP+ボーナスCDもあり)

パンデミックの最中、クラウド上のやりとりで完成させた前作『ヒア・ウィズ・ユー』から約2年半ぶりの10作目。

グザヴィエ(vo)の柔らかな歌声に包まれるような「Soft Echo」、分厚いハーモニーが爽快な「Poison Flower」、メデリック(g)がメインで歌うウエスト・コースト・ロック風の「1+1」など、今作ではよりコーラス・ワークが強化されているのが嬉しいところ♪

♪大好きなあの曲やこの曲を聴けば 大切な思い出が蘇る
 人生がうまくいかない人たちだって メロディーを探している♪
本日は今作のリード・トラック①「Every Little Thing」を今日の1曲に。

今作の後半には、『Hello Halo-Collected Ambient Works』と題したアンビエント・インスト4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。国内盤ブックレットには、フロントマンのグザヴィエ・ボワイエによる各曲解説が掲載されています。東尾沙紀


2024年10月1日(火) Marcos Valle 「Feels So Good」 feat Leon Ware

先月来日して素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたジルベルト・ジルは1942年生まれ。
ブラジル出身ミュージシャンの1942年生まれは、カエターノ・ヴェローゾ、ミルトン・ナシメントも同じ世代です。
3人とも現役バリバリに活動していますね。

マルコス・ヴァーリはその黄金世代と1年違いの1943年生まれですが、若々しい雰囲気で健在!
その彼が2020年作『CINZENTO』以来約4年ぶりとなる新作オリジナル・アルバムを発表しました。

マルコス・ヴァーリ『TUNEL ACUSTICO』
(国内仕様CD CDのみ3曲追加収録 解説付 UNCD-87 2,750円税込/輸入LP FARO246LP)

良質なブラジリアン/CLUB JAZZを多く輩出しているFAR OUTレーベルからのリリース。
躍動感溢れるトラック連発で、快心の1枚ですね。

今日のこの1曲は、1979年録音のデモ音源を基に共に作られた「Feels So Good」 feat レオン・ウェア。
メロウ・グルーヴの極致、と言えるサウンドが心地良く身体を揺らします。

なお、バート・バカラックへ捧げられた楽曲「Thank You Burt (For Bacharach)」も収められています。森陽馬


2024年9月30日(月) ルルルルズ 「アーケード」

下北沢ライヴカフェmona recordsの店長だった行達也さんが、「僕の新バンドはペット・サウンズ向きだと思うんで、是非プッシュしてください!」と、2013年初頭に連絡をくれました。

それが、ルルルルズでした。

2013年春の自主盤『点と線ep』(2013年4月16日今日のこの1曲で紹介)、2014年4月発表1stアルバム『色即是空』(
2014年4月3日今日のこの1曲で紹介)はどちらも大好評! ロングセラーとなったのが懐かしいですね。
行達也さんは2015年に脱退しましたが、ルルルルズはメンバーチェンジを経て現在も活動中です。

そのルルルルズが『僕らの生まれた町』(2019)以来約5年ぶりとなる4thアルバム『ひとびと』を完成させました。

ルルルルズ『ひとびと』
(国内CD SOYL-3001 3,300円税込)

モミさんの儚い歌声、コバヤシアツシによるありきたりではない詩世界、ポップなサウンドが耳に残る傑作です。

今日のこの1曲は、「噛み合わないパズルずっと探しているより 欠けたピース埋まる日々を喜んでいたい」と歌われるフレーズが印象的な疾走感ある3曲目「アーケード」を。

なお、ドラマーの渡邊シンは2024年7月に急逝したため、本作が彼の遺作となるようです。森陽馬


2024年9月29日(日) Ben Sadock & ウワノソラ 「Fender Rose」

PET SOUNDS RECORDが応援し続けているウワノソラ(角谷博栄・いえもとめぐみ)が、ニューヨーク在住のシンガー・ソングライターBen Sadock(ベン・セイダック)と共作して、アルバムを作り上げました。

Ben Sadock & ウワノソラ『Rare Birds』
(国内CD セルフライナーノーツのリーフレット付 UWAN-008 2,750円税込)

作詞はBen Sadock、作曲はBenと角谷さんの共作、アレンジと録音はウワノソラが担当。
全6曲英語詞ですが、ウワノソラ印のグッド・ミュージックが広がる1枚に仕上がっています。
(いえもとめぐみさんは、ネイティヴの方に英語の発音のレッスンを受け、何度も録り直したそうです。)

今日のこの1曲は、3曲目「Fender Rose」を。

セルフライナーノーツによると、制作に関してメールでやりとりをし始めてから、Ben Sadockから最初に送られてきた楽曲で、曲名「Fender Rose」は、エレクトリック・ピアノの名器Fender Rhodeの綴りを角谷さんがスペルミスしたことをきっかけに、Benが書き下ろしたとのこと。

ウワノソラ'67の大好きなナンバー「雨降る部屋で」のような叙情的かつセンチメンタルな雰囲気があって、副田整歩(Naomu Soeda)によるアルト・サックスの音色が、どこかへ置き忘れた郷愁を想い出させ優しく包んでくれます。森陽馬


2024年9月28日(土) Van Morrison 「So Quiet In Here」

「暑さ寒さも彼岸まで」の通り、だいぶ涼しくなってきましたね。
これからの秋~冬へ向け、繰り返し聴きたいと思わせてくれるヴァン・モリソンの新CDが発売されました。

ヴァン・モリソン『New Arrangerments And Duets』
(国内CD 天辰保文氏による解説・歌詞・対訳付 UICB-1029 3,300円税込)

本作は、ヴァン・モリソンがすでに発表した曲を、ゲストを招きデュエットするなど新たなアレンジで近年に再録音した15曲入りのアルバムです。

ビッグバンド・アレンジの楽曲は2014年、デュエット曲は2018~2019年、と録音時期が各々違うため、端的な作品説明では未発表音源集となりますが、全体の統一感があり新作といってもおかしくない完成度の1枚に仕上がっています。

カート・ヘリングとのデュエット「Ain't Gonna Moan No More」、「Broken Record」。
ジョス・ストーンをfeatした人気曲「Someone Like You」。
ウィリー・ネルソンとの「What's Wrong With The Picture」、「Steal My Heart Away」等々。
聴きどころが多い中から、今日のこの1曲は7曲目「So Quiet In Here」を。

1990年発表作『Enlightenment』に収録されていたオリジナルよりテンポダウンし、哀愁を深めたアレンジで聴かせるヴァージョン。これぞヴァン節♪の歌声が堪能できて、しみじみとした気持ちになります。森陽馬


2024年9月27日(金) My Darling Clementine 「Indoor Fireworks」

麻田浩氏が主宰するトムズ・キャビンの招聘で10月下旬から来日ツアーを行う英国のカントリー・デュオ、マイ・ダーリン・クレメンタイン。

マイケル・ウェストン・キングとルー・ダルグレイッシュ、夫妻でもある2人が2020年に発表したエルヴィス・コステロのカヴァー集『カントリー・ダークネス』を披露するライヴとのこと。

スティーヴ・ナイーヴ・プロデュース&全面参加した『カントリー~』は、所謂誰もが耳にしたことのあるコステロ・ナンバーは殆どなくツウ好みの選曲ながら、歌心溢れる2人のハーモニーと深みのあるバンド・アレンジで、原曲を知らずとも楽しめる作品となっています。

来日記念盤として、ボーナス・トラックを追加し国内初CD化されました。

マイ・ダーリン・クレメンタイン&スティーヴ・ナイーヴ『カントリー・ダークネス-エルヴィス・コステロを歌う-』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 HYCA-8080 2,750円税込)

ポール・マッカートニーとの共作曲「ふりむかないで(That Day Is Done)」、エミル-・ハリス参加曲「Heart Shaped Bruiee」(『ザ・デリヴァリー・マン』収録)、ナイーヴらしいキーボードが楽しい軽快な「The Crooked Line』(『シークレット・プロフェイン&シュガーケイン』収録)など、80~2010年代から幅広く取り上げています。

本日は、ナイーヴのピアノだけでしっとりと歌い上げた「Indoor Fireworks」(『キング・オブ・アメリカ』収録曲)を今日の1曲に。

来日公演は10月28日~11月2日(大阪、金沢、名古屋、横浜、北海道)5カ所が予定されています。東尾沙紀


2024年9月26日(木) マーヴィン・ゲイ 「How Sweet It Is」

マーヴィン・ゲイの名曲というと、まず「What's Going On」になると思いますが、他にもまだたくさんいい曲はあります。

1960年代&1970年代全米POPチャートになんと55曲もチャートインさせているんですね。
ということで、今日は現在日本で出ている彼の全22曲入りベスト盤CDから選んでみました。

マーヴィン・ゲイ『ベスト・オブ・マーヴィン・ゲイ』
(国内CD 解説・歌詞付  UICY-15065 1,885円税込)

「ホワッツ・ゴーイン・オン」、「レッツ・ゲット・イット・オン」、「悲しいうわさ」、タミー・テレルとのデュエット「恋はまぼろし」、ダイアナ・ロスとのデュエット「ユー・アー・エヴリシング」、モータウン・レーベルから移籍後のヒット「セクシャル・ヒーリング」などを収録。

今日の1曲は、僕がマーヴィン・ゲイの事を初めて知った1965年初頭のヒット「ハウ・スウィート・イット・イズ」を。

この曲が全米ベスト・テンに入った頃、ラジオで毎週国際電話をかけて最新の全米チャートを発表する番組がありました。
「アイ・フィール・ファイン」、「ふられた気持」、「ダウンタウン」、「恋の特効薬」、「カム・シー・アバウト・ミー」、「恋のダイアモンド・リング」、「キープ・サーチン(太陽を探せ)」・・・。
まさに"How Sweet It Is"な曲ばかり。森 勉


2024年9月25日(水) Dave Guy 「7th Heaven」

ソウルフルなジャズ・トランペットお好きな方にオススメの1枚。

Dave Guy『Ruby』
(輸入CD Big Crown BCR177CD/輸入LP 限定カラー BCR177LPC)

Dave Guyは1978年生まれニューヨーク出身の黒人トランペッター。
20年以上のキャリアがあり、エイミー・ワインハウス、ファレル・ウィリアムスのセッション等を経験。マーク・ロンソン&ブルーノ・マーズのヒット曲「Uptown Funk」にも参加しています。
現在はTHE ROOTS、DAP KINGSのメンバーとしても活動している彼の初ソロ作品が出ました。

ヴィンテージな新世代ソウルを多く輩出しているBIG CROWNからのリリースですが、そこまでファンキーな感じではなく、静かに身体が揺れるようなグルーヴで聴かせる、インスト・トラック中心の仕上がりです。

今日のこの1曲は、ジャジーかつソウルフルな1曲目「7th Heaven」。
最初聴いた時は地味に感じましたが、末永く聴けそうなアルバムですね。森陽馬


2024年9月24日(火) トリプルファイヤー 「相席屋に行きたい」

<トリプルファイヤー EXTRA 7年ぶり5枚目のすごい盤>
ジャケットに貼付してあるステッカーに記載された上記文面通り、”すごい盤”が出ました!

トリプルファイヤー『EXTRA』
(国内2CD 当店のみの特典マグネット付 インストを収録したボーナスCD付 PECF-1197 3,300円税込)


吉田靖直(vo)、鳥居真道(g)、山本慶幸(b)、大垣翔(dr)の4人組バンド、トリプルファイヤー。
2017年発表『FIRE』(
2017年11月1日今日のこの1曲で紹介)以来、約7年ぶりのオリジナル・アルバムです。

<高田馬場のJOY DIVISION>、<ヨレヨレなミーターズ>、<サイケじゃないsuicide>。
彼らの音楽性を表現する比喩として今まで使ってきましたが、それらが陳腐に感じるほど突き抜けた1枚!
グルーヴ感溢れる演奏は更に深化し、吉田靖直の言葉は呪文のように響いてきます。

今日のこの1曲は、キラーチューン9曲目「相席屋に行きたい」。
曲名だけ見ると「相席屋に行きたい」歌だと勘違いするかも(実際そうかも?)しれませんが、"14歳の俺”が持っていた”ワクワクできる心”、忘れかけていた志をいつまでも持ち続けていたい、という意思が伝わってくるナンバーですね。

唯一無二のファンク・バンドだと実感できる、付属のインストCDも必聴! 森陽馬


2024年9月23日(月) Jackson Browne「Take It Easy」

ジャクソン・ブラウン、グレン・フライ、J.D.サウザー。
この3人はL.A.でルームメイトとして共同生活を送っていました。
1972年にジャクソンがデビューする前、グレン・フライがイーグルスとしてデビューする前のことです。

イーグルスはジャクソンとグレン・フライの共作「Take It Easy」で1972年にデビューし、ビルボード・シングル・チャート12位のヒットを記録。スターバンドへと一気に羽ばたいていきました。
ジャクソン・ブラウンは「Take It Easy」を1973年発表の2ndアルバム『For Everyman』で歌っています。

この度、その『For Everyman』がジャクソン本人の監修による最新リマスタリングを施し、彼自身のレーベルInside RecordsからCDとアナログ・レコードで再リリースされました。

Jackson Browne『For Everyman』
(輸入CD Inside Recordings INR1242/輸入LP INR1235)

2023年9月に再発された1stアルバム(
2023年9月22日今日のこの1曲で紹介)と同様、アナログ的な質感はそのままに、クリアな素晴らしい音質です。

ジャケットもオリジナルと同じく中央がくり抜かれており、CD/LPが入っているスリーヴを取ると、その下にジャクソンがいない風景のイラストが出てくる仕様になっていて、ファンとしては手に取るだけで懐かしい気持ちになりますね。

♪心配するな 気楽に行こうぜ。運命に翻弄されるな。Take It Easy♪

なお、ジャクソンの「Take It Easy」は、2曲目「Our Lady Of The Well」へ途切れずに繋がっていきます。森陽馬


2024年9月22日(日) Power Plant 「I Can't Happen Without You」

様々なミュージシャンの曲を1枚のCDに収録しているコンピレーションものは、選曲している人と気が合うと気持ちよく1枚を聴き通すことができます。

ということで、ティーンズヴィル・レコードから新しいコンピCDが出ました。
今回も選曲しているのは、アッシュ・ウェルズさん。
ヒットはしていないけれど、「イイ曲ってまだいっぱい存在していたんだな!」思わせてくれる曲が詰まっています。

V.A『A Pretty Song~Sunshine, Soft & Studio Sunshine Pop 1966-1972』
(輸入CD Teensville TV1064/9月25日発売 国内仕様盤 日本語解説付 TV1064CDJ)

全31曲、エリー・グリニッチ「The Door Will Be Open」とボビー・ヴィー「You」の未発表音源以外は、ほとんど無名ミュージシャンの曲が並んでいます。

しかし、ウェルズさんの確かな耳によって選ばれた曲は、ソフト・ロック好きの方は「教えてくれて、ありがとう」と声をかけたくなってしまうのではないでしょうか。いくつかグループ名を挙げておきましょう。

・アメリカン・ブルーズ・・・デイル・ホーキンス制作ですが、意外にも良質ポップ。
・バート&ビル・・・トレイド・マーティンプロデュース。
・アンクル・サウンド・・・シールズ&クロフツのジミー・シールズ作品。
・ファンタジア・・・リチャード・ペリーのプロダクション
等々、無名ながら何度も聴きたくなる曲多数。

今日は13曲目に入っているベイカー・ナイト作品のパワー・プラントというグループの曲を。
2024年に1967年の全く知らなかったイイ曲に出会えて幸せ! 森勉


2024年9月21日(土) ドノヴァン・フランケンレイター 「Never Too Late」 feat ベン・ハーパー

サーフ・ミュージックというと、昔はビーチ・ボーイズやエレキギター・インストでした。
しかし、ジャック・ジョンソンがデビューした2001年あたりから、そのイメージがガラッと変わりましたね。

ハワイの青空や砂浜を想起させる、リラクシンなアコースティック・サウンド。
フォーキーだけれどリズミカルなグッド・タイム・ミュージック♪

ドノヴァン・フランケンレイターがジャック・ジョンソン設立のBrushfireレーベルから2004年に発表したメジャー・デビュー・アルバムは、そんな魅力溢れる1枚でした。

今日紹介する本作は、デビュー20周年を迎えたドノヴァンの、約9年ぶりとなるオリジナル・アルバムです。

ドノヴァン・フランケンレイター『Get Outta Your Mind』
(国内CDのみボーナス・トラック5曲追加 全14曲収録 解説・歌詞・対訳付 SICX-202 2,860円税込)

ハワイ州カウアイ島のドノヴァン自宅付近にあるマウカ・ビュー・スタジオと、カリフォルニアのスーパー・ブルーム・スタジオで録音されたセルフ・プロデュース作。やや枯れ気味になった彼の味わい深い歌声が、レイドバックした雰囲気で沁みますね。
夕陽を眺め、物思いに浸りながら聴きたい1枚です。

今日のこの1曲は、国内盤ボーナス・トラックとして追加収録されている「Never Too Late」 feat ベン・ハーパー。
ベンはギターで参加と思いきや、歌もたくさん歌っています。森陽馬


2024年9月20日(金) Fairground Attraction 「A Hundred Years Of Heartache」

2024年ベスト・アルバム大本命!の素晴らしい作品が本日発売になりました。

フェアーグラウンド・アトラクション『Beautiful Happening』
(国内CDのみボーナス・トラック2曲追加 解説・歌詞・対訳付 SICX-30208 2,970円税込/国内LP クリア・ブルー・カラー限定盤 SIJP-1099 4,950円税込)

エディ・リーダーとマーク・ネヴィンを中心に、ロイ・ドッズ、サイモン・エドワーズを加え結成したバンド、フェアーグラウンド・アトラクション。本作は1988年に発表した名盤1stアルバム『The First Of Million Kisses』から約36年を経て、再結成し作り上げた奇跡の2ndオリジナル・アルバムです。

全12曲(+ボーナス2曲)がマーク・ネヴィンによる作詞・作曲で、包容力のある楽曲揃い。
その美しいメロディに、エディ・リーダーの優しい歌声が温もりを添えています。

今日のこの1曲は、2024年6月に行われた感動の来日公演で1曲目に歌われた「A Hundred Years Of Heartache」。

♪心を痛めてきた年月はもうおしまい。心を痛めてきた年月をどうにか乗り切ったのよ♪

1990年解散後の傷心と悔恨を乗り越え、時を経て再び出会った仲間と音楽。
お互いに生き続けてこれたことへの感謝が込められた1曲です。森陽馬


2024年9月19日(木) スピッツ 「サンシャイン」

1994年9月21日のリリースから30年。
スピッツのアルバム『空の飛び方』30周年記念盤が発売になりました。

スピッツ『空の飛び方 30th Anniversary Edition』
(国内CD 期間限定生産盤 SHM-CD+ブルーレイ UPCH-7679 5,808円税込 / カセットテープもあり)

現在もライヴやテレビなどで耳にする機会が多い「空も飛べるはず」「青い車」「スパイダー」など人気曲を収録した5作目。
次作『ハチミツ』に比べると語られることの少ない作品かと思いますが、名曲揃いで大好きなアルバムです。

NYのエンジニアEmily Lazarによる最新リマスター。ジャケットのロゴも発表当時とは変わっているので是非見比べてみてください。

ボーナス・トラックには、2021年/2023~2024年のツアーで披露された「青い車」「サンシャイン」「不死身のビーナス」のライヴ音源3曲を追加♪ 瑞々しくも音は厚い...最近のスピッツの演奏を続けて聴けるのも嬉しいですね。

さらに付属のブルーレイには、HDリマスターされたMV3曲、1994年11月28日渋谷公会堂での貴重なライヴ映像2曲「恋は夕暮れ」&「迷子の兵隊」(高画質!もっと観たい!)が収録されています。

11月27日には限定アナログ(2LPカラー盤 UPJH-9096 4.400円税込)も発売予定です。

さらに11月8日からは『SPITZ NOW!~ロック大陸の物語展~』が東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催されます。スピッツ初の大規模展覧会、こちらも是非チェックしてみてください。東尾沙紀


2024年9月18日(水) Venice 「Sun Will Go Down」

J.D.サウザーが亡くなった、というニュースが入ってきました。(享年78歳)

今秋はカーラ・ボノフと一緒にツアーを行う予定で、先週もライヴを行っていたのですが...。
グレン・フライ(イーグルス)の訃報時と同じく、ウエスト・コースト・ロックの灯が消えたような想いです。

さて、ウエスト・コースト・ロックを現代に引き継ぐバンド、ヴェニスの新作が本日発売されました。

ヴェニス『Stained Glass』
(国内CD 金澤寿和氏による解説・歌詞付 PCD-26123 2,860円税込)

Veniceは、Michael Lennonを中心にレノン兄弟+従兄弟4人で1977年結成のアメリカン・ロックバンド。
(50~60年代に活躍したガール・グループ、レノン・シスターズは彼らの母親・親戚)
本作は2020年発表作『Jacaranda Street』以来、約4年ぶりのアルバムです。

今日のこの1曲は、若くして妻に先立たれた友人のために書いたという「Sun Will Go Down」を。
ウエスト・コースト・ロックの良心ともいえる、切なくも美しいメロディーとコーラスが沁みるナンバーです。森陽馬


2024年9月17日(火) 寺尾紗穂 「こんばんは お月さん」

中秋の名月、そしてお彼岸の入り日を目前に控えた本日、寺尾紗穂さんの新作『しゅー・しゃいん』が入荷しました。

寺尾紗穂『しゅー・しゃいん』
(国内CD KHGCD-004 3,300円税込/国内LP KHGLP-004 4,400円税込)

靴磨きで生計を立てていた戦争孤児の掛け声「しゅー・しゃいん」をタイトルに冠した本作。
現在進行形でもある戦争と子供たちの問題を描いた「悲しみが悲しみであるうちに」含め、切実な想いが込められた1枚です。

今日のこの1曲は、泣くように歌う紗穂さんの声が心を揺さぶるラスト10曲目「こんばんは お月さん」を。

この歌はカヴァーで、オリジナルは加川良さんの1974年発表アルバム『アウト・オブ・マインド』に収録。
<「教訓」も大名曲ではありますが、私にとっては、加川さんが亡くなったころから”ガード下”のこの男が、山谷や戦争孤児につながってくるのではないかと感じさせてくれた、不思議な縁を感じる曲>と、紗穂さんはインタビューで語っています。

なお、当店でお買い上げの方には、寺尾紗穂さん書き下ろしエッセイ冊子、ジャケット・イラストのマグネット、紗穂さんへの最新インタビューを掲載した発売記念リーフレットを先着で差し上げています。森陽馬


2024年9月16日(月) ネーネーズ 「真夜中のドライバー」

この連休中、皆さんはどちらかへ出掛けましたか?

僕は、9月15日に中野で開催された
<アシバ祭>へ行ってきました。

アシバ祭は、東京沖縄県人会青年部の主催するお祭りで、2024年で33回目を迎えました。
東京沖縄県人会青年部は、沖縄文化を広め、その良さを多くの方へ知ってもらおうと活動している東京の非営利団体で、エイサー隊と三線会による活動他、毎年6月には『沖縄戦・慰霊の日を考える集い』も開催しています。

コロナ禍もあり久々となった今回のアシバ祭でしたが、ソーキそばなど沖縄料理/オリオンビール・泡盛の出店や、沖縄民謡・琉球舞踊のパフォーマンスも数多くあり、ゆる~い雰囲気ながら盛り上がっていましたね。

中でも、昼過ぎに出演した、タツマキ娘が良かったです。
三茶で活動している、三線会から選抜された4人ユニットで、女性3人のコーラスが心地良く響きました。

そのタツマキ娘が、ネーネーズ「真夜中のドライバー」をカヴァーして歌っていました。

ネーネーズは1990年結成の沖縄女性ユニット。
♪真夜中のタクシーに乗った時、三線の島唄流れていたら沖縄生まれかと尋ねてほしい 私の彼かもしれないから♪という歌い出しの「真夜中のドライバー」は、作曲:知名定男・作詞:岡本おさみによる1994年発表楽曲で、島を離れ東京でタクシードライバーとして暮らしている彼を心配し愛しく想う歌です。
都会の厳しい陽射しに当たりながら聴く「真夜中のドライバー」、心に沁みました。森陽馬

★掲載ジャケットは、ネーネーズ「真夜中のドライバー」収録の2CDベスト・アルバム。
ネーネーズ『ホールデン・ベスト』
(国内2枚組CD 全33曲収録 MHCL-377 3,122円税込)


2024年9月15日(日) キングトーンズ 「グッド・ナイト・ベイビー」(英語ヴァージョン)

キングトーンズが1981年にSMSレコードから発表した『Doo Wop! STATION』がボーナス曲もたっぷり追加され、低価格で再発になっています。

キングトーンズ『Doo Wop! STATION/ザ・ファビュラス・キングトーンズ』
(国内CD 期間限定価格盤 全26曲収録 UVPR-60115 1,210円税込)

大滝詠一が仕掛けたラジオ仕立てのD.J.入りノンストップ企画レコード(あのキャロル久末さんの声も聞けます)に、CDになってからは「ドゥワップ・トゥナイト」や「ラスト・ダンスはヘイ・ジュード」など大瀧詠一プロデュースによるシングル曲やカラオケを10曲追加してあります。

キングトーンズが歌う「16キャンドルズ」「シルエッツ」「カム・ゴー・ウィズ・ミー」「バーバラ・アン」などのドゥワップ・ナンバー、そして、ゲストで1曲だけ登場するスクーターズの「アイ・ワンダー」もいいのですが、今日はナレーションなしで聴けるボーナス曲の方から「グッド・ナイト・ベイビー」英語ヴァージョンを。森 勉


2024年9月14日(土) Galliano 「Circles Going Round The Sun」

ガリアーノというユニット名を聞いて、懐かしい!と感じる方は、1990年代のアシッド・ジャズ・ブームをリアルタイムで体験している世代だと思いますが、そのガリアーノが懐かしさだけではない、新しい作品を発表しました。

オリジナル・アルバムとしては1996年作『:4』以来、約28年ぶりの新作です。

GALLIANO『Halfway Somewhere』
(輸入CD BROWNSWOOD Recordings BWOOD363CD)

ジャイルズ・ピーターソン主宰のレーベルBROWNSWOOD Recordingsからのリリース。
アシッド・ジャズのグルーヴ感と、先鋭的な息吹がブレンドされたクールな1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、ロニー・リストン・スミス「Expansions」を現代ロンドン風にアップデートさせたような「Circles Going Round The Sun」を。
本作は2022年に亡くなったSEAN ROLLING "DJ BROWNSWOOD"へ捧げられています。

なお、アルバム・タイトル『Halfway Somewhere』は(どこかの中間地点、の意)。
中心人物のロブ・ギャラガー曰く、まだ旅の途中とのことで、前を向いたこれからの活動に期待したいですね。森陽馬


2024年9月13日(金) Ginger Root 「No Problems」

「アクション・魅力・グルーヴ・そして恋っ!たくさんのチャームポイントが入っています♪」
(アルバム中盤の80年代風日本語CMより)

日本の音楽やカルチャーにも精通し、日本語も堪能な南カリフォルニア出身のシンガーソングライター、キャメロン・ルーのソロ・プロジェクト、ジンジャー・ルート。
フル・アルバムとしては4年ぶりとなる新作、その名も『新番組』が本日リリースされました。

ジンジャー・ルート『SHINBANGUMI』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 GI443JCD 2,750円税込)

ジンジャー・ルート流シティ・ポップ「Only You」、細野晴臣の影響を滲ませるトロピカルな日本語曲「Kaze」、ファンキーな「All Night」等々...3rdアルバムもちょっとレトロなポップ・ワールドが全開です。

中でもオープニング・ナンバー「No Problems」は、彼の新たな代表曲のひとつになりそうな予感?!
多幸感あるアレンジと心弾むリズム、ポップなメロディーは何度聴いてもワクワクさせてくれます。

2025年1月には福岡・広島・大阪・名古屋・東京を回るジャパン・ツアーも決定しています。東尾沙紀


2024年9月12日(木) Stuff 「Foots」(Live)

ゴードン・エドワーズ(ベース)、リチャード・ティー(キーボード)、コーネル・デュプリー(ギター)、エリック・ゲイル(ギター)、スティーヴ・ガッド(ドラムス)、クリス・パーカー(ドラムス)のスタジオ・ミュージシャン6人で結成されたスタッフのファースト・アルバムは、ロック・ファンにも衝撃的なサウンドでした。1976年の事でした。

現在では、ジャズ/フュージョンの名盤と言われていますが、当時は一部のジャズ・ファンからは、「こんなのジャズじゃない」と反応もあり、ロックやソウル・ファンからの支持の方が強くあったような気がします。

そんな彼らは何度も日本に来てくれましたが、1978年に来日した際にライヴ盤を残してくれました。

スタッフ『ライヴ・スタッフ』
(国内CD 解説付 WPCR-28102 1,100円税込)

1978年11月20日東京・芝の郵便貯金ホールで収録されたもので、残念ながらクリス・パーカーは不参加ですが、スタッフならではのアンサンブルを堪能出来ます。
今日の1曲は、ファースト・アルバムの1曲目を飾った「フーツ」のライヴを。森勉


2024年9月11日(水) Jimmy Webb 「Scissors Cut」

レコード・コレクターズ誌2024年10月号『AORの名曲ベスト100特集』が入荷しました。

(ミュージック・マガジン社 930円税込)

1969~1989年に発表された楽曲の中から、ライターの方々が選んだAORの名曲ランキングが掲載されています。

納得の定番曲から、これはAORなの?という意外な選曲もありました。
AORの定義が世代の移り変わりと共に変わってきているのかな、と感じましたね。

個人的に大好きなジミー・ウェッブ作品はランキング内に入っていなかったのが残念!
なので、今日のこの1曲は、彼が1982年に発表した名盤『Angel Heart』から「Scissors Cut」を選びました。

ジミー・ウェッブ『Angel Heart』
(国内CD SICP-4903 1,100円税込)

「Scissors Cut」は、ジミー・ウェッブが1981年にアート・ガーファンクルへ提供した楽曲のセルフ・カヴァー。
当時のパートナー(ローリー・バード)を亡くしたアートの切ない歌唱が胸に迫るナンバーですが、作者であるジミー本人のヴァージョンも味わい深いものがあります。

バックは、ジェフ・ポーカロ、リー・スクラー、デヴィッド・ペイチ、バド・シャンク、フレッド・モーリン。
ジェイムス・テイラー2024来日公演メンバーでもあったディーン・パークスが弾くギター・ソロもいいですね。
ジェリー・ベックリーとグラハム・ナッシュもコーラスで参加しています。森陽馬



2024年9月10日(火) あいみょん 「駅前喫茶ポプラ」

行きつけの飲食店・喫茶店はありますか?
自分の部屋・職場だけでなく、自身にとって居心地のよい空間があることは、大事なことですよね。

僕の行きつけは、J-COOK(神宮前)、名曲喫茶ライオン(渋谷)、武蔵野珈琲店(吉祥寺)等々。
最近は、Cafe Ikanika Prive(緑が丘)へよく行きます。

Cafe Ikanika Priveは、寺尾紗穂さんを見出した平井康二氏が経営している小さな喫茶店。
平井さんは絵を近年描いていて、店内にも掲示しています。興味ある方は是非立ち寄ってみてくださいね。

さて、あいみょんの新作アルバム『猫にジェラシー』が本日入荷しました。
その4曲目に「駅前喫茶ポプラ」という曲が収録されています。

あいみょん『猫にジェラシー』
(初回限定ブルーレイ付CD 先着特典付 WPZL-32144 7,920円/通常盤CD WPCL-13599 3,300円)

「駅前喫茶ポプラ」は、あいみょんがメジャーデビューした2016年頃に書いた曲で、Sundayカミデが編曲を担当。
青春真っ只中なカップルが行きつけの喫茶店を描いた歌になっています。

♪ほら僕らを見て笑っているぜヘップバーン♪
♪ハンバーグ食べきれないならもらうよ♪ (「駅前喫茶ポプラ」歌詞より)

この喫茶店のモチーフは、ヘンゼルカフェ(西宮市)でしょうか?
ヘンゼルカフェは西宮市出身のあいみょんが通っていたお店で、オードリー・ヘップバーンのポスターが店内に貼ってあり、ハンバーグもメニューにあります。(駅前ではありませんが、、、)
関西へ行く機会があったら立ち寄ってみたいですね。森陽馬


2024年9月9日(月) J.D.サウザー 「ユア・オンリー・ロンリー」

1970年代前半はシンガー・ソングライター系の音楽ばかり聴いている時がありました。

その時出会ったのが、ジョン・デヴィッド・サウザーのファースト・アルバムでした。

輸入レコード店で見た、物憂げな表情で正面を見ているジャケットに惹かれて買った『John David Souther』というシンプルなタイトルのアルバムは、大正解で愛聴盤になりました。特にB面ラストの「ララバイ」という曲が大好きでした。1973年頃のことです。(このアルバムは1972年発表作)

それから数年経った1979年に出た彼のソロとしては3枚目のアルバムが今日のテーマです。

J.D.サウザー『ユア・オンリー・ロンリー』
(国内CD 日本語解説付 SICP-4869 1,100円税込)

ソロ名義としては唯一のヒット曲「ユア・オンリー・ロンリー」を収録したこのアルバムは、それまでのソングライターとしてだけではなく、シンガーとしても多くの人々に注目されることになりました。

それ以前の彼に比べると、ポップになりすぎたという一部のシンガー・ソングライター・ファンの意見もありましたが、僕個人はこの曲がロイ・オービソンの「オンリー・ザ・ロンリー」からインスピレーションを得たということもあり、大好きなアルバムです。

竹内まりやの新曲「歌を贈ろう」のシングルCDカップリングに入っている「ラスト・イン・ラヴ」も収録。
今ならまだ1,100円税込で手に入ります。森勉


2024年9月8日(日) Neil Young & Nicolette Larson with The Gone With The Wind Orchestra 「Alabama」(Live)

昨日も紹介したニール・ヤングのアーカイヴBOX第3弾、17枚組CD!
未発表音源は珍しさだけでなく、繰り返し聴きたくなるトラックが多くて、聴きどころ満載ですね。

今日は、『UNION HALL』(NOVEMBER 1977)と題されたDISC5から1曲取り上げましょう。

1977年11月のライヴを中心に収録されたこのディスクの中でも、「Alabama」のライヴ音源は特に聴きものでした。

ニール・ヤングとニコレッタ・ラーソンが、The Gone With The Wind Orchestraと命名されたバンド(ベン・キース、スプーナー・オールダム、ティム・ドラムンド、カール・ヒメル、Rufus Thibodeaux)を従え、Nashville Musicians Union Hallで1977年11月10日に行ったライヴ音源です。

「Alabama」(1972年発表名盤『Harvest』に収録)は、当時の保守的な南部の体制を批判した歌でした。
そのアンサー・ソングとして、レーナード・スキナードが「Sweet Home Alabama」を作ったことで有名ですが、ニール・ヤングはこの「Alabama」後半部分に、「Sweet Home Alabama」を織り込んで歌っているのです。
歌詞だけでなく、それらしいメロディー/フレーズが入っていて面白いですね。森陽馬

★Neil Young『Neil Young Archives Vol.3 (1976-1987)』
(輸入17CD Reprise/Warner 9362487856/ブルーレイ付デラックス盤はニールの公式サイト限定)


2024年9月7日(土) Neil Young & Crazy Horse 「Southern Man」(Live at Budokan Hall 1976)

ニール・ヤングの名曲から未発表レア音源が詰め込まれたアーカイヴBOXセット。
第1弾(2009年発売 10BD/DVDor8CD)、第2弾(2021年発売 10CD)に続く、第3弾が出ました!
今回はなんと!17枚組CDです。

Neil Young『Neil Young Archives Vol.3 (1976-1987)』
(輸入17CD Reprise/Warner 9362487856/ブルーレイ付デラックス盤はニールの公式サイト限定)

ディスク1の最初から、ニール1976年初来日時の音源で感涙必至!
大阪公演や前日には演っていない「Let It Shine」を披露した1976年3月11日日本武道館でのライヴ音源です。
BOX第2弾のディスク10にも武道館の音源が5曲入っていましたが、今回はタップリ入っていますね。

今日のこの1曲はこのディスク1から、8分に及ぶ「Southern Man」!
クレイジー・ホースの荒々しい演奏に、ニールのギター・ソロが炸裂! かっこいい!! 森陽馬


2024年9月6日(金) 優河 「Love Deluxe」

舞台やミュージカルなど活躍の場をひろげている、東京生まれのシンガーソングライター優河。
フォーキーで美しい静謐な歌...というこれまでのイメージから一転、新たな一面をみせてくれるダンサブル&メロウな新作がリリースされました。

優河『Love Deluxe』
(国内CD PCCA-06315 3,300円税込)

ドラマ主題歌として反響を呼んだ「灯火」収録の前作『言葉のない夜に』から約2年半ぶりとなる4作目。

プロデュース&編曲を手掛ける岡田拓郎をはじめ、千葉広樹(b)、谷口雄(key)、神谷洵平(drs)、荒内佑(cero/syn)、増村和彦(per)、おなじみ魔法バンドのメンバーらが参加しています。

今作を聴いてまず驚くのは、アフロビートを取り入れた「Don't Remember Me」、ビートが強調されたグルーヴィーな「Love Deluxe」ら新境地ともいえる曲。クールな歌声も相まってこれがクセにあるカッコよさ!

都会的なムード漂う「遠い朝 (2024mix)」、妖艶な「香り」,,,心地良いビートに淡く溶けていくような歌声が自然と体を揺らしてくれます。

2024年10月30日には、今作の限定アナログLPも発売予定です。東尾沙紀


2024年9月5日(木) アート・ガーファンクル 「Skywriter」

9月6日から角川シネマ有楽町にて、『Peter Barakan's Music Festival 2024』が開催されます。

ピーター・バラカンさんが監修・作品選定した音楽映画を上映する映画祭で、今回が4年目。
『ボビー・チャールズ 極楽の歌』、『七転八起の歌手 バーバラ・デイン』、『ガーランド・ジェフリーズ ジャンル知らずの帝王』等、日本初公開作品もあって、興味深いラインナップですね。

その映画祭でプレミア上映されると同時に、他の映画館でも9/6から順次劇場公開となる
『セッションマン:ニッキー・ホプキンス ローリング・ストーンズに愛された男』は、鑑賞をとても楽しみにしている作品です。

ニッキー・ホプキンスは多くのセッションに参加している名ピアニスト。
ローリング・ストーンズ「Angie」、「Sympathy For The Devil」、ジョン・レノン「Jealous Guy」等々、ニッキーの名前を知らない方でも洋楽好きの方ならば、彼が奏でるピアノをどこかで耳にしたことがあるはずです。

1994年に若くして亡くなりましたが、生前のインタビューや貴重映像も含む本ドキュメンタリーを通して、ニッキー・ホプキンスの素晴らしい演奏がより多くの人に聴かれるといいな、と願っています。

今日のこの1曲は、ニッキー・ホプキンスがピアノを弾いている楽曲の中で、僕が特に大好きなナンバー、アート・ガーファンクル「スカイライター」を。

「Skywriter」はジミー・ウェッブが1980年代にアート・ガーファンクルへ書き下ろした隠れた名曲。
アート・ガーファンクルの当時のパートナーであったローリー・バードは1979年に自殺してしまいました。
厳しい現実から逃避したい心情を、ひこうき雲で空に字を書くパイロット(Skywriter)で表現した歌詞は、アートのその失意と苦悩を描いたと言われています。

ジミー・ウェッブの美しくも切ないメロディと、ニッキー・ホプキンスの流麗なピアノの響きが胸を打ちます。森陽馬

★掲載ジャケットは「Skywriter」収録のアート・ガーファンクル2枚組ベストCD『The Singer』
(国内2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-20426 4,180円税込)


2024年9月4日(水) イックバル 「Kareba Cinta」

<RECORD STORE DAY 2024>対象アイテムとして2024年4月20日にアナログ・レコードでリリースし大好評だったイックバルの2024年作『DECADE』が、国内盤CDで発売されました。

イックバル『ディケイド』
(国内CD ボーナス・トラック2曲追加 栗本斉による解説・歌詞・対訳付 HYCA-8076 2,750円税込)

ikkubaru(イックバル)は、作詞・作曲・編曲を手掛けているMuhammad Iqbalを中心として、2011年に結成したインドネシア出身の4人組バンド。オリジナル・アルバムとしては2020年発表作『Chords And Melodies』(
当店が選ぶ2020年ベストに選出)以来となる待望のフル・アルバムです。

シティ・ポップの華やかさ+ブリティッシュな雰囲気をブレンドした前作から、ブルー・アイド・ソウルな魅力も加わりました。
晴れの日も雨の日も、楽しい時も落ち込んでいる時も、身体と心を爽やかに浄化してくれる1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、英語詞が中心の本作中、唯一のインドネシア語で歌われている4曲目「Karena Cinta」を。
"愛しているから”という想いが募ってくるエモーショナルなナンバー♪

なお、お買い上げの方に先着で、毛塚了一郎氏書き下ろしイラストのマグネットを差し上げています。森陽馬


2024年9月3日(火) 井上園子 「きれいなおじさん」

昭和フォークの精神を、令和の時代へ引き継ぐ女性シンガーが出てきました。

その名は、井上園子。
1998年10月17日生まれ、湘南在住。
父が使っていたギター1本で一発録音した1stアルバム『ほころび』は、新時代フォークの風を感じさせます。

井上園子『ほころび』
(国内CD 当店にてお買い上げの方先着で「惹句」バンドver収録特典CD付 PCD-18913 2,000円税込)

高田渡のような語り口で歌われる1曲目「三、四分のうた」、日々の暮らしに感じた寂しさを描いている3曲目「あの街この街」他、日常を切り取りながら、正直な心の内を歌としてさりげなく差し出した全9曲が収録。

今日のこの1曲は、毒を吐いているようで「私は私をうたうのさ」という決意表明の歌⑤「きれいなおじさん」。
ハンバートハンバートお好きな方にも是非聴いてもらいたい1枚です。

なお、完全限定7インチ・シングル盤『三、四分のうた/おいしい暮らし』も同時発売。
こちらお買い上げの方にも、「惹句」バンドver収録の特典CDを先着で差し上げています。森陽馬


2024年9月2日(月) 黒木真由美 「北極回り」

黒木真由美は1970年代中頃に活躍した女性アイドル歌手。
1975年3月にキング・レコードから「好奇心」c/w「十五の素顔」でデビューし、セカンド・シングル「感情線」がテレビやラジオでよく流れていた記憶があります。

その彼女が1975年11月に発表した唯一のオリジナル・アルバムが、なんとアナログLPで再発になりました。

黒木真由美『12のらくがき』
(国内アナログ・レコード NAS-2137 5,280円税込)

このアルバムがなぜ復刻されたのかというと、山下達郎の作曲した楽曲が入っているから、ということが一番の要因だろうと思います。それも2曲!

B面2曲目「恋人と呼ばれて」、B面5曲目「北極回り」。
共に、作詞は喜多修忠(「神田川」を書いた方です)。

とにかく、この2曲がいい曲!
演奏&コーラスはシュガー・ベイブ。
アルバム『ソングス』が発売後なので、シュガー・ベイブとしては最後のスタジオ録音かも・・・?
村松邦男によるギターのフレーズが、これぞ!シュガー・ベイブ・サウンドを伝えてくれます。

それにしても、1975年というこの時期に山下達郎に曲依頼をしたキング・レコードのディレクターさん、あなたいい仕事しましたね。森 勉


2024年9月1日(日) スターダスト☆レビュー 「Simple Song」

「まだ世の中には紛争が起こっています。でも僕らの音楽でみんなの心の中に楽しみや人を大切にする想いが少しでも生まれれば、いがみ合ったりすることもないんだと思うんだ。歌の力はほんのちっぽけなものなのかもしれないけれど、みんなの中にそれが膨らんでいけば、きっと世界中が平和になると僕らは願っています。」(根本要さんのMCより)

これは、スターダスト☆レビューの根本要さんがライヴで「Simple Song」を歌う前に語ったMCです。
要さんらしい、誠実で温かい言葉ですね。

そのMCと「Simple Song」も収録された、2023年9月24日日比谷公園大音楽堂でのライヴ音源・映像が出ました。

スターダスト☆レビュー『ブギウギワンダー☆レビュー野外編 with んなアホなホーンズ @日比谷公園大音楽堂』
(国内CD 全13曲収録 COCP-42269 1,100円税込/約24曲収録のブルーレイ、DVDも発売中)

スタレビの魅力は、歌と演奏はもちろん、バンドとスタッフ、ファン皆の愛の強さだと、改めて実感できる1枚です。

今日のこの1曲は、1993年発表名作『SOLA』収録曲で、本ライヴの本編ラストナンバー「Simple Song」を。
「歌にたくした願い いつかは 暗闇を照らし出す 光になれる」(「Simple Song」歌詞より) 森陽馬



2024年8月31日(土) Pat Metheny 「Here, There And Everywhere」

暑い日はまだ続くでしょうが、9月に入ると、夏も終わりだなぁ、という気持ちになりますね。
学生時代にあった夏休みのせいかもしれませんが、8月の終わりは何故か寂しくなってしまいます。

2024年の夏、皆さんはどんな音楽を聴いて過ごしていましたか?

さて、8月最後の日の夜、僕はこの1枚を聴きながら静かに過ごしたいと思っています。

Pat Metheny『Moondial』
(輸入CD BMG 9996-402684)

パット・メセニーの2024年作は、ナイロン弦バリトン・ギターを使用したソロ・ギター・アルバムです。

2023年発表『DREAM BOX』もソロ・ギターでしたが、本作はナイロン弦ということで、より温もりを感じますね。
国内盤が出ない(BMGレーベルのため出せないみたい)ので、難解なのかな、と思いきや、美しいメロディが随所に楽しめる穏やかな1枚でした。

今日のこの1曲は、ビートルズの名曲カヴァー「Here, There And Everywhere」を。

「愛は分かち合うものなんだね」
歌はなくても、パットのギターがそう語りかけてきます。
森陽馬


2024年8月30日(金) 東京ローカル・ホンク 「お手紙」

当店でずっと応援し続けているバンド、東京ローカル・ホンクの2005年発表作が、プロデューサー久保田麻琴さんによる新ミックス&リマスタリングを施し、更に5曲のボーナス・トラックを追加して、初アナログ化決定しました。

<2024年10月23日発売>
・東京ローカル・ホンク『東京ローカル・ホンク』
(国内2枚組アナログ・レコード 小川真一氏によるライナーノーツ付 6,600円税込)

本作のCDも入手困難になっていましたし、うれしい再発・アナログ化ですね。
バンド名を"うずまき”から”東京ローカル・ホンク”へ改名し、久保田麻琴さんと共にシンガーポールへ渡り制作した入魂作で、現在もライヴで必ず演奏している「お手紙」が収録された名盤です。

今回のアナログ化では、「冬眠」、「おにぎりソング」、「ヒコーキのうた」、「社会のワレメちゃん」、「おいのりのうた」の5曲がボーナス・トラックとして追加されることになりました。ホンクの代表曲的な「社会のワレメちゃん」、「おいのりのうた」をレコードで聴くのが楽しみ!

ちなみに、このアルバムが発売された2005年5月は、当店の旧店舗が立ち退きで閉店していた時期でした。
店で販売できない悔しさもありましたが、レコ発イベントへ遠くまで出かけて観に行った楽しい記憶が残っています。
蘇我の野外で観た時、「虫電車」演奏中にアラケンさんのベースに虫がとまったサプライズも良い想い出ですね。(
2005年7月2日今日のこの1曲参照) 森陽馬

予約受付中です。


2024年8月29日(木) The Softies 「Headphones」

イノセントなハーモニーは健在♪

アメリカ出身の女性デュオ、The Softiesが24年ぶりとなる新作『The Bed I Made』がリリースされました。

The Softies『The Bed I Made』
(輸入CD FATHER/DAUGHTER RECORDS FD128cd 輸入LPもあり)

90年代初頭からTiger Trapをはじめ様々なバンドで活動してきたRose Melberg、Jen Sbragiaによるギター・ポップ・デュオ。

ちょっぴり苦くて切ない愛を歌う、ふんわりと柔らかな2人のハーモニー。
穏やかなエレクトリック・ギターのアンサンブルに、グロッケン&ヴィブラフォンの美しい響き。
ごくごくシンプルな演奏ながら2人が奏でる音は豊かで、子守歌を聴いているようなホッとする心地良さに包まれます。

「わたしの心に直接あなたのヘッドフォンをさして 聴いて....」
1分ほどの短い曲ながら、アルバムの中で印象的だった「Headphones」を今日の1曲に。

ジャケットを手掛けたのは日本の版画作家・柳本史(やなぎもとふみ)さん。
RoseとJenの2人が可愛く描かれたアートワークにも注目です。東尾沙紀


2024年8月28日(水) 竹内まりや 「ラスト・イン・ラヴ」、「ニュー・キッド・イン・タウン」

竹内まりやの10年ぶりのアルバム『プレシャス・デイズ』は10月16日発売ですが、その前に先行シングルが発売になりました。

竹内まりや『歌を贈ろう』
(国内CD お買い上げの方先着でジャケット・デザインと同じポストカード付 WPCL-13604 1,650円税込)

このCDには、生田絵梨花主演によるABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ『素晴らしき哉、先生!』の主題歌の他、「おつかれ生です」のフレーズでおなじみのアサヒ生ビールCM曲として使われ続けている「元気を出して」(2024ニュー・リマスター)、そして更に、洋楽カヴァー2曲、プラス「歌を贈ろう」(山下達郎のバック・コーラスがよく聞こえます)と「元気を出して」のカラオケも収録されています。

CDブックレットには、各曲のミュージシャン・クレジット及びまりやさん本人による曲目解説が掲載されています。

今日は、J.D.サウザー1979年発表のアルバム『ユアー・オンリー・ロンリー』に収められている「The Last In Love」と、イーグルス1976年発表のアルバム『ホテル・カリフォルニア』に収められている「New Kid In Town」、まりやさんが原曲の良さを崩さずに愛情あふれるカヴァーをしている2曲を。

2曲ともバッキングは中野督夫を含めたセンチメンタル・シティ・ロマンス+佐橋佳幸。
1970年代のウエストコーストの風を感じられる、素晴らしき哉、ナイス・カヴァーです。森 勉


2024年8月27日(火) CORNELIUS 「サウナ好きすぎ、より深く」

山梨県・河口湖付近へ先日行った帰りに、ふじやま温泉へ寄りました。

富士急ハイランドのすぐ近くで、富士山に近いこともあり、海外からの観光客が多かったです。
また、以前より"サウナ推し”になって、若いサウナーが増えていました。
近年のサウナ人気を実感しましたね。

さて、コーネリアス(小山田圭吾)のアンビエントな楽曲を集め再構築・再録音した作品集『ETHEREAL ESSENCE』に、「サウナ好きすぎ、より深く」が収録されています。

CORNELIUS『ETHEREAL ESSENCE』
(国内CD WPCL-13566 3,300円税込)

「サウナ好きすぎ、より深く」は、2019年に放映されたテレビ東京ドラマ『サ道』(主演:原田泰造。原作はタナカカツキによるサウナ伝道漫画)の主題歌として、コーネリアスが書き下ろした「サウナ好きすぎ」をリアレンジした楽曲。今回が初CD化になります。
小山田さん自身もサウナーということで、"ととのえる”アンビエント・ポップなナンバーに仕上がっています。

なお、CORNELIUSはアート・リンゼイをfeatした新曲「BAD ADVICE」と、2023年発表アルバム『夢中夢 Dream In Dream』の限定アナログ盤を8月21日にリリースしました。こちらも好評発売中です。森陽馬


2024年8月26日(月) パソコン音楽クラブ 「Colors」 feat Haruy

身体を揺らし、踊らせてくれるエレクトロ・ポップ/ダンス・ミュージック。

パソコン音楽クラブの2024年作『Love Flutter』には、そこに哀愁のエッセンスがブレンドされています。

パソコン音楽クラブ『Love Flutter』
(国内CD 先着特典「Colors」オルゴールアレンジDLカード付 PECF-1196 3,000円税込)

パソコン音楽クラブは、大阪出身の柴田碧と西山真登による2015年結成DTMユニット。
5作目となる『Love Flutter』には、tofubeats、柴田聡子、高橋芽以(LAUSBUB)、MFS他が参加。
YMO→電気グルーヴから連なる日本エレポップの過去と現代、そして未来を繋ぐ傑作に仕上がっています。

今日のこの1曲は、2000年生まれの女性シンガーHaruy(ハリー)をfeatした「Colors」を。
ありきたりかつ焼き増しが溢れた昨今のシティ・ポップの中で、僕は”シティ”なポップをこの曲に強く感じました。

なお、当店でお買い上げの方には、「Colors」オルゴールアレンジのダウンロード・カードを先着で差し上げています。森陽馬


2024年8月25日(日) Neil Young 「On The Beach」

ピーター・バラカン氏のDJによるNHK FMラジオ番組『WEEKEND SUNSHINE』。
2024年8月24日(土)の放送回は、「1974年の音楽」特集でした。
ピーターさんらしい選曲でしたね。

さて、僕の好きな「1974年の音楽」はこの1枚です。

Neil Young『On The Beach』(邦題:渚にて)
(輸入CD Reprise 48497)

ニール・ヤングが1974年に発表したアルバム『On The Beach』。
雨名曲「See The Sky About To Rain」、リヴォン・ヘルム&リック・ダンコ(ザ・バンド)によるリズム隊が最高にかっこいい「Revolution Blues」は、何時聴いてもグッときます。

そして、B面の「On The Beach」。
「Rockin' In The Free World」や「Hey Hey My My」など、ロックなニールばかり聴いていた昔は、サーストン・ムーアがフェイヴァリットに挙げている、という記事を読んでも、正直いってピンときませんでした。

しかしながら、年齢を重ねるごとに、「On The Beach」の寂寥感が身にしみるようになりましたね。
渚に佇むジャケットの雰囲気含め、夏の終わりに聴きたくなるナンバーです。森陽馬



2024年8月24日(土) Ray Lamontagne 「Long Way Home」

レイ・ラモンターニュの歌声を聴くと、雄大な景色が広がる山の上にいるような、晴れやかで澄んだ心になります。

2020年発表作『Monovision』(
2020年7月4日今日のこの1曲で紹介)以来、彼の約4年ぶりとなる作品が出ました。

Ray Lamontagne『Long Way Home』
(輸入CD LIULA Records LR003 04355CD /輸入LP LR003 04137LP)

レイ・ラモンターニュは、アメリカ/ニューハンプシャー出身1973年生まれの男性シンガー・ソングライター。
靴工場へ出勤した朝、ラジオでかかったスティーヴン・スティルスの歌を聴き音楽活動に専念した、という経歴を持つ彼も、2004年デビューから2024年で20周年を迎えました。
Barbara S. Beckという人が手掛けたジャケット・イラストが印象的な本作も、彼の誠実さが伝わってくる1枚です。

Secret Sistersの二人(Laura Rogers、Lydia Slagle)、My Morning JacketのCarl Broemelがゲスト参加している「I Wouldn't Change A Thing」も注目ですが、今日のこの1曲は、ラストに収録されている味わい深いタイトル曲「Long Way Home」。

なお、ジャケット・イラストがプリントされたトート・バックが商品と一緒に届きました。
近作はメジャー流通(RCA)だったのが、本作は自主レーベルからのリリースで気合が入っているのかもしれません。
とにかくも、お買い上げの方へ先着で差し上げています。森陽馬


2024年8月23日(金) Joe McAlinden 「Superstar」

グルーヴィー・リトル・ナンバーズ、スーパースター、BMXバンディッツでの活躍でも知られるスコットランドのミュージシャン、ジョー・マカリンデン。

彼の曲に初めて触れたのは、スーパースターの「Superstar」という曲で、ロッド・スチュワートのカヴァーしているバージョンでした。
誰の曲か知らなかったけれど、叙情的なメロディと印象的なギターリフが耳に残りました。
繊細で美しくて、ロックな曲...オリジナルをのちに聴いて、そう感じたことを覚えています。

90年代初頭からバンドやソロでマイペースに活動を続けてきた彼の約30年間を振り返る、日本独自のアンソロジーが、2023年ソロ最新作『Where The Clouds Go Swimming』と同じく、HAYABUSA LANDINGSからリリースされました。

ジョー・マカリンデン『サウンド・システム・オブ・ザ・ソウル』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 HYCA-8075 2,640円税込)

上記「Superstar」をはじめ、アレックス・チルトンをフィーチャーした同バンドの「Don't Wanna Die」、BMXバンディッツ「Serious Drugs」、エドウィン・コリンズがプロデュースを手掛けたLinden名義の「If I Had Wings」、ソウル・テイストのNom「Out Od My Hands」、2023年最新作から「Light」など、マカリンデン自身がセレクトした全14曲が収録されています。東尾沙紀


2024年8月22日(木)Jason LaPierre 「I Get Along Without You Very Well (Except Sometimes)」 with mokina

連日のゲリラ豪雨はありますが、先週に比べると、暑さが多少和らいできました。
それでも、蒸し暑さはまだまだ続いていますね。

今日紹介するのは、空調の効いた部屋で、ゆったりとした気持ちで聴けるオススメの1枚です。

ジェイソン・ラピエール『フォー・クワイエット・コーナー』
(国内CD 選曲・解説:山本勇樹 RCIP-366 2,750円税込)

Jason LaPierre(ジェイソン・ラピエール)は、アメリカ・コネチケット州ニューブリテン出身の男性シンガー・ソングライター。
今までに配信で楽曲を発表していましたが、CDやレコードは出したことがありませんでした。

本作は、『クワイエット・コーナー』『バー・ブエノスアイレス』等、良質な編集盤を多く出している山本勇樹氏が、ジェイソン・ラピエールの楽曲を14曲セレクトしたCDで、彼にとっては初のフィジカル作品になります。

ルーツ音楽としてはチェット・ベイカーがあり、実際にチェットのレパートリーで有名なホーギーカーマイケル作「I Get Along Without You Very Well (Except Somethimes)」をカヴァーしています。
ブルーノ・メジャーを彷彿とさせる雰囲気もあって、ノスタルジックな気分にも浸れる歌声が魅力ですね。森 陽馬


2024年8月21日(水) フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズ 「1963年12月」

フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズは、アメリカでの人気・評価に比べると、日本では知名度がずっと低かったと言えます。

レコード会社の契約の関係で、日本でレコード/CDが発売されなかった時期があったのも、ひとつの原因かもしれません。

そんな彼らの事で日本でもよく知られるようになったのが、2014年9月に公開されたクリント・イーストウッド監督による映画『ジャージー・ボーイズ』でした。(アメリカでの公開は2014年6月)
アメリカではブロードウェイ・ミュージカルとして2005年に上演され、大人気だった『ジャージー・ボーイズ』を映画化したものでした。

フランキー・ヴァリのまわりで起こる波瀾万丈の物語と、親しみやすい楽曲が一般の人々にも受け入れられたのですね。フォー・シーズンズのオールド・ファンとしてはとてもうれしかったことを思い出します。
あれから・・・もうすぐ10年です。

今日の1曲は、映画のエンディングで出演者が一斉に踊り出す、なんとも魅力的なシーンで使われた1975~6年にかけてのヒット「1963年12月」(あのすばらしき夜)を。森 勉

★フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズ『ヴェリー・ベスト・オブ・フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズ』
(国内CD 英文ライナー訳・歌詞・対訳付 WPCR-26211 1,430円税込)


2024年8月20日(火) 中野有紗 「青い魚」

2024年8月20日の東京新聞夕刊に、映画『PERFECT DAYS』で描かれた公共トイレ清掃員・平山のモデルとなった、江田雄司さんに関する記事が掲載されていました。

『PERFECT DAYS』は2023年12月末に劇場公開し、僕は
年明け1月3日に鑑賞。
2月下旬に2回目を鑑賞した後は、映画のロケ地であった下北沢のレコード店フラッシュ・ディスクランチへ久々に足を運び、店主の椿さんから撮影時の話を伺うことができたのも良い想い出です。
新聞記事を読んで、"平山”にもう一度会いたくなりました。

さて、その映画『PERFECT DAYS』に、役所広司演じる主人公・平山の姪(ニコ)役として出演していた平野有紗が、劇中曲の金延幸子「青い魚」をカヴァーした7インチ・レコードがリリースされました。

中野有紗『青い魚/MOON RIVER』
(国内7inchレコード 初回生産限定盤 P7-6614 2,420円税込)

山本精一がプロデュース&演奏を担当。
金延幸子さんの歌い方を踏襲しながらも、あどけなさがやや残る中野有紗の歌声が魅力的ですね。森陽馬


★映画『PERFECT DAYS』のブルーレイ・DVD発売中。
(豪華版 TCBD-1609 14,300円税込/ブルーレイ TCED-7578 5,280円税込)


2024年8月19日(月) Dr.Dog 「Tell Your Friends」

ポップなメロディとハーモニー、ルーツ・ロックの武骨さを兼ね備えたフィラデルフィアのロック・バンド、Dr.Dog。

スコットとトビー2人のリード・ヴォーカリストを中心に、キャリアは20年以上、スタジオ盤だけでも10枚の作品を発表しています。

ツアーは2021年で最後と宣言してから、解散もあり得る?と心配するファンも多いなか、11枚目となる2024年新作をリリース♪
自信作の表れか、再出発の意味を込めてか、セルフ・タイトルを掲げている今作...確かにどれも良い曲です。

Dr.Dog『Dr.Dog』
(輸入CD We Buy Gold Records WBGR015CD)

ローファイなサウンド、ハーモニーの心地良さはそのままに、①「Authority」からなキャッチーな曲が続く前半から、フォーク/カントリー調の穏やかな後半への流れも良い雰囲気です。

Dr.Dogといえば、個性の異なる2人のヴォーカルが特徴的ですが、本日はバンドのドラマーでソロ・シンガーとしても活躍しているエリック・スリック作の「Tell Your Friends」を今日の1曲に。

リズムが似ているせいか、Dr.Dog版「Two Of Us」といった趣のある曲。エリックの素朴な歌声もまたいい感じです。 

ストリングス・アレンジが美しい「What a Night'll Do」にはM・ウォード(シー&ヒム)がコーラスで参加しています。東尾沙紀


2024年8月18日(日) The Police 「Synchronicity Ⅱ」

BOXのブックレットを手に取り、中を開いたら、「お~!」と思わず声が出ました。

ザ・ポリスが1983年に発表した名盤『シンクロニシティー』の40周年記念盤。
これは、ファン必聴・必見です!

The Police『Synchronicity』(40周年記念盤スーパー・デラックス・エディション)
(国内6枚組SHM-CD仕様 完全限定盤 英文ライナー翻訳・歌詞・対訳付 UICY-80511 23,100円税込)

64ページに及ぶハード・カヴァー・ブックレットは、解説・メンバーのレアな写真に加え、当時のアルバム・シングル各種(日本盤7インチも掲載)、ポスター、Tシャツ等販促物、マスターテープ、ゴールドディスクの写真等々、マニア垂涎の内容。
(このブックレットを監修した方は、日本のロンバケ他ナイアガラ関連BOXを参考にしたのかも?)

本編(ディスク1)とB面曲など編集盤(ディスク2)以外の、ディスク3、4、5、6は全て未発表音源。
オリジナルと違う雰囲気の「見つめていたい」デモ音源(ディスク4に収録)も聴きものですが、ライヴ音源(ディスク5、6)をリピートしてしまいますね。スチュワート・コープランドのキレキレなドラミングが最高!

1983年という時代の空気。そして、スティング32才、スチュワート・コープランド31才、アンディ・サマーズ41才。3人のバランスが危うくもギリギリの状態で繋がれ放たれた傑作は、40年を経ても色褪せず、夏の陽射しのように熱く心を焦がします。森陽馬


2024年8月17日(土) Gerry & The Pacemakers 「Don't Let The Sun Catch You Crying」(ステレオ)

ブライアン・エプスタインに見初められたイギリス、リバプール出身のバンド、ジェリー&ペイスメーカーズのアンソロジー3枚組CDが出ました。

Gerry & The Pacemakers『I Like It! Anthology 1963-1966』
(輸入3枚組CD Strawberry/Cherry Red CR3JAM037)

全98曲収録。彼らの英米のヒットー「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット」、「アイ・ライク・イット」、「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」、「マージー河のフェリーボート」、「アイル・ビー・ゼア」、「ガール・オン・ア・スウィング」など、チャートインした曲はすべて入っています。

ライヴも15曲、そしてステレオ・ヴァージョン及びストリングス(オーケストラ)あるなしヴァージョン等、多角的に彼らの名曲が楽しめる選曲です。

彼らの魅力はいろいろありますが、リード・ヴォーカル&ギターを担当するジェリー・マースデンの声になるでしょうか。
今日の1曲は、そんな彼のヴォーカル力が最大限に活かされた「Don't Let The Sun Catch You Crying」(邦題:太陽は涙が嫌い)を。
モノラルも入っていますがジョージ・マーティンが指揮するオーケストラ・アレンジの響きがよく聞こえるステレオ・ヴァージョンで。

あと、ヒット曲ではないのですが、ジャック・ケラー&ジェリー・ゴフィン作品で、トニー・オーランドが歌った隠れた名曲「チルス」をナイス・カヴァーしています。

なお、ジェリー・マースデンは残念ながら2021年に78才で亡くなってしまいましたが、彼が残した名曲を多くの人々に聴いてもらいたいと思います。森 勉


2024年8月16日(金) Nelson Super Project 「Let's Dance Baby」

山下達郎のバック・メンバーはみんな音楽大好き&仲良しで、特に1998年頃のツアー・バック・バンドは、達郎さんのコンサートがない時でも集まり、Nelson Super Projectとして都内のライヴ・ハウスで活動していました。

Nelson Super Projectのメンバーは、青山純、伊藤広規、国分友里恵、佐々木久美、佐橋佳幸、重実徹、土岐英史、難波弘之、三谷泰弘。
改めて名前を並べるだけでも、凄腕揃いですね。

彼らはライヴだけでなく、2002年にアルバム『Nelson Magic』をリリースしています。
現在は入手困難となっているその作品が、2024年11月27日に初アナログ・レコード化されることになりました。

Nelson Super Project『Nelson Magic』
(2024年11月27日発売 国内2枚組LP 完全限定盤 WQJL-188 5,720円税込)

CDのボーナス・トラックだったライヴ音源3曲も、アナログ化されるようです。
今日のこの1曲はそのライヴ音源から、「Let's Dance Baby」(2000年6月5日STB139にて録音)のカヴァーを。

ちなみに、現在も達郎さんのツアー・メンバーとして残っているのは、伊藤広規、難波弘之、三谷泰弘の3人のみ。
2013年に急逝した青山純のドラミング、2021年に病気で亡くなった土岐英史さんのブロウが懐かしいですね。森陽馬


2024年8月15日(木) 路地 「スロウ」

多摩田園都市(東京・神奈川)を拠点とするインディー・ポップ・バンド、路地(ろじ)。

当店でも評判となった前作『KOURO』(2023年9月29日の今日のこの1曲で紹介)以来となる、4作目が発表されました。

路地『わかりあえないことから』
(国内CD PCD-25409  2,750円税込)

メンバーの卒業・離脱などもあり、現在はヴォーカル/フルートKozue、ソングライティングを手掛ける2人のギタリスト久保田敦、鈴木雄三で活動中。

キャッチーなメロディはそのままに、シティ・ポップ、ギターポップ、ソウルにラヴァーズ・ロックなど多様な音楽性を覗かせる楽曲が詰まった今作。
内省的でちょっぴりクールな詞の世界観もあり、これまでのバンドの爽やかなイメージとはひと味違った、湿度ある夜の匂いが漂う作品となっています。

<チルアウト>がコンセプトでもあるという今作のゆったりとしたリード・トラック「スロウ」を今日の1曲に。

砂の壁のドラマー大見勇人、キーボーディスト青木聖陽、宮坂遼太郎(パーカッション)ら参加ミュージシャンにも注目です。東尾沙紀


2024年8月14日(水) 松尾清憲 「ロング・ロング・ビーチ」

発表された2024年6月4日にも今日のこの1曲で紹介しましたが、この真夏の時期にも聴きたい気分。
ということで、このアルバムを。

2024年夏の決定盤だと思います。

松尾清憲『Young And Innocent』
(国内CD 当店のみの特典付 CDSOL-2028 3,300円税込)

今回はアルバム全体のサウンド・プロデュースを、マイクロスター佐藤清喜さんが担当。
松尾さんならではのポップセンスが最大限に音の中に組み込まれているように感じます。

全12曲、作曲はすべて松尾清憲。
作詞は、杉真理、サエキけんぞう、鈴木博文が各1曲、他9曲は松尾自身。

そんな出来映え抜群の曲たちの中から、今日は「ロング・ロング・ビーチ」を選びました。
夏の海をテーマにしたなんともすてきな曲です。
松尾さんのコーラス・アレンジメントのセンスにも注目!

松尾清憲さんへこのアルバムに関してインタビューした当店作成リーフレットをプレゼント中です。森 勉



2024年8月13日(火) TEEN DAZE 「Nothing's Gonna Change My Love」

東京の熱帯夜~明け方4時頃。
もうすぐ空が明るくなってくるかな、という時間帯に聴くと、陶酔感が味わえる1枚。

TEEN DAZE『ELEGANT RHYTHMS』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ARTPL-218 2,420円税込)

TEEN DAZE(ティーン・デイズ)は、カナダ/バンクーバー出身のJamison Izaakによるソロ・プロジェクト。
2011年にデビューし、エレクトロニカ~チルウェイヴなインスト・サウンドが魅力のアーティストです。

コロナ渦に発表した『INTERIOR』(2021)以来約3年ぶりとなる本作『ELEGANT RHYTHMS』は、Andy Shauf、Sam Wilkesがゲスト参加。更にヴォーカルがほぼ全編に入っており、その歌声がシャーデー的女性のように聞こえて、とても気に入っています。

特に、3曲目「Nothing's Gonna Change My Love」。
Sade「No Ordinary Love」の如く、浮遊感がありながら深遠な雰囲気に心奪われました。

同じカナダ出身Michael MiloshによるRHYE(ライ)がお好きな方にオススメです。森 陽馬


2024年8月12日(月) 寺尾紗穂 「しゅー・しゃいん」

ペット・サウンズ・レコードが2006年デビュー時から応援している女性シンガー・ソングライター、寺尾紗穂さんの2024年新作アルバム『しゅー・しゃいん』が9月18日発売決定しました。

寺尾紗穂『しゅー・しゃいん』
(国内CD KHGCD-004 3,300円税込/国内LP KHGLP-004 4,400円)
<お買い上げの方に先着で、寺尾紗穂書き下ろしエッセイ+当店のみの特典付>

タイトルは、靴磨きで生計を立てていた戦争孤児の掛け声「しゅー・しゃいん」から取られています。
NHK朝ドラ『ブギウギ』でも、戦争孤児の靴磨き少年を描いていましたね。
寺尾紗穂さんは東京都慰霊堂でのイベントに出演し戦争孤児の作文を読んで、この歌が生まれたそうです。

♪死んだ仲間もいるよ <中略> 僕も死ねばよかったろうか 爆弾でみんな死んだ日に 僕の生きる意味はどこさ あの日からずっと探している♪

亡くなった人を想うことは、悲しみに沈むのではなく、その悲しみを背負い、自らが生きていく決心をすることなのかもしれません。

ちなみに、「しゅー・しゃいん」のリズムはセカンドラインではありませんが、高橋三太によるトランペット演奏が印象深く響き、ニューオリンズでの開放的な葬送の雰囲気を感じました。森陽馬



2024年8月11日(日) ミルトン・ナシメント、エスペランサ「Saudade Dos Avioes Da Panair (Conversando No Bar)」

「私にとって音楽は、友情、愛、子供たち、海、人生だ」
(ミルトン+エスペランサ「outro planeta」のミルトンの言葉より抜粋)

1960年代から活動し続けているブラジル音楽の至宝ミルトン・ナシメントと、女性ベーシストのエスペランサ・スポルディングが組み、連名名義で素晴らしいアルバムを発表しました。

ミルトン・ナシメント、エスペランサ『Milton+esperanza』
(国内CD 中原仁さんによる解説・歌詞・対訳付 UCCO-1243 2,860円税込)

1942年生まれミナス・ジェライス出身のミルトン・ナシメントは、80才になった2022年にライヴ活動の引退を公表し、アメリカ、ヨーロッパ、ブラジル本国を廻るラスト・ツアーを行いました。
その2022年ニューヨーク公演で、以前から親交を深めていたエスペランサがゲスト出演。そして、2023年にブラジルとアメリカでレコーディングしたのが本作です。

様々なアーティストとコラボし他ジャンルの音楽を吸収してきたミルトンらしく、ビートルズ「A Day In The Life」、マイケル・ジャクソン「Earth Song」のカヴァーから、ポール・サイモンをfeatした⑬「Um Vento Passou」等、注目曲が多数収録されていますね。
その中から、ミルトンの1975年発表名盤『ミナス」収録曲「Saudade Dos Avioes Da Panair (Conversando No Bar)」(邦題:パネール航空の記憶 バルでの会話)の再演を今日のこの1曲に。

リアン・ラ・ハヴァス、マリア・ガドゥ、チン・ベルナンデスがコーラスで加わり、更にルーラ・ガルヴォオン、カイナン・ド・ジェージ、ホナウジーニョ・シルヴァ他、ブラジル人ミュージシャンの精鋭が参加。
まさに冒頭に挙げた言葉、ミルトンが歩んできた音楽人生の豊かさが伝わってきます。森陽馬



2024年8月10日(土) ビートルズ 「All My Loving」

『ポール・マッカートニー写真展 1963-64 Eyes of the Storm』を先日観てきました。

ビートルズが世界中を熱狂させていた1963年から64年に、"ポールが撮影した写真"を展示した写真展です。

1960年代の輝かしい一瞬を放つ1枚1枚の写真はとても見応えがあり、予想以上に楽しめました。
平日夕方頃はすんなり入場できて、東京シティビューの素晴らしい景色も堪能できてよかったですね。

ポール自身による展覧会の音声ガイドも、アプリをダウンロードすれば無料で利用できます。
音声だけでなくスマホの画面に日本語で表示されるので、各写真の背景をじっくり味わいながら鑑賞できました。

僕が特に印象に残ったのは、飛行機客室内の窓から撮影された写真群です。
たくさんの観衆や報道陣、そして、飛行機の整備工がおどけた表情で映っている写真は、自分が体験したわけではないのに、眺めていると懐かしいような想いが込み上げ、グッときました。
なお、白黒だけでなく、後半にはカラーフィルムの写真もあって、とても色鮮やかなのも印象的でしたね。

場所は東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で、9月24日まで開催。
大阪展も2024年10月12日~2025年1月5日で開催が決定したようです。是非チェックしてみてください。

掲載ジャケットは、ビートルズ『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』。
CDジャケットは下部分が切れていますが、ジャケット写真のポールはカメラを持参していますね。森陽馬


2024年8月9日(金) Molly Lewis 「The Crying Game」

主役は<口笛>♪
ロサンゼルスを拠点とする女性ホイッスラー(口笛奏者)、Molly Lewis。

2022年11月27日今日のこの1曲で紹介した2nd EPから約2年ぶりとなる最新作『On The Lips』。
初のフル・アルバムでもある今作は、古い映画音楽のような優美で深みのあるサウンドも聴きものです。

Molly Lewis『On The Lips』
(輸入CD JAGJAGUWAR JAG439)

前2作と同じくプロデュースはThomas Brenneck(Sharon Jones & The Dap-tones)。
ロジャー・ジョセフ・マニングJr.など前作のメンバーに加え、Chester Hansen(BADBADNOTGOOD)、ドラマーのAbe Rounds、Alex Garcia & Sal Samano(Thee Sacred Souls)ほか、注目の若手ミュージシャンも多数参加しています。

殆どが彼女達によるオリジナル曲のなか、本編最後にはイギリスのシンガー、デイヴ・ベリー1964年ヒットで、ボーイ・ジョージのバージョンでも知られる「The Crying Game」を取り上げています。

オルガン、モーグ・シンセのミステリアスな響きと、哀愁漂う口笛が切ない余韻を残す美しいカヴァーです。東尾沙紀


2024年8月8日(木) Vinicius Mendes 「Aldeia De Ogum」

出かけた先の店内でかかっている音楽にはつい反応してしまいます。

SHIPSへ先日行った時、店内でかっこいい音楽がかかっていました。

スマホのアプリで調べたら、Vinicius Mendesというミュージシャン。
帰宅後、彼がリリースしたアナログ盤を早速オーダーし、手にすることができました。
最近はこのレコードを繰り返しよく聴いています。

Vinicius Mendes『Macunaismo Tardio Vol.1&2』
(輸入2枚組LP Notes On A Journey NEWNOAJ002)

Vinicius Mendesは、ブラジル/ミナス・ジェライス州出身のサックス&フルート奏者。
本作は、ジャザノヴァのユルゲン・フォン・クノブラウフ主宰レーベルNotes On A Journeyからの最新リリースで、スタイリッシュなジャズとブラジル音楽をミックスした傑作に仕上がっています。

今日のこの1曲は、ジョイスの名曲をクールにカヴァーした「Aldeia De Ogum」を。

ちなみに、SHIPS系列の店内音楽は、United Future Organizationの松浦俊夫さんが手掛けているそうです。
さすがの選曲・BGMですね。森 陽馬


2024年8月7日(水) 堺正章 「さらば恋人」

筒美京平さんは高校・大学の大先輩です。

そのことを知ったのは、卒業して数年経った後でしたが、同じキャンパスで学生生活をおくっていたのかと思うと、光栄であり、なんともうれしい気持ちになります。

今日はそんな筒美さんの初期の名曲をオリジナル歌手のヴァージョンで全20曲収録したこのCDからチョイスしました。

『筒美京平 TOP 10 HITS 1967~1973』
(国内CD COCP-41421 2,200円税込)

「ブルー・ライト・ヨコハマ」、「また逢う日まで」、「真夏の出来事」、「17才」、「男の子女の子」、「赤い風船」、「わたしの彼は左きき」など、1967~1973年に大ヒットした曲が収められています。

今日は元フォーク・クルセイダーズの北山修が作詞をした「さらば恋人」を。

元スパイダースのリード・ヴォーカリストであった堺正章のソロになってのファースト・シングルでした。
名曲、名唱ですね。森 勉


2024年8月6日(火) Elvis Costello 「Long Distance Love」

リトル・フィートのローウェル・ジョージが亡くなったのは1979年。
2024年で45年が経ちました。

しかしながら、その影響力と存在感は年を追うごとに深まっています。
それを象徴するようなトリビュート・アルバムが発売されました。

『Long Distance Love ~A Sweet Relief Tribute To Lowell George』
(輸入2枚組CD FLATIRON FLAT2007CD)

病気などで生活支援を必要としているミュージシャンを支援するSweet Relief基金と共同で制作された作品。
様々なアーティストがローウェル・ジョージの楽曲を取り上げている2枚組全25曲のトリビュート盤です。
ローウェル・ジョージから真に影響を受けて活動をしている音楽家が参加し、そのカヴァーには愛を感じますね。

エルヴィス・コステロ、ベン・ハーパー、ヨアキム・クーダー、テイラー・ゴールドスミス(ドーズ)、マイク・ヴァイオラ、クリス・スティルス、ギャビー・モレノ...etc、そして、ローウェルの娘イナラ・ジョージもソロ&バード&ザ・ビー名義で加わっています。

今日のこの1曲は、エルヴィス・コステロが歌う「Long Distance Love」を。
コステロらしい味わい深い歌声が沁みますね。
なお、オリジナルはリトル・フィート1975年発表作『The Last Record Album』に収録されています。森 陽馬


2024年8月5日(月) William DeVaughn 「Be Thankful For What You Got」

ブラック・ミュージックでの有名なドラムス奏者としては、
ニューオリンズやロックンロールの創世記から活躍したアール・パーマー、
モータウン・レーベルのベニー・ベンジャミン、
ニューヨークのバーナード・パーディ、メンフィスのアル・ジャクソン、
ウエスト・コーストのジェームス・ギャドソン、
マッスル・ショールズのロジャー・ホーキンス、
などが有名ですが、今日紹介するのは、フィラデルフィアを拠点に大活躍したドラマー、アール・ヤングです。

彼がドラムスを担当した曲を集めたCDが出ました。

『GROOVE MACHINE - The Earl Young Drum Sessions』
(輸入CD KENT/ACE CDTOP1629)

1965~1977年の作品全23曲収録。
ソウルの名曲を聴きながら、アール・ヤングの歌心あふれたドラミングが楽しめるコンピレーションCDです。

オージェイズ「裏切者のテーマ」、ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツ「ラヴ・アイ・ロスト」、スリー・ディグリーズ「TSOP」他、デルフォニックス、スピナーズ、フィリー・デヴォーションズなどが入っていますが、先日サンデー・ソングブックでもオンエアーされたウィリアム・ディヴォーン「ビー・サンクフル・フォー・ホワット・ユー・ガット」を今日の1曲に。
1974年全米R&BチャートNo.1(ポップ・チャートでも第4位)を獲得した名曲です。

なお、アール・ヤングは現在もお元気で、このCDに付いている32ページ英文ブックレットにインタビューがたっぷり掲載されています。森 勉


2024年8月4日(日) The Lostines 「A Tear」

カントリー・フレイヴァーなレトロ・ポップ・サウンドと、美しいハーモニーが魅力♪
ニューオリンズで結成されたCamilleとCaseyによるデュオ、The Lostinesの1stフル・アルバムがとても良い雰囲気です。

The Lostines『Meet The Lostines』
(輸入CD Gar Hole Records GHR-021)

2016年から楽曲を発表しているThe Lostines待望のフル・アルバムは、インディー・ポップ/アメリカーナ系ミュージシャンの気になる作品を色々と発表している、アーカンソー州フェイエットビルを拠点とするGar Hole Recordsからリリースされています。

今作はなんといっても、全体を通して常にハモっている2人の密接なハーモニー。
心地よいコーラス・ワーク、60'sガール・ポップ風のアレンジ、トゥワンギーなギターが鳴る「A Tear」は必聴です!

フィドルとペダル・スティールを取り入れたカントリー・ポップ「After Party」、美しいワルツ「Last Nights」など、良曲揃いの1枚です。東尾沙紀



これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■

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