PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2005月3月>

立退き閉店のため、店舗を一時休業していた
2005年3月に更新した
“今日のこの1曲”コーナー。

廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。


<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2005年3月1日(火) The Meters 「It Ain't No Use」

 今年のフジ・ロック・フェスティヴァルにビーチ・ボーイズの出演が決定しましたね。
http://www.fujirockfestival.com/

 おそらく、マイク・ラヴ&ブルース・ジョンストンが中心の“ビーチ・ボーイズ”ですので、ブライアン・ウィルソンはメンバーに入っていないと思われますが、やっぱり見に行きたいなあ…とそわそわしています。

 ・・・なんて、思っていたら、更にスゴいフェスを発見!(海外ですが)
http://www.nojazzfest.com/schedule/index04.html

 実は私が以前に2度遠征&参戦したことがあるニューオリンズのジャズ・フェスなのですが、今年のメンツはホント凄〜い!以下一部アーティスト、

 Brian Wilson, Steve Winwood, Wilco,Zap Mama, Meters(なんとオリジナル・メンバー!!!)James Taylor, Dr John, Wild Magnolias, Jack Johnson, Donavan Frankenreiter,Frogman henry(まだ生きてる・・・)、Gatemouth Brown, Randy Newman, DirtyDozenBrass Band,Galactic, Elvis Costello, Allen Toussaint, Dixie Cups, Neville Bros, TreyAnastasio(フィッシュ)Los lonelyboys, Issac Hayes, Maria Muldauer,....etc

これほんの一部!
これらが1〜2週間の間に全部見れるってヤバくないですか?!
 
 もちろんニューオリンズで見るブライアンっていうのも魅力ですが、僕的には、あのミーターズがジガブー(ds)とレオ・ノセンテリ(g)が復活して、オリジナル・メンバーでやるっていうのが大事件!
 この曲は74年発表『Rejuvenation』に収録されている超ファンキー・ナンバーなのですが、こんなのやられたら憤死です。(まあ、もちろん演奏力は若い人達には劣るでしょうが、やっぱり4人揃い踏みのミーターズ、見たいですよね!)

 ここ最近はまだ色々な残務処理などに追われる毎日ですが、もう心はニューオリンズに飛んでます・・・。
っていうか、本気で行こうかどうしようか思案中・・・。

いや〜、まいった…。背中押してくれる人大募集です・・・。森 陽馬

2005年3月2日(水) Duane Eddy 「Blue City」

 この曲が入ったアルバム『デュアン・エディ』が発売されたのは、1987年。
彼は1938年の生まれだったから49歳の時の作品ということになる。

 1950年代後半から60年代前半にかけて、ギター・インストのヒットを多数放ったものの、時代の流れとともに名前を聞くこともなくなっていたが、当時は突然の嬉しいプレゼントのようなこのアルバムだった。

 ジョージ・ハリスンのスライドが聴ける「ザ・トレンブラー」、ポール・マッカートニーがベース参加の「ロケストラのテーマ」、ジェームス・バートンそしてスティーヴ・クロッパーとの夢の共演「ラスト・ルック・バック」など話題曲、いい曲満載のアルバムだが、“今日の1曲”は、ライ・クーダー、デヴィッド・リンドレーが脇をかため、デュアンが低音弦を ♪ボヨーン♪と弾いた“トワンギー”な音色がたっぷり味わえるバラード、「ブルー・スカイ」を。

 この曲を聴いて眠りにつけば、いい夢を見られることうけあい。 森 勉

2005年3月3日(木) Del Shannon 「I Go To Pieces」

 ピーター&ゴードンのヒットとしてオールディーズ・ファンには絶大な人気の「アイ・ゴー・トゥ・ピーセズ」は、デル・シャノンの作品。

 この曲を提供した美談は今回は横に置いておくことにして、1991年に彼の遺作のような形で発売された『ロック・オン』に収録された再演ヴァージョンが今日のテーマ。

 曲のプロデュースはギターも弾いているマイク・キャンベル。
 バンド仲間のトム・ペティもバック・コーラスで参加。
 主役はやはりデル・シャノンのヴォーカル! 

 この声もっと聴きたかった。
 彼にしかわからない苦しみがあったのだろうけど、もっと生きていて欲しかった。

 1990年2月8日が命日。55歳でした。 森 勉

2005年3月4日(金) Sonny Landreth 「Congo Square」

 ニューオリンズを中心に活動している白人スライド・ギタリスト、サニー・ランドレスが今年1月に発表したライヴ盤。(録音は2004年4月LAのライヴ・ハウス)

 サニー・ランドレスは意外とキャリアが長く、1970年代後半“ザディコ界の雄”クリフトン・シェニエのバンドに一時在籍。その後、ジョン・ハイアットなど数多くの作品にスライド・ギタリストとして参加するほか、ソロ・アルバムもコンスタントに発表しています。

 この曲は85年発表のソロ作に収録されていた彼の代表ナンバーで、“スティーヴィー・ワンダーの「Superstition」にニューオリンズの独特のリズムを組み合わせ、更に彼の豪放なスライドをフィーチャーした”、とでも表現できるようなごった煮感覚が魅力のかっこいい1曲。

ネヴィル・ブラザーズなどニューオリンズのアーティストもこの曲をライヴなどでよくカヴァーしています。 森 陽馬

2005年3月5日(土) Maria Muldaur 「I'm A Woman」

 マリア・マルダーというと、やはり1stアルバム『オールド・タイム・レディ』に収録されている「真夜中のオアシス」が一般的には人気ですが、僕はむしろこの74年発表の2ndアルバム『ドーナツ・ショップのウェイトレス (原題:Waitress In The donut Shop)』の方が大好きで、最近でもよく聴いている作品です。(現在は生産中止?)

 この曲はそのアルバムの4曲目に収録されているペギー・リーのカヴァー曲で、リーバー&ストーラー作。
ファンキー・ブルース調にアレンジをガラッと変えていて、ポール・バターフィールドのハーモニカ&ホーン隊がフィーチャー。最高にゴキゲン! かっこいいナンバーです。

 他にも全体的に渋めの曲が多いですが、ローウェル・ジョージやエイモス・ギャレット、ドクター・ジョンなども参加しており、聴くほどに味の出てくる1枚です。

 現在では、声はこの当時とはだいぶ変わって低音の“ブルース声”になり、見た目も“おばちゃん”になってしまいましたが、2001年吉祥寺スターパインズ・カフェでの来日公演では、“アーティストの意向により全館禁煙”ながらも、公演中、チョコレートをパクパク食べながら歌っていて、
「チョコレートは喉にいいのよ♪」
なんて話しながら、ノスタルジック・ブルージーなナンバーを貫禄タップリに熱唱。
 まだまだ健在の“オールド・タイム・レディ”でした。 森 陽馬

2005年3月6日(日) 矢野顕子 「電話線」

 先日、携帯電話を機種変更、なんとテレビ付き携帯にしちゃいました。

 常々、友人などに「電話は好きじゃない」とか、「携帯の機能には興味ない」とか話していたくせに、長年使っていた携帯のバッテリーがイカれてしまったので、どうせなら、と思い最新の機種にチェンジ。
 まあ正直言って、家でもテレビをあまり見る方ではないのでそんなには利用しなそうですが、通信料もかからないので、外出している際の気になっている野球・サッカーの試合や、競馬中継などがチェックできるのは便利。なんとも凄い時代になったものです。

 で、現在はこの曲を聴きながら書いています。
 矢野顕子が1976年に発表したデビュー・アルバム『ジャパニーズ・ガール』(TKCA-70371 \1,529)3曲目に収録のナンバーで、もちろん携帯電話なんてなかった時代の名曲。
 名アメリカン・ルーツ・ロック・グループ、リトル・フィートのローウェル・ジョージによるスライド・ギターのソロが絶品! 3分にも満たない曲ながら、矢野顕子のピアノの響きと歌声、美しい詞が切なく心に沁みます。 

 2003年発表『ピヤノアキコ』(ESCL-10004 \3,059)には、この「電話線」の新録弾き語りヴァージョンも収録されています。森 陽馬

2005年3月7日(月) スキマスイッチ「君の話 (エヴォリューションMix)」

 このアルバムをまだ紹介していませんでしたね。
 2004年発表されたJ-POP作品の中で、僕個人としてのNo.1アルバムがこのスキマスイッチの1stアルバム(AUCK-11004 \3,059)でした。

 スキマスイッチは、大橋卓弥(vo)と常田真太郎(p,arrangeなど)による2人ユニットで、スガシカオや山崎まさよしなどを輩出しているオーガスタ・レコードよりメジャー・デビュー(CDの配給はBMGファンハウス)。

 アルバム内ラストに収録されているシングル・ヒット曲「奏」のようなスロー・ナンバーも魅力ですが、この「君の話」などのような疾走感あふれるポップ・ロックな曲もなかなかに凝った作り。
 もちろん、“パッと聴き”でも楽しめますが、曲中にフルートのソロが入る後半の演奏(曲調は違うもののジェスロ・タルを意識?)や、佐野康夫のドラミングも聴きもの! 

 これからもずっと末永く追っかけたいアーティストです。森 陽馬

2005年3月8日(火) ニック・デカロ 「オンリー・ウィズ・ユー」

 1980年代後半から90年代にかけて、外国人アーティストが外国語で日本人の曲をカヴァーするという、いわゆる“逆カヴァーもの”が流行りました。
 玉石混合いろんなものが発売されましたが、その中でベストと呼べるのがこのアルバムでした。

 あのニック・デカロが山下達郎の曲を歌う!

 アレンジャーなど裏方の仕事で知られる彼なので、歌はうまくはありませんが、暖かみのある歌声は、達郎の楽曲に誠実に向かい合っている感じが伝わってきます。

 アルバム全体が素晴らしい雰囲気に包まれていますが、特にこの曲は後半、デヴィッド・T・ウォーカーのギター・ソロが1分間ほど聴けます。 「もっと演って〜」と思ってしまうソロです。森 勉

2005年3月9日(水) 大滝詠一 「論寒牛男」

 1975年、大滝詠一氏のナイアガラ・レーベルより発表された名作アルバム『ナイアガラ・ムーン』に収録されている最高にかっこいいナンバー。

 林立夫による圧巻!のドラミング、細野晴臣のベース・ライン、鈴木茂の早弾きソロ(後半のスライドも鳥肌もの!)、佐藤博のコロコロ転がるピアノ。
 とにかく30年前という時代を感じさせない素晴らしいバック演奏はこの曲に限らず、アルバム全編聴きものです。

 3月21日には、この『ナイアガラ・ムーン』の30周年記念エディションが発売されます。(この曲のバッキング・トラックもボーナス・トラックで収録予定!)

 当店でも予約受付開始! 
初回盤は入荷枚数が限られますので、ご予約はお早めに。
 当店のみの特典もご用意する予定です。

 詳細はこちらをご覧くださいませ。 森 陽馬

2005年3月10日(木) ムーンライダーズ 「酔いどれダンス・ミュージック(別テイク)」

 昨日の“ティンパン”絡みで、この曲を聴きたくなったので、聴いてみました。

 鈴木慶一を中心に約30年活動を続けている孤高の日本ロック・バンド、ムーン・ライダーズが、1976年に発表した記念すべき1stアルバム『火の玉ボーイ』に収録されている代表ナンバー。

 2001年にワーナーよりデジタル・リマスターで再発売されたCD(HDCA-10081 \2,625)には、ボーナス・トラックが5曲収録されており、その中にこの曲の別テイクが収録されているのですが、その音源がなんとビックリ! ムーンライダーズの面々ではなく、バック演奏が、ティンパン<細野晴臣(B)、林立夫(Ds)、鈴木茂(G)>で、それをバックに鈴木慶一が歌っているスタジオ録音・アウトテイクなのです!

 オリジナルとはまた違った、ティンパンらしいグルーヴ感のある演奏で、鈴木慶一の歌声も仮唄っぽい雰囲気ではありますが、それがまた味があってイイですね。

 以前のLPもしくは旧規格盤を持っている方、「この1曲だけでは・・・」と思われるかもしれませんが、他の楽曲もリマスターで格段に音質が良くなっていますので、オススメです。 森 陽馬

2005年3月11日(金) Love Unlimited 「Walking In The Rain (The One I Love)」

 今日は冷たい雨が降っていたので、こういう曲を聴きながら仕事してました。

 名ソウル・シンガー/プロデューサーの“愛の伝導師”、故バリー・ホワイトがプロデュースしたカリフォルニア出身の女性3人組、ラヴ・アンリミテッド、72年に発表したソウル名曲(邦題:「恋の雨音」)。

 ソウルの“雨の名曲”の中では、ドラマティックス「In The Rain」を筆頭に、他にもテンプテーションズ、渋いところではアーマ・トーマスなども挙げられますが、僕が一番好きなのはなんといってもこの曲!
 
 バリー・ホワイトらしい切ないメロディー&旋律と3人の女性コーラス・ヴォーカルももちろん魅力ですが、僕が特に好きなのは曲後半、“雨の中、女性が公衆電話から恋人に電話をかける”というシークエンスが出てきて、女性が電話をかけるとある男性が電話に出るのですが、その声がプロデュースのバリー・ホワイト本人!
 そして雨音をバックに愛の会話を交わし電話を切った後、そのバリー・ホワイトによるベース・ソロ(!)が続く、という展開は何時聴いてもシビれますね。(このベース・ソロ最高!)

 現在、この曲収録のラヴ・アンリミテッドの国内盤CDが生産中止で発売されていないのが残念です。森 陽馬

2005年3月12日(土) ヴァネッサ・パラディ 「ビー・マイ・ベイビー」

 今夜NHK BSテレビで、今年のアカデミー賞授賞式を放送していたので、遅ればせながら鑑賞。
 授賞式前恒例のレッド・カーペット、様々な著名人がインタビューに応えてましたが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」などで有名な俳優ジョニー・デップの隣には、奥方のヴァネッサ・パラディもちゃんと一緒でしたね。

 1992年発表、当時20歳でフランスのアイドルだった彼女の3rdアルバム(UICY-3008 \2,243)は、当時恋人だったというレニー・クラヴィッツがプロデュース(作詞・作曲も含め、ドラムなどの演奏もレニー中心)。当時は、レニーのドラムが“森高千里より下手”なんて酷評する人もいましたが、当時学生だった僕にとっては、その荒々しさが逆に新鮮で好きでした。

 ロネッツと同名異曲のこのナンバーですが、曲全体の雰囲気・サウンドは、そのロネッツの時代のガール・ポップを彷彿とさせるもので、彼女の舌ったらずでキュートなヴォーカルが印象的でしたね。
 久々に動いている彼女を見て、ついつい懐かしくなって久々に聴いちゃいました。
 
 当時オーチャード・ホールでの来日公演が決まり、チケットを買うために学校の授業を休んで朝早くに並んで、やっとの思いで手に入れたのに、直前で来日中止…。ガッカリしたのがもう12年前ながらつい先日のようです。
(払い戻しになったチケットは、コピーしてちゃんと取ってありました♪) 森 陽馬

2005年3月13日(日) クルセイダーズ 「フェアリー・テイルズ」

 1970年代中期から登場した音楽用語というか、ジャンル分けする言葉として、“クロスオーヴァー”というのがありました。
 それから少したつと、“フュージョン”という呼び方もされましたが、それにずいぶんハマッた時期がありました。

 ジョージ・ベンソン、スタッフ、ボブ・ジェームスなどと並んで、ひいきにしていたのが、このクルセイダーズ。
 
 1974年頃だったかなぁ〜・・・。
 来日コンサートを見て、一気に気になる存在になりました。

 この曲は、1978年発表の『イメージズ』1曲目。
 スティックス・フーバーの小気味よいドラムスで始まり、中間部でのジョー・サンプルのエレピ・ソロが圧巻の1曲。
 森 勉

2005年3月14日(月) ドクター・ジョン「ビッグ・チーフ」

 もうすぐ発売の大滝詠一『ナイアガラ・ムーン 30周年記念エディション』に向けて、ただいま当店オリジナル・ブックレットを制作中。(ちなみに、このブックレット以外にも当店のみの特典はご用意してありますからね♪)
 ということで、すっかり“ナイアガラ・ムーン”モードです。

 ドクター・ジョンが1972年に発表したこの名作アルバム『ガンボ』(AMCY-3041 \1,785)は、当時、大滝詠一氏にも大きな影響を与えたニューオリンズ・サウンドを代表する1枚。
 アルバム全編、彼のしゃがれ声とコロコロ転がるピアノがゴキゲンな作品ですが、特にこのナンバー「Big Chirf」は、ロニー・バロンのハモンド・オルガンが絶妙! そのイントロにかぶさる口笛メロディーが味があって最高ですね〜。

 おそらくニューオリンズ出身アーティストのほとんどがライヴなどでもカヴァーしているこの曲ですが、やっぱりドクター・ジョンのこのヴァージョンが一番好きだなあ、と改めて実感。

 ちなみに、ドクター・ジョンというとピアノというイメージですが、もともとセッション・ミュージシャンとして様々な楽器もこなせる彼。僕は以前ライヴで、アンコールでピアノから立ってギター・ソロ演奏を始めたドクター・ジョンを一度だけ見たことあるのですが、それがもう鳥肌もののかっこよさでした。最近はもうそういうことはしてくれないのかな〜? 森 陽馬

2005年3月15日(火) 大貫妙子 「船出」

 1970年代初期に山下達郎らとシュガー・ベイブを結成、その後も唯一無二の感性を放つ女性シンガー・ソングライターとして活動してきた彼女が3年ぶりとなる新作を先月発売(『One Fine Day』 TOCT-25602 \3,200)しました。

 アルバムには、山弦、森俊之の他、ドラマーでは、林立夫と沼澤尚も参加。彼女の美しい澄んだ歌声を、より色彩感豊かに引き立たせています。

 この曲は2002年行なわれた『Beautiful Songs』ツアーにて、糸井重里が作詞した曲を参加した5人(鈴木慶一ほか)それぞれが作曲して歌う、というコンセプトの際に彼女自身が作った曲を新たに再構築したナンバー。

 ちなみに今年は、大滝詠一『ナイアガラ・ムーン』だけでなく、シュガーベイブの唯一のアルバム『ソングス』も、発売されてから30周年になりますので、その記念盤も発売されるとよいですね。森 陽馬

2005年3月16日(水) Curtis Mayfield 「Billy Jack」

 『ナイアガラ・ムーン』が発売になった1975年は他にどんなアルバムが出ているかな〜、と思って自分のCD棚をちょこちょこ眺めていたら、この大好きなアルバムも75年発表でしたね。

 インプレッションズというコーラス・グループに在籍、独立後も真の意味で“ソウル”を歌い続けたカーティス・メイフィールドが黒人問題や貧困などアメリカが当時抱えていた現実問題をテーマにした名作アルバム『There's no place like America Today』。

 この曲はその冒頭を飾るナンバーですが、カーティス自身によるワウ・ギターが最高にクール! 
独特の空気感、緊張感あるリズムにカーティスのファルセット。歌詞もかなりシリアスですが、その分この曲と3曲目に収録されている心暖まるバラード「So In Love」(恥ずかしながら、これカーティスの曲で一番好きかも…)の対比が、また良いですね。

 ちなみに、2年ほど前に発売された松任谷由実トリビュート・アルバム(TOCT-25001 \3,000)に収録されている田島貴男(オリジナル・ラヴ)によるユーミン・カバー「時のないホテル」は、このカーティスの「Billy Jack」に曲のアレンジがそっくり! というか、出だしのリズムなどはもうそのまんま! ユーミンへのトリビュート精神だけでなく、田島貴男のカーティスへの愛情も感じられる名カバーです。
 オリジナル・ラヴ・ファンはもちろん、カーティス・ファンも是非このカバーは聴いてみてくださいね。 森 陽馬

2005年3月17日(木) 高野寛 「カレンダー」

 昨日、オリジナル・ラヴの話題を少しだけだしたら、自分が学生時代にヘビー・ローテーションだった作品を色々と聴きたくなってしまって、この1枚をピックアップ。

 末永く活動しているシンガー・ソングライター、“和製トッド・ラングレン”こと 高野 寛が1989年に発表した2ndアルバム『Ring』の2曲目に収録されているポップ・ナンバー。

 正直言って、これを歌詞カード見ながら愛聴していた当時は、恥ずかしながらトッド・ラングレンを知らず、<Special Thanks>に書いてあるトッドの名前を見て、誰だろうこの外人は?なんて思ってましたが、結局、この後、トッド自身が、高野寛の作品をプロデュースすることになるんですから、なんかとてもいい時代でしたね。

 ちなみにこのアルバムは、1曲目「Is That Love?」で高橋幸宏がドラムをたたいていたり、10曲目「Blue Period』では今は亡き大村憲司がギターを弾いていたり、他にも古田たかしや浜口モトヤが参加しているなど、いい曲がたくさんあるのですが、何故かこの曲が昔から大好きで・・・。
 切ないメロディーもそうですが、次の曲「ring」に不思議な雰囲気で繋がっていく構成もなんだかいいですね。森 陽馬

2005年3月18日(金) Blue Cheer 「Summertime Blues」

 「サマータイム・ブルース」といえば、今ではザ・フーが1970年に発表した『ライヴ・アット・リーズ』でのライヴ・ヴァージョンが有名になっているが、1968年に大ヒットしたこのブルー・チェアーのもなかなかの迫力。

 彼らはドラムス、ギター、ベースの3人組で、音を聴くかぎりでは、クリームにかなり影響を受けたのでは、と推測される。

 当時の音楽雑誌に書かれていた記事を見ると、とにかくライヴでの音の大きさが評判になっていたようだ。

 エディ・コクランやフーもいいけど、このブルー・チェアーのなんともいたいけなハード・ロック前夜のサウンドもいいもんだ。 森 勉

 
 倉庫での商品受け渡し・仮営業の時間が変更になりました。
・3月19日(土) 14時〜18時
・3月20日(日) 仮営業不可、となりました。大変申し訳ございません。
・3月21日(月) 11時〜15時 

 直前に変更となり申し訳ございません。 
商品ご予約の方で、もし、どうしてもこの時間に、という方は、ご一報くださいませ。

2005年3月19日(土) マーシー・ブレーン 「Bobby's Girl」

 アメリカでは1962年秋に発売されたこの曲は、セヴィルというマイナー会社から出たわりには、全米3位まで上る大ヒットとなりました。

 日本では1963年春にキング・レコードより発売。
 「ボビーに首ったけ」という邦題が付けられ、かなりの話題になり、日本人のカヴァーもテレビなどでよく取り上げられていました。彼女の顔は、その時出た日本盤シングルに使われた写真しか見たことがない、という状態がずっと続いていました。

 しかし、今回発売されたCD(国内盤解説付きCDSOL-7103 \2,625)には、デビュー当時の可憐な18歳のイメージ通りのジャケット写真が見れます。
 それに全22曲の内容もいい曲ばかり!
 英文ライナーはガール・ポップス研究家として有名なミック・パトリック。

 すべてのオールディーズ・ファンにオススメの1枚です。 森 勉

2005年3月20日(日) 小坂 忠 「People Get Ready」

 先日、カーティス・メイフィールドの話題が出たので、そのカーティス作で、好きなカヴァーを1曲。

 2001年、細野晴臣さんをプロデューサーに迎えリリースされたアルバム『People』(ESCL-2267 \3,059)。
収録されている全ての曲が素晴らしい感動的な作品でしたが、その中でも特に印象的だったのが、このカーティス・メイフィールド作(インプレッションズ)の日本語カヴァー。

 ティンパン<細野晴臣(B)、林立夫(Dr)、佐藤博(key)、浜口茂外也(Per)>の味わい深い演奏をバックに、諭すように歌う忠さんの歌声は、真の意味で“癒”されますね。

 昨年、センチメンタル・シティ・ロマンスと小坂忠さんとのジョイント・ライヴがあり、その際にやったこの曲(センチをバック)も実に沁みましたが、またティンパンをバックにしたこの曲も聴きたくなってしまいました。森 陽

2005年3月21日(月) 大滝詠一 「シャックリ・ママさん」

 『ナイアガラ・ムーン』30周年記念盤の発売は、1975年にエレック盤のレコードを待ちわびて手に入れた者にとって、なんとも感慨深いものがあります。

 うちの長男が生まれて1年2ヶ月のあの頃―子供と一緒に本当によく聴いていました。
 最初に子供が反応したのがこの曲だったような…。「ママ」という言葉は一番に覚えるものだし。

 さてさて、この演奏のグルーヴは本当にグッときます。
 1975年あたりのキャラメル・ママ(ティン・パン・アレイ)は、『トロピカル・ダンディ』や『ほうろう』などでもその実力を発揮していますが、大滝作品では自由演奏率が高いせいか、他のものよりワイルドな印象を強く感じます。
 その意味でも、バック・トラックがたっぷり聴ける今回のボーナス曲は、とても嬉しいものです。 森 勉

2005年3月22日(火) Dinosaur Jr 「On The Way」

 暗い雨雲を引き裂くようなガツンッとしたやつを一発!

 今年のフジロック来日も決定(なんとオリジナル・メンバー!)したJ・マスシス率いるダイナソーJrが、1993年にリリースした5作目のアルバム『Where You Been』より、最もスピード感あふれる爆音ナンバー。
 本当はニール・ヤング的?な1曲目「Out There」とかにしようかと思っていたのですが、アルバム聴いているうちに、やはりダイナソーらしいこっちのナンバーがいいかな、と思い、4曲目「On The Way」にしました。

 何年か前にJ・マスシスが来日し、前座がナンバー・ガールで、“日米爆音対決”なんて言われたのを見に行ってましたが、まあナンバー・ガールも悪くはなかったのですが、僕的にはもう断然にJ・マスシスの貫禄勝ちって感じでしたね。
 
 ナンバー・ガールに限らず他のバンドの“爆音”っていうのは、“冷たい突き放したような爆音”だったのですが、Jの弾き出すノイジーなギターの爆音は、なんか“暖かい包み込むような爆音”っていうんですかね? その情念が真にギターの音色に乗り移っているように感じるのは僕だけかな?

 こんなところで爆音談議しても誰も相手にしてくれないでしょうが、苗場の屋外でJの爆音ギターが炸裂するのが今から楽しみです。 森 陽馬

2005年3月23日(水) ゾンビーズ 「テル・ハー・ノー」

 昨年から今年に入っても、ずっと車のCMで盛んに流れているゾンビーズ、1969年の大ヒット「ふたりのシーズン (Time Of The Season)」は、本当にいい曲です。
が、個人的には彼らのイチ押し曲は、なんといってもこの「テル・ハー・ノー」。

 1965年のこれも全米6位の大ヒット。
 この当時のロッド・アージェント独特の電子ピアノの音色とそれに絡むギター&ドラムスが絶妙のイントロと、その後に出てくるコリン・ブランストーンのファルセットのような特異な地声に、何回聴いてもゾクゾクしてしまう。

 「ノー・ノー・ノー」というコーラスのところなんかはキャッチーなので、この曲もCMに使ってくれる方はいませんかね。
 エンディング近くの“カツーン”(この音はどうやって作ったんだろう?)という音も是非入れて。 森 勉 

2005年3月24日(木) Tania Maria 「Para Chick」

 タニア・マリアというと、“ブラジリアン・フュージョンのソウルフルな歌姫”として、83年発表の名作『Come WIth Me』が有名で、僕も最初はそのような印象しかなかったのですが、数年前にこの78年発表アルバム『Brasil With My Soul』を聴いたときは、ホントぶっ飛びましたね。

 特に8曲目に収録されている「Para Chick」!
 邦題は「チック・コリアに捧げる」というタイトル通り、チック・コリアの『リターン・トゥ・フォエヴァー』を彷彿とさせるようなプログレッシヴなJAZZナンバー(ヴォーカルなしのインスト)なのですが、ここでピアノを弾いているのが、そのタニア・マリア本人!

 強烈なグルーヴを弾きだすベース&ドラムのリズム隊を遥かに凌駕するリリカルな彼女のピアノには心底ヤラれ、一時期こればっかり聴いていた記憶があります。
 
 もちろんこの曲以外にもサンバ・ジャズのキラー・チューン9曲目「IDEIAS E IDEAIS」なども聴きもの。
 COOLなJAZZ、CLUB MUSICファンにもオススメの作品です。 森 陽

2005年3月25日(金) Neil Young 「Heart Of Gold」

 バッファロー・スプリングフィールド、CSN&Yを経て名声を得たニールが、ヘルニアを患い一時期活動を休止、ナッシュビルにてアコースティックな編成で録音された72年発表の名作アルバム『Harvest』に収録されているニール唯一の全米シングル・チャート1位の代表曲「Heart Of Gold」(邦題「孤独の旅路」)。

 バックはジャック・ニッチェ(p)、ベン・キース(steel.g)等によるストレイ・ゲイターズと呼ばれているバンドで、更にこの曲ではジェイムス・テイラーとリンダ・ロンシュタットがバック・コーラスで参加。ニール本人によるハーモニカも含め、郷愁を呼び覚ますようなメロディーが印象的です。

    “ぼくはこれまでずっと、
    美しい心<Heart Of Gold>を掘りあてようとする鉱夫だった
        〜
    口では言い表せない様々な思いが、
    ぼくに美しい心を探し求めさせ続けている
        〜
    そしてぼくはだんだん歳をとっていく” (歌詞より)

 いくつになっても“Heart Of Gold”を探し求める精神を
忘れずにいたいですね。
                         森 陽馬

2005年3月26日(土) ベベチオ 「はちみつハウス」

 本日、代々木に新しくできたライヴ・ハウス<Zher the ZOO>にて、東京ローカルホンク、ボッサ・ピアニキータ(ピアニカ前田さん中心のグループ)、そしてベベチオのライヴを見てきました。

 “ベベチオ”は、関西在住の2人組ユニット(Vo,G 早瀬、B 平良)で、新世代シティ・ポップ、もしくは喫茶ロック的なメロディーが魅力。
 ヴォーカルはこのような形容はあまりよくないかもしれませんが、小田和正+曽我部恵一的な感じです。

 2004年の年末に発売されたこの2ndミニ・アルバム『ひとつやふたつ』(OBCD-6 \2,100)に収録されている曲のなかでは、
“手塚治虫に会いにゆくんだ”という歌詞が魅力の「12月の晴れの日」、切ないメロディー・ラインの「ララバイ」などが個人的にお気に入りなのですが、特にこの「はちみつハウス」は印象に残るギターリフがゴキゲンですね。

 来月4月8日には再び東京に出てきて、エマーソン北村さん(key)、ヒックスヴィルの中森さん(G)などをバックに従えてワンマン・ライヴを行なうそうなので、それも楽しみですね。森 陽馬

2005年3月27日(日) エラ&ルイ 「誰も奪えぬこの思い」

 友人の結婚式2次会に出席。
 “幸せ”をわけてもらえたような、なんとも楽しい会でした。
 この曲は特にその2次会でかかっていたわけではないのですが、そんな幸せな2人に捧げたいと思います。

 1956年録音、“ジャズ界の王”ルイ・アームストロングと名ジャズ・ヴォーカリスト、エラ・フィッツジェラルドによるデュオ・アルバム名盤中の名盤。
 2人の暖かい歌声とルイの朗らかなトランペットもさることながら、オスカー・ピーターソンらによるシンプルかつロマンティックなバック演奏も素晴らしく、僕もヴォーカルものの中では5本の指に入るくらい大好きな作品です。

 この曲は、“あなたの帽子のかぶり方、お茶の飲み方やキーの外れた独特な歌い方、それらの心に残る思い出は誰にも奪えない”というコミカルかつ愛が溢れるラヴ・ソング。(原題は「They Can't Take That Away From Me」)

 エラの歌とルイのスキャットが交互に続いた後、トランペット〜デュオと流れる展開も素敵です。森 陽馬

2005年3月28日(月) Nick Lowe 「I Knew The Bride」

 古いものばかり取り上げているのでたまには新しいものを、と思ってこれにしたのですが・・・。
なんとこの曲のシングルが出てからもう20年になるんですね。(1985年秋の発売)
 いやはや、こまったものです。

 ブリンズリー・シュワルツは少し聴いていましたが、ニック・ロウの存在を意識するようになったのは、彼がソロになってからでした。
 『ジーザス・オブ・クール』と『レイバー・オブ・テスト』の2枚は1978年と1979年の作品ですが、本当によく聴いたものです。

 さて、この曲はヒューイ・ルイスがプロデュース&ハーモニカを担当。
 アカペラ・コーラスから始まるゴキゲンなロックンロール。
 イギリスではチャートに登場していませんが、アメリカでは77位と地味ながらチャート・イン。日本ではFMで時々耳にした記憶が残っています。

 1986年発表のアルバム『ザ・ローズ・オブ・イングランド』に収録。 森 

2005年3月29日(火) The Clash 「Hateful」

 聴いてるとついついサビの「Oh Anything I Want 〜」を一緒に口づさんでしまう、クラッシュ中でも3本指に入るほど好きなこの曲は、1979年12月に発表された3rdアルバム『ロンドン・コーリング』に収録。

 ボ・ディドリー調のビートとロックンロールが融合した最高にクールでイカした「Hateful」! もともと1979年このアルバムがリリースされる前にクラッシュと一緒にツアーをしていたボ・ディドリーに捧げられたナンバーだそうで、こういうところにも彼らのルーツが垣間みえる1曲ですね。

 ちなみに昨年吉祥寺で爆音レイトショーされた故ジョー・ストラマー(元クラッシュ)のドキュメンタリー映画『Let's Rock Again!』も見に行きましたが、これもスゴク良かったですね。

 ジョーが日本に来日した際のライヴ&オフ・ショットも面白かったですが、この映画の中でジョーがインタビューで、「ビーチ・ボーイズは大好きなんだ。」と言って、「サーファー・ガール」を少し歌うシーンがあり、見ていてなんだかとてもうれしくなったのが印象に残っています。 森 陽馬

2005年3月30日(水) Bonnie Raitt 「Coming Home」

 やや遅ればせながら、映画『ライトニング・イン・ア・ボトル』を鑑賞。

 この映画は、“ブルース生誕100年”を記念して、2003年2月にニューヨークのラジオシティ・ミュージック・ホールにて行なわれたコンサートを中心に作られた映像作品で、そのコンサートには、B.B.キング、バディ・ガイ、ソロモン・バークらの大御所から、エアロスミスのスティーヴン・タイラー&ジョー・ペリー、元CCRのジョン・フォガティ、若い世代のアーティストとしては、メイシー・グレイ、インディア・アリーなど新旧様々な豪華アーティストが参加。

 それぞれが自らの音楽のルーツを辿る“ブルース”を独自のアレンジで演奏していく臨場感あふれるコンサート/音楽ドキュメンタリーで、もちろん先に挙げたアーティスト達のパフォーマンスも素晴らしかったですが、特になんといってもかっこよかったのが、文句無しにボニー・レイットでしたね。

 1971年デビュー、すでに55歳の彼女が男勝りのスライドをガシガシ決めながら歌うこのエルモア・ジェイムスのナンバーにはホント、シビれました。
 グラミー常連となっている彼女の来日はギャラ的に難しいかもしれませんが、生で一度見てみたいですね。

サントラ盤も発売中です。(2枚組 MHCP-532 \3,780) 森 陽馬

2005年3月31日(木) Eric Burdon & The Animals 「San Franciscan Nights」

 1967年に発売されたこのアルバムは、かなり衝撃的なアルバムでした。
 エリック・バードンの名を前面に出し、メンバー・チェンジをし、1曲目のアルバム・タイトルになった「ウィンズ・オブ・チェンジズ」はいきなりシタールなどが入ったインド音楽で始まるものでした。
 アルバム全体の流れはいかにもこの時代の雰囲気を漂わせてくれるもので、きちんとした評価がされていい名盤だと思うのですが…。

 アルバムに先駆けて発売され大ヒットとなったこの「サンフランシスコの夜」はエリックの演説のような語りが導入となり、アコースティック・ギターの美しい音色と、いつもより押さえ気味のヴォーカルが印象的。
 アニマルズらしくないかもしれないが名曲です。

 このアルバムには、ジミヘンのファースト・アルバムの問いかけに応えた「イエス・アイ・アム・エクスペリアンスト」という曲も収録。
 いつか紙ジャケで再発してくれませんかねぇ。森 勉




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