PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2005月4月>

立退き閉店のため、店舗を一時休業していた
2005年4月に更新した
“今日のこの1曲”コーナー。

廃盤・生産中止、規格番号の変更など
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。


<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2005年4月1日(金) Jackson Browne 「The Fuse」

 名シンガー・ソングライター、ジャクソン・ブラウンが74年に発表した作品『レイト・フォー・ザ・スカイ』は大ヒットを記録。
しかしながらその後、ジャクソンがレコーディングやツアーなどにかかりきりになってしまったがため、お互い充分話し合うことができなくなってしまった妻がノイローゼにかかり自殺…。
 彼自身も深い苦悩と絶望に沈んだものの、2年のブランクを経てリリースしたのがこの4thアルバム『プリテンダー』(“偽善者”の意)でした。

 そういうこともあって、ラストを飾るタイトル曲では、自らを“pretender 偽善者”と蔑むなど、深い哀しみを詞とメロディーに託した鎮魂歌として一般的に暗い意味で捉えられがちのアルバムですが、僕にはその一方で、ジャクソン・ブラウン自身の強い“決意”みたいなものを感じる作品でもあります。

 そのアルバムの冒頭曲がこの「The Fuse」(“導火線”の意)。
 ラス・カンケル(Ds)、リー・スクラー(B)、クレイグ・ダーギー(P)、デヴィッド・リンドレー(G)の緊迫感溢れる演奏をバックに、
 ♪時は導火線の如く、通り過ぎていってしまう♪
と歌われるこの曲は、後ろ髪をひかれるような過去にひきずられながらも「前へ進んでいくんだ」というような思いを自らに言い聞かせている彼の“決意表明”ともとれる名曲だと思っています。

 本日はエイプリル・フールでしたが、“新年度”でもありましたね。
 現在、当店は一時閉店中ですが、この曲を聴いて、“決意”を新たに、また“ペット・サウンズ・レコード精神”の原点に立ち戻り、気合を入れ直したいと思いました。 森 陽馬




※それにしてもこの曲のクレイグ・ダーギーのピアノは本当に素晴らしいですね。
 ちなみに、国内旧々規格のCD・20P2-2081盤のこの曲のラストは、演奏がフォルテからフォルテッシモになるような感じで上がっていき、突然、まさに“Fuse”が切れるように演奏が終わるのですが、96年に発売になったCD・WPCR-664盤では、そうならずにラストがフェイドアウトしてしまうのです。
 
 盛り上がってからプツンッと切れて終わるラストがやや長めヴァージョンの方が僕は好きなのですが、昨年輸入盤のみで発売になった新リマスター盤はどうだったのでしょうか? ご存知の方は教えてください。

2005年4月2日(土) The Modern Jazz Quartet 「Over The Rainbow」

 ヴァイブ(鉄琴・木琴)の入ったインストを聴いてリラックスしたいなあ、と思うことが時々あるのですが、そういう時によく愛聴しているのがこの1枚。

 ジョン・ルイス(P)、ケニー・クラーク(Ds)、パーシー・ヒース(B)、そして、ヴァイブ奏者のミルト・ジャクソン、4人によるモダン・ジャズ・クヮルテット(通称・MJQ)の1956年録音作『フォンテッサ』。

 この曲「Over The Rainbow」は最近ではエリック・クラプトンがアンコールの最後に演奏したり、様々なアーティストのヴァージョンがCMで使われたり、と誰もが知る名曲ですが、もともとはミュージカル映画のスター女優だったジュディ・ガーランドが16歳の時に主演した「オズの魔法使い」(1939)で歌った曲。
 このMJQのヴァージョンは、それをヴァイブ中心のインストで、ゴキゲンにのんびりした雰囲気でカヴァーしています。

 アルバム・タイトル曲「Fontessa」、バラード名曲「Angel Eyes」、「Willow Weep For Me」(邦題・柳よ泣いておくれ)なども聴きもので、表情豊かなミルト・ジャクソンのヴァイブの音色に酔え、古き良きジャズを楽しめる名盤です。 森 陽馬

2005年4月3日(日) 原田郁子 「なみだとほほえみ」

 昨年のこのコーナーでは紹介できませんでしたが、2004年9月に発売されてから、店頭ではほぼ毎日のようにかけていた大好きな1曲を。

 クラムボンというグループで、ピアノ&ヴォーカルを担当している原田郁子さん初のソロ・アルバム『ピアノ』(COCP-50811 \3,000)5曲目に収録されているスロー・ナンバー。

 オオヤユウスケ(ポラリス在籍)作曲&プロデュースの美しいゆったりした楽曲に、坂田学(Ds)とTOKIE(Wood Bass)のリズム隊が絶妙な空間を作り出し、そこに彼女の無垢な歌声が、やさしく、そして切なく心に迫る感動的な名曲。
 もちろん他にも、楽しい曲、やさしい曲、美しい曲などいい曲がたくさん収録されていますが、この1曲のためだけにアルバム買っても損はない!と思いますね。
 ハナレグミなどがお好きな方には特にオススメです。
 
 クラムボンの新作も今年発売され、それももちろん良かったのですが、いつかまたソロ・アルバム、もしくはハナレグミとのデュオ・アルバム、なんてのも出してみて欲しいですね。 森 陽馬

2005年4月4日(月) Neil Young 「Be The Rain」

 ニール・ヤングが脳動脈瘤で緊急入院!

 3月14日にアメリカで行なわれた『Rock And Roll Hall Of Fame』というイベントで、プリテンダーズが受賞されたときにプレゼンター&ゲストとして出演したニールでしたが、そのイベント後、視界に異常を感じ、病院にて検査したところ脳動脈瘤と診断されたそうです。

 幸い治療を受け、命に別状なく復帰もできる見通し。
 当分安静にしていなければならないと思われるので、今年のライヴ及び新作発売などの活動は見送りになるでしょうが、全快できるようにゆっくり休んでほしいですね。

 一番最近のオリジナル・アルバム『Greendale』(2003年発表、WPZR-30019 \3,570)ラストに収録されている「Be The Rain」ではこう歌われてます。

 ♪We got to wake up. We got to keep goin' 
  〜 We got a job to do ♪
 (目を覚まさなければ、進み続けなければならない
    〜 僕等にはまだすべきことがあるんだ)

 そう、その通り!
 まだまだ錆びつかず、燃え尽きもせず、私たちの前にその勇姿を再び見せてくれることを願っています。森 陽馬

2005年4月5日(火) ジェイミー・カラム 「エヴァーラスティング・ラヴ」

 3月中、FMラジオから盛んに流れていたこの曲に反応した方は少なくないと思います。
 一般的には、現在公開中のレニー・ゼルヴィガー主演映画『ブリジット・ジョーンズの日記』の主題歌だ、という反応になると思うのですが、オールディーズ・ファンはちょっと違った反応になります。

 この曲を初めて知ったのは、1967年黒人シンガー、ロバート・ナイトのヴァージョンでした。
 なんとも魅力的な旋律をもった曲で、その後もラヴ・アフェアー、カール・カールトン、レックス・スミス&レイチェル・スウィート、サンドラ(元アラベスク)、グロリア・エステファンなど多くのカヴァーヒットがあります。

 ジャジーな雰囲気で歌うジェイミー・カラムはイギリス生まれのまだ20代半ばのシンガー&ピアニスト。アルバムには自作曲も収録され、今後も気にとめておきたい若手のひとり。
 このアルバム(UCCV-1070 \2,548)は、2004年に発売されたメジャーでのファースト・アルバムに、この曲など4曲をプラスしたスペシャル・エディション。 森 勉

2005年4月6日(水) 矢野 顕子 「It's For You」

 “サンプリング”やら“MIX CD”などで、様々なジャンルの音楽が使い回しされている昨今。
 JAZZ音源などに関しては定番ものだけでなく、重箱の隅をつつくようなレア盤などがありがたがられ、若い世代のリスナーには、“Club Jazz”などとして再評価がなされたりもしていますが、そういう“レア盤・洋楽至上主義”的な人たちにこそ聴いてもらいたいのがこの曲。

 矢野顕子が1989年に発表した隠れた名作『Welcome Back』の1曲目に収録。
 名ジャズ・ギタリスト、パット・メセニーの曲を矢野顕子がアレンジし、そのパット・メセニーも参加したこの「It's for you」を聴けば、今まであまり矢野顕子を聴いたことがなかった方は、彼女に対する印象がガラリ一変することでしょう。

 ややゆったりした雰囲気で始まりますが、彼女のスキャット&ピアノ・ソロという流れからジャスト4分を境に、メセニーの素晴らしいギター・ソロが展開。
 これを合図にテンポ・アップしていき、そのギター・ソロに応えるように透き通るような矢野顕子のスキャット&ピアノ、更にそのスキャット&ピアノと会話しているようなメセニーのギターの絡みがとにかく圧巻のラストの演奏!
 何度聴いても、彼女達の研ぎ澄まされた感性・プロ・ミュージシャンとしての凄さを実感できるナンバーですね。

 ちなみにこの作品の良いところは、このような曲だけでなく、S.Fosterのスタンダード「Hard Times,Come Again No More」、子供への“愛情”がたっぷりこもった「Watching You」など彼女のJ-POPS・ヴォーカリストとして、聴く者の心に温もりを与える魅力もあふれていることだと思います。森 陽馬

2005年4月7日(木) Vinicius Cantuaria 「Perritos」

 昨年発売されたワールド・ミュージック作品の中で、僕が選ぶナンバー・ワン・アルバムがこのヴィニシウス・カントゥアリア『ホース・アンド・フィッシュ』(VACK-1280 \2,548)。

 ブラジルはマナウス出身、70〜80年代はカエターノ・ヴェローゾのバンドに在籍した後、ソロ作も6枚ほど発表したものの、現在はニューヨークに拠点を移しワールド・ワイドに活躍。アート・リンゼイ、ビル・フリーゼル、坂本龍一などとも交流が深く、一般的な知名度はそれほどありませんが、“サウダージ”・ブラジルの良心を歌うシンガーとして、業界内ではかなり評価が高い人でもあります。

 そんな彼の最新オリジナル・アルバムもニューヨーク録音。
この4曲目に収録されている「Perritos」は、他人に提供した自作曲をセルフ・カヴァーした曲なのですが、アコースティックな音と音のすき間が見事に調和し、静寂以上に心地良い音空間を作り出している美しい1曲。
 
 音楽ジャンルは違いますし雰囲気が全く同じというわけではないのですが、僕的には、“ブラジルのジェイムス・テイラー”とでも例えたくなるような、“時代や場所が変わっても、自らのアイデンティティーは不変なアーティスト”、という印象をこのアルバムを聴いてより強く感じました。森 陽

2005年4月7日(金) チャーリー&ザ・ホット・ホイールズ 
             「G.T.O (憧れのロイヤル・ボブキャット)」

 なんか暖かくなってきたら、こういうのをガンガン聴きながらドライヴしたくなってきましたネ!
 
 Buddy(b.vo)、Charlie(ds.vo)、Jun(vo.g)の3人組。(といってもほぼ40代の日本人ですよ)
 2004年に発表した久々のミニ・アルバム『Hot Rod Craze』(CRCD-101 \1,890)に収録の超ゴキゲンなロックン・ロール・ナンバー。

 とにかく初期ビーチ・ボーイズ・ファンならドツボ!の楽曲。演奏もコーラスもかなり良いです!
 日本語のサブ・タイトルもいい感じですね。

 昨年、このアルバムのレコ発ライヴが、新宿の“ドクター”というライヴ・ハウスであったのですが、これがもう最高にかっこよくて・・・。
 なんかロックン・ロールを聴き始めた頃の純粋な気持ちを取り戻せた本当に楽しいライヴでした。

 今年の夏も是非、精力的に活動してほしいものです。森 陽馬

2005年4月9日(土) アメリカ 「金色の髪の少女」

 暖かくなってくると聴きたくなる曲、第二弾。

 “アメリカ”は、中心人物であるテキサス出身のジェリー・ベックリーが、イギリスにてダン・ピークらと結成したグループ。
しかしながらヒットしたのは、アメリカ、というちょっとややこしいのですが、その“アメリカ”が1975年、ちょうど30年前に全米シングル・チャートでNo.1をとったのがこの曲。(原題:Sister Golden Hair)

 ジョージ・マーティンがプロデュースした名作『Hearts』に収録。
 出だしのアコースティック・ギターのカッティングが印象的なナンバーで、ジェリー・ベックリーお得意の泣きメロが、爽やかながらも哀愁を誘う彼らの代表曲。
 ちなみに歌詞は、美しい金色の髪の少女に思いをよせて、
♪僕は文通相手でしかないのかい?
   〜この思いを知ってくれるだけでもいい♪
と自分自身に問いかけつつ、打ち明けられないナイーヴな心を歌った曲。

 何年か前(もう10年くらい経っちゃってるのかな?)に、渋谷ON AIR WESTでやったアメリカのライヴが懐かしいですね。
 ジェフリー・フォスケットとのジョイント・ライヴ、なんていつかやってくれないかな〜。森 陽馬


ちなみに掲載ジャケットはRHINO編集23曲入りベスト盤(WPCR-10942 \2,520)です。

2005年4月10日(日) シルバー 「All I Wanna Do」

 昨日の“アメリカ「金色の髪の少女」”を聴いていたら、こちらも久々に聴いてみたくなり、久々に棚から引っ張り出してみました。

 イーグルスに在籍していたバーニー・リードンの実弟がメンバーだったことでも知られるシルバーが、1976年に発表した唯一のアルバム『シルバー ファースト』(BVCA-7364 \1,835)の2曲目に収録されているこの曲。
 
 サウンドは、これぞウエスト・コースト・ロック、という感じの爽やか&メロディアスな曲調に、美しいコーラスがサビで重なるミディアム〜アップテンポなナンバー。

 この曲以外にも、アルバムに収録されている全10曲いい曲ばかりで、全米ビルボードでシングル・チャート16位のヒットを記録した「恋のバンシャガラン」(原題:「Wham Bam」)、イーグルス「デスペラード」的なバラード「Goodbye So Long」や切ないメロの「Memory」のなども聴きものです。

 イーグルス、アメリカなどがお好きな方ならもちろん、幅広いポップス・ロックファンにオススメの1枚です。森 陽馬

2005年4月11日(月) WHATNAUTS 「Instigating (Trouble Making Fool)」

 ボルティモアと言えば、メジャー・リーグ・ファンには、先日までヤンキースと対戦していたオリオールズの本拠地ということが思い浮かびます。
 1970年代前半のスウィート・ソウル・ファンには、ボルティモアといえばここ出身の3人組ヴォーカル・グループのホワットノウツ、ということになるでしょうか。

 この曲はポップ・チャートには登場しませんでしたが、R&Bチャートでは1973年に23位まで上昇。個人的には彼らの曲の中では一番好きな曲です。
 少しはずんだミディアムの曲調に3人のヴォーカルが絶妙に絡み合う隠れた名曲。
(CDでは、未発表音源を中心に選曲されたWHATNAUTS 『Corruption』<PCD-24136 \2,520>に収録)

 2、3年前にクレイジー・ケン・バンドの横山剣さんが、自分のFM番組でこの曲をさりげなくかけていました。
 「ケンさん、やっぱり、あなたはひと味もふた味も違いがわかる!」
と思った瞬間でした。 森 勉

2005年4月12日(火) James Taylor 「Fire And Rain」

 名シンガー・ソングライター、ジェイムス・テイラーが1970年にワーナーより発表した名作アルバム『スウィート・ベイビー・ジェイムス』(WPCR-2513 \1,785)に収録されている彼の代表曲。

 決してハデな曲ではないのですが、1970年9月にシングル・カットされるとじわじわとチャートを上がり、全米シングル・チャート最高位3位を記録。
 ブラッド・スウェット&ティアーズ、ジョニー・リヴァースなど数多くのアーティストにもカヴァーされています。

 85年に発表した「That's Why I'm Here」という曲では、
♪富と名声はおかしなゲーム。アカの他人が呼び捨てにする。「Fire And Rain」を聴くために高い金を払う♪
なんて、やや自虐的な詞も歌っていますが、彼にとってもファンにとっても、そのぐらいこの曲が大きな存在を持っている、ということの裏返しかもしれませんね。

 ♪ぼくは炎もくぐりぬけてきたし、雨にもうたれてきた♪
この「Fire And Rain」を発表した当時、ジェイムス・テイラーはまだ22歳。
その後、様々な経験を積んだ彼にとって、また長いこと彼の“歌”を聴き続けてきたファンにとっても、この曲はまた違う意味合いで大きな存在となっているのではないか、と思っています。森 陽馬

2005年4月13日(水) TOBY BEAU 「My Angel Baby」

 1978年の夏、ぼんやりとラジオを聴いていた僕を即座に虜にしてしまったのがこの曲でした。

 まず、イントロのやわらかな音色ながらビシッときまったギターが良かった。

 カントリー・フレイヴァーだが、タイトなリズムとゆるみのないリード・ヴォーカルは、中期のイーグルス(僕にとってはアルバム『オン・ザ・ボーダー』、『呪われた夜』をさす)を感じさせてくれた。

 トビー・ボーは、テキサス出身で、この曲を作ったバルデ・シルヴァ(ヴォーカル&ハーモニカ)とダニー・マッケンナ(ギター)を中心とした4人組。
 チャートイン・ヒットはあと2曲あるが、“ワンヒット・ワンダー”に近い存在…ながら、「マイ・エンジェル・ベイビー」は、本当に名曲! 森 勉

2005年4月14日(木) Aerosmith 「Shame, Shame, Shame」

 もう新聞記事などでご存知の方が多いとは思いますが、ロックン・ロールの祖・名ピアニストのジョニー・ジョンソン氏が4月13日に逝去しました。

 主にチャック・ベリーとの仕事が有名で、初期ロックン・ロールの先駆者、セッション・ピアニストとして活躍。
 チャック・ベリーの代表曲であり、ロックン・ロール定番曲として広く知られる「ジョニー・B・グッド」は、彼に捧げた曲とされています。
 (ちなみに1992年には、ジョニー・ジョンソン本人名義で『ジョニー・B・バッド』というタイトルのアルバムも発売しています。)

 で、本日の1曲は、そのジョニー・ジョンソンがピアノで参加しているこのナンバー。

 エアロスミスが2004年にリリースしたブルース・カヴァー・アルバム『Honkin On Bobo』(SICP-565 \2,520)に収録。
 原曲はニューオリンズの名R&Bシンガー、スマイリー・ルイスのカヴァー。
ブルース・カヴァー・アルバムではありますが、結構ロックン・ロールな仕上がりで、ある意味、最近のエアロスミスのオリジナル・アルバムの中でも、快心の作品だと思っています。森 陽馬

2005年4月15日(金)サザンオールスターズ 「愛する女性(ひと)とのすれ違い」

 先日、車に乗って遠出した際に聴いていた懐かしの1枚。

 1985年9月にリリースされた2枚組名作『KAMAKURA』に収録。
 当時シングル・カットされたことがあるわけでもないので、一般的な認知度は特別ないかもしれませんが、僕はサザンの中ではベスト5に入るくらい大好きなミディアム・テンポのラヴ・ソング。
 
 昨年夏、ディファ有明で行なわれたサザン・ファンクラブ抽選・1日かぎりの限定ライヴ(TVでも放映されましたね)では、最近のライヴでは珍しくこの曲をやってくれていて、ブラウン管越しでしたが、とても感動しました。

 ちなみにこのアルバム、20年経った今聴いても、サザン的なポップな魅力はもちろん、実験性にもあふれていてホント面白いアルバムですね。
 たしか、このアルバムを出した頃、アフリカのトゥレクンダというグループとジョイントのツアーをやったりもしていて、当時まだ主要な邦楽くらいしか聴いていなかった自分にとっては、「なんで、そんなアフリカのグループと一緒にやるんだろう・・・」なんて、当時は思ったりもしていましたが、今考えると色んな意味でスゴいことですよね。

 今年あたりは『KAMAKURA』を彷彿とさせるような独創的な新作アルバムを期待して待っています。森 陽馬

2005年4月16日(土) 高田渡 「酒」

 酔いどれフォーク・シンガー、高田渡が急逝。

 今月上旬、北海道での公演後、体調を崩し入院。
16日に心不全で、そのまま帰らぬ人となってしまいました。

 この曲は、ベルウッド・レーベルより72年発表されたアルバム『系図」より。

 現世でもそうでしたが、あの世でも好きなだけ「酒」を飲んで、歌って、眠ってください。合掌。
                        森 陽馬

2005年4月17日(日) 奥田民生 「スタウダマイヤー」

 昨日16日(土)は、ある方のご厚意で、川崎チッタにて奥田民生のライヴを見ることができました。

 今回のツアーは、メンバーを一新して、小原礼(b)、湊雅史(dr)、斎藤“ヤング”有太(key)という布陣。
 メイン・ギターがいないので、奥田民夫は歌だけでなく、ギターでも奮闘。
 ツアー初日ながら、なかなかに白熱した演奏でした。

 で、今度4月27日発売予定の新作ミニ・アルバム『Comp』(SECL-190 \2,548)の曲もやっていたので、その中から1曲。

 奥田民生曰く、「人の名前から取った」(NBAの選手でしょうか?)ということですが、どうやら相変わらず、曲名と歌の内容はあまり関係ないようです。
 ちなみに民生師匠がMCでもおっしゃってましたが、「“ロビンソン現象”(スピッツ)を狙う!」とのこと・・・。
 そこまでポップな曲ではなかったのでそれは難しいとは思いますが、民生節は他の曲でも健在で、やはり今回のアルバムは、歌以上に彼のギターが聴き所となりそうな感じです。

 それにしても、今回のライヴでの小原礼は、私の父と同じ年と思えないほど、若々しくてかっこよかったですね。
 サングラスも似合ってました。 森 陽馬

2005年4月18日(月) Sunshine Company 「Back On The Street Again」

 フォーク・ロックというか今で言うと、“ソフト・ロック”の範疇に入るグループ。
 ママス&パパスが大ヒットを出したので、こういうタイプのグループがたくさん出現したのが、1960年代中期から後期にかけてでした。

 女性ひとりに男4人の5人組のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ。
 プロデューサーはヴェンチャーズを担当したことでも有名なジョー・サラセーノ。

 このグループは名前がさわやかな感じなので、全米ビルボードのチャート上で名前だけを見て、気になる存在になっていました。
 その後、音も聴いてレコードを欲しいと思ったのですが、1967年全米36位というちょっと地味なヒットだったので、結局その当時はレコードが見つけられませんでした。

 LPを手に入れたのは、それから7、8年たってから・・・。
 横浜岡田屋の中にあった「すみや」で見つけた時、とても嬉しかったことを思い出しました。 森 勉

2005年4月19日(火) Strawberry Alarm Clock
  「Incense And Peppermints」

 グループ名が気になったもの第2弾!
というわけではないのですが、ストロベリー・アラーム・クロックを。

 1967年後半に全米No.1も獲得した「インセンス&ペパーミント」は、サイケ/ソフト・ロックの名曲中の名曲。
 オルガンにファズ・ギターというこの当時流行の音に、キャッチーなメロディー、そして特異なグループ名、と話題になる要素はバッチリでした。

 大ヒットはこの1曲でしたが、その後発表した、「トゥモロウ」、「シット・ウィズ・ザ・グル」、「ベアフット・イン・ボルティモア」などのシングルは、みんないい曲でした。

 最後に豆知識をひとつ。
 メンバーのギタリスト、エド・キングは1973年〜75年の間、レーナード・スキナードに在籍していたそうです。森 勉

2005年4月20日(水) The Joneses 「Our Love Song」

 知る人ぞ知る5人組名ソウル・コーラス・グループ、ジョーンジズが74年に発表したオリジナル・ファースト・アルバム『Keepin' Up With The Joneses』に収録の甘いバラード・ナンバー。

 アルバムの1曲目に収録されているミディアム・ナンバー「I Can't See What You See In Me」が、フリー・ソウルのコンピに収録されたりなどされ有名ですが、このスロー・バラードも、歌に入る前までに2分近くも甘い“語り”が入っていて、なかなかにいい感じ。

 ちなみにこのアルバム、バック陣が超豪華で、リチャード・ティー(key)、コーネル・デュプリー(g)、スティーヴ・ガッド(ds)と、名フュージョン・グループ、“スタッフ”のメンツがズラリ参加。
 
 後の77年にはエピック・レーベルからタイトル『The Joneses』を発表。フィリー・ダンス・アルバムの名作として誉れ高いですが、僕はどっちかというとこちらの1stの方が好きなのです。森 陽馬

2005年4月21日(木) The New Mastersounds 「You Got It All」

 新世代ジャズ・ファンク・ファンの方々、お待たせしました!!
 
 以前、こちらのコーナーでもご紹介した新世代ファンキー・ギタリスト、エディー・ロバーツを擁するUK出身4人組のファンク・バンド、“ニューマスター・サウンズ”の3rdアルバム・新作(PCD-23626 \2415)が遂に発売になりましたね。

 ディープ・ファンク・ムーヴメントの中心人物、DJケヴ・ダージも大推薦しているこのバンド。
 前作2ndは、1stよりもややClub Musicよりの印象でしたが、今作は全編インスト・ファンク!

 ダニー・ハサウェイのカヴァー(1曲目「Zambezi」)や、ジミ・ヘンのカヴァー「Ain't No Telling」が収録されているのも魅力ですが、アルバム中の白眉はなんといっても4曲目に収録されているこのナンバー。

 Sax奏者カール・デンソンをfeatした最っ高にクールかつファンキーな、JBマナーに則したインストで、エディー・ロバーツのカッティング・ギターも切れまくり!
 ソウライヴお好きな方や、古臭いレア・ファンク好きの方は必聴です。森 陽馬

2005年4月22日(金) Joe 「Alone」

 “スウィート・ソウルの名盤”というと、やっぱり70〜80年代のフィリー系ソウルやら、デルフォニックスなどのグループの作品を挙げる方が多いでしょうが、ここ最近のSoul/R&Bにも、いい作品は結構たくさんあるのです。

 アメリカ南部、ジョージア出身のJoe(ジョー)が2001年に発表した4thアルバム『Better Days』(ZJCI-10048 \2,400)は、後々、ソウル名盤と称されるに相応しい作品だと僕は思っているのですが・・・。いかがでしょうか?

 Joeの3rd『My Name Is Joe』(2000年作)も素晴らしいアルバムでしたが、この4thは更にそのメロウな路線を押し進めた雰囲気で、ミディアム〜スローな曲が中心。特にこの4曲目に収録されている「Alone」は、切ないラヴ・ソングながら、ロマンティックなバックトラックやコーラスが印象的。“ジョー節”炸裂って感じです。

 この曲がそういうふうにロマンティックに響くのは、このアルバムの2曲目「Better Days」の冒頭が、ファイヴ・ステアステップスの名曲「ウー・チャイルド」の有名なフレーズを引用してから始まり、その2曲目から繋がるようにしてメロウな3曲目「What If A Woman」、そしてこの4曲目「Alone」への流れが絶妙だからでしょう。

 最近はi-podなどで様々な曲がランダムで聴けて便利にはなりましたが、こういうひとつのオリジナル・アルバムの流れっていうのは、いつまでも大事にしてほしいなあ、と思っています。森 陽馬

2005年4月23日(土) Don & Dewey 「I'm Leaving It All Up To You」

 ドン・ハリス&デューイ・テリー、
 1970年代初めにスペシャリティーから出た彼らのLPをジャケ買いするまでは全く知らなかった。

 パサディナ出身の彼らは1957年〜59年に数多くの録音をしたが、アメリカでもごく一部の人に知られる存在だった。
 しかし、“良い曲はカヴァーされて次の世代へ受け継がれる”というアメリカ音楽界の良心が彼らにスポットを当ててくれた。

 「ジャスティン」、「ファーマー・ジョン」、「ビッグ・ボーイ・ビート」などは他のアーティストで耳なじみの曲だった。
 そして、この「アイム・リーヴィン・イット・オール・アップ・トゥー・ユー」は、1963年デイル&グレース、1974年ダニー&マリー・オズモンドによって大ヒット。
 オリジナルは、白人カヴァーでは味わえない泥臭いねっとりとしたヴォーカルがたまらない。

 ほとんどが2人の共作。
 才能あったんだぁ〜。もっと評価されていいよね。
 そう、ドン‘シュガーケイン’ハリスは、1970年代、フランク・ザッパのマザーズに参加。エレクトリック・ヴァイオリン奏者として注目を集めました。 森 勉

2005年4月24日(日) シアター・ブルック 「ドレッドライダー」

 知り合いの方から夕方連絡があり、チケットがあるということで急遽シアター・ブルックの新宿ロフト公演へ行ってまいりました。

 佐藤タイジを中心に1990年代から末永く活動してきたシアター・ブルック、
いや〜〜〜、相変わらず素晴らしいライヴでしたね。

 今度5月25日に発売になるNewシングルのカップリングに収録予定というEW&F「September」のシアターらしいアレンジのカヴァーから始まり、2部構成でイーグルスの「Best Of My Love」、トム・ウェイツ「Ol'55」という珍しいカヴァーも交えながら、オリジナル曲はもうこれでもか!と言わんばかりの強烈なテンションで飛ばしまくってました。
 タイジも結婚披露宴直前とのことで、気合が入ってましたね。

 それにしても圧巻だったのは、なんといってもやはりドラムの沼澤尚。
 最近は、様々なセッションやアーティストのバックでやっている彼ですが、やはりシアターのバックでやっている時が、一番活き活きとして叩き倒している感があり、単なるロックとは一線を画したFUNKYなグルーヴを生み出してました。

 6月に発売予定というアルバムもとても楽しみです。森 陽馬

★ジャケ写は昨年発売された決定盤2CDベスト盤。
 1996年発表彼らのメジャー2ndシングル「ドレッドライダー」も収録。

2005年4月25日(月) Valerie Carter 「Ooh Child」

 先日のこのコーナー、Joeの曲の中でファイヴ・ステアステップス「ウー・チャイルド」に関しての話を少し出したのですが、僕がその「ウー・チャイルド」の曲の存在を一番最初に知ったのは、オリジナルではなく、おそらくこのヴァレリー・カーターの歌声を聴いてからだったと記憶しています。

 彼女は19歳の時(1974年)、フィフス・アヴェニュー・バンドのジョン・リンドなどと共にハウディー・ムーンというグループに在籍し、アルバムを1枚発表(POCM-2067 \1,835)。これも素晴らしいアルバムですが、この後ジャクソン・ブラウンなどのバック・コーラスにも参加しウエスト・コーストにて幅広い交友関係を築いた後、1977年に発表したのがこのソロ1stアルバム『Just A Stone's Throw Away (邦題:愛はすぐそばに)』(SRCS-6278 \1,835)でした。

 このアルバムの冒頭を飾る「ウー・チャイルド」のカヴァーは、オリジナルよりもややテンポを落とし、暖かみのあるジャジーな雰囲気の演奏・アレンジ。他の曲などでもプロデュース&ギター参加しているローウェル・ジョージのギターが特に絶品ですね。

 ただその演奏以上に素晴らしいのが、やはり彼女の美しい歌声。
 ローラ・ニーロがベスト・フェエヴァリット、と常々インタビューなどで答えている彼女の歌唱は、まさにローラ・ニーロ的な透明感ある美声と歌に込められた情熱に溢れています。

 ちなみに1998年ジャクソン・ブラウン来日公演で、彼女もバック・コーラスとして来日していましたね。
 メンバー紹介時に一際大きな声援を受けて、笑顔を見せてくれたのが印象に残っています。森 陽馬

2005年4月26日(火) 柳家小ゑん 「フィッ」

 上野広小路にある黒門亭(落語協会の2階)に、“小ゑん・喜多八 試作品”という落語会を見に行ってきました。

 柳家小ゑん師匠、柳家喜多八師匠のお2人が2席ずつ、そのタイトル通りまだ高座ではかけたことがないような試作品をやってみる、という会で、気軽に聞ける稽古場といっては言葉が悪いのですが、寄席とはまた違った意味で活き活きとした噺が聞ける楽しい会でした。

 柳家小ゑん師匠は、実はご実家が西小山の電気屋さんという方で、当店が閉店になる前に店までいらっしゃっていただいたこともあり、SP・蓄音機などにもとてもお詳しい師匠です。(ちなみに、星座の知識に関しても落語界では師匠の右に出る者はいない、というくらいお詳しいそうです。)

 で、”今日の1曲”、ならぬ“今日の1噺”は、小ゑん師匠が2席目にやった噺。円丈師匠のネタの改作だそうで、とても楽しい熱演でした。

 来月は17日(火)にまたあるそうなので、また行ってみようと思っています。森 陽馬


(ジャケ写は、小ゑん師匠がインディーズから出している星や旅の話と新作落語の2席が収録されているCD。)

2005年4月27日(水) Atlantic Star 「Silver Shadow」

 アトランティック・スターは、1975年にニューヨークで結成された黒人ヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ。
 1977年にA&Mよりメジャー・デビュー。
 R&Bチャートでは第2位まで上がった「サークルズ」など多くのヒットを放っていたが、一般的に知られるようになったのは、1986年ポップ・チャートで第4位まで上昇したバラード「シークレット・ラヴァー」から。

 “今日の1曲”は、その前のヒット。
 普通にチャート・インしていると思っていたら、R&Bチャートだけだったんですね。(1985年 第13位)

 この曲のカッティング・ギターが大好き。
 弾いているのは、メンバーでもあり、この曲の作者、デヴィッド・ルイス。

 1970年代後半から1980年代、チェンジ、SOSバンドなどもよく聴いていたなぁ。
 時々聴きたくなります。こういうサウンド。 森 勉

2005年4月28日(木) Marcia Ball 「You Make Me Happy」

 以前、こちらのコーナーでご案内していた"New Orleans Jazz Heritage Festival"。 参戦したいのは山々でしたが、今年は自重することにしました。
 あ〜・・・。もし行っていたら、今頃、燦々と降り注ぐ陽射しの元で踊りまくっていたんだろうなあ・・・、なんてちょっと思っちゃったりしていますが、まあちゃんと事前にマネー計画も立てていつかまた行こう、と心に決めております。

 で、ニューオリンズのピアニスト、というとやはり祖は、プロフェッサー・ロングヘア。そのプロフェッサーのピアノ・スタイルを引き継ぐアーティストとしては、アラン・トゥーサン、ドクター・ジョン、ジェイムス・ブッカーなどの大御所が挙げられると思いますが、女性ピアニストのこのMarcia Ballも、プロフェッサー的ピアノの血を引き継いでいると僕は思っています。

 すでに55歳を越えた彼女は、ニューオリンズを拠点に活躍しているピアニスト&ヴォーカリスト。
 日本ではほとんど知名度がありませんが、当地ニューオリンズではライヴをやれば即満員、知らない人がいないくらいの人気者なのです。

 ニューオリンズR&B、ブルース、ザディコ、ジャズ、ポップ・カントリーなどをブレンドさせたサウンドに乗せて、ピアノの前にミニスカート&足を組んで、リズミカルに弾きながら唄うスタイルは、昔から一貫して変わらず。
 その楽しいショーは、ニューオリンズ・サウンドの原点とも言える、音楽を楽しむ、ということを何時見ても再認識させてくれる素晴らしいものです。

 今作は、2001年にアリゲーター・レーベルより発表したアルバム『Presumed Innocent』(ALCD-4879)に収録。ヒューイ・"ピアノ”スミス的な曲調に彼女独自の解釈も織り交ぜたサウンド&詞が楽しい1曲。
 今年のジャズ・フェスに合わせて初のライヴ盤(ALCD-4903)も発売になったようなので、そちらも興味ある方はチェックしてみてください。森 陽馬

2005年4月29日(金) ソウル・フラワー・ユニオン「極東戦線異状なし!?」

 ニューオリンズ旅行は残念ながら断念しましたが、そのかわり、照準をフジ・ロックに定めました。
 買いたいCDなども少し我慢して、フジ・ロック貯金開始!

 ということで、今年のフジ・ロックにも参加予定のソウル・フラワー・ユニオン、2004年発表ミニ・アルバム(BMCD-1009 \1,890)の1曲目に収録のこのナンバーより。

 ♪この戦争をやめさせろ! この惑星じゃ今も子供らが虫けらみたいにママと叫んで死んでゆく♪

 ♪この戦争をやめさせろ! あのブッシュ・シャロンみたいな類いのゴロツキは、世界のあまたの唄が首根っこ押さえるぜ♪ (「極東戦線異状なし!?」の歌詞より抜粋)

 関西を拠点に活動していたニューエスト・モデルとメスカリン・ドライヴの2バンドが融合して結成され、90年代初期より末永く活動しているソウル・フラワー・ユニオン。
 彼らを今だに民族バンドなんていうふうに定義付けする人もいますが、たしかに沖縄・民族・歌謡などの要素もあるものの、それら全てを飲み込んだこのバンドは、やっぱりまぎれもなく“ROCK!”だな、と。

 ビーチ・ボーイズと同じ3日目に出演予定なので、タイム・テーブルが重ならないことを祈るのみ。森 陽馬

2005年4月30日(土) Woody Allen 「Lonesome Blues」

 現在、恵比寿ガーデン・シネマで上映中のウッディ・アレン監督・主演映画『さよなら、さよならハリウッド』を鑑賞。

 昨年上演されたウッディ・アレン2001年作映画『スコルピオンの恋まじない』は、正直言って、ウッディ・アレンの主演はちょっともうキツいかな…(トム・ハンクスに出演依頼していたものの断られてアレンが主演をやった、という経緯があったそうなので仕方なかったのかもしれませんが…)と、思っていましたが、今作は、そんな不安も吹き飛ぶほどの楽しいアレンらしいコメディーでした。
 
 原題『Hollywood Ending』という言葉は、ハリウッド映画的なよく出来すぎたエンディングのことを指し、映画以外の件でもしばしば使われているとのこと。
 まさにハリウッド・ビジネスの裏事情をちゃかしながらも、その『Hollywood Ending』へと繋がるような結末へのストーリー展開や、皮肉たっぷりのシニカルな笑いが散りばめられていて、楽しい映画でした。

 ちなみに今日のこの1曲は、数年前に日本でも公開された映画『Wild Man Blues』のサントラ盤。
 ウッディ・アレンが、ニューオリンズ・ジャズのメンツを引き連れて、ヨーロッパをツアーしたドキュメンタリーを描いた映画で、アレンのまた違った一面が垣間見れる作品でもあります。森 陽馬




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