PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2007月1月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2007年1月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。

廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。


<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2007年1月1日(月) 江利 チエミ 「Again」

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 さて、まだ正式な日は決まっておりませんが、今年3月中旬には武蔵小山駅前近くに、当店ペット・サウンズ・レコード店の新店舗がオープンいたします。トップページにも写真をアップいたしましたが、やっと新店舗が入る建物(当店は1階に入ります)も出来上がってきました。

 その店の地下にはなんと!ライヴや落語などのイベントができるスペース、イベント・カフェ“Again”(アゲイン)がオープンする予定になっております。(詳しいインフォはこちら

 『バートン・クレーン作品集』を企画したNEACH RECORDS(石川茂樹氏)が主催するライブ・カフェなのですが、音楽に限らず様々なイベントを開催し、発信していきたいと思っております。もちろん当店ペット・サウンズも全面的に協力していきますので、企画やご要望などございましたらお気兼ねなくご連絡ください。

 ちなみにジャズ・スタンダード曲「Again」は様々なアーティストが歌っていますが、今日のこの1曲は江利チエミさんが歌っている「Again」にしました。現在CDでは土岐麻子さんが選曲した江利チエミさんのアルバム『CHIEMI SINGS』(KICS-2468 \2,300)で聴くことができます。森 陽馬

2007年1月2日(火) シェリル・ベンティーン 「Blue Moon」 

 昨日の続きなってしまいますが、ペット・サウンズ・レコード店の新店舗は建物(トップページの写真参照)の1階に、3月中旬にオープンいたします。

 新店舗準備のため、現在営業中の仮店舗は2月初旬にて一時閉店する予定で、1ヶ月ほどお休みをいただくことになるかもしれませんが、ご了承くださいませ。(詳細など決まりましたら随時ご案内を差し上げるようにいたします。)

 さて、今日のこの1曲は、マンハッタン・トランスファーの女性シンガー、シェリル・ベンティーンの2006年発表アルバム『ブック・オブ・ラヴ』(UCCT-1176 \2,548)より。

 「Blue Moon」はジャズ定番曲として有名で、昨日紹介した江利チエミさんのコンピにも収録されていましたが、グルーヴィーな江利チエミさんのヴァージョンとは全然違ったしっとりとしたヴァージョン。ジョン・ピザレリとのデュエットでムーディーに聴かせます。森 陽馬

2007年1月3日(水) エルヴィス・プレスリー 「明日に架ける橋」

 私事で恐縮ですが本日は店が18時閉店だったので、渋谷でレイトショー上映されている『プレスリーVSミイラ男』という映画を見てきました。

 いや〜・・・、これがホントどうしようもないB級、いやC級な映画でしたね・・・。見終わってため息がでるくらい。
 もっと面白いコメディーを期待していたのですが全然笑えなくて、なおかつ固まってしまうような演出の連続。『プレスリーVS吸血鬼』という続編も制作予定らしいのですが、ちょっとキツいんじゃないかな? ちなみにつまらない下ネタも多いので女性の方には(プレスリー好きの方にも)あまりオススメできません、あしからず。

 「明日に架ける橋」は映画が始まる前に“映画館”内でかかっていた“BGM”。「これが映画内のどこでかかるのかな?」と期待しちゃいましたが、実際は映画の中では、プレスリーの楽曲は1曲も使われていませんでした・・・。プレスリー目当て?の方はご注意を。森 陽馬

2007年1月4日(木) クリス・モンテス 「タイム・アフター・タイム」

 このタイトルを見て、シンディ・ローパーを思い浮かべる方も多いと思いますが、あの曲とは同名異曲のもっと古い曲です。

 1947年映画『イット・ハプンド・イン・ブルックリン』(邦題:下町天国)の中で、フランク・シナトラが歌ったのが最初のようです。残念ながら、映画はまだ見たことがないのですが、イキな邦題からも見たくなってしまいますね。

 1950年代はジャズのスタンダードとしてダイナ・ワシントン、アニタ・オデイ、チェット・ベイカーなどいろいろなアーティストにカヴァーされましたが、僕が知ったのは1966年にヒットしたこのクリス・モンテスの歌でした。

 彼ならではのホワッとした唱法がたまりません。アレンジはニック・デカロ。素晴らしい職人芸を発揮して、A&Mレーベルらしいソフト・サウンディングを聴かせてくれます。森 勉

★ジャケットはクリス・モンテスの全25曲入りベスト盤(国内盤CD UICY-6050 \1,680)

2007年1月5日(金) スピッツ 「水色の街」

 2日前に見に行った今年1発目の映画鑑賞がちょっと残念な結果に終わったので、リベンジ?も兼ねて昨日再びレイトショーを見に行きました。

 山崎まさよし2006年作『ADDRESS』のTVスポット(こちらのオフィシャル・サイトで御覧になれます)を、うちの店のこの仮店舗内で撮影してくださった映像クリエイター、大宮エリーさんによる初監督映画『海でのはなし』

 昨年発売されたスピッツのベスト盤2種のPVも手掛けた大宮エリーさんが、そのスピッツの各楽曲にインスパイアされ作られたピュアなラヴ・ストーリーで、透明感ある宮崎あおいと“気”が伝わってくる西島秀俊の演技が印象的でした。

 全編にスピッツの名曲群が使われており、大ヒット曲「ロビンソン」や「楓」(宮崎あおい演じる主人公の名前も“楓”です)などが映画のストーリーに合わせて流れるので、スピッツ好きの方は是非チェック。映画見終わった後もついついスピッツの曲を聴きたくなってしまいますよ。
 ちなみに「水色の街」は2002年発表作『三日月ロック』に収録。(ジャケットはベスト盤『Cycle Hits 1997〜2005』 UPCH-9232 \2,800) 森 陽

2007年1月6日(土) シルヴィ・バルタン 「ズン・ズン・ズン」

 シルヴィ・バルタンというと、60年代フレンチ・ポップ歌手として有名ですが、イタリア語もとても上手。彼女のその素晴らしいイタリア語を聴くことができるのがこの1枚『シングス・イン・イタリー』(BVCM-37760 \2,310)。

 1969年発表作ですが、イタリア独自企画のアルバムであったため、当時日本ではこのアルバム単体のリリースはなく、今回のこのCDが日本初リリース。それでも数曲がシングル・カットされたことはあったようで、その中の1曲がこの「ズン・ズン・ズン」。
 イタリアの名歌手、ジリオラ・チンクエッティが1968年に大ヒットさせたナンバーで、このシルヴィのヴァージョンも各国でシングル・ヒットしています。

 ちなみにこのCDはボーナス・トラックが3曲追加収録されているだけでなく、イタリアでのオリジナル盤を忠実に再現されたジャケットになっていて、写真ではわかりにくいのですがジャケットを広げるとシルヴィのポスターになる凝った仕様。更には、イタリア語の歌詞とその日本語訳もちゃんとブックレットに記載されていて、作り手の熱意が伝わってくる丁寧な作りになっています。音楽配信では味わえない充足感がありますね。森 陽

2007年1月7日(日) Bob Dylan 「Ain't Talkin'」

 早くも今年のフジ・ロック・フェスティバル日程が決定しましたね。

 今年は7月27、28、29日開催で、3日通し券の早割りチケット(通常\39,800が\32,800)は2月中旬に発売のようです。最近はフジ・ロック人気のみならず、行く気もないのにネット・オークションで売りさばく人も横行してきたので、開催5ヶ月前の発売とはいえ早々に売り切れることは確実でしょう。見に行きたいのは山々ですが、参加するかどうかはやっぱり出演メンバー次第かな。

 でもこの人が出演するとなったら見に行こうと思っています。昨年も出演の噂があったこの人!ボブ・ディラン。

 音楽誌の2006年ベスト・アルバム特集はどの雑誌もディランのこのアルバムがトップに扱われていて、実際本国アメリカでもアルバム・チャート一位に発売時にランクされたこともあり、ギャラも上がってしまった模様・・・。でも野外のディランは是非見てみたいですね。
 ちなみに『モダン・タイムズ』初回限定DVD付(SICP-1136 \3,150)は、すでにメーカー在庫もないようですので、購入予定だった方はお早めに。森 陽馬

2007年1月8日(月) アネット with ビーチ・ボーイズ「モンキーズ・アンクル」

 2007年のライヴ事始めは1月6日。新宿のCLUB DOCTORでのRAT HOLIC presents “カリフォルニア・サン VOL.2”というイヴェントに行ってまいりました。

 年寄りにはチョトつらいオールナイト・イヴェントだったのですが、午前1時ごろまでお付き合いさせてもらいました。やぁ、楽しかったですねぇ〜。エル・カミーノス、リズラズ、ブルー・ホライズン、バケッティアーズ、といいバンド、そして演奏の連続で、それぞれエレキ・インスト、ロカビリー、カントリー、とジャンル分けされるものの、“良い音楽にジャンルは関係なし!”を実感しました。

 そしてチャーリー&ザ・ホット・ホイールズ。真冬のサーフィン・ホット・ロッド・カヴァー大会といった選曲で最高でした。
 「アイ・ドゥ」、「409」、「リトル・ホンダ」、「サンディ」、「New York's A Lonely Town」などをドライヴ感ある演奏と小粋なハーモニーで聴かせてくれるのですから! 特にハーモニーはたった3人でそれだけやってくれれば文句なし!という出来!

 途中、ペブルスの女性3人がヴォーカル参加しましたが、ビーチ・ボーイズ・ミーツ・ハニーズを感じさせてくれる素敵な瞬間でした。ペブルスのETSUKOさんがアネットに扮した「モンキーズ・アンクル」、良かったなあ。
 オリジナルは当時ヒットはしませんでしたが、アネットwithビーチ・ボーイズの1964年発表隠れた名曲。今だと「イッツ・ア・スモール・ワールド」、「チム・チム・チェリー」などディズニー関連の有名曲を作ったシャーマン兄弟の作品集(AVCW-12088 \2,500)でオリジナルを聴くことができます。森 勉

2007年1月9日(火) Brandon Ross 「If You Come To Me」

 音がなっているのに、無音よりも“静寂”を感じさせる至高の1枚。

 ブランドン・ロスは、人気女性ジャズ・シンガー、カサンドラ・ウィルソンの作品などに関わってきた黒人ギタリスト。ジャケットのイメージそのままに、深遠なJAZZを聴かせてくれる作品です。(『puppet』 INTD-1011 \2,600)

 2004年末に発売された1stアルバム『Costume』はヴォーカル曲が2曲でしたが今回は5曲に増え、彼のシルキーなヴォーカルも堪能できるので、ジャズ・ファンのみならずシンガー・ソングライター・ファンにもオススメ。音楽ライターの渡辺亨さんが“大人のための音楽”と評していましたが、まさに“静寂”を楽しめる落ち着いた大人向けのアルバムですね。

 良質な大人のための音楽作品を色々とリリースしているインディー・レーベル、intoxicate recordsからのリリース。(intoxicateは酩酊した、夢中になった、という意) 森 陽馬

2007年1月10日(水)やちむん「新版ソウル沖縄移民数え唄」 鈴木茂プロデュース

 あまり一般的には知られていないのですが、元はっぴいえんどの鈴木茂さんがプロデュースした新譜アルバムが発売になりましたのでご紹介しましょう。

 “やちむん”は、沖縄在住の奈須重樹(Vo.G)、山里満寿代(バイオリン他)の二人が中心のアコースティック・ポップ・バンド。91年に結成しこのアルバム『床屋の孫』(SGN-1000 \3,098)は6枚目。味わいある日本語詞とほんわかしたサウンドが持ち味です。

 6曲目に収録されているこの曲は、リーダーの奈須氏がグラハム・ナッシュの「イミグレイション・マン」に触発されて書いた曲だそうですが、沖縄独特の風土が込められたフォーク数え唄になっています。

 なお鈴木茂さんはプロデュースだけでなく、ギター、ウクレレ、そしてコーラスでも参加。内ジャケットなどに彼が写っているレコーディング時の写真も載っています。森 陽馬

2007年1月11日(木) U2 & Green Day 「The Saints Are Coming」

 昨年見に行ったコンサート、色々ありましたが年末のU2(atさいたまスーパーアリーナ)は意外(?)にもとても印象に残っています。

 ぶっちゃけ言うと、U2は大好き!というほどでもなく、久々の来日だから・・・、というお祭り的な感覚で見に行ったのですが、ステージ・セット、ボノの歌、バンドの演奏ほか全てにヤラれましたね。ホントすごかった。
 僕が見に行ったのは初日だったのですが、その凄さが評判を呼んだようで最終日は当日券も売り切れ、盛り上がりも最高潮、序盤にすでにやっていた大ヒット曲「ヴァーティゴ」を、なんとアンコールでボノが「もう一回やるぜ!」と叫んで演奏するなど大成功だったようです。

 さて、このベスト盤(『シングルズ』 UICI-1051 \2,500)はその来日公演前に発売されたものですが、新曲も2曲収録。そのうちの1曲がこのグリーン・デイとのコラボ・ナンバー。
 新曲と書いてしまいましたが、実は70〜80年代に活動していたスコットランドのパンク・バンド、スキッズ(Skids)というグループのカヴァーで、ボノのかっこいいヴォーカルとグリーン・デイの疾走感がうまくかみ合った楽曲。2006年10月にアビー・ロード・スタジオで録音したスタジオ・ヴァージョンが収録されています。

 でもこの曲の一番の“キモ”は、レッチリなどを手掛けている名プロデューサー、リック・ルービンがプロデュースを担当している、という点でしょう。U2の次のアルバムも彼がプロデュースする、という噂がすでにあるので、ちょっと気が早いのですがとても楽しみです。森 陽馬

2007年1月12日(金) 遠藤 賢司&ヴァレンタイン・ブルー 「夜汽車のブルース」

 1月13日は遠藤賢司・60歳の誕生日♪ということで、ものすごいBOXセットが発売になりました。(『遠藤賢司実況録音大全[第一巻]1968-1976』 完全限定盤 FJ-5 \15,750) 大きなLP型BOXになんと!9枚組CD+DVD!内容も濃い〜ライヴ音源がギッシリ収録されています。

 どのレア音源もエンケン・ファン垂涎ですが、はっぴいえんど・ファンも大注目なのがDisc.2に収録されているヴァレンタイン・ブルー(はっぴいえんどと改名する前のバンド名)をバックに従えた69年10月のライヴ音源。なんとヴァレンタイン・ブルーとしての初ステージだったそうで、細野晴臣(B)、鈴木茂(G)、松本隆(Dr)、大瀧詠一(大正琴!)の若き4人によるバックの演奏は圧巻! イントロ部分、大正琴で「鉄道唱歌」を弾いているのが大瀧さんなのだそうです!

 この頃の「夜汽車のブルース」は鈴木茂が最初はアンプの裏に待機していて、間奏になるとステージに現れソロを弾きまくる、という演出だったそうなのですが、とても当時17歳(!)とは思えないような弾きっぷりが荒々しくもかっこいいライヴ!細野さんのベース音の大きさもハンパじゃないです。

 岡林信康との当時の対談や貴重な資料が掲載された愛情あふれるブックレットも秀逸、これも必見です。森 陽馬

2007年1月13日(土) The Persuaders 「Thin Line Between Love And Hate」

 音楽業界ではその年ごとに“メーカーの当たり年”というか流れが必ずあって、昨年2006年は完全に<ワーナー・ミュージック1人勝ち>といった印象でした。
 コブクロのベスト盤ミリオン突破を筆頭に、ボニー・ピンクのブレイク、新人の絢香も大ヒット、洋楽部門ではジェイムス・プラント「ユア・ビューティフル」、ダニエル・パウター「バット・デイ」、その2大ヒット曲を収録したコンピ『ビューティフル・ソングス』がまた大ヒット!・・・などなど売れた新譜はどれもワーナーだった、という印象です。

 そのワーナーの勢いは新譜だけでなく再発部門でも顕著で、廃盤・生産中止になっていたソウル定番名盤が昨年末に1,500円という価格で一挙再発。アレサ・フランクリン、レイ・チャールズだけでなく、こういうパースエイダーズのようなグループの作品もCD化されるのはうれしいですね。

 パースエイダーズはニューヨーク出身の黒人4人組、1970年代に活躍したコーラス主体のソウル・グループ。これは1972年に発表した1stアルバム(『Thin Line Between Love And Hate』 完全限定 WPCR-25222 \1,500)ですが、タイトル曲でもあるこの今日の1曲は当時R&Bチャート1位を獲得。クリッシー・ハインド率いるロック・グループ、プリテンダーズが1984年発表3rdアルバムでこの曲をカヴァーしているヴァージョンも有名です。

 ちなみに今月24日には、名盤再発シリーズ第2弾として、ダニー・ハサウェイ、ビギニング・オブ・ジ・エンド(!)、ブルー・マジック(!)なども1,500円といううれしい価格で再発予定。デジタル・リマスターもされているので、限定ではなく半永久的にカタログとして残してほしいところです。森 陽馬

2007年1月14日(日) Linda Ronstadt 「Adios」

 昨年は新旧洋邦問わず、私が今まであまり聴いたことがなかった女性シンガーの曲を数多く聴く機会がありました。新しいフェイヴァリット・アーティストもたくさんできましたが、今年は様々なミュージシャンと繋がりを持つ彼女<リンダ・ロンシュタット>の作品を特に色々と聴いてみたいと思っています。

 このアルバム『Cry Like A Rainstorm』(Elektra 60872)を店頭で聴いたのは実はつい先日です。60年代から活躍している彼女の長いキャリアの中でも1989年発表と後期の作品になりますが、彼女の表現力豊かで堂々とした歌を聴いて、素晴らしいシンガーだと思いました。

 やはり特筆すべきは、ブライアン・ウィルソンがアレンジ&コーラスで一曲参加した「Adios」(スペイン語で“さよなら”の意)。ジミー・ウェッブ作の別れの曲ではありますが、ブライアンの優しいコーラスとしっとりと歌い上げる彼女の歌にただただ癒されます。

 他にアーロン・ネヴィルとのデュエットが数曲と、バリーマン、カーラ・ボノフ、ポール・キャラック、エリック・カズ等のカバーが収められています。私にはまだまだ馴染みの無い人達ではありますが、彼女が選び歌った曲はどれも良い曲ばかりです。東尾 沙紀

2007年1月15日(月) 雪村いづみ+キャラメルママ 「銀座カンカン娘」

 毎週月曜の夜、NHK BSで始まった“蔵出しエンターテイメント ビッグショー”。これが実に面白かった。

 「ビッグショー」は1974年から79年までやっていた歌謡番組。その中でも好評だった回を再放送していく番組ですが、今日やっていたのは服部良一メロディーの特集。服部良一本人も出演し、ゆかりのアーティスト(淡谷のり子、ダークダックス、高峰三枝子など)が服部良一作の曲を歌っていく、という構成で、70年代の古き良き音楽番組の風情がなんともいえず良かったです。

 特に目を惹いたのは雪村いづみの登場のとき。なんとバックはキャラメルママ(細野晴臣、鈴木茂、松任谷正隆、林立夫)。番組最後の字幕にも出ていましたが、ティンパン・アレーではなくキャラメルママと名乗っていたときのようです。カメラワークは歌っている雪村いづみのアップが中心だったので、キャラメルママの面々は彼女の影に隠れて地味に小さくしか写りませんでしたが、キャラメルママとしてもテレビ出演していたのですね。

 ちなみにこの今日のこの1曲は、服部良一メロディーを歌うというコンセプトのもと1974年に発表された雪村いづみの名作アルバム『スーパー・ジェネレイション』(COCA-12155 \1,529)に収録。この曲以外にも「東京ブギウギ」、「蘇州夜曲」、「昔のあなた」などイイ曲ばかりです。森 陽馬

2007年1月16日(火) ハンバート・ハンバート 「ブラザー軒」

 昨年2006年リリースされたハンバート・ハンバートの名作5thアルバム『道はつづく』(MDCL-1475 \3,150)発売から約半年、そのアルバムからの後発シングル・カットとなる「おかえりなさい」(MDCS-1063 \1,050)が本日発売になりました。

 アルバム発売前に先行シングルが発売されるのが日常となった現代において、アルバムが発売になった後にシングル・カットされるのは珍しいのですが、この曲は本当にイイですね。普段のハンバート・ハンバートは女性の佐藤遊穂さんがメイン・ヴォーカルなのですが、この曲は男性の佐藤良成さんがリードを歌います。もちろん清らかな遊穂さんの歌声もハンバートの魅力ですが、朴訥とした良成さんの歌声も味があって僕は大好き。

 ちなみに2曲目、3曲目はアルバム未収録曲で、2曲目には高田渡のカヴァー「ブラザー軒」が収録。菅原克己という詩人家の詩に高田渡が曲を付けた1曲で、昨年発売された高田渡/漣のライヴCDにも収録されていましたね。ハンバート・ハンバートのカヴァーもシンプルでとても良いです。森 陽馬

2007年1月17日(水) John Lennon 「New York City」

今、うちの店内ではブライアンとジョン・レノンとポールが並んでいます!
   

 画像ではわかりにくいですね。ジョン・レノンのフィギュアが入荷したのですが、結構大きくて約50cm、なんと電池を入れるとしゃべるらしいです。(ちなみにお値段は7,140円) 個人的にはジョージ・ハリスンのバングラディッシュ・コンサート時モデルのフィギュア、とか出たら欲しくなっちゃうかも・・・。

 「New York City」は、ニューヨークに住むようになっていたジョン・レノン&オノ・ヨーコが1972年に発表したアルバム『Sometime In New York City』に収録。(ジャケットはベスト盤 TOCP-67782 \3,500)

 ちなみにジョン・レノン関連では来週24日に、ジョン&ヨーコのヌード・ジャケットで有名な超問題作『Two Virsins』がオリジナル・ジャケットを忠実に再現した限定紙ジャケット仕様で発売予定。他にもオノ・ヨーコのソロが各種限定紙ジャケで再発されます。森 陽馬

2007年1月18日(木) Cliff Richard & Matt Monro 「Let There Be Love」

 クリフ・リチャードがまた来日してくれます。
 2月18日横浜みなとみらいにあるパシフィコ横浜で今回も1回のみの公演。みなさんお見逃しなく。

 というわけで来日記念盤が出ました。
 1960年代に出たLPを紙ジャケCD化したのが3枚と、新作の計4枚。ニュー・アルバムは『デュエット・アルバム』です。(TOCP-70173 \2,500)
 バリー・ギブ、フィル・エヴァリー、ディオンヌ・ワーウィック、ルル、オリヴィア・ニュートン・ジョン、ハンク・マーヴィンなどとのコラボレーションによる新録、既存曲とりまぜて、まとめて聴けるのはありがたいです。

 全14曲の中から懐かしい名前を見つけました。“マット・モンロー”。

 「ロシアより愛をこめて」、「ウォーク・アウェイ」などでの素晴らしい歌声を思い出します。(彼は1980年代にすでに亡くなっています。) 曲は1940年ぐらいに作られた古いスタンダードで、アニー・ロス、ペギー・リー、パティ・ペイジ、ナット・キング・コール、なども歌っています。マット・モンローのCD、日本で出してくれないかなぁ・・・。森 勉

2007年1月19日(金) The Eddie Roberts Quintet
「Giorgios Brother (chillo e nu buono guaglione)」

 聴いた瞬間、ビビッ!とくるくらい久々に胸躍ったクールなNew Jazzナンバー!

 エディー・ロバーツは以前このコーナーでも何度か紹介しているUK新世代Jazz Funkグループ、ニュー・マスターサウンズのリーダー兼ギタリスト。その彼のソロ名義となるオリジナル2作目(ライヴ盤を入れると3作目)が発売になりました。(『TRENTA』 PCD-23847 \2,415)

 ニュー・マスターサウンズと比べて彼のソロ名義作は今までもモダンなJAZZ色が強かったのですが、今作はイタリアのシンガー・ソングライターの作品を取り上げ、更にその楽曲の魅力を新しいNew Jazz的な感覚で昇華させた最高にクールな仕上がりの1枚。

 特にPino Daniele(ピーノ・ダニエレ)の曲をボッサ・ビート的なノリでアレンジし、グルーヴィーな演奏でカヴァーした1曲目「Giorgios Brother」は出色の出来。新世代ジャズ・ファンはもちろん、CLUB MUSICファンにもオススメ! 深夜車を運転しながら聴きたい1曲です。森 陽馬

2007年1月20日(土) レイモンド・コンデとゲイ・セプテット 「Nature Boy」

 お客様から良いCDを紹介していただいたことは本当に数多いのですが、今日紹介するこの作品も日本ジャズにお詳しいお客様から教えていただいた素晴らしい1枚。

 “ゲイ・セプテット”は1950年代を通じて、レイモンド・コンデ(クラリネット&ヴォーカル)とフランシスコ・キーコ(ピアノ)という二人のフィリピン出身ジャズメンを中心としたジャズ・コンボ。
 これは1959年の現役時代と1982年再会セッションを1枚にまとめ、更に当時の作品には収録されなかった貴重なテイクなど収録した全20曲入のCD(JXCP-1014 \2,520 解説:瀬川昌久)。

 もうこれがとにかく至福の1枚で、毎日夜になると聴いています。レイモンド・コンデさんのちょっとヘタ?な英語による温か味のある歌声とクラリネットの音色、決してでしゃばらないゲイ・セプテットによる見事な演奏は、聴くほどに心が清らかに洗われる思いです。

 今日のこの1曲「ネイチュア・ボーイ」、オリジナルは1940年代後半(!)にナット・キング・コールが歌っていることで有名な1曲。今回のこのCDには1959年に録音したヴァージョンと1982年に再演したヴァージョンの2種類が収録されています。約23年の時を経た味わい深い二つの「ネイチュア・ボーイ」を是非聴き比べてお楽しみください。森 陽馬

2007年1月21日(日) Midlake 「Head Home」

 2ndアルバムにして日本デビューとなるノース・テキサス出身の5人組、ミッドレイク。(『The Trials Of VAN OCCUPANTHER』 V2CP-309 \2,520)

 音楽誌に「昔のバンドの未発表音源かと思った」という記事を目にしましたが聴いて納得。昨年出た新作なのですが、ギター・ソロや曲の随所に、彼等自身も公言している70年代アメリカン・ロックの影響が色濃く出ていて、聴いていると思わずニヤリとしてしまう瞬間があります。

 最近のバンドではあまり聴かれない美しいコーラスを多用していてそれが最大の聴き所! 歌詞は「狩」「村人」等、昔のおとぎ話を読んでいるような、ジャケット同様なんとも不思議な世界観があります。叙情的なメロディの曲が多く、イギリス等のバンド独特の暗い雰囲気をも持ち合わせています。

 「現代の“それっぽい音”を聴くなら、70's当時のオリジナルそのものを聴いた方がいいじゃないか」、と思われる方もいるかもしれませんが、楽曲もオリジナリティに溢れていて素晴らしいので興味のある方は是非是非チェックしてみて下さい。オススメです。東尾沙紀

2007年1月22日(月) ミスター・チルドレン 「Another Mind」

 地下化工事が始まって以降は小山台高校側のみに限定されていた武蔵小山駅の地上出口。先日20日やっと商店街側に階段&エスカレーターが開設されました。

 この階段&エスカレーターができたことによって人の流れが激変。商店街側へ向かう場合、実質は数十メートル及び数十秒しか距離的に変わらないはずなのですが、7:3くらいの割合で新しい地上出口を利用しているように感じます。実際、商店街側に位置する商店の方とお話した際、やっぱり人の流れと売上が全然違う、と新出口の開通にホッとした表情でした。

 以前森勉がコラム“フォト・ギャラリー〜武蔵小山編”でも書いていましたが、昔の駅出口&改札口が懐かしいですね。ミスター・チルドレンのこの頃の曲を聴くと、好きな曲を選んでCDからカセット・テープにダビング、買ったばかりのウォークマンでお気に入りの曲を何度も繰り返し聴きながら電車に乗って学校に通っていた学生時代を思い出します。(ジャケットはミスチルの1993年発表名作アルバム『Versus』) 森 陽馬

2007年1月23日(火) スガシカオ 「あまい果実」

 スガシカオ、初のベスト盤が2枚組CDで発売されました。(AUCK-18014 \3,465)

 “ベスト盤”というと一般的にはデビュー曲から現在までの曲が時代順に収録されていることが多いのですが、このベスト盤はDisc.1の1曲目に21枚目となる最新シングル「午後のパレード」が収録され、それから曲順ごとに時代が遡っていく、という逆パターンの構成。(Disc.2の12曲目に97年発表1stシングル「ヒットチャートをかけぬけろ」が収録。その後の13曲目には新曲・初CD化となる「春夏秋冬」が収録されています。)

 CDの帯やポスターに“日本のキング・オブ・ファンク!”というキャッチコピーが書いてあるように<プリンス直系>のサウンドも魅力ではありますが、やはり彼の一番の魅力は彼にしか書けないその独特な感性による詞世界だと僕は思います。

 SMAPへ提供し大ヒットした「夜空ノムコウ」や切ない「AFFAIR」なども大好きな曲ですが、99年に発表されブレイクのきっかけになったといっても過言ではない「あまい果実」は特に印象的。実らない恋愛・愛している女性への満たされない想いを“あまい果実”に例えた歌詞は“シカオ”色タップリです。森 陽馬

2007年1月24日(水) Blue King Brown 「Water」 

“シェリル・クロウがフェミ・クティのバック・バンドの演奏で歌っている雰囲気”
この表現が適切かどうかはわかりませんが、最初聴いた時はそう感じました。

“ブルー・キング・ブラウン”はオーストラリア・メルボルン発の5人組バンド。昨年末、タワー・レコードがこの作品の輸入盤をPUSHしていましたが、ボーナス・トラック追加収録+プロモーションVIDEOをエンハンスドで収録、更に1,980円というお買得な値段で国内盤が本日めでたく発売されました。(『STAND UP』 VAAA-1 \1,980)

 バンドの中心人物である女性ヴォーカルのナタリー・パーパーが自らのルーツにフェラ・クティを挙げているように、ファンキー&グルーヴィーなサウンドの中にもアフリカ的なビートの唸りが効いていて、彼女の個性あるヴォーカルと相まって聴いているとグイグイ引き付けられます。

 ベン・ハーパーやフェミ・クティ、はたまたジャム・バンド好きの方にもオススメのバンドです。森 陽馬

2007年1月25日(木) ロイ・オービソン 「カム・バック・トゥ・ミー」

 1964年は僕の音楽生活において最も重要な年のひとつです。

 自分で初めてシングル盤、LPレコードを買ったのも1964年でした。
 英会話の勉強と称してテープ・レコーダーを買ってもらい、ラジオから流れてくる音楽にくる日もくる日も夢中になったのも1964年。今、考えるとこの1年はとてつもなく長いものだったような気がします。

 1964年に聴いた曲で特に印象に残っているのが、ロイ・オービソンの「カム・バック・トゥ・ミー」です。
♪ボンボンボン・ダ・ディ・ダー♪のイントロから美しいエンディングまで完璧な2分25秒。当時は1960年に録音され、日本だけでシングル化されたなんて全く知りませんでした。本当にいい曲なので、日本のレコード会社の担当者に今感謝したい気持ちになります。

 途中で出てくるなんともいい音色のサックスは「ヤケティ・サックス」のヒットを1963年に放ったブーツ・ランドルフによるものです。森 勉

★ジャケットは彼のデビュー・アルバム『シングス・ロンリー・アンド・ブルー』(MHCP-1185 リマスター&ボーナス・トラック収録 \1,785)

2007年1月26日(金) The Impressions 「People Get Ready」

 名俳優ロバート・デニーロが監督・主演し1990年代前半に制作された映画『ブロンクス物語』。興行的にはヒットに至りませんでしたが、その映画内ではデニーロ本人のフェイヴァリット・ナンバーがたくさん使われていて、音楽が非常に効果的に使われています。その中でも特に、この曲「People Get Ready」が劇中にかかったのが印象に強く残っています。

 名黒人ミュージシャン、故カーティス・メイフィールド作による名曲中の名曲。1960年代にカーティスが在籍していたコーラス・グループ、インプレッションズが65年発表した名作アルバム『People Get Ready』に収録。(限定紙ジャケット&2006年24bitリマスターで再発されました。 UICY-93196 \2,548)

 カーティスのメイン・ヴォーカル、二人のコーラス、そして、中間部分で聴けるカーティス自身によるギター・ソロ(超短いのですがコレがイイッ!)、どれもがやさしいぬくもりにあふれていて何時聴いても心温まります。

 ちなみに小坂忠さんが2001年発表アルバム『People』(細野晴臣プロデュース作!ESCL-2267 \3,059)にて、この曲を日本語でカヴァーしているヴァージョンも大好きです。森 陽馬

2007年1月27日(土) Kangaroo 「Such A Long Long Time」 

 ここ最近は“今日のこの1曲”コーナー以外の更新が滞ってしまっていて申し訳ございません。もっとコンテンツを充実させたいな、とはずっと思っているのですが、のんびり&マッタリしすぎですね。スミマセン。

 でもおかげさまで新店舗ビルも竣工間近。現在内装工事の打ち合わせなどをやっており、その内装工事を2月〜3月初旬に行ない、3月15日前後に新店舗オープン・・・、という予定です。
 新店舗オープン日などの詳細が決まりましたら、こちらのHPでも告知いたしますので、これからもよろしく御願い致します。

 “カンガルー”は、オーリアンズのジョン・ホール、女性シンガーのバーバラ・キースが60年代に在籍していたグループで、この作品は1968年に発表された彼等の唯一のアルバム。今までCDで出たことがありませんでしたが、UKのFALLOUTというインディー・レーベルからこのたび世界初CD化されました。

 オリジナルのアナログ盤は持っていなかったので僕も今回初めて聴きました。時代的にサイケ色が強いのかな、と思っていましたが予想よりもポップで聴きやすい1枚で、全12曲中8曲をジョン・ホールが作詞・作曲しています。いかにも“60年代の音”という感じでよいですね。森 陽馬

2007年1月28日(日) Paris Match 「I Want You To Want Me」 

 2006年発表作『after six』が好評だった女性1人&男性2人のユニット、パリス・マッチ。彼らの新作となる洋楽カバー・アルバム『OUR FAVOURITE POP』(VICL-62248 \3,045)が先日発売されました。

 既発音源も数曲含まれていますが、パリス・マッチのルーツともいえる選曲と都会的なアレンジ、ミズノマリさんのヴォーカルが色っぽく、大人のためのカバー・アルバムといった感じです。

 その中でも意外な選曲だったのが、なんとチープ・トリック! 彼らの初期作1977年発表の2nd『In Color』(邦題:蒼ざめたハイウェイ)に収録されている軽いポップな曲ではありますが、パリス・マッチがカバーするともう全くの別物!アーバンな雰囲気漂うおしゃれなあま〜い歌へと大変身してしまいました。

 更に無視出来ないのが、『OUR FAVOURITE POP』というアルバム・タイトルとジャケット。スタイル・カウンシルの2nd『OUR FAVOURITE SHOP』のパロディになっています。中のメンバーの写真もそれっぽく撮られていて、細かなこだわりを感じました。ちなみにスタ・カンのカバー曲は収録されていません。東尾沙紀

2007年1月29日(月) Rickie Lee Jones 「Sailor Song」

 来週2月7日に新作が発売予定のリッキー・リー・ジョーンズ。それに合わせて3月には来日公演も決まっていたのですが、先程チェックしたら日中止になってました。
 たしか数年前のフジ・ロックにもラインナップされた後、来日中止になった経緯があったと思うのですが・・・。うーん、彼女らしいといえばそれまでですが、なかなか難しいのですね。

 さて、そんな彼女の2003年発表の前作『The Evening Of My Best Day』(V2CP-167 \2,520)は、発売された時も非常に評判が良かったアルバムでしたが、今でも個人的に時々聴いているフェイヴァリットな1枚です。

 1979年に名盤『浪漫』(邦題)でデビュー後、長年にわたってその独特な歌声と感性で多くのリスナーを魅了してきた彼女の音楽的な才能が、未だ衰えていないことを実証してみせてくれた素晴らしい全12曲。ニール・ラーセン、ビル・フリーゼル、ベン・ハーパーなども参加。一聴すると「Jazzyなサウンドが心に沁みる」、と思いきや歌詞の内容は反ブッシュ&戦争を打ち出したプロテストなもので、そのアンバランスさがいかにも彼女らしい“静寂”と“刺激”が同居した名作。

 その中にあって、スピリチュアルかつ深遠な世界が描かれたこの曲「Sailor Song」は特に好きなナンバーです。森 陽馬

2007年1月30日(火) IRON & WINE 「Fever Dream」

 “アイアン&ワイン”、日本語に訳すと“鉄と葡萄酒”。
 不思議な名前を持つこのグループは、サウスキャロライナ出身で現在はマイアミ在住の男性シンガー・ソングライター、サム・ビームによるソロ・ユニット。

 全体的にアコースティック・ギター/バンジョーなどの弾き語りスタイルで、一聴するだけでは地味な印象ですが、エリオット・スミスのアコースティック・ナンバーによりアメリカン・ルーツ的な叙情性を加味したような雰囲気なので、新世代シンガー・ソングライター好きの方にはオススメの1枚。

 2004年発表の2ndアルバム『Our Endless Numbered Days』にボーナス・トラックを追加収録した国内盤が解説・歌詞・対訳付きで先日発売(PCD-23868 \2,415)されましたので、シンガー・ソングライター・ファンは名前だけでもチェックしておいてください。 森 陽馬

2007年1月31日(水) Fleetwood Mac 「Need Your Love Tonight」 

 フリートウッド・マックというバンドは実に不思議なバンドですね。

 活動していた時代で全く違った印象があるからです。
 ドラマーのミック・フリートウッドとベーシストのジョン・マクヴィー以外はどんどんメンバーが変化し、別のグループ名にした方がわかりやすいのでは?と思ってしまいます。

 1970年代中期以降のスティーヴィー・ニックス、リンジー・バッキンガム、クリスティーン・マクヴィーが在籍している“大ヒットイヤーズ”も好きですが、初期のブルース時代のノリノリ感がたまりません。

 チョーキングでせめるピーター・グリーン、かき鳴らしタイプのジェレミー・スペンサーと雰囲気の違うギターがシビレます。

 LPレコードの時はB面1曲目だったジェレミー・スペンサー作のこの曲。「エルモア・ジェイムスのまんまじゃん」なんて野暮なこと言うのはよして、今宵ホワイト・ブルースで身も心もホットに。(ジャケットは『ミスター・ワンダフル』 MHCP-867 \1,890) 森 勉



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