PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2007月12月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2007年12月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。

廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。


<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2007年12月1日(土) akiko 「サンタが街にやってくる」

 今年発売になった新録クリスマス作品の中で好評なのが、日本人ジャズ・シンガーakikoによるクリスマス・アルバム『a white album」(UCCJ-9088 \2,500)。

 ピチカートの小西康陽さんがプロデュースを手掛けていて、クリスマスの定番曲を大胆にアレンジ!
 ビッグ・バンドが入ったアレンジの楽曲、ジャジーにしっとり聴かせるナンバー、CLUB MUSIC的アプローチの斬新な「ジングル・ベル・ロック」から、更には、日本の名SKAバンド、スカ・フレイムスをfeatして“SKAクリスマス”な「ウインター・ワンダーランド」(これ聴きもの!)などなど、キュート&クールな1枚に仕上がっています。

 ゆったり過ごすクリスマスもいいけど、スタイリッシュにオシャレにクリスマスを楽しみたい、という方に今年オススメのX'masアルバム。ちなみに初回限定盤は紙ジャケットを開くと、もみの木のペーパークラフトが飛び出す仕様になっていてとても凝っています。プレゼントにもいいかも。森 陽馬

2007年12月2日(日) Albert King 「Santa Claus Wants Some Lovin'」 

 一昨日のこのコーナーで、今年は超大物のクリスマス・アルバムが少ない、ということを書きましたが、そのかわり再発に関しては充実しているといえるでしょう。(12月5日にはフィル・スペクターの名作クリスマス・アルバムが国内盤で発売になりますしね)

 その中でもソウル・ファンにオススメしたいのが、この1枚『クリスマス・イン・ソウルヴィル』(UCCO-2005 \2,300)。
 もともとはLP時代の1982年に『it's Christmas Time Again』というタイトルで発売されていた作品ですが、これに未発表テイクなどのボーナス・トラックを3曲追加収録し、デジタル・リマスターされこの度タイトルを変えてCD化されました。

 モータウンと並ぶソウルの名門レーベル、“スタックス”の黒人ミュージシャンによるクリスマス・ソングを集めたコンピで、オーティス・レディング、ステイプル・シンガーズ、ブッカーT&MG's、ルーファス・トーマスなどの楽曲が収録されていますが、特に渋くてオススメなのが、ブルース・ギタリスト、アルバート・キングによるクリスマス・ソング2曲。

 クリスマス的なきらびやかな雰囲気や派手さは皆無ですが、アルバートらしい黒いアーシーなギターが最高! 後半からラストにフェイドアウトするまでのギターソロが沁みます。森 陽馬

2007年12月3日(月) レノン・シスターズ 「エヴリシング・ザット・タッチズ・ユー」

 レノン・シスターズは1957年レコード・レビューの4人姉妹。アメリカのテレビショーなどに出演して人気があったようです。
 個人的には、1964年頃、日本でラジオで流れていた「花はどこへ行った」を歌っていた彼女たちしか知りませんでした。こんなアルバムも出ていたんですね。

 1968年発表のミドル60's名曲カヴァー集『トゥデイ!』(UCCU-3076 \2,000)。選曲がいいです。
 フランキー・ヴァリ「君の瞳に恋してる」、ストーン・ポニーズ(リンダ・ロンシュタット)「ディファレント・ドラム」、ヴィッキー・カー「イット・マスト・ビー・ヒム」、レモン・パイパーズ「グリーン・タンバリン」、ママス&パパス「夢のカリフォルニア」、ボブ・リンド「夢の蝶々」などがナイス・カヴァーされています。

 プロデューサーがスナッフ・ギャレット、アレンジャーはアル・キャップスと、ゲイリー・ルイス&プレイボーイズを手掛けた二人が職人技を披露しています。

 今日のこの1曲はアソシエイション、1968年のヒット。個人的には彼らの曲の中で最も好きな1曲なのです。ビート感はオリジナルに負けますが、ハーモニーはさすがに姉妹。美しいコーラスです。
 それにしても、こんな珍しいアルバムをよくCD化してくれましたね。監修の大江田信さん、松永良平さん、ありがとう! 森 勉

2007年12月4日(火) James Taylor 「You've Got A Friend」

 ジェイムス・テイラーの新作となるDVD付のライヴ・アルバム『ワン・マン・バンド』(UCCO-3003 \3,600)が発売。

 この作品のリリースを知った時は正直言って、「ライヴ盤は以前にも出ているし、ほぼソロでやっているライヴだからなあ・・・。どちらかといえばバンド形式の方が好きだし・・・」と思っていて、実際入荷してCDを聴いていたときもそういう思いがしたのですが、付属のDVDを見て改心&納得! JTがこの作品を出した意味がやっとわかった気がしました。

 DVDにはCDと同内容の曲が収録されているのですが、CDでは省かれている1曲1曲のMCまでちゃんと入っていて(もちろん国内盤は字幕付)、それだけでなく、このライヴ盤がマサチューセッツ州のコロニアル・シアターという場所で録音された意義が実感できるプロローグも素晴らしいものでした。
 音(CD)だけでは伝わりにくいF「Slap Leather」などの演出もDVDで見るとより楽しめるはず。(この曲の演出詳細は実際にDVDを御覧になってみてくださいね)

 ちなみに今日の1曲には、先月キャロル・キングが日本で歌ってくれたこのナンバーを。
 この曲のMCも興味深くて、コーラスで参加しているジョニ・ミッチェルとは当時・・・、ということも話しています。森 陽馬

2007年12月5日(水) The Fascinations 「Rock The Casbah」

 様々な強力新譜が12月5日発売でリリース。(B'z新作、桑田佳祐シングル、エリック・クラプトン新ベストフィル・スペクターX'masアルバム国内盤再発など)

 その中で個人的にイチ押しなのがこの1枚!
日本人ヴィブラフォン奏者、渡辺雅美率いるジャズ・グループ“ファシネイションズ”の新作4thアルバム『クワイエット・ダンス』(HCCD-9524 \2,625)。

 2006年11月に発売された前作『カラー・コード』(HCCD-9516 \2,625)も素晴らしい内容で、当店でも大推薦していた作品でしたが、この新作も期待を裏切らない超ハイセンスな出来♪

 どの曲もかっこいいのですが、ロンドン・パンクの名バンド、クラッシュで有名な「Rock The Casbah」の激クールなカヴァーにはヤラれてしまいました。スローな立ち上がりから50秒くらいでテンポアップする瞬間は鳥肌もので、スタイリッシュ&ジャジーな演奏とウィスパー系女性ヴォーカルの絡みが、この名曲に新しい息吹を吹き込んでいます。

 一昔前までは一般的にも洋楽至上主義的な風潮がありましたが、こういう素晴らしい作品を聴くと、かえって日本の音楽・ミュージシャンの方がレベルが高いのでは、と思うのです。
 ヴィブラフォン好きな方はもちろん、CLUB JAZZ好きの方からオシャレな1枚をお探しの方にもオススメのアルバムです。森 陽馬

2007年12月6日(木) Ray Davies 「No One Listen」

 キンクスのレイ・デイヴィス、約一年半ぶりのソロ新作『Working Man's Cafe』(V2CP-348 \2,520)、聴けば聴くほど、とってもいいアルバムです。
 
 現在はニューオリンズに住まいを移し、ロンドンとを行き来しているそうで、今作はナッシュヴィルで地元ミュージシャンと録音...もしかしてもの凄く地味な作品になるのかな?なんて予想していましたが、前作よりもテンポのいい曲が増え、肩の力が程よく抜けて、演奏も歌も非常に若々しいなという印象を受けました。
 
 その中でも気になった曲が、『No One Listen』という曲です。
 ジャッ,ジャッ,ジャッ,ジャッという歯切れのいいイントロのギター、バックで鳴るオルガン、中盤のギターソロがとてもかっこいい一曲です!

 昔からファンという訳ではないので、「往年の彼を彷彿とさせる〜」なんて事は書けませんし、やはりそういうところに反応したか...なんて言われそうですが、ただこういう曲が入ってるというのが、単純にかっこいいし、嬉しいなと思いました。東尾沙紀

2007年12月7日(金) ダーレン・ラヴ 「ウインター・ワンダーランド」

 数あるクリスマス・アルバムの中でも一番好きなアルバムは、フィル・スペクターがプロデュースした1963年録音の『ア・クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター』(通称、フィル・スペクターのクリスマス・アルバム)です。

 ビーチ・ボーイズやヴェンチャーズのクリスマス・アルバムも大好きなのですが、1枚だけと言われた場合はこれを選びます。なんといっても、スペクターらしさがタップリ詰め込まれているサウンドにノックアウトされてしまいますし、クリスマスのスタンダード曲(1曲だけこのアルバムのために作られたオリジナルあり)をこれでもか、というくらいにスペクター色に染め上げたことに感動してしまうのです。

 全曲傑作なのでどの曲を取り上げるか迷ったのですが、アレンジが特に気に入っている「ウインター・ワンダーランド」に。
 この曲の数多くあるカヴァーの中でも個性的でありながら、原曲の良さが活き、かつクリスマス時期のワクワク感が伝わってくる雰囲気がサウンドで表現されているのが凄いところだと思います。ダーレン・ラヴのヴォーカルもいつもよりホットさが感じられます。特にエンディング2分経過以降が僕のお気に入りです。

 今回は久し振りに日本盤(UICY-93398 完全限定 \2,700)としての発売。コーティングを施した紙ジャケットの手ざわりもいいし、土橋一夫さんによる解説、歌詞・対訳付もうれしい材料です。森 勉

2007年12月8日(土) りんごの子守唄(湯川潮音、土岐麻子ほか) 「Happy Xmas (War Is Over)」

 ジョン・レノン27回目の命日、そして映画『PEACE VS BED アメリカVSジョン・レノン』が本日から劇場公開ということもあり、朝からテレビやラジオではジョンの曲が多くかかっていましたね。
 ありきたりでつまらない仮説になってしまうのですが、もしジョンが生きていたら、いまだ戦争が終わらないこの世の中でどのような活動をしていたのだろうか、と思いを馳せてしまいます。

 ジョンの各種アルバムも限定紙ジャケで先日発売になりましたが、もうすでに音はLPやCDなどでお持ちの方が多いと思うので、そういうビートルズ・ファンにオススメしたいのはこのアルバム『りんごの子守唄 白盤』(VACM-1330 \2,940)。

 ビートルズの楽曲を子守唄的なアレンジで日本人がカヴァーした好評シリーズの第3弾。“赤盤”が女性ヴォーカルで“青盤”は男性ヴォーカルによるカヴァーだったのですが、今回の“白盤”は男女混声デュエットによるカヴァー。それもビートルズ解散後の各メンバーによる楽曲、というところがミソなのです。

 アン・サリー+細野晴臣による「Love」、ハナレグミ+原田郁子による「Oh My Love」ほか、土岐麻子+YO-KING、湯川潮音+曽我部恵一など、どの曲も注目のコラボで、鈴木惣一郎さんプロデュースにより全体的にもいい雰囲気なのですが、アルバムのラストが「Happy Xmas (War Is Over)」というのが意義深いですね。このアルバムに参加しているミュージシャンがほぼオールキャストで参加して、一節ずつメイン・ヴォーカル&コーラスを取り合って歌い継いでいます。森 陽馬

2007年12月9日(日) 細野 晴臣 「POM POM JOKI」

 “細野晴臣&ワールドシャイネスLIVE in 横浜サムズアップ”。奇跡的に抽選で当選し、仕事をほっぽって見てまいりました。

 前座(ZYDECO KICKS)終了後、20時45分頃から22時15分まで約1時間半。9月に発売された新作『FLYING SAUCER 1947』(VICL-62534 \3,045)に収録されている曲を中心に、まさに至福のライヴ。今年の運全てを使った(?)甲斐あり、心地良く堪能することができました。

 楽曲同様ゆるやかな雰囲気で進行していましたが、終盤に演奏されたこの「ポンポン蒸気」でやや演奏が乱れてしまい、ラストも浜口茂外也さんが少しミスってしまったためバタバタとした終わり方に・・・。そのため、細野さん自ら進言して、「テンポを上げてもう1回!」ということになり、テンポアップした緊張感あるかっこいい「ポンポン蒸気 Part.2」も続けて聴くことができました。

 細野さんはMCで、来年もこのメンバーで活動を、ということをおっしゃってましたので、ライヴ・ツアーもありそうな感じです。還暦を過ぎたもののまだまだ元気な細野さん、来年の活動も楽しみですね。森 陽馬

2007年12月10日(月) Calm (feat 中納良恵) 「Sunday Sun」

 業界的に暗い話題になってしまいますが、CISCOレコードが全店舗閉

 個人的にはロックも多く扱っていた10年以上前に渋谷店、新宿アルタ店へよく行っていました。CLUB MUSIC専門に特化するようになった最近はほとんど店にも寄らなくなってしまいましたが、その10年前よりもずっとCLUB MUSICが市民権を得た現在になって閉店、というのも時代の流れなのでしょうか。

 さて、この今日紹介するCalm(グループ名ではなく、日本人エレクトロニカ/音楽クリエイターの一人ユニット名)の新作は、CLUB MUSICという範疇を越えて素晴らしい1枚。
 別名義でハウス的なユニットも出していたりしますが、このアルバムは“Calm”名義としては4年ぶりとなる新作アルバムです。(『Blue Planet』 MUCOCD-18 \2,835)

 ジャケット及びアルバム・タイトル『Blue Planet』通り、アルバム全体が自然と都市をコンセプトにした作りになっており、音の方も生楽器とエレクトロニカが心地良く融合。静かな自然音なども加わったチルアウト・サウンドは、やさしい音響作品としても楽しめます。

 10曲目に収録されている「Sunday Sun」ではエゴラッピンの中納良恵がヴォーカル参加。彼女の歌声とスピリチュアルな日本語詞がやさしく美しく語りかけてくれる1曲です。森 陽馬

2007年12月11日(火) ウルフルズ 「四人」

 ウルフルズがワーナーに移籍して第一弾となるフル・アルバム『KEEP ON, MOVE ON』(WPCL-10504 \3,150)をリリース。
 移籍はしましたが、伊藤銀次プロデュース、及びウルフルズ本来のソウルフルなロック精神は変わらず健在で、アルバム全曲聴きやすいウルフルズ・サウンド。充実の1枚に仕上がっています。(ボニー・ピンクがコーラスで参加していたり、上原ユカリさんも参加しています。)

 ただビックリ(!?)したのが、アルバム最後に収録されているこの曲「四人」。お聴きになっていただければわかると思うのですが、ボビー・ヘブの「サニー」にそっくりな(というかほとんど同じ)曲なのです。
 歌の途中に、♪三人♪という歌詞も出てくるので、“サニー”とひっかけている部分もあるのかもしれませんね。

 ちなみにこの曲の歌詞は、ウルフルズの歴史がモチーフになっています。森 陽馬

2007年12月12日(水) Dreams Come True 「And I Love You」

 ドリカム吉田美和の内縁の夫であった末田健氏が今年9月に病気で死去。当分の間は活動休止、という噂もあったのですが、新作アルバム『And I Love You』(UPCH-20063 \3,059)が本日発売になりました。

 ジャケット/ブックレット裏には、<『AND I LOVE YOU』 IS DEDICATED TO TAKESHI "KEN" SUEDA - my dar'sue, sweetest sweetest person i've ever met. you'll live in my heart forever. you will> という言葉が記され、収録されている各曲も亡き夫へ向けたメッセージといえる歌詞が大半。
 非常にパーソナルな作品となっていますが、単なる“別れの歌”、“惜別”ではなく、“愛する人への愛”がひしひしと感じる作品で、心なしか原点へ帰ったかのようなシンプルな楽曲もその彼女の歌を暖かく包みこんでいます。

 特にアルバムラストに収録されているタイトル曲「And I Love You」では、♪この歌を人前で歌うことはないだろうけど 私情をみんなに聞かせて 申し訳ないけど♪、と前置きし、♪これからはひとりで乗り越えていかなきゃ それがほんとはいちばん心細い♪としながらも、決して後ろ向きではなく前向きなメッセージを亡き夫に捧げているのが印象的。心に響きます。

 ちなみに、シングルでもヒットしたA「ア・イ・シ・テ・ルのサイン 〜わたしたちの未来予想図〜」では、デヴィッド・T・ウォーカー、D「サヨナラ59ers!」ではアル・ディ・メオラが参加。流麗なギターを聴かせてくれます。森 陽馬

2007年12月13日(木) 矢野 顕子 「グリーンフィールズ」

 先日12月9日にわが母校、青山学院高等部で特別なコンサートが行われ、それに参加してきました。

 学校の様々なイヴェント<毎日の礼拝、始業式、終業式、卒業式、学園祭のコンサートや講演会など>で使われてきたPS講堂(“PS”は“ペット・サウンズ”の略ではないようですヨ)が近い将来取り壊されてしまうということで、その前に誰か高等部にゆかりのある人に出演してもらってライヴを ― という話になったらしいのです。

 そこで白羽の矢が立ったのが矢野顕子でした。

 僕が卒業した年にアッコちゃんは入学してきたので、残念ながら学校内で会ったことはなかったのですが、大学に入ってから噂は耳にしていました。
 「軽音楽部にピアノが凄くうまい女の子が入った」---友だちに軽音出身者がいたので情報は流れてきました。
 その数年後、彼女は矢野顕子としてアルバム『ジャパニーズ・ガール』を発表して現在に至るわけであります。

 さて、当日のコンサートですが、本当に素晴らしいピアノ弾き語りライヴでした。曲間のMCは、オリジナル曲コンサートで優勝した話や軽音楽部の話など高等部での生活の話題が多く、PS講堂のなんとも学生に戻ったような懐かしい雰囲気の中でコンサートを堪能できました。

 ということで当日後半の方で歌われた「グリーンフィールズ」。
 1984年の名作『オーエス・オーエス』(MDCL-1253 \2,957)に収録されています。今回のライヴは弾き語りでしたが、CDではカルロス・ヴェガ、ウィリー・ウィークス、大村憲司、坂本龍一、山下達郎などが参加。豪華な顔ぶれでの演奏です。森 勉

2007年12月14日(金) Boyz U Men 「Why Christmas」

 クリスマスが近づいてきましたが皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 渋谷や横浜などに出るといかにも“クリスマス”といった雰囲気になっていますが、武蔵小山は、というと商店街内に多少の飾りつけはあるものの、今ひとつ盛り上がっていない感じです。

 ここにきて武蔵小山商店街も老舗の閉店が相次いでいて、僕自身も子供時代によく買いに行っていたおもちゃ屋さんの「ささや」や、昔から営業していた「日光陶器」店も閉店。新しい店も出店しているのですが、携帯電話店やパチンコ店ばかりで、ちょっと味気ない商店が増えてきてしまっているのです。

 さて、余談が長くなってしまいましたが、クリスマス・アルバムで個人的に好きな1枚がボーイズUメンの1993年発表アルバム『レット・イット・スノウ』(UICY-1556 \1,835)。

 きらびやかなクリスマス、ではなくて、ムーディーながらも切ないクリスマスにピッタリ?のアルバムで、ボーイズUメンの全作品中でも最もコーラスが美しい印象。オリジナル曲が大半なのですが、甘く切ないメロディアスな楽曲が多くてオススメです。森 陽馬

2007年12月15日(土) Bruce Cockburn 「Cristmas Song」

 今年も色々な作品が再発されましたが、個人的にうれしかったのがカナダのシンガー・ソングライター、ブルース・コバーンの初期5作のリイシュー。

 彼の初期作はフォーク色が強いものが多いのですが、そのアコースティックな楽曲は単なるフォークとは違って、非常にリリカルに富んでいて叙情性豊かなのです。ギターのピッキングも美しく、彼の歌声とともに胸に沁みる音色なので、シンガー・ソングライター・ファンには絶対のオススメ♪ 今回の再発でリマスターもされたので、まだ聴いたことない方は是非チェックしてみてください。

 さて、その彼の作品の中では2ndアルバム『雪の世界』(AIRAC-1413 \2,730)というアルバムがジャケットの美しさも含め一番人気なのですが、最近へヴィー・ローテーションなのが74年発表となる5作目『塩と太陽と時』(AIRAC-1416 \2,730)。

 ほとんどの曲がバンド編成ではなくアコースティック・ギターのみの演奏で、シンプルではありますが、渋い彼の歌声と絶妙に調和してじんわりと沁みます。
 ちなみにラストに収録されているこの「クリスマス・ソング」はトラディショナルなものではなく、ブルース・コバーンによるオリジナル曲。一聴するだけだとクリスマス・ソングとは思えないのですが、それもある意味ブルース・コバーンらしいのかも。森 陽馬

2007年12月16日(日) リズ・ダモンズ・オリエント・エクスプレス 「1900 Yesterday」

 リード・ヴォーカルのリズ・ダモンを中心としたハワイ出身バンドの唯一のヒット曲がこれ。

 ♪ナインティーン・ハンドレッド・イエスタデー♪のコーラスが印象的な曲で、日本のラジオ局でも1971年頃「遠い初恋」という邦題が付けられよくオンエアーされていました。アメリカでもチャート33位とそれなりのヒットを記録しています。

 リズとエダのダモン姉妹を含め女性3人のヴォーカルと男性6人のバンド(ヴォーカルも担当)の9人組。当時はこういうクラブ・バンドが多かったんでしょうね。

 ベティ・エヴェレットが1969年にUNIレーベルから出したシングル曲のカヴァーで、残念ながらそちらは未聴なので比べることができないのですが、曲は本当にいい曲です。それにしてもこのアルバムが見開き紙ジャケット&リマスターで発売(リズ・ダモンとオリエント・エクスプレス『遠い初恋』 限定盤 AIRAC-1298 \2,730)されるなんて・・・。 森 勉

2007年12月17日(月) Karla Bonoff 「Home」

 先日横浜サムズ・アップで行なわれた東京ローカル・ホンクのライブを観に行きました。

 そこで一緒に出演していたのが、先日このコーナーで取り上げられたオムニバスCD『サニー・ロック』(SRCD-1001 \2,500)で細野晴臣さんの「ハリケーン・ドロシー」をそっくりにカバーしている(この日のライブでも演奏されました)キーボーディストのYANCYとSachiko&佐藤克彦の2組。
 
 3組中、何の前知識もなかったSachikoさんと佐藤克彦さんのお2人。
佐藤さんはトップバッターのYANCYさんのサポートでも登場し、スティール・ギターの本当に素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

 Sachikoさんのヴォーカルとアコースティックギターで聴かせる2人のライブは、日本語を交えたジョニ・ミッチェルの「Circle Game」の雰囲気あるカバーから、ゆったりとした時間が流れ、最後は、このカーラ・ボノフの「HOME」日本語カバーで終了となりました。今年初めて聴いて好きになった曲なのでとても印象に残りました。この日はSachikoさんは風邪で本調子ではなかったそうなのですが、それでもとてもキレイな歌声を披露していました。東尾沙紀

★掲載ジャケットは「Home」が収録されているカーラ・ボノフの1977年発表1stアルバム『カーラ・ボノフ』(SICP-1450 \1,890)。

2007年12月18日(火) Artie Traum 「Bonnie Jean」

 ウッドストック派の名兄弟デュオとして知られるハッピー&アーティー・トラウム、弟のアーティー・トラウムのソロ・アルバムが海外のインディー・レーベル、roaring stream recordsから発売。(『Thief Of Time』 RS-J07)

 はっきりいってそれほど期待していなかったのですが、聴いてみたらこれが凄くいいっ! アメリカン・ルーツロック好きの方にはもちろん、シンガー・ソングライター・ファンには是非ともオススメしたい素晴らしい作品でした。

 プロデュースは70'sから活動している女性シンガー・ソングライター、ウェンディ・ウォルドマンが担当。彼女とブリンドルというグループも組んでいるケニー・エドワーズや、リヴォン・ヘルムの娘であるエイミー・ヘルム、AORの名作をリリースしていることで知られるジム・フォトグロ、そしてジョン・セバスチャン等もスペシャル・ゲストとして参加しています。

 全曲アーティー・トラウムらしいフォーク・ルーツなギターが印象的ですが、暖かい彼の歌声もとても沁みます。楽曲も良いのですが、やはりウェンディ・ウォルドマンによるプロデュースがよいのでしょうか。唄とコーラス、そしてアコースティックなサウンドが見事に調和しています。

 ちなみに内ジャケットの写真は日本で撮られたものが使われているのですが、ある意味今の日本を象徴するような?シチュエーションのショットが掲載されています。森 陽馬

2007年12月19日(水) 空気公団 「休日」

 空気公団の新作『空気公団作品集』(BNCL-90 \3,000)が本日発売。
 約1年前2006年12月22日のこのコーナーでも取り上げたことがありましたが、良質な作品を数多く出しており、ある意味古き良き日本の言葉と70'sサウンドの良心を引き継いでいるユニットだと僕は思っています。

 この新作は、基本的には今まで発表した楽曲が中心ですが、それを全曲新たにレコーディング。新しいやさしい手触りのアレンジで仕上げられており、まだ空気公団をお持ちでない方にもオススメの1枚です。

 空気公団の魅力は、山崎ゆかりの無垢なヴォーカルによるところが大きいと思っていたのですが、この今日の1曲「休日」はインストゥルメンタル。(元々は彼女達の99年発表1stアルバムに収録されていてヴォーカルも入っていました) タイトル「休日」の雰囲気と彼女たちの音楽性が見事に描かれていて素敵な1曲です。
 ベース音がやたら強調されているなあ、と思ったら、クレジットを見るとそのベースを弾いているのが、クラムボンのミトだった、ということを知り妙に納得。ちなみにこの曲ではないのですが、ティンパンの名ドラマー林立夫さんも2曲参加しています。
 
 なお、来年1月5、6日に空気公団活動10周年を記念したイベント“空装”が開催される予定。
 これは単なるコンサートではなく、その彼等の音楽ライヴと並行して、荒井良二によるライヴ・ペインティング、更には「珍しいキノコ舞踊団」によるダンス・パフォーマンスも同時に即興的に行っていくという面白い試みのイベントだそうです。新年、身も心も新たな“装い”で2008年を過ごしたいという方、是非観に行ってみてください。森 陽馬

2007年12月20日(木) 高野 寛 「虹の都へ」

 “Standard of 90's”と銘打たれたシリーズがEMIから最近続々と発売になっており、ここ数ヶ月間で、オリジナル・ラヴ、GREAT 3、スチャダラパー、TOKYO NO.1 SOUL SETのオリジナル・アルバムが紙ジャケ&リマスター、そしてボーナス・トラックを追加収録してリリース。そして昨日は高野寛の作品が6W、新たな仕様で再発されました。

 やはりなんといっても3rdアルバム『CUE』(TOCT-26406 \2,500)。
あのトッド・ラングレンがプロデュースを担当し、YMOの名曲「CUE」からタイトルをつけたこの作品がリリースされたのは、もう17年前の1990年。学生時代によく聴いていたアルバムなので本当に懐かしいですね。

 特に2曲目に収録されている「虹の都へ」は当時スキー関連のCM曲として使われ大ヒットしたということもあり、学生間でも流行中だったカラオケ・ボックスでよく唄っていたような気がします。(ちなみにライナーノーツにも書かれているのですが、スキーをやらない高野寛は、サーフィンができないブライアン・ウィルソンの心境でこの曲を書いたそうです)

 ちなみにボーナス・トラックには、この「虹の都へ」のPre-CDヴァージョン(未発表)というのが収録されているのですが、前奏が中途半端だったり、ボーカルが仮唄ぽかったり、とちょっと迫力がないヴァージョン。やはりオリジナルの方がいい感じです。森 陽馬

2007年12月21日(金) エマーソン北村 「眠るための絵」

 もうかなり前のことだけれど不眠症になったことがある。
といっても全然深刻なものではなくて、特に悩みやストレスがたまっていたわけでもなく、ただ夜になっても眠れない。もし眠れたとしても非常に浅い眠りで睡眠したという自覚がない、といった時期が続いたので、お医者さんから睡眠導入剤をもらったりしたことがあった。

 その薬も効いているのか効いていないのかよくわからなかったが、結局、「眠らなきゃ」と思うのが間違いだったようで、眠くないときは音楽を聴きながら本を読んで夜を過ごし、それを数日続けていたらさすがに疲れがたまったのか眠れるようになったのだった。まあ要は気の持ちようということか。

 さて、そういう眠れない時にオススメしたいCDがこの1枚。
 『reaching series no.3 おやすみなさい』(RZCM-45755 \2,625)というタイトルのこのアルバムは、キッズ向けのジャケット・内容のようでいて、コンセプトは『子供と大人のための、音と視覚で遊びながら学べて、大人が聴いても十分楽しめる作品』。全曲このアルバムのための新作・新録音で、高野寛、ハナレグミ、原田郁子、嶺川貴子、KAMA AINA、高田漣などが参加。最小限の楽器で子守唄的なやさしい歌と演奏を聴かせてくれる。

 どのトラックもいい感じですが、特によく眠れそうなのが、名キーボーディスト、エマーソン北村さんによるトラック「眠るための絵」。
 夢の中へ吸い込まれそうなキーボードの音色と絶妙の隙間が極上の心地良さ♪ これをリピートして聴いていれば本当にすぐに眠りにつけそうだ。ちなみに曲途中に出てくるやさしい女性のささやき声は、the Indigoの田岡美樹さん。アルバム全体のプロデュースは原田知世の新作も手掛けた伊藤ゴローさん。森 陽馬

2007年12月22日(土) ロジャー・ニコルス&スモール・サークル・オブ・フレンズ
「レット・ミー・ビー・ザ・ワン」(あなたの影になりたい)

 2007年もあとわずかで終わってしまいますが、この年の瀬に実に素敵な新作が出ました。ロジャ・ニコ(ロジャー・ニコルスはこのように縮めるのが一般的ですが、スモール・サークル・オブ・フレンズはどのように略せばいいのでしょうか? スモサ?スモサフ?)のなんと!新録音盤です。タイトルは『フル・サークル』(VICP-64023 \2,520)。

 ロジャー・ニコルス、マレイ&メリンダ・マクレオド兄妹の3人は1968年にアルバム制作を行なった時と同じメンバー。ひさしぶりに集まりなんとも懐かしくさわやかなコーラスを聴かせてくれています。ロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムスの有名曲、及び新曲も含まれ、彼らならではの味がたっぷり染み込んだアルバムになっています。

 名曲「ドリフター」のニュー・ヴァージョンもいいし、ソフトなサウンドながら戦争の無意味さを訴えた反戦歌的な新曲「ルック・アラウンド」も心にじんわりきます。

 この「レット・ミー・ビー・ザ・ワン」はカーペンターズやポール・ウィリアムスのヴァージョンでよく聴いた大好きなロジャー&ポールの作品でしたが、ここにまた愛聴ヴァージョンがひとつ増えました。3人のコーラスは40年の時を越えた絆を感じさせてくれます。森 勉

2007年12月23日(日) Art Garfunkel 「Traveling Boy」(青春の旅路)

 昨日のこのコーナーでも取り上げられたロジャ・ニコの新作が各方面で絶賛されていますが、そのロジャ・ニコ繋がりでこの1曲。

 サイモン&ガーファンクル解散後、アート・ガーファンクルが1973年に発表した初のソロ・アルバム『Angel Clare (邦題:天使の歌声)』。その1曲目に収録されている「Traveling Boy」(邦題:青春の旅路)は、ロジャー・ニコルスとポール・ウィリアムスによる共作曲です。

 彼等独特の哀愁のあるメロディとアートの美しい歌声が素晴らしいのですが、聴きものは後半のドラマチックな展開で、僕的には、リチャード・ハリス「マッカーサー・パーク」と同じくらいの感動をおぼえる、好きな演奏部分です。

 この曲以外にも、シングル・ヒットした「All I Know」(邦題:友に捧げる讃歌)やランディ・ニューマン作「Old Man」など名曲揃い。ハル・ブレイン、ジム・ゴードン、ラリー・カールトンなどが参加。珍しいところでは、ジェリー・ガルシア、J.Jケイル、トミー・テデスコ、そしてポール・サイモンも参加しています。森 陽馬

2007年12月24日(月) THE BEATMAS 「White Christmas」

 今年のクリスマス・イヴ、みなさんはいかがお過ごしでしたでしょうか? 東京は風が強かったものの、空気も澄んでいてとてもいい天気でした。
 「これで有馬記念が当たっていれば、最高だったのに・・・」(◎Eポップ・ロックと○Hサンツェッペリンの69“ロック”な馬券で玉砕・・・)という愚痴はさておき、ロックなクリスマス・ソングを。

 “ビートマス”は、デンマーク出身のRubber Bandというビートルズ・コピー・バンドによる変名バンド。名前とジャケット通り、クリスマスの定番曲をビートルズ的なアレンジでカヴァーしているのですが、そのカヴァーがホント半可なものではなく、かなり本格的にビートルズ・ネタを使用。最初お聴きになられた方は、必ず「えっ?これビートルズ?」となるようなクリスマス曲になっています。

 おそらく誰でも一度は耳にしたことがあるであろうこの「ホワイト・クリスマス」も、彼等の手にかかればお馴染みのビートルズ人気曲「Ticket To Ride」(涙の乗車券)へ早変わり♪ 斬新というかなんというか無理矢理な感もありますが、かっこいいので◎。是非ビーチ・ボーイズ・アレンジの“ビーチマス”なんてバンドも出てきてほしいものですね。森 陽馬

2007年12月25日(火) AZTEC CAMERA 「Walk Out To Winter」

 個人的な話になりますが、今週で東京へ来て丸2年が過ぎました。
 その間実家のある大阪へは一度も帰っていないのですが、母はたまにお店のホームページを見てくれているようで、「書いてる事、難しいてようわからんわ」とメールをくれたりします(笑)。
 
 私が上京した2年前のその日はかなり雪が降っていて、乗るはずだった高速バスが雪のせいで運行中止となり、急遽新幹線に変更するはめになったのでした。さて東京はいつ頃初雪が降るのでしょうね。
 
 上京する頃によく聴いていたのが、大好きなアルバム、アズテック・カメラの1st「ハイランド・ハードレイン」(WPCR-75289 \1,800)でした。アコースティック・ギターの音がキレイで、まだロディ・フレイムの歌声が若くてつたない感じで...そこがまたいいんです。

 その中のタイトルからして冬!のこの一曲「Walk Out To Winter」。思い出の詰まった一曲です。東尾沙紀

2007年12月26日(水) Soul Snatchers 「Good Foot Down」

 早いものでジェイムス・ブラウンが亡くなってから1年が経ってしまった。JBがソウル界に与えた影響は計り知れないほど大きく、これからデビューするソウル系ミュージシャンのほとんどがJBを聴いて育った、といっても過言ではないだろう。

 JB存命中と同様、今年もJBファンクをルーツに持つミュージシャンが数多く出てきたが、特にこのソウル・スナッチャーズ『Sniffin' And Snatchin'』(PCD-22294 \2,310)は、今年発表された“JBファンク・ルーツ”のバンドの作品の中でも3本指に入るほど快心の1枚だった。

 ソウル・スナッチャーズは、オランダ出身のグループで、この作品が1stアルバム。70'sファンクをベースに音質も最近のデジタルなそれとは違って、昔っぽい質感の重量感ある響きだ。(70'sアメリカのローカル・エリア・ファンクと言われてもわからないかも)
 9曲目に収録されているこの「Good Foot Down」は最高にファンキーなダンサブルなナンバーで、Curtis.Tという男性ヴォーカルをfeatしているが、このヴォーカルも70'sファンク的な黒っぽさがプンプン匂っていてホントかっこいい。ファンク好きの人が聴けば反応必至のキラーチューンだ。

 それにしてもヨーロッパのソウル・シーンは熱い。本場アメリカも負けずに頑張ってほしいものだ。森 陽馬

2007年12月27日(木) マイク・マイニエリ&フレンズ 「バトル・ロイヤル」

 ロック/ポップスの再発も充実していますが、ここ最近はジャズ系の発掘音源、名作再発が充実しています。

 ジャズ・ヴォーカルもの超レア盤のCD化や、BMGビクター社・ユニバーサル社からの超廉価(1,000円)再発盤、映像関連では、スタッフの全盛期ライヴDVDなど、どれも持っていたいな、と思える作品ばかりで困ってしまうのですが、先週発売されたこのアルバムも注目の1枚。

 ヴィブラフォン奏者&プロデューサーとして知られるマイク・マイニエリが、1960年代後期〜70年代前半に彼の仲間達と作り上げた作品『ホワイト・エレファント』(VACM-1337 \3,675)。当時は1,100枚しか初回プレスしなかった、と言われているこの盤に、更に発掘未発表音源をプラスしたボーナスCDが付いた仕様です。

 若き日のスティーヴ・ガット(Dr)やマイケル・ブレッカー、ランディ・ブレッカーなどが参加。ジャズ・ロック的なアレンジの楽曲や渋いボーカル曲もありますがかっこいいのはやはりこの1曲!「Battle Royal」。
 ジャム・セッションから発展したと思えるかっこいい楽曲で、ファンキーなリズムに熱いホーンがガンガン切れ込んでくるのがNICE! 紙ジャケ&リマスターもされているので、まだ持っていない方は買い時かもしれませんね。森 陽馬

2007年12月28日(金) indigo jam unit 「Tsui so」

 2007年も様々なムーヴメントがあったが、その中のひとつとして日本CLUB JAZZの更なる躍進があった。PE'ZやSOIL&"PIMP"SESSIONSのようなメジャーから作品をリリースしているグループ以外にも、スリープ・ウォーカーやファシネイションズも素晴らしい新作をリリースするなど、“CLUB JAZZ”の一般的な認知度も上がってきた印象だ。

 最近ではあの沼澤尚も絶賛しているindigo jam unitの3rdアルバム『REALism』(bss-20 \2,310)が最高にクールでかっこいい1枚だった。

 indigo jam unitは大阪出身の4人ジャズ・グループ。“CLUB JAZZ”とはいっても、4つ打ちの打ちこみが入っているわけではなく、全編オリジナル曲・生演奏の一発録り(!)という硬派な作品。その分、生々しい緊張感に満ちた楽曲が並んでいる。

 CLUB受けしそうな疾走感あるA「Switch」、静かなピアノの奏から後半強烈にテンポアップするクールなB「Hyo-Ten」なども素晴らしいが、ピアノのメロディー・ラインが切なくて、なおかつかっこいいF「Tsui so」は特に印象的なナンバーだ。

 2008年1月28日には渋谷duo Music Exchargeで、ゲスト・ライヴとして沼澤尚&Tsuji Kosukeも招き、リリース記念ライヴが行なわれる模様。新世代JAZZファンにとっては興奮の一夜となりそうだ。森 陽馬

2007年12月29日(土) Neil Young 「Spirit Road」

 トップページに掲載しましたが、当店は年末年始も営業いたします。1月1〜3日の3日間は14時から18時までと、昼・夕方限定、という感じですが、それ以外は11時から営業いたしますので、お正月お時間空いている方は是非御来店くださいませ。

 あと、現在店内中央コーナーでは、“当店ペット・サウンズ・レコードが選ぶ2007ベスト”特集をやっており、リーフレットも作成しました。近日中にHP上でもアップいたしますので、乞うご期待♪

 さて、その“当店ペット・サウンズ・レコードが選ぶ2007ベスト”特集。各スタッフで今年発売されたアルバムから選んだのですが、個人的に一番うれしかったのは、やっぱり!大ファンでもあるニール・ヤングの新作『Chrome Dream 2』でしたね。

 元々、ニールは今年の年末、昔のレアライヴ音源を収めたアーカイヴBOXセットを出す、という噂だったのですが、結局発売になったのはこのオリジナル新作! いかにもニールらしいのですが、でもそんな何が飛び出すかわからないのがニールの真骨頂! 静かなアコースティック・ナンバーも、かっこいい「Spirit Road」も、18分以上にも及ぶ「Ordinary People」もどの曲もニールらしさが溢れていて、久々にウキウキした気分になれた作品でした。

 来年2008年もニールに負けじと“ロック”な1年にしたいと思っています。森 陽馬

2007年12月30日(日) ALO 「Maria」

 皆さんは2007年のベスト・ライブといえば、なんだったでしょうか?

 地下のアゲインさんで見た初めての生の落語なんてのも印象深いのですが、音楽のライブでは8月末に見たALOのライブがとても印象に残っています。
 
 今年の5月にリリースされた最新作『Roses&Clover』(UICU-1135 \2,500)は個人的今年のベスト・アルバムの1枚だったのですが、''ライブこそが真骨頂!''といった素晴らしい演奏を聴くことが出来ました。
 ギタリストの前で見たせいもあるかもしれませんが、彼の演奏が特に前面に押し出された感じで、途中スティール・ギターにかえることもありましたが、基本的にはTakamineのエレ・アコ1本。なんでこんなにかっこいい音が出るんだろう?!と楽器に疎い私でも彼の手元、足元に興味津々でした。
 
 CDではわかりづらかったのですが、メンバー全員がメイン・ヴォーカルを取れるというのもライブでの発見でした。 来年はもっとたくさんのライブに足を運んで、またこのようないい発見が出来たらいいな、と思っています。東尾沙紀

2007年12月31日(月) Beach Boys 「And Your Dream Comes True」

 おかげさまで今年(2007年)は、3月15日に新しい場所に移って、店が再開できました。
 そして、新店舗で初めてのお正月を迎えられることになりました。

 これはひとえに店を応援してくださる皆様のおかげだと思っております。本当にありがとうございます。

 2007年を締めくくるにあたって、アカペラ・コーラスが聴きたい気分、ということで、ビーチ・ボーイズ、1965年発表の『サマー・デイズ』(真冬にここからかよ、と自分でツッコミを入れておきます)のラストを飾るこの曲を。

 1分間ほどの短い曲ですが、見事なハーモニーです。
 2008年、皆様の夢がかないますように・・・。森 勉



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