PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2012月7月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2012年7月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2012年7月1日(日) Rich Clifford & The Saddows 「Find Me A Golden Street」 

 早いもので今年2012年も折り返し地点。

 新聞やTVは顔をしかめたくなるニュースばかりですが、音楽界ではいい音楽/ミュージシャンが溢れるくらいに出てきています。(それが一般的に伝わらないのが音楽業界の課題ですね)

 その中でも“ニュー・レトロ・ヴィンテージ・シーン”。

 昨年の個人的洋楽No.1キティー・デイジー&ルイス、2月3日に紹介したFlorence Joelle's Kiss Of Fire、4月28日Nick Waterhouseなど、新しい世代が奏でるヴィンテージ感あるイキのいいサウンドは徐々にムーヴメントとして広がっています。

 その決定版ともいえるコンピがこれ!
『(snowboy presents) NEW VINTAGE Vol.1』(輸入CD BBE196CCD)。

 アシッド・ジャズ時代からパーカッショニスト/DJとして活躍してきたSNOWBOYが編集した全21曲入りコンピ。キティー・デイジー&ルイス、イメルダ・メイ、シャロン・ジョーンズから、ジェームス・ハンターやジェイムス・テイラー・カルテットなどちょい昔のミュージシャンまで、新旧様々なジャンルのかっこよくてヴィンテージ感ある音がギッシリ! ジャケットもNICE!

 その中から異色なギター・インストでこの1曲、Rich Clifford & The Saddows「Find Me A Golden Street」。

 アーティスト名通り、クリフ・リチャード&ザ・シャドウズのトリビュート・バンドのようです。シャドウズ・ファンも要チェック!

 ちなみにこの次の15曲目に収録されているThe Rapiers「Green Jeans」もかっこいい! 最近の音楽は聴かない、というリスナーにもオススメの1枚です。森 陽馬

2012年7月2日(月) ビーチ・ボーイズ 「Please Let Me Wonder」

 ビーチ・ボーイズ来日が来月(!)に近づいてきましたが、それに合わせてリリース予定も色々と出てきました。

 オリジナル・アルバム最新リマスタリング&新装デジスリーヴ仕様で日本先行7月25日再発決定!

 『サーフィンUSA』、『サーファー・ガール』、『リトル・デュース・クーペ』、『シャット・ダウンVol.2』、『オール・サマー・ロング』はMONOヴァージョン世界初CD化! 『ペット・サウンズ』の2012年最新デジタル・リマスタリングというのも気になりますね。

 でもやはり注目は『トゥデイ』と『サマー・デイズ』のステレオ・ヴァージョンでしょう!

 最近発売になる編集盤やベスト盤に、新しいステレオ・ヴァージョンが収録されたりしていましたが、『トゥデイ』と『サマー・デイズ』アルバム単位でのステレオ・ヴァージョンは世界初登場! MONOヴァージョンも一緒に収録されているので聴き比べもできますね。個人的にも楽しみなリリースです。森 陽馬

2012年7月3日(火) カリフォルニア・ミュージック 「Don't Worry Baby」

 7月に入り、8月16、17、19日ビーチ・ボーイズ来日コンサートもかなり近づいてきました。

 50周年記念の節目での来日ということで、ビーチ・ボーイズ関連のCDがたくさん発売され、これからもたくさん予定になっており、ファンにはうれしい悲鳴が止まらない状態ではないかと思います。

 今日紹介する『グッド・ヴァイブレーション〜ビーチ・ボーイズ・ソングブック』は、CBS系、RCA系レーベルを現在所有しているソニー・ミュージックの音源を使用して日本で企画されたビーチ・ボーイズ楽曲のカヴァー集。

 全25曲、解説・歌詞・対訳も付いて2,000円というお手頃価格です。(国内CD 選曲&解説:長門芳郎 SICP-20390 2,000円)

 トッド・ラングレン、ポール・デイヴィス、ジョニー・リヴァース、アンディ・ウィリアムス、トーケンズ、メリサ・マンチェスター、カウシルズ、シルヴィ・バルタン、ペトゥラ・クラークなどのナイス・カヴァーが楽しめます。

 “カリフォルニア・ミュージック”は1974年にブルース・ジョンストンとテリー・メルチャーが設立したイクイノックス・レーベルの看板グループ。

 シングルを3枚出しただけで結局アルバムが制作されなかったのは本当に残念です。
 今日のこの1曲「Don't Worry Baby」を聴くと、ますますそのことが惜しまれますが、多くの人にもっとこのカヴァーを知ってもらいたいですね。

 ファースト・シングルのA面でまず発売されましたがチャートインせず、悔しかったブルース・ジョンストンはセカンド・シングルのB面にも同じヴァージョンのこの曲を入れた、という逸話が残っています。

 ブルースにしてみれば、こんないい出来に仕上がったんだから、もっともっと聴いて欲しい、という気持ちだったんでしょうね。森 勉

2012年7月4日(水) 星野源 「電波塔(House ver.)」

 星野源、5ヶ月ぶり第3弾シングル『夢の外へ』がリリースになりました。(VIZL-476 初回限定盤DVD付 1,890円)

 これまでのシングル曲の中で最もポップな「夢の外へ」は、資生堂アネッサ2012のCMソングとしてただ今オンエア中。
 水兵さんの格好をしたジャケットの雰囲気も含め、夏らしい爽やかなメロディーが耳に残ります。

 7月14日(土)から公開の映画『ぱいかじ南海作戦』主題歌でニューオリンズ風にアレンジされた「パロディ」、神谷洵平(ds)、ハマ・オカモト(b)参加の「彼方」、シングル恒例の弾き語り宅録「電波塔(House ver.)」の全4曲。

 今日の一曲は、東京タワーのことを歌っているという、詞がおもしろい「電波塔」。

ブックレット掲載のご本人のミニ解説を読んでからだと、曲が違った印象に聴こえます。

初回盤はPVやレコーディング・ドキュメンタリー、全国ツアーのライブ映像、オーディオ・コメンタリーなどたっぷり約70分収録のDVD付です。東尾沙紀

2012年7月5日(木) グレン・フライ 「キャロライン・ノー」

イーグルスのグレン・フライ、20年ぶり(!)スタジオ・ソロ・アルバムは、スタンダード・カヴァー集。(国内CDボーナス3曲追加 SHM-CD仕様 UICY-15144 2,600円)

 今年はポール・マッカートニーもスタンダード集を出しましたが、グレンの方はそこまでマニアックな選曲ではなく、比較的有名曲をピックアップ。「いそしぎ」(The Shadow Of Your Smile)、「センチメンタル・リーズンズ」などを穏やかなジャズ・アレンジでカヴァーしています。

 プロデュースは、イーグルスの2007年作『ロング・ロード・アウト・オブ・エデン』にも参加していたリチャード・F・W・デイヴィスとマイケル・トンプソン。演奏もイーグルス人脈のようです。

 ジャズ・スタンダード中心ながら、ビーチ・ボーイズ「キャロライン・ノー」のカヴァーも収録。

 ビーチ・ボーイズ『スマイル』で歌われている「I Wanna Be Around」も12曲目で取り上げているのは偶然? いやいや。ビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソン好きのグレン・フライですから、昨年出た『スマイル』を聴いて選曲したのかもしれませんね。

 ちなみにタイトルにもなっているラストM「アフター・アワーズ」のみオリジナルで、グレン・フライとジャック・テンプチンによる共作曲。しっとりとした好ナンバーで、秋〜冬の夜に合いそうな1曲です。森 陽馬

2012年7月6日(金) チャックメイツ・リミテッド 「黒い涙」

 フィル・スペクターがプロデュースしたことで知られるこのアルバム、チェックメイツ・リミテッド『黒い涙』(Love Is All We Have To Give)は1969年に発表されました。(国内CD 限定紙ジャケットSHM-CD仕様 UICY-75151 2,800円)

 この中からは「黒い涙」(Love Is All I Have To Give)、「ブラック・パール」、「プラウド・メアリー」と3曲のシングル・ヒットが生まれています。

 そしてレコード時代のB面は「ヘアー組曲」ということでオーケストラ・アレンジの妙が楽しめます。

 彼からは高音のソニー・チャールズと低音のボビー・スティーヴンスと二人のヴォーカリストを擁していて、黒人版ライチャス・ブラザーズといった感じなのです。

 ファースト・ヒット曲「黒い涙」では、そのヴォーカルのぶつかり合いが聴くことができます。森 勉

2012年7月7日(土) マイケル・フランクス 「タイガー・イン・ザ・レイン」

 七夕の日は雨が降ることが多いですね。
今日も昼過ぎからずっと雨が降り続いていましたが、じめじめした蒸し暑い店内で聴いていたこの1枚。

 「アントニオの唄」で知られる名シンガー・ソングライター、マイケル・フランクスの1979年発表アルバム『タイガー・イン・ザ・レイン』。(国内CD 限定紙ジャケットSHM-CD仕様 WPCR-14431 2,600円)

 マイケル・フランクスというとまずは『スリーピング・ジプシー』、という感じですが、他の作品も質が高くて何時聴いても癒されます。

 ジョン・サイモンがプロデュースを担当した今作も、アンリ・ルソーの絵画を使ったジャケット・イメージ同様、夢見心地なまどろみを与えてくれます。(おっと、店内で寝てはいけませんね)

 セルドン・パウエルによるソプラノ・サックス、マイク・マイニエリによるヴィブラフォンの音色が絶妙です。森 陽馬

2012年7月8日(日) ダーティ・ダズン・ブラス・バンド 「Don't Stop The Music」

 暑くなってフェスの季節ですね。
フジロック最終ラインナップも決定。3日間行く予定のお客様と話していたら、僕も行きたくなってきてしまいました。

 今年はレディオヘッド、ストーン・ローゼズ、元オアシスの2バンド、ジェイムス・ブレイク、エルヴィス・コステロ、レイ・デイヴィス等UK ROCKファン狂喜!のメンツですが、サカナクション、星野源、上原ひろみなど日本勢、スティーヴ・キモックやダーティー・ダズンなどライヴに定評があるミュージシャンも盛りだくさん!

 楽しいだろうな〜、と想像を膨らませつつ今日のこの1曲。
3日目7月29日(日)フィールド・オブ・ヘヴンに出演予定のダーティ・ダズン・ブラス・バンド、久々新作『トゥエンティ・ダズン』。(国内CD 大鷹俊一氏による解説付 COCB-53998 2,500円)

 ニューオリンズを代表するブラス・バンドとしての貫禄すら感じさせる、楽しくてファンキーなブラス・インスト連発!直球勝負な快作です。

 5曲目「Don't Stop The Music」のリフがかっこいいな、と思ったらなんとリアーナのカヴァー。
 
 そのリアーナの曲はマイケル・ジャクソン「スタート・サムシング」の一部をサンプリング的に使っているそうで、更にそのマイケルの「スタート・サムシング」はマヌ・ディバンゴ「ソウル・マコッサ」が元になっている、とのこと。
 なので、元々の「ソウル・マコッサ」的アフリカン・ルーツを感じさせますね。森 陽馬

2012年7月9日(月) サンタナ 「ネヴァー・ザ・セイム・アゲイン」

 カルロス・サンタナは今度の7月20日で65歳を迎えます。

 ファースト・アルバムを出した時が22歳でしたから、それから43年間。長いブランクもなしに活動し、作品を発表し、ヒットを出し続けているのは本当に凄いなと思います。

 ワンパターンと言えばワンパターンですが、それがイイということもありますよね。

そんなサンタナのニュー・アルバム『シェイプ・シフター』が出ました。
(国内CD 解説:WILLIE NAGASAKI SICP-3517 2,520円)

 今回はインストゥルメンタル中心の作りで、メロウなサンタナが楽しめます。

 現在ハマっているのは6曲目に入っている「ネヴァー・ザ・セイム・アゲイン」。
サンタナらしい手癖たっぷりのギター・ソロが5分間! いいですね。

 日本盤にはあの「哀愁のヨーロッパ」含む最新ライヴ2曲がボーナス・トラックとして追加されています。森 勉

2012年7月10日(火) 山下達郎 「MUSIC BOOK」

 全国の特色あるレコード店が掲載されている書籍、レコード・マップの最新号が入荷。(『レコード+CDマップ'12〜'13』 河出書房新社 2,310円)

紙としては今号が最後で、来年からは電子書籍になる予定だそうです。
時代の流れを感じますね。

 その巻頭には、山下達郎氏のインタビューが掲載。
ツアー中に聴いていた音楽やドナルド・ダック・ダンの話、所蔵レコードに関して(アナログ・CD含めて6万枚!とのこと)など、興味深い話が盛りだくさん。ファン必読ですよ。

 それにしても、電子書籍はこれからどうですかね。
プロの作家でなくても小説や本を気軽に出版できるようになる、という点では需要があるでしょうが、実際購入する側としては多少躊躇してしまうような気がします。(とか言って、電子書籍を読む端末をもし手に入れたらハマってしまうのかも)

 ♪歩く事さえ疲れた時は 忘れかけていた古い本のページ 開けてみるのもいい♪
 山下達郎1982年発表作『FOR YOU』2曲目「MUSIC BOOK」の一節です。

 20〜30年後、本を開ける、という表現は変わっているのかもしれませんね。森 陽馬

2012年7月11日(水) 伊豆田洋之 「Dreamy Girl」

 84年にデビューし、ピカデリー・サーカス、A,M,S&Iなどのユニットなどで活躍するシンガー・ソングライター、伊豆田洋之2枚組ベストが先月リリースされました。(『ゴールデン☆ベスト〜夢のふるさと〜』 MHCL-2074 3,000円)

 定期的に行われている<伊豆田洋之 ポール・マッカートニーを歌う>など、現在も精力的にライブ活動をされている伊豆田さんの、エピック時代音源全30曲を収録。

 伊藤アキラ作詞/杉真理作曲「夢のふるさと」など甘い歌声が素敵なミディアム・スロー・ナンバーを中心に、シングルのみ収録だった楽曲、竹内まりやさんもカバーしているピカデリー・サーカスの名曲「Never Cry Butterfly」、昨年リリースの最新ミニアルバム『幸せの扉』から「ダンスが終わる前に (Before The Dance Is Through)」も収録。

今日の一曲は「笑顔ひとつぶん」のカップリング曲だった「Dreamy Girl」(93年)。

作詞:鈴木雄大さん、アレンジ:佐橋佳幸さんと3人での爽やかなハーモニーと、中盤のスライド・ギターが夏の空気を感じさせる一曲です。東尾沙紀

2012年7月12日(木) MFQ 「I Had A Dream Last Night」

 ユニヴァーサル・ミュージック・ジャパンから素晴らしい選曲のオムニバスCDが再発売されました。

 1993年に発売されましたが長らく廃盤になっていたのでとてもうれしい再発です。(国内CD 『サウンド・オブ・サマー・シャワー』 UICY-15172 2,000円)

 ダンヒル、デッカ、キャップ、ユニなどのレーベルから有名どころと珍しいレアものを程よくブレンドした全28曲入りです。

 1960年代後半のフォーク・ロックやソフト・ロックに興味ある方には、まずこの1枚!という感じですし、伊藤銀次さんが当店地下<アゲイン>で行っている“話し出したら止まらナイト”(次回は8月11日(土)に予定されています)イベントで、このところ熱の入った話が続いているフォーク・ロック特集の教材としてもピッタリのCDです。

 ママス&パパス、バリー・マクガイヤー、グラス・ルーツ、クリッターズなどのヒット曲。そしてこのCDでないと聴けないジェリー・イエスター、P.Fスローン、ランプ・オブ・チャイルドフッド、テリー・ブラック、MFQなどのシングルのみレア曲も満載。

 選曲・解説は、先日紹介した『ビーチ・ボックス・ソングブック』も担当した長門芳郎氏です。森 勉

2012年7月13日(金) 「Come September」 (『サンセット・サーフ』より)

 ビーチ・ボーイズ名作新装盤、待望のモノ&ステレオを心待ちにしてますが、同じ7月25日発売A&M50周年記念10タイトル、ポール・ウィリアムス5W、ボイス&ハート3W等も楽しみなリリースです。(通販コーナーに掲載中。予約受付中)

 新作も素晴らしい作品が日々たくさん出ていますが、それ以上に旧譜再発で魅力的な作品が多いですよね。個人的にも買いたいものがたくさんあって困ります…。

 最近の再発で気に入っているのは、やはりEMI999円シリーズ。
“サーフィン/ホットロッド編”はホント安くて日本語解説も付いて、なおかつ内容もゴキゲンなものが多い! 買うだけじゃなくて、ちゃんと毎日聴いて楽しんでますよ〜。

 今日はその中からこれ。『センセット・サーフ』。
(国内CD TOCP-71330 999円)

 ジャケット写真の雰囲気からサーフ映画のサントラなのかな?と思っていたらそうではなくて、当時のサーフィン人気雑誌『SURFER』編集長だったジョン・セヴァーソン企画による作品だそう。

 キャピトル・レコードのニック・ヴェネー、名アレンジャーのジミー・ハスケル、そして当時はスタジオ・ミュージシャンであったグレン・キャンベルが中心となって制作したインスト・アルバムで、これが超〜ゴキゲン♪

 サーフィン/ホットロッドというと、ノリのいいギター・サウンドというイメージですが、この作品は夕暮れ時のんびりゆったり聴けそうなジミー・ハスケル作によるサーフ・インストが中心。
 テンポの速いエレキ・サウンドに疲れたら、クール・ダウンして聴くのにピッタリな感じです。

 ラストにはボビー・ダーリン「Come September」のカヴァーもやってます。森 陽馬

2012年7月14日(土) The Knights 「Hot Rod High」

 “ナイツ『ホット・ロッド・ハイ』の国内盤CDが999円!”
サーフィン/ホットロッド・ファンにとっては大事件と言っても過言ではないでしょう。(国内CD TOCP-71325 解説・歌詞付 999円)

 5月25日にファンタスティック・バギーズ、昨日『サンセット・サーフ』を紹介したのなら、このナイツも取り上げないわけにはいきません!

 ナイツは60年代アメリカ西海岸でホットロッド・ソングを量産した名コンポーザー、ゲイリー・アッシャーによるプロジェクト。

 1964年発表作『ホット・ロッド・ハイ』には、当時スタジオ・ミュージシャンだったレオン・ラッセルやグレン・キャンベル、名ドラマーハル・ブレイン、トミー・テデスコやジェリー・コールなど凄腕ミュージシャンが勢揃い。
 リード・ヴォーカリストは、キャステルズというコーラス・グループにいたチャック・ギラード(ホンデルズのヴォーカルも彼)で、快活なホット・ロッド・ソングを聴かせます。

 ビーチ・ボーイズ(ブライアン作)の「アイ・ゲット・アラウンド」、「ビー・トゥルー・トゥ・ユア・スクール」もやってますが、やはりなんといってもゲイリー・アッシャー作のタイトル曲「ホット・ロッド・ハイ」。

 疾走感あるメロディーにサビのコーラス・ワーク♪
「サーフィンU.S.A」のホット・ロッド編とも言える名曲ですね。

 ビーチ・ボーイズ来日効果でサーフィン/ホットロッド関連も色々出てますが、これは押さえておいた方がいい1枚ですよ。森 陽馬

2012年7月15日(日) Hammond Express 「The Glorius Revolution」

 クールな音楽を発信し続けるイタリアのIRMAレーベルで長年活躍しているキーボーディスト、Gazzara(ガッザーラ)によるオルガン・トリオ・プロジェクト、ハモンド・エクスプレス。約10年ぶり新作『Another Steppin' Soul』(輸入CD IRM915)。

 フォー・トップス「I Can't Help Myself」、カーティス・メイフィールド「Move On Up」、マーヴィン・ゲイ「Inner City Blues」、シュプリームス「恋はあせらず」等ソウル名曲や、シャーリー・バッシー「Goldfinger」等映画「007」の曲、ブッカーT&MGs、ブライアン・オーガー、リチャード“グルーヴ”ホルムスのカバーとオリジナル4曲、全14曲収録。

 女性ヴォーカルやパーカッションを全体的にフィーチャーし、グルーヴィーなハモンドの音色とパーカッションの軽快なアレンジがグッドです♪

 カバーもいいですが、モータウン風のオリジナル曲@「The Glorius Revolution」が良い感じ。アシッド・ジャズ好きな方にもオススメです。 東尾沙紀

2012年7月16日(月) CATIA 「君は天然色」

 気温が上がり、虫の音もどこからか聞こえてきて夏到来!

 暑くなるとやはりブラジリアン・サウンド、ボッサ・アレンジの楽曲が聴きたくなりますね。

 CATIA(カチア)はブラジル/リオ出身の女性シンガー。
カフェ・アプレミディ/サバービアの橋本徹さんプロデュースでリリースした過去の作品(2003年作『Saudade De Paris』、2007年作『Catia canta Jobin』)は今でもお気に入りのアルバムです。

 今作はアラフォー世代向け邦楽カヴァー作で、クレモンティーヌに続く二匹目のどじょうを狙ったベタな企画(タイトルの『恋BOSSA』というのも・・・)ではありますが、彼女の清涼感ある美声は変わらず健在。(国内CD 『恋BOSSA』 TOCP-71314 2,500円)

 竹内まりや「元気を出して」、松任谷由実「サーフ天国、スキー天国」、RC「スローバラード」、スピッツ「チェリー」からAKB48「あいたかった」までボッサ・アレンジでカヴァー。

ポルトガル語で歌った「島唄」(THE BOOMカヴァー)、斬新(?)なアレンジの「君は天然色」(大滝詠一カヴァー)は聴きものです。森 陽馬

2012年7月17日(火) スウィング・アウト・シスター 「La La Means I Love You」

 スウィング・アウト・シスターもデビュー25周年。

 スタイリッシュな魅力はそのままに、コンスタントに活動を続けている彼女達。ヒット曲をアコースティック・アレンジでセルフ・カヴァーした新作アルバム『PRIVATE VIEW』 が本日入荷しました。(日本先行発売 YMCP-10031 2,415円)

 ジャジーかつボッサなアレンジ中心ながら、そこまでレイドバックせず、程よくリズムが効いた心地良いバンド・アンサンブルがNICE♪

 ブレイクのきっかけとなった「Breakout」やカヴァーヒットした「Am I The Same Girl?」、個人的にスウィング・アウト・シスターといえばこの曲!という「You On My Mind」も良いですが、今日のこの1曲にはC「La La Means I Love You」を。

 デルフォニックスで有名なソウル名バラードのカヴァー。

 大好きなA「You On My Mind」からシネマティックなシンセが入ったインスト曲B「It May Not Be Enough」(interlude)、そしてC「La La Means I Love You」へと繋がる流れが最高。フリューゲル・ホルンの音色が美しいですね。

 1994年10月、恵比寿ガーデンホールのこけら落としでスウィング・アウト・シスターが公演をやった時、この曲を披露してくれたことを懐かしく思い出します。森 陽馬

2012年7月18日(水) ジョージ・ベンソン 「ブリージン」

 70年代フュージョンの名曲と言えば、まず名前が挙がるのがジョージ・ベンソン「ブリージン」です。

 1976年発表同名タイトルのアルバムA面1曲目。
当時日本盤が出た時に帯に書かれてあった宣伝文句は、<そよ風のように爽やかで軽快なサウンドは、新しい時代の幕開けを告げる! ワーナー移籍第一弾はこれだ!!>でした。

 プロデュースはトミー・リピューマ、エンジニアはアル・シュミット、オーケストラ・アレンジはクラウス・オーガーマンという完璧な裏方トライアングル。

 これ以前のCTIレーベルでのベンソンとは一味違う垢抜けたスカッとさわやかなサウンドになっています。

 この曲の聴き所のひとつはベースです。
アルバム中この曲だけフィル・アップチャーチがベースを弾いています。

 サイド・ギタリストとしてアルバム全編に参加している彼ですが、この「ブリージン」ではちょっとゴツゴツしたテイストのベースで、洗練されすぎないサウンド作りに成功しています。

 ギタリストにベースを弾かせてしまう。
これもトミー・リピューマ・マジックかもしれませんね。

 現在2012年リマスター盤が、SHM-CD紙ジャケット仕様(国内CD WPCR-14497 2,600円)で発売中です。森 勉

2012年7月19日(木) ラングリー・スクールズ・ミュージック・プロジェクト 「God Only Know」

 銀座シネスイッチで映画『ぼくたちのムッシュ・ラザール』を鑑賞。

 カナダ/モントリオールの小学校を舞台にした生徒と教師の物語。

 大津いじめ事件や津市校長自殺など教育問題が新聞・メディアの話題となっている昨今、じんわりとながら心に刺さる印象深い映画でした。

 校内での生徒間及び教師間の意見相違、生徒保護者との確執、管理社会と化した教育現場、等学校内の問題だけでなく、フランス語が公用語であるケベック州における移民・難民受入の実情や、今でもテロが多発するアルジェリア問題まで、様々な現実をさりげなく描写。

 死と直面した生徒と教師の再生を描きながらも、学校の教室というのが単なる教育の場ではなく、社会の縮図なのだ、と強く実感させられました。

 今日のこの1枚は、映画とは関係ありませんが最近リリースされたチルドレン・ポップス/小学生達の合唱合奏傑作盤。(ラングリー・スクールズ・ミュージック・プロジェクト 『イノセンス&ディスペアー』 日本語解説:長門芳郎 MZCF-1245 2,500円)

 1976年録音、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州ラングリー地区の小学生達による60〜70年代ロック・カヴァー集。自主制作で当時300枚程度のみプレス/配布されたレア音源の日本独自企画コンプリート盤全21曲収録。

 「You're So Good To Me」、「Help Me,Rhonda」、「Little Deuce Coupe」、「In My Room」、「I Get Around」、「Good Vibrations」、そして「God Only Knows」と、ビーチ・ボーイズの楽曲を多く取り上げています。森 陽馬

2012年7月20日(金) 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 「スイートソウルミュージック」

 在日ファンク、ハンバート・ハンバート×COOL WISE MAN、ザ・なつやすみバンド、ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンド、そして、今日紹介する奇妙礼太郎トラベルスイング楽団。

 J-POPインディーズ・シーンで最近話題の上記バンドには、管楽器が入っているのが特徴です。

 忌野清志郎や吾妻光良&スウィンギン・バッパーズなど、もちろん今までにも管楽器が入ったバンドはいましたが、現代J-POP界ではいい意味でスウィングにこだわらず、J-POPサウンド/メロディーに溶け込んでいる印象があり、新たなムーヴメントを感じさせます。

 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団は2007年頃から関西を拠点に活動をしている5〜10人変動性大所帯グループ。

 今週発売された新作『桜富士山』。(PCD-24283 2,520円)
とにかくかっこいい!

 ロック、ソウル、ジャズ、ブルース、そして歌謡曲が渾然一体となった独特な浪速グルーヴ!

 松田聖子「SWEET MEMORIES」なんかを奇妙礼太郎流に堂々とやってしまうなど聴いていて面白いですね。

 個人的には8曲目「スウィートソウルミュージック」がグッときました。
ハナレグミお好きな方にもオススメ!

 お買い上げの方先着で、貴重映像収録の特典DVDを差し上げています。森 陽馬

2012年7月21日(土) Jamie & Steve 「Do Be Cruel」

 80年代からビートルズ/マージービートを追求しつつ、良質なポップ・ミュージックを鳴らし続けているノース・キャロライナ出身のバンド、スポンジトーンズ。

 2009年初来日も果たし、楽しいステージを観せてくれたメンバー4人のうちの2人、ジェイミー・フーバーとスティーヴ・ストッケルが結成したデュオがこのジェイミー&スティーヴです。

 2009年制作された初作『English Afterthoughts』に、ボーナス・トラックとして2011年発表EP『The Next Big Thing』の6曲を追加した国内盤がリリースされました。(『イングリッシュ・アフターソーツ』 AIRCD-109 紙ジャケット仕様 2,625円)

 全曲2人が書いたオリジナルで、演奏も殆ど二人によるもの。
全編で聴かせる二人のハーモニーがとても瑞々しく、明るい雰囲気に包まれた作品です。

 英国音楽が大好きな彼らですが、「Color Me Over Again」や「Do Be Cruel」などビーチ・ボーイズからの影響を感じさせる曲も。

 英ポップ、ソフトロック、フォーキー・ポップ好きな方にもオススメのアルバムです。東尾沙紀

2012年7月22日(日) モビー・グレープ 「オマハ」

 モビー・グレープは、バッファロー・スプリングフィールドと共に<はっぴいえんど>が最も影響を受けたアメリカのロック・グループ。

 サンフランシスコで結成され、1967年にレコード・デビュー。
このデビューが少し変わっていて、なんと5枚のシングルを同時発売!

 このベスト盤でも聴ける「Changes」、「Sitting By The Window」、「8:05」、「Omaha」、「Hey Grandma」の5曲が一度にシングル盤として発売されたわけです。

 レコード会社としては5曲全部がチャートに入れば、と考えていたのでしょう。しかし残念ながらその目論見はハズレ、「Omaha」だけがやっと全米88位までという成績でした。

 ヒットするしないは関係なく、ミドル60'sという時代らしいモビー・ブレープのギター・サウンドは、新しいサウンドを求めるロック・ファンには注目の的でした。

 彼らの代表曲を20曲収録したこの日本盤(歌詞・対訳付 SICP-1434 2,520円)には、細野晴臣氏がコメントを寄せています。

 帯に要約された文章を記しておきます。
<今日につづくロックの伝統的ラディカリズムは、他でもないこのグループにあったことを再評価したい。by 細野晴臣> 森 勉

2012年7月23日(月) Pirates Canoe 「Hotaru」

 アメリカン・ルーツ/カントリーお好きな方オススメ!

 2009年から京都を拠点に活動する、女性3人男性3人のバンド、Pirates Canoe(パイレーツ・カヌー)。

 マンドリン、フィドル、ドブロギターを配したバンドのアンサンブル、トラッドの幻想的な世界観も感じさせるサウンドが魅力です。ライブ・メンバーはその時々で女性トリオのみだったり、フルバンドだったり。

先日、東京ローカル・ホンクとの2マンで拝見したフルバンドでの演奏がとても素晴らしく、楽曲の殆どが英語詞という事もあり、海外のバンドを観ているような気分でした。(ホンクとコラボしたリトル・フィート「Willin'」カヴァーも良かったです!)

 バンドの作品は2011年発表1st『PIRATES CANOE』、2012年6月リリース2nd『PIRATES CANOE,TOO』の2作。

 今日の1曲は新作から。
アルバム唯一の日本語詞「Hotaru」。

女性3人の透き通ったハーモニーと弦を弾く音が印象的なナンバーです。東尾沙紀


★CDは共に5曲入り、各1,000円(税込)で当店でも発売中!(近日中に通販ページにも掲載)

★7月24日(火)横浜サムズアップにて、パイレーツ・カヌーも出演する麻田浩さんプロデュースのイベントがあります。お時間ある方は是非!

2012年7月24日(火) Elizabeth Mitchell 「Little Seed」

 昨日のパイレーツ・カヌーに続いて、当店で今オススメしているアコースティック/フォーキーな1枚。

 Ida(アイダ)というバンドの女性シンガーであったエリザベス・ミッチェルが、夫ダニエル・リトルトンと愛娘ストーリーと共にレコーディングした心温まる新作『Little Seed』。(輸入CD Smithsonian Folkways SFWCD45072)

 2010年発表前作『Sunny Day』(2010年11月29日に紹介)もゴキゲンなアルバムでしたが、今作はボブ・ディラン含め多くのシンガー・ソングライターに影響を与えたウディ・ガスリーの楽曲を取り上げた全13曲。

 ブックレットには各曲に彼女自身の解説が記載。
彼女らしい慈愛に満ちたアレンジで和めますね。

その中からラスト13曲目「Little Seed」。

 「Little Seed」についてはボブ・ディラン&ザ・バンド『地下室』のようなイメージが昔からあったようで、リヴォン・ヘルムの娘エイミー・ヘルムをゲストに招き、楽しいレコーディングの雰囲気が伝わってきます。森 陽馬

2012年7月25日(水)ビーチ・ボーイズ 「踊ろよ、ベイビー」(ステレオ・ミックス)

 ビーチ・ボーイズが日本でいまだかつてこれほど盛り上がったことがあったでしょうか? キャピトル・レコードからメジャー・デビューして50周年! 近年はそれぞれソロで活動していたブライアン・ウィルソン、アル・ジャーディンもマイク・ラヴ&ブルース・ジョンストンに合流、ビーチ・ボーイズとしてライヴ・ツアーし、そのメンバーで新しいアルバムも作り、日本にもやってきてくれる。CDも過去に発売されたソロ・アルバムが国内盤として新たに出たり、サーフィン・ホットロッドなどの関連CD、コンピもたくさん発売されています。

 そして待望の最新USデジタル・リマスタリングによるモノラル&ステレオ盤が発売になりました。
 色々紹介したいのですがまずは1965年発表の名作『トゥデイ』から。(国内CD TOCP-71376 2,600円)

 レコードの時代にステレオ盤は出ていましたが、デュオフォニックスという擬似ステレオだったので、トゥルー・ステレオとして発売されるのは今回初めてなのです。

 近年ベスト盤や編集盤の中にポツリポツリとトゥルー・ステレオ・ミックスが何曲か発表されたりしていましたが、やはりアルバム全部まとめてステレオで聴けるのは格別です。

 今日はアルバム1曲目「踊ろよベイビー」(Do You Wanna Dance?)。
今回のCDはモノラルが先に入ってますので、お目当ては初めて発表になるステレオ・ヴァージョンの13曲目です。

 原曲はボビー・フリーマンが1958年にヒットさせたものですが、ブライアン・ウィルソンがフィル・スペクターから学んだものをビーチ・ボーイズ流に大胆リアレンジ。デニス・ウィルソンのリード・ヴォーカルも、ブライアンが「こういうロックンロールの曲はデニスの声がピッタリくる」と思ったとおりにフィット。サビで一気にたたみかけてくるコーラス、ティンパニ、ドラムスの音がひとかたまりになり耳に飛び込んできます。

 初のステレオ・ヴァージョンは、リード・ヴォーカルを真ん中に置き、演奏とコーラスを左右のチャンネルにふる、というミックスになっています。ギターとピアノが非常にくっきり聴こえるようになり、エンディングが15秒長くなったのもうれしいところです。

 この曲が以前から持っているパワフルなダイナミックスさはステレオになっても失われていません。モノ・ヴァージョンと共にしばらくは毎朝、毎昼、毎夜聴くことになるでしょう。森 勉

2012年7月26日(木) レムリア 「All I've Got To Give」 

 夏らしい陽気になってきました。
東京の夏は蒸し暑いのですが、ハワイの夏は気持ちいいそうですね。
(先日、ハワイへ行かれた方からおみやげ話を聴きました)

 パスポートも期限切れしてしまった身としては当分ハワイの地は踏めそうにありませんが、このCDを聴いてハワイに行った気分に浸ることにしましょう。

 レムリアは、カラパナのカーク・トンプソンが中心となって結成したハワイ発AOR/フュージョン・バンド。

 1978年発表1stアルバム『レムリア』は約10年前ドリームズヴィル・レコードからCD化されたことがあったものの近年は入手困難になっていた1枚。この度P-VINEから紙ジャケット仕様で再発されました。(国内CD PCD-93569 2,415円)

 ハワイ産アーバン・ソウルとブラジリアン・フレーヴァーをまぶした心地良いサウンドと開放感ある女性ヴォーカルが最高! ババドゥもカヴァーしているA「All I've Got To Give」はホント、ゴキゲンな1曲ですね。

 ちなみに、レムリアのメンバーであるトロンボーン奏者、アイラ・ネブスのCDも今回同時発売されました。メロウ・フュージョン好きの方はそちらも要チェックです。森 陽馬

2012年7月27日(金) ポール・ウィリアムス 「アウト・イン・ザ・カントリー」

 今週7月25日発売は紹介したいものが多くて困ってしまいます。

 先日紹介したビーチ・ボーイズ最新リマスターCDも他に取り上げたい曲はまだまだたくさんありますし、カテリーナ・ヴァレンテ、ウェルナー・ミューラー、ヴォーグスなどワーナー・ベスト・シリーズ(予定になっていたアニタ・カーは8/22延期)、そして好評再発続行中のA&Mレーベル50周年記念紙ジャケット・シリーズ。

 トミー・ボイス&ボビー・ハート、パイザノ&ラフ、ポール・ウィリアムス、ロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムスがどーーんと計10タイトル出ました。

 今日は大学生の時によく聴いたポール・ウィリアムス『ライフ・ゴーズ・オン』からの1曲です。

 1972年発表ソロ第3作目。
前作『オールド・ファッションド・ラヴ・ソング』(今回、窓が切り抜いてある特殊紙ジャケット仕様で出ました!)もとてもいいアルバムでしたが、この盤も負けず劣らず名作だと思います。

 「愛は愛の中」はカーペンターズに、「トラヴェリング・ボーイ」はアート・ガーファンクルに取り上げられて有名になる前のポール自身による素朴なヴォーカルが聴けます。

 スリー・ドッグ・ナイトが1970年にヒットさせた「アウト・イン・ザ・カントリー」は、セルフ・カヴァーということになりますが、アレンジの素晴らしさが光る1曲です。

 イントロのデヴィッド・スピノザの生ギター、間奏でのマイケル・アトリーのオルガン、そしてラス・カンケル&リーランド・スクラーのリズム・セクション、各々の演奏がポールの歌を引き立たせています。

 東京を脱出して田舎で暮らしてみたいと思っていた40年前の若い幻想が懐かしくなる歌(詞)です。森 勉

2012年7月28日(土) ザ・スクーターズ 「かなしいうわさ」

 ロンドン・オリンピックが開幕!
日本時間早朝から始まった開会式、ついつい見てしまいましたね。

 開会式ラスト、ポール・マッカートニーによる「The End」(!)から「ヘイ・ジュード」への流れ。機材トラブルであらかじめ録音していた音と生演奏が合わない部分もありましたが、元気なポールが見れて良かったです。

 さて今日は、復活!スクーターズの新作からこの1曲。

 名アート・ディレクター、信藤三雄がリーダーを務めるガール・ポップ・サウンドをルーツに持つバンド、ザ・スクーターズがなんと30年ぶり新作『女は何度も勝負する』を発表。(HOTWAXCD-1002 2,800円)

 筒美京平、宇崎竜童、志磨遼平(毛皮のマリーズ)など豪華作曲家陣が書き下ろし新曲を提供してますが、その中から小西康陽作によるE「かなしいうわさ」。

 「ダンシング・イン・ザ・ストリート」を彷彿とさせるイントロに、ピチカート的サビへの展開が超ゴキゲンなポップ・チューン♪

 <東京ディスコナイトから30年。伝説のガールズ・グループ「ザ・スクーターズ」は只今!熟れてます(笑)。関係ないけど脱原発です>
という帯記載の文句も素敵です。森 陽馬

2012年7月29日(日) クリス・ロビンソン・ブラザーフッド 「Tulsa Yesterday」

 現在活動休止中のブラック・クロウズのヴォーカリスト、クリス・ロビンソンが新バンド“クリス・ロビンソン・ブラザーフッド”を始動。第一弾アルバム『Big Moon Ritual』をリリースしました。(国内CD SICP-3570 2,520円)

 メンバーは、ライアン・アダムスのバック等でも活躍してきたシンガー・ソングライター、ニール・カサール(g,vo)、ブラック・クロウズのアダム・マクドゥーガル(key,vo)、元Burning Treeのマーク・ダットン(b,vo)、メンフィス出身のドラマー、ジョージ・スラピック(dr)による5人。

 サイケな雰囲気のジャケット・アート、初っ端から11分を越える大作、ライブでも積極的に取り上げているというグレイトフル・デッドの影響を強く感じさせます。全曲基本的に7分越えながら、ゆるやかなグルーヴが心地良く響きます。

 国内盤ボーナス・トラックには、カール・パーキンス「Blue Suede Shoes」のカバー(こちらも7分越え)、「Girl I Love You」(ライブ音源)の2曲が追加収録されています。

 今作と対をなす2部作・続編『The Magic Door』も発売を予定されています。東尾沙紀

2012年7月30日(月) The Flamingos 「KO KO MO」

 昨日、新宿バルト9映画館へ行き山下達郎シアター・ライヴ前売鑑賞券を購入してきました。

 ローソンなどでも購入・発券できますが、上映される劇場窓口ではポストカード型鑑賞券になっています。2,200円と通常の映画前売鑑賞券よりも高額ですが、現物を手に取るとついつい複数枚購入したくなりますね。

 1回分でどのくらいの長さがあるのか? 1日に何度上映されるのか?など未定のようですが、上映前客入替時は館内でドゥーワップをかけたり、終演後「That's My Desire」をかけたり、と臨場感を出してくれるとうれしいですね。(さすがにクラッカーは持ち込み不可か?)

 ただひとつ困ったのは、新宿バルト9では鑑賞2日前から、それも劇場窓口でしか座席指定券と引き換えができないこと。(座席指定券との引き換えはインターネット予約不可)

 例えば上映開始の8月25日(土)に観に行きたければ、その2日前の23日(木)に新宿バルト9へ行き予約&座席指定券と引き換えしないと見れない可能性がある、ということです。

 当日フラッと行って観れればよいのですが、1週間限定上映なので土日は混雑するでしょうし、実際のコンサートと違って映画館の場合、前の方の席だと画面が観辛い可能性が高いので、あらかじめ観たい日の前に一度劇場へ足を運ぶ必要がありそうです。(うーーーん、その都度新宿へ行くのはめんどくさ・・・、いや、8月下旬は時間を作らないといけませんね。)
 まあでもどんなライヴ映像が飛び出すのか楽しみです。

 さて、今日は最近店でよくかけているドゥーワップ・コンピをご紹介。

 今まで、『ルンバでジャズ』、『ルンバでブルース』というタイトルで発売されているコンピ・シリーズに新しくリリースされたのがこれ。『Rumba Doo Wop 1933-1954』。(輸入CD-R2枚組 Rhythm & Blues Records RANDB015 同時発売で『Rumba Doo Wop 1955-1956』も発売中)

 アフリカ/ラテン、ルンバをルーツにしているドゥーワップ曲を集めた2枚組全63曲コンピ。
 盤はCDRながら、ブックレット内には各々のEPレーベル面写真が掲載されていたり、英語解説も親切に記載されていて、音質はイマイチながら聴き応えあってオススメ。

 選曲は、ムーングロウズ、ドリフターズ、ペンギンズなど色々。今日のこの1曲は、フラミンゴスによるビーチ・ボーイズとは同名異曲のナンバー「KO KO MO」。まさにラテン/ルンバなドゥーワップ曲です。森 陽馬

2012年7月31日(火) ヴォーグス 「ターン・アラウンド・ルック・アット・ミー」

 ヴォーグスの黄金時代である1965〜69年のヒット曲を集めたCDが久し振りに日本盤として発売されました。(『ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・ヴォーグス』 国内CD WPCR-14531 1,800円)

 1997年に日本企画として、山下達郎選曲によって出たものと同じ曲目ですが、音の方は2012年最新リマスタリングされています。

 高校生時代の1960年ごろ結成された4人組。初ヒットは1965年、Co&Ceレーベルから出た「ユー・アー・ジ・ワン」。その後リプリーズ・レーベルに移籍し、1968年に「ターン・アラウンド・ルック・アット・ミー」、「マイ・スペシャル・エンジェル」とベスト・テン・ヒットを連発。

 このCDにはその両方のレーベル・ヒットが収録されています。

 ソフトでクリーンなハーモニーが売りのヴォーグスは、アメリカの伝統的なコーラス・グループの良さを受け継ぎながら、ミドル60'sに活躍したグループらしい新しい味付けをしたサウンドを届けてくれます。森 勉






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