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  今日のこの1曲 “Archives”

<2014月8月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2014年8月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2014年8月1日(金)  A Pilot Project 「Dancing On A High Wire -unplugged-」

イギリスのポップ・ロック・バンド、パイロットがデビューして今年で40年。

再始動後は新作や未発表デモ集のリリース、来日公演などがありましたが、(ちなみにこの間、デヴィッド・ペイトンはBeagle Hatとしての活動もありましたね)、久々に届けられた新作はデヴィッド・ペイトンとイアン・ベアンソンがレコーディングの多くに携わった、アラン・パーソンズ・プロジェクト(APP)の楽曲をカバーするというもの。

その名も''A PILOT PROJECT''です。
(『パイロット・プレイズ・アラン・パーソンズ・プロジェクト』 AIRNF-015 2,500円+税)

『The Turn Of A Friendly Card』(80年)、『Eye In The Sky』(82年)を中心に、6作品の中から14曲が選ばれています。
(「Games People Play」がかっこいい♪)

ジャケットの内側には、APPへの参加は自分達の誇りであることと、09年に亡くなったAPPのエリック・ウールフソンへの言葉が記されており、ほぼオリジナルに忠実に演奏しているのは、APPへの感謝と敬意の表れなのかと感じます。

国内盤には日本のみのボーナストラックとして、本編でも取り上げられている「Dancing On A High Wire」のアンプラグド・ヴァージョンが収録されています。

メロディと歌声が際立ったこのバージョンもとても良いですね。東尾沙紀

★お買い上げの方先着で「Eye In The City」8cmCDも差し上げています。


2014年8月2日(土) クラレンス・カーター 「Patches」

映画『マッスルショールズ 黄金のメロディ』を新宿シネマカリテで鑑賞。

アメリカ南部アラバマ州の小さな街マッスルショールズ。
そこに居を構える音楽スタジオの話をまとめた音楽ドキュメンタリー映画。

日本では一般的ではありませんが、ロック/ソウルの名盤を数多く生んだスタジオとしてその筋ではとても名高い音楽スタジオなのです。

1960年代保守的であったアラバマ州において、スタジオ内では白人と黒人が交流しながら素晴らしい音楽を作ってきた、という事実。そして名曲が生まれる瞬間の回想など、内容は専門的ながら新しい発見もあって面白かったですね。

パーシー・スレッジ、ウィルソン・ピケット、アレサ・フランクリンの録音話ほか、ローリング・ストーンズ、デュアン・オールマン、レーナード・スキナードの興味深いエピソードもたくさんあるので、ソウル好きのみならずロック・ファンも必見の映画だと思います。(キース・リチャーズが意外に結構出てきます)

フェイム・スタジオを立ち上げたリック・ホールという人の自伝的ストーリーでもあるので、当時のライヴ映像やその音楽をもう少しフルで聴かせてもらいたいかったな、と思える箇所もありましたが、テンポは良くて見やすかったです。

ということで、今日はマッスルショールズ録音からこの1曲。
クラレンス・カーター「パッチズ」。
(国内仕様CD クラレンス・カーター 『ザ・フェイム・シングルズ Vol.2 70~73』 PCD-17645 2,700円+税)

「パッチズ」(PATCHES)とは衣服などの<つぎはぎ>の意。
ロナルド・ダンバー&ジェネラル・ジョンソンによる作品で、南部の貧しい家庭の生活事情を描いた内容の歌詞。

畑仕事中に父を亡くしたリック・ホールの心に響いたようで、それを盲目黒人シンガーのクラレンス・カーターに歌わせて大ヒットした、というエピソードが劇中で紹介されます。

新宿では8月8日まで上映しているそうなので、音楽ファンは是非チェックしてみてください。森 陽馬


2014年8月3日(日) エリック・クラプトン&フレンズ 「Crying Eyes」 feat デレク・トラックス

エリック・クラプトンの新作は、昨年2013年7月に亡くなったJ.J.ケイルへ捧げられた作品。
(国内CD エリック・クラプトン&フレンズ 『ザ・ブリーズ~J.J.ケイルに捧ぐ』 UICP-1162 2,500円+税)

ネイザン・イースト(B)、ジム・ケルトナー(Dr)のリズム隊に、ジョン・メイヤー、マーク・ノップラー、ウィリー・ネルソン、アルバート・リー、デヴィッド・リンドレー、ドイル・ブラムホールⅢ、グレッグ・リーズなど、J.J.ケイルと繋がりの深かったミュージシャンも参加。

これだけの超豪華ゲストを迎えながらも、全体的に超レイドバックな仕上がり!
渋すぎるくらい渋い!

でも、昔からのクラプトンファン、70年代中期頃のアルバムお好きな方なら気に入ること間違いなしのアルバムだと思います。

ウィリー・ネルソンがヴォーカル参加した⑨「Songbird」&⑭「Starbound」、マーク・ノップラーが歌うJ.J.ケイル作の未発表曲③「Someday」が個人的にはフェイヴァリット。

今日のこの1曲はラスト⑯「Crying Eyes」。

J.J.ケイルの1972年発表代表作『Naturally』に収録されていた名曲を、ケイルを公私共に支えてきた女性クリスティン・レイクランドとクラプトンがナイス・カヴァー。

デレク・トラックスによる絶妙なスライド・ギターも聴きものです。森 陽馬


2014年8月4日(月) ポール・ウィリアムス 「雨の日と月曜日は」

声とかその歌い方に独特の個性を感じさせてくれるポール・ウィリアムス。

彼が歌ったものと他の歌手が歌ったものでは、同じ楽曲とは思えないほど、曲の趣きが変わって聴こえてくるものが多くあります。

「雨の日と月曜日は」(Rainy Days And Mondays)はカーペンターズ1971年の大ヒットとして有名ですが、ポール・ウィルアムスは1974年A&Mでの第3作目『友に捧げる詩』(原題:Here Comes Inspiration)でセルフ・カヴァーしています。
(国内CD 限定盤 UICY-75207 2,667円+税)

カレン・カーペンターのヴォーカルもいいけれど、自分で作った歌詞をひとこと、ひとこと噛みしめるように歌われるこのヴァージョン。

やはり作者ならではのものだなぁ、と感心してしまいます。

そういえば古今東西、月曜日をテーマにした曲に好きな楽曲がたくさんありますね。

ファッツ・ドミノ「ブルー・マンデー」
ママス&パパス「マンデー・マンデー」
山下達郎「マンデー・ブルー」
バングルス「マニック・マンデー」 森 勉


2014年8月5日(火) 山田稔明 「夜の海を走って月を見た」

祝!GOMES THE HITMAN再結集!

山田稔明、須藤俊明、高橋結子、堀越和子、4人によるGOMES THE HITMAN。
7年振りのライヴが10月11日(土)吉祥寺STAR PINE'S CAFEで決定しました。

今年メジャーデビュー15周年となるGOMES。
よりアップデートされたGOMESサウンドがどんな風に響いてくるかとても楽しみです。

なお9月29日(月)当店地下アゲインにて、山田稔明イベント<月あかりのナイトリスニング Vol.5>を行います。
今回は<GOMES THE HITMAN特集>!
GOMESに関する山田稔明本人によるトーク、そしてライヴ、乞うご期待!

今日のこの1曲は、高野寛デビュー25周年を記念してリリースされたトリビュート・アルバムから、山田稔明さんが提供したナンバー「夜の海を走って月を見た」。
(CD 『高野寛ソングブック TRIBUTE TO HIROSHI TAKANO』 OTCD-3872 2,800円+税)

「夜の海を走って月を見た」は、高野寛1988年発表デビュー作『hullo hulloa ハローハロア』(高橋幸宏プロデュース)に収録されている名曲。

イトケン、安宅浩司、上野洋、sugarbeans、カポウ(大の高野寛ファンだそう)によるバック演奏に、無垢な山田稔明さんの歌声が沁みるナイス・カヴァーです。

ハナレグミ、岸田繁、高橋幸宏、湯川潮音、おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)、そしてトッド・ラングレンなどこのトリビュート盤には超豪華アーティストがたくさん参加していますが、個人的にはこの山田稔明さんの歌がベスト・トラック!

なお、高野寛ブラジル録音の最新作も同時発売されています。森 陽馬


2014年8月6日(水) 高野寛 「See You Again (RIO ver)」

『高野寛ソングブック TRIBUTE TO HIROSHI TAKANO』と同時に最新作『TRIO』も発売になりました。
(SBRT-005 3,000円+税)

今年の3月、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロに出向き、以前から親交のあるモレーノ・ヴェローゾ(カエターノ・ヴェローゾのご子息)をプロデューサーに、現地のミュージシャンと共に録音された新曲+セルフカヴァー集。

ほとんどの曲が弾き語りもしくは、ギター、ベース、ドラム/パーカッションのトリオ編成で録られており、とてもリラックスした雰囲気が歌&サウンドから伝わってきます。

ライヴで歌われてきた新曲「Dog Year,Good Year」、「(それは)Music」や、鳥の鳴き声など現地の空気感が詰め込まれた「Morning Star」など、インタールードを含む全16曲と聴き応えもありながら、とても聴いていて心地良い作品です。

今日の一曲は、RIO verとして再録された、88年のデビュー曲「See You Again」。
ウッドベースの音色が印象的なシンプルなアレンジも素敵です。

御本人によるライナーノーツ付きです。東尾沙紀


2014年8月7日(木) ジャック・ニッチェ 「ローワー・カリフォルニア」

ジャック・ニッチェの作品集Vol.3がACEレーベルより発売になりました。
(国内仕様CD 英文解説の対訳付 MSIG-942 3,100円+税)

Vol.1が2005年、Vol.2が2006年発売でしたから8年振りです。

抜群のアレンジ・センスでフィル・スペクターを支えたジャック・ニッチェ。
プロデューサーとしても、コンポーザーとしても、キーボード奏者としても、様々なアーティストの曲に彩りを添えています。

このCDにはそんなジャック・ニッチェのワークスが全26曲収録。
裏話などくわしい解説を読みながら聴くと、いっそう興味深さが増幅して、彼のサウンド・マジックに浸れます。

今日紹介する「ローワー・カリフォルニア」は、ジャック・ニッチェの歌声が聴けるレア音源。

1974年に録音されていましたが、いろいろあってお蔵入り。
発表になったのは、ジャック・ニッチェが亡くなった後、2001年になってからでした。

この曲の共作者は映画監督のロバート・ダウニー。
「アイアンマン」の主演、ロバート・ダウニー・ジュニアのお父さんです。森 勉


2014年8月8日(金) 宇宙人 (Cosmos People) 「幸せな結末」

シティ・ポップ、大滝詠一ファンも要チェック!

台湾出身男性3人組ユニット、宇宙人(Cosmos People)。

2004年結成で2009年デビュー。台湾では3枚アルバムを発表。
その3作から選曲された日本編集盤『コスモロジー』が発売されました。
(国内CD 日本語解説/メンバー自身による曲解説付 PCD-24359 2,400円+税)

日本盤のみのボーナス・トラックとして、なんと!大滝詠一「幸せな結末」中国語カヴァーが収録!

彼らのルーツであるソウルフルかつメロウ・グルーヴなサウンド!
パッと聴くだけだと「幸せな結末」だとわからないくらい斬新なアレンジですね。

オリジナル曲も洗練された都会的ポップ・センスに溢れる楽曲群。
台湾にもこういうバンド、いるんだなぁ。

宇宙人によるナイアガラ/シティ・ポップカヴァー、他にも聴いてみたくなりました。森 陽馬


2014年8月9日(土) HOLLIS BROWN 「Who Loves The Sun」

最近出たカヴァー・アルバムで面白い!と思ったのがこの1枚。

HOLLIS BROWN 『GETS LOADED』。
(輸入CD Alive Naturalsound Records 0158-2)

HOLLIS BROWNは人名ではなく、ニューヨークを拠点に活動している4人組ロック・バンド。

彼らの3作目となる今作は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド1970年発表4thアルバム『LOADED』を全曲カヴァーした作品です。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドといえばバナナジャケの1stが有名ですが、ポップで聴きやすい『ローデッド』も隠れた人気盤で僕も好きなアルバム。
その『ローデッド』を武骨なロック・アレンジでナイス・カヴァー。

更に興味深いのが、曲順が『ローデッド』と真逆!

『ローデッド』のラスト10曲目「Oh Sweet Nuthin'」が今作では1曲目。
冒頭の「Who Loves The Sun」が最後の10曲目になっています。
(つまり「Sweet Jane」は今作では9曲目)

比較的オリジナルに忠実なカヴァーで、斬新さはあまりないかもしれませんが、ヴェルヴェッツ/ルー・リードファンは要チェックの1枚でしょう。森 陽馬


2014年8月10日(日) The Blow Monkeys 「It Doesn't Have To Be This Way」

2012年に1stと2ndアルバムが2枚組デラックス・エディションで再発されたブロウ・モンキーズ。

今夏、1987年発表3rdアルバム『She Was Only A Grocer's Daughter』のデラックス・エディションが発売になりました。
(輸入CD Cherry Red Records CDBRED628)

ディスク1には本編11曲に加えて、ボーナス・トラック5曲。
ディスク2には未発表デモ3曲、シングルB面曲、別ヴァージョンなど16曲が収められています。

今作といえばやはり全英ヒットで代表曲のひとつ「It Doesn't Have To Be This Way」が有名ですよね。

この曲だけでも、別ヴァージョン3曲、そしてインストゥルメンタルも収録されていますが、未発表デモが聴きものです。

本編のギター・カッティング、サックスから始まり、女性コーラスが無いこのヴァージョンも、デモながら完成度が高くてとてもかっこいい!

カーティス・メイフィールドがヴォーカルで参加した「(Celebrate) The Day After You」もファンキーでかっこいい名曲♪
この曲もPaul Weller Mix、ロング・ヴァージョン、Unity Mix、Choices Versionなどが収録されています。東尾沙紀


2014年8月11日(月) トラフィック 「ペイパー・サン」

スティーヴ・ウィンウッドはスペンサー・デイヴィス・グループの時代から気になる存在でした。

まだ16歳だというのにリード・ヴォーカル、リード・ギター、キーボード、作詞・作曲をやってしまうなんて!と思っていました。

そうこうしている間に2年ちょっとでスティーヴ・ウィンウッドは脱退。
1967年ウィンウッドはトラフィックという新しいグループを結成したことを当時の音楽雑誌で知りました。

そのトラフィックのデビュー・シングルが「ペイパー・サン」。

スペンサー・デイヴィス・グループではゴリゴリのR&Bソング・カヴァーか、そういうテイストのオリジナル曲がレパートリーでしたが、新しいグループで最初に挑戦したのはサイケデリック・サウンド!

当時流行の先端だったサイケですが、さすがウィンウッド!という感じの音に、今聴いても仕上がっていると思います。

デイヴ・メイスンが弾くシタール。
ジム・キャパルティの東洋・中近東的なパーカッション。
クリス・ウッドのフルート。
そして、ウィンウッドのキーボードとヴォーカルが絡むインパクトある曲です。

次のシングル曲「ホール・イン・マイ・シュー」も好きな曲でした。
シングル曲はオリジナル・アルバムに入れない主義のトラフィックだったので、このベスト盤で。森 勉
(国内CD 限定特別価格 解説・歌詞・対訳付 UICY-76281 926円+税)


2014年8月12日(火) 安宅浩司 「こいコーヒー」

パイレーツ・カヌーのドブロ奏者、岩城一彦さんがお気に入りの1枚として挙げている作品。

安宅浩司『それでいいんじゃないかと』。(CXCA-1214 2,000円+税)

2007年発表作ですが、僕も最近購入しよく聴いているアルバムです。

その中から今日のこの1曲「こいコーヒー」。

男性シンガーソングライター、外村伸二による作詞・作曲の名ナンバー。

♪ そう恋ってのはコーヒーに似てる
それが苦いのならミルクを足せばいい
それでもまだ苦いと思うなら砂糖を足せばいい

でも小細工はあまり しないほうがいい
恋もコーヒーも ♪

この後に続く歌詞の一節も秀逸。

安宅浩司さんのほのぼのとした味わいある歌声も素晴らしい!
是非CDを購入してコーヒーを飲みながら堪能してください。森 陽馬

★今週末8月16日(土)青山CAYにて、中村まりwith安宅浩司&原さとし、パイレーツ・カヌー、スーマー&桜井芳樹のライヴがあります。


2014年8月13日(水) フォー・シーズンズ 「シェリー」

フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズの物語を彼らのヒット曲とともに楽しませてくれるミュージカル『ジャージー・ボーイズ』。

その映画版が製作され完成。アメリカでは6月頃に公開されたそうです。

日本での公開は?と待ち遠しい気持ちでしたが、
9月27日からの公開が決定したようです。

監督はあのクリント・イーストウッド!
フォー・シーズンズのことを全く知らない人でも、まずは監督で興味を持ってくれる人がいるかもしれませんね。

東京では音響の良い新宿ピカデリーなどで上映予定。
1か月半ほど先ですが、期待して待ちたいと思います。

映画の評判が良ければ、日本でミュージカルの上演も実現するかもしれないですし。
今年1月に初来日してくれたフランキー・ヴァリの再来日もあるかもしれませんし。森 勉

★掲載ジャケットはフランキー・ヴァリ&ザ・フォーシーズンズ『ヴェリー・ベスト・オブ~』。
(国内CD 限定価格盤 全26曲収録 WPCR-15335 1,143円)
9月10日には映画『ジャージー・ボーイズ』サントラ国内盤、9月24日には2枚組CDベスト盤(1,800円+税)も発売予定になっています。


2014年8月14日(木) スーマー 「人生行きあたりばったり」

バンジョー弾き語り
さすらいの吟遊詩人
人間味溢れる低音ヴォイス

上記の言葉にひとつでもピンときた方は手にするべき1枚。

スーマー『ミンストレル』
(国内CD MS-001 2,315円+税)

スーマーは、1964年生まれ横浜在住の男性シンガー。

今作はロンサム・ストリングスの桜井芳樹がプロデュース。
田村玄一(ロンサム、現キリンジ)、千ヶ崎学(現キリンジ)、椎野恭一、中村まり、藤原マヒト、原さとし、河野沙羅(パイレーツカヌー)他、気心の知れた熟練ミュージシャンが参加。

深みのあるスーマーの歌声に、ワビサビ効いた味のある演奏が絶妙です。

今日のこの1曲は、11曲目「人生行きあたりばったり」。

『深夜食堂』の作者である安倍夜郎が書いた詩に、スーマーが曲をつけたナンバー。
高田渡、西岡恭蔵お好きな方に是非聴いてもらいたい1曲ですね。

ちなみに、パイレーツカヌー「Goodbye Jacqueline」のカヴァーも収録。
中村まりがコーラスで参加しています。森 陽馬


2014年8月15日(金) 臼井ミトン 「ロンサムジョージ」

ジム・ケルトナー(dr)!
ウィル・リー(b)!
グレッグ・リーズ(Dobro)!
ハーブ・ペダーソン(Banjo)!
ヘンリー・バトラー(P)!
そして、難波弘之(Hammond)!

こんな凄いバック・ミュージシャンを従え録音・制作されたのがこの1枚。

臼井ミトン『真夜中のランブル』
(USKN-001 1,852円+税)

臼井ミトンは、1984年生まれのシンガー・ソングライター兼グラフィック・デザイナー。
今作は彼自身ロスやニューヨークを廻り作り上げた2ndアルバムです。

アメリカン・ルーツに根ざしたサウンド/演奏はもちろん極上♪
豪華バック・メンバーでも気張らず気取らない彼の歌声も好感が持てます。

今日のこの1曲は②「ロンサムジョージ」。
ヘンリー・バトラーと難波弘之のキーボードプレイが絶妙なナンバー。

大橋トリオ、CARAVANお好きな方にもオススメです。森 陽馬


2014年8月16日(土) Sproutless 「Love Junkie」

プリファブ・スプラウト・ファンの間で以前から話題の<Sproutless>のCDが当店にも入荷しました。

Sproutlessは、プリファブに関する本も執筆しているジョン・バーチを中心としたファンの集い''Prefab Sprout Project''から登場したトリビュート・バンド。

カバーはなく、全曲オリジナルなのですが、まるで本物を聴いているような感覚に陥るほどの完成度♪

これは未発表音源集だといって聴かされても信じちゃいそうです、すごい!

パディ・マクアルーン、ウェンディ・スミスに歌い方もそっくりです。
ネタとして聴くもよし...お好きな方は騙されたと思って聴いてみてください。

本家ドラマーのニール・コンティも殆どの楽曲に参加しています。

ジャケットが似ていて紛らわしいのですが、『INSIGHTS FROM RETROSPECT』、『MOVEABLE FEAST』
2作品リリースされています。東尾沙紀

2014年8月17日(日) BLACK WAX 「Golden Time」

今週開催されたサマーソニック、ライジングサン、コミケ、神宮外苑花火....etc。
観に行かれた方、いかがでしたでしょうか?

僕は8月16日(土)青山CAYにて、中村まり、スーマー、パイレーツ・カヌーが出たライヴへ行ってきました。
パイレーツ・カヌーが素晴らしかったですね。

お盆も過ぎ、夏もそろそろ終わり。
秋~冬のイベントも色々発表になってきましたが、楽しみなのがこのライヴ・イベント。

ピーター・バラカン企画による
<Peter Barakan's LIVE MAGIC>

名ドブロ奏者ジェリー・ダグラスが来日!
他にもジョン・クリアリー、スタンリー・スミス、細野晴臣、高橋幸宏、告井延隆など通好みなラインナップ。
ルーツ音楽好きは要チェックですね。

中でも注目はBLACK WAX with 久保田麻琴 live mix。

BLACK WAXは宮古島出身4人組バンド。
土着的なグルーヴ感でかっこいいインストを聴かせる新作3rdアルバム『ヴドゥ・イー』を6月に発売。
(国内CD ABY-13 2,315円+税)

今日のこの1曲は彼らのオリジナル曲「Golden Time」。
タイム感ある独特な南国ファンキー・グルーヴ!

LIVE MAGICではプロデューサーでもある久保田麻琴との絡みもあるのかな?
どんなステージを見せてくれるか楽しみです。森 陽馬


2014年8月18日(月) SPANKY & OUR GANG 「Sunday Will Never Be The Same」

女性シンガー、エレン・“スパンキー”・マックファーレンを中心としたスパンキー&アワー・ギャングは、ミドル60's音楽ファンにとって忘れられない存在のグループです。

日本では当時発売していたレコード会社のプッシュが今ひとつだったので、大きな人気を得るまでには至りませんでした。

しかし、洋楽を熱心に聴いていたヘソの曲がったポップス・ファン(僕もその1人ですが)には、とても評判の良いグループでした。

1967年のシングル「レイジー・デイ」(全米14位)や、1968年「ライク・トゥ・ゲット・トゥ・ノウ・ユー」(全米17位)がヒットしていた時も、そんなファンは日本から彼らの曲を応援していたのに、もう少しのところで全米トップ10入りを逃して残念な思いをしたものでした。

そんなスパンキー&アワー・ギャングのシングルを集めた『ザ・コンプリート・マーキュリー・シングルズ』が発売になりました。
(輸入CD REAL GONE RGM-270)

うれしいことに、オリジナル・シングルを聴いている感覚にしてくれるモノ・ミックスで全21曲。

今日はその中から1967年のファースト・ヒットとなった「サンデー・ウィル・ネヴァー・ビー・ザ・セイム」を。

プロデュースはジェリー・ロスです。森 勉


2014年8月19日(火) キングトーンズ 「夜の静寂に」(In The Still Of The Night)

大滝詠一、ナイアガラ・ファンも要チェック!

和製ドゥーワップ・グループの雄、キングトーンズ。
1980年代に入ってからの3作がボーナス・トラックを追加して再発されました。
(『インディペンデンス・デー』、『渚のR&B』は初CD化!)

1981年発表作『ドゥーワップ・ステーション』は本編がラジオ仕立ての1枚。
(CDSOL-1595 ボーナス・トラック10曲追加 解説・小川真一 2,400円+税)

今回のCDには大瀧詠一プロデュース作が3曲収録。

ドリフターズ「ラストダンスは私に」とビートルズ「ヘイ・ジュード」、コード進行の同じ2曲をくっつけて歌った「ラストダンスはヘイジュード」。(シングル及びカラオケ・ヴァージョンも追加収録)

1980年シングル・カットされた「ドゥーワップ!トゥナイト」。(シングル及び英語版追加収録)

そして、その「ドゥーワップ!トゥナイト」のシングルB面だった「夜の静寂に」(原題:In The Still Of The Night)も、ボーナス・トラックに収録されています。

なお、当時カセットのみで発売された『渚のR&B』もオールディーズ・カヴァーがゴキゲンな1枚!
オールディーズ/ドゥーワップ好きの方、オススメです。森 陽馬


2014年8月20日(水) 菅野浩 「Landmark Blue」 (featuring 高田みち子)

夜しっとりと聴くのにピッタリ!
本日発売のオススメ・ジャズ・アルバムを紹介しましょう。

菅野浩『LANDMARK BLUE ~ぼくたちのララバイ~』
(国内CD T5J-1005 2,400円+税)

時として新譜作品は、元気でないと聴いていて疲れる/聴く側のパワーが要求されることが多々あるのですが、この新譜ジャズ・アルバムは本当にリラックスして聴ける1枚。

1973年生まれのSAX奏者、菅野浩が吹くサックスの音色は優しく温かな音色。

小林岳五郎(フェンダーローズ)、工藤精(ベース)、佐津間純(ギター)、藤井伸昭(ドラム)による演奏も、全体的にゆったりとしていて、音と音の空間を大事にしたアレンジがとても気持ち良いです。

穏やかなインスト作品ですが、全10曲中2曲高田みち子さんがヴォーカル参加。

今日のこの1曲は、その高田みち子さんが書き下ろした新曲「Landmark Blue」。

菅野浩さんが父の代から縁があるという横浜をテーマにした日本語詞と、高田みち子さんの美声が見事にマッチ。

美しいメロディーと心安らぐサウンド・スケープ。
ジャンル関係なく、万人に推薦したい作品です。森 陽馬


2014年8月21日(木) カーラ・ボノフ 「ホエン・ユー・ウォーク・イン・ザ・ルーム」

カーラ・ボノフはソロ・アルバムを発表した1977年以前から、リンダ・ロンシュタットに曲を取り上げられたりして、ソングライターとして評価されていました。

ソロ・デビュー前に、アンドリュー・ゴールド、ケニー・エドワーズ、ウェンディ・ウォルドマンと共にブリンドルというグループを組んでいたこともあり、業界内では知られた存在だったのでしょうね。

そんなカーラの1979年発表セカンド・アルバム『レストレス・ナイツ (邦題:ささやく夜)』に、いいカヴァー曲が入っているので、今日はそれを紹介したいと思います。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-30646 1,800円+税) 

1964年に作者のジャッキー・デシャノンが歌い、その後サーチャーズがカヴァーしてヒットした「ホエン・ユー・ウォーク・イン・ザ・ルーム」です。

このアルバムのプロデューサー、ケニー・エドワーズが推薦した曲かもしれませんが、僕と同じ年のカーラも中学生の頃、好きな曲だったのかもしれませんね。

なんと、ジャッキー・デシャノンがバック・コーラスに参加しています。

ワディ・ワクテルとダン・ダグモアによるエレクトリック・ギター・リフも聴きどころ。森 勉


2014年8月22日(金) Ive Mendes 「I Don't Want To Talk About It」

夜聴くのにオススメの女性シンガーものをもう1枚。

“ブラジルのシャーデー”!?

ブラジルのセレス出身、現在はロンドンを拠点に活動している女性シンガー、イヴィ・メンデス。

2010年頃に発表した作品を日本仕様に編集したCDが発売されました。
(イヴィ・メンデス 『マグネティズム』 国内CD MZCF-1290 2,400円+税)

透明感ある歌声は、シャーデーとアストラッド・ジルベルトを合わせた感じ。

シャーデーやエブリシング・バット・ザ・ガールを手掛けたことで有名なロビン・ミラーがプロデュース。
バックのサウンドも落ち着いたアーバン・ボッサなアレンジです。

今日のこの1曲はクレイジーホース(Danny Whitten作)カヴァー「I Don't Want To Talk About It」。

ロッド・スチュワートのカヴァーで有名な1曲ですが、ニール・ヤングファンにとっては「See The Sky About To Rain」に似ている曲、としても人気があるナンバーですね。

ちなみに、この国内盤CDのライナーノーツ。
元パイド・パイパー・ハウス店員であり、現在は恵比寿のロックバー
『Sailin' Shoes』店主、浪岡淑朗さんが執筆されています。森 陽馬


2014年8月23日(土) Rich Robinson 「This Unfortunate Show」

今年で結成25周年となるブラック・クロウズ。

バンドは2010年無期限の活動休止を発表しましたが、2013年には再結集しツアーを敢行。

バンドとしての活動を経た今年、ロビンソン兄弟の弟でギタリストのリッチ・ロビンソンがソロ3作目となるアルバム『The Ceaseless Sight』をリリースしました。
(輸入CD CIRCLE SOUND RECORDS TE341-2)

ウォーレン・ヘインズ、ラリー・キャンベルが参加した2011年発表の前作同様、3年振りとなる新作もじわじわ沁みてくるシンプルなロックンロール・アルバム。

兄クリスのヴォーカルが聴こえてきそうなブラック・クロウズ的骨太ロック・ナンバー「This Unfortunate Show」がかっこいい!

リヴォン・ヘルムの娘、エイミー・ヘルムが2曲コーラスで参加しています。
彼女が参加したカントリー・タッチの「One Road Hill」も良い曲。
リッチの優しい声に合う曲だと思います。

前作は国内盤が発売されましたが、今作は今のところ予定はなさそうです。東尾沙紀


2014年8月24日(日) 伊東ゆかり 「恋する瞳」

伊東ゆかりがイタリアのサン・レモ音楽祭に出場し、「恋する瞳」を歌って入賞したのは1965年1月のこと。

その彼女が帰国後、所属のキング・レコードで録音し5月に発表したのが、この『サン・レモのゆかり』です。
(国内CD SWAX-1020 2,700円+税)

当時出たままに紙ジャケット仕様で復刻され、裏ジャケはサン・レモでの彼女の様子がわかる写真日記のようなデザインが小さいながらも再現されているのがうれしいところです。

内容はアルバム・タイトルからも想像できますが、その年に他の歌手が歌って入賞した「君に涙とほほえみを」、「花咲く丘に涙して」や、ジリオラ・チンクェッティで知られる「ナポリは恋人」、「アリヴェデルチ・ローマ」、そして僕のフェイヴァリット曲「砂に消えた涙」等、カンツォーネの名曲が収められています。

それにしても慣れない異国の地イタリアの音楽祭で17歳という若さで入賞を果たした伊東ゆかり。

当時中学生だった僕は、オリンピックで日本人がメダルを獲ったと同じように声援を送りたい気持ちでした。

「恋する瞳」は日本語とイタリア語の混じった歌のものと、イタリア語のみの歌唱の2ヴァージョン収録。

アルバム全体を素晴らしいアレンジで仕上げたのは東海林修です。森 勉


2014年8月25日(月) ニコラ・コンテ 「A Prayer For Lateef」 feat ティル・ブレナー

映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』を渋谷ルシネマにて先日鑑賞。

2014年アカデミー外国語映画賞を受賞したイタリア映画。
<映画史上最も美しいローマがここにある>というキャッチコピー。

おそらく大人の恋愛映画を期待して観に行った方も多いと思います。
でも、そういう方は呆気にとられたでしょうね。(実際、途中退出する観客が多かったです)

ストーリーはあるのですが、説明やセリフが最小限。
ローマの情景とイタリア・セレブの生活ぶり、寓話のような物語が141分描かれていきます。

劇場で見ている時は冗長に感じた場面もありましたが、見終わった後不思議な余韻を残す作品でした。

フェデリコ・フェリーニ監督の名作『甘い生活』、『8 1/2』、『アマルコルド』、ヴィム・ヴェンダース関連映画がお好きな方なら感銘を受けること必至。
1970年ナポリ生まれの若き天才、パオロ・ソレンティーノ監督はこれからも要注目ですね。

今日のこの1曲は、映画とは直接関係ありませんが、同じイタリア出身新世代JAZZコンポーザー、ニコラ・コンテ2014年作より。
(国内CD ニコラ・コンテ 『フリー・ソウルズ』 UCCU-1405 2,500円+税)

若き名トランペッター、ティル・ブレナーをfeat。
2013年12月に他界した故ユセフ・ラティーフへ捧げられたナンバーです。森 陽馬


2014年8月26日(火) バリー・マン 「ユアー・ジ・オンリー・ワン」 feat キャロル・キング

シンガー・ソングライターものの中では、なかなかCD化が叶わなかったバリー・マンの1980年発表アルバムが初CD化されました。

カサブランカ・レーベル原盤の『BARRY MANN』。待望の再発です。
(国内CD 長門芳郎氏による解説付 紙ジャケット仕様 VSCD-2388 2,600円+税)

バリー・マンは1970年代以降、シンガー・ソングライターとしていろいろな作品を発表していますが、残念ながら歌い手としてはブリル・ビルディングの同僚であるキャロル・キングのように大ヒットを出すことはできませんでした。

しかし彼の作ったアルバムは『Lay It All Out』、『Survivor』に代表されるように、作品的には素晴らしいものばかりです。

このアルバムも出来は申し分なかったと思うのですが、プロモーションの弱さからか発表当時は好き者に騒がれはしたものの、一般的にはあまり話題にならずに終わってしまいました。

レコードがあまり手に入らなくなった1980年代後半からずっとCD化の要望が多かったアルバムですが、やっと出ましたね。

このアルバムが出た1980年頃、バリー・マンは41歳。
聴き応えのある作品に仕上がったと本人も想ったのでしょう。
タイトルはシンプルに自分の名前だけ。

ビル・メドレーが1968年に歌ってヒットさせた「ブラウン・アイド・ウーマン」や、B.J.トーマスが歌った「ウィーアー・オーヴァー」セルフ・カヴァー。
1989年リンダ・ロンシュタットとアーロン・ネヴィルがデュエットし大ヒットした「ドント・ノウ・マッチ」の元と言えるほぼピアノ弾き語りヴァージョンなど、バリーの魅力的な低音ヴォーカルがいきている楽曲が並んでいます。

その中からレコード時代はB面1曲目だった「ユアー・ジ・オンリー・ワン」。
キャロル・キングがヴォーカルとピアノでゲスト参加している素敵なポップ・チューンです。
ストリングス・アレンジは職人技が光るジーン・ペイジ。森 勉


2014年8月27日(水) J Mascis 「Drifter」

今日は気温がグッと下がり、半袖で過ごすには少し肌寒い一日でしたね。
そんな秋っぽい空気に意外と(?)合うのがこちらのアルバムです。

ダイナソーJr.での爆音・轟音とは対照的なアコースティック・サウンドで美しいメロディを聴かせた、2011年の前作も好評だった、J・マスキスのソロ最新スタジオアルバム『Tied To A Star』が先週リリースされました。
(国内CD ボーナストラック2曲収録 TRCP-169 2,200円+税)

今作もオープニングから全編通して、アコースティック・ギターの優しい音色+けだるい歌声が心地良いです。

前作はドラムレスで繊細な雰囲気の曲が並びましたが、今作ではドラムやパーカッション、エレキ・ギターも取り入れ、ダイナソーほどではありませんが、ロックなテイストのものも。

今作の中ではさりげなく入れられたインスト「Drifter」が個人的にとても気に入りました。
3分に満たない曲ですが、キレのあるギターと躍動的なリズムがかっこいいルーツ色の濃いナンバーです。

本編最後の「Better Plane」での切なげなエレキ・ギターソロも聴きものです。東尾沙紀

2014年8月28日(木) リヴィングストン・テイラー 「Boatman」

ジェイムス・テイラーは大好きなシンガー・ソングライターですが、その弟であるリヴィングストン・テイラーにも特別な思い入れがあります。

2006年12月11日の今日のこの1曲でも書きましたが、今から15年前となる1999年、サンフランシスコにある小さいライヴ・ハウスでリヴィングストン・テイラーのコンサートを見たことがありました。

プロフェッショナルなギター、歌、素晴らしいパフォーマンス。
そして楽しいライヴ後、地元客に混じりほぼ最前列で見ていた日本人の僕に、彼の方から話しかけてきてくれたのです。
温もりある歌声そのままの気さくな心遣い。うれしかったですね。

その彼の新作アルバムが発売されました。

リヴィングストン・テイラー『BLUE SKY』
(国内仕様CD 解説付 OM-23 2,500円+税)

ナッシュビルのソングライターMac McAnallyと、Charlie Puthという若いミュージシャンがプロデュースを担当。
芯のある優しい歌声とそれを引き立てるメロディー&サウンド・アレンジ。
今回も期待通りのゴキゲンな仕上がりです。

スティーヴン・ビショップ「On And On」、ローラ・ニーロ作「Sweet Blindness」、ビートルズ「Paperback Writer」等カヴァーも良いですが、今作ではオリジナル曲がいいですね。

10曲目「Boatman」は1996年作『自転車と僕』に収録されていた楽曲のセルフカヴァー。

ジェイムス・テイラーも1997年作『アワーグラス』で取り上げていた隠れた名曲。

今回のヴァージョンでは、若きプロデューサーCharlie Puthと女性シンガーChelsea Berryが2番を歌っているのですが、LIVの温かい歌声を見事に引き継いでいてとても好感が持てます。

是非また来日して欲しいですね。森 陽馬


2014年8月29日(金) mango season 「Flying Home」

ハワイ産メロウ・グルーヴ・ポップスのオススメ盤!

mango season 『Flying Home』
(輸入CD 884501922258)

Curtis KamiyaとAnnie Kamiya、ホノルルを拠点に活動している夫婦デュオ、マンゴ・シーズン。
彼らが2013年リリースした初フル・アルバムです。

<sun-kisseed Music made in Hawaii>
とCDジャケット裏に記されている通り、ハワイの陽気が伝わってくるゴキゲンな1枚。

アイランド・ミュージック、70'sウエスト・コースト・サウンド、AOR、etc...。
グッド・ミュージックの要素がたっぷり詰まった楽曲&サウンドと、さわやかな男女ヴォーカルが魅力です。

特にタイトル曲①「Flying Home」。

極上のアイランド・メロウ・グルーヴ♪
カラパナ、マッキー・フェアリー、ババドゥお好きな方必聴のキラーチューン!

ちなみに11曲目にはピチカート・ファイヴ「スウィート・ソウル・レビュー」のカヴァー(日本語!)も収録されています。森 陽馬


2014年8月30日(土) ペギー・リプトン 「I Just Wasn't Made For These Times」 (ビーチ・ボーイズカヴァー)

1968年に発表されたペギー・リプトンのアルバムは永らく未CD化状態が続いていましたが、昨年2013年にオリジナルLP仕様の紙ジャケットでめでたく初CD化されました。

敏腕プロデューサーのルー・アドラーが手掛けたという内容とジャケットの良さも相まって、当店でもベストセラーを続けていましたが、なんと!それにボーナス・トラックが8曲も追加した新装盤が発売になりました。
(国内仕様CD 解説:長門芳郎 VSCD-6060 2,600円+税)

以前に購入された方には心苦しいおすすめになってしまいますが、このボーナス・トラックがイイ曲ばかりなのです。

アルバム未収録だったシングル曲が4曲!
そして幻の未発表曲が4曲!!

この未発表曲の作曲者が凄い!

バート・バカラック、ブライアン・ウィルソン!、キャロル・キング!
(あと1曲はペギー・リプトン自身による作曲)

書き下ろしではなくカヴァーということになりますが、どうして発表されなかったのだろうという素晴らしい出来のアレンジばかりです。

今日はその中から『ペット・サウンズ』に収録されていたブライアン・ウィルソン傑作曲「I Just Wasn't Made For These Times」のペギー・リプトン・ヴァージョンを。

こんな曲が眠っていたなんて・・・。森 勉


2014年8月31日(日) 大瀧詠一 「おもい」

今日で8月も終わり。
最近は過ごしやすい日が続いていて、秋の気配を感じますね。

例年この時期になるとクリスマス/12月発売商品のオーダーがあって、そういうところにも夏の終わりを感じます。

ということで、12月発売の気になるアイテムを。

1972年発足した日本フォーク/ロックの伝説的レーベル、ベルウッド・レコード。
代表的な名作10タイトル、完全限定アナログ180g重量盤として復刻リリースが決定しました。

・大瀧詠一『大瀧詠一』(ファースト)
・大瀧詠一『アーリー大瀧詠一』
・はっぴいえんど『HAPPY END』(3rd)
・はっぴいえんど『CITY』
・はっぴいえんど『ライヴ!! はっぴいえんど』
・はっぴいえんど『シングルス・はっぴいえんど』
・あがた森魚『乙女の儚夢』
・細野晴臣『HOSONO HOUSE』
・はちみつぱい『センチメンタル通り』
・高田渡『ごあいさつ』

<完全初回プレス限定盤 各3,600円+税>

40年以上前の作品群ですが、今聴いても全く色褪せていない名盤10作。

アナログ盤を最近聴き始めた、という若い世代の人にも聴いてもらいたいですね。

今日のこの1曲は、大瀧詠一1972年発表記念すべきソロ1stアルバムから。

CDとしては、2012年キング・レコードから再発された盤(KICS-2557 1,429円+税)が最新リマスターではありますが、1997年ソニーからの再発盤(SRCL-4170 1,456円+税)にボーナス・トラックが10曲追加されていて、大滝詠一本人によるライナーノーツも読み応え十分です。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■


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