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  今日のこの1曲 “Archives”

<2016月4月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2016年4月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2016年4月1日(金) Cheap Trick 「Sing My Blues Away」

昨年末、シカゴやディープ・パープルらと共にロックの殿堂入りが決定したチープ・トリック。

8日に行われるセレモニーを目前に、前作『ザ・レイテスト』から約7年ぶりの新作『バン・ズーム・クレイジー・ハロー』が本日発売になりました。
(国内CD POCS-24010 2,600円+税 日本盤ボーナス・トラック2曲)

殿堂入りと新レーベル移籍を記念して、昨年末無料配信された新曲「No Direction Home」が、チープ・トリックらしい、とにかくキャッチーな曲(「Dream Police」っぽい音も)だったので期待が膨らんでいた新作。
変わらずハードにポップにアグレッシブに突っ走ってくれています。

身体の不調等を機にバンドを離れているドラマー、バーニーの代わりを以前から務めているリック・ニールセン(g)の息子、ダックスが新作のレコーディングに参加。

ドビー・グレイ、ラムゼイ・ルイスで知られる「The In Crowd」の意外なカバーや、「Oh,Pretty Woman」のフレーズをさりげなく引用(?)した「Sing My Blues Away」ほか、アルバムを通してテンションは高く、ロビンのシャウトも冴えわたってます。

オーバー60というか、もうすぐ70歳!くらいの年齢に差し掛かってきて、このテンションで長時間のライブはしんどいかもしれませんが、近いうちに単独来日してくれる事を期待したいです。東尾沙紀



2016年4月2日(土) テデスキ・トラックス・バンド 「Sticks And Stones」

テデスキ・トラックス・バンド、4月1日(金)日本武道館公演を見ました。

デレク・トラックス初来日単独公演は2004年渋谷クワトロ。(この時はお客さんが少なかったですね)
その後の2007年恵比寿リキッド・ルーム、ドゥービーとのパッケージ・コンサートだった2009年NHKホール、スーザン・テデスキが加わった2010年フジロック(フィールド・オブ・ヘヴン)、オテイルのベースが強烈だった2012年渋谷公会堂、ドイル・ブラムホールがゲスト参加した2014年渋谷AX等見てきましたが、今回は日本武道館。それも直前にチケットを購入したため2階席。

会場が広すぎるとどうかな、という不安もありましたが杞憂でしたね。
彼らの熱いヴァイヴはしっかり伝わってきました。

1曲目デレクのギターが鳴った瞬間、ビビと電気が走るような波動を感じ、やはり他のギタリストと違うな、と実感。

ライヴ内容以外で気付いた点をいくつか箇条書きで。
・グッズ売り場、ポール・マッカートニーほどではないものの意外と長蛇の列。パンフレット、Tシャツ、更にはサイン入りヴォイス・レコーダーなんてものも販売。
・2階席の中~上部と両横側は暗幕で座席を覆っていた。(アリーナと1階席はほぼ満席。)
・開演前場内では、トム・ペティ、スティーヴィー・ワンダー、CCR、ポール・サイモン等の名曲がオンエア。
・「ボブ・ディランのチケットを本日購入した方にはテデスキ・トラックス・バンド非売品ポスターをプレゼント!」と開演前しきりに場内アナウンスあり。ディランのチケットは余っているのだろうか?
・プロショットでなければ開演中も撮影はOK。
・アリーナは1曲目から総立ち。正直言って2階席でよかった。(2階席でもずっと立っている人が何人かいた)
・スーザン・テデスキ、露出度高いワンピース衣装。デレクは髭が定着した感。
・新加入した女性トロンボーン奏者の丸い体形、存在感あり。
・ドラマーが頻繁にスネアを交換。ダブル・ドラムながら曲毎に出音のニュアンスを変え工夫していたようだ。
・バック・ステージはヴィジョンなどなくシンプルだが、照明がとても凝っていた。

デレクのギターはもちろん良かったのですが、この日はちょっと控えめだったような...。
「ANYHOW」後半は思っていたよりあっさりとギター・ソロが終わったり、もっと畳み掛けるようなフレーズを連発して欲しかったなぁ、と思える瞬間が時折ありましたが、それも僕らの期待値が高いからこそでしょう。

その分、スーザン・テデスキのギター&ヴォーカルは凄かった!

ラストの「With A Little Help From My Friends」。
ビートルズのカヴァーですが、ジョー・コッカーがウッドストックで歌ったことで有名なヴァージョンで。
スーザンのジャニス・ジョプリン的熱唱には圧倒されましたね。
これは言葉や音だけでは伝わりにくいんじゃないかな。でも、いつかライヴCDなどに収めてほしいです。

今日のこの1曲は、Mike Mattisonのシャウトが炸裂する「Sticks And Stones」。
1960年レイ・チャールズが歌っていますが、これまたジョー・コッカーが歌っていたことで知られるナンバー。
テデスキ・トラックス・バンドのライヴversionは国内盤ボーナス・トラックに収録(輸入デラックス盤未収録)。
日本武道館ライヴでは更に熱いアレンジ&シャウトで盛り上がりました。森 陽馬

★掲載ジャケットはテデスキ・トラックス・バンド2016年発表作『レット・ミー・ゲット・バイ』
(国内CD ボーナス・トラック3曲追加 天辰保文氏解説・歌詞・対訳付 UCCO-1166 2,500円+税)


2016年4月3日(日) ジェフ・バックリィ 「Just Like A Woman」

先日、国立競技場跡地付近を歩いていた時、約21年前のことを想い出しました。

1995年1月31日、日本青年館で行われた今は亡きジェフ・バックリィの来日コンサート。

女性客が多い中、ノイジーなギターを掻き鳴らす圧巻のパフォーマンス。
最後は感動的な「ハレルヤ」(レナード・コーエンカヴァー)でしたね。

想い出の日本青年館もすっかり無くなってしまっていましたが、その郷愁を慰めてくれるかのように、ジェフ・バックリィの未発表音源を収録したCDが先日発売されました。

ジェフ・バックリィ『ユー・アンド・アイ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-4751 2,400円+税)

彼がコロンビア/ソニー・ミュージックと契約した直後、1993年2月にスタジオで録音されていた秘蔵音源。

ボブ・ディラン「Just Like A Woman」、スライ&ザ・ファミリー・ストーン「Everyday People」、ジェヴェッタ・スティール「コーリング・ユー」、ザ・スミス「The Bay With The Thorn In His Side」、「I Know It's Over」、レッド・ツェッペリン「Night Flight」等カヴァー、自作曲「Grace」を神懸った美声で弾き語っています。

唯一無二のその歌声は、21年前の日本青年館へ僕を連れ戻してくれるのです。森 陽馬


2016年4月4日(月) ブライアン・ウィルソン 「Let It Shine」

4月に入り、ブライアン・ウィルソン来日公演が近づいてきました。

ソロ名義のジャパン・ツアーは2005年スマイル・ツアー以来11年ぶりとなります。

I'm Waiting For The Day ― 待っていましたよ、ブライアン!

今年は『ペット・サウンズ』が発表されてから50周年ということで、アルバムの曲順通りに再現するライヴ。
おそらく第1部がいろいろな曲を20曲ぐらい(どんな曲を演ってくれるのかこれも楽しみ!)、第2部に『ペット・サウンズ』全曲、それからアンコールで盛り上がる曲を数曲。そして最後に「ラブ&マーシー」でしっとりと終わる、というパターンだと思います。

今回のツアーはアル・ジャーディン、ブロンディ・チャップリンも同行するので、彼らのパフォーマンスにも注目しましょう。

4月12日、13日東京国際フォーラムA。4月15日大阪オリックス劇場。
よろしくお願い致します。

そんなひさしぶりの来日もあるので、ブライアン・ウィルソンのソロ作品3枚が最新リマスターされ、低価格で4/6発売(4/5入荷)します。
ワーナー・ミュージックの看板シリーズ<新・名盤探険隊>ですので、解説・歌詞・対訳もばっちり付いてます。

『ブライアン・ウィルソン』(1988)、『イマジネーション』(1998)、ブライアンとヴァン・ダイク・パークスとのコラボ『オレンジ・クレイト・アート』(1995)の3種が各1,296円+税といううれしいお値段。

今日はその中から1988年発表、奇跡の復活作『ブライアン・ウィルソン』からの1曲。
(国内CD WPCR-17119 1,296円+税)

全11曲、どの曲もブライアンの意欲が感じられる傑作ですが、ジェフ・リンとの共作「レット・イット・シャイン」を。
今聴いても、ブライアンのコーラスとELOサウンドの合体がなんとも夢のような共演だなと思います。森 勉


2016年4月5日(火) ビーチ・ボーイズ 「I Do」

ブライアン・ウィルソン来日記念ということで、昨日はブライアンのソロ・アルバムを紹介しましたが、今日はビーチ・ボーイズでいってみましょう。

『ペット・サウンズ』50周年を祝して、ビーチ・ボーイズのオリジナル・アルバムがSHM-CDで再発になりました。
1962年『サーフィン・サファリ』から1977年『ラヴ・ユー』まで20タイトルです。価格は1,714円+税。

1960年代にキャピトル・レーベルから発売された13タイトルにはボーナス曲が追加されています。
このボーナス曲は1990年頃に2in1でCD化された時に入っていた曲と同じなのですが、音が良くなって収録されているので、2in1シリーズを持っている方も買いだと思います。

その中でも1963年発表『サーファー・ガール』+2。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-25589 1,714円+税)

ボーナスで入っている「アイ・ドゥ」はステレオ・ヴァージョンで収録されています。

ブライアン・ウィルソンの裏でなんとも魅力的なベース・トーン・ヴォーカルを聴かせてくれるマイク・ラヴの歌声もはっきり聴きとれます。

山下達郎がカヴァーしたことで有名な「アイ・ドゥ」は、1964年にキャステルズがシングルとして発表したのが最初で、作曲・アレンジ・プロデュースはブライアン・ウィルソンが担当。

ビーチ・ボーイズ・ヴァージョンは当時発表されず、2in1CDで初めて公式お披露目されました。

バック・トラックはキャステルズ・ヴァージョンと同じですが、間奏部分がちょっと違っています。
クリアな音のステレオ・ヴァージョンで確認してみてください。森 勉

★当店にてビーチ・ボーイズSHM-CD再発盤お買い上げの方先着で、カンバッチプレゼント!
 ←4cm×4cm四角型と3.1丸型
1枚につき1ケ、2種どちらかお選びいただけます。



2016年4月6日(水) Emitt Rhodes 「Rainbow Ends」

“一人ビートルズ”ともかつて称されたアメリカのシンガーソングライター、エミット・ローズ。

予てから話題となっていた43年ぶりの新作『RAINBOW ENDS』が今年ようやくリリースされました。
(輸入CD OVCD-163)

泣いているのか、笑っているのか...微妙な表情をとらえたジャケットからはイメージ出来なかった、瑞々しくポップなメロディと心地良いサウンド、穏やかな歌声は長いブランクを感じさせません。
とてもあったかい気持ちにさせてくれます。

過去の辛い記憶から音楽から遠ざかっていたという彼の復活作をサポートしたのは、今作のプロデューサーでミュージシャンのクリス・プライス。(2015年のレコード・ストア・デイで2人はスプリット・シングルをリリースしています。)

30以上も歳の離れた2人の友情から生まれた今作には、元ジェリーフィッシュのロジャー・ジェセフ・マニングJr.、ジェイソン・フォークナー、ジョン・ブライオン、ルーニーのテイラー・ロック、ブルウ、エイミー・マン、スザンナ・ホフス、ウィルコのパット・サンソン&ネルス・クライン、来週ブライアン・ウィルソンのバックで来日予定のプロヴィン・グレゴリーとネルソン・ブラッグ等々、多くのミュージシャンが参加しています。

''私の夢は終わることはないとおもった''(歌詞の一節)
アルバム最後を締めくくるタイトル曲「Rainbow Ends」。

美しいストリングス、プロヴィン・グレゴリーによるおおらかな音色のホーン...幸福な音に包まれた感動的な1曲です。東尾沙紀


2016年4月7日(木) カンケ 「The Other Gates」

ビートルズ・ファンにはラジオ日本で放送されている番組『ビートルズ10』の司会として知られている<自称・謎の音楽家カンケ>、ファースト・アルバムが発売になりました。

カンケ『HOMMAGE』(オマージュ)
(CD UICZ-4349 3,000円+税)

カンケは、バナナマン、東京03、バカリズムなどお笑い系の舞台音楽や、吉田山田、MIKKOの作曲・編曲・プロデュースを手掛けたり、ハウス・フルーチェ、アサヒ十六茶、カネボウUVカットFILA、雪印乳業、ゲータレードなどのCM曲も作ったり、と幅広い活動を続けています。

このアルバムに収録されている「サマーブリーズ」、「レッツ・キッス・ベイビー」は1997年にシングルCDでカップリングされ、一部マニアに熱狂的な歓迎を受けた楽曲でもあります。
この2曲は2015年にアナログ7インチ・レコードのAB面として限定発売され即完売したこともありました。

さて、今作アルバム・タイトルは『オマージュ』。
彼が音楽の道を志すきっかけとなったアーティストへの情熱と尊敬と愛情がたっぷりと詰め込まれた作りになっています。

山下達郎、ビーチ・ボーイズ、大滝詠一、ビートルズ、ウィングス、ELO、サイモン&ガーファンクル、加山雄三、カーペンターズ、ヴェンチャ-ズ、フィル・スペクター、細野晴臣などの楽曲をご存知の方は、思わずニヤリとしてしまうサウンド満載です。

そんな中からビーチ・ボーイズ・ネタが散りばめられている「The Other Gates」を。

エレキ・ギターで参加しているザ・ペン・フレンド・クラブの平川雄一が弾くマニアックなフレーズにも注目です。

なお、ジャケット・フォト&デザインは1976年に出たフィル・スペクター・プロデュースによる未発表曲を集めた『レア・マスターズVol.2』へのオマージュ。森 勉



2016年4月8日(金) レスリー・ダンカン 「Don't Worry 'Bout It」

まだ4月半ばですが、僕が今年一番聴いている1曲はレスリー・ダンカン「Heaven Knows」。
(2016年1月14日今日のこの1曲で紹介。レスリー・ダンカン『ムーン・ベイジング』2曲目収録)

この曲本当にいいんですよね。
切ないメロディーと温かみのあるサウンド。気付くとこの曲ばかりリピートしています。
繰り返し聴いても飽きないというか、聴き込むほどにより好きになっていく感じですね。

さて、そのレスリー・ダンカン『ムーン・ベイジング』から2年後、1977年に発表した実質的ラスト作5thアルバム『メイビー・イッツ・ロスト』が世界初CD化されました。

レスリー・ダンカン『Maybe It's Lost』
(国内CD 歌詞付 CMYK-6339 2,300円+税)

前作に引き続き、リンダ・ルイス等を手掛けたジミー・ホロヴィッツによるプロデュース&アレンジ。
温もりある音作り&可憐な歌声、『ムーン・ベイジング』気に入った方はこちらもオススメです。

どの曲も魅力的ですが、ジミー・ホロヴィッツ(レスリー・ダンカンの元夫だそう)と共作している5曲目「Another Rainy Day」と10曲目「Don't Worry 'Bout It」。
「Heaven Knows」を引き継ぐようなメロウな雰囲気の楽曲で特に惹かれました。

今日のこの1曲は、サビのリフレインとベースライン&流麗なストリングスが泣ける「Don't Worry 'Bout It」を。森 陽馬


2016年4月9日(土) Willie Nelson 「Embraceable You」 feat Sheryl Crow

若い時だったらピンとこなかったであろう音楽が、年をとったせいか繰り返し聴く毎に沁みてくることが最近増えてきました。

今日紹介する作品もそんな1枚。

Willie Nelson『Summertime ~Willie Nelson Sings Gershwin』
(輸入CD LEGACY 88875167052)

2015年にガーシュウィン賞を受賞した米国カントリー界の重鎮、ウィリー・ネルソン。
2016年4月で83歳になる御大が、名作曲家ガーシュウィン兄弟の楽曲を歌ったアルバムです。

ガーシュウィン作は今まで様々なアーティストが取り上げていますが、このウィリー・ネルソン・ヴァージョン。
安心するというかどことなくホッとしてくるんですよね。

単なるジャズ・スタンダード集的な感じではなく、ペダル・スティールが入るなどさりげないカントリー・フレイヴァーが散りばめられているからでしょうか。
ウィリー・ネルソン独特の朴訥な歌声もガーシュウィン作に意外と合っているのかもしれません。

今日のこの1曲は、シェリル・クロウとのデュエットでしっとり聴かせる「Embraceable You」。
Dean Parksによるギター・ソロ、Mickey Raphaelのハーモニカ・ソロにも癒されます。森 陽馬


2016年4月10日(日) INO hidefumi 「Midnight At The Oasis」

<レコード店へ足を運び、レコードを聴いて音楽を楽しもう>
という主旨の元、2008年頃からアメリカで始まったイベント、RECORD STORE DAY。

今年2016年は4月16日(土)に行われます。

The Pen Friend Club、ジャンクフジヤマ、METAFIVE、INO hidefumi、TOWA TEI、村八分、naomi&goro、高田漣、yakenohara×chabe、『アイドルばかりピチカート』、竹中直人、伊藤銀次、細野晴臣、エミ・マイヤー、フライング・キッズ、曽我部恵一(カセット)等々、輸入盤含め他にも様々な限定アナログ盤がその日にリリース予定。

レコード・ストア・デイ商品は予約受付ができず、通販も一定期間経過してから(一部商品は通販禁止)という規約がございますのでご了承くださいませ。

現時点で入荷枚数が確定してませんが、注目盤の中から今日のこの1曲。

INO hidefumi『サティスファクション』
(LP+ボーナスCD付 700枚限定ナンバリング入 IRLP002 3,200円+税)
(2006年に出たCD盤 IRCD-1 2,500円+税)

フェンダーローズのメロウな音色が心地良いラウンジーな2006年発表名作が初アナログ化。

この『サティスファクション』をフェンダーローズ1本のみで再録音した2016年5月発表予定新作『NO SATISFACTION』がボーナスCDとして封入!700枚限定ナンバリング入りですから即完売必至ですね。

今日のこの1曲は、ブランニューヘヴィーズのカヴァーでも有名なマリア・マルダー名曲「真夜中のオアシス」のグルーヴィー&メロウなフェンダー・ローズ・インスト・カヴァーを。森 陽馬


2016年4月11日(月) Ben Watt 「Gradually」

2016年4月10日東京ドームシティホールで行われたHostessのイベントに出演したベン・ワット。

新作『フィーヴァー・ドリーム』が来日直前にリリースされたばかり。
新曲も披露され、ライヴもとても好評だったようですね。
(国内CD HSU-10064 2,400円+税 ボーナス・トラック2曲)

前作『ヘンドラ』から2年ぶりと短い期間でのリリースとなった新作には、盟友バーナード・バトラーは勿論、今回共に来日したマーティン・ディッチャム(ds)、レックス・ホラン(b/ex.ママズ・ガン他)らが参加しています。

セルフ・プロデュースとなる今作。
派手さはありませんが、より音に重みとバンド感が加わりました。
静かな雰囲気の『ヘンドラ』とは延長線上にあるようで、また違った味わいの作品です。

1曲目からへヴィな音を聴かせる1曲目「Gradually」。
前作同様バ―ナード・バトラーのエレキ・ギターが全編印象的に鳴っています。

国内盤ボーナス・トラックとして、「ノース・マリン・ドライブ」(サマーソニック2014)と、「Golden Ratio」(2014年ロンドン)のライヴ音源2曲が追加収録されています。東尾沙紀


2016年4月12日(火) マイクロスター 「Tiny Spark」

今日4月12日は、ブライアン・ウィルソン『ペット・サウンズ』50周年アニバーサリー・ジャパン・ツアー初日。

見に行った方、いかがでしたでしょうか?
僕は4月13日2日目に行く予定です。楽しみですね。

さて、記念すべきブライアン来日公演の良き日、マイクロスター待望の新曲が入荷しました。

microstar『Tiny Spark』
(EP+CD 完全限定盤 HCCD-9570 1,500円+税)

待ちに待った3年半ぶりの新曲!
これが本当に超イイ曲!!

今日1日だけで何十回と繰り返し聴きましたが、聴く毎にどんどん好きになっていきますね。

『microstar album』の頃から更に進化した新機軸とも言えるアプローチ。
そして、マイクロスター佐藤清喜さんが近年関わった作品にはない求心力&多幸感。

例えば、星野みちるさんも良いけれどそこにはない決定的な違いがあるんですよね。
うーん、この違いは何なんでしょうね。
うまく説明できないけれど、「Tiny Spark」歌詞の言葉から引用すると♪代えの利かないときめき♪でしょうか。

とにかくも、今日のこの1曲というより今年のこの1曲になりそうなくらい僕は大好きなナンバーです。

なお、イントロのカッティング・ギターが印象的で疾走感あるA面だけでなく、B面(CDでは2曲目)「Tiny Spark」(A Night In Manhattan Cafe Version)も聴きもの。
こちらのヴァージョンは3分前後に入るセンチメンタルなヴィブラフォン・ソロが最高です。森 陽馬


2016年4月13日(水) 鳴海寛 「Lovin' You」

昨年2015年7月に57歳で惜しくもこの世を去ってしまった鳴海寛のCDが発売になりました。
鳴海寛『THE ONE MAN BAND』(RATCD-4396 2,315円+税)

2004年に完成しWEBサイトのみで少しだけ流通していた作品7曲に、5曲追加した全12曲が収録されています。

アルバム・タイトルは『THE ONE MAN BAND』。
すべてひとりで録音したことによるタイトルだと思います。

低い甘めの声で歌われるヴォーカル曲も2曲入っていますし、気持ちの良い音色のキーボード・プレイも聴かせてくれますが、彼のメイン・ワークであるギター・プレイをたっぷり楽しめるのがなんといってもうれしいです。

鳴海寛のギター・プレイを初めて聴いたのは、山下達郎のライヴ・ツアー『PERFORMANCE '88~'89』でした。
一音一音、大切に紡ぎ出すように弾く彼の姿は、その端正な音色と共に今でも記憶に残っています。

山下達郎ライヴ・アルバム『JOY』に入っている「蒼茫」、「恋のブギ・ウギ・トレイン」での素晴らしいギター・ソロは何回聴いても胸打たれてしまいます。

そんな彼のギター・スタイルが堪能できるミニー・リパートンのカヴァー「ラヴィン・ユー」。
なんとも耳ざわりのいいインスト・ナンバーに仕上がっています。
デヴィッド・T・ウォーカー・ファンは是非! 森 勉


2016年4月14日(木) ブライアン・ウィルソン 「Good Vibrations」

4月13日(水)ブライアン・ウィルソン東京公演2日目へ行ってきました。

(ツアーは4月15日大阪公演が残っており、ネタバレしたら申し訳ないので感想は15日以降に、と思っていました。でも、行こうかどうしようか迷っている方がこれを読んで行く気になったらいいな、と感じたので取り上げます。)

ビーチ・ボーイズ、ブライアン・ウィルソン、そしてペット・サウンズに対する思い入れは人それぞれ。

なので、今回の『ペット・サウンズ50周年アニバーサリー・ツアー』を生で聴いて、思うところも人それぞれ違うでしょうが、でもそうやって50年を経た『ペット・サウンズ』を感じてもらいたいな、と思いますね。

僕の場合は、50年前ブライアンが魂を捧げ作り上げた『ペット・サウンズ』、そして父がそれを敬愛し自らの店名としたこの『ペット・サウンズ』への想い等がグルグルと脳裏を巡って、でも、生で聴く『ペット・サウンズ』50周年はとっても気持ち良くて...。なんだか言葉ではうまく表現できないライヴ体験でした。

この『ペット・サウンズ』を経て披露された「グッド・ヴァイブレーション」。

先月、マイク・ラブ&ブルース・ジョンストンによるビーチ・ボーイズ来日公演で聴いた「グッド・ヴァイブレーション」とはまた違った感慨が押し寄せ、とっても楽しいのになんだか涙が出そうになってしまいましたね。

僕は見に行けませんが、大阪公演の『ペット・サウンズ』、そして「グッド・ヴァイブレーション」が多くの人々の心に響きますように。森 陽馬


★掲載ジャケットは、「グッド・ヴァイブレーション」未発表ライヴ音源も収録される6月10日発売予定『ペット・サウンズ』50周年記念盤。(国内4CD+Blu-ray Audio UICY-77778 10,000円+税)


2016年4月15日(金) METAFIVE 「Don't Move」

4月16日(土)はRECORD STORE DAY(レコード・ストア・デイ)。

<レコード店へ足を運び、レコードを聴いて音楽を楽しもう>
という主旨の元、2008年頃からアメリカで始まったイベント。

この日限定のアナログ・レコードが色々発売されますが、今日はその準備に追われた1日でした。

お客様からの問合せが多く、完売必至なのがこの1枚。

METAFIVE『META』
(国内LP2枚組 METALP001 4,630円+税)

高橋幸宏×小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI×ゴンドウトモヒコ×LEO今井による6人組、METAFIVE。
2016年1月13日発表アルバムの限定アナログ化。

655枚限定プレス。
砂原良徳によるマスタリングでCDとは別ヴァージョンとなっているそうです。

オーダー希望枚数からかなりショートして入荷しましたので、購入希望の方はお早目に。森 陽馬


2016年4月16日(土) Allen Toussaint 「What Is Success」

RECORD STORE DAY2016、たくさんのお客様ご来店、誠にありがとうございました。

遠方から当店目指してわざわざお越しいただいた方もいらっしゃって、本当にありがたいな、と感じました。

<レコード店へ足を運び、レコードを聴いて音楽を楽しもう>という主旨のイベントではありますが、人それぞれのお気に入りの音(“PET SOUNDS")に出会えるきっかけになるといいな、と僕は感じています。

RECORD STORE DAY商品以外にも良い音楽、興味深い作品はたくさん出ています。
是非レコード店巡りをして、お気に入りの音楽/新しい音楽を探してみてください。

さて、4/16昼過ぎにはRECORD STORE DAY2016アンバサダー、曽我部恵一さんにご来店いただきました!

FMラジオJ-WAVEに当店から生中継でレポートしていただき、中継終了後にはレコードもお買い上げ。
音楽&レコード愛溢れる曽我部さん、本当にありがとうございました。

今日のこの1曲は、曽我部恵一さんにお買い上げいただいたRECORD STORE DAY2016商品から。

昨年2015年11月急逝したニューオリンズの名ソングライター&ピアニスト、アラン・トゥーサン。
1975年フィラデルフィアでの貴重なライヴ音源!

Allen Toussaint『Live In Philadelphia 1975』
(輸入LP 180g重量盤LP+ダウンロード・コード付 ナンバリング入 Warner/Rhino R1-553408)

2003年ライノハンドメイド限定盤CDで初めて世に出たライヴ音源が初アナログ化。
ダウンロード・コードが付いているのもうれしいですね。

レコード・ストア・デイ商品は他にも色々入荷してきたので、後日通販ページなどで紹介していきたいと思っております。森 陽馬


2016年4月17日(日) Graham Nash 「This Path Night」

RECORD STORE DAY2016輸入盤商品からもう1枚紹介しましょう。

Graham Nash『This Path Tonight』
(輸入LP+EP+ダウンロード・コード 2,000枚限定 BCR-4516-5)

ホリーズ、CSN&Yのグラハム・ナッシュ、約14年ぶり待望のソロ新作です。

CD、DVD付CDも発売されますが、このRSD限定アナログ盤には「Our House」と「Teach Your Children」の未発表ヴァージョンを収録した7'EPが付属! 更にデジタル・ダウンロード・コードもあり、「Mississippi Burning」、「Watch Out For The Wind」、「The Fall」、3曲分のダウンロード・ボーナス・トラックも付いてくるというお得盤。

プロデュースは2015年CSN来日公演でもバック・ギタリストとして参加していたShane Fontayne。
そう!ピーター・バラカンさんの実弟である彼、シェイン・フォンテインがプロデュースを担当しているのです。

ナッシュ・ファンのツボを心得た期待以上の仕上がり。

国内盤発売予定は今のところありませんが、このRSD限定アナログのボーナス曲も含めて収録し、歌詞対訳を付けてリリースしてもらいたいですね。森 陽馬


2016年4月18日(月) Dylan Mondegreen 「Headphones On」

キングス・オブ・コンビニエンスと同じノルウェー出身。
日本のギター・ポップ・ファンにも人気の男性シンガーソングライター、ディラン・モンドグリーン。

前作から約4年ぶり、4作目となる新作『EVERY LITTLE STEP』が今月リリースになりました。
(国内CD FCRD-057 2,000円+税 歌詞・対訳付)

セルフ・タイトルを掲げた前作はストリングス他凝ったアレンジでキラキラしたサウンドが印象的でしたが、今作ではライヴ・レコーディングを重視し装飾も控えめに。
カラッとしながら温かみのある音で、全編リラックスした雰囲気が伝わってきます。

前作と同じく同郷の女性シンガーMaria Dueが参加したタイトル曲「Every Little Step」(ハーモニカが良い感じ♪)、1st収録の名曲「While I Walk You Home」のノルウェー語ヴァージョン「Mens I Føl De Hæm」、冒頭のフルートがかっこいい洗練された「The Ghost Of Christmas Past」などなど。

春~初夏の陽気に合いそうな気持ち良い音が詰まっているので、「Headphones On」(6曲目)して出掛けたいですね。東尾沙紀


2016年4月19日(火) ジェフリー・フォスケット 「I Miss You」(見果てぬ想い)

2015年12月、わがペット・サウンズ・レコードに来店してくれたジェフリー・フォスケットの新しく編集されたベスト・アルバムが発売されました。

ジェフリー・フォスケット『ザ・ベスト・オブ・ジェフリー・フォスケット』
(国内CD VSCD-3941 2,315円+税)

現在、彼は1999年から在籍していたブライアン・ウィルソンのバンドからマイク・ラヴ&ブルース・ジョンストンが中心となっているビーチ・ボーイズへ移って、ファルセットなど重要なヴォーカル・パートを任されて活躍しています。

そんなジェフリーがソロ作品を発表するようになって20年。
このベスト盤には幼いころから親しんできたビーチ・ボーイズをはじめとする60's音楽に対してのリスペクト&ラヴがたっぷり詰め込まれた彼のオリジナル曲とカヴァー曲が全17曲収められています。

2015年12月発売された『クラシック・ハーモニー』とは1曲しかダブリませんのでご安心を。
(ダブリは山下達郎「踊ろよ、フィッシュ」を英語でカヴァーした「Fish!」のみ)

「リトル・ホンダ」(初発表)、「アイ・リヴ・フォー・ザ・サン」、「サンディー」、「ニューヨークス・ア・ロンリー・タウン」などビーチ・ボーイズ周辺ものに耳が行きがちですが、彼のオリジナル曲もジェフリーの才能と人柄が出た魅力ある楽曲が揃っています。

ジェフ・ラーソンがヴォーカル参加した「ザ・ワード・ゴー」や、ゲイリー・グリフィン(先日のブライアン・ウィルソンのコンサートでダリアン・サハナジャの隣でキーボードを弾いていた人)が参加している「スルー・マイ・ウィンドウ」などにも注目です。

そして、うれしいうれしい収録はラストに入っている「アイ・ミス・ユー」(見果てぬ想い)です。

1996年パイオニアLDCから出た『ハーティング・イーチ・アザー』(原題:Sunnys Off)に収録されていましたが、廃盤になってから永らく入手困難になっていた曲です。

それまで誰もカヴァーしたことがなかったデイヴ・クラーク・ファイヴのシングルB面曲を忠実に再現したナイス・カヴァー! 仕上がりも最高!

すべての楽器をジェフリーが演奏しています。
最後の♪チン♪というシンバルの音もお聴き逃しなく。

僕にとっては、アゲインの石川茂樹さんとの親交の始まりとなった大切な1曲なのです。森 勉


2016年4月20日(水) GREAT3 「DISCOMAN」

2016年4月22日(金)で当店ペット・サウンズ・レコードは35周年!

その記念に当店地下アゲインにて4月22日スペシャル・イベントを開催いたします。

2016年4月22日(金)
<We Love Pet Sounds Record! 片寄明人トーク&ミニ・ライヴ>
出演:片寄明人、森勉
ライヴ・カフェ・アゲイン (予約・問合せ:03-5879-2251 ishikawa@cafe-again.co.jp)
18時半開場 19時半開演
入場料前売2,500円 当日3,000円

旧店舗の時からお客様でいらっしゃったGREAT3片寄明人さんをお迎えして、森勉と思い出のレコードをかけながら<ペット・サウンズ>にまつわるトークをたっぷりと。更には片寄さんによる弾き語りミニ・ライヴも!?

今のところまだ予約受付可能です。
当日でもお時間ありましたらどうぞお立ち寄りください。

今日のこの1曲は、僕が大好きなGREAT3この1曲「DISCOMAN」。

約20年前1996年発表2ndアルバム『METAL LUNCHBOX』収録。
(TOCT-12001 1,429円+税)
1995年11月シングル・リリースもされ、現在のGREAT3ライヴでも定番のキラーチューン。

片寄さんらしい甘く切ないメロディーラインと、ロック初期衝動を感じさせる演奏と歌が何時聴いてもグッときます。森 陽馬


2016年4月21日(木)ブライアン・ウィルソン&ヴァン・ダイク・パークス 「Orange Crate Art」

約2週間前、当店ペット・サウンズ・レコード旧店舗前から千葉へ移植された桜の木を見てきました。
(桜の木の今までの経緯に関しては
コラム・コーナー『武蔵小山駅前にあった桜の物語』をご参照ください)

←武蔵小山駅前/当店旧店舗前にあった時の桜(2004年撮影)

←千葉へ移植された桜(2016年4月撮影)
2度の移植を経た老木ではありますが、枝を伸ばし桜の花を咲かせていました。

2016年4月22日でペット・サウンズ・レコードは35周年を迎えますが、このように新店舗で営業を続けられているのもこの桜の木のおかげだと思っています。

2004年駅前開発のため当店が立ち退きを迫られ、移転先も決まらずに立ち退き期限が迫っていた時、品川区によって伐採される予定だったこの桜の木が、武蔵小山住民の意見・陳情によって移植されることとなり、それと時を同じくして当店も現在営業している場所へ移れることが決まったのです。

まさに当店の命を救ってくれた桜の木。
武蔵小山駅前は今年に入ってまた新たな駅前再開発が進んでおり、この桜の木が武蔵小山へ戻ってくることはもうないと思いますが、千葉のゆったりとしたこの場所でのびのびと余生を過ごし、末永く花を咲かせてほしいと願っております。

ちなみに旧店舗&桜の木が武蔵小山駅前にあった2004年はブライアン・ウィルソン『スマイル』が発売。
2005年1月ブライアン・ウィルソンが『スマイル・ツアー』で来日しました。
(そして、当店35周年となった2016年4月、ブライアン『ペット・サウンズ・ツアー』で来日してくれましたね)

今日のこの1曲は、その2004年『スマイル』発売の布石となったブライアン・ウィルソン&ヴァン・ダイク・パークス1995年発表アルバム『オレンジ・クレイト・アート』より。

永らく生産中止状態でしたが、新・名盤探険隊シリーズ/最新リマスターで久々に再CD化。
郷愁を誘う美しい名曲です。森 陽馬


2016年4月22日(金) ビーチ・ボーイズ 「Add Some Music To Your Day」

4月22日開催スペシャル・イベント<We Love Pet Sounds Record! 片寄明人トーク&ミニ・ライヴ>。
たくさんのお客様ご来場、誠にありがとうございました。

お越しになれなかった方からも、御花や祝辞を多数いただきました。
(ブライアン・ウィルソン人形のプレゼントもいただきました!) この場を借りて御礼申し上げます。

片寄明人さんのトーク、楽しかったですね。
大滝詠一さんにまつわるお話しも初めてお伺いするエピソードばかりでとっても面白かったです。

そしてショコラさんを交えてのミニ・ライヴも素晴らしかった!
改めて、片寄さんが作る楽曲&メロディーの良さを再認識しましたね。
(そのライヴでおっしゃってましたが、ブラッド・ピット出演映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』でショコラ&アキトの曲が使われているそうです。お時間ある方は是非チェックを。)

さて、片寄明人さんと森勉のトークで話題に上がったビーチ・ボーイズ『サンフラワー』から今日のこの1曲。

「ペット・サウンズ・レコードで買ったレコードで印象に残っている1枚を教えてください」
という質問に対し、片寄さんにお答えいただいたのが、ビーチ・ボーイズ『サンフラワー』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-25600 1,714円+税)

中学時代、別のレコードを買いに行ったのに、「これは買っておいた方がいい!」と力説され買わされたことがあったそうです。
(片寄さんの人生を変えてしまったかもしれず、大変申し訳ございませんでした!)

先週のブライアン・ウィルソン来日公演でも披露された「Add Some Music To Your Day」。

♪素晴らしい音楽を あなたの人生に 加えていきたい♪というこの歌。

35周年を迎えた本日聴き、改めてこれからもその初心を忘れずに、と強く感じました。森 陽馬


2016年4月23日(土) The Olympics 「So Mystifying」

イギリスACEレーベルの人気ソングライター・シリーズから、キンクス/レイ・デイヴィス編が発売になりました。

『キンクト!~キンクス・ソング&セッションズ 1964~1971』
(国内CD 英文解説・対訳/歌詞付 PCD-17745 2,600円+税)

誰でも知ってる、これぞ!な曲は少ないですが、キンクスでは録音していない曲や、キンクスよりも先に世に出たもの、同時期に発表されたカバーなどが収録。

レイ・デイヴィスのソングライターとしての魅力を、多彩なアーティストの歌唱によって楽しめる一枚となっています。

ハーマンズ・ハーミッツがヒットさせた「Dandy」、ペトゥラ・クラークによる「Well Respected Man」のフランス語カバー「Un Jeune Home Bien」、ペギー・リー「I Go To Sleep」他、カスケーズ、ザ・プリティ・シングス、ボビー・ライデル、ハニーカムズ、マリアンヌ・フェイスフル、ニッキー・ホプキンス等々26曲を収録。

このオムニバスで唯一の未発表曲!黒人ヴォーカル・グループ、オリンピックスによる「So Mystifying」。

64~65年初頭にかけて録音されたオリンピックスver.は、ジャック・ニッチェがアレンジ、グレン・キャンベル、ドン・ランディ(レッキング・クルー)などが参加。

オリンピックスだとわかってて聴いてもそう聴こえないような粗っぽいサウンドで、これはこれでロックでかっこいいのですが、お蔵入りになったのもなんとなくわかる気がします...。
こんなレアな曲もポツンと入ってて、解説も併せて読むと面白いです。東尾沙紀


2016年4月24日(日) The Exceptions 「What More Do You Want」

今までいろいろな60'sガール・ポップスを紹介していますが、このCDはイギリス・デッカ・レーベルに所属していた女性シンガーを集めたものです。

『ラヴ・ヒット・ミー ~デッカ・ビート・ガールズ1962~1970』
(国内仕様CD 英文解説日本語対訳付 全24曲収録 MSIG-1071 3,100円+税)

イギリスのガール・ポップスはルックスより歌唱力優先を感じさせるものがあって、ブックレットの写真を見るとアメリカのガールものよりカワイ子ちゃんルックス的な女性は少ないような・・・。(個人の感想ですのでご了承ください)
しかし音楽的にはアメリカ産ガール・ポップと比べても見劣りしない楽曲がずらっと並んでいます。

マリアンヌ・フェイスフル、ルル以外は一般的に馴染みがないかもしれませんが、ビリー・デイヴィス、エルキー・ブルックス、トゥルーリー・スミス、ジーン・マーティンなど60'sの魅力的な歌声が楽しめます。

今日はその中から女学生トリオのオーキッズが1965年にエクセプションズという別名で発表した「ホワット・モア・ドゥ・ユー・ウォント」。

キンクスのマネージメントをしていたラリー・ペイジのプロダクションによる作品。
曲を作ったのはジョン・カーターとケン・ルイスのコンビです。

キャロル・キング&ジェリー・ゴフィン作品「ヘイ・ガール」をカヴァーしたバリー・セント・ジョン「ヘイ・ボーイ」にも触れさせてください。
アンドリュー・オールダムがプロデュースを担当、彼のオーケストラ・アレンジを担当していたデヴィッド・ウィテカーが抜群のオケを作り、バリー・セント・ジョンの声を引き立てています。森 勉


2016年4月25日(月) ジャンクフジヤマ 「魅惑の唇」

2016年4月16日レコード・ストア・デイから早くも約10日が経ちました。
在庫ある商品は近日中に通販を開始したいと思っております。

発売前から問合せが多かったMETAFIVEは売り切れましたが、INO hidefumi、竹中直人、Speeder-X(中村達也&ken kenによるユニット)、yakenohara×chabeなど人気アイテムまだ在庫ございます。

レコード・ストア・デイは<街の小さなレコード店を応援しよう>というコンセプトで始まったイベントですからね。
大型店や大手通販サイトでも買えるかもしれませんが、店舗に来てお買い上げいただけるとうれしいな。

そのレコード・ストア・デイ商品の中から今日のこの1曲。

ジャンクフジヤマ『シェダル/魅惑の唇』
(国内EP JET SET JS7S128 1,400円+税)

2013年発表3rdシングルが初アナログ化。
伸びやかで躍動感あるA面「シェダル」はもちろん良いのですが、B面「魅惑の唇」も要チェック!

井上鑑プロデュース、村上ポンタ秀一、岡沢章、今剛、斉藤ノブという豪華バック・メンツ!
山下達郎ライヴ・ツアーPERFORMANCE2015-2016からコーラスに加わったハルナさんも参加していますね。

なお、このジャンクフジヤマ、yakenohara×chabe、小島麻由美などJET SETレーベルから発売されたRSD商品は店舗のみの発売となります。ご了承くださいませ。森 陽馬


2016年4月26日(火) アディティア・ソフィアン 「Silver Painted Radiance」

僕の大好きなインドネシア料理店cabe(チャベ)
目黒店が先日移転オープンしました。

大鳥神社先目黒通り沿いにあった店舗は建物の問題で2016年1月閉店し、新たに庭園美術館/首都高目黒線付近目黒通り沿い角地2階にて再オープン!(「せでるはな」というインドネシア料理店だった場所。1階は銭湯)

ここのインドネシア料理は本当に美味しいのです。
駅から徒歩約5分と近くなったので、今まで以上に伺いたいと思っております。
店主の大平夫妻は音楽好き(奥様は大のシアターブルック・ファン!)なので、皆様も是非立ち寄ってください。

さて、インドネシアといえば、
2011年ベストにも選出した男性シンガー・ソングライター、アディティア・ソフィアン。
オーガニックなバンド・サウンドで聴かせる4thアルバム『Silver Painted Radiance』が本日入荷しました。
(国内CD 日本語解説・歌詞付 VSCD-9826 2,300円+税)

今までのアコースティックな雰囲気はそのままに、よりハートウォーミングなメロディーとメランコリックなサウンドに深化した感動の傑作!

特に6分半にも及ぶ9曲目「Silver Painted Radiance」。
3分過ぎピアノの音色から切ないメロディーラインへ繋がるドラマティックな展開が素晴らしいですね。

なお、この曲名/アルバム・タイトルは、<Every cloud has a silver lining>(「悪いことの反面には必ず良いことがある」の意)という英語のことわざからインスパイアされて付けたそうです。森 陽馬


2016年4月27日(水) Squeeze 「Snap,Crackle And Pop」

スクイーズ2016来日公演 in ビルボード・ライヴ東京を昨日観ました。

フロントマンであるグレン・ティルブルックのソロ公演しか観たことがなかったので、キーボード、ドラム、ベース、ギター(ペダル・スティールetc)、計5人でのバンド・サウンド&エネルギッシュなステージを観る事が出来てとにかく最高でした。

整列して演奏しながらのメンバー登場で観客のハートをガッチリ掴むと、 最新作『Cradle To The Grave』から5曲程と、「Tempted」、「Up The Junction」、「Hourglass」、「Goodbye Girl」等々、ベスト・ヒット的な選曲で、MCはほぼせずに立て続けに曲をやってくれました。

最新作にも参加しているメルヴィン・ダフィー(ザ・ウォーターボーイズ)が今回一緒に来日。
彼が弾くマンドリンやペダル・スティールが加わってルーツ・ロック色漂う一味違うスクイーズも堪能出来ました。

グレンがウクレレを弾きながら歌う「Cradle To The Grave」のハッピーなムードや、熱唱にグッときた「Snap, Crackle And Pop」など新作の曲が何よりよかったので、バンドでまた来てくれる事を願うばかりです。

グレンも好きなブライアン・ウィルソン公演と同じ月にスクイーズ来日公演を観られて感激でした。

掲載ジャケットは、スクイーズの2015年作『Cradle To The Grave』(輸入CD)です。東尾沙紀


2016年4月28日(木) ボブ・ディラン 「風に吹かれて」(Blowin' In The Wind)

当店PET SOUNDS RECORD企画による天辰保文氏トーク・イベント、"Talking Man"。

第4回目が5月16日(月)行われることになりました。
今回はボブ・ディラン特集!

多くの観衆を魅了した4月来日公演、そして新作『フォールン・エンジェルズ』が5月25日発売と、まさにネヴァーエンディングに活動し続けているディラン。

50年以上に渡る足跡から天辰保文氏独自の視点でセレクトした楽曲を紹介。
ボブ・ディランの魅力を存分に語っていただきます。

僕自身ディランは好きですが、そこまでマニアなわけではありません。
「ボブ・ディランはあまりよく知らない」という方もお気軽にお越しください。

今日のこの1曲は2016来日公演でもアンコール1曲目に毎日演奏された名曲「風に吹かれて」。

ヴァイオリンを中心とした演奏による今回のライヴ・アレンジ、良かったですね。
後半にそのヴァイオリンとディランのピアノ、ギターが交わるアンサンブル、ずっと聴いていたくなりました。

今日4月28日が2016来日公演最終日でしたよね。
見に行かれた方、いかがでしたでしょうか? 森 陽馬

★掲載ジャケットはディランによるギター弾き語りオリジナルの「風に吹かれて」収録、1963年発表『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』

2016年4月29日(金) アイズレー・ブラザーズ 「ザット・レイディ」

4月29日は当店地下アゲインにて、【村田の実験室 リュニオン 村田和人さんを偲ぶ会】が行われました。
出演された二名敦子さん、フラリー・パッド、伊藤銀次さん、小板橋博司さん、湯川トーベンさん、ザ・フロント・ロウ、山田稔明さん、村田彼方さん、村田さんファンの皆々様、アゲイン石川さん、そして村田和人さん、ありがとうございました。

今日のこの1曲は、ザ・フロント・ロウ川崎太郎さんがフェイヴァリットのバンド、アイズレー・ブラザーズから。

初めてアイズレー・ブラザーズを聴く方には、いつもこの『3+3』をオススメしています。
(国内CD アイズレー・ブラザーズ『3+3』 SICP-2865 1,900円+税)

アルバムをたくさん出しているアイズレーのようなアーティストは何を選ぶか迷いますからね。
まずは傑作を聴くのがよろしいかと思います。

『3+3』は1973年発表。
このアルバムからは「ザット・レイディ」、「ホワット・イット・カムズ・ダウン・トゥ」、「サマー・ブリーズ」と3曲のシングル・ヒットも生まれています。

他にもジェイムス・テイラーのカヴァー「寂しい夜」、ドゥービー・ブラザーズのカヴァー「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」、シュガー・ベイブ「ダウンタウン」に影響を与えた「イフ・ユー・ワー・ゼア」、アルバム・ラストを飾る隠れた名曲「ザ・ハイウェイズ・オブ・マイ・ライフ」など、どの曲も魅力に溢れた演奏と歌が聴けます。

「ザット・レイディ」は彼らの3大ヒットの内の1曲。
(ポップチャートでベスト10内にランクインした他の曲は「イッツ・ユア・シング」、「ファイト・ザ・パワー」)

1973年全米6位まで上昇した曲なので、当時FENでは盛んにかかっていました。
初めて聴いた時の衝撃は今でも強く印象に残っています。

艶のあるロナルド・アイズレーのヴォーカルとジミ・ヘンドリックスから影響を受けたものを自己流に展開したアーニー・アイズレーのギターは、今までにない世界を教えてくれたような気がします。森 勉


2016年4月30日(土) サンタナ 「Love Makes The World Go Round」feat ロナルド・アイズレー

ラテン・ファンク・ロック健在!

「サンタナと言えば、やはり初期~『キャラバンサライ』頃でしょう!」
という方は必聴の新作です。

サンタナ『SANTANA Ⅳ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-30931 2,500円+税)

71年発表作『Ⅲ』&72年作『キャラバンサライ』録音時サンタナ・バンドに在籍し、後にジャーニーを結成するニール・ショーンとグレッグ・ローリー、更には当時のドラマー、マイケル・シュリーヴやパーカッショニストのマイケル・カラベロもサンタナの元へ再結集。
どこを切ってもサンタナ・サウンド!としか表現しようがない痛快な全16曲が出来上がりました。

「Fillmore East」なんてタイトルの楽曲もあったりしますが、ノスタルジーだけではない、現代感覚も取り入れた今のサンタナ・ロックを聴かせてくれます。

今日のこの1曲は、アイズレー・ブラザーズのロナルド・アイズレーをfeatした⑤「Love Makes The World Go Round」。

ロナルド・アイズレーの歌声も健在ですね。
グルーヴ感ある演奏ともマッチしています。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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