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  今日のこの1曲 “Archives”

<2017月6月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2017年6月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2017年6月1日(木) トロンボーン・ショーティ 「Here Come The Girls」

年の変わり目。新しい月の始まり。
区切りの最初には、フレッシュな新作を聴きたくなります。

梅雨・初夏の到来を感じさせる今日は、ニューオリンズ新世代、トロンボーン・ショーティの新作から。

トロンボーン・ショーティ『Parking Symphony』
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック2曲追加 解説・歌詞・対訳付 UCCQ-1069 2,500円+税)

1986年ニューオリンズ出身トロンボーン奏者&シンガー、トロイ・アンドリュースことトロンボーン・ショーティ。
ラファエル・サディークプロデュースでVerveから発表した2013年作『Say That To Say This』から3年半ぶり。
ブルーノート移籍第1弾リリースとなるアルバムが今作です。

白人シンガー/プロデューサー、Chris Seefriedによるプロデュース。
ニューオリンズ・ルーツと新味が融合した仕上がりですが、ちょっときれいにまとまり過ぎかな、という印象。
トロンボーン・ショーティはライヴが素晴らしいのですが、それがCDだと伝わりにくいですね。

大好きな1曲ミーターズ「It Ain't No Use」のカヴァーは、オリジナル後半のジャム&ドラムソロが聴きどころ&かっこいいのに、その部分はオミットして約4分で終わってしまうという中途半端さ。(アレンジは良いんだけど...)

2015年11月逝去したアラン・トゥーサン作カヴァー「Here Come The Girls」の方を今日のこの1曲に。森 陽馬


2017年6月2日(金) アンクル・サウンド 「ビヴァリー・ヒルズ」

「ハード・ロック・カフェがあるなら、ソフト・ロック・カフェも作ってみたい!」
という夢を持っているソフト・ロック愛溢れる宮治淳一氏が監修・選曲をした『ソフト・ロック・ナゲッツ』シリーズ。

今日はそのVol.2を紹介したいと思います。

『イッツ・ア・ハプニング・ワールド ~ソフト・ロック・ナゲッツVol.2』
(国内CD 佐野邦彦氏解説・歌詞・対訳付 WPCR-17622 1,600円+税)

1曲目からつかみバッチリです。
1966年4月に発売されたブルース&テリー「Don't Run Away」。
ヒットはしませんでしたが、心に残る名曲です。

1966年1月にビーチ・ボーイズのメンバーとして来日したブルース・ジョンストンは、ジャパン・ツアーが終了し他メンバーが帰国する中、日本に留まり日本コロンビアのスタジオで何かを録音したという記事が当時の音楽雑誌に掲載されていました。
その何かがこの「Don't Run Away」の中に使われていたら、、、素敵なことです。

その他、サジタリアス、サークル、ペパーミント・レインボー、クリッターズなど常連の中に、無名ながらモーニング・グローリーズ、ブレイズ・オブ・グラス、ガス・カンパニー、ゲイツ・オブ・イーデン、アザー・ヴォイシズ、コングリゲイション等の感じの良いレアものも多数含まれています。

今日のこの1曲は、シールズ&クロフツ結成前にジミー・シールズがアンクル・サウンド名義で1968年にワーナーから出した「ビヴァリー・ヒルズ」。プロデュースはリチャード・ペリー。森 勉


2017年6月3日(土) ブルーズ・ザ・ブッチャー 「Rock My Blues Away」

名前が陽馬なので<馬ジャケ>。
昔から見つけるとついつい手にしてしまいますが、馬のお尻のアップは初めてかも、、、。

ブルーズ・ザ・ブッチャー+うつみようこ『ロッキン・アンド・ローリン』
(国内CD PCD-18823 2,778円+税)

永井ホトケ隆、沼澤尚、中條卓、KOTEZによる日本人ブルース・バンド、ブルーズ・ザ・ブッチャー。
うつみようこ(元メスカリン・ドライヴ~ソウル・フラワー・ユニオン)をfeatした10周年記念アルバムが発売。

通算8作目となる今作のテーマは<テキサス>。
アメリカ南部産味わい深いテキサス・ブルースを結成当初のコンセプトそのまま、オーバーダブなし一発録り。

今日のこの1曲は、9曲目「Rock My Blues Away」。
クラレンス・ゲイトマウス・ブラウンのロッキン&ファンキーな味はそのままに、彼ららしいグルーヴ感あるアレンジで料理。

なお、この馬ジャケットは、ミュージシャンのイラストを多く手掛け<放蕩画伯>の異名を持つイラストレーター、久原大河氏が描いています。森 陽馬


2017年6月4日(日)オールマン・ブラザーズ・バンド「誰かがわるかったのさ」(Done Somebody Wrong)

グレッグ・オールマンが亡くなった、という報が伝わってきたのは先月5月28日(日)でした。
(5月27日ジョージア州サバナの自宅にて逝去 享年69歳)

オールマンを店で聴いたり、夜中にグレッグのソロを聴いたり、思いついた時にグレッグが関わった作品を聴き、じわじわと寂しさが広がってきているのは僕だけではないと思います。

サザン・ロックの代名詞とも言えるオールマン・ブラザーズ・バンドは、まさにアメリカン・ロックを体現してきたバンドだったのだな、と今更ながら実感。

また、1971年若くして亡くなったデュアン・オールマンばかりが神格化されているものの、グレッグこそがオールマン・ブラザーズ・バンドそのものだったのだ、という当たり前なことも、改めて思い知らされた気がします。

そして、狼が吠えるような雄々しい歌声。その奥にある優しさがサザンの魂だったのだな、ということも、、、。

デレク・トラックス(テデスキ・トラックス・バンド)も、ウォーレン・ヘインズ(ガヴァメント・ミュール)も、オールマンの楽曲をやっていないけれど、これからはオールマンでやっていた曲を引き継いでいって欲しいですね。

今日のこの1曲は、オールマン代表作『フィルモア・イースト・ライヴ』から、エルモア・ジェイムスのカヴァー「Done Somebody Wrong」(誰かが悪かったのさ)を。森 陽馬

★掲載ジャケットは、オールマン・ブラザーズ・バンド1971年発表作『フィルモア・イースト・ライヴ』。
(国内CD 期間限定特別価格盤 解説・歌詞・対訳付 UICY-78292 1,380円+税)


2017年6月5日(月) コングリゲイション 「Sun Shines On My Street」

毎週日曜日の夕方、ラジオ日本で放送されている『ラジオ名盤アワー』DJを担当している宮治淳一氏が、監修・選曲を担当した『ソフト・ロック・ナゲッツ』シリーズ。
今日はVol.3です。

『バースデイ・モーニング ~ソフト・ロック・ナゲッツ Vol.3』
(国内CD 佐野邦彦氏による解説・歌詞付 WPCR-17623 1,600円+税)

今作も素晴らしいバランスで選曲された全24曲。
センスの良いカフェのBGMとして店内に流れていたら気持ちいいだろうなぁ~、というキース、サンシャイン・カンパニー、アソシエイション、ソルト・ウォーター・タフィー、ミレニウム、アニタ・カー・シンガーズ、スパイラル・ステアケース、ポール・ウィリアムス等々。

カーペンターズで大ヒットした「ハーティング・イーチ・アザー」はニック・デカロのアレンジが冴える1969年のルビー&ザ・ロマンティックスで聴けますし、ブライアン・ウィルソンとビリー・ヒンチが共作したディノ・デジ&ビリー「レディ・ラヴ」も入っています。

コングリゲイション「サン・シャインズ・オン・マイ・ストリート」は1969年ジュビリー・レーベルから出たシングルB面ですが、何度も繰り返して聴きたくなる爽やかなハーモニーが印象的です。世界初CD化曲! 森 勉


2017年6月6日(火) Mari Wilson 「I Couldn't Live Without Your Love」

80年代のビーハイブ(蜂の巣)ヘアといえば、この人!

トット・テイラーが設立したコンパクト・オーガニゼーションから、80年代初頭シングル・ヒットも出したイギリスの女性シンガー、マリ・ウィルソン。

現在もキラキラとゴージャスな佇まいは変わらない彼女も今年で63歳。
本国では2016年に発表された最新作『Pop Deluxe』の国内盤がリリースされました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 HYCA-3060 2,400円+税)

今作では、60年代を代表するイギリスの女性シンガーが歌った楽曲を取り上げています。

サンディ・ショウ「恋のウエイトリフティング(Always Something There To Remind Me)」、ダスティ・スプリングフィールド「恋の面影(The Look Of Love)」や「I Just Don't Know What To Do With Myself」、シラ・ブラックもヒットさせた「恋するハート(Anyone Who Had A Heart)」など、バカラック作。

どちらもペトゥラ・クラークによるヒット曲で、トニー・ハッチ&ジャッキー・トレント作「I Couldn't Live Without Your Love」、「天使のささやき(Don't Sleep In The Subway)」は、彼女の朗らかな歌声にぴったり♪

80年代の頃の彼女を彷彿とさせる、打ち込みを主体としたアレンジでカヴァーしています。

長門芳郎さんの解説、多屋澄礼さんによる歌詞対訳付です。東尾沙紀


2017年6月7日(水) Sting 「Fragile」

2017年6月6日スティング日本武道館公演を見てきました。

2016年発表作『ニューヨーク9番街57丁目』が素晴らしいアルバムだったので、久々の公演見ておこうかな、くらいの気軽な感じで会場へ向かいましたが、正直言って圧倒されてしまいましたね。

今年で66歳になるとは思えないほどの活力及び瑞々しさ、そしてポリス時代からのヒット曲が持つ力強さ。

客層は40~50代が多かったのですが、コンサートを見る前と後とでは、目の輝きが皆変わっていましたからね。
スティングの音楽に魅せられたことがある人ならば、何かしら触発されるものを感じられると思います。
6月8日日本武道館、6月10日大阪公演、おそらく当日券もあるでしょうから、気になっていた方は是非。

♪That Nothing Comes From Violence And Nothing Ever Could♪(暴力からは何も生まれない)
<Sting「Fragile」歌詞より>

かっこいい演奏、懐かしい名曲、印象深い歌、、、。
セットリストは幅広い選曲で心躍る瞬間が何度もありましたが、スティングの静かなるメッセージが込められた「Frafile」を今日のこの1曲に。森 陽馬


★掲載ジャケットは「Fragile」収録ベスト盤
(スティング『ベスト・オブ・25イヤーズ』 国内CD 2枚組全31曲収録 UICY-10018 3,333円+税)


2017年6月8日(木) 大瀧詠一 「恋の汽車ポッポ」

日本ロック/フォーク史に残る名作を多数輩出した名レーベル、ベルウッド・レコード。
2017年で設立45周年を迎えるのを記念して、7インチ復刻シリーズがリリースされます。

まずは第一弾3種が7月19日発売。(完全限定アナログ盤 各1,852円+税)
・(EP)大瀧詠一『恋の汽車ポッポ/それはぼくじゃないよ』
・(EP)大瀧詠一『空飛ぶくじら/五月雨』
・(EP)細野晴臣『恋は桃色/福は内鬼は外』

カッティングはオリジナル・マスター・テープから行い、国内限定プレス。
入荷枚数が確定していないため、入荷が予約数を下回った場合は予約先着順とさせていただきます。
ご了承くださいませ。

今日のこの1曲&掲載ジャケットは、大瀧詠一『恋の汽車ポッポ/それはぼくじゃないよ』。
(オリジナル発売日:1971年12月10日(BS-1465) /2017年7月19日再発盤:FJEP-1001 1,852円+税)

はっぴいえんど『風街ろまん』発売直後に、キング・レコードからリリースされた大瀧詠一初ソロ・シングル。
オリジナルEPは中古市場で○万円以上の値が付いている希少盤です。

なお、はっぴいえんど1st(ゆでめん)と2nd『風街ろまん』のアナログLPとカセット・テープも7月19日リイシューされる予定になっています。森 陽馬


2017年6月9日(金) ガリヴァーズ・ピープル 「オン・ア・デイ・ライク・ディス」

当店地下アゲインにて年5回ほど行われている爆音でオールディーズを楽しむ会<出張ブランディン>でおなじみの宮治淳一氏が監修・選曲をした『ソフト・ロック・ナゲッツ』シリーズ。今日はVol.4です。

『Vol.1』~『Vol.3』はアメリカ産ソフト・ロックでしたが、『Vol.4』はほぼイギリス産で構成されています。

『リッスン・トゥ・ミー ~ソフト・ロック・ナゲッツ Vol.4』
(国内CD 解説・歌詞付 ワーナー WPCR-17624 1,600円+税)

店でかけていて、お客様の反応が一番あるのがこのVol.4かもしれません。

「サンディ」(スウィンギング・ブルー・ジーンズ)、「サイレンス・イズ・ゴールデン」(トレメローズ)、「サンシャイン・ボーイ」(ヴィッキー ~パレード『サンシャイン・ガール」カヴァー)、「エヴァーラスティング・ラヴ」(ラヴ・アフェア)、「笑ってローズマリーちゃん」(フライング・マシーン)など、キャッチーな曲があちこちに散りばめられているからかもしれません。

レア曲も満載で日本初CD化9曲、世界初CD化4曲を収録。
今日はその中から世界初CD化のガリヴァーズ・ピープル「オン・ア・デイ・ライク・ディス」を。

今回初めて聴いた曲ですが、なかなかイイ曲です。
1968年パーロフォン・レーベルから出たこの曲のプロデューサー&アレンジャーは、ビートルズのレコーディング・エンジニアとしても活躍したノーマン・スミス。70's前半ハリケーン・スミスの名前でヒット曲を出した人です。

こんな曲が聴けるなんて、『ソフト・ロック・ナゲッツ』サイコー!
このシリーズ4枚で全96曲。当分楽しめそうです。森 勉


2017年6月10日(土) Robyn Hitchcock 「Detective Mindhorn」

2016年10月、10年ぶりの来日を果たしたイギリス出身シンガー・ソングライター、ロビン・ヒッチコック。

ソフト・ボーイズから約40年...現在もコンスタントに作品を発表している彼のソロ21枚目で、初のセルフ・タイトルを掲げた最新作『ロビン・ヒッチコック』がリリースになりました。
(輸入国内仕様 日本語解説付 BSMF-6109 2,300円+税)

現在住んでいるナッシュヴィルで録音された今作の楽曲は全曲自身によるオリジナル曲。
アメリカのポップ系シンガーソングライター、ブレンダン・ベンソンが共同プロデュースを務めています。

「ソフト・ボーイズ的なアルバムを...」というブレンダンの勧めもあったそうで、ペダル・スティールを取り入れたルーツ・ロック・ナンバーも織り交ぜつつ、近年では最もポップな作品となっています。

父親のことを歌った「Raymond And The Wires」、昨年の来日公演にも参加したオーストラリアの女性シンガー、エマ・スウィフト&ウィルコのパット・サンソンがコーラスで参加したちょっと切ない「SAYONARA Judge」、ギリアン・ウェルチがコーラス参加した「Autumn Sunglasses」などなど。

ブレンダンの色も滲ませる「Detective Mindhorn」も、今作では一番メロディアスで耳に残る1曲です。

なにげに猫ジャケなのも良いですね。東尾沙紀


2017年6月11日(日) Tedeschi Trucks Band 「I Want More (Soul Sacrifice Outro)」

現代アメリカン・ロック・バンドの中でも5指に入る存在と言っていいでしょう。
スーザン・テデスキとデレク・トラックス、世界最強のギタリスト夫婦を中心としたテデスキ・トラックス・バンド。

彼らのライヴ盤『Live From The Fox Oakland』が好評発売中です。
(輸入2CD+Blu-ray Fantasy/Concord FAN00110)

国内盤も2枚組CDで発売されていますが、輸入盤にはその2CDにライヴ映像DVDorBlu-rayが付属。
内容充実の映像なので輸入盤がオススメですね。
オリジナル以上に飛躍していくライヴ演奏が存分に堪能できます。

デレク&ドミノス「Keep On Growing」カヴァーのデレク圧巻ギター・ソロも聴きものですが、今日のこの1曲は、サンタナ「Soul Sacrifice」へラストなだれ込んでいく演奏が素晴らしい「I Want More」を。

なお、テデスキ・トラックス・バンドの魅力が伝わる作品ではありますがただ一つ不満な点は、「With A Little Help From My Friends」(ビートルズ・カヴァー)が収録されていないこと。

2016年4月来日公演でもアンコールラストで披露され、ツアーの目玉(とあえて断言したい)だったこの名カヴァーが入っていないのは納得いかないなぁ、、、。
ジョー・コッカーばりにシャウトするスーザンの熱唱をもう一度生で聴きたいですね。森 陽馬


2017年6月12日(月) 山下達郎 「Lightning Boy」

山下達郎『COME ALONG 3』が8月2日発売決定いたしました。
(山下達郎『COME ALONG 3』 WPCL-12690 2,200円+税)

山下達郎の名曲に小林克也のDJが入り、ノンストップで聴かせる『COME ALONG』シリーズ。
1980年にVol.1、1984年にVol.2が発売されてから約33年ぶり!第3弾!

ジャケット・イラストは鈴木英人が担当。
2016年夏シングル・リリース「Chee Up! The Summer」、人気曲「高気圧ガール」、「The Theme From Big Wave」、「さよなら夏の日」など夏を感じさせる楽曲(12曲収録予定)が、どのような流れで繋がっているのでしょうか。
今夏のドライヴ・ミュージックとして欠かせない1枚となりそうです。

達郎さんの曲は夏の歌でなくても夏を感じさせる楽曲が色々あって、僕にとってのそれは「僕の中の少年」だったりするのですが、今日のこの1曲は2005年作『ソノリテ』(WPCL-10229 2,913円+税)から個人的にそんな夏イメージを抱かせる「Lightning Boy」を。

難波弘之が弾くピアノ・イントロから今は亡き青山純のドラミング。
躍動感ある演奏、伸びのある歌声、そして現在はツアーメンバーから退いた土岐英史によるソプラノ・サックス・ソロ。

『COME ALONG 3』に『ソノリテ』から1曲入るとしたら「太陽のえくぼ」でしょうが、初夏を前にした心のざわめきを"虹を抱き光を束ねる"少年へ託した「Lightning Boy」も他の夏曲とのミックスで聴いてみたいですね。森 陽馬


2017年6月13日(火) 寺尾紗穂 「雲は夏」

夏を感じさせる曲、来週発売される当店オススメのアルバムから紹介しましょう。

寺尾紗穂『たよりないもののために』
(6月21日発売 PCD-28039 2,800円+税)

当店がデビュー時から応援している女性シンガー・ソングライター、寺尾紗穂。

山下達郎が在籍していたシュガー・ベイブのベーシスト寺尾次郎の娘であり、現在は文筆家としても広く知られる存在となった彼女。
2015年『楕円の夢』、2016年『わたしの好きなわらべうた』に続く通算8作目となるオリジナル・アルバムです。

尾崎翠の詩に曲をつけた楽曲「新秋名果」、植本一子が書いた文章を歌詞にして歌った「孤独な惑星」など他人が手掛けた詞もありますが、紗穂さん自身が書いた歌として<ふとした日常から過去を追憶する>というテーマを感じさせる全10曲。

今日のこの1曲は2曲目に収録されている「雲は夏」。
あだち麗三郎、伊賀航によるリズム隊、蓮沼執太による編曲が躍動感を感じさせるナンバー。

なお、当店のみの特典としてオリジナル・マグネット付。
寺尾紗穂さん独占インタビュー・リーフレットもお付けできる予定です。森 陽馬


2017年6月14日(水) ジェフリー・フォスケット 「She Knows Me Too Well」

ジェフリー・フォスケットの新しいCD『ユー・リマインド・ミー・オブ・ザ・サン』が発売になりました。

ジェフリー・フォスケット『You Remind Me of The Sun』
(国内CD 長門芳郎氏解説付 VSCD-3953 2,315円+税)

『クラシック・ハーモニー』(2015年12月発売)、『ベスト・オブ・ジェフリー・フォスケット』(2016年3月発売)に続く、ジェフリーが過去発表した作品からチョイスした楽曲に新録音を加えた編集盤です。

今回は新録音3曲、日本初登場レア音源2曲に、1996年日本盤でも発売になったソロ・デビュー・アルバム『スルー・マイ・ウインドウ』から7曲ほか全17曲が収録されています。

1990年代に出たジェフリーのCDは現在入手困難になっているので、このような形で日本発売され、ビーチ・ボーイズ・テイストのさわやかなハーモニーとサウンドがたっぷり味わえるのはうれしいことです。

本来はゆっくりスタジオに入り新しい作品をたくさん作ってほしいのですが、マイク・ラヴとブルース・ジョンストンによるビーチ・ボーイズのサポート・バンド中心人物として、ハードなツアーが続いているにで致し方ないところです。

アナログ7インチ・レコードで先行発売されていた山下達郎カヴァー「JODY」(ジェフリーの伸びやかなヴォーカルが魅力)や、2000年アメリカABCテレビで放映されたビーチ・ボーイズを題材としたドラマのクロージング・テーマ・インスト曲「An American Family Theme」も気になりますが、今日はビーチ・ボーイズのアルバム『トゥデイ』収録ミディアム・バラード隠れ名曲「シー・ノウズ・ミー・トゥ・ウェル」のナイス・カヴァーを。

1996年のある日、1時間ほどの短い時間で録音されたそうです。
ブライアン・ウィルソンが1999年にソロ・ツアーを始めるにあたってジェフリー・フォスケットを自分のバンドに招き入れたのは、こんなビーチ・ボーイズ愛に溢れたカヴァーを聴いたからかもしれませんね。森 勉


2017年6月15日(木) チャック・ベリー 「Lady B. Goode」

2017年3月18日、90歳で逝去したロックンロールの祖、チャック・ベリー。

1979年『Rock It』以来約38年ぶりとなるオリジナル・アルバムが発売されました。

チャック・ベリー『CHUCK』
(国内CD 英文ライナー訳・歌詞・対訳付 2,600円+税)

「どんな作品か?」と問われれば、「まさにチャック・ベリー!」としか答えられない1枚。

チャック・ベリー以上でもなければ、チャック・ベリー以下でもない。
チャック・ベリーそのもの、といった全10曲。

6曲目「レディー・B.グッド」は、曲名通りチャック代表曲「ジョニー・B.グッド」の続編と言えるナンバー。

イントロのギターも、曲調も、歌い回しも「ジョニー・B.グッド」とほとんど一緒。
今まで何度も聴いてきたフレーズなのに、というか聴いてきたからこそ、心体が熱くなり、頬が緩んでくる1曲。

チャック・ベリーの息子チャック・ベリーJr、チャック・ベリーの孫にあたるチャック・ベリー3世がギターで参加。
他楽曲ではチャック・ベリーの娘イングリッド・ベリーもハーモニカ/ヴォーカルで花を添えています。森 陽馬


2017年6月16日(金) Jesse Ed Davis 「Kiowa Teepee (Washita Love Child)」

南部ロック、スワンプ/ブルース好きの方要チェック!
ジェシ・エド・デイヴィスの新しい編集盤CDが発売されました。

ジェシ・エド・デイヴィス『Red Dirt Boogie』
(国内仕様CD 日本語解説付 BSMF-7531 2,750円+税/輸入盤 Real Gone Music RGM-596)

1944年アメリカ/オクラホマ州生まれ、インディアンの血を引くネイティヴ・アメリカン・ギタリスト。
60年代後半ザ・バンドやレオン・ラッセルと交流し、タジ・マハールのバンド、ライジング・サンに加入。
(その頃のジェシ・エドの映像をローリング・ストーンズ『ロックンロール・サーカス』で見れますね。)

セッション・プレイヤーとしてアルバート・キングやロジャー・ティルソンの作品に参加した後、ATCOレーベルと契約・発表した2作、1970年1stアルバム『Jesse Davis』、1972年2ndアルバム『Ululu』に入っている楽曲をほぼ全曲収録し、未発表トラックを2曲追加したCDがこの盤です。

ジェシ・エドの味わい深いスライド・ギター&渋い歌声もさることながら、芳醇なグルーヴ感溢れるバック演奏がとにかく聴きもの!

ドクター・ジョン、エリック・クラプトン、ジム・ケルトナー、ドナルド・ダック・ダン、ベン・シドラン、レオン・ラッセル、グラム・パーソンズ等この時代でしか出せない豊かなサウンド。
EPICからの73年発表3rdも良作ではありますが、ジェシ・エドと言えばやはりこの2作だなと改めて実感。

なお、この編集盤は1st&2ndの曲順通りでなく、2ndに入っていた「Oh Susannah」は何故か未収録。
しかしながら、その2作には入っていなかった未発表トラックが2曲追加で収録されています。

まず1曲は「RockN Roll Gyipsies」(Unreleased basic Track)で、コーラスが入っていないヴァージョン。
そしてもう1曲は「Kiowa Teepee」という曲で、1st収録曲「Washita Love Child」インスト・ヴァージョン。

特に「Kiowa Teepee」は、冒頭にインディアン的民族リズムが入ってから曲へなだれ込んでいくトラック。
エリック・クラプトンが弾いている(と思われる)後半のギター・ソロも存分に堪能できます。森 陽馬


2017年6月17日(土) サム&デイヴ 「ソウル・マン」

1960年代中期から後期にかけて、ヒット・チャートを賑わせてくれたR&Bデュオ、サム&デイヴ。

今でも無性に聴きたくなる時があります。

「You Don't Know Like I Know」、「Hold On I'm Comin'」、「You Got Me Hummin'」、「When Something Is Wrong With My Baby」、「I Thank You」、「Soul Sister, Brown Sugar」、etc・・・。

<ダブル・ダイナマイト>と呼ばれた二人の熱唱が全20曲収録されているベスト盤が低価格で出ました。

サム&デイヴ『プラティナム・コレクション』
(国内CD 解説・歌詞付 ワーナー WPCR-26234 1,300円+税)

今日はこの中から、サム&デイヴ最大のヒットとなった1967年秋発売「ソウル・マン」を。

彼ら初のナンバー1ヒットになるか?という感じで全米チャートを上昇しましたが、ルル「いつも心に太陽を」(To Sir With Love)に阻まれて、惜しくも3週連続第2位が最高位でした。

ちなみにR&Bチャートでは、この曲と「ホールド・オン・アイム・カミン」が第1位に輝いています。

キレのあるギターリフに乗って、二人のヴォーカルがスリリングに絡み合う名曲ですね。森 勉


2017年6月18日(日) The Strypes 「Consequence」

フジロック'17、11月のジャパン・ツアーも控えている、アイルランド4人組バンド、ザ・ストライプス。

デビューして4年、20歳前後と若い彼らの新作『スピッティング・イメージ』がリリースになりました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 デラックス・エディション UICR-9039 2,800円+税)

ブルース&ロックンロールな1作目、90年代ロック寄りの2作目に続く、イーサン・ジョンズ・プロデュースによる2年ぶりの3作目は、パンク/ニューウェイブに影響を受けたポップなアルバムに。

歌いまわしやキーボードの音が、エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズを彷彿とさせる2曲目「Consequence」、続く3曲目「(I Need A Break From) Holidays」もスクイーズだったりと...聴かれる方によっては懐かしさを感じさせるかもしれません。

その他にもザ・ラーズ、ブルース・スプリングスティーンなどを制作中に聴いていたようで、新曲にはその影響が表れています。

日本独自企画のデラックス・エディションは紙ジャケット仕様/ポスター封入、ボーナス・トラック5曲を追加。

その中には、ニック・ロウ作、コステロの歌唱で知られる「(What's So Funny 'Bout)Peace Love And Understanding」のイキのいいカヴァーも収録されています。東尾沙紀


2017年6月19日(月) 寺尾紗穂 「九年」

PET SOUNDS RECORD推薦女性シンガー・ソングライター、寺尾紗穂。

通算8作目となる新作オリジナル・アルバム『たよりないもののために』が6月20日(火)入荷予定です。

寺尾紗穂『たよりないもののために』
(6月21日発売 PCD-28039 2,800円+税)

当店のみの先着特典として、写真家:大森克己氏が手掛けたジャケット・デザインのマグネット。
更に当店恒例・寺尾紗穂最新インタビュー・リーフレットをお付けいたします。

なお、インタビュー・リーフレットはお買い上げでなくても店頭でフリーペーパーとしてお持ちいただけます。
寺尾紗穂を知らない方にもご覧いただいて、今作を是非聴いていただきたいですね。

なお、寺尾さんもおっしゃっているように、『たよりないもののために』は<弱者のための歌>ではありません。

様々な『たよりないもの』、永遠に続くと思えるけれど実は脆く儚いもののために、♪夢を見る♪、♪命を賭ける♪人々のダンスが続いていく様、信じる力が描かれている歌だと思われます。

尾崎翠が書いた詩に曲を付けた「新秋名果」。
更にその尾崎翠『歩行』の一場面を詩にした「柿の歌」。
今作の要と僕は感じている9曲目「九年」。

彼女の凛とした眼差しが歌を通して伝わってくる全10曲、ご堪能ください。森 陽馬


2017年6月20日(火) ビーチ・ボーイズ 「I'd Love Just Once To See You」

2017年6月20日は、ブライアン・ウィルソン75歳の誕生日!
おめでとう、ブライアン!

2016年4月感動の来日公演を披露してくれたブライアンは、現在も『PET SOUNDS TOUR』継続中。
2017年7~8月ヨーロッパ、9月カナダ~アメリカ、日程がビッシリ入っています。

他サポート・メンバーやスタッフの協力があってこそとはいえ75歳にしてこの意欲。本当に凄いなぁ。
心身共健やかに、末永く活動してもらいたいですね。

ということで、今日のこの1曲はブライアン・ウィルソン作を。

2017年7月5日発売される『Sunshine Tomorrow ~ビーチ・ボーイズ1967』からこの1曲。
(国内CD ビーチ・ボーイズ『サンシャイン・トゥモロウ ~ビーチ・ボーイズ1967』 UICY-1560 3,600円+税)

1966年『PET SOUNDS』後、「Good Vibrations」ヒットはあったものの『SMiLE』制作を断念したビーチ・ボーイズ。
1967年リリースした『Smiley Smile』(1967年9月発表)と『Wild Honey』(1967年12月発表)の初公開ステレオ・ヴァージョンからアウトテイク、別ヴァージョン、貴重ライヴ音源等多数収録した全65トラック2枚組CDが今作。

力強さを増したカールの歌声が映えるこの当時のライヴ音源、とても楽しみですが、初公開となる『Wild Honey』ステレオ・ヴァージョンも注目です。

「I'd Love Just Once To See You」は、『SMiLE』の残り香 or 次作『Friends』の予兆も感じさせる隠れた名曲。
心地良さと切なさが同居したハーモニー。この時期のブライアンらしいナンバーです。森 陽馬


2017年6月21日(水) 星野みちる 「週一ロマンス」(佐藤清喜作曲)

星野みちる2017年オリジナル・フル・アルバム『黄道十二宮』発売記念!
MIX-CDR『22 Minutes of Michiru Hoshino』(はせはじむMIX)を店頭にて無料配布中!
←店内試聴機コーナーに置いてあります。御1人様1枚。
数に限りがございますので、配布終了の際はご了承くださいませ。

ということで、星野みちる『黄道十二宮』から今日のこの1曲。
(CD HCCD-9588 2,800円+税)

マイクロスター佐藤清喜作曲&アレンジ「週一ロマンス」、「いつかFriends Again」。杉真理作曲「Unstable Girl」。沖井礼二プロデュース曲「鏡の中の私」。辻林美穂作曲「ONE-TIME LOVE」。かせきさいだぁをfeatした「境界線上の二人」。ゲイリー芦屋アレンジによる華麗なビッグ・バンド・ジャズ歌謡「流れ星ランデブー」他全12曲。

今まで以上にアダルトな香りも感じさせるポップを聴かせる1枚。

特に、星野みちる本人が作詞・作曲し佐藤清喜がサウンドを手掛けた「キライよ」は、古内東子のソングライティングをも彷彿とさせる切ない恋愛をテーマにしたミディアム・チューン。

竹内まりや「セプテンバー」のような雰囲気がある「週一ロマンス」(佐藤清喜作曲&サウンド・アレンジ)も聴きものです。森 陽馬


2017年6月22日(木) Tweedees 「悪い大人のワルツ」

沖井礼二&清浦夏実のユニット、Tweedees(トゥイーディーズ)。

昨日こちらで取り上げた星野みちる新作収録曲「鏡の中の私」で、作詞・作曲・プロデュースを手掛けているお二人。
ボーナス・トラック入り全9曲の最新作『ア・ラ・モード』が発売になりました。
(COCP-39984 2,200円+税)

今作も沖井さんによる躍動するメロディ&アレンジがギュッと凝縮された1枚。
押し寄せるポップな波を乗りこなす清浦さんのヴォーカルもとっても表情豊かです♪

みどりん(Drs/SOIL&''PIMP'' SESSIONS)参加、バキッとベース、オルガンも絡む①「未来のゆくえ」、PVも公開されているタイトル曲②「a la mode」...初っ端から飛ばしていて、かっこいいっ。

ピアノを主体とした「悪い大人のワルツ」がちょっぴり切なく、疾走感のある楽曲の中では特に印象的なナンバーです。

NHK Eテレで放送中『おじゃる丸』のエンディング・テーマ「プリン讃歌 -a la mode edition」も、フル・バージョンとTVサイズを両方収録。東尾沙紀


2017年6月23日(金) Neil Young 「Look Out For My Love」

1986年から約30回行われてきたニール・ヤング主宰チャリティ・コンサート、ブリッジ・スクール・ベネフィット。
2017年は開催されないことが発表されました。

ブリッジ・スクール公式サイトでニール・ヤングと元奥方のペギ・ヤングが今まで関わった人への謝辞を述べるとともに、個人的な理由(personal reasons)で開催しないことを明言。

超大物ミュージシャンをゲストに迎え意義あるイベントを毎年行ってきたのは本当に素晴らしいことだったのですが、なくなってしまうのは本当に残念ですね。

ニール・ヤングは2017年初旬オセアニア~アジアをライヴで廻る予定だったのですが発表前に中止。
更に、『Rock & Roll Hall Of Fame2017』4月授賞式パール・ジャムへのプレゼンター出演予定が直前病欠。
2017年内ツアーを行わないことを早々に発表、、、。

と、ニール重病説が飛び交う中、実は現在レコーディング中?!という噂や、1976年発表予定だった幻のアルバム『Hitchhiker』発売か?!などの情報もあるのです。

2017年で72歳となるニール。とにかくも元気でいて欲しいですね。

さて、発売が噂されている幻のアルバム『Hitchhiker』(ヒッチハイカー)は、スティルス・ヤング・バンド『Long May You Run』(太陽への旅路)が出た1976年頃お蔵入りとなった作品。
収録予定だった楽曲の多くは、『American Stars N'Bars』(1977)、『Comes A Time』(1978)(そしてタイトル曲「hitchhiker」は2010年作『Le Noise』)に収録されていますが、この時期の危い魅力を持ったニールの作品。改めて聴いてみたいものです。

ということで今日のこの1曲は
♪I know things are going change. But i can't say bad or good No No♪
(物事は変わっていく。でもそれが良いか悪いかは僕にはわからないんだ。)
という歌詞が出てくる「Look Out For My Love」を。森 陽馬

★掲載ジャケットは「Look Out For My Love」収録1978年発表作『Comes A Time』。


2017年6月24日(土) ヴァレリー・カーター 「Birds」

2017年3月4日逝去した女性シンガー、ヴァレリー・カーター。

1996年発表アルバム『The Way It Is』に1998年発表カヴァーミニ・アルバム『Find A River』の5曲をプラス。
最新リマスタリング&高音質HQCD仕様で再CD化/初アナログ化されました。

ヴァレリー・カーター『The Way It Is/Find A River』
(国内CD 天辰保文氏による解説付 PCCY-50083 3,000円+税/国内2枚組LP PCJA-68 5,000円+税)

1977年発表1stアルバム『Just A Stones Throw Away(愛はすぐそばに)』、1978年発表2nd『Wild Child』から18年ぶりだった快作。
1994年4月ジャクソン・ブラウン来日公演にゲスト出演するなど、彼女の美しい歌声を聴けて嬉しかった当時の想いが、今回の再発に触れて甦ってきましたね。

今日のこの1曲はその『The Way It Is』からニール・ヤングのカヴァー「Birds」を。
ジェイムス・テイラー、リンダ・ロンシュタットがゲスト参加。(ニール名曲「Heart Of Gold」と同じゲスト2人!)

なお、ライナーノーツは1996年時の天辰保文氏が書いた文が再掲されていますが、そのライナーに加え天辰氏が新たに書き下ろした追悼文も添えられており、それが素晴らしい文章。
作品と併せて是非ご覧いただきたいです。森 陽馬

★掲載ジャケットは、今回初めてアナログ化された新装LPジャケット。


2017年6月25日(日) クロディーヌ・ロンジェ 「クリエイターズ・オブ・レイン」

今年も梅雨の季節になりました。

湿気が多く鬱陶しい時期ですが、雨に因んだ曲を探して聴いたりしていると結構気が紛れて逆に楽しくなったりするものです。

古今東西、雨の歌はたくさんありますね。
「悲しき雨音」、「恋の雨音」、「雨にぬれても」、「雨の日と月曜日は」、「雨に消えた初恋」、「雨は手のひらにいっぱい」、「雨のウエンズデー」、「雨のステイション」、「こぬか雨」、「雨の御堂筋」、「長崎は今日も雨だった」などなど、有名なところを挙げていくだけできりがないので、今日はあまり知られていない雨の歌を。

ささやきヴォーカルの極致、クロディーヌ・ロンジェが1967年に発表した2ndアルバム『恋の面影~ザ・ルック・オブ・ラヴ』には、3曲も雨関連曲が入っています。
(国内CD ユニヴァーサル 解説・歌詞・対訳付 UICY-76737 1,000円+税)

「マン・イン・ア・レインコート」、「シンク・オブ・レイン」、「クリエイターズ・オブ・レイン」。
今日はその中から「クリエイターズ・オブ・レイン」を。

曲を作ったのはスモーキーという人。
フォーク・デュオ、スモーキー&ヒズ・シスターとしてレコードも出していて、この曲もColumbiaレーベルからシングルとして発表していました。

クロディーヌのヴァージョンはカヴァーになりますが、彼女ならではのほんわかムードに包まれた1曲です。

トミー・リピューマ(プロデュース)&ニック・デカロ(アレンジ)の強力タッグによるサウンドも魅力の一つです。森 勉


2017年6月26日(月) Cornelius 「bird watching at inner forest」(penguin cafe mix)

久々の新作アルバムが6月28日発売、フジロック出演含め期待が高まっているコーネリアス。

RECORD STORE DAY2017にて即完売し問い合わせが多かった関連アナログ盤が少量再入荷しました。

Penguin Cafe : Cornelius 『umbrella ep』
(輸入12inchアナログ eratp096lp)

アンビエント/環境音楽的な魅力で1980年代日本でも人気を博したペンギン・カフェ・オーケストラ。
そのリーダーであったサイモン・ジェフスの息子アーサー・ジェフスが中心となり活動しているPenguin CafeとCorneliusがコラボしたEP(12インチ)です。

Penguin Cafe「Solaris」をCorneliusが新たにmixした楽曲。
コーネリアス2001年発表アルバム『POINT』収録曲「Bird Watching At Inner Forest」をPenguin Cafeがmixしたヴァージョンなど計4トラックが収録されています。

RECORD STORE DAY2017では1,000枚限定で日本には100枚ほどしか入荷しなかったと噂されているこの盤。

コーネリアス6/28新作『Mellow Waves』の世界観とも繋がるサウンド・スケープをご堪能ください。 森 陽馬


2017年6月27日(火) コーネリアス 「あなたがいるなら」

コーネリアス(=小山田圭吾)、約11年ぶりオリジナル・アルバム『Mellow Waves』が本日入荷。

コーネリアス『Mellow Waves』
(国内CD WPCL-12660 2,800円+税)

一聴した印象は、2001年作『POINT』や2006年作『SENSUOUS』よりもサウンド全体が丸く穏やかになった感じ。

タイトル『Mellow Waves』通り、甘く切ない夢・波の狭間を漂っているような1枚です。

中でも、独特な浮遊感とすきまが白昼夢を見させる1曲目「あなたがいるなら」。

坂本慎太郎が手掛けた歌詞、温かいエレピの音色が聴くほどに心に沁みてきます。

なお、坂本慎太郎は3曲目「未来の人へ」の作詞も担当。
ジャケット・デザインは小山田圭吾の叔父にあたる銅版画家・中林忠良氏によるアートワーク。
ブックレットにはLEO今井が訳した英語詞も掲載。

英詞ヴァージョンもいつか聴いてみたいですね。森 陽馬


2017年6月28日(水) 東北新幹線 「月に寄りそって」

待望の新装再発売です。

東北新幹線『THRU TRAFFIC』
(国内CD VIVID SOUND RATCD-4399 2,315円+税)

1982年フィリップス・レコードよりLPレコードとして発売されましたがほとんど注目されず、その後LPは廃盤。
CD化が望まれていました。

2007年やっと初CD化されましたが、それも入手困難になって久しく、うれしいうれしい再発です。
2017年最新リマスター!

東北新幹線は鳴海寛と山川恵津子の二人がプロデュースし、ギター、キーボード、ヴォーカル、コーラス、作詞・作曲・編曲を熟したユニット名。

ソフト&メロウなグルーヴを感じさせるこのアルバムのサウンドは、山下達郎の耳にも止まったらしく、彼の関連作品にも二人の名がクレジットされることになります。

山川恵津子は竹内まりやが1987年発表したアルバム『リクエスト』の中で「けんかをやめて」、山下達郎1998年作アルバム『COZY』収録「氷のマニキュア」、「月の光」にバック・コーラスとして参加。
鳴海寛は山下達郎ライヴ・ツアー『PERFORMANCE 1988~89』のリード・ギタリストに抜擢され、ライヴCD『JOY』収録の「蒼氓」、「ラ・ラ・ミーンズ・アイ・ラヴ・ユー」、「ゲット・バック・イン・ラヴ」、「恋のブギ・ウギ・トレイン」、「ダウンタウン」で彼ならではのギタープレイを聴かせてくれています。

残念ながら鳴海寛は2015年7月帰らぬ人となってしまいましたが、彼が24歳の時に発表した東北新幹線としてのサウンドは、鳴海寛という音楽家の素晴らしさを十分に伝えてくれるものです。

全9曲、いい曲が並んでいますが、LP時代はB面1曲目だった山川恵津子作曲・来生えつこ作詞作品「月に寄りそって」を今日のこの1曲に。森 勉


2017年6月29日(木) アイザック・ヘイズ 「SHAFT」

映画『約束の地、メンフィス ~Take Me To The River』を新宿K'sシネマにて鑑賞。

アメリカ/テネシー州にある都市メンフィス。
エルヴィス・プレスリーを輩出したサン・スタジオがあることでも知られていますね。

この映画は、アル・グリーンで有名なハイ・レコードの名曲が多数録音されたロイヤル・スタジオ等で、メンフィスゆかりのミュージシャンが世代・人種を超えてセッションを行う模様を収めたドキュメンタリー映像。

率直に言って、ソウル/ブルース好きの方は必見ですね。

白人ブルース・ロック・バンド、ノース・ミシシッピ・オールスターズのディッキンソン兄弟(ジム・ディッキンソンの息子)や、ローレンス・ブー・ミッチェル(メンフィス・ソウルの礎を築いたと言えるウィリー・ミッチェルの息子)など若い世代がサポートし、著名なベテラン・ミュージシャンとレコーディング。

メンフィスで根付く伝統的な歌と新世代の息吹が融合、新しい音楽が生まれていく過程に興奮&感動!
これが最後のセッションとなってしまったボビー"ブルー"・ブランドや元気いっぱいのボビー・ラッシュ、メイヴィス・ステイプルズ、超かっこいいチャーリー・マッセルホワイトなど見どころタップリ。

特に印象的だったのは、今作直後65歳で逝去したワウ・ギターの名手、チャールズ"スキップ"・ピッツ。
彼が出演していた1972年名ライヴ『ワッツタックス』から、アイザック・ヘイズ名曲を今日のこの1曲に。森 陽馬

★掲載ジャケットは、『ミュージック・フロム・ザ・ワッツタックス』。
(国内CD 3枚組CD UCCO-9538 4,762円+税)


2017年6月30日(金) Nick Lowe 「Raining Raining」

ニック・ロウ約4年ぶりとなる来日公演を6月28日観てきました。

前回の来日同様、ギター1本での弾き語りでした。
クリフ・リチャードや、近年のアンコール定番曲エルヴィス・コステロ「アリソン」カヴァーを交えた渋めの選曲。
枯れた味わいの歌とギター、メロディーメーカーとしての魅力にも改めて触れる事が出来た良いライヴでした。
現在68歳、また元気に来日してほしいです!

そして良いタイミングで、長らく廃盤状態となっていたソロ初期作がリマスター&ボーナス曲追加で再発になりました。
82年の3rd『ニック・ザ・ナイフ』、83年の4th『ショウマンの悲劇』の2作品。

今回の来日公演では、この2作品からはあまり演奏されませんでした。
季節的に「Raining Raining」(『ニック・ザ・ナイフ』収録)は歌ってくれるかも?と思っていたので、ちょっぴり残念...とても大好きな''雨''の曲で、ニック・ロウ初期の名曲のひとつです。

ボーナス・トラックとして「Raining Raining」未発表デモ、既発ですが「Heart」(デモ)、「I Got A Job」を追加収録。

余談ですが、東京ローカル・ホンクのギタリスト、井上文貴さんが昔ライヴでカヴァーされていた「One's Too Many (And a Hundred Ain't Enough)」は、この『ニック・ザ・ナイフ』に収録されています。東尾沙紀




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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