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  今日のこの1曲 “Archives”

<2018月12月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2018年12月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2018年12月1日(土) 高橋幸宏 「プレゼント」(ニュー・ヴォーカル・ヴァージョン)

1978年はYMOがファースト・アルバムを発表した年でした。

そして、メンバーの細野晴臣は『はらいそ』を、坂本龍一はファースト・ソロ『千のナイフ』を。
高橋幸宏もファースト・ソロ『サラヴァ!』を発表した年でした。

『サラヴァ』のマルチ・トラック・テープが発見されたということで、演奏部分をリミックスし、ヴォーカル部分を新しく録音しなおしたのが、今日紹介するCDです。

高橋幸宏『サラヴァ サラヴァ!』
(国内CD COCB-54275 3,000円+税)

アナログLPが発売された時からの愛聴盤でしたが、今回の新しい音になった全9曲を聴いて、改めて名作だなぁと思った次第であります。

イタリアのカンツォーネ「ヴォラーレ」、フランスのシャンソン「セ・シ・ボン」、デューク・エリントン作のジャズ「ムード・インディゴ」等のシャレたカヴァーは高橋幸宏の個性をとてもよく表現しているような気がします。

そして、「サラヴァ!」、「サンセット」、「ミッドナイト・クイーン」等のオリジナル曲は、メロディーと詞だけで映像が浮かんでくる不思議な世界を想像させてくれます。

僕のベスト・トラックはアルバムのラストに入っている「プレゼント」。
メロディーメイカーとしての高橋幸宏ここにあり、という名曲だと思います。

新しく録音されたヴォーカルは違和感なく耳に入ってきますし、高橋幸宏自身がアレンジしたリズム・トラックは、40年前のものとは思えない鮮度でヴォーカルに馴染んでいます。森 勉


2018年12月2日(日) WACK WACK RHYTHM BAND 「EASY RIDING」

楽しい!ゴキゲン! 聴いていてHAPPYになれるオススメ盤です。

WACK WACK RHYTHM BAND(ワック・ワック・リズム・バンド)『WEEKEND JACK +1ディスク』
(ボーナスCD付2枚組CD BRIDGE-261 2,500円+税)

渋谷のDJ BAR INKSTICKに集っていた仲間達で1991年頃結成されたWACK WACK RHYTHM BAND。
グルーヴィーなインストが持ち味の彼らが1998年発表した記念すべき1stアルバム。
発売20周年を機にこの度再CD化されました。

60~70'sソウル/ファンクから、ACID JAZZムーヴメントを通過したファンキー・ナンバー目白押しの全11曲。
更に、今回の再発盤にはレア音源&ライヴ&新曲収録のボーナスCDが付いており、これがまた最高なのです。

今日のこの1曲は、そのディスク2ボーナスCD最後に収録されている2018年新曲「EASY RIDING」を。
バカラック的なトランペットのメロディーに、軽快なグルーヴィーさが加味されたキラーチューン!

なお、この「Easy Riding」のミックスは佐藤清喜(マイクロスター)が手掛けています。森 陽馬


2018年12月3日(月) OLD DAYS TAILOR 「Velvet Motel」

2018年11月3日レコードの日にアナログLPで発売された『大瀧詠一Cover Book Go!Go! Aragain』。
そのCD盤が発売されました。

『大瀧詠一 Cover Book ネクスト・ジェネレーション編 Go!Go!Aragain
(国内CD 全12曲収録 MHCL-2794 2,500円+税)

大瀧詠一楽曲を、新世代インディー・ミュージシャンが各々の個性を活かすアレンジでカヴァーした1枚。

今日のこの1曲には、前田憲男氏(2018年11月25日逝去 享年83歳)がストリングスを手掛けていた「Velvet Motel」。
笹倉慎介が大滝詠一そっくりの声色で歌っているOLD DAYS TAILORによるカヴァー。

なお、今回出たCDは、LPと曲順が多少変わっただけでなく、ヴァージョン違いもございます。

特に、1曲目少林兄弟「君は天然色」の出だし!
ナイアガラに同じ物なし、の格言通り。
どう違うか、あとは各自で聴き比べてみてください。森 陽馬


2018年12月4日(火) Gregg Karukas + Shelby Flint 「Still」

今日の東京は12月とは思えない暖かさ(25℃のところも!)。

しかしながら、クリスマスは3週間後に迫っています。
ということで、クリスマス作品お気に入りの1枚をご紹介しましょう。

グレッグ・カルーキス+シェルビー・フリント(Gregg Karukas + Shellby Flint)『Home For The Holidays』
(国内CD 日本語解説付 MZCF-1379 2,400円+税)

Rippingtonsオリジナル・メンバーの名キーボード奏者グレッグ・カルカスと、「Angel On My Shoulder」(1961)で知られる女性シンガー、シェルビー・フリントが組み1993年録音したクリスマス・アルバム。
良質な音楽作品をリリースし続けているMUZAKレーベルから国内初CD化されました。

クリスマス・スタンダード中心に落ち着いて聴ける全12曲。(そのうち、シェルビー・フリントヴォーカル曲は6曲。)
シェルビー・フリントの包容力ある歌声も魅力ですが、グレッグ・カルカスのピアノが素晴らしいですね。

今日のこの1曲は、静かな感動を覚えたグレッグとシェルビーの共作オリジナル曲⑪「Still」を。森 陽馬


2018年12月5日(水) The Charm Park 「アタック」

大橋トリオのツアーギタリストや、他アーティストへの楽曲提供などでも活躍している男性シンガーソングライター、The Charm Park(ザ・チャーム・パーク)。

当店が選ぶ2015ベスト・アルバムにも選出した、2015年ソロ・デビューから約3年。
メジャー第1弾となる最新作『Timeless Imperfections』が本日発売になりました。
(国内CD CD2枚組 RZCD-86709 3,150円+税)

今作はなんと2枚組!(全17曲)
躍動感あるポップな楽曲をこれでもか!と聴かせてくれるディスク①。
情緒ある美しいメロディが詰まったディスク②。

作詞・作曲、アレンジは勿論、ストリングス以外の殆ど楽器を自身で手掛けるスタイルは変わらず(伊澤一葉(p)、神谷洵平(ds/赤い靴、大橋トリオ・サポート)等参加)ですが、さらに進化したThe Charm Parkワールドが広がっています。

1987年生まれのCharmさん、自身の現在の年齢のことであろう「三十一」という曲で始まります。
本日はディスク①から、どことなくブライアン・メイ風のギター・ソロが楽しいめちゃめちゃポップな「アタック」を今日の一曲に。東尾沙紀


2018年12月6日(木) KLAZZ BROTHERS & CUBA PERCUSSION 「Driving Home For Christmas」

一昨日(12/4)はとても暖かかったのに、一気に冷え込んできましたね。
寒いのが苦手な僕は、カイロを下着に貼り、更にポケット内にも忍ばせております、、、。

クリスマスの曲は好きだけれど、寒々しくない中南米っぽい音楽を聴きたい。
そんな時にオススメのクリスマス・アルバムがこの1枚。

KLAZZ BROTHERS & CUBA PERCUSSION『Christmas Meets Cuba 2』
(輸入CD SONY 19075899692)

ドイツ出身ミュージシャン3人(Kilian Forster、Tim Hahn、Bruno Bohmer Camacho)と、キューバ出身パーカッショニスト2人(Alexis Herrera Estevez、Elio Rodriguez Luis)が組んだユニットによる2018年新録クリスマス作。

ワム!「Last Christmas」、マライア・キャリー「All I Want For Christmas」等ヒット曲から、「White Christmas」、「Sleigh Ride」、「Let It Snow」等スタンダード・ナンバーを、キューバ音楽的絶妙なアレンジで聴かせます。

ジャズ、ラテン、マンボ、etc...、リズミカルなサウンドから落ち着いた雰囲気まで。
各曲様々ですが、全体的な音がとても上品で、聴いていて気持ち良いんですよね。

今日のこの1曲は、クリス・レア「Driving Home For Christmas」カヴァーを。
口笛で主旋律を奏でる後半の流れが、穏やかで優雅な気分に浸れます。森 陽馬


2018年12月7日(金) カーペンターズ 「Overture」~「Yesterday Once More」

歌から伝わってくる温もり、優しさ、そして切なさ、哀しさ。
様々な感情を内包しながら、聴く者を感動させてくれるカーペンターズの<新作>が発売されました。

カーペンターズ『カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団』
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック1曲追加 全19曲 解説・歌詞・対訳付 UICY-15801 2,500円+税)

エルヴィス・プレスリーから始まり、ロイ・オービソン、ビーチ・ボーイズも発売された人気シリーズ。
オリジナルの歌や楽曲はそのままに、ストリングス/管弦楽団の新録バック演奏を活かした企画盤です。

今までと違うのは、リチャード・カーペンター本人がストリングス・アレンジを担当し、自ら指揮している点。
彼の解説によると、当時の録音に修正したい点や手を加えたい部分が多数あったとのこと。
この度念願叶い、彼の頭の中に鳴っていたアレンジでカレンの歌声をより良く聴こえるようにできたそうです。

今日のこの1曲は、新たに作られたリチャード入魂の「Overture」から名曲「Yesterday Once More」への流れを。

今は亡きカレン・カーペンターの美しい歌声がリアルに響いてきます。森 陽馬


2018年12月8日(土) Buddy Holly with Royal Philharmonic Orchestra 「True Love Ways」

オリジナルの歌を活かし、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を新録音した人気シリーズ。
昨日紹介したカーペンターズに続き、バディ・ホリーのも出ているのでピックアップしておきましょう。

Buddy Holly with Royal Philharmonic Orchestra『True Love Ways』
(輸入CD DECCA 7702171 国内盤の発売予定は今のところございません)

エルヴィス・プレスリー、チャック・ベリー等と並び、ロックン・ロールの祖とも言えるバディ・ホリー。
1959年2月飛行機事故にて22歳という若さで急逝した彼のヴォーカリストとしての魅力を改めて実感できる1枚。

特に、当時の妻Maria Elena Hollyへ結婚の記念として捧げた①「True Love Ways」。
亡くなる4か月前録音された愛溢れるこの曲には、ストリングスが元々入っていました。
そのオリジナルを忠実にアレンジし、より優雅で美しい1曲に仕上げています。

なお、エグゼクティヴ・プロデューサーはMaria Elena Holly。サウンド・プロデュースはエルヴィス・プレスリーやロイ・オービソンの今シリーズも手掛けたNick Patrickが手掛けています。森 陽馬


2018年12月9日(日) ステッペンウルフ 「ワイルドで行こう」

ビートルズ『ホワイト・アルバム』が50周年で盛り上がっていますが、この人たちもファースト・ヒットが出てから50周年になります。

ステッペンウルフ!
ヴォーカルのジョン・ケイを中心にL.A.で結成され、1968年夏に「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」が大ヒット。
日本でも「ワイルドで行こう」の邦題でラジオでもよく流れていました。

スネアドラムがストンときまり、ギター、ベース、そしてオルガンの迫力あるイントロから、ジョン・ケイのヴォーカル。
何度聴いても気持ちが熱くなってくる曲です。

1969年公開映画『イージー・ライダー』で印象的に使われたことによって、再度話題になりました。

50年前の1968年11月頃は第2弾ヒット「マジック・カーペット・ライヴ」が全米チャートベスト10に入っていました。
日本でのそのB面「スキー・スキー」もラジオからよく聴こえてきました。

近年はハード・ロック/ヘヴィ・メタルの元祖のように言われているステッペンウルフですが、やはりその押しの強いサウンドと圧倒的なヴォーカルは強さと重さを感じさせてくれるものがあります。森 勉


★掲載ジャケットのこのCDは全米HOT100にチャートインした13曲すべてを収めた全18曲入りベスト盤。
ステッペンウルフ『ワイルドで行こう ~ベスト・オブ・ステッペンウルフ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 限定価格盤 ユニヴァーサル UICY-77792 1,389円+税)


2018年12月10日(月) DELVON LAMARR ORGAN TRIO 「Move On Up」

先週の夏日はどこへやら。各地冬将軍到来でしょうが、東京も10℃以下が続きかなり冷え込んできました。

ということで、身体が熱くなってくるようなライヴ盤を今日は店内でよくかけましたね。
その中から、最近出たファンキーなライヴ盤新譜をご紹介。

DELVON LAMARR ORGAN TRIO『LIVE AT KEXP!』
(輸入CD CLMN12020)

オルガン奏者デルヴォン・ラマーを中心にアメリカ/シアトルで結成したソウル・ジャズ・バンド。
Colemine Recordsから2018年春発表した1st『Close But No Cigar』がジャズ・ファンク好きの方から大好評。
今作は、そのデビュー作に続いてリリースされた熱狂ライヴ盤になります。

シアトルのラジオ局KEXPに2017年5月13日出演し行ったライヴ録音で、全曲インストながらかっこいい!
特に1曲目、カーティス・メイフィールド「Move On Up」カヴァー!

この選曲は反則だなぁ~!
まあでもオリジナルのグルーヴはそのままに、ヴィンテージ感あるハモンド・オルガンの音色Nice!
ソウライヴの疾走感あるファンキーさとブッカーT&MG'sの渋味を合わせたような魅力ですね。オススメ。森 陽馬


2018年12月11日(火) 鈴木祥子 「鼓動(ハートビート)」

2018年でデビュー30周年を迎えた鈴木祥子さん。
2018年7月21日代官山ヒルサイド・プラザ・ホールで行った30周年記念ライヴが2枚組CDで発売されました。

鈴木祥子『Syk30/721』
(2枚組CD BECD-025 3,800円+税)

菅原弘明(G)、名村武(B)、Dr.kyOn(Key)、矢部浩志(Dr)によるバック演奏と、祥子さんの気合い入った歌声。
オーバーダブや修正は一切無し! 当日の曲順そのままの素晴らしい実況録音盤です。

大瀧詠一作はっぴいえんど「空いろのくれよん」カヴァーから始まり、デビュー曲「夏はどこへ行った」や初期名曲「ステイションワゴン」、90年代後半ワーナー期の楽曲や岡村靖幸「イケナイコトカイ」カヴァー、ジャーニー「Any Way You Want It」(お気に召すまま)カヴァー、「優しい雨」セルフカヴァー等充実の2CD。

「音楽の中では旅をして何歳にでもなれる」という印象的なMC後、本編ラストに歌われた2018年新曲「鼓動(ハートビート)」を今日のこの1曲に。

なお、「鼓動(ハートビート)」スタジオ音源は、ライヴ当日配布されたスペシャルCDのみに収録。
今のところ一般発売はされておりません。森 陽馬

★30周年記念ライヴ盤発売を記念したインタビューリーフレットを作成予定でしたが、発売日に間にありませんでした。当店にてお買い上げいただいた方には後日別送にてお届けする予定です。ご了承くださいませ。


2018年12月12日(水) 原田知世 「銀河絵日記」

邦楽/洋楽カヴァー、デビュー35周年を迎えた2017年に発表した新録セルフ・カヴァー・アルバムを挟み、オリジナル・アルバムとしては約4年半ぶりとなる新作『L'Heure Bleue(ルール・ブルー)』をリリースした原田知世。

原田知世『L'Heure Bleue』
(国内CD UCCJ-9216 初回盤DVD付 四つ折りミニ・ポスター封入 3,700円+税)

プロデュース/アレンジ/作曲/プログラミング等手掛けるのは、近年彼女に欠かせない存在となっている伊藤ゴロー。

作詞家陣には、高橋久美子(ex.チャットモンチー)、堀込高樹(KIRINJI)、土岐麻子、角田隆太(ものんくる)、角銅真実、辻村豪文(キセル/作曲も)が参加。

タイトル『L'Heure Bleue(ルール・ブルー)』とは、日の出や日の入り後に発生する空が濃い青色に染まるひととき<青の時間>を意味する言葉なのだそうです。

青空、深い海の底、星が瞬く夜、宇宙...アルバムの中にいろんな<青>が散りばめられ、ストリングスを交えたドラマチックなアレンジも印象的な一枚となっています。

本日は、透明感ある歌声にぴったりな世界観を描いた高橋久美子作詞による爽やかなリード曲「銀河絵日記」を。
本編最後には、この曲のピアノver.も。
初回盤のDVDには、知世さんがとってもキュートな「銀河絵日記」のPVが収録されています。東尾沙紀


2018年12月13日(木) エリック・クラプトン 「Layla」

映画『エリック・クラプトン 12小節の人生 LIFE IN 12 BARS』を先日鑑賞。

「暗い」、「観ていて辛い」、「ドキュメンタリー映画としては長い」等の感想を耳にしていたので、あまり期待せずに観に行きましたが、興味深い発言&秘蔵映像満載でなかなか楽しめました。

クラプトン自身が「自分が死んだ後に勝手に駄作を作られるのは嫌!」とのことで、リリ・フィニー・ザナック(「Tears In Heaven」が主題歌として使われた映画『ラッシュ』等の監督)へ依頼し制作されたドキュメンタリーなのですが、クラプトン本人がかなり赤裸々に当時のこと話しているのです。

母親と思っていたのが実は祖母で、実際の母は家を出て不在の姉と言われていた女性であることを後から知り、その実の母親と後に逢うも母であることを拒絶される、という幼少時の複雑な家庭環境。
それからヤードバーズ、ジョン・メイオール&ブルース・ブレイカーズ、クリーム時代。(ここまでが結構長い!)

そして、ジョージ・ハリスンの妻であったパティ・ボイドとの熱愛→「レイラ」の制作秘話。
(「レコーディングが行き詰った際、デュアンに参加してもらったんだ」という話から、デュアン・オールマンの映像が出てきた時は、キター!と盛り上がりましたね)
ドラッグ(コカインやってる映像も)&アルコール中毒(ステージ上で罵声浴び観客と喧嘩する音声も)の70~80'sから、子供が生まれ平穏になったと思いきや、転落死の失意から「ティアーズ・イン・ヘヴン」が生まれる話...etc。

まあ、ホントに絵に描いたようなブルース人生ですが、そういう苦難(ブルース)があったからこそ、「レイラ」等の名曲を残せたんだな、と実感できましたね。
ブルースでありながら、ある意味シンガーソングライターなのだな、とも感じました。

あと、酒・ドラッグ・女癖のクズっぷりな部分が多々出てくるのですが、それが何故か憎めないんですよね。
それはクラプトンが良い子ぶった完璧な男、というのではなく人間らしく感じられたからでしょうか。

B.B.キングで始まりB.B.キングで終わる、という構成も良かったな。
ということで、ファンでない方にはオススメできませんが、彼の音楽を好きならば観ておいて損はないと思います。

映画内でかかった曲の中では、ブラインド・フェイス「Presence Of The Lord」ライヴが素晴らしかったけれど、映画後にやっぱり改めて聴きたくなった「Layla」を今日のこの1曲に。森 陽馬

★掲載ジャケットは、映画サントラ盤『Eric Clapton:Life In 12 Bars エリック・クラプトン12小節の人生』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-15738 2,980円+税)


2018年12月14日(金) Deny & Dino 「Pare Pare Pare」(Stop Stop Stop)

60'sブリティッシュ・ビート・グループの雄であるところのホリーズ。
彼らに興味のある方には注目して欲しいCDです。

『恋のサインで飛び出せ初恋 ~あなたの知らないホリーズ・ソングブック』
<原題『WISHYOUAWISH~The Hollies' Compositions By Other 1965~1968』>
(国内仕様CD 英文解説対訳付 MSIG-1239 3,100円+税)

ホリーズの中心メンバーであったアラン・クラーク、グラハム・ナッシュ、トニー・ヒックス。
3人が共作した楽曲をカヴァーしたアーティストの曲を30曲も収録したCDです。

このような労作コンピレーションの編集で存在感を示しているオーストラリアのレーベル、ティーンズヴィルが企画・制作をしました。

ホリーズのシングル曲はメンバー以外のソングライターが書いたものが選ばれそれがヒットしてしまったために、今回収録された曲目だけ見るとちょっと地味に感じるかもしれませんが、聴いてみるとなかなかイイ曲が揃っていたんだということがわかると思います。

このCDに入っているアーティストとしては、イギリス勢のヤング・アイディア、サーチャーズ、ダナ・ギレスピー、エピソード・シックス(後のディープ・パープルのメンバーとなるイアン・ギラン、ロジャー・グローヴァーが在籍)。
アメリカ勢ではエヴァリー・ブラザーズ(彼らはホリーズの曲を8曲も収録したアルバムも発表)、キース、クリス・ジャンセン、バッキンガムス、エレクトリック・プルーンズ。
その他、オランダのティーンメイカーズ、スウェーデンのリー・キングス、ニュージーランドのボビー・デイヴィス、オーストラリアのトワイライツ等々、一般的には知られていないけれども興味深く、他ではなかなか聴けない音源がたっぷり詰まっています。

今日の1曲は、ブラジルのデュオ、デニー&ディノがポルトガル語で歌った「ストップ・ストップ・ストップ」を選んでみました。森 勉


2018年12月15日(土) ヴァレリー・カーター 「Baby It's You」

<ローラ・ニーロとリンダ・ロンシュタットを合わせたような美しい歌声>
ヴァレリー・カーターの歌を初めて聴いた時、上記のように感動したのを今でも憶えています。

その彼女も2017年3月急逝してしまいましたが、友人のKathy Kuraschが中心となり貴重音源が集結。
この度、未発表音源集『The Lost Tapes』が発売されました。

ヴァレリー・カーター『The Lost Tapes』
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 長門芳郎氏による解説・歌詞・対訳付 HYCA-3077 2,400円+税)

ヴァレリーの遺物カセットや、ジャクソン・ブラウン所有テープに残されていた音源を纏めた全15トラック。
バック・ミュージシャンやレコーディング年も不明なものが多いのですが、彼女の感情豊かな美声が楽しめます。

話題曲としては、あのプリンスとヴァレリーが共作している⑫「I Got Over It」でしょうか。
当時2人は付き合っていたのかも?と想像させられるいかにもプリンスっぽいナンバー。
(途中でフェイドアウトしてしまうのが惜しい!)

今日のこの1曲には、バート・バカラック作でシレルズやビートルズで有名な⑥「Baby It's You」カヴァーを。
ニコレッタ・ラーソン、ローレン・ウッドと一緒に歌っており、楽しそうな録音の様子が伝わってきます。森 陽馬


2018年12月16日(日) Lisa Ekdahl 「Playful Heart Of Mine」

<ブロッサム・ディアリーとリッキー・リー・ジョーンズを合わせたような印象に残る歌声>

リサ・エクダールは1971年スウェーデン/ストックホルム生まれの女性ミュージシャン。
1994年デビュー時、日本盤も発売され女性シンガー好きの間で話題となりました。

その頃と歌声も雰囲気も変わらず、より魅力を増したオリジナル・アルバムが2018年11月発売。

Lisa Ekdahl『More Of the Good』
(輸入CD Okeh/Sony 19075878922)

Okehレーベル移籍第1弾となる今作は全10曲リサ・エクダール本人による作詞(英語詞)・作曲。
歌のみならずアコースティック&ジャジーな落ち着いたサウンド、心に残るメロディーとアレンジもNice♪

今日のこの1曲は2曲目「Playful Heart Of Mine」を。森 陽馬
ピアノ、ギター、そして時折入るコーラスが素敵な彼女の歌をより引き立てています。森 陽馬


2018年12月17日(月) リチャード・トンプソン 「O Cinderella」

先日、ブリジット・セント・ジョン約8年ぶりの来日公演へ行ってきました。

ブリティッシュ・フォーク伝説の女性シンガーソングライターとして現在も支持される彼女は2018年で72歳。
年齢を感じさせない堂々としたオーラを放つ彼女が爪弾くギター、喉の奥を震わせるような低めの歌声がとても心地良く、静かで美しい世界にどっぷりと浸ることができました。

ジョニ・ミッチェルの「The Fiddle and The Drum」等カヴァー、日本人ミュージシャンをバックにバンドでの演奏も聴かせてくれました。

ブリジットと同時代、60年代後半から活躍する英国フォーク・ロック界重鎮でギター名手、リチャード・トンプソン。

2017年のアコースティック・セルフ・カヴァー2作品をはさみ、ジェフ・トゥイーディ(ウィルコ)がプロデュースを手掛けた前作『スティル』から約3年半ぶりとなる最新オリジナル・アルバム『13リヴァーズ』がリリースされています。

リチャード・トンプソン『13リヴァーズ』
(国内CD 歌詞・対訳・解説付 PCD-25270 2,500円+税)

アナログ録音でわずか10日間で録られたというロックなセルフ・プロデュース作。
前作『スティル』の空気感とは違った、ずっしりと重厚感あるバンド・サウンドに、切れ味鋭いゾクゾクするようなエレクトリック・ギターを存分に聴かせてくれます。

自ら弾くマンドリン、女性コーラスが重なる「O Cinderella」を今日の1曲に。東尾沙紀


2018年12月18日(火) 星野源 「Dead Leaf」

星野源、3年ぶりのニュー・アルバム『POP VIRUS』(ポップ・ウィルス)が本日入荷しました。

星野源『POP VIRUS』
(初回A ブルーレイ+特製ブックレット付 VIZL-1490 5,000円+税/初回B DVD付とCDのみの盤もあり)

前作『YELLOW DANCER』が出た2015年時点でもかなりの人気がありましたが、やはり2016年のTVドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』主演と、その主題歌「恋」を歌って踊ったことで、星野源という名前を知らない人がいなくなった感がありますね。

新しいアルバムには、その「恋」、「Family Song」、「アイデア」をはじめ全14曲収録。
星野源のソウル・ミュージック好きが表現された曲が目立っていて、全体的に心地良いグルーヴに包まれているアルバムに仕上がっています。

参加ミュージシャンは、ドラムに河村“カースケ”智康、玉田豊夢。ベースに伊賀航、ハマ・オカモト。
ギターに長岡亮介。キーボードに小林創、櫻田泰啓、STUTS、石橋英子。ホーン・ストリングス隊。
そして、コーラスに山下達郎。

今日のこの1曲は、7曲目に入っている「Dead Leaf」を。

星野源曰く「日本人×ネオソウル×ドゥワップ・コーラスというアイデアが元になった曲」とのこと。
なんともクールでグルーヴィーな曲です。
全編にわたって効果的に耳を刺激してくれる独特な一人多重コーラスは山下達郎。

初回盤にはブルーレイorDVDが付いています。その内容に関してはまた後日取り上げたいと思います。森 勉


2018年12月19日(水) ニール・ヤング 「Tell Me Why」

ニール・ヤング未発表ライヴ音源がまたまた発売されました。

ニール・ヤング『Songs For Judy』
(国内CD 大鷹俊一氏解説&英文ライナー訳・歌詞・対訳付 WPCR-18154 2,457円+税)

ニールが初来日した1976年(『American Stars'n Bars』発売前年)の年末行われてい全米ツアー。
収録曲の約半分は、カメラマンのジョエル・バーンスタインがカセットで録音していた音源によるもの。

またライヴ盤か...、なんて思っていましたが、極上の音質&素晴らしい弾き語り!
大手CD店でも近年売られている海賊盤的なバッタもん(とか言いつつ買ってる)とは、やはり違いますね!
ツアーに帯同していたキャメロン・クロウとジョエル・バーンスタインによる解説文も臨場感が伝わって面白い!

タイトルは、冒頭のMCにて「ステージ上でジュディ・ガーランドの幻影を見た」という話から。
まさにニールは『オズの魔法使い』な世界へイッていたのかも?!
『ラスト・ワルツ』直前というのも頷ける、この頃のニールの危い魅力が充満した弾き語り全23トラックです。

今日のこの1曲は、大好きな「Tell Me Why」を。
オリジナル(『After The Gold Rush』収録)と少し違う、慈愛を感じさせる終わり方が沁みます。森 陽馬


2018年12月20日(木) 星野源 「桜の森」スタジオ・ライヴ・ヴァージョン(初回盤特典映像より)

大ヒット・シングル「恋」、「Family Song」、そしてNHK朝ドラの主題歌として大評判だった「アイデア」(配信のみだったのでCDとして聴けるのは今回が初めて)を収録した星野源5枚目のアルバム『POP VIRUS』は、今年のベスト・アルバムに入れたい充実した内容です。(2018年ベストはもう決めてしまっていたので残念ですが...)

全14曲、どの曲も今の星野源をきちんと主張していて、歌詞の言葉、メロディの流れ、アレンジの組み立てなど、様々なパーツで聴く者を惹きつけてくれます。早くも名盤!の声がかかっていますね。

さて、今日は初回盤ブルーレイ又はDVDの映像を紹介しておきたいと思います。
この映像特典のために撮り下ろされたトータル時間98分の豪華2本立てです。

まずはステジオ・ライヴ。
息の合った9人のミュージシャンをバックに、「肌」、「KIDS」、「SUN」、「恋」、「アイデア」など11曲を気持ち良く歌ってくれます。大きな会場でのライヴとは一味違うリラックスした雰囲気のライヴが楽しめます。

もうひとつは創作密着ドキュメンタリー『ニセ明と、仲間たち』。
ニセ明(星野源)、ウソノ晴臣(ハマ・オカモト)、雅マモル(宮野真守)という豪華な出演者。
抱腹絶倒のシーン続出です。

1973年発表名盤『USONO HOUSE』の話題が出たり(細野晴臣さん公認だそうです。御安心を)、温泉シーンがあったり、リンゴ狩りがあったり、3人共演の新曲「リアル」が聴けたり、盛り沢山です。

今日のこの1曲はスタジオ・ライヴの映像から「桜の森」を。
星野源のエレキ・ギターによるカッティングと長岡亮介とのギター・アンサンブルがスリリングな展開のニュー・アレンジ・ヴァージョンです。森 勉


2018年12月21日(金) 大滝詠一 「I Call Your Name」

大滝詠一関連リリースが毎年あるナイアガラファン恒例の3月21日。
2019年の321商品発売が決まりました!

2019年3月21日はなんと!大滝詠一ライヴ・アルバム『NIAGARA CONCERT '83』!

大滝詠一『NIAGARA CONCERT '83』
(2CD+DVD 完全限定盤 SRCL-11100  6,000円+税/通常CDのみ 2,500円+税)

1983年7月24日西武球場で行われた『ALL NIGHT NIPPON SUPER FES '83/ASAHI BEER LIVE JAM』。
大滝詠一名義で出演したコンサートとしては結果的に最後となった貴重ライヴ音源を完全収録した全16曲。

初回限定盤には、大滝詠一がライヴでカヴァーした貴重音源を17トラック収録したCD付!
(『EACH Sings Oldies From NIAGARA CONCERT』)
更に!1977年大滝詠一ライヴ・ツアー『THE FIRST NIAGARA TOUR』の模様を収めたDVDも!!

大滝さんが高校生だった1966年、故郷岩手で歌ったビートルズ「Yesterday」カヴァーも収録されるそうです。
こんな凄い音源がちゃんとした形で発売されるとは、ビックリですね。

ビートルズ関連ということでは、「I Call Your Name」も初回限定盤のCDに収録される予定です。
ロンバケ発売前の1980年12月16日芝・郵便貯金ホール『LET'S DEBUT AGAIN』。
約1週間前に急逝したジョン・レノンを偲んで歌われた貴重なビートルズ(ジョン作)カヴァー!

無事発売されることを祈って、2019年3月を心待ちにしていましょう。森 陽馬

★通販コーナーにて予約受付中。
なお、掲載ジャケットはビートルズ「I Call Your Name」が収録されている『パスト・マスターズ』。
(ビートルズ『パスト・マスターズ』 国内CD TYCP-60015 3,600円+税)


2018年12月22日(土) 山下達郎 「クリスマス・イブ」

今年も山下達郎「クリスマス・イブ」の季節がやってきました。
元号として『平成』最後のクリスマスを想い出に残すとすれば、やはりこれでしょうか。

山下達郎『クリスマス・イブ』(2018クリスマス・スペシャル・パッケージ)
(CD 三方背BOX クリスマス・カード1枚封入 WPCL-11665 1,000円+税)

今夏公開された細田守監督による映画『未来のミライ』のテーマ曲を山下達郎が担当したこともあり、その作画監督であった青山浩行による描き下ろしジャケット。
くんちゃんとその妹ミライちゃんがモデルとなった愛らしいキュートなイラストによる限定パッケージです。

CD自体は現在通常盤として流通している30周年エディションの5曲入り(「クリスマス・イブ」オリジナル、イングリッシュ、アコースティック・ライヴ、そしてカラオケの4ヴァージョンに、「ホワイト・クリスマス」)が箱の中に入っています。

「クリスマス・イブ」はテレビで放映されたJR東海のCMで人気爆発、クリスマスのスタンダードになりました。
やっぱりあの映像と山下達郎「クリスマス・イブ」は最高のマッチングだなぁと思います。

なお、限定パッケージは12月25日までの限定出荷ですのでお早めに。森 勉


2018年12月23日(日) Bradley Cooper 「Black Eyes」

映画『アリー/スター誕生』を有楽町にて鑑賞。

1937年『スタア誕生』(ジャネット・ゲイナー主演)、1954年『スタア誕生』(ジュディ・ガーランド主演)、1976年『スター誕生』(バーブラ・ストライサンド主演)に続く、リメイク4作目はレディ・ガガ主演、ブラッドリー・クーパー監督。

物語に現代的な要素を組み込んで、ブラッドリー・クーパー&レディー・ガガが映画用楽曲を書き下ろし熱演。
そりゃないだろー的なツッコミどころありつつも、音楽エンターテイメント作として楽しめる仕上がりでした。

個人的には、僕の大好きなニール・ヤング要素がタップリで興味深かったですね。

まず映画冒頭ジャクソン・メイン(ブラッドリー・クーパー)が歌う「Black Eyes」!
エレキ・ギターがモロにニール・ヤングしているのです。

「ジャクソンのギターの音には具体的なイメージがあって、ニール・ヤングのようなたくましい音を奏でたいと思っていた。」というブラッドリーの発言がプログラムに掲載されていて、やっぱり!という感じ。

更に、そのブラッドリー演じる主人公のバック・バンドにルーカス・ネルソン&プロミス・オブ・ザ・リアル!
そう!ニール・ヤングの現在のバック・メンバーがこの映画に出演、演奏しているんですよね!

レディー・ガガのプロモーション・ビデオのように感じる場面があったり、彼女演じるアリーの心情を後半もっと丁寧に描いた方が良かったのでは、とも思いましたが、音楽好きならば観ておいて損はないと思います。

ちなみにプログラムに掲載されていた松任谷正隆の映画評も面白かったです。森 陽馬

★掲載ジャケットは映画サントラ盤『アリー/スター誕生』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICS-1344 2,500円+税)


2018年12月24日(月) ジョン・レジェンド 「What Christmas Means To Me」feat Stevie Wonder

平成最後のクリスマス。今冬もたくさんのクリスマス・ソングを聴きました。

特に印象に残っているのは、12/17星野源×マーク・ロンソン、幕張でのダブル・ヘッドライナー・コンサートにて、マーク・ロンソンが大ヒット曲「Uptown Funk」や今は亡きエイミー・ワインハウスに続き最後DJプレイした「Happy Xmas (War Is Over)」(マイリー・サイラス×マーク・ロンソンによるカヴァーver)でしょうか。
星野源ファン含めた多くのお客さんに、ジョンの平和へのメッセージが伝わっているのが感じられましたね。

さて、2018年新緑クリスマス作を紹介しておきたいと思います。

ジョン・レジェンド『レジェンダリー・クリスマス』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-5927 2,400円+税)

2004年発表デビュー作『Get Lifted』でグラミー受賞、2016年映画『ラ・ラ・ランド』にはミュージシャン役で俳優デビューも果たした黒人男性シンガー・ソングライター、ジョン・レジェンド。
ヴィンテージなサウンドを吹き込む名手、ラファエル・サディークがプロデシュースした初クリスマス作です。

今日のこの1曲はスティーヴィー・ワンダーがハーモニカ参加した①「What Christmas Means To Me」を。森 陽馬


2018年12月25日(火) 加藤和彦&サディスティック・ミカ・バンド 「塀までひとっとび」(Live)

目の覚めるような痛快発掘ライヴ音源!
昔の貴重音源が近年色々と出ており玉石混交だったりしますが、コレは凄いです!

加藤和彦&サディスティック・ミカ・バンド『1974 ワンステップ・フェスティバル』
(国内CD FJSP-359 2,000円+税)

加藤和彦、ミカ、高中正義、小原礼、高橋幸宏、今井裕によるサディスティック・ミカ・バンド。
1974年8月10日福島県郡山市開成山公園内で行われた『ワンステップ・フェスティバル』でのライヴ音源。

1974年と言えば、日本ロック史に残る名盤2nd『黒船』がリリースされた年。
その『黒船』をクリス・トーマスプロデュースで録音し、11月発売を控えた時期に行われた貴重ライヴです。

オーディエンス録音ではなく、コンサートPAからラインで録られた音源なので音質は極上。
その上、若々しいエネルギーというか会場の熱&臨場感が直に伝わってくる演奏がとにかく素晴らしい!
70's日本ロック好きのみならず、若い世代にも聴いてもらいたいですね。

高峰秀子「銀座カンカン娘」カヴァー、初期サンタナを彷彿させる小原礼作「ロックンロールバンド」が初出で聴きものですが、演奏が始まった瞬間ロック初期衝動が煽られる①「塀までひとっとび」を今日のこの1曲に。森 陽馬


2018年12月26日(水) CHAINS 「Metronome」

PET SOUNDS RECORDスタッフが選ぶ2018年ベスト・アルバム>選出いたしました。
(上記特設ページに掲載)

2018年もたくさんの音楽に出逢うことができました。
人との結びつきと同じく、音楽も出逢いと縁に依るところが大きいと思います。

皆さんはどんな音楽と出逢うことができましたか?

さて、今日のこの1曲は最近出逢うことができた1枚を。

CHAINS『25th Anniversary Single』
(CDR 「Metronome」、「Athlete」2曲入り 463円+税)

1993年京都で結成5人組バンドCHAINS(チェインズ・・・新村敦史、横山道明、丸山桂、ラリー藤本、伊藤拓史)。
東京ローカル・ホンクが関西で対バンし、ホンクのドラマー田中邦雄さんに紹介していただきました。

結成25周年記念シングルは「Metronome」、「Athlete」、味わい深いロックな2曲収録で463円+税。
地味に富む演奏と歌声。25年やってきたバンドの奥深さを実感できる2曲です。森 陽馬



2018年12月27日(木) 山下達郎 「希望という名の光」

今年2018年もベスト・アルバムを選ばせていただきました。

作品だけでなく、2018年はポール・ウェラーに始まり、ママズ・ガン、イトウサチ&ブンケンバレエ団...
胸に残る素晴らしいライヴを観ることが
できました。

7月には、岡山に住む母を誘い、倉敷市民会館で行われた山下達郎さんのライヴへ行きました。

母は有名曲を数曲知っているかな?くらいでしたが、久々のライヴということもあり楽しんでもらえたようでした。
特に「希望という名の光」に感動したようです。

1人で観に行くライヴや映画も楽しいですが、家族でも友人でも共有できる存在がいることはとてもありがたいことだと、改めて実感した年となりました。東尾沙紀


★掲載ジャケットは「希望という名の光」収録、山下達郎3CDベスト『OPUS オールタイム・ベスト1975-2012』。
(国内CD WPCL-11205 3,790円+税)

★<PET SOUNDS RECORDスタッフが選ぶ2018年ベスト・アルバム>選出いたしました。


2018年12月28日(金) 竹内まりや 「涙のワンサイデッド・ラヴ」

『ビギニング』に続いて、竹内まりやのセカンド・アルバム『ユニヴァーシティ・ストリート』40周年記念リマスター盤が12月26日発売になりました。(オリジナル発売は1979年5月21日でした。)

竹内まりや『UNIVERSITY STREET』
(CD ライナーノーツ:能地祐子 BVCL-941 1,852円+税)

ジャケットや楽曲の歌詞からも伝わってくる大学のキャンパス・ライフがアルバム全体のテーマになっていて、当時慶応大学の学生だった竹内まりやの等身大の雰囲気が味わえるような作りになっています。

ファースト・アルバム同様、どんな曲調でも自分の声の特徴をうまく活かしつつ、のびのび歌っている彼女の歌唱は時を経ても変わらず聴き手へ響いてきます。

全10曲。作家陣は杉真理、加藤和彦、林哲司、山下達郎、大貫妙子、梅垣達志、竜真知子。
今日はその中から2曲目に収録されている竹内まりや自身が作詞・作曲した「涙のワンサイデッド・ラヴ」を。

初めて聴いた頃、片想いとせずにワンサイデッド・ラヴとする所が何とも言えないセンスを感じたものです。

この曲は竹内まりやのために山下達郎が初めて一人多重録音をしたものです。
ギター、ドラムス、バック・コーラス、...なんとも達郎アレンジが冴えた楽曲です。

このセカンドCDもファーストと同じように当時のライヴ音源3曲(「J-BOY」、「想い出のサマーデイズ」、「ブルー・ホライズン」)と、セカンド・シングルだった「ドリーム・オブ・ユー」シングル・ヴァージョンの計4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。森 勉


2018年12月29日(土) 星野源 「サピエンス」

12月19日発売され、当店のこのコーナーでも12/18と12/20に取り上げた星野源『POP VIRUS』。
(初回A ブルーレイ付 VIZL-1490 5,000円+税/初回B DVD付 4,800円+税/CDのみの盤 3,000円+税)


初週売上28万枚を超え、2018年ソロ・アーティスト作品としては1位となる大ヒットを記録。
人気もさることながら内容も素晴らしくて、2018年を代表する名盤、彼の最高傑作と評せる1枚だと思います。
店でも毎日かけていますが、飽きることが全くなく、新たな発見がその都度あって奥が深い作品ですね。

歌詞カードを読み返していて、最近気づいたことがありました。
それは現在NTTドコモのCMソングとしても使われている10曲目「サピエンス」。

♪ふざけた愛しみを味わったまま やめない意味は いつの日も寂しさだ♪
という歌詞のフレーズで、♪かなしみ♪と歌う部分を、<愛しみ>と歌詞には記載しているのです。

寺尾紗穂2006年デビュー作『愛し、日々』を意識したのでしょうか。
(タイトルは「愛し」と書いて、<かなし>と読ませる)

星野源ソロ・デビュー前の2000年代中~後期、寺尾紗穂さんと一緒にライヴを時々行っていました。
小さいライヴハウスで弾き語り、源くんが作った「選手」を紗穂さんが歌うこともありましたね。
歌い出した頃の想い出やエッセンスをさりげなく作品に取り入れたのかな。

また、愛には楽しさだけではなく、かなしさも内包していることを、この歌詞で改めて実感した次第です。森 陽馬


2018年12月30日(日) 相川理沙 「海が見えたら」

当店推薦の女性シンガーソングライター、相川理沙さん。
2018年は、ホーム・レコーディングによる5年ぶりとなる最新作『唄うように伝えられたなら』を届けてくれました。
(国内CD 全10曲収録 1,852円+税)

相川さんの唄とギターのみで録られた、とてもシンプルな作品。
家事をしながら、曇り空の日、一息つきたい時...そんな気分の時に引っ張りだしてはよく聴いていました。
電車が走る音、鳥や虫の声...じっと耳をそばだてていると生活の中の何気ない音が聴こえてきて、なんだかホッとするのです。

ソロだけでなく、The Breeze & I、She Breezeなどユニットでのライヴ活動や、2018年10月からは相川さん自身によるコラムなどが掲載された
月刊誌『Rinto』定期購読もスタート。

次に音源を出すとしたら『唄うように伝えられたなら』とは、また全然違ったものになると思いますよ!と仰っていたので、2019年の動向も要チェックです。

♪いま海が見えたなら 手紙を書いています♪
ライヴでも、このフレーズが印象的だった「海が見えたら」を今日の1曲に。
2019年もいろんな方から届けられる音の便りを楽しみにしたいと思います。東尾沙紀


2018年12月31日(月) ウエス・モンゴメリー 「酒とバラの日々」

昔、買ったレコードやCDを引っぱり出してきて、2018年はウエス・モンゴメリーをよく聴きました。

思えば、初めて買ったジャズのLPはウエス『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』でした。

1967年に発売された盤ですが、1年ほど経った1968年夏、新宿駅西口小田急ハルクの裏にあったオザワ・レコードで中古盤として買った記憶が残っています。

おそらく、1968年6月ウエスが亡くなり、ラジオでこのアルバムの中から何かが流れたんでしょうね。
ビートルズやアソシエイションの曲をカヴァーしていることも買うきっかけになったのだろうと思います。

高校2年生としては冒険の買い物でしたが、結果的には大正解でした。
永年の愛聴盤になっていますからね。

ウエスはCTI/A&Mやヴァーヴ時代も良いですが、今日はリヴァーサイド・レーベル在籍時の盤を。

ウエス・モンゴメリー『ボス・ギター』+2
(国内CD ユニヴァーサル UCCO-5571 1,500円+税)

このアルバムはウエスのギター、メルヴィン・ラインのオルガン、ジミー・コブのドラムスというトリオの演奏で、1963年4月ニューヨークで録音されています。

スウィングしたアップ・テンポのウエスのオリジナル曲「ザ・トリック・バック」や「フライド・パイズ」もいいのですが、今日はこのアルバムの中で一番静かな曲を選んでみました。

ヘンリー・マンシーニ作曲「酒とバラの日々」(Days Of Wine And Roses)。
少し大きめな音で聴くと、目の前でウエスが弾いてくれているみたいな感覚に・・・。森 勉




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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