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  今日のこの1曲 “Archives”

<2019月4月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2019年4月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2019年4月1日(月) yojikとwanda「ブライアンイーノ」

♪図書館にブライアンイーノが流れてる いいーね♪ (yojikとwanda「ブライアンイーノ」歌詞より)

こんな素敵な歌い出しで始まる曲がリリースされました。

当店が長年応援している男女ユニット、yojikとwanda。
2015年『フィロカリア』以来となるオリジナル・アルバム『ナイトレイン』2曲目に収録。
その名も「ブライアンイーノ」!

yojikとwanda『ナイトレイン』
(国内CD 当店のみの特典ジャケット・イラストの丸マグネット付 hdhg-1903 2,000円+税)

歌う喜びが聴き手へ直に伝わってくる名女性シンガーyojikさん。
そして、唯一無二の感性を持つwandaくん(大阪の図書館勤務)。
アンバランスなようで不思議と相性バツグン!?な二人によるゆるやか空気感に包まれたポップ・ナンバー。

なお、アルバムにはitoken、服部将典、吉田悠樹、水谷康久がゲスト参加。
yojikとwandaがお店や街中、ラジオでもっと流れてたら、いいーのにね。森 陽馬


2019年4月2日(火) Andrew Bird 「Sisyphus」

口笛が入っている曲、というと、心地良いイメージが湧いてきますよね。

でもこのアルバム中で聴ける口笛は、どことなく影があるというか、さすらいの痛みが伝わってくるのです。

Andrew Bird『My Finest Work Yet』
(輸入CD Loma Vista Recordings 00888072082069)

1990年代ネオ・スウィング・バンドSquirrel Zut Zippersでヴァイオリン奏者として活動。
その後ソロで作品を発表してきたアメリカ/イリノイ州出身男性シンガー・ソングライター、アンドリュー・バード。

<私にとって今までで最も精鋭な作品>というタイトル通り、緻密に築いたポップなメロディー&サウンド・アレンジで様々なテーマを装飾し、重みのある言葉で紡いだ全10曲。

今日のこの1曲は、口笛が特に印象深い1曲目「Sisyphus」。
ギリシャ神話に出てくる人物シシュポスをタイトルにした哲学的な詞に、彼らしい世界観を感じます。森 陽馬


2019年4月3日(水) Paul Weller 「Aspects」

ポール・ウェラー最新ライヴ盤が先週発売になりました。

ポール・ウェラー『アザー・アスペクツ -ライヴ・アット・ザ・ロイヤル・フェスティバル・ホール』
(国内CD 2CD+DVD 解説・歌詞・対訳付 WPZR-30845 4,800円+税)

2018年オリジナル最新作『トゥルー・ミーニングス』発表からほどなくした10月11日、12日にロンドンの2900人ほどが収容出来る由緒あるホールで行われたオーケストラとの共演ライヴの模様を収めたものです。

『トゥルー・ミーニングス』の楽曲を中心に全25曲。
『トゥルー~』のストリングス・アレンジを担当したハンナ・ピールがこのライヴでもアレンジ/指揮を務めており、新たなアレンジが施されたジャムやスタイル・カウンシルの楽曲も違和感なく溶け込んでいます。

ロンドン・メトロポリタン・オーケストラ、4名のブラス・セクションを従え、ウェラーもバンドも全編着席し、歌と演奏に集中!心地良い音のハーモニーと共に、ほどよい緊張感が伝わってきます。

付属のDVDにはライヴ本編(CDではカットされているMC等も含む)、リハーサル風景、メンバーやお客さんのインタビュー等約125分の映像を収録。

ウェラーが特別な曲だと語る「Aspects」、スティーヴ・クラドックのギターソロが良い「Old Castles」、ルーシー・ローズのコーラスとシタールとの共演「Books」、近年では珍しい「Country」(『ワイルド・ウッド』収録曲)など、全体的に大人しめですが見所/聴き所も多く、ロック/ソウルフルとはまた違った側面を見せてくれる素晴らしい内容だと思います。東尾沙紀


2019年4月4日(木) Don Shirley 「The Lonesome Road」

2019年アカデミー作品賞を受賞した映画『グリーンブック』を先日鑑賞。

1962年アメリカ、黒人ピアニストと運転手兼用心棒のイタリア系男性の友情を実話に基づき描いた物語。
『メリーに首ったけ』等コメディ映画で知られるピーター・ファレリー監督が手掛け、人種差別の描写があるもののそれほど重くなく、主題はアイデンティティの探求がテーマとなっていて、テンポ良く楽しむことができる秀作でした。

映画冒頭、ニューヨークのクラブ、コパカバーナが出てきます。
ある白人歌手(映画見てのお楽しみ)が裕福な白人客を前に歌っている場面を観て、サム・クック『ライヴ・アット・コパ』はこういう場所、こういう観客を前にして歌っていたんだな、と再認識できましたね。
(これら伏線は、物語後半に黒人ピアニストがとる行動へ映画的に繋がっていると思われます。)

なお、今作で黒人ピアニスト役マハーシャラ・アリがアカデミー助演男優賞を受賞しましたが、イタリア系男性を演じたヴィゴ・モーテンセンが素晴らしかった!
猛々しい男性がラストに見せた、長旅の疲れではない寂しさ/切なさが入り混じった表情の演技。
なんともいえない彼の想いが観る側へ伝わってきましたね。

映画スコアは、セロニアスモンク国際ジャズ・コンペティション2011年優勝者のクリス・パワーズが担当。
実在する黒人ピアニスト、ドン・シャーリーの楽曲と音源も一部収録されています。森 陽馬


★掲載ジャケットは映画サントラ盤『グリーン・ブック』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-18181 2,400円+税)


2019年4月5日(金) 3KINGS 「こだわり」

鮎川誠(70歳)、友部正人(68歳)、三宅伸治(58歳)が組んだバンド、3KINGS。

会場限定販売だったライヴ盤を経て公式発売された1stオリジナル・アルバム『王様のノイズ』。
これが凄い!

3KINGS『王様のノイズ』
(国内CD 3KCD-0002 2,600円+税)

3人各々の書き下ろし新曲を、高橋Jr知治(B)、AKANE(Dr)加えた5人でガツンとレコーディング!
ロックの初期衝動というか、ピュアなロック魂が心臓に突き刺さる全11曲。

どの曲も歌詞が最高! 特に象徴的なのが三宅伸治作⑤「こだわり」。

「夜が明けるまで 行けることろまで行こう もう何の為だか分からないくらい 夢中になることばかり
こだわって歳をとる こだわって生きてやる 頑固なジジイが笑うぜ これは誰にも譲れない」(「こだわり」歌詞より)

<大人のロック>と言うより、たくさんの苦難を乗り越えてきた<永遠の子供達によるブルース>。
全然合っていないようで絶妙に絡む3人の歌と演奏に感動すら覚える1枚。森 陽馬


2019年4月6日(土) Steve Tyrell 「Make It Easy On Yourself」

スティーヴ・タイレルが2008年に発表したバート・バカラック作品をカヴァーしたアルバム『Back To Bacharach』。
ボーナス・トラック6曲を追加し全21曲の増補盤として再発されているので紹介しておこうと思います。

残念ながら今のところ日本盤の発売はないようですが、店頭にはアメリカ盤を在庫してあります。
気になる方はチェックしてみてください。

Steve Tyrell『Back To Bacharach ~Expanded Edition』
(輸入CD New Design 2-572466)

1944年生まれのスティーヴ・タイレルは、二十歳前からセプター・レコードで働き始めA&Rとして活躍していました。
ディオンヌ・ワーウィックがバート・バカラック&ハル・デヴィッドの作品を歌い次々とヒットさせている頃でした。

B.J.トーマスを見出してスターにしたり、ニュー・デザインというレコード会社を作りバリー・マンの名作『Lay It All Out』をプロデュースしたりと裏方としては有名な存在でした。

その彼が本格的に歌手として歌い始めアルバムを出したのが1999年でした。
評判がすこぶる良かったことから、しゃがれているけれど聴き手をいい心持ちにしてくれる渋い歌声でスタンダード・ソングを歌ったアルバムが何枚も発売されました。

その中でも、このバカラック作品集は彼のルーツと言える曲を歌ったものです。
腕利きのミュージシャンによる上質で上品な演奏に乗ったスティーヴ・タイレルの歌声は、バカラックの曲を歌える喜びに溢れているように感じられます。

「ウォーク・オン・バイ」、「ルック・オブ・ラヴ」、「クロース・トゥ・ユー」、「アルフィー」、「雨にぬれても」名曲ズラリ。
今日は新たに追加された曲の中から「涙でさよなら」(Make It Easy On Yourself)を選んでみました。森 勉


2019年4月7日(日) Edwyn Collins 「Spark The Spark」

元オレンジ・ジュースのエドウィン・コリンズ、約6年ぶり新作がリリースされました。

エドウィン・コリンズ『バッドベイ』
(国内仕様CD 日本語解説付 BF076 2,200円+税)

脳溢血の後遺症を抱えながらも、家族や仲間達に支えられ、プロデューサー/シンガー・ソングライターとして音楽を発信し続けているエドウィン。

ジャケット写真の中で彼が立っているのは、今作のレコーディングが行われたスコットランド北部ヘムズデールにある自宅兼新スタジオCrushnarrow Studio。

裏ジャケットにもスタジオ外観の素敵な写真が使われており、海が一望出来る自慢のスタジオと共に写る彼のどこか誇らしげな佇まいが印象的です。

新作はデキシーズなどで活躍するショーン・リードが共同プロデュース&エンジニアを務め、前作『アンダーステイテッド』にも参加したジェームズ・ウォルボーン、カーウィン・エリス(共に現プリテンダーズ在籍)、ドラムにジェイク・ハットンら馴染みのメンバーもサポートしています。

前2作に比べるとポップなものよりビートの効いたロック/ガレージっぽいサウンドが耳に残りますが、ショーン・リードがブラスを担当した「In The Morning」、マーヴィン・ゲイ「悲しいうわさ」風イントロ「Spark The Spark」など、彼らしいソウル・テイストな楽曲もかっこいいです。

帯やブックレットに記載ありませんが、全12曲のところ更にもう1曲あって、CDには13曲入っているようです。
シークレット・トラック扱いなのでしょうか? 曲名をご存知の方がいたら教えてください。東尾沙紀


2019年4月8日(月) REESE WYNANS And Friends 「You're Killing My Love」

入学式&入社式シーズンですね。
不安を抱えている方も多いでしょうが、若いうちの苦労はたくさんした方が良いですヨ!
失敗してもコツコツ続けていけば、長い人生いつかは報われるときが来るでしょうからね。

さて、そんな人生の苦楽が滲み出ているようなサザン/ブルース・ロック好き必聴の1枚をご紹介。

スティーヴィー・レイ・ヴォーンとのバンド、ダブルトラブルのメンバーとして知られ、1960年代からセッション・キーボーディストとして長年活動を続けてきたリース・ワイナンス。
2019年11月で72歳を迎える彼が、初ソロ・アルバムを完成させました。

REESE WYNANS And Friends『SWEET RELEASE』
(輸入CD J&R ADVENTURES JRA61072)

ギタリストJoe Bonamassa(ジョー・ボナマッサ)がプロデュースを担当。
ダブルトラブルの盟友Tommy Shannon(B)、Chris Layton(Dr)に加え、Warren Haynes、Doyle Bramhall Ⅱ、Bonnie Bramlett、Kenny Wayne Shephead、Keb'Mo、更にはSam Mooreもゲスト参加。

レイ・ヴォーンファン感涙ナンバー「Crossfire」、「Say What!」、「Riviera Paradise」や、ボズ・スキャッグス1969年発表作収録曲「Sweet Release」、ミーターズ「Soul Island」等を、豪放かつ味わい深く聴かせます。

今日の1曲は、ドイル・ブラムホールⅡがヴォーカル&ギターで大活躍!④「You're Killing My Love」を。森 陽馬


2019年4月9日(火) mitsume 「タイム」

桜が満開になったというのに、ひんやりとした風が吹いている不安定な日和の昨今。
店内でよくかけているのがこの1枚。

mitsume『Ghosts』
(国内CD PECF-1168 2,800円+税/限定LP PEJF-91025 3,000円+税)

mitsume(ミツメ)は、2009年東京で結成された男性4人組ロック・バンド。
2018年上海で1,000人キャパのワンマン・ライヴを成功させ、国内外で評価が高まっている中発表された2019年作。

川辺素(Vo,G)、須田洋次郎(Dr)、nakayaan(B)、大竹雅生(G,Syn)が奏でる演奏・歌は、とりたてて何かを主張したり、熱く訴える類いではないけれど、気の置けない友人が語りかけているような親近感が感じられます。

今日のこの1曲は、9曲目「タイム」を。
時の流れの切ない感情を浮遊感あるサウンドとさりげない言葉で綴った叙情的な1曲。

心の揺れを抱えながら白昼夢の中で漂うような、不思議な心地良さを与えてくれるナンバーです。森 陽馬


2019年4月10日(水) James Taylor 「Fire And Rain」

PET SOUNDS RECORD旧店舗前、昔の武蔵小山駅周辺にあった桜の木。
2005年千葉へ移植されてから毎年見に行っていましたが、今年も行ってきました。
(桜の木にまつわる今までの経緯は、
コラム・コーナー『武蔵小山駅前にあった桜の物語』をご参照下さい)

2019年東京の桜は、咲いてから寒い日が多かったこともあり例年に比べ長く咲いていました。
千葉の桜も僕が見に行った時はちょうど満開!
 

幹から新しい枝や花も出てきていて生命力を感じました。
数年前、害虫が付いて心配しましたが、駆除され元気を取り戻したようです。
老木ではありますが、これからも末永く美しい花を咲かせてもらいたいですね。

「ぼくは炎もくぐりぬけてきたし、雨にもうたれてきた。
お陽さまが燦燦と輝く日々はとこしえに続くと思えたし、
一人の友だちも見つけられない孤独な日々も経験した。
でもいつだって、きみとはまた逢えると思っていたんだ。」(James Taylor「Fire And Rain」歌詞より) 森 陽馬


★掲載ジャケットは、ジェイムス・テイラー「Fire And Rain」他全37曲収録2枚組ベスト盤。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-16851 2,700円+税)


2019年4月11日(木) アール・ヴァン・ダイク 「カム・シー・アバウト・ミー」

昔からソウル・インストと呼ばれるジャンルの曲が好きです。

今日はその中でもオルガンをフィーチャーしたものを紹介したいと思います。

オルガンのソウル・インストの代表的な曲としては、ブッカーT&MG's「グリーン・オニオン」、「タイム・イズ・タイド」や、デイヴ・ベイビー・コルテス「リンキー・ディンク」(毎週日曜日ラジオ日本で放送されている宮治淳一さんD.J.による『ラジオ名盤アワー』エンディング・テーマに使われている曲です)などがあります。
1960年代にシングルとしても発売され大ヒットしました。

今日紹介するアール・ヴァン・ダイクはヒットはしていませんが、60'sのソウル・インストの中でも隠れたオルガン・インスト名盤と言ってもいい、オルガン・ファンにはグッとくるアルバムです。

アール・ヴァン・ダイク&ザ・ソウル・ブラザーズ『ザット・モータウン・サウンド』
(国内CD 生産限定盤 UICY-78870 1,000円+税)

モータウン・レーベルのアーティストを陰で支えた演奏集団ファンク・ブラザーズの一員、アール・ヴァン・ダイクが仲間と一緒に1968年発表したアルバムです。
「ノー・ホエア・トゥ・ラン」、「ハウ・スウィート・イット・イズ」、「マイ・ガール」、「マネー」等のモータウン・ヒッツをオルガンをフィーチャーしたインスト・ヴァージョンに仕立ててあります。

「カム・シー・アバウト・ミー」は1964年暮から1965年1月にかけて大ヒットしたシュープリームスの曲。
個人的にはシュープリームスの曲では2番目に好きなので、これを選んでみました。
ミドル60'sならではのハモンド・オルガンの音色がいいですね。

<MOTOWN 60>というシリーズ(1枚1,000円+税)でモータウン・レーベルの名作が今回60タイトル出ましたが、アール・ヴァン・ダイクものでは、「ウィチタ・ラインマン」、「スタンド・バイ・ミー」等を演奏しているライヴ盤『ジ・アール・オブ・ファンク』も世界初CD化されています。森 勉


2019年4月12日(金) 高橋幸宏 「C'est si bon」

<レコード店へ足を運び、レコードを聴いて音楽を楽しもう!>というコンセプトで、
2008年頃米国で始まった中小アナログ店&アナログ・ファンのためのイベント、
RECORD STORE DAY

2019年は4月13日(土)行われます。
当店にて3,000円以上お買い上げの方、先着で当店ロゴ入り特製トート・バックをプレゼント!
(レコード・ストア・デイ商品以外のもの、もしくはアナログでなくても3,000円以上お買い上げなら差し上げます)
←タテ43cm×ヨコ37cm、アナログも入るしっかりしたシーチング生地

RECORD STORE DAY商品はご予約・お取り置きができませんのでご了承くださいませ。

さて、何が人気で何が売れるか、僕らでも毎年予想つかないのですが、売り切れる可能性が高そうなこの1枚。

高橋幸宏『C'est si bon/Back Street Midnight Queen』
(国内EP TOYO7S1015 926円+税)

RECORD STORE DAY2019アンバサダーを務める高橋幸宏さん。
1978年発表ソロ1st『サラヴァ!』のヴォーカルを新緑した2018年作『Saravah Saravah!』からのシングル・カット。

なんといっても、値段が安い!
2,000円近いEP盤も近年多い中、1,000円(税込)ですから! もちろん内容もNICE♪
幸宏さんが好きなニール・ヤングのLPジャケットがさりげなく写り込んでいるのもいいですね。森 陽馬


2019年4月13日(土) CSN&Y (Neil Young)「The Loner~Cinnamon Girl~Down By The River」

RECORD STORE DAY、たくさんのご来店ありがとうございました。

絶好のレコード日和でしたね。皆さんお探しのレコードは見つかりましたでしょうか?
お目当てを手に入れることができなかった方も、これに懲りずまたお店へ立ち寄ってくださいね。

ちなみに、僕のRECORD STORE DAY2019本命盤はこの1枚でした。

CSN&Y『4 WAY STREET (Expanded 3LP Edition)』
(輸入LP 9,000枚限定プレス ATLANTIC 603497853854)

デヴィッド・クロスビー、スティーヴン・スティルス、グラハム・ナッシュ、そしてニール・ヤング。
この4人によるスーパー・バンドが1971年発表したライヴ名盤『4 WAY STREET』。
1992年CD化された際に追加収録されたボーナス曲を加え、3枚組LPとして9,000枚限定再発売。

ニール・ヤングギター弾き語りによる「The Loner」~「Cinnamon Girl」~「Down By The River」メドレー名演は初アナログ化ということになります。

180g重量盤、こだわった新カッティングで最高の音質!
アナログで聴けてうれしいっ!! 森 陽馬


2019年4月14日(日)Dennis Wilson, Taylor Hawkin, Brian May, Roger Taylor 「Holy Man」

RECORD STORE DAY2019で、ビーチ・ボーイズファン及びクイーンマニアも要チェックの1枚!

Dennis Wilson『Holy Man』
(輸入EP 3,000枚限定 Legacy 190759359273)

ビーチ・ボーイズのデニス・ウィルソン、1977年発表ソロ1st『Pacific Ocean Blue』録音時にレコーディングされながらアルバム未収録となったインスト楽曲「Holy Man」。

デニス没後25年を経て2008年再発された『Pacific Ocean Blue』デラックス盤に、Foo FightersのドラマーTaylor Hawkinsが新たにヴォーカルを付け足したヴァージョンが追加収録されたことがありました。

今回はそのトラックに、クイーンのロジャー・テイラーとブライアン・メイが演奏&バック・ヴォーカルを更に加え、ブライアン・メイ自身がアート・ワークも担当し制作された限定EPです。

厚みあるコーラス&ブライアン・メイらしいエレキ・ギターが盛り込まれ、デニスのイノセンスな精神はそのままに、より壮大なアレンジで聴かせる素晴らしい仕上がり! 天国のデニスも喜んでいるんじゃないかな。
なお、B面にはデニスによる元々のインスト・ヴァージョンが収録されています。森 陽馬


2019年4月15日(月)The Leisure Society 「Ways To Be Saved」

2019年でデビュー10周年♪イギリスのポップ・ロック・バンド、ザ・レジャー・ソサエティ。
前作から4年ぶり、5作目となる最新作がリリースされました。

ザ・レジャー・ソサエティ『アライヴァルズ・アンド・デパーチャーズ』
(国内CD 国内流通盤のみボーナス4曲+歌詞・対訳のダウンロード・コード付 AMIP-0165 2,600円+税)

分裂と境界、失われた希望など別離がテーマだという新作は2枚組のアルバムとなっています。
ストリングスやブラスを取り入れた緻密なアレンジと一言では表現できない哲学的な歌詞。
作品を出す毎にどんどんスケール・アップしていますが、メロディとサウンドの気持ち良さは変わらずです。

フォーキーなものからロックなナンバーまで...バンドと共に巡る音楽の旅。
その締め括りにふさわしい、ディスク②最後の「Ways To Be Saved」を今日の1曲に。

なお、彼らのアナログEP盤もRECORD STORE DAY2019で発売になりました。
A面は、バンドを以前から支持しているブライアン・イーノをフィーチャーした「I'll Pay For Now」、
B面には、アルバム未収録のフォーク・ナンバー「Pieces」の計2曲が収録されています。東尾沙紀


2019年4月16日(火) 矢野顕子 「昨日はもう」

矢野顕子が1977年に発表した3枚目のアルバム『いろはにこんぺいとう』は、ジャケットのインパクトもさることながら、音の内容も背骨に衝撃が走るようなすばらしい出来でした。

矢野顕子『いろはにこんぺいとう』
(CD 2017年リマスター 1977年発売時プレス・リリース・パンフレット復刻版封入 MDCL-5044 3,000円+税)

ファースト・アルバム『ジャパニーズ・ガール』で1976年ソロ・デビューする前の1973年5月、18歳の時録音されたセッション(バックは細野晴臣、そして高校の軽音楽部先輩である林立夫)を含む全10曲。

先行シングルとして発売された「いろはにこんぺいとう」は1976年秋ニューヨーク録音。
デヴィッド・スピノザ、リック・マロッタ、そして現在でもセッション交流があるウィル・リーがバックを固めています。

「行け、柳田」はプロ野球がテーマの異色曲。
1977年長嶋ジャイアンツの最強の5番打者と言われた柳田外野手の讃歌で、ジャイアンツの当時の打順も歌われるファンキーな一作です。アルバムと同時発売でシングル発売もされました。

「やませ(東風)」は小坂忠1975年発表名作『ほうろう』に提供した「つるべ糸」を自身でセルフ・カヴァーしたもの。

どの曲にもこの当時の矢野顕子のパッションが漲っていて聴き応えがありますが、今日は8曲目「昨日はもう」を。

作曲:矢野顕子、作詞は石川セリ(1977年のアルバム『気まぐれ』で石川セリヴァージョンも聴けます)。森 勉


2019年4月17日(水) The Gibson Brothers 「Everybody Hurts」

Punch Brothersが2019年7月来日決定!

2016年8月来日公演が大好評!
マンドリン奏者クリス・シーリーのソロ作『Thanks For Listening』も素晴らしかったですしこれは見逃せませんね。
現代アメリカーナ/新時代ブルーグラスの今を、この機会に体感してみてください。

さて、最近店でよくかけているアメリカン・ルーツ・ロック/カントリーな1枚を。

The Gibson Brothers『mocking bird』
(輸入CD EASY EYE SOUND EES-006)

1980年代後半から活動しているEric GibsonとLeigh Gibsonによるブルー・グラスデュオ。
ブラック・キーズのダン・オーバックがプロデュースを担当し、彼のレーベルからリリースされた2018年作。

エヴァリー・ブラザーズが現代に生きていたら、と想起したくなるような心地良さ。
ナッシュビル産カントリー・ロックな仕上がりで穏やかに聴ける全10曲。

その中から、R.E.M.カヴァー③「Everybody Hurts」を今日のこの1曲に。森 陽馬


2019年4月18日(木) Funk On Da Table 「June's Spirit ~ Ain't No Use」

4月も後半に近づくと、毎年気になるのがNew Orleans Jazz Heritage Festival

2019年で50回目を迎えるアメリカ/ニューオリンズでの大々的な野外フェス。
ローリング・ストーンズがキャンセルになってしまったのは残念ですが、それでも超豪華メンバー!
行かないのにタイムテーブルを眺め、これ観た後ここ行って、とかシュミレーションしたくなりますね。

ということで、ニューオリンズ・ファンクな新譜この1枚を。

Funk On Da Table『Live At Tipitina's In New Orleans』
(国内CD CHCL-01 3,000円+税)

ワイルド・マグノリアスにも在籍経験があるギタリスト山岸潤史、ニューオリンズの名キーボーディストJohn Gros、ジョニー吉長と金子マリの息子であり、現在日本ロック界で指折りのベーシストに成長したKenKen、激ファンキー女性ドラマーNikki Glaspieの4人が組んだバンド、Funk On Da Table。

ニューオリンズの名ライヴ・ハウスTipitina'sで2018年9月6日行ったライヴを録音したCDです。
ファンキーな演奏はもちろんのこと、山岸さんのワイルドなギター健在!

なお、2018年2月東京渋谷クワトロでのライヴ音源、ミーターズ「Ain't No Use」カヴァーが追加収録。
暑苦しいくらいのファンク・スピリッツ溢れるカヴァー、聴きものです。森 陽馬


2019年4月19日(金) Monks Road Social 「The Coming Of Grace」

元The Jamのベーシスト、ブルース・フォクストン率いる3ピース・バンド、From The Jamの来日公演が9月14日に行われます。
2018年3月以来2年連続の来日!9月の公演は2部制で両公演とも大きく異なるセットリストになるとのこと。
前回と同じくお客さんも大合唱の楽しいライヴになりそうですね。

本日はザ・ジャム→ポール・ウェラーに無理矢理絡めまして、彼に近しい人達が沢山参加しているこちらのアルバムをご紹介したいと思います。

Monks Road Social『Down The Willows』
(輸入CD WSG60CD)

Monks Road Socialは、Dr.ロバート(The Blow Monkeys)を中心としたプロジェクトで、ミック・タルボット(ex.The Style Council)、スティーヴ・ホワイト(ex.The Style Council)、マット・デイトン(Mother Earth)、デーモン・ミンチェラ(ex.Ocean Colour Scene)、ジャッコー・ピーク、クリスピン・テイラー(ex.Galliano)、ストーン・ファンデーション、マイルス・コープランド、女性ヴォーカルにSam Whates、Angelina他、80年代から活躍する新旧ミュージシャン達が集結しています。

それぞれ曲を持ち寄り、ヴォーカルをとり、片田舎にあるスタジオで10日間に渡ってレコーディングされたという今作。
サウンドは全体的にアーシー&ソウルフル。
マット・デイトンらThe Family Silverによるロックな曲以外は結構渋いです。

今日の1曲はDr.ロバートとストーン・ファンデーションと熱い掛け合いが沁みる「The Coming Of Grace」を。
アナログ盤(2LP)も入荷しております。東尾沙紀


2019年4月20日(土) ジョージ・シアリング 「追憶」

バーブラ・ストライサンド「追憶」(The Way We Were)は僕にとってのエヴァーグリーンなフェイヴァリット楽曲のひとつです。
彼女とロバート・レッドフォードが主演、シドニー・ポラックが監督した名作映画『追憶』主題歌であるということも印象深い一因かもしれません。

マーヴィン・ハムリッシュ作曲、アラン&マリリン・バーグマン作詞。
いつ聴いても名曲だなぁ~と思う曲です。

今日はそんな名曲を盲目のジャズ・ピアニスト、ジョージ・シアリングの演奏で楽しんでみたいと思います。

ジョージ・シアリング『追憶』
(国内CD 日本語解説付 NCS-10132 1,800円+税)

1974年ドイツで録音されMPSレーベルから発売されたこのアルバムは、正統派ジャズ・ファンからは眉をひそめられる作品かもしれません。
まず演奏されている曲が、「サン・ホセへの道」、「やさしく歌って」、「スーパースター」、「エリナー・リグビー」、「輝く星座」、「アローン・アゲイン」等、60~70'sポップス・ヒットである点。それから、演奏自体がラウンジ・ジャズ/イージー・リスニング的である点がそのように思われる要因です。

しかし、逆にそれが良かったりするのです。
ジョージ・シアリングのピアノとドイツで活躍していたミュージシャンによるヴィブラフォン、ギター、そしてラテン風味を醸し出してくれるパーカッションとのアンサンブルが実に耳ざわり良く響いてくるのです。森 勉

2019年4月21日(日) The Gramophone Allstars Big Band 「IKO IKO」

半袖で歩いている人も見かけるほど初夏の陽気だった本日。
音楽をかけているだけで南国気分になれたこのアルバムをピックアップ♪

ザ・グラモフォン・オールスターズ・ビッグ・バンド『MARACA SOUL』
(国内CD PCD-24831 2,400円+税)

スペイン/バルセロナで結成された約15人編成ビッグ・バンド・ジャズ&スカ・バンド。
レゲエ名曲からスティーヴィー・ワンダー「Don't You Worry 'Bout A Thing」、マイティ・スパロウ「Ah Diggin' Horrors」、レイ・バレットのラテン・ファンク「The Soul Drummers」等を躍動感溢れるビッグ・バンド・アレンジでカヴァー。

女性シンガーをfeatした楽曲もあり、重厚感ある演奏アレンジながら、ゴキゲンに楽しめる1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲はディキシー・カップス、ドクタージョンで有名なニューオリンズ定番「IKO IKO」カヴァーを。森 陽馬


2019年4月22日(月) フライダーズ 「小梅」

さりげない季節の匂いで、淡い色をした想い出がフッと蘇る。
そんな切ない郷愁を、武骨な歌心とギターで表現した作品だ。

フライダーズは佐藤ユウキが相馬智(B)、青木利文(G)と2011年頃結成したロック・バンド。
夏秋文尚(ジャック達)をプロデューサーに迎え、武川雅寛がゲスト参加した1stフル・アルバムが遂に完成。

フライダーズ『Flyders』
(国内CD HYCA-3083 2,200円+税)

ザ・バーズ、スティーヴン・スティルス等70'sアメリカン・ロックを敬愛するバンド<秘密のミーニーズ>とサウンドのルーツはほぼ同じながら、よりシンガー・ソングライター的なアプローチで聴かせる全9曲。

川名晴郎による描き下ろしジャケットが醸し出す抒情感。
その淡い色彩と共に、心の奥に佇む懐かしい記憶がじんわり滲み出てくるような1枚。

今日のこの1曲は、「あなたを探している」と最後に結ばれる①「小梅」を。
西岡恭蔵「春一番」をニール・ヤング的にしたサウンド・アレンジも印象深いナンバーだ。森 陽馬


2019年4月23日(火) ロミオズ 「モーメンツ・トゥ・リメンバー・ユー・バイ」

もうすぐ元号が令和へ変わりますが、平成が終わる前にワーナー・ミュージック・ジャパンからあの人気シリーズ『ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ』が3種発売になりました。

『VOL.8 ~シュ・ブーン』
『VOL.9 ~ミスター・ソングライター』
『VOL.10 ~ドリーム・ラヴァー』
各1,600円+税で、『VOL.9』と『VOL.10』は『ゴー!ゴー!ナイアガラ・スペシャル』の副題が付いています。

今日はまず『VOL.8』を。
『シュ・ブーン~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツVOL.8』
(国内CD 解説・歌詞付 2019年リマスター WPCR-18167 1,600円+税)

このCDのテーマは、ドゥーワップ。
2018年3種発売され大好評だった『ドゥーワップ・ナゲッツ』の続編のような内容です。

コーズ、ロビンズ、キャデラックス、クローヴァーズ、ドリフターズ、ハートビーツ、ボベッツ、シャンテルズ、フラミンゴス、シェップ&ライムライツなどの黒人グループに、フォー・シーズンズ、カスケーズ、バリー&タマレーンズといった白人コーラス・グループの曲も加えられた全24曲。

有名曲の他に、レンズ「カム・バック・マイ・ラヴ」、チップス「ラバー・ビスケット」、ロミオズ「モーメンツ・トゥ・リメンバー・ユー・バイ」、タイム・トーンズ「プリティ・プリティ・ガール」、トップ・ノーツ「オールウェイズ・レイト」等のあまり知られていないけれど、オールディーズ・ファンの琴線を刺激してくれるレア曲も入っています。

「シュ・ブーン」の間奏のサックスはあのサム・テイラーだったり、ロミオズのメンバーには17歳のラモント・ドジャーがいたりと、トリヴィア満載の皆川勝さんによる解説も相変わらず絶好調。森 勉


2019年4月24日(水) ローリング・ストーンズ 「Waiting On A Friend」(友を待つ)

悪性リンパ腫という病気に突然なってしまった友人のお見舞いへ先日行ってきました。

その友人とは、近年あまり連絡を取っていなかったのですが、昔はライヴをよく一緒に見に行ったものでした。

ヴァン・ダイク・パークス&リー・スクラー来日公演(今は無き六本木スイートベイジル)、デヴィッド・ボウイ日本武道館公演(実質的に最後の来日)、アラン・トゥーサン(今は無きBlue Jay Wayで終演後、出待ちしてサインもらったなぁ)、ダン・ペン&スプーナー・オールダム、エルヴィス・コステロ等々。

座席は別々だったけれど、ローリング・ストーンズ横浜アリーナ終演直後、興奮気味に彼から電話がかかってきて何かと思ったら、「チャーリー・ワッツが最後に投げたスティックをキャッチした!」という話だったり。(今でもそのスティックはラップを巻いて大事に保存してあるそう)。

さぞかしショックを受けていると思ってましたが、予想以上に元気かつ前向きだったので少し安心しましたね。
治療はまだこれからかもしれません。でも、元気になってまたライヴ一緒に行こう!と約束できてよかったかな。

ということで、今日のこの1曲はストーンズ新ベスト盤から「Waiting On A Friend」(友を待つ)を。

1981年発表『Tattoo You』(刺青の男)収録、1972年『山羊の頭のスープ』頃のセッションにて録音された楽曲。
ピアノはニッキー・ホプキンス、サックス・ソロはソニー・ロリンズによる味わい深いナンバーです。森 陽馬


★掲載ジャケットはローリング・ストーンズ最新ベスト盤『HONK』。
(国内CD 初回限定デラックス盤のみライヴ音源収録ボーナスCD付 UICY-78934 4,600円+税)


2019年4月25日(木) バッファロー・スプリングフィールド 「オン・ザ・ウェイ・ホーム」

ラジオ日本開局60周年で再放送されていた大瀧詠一D.J.番組『ゴー・ゴー・ナイアガラ』は、2018年12月23日から2019年3月31日までの全14回、とても楽しませてもらいました。

1975年6月から1978年9月にかけての放送を当時聴いていた方も、初めて耳にした方々も、大瀧さんならではの名調子と選曲の妙を堪能したのではないでしょうか。
その再放送をナビゲーションしてくれていたのが、<日本一のレコード大好き男>宮治淳一さんでした。

今日ご紹介するCDは、その宮治さんが『ゴー・ゴー・ナイアガラ』の放送でかかった曲からチョイスしたものを集めて収録したオムニバス盤です。

レコード会社の枠や楽曲の許諾などいくつかのハードルがいつものようにあったようですが、2枚合わせると全55曲の大瀧さん好みの曲が最新リマスターされた音で聴けるなんてありがたいものです。

まず『VOL.9』から。
『ミスター・ソングライター~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツVOL.9 ゴー!ゴー!ナイアガラ・スペシャルパート1』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-18168 1,600円+税)

全27曲、ルーターズ、エヴァリー・ブラザーズ、ルウ・クリスティ、ヘレン・シャピロ、トロイ・ドナヒュー、ジョン・スチュワート等、当時こういった曲がラジオから流れていたことを想像するだけで楽しくなってきます。

今日は1976年4月、第44回ニール・ヤング特集でかかったこの曲を。

ニール・ヤングが作ったのに、どうしてリッチー・フューレイにリード・ヴォーカルをまかせたのか?
バッファロー・スプリングフィールドのファンであった大瀧さんならではの話が聴けた回でした。森 勉


2019年4月26日(金) Nick Lowe 「Love Starvation」

2019年3月24日で古希(祝70歳!)を迎えたニック・ロウ。

嬉しいことに3年連続となる8月の来日公演も先頃発表になりました!
(8月13日(火)、14日(水)ビルボード・ライヴ東京、15日(木)ビルボード・ライヴ大阪)

そして2018年発表「Tokyo Bay」に続いて、2019年最新作が入荷致しました。

ニック・ロウ『ラヴ・スターヴェイション』
(国内CD 歌詞・対訳付 MSIG-1283 2,200円+税)

2018年の来日公演でも披露された「Love Starvation」をはじめ、ミディアム・バラード「Blue On Blue」、近年メアリーJブライジやアニー・レノックスの作品にも参加しているデュアン・ベンジャミンのトロンボーンをフィーチャーした「Tronmbone」、リック・ネルソン65年作『Love And Kisses』収録の「Raincoat In The River」カヴァー全4曲を収録。

どの曲も愛に飢えた、恋に破れた男の悲哀が歌われ、覆面バンド、ロス・ストレイトジャケッツの演奏に乗せて軽快に、ときにしんみりとニック・ロウ節を聴かせてくれます。

今作の限定アナログ盤(MSIEP-0004 歌詞・対訳/ダウンロード・コード付 2.800円+税)も発売中です。東尾沙紀


2019年4月27日(土) ハプニングス 「ザ・セイム・オールド・ストーリー」

『ドリーム・ラヴァー~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツVOL.10 ゴー!ゴー!ナイアガラ・スペシャルパート2』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-18169 1,600円+税)

大瀧詠一のお気に入り曲をかけまくる番組で電波にのった由緒ある楽曲全28曲を収録。

アルドン/スクリーン・ジェムスのソングライター特集、ニューオリンズR&B特集、リヴァプール・サウンド特集、ミドル60'sアメリカン・グループ特集などは、『ゴー・ゴー・ナイアガラ』の番組でなければ聴けない括りの放送がいろいろありました。

あと印象に残っている放送としては、さわやかサウンド特集!
今でいうソフト・ロックを大瀧さんは1970年代中期にもう特集して、色々な曲をオンエアーしてくれていたんですね。

22曲目ハプニングス「ザ・セイム・オールド・ストーリー」は、シングル曲ではありませんが、彼らのファースト・アルバムに収録されていた美しいウラ声の曲です。
さわやかサウンド特集の2回目でオンエアーされました。森 勉


2019年4月28日(日) Russ Kunkel 「Doctor My Eyes」

ジェイムス・テイラー、キャロル・キング等のバックで知られるドラマー、ラス・カンケル。
ダニー・コーチマー2018年来日公演で元気な姿を見せてくれた彼の唯一のソロ作が日本初CD化されました。

ラス・カンケル『Chateau Beach』
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック追加収録 金澤寿和氏による解説付 VSCD-3963 2,315円+税)

キング・カーティス『Live At The Fillmore West』を聴き着想を得て制作し2009年発表された今作。

ジェイムス・テイラー「Fire And Rain」、「Mexico」、「Don't Let Me Be Lonely Tonight」、ジャクソン・ブラウン「Doctor My Eyes」、ジョニ・ミッチェル「Carey」、キャロル・キング「So Far Away」、ビル・ウィザース「Lovely Day」、CSN「Just A Song Before I Go」を、共同プロデューサー/キーボード奏者Jay Oliverが手掛けたプログラミング&シンセに、ラス自身のドラムを加え、斬新なアレンジでインスト・カヴァー。

<彼がプレイした名曲・ヒット曲の数々をアンビエント風に表現した、とてもユニークな作品。>
という帯の言葉に恐る恐る開封しましたが、思っていたより聴きやすく、フュージョン的に楽しめる1枚でした。

今日のこの1曲は、ジョー・ウォルシュがゲスト参加しギターを弾いている⑤「Doctor My Eyes」を。

なお、2019年5月10~17日、ダニー・コーチマー等と共に再度来日決定!
リー・スクラーとの強力なリズム隊を再び間近で楽しめるのは嬉しいですね。森 陽馬


2019年4月29日(月) Waddy Wachtel 「Warmth Of The Sun」(ビーチ・ボーイズカヴァー)

ダニー・コーチマー2018年来日公演で素晴らしい歌と演奏を披露してくれたギタリスト、ワディ・ワクテル。

1970年代からリンダ・ロンシュタット、ウォーレン・ジヴォン等のバック・ギタリストとして活動。
RONINというバンドで1980年アルバムを出したこともありましたが、ソロ名義としては初となるCDがこの度発売!

ワディ・ワクテル『Unfinished Business』
(国内CD 天辰保文氏解説&ワディ・ワクテル本人による曲目解説付 VSCD-3962 2,315円+税)

今までに録音しながら未発表になっていた楽曲やネットで公開していた音源などをまとめた全14曲。
その中から、ビーチ・ボーイズ名バラード曲「Warmth Of The Sun」(太陽あびて)のカヴァーを今日のこの1曲に。

ダニー・コーチマー&イミディエイト・ファミリー2018年来日公演パンフレット記事中、<無人島へ持って行きたい5枚>のアンケートに、ワディ・ワクテルはビーチ・ボーイズ『スマイリー・スマイル』を挙げていました。
(今作CDブックレット内のワディ本人による曲解説部分には、<人生の大半を、ビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソンの中毒患者的に過ごしてきた私は~>という記述もあり!)

彼自身による多重コーラスで作り上げたこのカヴァーからは、ビーチ・ボーイズ愛が感じられますね。森 陽馬


2019年4月30日(火) Wouter Hamel 「Real Good Place」

オランダの男性シンガー、ウーター・ヘメルの6作目となる新作『ボーイズタウン』が日本先行で発売になりました。

ウーター・へメル『ボーイズタウン』
(国内CD 歌詞・対訳・本人による曲解説付 VICP-65523 2,500円+税)

ママズ・ガン/ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスのアンディ・プラッツと組んだ前作『アモリー』から約2年。
共同プロデュース&アレンジャーを務めたのは、2011年作『ローエングリン』から彼のバンドで活躍するピアニスト、ティエリー・カステル。

ビーチ・ボーイズを意識した(?)コーラス&アレンジのタイトル曲「Boystown」、ゆったりとしたラヴ・ソング「Live It Up」、スウィンギン・ポップな「Legendary」など、ティエリー・カステルによるジャジー&ノスタルジックなアレンジがポップな楽曲に彩を添えています。

アルバムには米ルーツ・ロックのようなレイドバックした雰囲気の楽曲もあり、バンドのギタリストであるローリー・ロンデも随所で大活躍。前作リリース後間もなくの来日公演で確か披露され、ウーターの熱唱とローリーのギターが素晴らしかった「Real Good Place」。新作に収録されて嬉しいです。

5月30日(木) ビルボード・ライヴ東京にて行われる来日公演でもまた楽しい&熱いパフォーマンスをみせてくれることでしょう♪

日本盤ボーナストラックとして、代表曲「Breezy」他ライヴ・レコーディング3曲が追加収録されています。東尾沙紀




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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