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12月12日(日) James Taylor
「Have Yourself A Merry Little Christmas」 |
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1960年代後半から、僕らにやさしく語りかけるように歌い続けてきているシンガーソングライター、ジェイムス・テイラーが2002年に発表したオリジナル・アルバム『セプテンバー・ロード』(SICP-215 \2,520)の12曲目に収録されている定番クリスマス・ナンバーのカバー曲。
至極シンプルなカバーではありますが、この曲に限らず、彼の歌声とギターの響きは、ある意味、自分は音楽が好きなんだ、ということの原点というか、どこかに置き忘れてきた温かさと郷愁を僕に呼び醒ませてくれるのです。(新しいベスト盤も発売になりました。そちらもオススメです。) 森 陽馬 |
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12月13日(月) ハナレグミ 「ハンキーパンキー」 |
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スーパーバタードッグというグループに在籍していた永積タカシ氏のソロユニット “ハナレグミ”。今年1月に発売した2ndアルバム『日々のあわ」』の4曲目に収録されているのがこのナンバー。
発売当時から、“このアルバムは何十年後にも名盤と語り継がれるような1枚になるだろうな”と僕は勝手に思っているのですが、特にこの曲「ハンキーパンキー」は、個人的な2004年ベストソングの5指に入るほど心動かされた1曲です。(実質的にはこの曲は2003年発売シングルのカップリングですが・・・)
高田渡の息子、高田漣の郷愁を誘うペダル・スティールがとにかく絶妙。 心に染み入ります。森 陽馬 |
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12月14日(火) Alan Evans 「Break it down」 |
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ジャズの老舗レーベル、ブルーノートから2001年メジャーデビューした新世代JAZZ FUNKバンド “ソウライヴ”のファンキー・ドラマー、アラン・エヴァンス初のソロ作『Let It Ride...』(VIA-25 \2,100)が、先月、インディー・レーベルより発売されました。
ソウライヴ的な高速JAZZ FUNKとはまた一味違った“21世紀のミーターズ・サウンド”ともいえる硬派なFUNKナンバーを聴かせる@A曲目。
彼のルーツでもあるJBやPRINCEのテイストが散りばめられた最高にクールなC曲目など、HIP HOPやクラブ・ミュージック好きな方にはもちろん、「最近のSOUL &JAZZ FUNKはちょっと…」というオールド・ファンク・ファンにこそ聴いてもらいたい1枚です。森 陽馬 |
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12月15日(水) Lynyrd Skynyrd 「Free Bird」 |
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“サザン・ロックの雄” レーナード・スキナードの全盛期1976年のライヴを収めた名作『ワン・モア・フロム・ザ・ロード』のデラックス・エディション2CDより、白熱のギター・バトルが最高にガツン!とくる約14分にも及ぶ名パフォーマンスの「フリー・バード」!
真に彼らの人生を象徴していたともいえるこの曲。久々に大音量でかけましたが、やはり痛快ですね。
毎年年末に行なわれている桑田佳祐氏による『Act Against AIDS』コンサート。
今年はテーマが“ブリティッシュ・ロック”でしたが、来年あたりは、“アメリカン・ロック”をテーマにして、この曲を佐橋佳幸・斎藤誠・中シゲヲのトリプル・ギターで豪放にカヴァーしてほしいものです。森 陽馬 |
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12月16日(木) The Beach Boys 「Wouldn't It Be Nice」 |
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当店店名の由来となったビーチ・ボーイズの1966年発表アルバム『ペット・サウンズ』より、オープニングを飾る1曲。
もう本当に何百回も聴きかえしているのに、毎度新しい発見と感動を感じさせてくれる作品ながら、時々お客様から、「アルバム『ペット・サウンズ』はどこがどうすごいのですか?」という質問を受けるたび、一言では説明できない自分は、今だにこのアルバムの本当の素晴らしさを理解できていないのかもしれないですね。森 陽馬 |
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12月17日(土) Lee Wiley 「Sugar」 |
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白人女性JAZZヴォーカリスト、リー・ワイリーの1950年発表名作アルバム『ナイト・イン・マンハッタン』より。
1曲目「マンハッタン」も有名ですが、僕的にはなんといってもこの「シュガー」における彼女のハッとするような歌声。
Bobby Hackettのトランペット、Joe Bushkinのピアノの響きが、ノスタルジックに彼女の歌声をより引き立てています。
最近のくっきりとしたデジタルの音&打ち込みの音ももちろん悪くはないのですが、こういう古き良き作品を聴くと、改めて“人間が作り出す唄・演奏”の素晴らしさ、“音楽の原点”というものを再認識させられますね。森 陽馬 |
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12月18日(土) Marlena Shaw 「Street Walking Woman」 |
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1974年ブルーノートより発表。
ジャンルを越えて愛されつづけているソウル・ジャズ・ヴォーカル名盤『WHO IS THIS BITCH ANYWAY』(TOCJ-5877)1曲目に収録の最高にクールなナンバー。
デヴィッド・T・ウォーカーのギターが鳥肌もののファンキーな演奏ももちろんですが、なんといっても僕的には、本編前約3分にもわたる女性と男性のナンパ・トーク!
いきなりアルバムの冒頭から、雑踏の騒音と共に繰り広げられるこの男女の会話によって、このアルバムの“風景”が曲を聴くごとに見えてくるようですね。
是非、この曲(というか会話)の日本語カヴァー?を椎名林檎さんやエゴ・ラッピンの中納さんにやってもらいたいなあ、と思っている今日このごろです。森 陽馬 |
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現在は“東京ローカルホンク”と改名して活動している当店イチ押しのバンド、うずまきが1999年に発表した名作アルバム。(VSCD-3083 \2,100)
この曲以外の作品も“日本のウッドストック派”ともいえる味わいあるルーツ・サウンドと切なくも叙情感ある日本語詞、そして木下弦二さんのヴォーカル&メンバー4人のコーラスが、聴き込むほどに沁みてくる1枚です。
ディスク・ガイド本シリーズ『シティ・ポップ』にて、当店店長、森 勉も推薦していたアルバム。東京ローカルホンク名義でのアルバムはまだ発売されていませんが、来年こそは是非リリースしてほしいものです。森 陽馬 |
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12月20日(月) Sonia Rosa with Yuji Ohno
「You Make Me Feel Brand New」 |
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1960年代後半から70年代のボサノヴァ・ブーム時に日本で人気を博した女性シンガー、ソニア・ローザと「ルパン三世」でお馴染みの名ピアニスト、大野雄二が組んで、70年代にオーディオ販促用の特典レコードとして録音しながらも、非売品のままであった作品が低価格でCD化(SICP-8001 \1,785)。
最高にグルーヴィーにアレンジされたボサノヴァ定番曲「イパネマの娘」やしっとりとしたジェイムス・テイラーのカヴァー「寂しい夜」もいいですが、スタイリスティックスで有名なこのバラード名曲カヴァーも大好きな1曲。
ソニア・ローザのキュートなヴォーカルと大野雄二のピアノの旋律、切ないメロディー・ラインが見事に融合したナンバーです。森 陽馬 |
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12月21日(火) Lotus 「Flower Sermon」 |
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様々なジャム・バンドを多数輩出しているHome Grown Music Network内のレーベル、Harmonized Recordより、“アンビエント・トランス・ジャズ・ファンク”とでも表現すればよいのだろうか、まさに新世代のジャム・バンド、ロータスが2003年に発表した驚愕のライヴ盤『germination』(輸入盤 HAR-009)。
僕個人はトランスというジャンルが正直苦手なのですが、生楽器とエレクトロニカの見事な融合により、このバンドのトランシー&ハイテンションなナンバーには、脳ミソがとろけそうになるほどヤラれてしまいました。
深夜、車を運転しながら聴いていたら異空間に吸い込まれてしまいそうな1枚。
“21世紀のフュージョン”と僕は捉えています。森 陽馬 |
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12月22日(水) SNOOKS EAGLIN 「Hideaway」 |
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ニューオリンズを中心に活動している盲目のニューオリンズR&B/ブルース・ギタリスト、スヌークスが、1985年にライヴ録音していた音源+BOOGIE BILL WEBBとのセッション音源がCD化。
実は約8年前に、現地ニューオリンズにてスヌークスのライヴを見たことがあるのですが、その会場がスゴくて、なんとボーリング場!
ロビーとボーリング・レーンの間にある普通の通路の両端に、何気なくドラム・セットなどが並ぶ小さいステージがあって、非常口のようなドアから何気なくスヌークスらバンドが登場。演奏が始まっても、興味ない人たちは普通にボーリングをしている、というユルい雰囲気がゴキゲンでした。
ジョージ・ポーター・Jrのベースがいいですね。森 陽馬 |
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12月23日(木) 山下達郎 「クリスマス・イヴ」 |
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この時期はやはり、クリスマス・ソングを聴きたくなります。我々の世代(今、50代前半)には、フィル・スペクター、ビーチボーイズ、ヴェンチャーズの『クリスマス・アルバム』が3種の神器になっています。
1983年に発売された山下達郎のムーン・レコード移籍第1弾アルバム『メロディーズ』の中には、今や日本で一番有名なクリスマス・ソングがひっそり収められていました。その後、12インチ・ピクチャー・レコード、7インチ・レコード、縦長シングルCD、マキシ・シングルCDと形は変わりましたが、曲の持つパワーは変わっていません。
センチメンタル度を高め、何とも言えぬ気持ちを作り出してくれる曲調・詞・アレンジは見事。
手の込んだ作りでありながら、それを感じさせない万人が聴けるポップスの極意ここにあり。
中間の多重コーラスが有名ですが、僕は初めて聴いた時から、後半のアソシエイション風コーラスにノックアウトされました。 森 勉 |
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12月24日(金) Aaron Neville with Linda Ronstadt 「Don't Know Much」 |
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曲は名ソングライター、バリーマン作。
もともと自己の80年作に収録されていたこの名曲を、リンダ・ロンシュタットが89年に発表したアルバム『クライ・ライク・ア・レイン・ストーム』(国内盤生産中止)内で、アーロン・ネヴィルとデュエット・カヴァー。
現在はアーロン・ネヴィルのベスト盤(UICY-1020)で聴くことができます。
そのプロレスラーのような体格からは想像ができないようなアーロンのベルベット・ヴォイスと、美しく華やかなリンダの歌声、そしてロマンティックなアレンジがとても素敵なバラードですね。
聖夜に恋人同士で是非聴いてみてください。森 陽馬 |
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12月25日(土) The Beach Boys 「Hawaii」 |
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真冬に聴くのもまた格別ということで、店でのビーチ・ボーイズオンエアー回数もこのところ増えてきています。
「夢のハワイ」と邦題が付いたこの曲は、たった2分たらずの曲ですが、ブライアンの美しいファルセットがとても印象に残ります。アメリカではシングル化されませんでしたが、1964年に日本では、B面に「サーファー・ムーン」を入れてA面としてシングル・カットされました。
中学1年生の森少年はラジオから流れてきたこの曲を気に入り、初めて買ったビーチ・ボーイズのレコードとなりました。
それから40年、今でもその時の感動は続いています。
写真のCDはこの曲収録の今年発売された中山康樹さん選曲による日本独自のベスト盤。森 勉 |
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12月26日(日) Dean Martin 「Everybody Loves Somebody」 |
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1964年夏の全米No.1ヒット。
この曲は元は、ディーン・マーティンの親分ともいえるフランク・シナトラが1948年にちょっとヒットさせたもの。
シナトラのもいい感じだが、やはり我々の世代にはディーンのあの酔いどれヴォーカルがたまらない。一、二杯ひっかけてから録音していたかのような雰囲気たっぷりの声。歌もうまいし、そして演奏も良し。
ドラムスは、ハル・ブレインだし、イントロをはじめ、印象的なストリングスと厚みを与えてくれる女性コーラスは、プロデューサーのジミー・ボウエンならではのもの。
ちなみにこのジミーさん、1957年には「I'm Stickin' With You」のヒットを出すなど、ポップ・ロカビリアンとして活躍していた人であります。
1曲のヒットから色々と興味は広がるもんです。森 勉 |
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12月27日(月) 左とん平 「ヘイ・ユウ・ブルース」 |
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ペット・サウンズでは、こんな曲も店内で流れています。
正式なタイトルは「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」。
最初は1973年にトリオ・レコードからシングル・レコードで発売。
現在は4曲入りCDで聴けるほか、オムニバス盤にも収録されています。
コミック・ソングの範疇に入る曲ですが、ソウルフルなサウンドは一級品だし、左とん平の役者ならではの演技力が発揮されたシャベリ・ヴォーカル(ラップという言葉は使いたくないので、あしからず)はインパクト充分。
カップリング曲の「東京っていい街だな」も、スローな素晴らしい演奏をバックに、コミカルに哀愁を漂わせてくれる秀作。森 勉 |
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12月28日(火) CREAM 「I'm So Glad」 |
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師走も押しせまってきました。
今年は例年にも増して様々なことがありましたが、2004年もサヨナラということで、クリームの『グッバイ』からライヴ録音のこの曲を。
9分を越える長い曲ですが、高校時代からのフェイヴァリットで、いつ聴いても熱くなってしまいます。
とにかく3人の壮絶な音のぶつかり合いに圧倒されること請け合いです。クラプトン、指つったりしなかったのかなぁ…。
なおこのアルバムはライヴとスタジオ各3曲という構成。名曲「バッヂ」も収録されてます。
最近見たゴールデン・カップスの記録映画『ワンモアタイム』の中で、彼らがこの曲を演奏したテレビ映像がありました。僕の中では、一番の見所シーンとなりました。森 勉 |
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沖縄出身のロック・バンド、HYが今年7月に発売した3rdアルバム『TRUNK』(CLCD-20003 \2,300)からの1曲。
2004年ブレイクした沖縄のグループというと、やはりオレンジレンジということになってしまうと思いますが、僕的には、もう文句なしにこのHYの作品が、ハナレグミ、スキマスイッチなどの作品と並んで今年のJ-POPS No.1アルバムのひとつでした。
特にこの「涙」は、初めて聴いたときから、激動の暗いこの世の中においてとても前向きかつ感動的な詞と切ないメロディーに感動した1曲です。
HIP HOPやPUNKではなく、“日本のPOPS”の素晴らしさを再認識させてくれました。森 陽馬 |
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12月30日(木) はっぴいえんど 「十二月の雨の日」 |
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やはり物事の区切りは気持ち良くハッピーエンドで迎えたい、
ということで今日は<はっぴいえんど>。
今年発売されたリイシューものでは断然のヴォリュームと内容の濃さで本来ならレコード大賞にもノミネートして欲しかった『はっぴいえんどBOX』からこの曲を。
ディスク[1]の12曲目に収められている「十二月の雨の日」未発表ヴァージョン。
吉田保ミックスによるこのBOXでしか聴けない幻の一品であるところの別テイク。鈴木茂によるイントロのギターの歪み具合がなんとも言えない高揚感を与えてくれる。
なお「十二月の雨の日」はこのBOXの中で全部で8ヴァージョン楽しむことが出来る。森 勉 |
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12月31日(金) Brian Wilson 「Our Prayer」 |
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昨日ご紹介した<はっぴいえんどBOX>は、ペット・サウンズでのリイシュー(再発)部門第一位。
今日のブライアンは新譜としての第一位『スマイル』からの1曲。
この曲はアルバムの冒頭を飾る歌詞のないコーラスだけで構成されたもの。
ビーチ・ボーイズ・ヴァージョンでは『20/20』で初めて発表され、『グッド・ヴァイブレーションBOX』では初期ヴァージョンも収録された。
心を清めてくれるような神聖なハーモニーは年末年始によく似合う。
私達の祈りは…、
2005年がより良い年でありますように。森 勉 |
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