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 今日のこの1曲コーナー

ペット・サウンズ・レコード店にて、その日に店内でかけていた曲の中から
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”をご紹介いたします。

以前こちらで掲載した“今日のこの1曲”は“今日のこの1曲 アーカイヴス”コーナーにてご覧になれます。

◆こちらでご紹介している商品もご注文いただけます◆

くわしくは通販コーナー、もしくは直接こちらまでご連絡くださいませ。
(廃盤・生産中止になっている商品もございますので、その際はご了承くださいませ)



2025年9月1日(月) The Hives 「Paint A Picture」(Live)

フジロック・フェスティヴァル2025最終日、レッド・マーキーのトリを務めたスウェーデンの人気ガレージ/パンク・ロック・バンド、ザ・ハイヴス。

前回からの来日から実に11年ぶり!50代が目前に迫ってきたメンバーの変わらぬパフォーマンス、お客さんの大合唱...配信やSNSの反応をさらっただけですが、現地の熱気が十分伝わってきて嬉しくなりました。

彼らの代表曲・人気曲と共に披露された新曲を収録している約2年ぶりの新作が先日リリースされました。

ザ・ハイヴス『ザ・ハイヴス・フォーエヴァー・フォーエヴァー・ザ・ハイヴス』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック2曲追加 PIASR1579CDJ 2,970円税込)

本国1位、全英2位を獲得した2023年発表の前作『The Death Of Randy Fitzsimmons』(日本盤未発売)は、ちょっとヘヴィでザラついたサウンドがかっこいいロックンロール・アルバムでしたが、新作はそれ以上に聴いているだけで汗かきそうなテンションの高さ!

プロデュースは同郷スウェーデンのペレ・ギュナーフェルト、リード・トラック「Paint A Picture」、爆速パンク・ナンバー「O.C.D.O.D」など一部の楽曲に、ビースティ・ボーイズのマイクDもプロデューサーとして携わっています。

いつどこの録音かは明記されていませんが、日本盤ボーナス・トラックとして本編収録曲「Enough Is Enough」、「Paint A Picture」のライヴ音源が追加されています。
ライヴならではのワイルドな演奏、ペレの煽り&伸びのあるヴォーカルがかっこいい「Paint A Picture」を聴いて、厳しい残暑を乗り切りたいと思います。東尾沙紀



2025年8月31日(日) 山屋清 「琉球みやび」(四)

京王線・つつじヶ丘駅にある中古レコード店、GARAGEVILLE(ガレージヴィル)へ先日行きました。

GARAGEVILLEは、僕がディスク・ユニオン上野店に勤めていた時(1998年)の同僚・先輩であった大塚康之さんが2018年に始めた店で、中古レコードとクラフトビールを専門に扱っています。
ELLA RECORDSがアップしている中古レコード店の動画に、
GARAGEVILLEも紹介されているのを拝見し、懐かしい気持ちになって大塚さんに会いに行く感覚で店へ立ち寄りました。

ビール片手に談笑しているお客様もいらっしゃって、店内はとてもアットホームな雰囲気。
大塚さんとも約20年ぶりくらいにお話できてうれしかったなぁ。またフラッと伺いたいですね。

さて、大塚さんが最近気に入ってよく聴いているということで、店でかけていたのがこのアルバムでした。

・『琉球レアグルーヴ CROSSOVER -Okinawa Jazz Funk 1964-1984』
(国内CD COCP-42498 2,750円/国内LP COJA-9545 4,620円)
・『琉球レアグルーヴ REVISITED -Okinawa Pops 1957-1978』
(国内CD COCP-42497 2,750円/国内LP COJA-9544 4,620円)

沖縄の民謡や琉球で古くから伝わる楽曲に、独特な洋楽的アレンジやソウル/ジャズ・グルーヴな編曲が施されているナンバーを集めたコンピレーション作品。『CROSSOVER』はインスト、『REVISITED』は歌モノが入っています。
店でかけていると、南国の空間が生まれますね。
民謡が苦手でも洋楽好きの方には是非聴いてもらいたい1枚です。

今日のこの1曲は、『CROSSOVER』の方から、山屋清「琉球みやび」(四)を。
まさに、沖縄産フィリー・ソウル!
1976年録音。演奏やオーケストラもフィリーな雰囲気で、フィラデルフィア・ソウル好きも必聴ですね。森陽馬



2025年8月30日(土) 坂本九 「上を向いて歩こう」

坂本九のベストCDが新しい編集・選曲で発売になりました。

坂本九『坂本九』
(国内CD3枚組 UPCY-8065 4,950円税込)

今までさまざまなベストCDが出ていますが、今回は一味違う内容です。

代表曲・有名曲はもちろん収録されていますが、1983年に坂本九の名を伏せて出した「ぶっちぎりNO文句」や、昔ソノシートで発売されたライヴでのトークや珍しいライヴ音源も収録されています。

惜しくもラスト・シングルとなってしまった「懐しきlove-song」とc/w「心の瞳」も入っています。
「心の瞳」は<コーラス入り>と<合唱ヴァージョン>の2ヴァージョン入りです。

ライナーノーツは娯楽映画研究家という肩書で有名な佐藤利明氏です。
場所を取らないコンパクトな3枚組CDです。森勉



2025年8月29日(金) Bryan Adams 「Make Up Your Mind」

エネルギッシュで、ポジティヴなパワーに溢れたロック、新譜この1枚!

ブライアン・アダムス『Roll With The Punches』
(国内盤 ボーナス・トラック3曲追加 初回限定デラックス・エディション2CD仕様 解説・歌詞・対訳付 SICX-30242 3,850円税込/通常盤1CD SICX-30241 2,970円税込)

1980年代から活動し続けているカナダ出身男性ロック・シンガー、ブライアン・アダムス。
通算17作目となるオリジナル・スタジオ・アルバム『Roll With The Punches』が本日発売されました。

本作はブライアン自身によるインディーズ・レーベルBad Recordsからのリリース。
それを日本のみソニー・ミュージックがライセンスを取り、独自で国内盤を制作した1枚です。

彼の名盤を多数手掛けたロバート・ジョン"マット"ラング、ジム・ヴァランスが共同ソングライターとして参加しており、楽曲や音の雰囲気は今までと変わらずながら、自主レーベルからの発売ということもあり、気合を感じますね。

今日のこの1曲は、Bryan節全開でかっこいい「Make Up Your Mind」。
なお、2026年1月26&27日日本武道館、28日Asueアリーナ大阪での来日公演が決定しています。森陽馬



2025年8月28日(木) Buddy Guy 「How Blues Is That」 feat.Joe Walsh

<今月のブルース 新譜この1枚!>

バディ・ガイ『Ain't Done With The Blues』(終わりなきブルースの旅)
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-6709 2,860円税込)

2025年7月で89歳を迎えたブルース界の重鎮、バディ・ガイ。
2022年作『The Blues Don't Lie』(
2022年10月25日今日のこの1曲で紹介)以来の新作を発表しました。

前作に引き続き、若き白人ソングライターの盟友トム・ハンブリッジがプロデュースを担当。
ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ、ジョー・ウォルシュ、ピーター・フランプトン、ジョー・ボナマッサ他参加。
活気ある演奏+バディ・ガイのかっこいいギターと渋い歌声が、心も身体も熱くさせる1枚です。

今日のこの1曲は、ジョー・ウォルシュがスライド・ギター&ヴォーカルで参加した「How Blues Is That」!
アルバム・タイトル<終わりなきブルースの旅>の本質を深く感じ取ることができるナンバーです。森陽馬



2025年8月27日(水) TOPS 「ICU2」

2022年8月10日今日のこの1曲で紹介/スタッフが選ぶ2022年ベスト・アルバムにも選出した女性シンガー/キーボード奏者、Marci(マルシ)ことマルタ・シコイェヴィッチが在籍する、カナダ・モントリオールの男女4人組バンド、TOPS(トップス)。

メンバー各々のソロ活動を経て、5年ぶり5枚目となる新作『バリー・ザ・キー』を先日発表しました。
(ジンジャー・ルート、ケイト・ボリンジャーらの作品をリリースしている、アメリカのレーベルGhostly Internationalから♪)

トップス『バリー・ザ・キー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ARTPL-240 2,420円税込)

従来のドリーミーなシンセ・ポップ・サウンド、女性vo.ジェーン・ペニーの魅惑的なウィスパー・ヴォーカルは健在ながら、本人達が<邪悪なトップス>と評しているのも納得のダークなテイストを盛り込んだ中毒性の高い1枚。

サビのリフレイン、メロディ展開がクセになるリード・トラック「ICU2」(サイケ×レトロなMVも楽しい)、エッジの効いたギター・ロック・ナンバー「Falling on my Sward」、坂本龍一が亡くなった後に書いたという「Annihilation」...
80~90年代風のアレンジ、ビートを強調した曲が増え、今までとはまたひと味違う<かっこいいTOPS>を堪能できます!
東尾沙紀



2025年8月26日(火) The Cranberries 「I Can't Be With You」

「I can't be with you. 'Cause you're not here. Baby still in love with you.」
(あなたと一緒にいられない。なぜなら、あなたはここにいないから。まだ私はあなたを愛しているというのに)
The Cranberries「I Can't Be With You」歌詞より

1990年代半ば、クランベリーズを聴いた時の胸のざわめきは強く印象に残っています。
ドロレス・オリオーダンの歌声は、儚くて壊れてしまいそうなのに、僕らの心をギュッと力強く抱きしめてくれました。

アイルランドのリムリックから世界へ、1990年代に羽ばたいたクランベリーズの2ndアルバム『No Need To Argue』(1994)が最新リマスターを施され、更に未発表トラックを追加した30周年記念盤として発売されました。

クランベリーズ『No Need To Argue』(30周年記念エディション)
(国内2枚組CD 英文ライナー翻訳・歌詞・対訳付 UICY-16281 4,400円税込)

30年という時の流れは、あっという間のようでいて、様々な変化をもたらしました。
バンドの活動休止、再結成、脱退、離婚を経て、ドロレスは4人の子供を残し2018年に急逝します。
アルコール中毒が原因による溺死でした。

ドロレスの新しい歌声はもう聴くことはできません。
でも彼女の魂の歌は、約30年の時を経ても変わらず、僕らを勇気づけてくれることを実感できました。森陽馬


2025年8月25日(月) ビートルズ 「フリー・アズ・ア・バード」(2025ミックス)

2025年ビートルズの新しいアイテムは、『アンソロジー』に決定!

『アンソロジー1』は1995年11月。
『アンソロジー2』は1996年3月。
『アンソロジー3』は1996年10月にそれぞれCD2枚組で発売されました。

今回は『1』、『2』、『3』をリマスターした上で、更に『アンソロジー4』を加えてセット販売という仕様です。
CDは8枚組、アナログLPは12枚組というものです。

『4』だけ単品発売して欲しかったけれど・・・。
しかたないです。ビートルズだからね。

さて、注目の『アンソロジー4』ですが、2023年の新曲「ナウ・アンド・ゼン」をはじめ全17曲収録。
気になるのは、『アンソロジー』での目玉曲であった「フリー・アズ・ア・バード」と「リアル・ラヴ」が2025年ミックスでどうなっているか?

現在、ネット上で「フリー・アズ・ア・バード」の新しい2025ミックスが試聴できるので聴いてみました。

これはいいですね。
ひとつひとつの楽器の粒立ちが抜群に良くなり、ジョンのヴォーカルもくっきりして、モコモコ感がなくなりました。
ジョージ・ファンの僕としては、スライド・ギターの間奏に入る前、ジョージのリード・ヴォーカルの所がより彼の泣き節が強調されたミックスでうれしかったなぁ。(2分40秒~あたり)

発売は11月21日金曜日です。待ち遠しいですね。森勉

★ビートルズ『アンソロジー・コレクション』
(国内CD8枚組 英文解説対訳・歌詞・対訳付 UICY-80700 22,000円税込/国内LP12枚組 UIJY-75340 69,300円税込)

予約受付中


2025年8月24日(日) 松田聖子 「ガラスの入江」(大瀧詠一作)

お盆も高校野球夏大会も終わりましたが、ナイアガラの夏はまだこれから!?
大滝詠一/ナイアガラ関連リリースが発表になりました。

まずは、『Niagara Song Book』と『Niagara Song Book2』のイラスト・ブックが、新規イラストと共にリニューアル&永井博氏/河田久雄氏がナイアガラ・ワークスに関して語ったミニ・インタビューも追加掲載され、2025 Editionとして9月17日に発売します。
 
(2025年9月17日発売 A4変形判書籍 リットー・ミュージック 40ページ 3,300円税込)

音源に関しては、松田聖子デビュー45周年を記念し、作曲家別企画の編集盤4種が10月15日発売決定。
大瀧詠一、細野晴臣、財津和夫、呉田軽穂(松任谷由実)が松田聖子へ楽曲提供した楽曲を集めた作品集です。

大瀧詠一ワークスの作品集には、シングル曲「風立ちぬ」の他、「いちご畑でつかまえて」と「FUN×4」を1つの楽曲に編集した「いちご畑でFUN×4」や、「風立ちぬ」(デュエット・ヴァージョン)。更には、初出音源として「冬の妖精」(オリジナル・カラオケ)と「四月のラブレター」(オリジナル・カラオケ)が追加収録予定です。

松田聖子『Seiko feelings -Eiichi Ohtaki Works-』
(国内CD SACDハイブリッド仕様 ライナーノーツ掲載 SRCL-10191 3,520円税込)

今日のこの1曲は、『Niagara Song Book 3』に入っていたインストが美しい旋律で印象的だった「ガラスの入江」。
<遠い夏>の夢を見させてくれるナンバーです。森陽馬



2025年8月23日(土) ラーセン・フェイトン・バンド 「今夜はきまぐれ」

ワーナー・ミュージック・ジャパンが権利を所有している洋楽の名盤が、いろいろと再発売になっています。

気がつくと生産中止や廃盤になっているCDも多くあったので、小売店としてはこのようなカタログがきちんと出ていてくれると、大変ありがたいのです。
“フォーエヴァー・ヤング”シリーズ、ありがとう!

先月7月には、フリートウッド・マック9W、CSN&Y関連5W、ドアーズ6Wが再発されています。
今日は5月に再発になったラーセン・フェイトン・バンドを。

ラーセン・フェイトン・バンド『ラーセン・フェイトン・バンド』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-85139 1,980円税込)

1980年発表のファンキーでロックでソウルフルな傑作アルバム。
1970年代前半に結成していたバンド=フルムーン時代の仲間であったバジー・フェイトンとニール・ラーセンが再び出会い、すばらしいアルバムを残してくれました。

ラーセンのキーボードと、フェイトンのギターをフィーチャーしたインスト曲も聴きものですが、今日は1980年にシングルとしてもスマッシュ・ヒットした「今夜はきまぐれ」(Who'll Be The Fool Tonight)を。森勉



2025年8月22日(金) ジョン・フォガティ 「雨を見たかい」(Have You Ever Seen The Rain)

<ジョンにとって、自分の音楽出版権を取り戻すことが、どれだけ大きな意味を持っていたか。
取り戻せてからの彼が、そのことを本当に喜んでいたことを、私はこの目で見ていました。>

<だからこれは、ジョン自身の80歳の誕生日に贈るプレゼント、彼のレガシー。
家族や友人、そして愛に囲まれて、これらの曲は録音されました。(中略)
これは、彼が人生をかけて残してきた作品を讃えるアルバム。>
(ジョン・フォガティの妻、ジェリー・フォガティによるコメントより)

ジョン・フォガティは、50年にも及ぶ法廷闘争の末、CCRで自身が作った楽曲の音楽出版権を取り戻しました。
そして、2025年5月28日で80歳を迎えた彼が、CCRの楽曲を自ら歌うアルバムを発表しました。

ジョン・フォガティ『LEGACY the CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL years』
(国内CD 日本盤のみボーナス・トラック2曲追加 解説・歌詞・対訳付 UCCO-45006 3,300円税込)

全20曲(+日本盤ボーナス・トラックには2024年のライヴ音源2曲追加)がCCRの名曲。
バックは、ジョンの息子兄弟シェーン&タイラー・フォガティを中心としたバンドによるもの。
オリジナルのアレンジに忠実な演奏と歌で、力強さと熱い想いが伝わってきます。

今日のこの1曲は、2010年フジロックでの快演(
2010年8月2日今日のこの1曲参照)を思い出させてくれた「雨を見たかい」(Have You Ever Seen The Rain)を。森陽馬


2025年8月21日(木) Eric Clapton 「Tears In Heaven」

ミュージック・マガジン2025年9月号は、『1990年代洋楽ヒット・ソングス・ベスト100』特集です。
(ミュージック・マガジン社 930円税込)

1990年代は様々なジャンルのヒット曲やムーヴメントがあったことを思い出させてくれましたね。
映画やテレビのタイアップ曲で使われた洋楽も一般的にヒットすることが多い時代でした。

あと、『アンプラグド』のシリーズは日本でも大人気でした。
特に、エリック・クラプトン『アンプラグド』のアルバムはよく売れましたね。

しかしながら、1990年代のヒット作が現在CD化されていないものが意外と多いことにも気付かされます。
エリック・クラプトン『アンプラグド』は、ワーナー・ミュージックから以前発売されていましたが、現在はクラプトン自身のレーベルSurfdog Recordsからのリリースで、権利の関係上国内盤が出ていない状況です。

Eric Clapton『Unplugged』(Enhanced Version)
(輸入2枚組CD Bushbranch/Surfdog Records 63187-2)

この『アンプラグド』2CD盤はマニア泣かせな内容で、当時の盤には入っていなかった楽曲も収録。
更に、各楽曲の頭に、クラプトン自身の音声解説が約30秒~1分ずつ入っているという仕様です。
(ミックスも以前のヴァージョンとは少し違う感じ・・・?)

今日のこの1曲は、1991年に不慮の事故で急逝した息子コナーへ捧げられた「Tears In Heaven」を。
映画『ラッシュ』の主題歌として発表され、『アンプラグド』のヴァージョンで広く知られるようになりました。

ちなみに、「Tears In Heaven」は、上記の『90年代洋楽ヒット・ベスト100』には入っていませんでした。森陽馬



2025年8月20日(水) Annie & The Caldwells 「Can't Lose My Soul」

フジロック・フェスを主催するスマッシュが手掛ける秋の人気フェス、朝霧ジャムに出演予定で注目しているアーティストが、アニー&ザ・コールドウェルズです。

アニー&コールドウェルズは、1970年代からミシシッピ州ウエスト・ポイントの教会を拠点に活動している黒人女性シンガー、アニー・コールドウェル中心のゴスペル・ソウル・ファミリー・バンド。

この度、彼女たちの2025年発表新作『Can't Lose My (Soul)』が、トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンが主宰するレーベルLUAKA BOPからリリースされました。

Annie & The Caldwells『Can't Lose My (Soul)』
(国内CD 日本盤のみボーナス・トラック2曲追加収録 解説・歌詞・対訳付 BRC791 2,860円税込)

地元の教会にて生演奏一発録りで制作された本作は、ゴスペルをルーツにした土着的な黒人音楽でありながら、親しみやすいファンキーなソウル・サウンドで、重々しさをそこまで感じずに楽しめる1枚です。
特に1曲目「Wrong」はディスコっぽい雰囲気もありますね。

今日のこの1曲は、約10分以上に及ぶゴスペル・ソウルな「Can't Lose My Soul」を。
なお、単独公演も10月20日東京duo MUSIC EXCHANGEで行われる予定です。
ステイプル・シンガーズお好きな方は是非チェックしてみてください。森陽馬



2025年8月19日(火) Cory Wong 「Starship Syncopation」

お盆が過ぎて、夏もそろそろ終わり・・・、とは簡単にならなそうな暑さですね。

まあでも、8月後半に差し掛かりました。
皆さんの今夏の想い出は何でしょうか?

僕は、フジロック・フェスティバルへ行ったことが印象深いです。
大雨が止んだ後に観た山下達郎、そして、ヴルフペックのライヴは盛り上がりましたね。

7月26日(土)夜21時過ぎ、グリーン・ステージのトリとして出演したヴルフペックは、バンドとしては初来日でした。
観ていてハッピーになれるパフォーマンスが、楽しい想い出として記憶に残っています。

そのヴルフペックのギタリスト、コリー・ウォンの最新ソロ作品『Starship Syncopation』がCD発売されました。

Cory Wong『Starship Syncopation』
(輸入CD DGGF032)

本作はオランダのジャズ楽団メトロポール・オーケストラと組んだインスト・アルバム。
約50人に及ぶビッグ・バンド・サウンドと、コリー・ウォンの軽快なギターが融合したゴキゲンな1枚です。

今日のこの1曲は、1曲目「Starship Syncopation」。
メロウ・グルーヴなフュージョンお好きな方にもオススメのナンバーです。森陽馬



2025年8月18日(月) Currant Kraze 「Lady Pearl」

英国ACEからリリースされている、70年代サンシャイン・ポップ/バブルガム・ポップのコンピレーション推薦盤。

V.A.『Bob Stanley Presents Chip Shop Pop -The Sound of Denmark Street 1970-1975』
(輸入CD ACE CDTOP1663)

タイトルにあるデンマーク・ストリートは、出版社・スタジオ・楽器店等が集まる、ロンドン中心部にある''英国版ティン・パン・アレー''と呼ばれる場所。

ジョン・カーター、トニー・マコウレイ、リンジー・ディ・ポール、バリー・ブルー、ロジャー・クック&ロジャー・グリーナウェイ、トニー・リヴァースら、デンマーク・ストリートを拠点としていたミュージシャン/ソングライターたちが1970~1975年に送り出した曲の中から、<ヒットには至らなかった楽曲>を集めたコンピレーションです。

選曲・監修はイギリスのグループ、セイント・エティエンヌのボブ・スタンリー。
ソフト・ロック、バブルガム・ポップ、ディスコ/ソウル・テイストのものまで、彼のコレクションからセレクトされた24曲が収録されています。

トニー・バロウズ「いとしのメラニー(Melanie Makes Me Smile)」、ビルボード・チャートでは上位に昇ったものの、本国ではそこまでだったというザ・フォーチュンズ「Here Comes That Rainy Day Feeling Again」、アラン・クラーク&トニー・マコウレイ共作/トニー・リヴァース・プロデュースによるホリーズ・カヴァー「A Little Thing Like Love」(River名義)など、ポップで良い曲がいろいろ♪

本日は今作で最も収録数が多い、クック&グリーナウェイ作の中から、2人に加えトニー・バロウズらによる匿名バンドCurrant Krazeによる「Lady Pearl」(1970年)を。
ブックレットには、トップ・オブ・ザ・ポップスにまつわる当時の苦いエピソードが掲載されており、もっと上手く立ち回ればヒットに繋がったかも??と思わせるソウルフルなナンバーです。東尾沙紀



2025年8月17日(日) ジョー・ウォルシュ 「ウォーク・アウェイ」(ライヴ)

森勉が大好きな曲をかけて、少しおしゃべりをするD.J.イヴェントのお知らせです。

2025年8月22日金曜日午後7時スタート、恵比寿セイリンシューズにて。
テーマは1970年代のアメリカン・ロックです。

セイリンシューズのオーナー原裕章さんと二人で楽しみながらのんびり音楽をかけていこうと思っています。
予約は必要ありませんので、お気軽にお越しください。夜11時頃までやっています。

1970年代のアメリカン・ロック。
みなさんは、どんなミュージシャン、どんな曲を頭に思い浮かべるでしょうか?

ハード・ロック、カントリー・ロック、AOR、シンガー・ソングライター、etc...。
ロックが多様化していった時代ですね。

いつものように僕はすべてシングル・レコードでかけるつもりです。
現在、選盤中ですが、この曲は是非かけたいと思っています。
・ジョー・ウォルシュ「ウォーク・アウェイ」(ライヴ録音)

1976年ジョー・ウォルシュがイーグルスに加入してすぐに発表されたライヴ・アルバムからの1曲です。

ジョー・ウォルシュ『ジョー・ウォルシュ・ライヴ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-25678 1,885円税込)

ドン・フェルダー、アンディー・ニューマーク、ウィリー・ウィークスなど参加。森勉



2025年8月16日(土) Jeffrey Foskett with Brian Wilson 「Mary Honey」

ジェフリー・フォスケットが来店したのは、2015年12月23日のことでした。


同月に発表した新作ソロ・アルバム『クラシック・ハーモニー』のプロモーションで来日し、ラジオ出演などのスケジュールの合間に当店へ立ち寄ってくれました。
ビーチ・ボーイズ、ブライアン・ウィルソン・バンドで活躍した彼は、偉ぶることが全くなく、音楽が大好きな少年のような瞳で、エリック・カルメンの日本企画ベスト盤を店内から目ざとく見つけお買い上げいただきました。
僕が書いた<ジェフリー・フォスケット参加!>のポップも欲しい、とおっしゃって差し上げたのも良い思い出です。

ジェフリー・フォスケットは2023年12月11日に癌で逝去しました。(享年67歳)
来店してから約10年、亡くなってから1年半が経ちました。時の流れを感じますね。

その彼の音楽活動を辿り、讃える目的で制作されたのがこのCDです。

Jeffrey Foskett『Something There』
(輸入CD Omnivore Recordings 810075115338)

ビーチ・ボーイズに加入する前のバンドThe Pranks、Papa Doo Run Runや、ブライアン・ウィルソン、アメリカ、ジェフ・ラーソン、クリストファー・クロス等との共作、ソロ楽曲の未発表音源含め全25曲収録。
ブックレットには、ブライアン、マイク・ラヴ、ジェリー・ベックリー等、縁の深かった方のコメントも記載されています。

今日のこの1曲は、ブライアン・ウィルソンとジェフリーの共作による未発表曲「Mary Honey」を。
プロデュースは、Brian Wilson、Gary Griffin & Jeffrey Foskett。
そのプロデュース・クレジットに(1994)の記載があり、1994年頃に録音された音源と思われます。

優しい微笑みと歌声をありがとう、ジェフリー♪ 森陽馬



2025年8月15日(金) 寺尾紗穂 「しゅー・しゃいん」

「死んだ仲間もいるよ。しゅーしゃいん。ガード下で飢えて。」
「僕も死ねばよかったろうか。爆弾でみんな死んだ日に。」
「僕の生きる意味はどこさ。あの日からずっと探している。」
(寺尾紗穂「しゅー・しゃいん」歌詞より)

寺尾紗穂さんが2024年9月18日に発表したアルバム『しゅー・しゃいん』(国内CD KHGCD-004 3,300円)のタイトル曲は、靴磨きで生計をたてていた戦争孤児のことを歌っています。

紗穂さんは、戦争孤児が孤児院で書いていた作文と出会い、米兵を相手に靴磨きの仕事をしていた子供たちがたくさんいたことを知りました。そして、原爆孤児であった川本さんというおじいさんの話を思い出しました。
川本さん曰く、戦争に生き残った子供でも、飢えで道端に落ちている新聞紙を食べて死んだ子もいたそうです。

「夢に見るよ。あの日の炎を。返しておくれよ。僕の家族を。」
「一人で生きる意味は何さ。あの日からずっと探している。」

「しゅー・しゃいん」の主人公は運良く生き残ることができました。
しかしながら、戦争で亡くなった人だけでなく、生き残った者も苦悩を抱え続けたことをこの歌は伝えています。森陽馬



2025年8月14日(木) DYGL 「Just Another Day」

フジ・ロック・フェス'25でのパフォーマンスも評判となった日本人男性4人組ロック・バンド、DYGL(デイグロー)。
前作『Thirst』から約3年ぶり、5thアルバム『Who's In The House?』が発売になりました。

DYGL『Who's In The House?』
(国内CD 全編英語詞/日本語詞付 EEC-002 3,300円税込)

サポート・ドラマー鈴木健人を含め、5人での<全曲メトロノームなし、全楽器一発レコーディング!>
前作『Thirst』、前々作『A Daze In The Haze』の90'sオルタナ、アンビエント/音響系を通過した、ちょっとダウナーな雰囲気もよかったですが、今作は体全体で感じろ!といわんばかりのドライヴ感あるガレージ、パンクなサウンドに回帰。
ライヴで培ってきた演奏力、バンド・セッションの勢い・生々しさがギュッと凝縮されていて、めちゃめちゃかっこいいアルバムです。

リード・トラック「Just Another Day」の疾走感、スカの要素も感じられる「Everyday Conversation」、ヘヴィなイントロで切り込んでいく「One O One」ほか全9曲を収録。

いろんな装飾はいったん外して、タイトな演奏でグイグイと突っ走っていく熱量の高い作品!
是非デカイ音で聴いてほしいです。東尾沙紀



2025年8月13日(水) Lukas Nelson 「Born Runnin' Outta Time」

ウィリー・ネルソンの息子、ルーカス・ネルソンがソロ名義のアルバムを発表しました。

Lukas Nelson『American Romance』
(輸入CD 6 ACE Records/Sony 19802-89450-2)

ルーカスが中心になり率いてきたバンド、プロミス・オブ・ザ・リアルが休止を発表したのは2024年6月。
ニール・ヤングのバック・バンドだけでなく、ルーカス&プロミス・オブ・ザ・リアル名義の作品をリリースしたり、レディー・ガガ主演映画『アリー/スター誕生』音楽担当及び出演など、活動は順風満帆に見えましたが、ルーカス自身は色々と悩んでいたのかもしれませんね。

弟マイカ・ネルソンや、プロミス・オブ・ザ・リアルのアンソニー・ロガーフォとコーリー・マコーミックは、ニール・ヤングと再び組み(The Chrome Hearts)、アルバム『Talkin To The Trees』を発表、ツアーも行いました。
そこにルーカスは合流せず、新たな一歩として発表したのが初ソロとなる本作です。

父ウィリーの盟友でもあったWaylon Jenningsの息子、Shooter Jenningsによるプロデュース。
アメリカン・ロック/70'sシンガー・ソングライターのルーツを下敷きに、父が辿ってきたカントリーの路を引き継ぎ、歩んでいく意気込みを感じられる1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、トム・ペティ的な雰囲気の⑥「Born Runnin' Outta Time」を。
Stephen Wilson Jrと共作し一緒に歌っている⑤「Disappearing Light」も哀愁深くて気に入っています。森陽馬



2025年8月12日(火) Rolling Stones and Steve Riley 「Zydeco Sont Pas Salés」

ジョン・クリアリーの2025年9月来日公演チケットがあっという間に売り切れてしまいました。
(特に9月24日東京公演は、早々にSold Outとなりましたね。)
正直いって、油断していたなぁ・・・。観に行かれる方、楽しんできてください!

さて、チケットを取り損ねた方(そうでない方も)、このアルバムを聴いて気分を上げましょう!

『A Tribute To The King Of Zydeco』
(輸入CD Valcour Records VALCD0058)

ニューオリンズ/ルイジアナ南西部の伝統的ダンス音楽、ザディコ。
本作は、ザディコ界を代表するミュージシャンであったクリフトン・シェニエ(1987年逝去)のトリビュート盤です。

これが最高!!!
1曲目がいきなりローリング・ストーンズ&スティーヴ・ライリーで鼻血必至!
ジョン・クリアリー、タジ・マハール、ジミー・ヴォーン、ジョン・ハイアット、スティーヴ・アール、ルシンダ・ウィリアムス、シャノン・マクナリー、モリー・タトル、マーシャ・ボール、サニー・ランドレス、息子のCJシェニエ含め、ルーツに根ざしたミュージシャンが多数参加しています。

今日のこの1曲は、熱狂の①!ローリング・ストーンズ&スティーヴ・ライリー「Zydeco Sont Pas Salés」。
チャーリー・ワッツはメンバーに入っていないので、ここ数年の間に録音した音源と思われます。
(ドラマーのクレジットは、Robert St.JulienとRuss Broussard) アイヴァン・ネヴィル、ザッカリー・リチャードも参加。
聴いていると、気温&体温が大幅アップしてしまう、熱中症危険アラートなナンバーですね。

なお、本作の収益は、ルイジアナ大学のクリフトン・シェニエ記念奨学金基金へ寄付されるそうです。森陽馬


2025年8月11日(月) Cat Stevens 「Oh Very Young」(Live In Tokyo)

<愛の言葉を抱いて行け>
(Carry the words of love)

キャット・スティーヴンスが1974年6月22日に中野サンプラザで行ったコンサートの音源が初CD化されました。
そのCDの見開きジャケット1ページ目に、上記の言葉が日本語で書かれています。

Cat Stevens『SATURNIGHT (Live In Tokyo)』
(輸入CD A&M 00602468083047)

1974年作『Buddha & The Chocolate Box』(仏陀とチョコレート・ボックス)を発表した時の世界ツアーでの音源。
日本では6/21、22中野サンプラザ、6/26京都会館、6/27大阪厚生年金会館で公演を行いました。

本作は約51年前のライヴ音源ながら、とてもクリアで素晴らしい音質ですね。
ブックレットには、当時のツアーマネージャーだったCarl Millerと、ベーシストとして来日したBruce Lynchによる日本ツアーでの想い出が記されていました。(京都へ行った時のことや、焼肉店へ入って食べたこと等)
想い出は色褪せる、と言われますが、音楽と共に蘇る想い出もあることを教えてくれます。

今日のこの1曲は、「Will you carry the word of love with you?」という歌詞が出てくる「Oh Very Young」。森陽馬



2025年8月10日(日) Caetano Veloso 「If You Hold A Stone」

第97回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した『アイム・スティル・ヒア』を新宿武蔵野館で鑑賞しました。

『セントラル・ステーション』(1998)、『モーター・サイクル・ダイアリーズ』(2004)で知られるブラジル/リオ出身のウォルター・サレス監督が、約12年ぶりに手掛けた長編映画です。

舞台は軍事独裁政権であった1970年代のブラジル。
幸せに暮らしていたパイヴァ家の長であった夫が政府に連行され、そのまま行方不明になった実話を基に、残った妻エウニセと子供たちが歩む人生が描かれています。

政治的背景が反映した悲劇であり、切なく哀しい場面もあります。
しかしながら、妻エウニセの優しく力強い人生に、勇気づけられる方も多いのではないでしょうか。
当たり前のようで奇跡である、家族の幸せな瞬間を、さりげない日常の中で実感できる傑作だと思います。

あと、音楽も印象的に使われていますね。
レコードで音楽をかけて家族で楽しく踊る情景や、LPジャケットが大きく映される場面もありました。

今日のこの1曲は、映画内ではかかりませんが、カエターノ・ヴェローゾがイギリスに亡命していた1971年に発表したアルバム『イン・ロンドン』から、「If You Hold A Stone」を。
とある英国ロックの大名盤と一緒に本作のジャケが登場する場面は、物語の時代背景を如実に表していました。

なお、ウォルター・サレス監督は、カエターノの映像作品『Circuladô Vico』(1992)を手掛けたこともありました。
本作の中で、カエターノ以外にガル・コスタ、トン・ゼー、エラズモ・カルロス等もかかります。
ブラジル音楽ファンも映画『アイム・スティル・ヒア』を是非チェックしてみてください。森陽馬



2025年8月9日(土) Autocamper 「Again」

再結成ツアーで大いに盛り上がっているオアシスの故郷マンチェスター発の新人バンド、デビュー作♪

Autocamper『What Do You Do All Day?』
(輸入CD Safe Suburban Home sir294/ssh055)

Autocamperは2022年に結成されたJack(vo,g)、Niamh(key,vo)、Harry(b)、Arthur(drs)による男女4人組インディー・ロック・バンド。彼らの1stアルバムは、グラスゴー出身でCatholic Actionのフロントマンとしても活動するChris McRoryをプロデューサー/エンジニアに迎え、グラスゴーにあるGreen Door Studiosでレコーディングされています。

Autocamperのポップな楽曲&サウンド、男女ヴォーカルのスタイルは、カメラ・オブスキュラ、オレンジ・ジュース、ヴァセリンズ、パステルズなど、引き合いに出されるこれら80~90年代バンドのエッセンスを感じさせます。
疾走感のある曲もかっこよくて、個人的には「音をマイルドにした初期Ash」みたいな印象も受けました。

本日は今作のリード・シングルで、オープニングを飾る「Again」を今日の1曲に。
キャッチーな曲ながら、意中の女性は自分の気持ちにまったく届いていない,,,ナイーヴな心情が歌われています。東尾沙紀



2025年8月8日(金) 村田和人 「So Long, Mrs.」

今日は、永遠の夏男、村田和人の曲を。

村田さんの曲はどんな季節に聴いてもいい気分になれるのですが、やはり夏、暑い季節が一番似合う気がします。
村田さん自身も夏が大好きでしたね。

村田さんのCDは2023年にブリッジ・レーベルからムーン時代の5枚とビクター時代の3枚がリマスターされ、ボーナス・トラックも加えられ、充実したライナーノーツも掲載した形で再発されました。
そう、ムーン時代のプロモーション用カセット音源も初CD化されましたね。
(当店ではこのブリッジからの9種CDに、各ジャケ写絵柄のマグネットをお付けしています。)

さて、今日の1曲は、1983年発表の名作『ひとかけらの夏』から「So Long, Mrs.」を。

後半、山下達郎~村田和人~椎名和夫~竹内まりやのコーラスがいいですね。

そういえば、村田さんがライヴでこの曲を歌う時、エンディングに「ビッグ・ウェイヴのテーマ」を一節入れてくれるのが、たまらなく好きでした。森勉

★村田和人『ひとかけらの夏』
(国内CD BRIDGE381 2,530円税込)



2025年8月7日(木) paris match 「backdoor」

レインボー・ブリッジを渡り、浜崎橋ジャンクションを左折してしばらく走ると、ビルの間から東京タワーが見えてきます。
カーブが続くわりに飛ばしている車も多く、やや緊張感も伴いますが、夜は東京タワーと都会の灯りがきれいで、運転していて心がときめきますね。

paris matchの新曲「Backdoor」Music Videoには、上記のような車中から見える都会の景色が色々出てきます。

その「Backdoor」を収録したparis match13枚目のオリジナル・アルバム『Le 13e』が発売されました。

paris match『Le 13e』(ル・トレズィエム)
(国内CD VICL-66084 3,740円税込)

杉山洋介が手掛けるスタイリッシュながら切なさも感じさせる旋律を含んだサウンド・アレンジと、ミズノマリのクールかつセクシーな歌声が、都会の夜に抱く恋心を高ぶらせるナンバー。

佐々木史郎(トランペット)、山本一(サックス)、佐野聡(トロンボーン)によるホーン隊の演奏も聴き所です。森陽馬



2025年8月6日(水) ニーナ・ショウ 「ラヴ・ソー・ファイン」

2025年6月8日付今日のこの1曲コーナーでお知らせしていた、ロジャー・ニコルス作品集が発売になりました。

『ロジャー・ニコルス・ソングブック』
(国内2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-31776~7 2,860円税込)

日本独自企画、2枚組のCDに全42曲。
ロジャー・ニコルスが作った数々の名曲を、様々なミュージシャンによって聴くことができる最高の作品集です。
監修の濱田高志さん、こんなすばらしい選曲のCDをありがとうございます。

朝妻一郎さん、ポール・ウィリアムスさんの寄稿文、濱田さんの曲目解説など、ブックレットに掲載された文章はどれもロジャー・ニコルス作品への愛に溢れたもので、読みながら聴くと楽曲の味わいがより深まりますね。

全曲お気に入りですが、今日は8曲だけ挙げておきます。
①ニーナ・ショウ「ラヴ・ソー・ファイン」
②ホセ・フェリシアーノ「シーズ・トゥ・グッド・トゥ・ミー」
③サンダウナーズ「オールウェイズ・ユー」(大・大好きなイントロ・ストリングス入り)
④ニュー・ドゥードゥルタウン・パイパーズ「オンリー・ミー」
⑤スティーヴ・ローレンス「アイム・ゴナ・ファインド・ハー」
⑥カレン・ワイマン「サムバディ・ウェイティング」
⑦森山良子「サムシングス・ネヴァー・チェンジ」
⑧ミシェル・ルグラン「タイムズ・オブ・ユア・ライフ」
<①、④、⑤、⑥は世界初CD化> 森勉


2025年8月5日(火) Yellow Magic Orchestra 「TONG POO」(LIVE)

今から46年前(1979年8月2、3、4日)、YMOは初めて海を渡り、海外でライヴを行いました。

それを記録したアメリカ/ロサンゼルスにあるグリーク・シアターでのライヴ音源が、細野晴臣監修・GOH HOTODAによるマルチトラックからの最新ミックス&マスタリングを施され、再CD化及びアナログ・レコード化となりました。

Yellow Magic Orchestra『YMO LIVE AT THE GREEK THEATRE 08/04/1979』
(国内CD MHCL-31041 3,300円/国内LP MHJL-441 4,950円)

坂本龍一(キーボード)、細野晴臣(ベース)、高橋幸宏(ドラムス)に加え、渡辺香津美(ギター)、矢野顕子(キーボード)、そして松武秀樹(プログラミング)による演奏が、より洗練されたクリアなサウンドになり、46年という時の隙間を感じさせない熱が伝わってきます。

今日のこの1曲は、アンコールで披露されたラスト「TONG POO」。
渡辺香津美のギター・ソロ、坂本龍一キーボード・ソロがキレキレでかっこいい!

ちなみに、フジロック2025でGINGER ROOTが「TONG POO」のカヴァーを披露したそうです。
YMO1979海外公演が起点となり、彼らの音楽が様々な国と人に広がって引き継がれたのだと実感しました。森陽馬



2025年8月4日(月) Paul Carrack 「Love Will Keep Us Alive」

エース、スクイーズ、マイク&ザ・メカニクス、近年はエリック・クラプトンのバンドなど、70年代から活躍を続けるイギリスのミュージシャン、ポール・キャラック。

<ブルーアイドソウルシンガー>というイメージが強い彼が、2025年の最新作ではカントリー・ミュージックに取り組んでいます。

Paul Carrack『The Country Side Of Paul Carrack Vol.1』
(輸入CD Carrack-UK PCARCD38)

「キャラックさんの曲をカヴァーしてもいいですか?」と、ノースカロライナのカントリー・ミュージシャンSteven Woodからの連絡をきっかけに動き出した今作の制作。Stevenにプロデュースを任せ、彼が集めたナッシュヴィルのプレイヤーが参加しています。

ハンク・ウィリアムズ、マール・ハガード、ジョージ・ジョーンズ...昔から大好きだというカントリーのカヴァーを中心とした作品。スクイーズのクリス・ディフォードが歌詞を手掛けた「In The Cold Light Of Day」、90年代にイーグルスへ提供された「Love Will Keep Us Alive」セルフカヴァー、オリジナル曲も織り交ぜています。

「Love Will Keep Us Alive」は、キャラック、ジム・キャパルディ、ピーター・ヴェイルの共作で、イーグルス1994年作『ヘル・フリーゼズ・オーヴァー』に収録されていた曲。
フィドル、バンジョー、スチール・ギター...カントリーのアレンジもこの曲にとてもマッチ、ナッシュヴィルのバンドの穏やかな演奏が柔らかな歌声を引き立たせています。東尾沙紀



2025年8月3日(日) Madeline Bell 「I'm Gonna Make You Love Me」

フィラデルフィア・ソウルの数々の名曲を作ったソングライター、ケニー・ギャンブルとレオン・ハフの作品集が出ました。

『LOVE TRAIN ~ The GAMBLE AND HUFF SONGBOOK』
(輸入CD KENT/ACE CDTOP534 28ページ英文ブックレット付)

オージェイズ、ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ、ルウ・ロウルズなどのフィラデルフィア・インターナショナル・レーベルでのヒット曲はもちろん、かなり幅広いレーベルから選ばれています。

1970年代を中心に全24曲。
ギャンブル&ハフの珠玉の名曲を堪能できる内容になっていると思います。

この中から、僕なりのオススメ3曲は、
・マデリン・ベル「I'm Gonna Make You Love Me」
・マーゴ・サンダー「Expressway To Your Heart」
・ボニー・ブラムレット&ドビー・グレイ「Never Gonna Give You Up」 森勉


2025年8月2日(土) Grateful Dead 「Scarlet Begonias」~「Touch Of Grey」~「Fire On The Mountain」

グレイトフル・デッドは今年2025年に結成60周年を迎えました。

それを記念し、60時間の未発表ライヴ音源を収めたCD60枚組BOXが6,000セット限定で5月30日に発売。
(公式サイトのみの販売ながら、現時点で完売しています)
デッドは好きだけれど、60枚組BOXはちょっと・・・、という方のために出たのが、この3枚組CDです。

Grateful Dead『The Music Never Stopped』
(輸入3枚組CD RHINO 603497815791)

デッドのライヴ音源を多数所有し『Dick's Pick』としてリリースしていた伝説のアーカイヴァーDick Latvala亡き後、音源を管理しているDave Lemieuxが纏めた未発表ライヴ集。1969年フィルモア・ウエストから、1970年代レッドロックス、1980年代マジソン・スクエア・ガーデン、1990年代まで、様々な年代と場所からファン垂涎の名演が選ばれています。

今日のこの1曲は、「Scarlet Begonias」から「Touch Of Grey」、そして「Fire On The Mountain」へ繋がっていくデッドらしい長尺、1984年7月13日カリフォルニア/グリーク・シアターでのライヴを。

「(嫌なことも色々あるけれど)、なんとかなるさ。俺たちみんな生き残っていこうぜ。」
(「Touch Of Grey」歌詞より)

なお、昨日8月1日はジェリー・ガルシアの誕生日。1週間後の8月9日は彼の命日になります。森陽馬


2025年8月1日(金) 大貫妙子 「4:00 A.M.」(2025 Re-edit Version)

8/2発売開始の<CITY POP ON VINYL 2025>アイテムで当店一番人気はコレです!

大貫妙子『4:00 A.M./じゃじゃ馬娘』
(国内7inch 完全生産限定盤 MHKL-102 2,640円税込)

1978年発表作『ミニヨン』収録曲で、サブスク再生が1億回を越す近年の大人気曲「4:00A.M.」。
夜明け前午前4時に目覚めた時の刹那、夢と現実の狭間に行き交う切ない恋心が描かれた名曲。

坂本龍一が編曲とキーボードを担当し、松木恒秀(ギター)、渡嘉敷祐一(ドラムス)、細野晴臣(ベース)、浜口茂外也(パーカッション)、Jake H Conception(フルート)、伊集加代子、和田夏代子、鈴木宏子、梅垣達志、ヒデ・コウタロウ(コーラス)、更にトランペット&トロンボーン等ホーン8名によるバンドで録音されたナンバーです。

元々は5分36秒ありますが、今回のシングル・カット用に4分43秒に縮めた2025 Re-edit Versionで収録。
アウトロの松木恒秀さんによるギター・ソロが、真ん中あたりをうまくeditして短くなっています。
(違和感はありませんが、松木さんが生きていたら怒りそう・・・?!)
このRe-editはGREAT TRACKSプロデューサーの清瀬茂(元音響ハウス)が手掛けています。

なお、本アナログは名エンジニア、バーニー・グランドマンがカッティングを担当。イイ音していますね。森陽馬


2025年7月31日(木) CINDY 「Fall In Love」

2025年8月2日(土)は、アナログ・レコードのイベント<CITY POP ON VINYL>!
シティ・ポップ系の色々な作品が、アナログ・レコードで発売されます。

大貫妙子『4;00A.M.』初7inch、大貫妙子『SUNSHOWER』(クリアパープルヴァイナル)、CINDY『Angel Touch』、一十三十一『Telepa Telepa』、DE DE MOUSE & 一十三十一『摩天楼Starlight』7inch、一十三十一『YOUR TIME Route #1』、早見優7inch(恋のブギ・ウギ・トレイン英語ヴァージョン収録)、ジャンクフジヤマ、浪速エキスプレス、村松健、鳥山雄司、大村憲司、菊池ひみこ、間宮貴子、池田典代、松下誠、濱田金吾、安川宙志『核分裂』、Ska Jazz Messengers 7inch、DJ NOTOYA(永井博イラストジャケ)。

上記商品が当店に入荷し、8月2日から販売開始となります。
ご予約も可能です。ご希望商品ございましたらお早めにお問合せください。

今日のこの1曲は、CITY POP ON VINYL2025アイテムから、CINDY「Fall In Love」を。

CINDY『Angel Touch』
(国内LP MHJL-436 4,950円税込/国内CDもあり)

1980年代後半に山下達郎のバック・コーラスを務めていた(『JOY』収録楽曲に参加)ことでも知られる女性シンガーのCINDYが、1990年に発表したソロ2ndアルバム『Angel Touch』。

そのB面4曲目に収録されている「Fall In Love」(作詞・作曲:Cindy)は、鳴海寛と山下達郎が編曲を担当。
メロディアスなミディアム・バラードで、山下達郎によるコーラス・アレンジが素晴らしいナンバーです。
なお、山下達郎はギターでも参加しており、らしいギターの音色を随所で聴くことができます。森陽馬


2025年7月30日(水) アン・サリー 「ディズニー・ガールズ」

暑い日が続きますが、そんな時は清涼感のあるサウンドやヴォ-カルを聴きたくなるものですね。
今日はそんな1枚を。

アン・サリー『デイ・ドリーム』
(国内CD BVCR-14008 2,970円税込)

このアルバムが発売されたのは2003年。
店がもっと駅近にあった頃でした。
それ以来ずっと、わがペット・サウンズ・レコードのベスト・セラーです。

プロデュースはゴンザレス鈴木とアン・サリー自身。
アン・サリーのヴォーカルをサポートするミュージシャンは、高田漣、中村善郎、笹子重治、saigenjiなど。
声の個性をうまく活かして、シンプルでありながら、心に沁みる演奏になっています。

今日の1曲は、ビーチ・ボーイズのブルース・ジョンストンが書いて、1971年発表のアルバム『サーフズ・アップ』の中で発表した名曲「ディズニー・ガールズ」のカヴァーです。森勉


2025年7月29日(火) 山下達郎 「プラスティック・ラブ」(LIVE)

フジ・ロック・フェス2025、7月26日(土)19時~20時10分、GREEN STAGEに山下達郎は出演しました。

この日の入場者数は39,000人(主催者発表)。
最も大きなGREEN STAGEには3万人以上が集まっていたと思います。
山下達郎のコンサートとしては、過去最大規模の観客だったと言って良いでしょう。

フジロックを主催しているSMASH取締役社長:佐潟敏博氏のインタビューによると、山下達郎へは10年前からオファーし続けて、今まではスケジュールが合わなかったが、2024年末に調整できそうとの連絡があり、やっと実現できたとのこと。
達郎さん自身もMCで話していたように、デビュー50周年というメモリアルイヤーに出演できたのはよかったですね。
セットリスト含め、当日会場で感じたことなどを以下に記します。

1.「Move On」…新曲からスタート!ダイハツ軽自動車『MOVE』CMソング。歌詞はMove Onのみ。
2.「Sparkle」…イントロのカッティングが鳴った瞬間、地鳴りのような歓声!
3.「甘く危険な香り」
MC…(「デビュー50周年を迎えました」で大歓声)
4.「ドーナツ・ソング」…手拍子レスポンス&「IKO IKO」カヴァーも中間にあり。
MC…(「雨が降り足元が悪くなりましたが、私のせいではありません」)
5.「僕らの夏の夢」…曲途中ブレイクでの、一瞬の静寂がよかった。
MC…(「50年もやっているとこういうところで何をやるか迷って...。オールドスクールなファンク・ミュージックを。)
6.「Silent Screamer」…伊藤広規ベース見せ場。そのまま「Bomber」へ繋がる。
7.「Bomber」…鳥山雄司が前に出てきてのギターソロ&山下達郎カッティング・ギターコーナーあり。
ラストは「Silent Screamer」へ戻る。
8.「プラスティック・ラブ」…竹内まりやがマイクを持って曲途中から登場。歌い始めてからも歓声止まず。
9.「Ride On Time」…竹内まりやはそのままコーラスへ加わる。マイク無し生歌披露はなし。
10.「アトムの子」…曲中に「鉄腕アトム」主題歌(作詞:谷川俊太郎)カヴァー&メンバー紹介あり。
11.「恋のブギ・ウギ・トレイン」…達郎カッティング・ギターコーナーあり。気志團万博時より短め。
MC…(「また呼んでくれれば出たいと思います」で大歓声。「まだ7月でこれから本格的な夏ですが、一足早い夏の終わりの歌で」から、「さよなら夏の日」が始まる)
12.「さよなら夏の日」…ラストMC「みなさんどうもありがとう。よい夏を、よい週末を。」で終了。

<雑記>
・山下達郎ホールツアーの恒例、客入れ音楽Doo Wopはなし。
・出演前のPAチェックの時、伊藤広規さん出てきて観客席をスマホでパチリ。
・当日15~17時に強烈な雨が降ったが、山下達郎開始時にはきれいな夕焼けも見えた。
・ステージ脇の大ビジョンには、達郎のギターカッティングシーンなどが大きく映り、とてもよかった。
・その大ビジョンに、山下達郎を横から映したショットの時、奥にいる竹内まりやさんを発見!
・「また呼んでくれれば出たいと思います」のMCで、周辺の観客から「ホントかー!?」の声多数上がる。
・19時から20時10分、きっちり70分間のステージ。
・終演後の「That's My Desire」はなし。クラッカー鳴らしている人が数名いた。
難波弘之Facebookによると、モニターの音がでかくそれを掻き消すぐらいの歓声でステージ上はカオス状態だったそう。
・しかしながら、野外の大会場を感じさせない素晴らしい音響。各楽器・歌もバランスよくクリアに聴こえました。

通常のホールツアーより時間は短いながら、普段にはない大ビジョンもあり、とても満足度が高いライヴ。
会場に詰めかけた観客は外国人も多く、山下達郎を初めて見た人が多かったと思います。
またいつか、野外フェスでの山下達郎パフォーマンスを観たいですね。

最後に、達郎さんの後に行われた、vulfpeckによる多幸感溢れるライヴも素晴らしかったです。
(コリー・ウォンのカッティング・ギターかっこよかった!) 森陽馬

★掲載ジャケットは、山下達郎が歌う「プラスティック・ラブ」収録の1989年発表ライヴ・アルバム『JOY』。
(2枚組CD WPCV-10024 5,016円税込)


2025年7月28日(月) THE PANTURAS 「Lasut Nyanggut」

フジ・ロック・フェス2025、2日目の7月26日(土)へ行ってきました。

1日券&3日通し券が売り切れた2日目は、フジロックらしい楽しい1日でしたね。
灼熱の陽射し&暑さが続いた昼から一転、15時頃突然の強雨が約2時間降って足元はドロドロ。
でも、ジェイムス・ブレイクが終わる頃には止んで、山下達郎が始まる前には美しい夕焼けも見えました。
夜は涼しくて気持ちよかったです。
(でも、フードエリアがあるオアシス&入口手前は夜中も大混雑)

ちなみに、僕が見たアーティストは以下でした。
・mei ehara…(ギタリストはトリプルファイヤー鳥居真道。ヘブン暑い)
・THE PANTURAS…(インドネシアのロック・バンド、かっこいい!ヘブン暑すぎ)
・南部式…(九州南部発、新民謡ユニット。ヘブン奥の新しいステージORANGE ECHOにて)
<南部式が「おっぱい」を連呼する変な歌を披露した後、どしゃぶりに>
・すずめのティアーズ…(ステージ前はドロドロ水たまり状態。2声ハーモニーで心洗われる)
・JAMES BLAKE…(雨やっと止んできた。達郎さん待ち含めグリーン周辺人多い)
・山下達郎…(「Sparkle」が始まった時&竹内まりやが出てきた時の歓声が凄かった)
・vulfpeck…(ヴルフペック初来日!多幸感溢れるライヴ。終演後はHAPPYな気分に)
・賽…(たき火でまったりな雰囲気のピラミッド・ガーデンにて。夜中1時頃YONCE参加)

今日のこの1曲は、暑いヘブンで見たザ・パントゥラスの新作から熱いナンバー「Lasut Nyanggut」。
サーフ・ロックとアフロが合体したような楽曲に、タランペットという吹奏楽器の独特な音色が魔術的♪
インドネシア人観衆たちが、とても楽しそうに歌い踊っていましたね。
まさに、フィールド・オブ・ヘブンな瞬間でした。森陽馬

★THE PANTURAS『GALURA TROPIKALIA』
(国内仕様CD 日本語解説付 UNCD-90 2,860円税込)


2025年7月27日(日) Paul Weller 「El Dorado」

ポール・ウェラー新作カヴァー・アルバム『ファインド・エル・ドラド』が発売になりました。

ポール・ウェラー『ファインド・エル・ドラド』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-18761 2.970円税込 / 輸入LPもあり)

前作『66』から約1年ぶり、近年変わらずのハイペースで新作を届けてくれています。
今回は全編カヴァー。
ボビー・チャールズ、ビー・ジーズ、キンクスほか全体的に少しマニアックな選曲ですが、ほぼほぼ歌に専念しているウェラーの味わい深い声、スティーヴ・クラドック(オーシャン・カラー・シーン)の誠実なアレンジ、ロバート・プラント、デクラン・オルークら素敵な客演も相まって、とっても良い作品に仕上がっています。

2025年7月4日の今日の1曲でご紹介した先行シングル「Lawdy Rolla」、「Pinball」をはじめ、70年代の楽曲が中心です。
フェリックス・パパラルディと妻ゲイル・コリンズ作、つがいの白鳥に起きた哀しい物語をトラッドなアレンジで歌った「One Last Cold Kiss」、フライング・ブリトー・ブラザーズver.が元となった「White Line Fever」には、クリス・ヒルマン(バーズ、フライング・ブリトー~のメンバーとは同名異人)がスティール・ギターで参加.。ウェラー作品には新鮮な音色を響かせています。

本作のタイトルともなった「El Dorado」は、2019年に逝去したロンドンデリーのSSWイーモン・フリールの楽曲。
1980年代初頭の『THE BEST MAN』というTVドラマのために書かれた曲だそうですが、素朴なメロディと詩が素晴らしいです。

ノエル・ギャラガーとクラドックのアコースティック・ギターによる美しいアンサンブル、そよ風のようなホイッスル、穏やかな歌声が沁み入ります。年を重ねた現在のポール・ウェラーだからこそ、歌える、表現出来る歌なのだなと感じました。東尾沙紀


2025年7月26日(土) 山下達郎 「POCKET MUSIC」

月イチのお楽しみ♪
山下達郎ムーン・レコード時代のアナログ再発、7月は『ポケット・ミュージック』です。

1986年発表。レコーディング・システムの変化によって生じた多くの問題を乗り越えての傑作アルバム。
全10曲、どの曲も楽曲の完成度が高く、アレンジも山下達郎ならではのテイストが随所に見え隠れしています。

シングル・ヒット「土曜日の恋人」、「風の回廊(コリドー)」、メッセージ・ソング「THE WAR SONG」、バラードの隠れた名曲「LADY BLUE」、軽快かつタイトなリズムに心踊る「MERMAID」、「メロディー、君の為に」などなどを2025年最新リマスター&カッティング、さらに180g重量盤で聴ける幸せを味わいたいと思います。

今日の1曲は、何度聴いてもイントロのアコースティック・ギターの音に、いい意味で耳がピクピクしてしまう「ポケット・ミュージック」を。
コーラス参加の村田和人さんの声もお聴き逃しなく。森勉

★山下達郎『POCKET MUSIC』
(国内アナログLP WPJL-10260 4,400円税込/カセットテープ WPTL-10009 3,410円税込)


2025年7月25日(金) PIPER 「Summer Breeze」

村田和人バンドのメンバー/ギタリストとしてもお馴染みの山本圭右さんを中心としたユニット、PIPER。

過去のバンドでしょ?と思っている方は大間違い!
現在のPIPER(パイパー)は、中国/海外で大人気なのです。

2024年11月に中国5都市を廻るツアーが実現。
2025年7月中旬にも、北京と上海のブルーノート公演含め、中国ツアーが大成功とのこと。
中国公演の観客はほとんどが若年層だそうで、アジアでのシティ・ポップ・ブームを実感しますね。

そのブームに便乗してか、PIPERの楽曲8曲を収めた新編集のアナログLPが本日発売になりました。

PIPER『THROUGH THE PAST AWAY』
(国内LP FWRF-024 4,400円税込)

収録曲は、「Summer Breeze」、「Angel Smile」、「Trade Wind」、「Starlight Ballet」、「Breezing」、「Shine On」、「Sunshine kiz」、「Gentle Shower」の8曲。
中でも、「Summer Breeze」はSpotifyでの再生回数も約50万回とダントツの人気曲!
イントロの清涼感あるカッティング・ギターが、厳しい暑さを爽やかな想い出に転換してくれそうです。森陽馬



2025年7月24日(木) 井山大今 「Speech Balloon」(大滝詠一カヴァー)

井山大今(いのやまだいこん)と聞いて、新人ミュージシャンかな?と思った方は大間違い!

・井上鑑(キーボード)
・山木秀夫(ドラムス)
・高水"大仏"健司(ベース)
・今剛(ギター)
日本音楽界のレジェンド4名が組んだバンドなのです。
(2025年9月19&20日
松本隆作詞活動55周年コンサートのバック・バンドもこのメンバーですね。)

その井山大今が2011年と2014年に発表した作品から、7曲を厳選し纏めたアナログLPが本日入荷しました。

井山大今『井山大今』
(国内LP 完全限定盤 FWRFKK-002 4,400円税込)

今日のこの1曲は、本作のB面ラストに入っている大滝詠一「スピーチ・バルーン」のカヴァーを。
2014年発表CD『井山大今Ⅱ』に収録されていましたが、現在は入手困難になっていました。
今回が初アナログ化。熟練の技とリスペクトが合わさったインスト・カヴァーです。森陽馬

★神保町New Galleryでの
大滝詠一特別企画展は、好評につき8月17日まで会期延長となりました。


2025年7月23日(水) 空中カメラ 「少年ブルー」(RHION Remix)

世界一のドーナツ盤愛に溢れたレーベル、雷音レコードの10周年記念イベント<RHION FEST>(雷音フェス)が、2025年9月13日新代田FEVERで開催決定いたしました。


出演は、前野健太withおとぎ話、℃-want you!&ミートザホープス、空中カメラ、マイティマウンテンズ、モーニングコールズ。更にFEVER隣のギャラリーPOOTLEにて、『RHION POP UP STORE』と『雷音レコード・ジャケット原画展』が9/11~23に同時開催! 10周年記念グッズも販売するそうです。楽しみですね。

その雷音フェスにも出演する空中カメラと、マイティマウンテンズの7インチ・レコードが本日発売されました。
・空中カメラ『嘘つきなBaby/少年ブルー(RHION Remix)』 (国内7inch RHION-40 1,760円)
・マイティマウンテンズ『ギャラクシー・ハートブレイカー・ブルース/エンプティ・ガン』(7inch RHION-39 1,760円)

今日のこの1曲は、空中カメラ6年ぶり新曲のB面「少年ブルー」(RHION Remix)を。
横浜・逗子在住の4人組バンド、空中カメラの代表曲「少年ブルー」を武藤星児がRemixしたナンバーです。
本秀康さんフェイヴァリットなELO的アレンジが超絶ポップで最高♪

なお、本作には「少年ブルー」をイメージした本秀康さんの漫画が掲載されている小冊子付!
ほっこりすると同時に何とも切ない漫画の物語が、楽曲に彩りを与えています。森陽馬


2025年7月22日(火) Neil Young & The Chrome Hearts 「Bottle Of Love」

本日2025年7月22日は、一年で最も暑さが厳しい節気<大暑>です。
暦通りの猛暑でしたね。

その大暑の日に、ニール・ヤングの2025年新作国内盤CDが入荷しました。

ニール・ヤング&ザ・クローム・ハーツ『Talkin To The Trees』
(国内SHM-CD仕様 大鷹俊一氏による解説・歌詞・対訳付 WPCR-18760 2,970円税込)

プロミス・オブ・ザ・リアルの面々+老雄スプーナー・オールダムによるバンドTHE CHROME HEARTSを従え、ルー・アドラーとの共同プロデュース、リック・ルービン所有シャングリラ・スタジオ録音で制作されたオリジナル・アルバムです。

1曲目「Family Life」が不安定な歌声(昔からだけれど)で、コレ大丈夫?という始まりではありますが、エレクトリックな②「Dark Mirage」、⑤「Lets Roll Again」、⑥「Big Change」、⑧「Movin Ahead」と、それ以外のアコースティックな曲がほど良く融合していて、ニールらしさが堪能できる1枚♪

特筆すべきは、9曲目「Bottle Of Love」!

♪君の涙はまとめて 愛のボトルに詰めておいたよ♪
「Will To Love」と「Distant Camera」を合わせたような、美しくて切ない名曲です。森陽馬



2025年7月21日(月) The Pranks 「What's The Point」

フック、ハーモニー、ハイ・エナジー&グッド・メロディー♪
有名どころからレアものまで、80年代アメリカン・パワー・ポップをCD3枚にたっぷり詰め込んだコンピレーションが発売になりました。

V.A.『I Wanna Be A Teen Again - North American Power Pop Of The 80's』
(輸入CD Cherry Red Records CRCD3BOX196)

ジャケットに登場しているルビナーズ、ブームの一端を担ったザ・ナックをはじめ、チープ・トリック、ゴーゴーズ、NRBQ、スミザリーンズ、ラモーンズ、バングルス、dB's、ユートピア、ニッキー&ザ・コルヴェッツ、シューズ、20/20、ポール・コリンズ・ビート、マーシャル・クレンショウ、レッド・クロス、スポンジトーンズ、ヴェルヴェット・クラッシュ、ドワイト・トゥイリー、フィル・セイモア他、
1980~89年に発表/録音された全78曲を収録!

初期
コステロっぽいScreen Test「Nothing Really Matters When You're Young」、録音物たった4曲...その内の1曲が今回初リリースとなるThe Everythingers「Saccharine」(音質は悪いですがキャッチーで良い曲です)、トッド・ラングレン・プロデュースThe Pursuit Of Happinessのポップな良曲「She's So Young」など、さらに深堀りしてみたいアーティストにも出会えました。

本日は、ビーチ・ボーイズのバンドで長年活躍したジェフリー・フォスケット&ランデル・カーシが組んでいたバンド、The Pranksの貴重な音源「What's The Point」を今日の1曲に。
ジェフリー作による親しみやすいメロディの曲です。初出は2007年ブートレグ盤だそうで、今回初の公式リリースというかたちで収録されています。

本コンピを監修したDave Longさんによるライナーノーツ、各曲のジャケットや解説を掲載したオール・カラーの32Pブックレットも付いています。東尾沙紀


2025年7月20日(日) ヴェルヴェッツ 「愛しのラナ」

東京・神保町で開催されている<大滝詠一特別企画展~Eiichi Ohtaki's NIAGARA 50th Odyssey>の会場へ先日行ってきました。

今回のコンセプトは、“もしも今、東京・神保町に「ナイアガラ・レコード」の事務所があったら・・・”。
コンサートで使用したギター、大好きだった映画のDVD/テープのコレクション、自宅のレコード/CD棚の写真、2016年発表『DEBUT AGAIN』のジャケットを再現したオフィスの机などが、入場無料の会場で見ることができます。写真撮影もOKとのことです。

オールディーズ・ファンや大滝さんのラジオD.J.番組『GO! GO! NIAGARA』を聴いていた方々は、大滝さん愛用のジュークボックスに目がいくのではないでしょうか。その重量感のある勇姿はかなりの存在感でした。

ということで、今日は2014年に発売されたこのCDから。
『大瀧詠一のジュークボックス~ユニヴァーサル・ミュージック編』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICZ-1585 2,200円税込)

全30曲収録。この中からヴェルヴェッツ「愛しのラナ」を。
考えてみると、1963年僕が初めて耳にしたドゥーワップ・テイストの曲でした。森勉


2025年7月19日(土) Jimmy Webb 「Saturday Suit」

さびしい時、かなしい時、疲れている時、やさしさに触れたい時、物思いに耽りたい時、etc...。
アート・ガーファンクル『WATERMARK』は、僕の心をやさしく包んでくれる大事な1枚です。

『WATERMARK』収録楽曲のほとんどは、ジミー・ウェッブが作詞・作曲を手掛けていました。
僕にとってはかけがえのないソングライターであるジミー・ウェッブ。
その彼が1970年代Repriseレーベルに残したソロ作品を纏めた7CD BOXが発売されました。

JIMMY WEBB『A Life In Words And Music』
(輸入7CD QCRCD7BOX198 9,900円+税)

『WORDS AND MUSIC』(1970)、『AND SO : ON』(1971)、『LETTERS』(1972)、『LAND'S END』(1974)、『EL MIRAGE』(1977)のオリジナル・アルバム5枚に、『OUT TAKES AND DEMOS』と『LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL』のディスクを加えた7枚組CD BOX。アウト・テイク集とライヴは、2004年にライノ・ハンドメイドで出たBOXセットに入っていましたが、長い間入手困難な状況でしたので、うれしい再発ですね。

今日のこの1曲は、『OUT TAKES AND DEMOS』に収録されている「Saturday Suit」。
アート・ガーファンクルが歌っていることで馴染みがある「Saturday Suit」(『WATERMARK』(1977)A面5曲目に収録)を、ジミー・ウェッブ本人がピアノの弾き語りで歌っているヴァージョンです。

元々は、ジョニー・クロフォード主演1973年公開映画『The Naked Ape』用にジミー・ウェッブが書き下ろした楽曲で、そのサントラ盤へ収録される前に、ママス&パパスのキャス・エリオットが3rdアルバム『The Road Is No Place For A Lady』(1972)で取り上げたのが初出。

なお、アート「Shine It On Me」の元曲「You Might As Well Smile」(グレン・キャンベル1974年作『Reunion』)もこの『OUT TAKES AND DEMOS』で聴くことができます。森陽馬


2025年7月18日(金) Sly & The Family Stone 「Family Affair」(QUESTLOVE RHYTHM KING EDIT)

書籍『レコード・コレクターズ増刊 ザ・ビーチ・ボーイズ・アンソロジー』(2,860円税込)と、『ミュージック・マガジン2025年8月号スライ・ストーン追悼特集』(930円税込)が本日入荷しました。
 

『ビーチ・ボーイズ・アンソロジー』は、レココレのビーチ・ボーイズ関連過去記事がほぼ掲載されています。
『ミュージック・マガジン スライ追悼特集』は、田島貴男インタビューや佐野元春、スガシカオ他著名人が選ぶスライの3曲等々、読み応えがある内容。スライの影響力を改めて感じました。

さて、スライ関連では、映画『サマー・オブ・ソウル』を手掛けたクエストラヴ監督による新しい映像作品『SLY LIVES!』のサウンドトラック盤が、CDとアナログLPで発売中です。
・『SLY LIVES!』(輸入CD EPIC/Legacy 19802886182/輸入LPもあり)

スライの有名曲・人気曲、1分弱の短いインタールード含め全21トラック収録。
未発表テイク&ミックス、MONOシングル音源や珍しいヴァージョンなども色々入っています。
どんな映像に合わせて使われている楽曲なのか、想像しながらでも楽しめるスライ編集盤の1枚。

今日のこの1曲は、クエストラヴ自らが手を加えた「Family Affair」(QUESTLOVE RHYTHM KING EDIT)。
リズムマシンの"RHYTHM KING"の音を前面に押し出したミックスの「Family Affair」になっていて、オリジナルよりも長い約4分半によるCLUB REMIXのようなヴァージョンが新鮮に響きました。

ちなみに、この映画『SLY LIVES』、海外ではディズニーチャンネル等で公開されていますが日本では未公開。
『サマー・オブ・ソウル』のように、劇場公開されるといいですね。森陽馬


2025年7月17日(木) Patti Smith 「Rock N Roll Nigger」

フジロックフェスティバル'25の開催が1週間後に迫ってきました。
僕は7月26日(土)に行く予定です。
山下達郎→VULFPECK(初来日!)がとても楽しみですね。

僕が今までに見に行ったフジロックで印象に残っているベスト5を挙げてみましょう。
・1位ニール・ヤング(2001)
21時半から始まり23時終了の予定が、24時過ぎまで続けられた伝説のライヴ!

・2位パティ・スミス(2001)
ニール・ヤングと同じ日の昼、これも凄かった!

・3位ザ・クロマニヨンズ(2006)
1st出す前、20分強のステージながら大熱狂。最後に笑顔のヒロトがお尻をペロリと出したのも良い思い出。

・4位フィル・レッシュ(2014)
グレイトフル・デッドの精神が宿ったフィールド・オブ・ヘヴンで。

・5位ビーチ・ボーイズ(2005)
苗場で聴いたビーチ・ボーイズ・ソング♪ 楽しかったなぁ。

今年78歳を迎え、5月には来日して元気な姿を見せてくれたパティ・スミス。
2001年フジロック、ラストに披露された「ロックンロール・ニガー」での興奮・感動は今でも憶えています。森陽馬


★掲載ジャケットは、パティ・スミス「Rock N Roll Nigger」収録の1978年発表3rdアルバム『EASTER』。
(国内CD SICP-30093 1,980円税込)


2025年7月16日(水) Tony O'Malley 「Heartache」

ブリティッシュ・ソウル・バンド、ココモの創設メンバー、それ以前に活動していたアライヴァルなど知られる、英国のヴォーカリスト/鍵盤奏者、トニー・オマリー。
ブルー・アイド・ソウル、パブ・ロック好きな方にもオススメしたいソロ最新作が発表されました。

トニー・オマリー『ナゲンナ』
(国内CD 解説・歌詞付 ボーナス・トラック1曲追加 PCD-26145 2,860円税込)

ココモとしての活動も不定期に続けながら、ソロとしてもキャリアを重ね、ライヴ作品やベストなども含めて10枚以上のリリースがあるそうですが、日本盤が発売されたのは本作が初めてとのこと。
今まで知らなかったのが勿体無かったなと思えるくらい、御年77歳の色気を感じさせる、ざらついた歌声にノックアウトされてしまいました。(7月15日がお誕生日)

ビル・ウィザース「Use Me」、親交のあるグレアム・グールドマン&アンドリュー・ゴールドのユニットWAXの「Same Boat Now」、ボブ・ディラン「Everything Is Broken」、彼が敬愛するビリー・プレストン作/ジョー・コッカーのヴァージョンで有名な「You Are So Beautiful」(ライヴ)のカヴァーを挟み、、味わい深い歌と演奏を聴かせてくれます。

ココモのギタリスト、ニール・ハバードが印象的なソロを披露する「Heartache」を今日の1曲に。
ホーン・セクションを交え、孤独な男の胸の内を歌った苦みのあるソウル・バラードです。東尾沙紀


2025年7月15日(火) The Wandering Hearts 「Woodstock」

CSN&Yの名盤『デジャ・ヴ』を全曲カヴァーしているアルバムが出ました。

The Wandering Hearts『Deja vu (We have all been here before)』
(輸入CD Chrysalis BRC351CD)

The Wandering Heartsは、ロンドン発の女性2人&男性1人による3人組(Tara Wilcox、Chess Whitffin、A.J.Dean)、アメリカン・ロック/フォーク・ポップスをルーツにしているユニット。

デヴィッド・クロスビー、スティーヴン・スティルス、グラハム・ナッシュ、そしてニール・ヤングのスーパー・グループが、1970年(今から55年前!)に発表したアメリカン・ロックの大名盤『デジャ・ヴ』を曲順通りにカヴァーしています。

サウンド・アレンジはオリジナルの良さを忠実に再現し、ジャケットのデザイン&文字もオマージュですね。
ヴォーカルは女性シンガーがリードをとって歌っているものが多いのですが、今日のこの1曲は、スティルス似の男性ヴォーカルがグッとくる「Woodstock」を。

ちなみに、本作のCDは音圧が低い状態で入っています。
他CDよりも音量を上げてお楽しみください。森陽馬



2025年7月14日(月) KOKOROKO 「Sweetie」

東京は、豪雨が降ったかと思いきやあっという間に晴れ渡りました。
カンカン照りの暑さだけでなく、今日のような1日こそ、「夏が来た」と実感しますね。

そんな陽気の昼間~夕方に、ゆったりまったりと聴いていたい1枚。

KOKOROKO『Tuff Times Never Last』
(輸入CD Brownswood BWOD1803272/輸入LPもあり)

KOKOROKO(ココロコ)は、アフリカ系のルーツを持つロンドン在住トランペット奏者Sheila Maurice-Greyを中心としたジャズ・ユニット。本作は2022年発表1stフルアルバム『Could We Be More』(
2022年8月14日今日のこの1曲で紹介)以来となる2ndアルバムです。

前作に続き、ジャイルズ・ピーターソン主宰レーベルBrownswoodからのリリース。
ミディアム~スロウなテンポながら、身体も心もじわりと揺らして、心地良いグルーヴを感じさせてくれます。

今日のこの1曲は、メロウなアフロビートにネオソウルが融合した極上ナンバー「Sweetie」♪ 森陽馬


2025年7月13日(日) The Young Ideas 「Melody」

昨日はティーンズヴィル・レーベルから新しく発売になったブリティッシュ・ビートのコンピを紹介しましたが、今日はアメリカものです。

1960年代アメリカ東海岸北部のロング・アイランドにあったレコーディング・スタジオ<AUDIO RECORDING>で録音された楽曲を集めたもの。多くはアセテート盤からの復刻です。

『ハウ・イズ・イット・ポッシブル? ~「オーディオ・レコーディング社」に眠っていた60's秘蔵音源集』
(国内仕様CD 日本語解説付 TV1068CDJ 2,750円税込)

1960年代音楽のコレクター、ジャスティン・シポリーニさんのコレクションと超マニアックなレーベル、ティーンズヴィルの関係者がひょんなことから出逢い、このCDが企画されました。凄いことです。

多くの人たちに自分の作った音楽を聴いてもらいたいという願いから、「オーディオ・レコーディング社」に音を残した歌手やグループの息吹が伝わってきます。
別テイクも含めて全28曲、約73分収録。これもミドル60'sの貴重な記録ですね。

今日の1曲は、9曲目に入っているカルズ・キッズと名乗っていた時のヤング・アイディアス「メロディー」を。森勉


2025年7月12日(土) The Chuckles 「All That I Can Say」

マニアックな選曲でオールディーズ・ファンに評判のティーンズヴィル・レーベルから、新たに2種類のコンピCDが発売されました。

ディスク・ユニオンが日本語解説&帯付で出してくれたので、今日はそれを紹介したいと思います。
まずは、60'sブリティッシュ・ビートものから。

『プリーズ・セイ・サムシング・ナイス ~お行儀のよい60'sブリティッシュ・ビート&ポップス 1963-1968』
(国内仕様CD 日本語解説付 全34曲収録 TV1069CDJ 2,750円税込)

相変わらず日本では全く無名のグループや個人名が並んでいますが、曲は聴きやすいものばかりです。
今回の選曲は、タイトルでもわかるように、明朗でポップな楽曲を集めたもの。
サーチャーズ、ホリーズ、ハニーカムズ、ジェリー&ベイスメーカーズ、ピーター&ゴードン、アイヴィー・リーグ、ロッキンベリーズなど、きれいなメロディーがお好きな方には、確実に気に入ってもらえる曲が並んでします。

グレアム・グールドマン在籍のモッキンバーズ、作曲家コンビのカーター&ルイスが関わっていたと言われるドーチェスターズ、ミッキーモストがプロデュースを担当したチェロキーズ、キング&ゴフィン楽曲をうまくカヴァーしたケニー・リンチなどなど、知らなかったけれどイイ曲満載。
今日の1曲は、12曲目に入っているチャックルズを。すてきなバラードです。森勉


2025年7月11日(金) Durand Jones & The Indications 「Flower Moon」

東京は久々に最高気温30度を下回り、気持ち良い風が吹くすごしやすい1日でした。
今日(7月)の満月は「バック・ムーン」。
あいにくの曇り空でお月さまは拝めませんでしたが、本日はロマンティックで甘い<月>の歌を。

ドラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズ『フラワーズ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック2曲追加 2,750円税込)

2010年代から活動しているアメリカのソウル・グループ、ドラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズ。
ドラン・ジョーンズ(vo)、アーロン・フレイザー(vo/drs)それぞれのソロ・アルバムをはさみ、約4年ぶりの新作がリリースされました。

70年代ヴォーカル・グループのような心地良いハーモニー、甘くとろけそうな大人の愛の歌を、これまでで最も洗練、成熟したサウンドで聴かせる現代版スウィート・ソウル・アルバム。


本日は、多くの花が咲き誇る情景にちなんで名付けられた5月の満月<フラワー・ムーン>を、これからの関係がさらに花開いていく恋人達になぞらえた⑤「フラワー・ムーン」を今日の1曲に。

アーロン・フレイザーの滑らかなファルセット、ブレイク・ライン(g)の柔らかなタッチのギター...羽根のように軽やかで美しい1曲です。東尾沙紀


2025年7月10日(木) Niagara Fall of Sound Orchestral 「幸せな結末」

今夏は7/12、13<ナイアガラ盆踊り>の他にも、大滝詠一関連の企画・イベントが色々予定されています。

まず、7/11から8/3まで神保町New Galleryにて、ナイアガラ・レコードの50周年を記念した
大滝詠一特別企画展『Eiichi Ohtaki's NIAGARA 50th Odyssey』が開催!
「もしも今、東京・神保町にナイアガラ・レコードの事務所があったら」というコンセプトで、貴重な資料やアイテムが展示され、会場限定のグッズ(Tシャツ、長袖シャツ、トートバック、ハンカチ、ステッカー、ポストカード、アクスタ等々)も販売されます。入場無料で月曜休廊。8/3までに一度は立ち寄りたいですね。

7/12(土)は、LINE CUBE Shibuya(元:渋谷公会堂)にて、ナイアガラ・レコード50周年記念ライヴ。
7/13(日)は、渋谷区さくらホールにて鈴木茂コンサート『鈴木茂、大滝詠一を唄うVol.9』があります。
更に、大滝詠一が1976年に『Niagara Triangle Vol.1』のプロモーションの一環として福生45スタジオで行った幻のスタジオ・ライヴ映像
『Fussa 45 Studio Live 1976』が、御茶ノ水RITTOO BASEにて5.1ch上映会として7~8月に公開されます。(早々に予約で埋まってしまったので、また追加上映が行われるといいですね。)

リリース関連は、2025年7月6日今日のこの1曲で紹介した8cmCDシングル『NIAGARA 50th Odyssey RemixEP』の他に、『NIAGARA SONG BOOK3』アナログLPと、画業50周年を迎えたわたせせいぞう氏によるイラスト・ブック『NIAGARA SONG BOOK3』が発売されました。

・Niagara Fall of Sound Orchestral『NIAGARA SONG BOOK3』
(国内LP 完全限定盤 クリアヴァイナル仕様 SRJL-1180 5,500円税込)

井上鑑によるストリングス/オーケストラ・アレンジが流麗で美しいナイアガラ・インスト集第3弾『NIAGARA SONG BOOK3』は、アナログ・レコードで聴くと、ノスタルジックな気分になってより深みが感じられますね。
心落ち着かせたい時に、ターンテーブルに乗せて聴きたい1枚です。森陽馬


2025年7月9日(水) 野宮真貴 「東京は夜の七時 -盆踊りVersion-」

今週末2025年7月12日、13日に、<ナイアガラ盆踊り>が代々木公園イベント広場で行われます。

<ナイアガラ盆踊り>は、J-WAVEのイベントINSPIRE TOKYO2025に合わせて行われる盆踊り祭。
特設やぐらの周辺で大滝詠一が作った数々の音頭が流れ、花柳糸之社中と共に盆踊りが楽しめます。

ナイアガラ・レーベル50周年ということもあり、今年のナイアガラ盆踊りは盛り上がりそうですね。
第1部が18時15分から、第2部は19時半から開催。無料で参加できます。
12日&13日は野宮真貴さん、13日のみ横山剣さんも出演決定!
Tシャツや手ぬぐい等の新グッズ販売もあり。お時間ある方は立ち寄ってみてください。

さて、今年で3回目となるナイアガラ盆踊りですが、過去2回でも披露された野宮真貴さんによる「東京は夜の七時 盆踊りVersion」が、7インチ・アナログ盤で限定発売されました。

野宮真貴『東京は夜の七時 盆踊りVersion/スウィート・ソウル・レビュー 盆踊りVersion』
(国内7インチ・レコード 完全限定盤 JS7S470 2,750円)

Pizzicato Fiveでお馴染みのナンバー「東京は夜の七時」と「スウィート・ソウル・レビュー」を盆踊りアレンジにした、まさに<渋谷系音頭>ヴァージョン♪ 日本の夏/納涼としてかけたい和物DJ必須の1枚です。森陽馬


2025年7月8日(火) 大貫妙子 「CARNAVAL」

Fuji Rock Festival '24(2024年7月26日)での大貫妙子さんのエピソード。
ライヴが始まると、大貫妙子さんの周辺に一匹のトンボが現れ、マイクスタンドに留まりました。
その後も、彼女の指へ移ったりしながらステージ上に居続け、最後の曲が終わると、青い空へ飛び立ったそうです。

その日に披露したセットリストは、坂本龍一が編曲で関わった楽曲中心でした。
あのトンボは坂本龍一が来てくれたんだ、と大貫さん自身も話していましたね。

さて、そのフジロック'24の約2週間前に、EXシアター六本木で行われた大貫妙子さんのライヴ音源がCDと2枚組アナログLPで発売されました。

大貫妙子『ピーターと仲間たち』
(CD COCB-54382 3,500円/2LP 完全限定盤 COJA-9548 6,600円)
(CDとLPで違うジャケットで、掲載したのは2LPの方)

1980年代坂本龍一がプロデュースしていた楽曲のオリジナルマルチトラックからのサウンドや、シークェンサー、シンセサイザーを使用した楽曲を中心に披露するコンセプトのコンサート『ピーターと仲間たち』。
フェビアン・レザ・パネ、鈴木正人、坂田学、toshi808、伏見蛍、網守将平によるバック演奏が素晴らしい!

今日のこの1曲は、曲中後半にメンバー紹介でソロを廻していく展開がかっこいい「CARNAVAL」。
坂本龍一の魂が乗り移ったような網守将平によるキーボード・プレイは聴きものです。森陽馬


2025年7月7日(月) 石川ひとみ 「まちぶせ」

ユーミンが他の歌手へ提供した楽曲はいろいろありますが、一番好きな曲は・・・なんだろう?

と考えて、最初に頭に浮かんでくるのは「まちぶせ」でした。

1976年にデビュー・シングルとして三木聖子が発売したヴァージョンがオリジナルという事になります。
作詞・作曲:荒井由実、編曲は松任谷正隆。

今日紹介するのは、それを1981年にカヴァーした石川ひとみのヴァージョン。
こちらも編曲は松任谷正隆です。
三木聖子ヴァージョンを踏襲していますが見事なアレンジで、ラストの美しいストリングスは、ひとみちゃんの歌と共に聴きものです。

石川ひとみ『Myこれ!石川ひとみ』
(国内CD PCCS-50006 1,731円税込)

最後に一口メモを。
三木聖子と石川ひとみのヴァージョンの聴きわけ方ですが、イントロ1秒で違いがわかるようになっています。
三木聖子の方は最初ヴィブラステップの音から始まりますが、石川ひとみの方はドラムスのタムの音で始まります。
イントロ・クイズの時、お気を付けください。森勉


2025年7月6日(日) 大滝詠一 「カナリア諸島にて (B-EACH TIME L-ONG Version)」[原口沙輔Rework]

7月7日は<短冊CDの日2025>!
好評だった2023年、2024年に続き、2025年で3回目。
8cmシングルCDの新譜が七夕の7月7日に色々発売されます。

<短冊CDの日>は「シングルCD文化の継承と発展」を目的に、1990年代に流行した短冊CDの縦長パッケージを通じて、令和の世の中で活動するアーティストの音楽とCDショップを盛り上げていこう、というイベントです。
CDショップへ足を運び、こんなCDが出ているんだな、と商品を手に取っていただけるとうれしいですね。

今年の目玉は、この1枚でしょう!

・『EIICHI OHTAKI's NIAGARA 50th Odyssey Remix EP』
(国内8cmCD 完全限定盤 SRDL-4770 2,200円税込)

本作は、大滝詠一/ナイアガラ・レコード50周年を記念したリミックス企画の1枚。
コーネリアス、千葉大樹(from Kroi)、Night Tempo、原口沙輔、Mega Shinnosuke、スチャダラパーが、大滝詠一作の名曲に自らの個性を散りばめ、新たな風を感じさせる楽曲に仕上げています。

今日のこの1曲は、4曲目「カナリア諸島にて (B-EACH TIME L-ONG Version)」[原口沙輔Rework]を。

本作のジャケットをコーラジュアーティストのデザイナー河村康輔が手掛けているのと同様に、大滝詠一本人の様々な声や歌をコラージュした原口沙輔によるリミックスはとても斬新! めくるめく予期せぬ展開で、まさに令和のナイアガラを楽しめるリミックスです。森陽馬


2025年7月5日(土) コシミハル 「Falling」

2025年7月4日四谷区民ホールで行われたコシミハルさんのコンサートへ行ってきました。

年に1度のコシミハルさんによる"マダム・クルーナー"公演も今年で12回目。
『Madame Crooner 12 "Germination"』と題され、シャルル・トレネやイヴ・モンタンのシャンソンカヴァーや自身の楽曲に加えて、デヴィッド・リンチへのオマージュ・コーナーもありました。

『ツインピークス』から「Laura Palmer's Theme」、「Into The Night」、「Falling」、そして「Blue Velvet」のカヴァー等も披露。“ブラック・ロッジ”(赤いカーテン&床の模様)を想起させる照明・演出は幻想的かつ魅惑的なステージでしたね。
フェビアン・レザ・パネ、渡辺等、今堀恒雄、則武諒によるバック演奏も素晴らしかったです。

そしてなにより、コシミハルさんの音楽への愛とひたむきさがひしひしと伝わってきました。
近年習い始めたタップダンスや、亡き母への想いを語ったMCと歌に感動しました。

「(コンサートの日を迎えると)、今日という日は今日しかない、ということに気付かされる」
公演終盤に彼女が話したこの言葉が、とても印象に残った一夜でした。森陽馬



2025年7月4日(金) Paul Weller 「Pinball」

ポール・ウェラーの最新作カヴァー・アルバム『ファインド・エル・ドラド』は、国内盤が輸入盤と同じく7月25日発売予定になっています。

全編カヴァーは2004年発表作『スタジオ150』以来約21年ぶり。
プロデュースやアレンジは、ウェラー・バンドに欠かせない存在スティーヴ・クラドック(オーシャン・カラー・シーン)が手掛けています。
選曲はあまり馴染みのないものが多いのですが、どんな良い曲に出会えるかとても楽しみにしています。

その新作に先駆けて、2曲のリード・トラックを収録した限定7インチ・シングルが入荷しました。
Paul Weller『Lawdy Rolla/Pinball』
(輸入7inch 2173273991)

「Lawdy Rolla」のオリジナルは、フランスのThe Guerrillasというグループの1969年楽曲。
”アフリカのチャーリー・パーカー”とも称されるロンドン拠点のサックス奏者kevin Haynesをフィーチャーしています。

B面「Pinball」は、現在も現役で活動している英国の俳優/ミュージシャンBrian Protheroeによる1974年唯一のヒット。
メロディも展開も滋味ながら韻を踏むことば遊び的な歌詞が耳に残る1曲。
ポール・ウェラーが16歳頃のヒット・ナンバー、思い出の中にある曲なのかもしれませんね。

どちらの曲もクラドックがギター、ドラム、パーカッション、ベース、オルガンなど演奏面でも大活躍しています。東尾沙紀



2025年7月3日(木) 細野晴臣 「熱帯夜」

<「熱帯夜」はザ・バンドの影響があるんだよ。>
(2025年6月29日25時~ インターFMラジオ『Daisy Holiday!』 細野晴臣さんの話より)

今から約50年前、1975年6月25日に発売された細野晴臣『トロピカル・ダンディー』が、50周年記念盤としてアナログ・レコードで復刻されました。

細野晴臣『トロピカル・ダンディー』
(国内LP 完全限定盤 HHMK-001 4,400円税込)

ラジオ番組『Daisy Holiday!』の特集回では、<「北京ダック」は藤子不二雄Aの短編漫画『北京填鴨式』からのアイデア>など、細野晴臣さん自身による興味深い発言が色々とありましたね。

<「熱帯夜」がザ・バンドからの影響だった>というのも、なるほど、と思いました。
たしかに、The Band「I Shall be Released」、「In A Station」、「Tears Of Rage」を彷彿とさせる雰囲気がありますね。佐藤博さんの演奏は、ガース・ハドソンを意識したものだったのかもしれません。

なお、「熱帯夜」で一緒に歌っているのは、ザ・バンドのメンバーとも交流があり、本作制作中に「細野晴臣さんはトロピカル・ダンディーだ」と話してコンセプトを確定させた張本人である、久保田麻琴さんです。森陽馬



2025年7月2日(水) Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin 「アダンの海辺」

田中一村の代表作で、『アダンの海辺』という名画があります。

<日本のゴーギャン>とも評される田中一村(たなかいっそん)は、50歳から奄美へ移住し、69歳で亡くなるまで奄美大島の自然を描いた日本画家で、独特な色合いと情熱的な自然の描写は見る者の心を惹きつけます。

Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quinの「アダンの海辺」は、この絵にインスパイアされ制作されたそう。
その楽曲「アダンの海辺」含む3トラックを収録した7インチ・レコードが本日発売されました。

Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin『Correspondances』
(国内7インチ・レコード 完全限定盤 CCPQ-4 2,500円税込)

タイトル「Correspondances」(コレスポンダンス)は、人の五感や身体が宇宙・大地と調和し繋がる意味が込められており、楽曲「アダンの海辺」も田中一村の絵画に繋がるような、奄美の伝統や地域のルーツに根ざした深みのあるサウンドを聴かせます。

なお、印象的なジャケットは、メンバーのSoが奄美大島の龍郷火力発電所と龍郷柄の山肌をモチーフに描いたイラストです。森陽馬



2025年7月1日(火) EGO-WRAPPIN' 「Sunny Side Steady」

2025年も半分が終了し今日から折り返し。
新たな気持ちで残り半年を過ごしていきたいですね。

今日のこの1曲は、そんな晴れやかな想いをプッシュしてくれるこの歌を。

EGO-WRAPPIN'『Sunny Side Steady』
(国内7inchアナログ・レコード TFKC-38138 2,200円税込)

エゴ・ラッピンが現在のライヴでもよく歌っている人気曲で、2014年テレ東ドラマ『リバースエッジ大川端探偵社』(オダギリジョー主演)のエンディングテーマであった「サニーサイドメロディー」。
「Sunny Side Steady」は、その「サニーサイドメロディー」をロックステディアレンジで新録音した楽曲です。

伊藤大地(Dr)、真船勝博(B)による強靭なリズム隊&TUCKER(key)、icchie(tp)、武嶋聡(sax)が紡ぐゴキゲンかつメロウなサウンドに、中納良恵の抱擁力ある歌声からは、心地良いヴァイヴが伝わってきますね。

なお、7inchB面には「Sunny Side Steady」のPrince Fatty DUB MIXが収録。
新曲2曲「AQUA ROBE」「Treasures High」を収めた12インチ・レコードも同時発売されています。森陽馬



2025年6月30日(月) ライチャス・ブラザーズ 「ジャスト・ワンス・イン・マイ・ライフ」

ライチャス・ブラザーズのレコードを初めて買ったのは、日本のキング・レコードが出したベスト盤でした。

1960年代中頃のことです。
日本ではフィル・スペクター関連のレコードは、キング・レコードから発売されていたんですね。

日本でライチャス・ブラザーズの名前は、洋楽ファンの間では当時から知られていましたが、一般の人々(ここでは普段洋楽をあまり聴かない方々という意味)には、未知の存在だったと思います。
それがそうでもなくなった、1980~1990年代にかけてでした。

まず、1986年の映画『トップガン』。
ライチャス・ブラザーズの「ふられた気持」が劇中歌として使われていました。
当初、映画のサントラ盤には収録されていなかったので、店に問い合わせがかなりあったことを憶えています。
「映画の後半、ジュークボックスでかかる曲は?」
ライチャス・ブラザーズの曲に注目してくれる人々がいることがうれしかったですね。

それから、1990年の映画『ゴースト』。
こちらは主題歌のようなかたちで、彼らの「アンチェインド・メロディー」が使われ大ヒットしました。
オリコンにもチャートイン!

今日はそんなライチャス・ブラザーズの曲を、日本ではあまり知られていませんが、キャロル・キング&ジェリー・ゴフィンが書いた名曲の「ジャスト・ワンス・イン・マイ・ライフ」を。森勉

★掲載ジャケットは、ライチャス・ブラザーズ『ベスト~アンチェインド・メロディー』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 全24曲収録 UICY-80024 2,305円税込)


2025年6月29日(日) The Swell Season 「People We Used To Be」

『はじまりのうた』、『シング・ストリート 未来へのうた』など音楽映画の名作を送り出してきたジョン・カーニー監督の出世作『ONCE ダブリンの街角で』。
日本でも2007年に公開されサントラ共に世界的に大ヒットしました。

その映画で主演を務めたグレン・ハンサードとマルケタ・イルグロヴァによる男女デュオ、スウェル・シーズンが16年ぶりの新作をリリースしました。

The Swell Season『Forward』
(輸入CD MASTSS01CD / 輸入カラーLPもあり)

『ONCE~』はダブリンの街を舞台に出会った男女が音楽で心を通わせていく切ないラヴ・ストーリー。
実生活でも恋仲だった2人はその後、その関係もミュージシャンとしてのコンビも解消してしまいますが、最新作では再び音楽活動を共にする喜びや、お互いへの想いが詞や歌声に溢れているなと感じます。

「昔の私たちがどれだけ恋しいか もう元に戻れないことはわかっているけれど(中略) 僕たちが懸命に築き上げてきた炎をさらに高くしようと望むなら きっとそうなるだろう」
マルケタの歌とピアノで訥々と始まる熱を帯びていく叙情的な「People We Used To Be」を今日の1曲に。

なお、ジョン・カーニー監督の人気作『はじまりのうた』が、日本公開10周年を記念して現在限定リバイバル上映中♪
『ONCE ダブリンの街角』は日本最終上映となるそうで、7月11日から劇場公開が予定されています。東尾沙紀


2025年6月28日(土) モーニングコールズ 「列車」

祝!雷音レコード設立10周年!(2025年で11周年!)

レコスケくんでお馴染みのイラストレーター/漫画家、本秀康さんが主宰しているアナログにこだわったレーベル、雷音レコードが2014年の第1回発売から、2025年で11周年を迎えました。
今までリリースしたラインナップを見ると、本さんは本当に先見の明がありますよね。

さて、今日紹介するモーニングコールズは、木村サスケと田中セージによる20代前半男性二人ユニット。
2024年末に配信リリースした彼らのデビュー曲が、雷音レコード10周年記念盤として7インチ・レコードで出ました。

モーニングコールズ『列車/猫の調子』
(国内7inch RHION-38 1,760円税込)

<喫茶ロック>コンピに入っていても違和感がないような懐かしいサウンド♪
「列車」はnever young beach等をお好きな方にもオススメしたい名曲です。

なお、雷音レコードからは、水中カメラ、マイティマウンテンズの7インチ2種が7月23日発売予定。
10周年を過ぎた今年は、たくさんのアイテムが出るそうです!楽しみですね。森陽馬


2025年6月27日(金) ロバート・ランドルフ 「Big Woman」

<ペダル・スティール界のジミ・ヘンドリックス>!?
ロバート・ランドルフは1977年ニュージャージー州出身、幼い時から教会でペダル・スティールを駆使しゴスペルを演奏してきた黒人ペダル・スティール奏者。2003年12月新宿リキッド・ルーム初来日公演の衝撃は強く記憶に残っています。

彼の2019年作以来となる新作アルバム『Precher Kids』が本日発売されました。

Robert Randolph『Precher Kids』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICX-30240 2,860円税込)

ゴスペル・ルーツを感じさせる前作『Brighter Days』(2019)から一転。
豪放なペダル・スティールが爆発しているかっこいい1枚!
エルヴィス・プレスリーで有名なサン・レコードからで、CDレーベル面もあの“SUN”ロゴなのがうれしいですね。

プロデュースはShooter Jennings(Waylon Jenningsの息子)が手掛けており、サザン・ロック風味も加わった、全体的に活気に溢れたサウンドの仕上がりです。

今日のこの1曲は、曲が進むにつれて熱を増していくペダル・スティールが聴きもの!①「Big Woman」。
なお、ロバート・ランドルフは2025年7月27日フジロック・フェス出演決定!
フィールド・オブ・ヘヴンは盛り上がるでしょうね。森陽馬



2025年6月26日(木) Peter Gallway&佐橋佳幸 「English Football At The Prince Hotel」

ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸 "EN" Japan Tour 2025 ビルボードライヴ東京公演を観てきました。

たくさんの"EN"(縁)が繋がり発売された共作アルバム『EN』(
2025年4月23日今日のこの1曲紹介)でバックを務めていた小原礼、屋敷豪太、Dr.Kyon、山本拓夫に、スペシャル・ゲストとして松たか子&大貫妙子も参加。
ピーターと佐橋さん自身も「夢のような」と語る素晴らしいコンサートでした。

アルバム『EN』の楽曲をピーターが丁寧に解説してから披露してくれたことに加え、彼が1966年にStrangersという名義で一番最初にレコーディングした楽曲「Land Of Music」や、フィフス・アヴェニュー・バンド「Good Lady Of Tronto」、ローラ・ニーロ作「Save The Country」もうれしい選曲でしたね。

今年78才を迎えながらも活気に満ちたピーターの歌声、佐橋さんの優しい人柄が伝わってくる温もりに溢れたギターに、心が浄化されるような気持ちになりました。

そして、ステージ上でのピーターの笑顔は、人との繋がりの大事さを教えてくれると共に、彼の音楽を聴くときには必ず思い出すであろう、感慨深いものでした。森陽馬

★ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸『EN』
(国内CD 初回生産分のみA3ポスター&ステッカー封入 VSCD-3245 4,000円税込)


2025年6月25日(水) サーフコースターズ 「エボシ・ロック」

「夏だ!エレキだ!サーフィンだ!」
エレキ60周年記念で、ゴキゲンなエレキものCDがいろいろ発売になりました。

1965年ベンチャーズの来日公演をキッカケに、日本中にエレキ・ギター・ブームが爆発。
それから60周年ということで、【ニュー・エレキ・ダイナミカ】が中心となり、ウルトラヴァイヴ・レーベルからチャレンジャーズ絡みが9種、ボー・ブラメルズ2種、コンピレーションが1種の全11種が発売になりました。

特典として、【ニュー・エレキ・ダイナミカ】編集による16ページ・ブックレット(佐々木雄三氏、エディ・ウガタ氏、宮治淳一氏が執筆)を先着で差し上げております。


今日はコンピものから1曲。
V.A.『バンザイ・エレキ・ロック:ニュー・エレキ・ダイナミカ2025』
(国内CD CDSOL-3165 2,640円税込)

全29曲収録のラストには、サーフコースターズの新録音源「エボシ・ロック」も収録。
桑田佳祐の近年のバンドにも参加している中重雄の絶品エレキを御堪能あれ。森勉


2025年6月24日(火) 山下達郎 「DARLIN'」

山下達郎デビュー50周年を記念してのムーン・レーベル時代のアナログ再発第2弾は『BIG WAVE』です。

1984年に発表されたこのアルバムは全曲英語詞による作品で、A面は山下達郎のオリジナル、B面はビーチ・ボーイズのカヴァーを中心に、ブライアン・ウィルソン作品などを山下達郎がヴォーカル、コーラスはもちろん、ドラムス、ギター、キーボードなどを一人多重録音した楽曲が収められています。

ムーン・レコード移籍後のシングルB面には、「DARLIN'」、「Please Let Me Wonder」と、アマチュア時代に作った『Add Some Music To Your Day』を思い出したかのように、ビーチ・ボーイズのカヴァーをしていたことが、この『BIG WAVE』に繋がったのですね。

「Girls On The Beach」、「Please Let Me Wonder」、「DARLIN'」と続くB面は、山下達郎のビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソンに対するたくさんの愛情と敬意が溢れ出ていると感じます。

今日の1曲は「DARLIN'」。
この曲には、ブライアン・ウィルソンが1964年シャロン・マリーに書いた「Thinkin' 'bout You Baby」という原曲があります。
山下達郎ヴァージョンの「DARLIN'」は、「Thinkin' 'bout You Baby」を合体させたもので、アイディアも素晴らしいしその出来栄えも抜群。
ビーチ・ボーイズ・ファンを唸らせたこんなこと、山下達郎にしかできないでしょうね。森勉

★山下達郎『BIG WAVE』
(国内LP 山下達郎による詳細なライナーノーツ付 WPJL-10259 4,400円税込)
(カセット・テープ WPTL-10008 3,410円税込)


2025年6月23日(月) 寺尾紗穂 「あらぐれ」 feat.折坂悠太

2025年6月21日に行われた寺尾紗穂さんの草月ホール公演へ行ってきました。

前半は「楕円の夢」「魔法みたいに」等人気曲を中心にピアノ弾き語り。
後半は6月25日発売『わたしの好きな労働歌』の楽曲を、録音に参加したメンバーを加え次々と披露。
(出演:あだち麗三郎、伊賀航、歌島昌智、やぶくみこ、近藤達郎、音無史哉、小林うてな、折坂悠太)
これが素晴らしいセッションでしたね。

労働歌というと、昭和以前に各地で歌われてきた民謡的なイメージで、とっつきにくい印象がありました。
しかし、寺尾紗穂を中心とした<労働歌バンド>の演奏・アレンジは、音楽の醍醐味を感じさせてくれました。

今日のこの1曲は、アルバム中でも強烈な迫力を感じさせる「あらぐれ」を。

岩手の和賀郡和賀町山口に伝わる歌。紗穂さんは楽譜を見た時点で、これは折坂さんの声だ、と思ったそう。
たしかに、折坂さんのオリジナル曲のようにピッタリ合っていて、ライヴでもかっこよかったのですが、折坂さんのダイナミックな歌声以上に、紗穂さんの人の心を動かす”ロック”な歌と姿勢に圧倒されました。

更に、アンコールに出てきた時のMCで、ある政党の駅前街宣に触れはっきりと不快の意を示し、「分断や排除を越えて、人と人は繋がらないといけない」と語ったメッセージにも感動しました。森陽馬


★<2025年6月25日発売> 寺尾紗穂『わたしの好きな労働歌』
(国内CD 書き下ろしエッセイ+当店作成リーフレット付 KHGCD-005 3,300円税込)

★寺尾紗穂『わたしの好きな労働歌』の発売を記念して、インタビューリーフレットを作成いたしました。
歌詞カードにも曲解説が記載されていますが、リーフレットをご覧いただければ、より本作を楽しめると思います。
寺尾紗穂さん書き下ろしエッセイ『歌の生まれた場所で考える』と合わせて、よろしければお楽しみください。


2025年6月22日(日) 忌野清志郎 「baby何もかも」

「俺がデビューした頃、ベトナム戦争とかやっていたけれど、いまだに戦争なんてやっているんだよ。この世の中は。俺はよ!そんな35年間、ベイビー!とかイエー!とかずっと言ってきたんだ! ザマーみやがれ!<中略> そんなお前らにここで一つだけ聴きたいことがある。ひとつだけ。“愛し合ってるかーーーい!”」
(2005年7月29日 FUJI ROCK FESTIVAL ホワイト・ステージ 忌野清志郎のMCより)

米軍がイランの核施設を攻撃した、というニュースが報じられた今朝。
2005年フジロックのステージで、忌野清志郎が放った言葉を思い出した。

あれから、約20年経ったが、相変わらず戦争は行われている。そして、分断も進んでいる。
でも、愛し合うことを忘れてはいけないのだ。

今日のこの1曲は、忌野清志郎「baby何もかも」。
コンサートのクライマックスでよく披露され、ジェームス・ブラウンが行っていたマントショーのように、マントをかけられ何度も立ち上がる清志郎のパフォーマンス&後半へ向けてテンポアップしていく展開が最高だった。森陽馬

★掲載ジャケットは、清志郎最後のワンマンライヴとなった2008年3月2日京都会館でのライヴ音源。
忌野清志郎『LAST LIVE at 京都会館2008』
(2025年4月2日発売 国内2枚組CD UPCY-90258 5,500円税込/国内3枚組LP 14,300円税込)
なお、「baby何もかも」オリジナルverは、2003年作『KING』に収録。


2025年6月21日(土) 花想い 「ららら」

''夏の海''をコンセプトにした、日本のギターポップ/ロック・アルバム推薦盤♪

花想い『The Port』
(国内CD 歌詞付 PCD-25478 2,750円税込)

花想いは、鹿児島を拠点に活動している南龍太郎(vo,g)、すいか(b)、ソノマ(g)、ニック(ds)による男性4人組バンド。
2021年の結成以降、配信での楽曲リリースを重ねてきた彼らの1stアルバム『The Port』が発売になりました。

「温泉に浸かりたい~♪」のフレーズがキャッチーなまったりソング「onsen」、女性ヴォーカルをフィーチャーし淡い夏の恋を歌う「サンダル」など、<田舎ポップ>を提唱するバンドらしいのんびりとした雰囲気が漂いながら、演奏やアレンジは洗練されていて骨太な部分も見え隠れして...なかなかクセになるサウンドで気に入っています。

本日は今夏のアンセムになりそうな予感!?
センチメンタルなメロディと、エモーショナルなギター・ソロのギャップにグッときた「ららら」を今日の1曲に。

日常の音を取り込んだ心地良いギターインスト「シグナル」に始まり、そのReprise的ナンバー「Throwback」で締め括られる全8曲入りのアルバムです。東尾沙紀

2025年6月20日(金) Neil Young And The Chrome Hearts 「Thankful」

ニール・ヤングの新作アナログLPが本日入荷しました。

Neil Young And The Chrome Hearts『Talkin To The Trees』
(輸入LP Reprise/Warner 093624835073/輸入CDは6/27予定、国内CDは7/23発売)

<The Chrome Hearts>という新編成バンドを従えての新作オリジナル・アルバムです。
メンバーはまず、スプーナー・オールダム(オルガン)!
今までにも一緒にやってきた盟友ですが、ニールのバンドに再び入るとは意外ながらうれしいですね。

あと、近年のクレイジー・ホースとのツアーでも参加していたマイカ・ネルソン(ギター)。
コーリー・マコーミック(ベース)、アンソニー・ロガーフォ(ドラムス)というバック・メンツ。
リック・ルービンが所有しているShangri La Studioでの録音です。

プロデューサーの名義に、ルー・アドラーの名前が入っているのも注目!
(ルー・アドラーの現妻ペイジ・ハンナは、ニールの現妻ダリル・ハンナの妹にあたる関係だからかも)

さて、気になる内容は、先行シングル「Big Change」(
2025年1月27日今日のこの1曲で紹介)がラウドなロックだったので、アルバム全体的にもロックな感じかな、と思いきや、アコースティックな楽曲も多く入っていて、それが味わい深くてよかったですね。

今日のこの1曲は、B面ラスト5曲目「Thankful」を。
タイトル曲含め、『ハーヴェスト・ムーン』頃の雰囲気があって沁みるナンバーです。森陽馬


2025年6月19日(木) Julia Mestre 「Maravilhosamente Bem」

ブラジルの新世代シティ・ポップ!?

現代ブラジル音楽の注目バンド、Bala Desejo(バーラ・デセージョ)に在籍している女性シンガー・ソングライター、Julia Mestre(ジュリア・メストリ)がソロ3作目となるアルバムを発表しました。

Julia Mestre『Maarvilhosamete Bem』
(国内仕様CD 日本語解説付 UNCD-94 2,750円税込)

ジュリア・メストリは1996年ブラジル/リオ生まれのソングライター。
本作は、80年代ソウル/ディスコ・サウンドを基に制作されたアルバム(歌詞は全編ポルトガル語)ですが、シティ・ポップ的なグルーヴ+哀愁漂うメロウな雰囲気も感じさせる1枚です。

今日のこの1曲は、1曲目「Maravilhosamente Bem」を。
一十三十一「Like A First Kiss」(
2025年4月13日今日のこの1曲で紹介)と繋がっているようなキラー・チューン!
躍動感溢れるトラックとドラマチックなアレンジがかっこいい! 森陽馬


2025年6月18日(水) マルコス・ヴァーリ 「ソー・ナイス (サマー・サンバ)」

あたたかい季節になってきました。
こういう陽気になってくると、ボサノヴァを聴きたくなる今日この頃。

いろいろなミュージシャンの作品がまとめて聴けるゴキゲンなオムニバスCDを紹介したいと思います。

『わたしとボサ・ノヴァ』
(国内2枚組CD UCCU-1667 解説・歌詞付 2,750円税込)

全30曲、豊富な音源を持つユニヴァーサル・ミュージックが2年ほど前に編集した2枚組CDです。
アントニオ・カルロス・ジョビン/ジョルジ・ベン/ワルター・ワンダレー/エリス・レジーナ/ミルトン・バナナ・トリオ/アストラッド・ジルベルト/ナラ・レオン/ヴィニシウス・ヂ・モライス/スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト等々収録。
ヴォーカルものとインストものがいい感じのバランスで入っています。

今日の1曲は、マルコス・ヴァーリ「ソー・ナイス (サマー・サンバ)」を。森勉



2025年6月17日(火) AZYMUTH 「Last Summer In Rio」feat.Bluey

今日は、夏が来た!と実感するような猛暑でしたね。
そんな夏の到来を感じた日に、涼しい部屋で聴きたいオススメのアルバムが入荷しました。

アジムス『MARCA PASSO』
(国内仕様CD UNCD-97 2,750円税込/輸入LPもあり)

マルコス・ヴァーリの名曲がバンド名の由来で、デビュー50周年を迎えたアジムスの新作です。

アジムス2016年作『Fenix』(
2016年12月4日今日のこの1曲で紹介)、唯一のオリジナル・メンバーとなったAlex Malheirosの2021年ソロ作『Tempos Futuros』(2023年1月3日今日のこの1曲で紹介)の流れを引き継ぐ、クールでメロウ・グルーヴなサウンドがとても心地良い1枚。

中でも、5曲目「Last Summer In Rio」新ヴァージョンは、極上のブラジリアン・メロウ・フュージョン♪
なお、前作に引き続き本作は、Daniel Maunickがプロデュースを担当していますが、彼はBluey(ブルーイ/インコグニート)の息子で、この「Last Summer In Rio」には父Blueyがギターで参加しています。森陽馬


2025年6月16日(月) Calibro35 「Lunedì Cinema」feat.Marco Castello

<Italian Golden Age Cinematic Sound>を掲げ、2007年から活躍するイタリアのインスト・ジャズ・ファンク/ロック・バンド♪

Calibro35『Exploration』
(輸入CD RECORD KICKS RKX103 / 輸入LPもあり)

<シネマティック・ファンク>と称され、70年代映画音楽のレトロでクールなテイストを盛り込んだサウンドを聴かせるイタリア・ミラノ発のインスト・バンド、Calibro35。
映画劇伴なども多数手掛け、有名アーティストにサンプリングネタに使われるなど世界的な活躍を続けています。

9作目となる2025年発表作『Exploration』でも、<映画>にまつわる曲をいくつか取り上げています。

ロイ・エアーズが音楽を手掛けた70年代アメリカ映画『コフィー』から「Coffy Is The Color」、歪ませたギターのワイルドのアレンジがかっこいい「スパイ大作戦(Mission Impossible)のテーマ」、イタリア映画音楽の作曲家ピエロ・ウミリアーニの楽曲などなど。(他にボブ・ジェームス「Nautilus」、ハービー・ハンコック「Chameleon」のカヴァーも収録されています。)

本日は、本編最後に収録された「Lunedī Cinema」feat.Marco Castelloを今日の1曲に。

オリジナルは80~90年代にイタリアのテレビ局で放送されていた金曜ロードショー的番組『Lunedīfilm』(月曜映画)のテーマ曲。ベテラン・シンガーLucio Dalla作曲のシャレたナンバーを、現代の若きSSWをフィーチャーし、ファンキーにカヴァーしています。

イタリア人の方にとっては昔懐かしい、心象風景の中にある曲のようですが、当時子供たちを怖がらせた曲(+映像)だったとの記述もあります。東尾沙紀


2025年6月15日(日) YMO 「Fire Bird」

高橋幸宏さんがご存命ならば73歳の誕生日であった2025年6月6日に、ワールド・ハピネスのBOXが出ました。

『WORLD HAPPINESS』
(国内4CD+Blu-ray+本 COZB-2177 22,000円税込)

ワールド・ハピネスは、高橋幸宏さんがキュレーターを務め2008年から始まった都市型フェス。
その名演の数々を4CD+ブルーレイに収めた編集盤です。
LPサイズの116ページ・ブックには貴重な写真も充実していて、これを眺めているだけでも心豊かになりますね。

今日のこの1曲は、2011年に披露されたYMO「Fire Bird」を。

東日本大震災が起きた2011年のワールド・ハピネスは、再生の道をテーマに「火の鳥」(手塚治虫)がキービジュアルとして使われました。そこでYMOが新曲を書き下ろし、ライヴで披露したのが「Fire Bird」です。

その後、「Fire Bird」は配信でリリースされましたが、CDやLPでは未収録のまま。
約14年を経て、このワールド・ハピネスBOXにて初CD化となりました。

今は生で観ることができなくなってしまったYMOの名演を、本ブックレットを手に是非聴いてください。森陽馬


2025年6月14日(土) 神野美伽 「旅立つ朝」

2022年7月3日の今日のこの1曲で取り上げた神野美伽の「旅立つ朝(あした)」が、なんとアナログ・7インチ化されました。

もともと、この「旅立つ朝」は、1971年に江利チエミがL.A.録音しシングルとして発売した知る人ぞ知る名曲です。

江利チエミ没後40周年だった2022年に彼女を敬愛する神野美伽が、オリジナルに敬意を表して完コピでカヴァーしたのですが、あまり評判にならずに時は過ぎてしまいました。

そんな経緯がある中、今回のアナログ化です。
うれしいですね。

神野美伽『旅立つ朝』
(雲見レコード 7インチ KUMOMI-004 2,200円税込)
作曲:村井邦彦、作詞:保富康午、編曲:鈴木豪

B面には別ヴァージョンが収められています。森勉


2025年6月13日(金) Van Morrison 「Stretching Out」

ヴァン・モリソンの新作オリジナル・アルバムが本日入荷しました。

ヴァン・モリソン『REMEMBERING NOW』
(国内CD 天辰保文氏による解説・歌詞・対訳付 UICB-1033 3,300円税込)

これが彼の晩年を代表する名盤となるであろう素晴らしい1枚でした。

近年も高いクオリティのアルバムをたくさん出していましたが、本盤はそれを更に越えた傑作!
ヴァン節全開の歌いまわしに、時を経ても色褪せないであろうサウンドと演奏は、聴くほどに味が沁み出てきます。

今日のこの1曲は、9分弱に及ぶラスト14曲目「Stretching Out」を。

Shady Laneでの遠い夏の想い出を、滔々と語るように歌う哀愁のナンバー。
♪君の瞳が、あの遠い夏の記憶を連れてくる。~ 覚えているだろうか?あのShady Laneでのこと♪

純粋な記憶と心を取り戻そうとする切実な想いが伝わってきて、胸が熱くなりました。森陽馬


2025年6月12日(木) Brian Wilson 「Lay Down Burden」

今日はビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソンの曲を1日中ずっと聴いていました。

唯一無二のメロディーメーカーであり、オンリー・ワンのヴォーカリストであったことを再認識しましたね。
ブライアンの歌は、上手い/美しいだけではなく、求心力があって、心の琴線に響く歌声なのです。

今日のこの1曲は、ブライアン・ウィルソン「Lay Down Burden」を。

この曲が収録されたブライアン・ウィルソン1998年発表アルバム『イマジネーション』は本当によく聴きましたね。
発売当時は、AOR風なジョー・トーマスのプロデュース・ワークに批判的な声もありましたが、ポップな楽曲&ブライアンらしいコーラス・ワークに僕はとても癒されました。

「Lay Down Burden」は、1998年2月にガンで逝去した弟カール・ウィルソンへ捧げられたナンバー。
♪You're Always In My Heart. 君はいつも僕の心の中にいるんだ♪ (「Lay Down Burden」歌詞より)

改めて、人生を共に過ごしてくれる歌と音楽をありがとう。ブライアン。
あなたの音楽とその情熱は、僕らの心の中にいつまでも残り続けるでしょう。森陽馬

★掲載ジャケットは、ブライアン・ウィルソン『プレイバック~ザ・ブライアン・ウィルソン・アンソロジー』
(国内CD WPCR-17877 2,420円税込)


2025年6月11日(水) Brian Wilson 「Love And Mercy」

これを書いているのは、6月11日の深夜26時(6月12日2時)。

ブライアン・ウィルソンが亡くなった、という報が入ってきました。

ブライアンを支えてきた奥方メリンダさんが2024年に逝去し、彼も療養中ということはファンの間でも伝わっていました。
2025年6月20日で83歳を迎える予定ながら、リリースや活動が途絶えていたため心配していましたが...。

今はとても悲しく、残念です。

素晴らしい音楽と感動をありがとう!ブライアン。

あなたの愛と慈悲が込められた音楽は、ささやかな日常に温かな陽射しを照らしてくれました。森陽馬


★掲載ジャケットは、ブライアン・ウィルソンによる2021年発表ソロ・ピアノ・アルバム。
ブライアン・ウィルソン『At My Piano』
(国内CD UCCM-1267 2,860円税込)


2025年6月10日(火) Sly & The Family Stone 「Everyday People」

カリフォルニア州の不法移民摘発をめぐる抗議デモに、トランプ政権は州兵を派遣した、というニュースが報道される中、スライ・ストーンが82歳で6月9日に亡くなった、との報が飛び込んできた。

♪Different Strokes For Different Folks <中略> We Got To Live Together♪
(人それぞれ、好みや考え方も違うもの。~ 僕らは一緒に生きていかなければならないんだ。)
Sly & The Family Stone「Everyday People」歌詞より

人種問題やベトナム戦争で揺れる1968年12月アメリカ。
スライ&ザ・ファミリー・ストーン「Everyday People」はそんな時代に生まれた歌だ。

Different Strokes For Diffrent Folksのフレーズは、モハメド・アリが「相手が異なれば打ち方・倒し方も違う」という意味合いで語り、スライのこの歌で広まったと言われている。

「僕はありふれた普通の人間(Everyday People)なんだ」
彼は、この歌にどんな想いを込めたのだろうか。森陽馬

★掲載ジャケットは、The Rootsのドラマー/リーダーであり、映画『サマー・オブ・ソウル』を手掛けたクエストラブ監督によるスライ&ザ・ファミリー・ストーンのドキュメンタリー映画『SLY LIVES! (aka The Burden of Black Genius)』サウンドトラック盤。願!日本公開。


2025年6月9日(月) Lauri Porra 「A Song For Summer」

小説、絵本、アニメーション、テーマパーク、etc...
トーベ・ヤンソンによって生み出され、世界中で長年愛され続けているムーミンの物語とキャラクター達。

小説第1作目の出版(ムーミン誕生)から80周年を記念したインストゥルメンタル作品『ムーミン谷の四季』が発売されました。

Lauri Porra『Seasons In Moominvalley』
(国内CD SICP-31766 3,300円税込/輸入CD、輸入LPもあり)

今作の作曲を手掛け、ムーミン作品に以前から携わっているラウリ・ポラーは、映画・舞台・テレビ・CM音楽などを多数手掛けるフィンランドの作曲家/キュレーター。メタル・バンド、ストラトヴァリウスのベーシストとしても活躍。有名な作曲家シベリウスのひ孫としても知られています。

『たのしいムーミン一家』、『さびしがりやのクニット』、『ムーミンパパ海へいく』ほか数作品からのイメージを元に、ムーミン谷の季節の移り変わりをピアノと弦のアンサンブルで表現した繊細で美しい室内楽作品。
鳥のさえずり、波、せせらぎ...目を瞑ると幻想的な光景がひろがります。

本日はやさしく降り注ぐ雨と柔らかな弦の音色に癒やされる「A Song For Summer」を今日の1曲に。

輸入盤LPは、キャラクターが配されたゾートロープ(回転のぞき絵)ピクチャー・ディスク仕様♪
LPジャケット・サイズのリトグラフ2枚、ポストカード4枚が封入されています。東尾沙紀



これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■

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