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 今日のこの1曲コーナー

ペット・サウンズ・レコード店にて、その日に店内でかけていた曲の中から
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”をご紹介いたします。

以前こちらで掲載した“今日のこの1曲”は“今日のこの1曲 アーカイヴス”コーナーにてご覧になれます。

◆こちらでご紹介している商品もご注文いただけます◆

くわしくは通販コーナー、もしくは直接こちらまでご連絡くださいませ。
(廃盤・生産中止になっている商品もございますので、その際はご了承くださいませ)



2023年12月7日(水) Mooney & Kotez 「Boogie Woogie Santa Claus」

昨日に続き、クリスマス・アルバムの2023年新譜を紹介しましょう。

Mooney & Kotez『Let's Christmas』
(国内CD AP1103 2,750円税込)

UNCLE MOONEY、THE CONX等のバンドやソロで1970年代前半から活動しているジャグバンド界のレジェンド、Mooneyさんと、名ハーモニカ奏者Kotezさんが組んだデュオ名義第2弾のコンセプトは“クリスマス”。

椎野恭一(ドラムス)、寺岡信芳(ベース)、西海孝(ギター)他も参加し、クリスマス定番曲を、ロックン・ロール/アメリカン・ルーツに根ざしたアレンジでカヴァーしたゴキゲンな12曲入りです。
「The Five Pennies」(映画『五つの銅貨』)も演っていて、ムーニーさんのルイ・アームストロング愛を感じますね。

今日のこの1曲は、最近のブギウギ人気に乗じて、「Boogie Woogie Santa Claus」を。

オリジナルは女性R&BシンガーMabel Scottによる1948年のナンバー。
ブライアン・セッツァー・オーケストラもカヴァーしていますね。

♪プレゼントなんていらねえ。キャンディなんていらねえ。俺たちブギーでサンタでロッキン♪
ムーニーさんらしい日本語で歌っている部分が後半に出てきて、“ブギウギ”な気分に! 森 陽馬


しながわ観光協会の特設ページで、当店が紹介されました。

★現在の営業時間は11時~21時。年中無休です。


2023年12月6日(水) 山田稔明 「sweet december」

2023年で結成30周年を迎えた4人組ロック・バンド、GOMES THE HITMANのフロントマン山田稔明。
約10年ぶりとなるクリスマス・アルバム第2弾が発売されました。

山田稔明『Christmas Songs Vol.2 : Carols And Interpretations』
(国内CD GTHC-0021 歌詞付 2,530円税込)

第1弾と同じく、収録曲全ての演奏、アレンジ、プロデュース、録音、ミックスを山田稔明さん自身が手掛けています。

幻想的なオルゴールの音色、印象的なSEが物語を想像させる45秒程のインスト曲「Walk Out to Winter」(Introduction)に始まり、日本の唱歌「もみじ」に詞を加えた「Autumn Leaves」(もみじ)、愛猫ポチ実ちゃんとそのママンが鳴き声で参加したポップなアレンジの讃美歌「O Come, All Ye Faithful」(神の御子は今宵しも)、「Auld Lang Syne」(蛍の光)等々全11曲。
穏やかな歌声と牧歌的な演奏は和やかで、神聖な時間を過ごさせてくれます。

英語での歌唱がメインの中、山田稔明さんの日本語詞によるオリジナル曲「sweet december」を今日の1曲に。
2005年からライヴで毎年12月にのみ歌われてきた、という楽曲が初めて音源化されました。

♪またひとつ年を重ねてゆくその意味を 僕らが見失わないようにと祈る ハレルヤ♪

この曲を聴きながら、いろんな人の顔や出来事を思い出しました。
祈りや想いが胸に響いてくる曲です。東尾沙紀



2023年12月5日(火) Sonny Till 「Someone Up And Told Me」

心身共に(懐も)冷えてしまうような師走の日々が続いていますが、これを聴いて熱くなりましょう!

V.A.『NEVER GET ENOUGH』(Compiled By 佐藤潔)
(国内CD 期間限定盤 佐藤潔氏による解説付 UVSL-2001 1,980円税込)

大のJames Brown愛好家で、仙台のcafe & bar SUPER GOODを営業している佐藤潔さんが選曲・監修・解説を手掛けた、ジェームス・ブラウン関連音源を集めたコンピCDです。

JB自身の珍しい楽曲から、JBファミリーのかっこいい音源等全17曲収録。
佐藤潔さんによるJB愛が注がれた詳細な楽曲解説も読み応えあってイイですね。

今日のこの1曲は、Sonny Till「Someone Up And Told Me」を。
ソニー・ティルは、ドゥーワップ・グループ、オリオールズのリード・シンガー。
1963年頃に発売されたこのシングルは、クレジットがByrd - Rozierで、ボビー・バードとJBによる制作とのこと。

JBのデビュー曲「Please Please Please」は、オリオールズの1952年ヒット曲「Baby Please Don't Go」が基になっており、その恩返し的意味合いもあったのでは、と佐藤潔さんの解説に書かれています。森 陽馬



2023年12月4日(月) Susan Tedeschi 「Just Won't Burn」(Live)

<PET SOUNDS RECORDが選ぶ2023年ベスト・アルバム>を選出する時期が近づいてきました。
最近は、今年出たアルバムや出来事を色々と振り返っています。

観に行ったライヴのベストは、ダントツで、テデスキ・トラックス・バンド10月の来日公演ですね。
東京初日10月18日があまりにも良かったので、22日追加公演のチケットを終演後に急遽購入!
セットリストが両日全然違うにも関わらず、夜なかなか寝付けないほど感動しました。
良いアルバムを制作して、またいつか来日してくれることを切に願っています!

さて、スーザン・テデスキが1998年に発表した名作『Just Won't Burn』の25周年盤を紹介しましょう。

Susan Tedeschi『Just Won't Burn』
(輸入CD Fantasy/Concord 888072519121)

ボニー・レイット似の歌声で話題になり、本作でグラミー賞新人賞にノミネート。
20代後半だった彼女のブルース愛溢れる歌とギターが魅力的に響く1枚です。

今回再発された25周年盤には当時の未発表トラックやライヴ音源等5曲のボーナス・トラックが追加!
その中から、「Just Won't Burn」のライヴを今日のこの1曲に。

古典ブルース・ナンバーのカヴァー、かと思いきや、スーザンのオリジナル曲なんですよね。
このライヴ・トラックは、テデスキ・トラックス・バンドが2022年にビーコン・シアターで行った時の音源。
スーザンの長尺ギター・ソロも堪能できますよ。
ちなみに、今回の来日ツアーでは10月25日最終日大阪公演で披露されたようです。森 陽馬



2023年12月3日(日) The Beach Boys 「Merry Christmas, Baby」

ビーチ・ボーイズのクリスマス・アルバムがアナログLPで入荷しました。

The Beach Boys『The Beach Boys' Christmas Album』
(輸入アナログLP Black Friday Exclusive Green Vinyl / Capitol 00602455679796)

2023ブラック・フライデー盤です。
レコードの色はクリスマスらしくグリーン・カラー盤です。

ジャケット右上のレコード番号がT2164となっているので、モノラルなのですね。
どこにもMONOの表示はありませんが・・・。
(ジャケット裏に小さくSTEREOもありますの表示が英語で書いてありますが、今回はステレオ盤はないそうです。)

モノラルならもしや1曲目「リトル・セイント・ニック」がLPヴァージョンではなく、シングル・モノラル・ヴァージョンに差し換えてあるのか?・・・シャレたことするなぁ・・・、と思って聴いたところ、そこまでは手が込んではいませんでした。(RHINOならやっていたかも)

なんだかんだ言っても、グリーン・カラー・レコード、いいですね。
ついつい、手が伸びてしまいました。

今日の1曲は、A面4曲目に入っているブライアン・ウィルソンのオリジナル・ソング「メリー・クリスマス・ベイビー」を。森 勉




2023年12月2日(土) 寺尾紗穂 「しゅーしゃい」(?)

2023年12月1日、寺尾紗穂サントリー・ホール/ブルーローズ公演を観てきました。

第1部はピアノ弾き語り、第2部は松井一平のライヴドローイングと同時進行によるソロ・ライヴ。
良い音楽を聴いた、とか、素晴らしいパフォーマンスを観た、とは違う、不思議なライヴ体験でしたね。
演劇を雲の上で鑑賞しているような感じで、終演後は夢から醒めた心持ちになりました。

第2部は、僕が最近よく聴いているジョニ・ミッチェル『アーカイヴスVol.3』のディスク3『Court And Spark Demos』内「PIANO SUITE」(2023年11月24日今日のこの1曲紹介)と同じく、ピアノと唄で様々な曲が繋がっていく展開が新鮮に響き、時間が経つのを忘れさせてくれました。

今回のライヴで特に印象に残っているのは、第1部で披露されたアルバム未収録の新曲「しゅーしゃい」(?)。
靴磨きで生計をたてていた戦争孤児の掛け声「しゅーしゃい」のことを歌っています。

反戦や世界平和を声高にただ歌うのではなく、悲しく厳しかった過去の出来事を伝え、そして投げかける彼女は、音楽家であり、メッセンジャーなのだ、ということを改めて実感できました。森 陽馬

★掲載ジャケットは、アンコールで最後に歌われた「楕円の夢」収録の2015年発表アルバム『楕円の夢』。
(国内CD PCD-28026 3,080円税込)



2023年12月1日(金) The Shindellas 「Kiss N' Tell」

街中を彩るイルミネーションに負けないくらいキラキラ、ゴージャスなジャケットが目を引く新世代ソウル・ヴォーカル・グループ、The Shindellas(ザ・シンデラス)。

ニューヨークのソングライター/プロデューサー・チーム<Louis York>が手掛ける2023年発表2ndアルバムは、80~90年代R&Bお好きな方も要チェックです。

The Shindellas『Shindo』
(輸入CD WRDO47-CD)

The Shindellasは、2017年結成、ナッシュヴィルを拠点とするKasi Jones、Stacy Johnson、Tamara Chaunieceの3人組。
彼女達のキレのある本格派ヴォーカル/ハーモニーと、SWVやTLCらを彷彿とさせるちょっとレトロな楽曲&サウンドがとても気持ち良い1枚♪

ダンサブルな「Up 2 You」にはじまり、セクシーなリード曲「Juicy」、ラストにはビー・ジーズの「Love You Inside Out」のカヴァーも。美しいハーモニーを聴かせてくれるミディアム・バラード「Kiss N' Tell」が特に推しです。東尾沙紀



2023年11月30日(木) Goo Goo Dolls 「Naked」(Live At The Academy 1995)

グー・グー・ドールズの「Naked」は、抱えた悩みを吹き飛ばすような力強いロック・ナンバーだ。
その1995年ライヴ・ヴァージョンを聴いて、不思議と涙が溢れてきてしまった。

Goo Goo Dolls『Live At The Academy 1995』
(輸入2枚組CD Warner 9362485917)

本作は、1986年頃ニューヨーク州で結成した3人組ロック・バンド、グー・グー・ドールズが、1995年ニューヨークのフェス“CMJミュージック・マラソン”で行ったライヴ音源。
ヒット・アルバム『Boy Named Goo』をリリースした1995年の勢いが伝わってくる歌と演奏だ。

「Naked」は、サウンドチェックやアンコールでのアコースティック・ヴァージョン含め3ヴァージョン収録されているが、ディスク2の1曲目の超スピードアップしたエレキ・ヴァージョンがとにかく最高!

後半に弾けるジョン・レズニックのギター・ソロは、刹那に生きることを表しているようだ。森 陽馬



2023年11月29日(水) The Gaslight Anthem 「History Books」 feat Bruce Springsteen

病気でツアーを延期し心配されたブルース・スプリングスティーンですが、11月上旬に行われた退役軍人を支援するチャリティ・コンサートに出てきて、ミニ・ライヴも披露したそうです。
2024年春からEストリート・バンドのツアーも再開されるようで、よかったですね。

今日のこの1曲は、ブルース・スプリングスティーンがゲスト参加している直球アメリカン・ロックを。

The Gaslight Anthem『History Books』
(輸入CD Thirty Tigers RICH59920CD)

ガスライト・アンセムは、2007年にデビューしたアメリカ/ニュージャージー出身の4人組ロック・バンド。
本作は2014年発表作『Get Hurt』以来約9年ぶりの新作アルバムで、身体が熱くなるロック・ナンバー①「Spider Bites」や、滋味豊かな③「Autumn」等、古き良きアメリカン・ロックの懐の深さを味わえる力作に仕上がっています。

ブルース・スプリングスティーンはタイトル曲②「History Books」にヴォーカルで参加。
同郷(ニュージャージー)で引き継がれるロック魂が込められたナンバーですね。森 陽馬



2023年11月28日(火) 金延幸子 「青い魚」

映画『ゴジラ-1.0』をT・ジョイPRINCE品川で先日観ました。
ゴジラ生誕70周年!の“VFXゴジラ”は、怖いくらいの迫力でしたね。
映画館の大画面&音響システムで体感できてよかったです。

最近観た映画の中では、『北極百貨店のコンシェルジュさん』が印象に残っています。
70分と短いアニメ映画(音楽はtofubeatsが担当)ですが、優しい気持ちになれる温かい作品でした。
大人の郷愁・忘れかけていた思いやりの心を実感できましたね。

これから一般公開される中では、
映画『PERFECT DAYS』がとても楽しみです。
『パリ、テキサス』、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』で知られるヴィム・ヴェンダース監督の新作で、東京を舞台に撮影され、主演の役所広司は本作でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞しました。

映画内では、金延幸子「青い魚」が印象的な場面でかかるそうです。
音楽好きなヴィム・ヴェンダース監督らしい選曲で、他にも色々な挿入曲が使われているとのこと。
12月22日公開予定。ゆったりした気持ちで観に行きたいですね。森 陽馬


★掲載ジャケットは、金延幸子『青い魚/あなたから遠くへ』
(国内7inchアナログ 完全生産限定盤 MHKL-84 2,090円税込)
1972年発表名作『み空』から、約50年を経て7インチ・シングル・カットされました。



2023年11月27日(月) 民謡クルセイダーズ 「ソーラン節」

<民謡>という世界に誇れるダンス・ミュージックが日本にはあるのだ、ということを実感できる1枚!

民謡クルセイダーズ『日本民謡珍道中』
(国内CD UCCJ-9248 3,300円税込)

2017年12月発表1stフル・アルバム『エコーズ・オブ・ジャパン』は、アナログ化も含め大ロングセラー中。
国内外のフェスに出演し大盛況を収め、更に映画『ブリング・ミンヨー!バック』(2022)公開など、飛ぶ鳥を落とす勢いの日本・福生発のバンド、民謡クルセイダーズが、待望の2ndアルバムをリリースしました。

「ソーラン節」、佐渡おけさ」、「ハイヤ節」、「南部俵積み唄」、「木曽節」、「貝殻節」,etc....
日本各地の民謡に、ラテン、クンビア、アフロ等のワールド・ミュージックやジャズ的要素も加味したサウンド・アレンジが絶妙で、グルーヴィーな演奏に身体を揺らしながら、伝統的な民謡を違和感なく楽しむことができる傑作です。

今日のこの1曲は、ファンキーな展開で踊らずにいられない「ソーラン節」。森 陽馬



2023年11月26日(日) 無果汁団 「たおやかな季節」

元blue marbleのとんCHAN(作曲/キーボード)、ショック太郎(作詞/ミックス他)で結成されたテクノロジー・ポップス・ユニット、無果汁団。
新たな女性ヴォーカリスト<ひなふ>を迎え、彼女の名を冠した2年ぶり3枚目となる新作がリリースされました。

無果汁団『ひなふトーン』
(国内CD 歌詞付 MKJR-003 2,750円税込)

80年代へタイムスリップしたかのようなテクノ・ポップ・サウンド、メロディがクセになる無果汁団の楽曲...発売日である11月24日以降、グルグルと頭の中を駆け巡っています。

1960年代に書かれたアメリカのSF小説『中継ステーション』をヒントに制作されたという今作には、ヒューマノイド、惑星、アシモフなど近未来的なワードが散りばめられているのも印象的です。
''僕''という一人称が似合うヴォーカリスト、ひなふさんの無垢な歌声もその世界観にぴったりハマっています。

イントロ、鍵盤ハーモニカ(?)によるソロ、終盤のコーラス...儚げな雰囲気の「たおやかな季節」を今日の1曲に。

今作のマスタリングも前作と同じく佐藤清喜(microstar)が手掛けています。
先着で紙製の特典コースター付きです♪東尾沙紀



2023年11月25日(土) ブルース・ブラザーズ 「エクスプレスウェイ・トゥ・ユア・ハート」

アメリカのテレビ番組『サタデー・ナイト・ライヴ』は、当時の日本では放送されていなかったので、ブルース・ブラザーズを知ったのは1978年に彼らのファースト・アルバム『ブルースは絆』(Briefcase Full Of Blues)が出てからでした。

オーティス・レディングのカヴァー「お前をはなさない」や、サム&デイヴの名曲カヴァー「ソウルマン」等が入ったそのアルバムが大好きでよく聴いたものです。

その後、日本では1981年に公開(アメリカでは1980年)された、ハチャメチャでドタバタのコメディー映画ですが、すばらしい音楽映画でもある『ザ・ブルース・ブラザーズ』が登場して、益々、彼らのファンになってしまったわけであります。

ということで、今日は彼らのベスト・アルバムから、ライヴ仕立ての「エクスプレスウェイ・トゥ・ユア・ハート」を。

ジョン・ベルーシはもちろん、ダン・エイクロイドの低音ヴォイスもすてきです。

この曲のオリジナルは、ブルー・アイド・ソウル・グループ、ソウル・サヴァイヴァーズが1967年に大ヒットさせたものです。森 勉

★ブルース・ブラザーズ『ディフィニティヴ・コレクション』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-26233 1,430円税込)



2023年11月24日(金) Joni Mitchell 「PIANO SUITE」

本日はBLACK FRIDAY♪
日本でも様々な店舗がセールを行うようになってきましたね。

レコード店では、<RECORD STORE DAY 秋版>として、限定のアナログ盤が毎年リリースされています。
4月の春版より少ないものの、魅力的なアナログ・レコードが今年も入荷しました。

ノラ・ジョーンズ『PLAING ALONG』、ジェフ・ベック『TRIBUTE』、リトル・フィート『Live At Manchester Free Trade Hall, July 29, 1977』、映画サントラ『ASTEROID CITY』、ジョニ・ミッチェル『Court and Spark DEMOS』、etc...。

その中から、肌寒くなってきた秋~冬に沁みるオススメの1枚を。

Joni Mitchell『Court and Spark DEMOS』
(輸入LP 180g限定重量盤 RHINO R1 712517)

ジョニ・ミッチェルのアーカイヴ・シリーズ第3弾(
2023年10月28日今日のこの1曲で紹介)に収納されている5枚のCDは、どのディスクも聴きどころ満載ですが、ディスク3前半『Court and Spark DEMOS』は気に入ってよく聴いています。
このアナログ盤は、僕が大好きなその部分を1枚のアナログLPにしたものです。

特に12分半にも及ぶピアノ弾き語りの①「PIANO SUITE」。
「Down To You」→「Court and Spark」→「Car On A Hill」→「Down To You」を繋げて歌っている感動的なトラックで、息を呑むようなジョニの歌声と、美しいピアノの響きは、冷えた身体と心を温めてくれます。森 陽馬



2023年11月23日(木) Trashcan Sinatras 「Obscurity Knocks」

ギター・ポップ名曲「Obscurity Knocks」をはじめ、瑞々しいサウンドが詰まったトラッシュキャン・シナトラズの1stアルバムがリマスターされ、CD/LPで再発されました。

Trashcan Sinatras『Cake』
(輸入CD PNFG40CD / 輸入LP PNFG40)

グラスゴーのインディ・レーベルLast Night From Glasgowが2021年頃から手掛けているトラッシュキャン旧作のリマスター再発シリーズ。今回は1990年発表の1stです。
アズテック・カメラやザ・スミスなど80年代ネオアコ/ギターポップのよき継承者といったイメージもありますが、改めて聴くと1枚目とは思えない成熟度♪
キラキラとしたアコースティック・ギター、ドリーミーなアレンジもリマスターでより輝きを増した気がします。

CDの方には、フランシス・リーダー(vo.)の妹Richaelとのデュエットによるペイシェンス&プルーデンス「いちごの片想い」、ジャッキー・リー「White Horses」のカヴァーなど、シングルB面など6曲をプラス。

日本流通盤LPには日本語ライナーノーツが付属されています。
レーベルのページによるとLPのカラーは4色(ブラック/ホワイト/ブルー/オレンジ)あるとのことですが、外からは何色か分からないので開けてからのお楽しみです。東尾沙紀



2023年11月22日(水) Stacey Kent 「Happy Talk」

11月22日は<いい夫婦の日>。
ということで、夫婦で活動しているミュージシャンの新譜オススメ盤を紹介しましょう。

ステイシー・ケント『Summer Me, Winter Me」
(国内仕様CD 日本語解説付 KKJ-229 3,000円税込/輸入LP naive BLV8225)

ステイシー・ケントは、アメリカ/ニュージャージー州出身の女性ジャズ・シンガー。
ロンドンへ移り、サックス奏者&ギタリストのジム・トムリンソンと出会って1991年に結婚。
『Close Your Eyes』(1997)でデビューし、現在も二人三脚で作品リリース&ライヴ活動を続けています。

本作は、コンサートで以前から歌っていたものの、アルバム未収録だった人気曲を集めた1枚。
ミシェル・ルグラン作「Summer Me, Winter Me」やジョビン作のボサノヴァ名曲「Corcovado」等カヴァーから、夫ジム・トムリンソンがクリフ・ゴールドマッハーと書いたオリジナル曲「Thinking About The Rain」含む全11曲を収録。

今日のこの1曲は、1949年ミュージカル『南太平洋』使用曲で、エラ・フィッツジェラルドやハーパーズ・ビザールのカヴァーで知られるリチャード・ロジャース&オスカー・ハマースタイン作「Happy Talk」を。

彼女の可憐な歌声と、ジム・トムリンソンを中心にしたバンドの穏やかで温かな演奏は、聴いていてとても幸せな気持ちにさせてくれます。森 陽馬



2023年11月21日(火) 吉田哲人 「ラブ・ストーリーは週末に」

様々なアーティストへの楽曲提供やプロデュース/アレンジを行ってきた吉田哲人さんが、ソロ名義としては初となるメロディアスなオリジナル・アルバムを完成させました。

吉田哲人『The Summing Up』
(国内CD HYCA-8060 2,750円税込)

シングル曲「ひとめぐり」、「光の惑星」、「ムーンライト・TOKYO」他、「ひとめぐり」ライヴ音源含む全13曲入。
佐藤清喜(マイクロスター)がマスタリングを手掛けており、ポップ・ワールド全開な1枚です。

今日のこの1曲は、北海道発ガールユニットWHY@DOLL(ほわどる)へ、2017年に楽曲提供した名曲「ラブ・ストーリーは週末に」のセルフ・カヴァーを。
“恋の魔法にかけられたみたい”に、繰り返し聴きたくなりますね。

なお、2009年頃から2012年末までに制作していたアシッド/テクノ系楽曲収録の2枚組アルバム『The World Won't Listen』(HYCA-8061 2,970円税込)も一緒に発売されました。
『The Summing Up』との同時購入特典で、ボーナスCD(全11曲入!)を先着で差し上げています。
数に限りがありますので、ご希望の方はお早めにどうぞ。森 陽馬



2023年11月20日(月) 青野りえ 「TOKYO スクランブル」

“東京(TOKYO)”には、どんなイメージがありますか?

たくさんの人が行き交う街“TOKYO”は、現実とまた違った幻想的な世界で描かれることが多いですよね。

青野りえさんの新しいアルバムは、そんなファンタジックな“TOKYO”をテーマに制作された1枚です。

青野りえ『TOKYO magic』
(国内CD 先着特典CDR付 VSCF-1778 3,000円税込)

心がときめく恋がしたくなるような、シティ・ポップ・サウンドで統一された全10曲。
佐藤清喜(マイクロスター)がマスタリングを手掛けています。

今日のこの1曲は、甘く切ない愛と夢が交差する東京の街が描かれた傑作「TOKYOスクランブル」を。

なお、11月23日(木・祝)、渋谷7th FLOORにてレコ発ワンマンライヴが行われます。
バックは、本作のプロデューサー洞澤徹に加え、伊賀航、北山ゆう子、佐藤真也という鉄壁な布陣。
“TOKYOの魔法”が映し出す世界を体感しに足をお運びください。森 陽馬



2023年11月19日(日) 村田和人 「TRUST」

2023年11月17日は、ビートルズ最後(?)の新曲「Now And Then」のアナログ・シングル発売日でした。
と同時に、村田和人さん『evergreen』と『Sweet Vibration』の再発CD発売日でもありました。

村田さんはビートルズ大好きでしたから(杉真理さんには負けるけど)、同じ発売日で喜んでいるかも!?

だから、ビートルズに続いて、村田和人さんを取り上げないといけませんね。

村田和人『evergreen』+3
(国内CD 2023年リマスター 川崎太郎氏による解説付 BRIDGE-393 2,530円税込)

本作はビクター・レコード移籍第2弾として、1994年6月22日に発売されたアルバム。
川崎太郎氏による解説は、当時の貴重なエピソード満載でファン必読の内容です。
「村田さんはMOON時代のアルバムしか聴いたことがない」という方にも、手にしてもらいたい1枚ですね。

今日のこの1曲「TRUST」は、村田さんらしいメロディー、生バンドなグルーヴが感じられる大好きなナンバー。
山下達郎がコーラス、佐橋佳幸がギターで参加しています。森 陽馬



2023年11月18日(土) ビートルズ 「ナウ・アンド・ゼン」(新曲)

ビートルズの『赤盤』『青盤』が2枚組LPとして発売されたのは、アメリカが一番早く1973年4月2日。
イギリスは4月19日。そして日本は5月20日発売だったと言われています。
(資料によっては、1~2日のズレあり)

このビートルズをアーカイヴしたベスト盤が出た1973年。
各メンバーのソロ活動はどんな感じだったか?というと・・・、
・ジョンは『マインドゲームス』
・ポールは『レッド・ローズ・スピードウェイ』
・ジョージは『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』
・リンゴは『リンゴ』、を発表した頃でした。
みんな、のってるソロ活動をしていました。

ソロになってからファンになった人たちのビートルズ入門には、ぴったりの『赤盤』『青盤』だったわけですね。

さて、今までの『青盤』は全28曲でしたが、今回は9曲増えて全37曲収録されています。
「アイ・アム・ザ・ウォルラス」、「フール・オン・ザ・ヒル」、「マジカル・ミステリー・ツアー」、「レヴォリューション」、「ヘイ・ブルドッグ」、「オールド・ブラウン・シュー」の6曲は、<2023ミックス>です。
もちろんそれも注目ですが、なんといっても話題は新曲!の「ナウ・アンド・ゼン」でしょう。

ジョン・レノンが残したデモ録音を基に、1995~1996年のアンソロジー・プロジェクトを踏まえて、最新テクノロジーを駆使しての「ナウ・アンド・ゼン」。
何はともあれ、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴが協力してのビートルズの新曲、感動ですよね。森 勉

★掲載ジャケットは、ビートルズ『1967年~1970年」
(国内2枚組CD 英文解説和訳及び歌詞・対訳付 UICY-16202 4,180円税込)
なお、「Now And Then」の7インチシングルも発売中。シングルCD国内盤は12月1日発売予定です。



2023年11月17日(金) 大滝詠一 「ペパーミント・ブルー」

大滝詠一が1984年3月21日に発表した名作『EACH TIME』の40周年記念盤が発売決定しました。

<2024年3月21日発売>
大滝詠一『EACH TIME 40th Anniversary Edition』

・完全生産限定盤 豪華VOX
(3CD+Blu-ray Audio+12インチ・レコード2枚組+豪華ブックレット+歴代『EACH TIME』A4冊子(24P)+A2サイズポスター2種+ステッカー2種 先着特典:特製レコード・コースター SRCL-12700 25,000円税込)

・通常盤2枚組CD
(先着特典:ポストカード SRCL-12710 3,960円税込)

・完全生産限定盤アナログ2枚組 12インチ・レコード+7インチ・レコード
(先着特典ポストカード SRJL-1155 6,380円税込)

詳細は後日発表されますが、未発表音源も多数収録予定とのことで楽しみですね。

今日のこの1曲は、『EACH TIME』中で僕が一番好きな1曲「ペパーミント・ブルー」を。
イントロのコーラスを聴くだけで、郷愁にかられて心の奥が熱くなるのです。森 陽馬



2023年11月16日(木) 中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」

10月に放送がスタートしたNHK朝ドラ『ブギウギ』、毎朝楽しく観ています。

趣里さん演じる福来スズ子が表情豊かで、とってもチャーミング♪
登場人物もみな魅力的で、歌や踊りのシーンも毎回ワクワクドキドキ。コテコテの大阪弁も耳に心地よいです。

大阪に居る家族、ブルースの女王・茨田りつ子との関係、羽鳥善一先生の楽曲×スズ子の化学反応...これからの展開も目が離せませんね。

第8週目突入を目前に主題歌「ハッピー☆ブギ」のシングルCDが発売になりました。

中納良恵 さかいゆう 趣里「ハッピー☆ブギ」
(国内シングルCD 歌詞付 COCA-18160 1,500円税込)

<ブギウギ ウギー 魔法の言葉 体が自然に踊り出す>

劇中の音楽を手掛けている服部隆之作詞・作曲・編曲による主題歌「ハッピー☆ブギ」は何度聴いても胸躍ります。
中納良恵(EGO-WRAPPIN')、さかいゆう、趣里の3人の歌声の相性もバツグン♪
大晦日、彼女達の生パフォーマンスが見られると良いなぁ~と今から期待しています。

2曲目には、第1話の冒頭でも趣里さんが歌われていた笠置シヅ子「東京ブギウギ」のフル・ヴァージョンがカップリング。さらにシングルCDには両曲のカラオケも収録されています。ブギウギ・ファンの方要チェックです!東尾沙紀



2023年11月15日(水) Cat Power 「Like A Rolling Stone」

ボブ・ディランファン、女性シンガーお好きな方にもオススメの1枚。

キャット・パワー『Cat Power Sings Dylan : The 1966 Royal Albert Hall Concert』
(国内仕様2枚組CD 日本語解説付 BRWG524 2,530円税込)

女性シンガーChan Marshallのユニット“CAT POWER”が、ボブ・ディランによる1966年伝説的コンサート『ロイヤル・アルバート・ホール』を全曲カヴァーしたライヴ・アルバムです。

名ライヴ盤『ロイヤル・アルバート・ホール』(実際の録音場所はマンチェスター)の曲順通りで、前半はアコースティック、途中からエレクトリックなバンド・セットにチェンジするのも同じというこだわりの編成。
「Ballad Of A Thin Man」の曲前には、客席から「ユダ!」の声もあり。
(ディランのオリジナルは、「Like A Rolling Stone」演奏前でしたが)

「Like A Rolling Stone」での語尾を伸ばした歌い方も、ディランを意識したのでしょうね。森 陽馬



2023年11月14日(火) ボブ・ディラン 「Blowin' In The Wind」

ボブ・ディランが初来日したのは、今から45年前の1978年。
当時の日本武道館公演(1978年2月28日と3月1日)の音源を収めた『武道館』が、未発表音源を大幅に追加(全58トラック中、36トラックが未発表)し、完全版として発売されました。

ボブ・ディラン『コンプリート武道館』
(国内4枚組CD メモラビア+フォトブック+ブックレット 解説・歌詞・対訳付 SICP-6540 22,000円税込)

本作の何が素晴らしいかというと、企画、音源、マスターテープのミックス、アートワーク、デザイン、装丁などの全てが日本制作で行われたことです。

2007年に当時のマスターテープが奇跡的に見つかったものの、ディラン側からの返答がないまま約15年。
粘り強く交渉を続けた結果、2022年4月に許諾が下りて、遂に形となりました。
監修した菅野ヘッケル氏、当時の録音に続き2023年ミックスを手掛けた鈴木智雄氏、アートワークを担当した田島照久氏(ディランと江戸を融合したデザインが秀逸!)、そして、ソニー・ミュージック白木哲也氏の熱意が伝わってきますね。

近年は国内盤が出なかったり、出たとしても輸入盤に帯を付けた仕様が多い中、世界に誇れる<日本盤>がこうしてリリースされたことは本当に素晴らしいことだと思います。

「どれだけの大砲が宙に飛べば、撃ってはならないと決まるのか?」
「多くの人が死んだとわかるのに、どれだけの犠牲者を出せば気付くのだろうか?」
美しい演奏とアレンジによるディランの歌が心に刺さる「Blowin' In The Wind」を今日のこの1曲に。森 陽馬



2023年11月13日(月) シュガー・ベイブ 「風の世界」(ベース:鰐川己久男)

音楽雑誌『レコード・コレクターズ』2023年12月号の特集は、「この曲のベースを聴け!日本編」です。
(ミュージック・マガジン社 930円税込)

色々なバンドや様々なミュージシャンの曲で、冴えた演奏を聴かせてくれるベーシストの方々がたくさん紹介されています。とても興味深い特集だと思います。

しかし、残念ながら、僕の大好きなバンドのベーシストが入っていなかったので、ここで紹介したくなってしまいました。

バンドはシュガー・ベイブ。
ベーシストは鰐川己久男です。

『SONGS』に収録された全11曲、どの曲も素晴らしいのですが、エモーショナルなプレイで心をふるわせてくれる、大貫妙子作詞・作曲の「風の世界」を選びました。

シュガー・ベイブ『SONGS』40周年記念エディション
(国内2枚組CD WPCL-12160 3,080円税込)

実際にプレイした鰐川己久男と、1975年という時代にこれだけの音を記録した大瀧詠一(レコーディング・エンジニア&ミックスを笛吹銅次の名で担当)に拍手! 森 勉



2023年11月12日(日) Neil Young 「I'm The Ocean」

11月12日はニール・ヤングの誕生日。
2023年で78歳! おめでとう、ニール!

コロナ禍はライヴ活動を自粛していたニールも、今年は初夏からツアーを再開。
お蔵入りしていた70'sの作品『Chrome Dreams』が8月に正式リリースされたことも話題になりましたね。

そして年末、ニールのソロ名義による新しいアルバム『Before And After』が発売決定しました。

ニール・ヤング『Before And After』
(2023年12月13日発売 国内CD WPCR-18657 3,080円税込/輸入CD、LP、Blu-rayは12/8予定)

<今年のツアーで演奏した楽曲を中心に13曲を再録音し48分間途切れることなく収録したアルバム>、とのこと。
13曲分入っていますが、曲間がなく、曲順通りに続けて聴くことを強いているようです。
ストリーミングなどシャッフルで聴くことが多いリスニング環境への警鐘でしょうか。
いかにもニール・ヤングらしいコンセプトですね。

その1曲目が「I'm The Ocean」!
オリジナルは、パール・ジャムがバックを務めた1995年作『Mirror Ball』に収録されているナンバー。
「I'm An Accident. I was driving way too fast couldn't stop though so I let the moment last」
(俺は事故。早く運転しすぎて止まれないんだ。でもこの瞬間を持続していく。)
という歌い出しの歌詞含め、ニールらしさ全開で、僕は大好きな1曲です。

ちなみに、本作『Before And After』は国内盤CDが発売されることになりました。
ソロ・アコースティックながら、ロックな精神が込められた新作を楽しみに待ちましょう!森 陽馬



2023年11月11日(土) Gregory Porter 「Heart For Christmas」

恵比寿ガーデン・プレイス''冬の風物詩''、バカラのシャンデリアが本日から点灯開始(~2024年1月8日)。
各地ツリーの点灯式のニュースもちらほらと見掛け、気温もグッと下がって徐々にクリスマス・ムードを感じられるようになってきましたね。

ということで本日は一足先に、先日入荷したオススメの新作クリスマス・アルバムをご紹介します。

Gregory Porter『Christmas Wish』
(輸入CD Blue Note 5566923 / 輸入LPもあり)

2023年5月に東京で行われた8年ぶりの来日公演で最高のパフォーマンスを見せてくれたアメリカのジャズ・シンガー、グレゴリー・ポーターが、初のクリスマス・アルバムをリリースしました。

「Silent Night(きよしこの夜)」、「Christmas Time Is Here」(ヴィンス・ガラルディ)などスタンダード、ポーター作によるオリジナル曲で構成され、チップ・クロフォード(p)等いつものバンドと、今作のプロデュースを手掛ける英国人ミュージシャンTroy Miller率いるオーケストラによる優雅なアレンジも加わり、ゆったりと良い気分に浸れる作品となっています。

ジャズ・ヴォーカル新星サマラ・ジョイとのデュエット「What Are You Doing New Years Eve?」も話題ですが、本日は今作のラストを飾る心温まるオリジナル曲「Heart For Christmas」を今日の1曲に。東尾沙紀



2023年11月10日(金) ビートルズ 「ツイスト・アンド・シャウト」(2023ミックス)

ビートルズのベスト盤、通称『赤盤』『青盤』が発売されたのは1973年。

2023年は発売から50周年だからそのリマスター盤が・・・、
という冗談のような事を昨年から知り合いと話していたら、本当にそんな事になりましたね。

2023年11月10日『赤盤』『青盤』は、大幅に曲を追加し、2023ミックスなどニューミックスも多数収録されています。
今日はまず『赤』から。

ビートルズ『1962年~1966年』
(国内2枚組CD 英文解説の和訳及び歌詞・対訳付 UICY-16200 4,180円税込)

以前の『赤盤』は全26曲でしたが、今回はなんと12曲プラスの全38曲収録。
そして、最新ミックスのアメアラレ! 果たして、その出来はいかに!?

ヘッドフォンにて、2枚組CDを1回通して聴いてみました。
長年、何回も何回も聴いている曲なのに、この新鮮さはナニ?
とにかく、興奮して全曲楽しみながら聴けました。

ビートルズがスタジオ内で録音していた頃のパッションが伝わってくるような<2023ミックス>。
すばらしかったです。

今日の1曲は、『赤盤』初登場になる曲にしようと思います。
「ジス・ボーイ」や「ユー・キャント・ドゥ・ザット」も気になりますが、「ツイスト・アンド・シャウト」に決めました。
ジョンの圧倒的なヴォーカルがよりリアルに聴こえてきます。

そう、「ア・ハード・デイズ・ナイト」のイントロの音、みなさんはどう思われましたか? 森 勉


2023年11月9日(木) Nacho Casado 「EDEN」

空気が澄んだ心地良い昼下がりに、美味しい紅茶でも飲みながら聴きたい推薦盤♪

ナチョ・カサド『ナチョ・カサドの鮮やかなサウンドにようこそ!』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 HYCA-8058 2,640円税込)

Nacho Casado(ナチョ・カサド)は、スペインの男性シンガー・ソングライター。
本作は、今までに発表した3枚のアルバムから、彼自身がお気に入りの曲を選んで編集した国内盤CDです。

センスあるポップな楽曲にボッサ&フォーキーなサウンド♪
歌詞はスペイン語ながらとっても聴きやすいですね。
ハース・マルティネス、モンド・ガスカロお好きな方にオススメしたい1枚です。

今日のこの1曲は、歌詞にビーチ・ボーイズが出てくる12曲目「EDEN」を。

ちなみに、この盤には歌詞の日本語訳と、ナチョ・カサド本人による曲解説も付いています。
紅茶にお菓子、そしてCDブックレットも手に取って、ゆっくりご覧になりながらお楽しみください。森 陽馬



2023年11月8日(水) はっぴいえんど 「風来坊」(吉野金次ミックス)

はっぴいえんどのスタジオ録音アルバムは3枚。
発売から50年以上経っても、それぞれが個性を主張し続けてくれます。

1枚目の『はっぴいえんど』も、2枚目の『風街ろまん』も、3枚目の『HAPPY END』も・・・。。

そういえば、グループ名をそのままファースト・アルバム・タイトルにしたというは、彼が好きだったバッファロー・スプリングフィールドともモビー・グレープとも同じなんですね。
彼らの事ですから、そんな事、もちろん意識してのことなんでしょう。

さて、今日は1973年2月発表のサード・アルバム。

ばっぴいえんど『HAPPY END』
(国内CD 初回生産限定盤 62ページブックレット 解説・歌詞付 3,520円税込)

ここにもボーナス・トラックが2曲追加されています。
・「風来坊」(吉野金次ミックス)
・「田舎道」(吉野金次ミックス)

「田舎道」はエンディングが30秒ほど長くなっています。

今日の1曲は、細野晴臣作詞・作曲「風来坊」の方を。
以前のヴァージョンに比べると、ベースの音がくっきりとオンになっています。
ベーシスト細野晴臣がお好きな方、必聴です。森 勉



2023年11月7日(火) 寺尾紗穂 「期待などすてて」

寺尾紗穂さんによるサントリーホール(小ホール)でのコンサートが12月1日(金)開催決定しました。

“ブルーローズ”と呼ばれるこのホールでの寺尾紗穂さんのライヴは、今年2023年で3回目。
2021年、2022年の年末に行われた過去2回は、心が浄化されるようなひと時でした。
ブルーローズに入るだけで、魂が清められると思います。是非チェックしてみてください。

なお、今年の公演は松井一平さんがライブドローイングで参加する予定です。
寺尾紗穂さんの演奏との化学反応にも注目ですね。

今日のこの1曲は、松井一平さんが作詞を手掛けている楽曲「期待などすてて」を。

寺尾紗穂『余白のメロディ』
(「期待などすてて」は5曲目に収録)
(国内CD KHGCD-002 3,300円税込/国内LP 限定アナログ KHGLP-002 3,850円税込)

♪本当のことは 言葉にならないな♪
歌詞のこの一節と、紗穂さんが弾くフェンダーローズの温かな音色が印象に残ります。森 陽馬



2023年11月6日(月) Van Morrison 「Shake Rattle And Roll」

3連休は夏日になった日もあり、過ごしやすい陽気でしたね。
店では11月3日に発売されたこのアルバムをよくかけていました。

ヴァン・モリソン『ACCENTUATE THE POSITIVE』
(国内CD 天辰保文さんによる解説・歌詞・対訳付 UICB-1022 3,300円税込)

これでもか!と新作を出し続けているヴァン・モリソン。
3月に発表した『Moving On Skiffle』(
2023年3月13日今日のこの1曲紹介)に続く、本年2枚目のアルバムです。

テーマは“ロックン・ロール”!
これがヴァン・モリソン節全開でイイ!

レイ・チャールズがヒットさせたことで知られる「You Are My Sunshine」から始まり、エヴァリー・ブラザーズやリンダ・ロンシュタットで有名な「When Will I Be Loved?」、ジョニー・キッド&ザ・パイレーツ「Shakin' All Over」、チャック・ベリー「Bye Bye Johnny」等々、ゴキゲンなカヴァー連発の全19曲。

今日のこの1曲は、タジ・マハールが参加しているラスト19曲目「Shake Rattle And Roll」を。
タジがヴァンと一緒に歌っていて、楽しいセッションの様子が伝わってきますね。

ちなみに、10曲目「Lonesome Train」にはジェフ・ベックが参加。らしいギター・ソロを聴かせます。森 陽馬



2023年11月5日(日) はっぴいえんど 「颱風」(Full Size)

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はっぴいえんどの未発表音源!!!
興奮しました。

今まで(ファンは)誰も聴いた事がなかったこんなヴァージョンがあったなんて・・・。

はっぴいえんどのレコードを発売したURCレコードの版権が、今まで権利があったポニー・キャニオンからソニー・ミュージックへ移行したことで、2023年6月から高田渡、遠藤賢司、加川良などが再発されていました。

11月1日に満を持して、はっぴいえんどの3種が発売になりました。
(サード・アルバムはキング/ベルウッド・レコードから出ていましたが、今回のCDはソニーから出ています。)

11月1日はファースト・アルバム(通称『ゆでめん』)を紹介しましたが、今日はセカンドを。

はっぴいえんど『風街ろまん』
(国内CD 初回生産限定盤 60ページ・ブックレット 解説・歌詞付 MHCL-30916 3,520円税込)

ボーナス・トラックは、「はいからはくち」(完パケ Take1)と颱風(Full Size)の2曲です。

今日はボーナス・トラックの「颱風」を。
通常ヴァージョンは6分27秒ですが、これはなんと9分48秒もあります。
ただのロング・ヴァージョンではなく、別ヴァージョンと言っていいと思います。

僕としては、<つぎ、止まります>ヴァージョンと命名したいかな。
聴けばその意味がわかります。森 勉



2023年11月4日(土) Teenage Fanclub 「See The Light」

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本日も東京はポカポカ陽気...というよりは、昨日よりさらに気温が上がって少し汗ばむくらいでした。
でも外は爽やかな風も吹いていて、こういう一日にティーンエイジ・ファンクラブの新作はぴったりだなと思いました。

ティーンエイジ・ファンクラブ『ナッシング・ラスツ・フォーエヴァー』
(輸入国内仕様CD 日本語解説・歌詞付 PEMA20CDJ 2,970円税込)

前作『エンドレス・アーケイド』から約2年半ぶりとなる新作です。
<永遠に続くものなどない>...最初に見た時は意味深なタイトルに思えてネガティヴな捉え方をしていましたが、アルバムを聴いていると、<こんな悲しみや苦しみはいつまでも続かないよ>そんなバンドの想いが込められている気がしました。

ライヴで盛り上がりそうなギター・ロック・ナンバーあり、美しいバラードあり。
60年代のソフト・ロック・グループのようなヴォーカル&ハーモニーも終始心地良い1枚です。

2024年に結成35周年を迎える彼らは、新作を引っ提げて5年ぶりの来日公演が発表されています!
2024年2月28日東京・恵比寿ガーデンホール、3月1日名古屋クラブクアトロ、3月2日大阪・梅田クラブクアトロの3公演が予定されています。東尾沙紀



2023年11月3日(金) 生活の設計 「キャロライン」

<レコードの日>にたくさんのご来店ありがとうございました。
東京はポカポカ陽気で、レコード日和な1日でしたね。

今日は、僕が購入した<レコードの日>アイテムから紹介しましょう。

生活の設計『キャロライン/むかしの魔法』
(国内7inchアナログ・レコード SKSK-002 1,980円税込)

生活の設計は、大塚真太郎&薫平の兄弟と辻本秀太郎による現代のポップロック・ユニット。
2023年作『季節のつかまえ方』(
2023年4月20日今日のこの1曲紹介)は、店内でかけていると「今かかっているのは何ですか?」と聞かれることが多く大好評♪ロングセラーとなっています。

そのアルバム・ラストに収録され、小西康陽さんが「7インチで欲しい曲1位!」と絶賛していた「むかしの魔法」が、遂にアナログ・レコード化!
でも、「むかしの魔法」はB面で、A面には新曲「キャロライン」が収録されました。

<新曲が最高傑作って素晴らしい!クヤシイ!>(小西康陽によるコメントより一部抜粋)

小西さんがそう嫉妬する程、疾走感に溢れ、青春迸る「キャロライン」がかっこいい!
大塚真太郎さんが沖縄へ行った時にできた曲で、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ「Don't Take Your Time」と、彼が学生時代によく聴いていたandymoriの雰囲気を組み合わせて作ったそうです。
サニーデイ・サービスお好きな方にもオススメしたいですね。森 陽馬



2023年11月2日(木) 吉田美奈子 「DREAMING」

2023年11月3日は<レコードの日>。
アナログ・レコードのプレスメーカー、東洋化成主催イベントで、様々なレコードが発売になります。

はっぴいえんど、金延幸子、くるり、小野リサ、ボビー・コールドウェル、ANZAIFURUTA、エルアール、PUNPEE、アントニオ猪木、藤波辰巳、生活の設計、中山美穂&WANDS、元ちとせ、冨田ラボ、笠置シヅ子等々を当店にて販売。
(予約で終了しているアイテムもございます。ご了承くださいませ。)

数多いアイテムの中で、PET SOUNDS RECORD一番のオススメはこの1枚!

吉田美奈子『BELLS Special Edition』
(国内LP 完全限定盤 UPJY-9325 4,180円税込)

本作は、吉田美奈子さんが1986年に自主製作盤として3,000枚限定でCDリリースした冬アルバムの名盤。
今回が初めてのアナログ・レコード化です。

LPジャケットは、自主制作だったオリジナルのCDと同じように、版画を貼り付けた仕様になっていました。
デザインはプリントかも、と思っていたので予想外のディテールでうれしいですね。
実際に手に取ると重量感もあって、音質も素晴らしい!

CDで聴いていた時とは、また違った波動で心に響いてきます。
昔の盤をお持ちの方にも是非手に取っていただきたいアナログ・レコードです。

今日のこの1曲は、自らの夢と記憶に、感謝の祈りを込めて「DREAMING」を。森 陽馬



2023年11月1日(水) はっぴいえんど 「かくれんぼ」(歌入れ最終ダビング Take1)

今年2023年は、はっぴいえんどの解散コンサート<CITY-Last Time Around>(1973年9月21日文京公会堂にて)が行われてから50年という節目。

でしたが、残念ながらそれを記念したようなイヴェントはありませんでした。

しかし、本日11月1日に、はっぴいえんどファンにはうれしい、うれしいCDが発売!
彼らが発表したスタジオ・アルバム3枚が、2023年最新リマスタリングを施され、なんとなんと、今まで完全未発表だったボーナス曲が各々に2曲収録される初回生産限定盤が出ました。

・はっぴいえんど『はっぴいえんど』 1970年8月
・はっぴいえんど『風街ろまん』 1971年11月
・はっぴいえんど『HAPPY END』 1973年2月

今日はまず、ファースト・アルバムを。
はっぴいえんど『はっぴいえんど』
(国内CD 初回生産限定盤 60ページ・ブックレット 解説・歌詞付 MHCL-30914 3,520円税込)

最新リマスターの音が素晴らしい!
そして、ボーナス曲「かくれんぼ」(歌入れ最終ダビング Take1)と、「12月の雨の日」(最終ダビング Take2)の新鮮さにビックリ!

アナログ盤も今回出ますが、ボーナス曲&豪華ブックレットが付いているのは、CDの初回盤のみです。森 勉



2023年10月31日(火) 遠藤賢司 「満足できるかな」 with 坂崎幸之助

先週10月25日は遠藤賢司さんの命日でした。
今年2023年でもう7回忌なのですね。

見る者の魂を焦がすような歌とギター、そして繊細な眼差し。
情熱的なパフォーマンスは、時が経っても目と耳に焼き付いています。

その遠藤賢司が2004年に坂崎幸之助(THE ALFEE)と録音していた未発表音源が7インチで発売されました。

遠藤賢司『寝図美よこれが太平洋だ/満足できるかな』
(国内7inchアナログ・レコード 完全限定盤 FJEP-1013 2,200円税込)

AB面共に1971年発表アルバム『満足できるかな』からの楽曲ですが、歌詞に出てくる寝図美(ネズミ)というのは、エンケンが当時飼っていた猫の名前ですね。
今日のこの1曲は、2人の激情ギターが絡むB面「満足できるかな」を。

なお、ジャケットには、江口寿史氏のイラストが使用されています。森 陽馬



2023年10月30日(月) リック&キーンズ 「ピーナッツ」

秋らしいいい気候になりましたね。
こんな季節になると聴きたくなるのが、ドゥ・ワップです。
(ドゥ・ワップに限らず、好きなものはいつ聴いてもいいのですが)

今日の曲は「ピーナッツ」。
おつまみとしても最高ですが、曲もゴキゲンです。

1957年にリトル・ジョー&スリラーズというR&Bグループがヒットさせていますが、今日ご紹介するのは、ホワイト・ドゥ・ワップ・グループによる「ピーナッツ」です。

リック&キーンズというダラス出身の女性1人を含む白人5人組(存在する写真では4人組のものも)のグループがカヴァーして、1961年にスマッシュ・ヒットさせています。

『Special Doo Wop Edition 1953-1963 ~ The Golden Age Of American Rock'N'Roll』
(輸入CD 28ページ英文ブックレット付 ACE CDCHD1000)

マーセルズ、クレフトーンズ、ドリフターズ、ダブス、ハープトーンズ、チャーツ、ティーンネイジャーズなど全30曲収録のCDの中に、このリック&キーンズの「ピーナッツ」が入っています。

この「ピーナッツ」という曲は、我々の世代はフォー・シーズンズで知り、その後、イギリスのウィッシュフル・シンキングのカヴァーも思い出に残っています。森 勉



2023年10月29日(日) 佐野元春 「Happy Man」

書籍『音楽ライター下村誠アンソロジー 永遠の無垢』を当店で販売させていただけることになりました。
(大泉洋子編著 虹色社 2,750円税込)


下村誠さんは、佐野元春に関わった著書『路上のイノセンス』(1986)で知られる音楽(ビート)ライターで、自身も音楽家として活動しながら、数多くの執筆を手掛けた方です。2006年に51歳で亡くなってから早17年が経ちました。
この本には、彼の音楽評論、繋がりのあった方々の寄稿、下村誠の足跡&世相年表が纏められています。

下村誠さんの文章には、音楽へのまっすぐな姿勢、ひたむきさが感じられますね。
その音楽が持つ熱や力をわかりやすい言葉で伝えていたのだ、と気付かされました。
下村誠さんのことや、評論対象のアーティストをよくご存知ない方も、是非手に取ってもらいたい1冊です。

今日のこの1曲は、下村誠さんも参加している佐野元春「HAPPY MAN」(1982)を。森 陽馬

★11月5日(日)神田レタスにて、『下村誠 SONG LIVE - BOUND FOR GLORY Vol.8 十七回忌ライヴ』が開催。

★掲載ジャケットは、佐野元春『ベスト・コレクション GREATEST SONGS COLLECTION 1980-2004』
(国内3枚組CD 「ハッピーマン」収録 MHCL-30644 4,400円税込)



2023年10月28日(土) Joni Mitchell 「You Turn Me On I'm A Radio」 with Neil Young & The Stray Gators

2023年のベスト・リイシュー候補!
ジョニ・ミッチェルの貴重音源を収めたアーカイヴ・シリーズ第3弾が発売されました。

ジョニ・ミッチェル『Archives Vol.3 : The Asylum Years 1972-1975』
(国内仕様5CD キャメロン・クロウによるジョニへのインタビュー和訳付 WPCR-18635 12,100円税込)

まず、BOXセットを開けた瞬間から、その装丁が素晴らしくて感動しました。
CDが入ったスリーヴや、ブックレットを手にとっただけで、70年代へタイムスリップしたような気持ちになります。

1972年から1975年の間、ジョニは『For The Roses』(1972)、『Court And Spark』(1974)、『Miles Of Ailes』(1974)、『The Hissing Of Summer Lawns』(1975)を発表しており、5枚のCDには、その時期のデモ音源やセッション、ライヴ音源が良質な状態で収められています。
ブックレットに記載されたジョニの証言を読みながら聴くと、より深みが増してきますね。

今日のこの1曲は、ディスク2の7曲目に収録されている「You Turn Me On I'm A Radio」別ヴァージョンを。
1972年4月16~21日に録音された『For The Roses』のアーリー・セッションで、バック演奏はなんと!ニール・ヤング&ストレイ・ゲイターズ!
イントロのハーモニカはニール・ヤング! レイドバックした演奏はまさにストレイ・ゲイターズ! 森 陽馬



2023年10月27日(金) VAGABOND cinema pops arkestra 「Theme from "HIGE"」

<このヴァガボンドは米西海岸のティプシーと並んで、最もイカレタ、またはイカシタ音を出している。>
<50年代のイージー・リスニング系が30~40年代ジャズのマイナー・マスターであるレイモンド・スコットと、70年代L.A.の偉大なロック・バンド、リトル・フィートに高円寺駅前で出会ってしまったような音を出している>
(1997.8.15 細野晴臣によるコメントより)

ヴァガボンド・シネマ・ポップス・アーケストラは、細野晴臣さんや近年の大滝詠一関連作品のデザインを手掛け、世界一のレイモンド・スコット研究家でもある岡田崇さんを中心としたラウンジ・ユニットです。
そのヴァガボンドが1997年にCDで発表した6曲入ミニ・アルバムが、10インチ・レコードで新装リリース!

VAGABOND cinema pops arkestra『Promotion Only (from outer space)』
(国内10inchアナログ・レコード 完全限定盤 CXLP-1053 4,070円税込)

岡田崇さんへのインタビューを基にした松永良平さんによる解説&写真満載のリーフレットや、<冥王星で15週連続トップワンを取ったヴァガボンドが、ラウンジが流行りだした地球へ帰る>、という遊び心満載な設定のすごろくも同封されています。アナログ好きの方には是非手に取ってもらいたい1枚ですね。

今日のこの1曲は、『ぼくの伯父さん』とテルミンが入ったSF映画のテーマ曲を合わせたような、ゴキゲンなインスト・ナンバー「Theme from "HIGE"」(作曲:岡田崇)を。
ちなみに、レイモンド・スコット「Snake Woman」のカヴァーも収録されています。森 陽馬



2023年10月26日(木) Cupid's Carnival 「I Look At You (Honey,I'm Your Man)」

<失われたビートルズのアルバム>、<クラトゥの再来>などと評される英国の現行ポップ・ロック・バンド!
ソニーの大好評BeatleDNA(ビートルズの遺伝子)シリーズから、日本デビュー盤がリリースされました。

キューピッズ・カーニヴァル『レインボウ・チャイルド』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 日本独自企画盤 SICX-191 2,640円税込)

同シリーズから発売された2021年のコンピ『Power To The Pop 2』に彼らの楽曲「Everything Is Love」が収録されていたので、既に耳にしていた方も多いはず。

Vo.ローランド・スキルトンのジョン・レノン似の歌声、ヘフナーベースやエレクトリック・シタール、メロトロン、ハーモニウムなど使用楽器に拘ったサウンドも相まって、ビートルズ楽曲の別バージョンか!?と思わず錯覚してしまいそうなほど。
ビートルズ要素が沢山散りばめられていて楽しいですし、何より曲がどれもポップで良いですね♪

意中の女性をなんとか振り向かせたい情熱的な男性の気持ちを描いた「I Look At You」が特にお気に入りです。
リッケンバッカー12弦が良い音を奏でていて、サビのハーモニーも聴く度にワクワクします。

今作は、彼らの通算3作目となる最新作『Rainbow Child』に、過去2作の中から8曲を厳選しプラスした日本独自企画盤。
メンバーによる各曲解説など読み応えのあるブックレットも嬉しいですね。東尾沙紀



2023年10月25日(水) 松田聖子×大滝詠一 「風立ちぬ」(duet version)

大滝詠一と松田聖子が「風立ちぬ」をデュエットしているヴァージョン!?
そもそも大滝詠一が「風立ちぬ」を歌っているスタジオ・ヴァージョンなんてあったの!?

今まで全く知られていなかった「風立ちぬ」(duet version)が初めて発売されました。

松田聖子『Bible -pink & blue- Special Edition』
(国内3枚組CD MHCL-30900 4,950円税込)

松田聖子の秋・冬をイメージした楽曲を中心に集めた編集盤に、その「風立ちぬ」は収録。
大滝詠一本人が1980年代当時、遊び心でエディットした音源だそうです。

イントロにカウントが入っており、松田聖子と大滝詠一が交互に歌っていきます。
曲はそのまま終盤へ向かい、「一緒に歌う部分はないのかな?...」と思い始めたその時!
最後の最後、2人の歌声が重なるのです!
大滝さんらしい演出ですね。感動しちゃいました。

「風立ちぬ」(duet version)と「いちご畑でFUN×4」をカップリングした7インチもいつか出して欲しいですね。森 陽馬

★この「風立ちぬ」(duet version)が収録された限定カラー・レコードも発売中!
松田聖子『Bible -milky blue-』
(国内2枚組LP 完全限定アナログ盤 MHJL-300 7,000円税込)



2023年10月24日(火) 小坂忠 「Many Rivers to Cross」

<魂の歌声>
小坂忠さんの歌を聴いていると、心が洗われて、穏やかで清々しい気持ちになります。

その忠さんの歌でパッケージ化されていなかった音源や貴重な映像を収めた編集盤が発売されました。

小坂忠『THE LAST SESSION ~with Chu's Friends』
(国内CD+DVD COZB-2038 6,050円税込)

今日のこの1曲は、ピーター・バラカン氏監修の音楽フェスLIVE MAGICの2019年時に、小坂忠さんが出演して歌った「Many Rivers to Cross」を。

オリジナルはジミー・クリフが1969年に書いた名曲。
ピーター・バラカンさんが直々にリクエストして、小坂忠さんにカヴァーしてもらったそうです。

「越えなければいけない、たくさんの河があるんだ」
意志を失わずに人生の苦難を乗り越えよう、というメッセージが伝わってきます。森 陽馬



2023年10月23日(月) ホリーズ 「バス・ストップ」

わたくし、森勉がひさしぶりにD.J.をやることになりました。
まだ1ヶ月以上先ですが、お知らせしておきたいと思います。

2023年12月9日(土) 19時~
恵比寿セイリンシューズにて チャージ1,000円+ドリンク代
テーマは<ミドル'60'sビート>(ブリティッシュVSアメリカン)

森勉の好きなミドル・シックスティーズのビート・グループを中心に、イギリスとアメリカの対決という感じで、イイ曲をいっぱいかける予定です。

ということで、60'sの名曲がいっぱい入ったコンピCDを紹介したいと思います。

V.A.『60's プレミアム・ベスト』
(国内3枚組CD WPCR-15390 2,530円税込)

全77曲収録。ハニーズ、ブロッサムズ、ボンゾ・ドッグ・ドゥーダー・バンドなど、マニアックなものも入っていますが、基本は1960年代のヒット曲です。
モンキーズ、アニマルズ、アソシエイション、ラスカルズ、ハーマンズ・ハーミッツ、マンフレッドマンなど、ビート・グループものがたくさん入っているので、このCDの中から数曲は12月9日にかかるかもしれません。
現在、選曲に関しては着々と構想及び妄想中であります。
珍しい曲もベタな名曲もバランス良く、と考えています。

今日の1曲は、このCDに入っているホリーズ「バス・ストップ」を。
イイ曲です。1966年当時、日本でもヒットしました。森 勉



2023年10月22日(日) ジョー・マカリンデン 「Life」

ポップなジャケットのイメージとは対照的に、夜静かな時間にじっくりと聴き入りたいアルバムです。

ジョー・マカリンデン『ウェアー・ザ・クラウズ・ゴウ・スイミング』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲追加 HYCA-8057 2,640円税込)

ジョー・マカリンデンは、グルーヴィー・リトル・ナンバーズ、スーパースター、BMXバンディッツなどでの活動で知られる男性シンガーソングライター。

解説によると彼は以前から記憶障害に悩まされ、音楽制作も今までとは違う方法で向き合うことになり、影のあるメロディにはその影響も感じられますが、ピアノ、ギター他すべての楽器、コーラスなど一音一音がとても心地良い響きを持った美しい作品を届けてくれました。

鍵盤ハーモニカが印象的に使われているスーパースターの頃の楽曲「Sparkle」の再演や、<~君は僕の人生のすべて>と歌う感動的な「Life」など、どの曲もじんわりと胸に沁みてきます。

今作と同じくHAYABUSA LANDINGSから国内盤が発売されたティム・ボウネス『Late Night Laments』や、ベン・ワットのソロ作の雰囲気がお好きな方にもおすすめの1枚です。東尾沙紀



2023年10月21日(土) Tedeschi Trucks Band 「Made Up Mind」

テデスキ・トラックス・バンド10月18日東京ドームシティ・ホールでのライヴへ行ってきました。

デレク・トラックス・バンド含め、今までの来日公演も素晴らしいライヴでしたが、今回は特に凄かった!

デレクとも古い仲で重要メンバーだったコフィ・バーブリッジの逝去(2019)や、若き新ドラマー、アイザック・イーディの加入など、メンバーチェンジを重ねた現在のバンドは12人編成。
デレクのギター&スーザン・テデスキの歌とギター、そして、バンドの一体感が更に進化していましたね。
ゲイブ・ディクソンのハモンド・オルガンが良い音していてかっこよかったなあ。

10月22日(日)東京追加、24日名古屋、25日大阪、と続いて、当日券も各日あるようです。
ちょっとでも気になった方、お時間ある方は是非ご覧になって欲しいですね。

なお、テデスキ・トラックス・バンド名義の初期3作が値段が安くなり再CD化されました。
その中から、今日のこの1曲は、2013年発表傑作アルバムのタイトル曲「Made Up Mind」を。

テデスキ・トラックス・バンド『MADE UP MIND』
(国内CD 天辰保文氏による解説・歌詞・対訳付 SICP-31643 2,000円税込)

10/18の公演で、「Made Up Mind」はアンコールで披露されました。
(ちなみにその日は、「Beck's Bolero」(ジェフ・ベック)、「Bell Bottom Blues」(デレク&ドミノス)、「I Walk On Guilded Splinter」(ドクター・ジョン)も演奏! でもそれらが霞むほどオリジナル曲に求心力を感じました。)
セットリストは毎日違うようです。残りの公演ではどんな曲が飛び出すのか楽しみですね。森 陽馬



2023年10月20日(金) ローリング・ストーンズ 「Bite My Head Off」

「こんな凄い新作アルバムを出してくれて、本当にありがとう!」

ローリング・ストーンズの約18年ぶりとなるオリジナル・アルバム『ハックニー・ダイアモンズ』が本日発売。
感動するほど素晴らしい1枚でした。

ローリング・ストーンズ『HACKNEY DIAMONDS』
(国内CD ジュエルケース仕様 歌詞・対訳・解説付 UICY-16195 2,640円税込)
(国内CD デジパック仕様 歌詞・対訳・解説付 UICY-16194 2,860円税込)
(国内CD+Blu-ray Audio+ブックレット+ステッカー付 限定盤 UICY-80360 11,000円税込)
(国内LP 限定アナログ盤 UIJY-75239 7,150円税込)

全12曲(日本盤には「Living In A Ghost Town」がボーナス・トラックとして追加で全13曲)、とにかく最高!
ストーンズらしさが随所にありながら、“今の音”になっていて心を揺さぶられますね。

今日のこの1曲は、ポール・マッカートニーが参加しているパンク(!)な4曲目「Bite My Head Off」。
ポールに触発されたのか、ミック・ジャガー(80歳!)のシャウトが凄まじい! 森 陽馬



2023年10月19日(木) インスタント・シトロン 「Mon Oncle」

2020年10月20日に亡くなった片岡知子さんが在籍していたグループ、インスタント・シトロン。
3人体制(片岡知子+長瀬五郎+松尾宗能)で福岡を拠点に活動していた1990年代前半の音源が、新たな編集盤としてCD及びレコードで纏められました。

インスタント・シトロン『IT'S A FANCY DAY 1993-1994』
(国内CD 全11曲 LDCD-019 2,750円税込/国内LP 全10曲 LDLP-018 4,400円税込)

1993~94年は小沢健二がソロ1stと『LIFE』をリリースした頃で、“渋谷系”の真っ只中。
インスタント・シトロンの作品からも、その時代の空気が感じられると同時に、ドリーミーでピュアなポップ・ナンバーからは、約30年を経ても色褪せない、大好きな音楽への愛と情熱が伝わってきます。

今日のこの1曲は、「初期のシトロンの最高傑作」(松尾宗能)という「Mon Oncle」。
ビーチ・ボーイズ好きの長瀬五郎さんが中心になって書いた楽曲と3人のコーラスが素敵ですね。

なお、ブックレットに掲載されている当時の写真や、岡田崇さんによる充実の解説はファン必読!
当店でお買い上げの方には、片岡知子さんがお気に入りだった写真(1994年南仏アルルにて中西ゆき乃撮影)を使用したジャケット・デザインのマグネットを先着で差し上げています。森 陽馬



2023年10月18日(水) 笠井紀美子 「テイク・ミー」

笠井紀美子は1960年代後半から活動を始めた日本人ジャズ歌手。
1970年代に発表された作品はほとんどが英語詞によるものでした。

このアルバムは1977年に制作された彼女としては異色作と言ってもいい、全曲日本語詞によるもの。
発表当時は賛否両論いろいろな意見が飛び交っていたように感じました。

しかし、現在ではシティ・ポップ・ブームもあり、シティ・ポップ名盤として若いリスナーにも定着しているようです。

笠井紀美子『トーキョー・スペシャル』
(国内CD 解説付 SICJ-116 1,100円税込)

日本語でも楽曲にフィットしているヴォーカルと、鈴木宏昌、松木恒秀、岡沢章を中心としたコルゲン・バンドの演奏が絶妙にマッチした作品になっています。

作詞は安井かずみが全曲担当。
作曲は山下達郎、筒美京平、横倉裕、鈴木勲、矢野顕子などの曲が取り上げられています。

今日の1曲は、コルゲン・バンドのバンマスであり、本作のアレンジも担当した鈴木宏昌の作品「テイク・ミー」を。
松木恒秀のさりげないギター・フレーズに耳が反応してしまいます。森 勉



2023年10月17日(火) ザ・クロマニヨンズ 「ごくつぶし」(ライヴ)

ブルーハーツ、ハイロウズ、ザ・クロマニヨンズは、配信やサブスクを解禁していません。

音楽の聴き方は近年変化していますが、ヒロトとマーシーがモノへのこだわりを持ち続けている限り、サブスク解禁せず、ロックンロールを突き詰めていってほしいな、と個人的には思っています。

さて、ザ・クロマニヨンズ2023年ツアーのライヴ音源が本日発売されました。

ザ・クロマニヨンズ『ザ・クロマニヨンズ・ツアー MOUNTAIN BANANA 2023』
(国内2LP+CD+DVD+写真集 限定盤 BVJL-100 8,250円税込/通常CD BVCL-1300 3,204円税込)

2023年1月に発表した傑作『MOUNTAIN BANANA』全曲に加え、人気曲含む全23曲。かっこいい!最高!

ちなみに、ザ・クロマニヨンズの作品はMONO録音が多いのですが、本作はStereoでした。
(そのかわり、初回限定盤に付いているDVDは、8mmフィルムのモノクロ映像!)

今日のこの1曲は、「生まれてよかった」と叫ぶヒロトの歌に勇気づけられ胸が熱くなる「ごくつぶし」。森 陽馬



2023年10月16日(月) The BASEBALL PROJECT 「New Oh in Town」

バンド名の如く、楽曲のテーマは彼らが大好きな<野球>♪

元R.E.Mのピーター・バックとマイク・ミルズ、ザ・マイナス5のスコット・マッコーイ、ドリーム・シンジケートのスティーヴ・ウィンとその奥様リンダ・ピットモンらによって2007年に結成され、野球にまつわる様々な曲を送り出してきたThe Baseball Project。

9年ぶりにリリースされた新作4thには嬉しいことに、歴史的偉業を達成した2人の日本人スター選手が登場する曲が収録されています。

The Baseball Project『Grand Salami Time!』
(輸入CD omnivore OVCD-517)

「OH OH OH Shohei Ohtani」の歌い出しで始まる「New Oh in Town」は、大谷翔平選手の功績を称え、スコットが書いた重厚感あるロック・ナンバー。この曲では驚異的な数字''868''と共に王貞治さんのことも歌われています。野球ファンの方も是非チェックしてみてくださいね。

日本盤は出ていないので英語のみですが、歌詞と共にミニ楽曲解説も掲載。
MLBに詳しい方だけでなく、パワーポップ、オルタナティヴ・ロック、ガレージ好きな方も楽しめるアルバムです。東尾沙紀



2023年10月15日(日) アントニオ猪木とファイターズ 「炎のファイター/INOKI BOM-BA-YE」

映画『アントニオ猪木をさがして』を109シネマズ二子玉川にて鑑賞。

2022年10月1日に79歳で亡くなったアントニオ猪木のドキュメンタリー映画。
生い立ちの話から、藤波辰爾、藤原喜明、オカダカズチカ、棚橋弘至などへのインタビュー、一般人のファンをテーマにしたオリジナル・ドラマ、巌流島での試合を神田伯山による講談で描いたパート等で構成されています。

試合映像は少ないものの、映画としてはよくできていて、ドラマや伯山の講談も面白かったですね。
ただ、どちらかというと猪木を知らない世代向け&猪木入門編的な作りなのかも・・・。
もう少しディープな実像も観たかった気もしますが、それだと映像作品として重くなってしまうだろうからなぁ。

まあでも、後半は感動しましたし、鑑賞後は当時の猪木の試合を改めて観直したくなりましたね。
なんだかんだいって、「元気があればなんでもできる!」といった気分になれてよかったです。

掲載ジャケットは、11月3日レコードの日に復刻されるアントニオ猪木の7インチ・レコード。
アントニオ猪木とファイターズ『炎のファイター/INOKI BOM-BA-YE』
(2023年11月3日発売 完全限定アナログ盤 UPKY-9117 2,200円税込)

ちなみに、映画の最後には、ナレーションも務めた福山雅治による「炎のファイター」がかかりました。森 陽馬



2023年10月14日(土) Richard Dimples Fields 「Taking Applications」

2023年10月1日に山下達郎のラジオ『サンデー・ソングブック』で紹介され、店でも最近よくかけている1枚。

リチャード・ディンプルズ・フィールズ『Mr.Look So Good!』
(国内CD 日本初CD化 完全限定盤 日本語解説付 OTLCD-5483 2,200円税込)

ドナ・サマーやヴィレッジ・ピープルを輩出したCasablanca Recordsの創始者ニール・ボガートが、1980年にL.A.で設立したレーベル“Boardwalk Records”から、1982年に発表された名作です。

サンソンでかかったのは、R&Bチャートで1位を獲得しビルボード・シングル・チャートでも最高47位のヒットを記録した1曲目「If It Ain't One Thing...It's Another」ですが、5曲目「Taking Applications」も聴きもの!

ハチロク(6/8拍子)のバラード曲で、彼の優しく切ない歌声と抑えめなストリングスが美しいですね。
少し肌寒くなってきたこの秋、温かい飲み物を口にしながら、ゆったりと聴きたい1曲です。森 陽馬



2023年10月13日(金) Rolling Stones 「Angry」

10月20日に18年ぶりのオリジナル・アルバムをリリースするローリング・ストーンズ。
先行シングル「Angry」の国内シングルCDが本日発売されました。

ローリング・ストーンズ「アングリー」
(国内CD 先着特典:ポスター 歌詞・対訳付 UICY-5138 1,100円税込)

プロデュースは1990年生まれの若きプロデューサーAndrew Watt。
ミック・ジャガー&キース・リチャーズに加え、彼の名前が作曲クレジットにも記載されています。
ストーンズらしい楽曲で、なおかつ現代の空気に呼応した音であるのは、若い彼の手腕かもしれません。

なお、この曲のドラムスはチャーリー・ワッツではなく、スティーヴ・ジョーダンでした。
『ビガーバン』(2005)にも参加していたMatt Cliffordがピアノを弾いています。

ちなみに、フジテレビ系金曜ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』(主演:ムロツヨシ)の主題歌に決定!
洋楽がゴールデンタイムのドラマで主題歌として使われるのは本当に久々ですよね。

配信やストリーミングで聴けるこの時代に、このシングルCDに収録されているのは「Angry」1曲のみ!
でも、何度繰り返し聴いても飽きないですね。
あと100回は聴いて、来週出るアルバムを心待ちにしましょう。森 陽馬



2023年10月12日(木) Another Michael 「Guitars」

2021年2月24日の今日のこの1曲でご紹介した、アメリカのインディー・バンドAnother Michael(アナザー・マイケル)。

フロントマンMichael Dohertyのまろやかな歌声、牧歌的な雰囲気漂う心地良いメロディ&ハーモニー。
2021年発表の前作は、個人的にその年特にたくさん聴いたお気に入りのアルバムだったのですが、約2年半ぶりとなる新作2nd『Wishes To Fulfill』もとても良くて、この先長く愛聴盤となりそうな1枚です。

Another Michael『Wishes to Fulfill』
(輸入LP イエロー・カラー盤 Run For Cover RUN260)

美しくもひとクセなるコードを奏でるアコースティック・ギター、エレキ・ギターやドラム等が順に重なっていく①「Guitars」のイントロを聴いた瞬間、今作も絶対良い!と確信しました。
「Water Pressure」、「Common Ground」の心和むポップなナンバー、「Angel」のようなじんわり沁みるバラードまで聴く程に好きになっていく優しいメロディの曲が詰まっています。

今作はフィジカルはLPのみで、残念ながらCDは出ておりません。
夜空に浮かぶまんまるのお月さまのような限定イエロー・カラー盤です。東尾沙紀



2023年10月11日(水) 六角精児 「京都鉄道博物館のうた」

六角精児-俳優としても、近年はNHKテレビの人気番組『呑み鉄本線 日本旅』ですっかりおなじみになっていますね。

六角精児バンド『そのまま生きる』
(国内CD HW036 3,000円税込)

このアルバムは2019年に発表されたもの。
六角さんならではの、ほのぼのとした雰囲気がたっぷり味わえる全11曲。
日常の喜び・楽しみと悲哀がじんわりと沁み込んだ歌詞を聴きながら、バンドのサウンドも楽しめるアルバムです。

テレビでおなじみの「ディーゼル」の別ヴァージョン「(臨)ディーゼル」も収録されています。
この曲を含めて内田勘太郎がスライド・ギターで3曲に参加しています。

今日の1曲は、歌詞の中に「気動車」、「電源車」、「食堂車」や「DD51」、「キハ81」、「モハ80」などが登場する「京都鉄道博物館のうた」を。
こんな歌を聴くと、行ってみたくなりますね。

なお、ブックレットのどの曲に誰が参加しているのかのクレジットは、競馬新聞の出走表(通称:馬柱)風になっています。ひねりのきいたデザインが◎です。森 勉


2023年10月10日(火) 村田和人 「HELLO AGAIN」

「想い出だけは今でも、この街にある。いつも出てたライブハウス、今はないけど。」
「時の流れは戻せないね。<中略> 想い出にHELLO AGAIN。」
(村田和人「HELLO AGAIN」歌詞より)

村田和人さんが1993年に発表したアルバム『HELLO AGAIN』が再CD化されました。

村田和人『HELLO AGAIN』+2
(国内CD BRIDGE-392 2,530円税込)

ムーン・レコードから東芝EMIへ移籍して3作(『GO POP』(1988)、『太陽の季節』(1989)、『空を泳ぐ日』(1990))を発表後、21、アロハ・ブラザーズやソロのライヴ活動を経てビクターへ移籍。1993年に発表したオリジナル作です。

近年は入手困難な状況が続いていましたが、2023年最新リマスタリングが施され、値段も少し安くなりました。
川崎太郎氏の解説は、当時の状況や村田さんの心境が伝わってきて、ファンにとってはうれしい読み物ですね。
90年代に行ったライヴのチラシや資料もブックレットに掲載されています。

今日のこの1曲は、山下達郎がコーラスで参加している「HELLO AGAIN」を。
「So Long, Mrs」の続編的な歌詞ながら、印象深いフレーズにグッときます。森 陽馬



2023年10月9日(月) 有賀啓雄 「僕の知らない雨が降る」

今日の東京は15℃前後、冷たい雨が降って、とても寒い1日でした。

色々な想い出が心によぎる雨の日。
<雨>をテーマにした楽曲で構成された名盤を取り上げたいと思います。

有賀啓雄『アンブレラ』
(国内CD MHCL-30851 2,200円税込)

有賀啓雄は1964年東京生まれのミュージシャンで、1987年メジャー・デビュー。
渡辺美里など作曲・編曲を多く手掛け、小田和正や藤井フミヤのツアー・ベーシストを長く担当し、優しい人柄が滲み出たベースプレイが印象的でしたが、2023年2月27日に病気で逝去しました。
その追悼盤として、彼のアルバム3作が最新リマスタリングを施されソニーから再CD化されています。

本作『アンブレラ』は1992年にFUN HOUSEから発表した2枚目のソロ・オリジナル・アルバム。
収録されている全10曲、ほとんどの歌に<雨>が描かれていています。

中でも、クリス松村さんのコンピ『クリス・ミュージック・プロマイド』(
2018年6月1日今日のこの1曲収録)に収録された1曲目「RAIN DOLPHIN」が素晴らしい!コレは本当に名曲!

でもこの曲は初夏の雰囲気なので、今日のこの1曲は、秋~冬の雨を連想させる②「僕の知らない雨が降る」を。

♪頬をうつ冷たい雨 僕の街はBlueに染まる♪
センチメンタルな雨の情景が目に浮かんできますね。森 陽馬



2023年10月8日(日) コーネリアス 「TOO PURE」

京都で行われている展覧会『AMBIENT KYOTO 2023』へ行ってきました。

『AMBIENT KYOTO』は、アンビエント音楽とアートの融合をテーマにしたイベント。
2022年の第1回目は、ブライアン・イーノによる音と光の展示が評判でした。
今回は、コーネリアス、坂本龍一+高谷史郎、Buffalo Daughter、山本精一による展覧会が中心。
Terry Rileyのライヴ(10/13、14)、コーネリアスのライヴ(11/3)もあり、12月24日まで開催されています。

まず、京都新聞ビル地下1階、坂本龍一+高谷史郎の展示。
元印刷所だったという地下1階が、予想以上に広く、廃墟感漂う独特なスペースで圧巻!
場内では、坂本龍一の2017年発表作『async』がかかりながら、高谷史郎による映像世界が広がります。
僕が観に行った時は、ラスト曲「garden」時に、海・波の映像が重なって壮観でしたね。

京都中央信用金庫旧厚生センターは、コーネリアス「TOO PURE」がかかっている2Fの部屋が良かったです。
7.1chの音響(!)とgroovisions制作の映像が素晴らしくて、5回も繰り返して聴きました。

1Fの「QUANTUM GHOSTS」部屋も、20台のスピーカーから鳴らされる立体音響が凄かったです。
(「霧中夢 -Dream in the Mist」がかかっている3Fの部屋は、霧(ミスト)と照明が幻想的ですが、曲名通り視界が不安定になるので、閉所恐怖症の人にはオススメできないかも。)
とにかくも、コーネリアスをお好きな方は、あの音響装置で聴いてみた方がいいと思いますよ。森 陽馬


★掲載ジャケットは、コーネリアス『夢中夢 -DREAM IN DREAM-』。
(国内CD WPCL-13489 3,300円税込)
ちなみに、コーネリアスのアンビエント楽曲を集めたカセット・テープが会場限定で販売されていました。



2023年10月7日(土) CAROL 「Other Room」

心地良い風が吹き抜けていくような伸びやかで澄んだ歌声が魅力的な女性シンガーソングライター。

キャロル『モア・ザン・ア・セイ・グッドバイ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲追加 HYCA-8059 2,420円税込)

キャロルことキャロル・フラハーティは、ニューヨークを拠点に活動しているシンガーソングライター。
シアーシャ・ローナン似の華奢で可愛らしい彼女は解説によると20代半ばとのこと。
バークリー音楽大学在学中から配信を主に作品を発表しており、初のフル・アルバムとなる2023年最新作『モア・ザン・ア・セイ・グッドバイ』は、HAYABUSA LANDINGSから先日国内盤がリリースされました。

翳りのある美しいメロディー、アコースティック・ギターを爪弾き歌う凛とした声は70年代フォーク・シンガーのよう。
バンドの音が加わると90年代ロックっぽさもあり、どこか懐かしさを感じさせます。

別の部屋から聞こえてくる泣き声...その一節と清らかな歌声からさまざまな物語が頭の中をかけめぐる、バンド・サウンドの①「Other Room」を今日の1曲に。東尾沙紀



2023年10月6日(金) 村田和人 「SHOW MUST GO ON」

村田和人さんの新アイテムが発売されました!

村田和人『K-A-Z-U HIT RADIO』
(国内CD BRIDGE-385 2,530円税込)

本作は、村田和人さんが英語詞で歌った楽曲をDJによる曲紹介で繋いだ内容で、1986年頃にプロモーション用カセットテープとして配布された作品のマスターテープ(ブックレットに写真も掲載)が奇跡的に発掘!
この度、初めて商品化&CD化された1枚です。

1986年と言えば、村田さんが4thアルバム『SHOWDOWN』を発表した年。
マウイ島の風景を映した環境ビデオ『マウイ・ベース』に、村田さんの音楽を使いたいとオファーがあり、英語詞のヴォーカルを当時新たに録り直して提供しました。その際ムーン・レコードがキャプテン・ジョージ(ケヴィン・クローン)のDJを加えて制作した音源です。
村田さんらしい、張りのある雄々しい歌声がかっこいいですね。

今日のこの1曲は、歌と演奏が熱々!かけると室温が上がる「SHOW MUST GO ON」を。
1985年11月28日発売のシングル曲で、オリジナル・アルバムには未収録のナンバー。
レーベルメイトだった44マグナムのJIMMY(広瀬さとし)とPAUL(梅原達也)がゲスト参加しています。森 陽馬



これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■

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