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 今日のこの1曲コーナー

ペット・サウンズ・レコード店にて、その日に店内でかけていた曲の中から
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”をご紹介いたします。

以前こちらで掲載した“今日のこの1曲”は“今日のこの1曲 アーカイヴス”コーナーにてご覧になれます。

◆こちらでご紹介している商品もご注文いただけます◆

くわしくは通販コーナー、もしくは直接こちらまでご連絡くださいませ。
(廃盤・生産中止になっている商品もございますので、その際はご了承くださいませ)



2024年9月8日(日) Neil Young & Nicolette Larson with The Gone With The Wind Orchestra 「Alabama」(Live)

昨日も紹介したニール・ヤングのアーカイヴBOX第3弾、17枚組CD!
未発表音源は珍しさだけでなく、繰り返し聴きたくなるトラックが多くて、聴きどころ満載ですね。

今日は、『UNION HALL』(NOVEMBER 1977)と題されたDISC5から1曲取り上げましょう。

1977年11月のライヴを中心に収録されたこのディスクの中でも、「Alabama」のライヴ音源は特に聴きものでした。

ニール・ヤングとニコレッタ・ラーソンが、The Gone With The Wind Orchestraと命名されたバンド(ベン・キース、スプーナー・オールダム、ティム・ドラムンド、カール・ヒメル、Rufus Thibodeaux)を従え、Nashville Musicians Union Hallで1977年11月10日に行ったライヴ音源です。

「Alabama」(1972年発表名盤『Harvest』に収録)は、当時の保守的な南部の体制を批判した歌でした。
そのアンサー・ソングとして、レーナード・スキナードが「Sweet Home Alabama」を作ったことで有名ですが、ニール・ヤングはこの「Alabama」後半部分に、「Sweet Home Alabama」を織り込んで歌っているのです。
歌詞だけでなく、それらしいメロディー/フレーズが入っていて面白いですね。森陽馬

★Neil Young『Neil Young Archives Vol.3 (1976-1987)』
(輸入17CD Reprise/Warner 9362487856/ブルーレイ付デラックス盤はニールの公式サイト限定)


★現在の営業時間は11時~21時。年中無休です。

2024年9月7日(土) Neil Young & Crazy Horse 「Southern Man」(Live at Budokan Hall 1976)

ニール・ヤングの名曲から未発表レア音源が詰め込まれたアーカイヴBOXセット。
第1弾(2009年発売 10BD/DVDor8CD)、第2弾(2021年発売 10CD)に続く、第3弾が出ました!
今回はなんと!17枚組CDです。

Neil Young『Neil Young Archives Vol.3 (1976-1987)』
(輸入17CD Reprise/Warner 9362487856/ブルーレイ付デラックス盤はニールの公式サイト限定)

ディスク1の最初から、ニール1976年初来日時の音源で感涙必至!
大阪公演や前日には演っていない「Let It Shine」を披露した1976年3月11日日本武道館でのライヴ音源です。
BOX第2弾のディスク10にも武道館の音源が5曲入っていましたが、今回はタップリ入っていますね。

今日のこの1曲はこのディスク1から、8分に及ぶ「Southern Man」!
クレイジー・ホースの荒々しい演奏に、ニールのギター・ソロが炸裂! かっこいい!! 森陽馬


2024年9月6日(金) 優河 「Love Deluxe」

舞台やミュージカルなど活躍の場をひろげている、東京生まれのシンガーソングライター優河。
フォーキーで美しい静謐な歌...というこれまでのイメージから一転、新たな一面をみせてくれるダンサブル&メロウな新作がリリースされました。

優河『Love Deluxe』
(国内CD PCCA-06315 3,300円税込)

ドラマ主題歌として反響を呼んだ「灯火」収録の前作『言葉のない夜に』から約2年半ぶりとなる4作目。

プロデュース&編曲を手掛ける岡田拓郎をはじめ、千葉広樹(b)、谷口雄(key)、神谷洵平(drs)、荒内佑(cero/syn)、増村和彦(per)、おなじみ魔法バンドのメンバーらが参加しています。

今作を聴いてまず驚くのは、アフロビートを取り入れた「Don't Remember Me」、ビートが強調されたグルーヴィーな「Love Deluxe」ら新境地ともいえる曲。クールな歌声も相まってこれがクセにあるカッコよさ!

都会的なムード漂う「遠い朝 (2024mix)」、妖艶な「香り」,,,心地良いビートに淡く溶けていくような歌声が自然と体を揺らしてくれます。

2024年10月30日には、今作の限定アナログLPも発売予定です。東尾沙紀


2024年9月5日(木) アート・ガーファンクル 「Skywriter」

9月6日から角川シネマ有楽町にて、『Peter Barakan's Music Festival 2024』が開催されます。

ピーター・バラカンさんが監修・作品選定した音楽映画を上映する映画祭で、今回が4年目。
『ボビー・チャールズ 極楽の歌』、『七転八起の歌手 バーバラ・デイン』、『ガーランド・ジェフリーズ ジャンル知らずの帝王』等、日本初公開作品もあって、興味深いラインナップですね。

その映画祭でプレミア上映されると同時に、他の映画館でも9/6から順次劇場公開となる
『セッションマン:ニッキー・ホプキンス ローリング・ストーンズに愛された男』は、鑑賞をとても楽しみにしている作品です。

ニッキー・ホプキンスは多くのセッションに参加している名ピアニスト。
ローリング・ストーンズ「Angie」、「Sympathy For The Devil」、ジョン・レノン「Jealous Guy」等々、ニッキーの名前を知らない方でも洋楽好きの方ならば、彼が奏でるピアノをどこかで耳にしたことがあるはずです。

1994年に若くして亡くなりましたが、生前のインタビューや貴重映像も含む本ドキュメンタリーを通して、ニッキー・ホプキンスの素晴らしい演奏がより多くの人に聴かれるといいな、と願っています。

今日のこの1曲は、ニッキー・ホプキンスがピアノを弾いている楽曲の中で、僕が特に大好きなナンバー、アート・ガーファンクル「スカイライター」を。

「Skywriter」はジミー・ウェッブが1980年代にアート・ガーファンクルへ書き下ろした隠れた名曲。
アート・ガーファンクルの当時のパートナーであったローリー・バードは1979年に自殺してしまいました。
厳しい現実から逃避したい心情を、ひこうき雲で空に字を書くパイロット(Skywriter)で表現した歌詞は、アートのその失意と苦悩を描いたと言われています。

ジミー・ウェッブの美しくも切ないメロディと、ニッキー・ホプキンスの流麗なピアノの響きが胸を打ちます。森陽馬

★掲載ジャケットは「Skywriter」収録のアート・ガーファンクル2枚組ベストCD『The Singer』
(国内2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-20426 4,180円税込)


2024年9月4日(水) イックバル 「Kareba Cinta」

<RECORD STORE DAY 2024>対象アイテムとして2024年4月20日にアナログ・レコードでリリースし大好評だったイックバルの2024年作『DECADE』が、国内盤CDで発売されました。

イックバル『ディケイド』
(国内CD ボーナス・トラック2曲追加 栗本斉による解説・歌詞・対訳付 HYCA-8076 2,750円税込)

ikkubaru(イックバル)は、作詞・作曲・編曲を手掛けているMuhammad Iqbalを中心として、2011年に結成したインドネシア出身の4人組バンド。オリジナル・アルバムとしては2020年発表作『Chords And Melodies』(
当店が選ぶ2020年ベストに選出)以来となる待望のフル・アルバムです。

シティ・ポップの華やかさ+ブリティッシュな雰囲気をブレンドした前作から、ブルー・アイド・ソウルな魅力も加わりました。
晴れの日も雨の日も、楽しい時も落ち込んでいる時も、身体と心を爽やかに浄化してくれる1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、英語詞が中心の本作中、唯一のインドネシア語で歌われている4曲目「Karena Cinta」を。
"愛しているから”という想いが募ってくるエモーショナルなナンバー♪

なお、お買い上げの方に先着で、毛塚了一郎氏書き下ろしイラストのマグネットを差し上げています。森陽馬


2024年9月3日(火) 井上園子 「きれいなおじさん」

昭和フォークの精神を、令和の時代へ引き継ぐ女性シンガーが出てきました。

その名は、井上園子。
1998年10月17日生まれ、湘南在住。
父が使っていたギター1本で一発録音した1stアルバム『ほころび』は、新時代フォークの風を感じさせます。

井上園子『ほころび』
(国内CD 当店にてお買い上げの方先着で「惹句」バンドver収録特典CD付 PCD-18913 2,000円税込)

高田渡のような語り口で歌われる1曲目「三、四分のうた」、日々の暮らしに感じた寂しさを描いている3曲目「あの街この街」他、日常を切り取りながら、正直な心の内を歌としてさりげなく差し出した全9曲が収録。

今日のこの1曲は、毒を吐いているようで「私は私をうたうのさ」という決意表明の歌⑤「きれいなおじさん」。
ハンバートハンバートお好きな方にも是非聴いてもらいたい1枚です。

なお、完全限定7インチ・シングル盤『三、四分のうた/おいしい暮らし』も同時発売。
こちらお買い上げの方にも、「惹句」バンドver収録の特典CDを先着で差し上げています。森陽馬


2024年9月2日(月) 黒木真由美 「北極回り」

黒木真由美は1970年代中頃に活躍した女性アイドル歌手。
1975年3月にキング・レコードから「好奇心」c/w「十五の素顔」でデビューし、セカンド・シングル「感情線」がテレビやラジオでよく流れていた記憶があります。

その彼女が1975年11月に発表した唯一のオリジナル・アルバムが、なんとアナログLPで再発になりました。

黒木真由美『12のらくがき』
(国内アナログ・レコード NAS-2137 5,280円税込)

このアルバムがなぜ復刻されたのかというと、山下達郎の作曲した楽曲が入っているから、ということが一番の要因だろうと思います。それも2曲!

B面2曲目「恋人と呼ばれて」、B面5曲目「北極回り」。
共に、作詞は喜多修忠(「神田川」を書いた方です)。

とにかく、この2曲がいい曲!
演奏&コーラスはシュガー・ベイブ。
アルバム『ソングス』が発売後なので、シュガー・ベイブとしては最後のスタジオ録音かも・・・?
村松邦男によるギターのフレーズが、これぞ!シュガー・ベイブ・サウンドを伝えてくれます。

それにしても、1975年というこの時期に山下達郎に曲依頼をしたキング・レコードのディレクターさん、あなたいい仕事しましたね。森 勉


2024年9月1日(日) スターダスト☆レビュー 「Simple Song」

「まだ世の中には紛争が起こっています。でも僕らの音楽でみんなの心の中に楽しみや人を大切にする想いが少しでも生まれれば、いがみ合ったりすることもないんだと思うんだ。歌の力はほんのちっぽけなものなのかもしれないけれど、みんなの中にそれが膨らんでいけば、きっと世界中が平和になると僕らは願っています。」(根本要さんのMCより)

これは、スターダスト☆レビューの根本要さんがライヴで「Simple Song」を歌う前に語ったMCです。
要さんらしい、誠実で温かい言葉ですね。

そのMCと「Simple Song」も収録された、2023年9月24日日比谷公園大音楽堂でのライヴ音源・映像が出ました。

スターダスト☆レビュー『ブギウギワンダー☆レビュー野外編 with んなアホなホーンズ @日比谷公園大音楽堂』
(国内CD 全13曲収録 COCP-42269 1,100円税込/約24曲収録のブルーレイ、DVDも発売中)

スタレビの魅力は、歌と演奏はもちろん、バンドとスタッフ、ファン皆の愛の強さだと、改めて実感できる1枚です。

今日のこの1曲は、1993年発表名作『SOLA』収録曲で、本ライヴの本編ラストナンバー「Simple Song」を。
「歌にたくした願い いつかは 暗闇を照らし出す 光になれる」(「Simple Song」歌詞より) 森陽馬



2024年8月31日(土) Pat Metheny 「Here, There And Everywhere」

暑い日はまだ続くでしょうが、9月に入ると、夏も終わりだなぁ、という気持ちになりますね。
学生時代にあった夏休みのせいかもしれませんが、8月の終わりは何故か寂しくなってしまいます。

2024年の夏、皆さんはどんな音楽を聴いて過ごしていましたか?

さて、8月最後の日の夜、僕はこの1枚を聴きながら静かに過ごしたいと思っています。

Pat Metheny『Moondial』
(輸入CD BMG 9996-402684)

パット・メセニーの2024年作は、ナイロン弦バリトン・ギターを使用したソロ・ギター・アルバムです。

2023年発表『DREAM BOX』もソロ・ギターでしたが、本作はナイロン弦ということで、より温もりを感じますね。
国内盤が出ない(BMGレーベルのため出せないみたい)ので、難解なのかな、と思いきや、美しいメロディが随所に楽しめる穏やかな1枚でした。

今日のこの1曲は、ビートルズの名曲カヴァー「Here, There And Everywhere」を。

「愛は分かち合うものなんだね」
歌はなくても、パットのギターがそう語りかけてきます。
森陽馬


2024年8月30日(金) 東京ローカル・ホンク 「お手紙」

当店でずっと応援し続けているバンド、東京ローカル・ホンクの2005年発表作が、プロデューサー久保田麻琴さんによる新ミックス&リマスタリングを施し、更に5曲のボーナス・トラックを追加して、初アナログ化決定しました。

<2024年10月23日発売>
・東京ローカル・ホンク『東京ローカル・ホンク』
(国内2枚組アナログ・レコード 小川真一氏によるライナーノーツ付 6,600円税込)

本作のCDも入手困難になっていましたし、うれしい再発・アナログ化ですね。
バンド名を"うずまき”から”東京ローカル・ホンク”へ改名し、久保田麻琴さんと共にシンガーポールへ渡り制作した入魂作で、現在もライヴで必ず演奏している「お手紙」が収録された名盤です。

今回のアナログ化では、「冬眠」、「おにぎりソング」、「ヒコーキのうた」、「社会のワレメちゃん」、「おいのりのうた」の5曲がボーナス・トラックとして追加されることになりました。ホンクの代表曲的な「社会のワレメちゃん」、「おいのりのうた」をレコードで聴くのが楽しみ!

ちなみに、このアルバムが発売された2005年5月は、当店の旧店舗が立ち退きで閉店していた時期でした。
店で販売できない悔しさもありましたが、レコ発イベントへ遠くまで出かけて観に行った楽しい記憶が残っています。
蘇我の野外で観た時、「虫電車」演奏中にアラケンさんのベースに虫がとまったサプライズも良い想い出ですね。(
2005年7月2日今日のこの1曲参照) 森陽馬

予約受付中です。


2024年8月29日(木) The Softies 「Headphones」

イノセントなハーモニーは健在♪

アメリカ出身の女性デュオ、The Softiesが24年ぶりとなる新作『The Bed I Made』がリリースされました。

The Softies『The Bed I Made』
(輸入CD FATHER/DAUGHTER RECORDS FD128cd 輸入LPもあり)

90年代初頭からTiger Trapをはじめ様々なバンドで活動してきたRose Melberg、Jen Sbragiaによるギター・ポップ・デュオ。

ちょっぴり苦くて切ない愛を歌う、ふんわりと柔らかな2人のハーモニー。
穏やかなエレクトリック・ギターのアンサンブルに、グロッケン&ヴィブラフォンの美しい響き。
ごくごくシンプルな演奏ながら2人が奏でる音は豊かで、子守歌を聴いているようなホッとする心地良さに包まれます。

「わたしの心に直接あなたのヘッドフォンをさして 聴いて....」
1分ほどの短い曲ながら、アルバムの中で印象的だった「Headphones」を今日の1曲に。

ジャケットを手掛けたのは日本の版画作家・柳本史(やなぎもとふみ)さん。
RoseとJenの2人が可愛く描かれたアートワークにも注目です。東尾沙紀


2024年8月28日(水) 竹内まりや 「ラスト・イン・ラヴ」、「ニュー・キッド・イン・タウン」

竹内まりやの10年ぶりのアルバム『プレシャス・デイズ』は10月16日発売ですが、その前に先行シングルが発売になりました。

竹内まりや『歌を贈ろう』
(国内CD お買い上げの方先着でジャケット・デザインと同じポストカード付 WPCL-13604 1,650円税込)

このCDには、生田絵梨花主演によるABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ『素晴らしき哉、先生!』の主題歌の他、「おつかれ生です」のフレーズでおなじみのアサヒ生ビールCM曲として使われ続けている「元気を出して」(2024ニュー・リマスター)、そして更に、洋楽カヴァー2曲、プラス「歌を贈ろう」(山下達郎のバック・コーラスがよく聞こえます)と「元気を出して」のカラオケも収録されています。

CDブックレットには、各曲のミュージシャン・クレジット及びまりやさん本人による曲目解説が掲載されています。

今日は、J.D.サウザー1979年発表のアルバム『ユアー・オンリー・ロンリー』に収められている「The Last In Love」と、イーグルス1976年発表のアルバム『ホテル・カリフォルニア』に収められている「New Kid In Town」、まりやさんが原曲の良さを崩さずに愛情あふれるカヴァーをしている2曲を。

2曲ともバッキングは中野督夫を含めたセンチメンタル・シティ・ロマンス+佐橋佳幸。
1970年代のウエストコーストの風を感じられる、素晴らしき哉、ナイス・カヴァーです。森 勉


2024年8月27日(火) CORNELIUS 「サウナ好きすぎ、より深く」

山梨県・河口湖付近へ先日行った帰りに、ふじやま温泉へ寄りました。

富士急ハイランドのすぐ近くで、富士山に近いこともあり、海外からの観光客が多かったです。
また、以前より"サウナ推し”になって、若いサウナーが増えていました。
近年のサウナ人気を実感しましたね。

さて、コーネリアス(小山田圭吾)のアンビエントな楽曲を集め再構築・再録音した作品集『ETHEREAL ESSENCE』に、「サウナ好きすぎ、より深く」が収録されています。

CORNELIUS『ETHEREAL ESSENCE』
(国内CD WPCL-13566 3,300円税込)

「サウナ好きすぎ、より深く」は、2019年に放映されたテレビ東京ドラマ『サ道』(主演:原田泰造。原作はタナカカツキによるサウナ伝道漫画)の主題歌として、コーネリアスが書き下ろした「サウナ好きすぎ」をリアレンジした楽曲。今回が初CD化になります。
小山田さん自身もサウナーということで、"ととのえる”アンビエント・ポップなナンバーに仕上がっています。

なお、CORNELIUSはアート・リンゼイをfeatした新曲「BAD ADVICE」と、2023年発表アルバム『夢中夢 Dream In Dream』の限定アナログ盤を8月21日にリリースしました。こちらも好評発売中です。森陽馬


2024年8月26日(月) パソコン音楽クラブ 「Colors」 feat Haruy

身体を揺らし、踊らせてくれるエレクトロ・ポップ/ダンス・ミュージック。

パソコン音楽クラブの2024年作『Love Flutter』には、そこに哀愁のエッセンスがブレンドされています。

パソコン音楽クラブ『Love Flutter』
(国内CD 先着特典「Colors」オルゴールアレンジDLカード付 PECF-1196 3,000円税込)

パソコン音楽クラブは、大阪出身の柴田碧と西山真登による2015年結成DTMユニット。
5作目となる『Love Flutter』には、tofubeats、柴田聡子、高橋芽以(LAUSBUB)、MFS他が参加。
YMO→電気グルーヴから連なる日本エレポップの過去と現代、そして未来を繋ぐ傑作に仕上がっています。

今日のこの1曲は、2000年生まれの女性シンガーHaruy(ハリー)をfeatした「Colors」を。
ありきたりかつ焼き増しが溢れた昨今のシティ・ポップの中で、僕は”シティ”なポップをこの曲に強く感じました。

なお、当店でお買い上げの方には、「Colors」オルゴールアレンジのダウンロード・カードを先着で差し上げています。森陽馬


2024年8月25日(日) Neil Young 「On The Beach」

ピーター・バラカン氏のDJによるNHK FMラジオ番組『WEEKEND SUNSHINE』。
2024年8月24日(土)の放送回は、「1974年の音楽」特集でした。
ピーターさんらしい選曲でしたね。

さて、僕の好きな「1974年の音楽」はこの1枚です。

Neil Young『On The Beach』(邦題:渚にて)
(輸入CD Reprise 48497)

ニール・ヤングが1974年に発表したアルバム『On The Beach』。
雨名曲「See The Sky About To Rain」、リヴォン・ヘルム&リック・ダンコ(ザ・バンド)によるリズム隊が最高にかっこいい「Revolution Blues」は、何時聴いてもグッときます。

そして、B面の「On The Beach」。
「Rockin' In The Free World」や「Hey Hey My My」など、ロックなニールばかり聴いていた昔は、サーストン・ムーアがフェイヴァリットに挙げている、という記事を読んでも、正直いってピンときませんでした。

しかしながら、年齢を重ねるごとに、「On The Beach」の寂寥感が身にしみるようになりましたね。
渚に佇むジャケットの雰囲気含め、夏の終わりに聴きたくなるナンバーです。森陽馬



2024年8月24日(土) Ray Lamontagne 「Long Way Home」

レイ・ラモンターニュの歌声を聴くと、雄大な景色が広がる山の上にいるような、晴れやかで澄んだ心になります。

2020年発表作『Monovision』(
2020年7月4日今日のこの1曲で紹介)以来、彼の約4年ぶりとなる作品が出ました。

Ray Lamontagne『Long Way Home』
(輸入CD LIULA Records LR003 04355CD /輸入LP LR003 04137LP)

レイ・ラモンターニュは、アメリカ/ニューハンプシャー出身1973年生まれの男性シンガー・ソングライター。
靴工場へ出勤した朝、ラジオでかかったスティーヴン・スティルスの歌を聴き音楽活動に専念した、という経歴を持つ彼も、2004年デビューから2024年で20周年を迎えました。
Barbara S. Beckという人が手掛けたジャケット・イラストが印象的な本作も、彼の誠実さが伝わってくる1枚です。

Secret Sistersの二人(Laura Rogers、Lydia Slagle)、My Morning JacketのCarl Broemelがゲスト参加している「I Wouldn't Change A Thing」も注目ですが、今日のこの1曲は、ラストに収録されている味わい深いタイトル曲「Long Way Home」。

なお、ジャケット・イラストがプリントされたトート・バックが商品と一緒に届きました。
近作はメジャー流通(RCA)だったのが、本作は自主レーベルからのリリースで気合が入っているのかもしれません。
とにかくも、お買い上げの方へ先着で差し上げています。森陽馬


2024年8月23日(金) Joe McAlinden 「Superstar」

グルーヴィー・リトル・ナンバーズ、スーパースター、BMXバンディッツでの活躍でも知られるスコットランドのミュージシャン、ジョー・マカリンデン。

彼の曲に初めて触れたのは、スーパースターの「Superstar」という曲で、ロッド・スチュワートのカヴァーしているバージョンでした。
誰の曲か知らなかったけれど、叙情的なメロディと印象的なギターリフが耳に残りました。
繊細で美しくて、ロックな曲...オリジナルをのちに聴いて、そう感じたことを覚えています。

90年代初頭からバンドやソロでマイペースに活動を続けてきた彼の約30年間を振り返る、日本独自のアンソロジーが、2023年ソロ最新作『Where The Clouds Go Swimming』と同じく、HAYABUSA LANDINGSからリリースされました。

ジョー・マカリンデン『サウンド・システム・オブ・ザ・ソウル』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 HYCA-8075 2,640円税込)

上記「Superstar」をはじめ、アレックス・チルトンをフィーチャーした同バンドの「Don't Wanna Die」、BMXバンディッツ「Serious Drugs」、エドウィン・コリンズがプロデュースを手掛けたLinden名義の「If I Had Wings」、ソウル・テイストのNom「Out Od My Hands」、2023年最新作から「Light」など、マカリンデン自身がセレクトした全14曲が収録されています。東尾沙紀


2024年8月22日(木)Jason LaPierre 「I Get Along Without You Very Well (Except Sometimes)」 with mokina

連日のゲリラ豪雨はありますが、先週に比べると、暑さが多少和らいできました。
それでも、蒸し暑さはまだまだ続いていますね。

今日紹介するのは、空調の効いた部屋で、ゆったりとした気持ちで聴けるオススメの1枚です。

ジェイソン・ラピエール『フォー・クワイエット・コーナー』
(国内CD 選曲・解説:山本勇樹 RCIP-366 2,750円税込)

Jason LaPierre(ジェイソン・ラピエール)は、アメリカ・コネチケット州ニューブリテン出身の男性シンガー・ソングライター。
今までに配信で楽曲を発表していましたが、CDやレコードは出したことがありませんでした。

本作は、『クワイエット・コーナー』『バー・ブエノスアイレス』等、良質な編集盤を多く出している山本勇樹氏が、ジェイソン・ラピエールの楽曲を14曲セレクトしたCDで、彼にとっては初のフィジカル作品になります。

ルーツ音楽としてはチェット・ベイカーがあり、実際にチェットのレパートリーで有名なホーギーカーマイケル作「I Get Along Without You Very Well (Except Somethimes)」をカヴァーしています。
ブルーノ・メジャーを彷彿とさせる雰囲気もあって、ノスタルジックな気分にも浸れる歌声が魅力ですね。森 陽馬


2024年8月21日(水) フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズ 「1963年12月」

フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズは、アメリカでの人気・評価に比べると、日本では知名度がずっと低かったと言えます。

レコード会社の契約の関係で、日本でレコード/CDが発売されなかった時期があったのも、ひとつの原因かもしれません。

そんな彼らの事で日本でもよく知られるようになったのが、2014年9月に公開されたクリント・イーストウッド監督による映画『ジャージー・ボーイズ』でした。(アメリカでの公開は2014年6月)
アメリカではブロードウェイ・ミュージカルとして2005年に上演され、大人気だった『ジャージー・ボーイズ』を映画化したものでした。

フランキー・ヴァリのまわりで起こる波瀾万丈の物語と、親しみやすい楽曲が一般の人々にも受け入れられたのですね。フォー・シーズンズのオールド・ファンとしてはとてもうれしかったことを思い出します。
あれから・・・もうすぐ10年です。

今日の1曲は、映画のエンディングで出演者が一斉に踊り出す、なんとも魅力的なシーンで使われた1975~6年にかけてのヒット「1963年12月」(あのすばらしき夜)を。森 勉

★フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズ『ヴェリー・ベスト・オブ・フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズ』
(国内CD 英文ライナー訳・歌詞・対訳付 WPCR-26211 1,430円税込)


2024年8月20日(火) 中野有紗 「青い魚」

2024年8月20日の東京新聞夕刊に、映画『PERFECT DAYS』で描かれた公共トイレ清掃員・平山のモデルとなった、江田雄司さんに関する記事が掲載されていました。

『PERFECT DAYS』は2023年12月末に劇場公開し、僕は
年明け1月3日に鑑賞。
2月下旬に2回目を鑑賞した後は、映画のロケ地であった下北沢のレコード店フラッシュ・ディスクランチへ久々に足を運び、店主の椿さんから撮影時の話を伺うことができたのも良い想い出です。
新聞記事を読んで、"平山”にもう一度会いたくなりました。

さて、その映画『PERFECT DAYS』に、役所広司演じる主人公・平山の姪(ニコ)役として出演していた平野有紗が、劇中曲の金延幸子「青い魚」をカヴァーした7インチ・レコードがリリースされました。

中野有紗『青い魚/MOON RIVER』
(国内7inchレコード 初回生産限定盤 P7-6614 2,420円税込)

山本精一がプロデュース&演奏を担当。
金延幸子さんの歌い方を踏襲しながらも、あどけなさがやや残る中野有紗の歌声が魅力的ですね。森陽馬


★映画『PERFECT DAYS』のブルーレイ・DVD発売中。
(豪華版 TCBD-1609 14,300円税込/ブルーレイ TCED-7578 5,280円税込)


2024年8月19日(月) Dr.Dog 「Tell Your Friends」

ポップなメロディとハーモニー、ルーツ・ロックの武骨さを兼ね備えたフィラデルフィアのロック・バンド、Dr.Dog。

スコットとトビー2人のリード・ヴォーカリストを中心に、キャリアは20年以上、スタジオ盤だけでも10枚の作品を発表しています。

ツアーは2021年で最後と宣言してから、解散もあり得る?と心配するファンも多いなか、11枚目となる2024年新作をリリース♪
自信作の表れか、再出発の意味を込めてか、セルフ・タイトルを掲げている今作...確かにどれも良い曲です。

Dr.Dog『Dr.Dog』
(輸入CD We Buy Gold Records WBGR015CD)

ローファイなサウンド、ハーモニーの心地良さはそのままに、①「Authority」からなキャッチーな曲が続く前半から、フォーク/カントリー調の穏やかな後半への流れも良い雰囲気です。

Dr.Dogといえば、個性の異なる2人のヴォーカルが特徴的ですが、本日はバンドのドラマーでソロ・シンガーとしても活躍しているエリック・スリック作の「Tell Your Friends」を今日の1曲に。

リズムが似ているせいか、Dr.Dog版「Two Of Us」といった趣のある曲。エリックの素朴な歌声もまたいい感じです。 

ストリングス・アレンジが美しい「What a Night'll Do」にはM・ウォード(シー&ヒム)がコーラスで参加しています。東尾沙紀


2024年8月18日(日) The Police 「Synchronicity Ⅱ」

BOXのブックレットを手に取り、中を開いたら、「お~!」と思わず声が出ました。

ザ・ポリスが1983年に発表した名盤『シンクロニシティー』の40周年記念盤。
これは、ファン必聴・必見です!

The Police『Synchronicity』(40周年記念盤スーパー・デラックス・エディション)
(国内6枚組SHM-CD仕様 完全限定盤 英文ライナー翻訳・歌詞・対訳付 UICY-80511 23,100円税込)

64ページに及ぶハード・カヴァー・ブックレットは、解説・メンバーのレアな写真に加え、当時のアルバム・シングル各種(日本盤7インチも掲載)、ポスター、Tシャツ等販促物、マスターテープ、ゴールドディスクの写真等々、マニア垂涎の内容。
(このブックレットを監修した方は、日本のロンバケ他ナイアガラ関連BOXを参考にしたのかも?)

本編(ディスク1)とB面曲など編集盤(ディスク2)以外の、ディスク3、4、5、6は全て未発表音源。
オリジナルと違う雰囲気の「見つめていたい」デモ音源(ディスク4に収録)も聴きものですが、ライヴ音源(ディスク5、6)をリピートしてしまいますね。スチュワート・コープランドのキレキレなドラミングが最高!

1983年という時代の空気。そして、スティング32才、スチュワート・コープランド31才、アンディ・サマーズ41才。3人のバランスが危うくもギリギリの状態で繋がれ放たれた傑作は、40年を経ても色褪せず、夏の陽射しのように熱く心を焦がします。森陽馬


2024年8月17日(土) Gerry & The Pacemakers 「Don't Let The Sun Catch You Crying」(ステレオ)

ブライアン・エプスタインに見初められたイギリス、リバプール出身のバンド、ジェリー&ペイスメーカーズのアンソロジー3枚組CDが出ました。

Gerry & The Pacemakers『I Like It! Anthology 1963-1966』
(輸入3枚組CD Strawberry/Cherry Red CR3JAM037)

全98曲収録。彼らの英米のヒットー「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット」、「アイ・ライク・イット」、「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」、「マージー河のフェリーボート」、「アイル・ビー・ゼア」、「ガール・オン・ア・スウィング」など、チャートインした曲はすべて入っています。

ライヴも15曲、そしてステレオ・ヴァージョン及びストリングス(オーケストラ)あるなしヴァージョン等、多角的に彼らの名曲が楽しめる選曲です。

彼らの魅力はいろいろありますが、リード・ヴォーカル&ギターを担当するジェリー・マースデンの声になるでしょうか。
今日の1曲は、そんな彼のヴォーカル力が最大限に活かされた「Don't Let The Sun Catch You Crying」(邦題:太陽は涙が嫌い)を。
モノラルも入っていますがジョージ・マーティンが指揮するオーケストラ・アレンジの響きがよく聞こえるステレオ・ヴァージョンで。

あと、ヒット曲ではないのですが、ジャック・ケラー&ジェリー・ゴフィン作品で、トニー・オーランドが歌った隠れた名曲「チルス」をナイス・カヴァーしています。

なお、ジェリー・マースデンは残念ながら2021年に78才で亡くなってしまいましたが、彼が残した名曲を多くの人々に聴いてもらいたいと思います。森 勉


2024年8月16日(金) Nelson Super Project 「Let's Dance Baby」

山下達郎のバック・メンバーはみんな音楽大好き&仲良しで、特に1998年頃のツアー・バック・バンドは、達郎さんのコンサートがない時でも集まり、Nelson Super Projectとして都内のライヴ・ハウスで活動していました。

Nelson Super Projectのメンバーは、青山純、伊藤広規、国分友里恵、佐々木久美、佐橋佳幸、重実徹、土岐英史、難波弘之、三谷泰弘。
改めて名前を並べるだけでも、凄腕揃いですね。

彼らはライヴだけでなく、2002年にアルバム『Nelson Magic』をリリースしています。
現在は入手困難となっているその作品が、2024年11月27日に初アナログ・レコード化されることになりました。

Nelson Super Project『Nelson Magic』
(2024年11月27日発売 国内2枚組LP 完全限定盤 WQJL-188 5,720円税込)

CDのボーナス・トラックだったライヴ音源3曲も、アナログ化されるようです。
今日のこの1曲はそのライヴ音源から、「Let's Dance Baby」(2000年6月5日STB139にて録音)のカヴァーを。

ちなみに、現在も達郎さんのツアー・メンバーとして残っているのは、伊藤広規、難波弘之、三谷泰弘の3人のみ。
2013年に急逝した青山純のドラミング、2021年に病気で亡くなった土岐英史さんのブロウが懐かしいですね。森陽馬


2024年8月15日(木) 路地 「スロウ」

多摩田園都市(東京・神奈川)を拠点とするインディー・ポップ・バンド、路地(ろじ)。

当店でも評判となった前作『KOURO』(2023年9月29日の今日のこの1曲で紹介)以来となる、4作目が発表されました。

路地『わかりあえないことから』
(国内CD PCD-25409  2,750円税込)

メンバーの卒業・離脱などもあり、現在はヴォーカル/フルートKozue、ソングライティングを手掛ける2人のギタリスト久保田敦、鈴木雄三で活動中。

キャッチーなメロディはそのままに、シティ・ポップ、ギターポップ、ソウルにラヴァーズ・ロックなど多様な音楽性を覗かせる楽曲が詰まった今作。
内省的でちょっぴりクールな詞の世界観もあり、これまでのバンドの爽やかなイメージとはひと味違った、湿度ある夜の匂いが漂う作品となっています。

<チルアウト>がコンセプトでもあるという今作のゆったりとしたリード・トラック「スロウ」を今日の1曲に。

砂の壁のドラマー大見勇人、キーボーディスト青木聖陽、宮坂遼太郎(パーカッション)ら参加ミュージシャンにも注目です。東尾沙紀


2024年8月14日(水) 松尾清憲 「ロング・ロング・ビーチ」

発表された2024年6月4日にも今日のこの1曲で紹介しましたが、この真夏の時期にも聴きたい気分。
ということで、このアルバムを。

2024年夏の決定盤だと思います。

松尾清憲『Young And Innocent』
(国内CD 当店のみの特典付 CDSOL-2028 3,300円税込)

今回はアルバム全体のサウンド・プロデュースを、マイクロスター佐藤清喜さんが担当。
松尾さんならではのポップセンスが最大限に音の中に組み込まれているように感じます。

全12曲、作曲はすべて松尾清憲。
作詞は、杉真理、サエキけんぞう、鈴木博文が各1曲、他9曲は松尾自身。

そんな出来映え抜群の曲たちの中から、今日は「ロング・ロング・ビーチ」を選びました。
夏の海をテーマにしたなんともすてきな曲です。
松尾さんのコーラス・アレンジメントのセンスにも注目!

松尾清憲さんへこのアルバムに関してインタビューした当店作成リーフレットをプレゼント中です。森 勉



2024年8月13日(火) TEEN DAZE 「Nothing's Gonna Change My Love」

東京の熱帯夜~明け方4時頃。
もうすぐ空が明るくなってくるかな、という時間帯に聴くと、陶酔感が味わえる1枚。

TEEN DAZE『ELEGANT RHYTHMS』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ARTPL-218 2,420円税込)

TEEN DAZE(ティーン・デイズ)は、カナダ/バンクーバー出身のJamison Izaakによるソロ・プロジェクト。
2011年にデビューし、エレクトロニカ~チルウェイヴなインスト・サウンドが魅力のアーティストです。

コロナ渦に発表した『INTERIOR』(2021)以来約3年ぶりとなる本作『ELEGANT RHYTHMS』は、Andy Shauf、Sam Wilkesがゲスト参加。更にヴォーカルがほぼ全編に入っており、その歌声がシャーデー的女性のように聞こえて、とても気に入っています。

特に、3曲目「Nothing's Gonna Change My Love」。
Sade「No Ordinary Love」の如く、浮遊感がありながら深遠な雰囲気に心奪われました。

同じカナダ出身Michael MiloshによるRHYE(ライ)がお好きな方にオススメです。森 陽馬


2024年8月12日(月) 寺尾紗穂 「しゅー・しゃいん」

ペット・サウンズ・レコードが2006年デビュー時から応援している女性シンガー・ソングライター、寺尾紗穂さんの2024年新作アルバム『しゅー・しゃいん』が9月18日発売決定しました。

寺尾紗穂『しゅー・しゃいん』
(国内CD KHGCD-004 3,300円税込/国内LP KHGLP-004 4,400円)
<お買い上げの方に先着で、寺尾紗穂書き下ろしエッセイ+当店のみの特典付>

タイトルは、靴磨きで生計を立てていた戦争孤児の掛け声「しゅー・しゃいん」から取られています。
NHK朝ドラ『ブギウギ』でも、戦争孤児の靴磨き少年を描いていましたね。
寺尾紗穂さんは東京都慰霊堂でのイベントに出演し戦争孤児の作文を読んで、この歌が生まれたそうです。

♪死んだ仲間もいるよ <中略> 僕も死ねばよかったろうか 爆弾でみんな死んだ日に 僕の生きる意味はどこさ あの日からずっと探している♪

亡くなった人を想うことは、悲しみに沈むのではなく、その悲しみを背負い、自らが生きていく決心をすることなのかもしれません。

ちなみに、「しゅー・しゃいん」のリズムはセカンドラインではありませんが、高橋三太によるトランペット演奏が印象深く響き、ニューオリンズでの開放的な葬送の雰囲気を感じました。森陽馬



2024年8月11日(日) ミルトン・ナシメント、エスペランサ「Saudade Dos Avioes Da Panair (Conversando No Bar)」

「私にとって音楽は、友情、愛、子供たち、海、人生だ」
(ミルトン+エスペランサ「outro planeta」のミルトンの言葉より抜粋)

1960年代から活動し続けているブラジル音楽の至宝ミルトン・ナシメントと、女性ベーシストのエスペランサ・スポルディングが組み、連名名義で素晴らしいアルバムを発表しました。

ミルトン・ナシメント、エスペランサ『Milton+esperanza』
(国内CD 中原仁さんによる解説・歌詞・対訳付 UCCO-1243 2,860円税込)

1942年生まれミナス・ジェライス出身のミルトン・ナシメントは、80才になった2022年にライヴ活動の引退を公表し、アメリカ、ヨーロッパ、ブラジル本国を廻るラスト・ツアーを行いました。
その2022年ニューヨーク公演で、以前から親交を深めていたエスペランサがゲスト出演。そして、2023年にブラジルとアメリカでレコーディングしたのが本作です。

様々なアーティストとコラボし他ジャンルの音楽を吸収してきたミルトンらしく、ビートルズ「A Day In The Life」、マイケル・ジャクソン「Earth Song」のカヴァーから、ポール・サイモンをfeatした⑬「Um Vento Passou」等、注目曲が多数収録されていますね。
その中から、ミルトンの1975年発表名盤『ミナス」収録曲「Saudade Dos Avioes Da Panair (Conversando No Bar)」(邦題:パネール航空の記憶 バルでの会話)の再演を今日のこの1曲に。

リアン・ラ・ハヴァス、マリア・ガドゥ、チン・ベルナンデスがコーラスで加わり、更にルーラ・ガルヴォオン、カイナン・ド・ジェージ、ホナウジーニョ・シルヴァ他、ブラジル人ミュージシャンの精鋭が参加。
まさに冒頭に挙げた言葉、ミルトンが歩んできた音楽人生の豊かさが伝わってきます。森陽馬



2024年8月10日(土) ビートルズ 「All My Loving」

『ポール・マッカートニー写真展 1963-64 Eyes of the Storm』を先日観てきました。

ビートルズが世界中を熱狂させていた1963年から64年に、"ポールが撮影した写真"を展示した写真展です。

1960年代の輝かしい一瞬を放つ1枚1枚の写真はとても見応えがあり、予想以上に楽しめました。
平日夕方頃はすんなり入場できて、東京シティビューの素晴らしい景色も堪能できてよかったですね。

ポール自身による展覧会の音声ガイドも、アプリをダウンロードすれば無料で利用できます。
音声だけでなくスマホの画面に日本語で表示されるので、各写真の背景をじっくり味わいながら鑑賞できました。

僕が特に印象に残ったのは、飛行機客室内の窓から撮影された写真群です。
たくさんの観衆や報道陣、そして、飛行機の整備工がおどけた表情で映っている写真は、自分が体験したわけではないのに、眺めていると懐かしいような想いが込み上げ、グッときました。
なお、白黒だけでなく、後半にはカラーフィルムの写真もあって、とても色鮮やかなのも印象的でしたね。

場所は東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で、9月24日まで開催。
大阪展も2024年10月12日~2025年1月5日で開催が決定したようです。是非チェックしてみてください。

掲載ジャケットは、ビートルズ『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』。
CDジャケットは下部分が切れていますが、ジャケット写真のポールはカメラを持参していますね。森陽馬


2024年8月9日(金) Molly Lewis 「The Crying Game」

主役は<口笛>♪
ロサンゼルスを拠点とする女性ホイッスラー(口笛奏者)、Molly Lewis。

2022年11月27日今日のこの1曲で紹介した2nd EPから約2年ぶりとなる最新作『On The Lips』。
初のフル・アルバムでもある今作は、古い映画音楽のような優美で深みのあるサウンドも聴きものです。

Molly Lewis『On The Lips』
(輸入CD JAGJAGUWAR JAG439)

前2作と同じくプロデュースはThomas Brenneck(Sharon Jones & The Dap-tones)。
ロジャー・ジョセフ・マニングJr.など前作のメンバーに加え、Chester Hansen(BADBADNOTGOOD)、ドラマーのAbe Rounds、Alex Garcia & Sal Samano(Thee Sacred Souls)ほか、注目の若手ミュージシャンも多数参加しています。

殆どが彼女達によるオリジナル曲のなか、本編最後にはイギリスのシンガー、デイヴ・ベリー1964年ヒットで、ボーイ・ジョージのバージョンでも知られる「The Crying Game」を取り上げています。

オルガン、モーグ・シンセのミステリアスな響きと、哀愁漂う口笛が切ない余韻を残す美しいカヴァーです。東尾沙紀


2024年8月8日(木) Vinicius Mendes 「Aldeia De Ogum」

出かけた先の店内でかかっている音楽にはつい反応してしまいます。

SHIPSへ先日行った時、店内でかっこいい音楽がかかっていました。

スマホのアプリで調べたら、Vinicius Mendesというミュージシャン。
帰宅後、彼がリリースしたアナログ盤を早速オーダーし、手にすることができました。
最近はこのレコードを繰り返しよく聴いています。

Vinicius Mendes『Macunaismo Tardio Vol.1&2』
(輸入2枚組LP Notes On A Journey NEWNOAJ002)

Vinicius Mendesは、ブラジル/ミナス・ジェライス州出身のサックス&フルート奏者。
本作は、ジャザノヴァのユルゲン・フォン・クノブラウフ主宰レーベルNotes On A Journeyからの最新リリースで、スタイリッシュなジャズとブラジル音楽をミックスした傑作に仕上がっています。

今日のこの1曲は、ジョイスの名曲をクールにカヴァーした「Aldeia De Ogum」を。

ちなみに、SHIPS系列の店内音楽は、United Future Organizationの松浦俊夫さんが手掛けているそうです。
さすがの選曲・BGMですね。森 陽馬


2024年8月7日(水) 堺正章 「さらば恋人」

筒美京平さんは高校・大学の大先輩です。

そのことを知ったのは、卒業して数年経った後でしたが、同じキャンパスで学生生活をおくっていたのかと思うと、光栄であり、なんともうれしい気持ちになります。

今日はそんな筒美さんの初期の名曲をオリジナル歌手のヴァージョンで全20曲収録したこのCDからチョイスしました。

『筒美京平 TOP 10 HITS 1967~1973』
(国内CD COCP-41421 2,200円税込)

「ブルー・ライト・ヨコハマ」、「また逢う日まで」、「真夏の出来事」、「17才」、「男の子女の子」、「赤い風船」、「わたしの彼は左きき」など、1967~1973年に大ヒットした曲が収められています。

今日は元フォーク・クルセイダーズの北山修が作詞をした「さらば恋人」を。

元スパイダースのリード・ヴォーカリストであった堺正章のソロになってのファースト・シングルでした。
名曲、名唱ですね。森 勉


2024年8月6日(火) Elvis Costello 「Long Distance Love」

リトル・フィートのローウェル・ジョージが亡くなったのは1979年。
2024年で45年が経ちました。

しかしながら、その影響力と存在感は年を追うごとに深まっています。
それを象徴するようなトリビュート・アルバムが発売されました。

『Long Distance Love ~A Sweet Relief Tribute To Lowell George』
(輸入2枚組CD FLATIRON FLAT2007CD)

病気などで生活支援を必要としているミュージシャンを支援するSweet Relief基金と共同で制作された作品。
様々なアーティストがローウェル・ジョージの楽曲を取り上げている2枚組全25曲のトリビュート盤です。
ローウェル・ジョージから真に影響を受けて活動をしている音楽家が参加し、そのカヴァーには愛を感じますね。

エルヴィス・コステロ、ベン・ハーパー、ヨアキム・クーダー、テイラー・ゴールドスミス(ドーズ)、マイク・ヴァイオラ、クリス・スティルス、ギャビー・モレノ...etc、そして、ローウェルの娘イナラ・ジョージもソロ&バード&ザ・ビー名義で加わっています。

今日のこの1曲は、エルヴィス・コステロが歌う「Long Distance Love」を。
コステロらしい味わい深い歌声が沁みますね。
なお、オリジナルはリトル・フィート1975年発表作『The Last Record Album』に収録されています。森 陽馬


2024年8月5日(月) William DeVaughn 「Be Thankful For What You Got」

ブラック・ミュージックでの有名なドラムス奏者としては、
ニューオリンズやロックンロールの創世記から活躍したアール・パーマー、
モータウン・レーベルのベニー・ベンジャミン、
ニューヨークのバーナード・パーディ、メンフィスのアル・ジャクソン、
ウエスト・コーストのジェームス・ギャドソン、
マッスル・ショールズのロジャー・ホーキンス、
などが有名ですが、今日紹介するのは、フィラデルフィアを拠点に大活躍したドラマー、アール・ヤングです。

彼がドラムスを担当した曲を集めたCDが出ました。

『GROOVE MACHINE - The Earl Young Drum Sessions』
(輸入CD KENT/ACE CDTOP1629)

1965~1977年の作品全23曲収録。
ソウルの名曲を聴きながら、アール・ヤングの歌心あふれたドラミングが楽しめるコンピレーションCDです。

オージェイズ「裏切者のテーマ」、ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツ「ラヴ・アイ・ロスト」、スリー・ディグリーズ「TSOP」他、デルフォニックス、スピナーズ、フィリー・デヴォーションズなどが入っていますが、先日サンデー・ソングブックでもオンエアーされたウィリアム・ディヴォーン「ビー・サンクフル・フォー・ホワット・ユー・ガット」を今日の1曲に。
1974年全米R&BチャートNo.1(ポップ・チャートでも第4位)を獲得した名曲です。

なお、アール・ヤングは現在もお元気で、このCDに付いている32ページ英文ブックレットにインタビューがたっぷり掲載されています。森 勉


2024年8月4日(日) The Lostines 「A Tear」

カントリー・フレイヴァーなレトロ・ポップ・サウンドと、美しいハーモニーが魅力♪
ニューオリンズで結成されたCamilleとCaseyによるデュオ、The Lostinesの1stフル・アルバムがとても良い雰囲気です。

The Lostines『Meet The Lostines』
(輸入CD Gar Hole Records GHR-021)

2016年から楽曲を発表しているThe Lostines待望のフル・アルバムは、インディー・ポップ/アメリカーナ系ミュージシャンの気になる作品を色々と発表している、アーカンソー州フェイエットビルを拠点とするGar Hole Recordsからリリースされています。

今作はなんといっても、全体を通して常にハモっている2人の密接なハーモニー。
心地よいコーラス・ワーク、60'sガール・ポップ風のアレンジ、トゥワンギーなギターが鳴る「A Tear」は必聴です!

フィドルとペダル・スティールを取り入れたカントリー・ポップ「After Party」、美しいワルツ「Last Nights」など、良曲揃いの1枚です。東尾沙紀


2024年8月3日(土) 大貫妙子 「4:00A.M.」

<CITY POP ON VINYL>が本日開催され、シティ・ポップ関連のレコードが色々発売されました。
暑い中ご来店・お買い上げいただいた皆々様、ありがとうございました。

シティ・ポップ・ブームが続く中で、人気アイテムも少しずつ変化していっています。
例えば、今回再発売された大貫妙子さんのアルバム3作品(『GREY SKIES』、『SUNSHOWER』、『MIGNONNE』)の中では、『MIGNONNE』の需要が最近高まっていますね。

シティ・ポップ・ブームの更なる火付け役となったのは『SUNSHOWER』(「都会」収録)でした。
テレビ東京の番組『YOUは何しに日本へ』にて、スティーヴンさんが探したレコードとして話題になりましたね。
2017年8月の放送回でしたから、もう7年が経っています。

近年はサブスクの普及により、大貫妙子「4:00A.M.」が大人気!
Spotifyの「70年代の楽曲」部門で、「4:00A.M.」が2023年再生回数ランキング1位を獲得しました。
他の人気曲と比べてもダントツで、1億回に届こうかという驚異の再生回数です。

その「4:00A.M.」収録オリジナル・アルバムが、1978年発表作『MIGNONNE』(ミニヨン)。
(国内LP セルフライナーノーツ付 完全限定盤 MHJL-335 4,620円税込)

大貫妙子さん自身は、本作録音時あまり良い思い出がないそうです。
でも、「横顔」、「突然の贈り物」、「海と少年」なども収録されていて、傑作であることは間違いありません。

今回の再発は、バーニー・グランドマンによるカッティングで180g重量盤仕様。
「4:00A.M.」を針を落として是非聴いてみてくださいね。森 陽馬


2024年8月2日(金) Neighbors Complain 「Silent Screamer」(山下達郎カヴァー)

2024年8月3日(土)は、アナログ・レコードのイベント<CITY POP ON VINYL>が開催!
シティ・ポップ系の色々な作品が、アナログ・レコードで発売されます。

大貫妙子『SUNSHOWER』、『Grey Skies』、『MIGNONNE』、佐藤博『アウェイクニング』、矢野顕子『SUPER FOLK SONG』、間宮貴子『LOVE AFFAIR』、当山ひとみ12inch2種、谷村有美『FACE』、岡崎友紀『So Many Friends』、ECD『君は薔薇より美しい』、BARBER IN THE LIVINGROOM『Moon&Palms』、滝沢洋一『レオニズの彼方に』、土岐麻子『Peppermint Time』、土岐麻子『A NIght In New York』7inch、IKKUBARU7inch、曽我部恵一『スロウモーション』7inch、ジャンクフジヤマ『高気圧ガール』7inch、大橋純子『MAGICAL』、『FULL HOUSE』、『A Love Affair』7inch、Airi『中央フリーウェイ』7inch、タムリン・トミタ『Sweet Suprise』、伊東真由美『Stay With Me』、沢チエ『23』、Neighbors Complain『Made In Street 3』、etc...。

上記商品が当店に入荷し、8月3日から発売開始となります。
(リンダ・キャリエールLPは追加プレスが決定し、9月上旬入荷分を店頭で予約受付中です)

今日のこの1曲は、CITY POP ON VINYLの中から、Neighbors Complainによる山下達郎カヴァーを。

Neighbors Complain『Made In Street 3 (Live Covers)』
(国内LP 完全限定盤 VSLP4027 4,400円税込)

Neighbors Complain(ネイバーズ・コンプレイン)は、OTOを中心に2014年に結成した大阪在住ソウル・バンド。
本作は、邦楽/シティ・ポップのカヴァーを収めた8曲入りアナログ盤です。

中でも、山下達郎「Silent Screamer」のカヴァーは聴きもの。
ファンキーなトラックに、トークボックスのヴォーカルが意外にもマッチして、シティ・ポップ感を高めていますね。森陽馬


2024年8月1日(木) MuchaMuchaM 「asadoya yunta」(安里屋ユンタ)

最近気に入りよく聴いていた作品が、素敵なジャケットが付いてアナログLPで発売されました。

MuchaMuchaM『Qantikala』
(国内LP 完全限定アナログ盤 SP10-004 4,400円税込)

MuchaMuchaM(ムチャムチャム)は、Shogo Satoを中心に福岡を拠点に活動しているバンド。
クルアンビンにアジアン・テイストを調合したようなエキゾチック・インスト・サウンドが魅力です。

本作『Qantikala』は、彼らのファースト・フル・アルバムで全11トラック収録。
今日のこの1曲はA面6曲目「安里屋ユンタ」のインスト・カヴァーを。

沖縄民謡の名曲が、アジアン風味なメロウ・グルーヴ・アレンジに♪
とってもクールで、ゴキゲンなナンバーです。


ちなみに、ジャケットは福岡在住のイラストレーターTOYAMEGが手掛けています。森 陽馬


2024年7月31日(水) birch 「Cloudy」

当店最寄りの武蔵小山駅から徒歩10分のところに、林試の森公園があります。

緑が多く広い公園で、散歩で立ち寄ると都会の喧噪から離れることができ、ホッとしますね。
近隣住民にとっては憩いの場所となっています。

さて、1stアルバム『私だけの朝』(
2021年8月26日今日のこの1曲で紹介)が好評だった、松野寬広によるソロ・ユニットbirchの約3年ぶり2ndアルバムが本日発売されました。

birch『光をまたいで』
(国内CD お買い上げの方先着で缶バッチ付 HYCA-8074 2,750円税込)

オーガニックなサウンドにメロウなソングライティングが、疲弊した身体と心に寄り添ってくれる1枚。
竹川悟史(ex.森は生きている)が、アルバム全10曲中9曲でメイン・ヴォーカルを担当しています。

今日のこの1曲は、アルバム中唯一のインスト・ナンバー8曲目「Cloudy」を。
松野寬広が奏でるウーリッツァー&チェレスタの演奏に、林試の森公園で録音された音響が足されているトラック。
よーく聴くと、落ち葉を踏みしめている音が聞こえてきます。森 陽馬


2024年7月30日(火) The Allman Betts Band 「Shinin'」

フジロック・フェスティヴァル2024、7月28日(日)3日目へ行ってきました。

雨が降った時間帯もありましたが、苗場は涼しくて、とても過ごしやすかったです。
越後湯沢駅からのシャトルバスは並ばずに乗れました(行きのシャトルバス運賃が2,000円になった影響?)し、飲食店やトイレも混んでいる場所&時間帯はありましたが、全体的にはストレスを感じませんでした。

タイムテーブルに出ているアーティストのライヴだけでなく、様々なワークショップや催しが多彩にあって、幅広い客層が楽しめる工夫が施されていましたね。

ちなみに僕が今回観ることができたアーティストは以下。
夏川りみ→Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin→大道芸人マサトモジャ→ALI→The Jesus And Mary Chain→URBAN GROOVE FITTERS(臼井ミトン、沼澤尚、中條卓、田中義人)→YIN YIN→Celebration Of The Meters→The Allman Betts Band→Gaz Mayall→kurayamisaka→SAKURA CIRCUS(空中ブランコ)→LOS RIZLAZ、等々。
翌朝5時までフジロックを満喫しました。

個人的ベストは、フィールド・オブ・ヘヴンで観たCelebration Of The Meters!
<Dumpstaphunk(アイヴァン・ネヴィル、イアン・ネヴィル中心のファンク・バンド)に、ジョージ・ポーターJrがゲストで加わって、ミーターズの曲を演奏する>という編成。ジョージ・ポーターJrのベース&存在感は凄かったなあ。

ミーターズの後、フィールド・オブ・ヘヴンのトリを飾ったThe Allman Betts Bandも印象深かったですね。
The Allman Betts Bandは、グレッグ・オールマンの息子デヴォン・オールマンと、ディッキー・ベッツの息子デュアン・ベッツを中心としたサザン・ロック・バンドで日本初見参!
「Blue Sky」「Midnight Rider」「Dreams」と、父のカヴァーも演りましたが、セットリストの基本はオリジナル曲。
自分たちのバンドが今奏でているサザン・ロックを聴け!という気概が伝わってきました。

最後の方では、デヴォン・オールマンの息子(つまり、グレッグ・オールマンの孫)がキーボード奏者として登場。
オールマンのサザン魂は引き継がれていくのだ、と実感できました。森 陽馬

★掲載ジャケットは、The Allman Betts Bandの2019年発表1stアルバム『Down To The River』。


2024年7月29日(月) Liana Flores 「Hello Again」

うだるような暑さを束の間忘れさせてくれる涼やかな歌声。
ブリティッシュ・フォークの繊細さと、ブラジリアン・ミュージックの軽やかさを持ち合わせた話題のシンガーソングライターが、Verveからリリースしたメジャーデビュー作。
最近は今作の音に癒やされています。

リアナ・フローレス『フラワー・オブ・ザ・ソウル』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲収録 UCCV-1201 2,860円税込)

リアナ・フローレスは、イギリス人の父とブラジル人の母を持つ1999年生まれ、ロンドンを拠点とするシンガーソングライター。

デヴェンドラ・バンハートとの仕事で知られるアメリカのミュージシャン、ノア・ジョージソンによるプロデュース。
チン・ベルナルデス、ジャキス・モレレンバウムなどブラジルのミュージシャンも参加しています。

70年代フォーク・シンガーと錯覚してしまうような古めかしさの中に、心地良いボサ・ノヴァがうまくブレンドされています。
弦のアレンジは彼女自身が手掛け、聴く者を美しい自然に誘ってくれるような詩の表現も素敵なのでぜひ注目してほしいです。

朝露のようにキラキラとしたピアノ、フルートに彩られた穏やかなオープニング・ナンバー「Hello Again」を今日の1曲に。東尾沙紀


2024年7月28日(日) KERMIT 「Rainbow Connection」

ロジャー・ニコルスと組んで、数々の名曲を作ったポール・ウィリアムスの単独名義の作品集がACEレーベルから発売されました。

全22曲収録中、14曲がロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムスの楽曲。
あとは、ビフ・ローズやミシェル・コロンビエ等との共作4曲、そして単独作品4曲で構成されています。

どの曲もポール・ウィリアムスの人柄がにじみ出ている、聴く者の気持ちを心地良くほぐしてくれるような楽曲ばかりで、本当にいい選曲だと思います。

「サムデイ・マン」(モンキーズ)、「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」(スリー・ドッグ・ナイト)、「レッツ・ライド」(ロジャー・ニコルス&スモール・サークル・オブ・フレンズ)、「ドリフター」(サンドパイパーズ)、「愛は愛の中に」(ダイアナ・ロス)、「雨の日と月曜日は」(フリーダ・ペイン)など、有名曲はオリジナル・アーティストやナイス・カヴァーで収録。
あまり知られていない曲ですが、スコット・ウォーカー、エルヴィス・プレスリー、アン・マレー、グレン・キャンベルが歌う彼の曲も絶品です。

うれしい選曲としては、フレディ・アレン「愛のプレリュード」、アート・ガーファンクル「トラヴェリング・ボーイ」、フォー・キング・カズンズ「アイ・フェル」・・・よくぞ、選んでくれました。

今日の1曲は、このCDのラストを飾ってくれるカエルのキャラクター、カーミットことジム・ヘンソンが歌う名曲「レインボー・コネクション」を。
『マペット・ショー』や『セサミ・ストリート』でおなじみのあのカエルくんです。

ほのぼのしているのに、ジワーッと胸にくる歌なんです。
ちなみに、カーミットは左利きでバンジョーを弾きます。森 勉

★『We've only just begun ~ The Paul Williams Songbook』
(輸入CD ACE CDTOP-1644 16ページ英文ブックレット付)


2024年7月27日(土) NUBIYAN TWIST 「Lights Out」 feat Nile Rodgers

夏に飲む熱い緑茶が美味しいように、暑い時に聴く身体が熱くなるような音楽も良いものです。

今日紹介するこのアルバムも、心も体も自然と揺れてくるゴキゲンな1枚♪

NUBIYAN TWIST『Find Your Flame』
(輸入CD Strut STRUT346CD)

NUBIYAN TWISTは、ロンドンを拠点に活動しているTom Excellを中心とした9人編成ジャズ・ソウルバンド。
ワールド・ミュージック/アフロビートな要素も加味しつつ、英国発らしいステイリッシュなアレンジで楽しめます。

今日のこの1曲は、2曲目「Lights Out」。
シックっぽいな、と思ったら、ナイル・ロジャースがギターを弾いていて、作曲にも参加していました。
さすが、ナイル・ロジャース! カッティング健在ですね。

ちなみに、6曲目「Carry Me」にはシェウン・クティも参加しています。森 陽馬


2024年7月26日(金) First Gear 「Leave My Kitten Alone」

1964年イギリスにおけるR&B/Bluesバンドの層の厚さを思い知らされるコンピレーションCDが出ました。

V.A.『Having A Rave-Up! ~ The British R&B Sounds Of 1964』
(輸入3枚組CD Grapefruit/Cherry Red CRSEG3BOX146 英文ブックレット48ページ付)

CD3枚に全91曲!
1964年に録音・発表された楽曲だけに限定してもこの量と質。
どの曲もこの時期のブリティッシュR&B/Bluesの熱さを伝えてくれるものばかりです。

プリティ・シングス、アート・ウッズ、マンフレッド・マン、ヤードバーズ、ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズ、ゾンビーズ、アニマルズ、ナッシュヴィル・ティーンズ、グラハム・ボンド・オーガニゼーション、スペンサー・デイヴィス・グループなど、名前が知られたバンドも入っていますが、半分以上は日本では紹介されなかったバンドで占められています。
さすが、イギリスは違うな、と思わせてくれるカッコイイR&B満載です。

どの曲を聴いても、若さと志、そして初期衝動がほとばしっています。
今日はその中から今回初めて聴いたファースト・ギアの「Leave My Kitten Alone」を。
間奏のギター・ソロが1964年としてはホットでいかしています。森 勉


2024年7月25日(木) ナツ・サマー 「ORANGE AIRMAIL」

女性シンガー、ナツ・サマーの新作アルバム『オレンジ通信』が発売になりました。

真夏の蒸し暑さに、爽やかな風を感じさせてくれる1枚です。

ナツ・サマー『オレンジ通信』(ORANGE AIRMAIL)
(国内CD CMTR-013 3,000円税込/アナログLPは2024年10月2日発売)

流線形のクニモンド瀧口氏によるプロデュース。
ジャパニーズ・ラヴァーズ・ロックに、シティ・ポップ風味を加えたサウンドが心地良いですね。
今日のこの1曲は、愛媛県(彼女の出身地)の特産でタイトルにも冠された5曲目「ORANGE AIRMAIL」を。

なお、3曲目「神様お願い」のオリジナルは、ハバナエキゾチカ(Baffalo Daughterの前身バンド。1991年発表作『踊ってばかりの国』に収録)で、女優の深津絵里が歌手時代の1992年にカヴァーしていたナンバーです。森陽馬


2024年7月24日(水) Kitty Liv 「Keep Your Head Up High」

ロンドン出身3兄弟バンド、キティ・デイジー&ルイスの次女で末っ子キティが、キティ・リヴとしてソロ・アルバムをリリース♪

キティ・リヴ『イージー・タイガー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 PCD-25402 2,750円税込)

リズム&ブルース、ロカビリーなどロックンロールを追求してきたキティ・デイジー&ルイスとはまた一味違う、ファンキーな面が際立った初ソロ作。クールで堂々とした歌声も相まってとってもかっこいい~!

全曲の作詞・作曲、ドラム、キーボード以外の殆どの楽器は彼女自身が手掛け、.兄ルイスも共同プロデュース&演奏に参加。

兄のベース、彼女のブルースハープが絡む骨太な「Keep Your Head Up High」、シンプルなバラード「Sweet Dreams」、リード・トラック「The Sun And The Rain」、グルーヴィーで気持ち良い「Nothing On My Mind(But You Babe)」など全10曲。
シンセやストリングスなども取り入れながら、ソロだからこそ表現できる彼女の現在が詰まった充実の1枚です。

ちなみに余談...アルバム・ジャケット、MVにはドラムが叩く彼女が登場していますが、今作ではエイドリアン・ミーハン(Young Gun Silver Foxサポート他)がほぼ全曲で叩いています。

彼女は今週末開催のフジ・ロック・フェスティヴァル'24に出演!(ステージはFIELD OF HEAVEN)
2025年1月30、31日には、東京・大阪での単独公演も決定しています。東尾沙紀


2024年7月23日(火) SKYE 「radio」 feat Raine

鈴木茂、小原礼、林立夫、松任谷正隆による4人バンド、SKYE(スカイ)。

小坂忠のバック・バンド“フォージョーハーフ”での活動から約50年を経て、2021年10月に1stアルバム『SKYE』を発表。2022年には小坂忠さんとの哀しい別れもありながら、SKYEとしてツアーも行いました。

あれから、わずか2年半。SKYEの新しいアルバムが届けられました。
前作同様、大人なロックを聴かせる1枚に仕上がっています。

SKYE『Collage』
(国内CD COCB-54372 3,500円税込)

今日のこの1曲は、ラスト14曲目に収録されている「radio」を。

FM COCOLOのスプリング・キャンペーン・ソングとして書き下ろされた「radio」は、小坂忠のお孫さんRaine(レイン)がメイン・ヴォーカルを務めています。

小坂忠の娘Asiahを母を持つRaineは、L.A.生まれの19歳女性シンガー。
忠さんのDNAを引き継ぐ美しい歌声が、約半世紀の時を越えたSKYEによる演奏で、現代の空気を震わせます。森陽馬


2024年7月22日(月) 竹内まりや 「The Last In Love」

竹内まりやさんの新曲「歌を贈ろう」のシングルCDが8月28日発売。
そして、その「歌を贈ろう」を収録した新作アルバム『Precious Days』が10月16日発売決定しました。

シングルはいいかな?と思っている方も多いかもしれません。
でも、このシングルの2曲目「The Last In Love」と3曲目「New Kid In Town」を僕はとても楽しみにしています。

②「The Last In Love」は、J.D.サウザー1979年発表名作『You're Only Lonely』に収録の切ないバラード。
③「New Kid In Town」は、イーグルス1976年発表名盤『Hotel California』からのシングル曲。
どちらも、オリジナルは竹内まりやさんが大好きなアメリカ西海岸/ウエスト・コースト・ロックの名曲ですね。

特に、「The Last In Love」はまりやさんにとっても様々な想いが詰まった歌かもしれません。

1990年代に行われたセンチメンタル・シティ・ロマンスのライヴに、竹内まりやさんがスペシャル・ゲストとして出演したことがあり、その時、センチをバックに歌ったのが「The Last In Love」のカヴァーでした。
まりやさんの美しい歌声は約26年経った今でも忘れられません。

今回初CD化される「The Last In Love」は、2018年頃にセンチ&佐橋佳幸さんをバックにスタジオで録音した、サンデー・ソングブックでオンエアされたことがあるヴァージョンでしょうか?
どちらにしても、2021年に亡くなった中野督夫さんへの想いが込められた1曲なのだと思います。森 陽馬

★掲載ジャケットは、2曲目に「The Last In Love」のカヴァーが収録される竹内まりや『歌を贈ろう』。
(2024年8月28日発売 国内CD 完全生産限定盤 WPCL-13604 1,650円税込)


2024年7月21日(日) はっぴいえんど 「夏なんです」

暑中御見舞い申し上げます。

東京は例年にも増して暑い日が続いています。

僕は父方も母方も東京で暮らしていたので田舎というものがなく、特に子供時代、夏休みなど同じクラスの子たちが田舎へ行って楽しかったとか、祖父母からお小遣いをもらったという話を聞いたときは、とてもうらやましく思ったものです。

そんな僕だったのですが、小学生の頃、母方の親戚がいるということで、三重県の鳥羽(とば)に二度ほど連れていってもらったことがありました。
寝台夜行列車での旅、ギンギンギラギラの太陽、モンモンモコモコの入道雲。
少し足を延ばして、まさに鎮守の森だった伊勢神宮へ行ったりと、楽しい思い出が残っています。
その時、初めて食べた赤福の味も格別でした。

ということで、今日の1曲は「夏なんです」。
この曲を聴くと、遠い昔の夏の日がよみがえってきます。森 勉

★掲載ジャケットは、はっぴいえんど『風街ろまん』。
(国内CD 初回生産限定盤 60ページブックレット付 MHCL-30916 3,520円)


2024年7月20日(土) 鈴木祥子 「帰郷」

鈴木祥子さんの新しい作品が本日入荷しました。

鈴木祥子『エクスペリアンス~記憶された言葉、記録された愛』
(国内CD BECD-32 3,500円税込)

本作は、2023年12月3日/2024年1月13日に千駄ヶ谷ビクター・スタジオ302Stで行われたレコーディング・ライヴからベスト・テイクをセレクトした音源で、ワーナー期(1998年作『私小説』、1999年作『あたらしい愛の詩』、2000年作『Love,painful love』)の楽曲が歌われています。

ピアノ/エレピの弾き語りで、歌に刻まれた愛への想いがストレートに伝わってきました。
心に響く言葉、気持ちが込められた歌とメロディーに胸が熱くなります。

今日のこの1曲は、美しくも切ないバラード曲「帰郷」。

なお、ジャケットに掲載されているのは11曲ですが、うれしいボーナス・トラックも入っていました。
その歌の言葉を噛みしめるように繰り返し聴いてください。森 陽馬


2024年7月19日(金) Alice Clark 「Hey Girl」

2024年7月3日から発行が始まった新札の千円札を、本日初めて手に取りました。
これから流通していくのでしょうが、手にするとうれしいですね。

さて、物価高と言われながら、お買得な新品CDが色々出ています。
最近では、ウルトラ・ヴァイヴ社からの<名盤1,100円シリーズ>が大好評!

対象商品を5枚購入&応募で、江口寿史さんデザインのトートバックがもれなくもらえるキャンペーン中です。
1枚のみお買い上げでも、イラストコースター(ペラペラな紙ですが...)を差し上げています。
←江口寿史さんデザインによるレコード少女イラスト

応募締切は2024年10月4日。気になる作品を吟味して是非応募してくださいね。

さて、対象商品の中からオススメのこの1枚。

アリス・クラーク『Alice Clark』
(国内CD 期間限定盤 UVPR-60063 1,210円税込)

黒人女性シンガー、アリス・クラークが1972年に発表した唯一のアルバムです。

ソウルフルな歌声も魅力ですが、バーナード・パーディ他によるファンキーな演奏が聴きもの!
今日のこの1曲は、ダニー・ハサウェイ『LIVE』に収録されていることで有名なナンバー「Hey Girl」を。森 陽馬


2024年7月18日(木) Travis 「Alive」

現在のメンバーで活動を続けて2024年で30周年を迎えるグラスゴー出身バンド、トラヴィス。
50代に突入し、べテランの風格漂う彼らの約4年ぶりの新作がリリースされました。

Travis『L.A. Times』
(輸入CD 限定デラックス・エディション2枚組 964028732)

トニー・ホッファーをプロデューサーに迎えた10作目。

クリス・マーティン(コールドプレイ)、ブランドン・フラワーズ(ザ・キラーズ)がコーラス参加「Raze The Bar」や、ホーンが加わった「Gaslight」等シンガロング出来そうな曲から、フラン・ヒーリー(vo,g)が元妻に宛てたメランコリックな「Live It All Again」、ヒーリーが居を構えるLAの貧富格差への嘆き・怒りをぶつけた「L.A.Times」まで、歌詞もサウンドも様々なアプローチがあり、最初は雑多な感じがしましたが、根底にあるのはやはりトラヴィスらしい憂いのあるメロディ。力作だと思います。

♪ぼくらは生きている 息をしている限り この夢を灯し続けることができる♪
と歌われる「Alive」は、亡くなった彼らの友人に捧げられた曲。
哀しみより希望に満ち、凛としたアコースティック・ギターの美しい音色と共に胸に響いてくる1曲です。

デラックス盤のディスク2には、メンバーの自宅等で録られた本編10曲分のStrippedバージョン(バンドのみのシンプルな演奏のもの)が収録されています。

前売り販売は既に終了していますが、フラン・ヒーリーがソロで急遽来日。
7月24日に渋谷SPACE ODDにてスペシャル・アコースティック・ライヴが行われる予定です。東尾沙紀


2024年7月17日(水) リンダ・キャリエール 「Love Celebration」

遂に正式発売!
リンダ・キャリエールの日本制作アルバムがCDで2024年7月17日発売されました。

リンダ・・キャリエール『リンダ・キャリエール』
(国内CD 松永良平&長門芳郎氏による解説・歌詞・対訳付 MHCL-3092 3,300円税込)

1977年に細野晴臣プロデュースのもと、完成していたリンダ・キャリエールのアルバムは、残念ながら発表されませんでした。
ワールドワイドな販売戦略がある作品だったそうですが、当時の海外スタッフの反応がイマイチだったためお蔵入りに・・・。もったいない。
当時、少数テストプレスされたラフミックス盤を聴いた方々の「いい作品だ!」といううわさ話は聞こえてきましたが...。
それが、これからは思う存分聴くことができます。

作曲陣は、細野晴臣4曲、山下達郎2曲、吉田美奈子2曲、矢野顕子1曲、佐藤博1曲、の全10曲。
どれも質の高い楽曲揃いです。

1977年当時、日本の音楽のメインストリームではなかったタイプのサウンドですが、今なら全世界のシティ・ポップ好きに受け入れられるのではないでしょうか。
参加ミュージシャンも凄い!
林立夫、村上ポンタ、高水健司、松木恒秀、大村憲司、鈴木茂、坂本龍一、浜口茂外也、etc...。
当時、ボツになるのはあまりにももったいない、と思ったソニーのスタッフが、英語詞を安井かずみの詞にして、笠井紀美子ヴォーカルでアルバム『トーキョー・スペシャル』に「バイブレイション」(Love Celebration)と、「待ってて」(Laid Back Mad Or Mellow)を収録するという早わざもありました。

とにかく、47年越しの発売を喜びたいと思います。
なお、7月17日は、アルファ・ミュージックの創立記念日だそうです。森 勉



2024年7月16日(火) Neil Young with Crazy Horse 「Hey Hey My My」(Into The Black)

フジロック・フェスの公式ファンサイトFUJIROCKERS.ORGに、<苗場フジロック・オールタイム・ベストアクト25>の投票結果が掲載されました。

並み居る名アーティストの名ライヴを押しのけ1位になったのは、、、。
なんと!2001年ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホースでした!

このライヴ、僕は現地へ観に行っていました。
今から約23年前ですが、昨日のことのように想い出しますね。

同じグリーン・ステージで、パティ・スミスも昼過ぎに出ていて、それも素晴らしかったこと。
ニールの出番まで、会場内ではジミー・リードの渋いブルースがかかっていたこと。
21時半から23時までの予定が、24時過ぎまで約2時間半も演ったこと。(フジロックでは異例!)等々。

その日に披露された18曲の中から1曲選ぶとしたら、20分以上にも及んだカオスな「Like A Hurricane」も印象深いですが、やはり「Hey Hey My My」でしょうか。

♪ロックン・ロールは絶対に滅びやしない! 目に見えるよりももっと多くのイメージがあるんだ。♪

この曲を聴くと、あの夏の陽射しと夜空、澄んだ山の空気を今でも感じることができるのです。森陽馬


2024年7月15日(月) Little Feat 「Mellow Down Easy」

リトル・フィートの新作が出ました。

Little Feat『Sam's Place』
(輸入CD LFR001CD/7/17発売 国内仕様盤 帯付・解説なし LFR001CDJ 3,190円)

70年代から在籍している黒人パーカッショニスト、Sam Claytonがヴォーカルを担当。
メンフィスにあるスタジオSam Phillips Recordingsで録音。(だからタイトルがSam's Placeなんですね)
ブルースのカヴァーを中心にした9曲入りのアルバムです。

レイドバックした味わい深い内容?、と思いきや、さすがリトル・フィート!
タイトな演奏にエレキ・ギターもガンガン絡み、サム・クレイトンのソウルフルな歌声もかっこいい!
ビル・ペインのキーボード・プレイも健在でうれしいですね。

今日のこの1曲は、リトル・ウォルターで知られる「Mellow Down Easy」(ウィリー・ディクソン作)を。
フレッド・タケット&スコット・シャラードのギターと、ゲストのマイケル・ロブによるハーモニカとのバトルが痛快!

ちなみに、現メンバーは、Bill Payne、Sam Clayton、Kenny Gradney、Fred Tackett、Scott Sharrard、Tony Leone。(CD内ジャケットに掲載されている6人の写真が激渋!)
なお、ボニー・レイットが3曲目「Long Distance Call」にヴォーカルで参加しています。森陽馬


2024年7月14日(日) Eric Clapton 「Prayer Of A Child」

21世紀に入り20年以上が経っているにも関わらず、世界各地で戦争が起きています。

「戦争を止めよう」というメッセージは、絵空事に感じてしまう人が多いかもしれません。
でも、「子供たちを守って」という祈りは、世界中の皆が願っていることだと思います。

4歳の息子を不慮の事故で亡くしたことがあるエリック・クラプトンの、「To Save A Child」という想いが込められたコンサート音源&映像が発売になりました。

Eric Clapton『To Save A Child』
(輸入CD+Blu-ray Surfdog Records BUSH153362CD/輸入LPもあり)

本作は、エリック・クラプトンが2023年12月8日ロンドンにあるRDスタジオで行ったライヴ作品。
このライヴは、戦争で被害を受けたパレスチナ/ガザ地区の子供達を支援する目的で行われたものです。

バックは、Doyle Bramhall Ⅱ、Nathan East、Sonny Emory、Tim Carmon、Sharon White、Katie Kissoon。
本編ラスト「Give Me Love」(ジョージ・ハリスン作)には、ジョージの息子Dhani Harrisonが参加。

そして、アルバムの最後には、スタジオ録音の新曲「Prayer Of A Child」が追加収録されています。
2024年で79才を迎えたクラプトンの祈りにも似た歌が、無関心を装った僕らの心を静かにノックします。森陽馬


2024年7月13日(土) ナンシー・ウィルソン 「ジョー」

2020年に発売されたトム・ベル作品集『THOM BELL 'ready or not 1965-1978'』(2020年7月12日今日のこの1曲で紹介)は、当店ではいまだにロングセラー続行中の人気コンピCDです。

その続編CDが発売になりました。

『Didn't Blow You Mind? ~ THOM BELL 'The Sound of Philadelphia Soul 1969-1983』
(輸入CD KENT/ACE 16ページ英文ブックレット付 CDTOP522)

全20曲、トム・ベルが手掛けたフィラデルフィア産の名曲たっぷりの選曲です。
プロデュース、アレンジ、オーケストラ指揮、又は作曲に携わった作品が、最新リマスターのいい音で楽しめます。

デルフォニックス、スピナーズ、ロニー・ダイソン、エルトン・ジョン、スタイリスティックス、ルー・ロウルズ、ベル&ジェイムス、オージェイズ、etc...。

今日の1曲は、エレクトリック・シタールなどが入り、トム・ベルらしいアレンジが後半に繰り広げられるジェリー・バトラー「ウォーキング・アラウンド・イン・ティアー・ドロップス」にしようかと思いましたが、ナンシー・ウィルソン「ジョー」にしました。

ナンシーのヴォーカルに、トム・ベルならではのフレンチホルンの響き。
2分20秒ほどの短い曲ですが、シビレました。森勉


2024年7月12日(金) 大滝詠一 「NIAGARA ROCK'N' ROLL ONDO」

明日7月13日(土)は、東京の盆の入り日(迎え火)です。

そして、2024年7月13、14、15日の3日間、
<ナイアガラ盆踊り>が代々木公園イベント広場で開催されます。

ナイアガラ盆踊りは、J-WAVEのイベントINSPIRE TOKYOに合わせて行われる盆踊り祭。
大滝詠一が作った数々の音頭が会場内に流れ、花柳糸之社中と共に盆踊りが楽しめます。

2023年第1回は代々木競技場前で行われましたが、2024年はNHKホール近くに位置する代々木公園イベント広場・ケヤキ並木で18時から開催。(入場無料!)
野宮真貴さんが3日間出演し、更に7月15日には横山剣さん(クレイジーケンバンド)もゲスト参加予定です。

昨年に続き、ナイアガラうちわが無料で配布され、オリジナルのナイアガラTシャツの販売もあり!
渋谷区観光協会が後援となって、出店も色々あるようです。お祭り気分で立ち寄ってみてくださいね。

さてさて、会場ではどんな音頭がかかるでしょうか?!
大好評だった2023年第1回目も多彩な選曲で盛り上がっていましたが、本作で是非予習・復習してください。

『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK/NIAGARA ONDO BOOK』
(国内2枚組CD 安田謙一氏による詳細な解説付 SRCL-12450 3,960円税込/LPもあり)

今日のこの1曲は、「ナイアガラ音頭」をドライヴ感あるロックンロールなアレンジにした「NIAGARA ROCK'N' ROLL ONDO」を。
2023年の盆踊りでもかかり、他の音頭とは異質ながらテンポアップして盛り上がっていましたね。森陽馬


2024年7月11日(木) 大貫妙子&坂本龍一 「四季」

坂本龍一が音響監修を務めた映画館<109シネマズプレミアム新宿>で、7月5日から3週間特別上映されている大貫妙子&坂本龍一のライヴ映像『UTAU LIVE IN TOKYO 2010』を鑑賞しました。

このライヴ映像は、大貫妙子と坂本龍一が2010年11月10日に発表したアルバム『UTAU』のリリースに合わせて行ったツアー、2010年12月10・11日東京国際フォーラム公演の模様です。

観た後、体中の疲労や邪念がすべて浄化されるような心持ちになりました。
素晴らしい音響はもちろん、当時のツアーの舞台照明や演出がとても美しかったです。
(「鉄道員」、「戦場のメリークリスマス」での照明・映像編集は深く印象に残りました)

そして、このツアーのお二人は、若々しい恋人のように、キラキラしていましたね。
大貫妙子さんの澄んだ歌声は、坂本龍一への恋文のように響いてきました。

今日のこの1曲は、本編ラストに歌われ、特に感動的だった「四季」を。
「つないだ手に夏の匂い 海へと続く道 <中略> さようならとさようならと あなたは手をふる 鈴の音が唄いながら 空を駆けていく」(大貫妙子「四季」歌詞より) 森 陽馬


★このライヴ映像が初ブルーレイ化されました。
大貫妙子&坂本龍一『UTAU LIVE IN TOKYO 2010 A PROJECT OF ONUKI TAEKO & RYUICHI SAKAMOTO』
(国内Blu-ray RZXM-77999 6,600円税込)


2024年7月10日(水) Graham Parker & The Goldtops 「Last Stretch Of The Road」

ニック・ロウの新作『Indoor Safari』が2024年9月に発売されます。
フル・アルバムとしてはホリデー・アルバム『Quality Street』を含めると約11年ぶり!
近年発表されたEP楽曲のリメイクなど既発曲が中心のようですが、ロックンロールな新曲「Went To A Party」がかっこいいので、アルバムが楽しみになりました。

ニック・ロウ縁の人、グレアム・パーカーもコンスタントに作品を発表しています。
海外では2023年に発表されたものですが、日本でも手に取りやすい状況になったようです。

Graham Parker & The Goldtops『Last Chace To Learn The Twist』
(輸入CD Big Stir Records BSR-0099)

最新作でバックを務めているのは、The Goldtops。
先日フェアーグラウンド・アトラクションで来日したばかりのサイモン・エドワーズ(b)、ザ・ルーモアのマーティン・ベルモント(g)、ゲラント・ワトキンス(key)、ジム・ラッセル(ds)に、女性コーラス2人、ホーン・セクションが加わった編成です。

郷愁を誘う「Sun Valley」や、ハーモニカが良い味わいの「Last Stretch Of The Road」など、ほどよく枯れて、ほどよくポップ、レゲエがあったり、サザン・ソウル・テイストがあったり...安定のGP節を聴かせてくれます。東尾沙紀


2024年7月9日(火) ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース 「Come On Baby Let's Go Downtown」

ニール・ヤングとバンド活動を共にしてきたクレイジー・ホースは、ビリー・タルボット(ベース)とラルフ・モリーナ(ドラムス)が不動のメンバーながら、ギタリストは変化してきました。

一番最初は、ダニー・ウィッテン(1968-1971 1972年にオーバードーズで急逝)。
次に、フランク・“ポンチョ”・サンペドロ(1974-2014)。
近年は、ニルス・ロフグレン(2018-2023)。
今年2024年のツアーは、マイカ・ネルソン(ウィリー・ネルソンの息子)が加わっています。

この度、ダニー・ウィッテンが在籍していた1969年、ニールとクレイジー・ホースが最初に組んだアルバム『Everybody Knows This Is Where』(邦題:ウィズ・クレイジー・ホース)頃の未発表音源集が発売されました。

ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース『EARLY DAZE』
(国内CD SHM-CD仕様 大鷹俊一氏による解説・歌詞・対訳付 WPCR-18672 3,080円税込/輸入LPもあり)

当時のニールはグレッチのギターを弾いていて、その音色と響きが痛快!
狂馬との演奏は、独特な荒々しさが感じられて、何時聴いても刺激的ですね。

今日のこの1曲は、ニールとダニーの共作曲「Come On Baby Let's Go Downtown」未発表スタジオ・ヴァージョン。
リード・ヴォーカルはダニー・ウィッテン。ジャック・ニッチェが加わっているのもこの時期ならではの編成ですね。

約55年を経ても爆走し続けているニールwith狂馬。まさに「Long May You Run」!
(この曲はクレイジー・ホースとの曲ではないけれど) 森 陽馬


2024年7月8日(月) Aaron Frazer 「Thinking Of You」

近年は世界各国で、ヴィンテージ感あるスウィート・ソウルな新譜アルバムが増えています。

今日紹介するアーロン・フレイザーの新作も、レトロな雰囲気ながら現代に響くメロウな1枚でした。

アーロン・フレイザー『Into The Blue』
(国内CD ボーナス・トラック追加収録 解説・歌詞・対訳付 DOC320JCD 2,750円税込/アナログLPもあり)

アーロン・フレイザーはドラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズのドラマー/ヴォーカリスト。
本作『Into The Blue』は、ブラック・キーズのダン・オーバックがプロデュースした2021年発表1stアルバム『introducing...』に続く、約3年ぶりの2ndオリジナル・アルバムです。

日本盤帯の文面には、<ヒップホップ的なメンタリティを核として作り上げた>と記載されていますが、HIP HOPな節回し&サウンドはほとんどなく、彼特有のファルセット・ヴォイスがソウルフルに心地良く伝わってきますね。
70'sスウィート・ソウルお好きな方にもオススメしたい作品です。

今日のこの1曲は、「君のことが忘れられない・・・」と歌われる、甘く切ない①「Thinking Of You」を。
この数年間で、アーロンは交際していた恋人と別れ、ブルックリンからロサンゼルスへ引っ越しました。
そんな彼の哀愁がこの歌には込められています。森 陽馬


2024年7月7日(日) アン・ルイス 「恋のブギ・ウギ・トレイン」

山下達郎が携わった作品は、相変わらずの人気でいろいろなものが再発されています。

今日は2024年最新リマスターで7月3日に再発されたCDを紹介したいと思います。

アン・ルイス『ピンク・キャット」+5
(国内CD 解説:金澤寿和 VICL-77056 2,420円税込)

1979年に発表された山下達郎によるプロデュース作品のアルバムに、シングル曲を5曲追加したものです。

現在でも山下達郎のライヴでよく演奏される「恋のブギ・ウギ・トレイン」は、最初はアン・ルイスへの提供曲でした。

今回、その「恋のブギ・ウギ・トレイン」が、日本語・英語&ロング・ヴァージョンの3ヴァージョン収録されています。森 勉


2024年7月6日(土) 平野友里(ゆり丸) 「超ゆり丸音頭」 白井良明プロデュース

7月7日は<短冊CDの日 2024>!
大好評だった2023年第1回に続き、8cmシングルが2024年7月7日に色々発売されます。

<短冊CDの日>は「シングルCD文化の継承と発展」を目的に、1990年代に流行した短冊CDの縦長パッケージを通じて、令和の世の中で活動するアーティストとCDショップを盛り上げていこう、と企画されたイベントです。
CDショップへ足を運んで、短冊CDを手に取っていただけたらうれしいですね。

ということで、7月7日にリリースされるアイテムの中から1枚紹介しましょう。

平野友里(ゆり丸)『超ゆり丸音頭』
(国内8cmシングルCD 先着特典マグネット付 NRSD-3133 1,650円税込)

彼女の出身地である千葉県旭市への愛が詰まった“音頭”新曲。
なんと、ムーンライダーズ白井良明氏が作曲・編曲・ギター・プロデュースを担当しています!

更に、ミックス&マスタリングはマイクロスター佐藤清喜さんが手掛けており、曲中の“合の手”(掛け声)を白井良明氏と佐藤清喜さんのお二人が入れているという珍品!
(録音現場で、白井良明氏が「君も一緒にやろう!」と声をかけて、佐藤清喜さんも参加することになったそう)
ムーンライダーズファン、マイクロスターマニアも要チェック! 森 陽馬


2024年7月5日(金) 安田成美 「風の谷のナウシカ」(2024ver)

宮崎駿原作の映画『風の谷のナウシカ』(1984)は、2024年で劇場公開40周年!
主題歌「風の谷のナウシカ」を歌った安田成美さんもデビュー40周年を迎えました。

それを記念して、作曲を手掛けた細野晴臣氏がプロデュースを担当し40周年ヴァージョンを制作。
2024年1月に配信で発表されましたが、この度限定アナログ盤で7月31日発売が決定しました。

安田成美「風の谷のナウシカ(2024ver)/銀色のハーモニカ(2024ver)
(2024年7月31日発売 国内7inchアナログ カクバリズム KAKU-206 2,420円税込)

細野晴臣さんは、この40周年盤を制作するにあたって、音の調整を何度も何度もやり直しました。
苦労の末、やっとできあがったその新しい「風の谷のナウシカ」を安田成美さんが色々な人に聴かせたところ、ほとんどの人が心を震わせて涙を流したそうです。

アナログ盤に針を落として聴く「風の谷のナウシカ」(2024ver)は、どのように響いてくるでしょうか。森 陽馬


2024年7月4日(木) 布谷文夫 with ナイアガラ社中 「ナイアガラ音頭」(シングル・ヴァージョン)

今年の夏は、「ナイアガラ音頭」で踊り明かそう!

1976年6月にアナログ・シングルとして発売された「ナイアガラ音頭」が、短冊型ジャケ8cmCDで甦りました。

布谷文夫 wtih ナイアガラ社中『大瀧詠一プロデュース ナイアガラ音頭EP』
(国内8cmCD 完全生産限定盤 SRDL4755 1,500円税込)

発売は七夕の日、7月7日ですが、本日7月4日から店頭販売が始まっています。

この8cmCDに収録されているのは以下の5曲。
①ナイアガラ音頭(シングル・ヴァージョン)
②あなたが唄うナイアガラ音頭(カラオケ)
③Let's Ondo Again(1981 Mix)
④Let's Ondo Again(1981 Mixカラオケ)
⑤夏バテ(熱中症Version)

昔の貴重な資料や音頭手順も歌詞カードに掲載されています。

2024年の夏は、大滝入魂の音頭を聴いて、踊って乗り切りましょう。森 勉


2024年7月3日(水) LEYLA McCALLA 「Take Me Away」

気温・湿度が上がってきて、夏の到来を感じますね。

太陽の日差しが強くなり、蒸し暑くなってきた最近、気に入って店でよくかけているのがこの1枚。

LEYLA McCALLA『Sun Without The Heat』
(輸入CD Anti 880342)

ハイチにルーツを持つ1985年生まれ、NY出身の女性シンガー/チェロ奏者、レイラ・マッカラ。
Carolina Chocolate DropsやOur Native Daughtersの活動でも知られる彼女が、ハイチの伝統音楽やアフロビート、ブラジルなど様々な音楽要素をミックスし、バンド・サウンドで聴かせる快心のソロ・アルバムです。

オーガニックな演奏と血湧き躍るグルーヴィーさが合わさって、とてもかっこいい1枚!

今日のこの1曲は、独特なリズムとリフが印象的な3曲目「Take Me Away」を。森 陽馬


2024年7月2日(火) 砂の壁 「きてしまう夏」

猪爪東風(ayU tokiO)がプロデュースしているインディー・ポップ・バンド、“砂の壁”が新作を発表しました。

砂の壁『都市漂流のために』
(国内CD AICP-41 1,650円税込)

砂の壁は、神戸の同大学出身で現在は東京を拠点に活動している4人組ポップ・バンド。
(オボキョウヘイ(Vo.G)、ヤマザキマオ(B)、青木聖陽(Key)、大見勇人(Dr))
2023年発表1stミニ『GUMBO』(
2023年5月17日今日のこの1曲で紹介)は素晴らしい内容で大評判の作品でした。

本作も、ayU tokiOがプロデュース&コーラス・アレンジ、佐藤清喜さんがマスタリングを担当。
白昼夢を漂いながら都会の街中を闊歩していくような、“砂の壁ミュージック”を響かせる1枚に仕上がっています。

♪コンクリートジャングル 帰りたい場所はどこだろう♪
今日のこの1曲は、そんな歌詞のフレーズが印象に残った3曲目「きてしまう夏」を。
美しいメロディの中に、賑やかなようでいて孤独を募らせる都会の悲哀を感じます。森 陽馬



2024年7月1日(月) Jasmine Myra 「Glimmers」

ピーター・バラカン氏が監修している音楽フェス<LIVE MAGIC!>の2024年開催が発表されました。
第10回目となる今回は、2024年10月19・20日に行われ、ピーターさんが2023年ベストに挙げていたマシュー・ハルソール(
2024年2月11日今日のこの1曲で紹介)の来日が決定! 7人編成のバンドで来るそうで、とても楽しみです。

ただ、<LIVE MAGIC! FINALE>と銘打たれており、10回目で一区切りになるとのこと。
残念ではありますが、そのFINALEが楽しいイベントになるといいですね。

さて、マシュー・ハルソールがプロデュースしているジャスミン・マイラの新作が、国内盤で発売になりました。

ジャスミン・マイラ『Rising』
(国内CD 解説付  RPOZ-10096 2,640円税込)

ジャスミン・マイラは、イギリス北部リーズ出身の女性サックス/フルート奏者。
本作は2022年発表1st『Horizons』に続く、マシュー主宰Gondwanaレーベルからの2ndアルバムです。
Gondwanaらしい美的センス溢れるスピリチュアルなインストJAZZが全6曲収録されています。

今日のこの1曲は、4曲目「Glimmers」を。
メインのメロディ&フレーズが、マシューの作品に収録されていた「Jewels」に繋がる雰囲気を持っていて、かすかな希望の光(Glimmers)を感じさせてくれる、美しい崇高なナンバーです。森 陽馬



2024年6月30日(日) Skeeter Davis & NRBQ 「I Want You Bad」

雨の日はのんびりと、ロッキン&カントリー・ポップな1枚を♪

Skeeter Davis & NRBQ『She Sings,They Play』
(輸入CD omnivore OVCD-546)

名曲「The End Of The World」で知られるスキーター・デイヴィスが、NRBQとコラボレーションした1985年発表作が、ボーナス・トラック6曲を追加し再発されました。

<キャリアの中で多くのことを成し遂げてきましたが、NRBQと作ったこの作品は、私の人生の旅におけるマイルストーンのひとつであると感じています。> (スキーターが今作に寄せたコメントより)

1950年代から活躍していたスキーター・デイヴィスはこの頃50代前半。
70年代初頭テリー・アダムスと親交を深めたことから今作へと繋がり、のちにメンバーのジョーイ・スパンピナートと結婚と...彼女にとってさまざまな意味で特別な作品であったことが感じとれます。

テリー・アダムスが彼女のために書いた「How Many Tears」、『白雪姫』から「いつか王子様が」をはじめ、ピュアな歌声と彼ららしい演奏でホッと和ませてくれます。
オリジナルには未収録だったNRBQの楽曲「I Want You Bad」(『アット・ヤンキー・スタジアム』収録曲)、ワンダ・ジャクソン「I Gotta Know」カヴァーのロックンロールな2曲も聴きものです。

ボーナス・トラックには同年10月18日に行われたニューヨーク・ボトム・ラインでのライヴ音源も追加!
60年代の楽曲「Gonna Get Along Without You Now」、「The End Of The World」も披露されており、スキーターの楽し気なMCも含め4曲が収録されています。東尾沙紀



2024年6月29日(土) 豆巨人 「Serendipity」 feat 有坂美香

ハミングキッチンというユニット(2009年5月4日今日のこの1曲で紹介)で活動していた眞中やすさんは、神奈川県横須賀市でSYOKU-YABO農園を現在営んでいます。

晴れの日(基本的に雨の日以外)は農園で採れた野菜中心のランチを出しており、音楽イベントも時折行っているそうなので、お近くへ行かれる方は是非立ち寄ってみてくださいね。

さて、眞中やすさんを中心に約25年活動しているバンド、豆巨人が初のアルバムを完成させました。

豆巨人『斜に構えたニヒルな男達』
(国内CD 人見欣幸のライナーノーツ&眞中やすによる曲解説付 RKDR-001 2,500円税込)

豆巨人は、眞中やす、三浦じゅんご、今井ごう、高橋雅裕、掛川おじさんによる5人組ロック・バンド。
彼らが敬愛する70's音楽をルーツに、和風かつオーガニックに料理した13曲が収録されています。

今日のこの1曲は、女性シンガー有坂美香をfeatした7曲目「Serendipity」を。
ハミングキッチン時に作られた曲で、この度、SYOKU-YABO農園内にある山小屋で録音され陽の目をみました。

いつまでも青春を忘れない大人の熟したロックを味わってみてください。森 陽馬

★一般流通していないこのCDを、当店で販売させていただけることになりました。
通販コーナーでもご購入いただけます。


2024年6月28日(金) フランク・シナトラ 「夜のストレンジャー」

フランク・シナトラが「夜のストレンジャー」(ストレンジャー・イン・ザ・ナイト)で全米チャート1位を獲得したのは1966年でした。

僕はまだ中学生だったので、その時50歳のシナトラのことは、ずいぶん年のおじさんが歌っているんだなぁ、と思ったものです。
でも、同時にいい曲だな、とも・・・。
それ以来大好きな1曲となっています。

アーニー・フリーマンの豊潤なアレンジに、御大シナトラの円熟のヴォーカルが乗った絶品の1曲です。

フランク・シナトラ『マイウェイ/夜のストレンジャー フランク・シナトラ・ベスト』
(国内CD 解説・歌詞付 TYCJ-60031 1,046円税込)

余談ですが、ベット・ミドラーが1976年に「夜のストレンジャー」をカヴァーしています。
アレンジはちょっとディスコ調になっていますが、ナイス・カヴァーです。

それが収録されたアルバムは持っていたのですが、最近、そのシングル盤を手に入れました!
聴いてビックリ、なんと、シングル・エディット・ヴァージョンになっているではありませんか。
シングル盤を追いかける旅は、まだまだ続きそうです。森 勉



2024年6月27日(木) Weldon Irvine 「What's Goin' On」

イハラカンタロウ、45trio、Dee C Lee、etc...。
ウェルドン・アーヴィンの「I Love You」が人気で、近年色々なアーティストがカヴァーしました。

しかしながら、そのオリジナルが入っているアルバム『シンバット』は永らく生産中止状態・・・。
歯がゆい思いでしたが、久々に国内盤CDで再発売されました。

ウェルドン・アーヴィン『Sinbad』
(国内CD 極HiFi CD仕様 日本語解説付 SICJ-40030 1,760円税込)

黒人キーボード奏者のウェルドン・アーヴィンが、RCAレーベルから1976年に発表した名盤。
スピリチュアル/ブラック・ジャズな彼の他作品に比べ、本作はソウルフルでとても聴きやすい1枚です。

スティーヴ・ガッド、クリス・パーカー、コーネル・デュプリー、エリック・ゲイル、ゴードン・エドワーズ、リチャード・ティー、マイケル&ランディ・ブレッカー等々、スタッフ人脈がバック・ミュージシャンとして参加しており、グルーヴィーでメロウな演奏がかっこいいですね。

今日のこの1曲は、「I Love You」の前に入っているマーヴィン・ゲイ「What's Goin' On」のインスト・カヴァーを。
エリック・ゲイルによる味のあるギター・ソロ、聴きものです。森 陽馬



2024年6月26日(水) 松任谷由実 「真夏の夜の夢」

2022年10月にリリースし大ヒットした松任谷由実の50周年記念ベスト・アルバム『ユーミン万歳!』が、アナログ・レコード6枚組+ブックレットを付属した5,000セット限定豪華BOX仕様で本日発売されました。

松任谷由実『ユーミン万歳! 完全限定盤アナログ・ボックス』
(6枚組LP 5,000セット限定生産 UPJH-20051 33,000円税込)

美しい真っ赤な装丁(盤面もレッド・カラー)のBOXは、手に取った時のワクワク感がありますね。
肝心の音質も、新たにカッティング用マスタリングを施しアナログ化!
更に、CD未収録だった7曲を新たに追加(「ブリザード」、「コバルトアワー」、「14番目の月」他、「ダイヤモンドダストが消えぬまに GOH HOTODA 2024 REMIX」も収録)しており、マニア泣かせな内容です。

ユーミンは1990年代以降のオリジナル・アルバムをレコード盤では出していないので、初アナログ化の楽曲も「Hello, my Friend」、「春よ、来い」、「輪舞曲」など色々入っています。
今日のこの1曲は、初アナログ化の中から、ディスク1の1曲目「真夏の夜の夢」を。

「真夏の夜の夢」は、今から約31年前の1993年にドラマ『誰にも言えない』主題歌としてシングル発売。
当時、8cmシングルCDが飛ぶように売れたことを懐かしく思い出しました。
ラテン調の躍動感あるサウンドに呼応した、中間のかっこいいギターソロは、鈴木茂による名演です。森 陽馬



2024年6月25日(火) 折坂悠太 「スペル」

現代で最も存在感ある歌声を響かせている日本人歌手、
と言えば、折坂悠太を僕は挙げます。

その彼の4thアルバム『呪文』が本日入荷しました。

折坂悠太『呪文』
(国内CD インストCD付2枚組限定盤 ORSK-20 4,400円税込/通常盤CD ORSK-21 3,300円税込)
<特典音源CD『折坂悠太ツアー2024あいず ライヴ盤』をお買い上げの方に先着でプレゼント中>

2021年10月に発表した3rdアルバム『心理』以来となる4thオリジナル・アルバム。
タイトル『呪文』からして重そうなイメージでしたが、歌声及びサウンドも全体的に穏やかな1枚でした。

誰かを“呪う文”ではなく、“祈る文”としての呪文(=スペル)。
圧倒するのではなく、包み込むような歌声が、聴く者の日常にやさしく寄り添ってくれます。

なお、レコーディング・エンジニアは、池間由布子やNRQを手掛けている大城真が担当。
折坂悠太が池間由布子の作品を聴き、いい音だなと感じて依頼したそうです。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■

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