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 今日のこの1曲コーナー

ペット・サウンズ・レコード店にて、その日に店内でかけていた曲の中から
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”をご紹介いたします。

以前こちらで掲載した“今日のこの1曲”は“今日のこの1曲 アーカイヴス”コーナーにてご覧になれます。

◆こちらでご紹介している商品もご注文いただけます◆

くわしくは通販コーナー、もしくは直接こちらまでご連絡くださいませ。
(廃盤・生産中止になっている商品もございますので、その際はご了承くださいませ)



2025年5月15日(木) ウェザー・リポート 「バードランド」

昔、六本木に【ウェザー・リポート】という雨の日は休みになる小さな洋服屋さんがありました。

ジョー・ザヴィヌル、ウェイン・ショーターがいたジャズ・グループのウェザー・リポートを聴くと、1960年代後半から1970年代前半の六本木の街の風景、その【ウェザー・リポート】という店があったあたりを思い出します。(バイト先が六本木だったので)

ということで、今日はウェザー・リポートの曲を。

ジャコ・パストリアス、アレックス・アクーニャが参加し鉄壁の布陣で録音、1977年に発表された名盤『ヘヴィー・ウェザー』から「バードランド」。

曲を書いたのは、メンバーのジョー・ザヴィヌル。
彼は印象に残るフレーズ/リフを作るのがうまいですね。
彼がキャノンボール・アダレイのグループに在籍していた時にも、「マーシー・マーシー・マーシー」というポップ・チャートの上位にランクされるヒット曲を作っていましたし。

なお、「バードランド」は後にマンハッタン・トランスファーが歌詞を付けてカヴァーし、話題になりました。森勉

★ウェザー・リポート『ヘヴィー・ウェザー』
(国内CD 解説付 SICJ-121 1,100円税込)


2025年5月14日(水) 高木正勝 「まだ生まれてもいない大地から」 feat.寺尾紗穂

アン・サリー、角銅真実、クレモンティーヌ、寺尾紗穂、Hana Hope。
この女性シンガー達が参加しているアルバムは何でしょうか?

答えは、高木正勝の2025年新作『スタジオ地図 Music Journey Vol.2 うたの時間』です。

高木正勝『スタジオ地図 Music Journey Vol.2 うたの時間』
(国内CD SICL-30070 3,300円税込/限定アナログは2025年10月1日発売予定 4,950円)

高木正勝が音楽を手掛けた細田守監督劇場作品『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』、『未来のミライ』の中から厳選した楽曲に、歌い手が歌詞をつけ、新たに編曲された13曲が収められています。

生と死の境界線で鳴っているような、静謐で奥深い高木正勝が紡ぐ音と、各シンガーの歌が共鳴した1枚。
今日のこの1曲は、寺尾紗穂が歌う「まだ生まれてもいない大地から」(映画『バケモノの子』より)。森陽馬



2025年5月13日(火) 星野源 「Sayonara」

星野源が2018年12月発表作『POP VIRUS』以来、約6年半ぶりの新作アルバム『Gen』をリリースしました。

星野源『Gen』
(限定CD+Blu-ray VIZL-2436 8,910円税込/通常CD VICL-66033 3,410円税込)
(初回生産分のみMAD HOPE追加公演チケット先行抽選シリアルナンバー封入)

この6年半の間に、コロナ禍があり、彼にとっては結婚もあり、出逢いや別れ等色々なことが皆あったと思います。

本作にはシングル曲「創造」、「喜劇」、「不思議」、「生命体」、「Eureka」他全16曲を収録。
日常の喜怒哀楽が様々な形で表現されていますが、14曲目「Sayonara」を聴いて、言葉には表せない感情を抱きました。

SAKEROCKが解散を発表し、最後に出した2015年作『SAYONARA』のラストが「Sayonara」という曲でした。
今回の「Sayonara」は、同じ曲目ながら10年前の「Sayonara」とは曲調も雰囲気も全く違っています。

これ以上ない程低い歌声で始まるこの「Sayonara」という歌に、彼はどんな想いを込めたのでしょうか? 森陽馬



2025年5月12日(月) Jesse Ed Davis 「Every Night Is Saturday Night」(Unissued Alternate Version)

Black Friday2024/レコード・ストア・デイ秋版で出て話題となったジェシ・エド・デイヴィスの貴重音源集LP(2025年2月6日今日のこの1曲で紹介)が、この度CDで発売されました。

JESSE ED DAVIS『tomorrow May Not Be Your Day-The Unissued ATCO Recordings 1970-1971』
(輸入CD REAL GONE MUSIC RGM-1815 3,300円+税)

2枚組LPは値段が高く、現在は入手困難となっていたので、うれしい再発ですね。
彼が1stと2nd『ULULU』を録音していた1970~1971年頃の未発表音源なので、ジェシ・エドのギタープレイはもちろん、エリック・クラプトン、レオン・ラッセル、ジム・ケルトナー等々、名ミュージシャンの素晴らしい演奏が全17トラック楽しめます。

今日のこの1曲は、6曲目「Every Night Is Saturday Night」(Unissued Alternate Version)を。
ロンドンOlympic Sound Studioでの1970年録音で、1stに入っているオリジナルより約30秒長い別ヴァージョン!
後半に延々と続くエリック・クラプトンのギター・ソロが、更に長くなり聴きもの!

クラプトンは『レイラ』を制作していた時期でしょうか。その頃らしいキレキレなギターがかっこいいですね。森陽馬


2025年5月11日(日) Darrell Banks 「Beautiful Feeling」

<ソウルは幼少期のサウンドトラックだった。友達とテープを交換したり、女の子に好かれようと作ったミックステープにもソウルが溢れていた。なぜならソウル・ミュージックは僕らが感じていることを、自分よりもずっとうまく表現してくれていたからだ。>
(ポール・ウェラーによる序文より)

ポール・ウェラーお気に入りのソウル・ミュージックを、自身の選曲でまとめたコンピレーションがaceからリリースされました。

V.A.『Paul Weller presents That Sweet Sweet Music

(輸入CD ace CDTOP1655)

ジャムの時代から作品やライヴで様々な曲をカヴァーしたり、憧れのミュージシャンと共演したり、ソウル愛を体現したきたキャリアの中で意外とありそうでなかった編集盤です。

ノーザン・ソウル人気曲The Dells「Run For Cover」、男女デュオPeggy Scott&JoJo Bensonのキャッチーな69年ヒット「Soulshake」、謎多きバンドBlackrockのファンク・インスト「Blackrock''Yeah,Yeah''」、アシュフォード&シンプソン作・Collins&Collinsの秀逸なバージョン「Top Of The Stairs」('80)など気になる曲が盛り沢山♪

スピナーズ、ジョン・ルシアン、ジェームズ・カー、ビリー・スチュワート、ベティ・デイヴィス、ベイビー・ヒューイなど有名どころからレアなものまで全26曲が収録されています。

本日は本コンピを締めくくる、ダレル・バンクスの感動的な名曲「Beautiful Feeling」を今日の1曲に。東尾沙紀


2025年5月10日(土) I'M WITH HER 「Mother Eagle (Sing Me Alive)」

忙しなく進んでいく日常に、穏やかで澄んだ風を運んでくれる1枚。

I'M WITH HER『Wild And Clear And Blue』
(輸入CD ROUNDER 00888072659216/輸入LP 00888072659230)

I'M WITH HERは、サラ・ワトキンス、サラ・ジャローズ、イーファ・オドノヴァンによる女性3人組ユニット。
2018年発表1stアルバム『See You Around』(
2018年2月16日今日のこの1曲で紹介)以降、各々のソロ活動を経て約7年ぶりとなる2ndアルバムがこの度リリースされました。

近年はテイラー・スウィフトの作品にも参加しているジョシュ・カウフマンによるプロデュース。
サラ・ワトキンスのフィドル、サラ・ジャローズのマンドリン、イーファ・オドノヴァンのギターを基にしたアコースティック・サウンドと、3人のコーラス・ワークが心地良く融和した美しい作品に仕上がっています。

今日のこの1曲は、やさしさを携えながら勇敢に歌い生きていく決意が伝わる「Mother Eagle (Sing Me Alive)」。森陽馬


2025年5月9日(金) シュガー・ベイブ 「ダウンタウン」

5月5日に放送された【JFNスペシャル2025 山下達郎50thアニバーサリー シュガー・ベイブ『SONGS』~50年後の僕たちは】、お聴きになりましたでしょうか?

シュガー・ベイブの51年目のファンとしては、とても感慨深い番組でした。

JFN全国38局ネットでシュガー・ベイブをテーマにして、こんなラジオ・ドラマが作られるなんて…。
そこに、パーソナリティとして山下達郎さん、そして大貫妙子さんもナレーションで参加しているなんて。
時を戻せるなら、51年前の自分のまわりにいる人たちに、こっそりこのことを教えてあげたくなります。

僕が初めて“おっかけ”をしたバンド、シュガー・ベイブ。
当時のミュージック・シーンではとってもマイナーな存在でしたが、そんなシュガー・ベイブがレコード発売から50周年を迎え、こんな形で多くの方々に受け入れられるなんて本当にうれしい。
アルバム『SONGS』&シングル『ダウンタウン c/wいつも通り』発売50周年おめでとうございます。

今日はシングル・レコード押しということで、「ダウンタウン」を。

シュガー・ベイブ『ダウンタウン』
(7インチ・アナログ・シングル SRKL-3053 2,200円税込)

番組を聴いた多くの方々は、大貫妙子さんが店主を務める<喫茶ソングス>へ行ってみたくなったのでは。森勉


2025年5月8日(木) The Derek Trucks Band 「I Wish I Knew」(How It Would Feel To Be Free)

時は約21年前の2004年5月20日。場所は渋谷CLUB QUATTRO。
デレク・トラックス・バンド初来日ツアーを観た衝撃は、今でも胸に焼き付いています。

会場はあまり混んでいなくて、スタンディングながら隣の人とは余裕があるくらいの客入りでした。
しかしながら、演奏が始まるとデレクのギターに圧倒され場内は大熱狂!
終演後にサイン会もあって、CD『Joyful Noise』にサインをしてもらったこともいい想い出です。

そのデレク・トラックス・バンド『Joyful Noise』に、ライヴ音源4曲を追加した新エディションがリリースされました。

The Derek Trucks Band『Joyful Noise/Backyard Trucks』
(輸入CD FLOATD6470/国内仕様盤 BSMF7748 2,970円税込)

『Joyful Noise』は2002年に発表された初期の名盤で、名ソウル・シンガーのソロモン・バークや、後にデレクの奥方となるスーザン・テデスキもゲスト・ヴォーカルで参加しています。近年は入手困難となっていたのでうれしい再発ですね。
今日のこの1曲は、今回追加収録されたライヴ音源「I Wish I Knew」(How It Would Feel To Be Free)。森陽馬


2025年5月7日(水) Young Gun Silver Fox 「The Greatest Loser」

アンディ・プラッツ(ママズ・ガン)、ショーン・リーによるAOR/ブルー・アイド・ソウル・ユニット、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス。
1stアルバム『ウェスト・エンド・コースト』から2025年でちょうど10年。一貫してグッド・メロディ&洗練されたサウンドを届けてくれる彼らの約3年ぶり5枚目となる新作がリリースされました。

ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス『プレジャー』
(国内CD 解説・歌詞付 PCD-25472 2,750円税込)

♪スティーヴィー(・ワンダー)&スライ(・ストーン)の時代に 1975年に連れてって そこが僕の行きたいところ♪と歌うファンキーなリード曲「Stevie&Sly」から伸びやかな歌声、アレンジの気持ちよさは格別♪
今作ではホーンは最小限に、ハーモニーは増し増しという印象で、音の良さは今まで一番かも!と感じています。

初めて聴いた時からグッと心を掴まれた「The Greatest Loser」は、サビのハーモニーがとても美しい曲。
この曲で描かれる''最大の敗者''とはデヴィッド・キャメロン元首相のこと。
イギリスのEU離脱がもたらしたものは何か...アンディによる皮肉めいた詞には呆れ、強い憤りが表われています。
郷愁を誘う穏やかなメロディながら、気概を感じさせるナンバーです。東尾沙紀


2025年5月6日(火) Toni Wine 「Only Fools」

オールディーズ/ポップス・ファン、お待たせいたしました。
ティーンズヴィル・レーベルの新しい編集盤が出ました。

V.A.『All Dressed Up ~1960's Girl Goodies Lost & Found』
(輸入CD Teensville TV1067/国内仕様CDは5月28日発売予定)

今回はみなさんお待ちかねの60'sガール・ポップスものです。
未発表曲2曲を含めて全36曲、約80分収録。
ほとんどが無名アーティストのヒットしなかった曲なのにイイ曲ばかり。
いつも言っていますが、いったいどれだけの曲が埋蔵されているんでしょうか。本当に驚きです。

24ページ・カラー・ブックレットに、シングル盤のレーベルや女性シンガーの写真、詳細な英文解説が付いていますが、よく調べてくれたものです。頭が下がります。

注目曲はいろいろありますが、ブックレットの写真が気になったレスリー・ミラーや、ジェシー・ポールは曲も良かったし、ボブ・クルー&エディ・ランボウ作を歌ったロニー・ウォリス、バリー・デヴォーゾンが関係するスウィーツや、ダイアン・エモンドも素敵な曲でした。本当に目移りするイイ曲が並んでいます。

今日の1曲は、女性シンガー・ソングライターのトニ・ワインが、コルピックスから1964年に出したシングルのB面曲「オンリー・フールズ」を。いいバラードです。森勉



2025年5月5日(月) JIMI TENOR 「Summer Of Synesthesia」

昨日紹介したROSETTESに続き、フィンランド出身ミュージシャンによるまったりとした雰囲気の時に聴きたいこの1枚。

JIMI TENOR『July Blue Skies』
(輸入CD TIMMION RECORDS TRCD-12015)

JIMI TENORは1965年フィンランド生まれのテナー・サックス/フルート奏者。
2024年発表アルバム『Is There Love In Outer Space?』(
2024年6月24日今日のこの1曲参照)と同様に、TIMMION RECORDSのスタジオ・バンドCold Diamond & Milkと組み、独特なメロウ・グルーヴ/コズミック・ソウルを聴かせる作品です。

生バンドとシンセが融合したソウル・サウンドは、ゆらゆらと漂うような浮遊感があります。
熱くファンキーなソウルとはまた違った、ゆったりと身体が揺れるグルーヴを感じさせますね。

今日のこの1曲は5曲目「Summer Of Synesthesia」(夏の共感覚)を。
4月の桜から5月の藤、そして、色鮮やかなツツジから夏の向日葵。
季節の花と同じく、変化していく心の移ろいを描いたサウンドトラックのようなナンバーです。森陽馬


2025年5月4日(日) ROSETTES 「Green Ray」

ゴールデンウィーク真っ只中の本日5月4日は、みどりの日。
当店がある武蔵小山は、普段の日曜日よりまったりとした空気が流れています。

そんな雰囲気の昼下がり~休日の夜に合いそうな新譜この1枚。

ROSETTES『LIFESTYLES』
(輸入CD TIMMION RECORDS TRCD-12018)

ROSETTES(ロゼッツ)は、フィンランド/ヘルシンキを拠点に活動している8人組ソウル・グループ。
<北欧のクルアンビン>!?な浮遊感あるソウル・サウンドに、女性シンガー/ピアニストTytti Rotoによるヴォーカルが合わさり、ラウンジーに楽しめる1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、Green Day(みどりの日)ならぬ3曲目「Green Ray」(みどりの光)を。
ゆったり漂うような曲が多いアルバム中、最もグルーヴィー&ファンキーなナンバーです。 森陽馬


2025年5月3日(土) Galactic and Irma Thomas 「Where I Belong」

ジョン・クリアリーの新作(2025年4月28日今日のこの1曲で紹介)は大好評!
店でかけていると、店内にいる方からの問い合わせがとても多いんですよね。9月の来日も楽しみ♪

それに続いて、ニューオリンズ・サウンドの新譜オススメ盤を紹介しましょう。

Galactic And Irma Thomas『Audience With The Queen』
(輸入CD TZR-003CD)

2025年で84歳を迎えた“ニューオリンズの女王”アーマ・トーマスと、ニューオリンズ発ジャズ・ファンク・バンドのギャラクティクが組んだ2025年新作アルバムです。

ローリング・ストーンズがカヴァーしたことで有名な「Time Is On My Side」や、名曲「It's Raining」で知られるアーマ・トーマスですが今も現役バリバリ! ギャラクティクによる楽曲&演奏も、ルーツに根ざした味わい深いサウンドで、彼女の元気な歌声を引き立てています。スタントン・ムーアのドラミングもタイトかつグルーヴ感があってかっこいいですね。

今日のこの1曲は2曲目「Where I Belong」を。
オルガン&ホーンもファンキーに響いて、スタックス・サウンド的でゴキゲンなナンバーです♪ 森陽馬



2025年5月2日(金) デイヴィッド・リー・ロス 「カリフォルニア・ガールズ」

新しいミュージシャンに興味を持つ時、僕の場合、今も昔も<60's>がキーワードになっていることが多いようです。

1978年レコード・デビューしたヴァン・ヘイレンに注目した時もそんな理由からでした。
彼らのデビュー曲はキンクスのカヴァー「ユー・リアリ・ガット・ミー」で、プロデューサーは60'sに活躍したグループ、ハーパース・ビザールのメンバーだったテッド・テンプルマン。60'sファンとしては放っておけないファクターです。

今日の1曲は、ヴァン・ヘイレンのリード・ヴォーカリスト、デイヴィッド・リー・ロスがグループを離れて出した大ヒット・シングルを。

1985年、デイヴィッド・リー・ロスがソロ・シングルとして出した曲は、なんと、ビーチ・ボーイズ1965年のヒット「カリフォルニア・ガールズ」のカヴァーでした。
この曲はあれよあれよという間にチャートを駆け上がり、全米チャート第3位を記録する大ヒットとなりました。

ビーチ・ボーイズのファンの中には、曲を冒涜しているという意見も当時ありましたが、僕は意外と気に入っています。
デイヴィッド・リー・ロスの猥雑な歌い方が、この曲に合っていると思いますし、なんと言ってもバック・コーラスにビーチ・ボーイズのカール・ウィルソンと、ファルセット部分ではクリストファー・クロスが参加していて素晴らしい。森勉

★デイヴィッド・リー・ロス『ザ・ベスト』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-26310 1,430円税込)


2025年5月1日(木) CHAPPO 「You Came A Long Way From St.Louis」

Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin(通称チョコパ)でも活躍中の細野悠太と、細野晴臣50周年記念イベントに出演したこともあった福原音が2019年に組んだユニット、CHAPPO(シャッポ)。
待望の1stフル・アルバム『a one & a two』が発売されました。

CHAPPO『a one & a two』
(国内CD 全14曲入 
当店のみの先着特典マグネット付 DDCK-1081 3,300円)

ユニット名のCHAPPO(シャッポ)は細野晴臣さんが名付け親。
タイトル『a one & a two』は、エドワード・ヤン監督2000年公開映画『ヤンヤン 夏の想い出』の英題から命名。
カクバリズムからの発売で、小山田米呂(コーネリアス小山田圭吾の息子)も参加、...等々。
注目点が多々ありながらも、肩の力が抜けたような独特な空気感で統一されている作品でした。
インスト楽曲に加え、歌、セリフ、朗読、ムシ声まで入っている不思議な1枚です。

今日のこの1曲は、細野悠太が歌っている「You Came A Long Way From St.Louis」カヴァーを。
後半のムシ声(早回しした高い歌声)は、ムシ声マニアであり本作のジャケット・デザインも手掛けた岡田崇さんが所有している、ムシ声専用テープ・レコーダーを使用して録音したそうです。森陽馬


2025年4月30日(水) Sting 「SynchronicityⅡ(Live)」

2年ぶりの来日公演が発表になったスティング。
2025年9月12~21日の間に、神戸・東京・名古屋・広島・福岡の5都市(6公演)を回るツアーです。

盟友ドミニク・ミラー(g)と、マムフォード&サンズのサポート等で活躍するルクセンブルク出身のクリス・マース(dr.)と共に2024年からスタートさせた今回のツアーは、ポリス以来のトリオ編成ということでも話題となっています!

<スティング3.0>として世界各国を絶賛ツアー中である彼らの最新ライヴ・アルバムがリリースされました。

スティング『3.0ライヴ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 日本限定デラックス2CD UICY-80593 4,400円税込)

「孤独のメッセージ」に始まり、「Englishman In New York」、「Fields Of Gold」、「見つめていたい」、「シンクロニシティーⅡ」、「Seven Days」、「世界は悲しすぎる(Driven To Tears)」、ライヴ音源としては初収録となる最新曲「I Wrote Your Name(Upon My Heart)」など、ポリスやソロの楽曲を交えたキャリアを総括する内容。

これまでのツアーでもヒット曲・名曲は沢山演奏されていると思いますが、クリス・マースのアグレッシヴ且つ表現力豊かなドラムが新鮮に響きます。大ベテラン2人と若き(?)ドラマーとの熱いライヴを是非生で体感してみたいですね。

日本限定デラックス盤は嬉しいことにCD2枚組!
レコード・ストア・デイ2025限定で発売された今作のデラックス2LPのディスク2の音源が、日本のみでCD化されています。東尾沙紀


2025年4月29日(火) ジェフリー・フォスケット 「Do It Again」

この所、これといった話題が少ないビーチ・ボーイズ界隈です。が・・・

今年は2025年。
1965年に出た『トゥデイ』そして『サマー・デイズ』は60周年ということになります。

もっと言うと、1985年発表「ゲッチャ・バック」収録の『ビーチ・ボーイズ』は40周年。
それから、ブライアン・ウィルソンのソロで1995年に出たドン・ウォズ・プロデュースの『アイ・ジャスト・ワズント・メイド・フォー・ジーズ・タイム』(駄目な僕)は30周年なんです。

エ~イ、なんでもいいから出してくれ~、と言いたくなりますね。

今日の1曲は、ブライアン・ウィルソンを、ビーチ・ボーイズを助けてくれた影の立役者、ジェフリー・フォスケットの歌。森勉

ジェフリー・フォスケット『ヴィンテージ・サマー』
(国内CD 解説付 VSCD-3984 2,547円税込)


2025年4月28日(月) ジョン・クリアリー 「So Damn Good」

ニューオリンズでは、恒例のNew Oleans Jazz & Heritage Festival(通称ジャズフェス)が現在開催中。
ジャズフェス会場はもちろん、バーボン・ストリート他中心街は夜中も賑わっているのでしょうね。

そのジェズフェスと合わせるように、ジョン・クリアリーの新作アルバムが発売されました。

ジョン・クリアリー『The Bywater Sessions』
(国内CD ピーター・バラカン氏による解説・歌詞・対訳付 SICX-30233 2,970円税込)

アラン・トゥーサン&ドクター・ジョン亡き後、ニューオリンズ・ピアノの正しき継承者とも言えるジョン・クリアリー。
彼自身のスタジオFUNK HEADQUATERSでの録音で、John Poterとの共同プロデュースによる新作です。
バック演奏はジョンのバンドAbsolute Monster Gentleman(Cornell Williams、A.J.Hall、Nigel Hall、Pedro Segundo、Xavier Lynn、Aaron Narcisse、Charlie Halloran、Jason Mingledorf、Harry Shearer)が務めています。

今日のこの1曲は、冒頭のファンキー・チューン「So Damn Good」。
2ビートのゴスペル調ファンクで最高にかっこいい!

なお、日本盤CDには、2024年ジャズフェスでのライヴ音源が3曲追加収録されています。森陽馬


2025年4月27日(日) 寺尾紗穂 「Glory Hallelujah」

寺尾紗穂さんが発起人のりんりんふぇすVol.12が、東京・山谷の玉姫公園にて本日行われました。

玉姫公園での<りんりんふぇす山谷>は、昨年に引き続き2回目(
2024年3月5日今日のこの1曲で紹介)。
初夏のような陽気の素晴らしい1日で本当によかったです。

今年から入場料は自由価格で、入場時に各々の気持ち分を支払うシステムでしたが、混乱や滞りは特になし。
山谷にお住まいの方含め、老若男女たくさんの方々が楽しめたと思います。

寺尾紗穂with新人Hソケリッサ、坂口恭平(ゲスト七尾旅人)、よしだよしこ、冬にわかれて、川村亘平斎(影絵)に加えて、ご年配の方々が歌う『カラオケタイム』が今年も大好評! 座談会・慰霊にも多くの来場者が耳を傾けていました。

特に、よしだよしこさんが歌う「高野君の焼き鳥屋」、「クラウディオさんの手」に僕はとても感動しました。
この場で歌われることに意義を感じましたね。誠実な歌声に背筋が伸びる想いでした。

なお、寺尾紗穂さんは「青春時代」「たよりないもののために」「アジアの汗」。
冬にわかれてでは、「君の街」「もうすぐ雨は」「しゅーしゃいん」「なんにもいらない」「君が誰でも」を披露。
りんりんふぇすラストで毎回歌われる「どうにかなるさ」の後に、「グローリーハレルヤ」も歌ってくれました。

「愛は生きること。私が私であることを願いながら。」
「私もあなたも一人じゃないと。共に生きている。」
この歌に込められた想いを日々噛みしめなければ、と改めて今感じています。
寺尾紗穂さん、りんりんふぇすスタッフの皆様、おつかれさまでした。そしてありがとうございました。森陽馬

★掲載ジャケットは、寺尾紗穂さんが歌う「Glory Hallelujah」収録の2022年発表10作目『余白のメロディ』(KHGCD-002 3,300円税込)。なお「Glory Hallelujah」のオリジナルは西岡恭蔵さんです。


2025年4月26日(土) yojikとwanda 「ヘイヒュー」

一息ついた時につまむクッキーと紅茶のように、ささやかな平穏と幸せを与えてくれる1枚。

僕が長年応援している二人ユニット、yojikとwandaの新作アルバムが本日入荷しました。

yojikとwanda『シーセイ』
(hdhg-2504 先着特典:ジャケット・イラスト四角マグネット 2,500円税込)

変わらぬ素晴らしい歌声が魅力的な女性シンガー、yojikさん。
唯一無二の個性を持つwandaくん。
アンバランスなようで相性バツグン!?な二人によるyojikとwanda。

コロナ禍に入った2020年以降、宅録&データのやりとりで制作した楽曲を中心に構成された本作。
二人らしいゆるやかなようでいて奇想天外。でも、心に沁みる楽曲が14曲収められています。

今日のこの1曲は、5曲目「ヘイヒュー」を。
yojikとwandaの代表曲「I Love You」と同様に、優しさと切なさを感じさせるナンバーです。

なお、歌詞のイメージを散りばめたジャケットは富山在住のイラストレーターおざわさよこ氏とデザイナー高森崇史(T&K)氏が手掛けており、そのイラストのマグネットを当店でお買い上げの方に先着で差し上げています
。森陽馬


2025年4月25日(金) 寺尾紗穂 「悲しみが悲しみであるうちに」

寺尾紗穂さんが発起人となって行われている<りんりんふぇす>。
第12回目となる今年は、東京・山谷の玉姫公園で2025年4月27日(日)に開催されます。


路上生活者が販売員となり、売上の約6割が収入になる仕組みの雑誌『BIG ISSUE』を多くの人に知ってもらい、ホームレス問題や自分たちの生活・仕事について考えよう、という目的で行われてきたイベントです。
2025年の入場料金は自由価格。様々な方々の想いが来場者に伝わるといいですね。

なお、今年の出演者は、寺尾紗穂、坂口恭平、よしだよしこ、川村亘平斎、新人Hソケリッサ!。
モンゴル発のDelkhiiはキャンセルとなり、冬にわかれて(寺尾、伊賀航、あだち麗三郎)の出演が決定しました。
恒例の座談会や炊き出し(無料の軽食配布)も行われます。
お時間ある方は是非立ち寄ってみてください。

今日のこの1曲は、2023年3月りんりんふぇすVol.10のステージで初めて聴き、印象に残った「悲しみが悲しみであるうちに」を。

ウクライナのある少年が「戦争の止め方」とネット検索していたのが1年後には「武器がほしい」と語っている、という記事を読んだことがきっかけで書かれた楽曲。悲しみが怒りや憎しみへ変わる前に、私たちはこの世界をどうにかできないのだろうか、と願う紗穂さんの気持ちが痛いほど伝わってくるナンバーです。森陽馬

★掲載ジャケットは、「悲しみが悲しみであるうちに」収録の2024年発表作『しゅーしゃいん』。
(国内CD KHGCD-004 3,300円税込)


2025年4月24日(木) Lucy Rose 「Over When It's Over」

リリースされたのは2024年4月。ほぼ1年前の作品になりますが、ここ最近ずっと聴いている1枚です。

Lucy Rose『This Ain't The Way You Go Out』
(輸入CD COMMUNION COMM574)

ルーシー・ローズは1989年生まれ、イギリス・ウォリックシャー出身、2012年にデビューした女性シンガーソングライター。
結婚・出産(現在2児のママ)を経て、約5年ぶり5枚目となる最新作です。

これまでの作風はフォーキーで穏やかなものが多かったのですが、ギターではなくピアノ主体になったこと+ジャズ/ソウルのエッセンス/グルーヴが加わって、彼女のソングライターとしての新たな魅力が開花!

1人目を出産して経験した身体の不調、人間関係...曲のテーマは決して明るいものばかりではないけれど、しなやかな歌声、躍動するメロディに、とても強い生命力を感じます。
「Over When It's Over」を筆頭に、彼女のこれまでの楽曲とはまた違った高揚感を味わえます。
フルートのソロもかっこいいです。

エレクトロニカの分野でも活躍する男性アーティストKwes.(クウェズ)をプロデューサーに迎え、打ち込みと生の管弦楽器を用いたアレンジも聴きものです。お子さんの声が収録されたインタールードに和みます。東尾沙紀


2025年4月23日(水) ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸 「Tokyo To Me」

ニューヨーク州ロング・アイランドで1947年に生まれたピーター・ゴールウェイと、東京で1961年に生まれた佐橋佳幸が交差点で出会い、ギターケースを抱えてハイタッチをしているジャケット。
まさに、EN(縁)を感じさせるコラボ・アルバムが本日発売されました。

ピーター・ゴールウェイ&佐橋佳幸『EN』
(国内CD 初回生産分のみA3ポスター&ステッカー封入 VSCD-3245 4,000円税込)

本作は、ピーター・ゴールウェイが2025年1月に来日し、佐橋佳幸と日本で録音した新作アルバムです。
バックは、林立夫、屋敷豪太、小原礼、Dr.kyon、山本拓夫が務め、更にピーターが初来日した1978年時に共演したことがあった細野晴臣、大貫妙子、矢野顕子が、また一緒に演奏したいとのピーターの希望もあり、ゲストで参加しています。

今日のこの1曲は、松たか子もコーラスで参加している3曲目「Tokyo To Me」を。
ピーターの味わい深いソングライティングと歌声、そして佐橋佳幸のギター・ソロに温もりを感じますね。

ちなみに、「Kyoto」「Shinjuku Neon」「Meiji Shrine」「Decidedly Kabuki-cho」という曲も収録されています。森陽馬


2025年4月22日(火) 山下達郎 「ドリーミング・デイ」

シュガー・ベイブの唯一のアルバム『SONGS』発表から50周年、おめでとうございます。

何回か再発されてきたので、それをお持ちの方がいらっしゃると思いますが、今回は見逃せない内容になっています。

アナログLP、カセットも出ましたが、そちらはオリジナルのフォーマットでの発売です。
CDは2枚組でボーナス・トラックがたくさん収められています。

シュガー・ベイブ『SONGS』 50th Anniversary Edition
(国内2枚組CD 山下達郎による解説付 WPCL-13642 4,180円税込)

CDのディスク1には、オリジナル・フォーマットの11曲に加え、デモ・ヴァージョン4曲、仙台でのライヴ4曲の全19曲収録。一応、今までのCDで聴ける音源です。

ディスク2は初CD化となる1994年の<山下達郎 SINGS SUGAR BABE>の音源を全14曲収録。
中野サンプラザ・ホールで4日間だけ行われた伝説のコンサートです。
どの曲も達郎さんの声の出が素晴らしく、圧倒されます。

今日はその中から、ディスク2の5曲目に入っている「ドリーミング・デイ」を。
♪パパ・ドゥ・ランラン♪コーラスで始まり、ゴキゲンな演奏を伸び伸びしたヴォーカルで包み込み、ラストはラスカルズの名曲「ア・ビューティフル・モーニング」の一節を気持ち良く歌う。―なんて素敵な瞬間だったのでしょう。森勉


2025年4月21日(月) ビーチ・ボーイズ 「Our Prayer」

1981年4月22日にオープンしたPET SOUNDS RECORDは、明日2025年4月22日で44周年を迎えます。
お客様皆様、ありがとうございます。

街のCD・レコード店として、できる限り営業を続けていきたいと思っております。
これからも末永くよろしくお願い申し上げます。

さて、2005年武蔵小山駅前再開発の時、当店を救ってくれた恩人ともいえる桜の木(
こちらのコラムコーナー参照)を、移植先へ先日見に行ってきました。


老木でありながら、新しい枝も増えて、桜の花を広げていました。
移植後も花を咲かせているこの桜の木を、当店も見習わなければ、と感じましたね。

今日のこの1曲は、ビーチ・ボーイズ『スマイル』の1曲目「Our Prayer」を。
桜の木が武蔵小山駅前にまだあって、当店旧店舗が閉店した時(2005年1月)。
ブライアン・ウィルソンの来日公演で、この歌のコーラスを聴いた瞬間の感動は忘れられません。森陽馬

★掲載ジャケットは、ビーチ・ボーイズ『スマイル』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 TOCP-71112 2,619円税込)


2025年4月20日(日) Neil Young 「SONG X」

ニール・ヤングの2023年ソロ・ツアー・ライヴ&舞台裏を纏めた映像作品『COASTAL』(監督はニールの現妻:ダリル・ハンナ)のサントラ盤『COASTAL:THE SOUNDTRACK』が、4月18日にCD、LPで発売されました。

・・・が、マスター不良の連絡があり、CDは急遽出荷停止に・・・。
配信も一部ストップしているようです。

しかしながら、アナログLPは回収にならず、店に入荷したので早速聴いてみました。

Neil Young『COASTAL:THE SOUNDTRACK』
(輸入LP Reprise/Warner 9362483877)

うーーーん、このLPもマスター不良なのでは?と思える箇所があるんですよね。
後半の「SONG X」、「I AM A CHILD」の歌が、ニールとは別人のような低い男性の声なのです。
(というか、ニールの声を遅い回転数で聴いたような、もしくは仮歌のような小さく低い声)
映画を観ていないのでなんとも言えませんが、違和感を感じました。

ハーモニカと歌が被っている箇所があることを指摘している方もいて、オーバーダブの問題でしょうか?
買ったのに聴いていないマニアに、ちゃんと聴きなさい!という裏メッセージなのか?!
どの点が不良かわからないので、良品が届いてから再検証することとしましょう。森陽馬


2025年4月19日(土) トミ藤山 「Danny Boy」

2005年9月3、4日に狭山の稲荷山公園で行われたハイドパーク・ミュージック・フェスティヴァル。
暑かった1日目、豪雨で過酷だった2日目、虫の鳴き声をバックに聴いた細野晴臣さん。
数日前のことのように色々と思い出すことができます。

麻田浩さんのステージに客演した、日本カントリー界の女王、トミ藤山さんも印象深いですね。
ギター早弾きと圧倒的な歌声、貫禄のパフォーマンスでした。

あれから約20年を経て2025年。85歳になったトミ藤山さんは今も現役です。
この度、スタンダード・ジャズを歌った新作アルバムを発表しました。

トミ藤山『トミ・シングス・ジャズ』
(国内CD MIRION-21 3,300円税込)

トミ藤山さんの味わい深いヴォーカル、そして、渋谷毅(ピアニスト、85歳!)、廣木光一(ギター)、飯田雅春(ベース)による、彼女の歌声を引き立たせる素晴らしい演奏が心に沁みる1枚♪
今日のこの1曲は、ずっと聴いていたくなる11曲目「Danny Boy」。森陽馬


2025年4月18日(金) Cyndi Lauper 「Girls Just Want to Have Fun」

明日4月19日の大阪公演を皮切りに、6年ぶりの日本ツアーがスタートとするシンディ・ローパー。
ツアー引退を表明し、今回が最後の来日...。

来日に先駆け、4月11日から1週間限定で劇場公開されたドキュメンタリー映画『シンディ・ローパー:レット・ザ・カナリア・シング』を観ました。

幼少期から、ソロ・デビュー前<ブルー・エンジェル>でのバンド活動、ソロ・シンガーとしての成功、LGBTQ+をはじめとする支援活動、ミュージカルに取り組む近年の姿までが1時間半ほどにギュッと凝縮されていて、とても面白かったです。

「Girls Just Want to Have Fun」がカヴァー曲で、男目線の曲だと最初は拒絶していたこと、この曲をヒットさせるための一風変わったプロモーション、「Time After Time」制作時の話など、どのエピソードも自分には新鮮で、彼女のひと言ひと言を書き留めておきたくなったり、胸が熱くなるような場面も沢山ありました。
パティ・ラベルとの熱い掛け合い、「Change Of Heart」2004年のライヴなど、パワフルなパフォーマンスにも圧倒されました。

海外ではLP、配信のみでリリースされている本作品のサウンドトラックが、来日記念盤として日本のみで世界初CD化!
「ジャンルはパレットよ」...ブルース、スタンダード、ダンス・ミュージックなど型に嵌らない表現を続けてきた歴史、幅広い世代のアンセムとなった名曲・ヒット曲が収録されています。

シンディ・ローパー『レット・ザ・カナリア・シング (ジャパン・エディション)』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック6曲収録 SICP-31756 2,200円税込)

楽曲のエピソード/劇中での描き方も印象的だった「Hat Full Of Stars」もサントラに入れてほしかったです...。
今まで知らなかった素敵な曲に出会えて嬉しかったです。東尾沙紀



2025年4月17日(木) 上原ひろみ HIROMI'S SONICWONDER 「Yes! Ramen!!」

武蔵小山にはラーメン店がたくさんあります。
ボニート・ボニート、じらい屋、楽観、一途、風は南から、がんくろ、爆龍、はいむる、一球、坂内、せい家、どさん子、ニュータンタンメン本舗、きりきり舞、街中華の明星飯店、鉱月、とき、銀嶺、等々激戦区ですね。
皆さんのお気に入りのラーメン店は何処でしょうか?

さて、今日のこの1曲は、ラーメン大好きミュージシャンによるラーメン讃歌の楽曲。
上原ひろみのバンド、HIROMI'S SONICWONDER「Yes! Ramen!!」!

上原ひろみ HIROMI'S SONICWONDER『OUT THERE』
(国内CD 初回限定DVD付 UCCO-8048 4,180円税込/CDのみ UCCO-1248 3,300円/輸入LPもあり)

現代で日本一人気と実力を兼ね備えたJAZZピアニスト、上原ひろみが中心となって、アドリアン・フェロー(B)他と組んでいるバンド、HIROMI'S SONICWONDER。傑作1st『Sonicwonderland』(
2023年9月10日今日のこの1曲で紹介)以来となる2ndアルバムが先日発売されました。

その2曲目に収められているのが、「Yes! Ramen!!」。
ラーメン屋の店主が1杯のラーメンに人生をかける想いを、上原ひろみが影響を受け書き下ろした1曲。
ラーメンを食べて美味しかった時の高揚感が伝わってくる、アグレッシヴでかっこいいジャズ・ナンバーです。森陽馬


2025年4月16日(水) 大滝詠一 「恋の汽車ポッポ」(シングル・ヴァージョン)

「僕のやりたい音楽は、“POP”なのだ。」

1972年に愛用していた手帳の巻頭の一言として、大滝詠一が記していた言葉です。
(2023年11月1日発売はっぴいえんど『HAPPY END』(3rdアルバム)のブックレットに掲載されていました。)

個人的にははっぴいえんど時代の大滝詠一は、「ロックの人」というイメージでした。
しかし、1971年に出たソロ・シングル第一弾「恋の汽車ポッポ」、その後1972年のソロ・ファーストLPを聴いてからは、オールディーズ/50's、60'sのポップスにとてもシンパシーを感じている人になりました。

そして、ラジオ番組『GO GO NIAGARA』が始まった1975年からは、本当にオールディーズを研究しつくしている人となったのです。

ということで、今日はこのアルバムから。
大瀧詠一『乗合馬車(オムニバス)』
(国内CD SRCL-12345 4,290円税込)

なお、短い時間ですが、ひさしぶりに恵比寿『セイリン・シューズ』でDJをさせていただく事になりました。
4月28日(月)19時~ 『ナイアガラ・ナイト』
この日はノー・チャージ・デイで、ドリンク代だけでいいそうです。
わたくしの出番は20:00~21:00頃の予定です。
大滝詠一関連の曲を12~15曲ぐらい。トークもします。森勉


2025年4月15日(火) 鈴木雅之(竜ケ崎宇童) 「禁煙音頭」(Niagara Triangle 1978 Mix)

大滝詠一が1978年に発表した奇盤『LET'S ONDO AGAIN』。
B面2曲目収録の「禁煙音頭」は、ダウン・タウン・ブギ・ウギ・バンド「スモーキン・ブギ」(作曲:宇崎竜童)をビーチ・ボーイズ「ヘルプ・ミー・ロンダ」等をミックスした音頭にアレンジし、禁煙をテーマにした歌詞に改変した楽曲でした。

その「禁煙音頭」を歌っていたのが、竜ケ崎宇童(鈴木雅之の変名)。
シャネルズ「ランナウェイ」でデビューする約2年前のことです。

2025年でデビュー45周年を迎えた鈴木雅之がドゥーワップに特化した記念盤『All Time Doo Wop!!』を発表。
本作は「ランナウェイ」2025新ヴァージョンなど、単なる寄せ集めではなく新録音も収録した3CD編集盤です。
そのディスク1の1曲目には、「禁煙音頭」(Niagara Triangle 1978 Mix)が収録されていました。

鈴木雅之『All Time Doo Wop!!』
(初回限定3CD+Blu-ray ESCL-6076 7,700円税込/通常3CD ESCL-6080 5,500円税込)

この「禁煙音頭」(Niagara Triangle 1978 Mix)は、新たに発掘されたレア・トラック!
本編歌唱の一部を大滝詠一本人も一緒に歌っている未発表音源です。

なお、曲の中間、煙にむせて咳き込んでいるのは山下達郎によるもので、この3人が参加しているトラックということから、<Niagara Triangle 1978 Mix>という副題が付いているのでしょう。
栄えある45周年記念盤の1曲目に、こんなマニアックなトラックを選曲するなんて、マーチンのナイアガラ愛を感じますね。森陽馬


2025年4月14日(月) Stone Foundation 「Cut Me Loose」 feat.J.P.Bimeni

ホーン・セクションを擁するUKの正統派8人組ソウル・バンド、ストーン・ファンデーション。
結成25周年を越え、作品毎に味わいが増していく彼らの3年ぶりの新作がリリースされました。

Stone Foundation『The Revival Of Survival』
(輸入CD 100% Records 100CD158 /輸入LPもあり)

11作目となる今作は、ストーン・ファンデーションらしい渋味の中に、じわじわと胸を熱くさせてくれるファンクネスが共存した、クールなナンバーがずらり♪

UK人気ベテラン・シンガーOmar、Acid Jazzの新鋭Laville、東アフリカ・ブルンジがルーツであるJ.P.Bimeni、Sheree Dubois&Carmy Loveの女性シンガー2人など多彩なゲスト・ヴォーカリストをはじめ、元スタイル・カウンシルのミック・タルボット、サックスにジャッコ・ピーク、エンジニアはチャールズ・リース...とポール・ウェラー人脈も参加。
おなじみとなったポール・ウェラー所有のBlack Barn Studiosでレコーディングされています。

J.P.ビメニの太い歌声がかっこいい「Cut Me Loose」は今作の中でも特にファンキーで熱い1曲!
Feel The Rhythm!Join Together! これはライヴで盛り上がりそうです。東尾沙紀


2025年4月13日(日) 一十三十一 「Like A First Kiss」 feat. Wild Nothing

聴くたびに胸の鼓動が早くなって、夢のような現実を突き抜けさせてくれる1曲。
真に、First Kissのような・・・。

一十三十一(ヒトミトイ)がWild Nothingと組んだ新曲「Like A First Kiss」。

Jack Tatum(Wild Nothing)が手掛けた躍動感溢れるトラックと、一十三十一の艶やかな歌声は、"First Kiss"の如く忘れられず、音楽がかかっていない時でも脳内再生されるほど、媚薬のような中毒性を感じるキラーチューンです。

流線形の2006年発表傑作『TOKYO SNIPER』(リード・ヴォーカルは一十三十一)から早19年。
シティ・ポップを更にアップデートさせたグルーヴに心躍らされました。森陽馬


★掲載ジャケットは、Record Store Day 2025で発売された7inchアナログ盤。
一十三十一『Like A First Kiss』 feat. Wild Nothing
(国内7inch 限定盤 HBAJ-1001 2,200円税込)

★この曲が収録された彼女の約7年半ぶりとなる新作アルバム『Telepa Telepa』も好評発売中です。

(国内CD HBRJ-1029 3,080円税込)


2025年4月12日(土) LIANNE LA HAVAS 「Lost & Found」

本日のRECORD STORE DAY 2025、たくさんのご来店・お買い上げ、ありがとうございました。

音楽の聴き方や楽しみ方は変化していますが、音楽を聴いて心が熱くなる気持ちは忘れずにいたいですね。

僕が楽しみにしていたレコード・ストア・デイ2025アイテムはこの1枚です。

LIANNE LA HAVAS『Is Your Love Big Enough?』
(輸入LP Limited Edition PINK & BLUE GALAXY MARBLE VINYL 5021732550439)

1989年英国でギリシャ系父とジャマイカ人母との間に生まれた女性シンガー、リアン・ラ・ハヴァス。
<女性版プリンス>、<新世代のシャーデー>とも評される彼女が2012年に発表した1stアルバム。
聴いた瞬間、身体に電気が走るような歌声とオーガニックな演奏が素晴らしい作品です。

発売当時もアナログは出ていましたが、近年は中古LPが超高値なのでうれしいリイシュー。
シングル・ジャケットのカラー盤仕様になっています。

今日のこの1曲は、スローナンバーA面3曲目「Lost & Found」を。
疲れて帰ってきた夜遅くに、部屋でじっくりと聴いて、物心に耽りたくなります。森陽馬


2025年4月11日(金) すずめのティアーズ 「糸繰り節」

2025年4月12日(土)はRECORD STORE DAY!

<レコード店へ足を運び、アナログ・レコードを聴いて音楽を楽しもう!>
RECORD STORE DAYは、2008年に米国で始まった中小レコード店と音楽ファンのためのイベント。
様々なレコードがRECORD STORE DAY当日に限定発売されます。

RECORD STORE DAY JAPAN 2025のアンバサダーは、DJ KOCO aka SHIMOKITA。
当店で販売する国内盤タイトルは以下になります。
DJ KOCO aka SHIMOKITA、3776、大貫妙子、一十三十一、さらさ、すずめのティアーズ、ムーンライダーズ、満島ひかり、Chilli Beans.、Alan Kwan&林正樹、Balming Tiger、Jah Gumby、Tiroleantape Chapter4、綾小路翔/夏海姉妹、45trio、かとうれい子、田中裕梨、渡辺シュンスケ、etc...。

入荷した輸入盤タイトルは以下です。
John & Yoko Plastic Ono Band、Taylor Swift、Liam Gallagher、Lianne La Havas、Nick Lowe、Joni Mitchell、Alex Chilton、PiL、The Cure、Jethro Tull、David Bowie、Michael Kiwanuka、Carla Thomas、Cimarons、Jackie DeShannon、Virgin Suicides OST、『Jazz Dispensary:Night Lights』、『Caroline Now! The Songs of Brian Wilson and The Beach Boys』
大幅にショートして1枚のみのタイトルがございます。売り切れの際はご了承ください。

今日のこの1曲は売切必至?!、すずめのティアーズ(佐藤あずさ&あがさ)の1stアルバムから「糸繰り節」。

すずめのティアーズ『Sparrow's Arrows Fly So High』
(国内LP RSD2025完全限定盤 DYSU1 5,000円税込/国内CD DYS007 3,300円税込)

ミュージック・マガジン誌2025年1月号『ベスト・アルバム2024』、JPOP/歌謡曲部門第1位を獲得した1枚!
すずめのティアーズによる日本民謡×ブルガリア民謡×二声ヴォーカルを、アナログで楽しみましょう。森陽馬


2025年4月10日(木) LAKE 「Bucolic Gone」

当店の近隣にある桜の隠れ名所、かむろ坂や西小山の桜並木通りも、葉桜が目立ってきました。

開花後寒い日が続いたこともあり、例年よりも長く桜を楽しめましたが、だいぶ散ってきましたね。

そう、4月のこの時期は、春の陽射しを心地良く感じる日もあれば、今日のような雨模様の日もあります。
新しい出会いや生活で華やかな面があるのと対照的に、別れや郷愁で切ない想いになることもありますよね。

そんな春の曇り空の日、メランコリックな心持ちの時に聴きたくなるのが、今日紹介するこの1枚です。

LAKE『Bucolic Gone』
(国内CD 日本限定CD化 歌詞・対訳付 EPCD138 2,640円税込)

LAKEはイーライ・ムーア&アシュレー・エリクソン夫婦を中心にワシントン州オリンピアで結成されたユニット。
2025年で結成20周年を迎え、現在はアンドリュー・ドーセットを加えた3人編成で活動している彼らの通算10作目は、メロウなメロディーと浮遊感あるサウンドが合わさった、不思議な魅力を持ったアルバムです。

今日のこの1曲は、落ち込んでいる時でも、ほどよく心に響いてくるポップ・ナンバー「Bucolic Gone」。森陽馬


2025年4月9日(水) 相川理沙 「おくり火」

当店が応援し続けている福岡出身の女性シンガー、相川理沙さん。
彼女がライヴ会場で販売しているCDを、当店にて取り扱いさせていただけることになりました。

相川理沙『あの頃よりも、青く』
(国内CD TR-004 2,000円税込)

相川理沙さんは数年前まで関東を拠点にしていましたが、現在は故郷の福岡へ戻り活動中。
澄んだ美しい声は健在で、誠実な歌を歌い続けています。

本作は彼女が2024年に制作した6曲入りのミニ・アルバム。
ピアニスト郡奈津子、ドラムスchang skywalkerと共に、アコースティックな演奏をバックに録音された1枚です。

アン・サリーが歌う「蘇州夜曲」(『MOON DANCE』収録)を彷彿とさせるアレンジの「夏の風」も印象的ですが、今日のこの1曲は、亡き人を想う切ない気持ちが伝わってくる4曲目「おくり火」を。
包容力があって、安らぎを与えてくれる女性ヴォーカルお好きな方は、是非聴いてみてください。森陽馬

通販コーナーにも掲載しました。


2025年4月8日(火) Silje Nergaard 「Tomorrow We'll Figure Out The Rest」

春の陽射しを感じながら、昼にゆったりと。
もしくは、疲れた身体と心をやさしく労わりながら、夜にしっとりと。

何時聴いても、穏やかな気持ちになれるオススメの1枚です。

SILJE NERGAARD『Tomorrow We'll Figure Out The Rest』
(輸入CD Masterworks/Sony 19802890702/輸入LPもあり)

Silje Nergaard(セリア・ネルゴール)は、1966年生まれノルウェー発の女性シンガー。
セリアの名義で1990年頃に発表した「やさしい光につつまれて」(Tell Me Where You're Going)が、日本でもヒットしてラジオでよくかかっていました。
本作はその彼女が両親と家族への想い出を歌に込めた2025年作品です。

今日のこの1曲は、アルバム最後に収録されているタイトル曲「Tomorrow We'll Figure Out The Rest」。
セリアの透き通った歌声と、Vince Mendoza(ヴィンス・メンドーサ)が指揮するStavanger Symphony Orchestraの上品なバック・サウンドが美しく調和した、とても素晴らしいナンバーです。森陽馬



2025年4月7日(月) Alpaca Sports 「Tonight」

さわやかで甘酸っぱくて切ない、ギター・ポップ/ソフト・ロック・アルバム。

スウェーデン・ヨーテボリで結成、2011年から活動している男女インディー・ポップ・トリオ、アルパカ・スポーツ。
スペインの人気レーベルElefant Recordsから、約7年ぶりの新作がリリースされました。

アルパカ・スポーツ『アナザー・デイ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック2曲 TCRD-042 2,200円税込)

春から初夏にかけてのやわらかな陽気が似合う彼らの音楽。
瑞々しいアレンジ、スウィートな歌声は変わらずながら、コロナ禍、結婚、最愛の母との別れ...中心人物アンドレアス(vo/g)の人生の転機となった出来事、心情が反映された詞には切なさ、儚さも感じられます。

今作には、彼の奥さんでミュージシャンのクリスティーナ・ケサダもバック・ヴォーカルで参加。
彼女の声も加わり、コーラス・ワークにはこれまで以上にこだわりが感じられます。

叙情的なメロディ、賛美歌のような美しいハーモニーに癒やされる「Tonight」を今日の1曲に。東尾沙紀



2025年4月6日(日) イノセンス 「メアジー・ドーツ」

ソニー・ミュージックから3月中旬発売になった<Hidden Gem In 60/70's~発掘!洋楽隠れ名盤>シリーズが、なかなかの評判です。
先日3月13日にこのページで、スリー・ディグリーズを紹介させてもらいましたが、今日はこちらを。

イノセンス『イノセンス』+3
(国内CD 解説付 SICP-6655 1,430円税込)

ソングライター・コンビのピート・アンダース&ヴィニ・ポンシアが中心となり、カーマ・ストラ・レコードの社長アーティ・リップを加えた3人が、イノセンスという名義で1967年に発表した唯一のアルバム。これがいいんです。

「すてきな言葉」(There's Got To Be A Word)と「メアジー・ドーツ」のチャート・ヒットがあるとは言え、当時の日本ではちゃんとした評価をされませんでした。しかし、CDの時代になり、何度か再発される内にソフトロックの隠れ名盤として知られるようになった、僕も大好きな1枚です。
ボーナス・トラック3曲の中の1曲は、「すてきな言葉」を作ったドン・シコーニが自ら歌ったヴァージョンも入っています。

今日の1曲は「メアジー・ドーツ」を。
古いノベルティ・ソングを彼ららしいアレンジで聴かせてくれるものです。

余談ですが、オールド競馬ファンにはこの曲タイトルに反応するかも?
当店がオープンした1981年、JRAの記念すべき第1回ジャパン・カップの勝ち馬は、キャッシュ・アスムッセン騎乗の伏兵【メアジー・ドーツ】というアメリカの馬でした。森勉


2025年4月5日(土) エルトン・ジョン&ブランディ・カーライル 「ローラ・ニーロの薔薇」

曲名が「ローラ・ニーロの薔薇」(原題:The Rose Of Laura Nyro)。
どんな曲なのだろう?と興味が湧きますよね。

これは、エルトン・ジョンとブランディ・カーライルが組んだ新作アルバム『天使はどこに』(原題:Who Believes In Angels?)の1曲目に収録されている楽曲です。

エルトン・ジョン&ブランディ・カーライル『天使はどこに』(Who Believes In Angels?)
(国内CD DVD付完全生産限定盤 UICY-80579 7,700円税込/国内CD 通常盤 UICY-16279 3,300円税込)

本作のプロデュースは、ローリング・ストーンズの2023年傑作『ハックニー・ダイアモンズ』を手掛けたアンドリュー・ワット。
バックバンドは、チャド・スミス(レッチリ)、ピノ・パラディーノ、ジョシュ・クリングホッファーと超豪華メンツ!
『ハックニー~』を彷彿とさせるエネルギッシュなロックでポップな1枚に仕上がっています。

で、1曲目の「ローラ・ニーロの薔薇」。
ローラ・ニーロ「ELI'S COMIN'」を大胆に織り込んだ、エルトン印の壮大なポップ・ナンバーでした。
ブランディ・カーライルのきれいな歌声も素晴らしいですね。
アンドリュー・ワットの編曲パワー、おそるべし! 森陽馬


2025年4月4日(金) RUMER 「Dangerous」 with Redtenbacher's Funkestra

風はまだ冷たいけれど、陽射しはやっと春らしくなってきましたね。
そんな春の陽気にピッタリのアルバムを取り上げましょう。

RUMER『IN SESSION with Redtenbacher's Funkestra』
(輸入CD RUM001CD)

カレン・カーペンター似の歌声が魅力的なパキスタン生まれ英国育ちの女性シンガー、ルーマー。
ロンドンを拠点に活動中のオーストラリア人ギタリスト、Stefan Redtenbacherとの共同プロデュースによる、セルフ・カヴァーを中心とした新作アルバムです。

StefanのバンドRedtenbacher's FunkestraはUK発ジャズファンク作品を出していることもあり、本作もグルーヴ感あるアレンジになっているのかな?と思って聴き始めたのですが、その予想を良い意味で裏切り、今までのルーマーと基本的には変わらずの雰囲気。
より生バンド的な演奏と、彼女の柔らかな歌声が心地良く調和した1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、4曲目「Dangerous」。
ダンサブルなオリジナルよりもメロウ・グルーヴな編曲で、こちらの方が好みかも。
Pete Billingtonが奏でるエレピ&ハモンド・オルガンの温もり溢れる音色は、心穏やかになる春の陽射しのようです。森陽馬


2025年4月3日(木) Iggy Pop 「I Got A Right」

イギー・ポップ来日公演を2025年4月2日東京ガーデンシアターで観てきました。

ザ・クロマニヨンズが前座で疾風の約30分。イギーオマージュでヒロトが上半身裸になる熱演+「初めてロック・コンサートへ来た人は、きっと一生忘れられない1日になると思うよ!」という熱いMCもあり程よく温まった後イギー登場!

1曲目のイントロで早くも上半身裸になり、そこから怒涛の1時間半!まさに伝説ではなく現役!
77歳(4月21日で78歳!)ながら、客席へダイブしたり、マイクスタンドを投げ放つなど凄まじいステージでした。

ギター二人(片方はヤー・ヤー・ヤーズのニック・ジナー)、ベース、ドラム、キーボード、ホーン二人を加えた7人編成バンドはかなりの爆音! 耳鳴りが残るほどでしたが、PUNK魂が宿ったイギーの歌声はしっかりと聴き取れました。

そしてラスト、バンドと共に脇へ下がった後、イギーのみ再び登場し、マイク無しで何かを叫んでいました。
その勇姿を見て、言葉にならない感動が押し寄せ涙が溢れました。
生き抜くということ、その覚悟を持つことの大切さを改めて教えてもらった一夜となりました。森陽馬

★今日のこの1曲は、「Raw Power」「The Passenger」等も良かったけれど、最も盛り上がった「I Got A Right」!
掲載ジャケットは、イギーの最新盤『Live At Montreux Jazz Festival 2023』。(「I Got A Rightは未収録)
(国内Blu-ray+2CD 日本盤限定仕様 解説付 GQXS-90509 7,150円税込)


2025年4月2日(水) Curtis Stigers 「Until You Were Gone」

「I Wonder Why」のヒットなどで知られ、90年代初頭から活躍しているアメリカ出身のシンガーソングライター/サックス奏者、カーティス・スタイガース。
約3年ぶりの新作は、味わい深い歌声が活きるシンプルなシンガーソングライター作品♪

Curtis Stigers『Songs From My Kitchen Volume 1』
(輸入CD PPR002)

コロナ禍にもファンとの交流をと、愛犬4匹が自由に行き来する自宅の素敵なキッチンから配信された弾き語りライヴ(2021年4月から全53回!)をきっかけに生まれた本作。配信でいろんな曲を取り上げたことで再発見したオリジナル&カヴァーを、バンドで録音しています。

パティ・グリフィン「Goodbye」のカヴァーや、アイルランド出身ブライアン・ケネディとの共作曲「Don't Look At Me That Way」、兄ジェイクとの共作「Burn It Down」、50年近く経って初めて顔を合わせた父親との関係を描いた「Good To Know You」などなど全11曲。

本日は前々作でも取り上げていた、彼のお気に入りのシンガーソングライターJohn Fulbright「Until You Were Gone」カヴァーを。カーティスのハスキーな歌にもぴったり。穏やかなアレンジ、サックス・ソロが良い雰囲気です。

左の小さい画像ではわかりづらいのですが、小さくて可愛らしい愛犬1匹がいい感じに写り込んでいます。
犬ジャケ好きな方にも是非チェックしてほしい1枚です。東尾沙紀


2025年4月1日(火) 竹内まりや 「人生の扉」(ライヴ)

CDジャケットだけを見ると、まりやさんの新しいのがまた出た!と思ってしまいますが・・・。
これは、2024年10月23日に発売された『Precious Days』に加え、CD+ブルーレイ又はCD+DVDのライヴ映像部分の音源だけをCDにして付属した特別盤。
4月15日から始まる11年ぶりのライヴ・ツアーを記念して作られた2枚組CDです。

竹内まりや『Precious Days (souvenir edition)』
(2枚組CD 初回生産限定盤 先着でポストカード付 WPCL-13640 4,180円税込)

ディスク2のライヴCDには、映像は17曲入りでしたがCDの収録時間の関係もあり、洋楽カヴァー2曲(「瞳のささやき」、「悲惨な戦争」)をカットして、全15曲収録になっています。

・2020年11月20日Zepp Tokyo限定配信ライヴから「September」、「Oh No, Oh Yes!」、「静かな伝説」等8曲。
・2012年9月2日山中湖SWEET LOVE SHOWERから「家に帰ろう」、「元気を出して」の2曲。
・2010年12月4日日本武道館での「みんなひとり」。
・2010年12月21日大阪城ホールでの「人生の扉」。
・2014年12月13日大阪城ホールでの「いのちの歌」。
・2014年12月20日日本武道館での「プラスティック・ラヴ」、「駅」。
すべて、初CD化音源です。

2024年に出た『Precious Days』をお持ちの方は、1枚目はダブりますが、2枚目は上記のような内容ですので是非!
青いスーツ姿でギターを持つまりやさんの勇姿(2014年ライヴ・ツアー冒頭の衣装)、すてきです。
このジャケット、アナログの大きさでも欲しくなりますね。森勉


2025年3月31日(月) A.P.J. 「王様の耳はパンの耳」

山下達郎バンドのキーボーディスト難波弘之と、水野正敏(ベース)、池長一美(ドラムス)によるジャズ・バンド、A.P.J.が新作アルバムをリリースしました。

A.P.J.『王様の耳はパンの耳』
(国内CD HLNR004 3,850円税込)

A.P.J.というバンド名は、Acoustic Progressive Jazzの略。
本作は全9曲インストで、メンバー各々が書いたオリジナル曲が3曲ずつ収められています。

そのバンド名通り、一聴するとアコースティックな美しいメロディーを持つジャズ・サウンドながら、実はプログレッシヴで奥が深い演奏のアンサンブルが楽しめる1枚です。

今日のこの1曲は、難波弘之作のアルバム・タイトル曲「王様の耳はパンの耳」を。
難波弘之による上品なピアノの奏が、“王様の耳”の噂が広がるが如く、エレガントに展開していくナンバー。

なお、私立恵比寿中学が「王様の耳はパンの耳」という曲を先日リリースしましたが、これはMHRJ(マハラージャン)作で、A.P.J.とは同名異曲になります。森陽馬


2025年3月30日(日) 山下達郎 「Guess I'm Dumb」

桜が咲いたというのに、昨日・本日の東京は冬へ戻ったかのような肌寒い1日でしたね。
そんな中、春を通り越して、夏・秋・初冬にリリースされるアイテムが告知されました。

<山下達郎のMoonレーベル時代6タイトルが、アナログ・レコードとカセットテープで再発決定!>
5/21発売『MELODIES』、6/25発売『BIG WAVE』、7/23発売『POCKET MUSIC』、9/24発売『僕の中の少年』、10/22発売『ARTISAN』、11/26発売『SEASON'S GREETINGS』が、1LPアナログ盤(4,400円税込)とカセットテープ(3,410円税込)でリイシューします。

『MELODIES』(1983)は2013年、『BIG WAVE』(1984)は2014年に30周年盤として、再LP化されたことがありました。
当時は、現在のようなアナログ・ブームではなかったものの、発売後すぐに完売となってしまいましたね。

ということで、今日のこの1曲は『MELODIES』、『BIG WAVE』の両方に収録されている「Guess I'm Dumb」を。
オリジナルはグレン・キャンベルで、ブライアン・ウィルソン作&プロデュースによる隠れた名曲。
達郎さんのこのカヴァーで、日本ではより多くの人に知られることになったと言っても過言ではないでしょう。森陽馬

★掲載ジャケットは、山下達郎『BIG WAVE』
(2025年6月25日発売 国内LP 完全限定盤 先着ポストカード付 WPJL-10259 4,400円税込/カセットテープ WPTL-10008 3,410円税込)


2025年3月29日(土) Japanese Breakfast 「Man In Bars」 with Jeff Bridges

2021年発表の前作『Jubilee』(2022年1月5日今日のこの1曲で紹介)がグラミー賞にノミネート、日本語版も刊行された回顧録『Hマートで泣きながら(Crying in H Mart)』も反響を呼んだ韓国系アメリカ人シンガーソングライター、ミシェル・ザウナー。
彼女のソロ・プロジェクト、ジャパニーズ・ブレックファストの約4年ぶり4作目となる新作がリリースされました。

ジャパニーズ・ブレックファスト『フォー・メランコリー・ブルネッツ(&サッド・ウィメン)』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲追加 DOC425JCD 2,750円税込)

ブレイク・ミルズをプロデューサーに迎え、LAの有名スタジオ<サウンド・シティ>でレコーディングされた本作には、ジム・ケルトナーも参加。シンセを多用した前作とは雰囲気が変わり、アコースティックを基調としたバンド・サウンドに。
幻想的な「Here In Someone」を皮切りに、彼女の甘い歌声とメランコリックな世界観にじわじわと魅了されていく1枚です。

8曲目「Man In Bars」に登場する渋い男性の声...大物俳優ジェフ・ブリッジスがデュエット相手を務めています。
ひとつの過ちから起こる恋人同士の顛末を、男女それぞれの目線で歌ったバラード。
この曲で描かれるのは悲劇なのに、憂いを帯びた2人の歌声とペダル・スティールの音色に安らぎを感じます。

新作をひっさげ、6月に来日公演が決定!
6月11日(火)ZEPP SHINJYUKU、13日(金)大阪CLUB QUATTROでの公演が発表されています。東尾沙紀


2025年3月28日(金) アート・ファーマー 「クロール・スペース」

キング・レコードから【CTIオールタイム・コレクション】シリーズでCDが60タイトル、3月12日発売で出ました。

CTIというレーベルは、クリード・テイラー・インコーポレイテッドの頭文字を取ったもので、まさにクリード・テイラーという人の中にあった音楽美学がたくさん詰め込まれたレーベルでした。
個人的には特に新しいジャズへの誘いを強く感じました。

今回発売されたものをまず1枚紹介したいと思います。

アート・ファーマー『クロール・スペース』
(国内CD 解説付 KICJ-2661 1,650円税込)

1977年発表、アート・ファーマーはトランペット、フリューゲルホーンを担当。
今日の1曲は、アルバム・タイトルにもなっている1曲目「クロール・スペース」を。

参加メンバー全員のプレイがかたまりとなって、耳に飛び込んでくる感じで、聴く者の気持ちを曲の中に引っ張り込んでくれます。ドラムスのスティーヴ・ガッドとベースのウィル・リーのリズム・セクションが熱く絡み、フルートのジェレミー・スタイグがシャウトするように吹き、ここぞという所でギターのエリック・ゲイルが登場! もちろん、アートのソロもすばらしい。この曲の作曲はキーボードで参加もしているデイヴ・グルーシン。

この『クロール・スペース』は山下達郎バンドの伊藤広規さんの大好きなアルバムの1枚とのことです。
今なら先着でコルク製CTIコースターを進呈中です。森勉



2025年3月27日(木) Inara George 「Put A Kiss And A Tear In Yr. Letter」

ヴァン・ダイク・パークスが2013年1月26日当店に来店した時、ドン・ヘフィントン(Don Heffington)が一緒でした。

サポート・ドラマーとして来日した彼は、ヴァン・ダイクに誘われなんとなく付いてきたのだと思います。
近くにいると圧倒されるような長身・大柄ながら、「好きなアーティストや曲は何ですか?」と質問したら、「リンク・レイのランブルは子供の頃から大好きな曲なんだ!」と、少年のようなキラキラした瞳で答えてくれたのが懐かしいですね。



彼がLone Justiceのオリジナル・メンバーであったことや、ソングライターとしても活動していたことは後から知りました。
当時、そういう話もできればよかったんですけれどね。
僕の不勉強で申し訳なかったな、と感じ、またいつか逢えたら、と思っていましたがそれは叶わなくなりました。

そのドン・ヘフィントンが病気で亡くなった、というニュースを聞いたのは2021年3月のことです。

彼は大ヒット曲を出したわけではないのに、ジャクソン・ブラウンを始め交流が深かったミュージシャンによってトリビュート・アルバムが2024年10月にリリースされたのは、彼の人望がいかに厚かったかを象徴していると言えるでしょう。
『A Tribute To DON HEFFINGTON - Tonight I'll Go Down Swingin'』
(輸入CD Nine Mile Records CDNMR590)

今日のこの1曲は、この盤に収録のイナラ・ジョージ「Put A Kiss And A Tear In Yr. Letter」を。

昨夜(2025年3月26日)のヴァン・ダイク・パークス来日公演で、ドラマーがいないのにドラム・セットをステージに置いたのは、彼への追悼の意もあったのかな、と僕は感じていました。(結果的には、イナラ・ジョージの息子がそのドラムを叩いたのですが)
ヴァン・ダイクとイナラが立ったあのステージに、彼の魂も間違いなくそこにいた、と思います。森陽馬


2025年3月26日(水) Van Dyke Parks 「Orange Crate Art」

「私は民主主義(democracy)を信じている」
(ヴァン・ダイク・パークス 2025年3月26日ビルボード・ライヴ2nd showでのMCより)

ヴァン・ダイク・パークス、約12年ぶりの来日公演をビルボード・ライヴ東京へ観に行ってきました。

2025年1月で82歳を迎えた彼ですが、ピアノも歌も力強かったですね。
そしてなにより、音楽を届けよう、という情熱が伝わってきて、胸が熱くなりました。

今回のバック演奏は、息子のリチャード・パークス(マンドリン)、カール・シーラヴ(ベース)とのトリオ編成。
3月26日の公演では、イナラ・ジョージ(ローウェル・ジョージの娘)もゲスト参加しました。
更に、26日1st showではゆかりのある日本人ミュージシャンがサプライズ出演!
26日2nd showはイナラの息子(つまり、ローウェルの孫!)がドラムで参加という感動的な場面もありました。

3月27日東京、4月1日横浜、4月3日東京の公演チケットはまだあるようです。
リトル・フィートやビーチ・ボーイズの曲を演奏する回もおそらくあるでしょう。

ヴァン・ダイクの音楽に対する誠実な姿勢へ感謝を込めて。
お時間ある方は是非、足を運んでみてください。森陽馬


★掲載ジャケットは、ブライアン・ウィルソン&ヴァン・ダイク・パークスによる1995年作『Orange Crate Art』。
2020年に発売された25周年2CD盤が再入荷しました。

★ヴァン・ダイク・パークスは、今から12年前の2013年1月26日当店に来店したことがありました。
こちらのページで当時のことが紹介されております。よろしければご覧ください。


2025年3月25日(火) 鈴木茂 「夕焼け波止場」

1972年10月、はっぴいえんどのレコーディングでアメリカL.A.を訪れた鈴木茂は、ヴァン・ダイク・パークス、ローウェル・ジョージ&リトル・フィートのメンバーと出会いました。
クローヴァー・スタジオでリトル・フィート『ディキシー・チキン』の録音を体感し衝撃を受けた彼は、自身のソロ・アルバムを制作するなら、このスタジオでレコーディングしたい、と心に決めます。

2年後の1974年10~11月、鈴木茂はアメリカへ再び渡り、リトル・フィートの面々を含めたミュージシャンと共に、ディファレント・ファー・スタジオとクローヴァー・スタジオでオリジナル楽曲を録音しました。
それが、1975年3月25日に発売した鈴木茂の1stアルバム『バンド・ワゴン』です。

50年の時を経て、本日2025年3月25日。
鈴木茂『バンド・ワゴン』の50周年記念盤がリリースされました。

鈴木茂『Band Wagon 50th Anniversary-2025』
(国内CD+Blu-rau Audio+ブックレット CRCP-20614 5,000円税込/国内LP 限定盤 5,500円税込)

鈴木茂本人による最新リマスタリング音源と、Blu-ray Audioにはそのハイレゾと2008年Editionを収録。
50年前アメリカのスタジオで奇跡的に録られた音の結晶が、新たな形で甦りました。

ちなみに、クローヴァー・スタジオはヴァン・ダイク・パークス『ディスカヴァー・アメリカ』制作の場所でもあります。
82歳を迎えたヴァン・ダイク・パークスの来日公演が、明日3月26日から始まるのは、素敵な偶然ですね。森陽馬


2025年3月24日(月) シャッポ 「スタンダード」

福原音と細野悠太によるユニット、CHAPPO(シャッポ)。
デビュー・シングル「ふきだし」(
2023年12月18日今日のこの1曲で紹介)から約1年4か月を経て、待望の1stアルバム『a one & a two』が2025年4月23日発売決定しました。

CHAPPO(シャッポ)『a one & a two』
(2025年4月23日発売 国内CD 当店のみの先着特典付 DDCK-1081 3,300円税込)

アルバムはインスト中心で、各々ヴォーカルをとった楽曲が1曲ずつ入っている全14曲入。
古いようで新しい、地味なようで豊かな“音楽”で満たされた1枚です。

今日のこの1曲は、細野晴臣さんのラジオ『デイジーホリデー』2025年3月16日深夜の回に、シャッポがゲスト出演した時にオンエアされた「スタンダード」を。

なお、当店のみの先着特典として、ジャケット・デザインのマグネットを差し上げます。
許諾申請しOKをいただきました! 予約受付中! 森陽馬



2025年3月23日(日) P.P.アーノルド 「Come Home Baby」

イミディエイト60周年を記念したカタログ復刻第2弾♪

第1弾のスモール・フェイセス5作品に続いて、今回再発されたのは以下の6作品です。
P,P,アーノルド1st/2nd、ビリー・ニコルズ(たっぷり2枚組)、フォーク秘蔵盤ダンカン・ブラウン、キース・リチャーズが音楽監督を務めたとされているアランビー・ポップ・シンフォニー・オーケストラ(モノは世界初CD化!)、1967年ドキュメンタリー映画サントラ『愛と幻想の一夜』。
最新リマスター&貴重な音源も含めたボーナス・トラックが追加されています。

2019年に約50年ぶりのソロ名義作をリリースし、変わらぬ歌声を聴かせてくれた''イミディエイトの歌姫''P.P.アーノルド。
ビーチ・ボーイズ「God Only Knows」、ビートルズ「Eleanor Rigby」、マリアンヌ・フェイスフル「As Tears Go By」、ティム・ハーディン「It'll Never Happen Again」、チップ・テイラー作「Angel In The Morning」他、カヴァーを中心とした1968年作『カフンタ』はジャケットも含め人気の高い1枚です。

今日の1曲は本編の楽曲ではなく、ボーナス・トラックとして収録されている「Come Home Baby」を。
ミック・ジャガーのプロデュースにより、録音されたものの当時は未発表となったロッド・スチュワートとのデュエットで、ソウルフルな掛け合いに心が弾む名カヴァー♪
オリジナルはウィルソン・ピケット(with タミー・リン)1965年楽曲。バリー・マン&シンシア・ワイル作です。東尾沙紀

掲載ジャケットは、P.P.アーノルド『カフンタ』+3
(国内CD CDSOL-3907 解説・歌詞付 2,420円税込)


2025年3月22日(土) スターダスト☆レビュー 「KEEP ON ROLLIN'」

本日は、日本でラジオ放送が始まってちょうど100年記念日でした。
(100年前というと1925年!)

今ではスマホ&ネット環境があれば、どこでもラジオを楽しめますが、昔は周波数を合わせるのが大変でしたよね。
同じ部屋でもラジオを置く場所で全然違って、ノイズが入らないところを四苦八苦して探したものです。
(雑音が消えた!のに、近くのものをどかしたり自分が移動したらまた雑音が...というのはよくあったなぁー)
<かじりついてラジオを聴く>という表現は、若い世代にはピンとこないでしょうが、懐かしいですね。

ということで、今日のこの1曲は、歌詞に“ラジオ”が出てくるスタレビの「KEEP ON ROLLIN'」を。

♪真夜中のラジオから聴こえたTwist And Shout。訳も知らず胸がふるえ眠れなかった♪
という歌い出しで始まるかっこいいロック・ナンバー!
作詞は林VOH紀勝&渡辺なつみ、作曲は根本要。

そう、ラジオも、音楽も、スタレビも、そして僕らも、「KEEP ON ROLLIN'」! 森陽馬

★「KEEP ON ROLLIN'」は、スタレビ1995年発表アルバム『艶』に収録。
掲載ジャケットはスタレビのホットな人気曲を集めたベスト盤。
スターダスト☆レビュー『RED STARDUST』
(国内CD 「KEEP ON ROLLIN'」他全16曲入 WPCL-13007 2,200円税込)



2025年3月21日(金) Ray & Bob 「Palms Of Paradise」

KENT SOUL/ACEレーベルから、スウィート・ソウルの埋もれていた珍しい曲を収録したCDが出ました。

『SOUL HARMONY ~ Sweet Soul Vocal 1961-1984』
(輸入CD 20ページカラー英文ブックレット付 KENT SOUL CDKEND513)

全24曲、73分39秒収録。
名の知れた所は、マッド・ラッズ、モーメンツぐらいで、一般的にはほとんど知られていない人たちばかり。
でも、いい曲ばかりで、スウィートなハーモニー・ソウルがお好きな方にはおすすめの1枚です。

完全未発表がラモーナ・キングなど6曲。
近年初発表された曲がソウル・インテリアズなど5曲と、発掘音源も充実。

今日の1曲は、R&Bチャートインの実績があるリー・ウィリアムス&シンバルズか、ミラクルズの「ウー・ベイビー・ベイビー」をカヴァーしているサンフランシスコ・TKOズにしようかと思いましたが、ドゥーワップ・テイストがいい雰囲気の1961年作品、レイ&ボブ「Palms Of Paradise」を。森勉



2025年3月20日(木) 竹内まりや 「Sweetest Music」(LIVE Ver)

本日3月20日は、竹内まりやさんの誕生日♪
2025年で古希(70歳)! まりやさん、おめでとうございます。

「You say it's alright to be 70. And they say still good to be 80. But I'll maybe live over 90」
(竹内まりや「人生の扉」歌詞より)
この歌の通り、90歳以上生きて、これからも歌い続けてくださいね。

その竹内まりやさんの完全限定アナログLP BOXが発売されました。

竹内まりや『Mariya Takeuchi RCA YEARS Vinyl Box Collection』
(国内6枚組アナログ・レコード BVJL-110 19,800円税込)

1978年発表デビュー・アルバム『BEGINNINGS』から1981年発表5thアルバム『PORTRAIT』まで、RCAレーベル時代の5作品を最新リマスター音源で180g重量盤レコードにカッティング。更に、貴重な初アナログ化ライヴ音源など収録のボーナス・ディスクを追加した6枚組レコードBOXです。

今日のこの1曲は、ボーナス・ディスクのB面1曲目に収録されている「Sweetest Music」ライヴversionを。
1981年8月25日中野サンプラザ MARIYA POPPING TOURの音源。勢い溢れる演奏と歌がかっこいい!
スタジオverのスティーヴ・ルカサーとはまた違った、青山徹のドライヴ感あるギター・ソロに痺れます。森陽馬



2025年3月19日(水) サザンオールスターズ 「神様からの贈り物」

サザンオールスターズの新作アルバム『THANK YOU SO MUCH』が本日発売になりました。
オリジナル・アルバムとしては、2015年発表作『葡萄』以来約10年ぶり、通算16枚目の作品です。

サザンオールスターズ『THANK YOU SO MUCH』
(完全限定盤ブルーレイ付 VIZL-3000 9,680円税込/通常盤CD 3,960円税込/LPもあり)

2023年に配信シングルとして3ヶ月連続リリースされた3部作⑤「盆ギリ恋歌」、⑩「歌えニッポンの空」、⑭「Relay~杜の詩」、2024年発表曲①「恋のブギウギナイト」、②「ジャンヌ・ダルクによろしく」を加えた最新ナンバーから、デビュー前にライヴで披露していた⑪「悲しみはブギの彼方に」まで、サザンらしさに溢れた14曲が収録されています。

この中で一番気に入っているのは、13曲目「神様からの贈り物」です。
NHK放送100年を記念した関連番組のテーマ・ソングで、日本ポップスへの感謝が込められたこの曲。
「また逢う日まで」、「胸の振り子」、「上を向いて歩こう」の言葉が、歌詞に織り込まれているのがいいですね。

ちなみに、ビーチ・ボーイズが2012年に発表した曲「That's Why God Made The Radio」は、「神様が作ってくれたラジオに感謝しよう! とっても素敵な曲に出逢えるラジオにね。」という“ラジオ賛歌”でした。

桑田佳祐が書いた「神様からの贈り物」のテーマとタイトルは、曲調こそ違えど、ビーチ・ボーイズ「That's Why God Made The Radio」が下敷きになっているのかな、と僕は感じました。森陽馬


2025年3月18日(火) NIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRAL 「うれしい予感」

「もういくつ寝ると」、ナイアガラ・レーベルの記念日3月21日が今年もやってきます。

商品配送上の都合により、2025年は本日3月18日火曜日に店着・店頭に並びました。
今年のラインナップは3種類です。
①大滝詠一『B-EACH TIME L-ONG』 40th Anniversary Edition
(2枚組CD SRCL-13100 3,960円税込)

②『COMPLETE NIAGARA SONG BOOK』 インストゥルメンタル 大滝詠一作品集
(3枚組CD B3サイズポスター2枚封入 SRCL-13110 5,940円税込)

③大滝詠一『B-EACH TIME L-ONG』
(2枚組アナログLP 完全限定盤 SRJL-1166 6,100円税込)

今日は②のインスト集から1曲を。
ヴォーカルなしだと、大滝メロディの美しさがより強調されているようで、昔から大好きな『NIAGARA SONG BOOK』です。
3枚組の中のディスク1は、未発表音源をメインに構成した新作ということになります。

「うれしい予感」は、TVアニメ『ちびまる子ちゃん』オープニング・テーマとして、大滝さんが久し振りに仕事をした曲でした。
渡辺満里奈さんのチャーミングな歌声もいいですが、このヴァージョンもすてきです。森勉



2025年3月17日(月) 中村海斗 「Part4. Memorial Days」

彼岸の入りだった本日。
東京は日本晴れから、初夏のようなにわか雨が降り出し、強風で真冬の寒さになったり、と忙しない1日でした。

暑さ寒さも彼岸まで。
亡き人の想い出に向き合いながら、春を待つ1週間。心穏やかに過ごせるといいですね。

さて、今日紹介するのは、新しい春の風を運んでくる勢いのある1枚。

中村海斗『INVISIBLE DIARY』
(国内CD MV-001 3,300円税込)

新進気鋭のジャズ・ドラマー中村海斗は、2001年アメリカ・ニューヨーク生まれ/栃木&群馬育ち。
高橋陸(ベース)、布施音人(ピアノ)、佐々木梨子(サックス、2004年生まれ!)のカルテット+加藤一平(ギター)が加わった若き仲間と共に自主制作したアルバムをリリースしました。

今日のこの1曲は、後半8曲目、約9分に及ぶ「Part4.Memorial Days」を。
攻撃的かつ躍動感溢れる中村海斗のドラミングと、佐々木梨子のかっこいいサックス、加藤一平の爆発するギター&バンド・サウンドは、想い出を突き抜け、日本ジャズの新しい未来を感じさせます。森陽馬


2025年3月16日(日) ジーン・ハリス with デヴィッド・T・ウォーカー 「ビギニングス」

当店の<2024年ベスト・アルバム>にも選んだファンキーなジャズ・ギター名演集『進撃のジャズファンク』が、それなりに好評なのでうれしい限りです。

そのCDと同様に音楽雑誌『ギター・マガジン』と連動して、日本で企画されたコンピCDを今日は取り上げたいと思います。

『THE GUITAR OF BN-LA ~70年代ブルーノートLAのギタリストたち』
(国内2枚組CD 日本語解説付 UCCQ-1128 2,200円税込)

このCDが発売されたのは、コロナが蔓延していた2020年9月。
そんなこともあって、内容の良さをきちんと紹介できずに4年半が経ってしまいました。
それはもったいないということで、このCDの魅力を改めて・・・。

ブルーノートLAレーベルは、1972~1977年の間に数々の新しい試みのサウンドを提示したアルバムを発表しました。このCDも、クロスオーヴァー/フュージョンの前夜&夜明け時代のサウンドが満載です。

2枚組のうち、今日はディスク2を。
ジャケットにも登場しているデヴィッド・T・ウォーカーをフィーチャーしています。
フィーチャーといっても、ソロをガンガン聴かせるわけではなく、バッキングに徹した絶妙なフレージングを堪能できる10曲が収録されています。

ソロをとるだけがギタリストの仕事ではなく、ヴォーカリストや他の楽器とのアンサンブルの大切さを教えてくれます。
さぁ、デヴィッド・T・ウォーカーならではのプレイに耳をそばだてましょう。

アルフォンス・ムザーン、ドナルド・バード、ボブー・ハンフリー、マリーナ・ショウなどのアルバムに参加した曲が収められていますが、今日はピアニストであるジーン・ハリスが歌っているシカゴの1stアルバムの曲をカヴァーした「ビギニングス」を。森勉


2025年3月15日(土) 村田和人 「さよなら逗子マリーナ」

PET SOUNDS RECORDは1981年4月22日に開店し、駅前再開発のため2005年1月31日に一度閉店。
仮店舗での営業を経て、2007年3月15日に現在の場所へ移転・再オープンしました。

新店舗へ移って、本日でちょうど18年。
営業を続けてこれたのも、お客さま皆々様のおかげだと思っております。ありがとうございました。

18年間を振り返って、たくさんの色々な思い出が残っています。
特に、PET SOUNDS RECORDにとってこの18年間の前半は、村田和人さんなしでは語れませんね。

2016年2月22日に亡くなるまで、当店の地下アゲインで毎月ライヴを行っていただきました。
終演後、店の前を通って帰る際、「またねー!」と必ず笑顔で声をかけてくれた村田さん。
あの笑顔が今でも忘れられないと共に、励みと支えになっています。

「もう君を思いだしても 悲しくないのに なぜ夏の青い空は 泣きたくなる」
(村田和人「さよなら逗子マリーナ」 歌詞より抜粋 作詞:田口俊)

「さよなら逗子マリーナ」を聴くと、涙が出てきそうになりますね。森陽馬

★村田和人さんのCD『ピーカン』(2014)と自主制作盤『Now Recordings』(2008)が再入荷しました。
村田和人『ピーカン』(国内CD IMCM-0007 3,056円税込)



2025年3月14日(金) LAGHEADS 「Mr.Mush」

セッション・ミュージシャンなどでも活躍する若手実力派4人組JAMPOPバンド、LAGHEADS(ラグヘッズ)。
KIRINJI、吉田沙良(モノンクル)、長塚健斗(WONK)、HIMI...メンバーと縁のあるゲストが参加した約2年ぶりの3rdアルバム♪

LAGHEADS『Who is ''LAGHEADS''?』
(国内CD LGHS-003 2,970円税込)

LAGHEADS(ラグヘッズ)は、数多くのレコーディング/ライヴ・サポート、ソロ・アーティストとしても活躍している小川翔(g)、山本連(b)、宮川純(key)、伊吹文裕(ds)で結成されたバンド。

ソウライヴ的キレキレ・ジャズ・ファンク・インスト「Who is ''LH''?」、女性には実は不評?な<髭>をテーマにした詞が面白いファンキーな「どうして髭を?」feat.KIRINJI、HIMIのシルキーな歌声をフィーチャーしたメロウ・ソウル「Dance」.ほか、ポップ&グルーヴィーな歌モノ&インストで構成されています。

本日は、「太陽の女神(Sun Goddess)」を想起させるメロディ・ライン、「Feel So Good」のアレンジが合わさったようなインスト・ナンバー「Mr.Mush」を今日の1曲に。

CDのみのボーナス・トラックとして「Dance feat.HIMI -DJ Mitsu the Beats Remix-」も収録されています。東尾沙紀


2025年3月13日(木) スリー・ディグリーズ 「ミッドナイト・トレイン」

<Hidden Gems in 60/70s ~発掘!洋楽隠れ名盤>
というシリーズが、ソニー・ミュージックから各1,430円税込で発売されました。

ローラ・ニーロ、イノセンス、バリー・マン、アリー・ウィリス(2022年『星野源のおんがくこうろん』で取り上げられました)、バーズ、ボックス・トップス、アル・クーパー、ニルソン、トム・ラッシュ、ポコ、ダン・フォーゲルバーグ、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、アイズレー・ブラザーズ、ビル・ウィザース、ボズ・スキャッグス、デルフォニックス、他40タイトル。(シティは発売延期)。

今日はその中からこれを。
スリー・ディグリーズ『世界の恋人』
(国内CD 期間生産限定盤 日本語解説付 SICP-6639 1,430円税込)

彼女たちのセカンド・アルバムで、当時出た国内盤はアメリカ盤と違う内容の編集でした。
今回はその1975年に日本で出た当時と同じ形での発売です。

日本で録音された3曲が収録されています。
日本語ヴァージョンの「天使のささやき」、安井かずみ作詞/筒美京平作曲/深町純編曲の「にがい涙」、そして「ミッドナイト・トレイン」。

「ミッドナイト・トレイン」は松本隆作詞(英語詞)、細野晴臣作曲、矢野誠編曲、ティン・パン・アレーの演奏。
スリー・ディグリーズ側の外国人スタッフもビックリしたという程のフィラデルフィア・サウンドに肉薄した音は、47年の時を経ても新鮮です。森勉


2025年3月12日(水) 佐野元春 & THE COYOTE BAND 「自立主義者たち」

佐野元春の新作アルバム『HAYABUSA JET Ⅰ』が本日入荷しました。
2025年でデビュー45周年を迎えた彼の本作は、今までに発表してきた名曲を<再定義>した1枚です。

佐野元春『HAYABUSA JET Ⅰ』
(国内CD 先着ポストカード付 DMA-44 3,850円税込)

THE COYOTE BANDによるアグレッシヴな演奏とアレンジには、ベスト盤やセルフ・カヴァーにありがちなノスタルジーを超えた新しい息吹を感じさせます。
そして、演奏・歌だけでなく、タイトルもオリジナルとは変わった楽曲がありました。

今日のこの1曲は、そんな本作の<再定義>を象徴するナンバー⑦「自立主義者たち」を。

オリジナルは1986年発表作『Cafe Bohemia』の収録曲「インディビジュアリスト」。
当時のバンドHEARTLANDによる、スタイル・カウンシル「Internationalists」(国際主義者たち)を彷彿とさせたエネルギッシュな演奏から、COYOTE BANDにより再定義された今回の本曲は、2025年の現代でも先鋭的に響きます。
それは、イギリスのエンジニアMatt Coltonがマスタリングを手掛けたことも大きく影響しているのでしょう。

佐野元春は、その時代・その瞬間を生きて、その音を掴まえてきたのだ、ということ。
そして、その旅は今も続いているのだ、ということを実感できました。森陽馬


2025年3月11日(火) ヴァン・ダイク・パークス 「英雄と悪漢」(Heroes And Villains)

ヴァン・ダイク・パークスが「英雄と悪漢」を歌い出した瞬間、隣にいたI君は「ウォー!」と驚きの声を上げ、誰よりも早く大きな拍手を送りました。

時は1999年6月、場所は六本木スイートベイジル139でのことです。
僕とI君はかなり前の方で観ることができました。
ライヴの後半、仙人のような姿のリー・スクラーに気を取られていた僕は、I君のその大きな歓声&拍手で「英雄と悪漢」に気づき、つられて拍手をした記憶が残っています。

そう、I君とは色々なライヴへ一緒に行きましたね。ニール・ヤング、デヴィッド・ボウイ、アラン・トゥーサン、etc...。
ローリング・ストーンズのコンサートで、チャーリー・ワッツが投げたスティックを運良く掴むことができたI君は、そのスティックをサランラップで包んで神棚に当時飾っていました。あのスティックはまだあるのかな。

そのI君の葬儀が本日執り行われました。
大好きな音楽を一緒に楽しめて、いい想い出が作れたね。本当にありがとう。

2025年3月26日、27日、4月1日、3日に、ヴァン・ダイク・パークスの来日公演が決まりました。
もし、「英雄と悪漢」が演奏されたら、26年前以上の大きな拍手を送りたいと思っています。森陽馬

★掲載ジャケットは、「英雄と悪漢」が収録されたビーチ・ボーイズ『SMiLE』。


2025年3月10日(月) スーマー 「人生行きあたりばったり」

テレビ・ドラマ『深夜食堂』は大好きな番組です。

毎回テーマになる料理もおいしそうで食べたくなってしまいますし、本当にあんな食堂があったら毎日でも行きたいですね。
最初に出てくる具だくさんのトン汁も寒い夜に食べると、身も心もあたたまりそう・・・。

ということで、今日はこのCDを。

鈴木常吉、福原希己江、スーマー『深夜食堂のうた』
(国内CD ASCU-6104 1,528円税込)

番組の中で使用されている全8曲入り。
もちろん、あの独特のインパクトを持ったオープニング・テーマ、鈴木常吉の「思ひで」も収録。
(新宿の大ガード下を通って、歌舞伎町の前を通り過ぎて行く、あの印象的な映像のバックにかかっている曲です。)

今日の1曲は、エンディング・テーマに使われている時もあったスーマーさんの「人生行きあたりばったり」を。
作曲スーマー、作詞は『深夜食堂』の原作者でもある安倍夜郎です。森勉


2025年3月9日(日) 近藤健太郎 「Find Love」

柔らかなメロディと歌声は春の兆し♪心地良い風が吹きぬけるポップ・アルバム。

近藤健太郎『Strange Village』
(国内CD 歌詞付 VSCF-1780 2,860円税込)

The Bookmarcs、the Sweet Onions、Snow Sheepなどユニットでも活躍するシンガーソングライター、近藤健太郎。
2021年5月発表のソロ・デビュー・シングル「Begin」(7インチ・レコード)以降、待望となるソロ1stアルバムがリリースされました。

幕開けは「Across The Universe」を想起させる「We aren't free(as it is now)」から。
ブリティッシュ・ロック、サンシャイン・ポップ、ネオアコ/ギター・ポップ...管弦楽器を取り入れ丁寧に紡がれたサウンドには、近藤さんのルーツ/フェイヴァリットがぎゅっと詰まっています。
全編英語詞。ブックレットには日本語詞も掲載されています。

プロデュースはソロ・デビュー曲「Begin」(今作にはAlbum Mixで収録)を手掛けた及川雅仁さん。
「She Is Mine」にはコーラス&コーラス・アレンジで杉真理さんが参加!
マスタリングは、microstar/nicely niceの佐藤清喜さんが手掛けています。

本日は当店店長・森勉推し曲、エヴァーグリーンな「Find Love」を今日の1曲に。

先着で特典CD-R『Strange Village Official Bootleg』が付きます!
デモ・トラックなど20分超の音源が楽しめます。東尾沙紀


2025年3月8日(土) SUNNY WAR 「RISE」

“ナッシュビル”はカントリーのイメージが強いのですが、新しいアメリカン・ロックの新譜も生まれています。

SUNNY WAR『Armageddon In A Summer Dress』
(輸入CD NEW WEST Records NW-6599)

SUNNY WARは、ナッシュビル在住の黒人女性シンガー・ソングライター/ギタリスト。
2025年発表の本作『Armageddon In A Summer Dress』が5枚目となるオリジナル・アルバムです。

アラバマ・シェイクスの1stアルバム『Boys & Girls』を手掛けたAndrija Tokicによるプロデュース。
NEW WESTからのリリースで、アメリカン・ルーツと新世代NEW ROCKが絡み合ったバンド・サウンドな仕上がり。
彼女の歌い方には、クリッシー・ハインド的な雰囲気を時折感じますね。

今日のこの1曲は、全体的にはやや重みのあるアルバム中、最もポップで爽やかな③「RISE」を。森陽馬



2025年3月7日(金) Neil Young 「Sail Away」

ニール・ヤングは自らの意見・態度・姿勢を音楽で表現してきました。
そしてこの度、ヨーロッパ・ツアー2025の幕開けとしてウクライナでフリー・コンサートを行いたい、と表明。
思いや主張を表明しづらい中でも、ニールは自身の心・音楽と正直に向き合っているのだ、と感じますね。

そのニール・ヤングの新しいアイテムが本日発売されました。

Neil Young『Oceanside Countryside』
(輸入LP REPRISE/Warner 093624858980/輸入CDは4/25発売予定 国内盤の発売予定はなし)

『Oceanside Countryside』は、ニール・ヤング1978年発表名盤『Comes A Time』の前に、当時リリースする予定だった、という1977年フロリダ&ナッシュビル録音のアコースティック・ナンバーを中心としたアルバムです。

2024年9月に発売されたニール・ヤングの17CD BOX『アーカイヴBOX Vol.3』(
2024年9月7日、8日に今日のこの1曲で紹介)の中に、同名のディスクが入っており、収録曲は同じながらそれとは曲順やテイクが多少違っています。ニール本人が本来出したかった曲順は、本作単体の方とのこと。
LP裏ジャケットには、ニール&息子Zeke Youngと、当時ツアーを廻っていたフィドル奏者Rufus Thibodeauxが一緒に映っている珍しい写真が使われています。

今日のこの1曲は、本作の冒頭を飾る1曲目「Sail Away」を。
ランディ・ニューマンの名曲とは同名異曲のアコースティックで穏やかなニール・オリジナル曲。
『Rust Never Sleeps』(1979)収録の同曲とは別ミックスのリズム・トラックが入っていないヴァージョンです。

なお、ニールの新作として、2023年ソロ・ツアーのライヴ音源『COASTAL』が4/18発売予定になっています。森陽馬


2025年3月6日(木) Gary Louris 「Getting Older」

1990年代初めからずっと聴いている大好きなアメリカン・ロック・バンド、The Jayhawks。
The Jayhawks名義では2020年発表作『XOXO』以来リリースがありませんが、中心人物の男性シンガー・ソングライターGary Lourisの2025年ソロ・アルバムが発売されました。

Gary Louris『Dark Country』
(輸入CD SHAM/Thirty Tigers 11432CD)

2021年発表作『Jump For Joy』(
2021年6月5日今日のこの1曲で紹介)に続く3枚目のソロ作。
前回はバンド的なサウンドでしたが、今作はほぼ彼一人で録音、全体的にアコースティックな仕上がりの1枚。
ラスト12曲目「Perfect Day」(ハリー・ニルソンのカヴァー)以外は彼のオリジナル楽曲が収録されています。
ニール・ヤング的/武骨なアメリカン・ロックに根ざしたソングライティングは健在ですね。

その中から今日のこの1曲は、リード曲①「Getting Older」を。
The Jayhawks時代の名曲「Waiting For The Sun」を彷彿とさせるイントロにグッときました。

ちなみに、ジャケットに映っている女性は、2020年に再婚した妻Steph Louris。
Garyはベタ惚れのようで、本作は彼女へ捧げられており、コーラスで参加もしています。森陽馬


2025年3月5日(水) ビーチ・ボーイズ 「リトル・セイント・ニック」(ステレオ・ミックス シングル・ヴァージョン)

3月に入ったというのに、東京では雪が降ったので、今日はクリスマスの曲です。

入荷が遅れていたこのアナログ・シングル・レコードを。

Beach Boys『Little Saint Nick c/w Auld Lang Syne』
(輸入7inchレコード Capitopl 602468013129)

ビーチ・ボーイズの1963年発表クリスマス・アルバムからの1曲ですが、当時シングル・レコードも発売されました。
LPとは別ヴァージョンで鈴の音が加えられたりしたシングルのみのヴァージョンでした。
シングルなので当時はモノラル・ミックスだったのですが、CDの時代になり、シングル・ヴァージョンもステレオ・ミックスで聴けるようになっていました。

2024年のクリスマス時期にはピクチャー・スリーヴ付でこの7インチ・シングルが出たわけです。
シングル・ヴァージョンのステレオ・ミックスでの発売!

B面は以前とは違う曲で「蛍の光」。
なんと、デニスのナレーションが入ったヴァージョン(ステレオ)。
レコードの色はアイス・ブルー・カラー!森勉


2025年3月4日(火) ティモシー・シャラメ 「Song To Woody」(ウディに捧げる歌)

映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』を、109シネマズ二子玉川IMAXで鑑賞。

上映時間2時間20分が短く感じるほど、映画の世界へ入り込んで感動しました。
若き日のボブ・ディランを描いた物語ですが、ディランを知らない人にこそ観てもらいたい作品ですね。

主演ティモシー・シャラメがディランの曲を自ら演奏しており、物真似を超えた情熱が溢れ出ていました。
ちょっとした仕草や目つきに、ディランの凄みと危うさが見事に表現されていたと思います。

心に残った曲は、クライマックスでの「ライク・ア・ローリング・ストーン」はもちろんのこと、物語最初の場面、ディランが病院にいるウディ・ガスリーを訪ね、彼の前で歌った「ウディに捧げる歌」にグッときましたね。
地味でフォーキーな印象しかなかったこの歌が、ウディの瞳を覗き込むようなディラン(ティモシー・シャラメ)の目線と共に、深く心に刻まれました。

ウディとピート・シーガー、ジョニー・キャッシュ、そしてスージー・ロトロ(役名:シルヴィ)はこの世にもういません。
ディランは当時のことをどのような感情で想いを馳せているのでしょうか。

なお、監督のインタビューによると、ラストのバイク排気音は、“自由”を表現したものだそう。
自由であることは孤独でもあるのだ、ということも実感しました。森陽馬


★掲載ジャケットは、『名もなき者』映画サウンド・トラックのCD盤。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP6558 2,860円税込)
ジャケット違いのアナログLPも出ていますが、「ウディに捧げる歌」はCD盤に収録されています。


2025年3月3日(月) David Guez 「The Wasteland」

「デヴィッドの曲はミックスするのがとても楽しかった!(中略) 彼の2曲のミックスに僕を選んでくれて、とても光栄だった!」
名エンジニア、ボブ・クリアマウンテンが賛辞を贈るシンガーソングライター!

デヴィッド・ゲス『ザ・プライス・オブ・イリュージョン』
(国内CD 解説・歌詞付 PCD-26131 2,860円税込)

デヴィッド・ゲスはフランスを拠点に活動しているイギリス人シンガーソングライター。
2000年代初頭にデビューしたロンドンのバンド、ザ・リアル・チューズデイ・ウェルドにも一時期在籍していたのだそうです。

2019年にソロ1st『An Imperfect Harmony』を発表、今作は彼の2ndアルバムで日本デビュー盤になります。
スティーリー・ダンとの共演で知られるマイケル・レオンハートが2曲参加しています。

AORの洗練された雰囲気、英国らしい親しみやすいメロディ、ウエスト・コースト・ロックの軽やかさが溶け合った1枚。
最初は少し地味に感じたのですが、優しい歌声も心地良くてじわじわと沁みてきます。

本日はピアノのイントロから引き込まれる「The Wasteland」を今日の1曲に。
美しいメロディとアレンジに、10ccのエッセンスを感じました。
この曲のミックスはボブ・クリアマウンテンが手掛けています。東尾沙紀


2025年3月2日(日) Niagara Fall of Sound Orchestral 「幸せな結末」

ニューオリンズのカーニバル、マルディグラも魅力ですが、日本のお祭りといえば盆踊り。
2023年、2024年に行われ大盛況だった<ナイアガラ盆踊り>が2025年も開催決定いたしました!

ナイアガラ盆踊りは2025年7月12~13日、会場は代々木公園イベント広場・ケヤキ並木です。
7月12日には『大滝詠一ナイアガラ・レコード50th Anniversary Special Live(仮)』というコンサートが、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催。7月13日には鈴木茂ライヴ『大滝詠一を唄うVol.9』があり、更に7月から<大滝詠一ナイアガラ・レコード50周年記念展>も神保町New Galleryで開催予定だそうです。

2025年はナイアガラ・レコード50周年と同時に、大滝詠一さんの13回忌でもあります。
色々なリリースやイベントを通して、大滝詠一さんが紡いだGOOD MUSICが次世代に引き継がれるといいですね。

ちなみに、3月21日発売『Complete Niagara Song Book』のジャケットが公開されました。
(2025年3月21日発売 国内3枚組CD SRCL-13110 5,940円税込/アナログ盤は7月発売予定)
わたせせいぞう氏によるイラストが素敵ですね。

今日のこの1曲は、インスト集『Complete Niagara Song Book』に収録される「幸せな結末」を。
2023年に発売された8cmシングルに収録のカラオケとは同じ?or違うヴァージョンかな?
発売を楽しみに待ちましょう。森陽馬


2025年3月1日(土) HOT 8 BRASS BAND 「Let's Stay Together」

ニューオリンズで伝統的に行われているカーニバル(祭)、マルディグラ。
毎年2月中に行われることが多いのですが、2025年は3月4日(火)に行われます。

ニューオリンズの中心街フレンチクォーター、特にバーボン・ストリート周辺は、マルディグラ・インディアンのパレードとそれを観に来た観光客で大賑わいとなるでしょうね。現地にいたら楽しいだろうな~...。

さて、ニューオリンズ発の新譜オススメ盤を紹介しましょう。

HOT 8 BRASS BAND『BIG TUBA』
(国内仕様CD 林剛氏による日本語解説付 BRTRU-462 2,310円税込)

1995年結成のニューオリンズ・ブラス・バンド、HOT 8 BRASS BAND。
フル・アルバムとしては2017年作『On The Spot』以来の新作。UKのレーベルTru Thoughtsからのリリースです。

コロナ渦の2021年に、創設メンバーでリーダーのTUBA奏者Bennie PeteがCOVID19に罹り45歳の若さで他界。
本作『BIG TUBA』は、亡くなったその彼に捧げられています。

といっても暗さはなく、セカンドラインとブラス、HIP HOP的フロウが絡んで、ファンキーな仕上がりの1枚♪
今日のこの1曲は、ラスト10曲目アル・グリーン「Let's Stay Together」のカヴァーを。
生前のベニーが演奏しているTUBAの音も、このトラックに入っています。森陽馬

★PET SOUNDS RECORDが選ぶ2024年ベスト・アルバム、コラム・コーナーにて。


これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■

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