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2006年12月1日(金) Fred Martin & the Levite Camp feat Jackson Brown
「World In Motion / Yes We Can Can」 |
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70年代から活動を続けているシンガーソングライター、ジャクソン・ブラウン。彼自身のオリジナル・アルバムはここ最近発売されていないのですが、フレッド・マーティンという黒人アーティストのデビュー作を全面プロデュース(!)し、更にメイン・ヴォーカルでも参加していたので、ご紹介したいと思います。
このアルバム(Fred Martin & the Levite Camp 『Some Bridges』 CCD-2288-2)は、Concordというジャズ・レーベルから発売されているのですが内容はゴスペル・アルバム。“ゴスペル”といっても完全にクワイヤのみというのではなく、程よくロック的アレンジも施されており、演奏もタイトで聴きやすい仕上がり。
この「World In Motion / Yes We Can Can」が1曲目なのですが、いきなりジャクソン・ブラウンのメイン・ヴォーカルから始まりちょっとビックリ。次第にゴスペル・グループ“Levite Camp”のメンバーにヴォーカルが移っていき、そして楽曲もジャクソン・ブラウンの1989年作「World In Motion」から、アラン・トゥーサン作「Yes We Can Can」に変わっていく、という構成が見事。
他にもアメリカの政策を批判した内容の1989年作「Lives In The Balance」のゴスペル的なアレンジ、そしてジャクソン・ブラウンがメイン・ヴォーカルをとるバラード曲のE「Don't You Want To Be There」なども聴きものです。
ちなみに裏ジャケットにはジャクソン本人も写っています。森 陽馬
★ おかげさまで仮店舗も12月3日で1周年を迎えます。
(旧店舗も含めると約26周年!) |
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2006年12月2日(土) Leah Kunkel 「Losing In Love」 |
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70's女性シンガー好きの方には本当に待望のCD化!
ジャクソン・ブラウンやジェイムス・テイラーの名作に参加している名ドラマー、ラス・カンケルの奥方であり、ママス&パパスのキャス・エリオット(ママ・キャス)の実の妹であるリア・カンケルが発表したアルバム2作を、1枚のCDにコンパイル。お買得仕様で遂に再発されました。(国内盤解説はハイファイの大江田信さん、SG-5 \2,625)
1979年及び1980年発表ながら80年代サウンド特有の軽さはなく、アンドリュー・ゴールド、クレイグ・ダーギー、リー・スクラー、そして夫のラス・カンケル等が味のある演奏でバックを固め、更にスティーヴ・ルカサーが数曲でなかなかにいいギター・ソロを披露しています。
この「Losing In Love」は当時は1stアルバムB面の1曲目に収録されていた曲ですが、切ないメロディーとポップなサウンドの取り合わせがウエスト・コースト・ロック・ファンにはたまらない1曲で、ジャクソン・ブラウンがコーラスで参加しています。
ちなみに10曲目に収録されているスティーヴン・ビショップ作「Fool At Heart」も個人的に大好きな1曲。そのスティーヴン・ビショップも他の曲でギター&コーラスで参加しています。森 陽馬 |
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2006年12月3日(日) The Ronettes 「Frosty The Snowman」 |
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クリスマス・シーズンにもし無人島に行くなら『A CHRISTMAS GIFT FOR YOU』(通称『フィル・スペクターズ・クリスマス・アルバム』 abkco 066511-2)を持っていきたいですね。クリスマスという雰囲気を出すために鈴や鐘の音が重要ですが、それらの音がスペクターが作り出すウォール・オブ・サウンドに実にフィットしているのです。
楽曲もほとんど耳なじみのクリスマス・スタンダードと呼ばれる曲というのがいいです。
原曲をくずさない正統派なのに、個性豊かなアレンジは最近多いフェイクしたカヴァーとは基本が違う質感を伝えてくれます。それが1963年発売にもかかわらず、現在まで愛し続けられている理由なのでしょうね。
どの曲も素晴らしいので迷いましたが、ハル・ブレインのドラミングとカスタネット連打に負けないロニー・スペクターの歌が魅力のこの曲を。
P.S 現在出ているCDは2002年にabkco(アブコ)から出たもの。
ジャケットにある“DIGITALLY REMASTERED BY PHIL SPECTOR”(フィル・スペクターが直々にリマスターしたということ?)という文字はちょっと眉唾ものですが、以前より音圧がグッと上がった音質になっています。森 勉 |
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2006年12月4日(月) EPO 「12月のエイプリルフール」 |
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“冬の歌”というと、みなさんはどの曲を思い出しますか?
印象深いクリスマス・ソングもたくさんありますが、僕が個人的にまず思い浮かんだ大好きな曲はEPOが歌っているこの曲。
EPOというと、“おれたちひょうきん族”で使われていたシュガーベイブの名曲カヴァー「Down Town」の印象が強いかもしれませんが、他にもいい曲をたくさん歌っています。(ちなみに現在は歌手だけでなく、セラピストとしても活躍しているそうです)
この「12月のエイプリルフール」は1986年発表MIDI移籍第一弾アルバム『PUMP PUMP』に収録されている切ない失恋ソング。実らない恋・片想いのシチュエーションと切ない恋心を描いた歌詞が秀逸で、彼女の歌声も嫌味がなくて、聴いていてスッと入ってくる素晴らしい1曲。ホント学生の頃、不思議とEPOは好きでよく聴いていたので、久々に聴くと懐かしくてイイですね。
ちなみにこの曲、現在は名曲タップリの編集盤『ゴールデン・ベスト』(BVCK-38099 \1,980)で聴くことができます。森 陽馬 |
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2006年12月5日(火) ASIAN2 「ASIAN VIBRATION」 |
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長野県松本発、日本人5人グループ、ASIAN2。(エイジアン・ツーと読みます) すでにCMなどで「遠く」という曲が彼らのPVと共にガンガンかかっていたのでご存知の方も多いでしょう。
その「遠く」のイメージからか、ASIAN2は“ミディアム〜スロー中心のヴォーカル・グループ?”というイメージが先行しているようです(かくいう私もそういうグループだと思っていました)が、本日発売の1stアルバム(『five men l'mant』 AVCD-16113 \2,940)を聴いてビックリ。彼らはソリッドかつファンキーなロック・サウンドがかっこいい“ROCK”バンドでした。
ヴォーカルというかMCはHIP HOP的なので、HIP HOPを全く受け付けない、という方には辛いかもしれませんが、嫌味のないフロウなので、思ったよりもスッと歌詞が入ってくる感じ。まあそれ以上に、ハイハットを効果的に使ったファンキーなドラミングと、ソロ&カッティングが冴え渡るグルーヴィーなギターが際立っているので、幅広いJ-POPファンにアピールできる作品だと思います。
スタジオ・ミュージシャンを使っているのかな?と思いきや、ASIAN2自体がMC二人にドラム、ギター、ベースの5人グループなので、サポート・キーボード以外はほぼ全て自分達でアレンジ含めやっている模様。個人的にはこれからは、“和製アイズレー・ブラザーズ”を目指して欲しいバンドです。森 陽馬 |
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2006年12月6日(水) Swing Out Sister 「Forever Blue」 |
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本日夕方過ぎに書籍『無人島レコード2』が入荷。
まだジックリ読み込めてないですが、ホント実に楽しい本ですね。その人それぞれの思い入れがタップリ詰まったレコードとその紹介文を読んでいると、何故だかこちらまで幸せな気持ちになってくるから不思議。(ちなみに、グレン・ティルブルックと伊藤銀次さんが『ペット・サウンズ』を選んでいました!)
さて、もちろん思い入れのある音楽・レコードというのは個人的にも色々とありますが、学生時代に聴いていたものがやはり多いような気がします。その中でも特によく聴いていたこのアルバムが先日久々に、それも安い値段でCD化されたので紹介しましょう。
スウィング・アウト・シスターはマンチェスター出身、アンディ・コーネルを中心とした3人組(1stアルバムリリース後1人脱退し2人組に)として1985年にデビュー。女性ヴォーカル、コリーン・ドリューリーの爽やかな歌声とスタイリッシュ・サウンドが人気のグループで、この2ndアルバム『カレイドスコープ』(UICY-6597 \1,680)は1989年発表の名作アルバム。
1曲目のオールディーズ的な心弾む曲構成の「You On My Mind」が大好きなのですが、今日の1曲は3曲目に収録されているちょっと切ないこのバラード曲を。
オーケストラ・アレンジをあのジミー・ウェッブが手掛けていて、まさにアルバム・タイトル通り、万華鏡を覗いているようなドリーミーな世界を演出しています。森 陽馬 |
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2006年12月7日(木) 竹内 まりや 「Never Cry Butterfly」 |
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松たか子主演ドラマ『役者魂』の挿入歌になっている竹内まりやさんのNewシングル「スロー・ラヴ」が発売。(WPCL-10388 \1,000)
夫の山下達郎氏を中心に伊藤広規(B)、佐橋佳幸(G)、難波弘之(P)他お馴染みのメンツによるゴキゲンなその「スロー・ラヴ」もいいですが、今日のこの1曲はB面(2曲目)のこの曲を。
「Never Cry Butterfly」は元々は杉真理、松尾清憲を中心としたグループ、ピカデリー・サーカスが1999年に発表したアルバム『Piccadilly Circus』(残念ながら現在は廃盤)に収録されていた曲で、作詞:杉真理、作曲:杉真理&伊豆田洋之のナンバー。
そのアルバムには竹内まりやさんもコーラス参加していましたのでその恩返しという感じでしょうか? ピカデリー・サーカスの面々(杉真理、松尾清憲、風祭東、上田雅利、橋本哲、伊豆田洋之、山本圭右、小泉信彦)がバックを担当。「返信」とはまた違ったタイプのスローなナンバーですが、まりやさんの歌唱がとにかく素晴らしい1曲です。
ちなみに村田和人さんのMoon時代のアルバム再発と一緒に山本圭右さんのグループ、PIPERの作品も先日CD化されましたが、その山本圭右さんのギターが非常にいい味付けとなっています。森 陽馬 |
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2006年12月8日(金) 村田 和人 「電話しても」 |
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村田和人(カズヒト)が1982年から1987年にかけてムーン・レコードから発表したアルバム5枚が素晴らしい形で紙ジャケCDになりました。
最新リマスター、本人が語る充実のライナーノーツ、そしてたくさんのボーナス・トラック。友達のようなファンとしてとてもうれしい再発です。
どの曲を取り上げるか悩みました・・・。「レディ・セプテンバー」、「グレイハウンド・ブギ」、「ビー・ウィズ・ユー」、「サマー・ドリーム」、「ソー・ロング・ミセス」、「ニコニコ・ワイン」、「ウィークエンド・ラヴ」、「あの波をつかまえて」、「セクシー・パシフィック」、「サマー・ヴァケイション」、「ジャスト・ア・リトル・ラヴ」、「オーリアンズ」、「ボーイズ・ライフ」、などなど、挙げていくとキリがないのですが・・・。
原点回帰 ― 彼の曲で一番最初に耳にしたファースト・アルバム『また明日』の1曲目「電話しても」が僕にとっては想い出の曲でしょうか。
山下達郎のギターが、そして村田和人のよく伸びるヴォーカルが、1981年店をオープンして1年目の“ペット・サウンズ”の夏を彩ってくれたことを想い出します。
今回なんと鈴木茂アレンジの別ヴァージョン(WOW!!!)もボーナスで収録! これも聴き逃せません。森 勉 |
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2006年12月9日(土) Los Lobos 「Little Things」 |
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「ラ・バンバ」の大ヒットで知られるメキシコ系アメリカ人バンド、ロス・ロボスの新作『The Town And The City』(CTCW-53087 \2,100)。
ラテン系特有の楽しいライヴや「ラ・バンバ」カヴァーの印象が強いせいか、この新作を一聴した時は結構地味な印象を受けましたが、聴いていくうちにだんだんと沁みてくるようになりました。
8曲目に収録されたこの今日の1曲「Little Things」は、その中でも特に味わい深いナンバーで、この曲の印象を一言で表現すると、
“ザ・バンドがプロコル・ハルムの「青い影」を演奏している”感じの1曲。
ちなみに五十嵐正さんによるライナーノーツにも書かれていますが、来年発売予定のザ・バンドのトリビュート・アルバムに、このロス・ロボスも参加しているそうです。森 陽馬 |
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2006年12月10日(日) Roddy Frame 「Small World」 |
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今年新作が発売され秋に単独来日公演も行った彼ですが、個人的に大好きアルバムで、秋から今の季節にかけて聴きたくなるのが4年前に発売された2ndアルバム『Surf』(TECI-24131 \2,520)です。
クリスマス・アルバムではなく、冬をコンセプトにしたアルバムという訳でもありませんが、全編アコースティックでの落ち着いた弾き語りとどこかひんやりとした音の響きが、今の時期にピッタリとハマっているような気がするのです。
地味なアルバムですが、添加物が一切無いだけに美しいギターの音色を楽しむ事が出来ます。暖かみのある歌声もいいです。
静かな夜や冬の散歩道のお供にオススメのアルバムです。東尾 沙紀
★12月11日(月)は店舗休業日となります。ご了承くださいませ。 |
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2006年12月11日(月) Livingston Taylor 「Life Is Good」 |
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約7年半前、アメリカ旅行の帰りに友人が留学しているサンフランシスコを訪ねた時のこと。リヴィングストン・テイラーの公演が宿泊地にほど近い場所であることをたまたま読んだ地方紙で知り、観光の予定を急遽変更して彼のライヴを観に行ったことがありました。
小屋のような小さいそのライヴハウスで見た彼のライヴは今でもとても記憶に残っています。終演後は珍しい(?)日本人客である私に気さくに話しかけてくれて、一緒に写真を撮ったのもいい思い出です。
その彼の来日公演(草月ホールat青山)を本日見に行ってきました。
約7年半。長いようで短い歳月。
人はよく「時が過ぎるのは早い」と軽々しく言うけれども、当然のことながらその間、誰しも何もせず生きていたわけではないはずです。皆楽しいこともあれば、悲しいこともあって、時に落ち込むこともあったと思う。
その様々な経験と思い出を聴く者に呼び覚ましてくれる彼の温かい歌声は、7年前とまったく変わっていませんでした。
日々、目まぐるしく移りゆく現代において、なんとかそれに順応しようと生きている僕らは“変化”することに価値を見出しがちです。
かくいう僕も開演前は、この7年半で自分自身何が変わっただろう?と自問自答していましたが、彼の変わらない歌声を聴いて、<“変化”することが重要だとは限らない>ことを改めて実感することができました。
その7年半前に一緒に撮った写真を直接手渡しはできませんでしたが、またいつか再会できる時が来ることでしょう。
自分自身音楽に対する変わらぬ思いをずっと抱き続けて、彼の変わらぬ歌声をまた聴く機会が訪れることを楽しみに待ちたいと思います。森 陽馬
(ジャケットは「Life Is Good」収録の88年発表作『Life Is Good』 MHCP-1207 \1,890) |
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2006年12月12月(火) Marshall Crenshaw 「(It's Going To Be) Lonely Christmas」 |
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マーシャル・クレンショウというと、映画『ラ・バンバ』にバディ・ホリー役で出演していたのが印象深いですが、その彼が歌うクリスマス・ソングが収録されているコンピをご紹介しましょう。
dB'sはChris Stameyを中心に70年代後半に結成されたポップ/ロック・グループ。元々そのChris Stameyが80年代に7'EPで「Christmas Time」というシングルを出していたようなのですが、その楽曲も含め、彼の友人たちのクリスマス楽曲を集めてこの度CD化したのがこの1枚『Christmas Time Again』(Collector's Choice 745)。
このコンピにマーシャル・クレンショウやアレックス・チルトン、そしてアレックスが在籍していたBig Starの音源も収録。マーシャル・クレンショウのこの楽曲は勉強不足のためオリジナル曲かどうかよくわからないのですが、雰囲気タップリのスロー・ナンバーでオススメのナンバー。
他の曲もゴキゲンなナンバーが多くて、相変わらずギターのチューニングが合ってないようなアレックス・チルトン及びBig Starのクリスマス・ソングが味があって良かったです。森 陽馬 |
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2006年12月13日(水) Nicola Kramer 「Help Me」 |
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良質なCLUB MUSICや現在進行形のSOUL/JAZZの新作アルバムをコンスタントにリリースしているレーベル、Village Againより発売になった女性シンガー、ニコル・クレーマー。
ジャザノヴァやクープなどのCLUB MUSICがお好きな方にはオススメなサウンドで、打ち込みとアコースティック・サウンドが程よくブレンドされた音作り。ジャンル的にはCLUB MUSICになるのかもしれませんが、澄んだ彼女のヴォーカルも美しくてNice!その彼女の1stアルバム『The Other Side』(VIA-51 \2,100)の1曲目に収録されているのがなんとこの曲。
ジョニ・ミッチェルが74年に発表した名作『コート・アンド・スパーク』の2曲目に収録されている「Help Me」のカヴァー。
原曲とほぼ同じアレンジで、なおかつ彼女の歌声が素晴らしいので、打ち込みの音を使っていますがあまり気にならない仕上がり。
ジャザノヴァのコンピに収録されCLUB界で話題のナンバーになっているらしいのですが、女性シンガー好きの方も要チェックの1曲です。森 陽馬 |
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2006年12月14日(木) SILK 「Sideshow」 |
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「サイドショー」というと、フィラデルフィアのハーモニー・ソウル・グループ、“ブルーマジック”のスウィート・ソウル大名曲として知られていますが、“シルク”がその名曲を新作でカヴァーしていて、なおかつ出来も素晴らしく良かったのでこちらで取り上げることにしました。
“シルク”はLA出身のソウル・コーラス・グループで、92年にキース・スウェットの肝入でデビュー。50'sドゥーワップと70'sソウルをルーツに持ち、その後もコンスタントに作品を発表していたものの、ここ最近の作品はちょっとメジャー的志向が強すぎた感がありましたが、今作『Always And Forever』(Shanachie 5763 \2,280)は、ソウルの名曲をシンプルなアレンジでカヴァーした快作に仕上がっています。
選曲も渋くて、このブルーマジック「sideshow」以外にもタイトル曲である「Always And Forever」はヒートウェイヴ、A「Adore」はプリンス、そしてI「Two Occasions」はベイビー・フェイスが在籍していたディールの曲などかなり通好みながら内容は最高!ムーディーなコーラスがたまりません。
ちなみにこれをリリースしているShanachieレーベルは、これまではルーツ・ロックなどを中心にリリースしていましたが、こういうソウルものも出しているんですね。Shanachieレーベル、要チェックです。森 陽馬 |
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2006年12月15日(金) オーサカ=モノレール「Pick Up The Pieces One By One」 (Part 1&2) |
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今年も様々なライヴを見に行きましたが、マーヴァ・ホイットニー&オーサカ=モノレール(at 渋谷クワトロ 2006年6月8日)のライヴは、特に印象に残っています。
復活!マーヴァ・ホイットニーのより貫禄を増したシャウトはもちろんのこと、彼女の日本ツアーのバックを務めたオーサカ=モノレールの男気ある演奏、そして何よりもそれを暖かく、いや熱く見守った観衆の盛り上がりは本当に素晴らしかった! “ライヴの良さ”というのを痛感した一夜でした。
その中田亮率いるオーサカ=モノレールの新作(『REALITY FOR THE PEOPLE』 PCD-23863 \2,415)が、マーヴァ・ホイットニーの38年振り(!)の新作と共に本日発売。どちらもFUNK魂溢れる濃い1枚に仕上がっています。
ちなみに今日のこの1曲「Pick Up The Pieces One By One」は、一見するとあのアヴェレイジ・ホワイト・バンド(以下AWB)の曲?と思われるかもしれませんがそうではなくて、AWBのヒット曲「Pick Up The Pieces」自体がJBの「Hot Pants Road」を借用して作った曲であるためにJBが怒ってそれに対抗し、AABB(アバーヴ・アヴェレイジ・ブラック・バンドの略)名義で発表したJB作:1975年発表のシングル楽曲。
昨年発売されたオーサカ=モノレールのライヴ盤、そして限定7'EPでもカヴァーしていましたが、この度スタジオ録音でアルバム収録となりました。森 陽馬 |
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2006年12月16日(土) 吉田 美奈子 「かたおもい」 |
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冬になると聴きたくなるアーティスト、というのが何人かいますが、僕にとっては吉田美奈子さんもそのうちの1人です。
彼女の73年発表1stアルバムのタイトルが『扉の冬』だからかもしれませんが、彼女の楽曲には“冬”が舞台になっている曲が多いような気がします。この1976年発表3rdアルバム『フラッパー』(BVCK-38017 \1,800)も、当時は3月発売の作品なのですが、録音が1975年12月及び1976年1月だったということもあって、“冬”を感じさせる1枚。
一般的には多くのアーティストにカヴァーされている大滝詠一作の大名曲「夢で逢えたら」が収録されていることで有名なアルバムですが、他の曲も非常に質の高いイイ曲がたくさん収録されている名作です。
特に僕が好きなのは2曲目に収録されているこの「かたおもい」。
矢野顕子作詞・作曲で印象的なピアノも矢野顕子が弾いていて、更にバックはティンパンのメンツ。<細野晴臣(B)、鈴木茂(G)、林立夫(Dr)他参加> 矢野さんのピアノのイントロと鈴木茂の中間のタメの効いたギター・ソロがイイですね。
昨年発売された林立夫さんのコンピにもこの曲が収録されていたように、林さんの隠し味的なドラミングにも注目の1曲です。森 陽馬 |
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2006年12月17日(日) Paul Weller 「Here's The Good News」 |
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来年のデビュー30周年に向けて、旧譜の再発や限定商品のリリースが続々と決まっているポール・ウェラー。ファンとしては嬉しいような、でも出費が増えて悲しいような複雑な心境です...。
今週は彼の『ヒット・パレード』なる初回限定4枚組アンソロジーBOXが発売されました。(初回限定盤 UICY-90247 \4,200)
ジャム〜スタカン〜ソロ現在までのシングル曲を中心に全67曲を収録。
DVDケース程の入れ物に、一体型の60ページに及ぶブックレット付きで、更に日本盤のみブックレットの翻訳、橋本徹&山下洋&油納将志の対談、歌詞、対訳、ディスコグラフィーなどが載っている解説書が外付けされています。
特に珍しい音源が入ってる訳ではありませんが、4枚で4,200円(!)とお得なベストなので、ファンの方で全て揃えたいという方や初めて聴かれる方にもいいと思います。
さらに同名のPV映像を中心とした2枚組DVDも発売されました。映像で見る変化もなかなか面白いですよ。東尾沙紀
★12月18日(月)は店舗休業日となります。ご了承くださいませ。 |
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本日は今年最後の休業日だったので何か映画を、と思い、前から気になっていた『長い散歩』という邦画を見に行きました。
奥田瑛二監督、緒形拳主演、モントリオール世界映画祭で見事グランプリを獲得した作品で、子供への教育、幼児虐待、そして家族というものを見つめなおした社会性の強いテーマが、普段僕らが忘れかけていた日本の季節感や情緒と共に描かれている静かな力作。日本独特の風景や紅葉の映像が印象的に撮られていました。
さて、その映画のラストに流れるのが、UAによって歌われる「傘がない」。
オリジナルは井上陽水の72年発表の名曲(1stアルバム『断絶』に収録)で、このUAのヴァージョンは2004年に発売された井上陽水トリビュート・アルバム『YOSUI TRIBUTE』(FLCF-4038 \3,200)に収録。
♪都会では自殺する若者が増えている♪という歌いだしで始まる歌詞は、この映画の物語を象徴しており、奥田瑛二自らこの曲の使用を決定したそうです。森 陽馬 |
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2006年12月19日(火) Jerry Lee Lewis feat Jimmy Page 「Rock and Roll」 |
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ロックン・ロールの生き証人、ジェリー・リー・ルイス。今年で71歳になる彼が新作を発表しました。
すでに数ヶ月前に輸入盤で発売になっていましたが、国内盤は英文ライナーノーツの翻訳&歌詞付き、更に紙ジャケット仕様(ダブル・ジャケット)で本日入荷。国内盤を待って良かったです。(『ラスト・マン・スタンディング』 VICP-63671 \2,520)
もう内容がどうこうではなく、とにかくゲストがハンパじゃなく豪華!
ジミー・ペイジ、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ロニー・ウッド、ニール・ヤング、ロビー・ロバートソン、リンゴ・スター、エリック・クラプトン、ジョン・フォガティ、B・スプリングスティーン、B.Bキング、バディ・ガイ、ドン・ヘンリー他、全21曲全てデュエット(楽器も含め)だというから凄い!
どの曲でも71歳とは思えないアグレッシヴなピアノ・プレイとヴォーカルを披露してくれているジェリーですが、1曲目「ロックン・ロール」で、ジミー・ペイジのギターに負けじと頑張るジェリーのピアノがジャケット同様強烈! 他にもジョン・フォガティ(元CCR)による「トラヴェリン・バンド」での熱いピアノも印象的です。森 陽馬 |
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2006年12月20日(水)David.T.Walker 「Only Love Can Break Your Heart」 |
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1960年代からセッション・ギタリストとして様々なレコーディングに参加していたギタリスト、デヴィッド・T・ウォーカーが、“Odeレーベル”(キャロル・キングの名作をリリースしていたことで有名)から発表した70年代のソロ名義の名作が遂に世界初CD化となった。
地味だけれどこれは快挙といっていいだろう。ジャズ・ファンはもちろん、ソウル/ロック・ファン、そしてギター好きの方なら是非聴いてもらいたいアルバムだ。
バック・ミュージシャンもジョー・サンプル(key)、ウィルトン・フェルダー(b)、ポール・ハンフリー(ds)、ビリー・プレストン(key)と鉄壁の布陣。名エンジニア、ボブ・アーウィンによるリマスターというのも見逃せない。
今日のこの1曲は、71年発表アルバム『David.T.Walker』(VACM-1297 \2,625)の7曲目に収録されているニール・ヤングの名曲カヴァー。この次の8曲目「What's Goin' ON」もグルーヴィーでかっこいいが、彼の魅力的なギターは、スロー〜ミディアムのナンバーでこそ輝きを増す感がある。
名ギタリストは数多かれど、デヴィッド・T・ウォーカーのギターの音色は特別な響きを持って伝わってくる。
主張しているわけでは決してなく、語りかけるようにギターが“歌っている”のだ。森 陽馬 |
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2006年12月21日(木) Phil Spector 「Spanish Harlem」 |
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「スパニッシュ・ハーレム」は、ベン・E・キングがドリフターズから脱退してソロ・シンガーとして最初に放ったヒット曲です。1960年暮れに発売され、1961年に大ヒットしました。
プロデューサーはジェリー・リーバー&マイク・ストーラー、曲を作ったのはジェリー・リーバーとフィル・スペクター。
なんと、なんと、そのフィル・スペクター自身が歌っているデモ・ヴァージョンのような音源が発売されました。彼自身のギター弾き語り!!
こんなものがあったのですね。それを発売してしまっていいのでしょうか? 即、生産中止・廃盤にならないことを祈っています。
そのフィル・スペクターのデモ音源は『Phil Spector's Wall Of Sound Retrospective』と題された全22曲入りのオムニバス盤の22曲目に収録。1〜21曲目まではクリスタルズ、ロネッツ、ダーレン・ラヴなどの有名曲がズラリ。新しいマスタリングで音のかたまりとも言えるスペクター・サウンドが楽しめます。
そして22曲目、スタジオに1人残ったフィル・スペクターが静かにギター片手に歌う...、という夢のような雰囲気を味わえる演出のCD構成。ニクイ作りですな、実に。うれしいクリスマス・プレゼントになりました。
そう、このCDはスペクターのクリスマス・アルバムとして有名な『A Christmas Gift For You』(12月3日のこのコーナーでも取り上げましたね)との2枚組での発売<『Phil Spector Collection』(Abkco 1715588)>となっています。森 勉 |
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2006年12月22日(金) 空気公団 「おはよう今日の日」 |
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空気公団は、ヴォーカルが荒井由実に似ている、とよく言われている山崎ゆかり&戸川由幸を中心にしたグループ。
一時期初期メンバーが脱退したこともあり活動を休止していましたが、サポート・メンバーだった窪田渡が正式メンバーとなり、トリオ編成で再出発。先日久々のミニ・アルバムが発売されました。(『おくりもの』 BNCL-28 \1,800)
これが6曲入りながらどれもすごくイイ曲で、寒くなってくるこの冬にじわじわと沁みてくる温もりあるメロディー&サウンド、そして彼女のやさしい歌声が素晴らしい出来。何度リピートしても飽きませんね。
今日のこの1曲「おはよう今日の日」は1曲目に収録されていますが、日々の日常を描いた歌詞が穏やかで、初期に立ち返ったような雰囲気。聴いていてホッとしてきます。
まだ空気公団を聴いたことがない方にこそオススメしたい1枚。森 陽馬 |
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2006年12月23日(土) Tom Waits 「Innocent When You Dream」 |
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この季節になると大好きな映画『スモーク』(1995)のラスト・シーンを思い出します。
ハーヴェイ・カイテル演じるオーギーが語る“オーギー・レーンのクリスマス・ストーリー”。
原作はポール・オースターというアメリカの小説家による短編なのですが、その原作を印象的なモノクロで映像化しています。
その泣ける場面で流れるのが、トム・ウェイツ「Innocent When You Dream」(邦題:夢見る頃はいつも)。
もう20年前になるのですが、どちらかというと彼のキャリアとしては中期〜後期に位置する1986年に発表された『フランクス・ワイルド・イヤーズ』(UICY-6454 \1,680)に収録。
70年代に在籍していたアサイラムからアイランド・レーベルに移り、彼独特のダミ声にも更に拍車がかかったこともあって、中期以降の彼は馴染みにくいイメージがありますが(実際聴きづらい曲もありますが)、この曲は初期の名曲に勝るとも劣らない1曲。
映画『スモーク』のその場面で聴くとより沁みてきますので、未見の方は是非映画も御覧になってみてください。森 陽馬 |
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2006年12月24日(日) アレサ・フランクリン 「小さな願い」 |
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バート・バカラック&ハル・デイヴィッド作の名曲「小さな願い」(原題:I Say A Little Prayer)はディオンヌ・ワーウィックも歌っていますが、やはりアレサ・フランクリンのヴァージョンが一番でしょう。
彼女のベスト盤にも収録されていますが、オリジナル・アルバムとしては1968年発表『Aretha Now』(WPCR-25205 完全限定盤 \1,500)に収録。
その名盤がめでたく国内盤・解説付き、及びデジタル・リマスター、なおかつ1,500円という超お手頃価格!で再発されました。
豪放なファンク・ナンバー「Think」に続いて2曲目に収録されているのですが、切ないメロディーとアレサのややフェイクしたシャウト&歌い方がなんといっても素晴らしい。
<“ソウル・ディーヴァ”と呼ばれる黒人女性シンガー数多かれど、本当のディーヴァはアレサ1人!>とも言われる彼女の名作なので、願わくば限定盤ではなく半永久的にカタログとして残して欲しい1枚です。
ちなみにみなさんの“小さな願い”はなんですか? 僕の“小さな願い”は・・・。森 陽馬 |
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2006年12月25日(月) James Brown 「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine」 |
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あのジェイムス・ブラウンが急逝!(肺炎にて逝去。享年73歳)
例年よりも暖かく晴れやかなクリスマスに非常に残念なニュースが舞い込んできた。
おそらくほとんどのソウル・ファンが、「なんだかんだトラブルを起こしつつもJBは100歳近くまで生き続けるんだろう」と思っていたのではないだろうか? 実際、今週末にもツアー日程が入っていたそうだ。でもこれが現実...。“ソウル界のゴッド・ファーザー”は帰らぬ人となってしまった。
東京では夜になると涙雨のように冷たい雨が降ってきた。合掌。森 陽馬
(ジャケットはJBのクリスマス・アルバム) |
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2006年12月26日(火) Marva Whitney 「Give It Up Or Turnit A Loose」 |
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今年は2月から3月にかけてジェイムス・ブラウンがデビュー50周年記念コンサートとして来日。それと入れ替わるようにして6月には70年代JBバンドの歌姫、マーヴァ・ホイットニーが来日して素晴らしいライヴを披露。そして更に12月中旬にはそのマーヴァの38年ぶりとなる新作が発売され、JBファンク・ファンにとってはここ数年の間でもプレミアムな1年となっていただけに、こういうかたちで1年が締めくくられるのは本当に残念でなりません。
日本が誇れる大阪出身オーセンティック・ファンク・バンド、“オーサカ=モノレール”をバックに従え貫禄タップリに歌われるこのマーヴァの新作(『『I AM WHAT I AM』 SHOUT-201 \2,415)をJBは生前聴いてくれたのでしょうか?
1970年発表JBの代表作『Sex Machine』に収録されている「Give It Up Or Turnit A Loose」のカヴァーもこのマーヴァの新作に収録されており、新録音とは思えないような渋いファンク・クラシック的な出来。(CDに入っているのは5分強のヴァージョンですが、オリジナル・テイクは18分にも及ぶそうです。)
叶わなくなってしまいましたが、オーサカ=モノレールの演奏をバックに歌うJBを見てみたかったです。森 陽馬 |
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2006年12月27日(水) 大貫 妙子 「アヴァンチュリエール」 |
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大貫妙子がJ-WAVEの番組にカムバックしています。
水曜日の深夜3時から5時の2時間。普通に生活している者には聴くのが厳しい時間帯ですが、タイマー録音などで時々楽しんでいます。新旧洋邦織り交ぜた素晴らしい選曲に硬軟使い分けた話、ラジオとはこうあるべきという番組です。
その彼女が1978年から1984年にRCA(現BMG)で発売した6枚のアルバムがリマスターされ、紙ジャケCDとなりました。今日はうちの店がオープンした1981年に発表された『アヴァンチュール』(BVCK-37119 \2,100)からの1曲です。
1967年制作のフランス映画『冒険者たち』の世界を想い出させてくれるメロディーと歌詞が印象的です。
1980年代に入ってからの彼女は自分自身の歌唱スタイルを見つけ出し、フランスの音楽や映画のテイストをうまく使った作品がいい持ち味になりましたが、その中でも個人的にこの曲は昔から好きな曲です。歌が出てくるまで1分間もあるイントロも効果的。アレンジは坂本龍一。森 勉 |
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2006年12月28日(木) Bruce & Terry (Rogues 名義) 「Everyday」 |
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今日は「本当に12月下旬??」というくらい暖かい陽射しが心地良い1日でしたね。こういう日はついついビーチ・ボーイズ関連の音源を店頭でガンガンかけたくなってしまうのです。
この「Everyday」という曲のオリジナルは、バディ・ホリーが1957年に発表したシングル「ペギー・スー」のB面ナンバーなのですが、ロックン・ロール・ファンには人気の高いゴキゲンな1曲。
今日のこの1曲は、その名曲をビーチ・ボーイズとは縁深いブルース・ジョンストンとテリー・メルチャーが、1964年にRoguesという覆面バンド名義でシングル発売していた楽曲です。
“ブルース&テリー”関連の楽曲を20曲集めたCD(『ベスト・オブ・ブルース&テリー』 MHCP-1042 \1,890)が今年、最新デジタル・リマスター・限定紙ジャケット仕様で国内初CD化され、現在そのCDで聴くことができます。
このCDはまだ店頭に在庫ありますが、同じくビーチ・ボーイズ関連で今年世界初CD化されたリッキー・マーティン(カール・ウィルソン・プロデュース作)のCDを先日再オーダーしたところ、すでに【メーカー完売・生産中止】になってましたので、購入予定ながらもまだ手に入れていなかった方は早めにチェックしておいてください。森 陽馬 |
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2006年12月29日(金) 鈴木 祥子 「忘却」 |
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「当店スタッフが選ぶ今年のベスト5!」、私も5枚選ばせて頂いたのですが、その中でも今年は本当に鈴木祥子さんのアルバム(『鈴木祥子』 WRCD-33 \3,000)を何度も聴きました。
そのアルバムに収録されている「忘却」という曲の話が、彼女が毎月コラムを書いているCDジャーナル今月号(2007年1月号)に載っていました。
♪病院にいるおばあちゃんに聞いてみたいよ、「全てを忘れていく事は幸せですか?」♪(「忘却」の歌詞より抜粋)というフレーズがあります。
これは晩年認知症にかかり今年亡くなってしまった彼女のおばあさんの事を歌っているそうで、少し切ないエピソードと共にこの曲のまた違った側面を知って、より好きな1曲になりました。
彼女の声はとてもセクシーで、しなやかで力強くて、痛々しい歌詞が多いながらも、ぐっと心に響く愛の歌の数々。これからもずっと聴いていきたい名盤です。東尾沙紀 |
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2006年12月30日(土) Neil Young 「Families」 |
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僕の大好きなニール・ヤングの新アイテムが、この年末に入荷してきました。今年5月に発売された新作オリジナル・アルバム『Living With War』収録曲から聖歌隊&コーラスを省き、ニールの生々しい肉声と演奏のみを剥き出した“RAW”ヴァージョンCDと、全収録曲のクリップを収録したDVDを付属した2枚組仕様。はっきりいってコア・ファン向けですが、ニール・ファンは要GETの1枚ですね。
ちなみにニール・ヤングに関して、“孤独の一匹狼”的なニュアンスで語れることが時々あるのだけれど、それは大きな間違い! 彼ほど“ファミリー”を重んじているアーティストも珍しいのでは?と思えるほどです。
実際、ニールの息子は障害を持っていることもあり、ニールの奥さんペギー・ヤングが中心となって、毎年障害者の子供を支援する“ブリッジ・スクール・ベネフィット・コンサート”を行っているし、3年前『グリーンデイル』世界ツアーでも彼の家族が様々な面でサポートしています。(今回の『Living With War』新ヴァージョンのジャケットは、ニールの娘Amber Youngによるもの)
ニール・ヤングがこのアルバムで訴えている反戦のテーマも、ただ単に戦争悪だけを念頭に置いているのではなく、人それぞれの“Families”を思いやってのことだと僕は考えています。森 陽馬 |
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2006年12月31日(日) Carly Simon feat Ben Taylor & Sally Taylor 「You Can Close Your Eyes」 |
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毎年“1月1日発売の新譜”というのがあるのですが、今年は一般的には特にこれといった大型新譜はなし。しかしながら、押し迫った年末にひっそりとではありますが、素晴らしいアルバムが入荷してきました。
カーリー・サイモンの新作『Into White』(SICP-1184 \2,520 国内盤のみボーナス・トラック追加収録)。
名盤アルバム『ノー・シークレッツ』に収録されている「You're so Vain」の印象が強すぎるせいか、彼女のその歌声を敬遠されている方も多いようですが、このアルバムで聴ける彼女のヴォーカルはまさに天使のよう。
全編シンプルなアレンジで、アルバム・タイトル曲「Into White」(キャット・スティーヴンス作)や「Scarborough Fair」(サイモン&ガーファンクル)、そしてエヴァリー・ブラザーズの名曲2曲を繋げた「Devoted To You/All I Have To Do Is Dream」など、聴いていてホッとする作品に仕上がっています。
その中でも、彼女の元夫であるジェイムス・テイラーの名曲「You Can Close Your Eyes」(名盤『マッド・スライド・スリム』に収録)のカヴァーは涙モノ。
ジェイムスとの間の息子・ベン・テイラーと娘・サリー・テイラーとのデュエットで歌われており、ピアノのアレンジも斬新で感動の1曲。
疲れた心に平穏と安らぎを与えてくれる全15曲。2007年の初買いとしてもオススメしたい1枚です。森 陽馬
★年末年始も営業しております。(詳細はこちらへ) 2007年もよろしくお願い申し上げます。 |
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