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2006年7月1日(土) The Beatles 「Rock And Roll Music」 |
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現在これを書いているのは1日(土)の夜23時59分。
もうすぐ日付が変わりますが、武蔵小山駅の地上駅、及び目黒線地上の線路(厳密には不動前から西小山区間)は今日が最後となり、明日の始発から地下化となります。
それもあってか今日は昼から駅や地上を走る電車をカメラで撮っている方が多かったようですが、終電頃(24時50分)にはもっと駅周りに人がたくさん集まってきていることでしょう。(切り替え工事のための作業員もいらっしゃるでしょうし)
で、その終電が走り終わった夜中の1時には、当店店長 森 勉がゲスト出演するラジオ日本『BEATLES 10』が放送される予定。お暇な方は是非聴いてみてください。
さて本日も昨日に引き続き、ちょうど来日公演から40周年ということでビートルズを店頭でよくかけていました。
「Rock And Roll Music」はその来日公演で1曲目に演奏されたナンバーで、64年発表アルバム『フォー・セール』に収録の人気ナンバー。ジョン・レノンのシャウトがかっこいいビートルズのヴァージョンの方が日本では有名になってしまいましたが、オリジナルはチャック・ベリーの曲。
森 勉の“ビートルズ来日公演思い出手記”なんてのもいつかこのHPに掲載したいと思っておりますので、あまり期待せずにお待ちくださいませ。森 陽馬 |
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2006年7月2日(日) Joanie Sommers 「Try To See It My Way」 |
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「この人のハスキー・ヴォイスは素敵ですねぇー」
音楽を聴き始めた40数年前、ラジオの司会者がこんなことを言っていたのを思い出す。その当時、ヒットしていたジョニー・ソマーズの「すてきなメモリー」をかけたあとだった。
「ちょっとかすれているこんな声を“ハスキー”というのか・・・、いいな!」と思った。
そんな彼女の珍しい音源が入ったCDが出ました。(OST『On The Flip Side』 UICY-93071 \2,141)
1966年12月にアメリカで放送された特番のテレビ・ミュージカルの中の1曲。(日本では放送されていない、と思います。)
バート・バカラックとハル・デイヴィッドのコンビによる作品。
タイミングのいい所でかすれる実に心地良い彼女のハスキー・ヴォイスが、バカラック・メロディーと絶妙にブレンド。共演のリック・ネルソンとのデュエットによる別ヴァージョンも収録されています。
そう言えば、タイトルの“Try To See It My Way”は、ビートルズの「We Can Work It Out」の歌い出しの歌詞と一緒ですね。
今は来日40周年で個人的にも盛り上がっているので、ビートルズ・ネタに敏感になってしまっています。森 勉 |
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2006年7月3日(月) Beach Boys 「This Whole World」 |
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先日1日の夜、森 勉が出演したラジオ日本の『BEATLES 10』、みなさんはお聴きになっていただけましたでしょうか? “森少年”のビートルズ来日公演思い出話も面白かったですが、僕としては『BEATLES 10』というラジオ番組の素晴らしさを痛感した次第であります。
<ビートルズの曲だけを毎週投票してもらって、その都度ベスト10を決める> なんて放送。まあまずビートルズだからこそ成り立つ、という見方もあるかもしれませんが、「パーソナリティのカンケさん及びラジオを聴いて投票している方皆の音楽に対する愛情なしでは絶対に成り立たない番組」とも言えると思います。本当にいつまでも続いて欲しい番組ですね。
それと同時に、『BEACH BOYS 10』なんて番組があったらなあ、という妄想も膨らんできました。
いや〜やりたいですねーーー『BEACH BOYS 10』! (まあ1人で毎週自分の部屋でやればいいだけの話ですが・・・)
ということで、さっそく今週のビーチ・ボーイズ・ソング、私的な第一位はこの曲! 1970年発表アルバム『サンフラワー』(TOCP-65565 \2,548)に収録されている名曲「ディス・ホール・ワールド」。
この曲の思い出としては、なんといってもブライアン・ウィルソンが初来日した1999年7月大阪フェスティバル・ホールでのコンサート初日。1曲目「The Little Girl I Once Knew」に続いて2曲目に演奏されたのですが、この時の感動はいまだに忘れることができません。
ブライアン自身もちょっと緊張していたようで、ややヴォーカルが不安定だった記憶があるのですが、それがまた余計に泣けましたね。
アップ・テンポの曲にも関わらず、観客は皆座ったままでステージを凝視しているような雰囲気でしたが、それはこの日を待ちわびた自分を含め観客皆が、感動のあまりに固まってしまっていたから、と僕は勝手に解釈しています。
あれからもう7年経ちましたが、心の中の何かを失いそうになったときには、あの日の胸がキュッと締め付けられるような感覚、そしてこの「This Whole World」を思い出すようにしています。森 陽馬 |
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2006年7月4日(火) PAPA GROWS FUNK 「Slinky Snake」 |
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今、ファンクものでイチ押しなのがこの1枚。
“パパ・グロウズ・ファンク”は、熱いギターを弾かせたら右に出る者はいない、とも言われる日本人ギタリスト山岸潤史を中心に、ニューオリンズを拠点として活動しているジャズ・ファンク・バンドの名前。
この盤は、全曲インストのライヴ盤(今年の4月にニューオリンズのmaple leaf bar というところで録音)ですが、そのグルーヴ感、ドライヴ感、そして聴いていると体が勝手に動いてしまうようなファンキーな演奏は、ファンク・バンドを聴きこんでいる上級者の方にこそ聴いてもらいたい1枚です。
特に8曲目「Slinky Snake」。オリジナル2ndアルバムにも収録されていた曲ですが、やはりライヴでの演奏はスタジオでのそれよりも、勢いというかノリがまた全然違って、最高にカッコいいライヴ・ヴァージョンで収録。聴きものです。
ちなみに、昨年まではラッセル・バティステという“ニューオリンズのファンキー・グルーヴ・マスター”とも言われるドラマーの人がメンバーだったのですが、いつのまにか脱退していたようで、このライヴ盤では、ジェフリー・“ジェリービーン”アレキサンダーという人が叩いています。森 陽馬
★通販コーナーにも掲載しております。 |
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2006年7月5日(水) モハメッド・アリ (Cassius Clay名義) 「Stand By Me」 |
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リーバー&ストーラーとは、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーの二人による1950年代から活躍していたソング・ライター・コンビ。一般的な知名度はほとんどありませんが、彼等が携わった曲としてエルヴィス・プレスリー「ハウンド・ドッグ」など、誰もが聴いたことがある有名曲を多数作っている名ソング・ライターコンビです。白人コンビながら、黒人ミュージシャンへの提供曲が多いのが特徴ですね。
今日ご紹介するCDは、そのリーバー&ストーラーが手掛けた数多いナンバーから有名曲、もしくはレア・ナンバーを厳選して収録した編集盤の第2弾『The Leiber & Stoller Story vol.2』(ACE CDCHD-1116)からの1曲。
有名なところでは、The Clovers「Love Potion No.9」(サザンの桑田さんが『稲村ジェーン』でカヴァーしたこともありましたね)などが収録されていますが、珍曲としてこんな曲も入ってました。
あの有名ボクシング選手、モハメッド・アリがCassius Clay名義で当時シングル発売した「Stand By Me」のカヴァー。オリジナルはベン・E・キングで、ジョン・レノンなどのカヴァーも有名ですが、まさかモハメッド・アリがカヴァーしているのがあったなんて初めて知りました。
歌の方は・・・まあ下手ではないですが普通という感じ。 そのせいかバッキングの方に耳がいってしまいますね。ドラムがちょっとハル・ブレインっぽいのですが違うかな?
最後の最後、サビの部分を一節二節、いや約一小節くらいも早く歌い出しているのですが、これは意図的なものなのか? ただ単に間違えて早く歌い出しちゃったのか? 興味深いところではありますが、僕の予想としては後者の方です。森 陽馬 |
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2006年7月6日(木) 内田 勘太郎 「Be My Baby」 |
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元・憂歌団のギタリスト、内田勘太郎がアコースティック・ギターによるインストで、スタンダード・ナンバーなど様々な曲をカヴァーする作品『GUITAR SINGS』(OMCA-1051 \2,800)を発売。
カヴァーされている曲は内田さん自身が昔から好きだった曲を中心に選んだそうですが、現在は沖縄に在住しているという彼らしい選曲で「てぃんさぐぬ花」(沖縄民謡)や、「サーフライダー」(ベンチャーズ)なども収録。他にも「星に願いを」、「アマポーラ」などのスタンダードから、「No No Boy」(スパイダーズ)、「悲しき願い」(アニマルズ)なんてオールド・ファンには馴染み深い曲もカヴァーしています。
しかしながら、それらを差し置いて1曲目に収録されているのが、なんとフィル・スペクター作、ロネッツの「Be My Baby」のカヴァー。
あのウォール・オブ・サウンドとは全く対極とも言えるシンプルなアコースティック・ギターで、ゆっ〜〜〜たりとカヴァーしています。休日、読書しながらノンビリと聴きたい1枚。 森 陽馬 |
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2006年7月7日(金) EXIT 9 「I Love You! Love You Completely」 |
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2001年にCD発売された時から、当店ではずっ〜〜とロング・セラーで人気の1枚を本日はご紹介。
EXIT9(イグジット・ナイン)は、16〜20歳の若手ミュージシャン9人によるグループで、この作品『STRAIGHT UP』(VICP-61512 \1,995)は、アメリカはニューヨークで録音された1975年に発表された唯一のアルバム。
JBサウンドやタワー・オブ・パワーなどのファンキー・ソウル・サウンドお好きな方なら絶対!の1枚で、Funkyなホーン隊、Groovyなリズム隊、ギターのカッティングなどどれをとってもカッコ良すぎ!
1曲目「JIVE MAN」〜2曲目「STRAIGHT UP」の爆発ホーンを聴けば即死確実なのですが、そういうファンキー・ナンバーの間に挟まれて収録しているバラードもなかなか良くて、1枚通して飽きのこない作品です。
オリジナルのアナログ盤はすごく高いようなので、このCDは値段も安くオススメなのですが、実はこのCDが今年初めの頃メーカーでも品切れしていて、オーダーしてもなかなか入荷しなかった時期があったのです。
諦めかけていた先日やっと再入荷! 店頭でもガンガンかけていますので、70'sソウルお好きな方でまだこの作品をお聴きになったことがない方は是非騙されたと思って聴いてみてくださいね。
ちなみに7曲目に収録されているこの曲「I Love You! Love You Completely」は、マイアミ・ソウルの名曲、Beginning Of The Endの「Funky Nassau (ファンキー・ナッソー)」に似た雰囲気のファンキー・ナンバー。森 陽馬 |
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2006年7月8日(土)Texas Southside Kings feat Big Walter Price 「Oh No」 |
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肌寒い冬に聴く熱いブルースもいいけれど、クソ暑い夏に聴く沁みるブルースというのもまたいいものだ。
このアルバムは、テキサス・サウス・サイド・キングスというテキサスの南部からいぶし銀のミュージシャンが集ったグループに、様々なアーティストがゲスト参加されて制作された新録アルバムで、まさに“これが本場のブルース!”というのを実感させてくれる渋い1枚。(PCD-25045 \2,625)
なんといっても驚きは、Big Walter "The Thunderbird" Priceという92歳(!)のシンガーが参加していることで、特に13曲目に収録されている「Oh No」というナンバーでは、年を感じさせない存在感溢れる歌声を披露しています。(中間部分のサックス・ソロがまたいい味出しています)
御年92歳ながら"The Thunderbird"というミドル・ネームからして凄みを感じさせますが、元々は1960年代に若きアルバート・コリンズを従えて録音も残したことがあるテキサスの長老のような存在らしい。
ブルースにかぎっては、50〜60歳ではまだまだひよっ子、70歳を越えてから味が出てくる、なんて話を聞いたことがありましたが、まさにそういうブルースのディープな部分を垣間見ることができる1枚。“今”の本場・本物テキサス・ブルースを聴きたい、という方にはオススメのアルバムです。森 陽馬 |
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2006年7月9日(日)ナポレオン14世「They're Coming To Take Me Away, Ha-Haa!」 |
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先日、湘南のミュージック・ライブラリー&カフェ、“ブランディン”で1966年にまつわる特集イヴェントがあり、ゲストで参加させていただきました。楽しかったでねぇ。
その時に曲はかける予定がなく、話題だけふれておこうと思ったのが、このナポレオン14世の「They're Coming To Take Me Away,Ha-haa!」(邦題は「狂ったナポレオン、ヒヒ、ハハ...」)でした。
(結局はかけることになったのですが・・・)
珍盤・奇盤に属するものですが、1966年にはラジオでよくかかっていたので、まだ子供の中学生にとってはインパクトの強い曲でした。
ビルボードでは第3位、キャッシュボックスではなんと第1位になりました。そう、当時の日本ではキャッシュボックス誌の方がポピュラーな存在でしたね。
そんな一度耳にしたら忘れられないヘンテコな曲がこのノヴェルティー・ソング集『The Golden Age Of American R&R〜Special Novelty Edition』のラスト30曲目に入っています。森 勉 |
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2006年7月10日(月) 竹内 まりや 「もう一度」 |
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竹内まりやさんに関する文章や記述は、本当はファン歴○十年の父に全て書いてもらいたいのですが、なかなか書いてくれないので(僕が頼んでも書いてくれないので、お客さまの皆さんが突っついてくれると助かります。笑)、新譜の告知も兼ねて今回は私の愚文でお許しください。
もうご存知の方も多いとは思いますが、竹内まりやさんの新曲が9月6日に発売が決定!
映画『出口のない海』主題歌の「返信」と、明治アーモンドチョコレートのTV-CMソング「シンクロニシティ(素敵な偶然)」が両A面シングルとして発売されるようで、久々のオリジナル・アルバムへの期待も膨らみますね。
さて、そのまりやさんの曲で一番好きな曲、というと、まあ性別・世代によって人それぞれ違うかもしれませんが、僕はなんといっても84年発表アルバム『ヴァラエティ』の1曲目「もう一度」〜2曲目「プラスティック・ラブ」です。
『ヴァラエティ』は、全曲竹内まりや作詞・作曲、山下達郎プロデュースによる初めての作品で、22年経った今もその輝きは全く色褪せず、聴く度に強い求心力とまりやさん&達郎さん二人の活気というか意欲のようなものがひしひしと伝わってくる1枚なのですが、その中でも特に好きだったのがこの「もう一度」。
学生時代聴いていた時は全く意識していませんでしたが、今改めて聴くと、すごくビーチ・ボーイズ的な雰囲気の1曲だな、と今更ながら気付きました。もちろん全編に入っている達郎さんのコーラスの影響もあるでしょうが、それだけでなく曲全体の流れなどがビーチ・ボーイズの曲展開に似ている印象で、うまく言葉で説明できないのがもどかしいのですが、僕がこの曲を好きだった理由がなんとなくわかったような気がして妙に納得してしまいました。
ちなみに新作はセンチメンタル・シティ・ロマンスがバック演奏を担当しているので、それも含めて楽しみですね。
是非コンサートもやってもらいたいものです。森 陽馬 |
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2006年7月11日(火) 小野 リサ 「ダニー・ボーイ」 |
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小野リサがここ最近リリースしている各々の作品は、フランス、イタリア、ハワイなど様々な国の音楽をその元々のオリジナルの良さを失わず、ボサノヴァ/ブラジリアン・サウンドに昇華して1枚の作品として完成させる、というコンセプトでやっており、どれも完成度が高いものが多かったのですが、今回のテーマはなんと、アメリカン・トラディショナル/カントリー・ミュージック!
一見接点がなさそうに見えて、聴いてみると全く違和感がないくらいカントリーとボサノヴァが見事に融合。カントリー・ギタリストの有田純弘、ブラジリアン・ミュージシャンのドリ・カイミ、名ピアニストのファビアン・レザ・パネなどが参加し、小野リサ本人がアルバム全体をプロデュース。本当に素晴らしいアルバムに仕上がっています。
中でもトラディショナル・ソングの「ダニー・ボーイ」のカヴァーは絶品!
しっとりとした中間部分、レザ・パネのピアノとゲイリー・グラントのフリューゲルホーンの掛け合いは聴きものです。
ちなみに「ダニー・ボーイ」というと、村上春樹の88年発表書籍『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の文中、重要なキー・ポイントとなる場面で効果的に記述されていたのを思い出しますね。森 陽馬 |
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2006年7月12日(水) High Tide 「The Joke」 |
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本日の新聞で知った方も多いと思いますが、ピンク・フロイド結成時のメンバーであった奇人、シド・バレットが逝去したそうです。
“元ピンク・フロイド”とはいっても、実質的に参加しているのは1stアルバム『夜明けの口笛吹き』のみながら、その1枚がドロドロ・サイケの大名盤であったがために、精神的に病んで隠居生活を送った後も神格化された存在であり続けたシド・バレット。
変な比較かもしれませんが、このシド・バレットの訃報を聞いて、よりブライアン・ウィルソンの凄さというか復活後の活躍が奇跡的だと思うのはちょっと不謹慎な話でしょうか?
さて、今日はそのシド・バレットとは直接関係ないものの、彼が活躍していたころの60年代後半から70年に発表されていたサイケな1枚をご紹介。
“ハイ・タイド”は、トニー・ヒルという人を中心とした伝説的なイギリス出身のヘヴィー・サイケ・グループ。
このアルバムは70年発表の2ndで、3曲でアルバム1枚、というプログレッシヴ・ロック的な長尺のナンバーで構成されていますが、プログレというよりはヘヴィーなギターと、後にホークウィンドに在籍することとなるサイモン・ハウスという人のヴァイオリンが妖しく交わるサイケデリックな仕上がり。
Eclectic Discsというイギリスのレーベルより、リマスター及びペーパー・ケース仕様で再発。ボーナス・トラックも4曲追加された盤が先日入荷しました。サイケ好きな方は是非聴いてみてください。森 陽馬 |
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2006年7月13日(木) 忌野 清志郎 「約束」 |
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忌野 清志郎が喉頭癌で長期入院となってしまった。
RCサクセション時代、タイマーズ、そしてソロ名義でも、もう当たり前のように毎年数多くのライヴ・ツアーをやってきただけに、こちらの感覚も麻痺してしまっていたのかもしれないが、いざこうして彼の活動が一時ストップしてしまうと聞くと本当に寂しいものだ。
愛に溢れた感動のステージだった昨年のフジ・ロック、そして多彩なゲストを迎えながらも御大の存在感のみが際立った清志郎デビュー35周年記念ライヴ、などここ最近の更なる精力的な活動ぶりを目の当たりにしていただけに、「またいつか会いましょう。夢を忘れずに!」という今回の清志郎本人からのメッセージを読むとこの上なく切ない。
2003年発表作品、その名も『KING』(UPCH-1308 \3,374)というアルバムの最後に収録されている「約束」という曲は、
♪ 約束はしないけど また今度会いたいね ♪
という歌詞から始まる。
「またいつか会いましょう」という彼の約束を信じ、ステージ上で「みんな〜愛し合ってるか〜い!」と清志郎が絶叫する日が再び来るのを切に願おう。彼が今まで僕らに与えてくれた“ロック”な精神は決して“夢”ではなかったはずだ。森 陽馬 |
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2006年7月14日(金) Baker Brothers feat Vanessa Freeman 「Fantasy」 |
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“新世代ジャズ・ファンク”というと、アメリカ出身の大将格はソウライヴ、イギリス出身ならニュー・マスターサウンズ、ということになると思いますが、彼等も忘れてはいけません。
ベイカー・ブラザーズ! (from UK)
2003年末に発売された1stアルバム『テン・ペイシズ』(PCD-23455 \2,415)が発売当時、当店でも大好評でロングセラーとなっていたのですが、2005年発表ライヴ・アルバム(PCD-23633 \2,415)を挟み、久々に発売されたオリジナル・アルバム『ベイカーズ・ダズン』(PCD-23787 \2,415)は作品中半分くらいの曲がなんとヴォーカル入り!
ベイカー・ブラザーズの魅力はなんといってもその荒々しい演奏にあったので、女性ヴォーカルをフィーチャーリングすることが果たして吉とでるのか凶とでるのか?...と聴く前は不安に思っていたのですが、いい意味で期待を裏切ってくれた新作となりました。
@「Peace Of Mind」、A「All Baked Out」など、曲によっては今までの彼等の持ち味であったジャズ・ロック的な荒々しいインスト・ファンクを聴かせますが、女性ヴォーカルをfeatしたナンバーではファンキーな魅力はそのままにソウルフルな演奏で聴かせ、またテナー・サックス、トランペットなどのホーンも入り、より音楽の幅が広がった印象。
沖野修也+沖野好洋のDJユニット、Kyoto Jazz Massiveの作品などにも参加していたヴァネッサ・フリーマンのヴォーカルもソウルフルで存在感バツグン。3曲目に収録されているこの「Fantasy」のサビなんて、今までのベイカー・ブラザーズにはなかったようなスタイリッシュな響き。中間のサックス・ソロもNice! 曲もいいですね。
あんまりコジャレた方には行って欲しくないのですが、今回はギリギリのラインでOK! 今後の活躍にも期待しましょう。森 陽馬 |
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2006年7月15日(土) ジョニー・ウクレレ 「ウア・リケ・ノ・ア・リケ」 |
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ハーブ・オオタさんなどの長年の活躍、ジェイク・シマブクロの大ブレイクもあって、今年は“ハワイ・ブーム”といっても過言ではないでしょう。(ハワイを題材にした映画も色々とやっているようですしね。)
そのブームにのってか、こんな盤までCD化されました。
ジョニー・ウクレレは1901年ハワイ島生まれ(1971年逝去)のウクレレ奏者で、当時は主にアメリカで活動していたそうです。その彼が1961年に発表した唯一のアルバムがこの1枚。(『Favorite Selections By Johnny Ukurere』 TOCP-70039 世界初CD化 \1,800)
ジャケットは派手?ですが、内容は極限に滋味〜な沁みるウクレレ・アルバムで、ここ最近リリースされているウクレレ作品とはまた違った肌触りを感じる作品。
単なる“ウクレレのイージーリスニング”というよりは、現代的な表現でいうと、“チルアウトできるウクレレ・ラウンジ作品”とでもいいましょうか? 発売後45年以上経っていても、その当時のハワイにタイムスリップできるような不思議な魅力を持った1枚です。
ちなみにこの今日の1曲「ウア・リケ・ノー・ア・リケ」は、伝統あるクラシカル・ハワイアンの中でも特に古い1890年代に書かれた曲だそうで邦題は「変らぬ心で」。不変の愛を歌った作品で、様々なハワイのミュージシャンが演奏しています。森 陽馬 |
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2006年7月16日(日) The Cookies 「Foolish Little Girl」 |
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レコードの時は高嶺(値)の花だったものが、CDで簡単に聴ける時代になりました。ありがたいものです。
この『ディメンション・ドールズ』も1970年代に自分で欲しいと思った時には実物を見るのも困難でしたし、実際にあったとしてもとても普通の音楽ファンが手が出せるような価格ではありませんでした。
今まで何度かCD化されていますが、いいものは何度でも、いつでも聴けるようになるのはいいことです。
さて今日はその中から、クッキーズの「フーリッシュ・リトル・ガール」。
1963年にシレルズのヴァージョンが全米チャートの4位まで上昇しましたが、僕はこのクッキーズのヴァージョンの方が好きです。
なんと、レコード会社が違うのにバックのオケは同じです。
実におおらかな時代。
ヴォーカルはシレルズよりちょっぴりキュート度が高い感じがします。
キャロル・キングの「It Might As Well Rain Until September」、センチメンタルな曲調がたまらない「I Didn't Have Any Summer Romance」などなど・・・。それにしてもいい曲ばかりで、ガール・ポップス・ファンでまだ未聴の方は是非ともおすすめしたくなるCDです。森 勉 |
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2006年7月17日(月) 矢野 顕子 「海辺のワインディング・ロード」 |
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“海の日”にも関わらず、あいにくの天気になってしまいましたが、せっかくですので「海」がつく曲を選んでみました。
矢野顕子さんが2000年に発表したアルバム『Home Girl Journey』(ESCB-2181 \3,059)は、92年発表名作『Super Folk Song』と同じく、ピアノの弾き語りで録音されたシンプルながらも沁みる1枚。セルフ・カヴァーも収録されていますが、彼女が気に入っているアーティストの曲を中心に取り上げています。
山下達郎「Paper Doll」、大貫妙子「会いたい気持ち」、奥田民生「さすらい」などのカヴァーが聴きものですが、その中でもこの「海辺のワインディング・ロード」は彼女の歌声及びピアノのタッチが絶妙で、その切ない歌詞と相まって後半の展開は、静かな中にも熱い情熱が込められていて胸にグッとくる1曲。
ちなみにこの曲は忌野 清志郎作で、オリジナルはRCサクセションの85年発表作『HEART ACE (ハートのエース)』に収録。
矢野さんはフジ・ロックにも出演予定ですが、出られなくなった清志郎の想いを胸にこの曲をカヴァーするのでは?と密かに期待しています。森 陽馬 |
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2006年7月18日(火) Sleep Walker feat Yukimi Nagano 「AFLOAT」 |
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今夜は、商店街内に硫黄のような異臭が立ち込めた、ということで消防車などが出動し、仮店舗周辺がかなり物々しい雰囲気になりました。
まあ単なる下水道からのクサい臭いのような感じなのですが、屋根のある商店街にはその臭いが逃げ場なしに籠ってしまったようで、また今日は雨が降っているので屋根も開けられない・・・という状態。商店街内の店舗はご苦労されたことでしょう。
さて、そんなクサい話題はさておき、スタイリッシュでクールな1枚をご紹介。
SLEEP WALKERは、元モンド・グロッソのメンバーでもあった中村雅人(Sax)と吉澤はじめ(Piano)、そして池田潔(Bass)、藤井伸昭(Drum)からなる4人編成の本格派ジャズ・バンド。彼等の2ndアルバム『Voyage』が本日発売になりました。(VIA-50 \2,400)
最近のクラブ・ジャズ、というと、打ち込みなどを使用したビート感あるJAZZ、という印象もあるかもしれませんが、スリープ・ウォーカーは、打ち込みは使用せず完全生演奏! ビーバップ時代を彷彿とさせるようなかなり硬派でかっこいいJAZZなのです。
1曲1曲の演奏にも緊張感がみなぎっていて、特にラストのファラオ・サンダースのSaxをfeatしたナンバーなどはスピリチュアルかつクールな演奏でありながら、ムチャクチャ熱い!
そういうJAZZでありながらCLUB MUSIC界でも評判が高いのは、独特な柔軟性をも持ち合わせているからしょう。この今日の1曲「AFLOAT」で聴けるYukimi Nagano(CLUB MUSICの新世代歌姫と評判!)の透き通った歌声も見事にマッチしてます。森 陽馬 |
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2006年7月19日(水) UA × 菊地成孔 「Over The Rainbow」 |
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奇才!菊地成孔とUAのコラボレート作はジャズ・アルバム。
菊地成孔のジャズ、というとアヴァンギャルドなイメージが少しあったのですが、想像していたよりも聴きやすいアレンジの曲が多く、ジャケットのイメージ通り深遠な雰囲気で統一された1枚に仕上がっています。
UAの唯一無比のその歌声が存分に生かされたアレンジで、ニーナ・シモンの作品を聴くときの感覚に近いかも。
オリジナル曲もありますが、この「Over The Rainbow」のような大定番曲もくっきりと個性が出ていて、10分(!)という長尺のうち前半約3分の出だしの部分(歌い出し)を、一字一句極限まで隙間を空けて歌い、「あれ?この曲って本当にOver The Rainbowなの?」と思ったころに、やっと演奏も加わって通常の歌になっていく、という不思議な展開も非常に魅惑的なアレンジ。
ラスト12曲目にはUAがフランス語で歌っている曲があり、作詞・作曲が菊地成孔になっていたので、彼はフランス語もできるんだ、と思ったら、日本語で作詞した曲を福田肇という人にフランス語訳してもらったようでした。「なーんだ」とも思いましたが、その曲はUAにフランス語で歌わせたい!という確固たる彼の信念があったのでしょう。
とにもかくにも全体的に、歌うのはUA以外には考えられない、といっても過言ではないほど彼女の歌声の存在感が際立つ内容。フジ・ロック2日目の夜にもこの二人のコラボで出演する予定ですが、野外の夜・苗場の山中で、彼女の歌声がどう響くのか興味深いところです。
(ちなみにこう書きながら、フジロック2日目は僕は行けないのです。行かれる方は是非楽しんできてください) 森 陽馬 |
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2006年7月20日(木) 福耳 「星のかけらを探しに行こう Again」 |
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山崎まさよしもスガシカオもレコード・デビューした時から一般的な日本のミュージック・シーンとは何か違う“出現のしかた”だなと感じていました。そして、その後の活動も音楽が好きで、その魅力を伝えたいと思っているスタッフとミュージシャンがいい関係で音楽を作り続けている様子が伝わってきます。
個性の強さから大衆性を獲得するのはどうかな?と思っていた元ちとせやスキマスイッチも見事に大ヒットを出して、多くの人々に好かれたのですから、ミュージシャンの才能もさることながら、音楽事務所としての“オーガスタ”の先見の明と、いいものを売りたいという情熱がヒットを生んでいるんだと思います。
さて、1999年に始まった発展型ユニット<福耳>の新作が出ました。(AUCK-19918 初回限定DVD付 \1,575)
今年はスキマスイッチが中心となった「惑星タイマー」。いい曲です。
今日の1曲はその曲でも良かったのですが、カップリングの「星のかけらを探しに行こう Again」のライヴ・ヴァージョンに。やはり<福耳>の原点の曲なので。
今回のは2004年オーガスタ・キャンプでのもの。この曲の作者である杏子のヴァーカルが会場をいい雰囲気で包んでいるのがわかります。山崎まさよし、スガシカオのコーラス、スキマスイッチのキーボード(大橋卓弥のオルガン、常田良太郎のフェンダー・ローズ)の音にも耳が反応してしまいます。
去年は悪天候だったそうですが、今年の7月22日(土)はいい天気でオーガスタ・キャンプが迎えられるのを願っています。
星空の下での、みんなの♪今宵、星のかけらを探しに行こう・・・♪の大合唱、素敵でしょうね。森 勉 |
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2006年7月21日(金) quasimode 「Down In The Village」 |
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今週は、SLEEP WALKER 、UA&菊地成孔と、“日本の最近のジャズ”をこのコーナーで取り上げましたが、このquasimode(クオシモード と読む)も、日本の新世代ジャズ・グループ。その彼等の1stアルバムが先日発売になりました。(『oneself-LIKENESS』 IPM-8007 \2,500)
2002年結成。小林径監修CDの人気シリーズ『Routine Jazz #07』に収録されたことから脚光を浴び、北欧スウェーデンの名レーベル“Raw Fusion”(ロウ・フュージョン)からアルバムに先駆け12inchアナログ盤をリリース。
このRaw Fusionから12inchを発売した、というのがまずスゴイ!
良質なブラジリアン・ジャズ/CLUBものを多数リリースしているレーベル、Raw Fusionは、結構DJからも世界的に評判のレーベルなので、ジャイルズ・ピーターソンやパトリック・フォージ、ジャザノヴァなどセンスのいい有名DJの耳に止まり、CLUBなどでヘヴェープレイされたらしい。
といっても、クオシモード自体が、“打ち込みを使用したCLUB MUSIC”、というのでは決してなく、SLEEP WALKERと同じく純然たる生楽器によるジャズ・バンド・スタイルというところが素晴らしい。
古きヨーロッパのJAZZのエッセンスを残しながらも、新しい血と音を吹き込み現代的にアレンジされた2曲目に収録されている「Down In The Village」。オリジナルは英国モダン・ジャズ界の至宝、名サックス・プレイヤー、タビー・ヘイズのナンバーで、この曲を取り上げるというところも渋いっ!
日本にもこういう最高にクールなジャズ・バンドがいるのだ、ということをSLEEP WALKER、そしてこのquasimodeが実証してみせてくれたということだけでも、2006年の日本ジャズ界は非常に意義のある年であった、といえるだろう。森 陽馬 |
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2006年7月22日(土) The Jam 「Move On Up」 |
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ポール・ウェラーが1970年代後半に活動していたバンド、“The Jam”。
1982年に解散した後、当時2LP+EPという仕様でベスト盤『SNAP!』が発売され、その盤は一応はCD化されていましたが、大幅に曲が削られ不完全な形での“Compact SNAP!”でした。
ですが今回、その削られていた曲が復活! 更に付属されていたライヴEPも8cmシングルCDとして復活!!し、3枚組完全限定紙ジャケット仕様で発売されました。(『SNAP!』 UICY-93107 \5,000)
中でもミソなのが、8cmシングルCDに収められている4曲入りのライヴ音源。82年ロンドン・ウェンブリー・アリーナでの解散ツアーEPでしか聴けなかった貴重な音源です。
その1曲目に収録されている「Move On Up」。
ポール・ウェラーが敬愛するアーティストの1人、カーティス・メイフィールドの名曲カヴァーで、ジャム解散後もポール・ウェラーがライヴでよく取り上げているナンバー。
原曲よりもややアップ・テンポ、特に違ったアレンジではありませんが、この頃は黒人音楽の影響が色濃く出始め、ホーンと荒々しい演奏、ウェラーの野太い声がマッチして、ジャム・ヴァージョンもなかなかかっこいいのです!
曲は年代順に並べられ、アルバムに入っていないシングル曲なども網羅されているので、初めてジャムを聴く!という方にもオススメのベスト盤。
レコードの内袋やピクチャー・レーベル、EPのジャケットも、小さいですがちゃんとUKオリジナルのものが再現されていて、マニアの方にもヨダレものの1枚です。東尾 沙紀 |
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2006年7月23日(日) 遠藤 賢司 「宇宙を叩け」 |
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昨夜の話になってしまいますが、22日土曜日の深夜から23日の明け方にかけて、吉祥寺のバウスシアターにて、【映画『ハート・オブ・ゴールド』公開祈願! 爆音ニール・ヤング オールナイト】というのに参加してきました。
トーク・ゲストとして、ニール・ヤング・ファンとして知られる佐野史郎と遠藤賢司(以下、エンケン)によるニール・ヤング回顧、そして、エンケンのミニ・ライヴ。その後に、明け方まで 『不滅の男 エンケン対日本武道館』、 『グリーンデイル』、『イヤー・オブ・ザ・ホース』の映画3本を連発! それも爆音での上映!というなんとも、濃い〜一夜でした。
ちなみに“爆音上映”とは、通常の映画用音響ではなく、ライヴ音響システムを使用した映画上映で、ホント、ベース音がビンビン響きまくりなくらい痛快な爆音! そんな爆音に揺られながらうつらうつらとするのもまた一興でした。(近いうちにコラム・コーナーなどでレポートしたいと思います)
さて、爆音上映ももちろん良かったですが、なんといってもエンケンさんのミニ・ライヴ! 佐野史郎との飄々としたトークの後、ギターを手にした瞬間強烈なオーラがブア〜〜!と出て、顔を紅潮させながらのハーモニカ&ハードなギター・カッティングによる「宇宙を叩け」! いや〜、エンケンさんの激情に触れ大感動! ニール・ヤングもそうですが、エンケンもまだまだ自らの“ハート・オブ・ゴールド”を探し求めているのだな、と実感した瞬間でありました。
(ちなみにこの曲は今年3月に発売された新作『にゃあ』(MDCL-1472 \3,150)に収録されています) 森 陽馬 |
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本日は店舗休業日ということもあり、落語好きの方からお誘いをいただき、イイノホールで行われた『立川談春 独演会』に行ってまいりました。
立川談春は、立川談志師匠の弟子としてまだ40歳という若さながら、“若手で古典を語らせたら右に出るものは・・・”と言われるくらい、現在飛ぶ鳥を落とす勢いのある落語家の中の1人。
落語界には様々なしがらみが残っている故に、立川流は寄席に出れないのですが、彼が出演する落語会や独演会はほぼ毎回満席。同じ立川流の志の輔と違い、新作はやらず古典一本やりながら、早くもカリスマ的人気を誇っている若手落語家なのです。
彼の行う落語会の会場内は、一種独特な雰囲気というか緊張感が漂っていて、特にドラマチックな展開があるわけでもない古典落語の世界にずずーと引き込ませていく噺の上手さは確かに若手随一だと思う。
ただ、というかだからこそ、マクラの振りかたやちょっとしたひとつひとつの話し振りを見るにつけ、「この人が50歳、60歳になったとき、この同じ噺をもう一度聴いてみたいな」と思ってしまうのです。
もちろん今の談春も素晴らしいと思うのですが、年輪を重ねるからこその“間”であるとか“余裕”というか、そういうのを身につけた彼をまたいつか見てみたいな、と。
まあとにかくも、今最も活きのいい落語家の1人、といっても過言ではないですし、10月には東京芸術劇場にて7日間連続興行の独演会もあるそうですので、古典落語をじっくり聴きたい、という方はチェックしてみてください。森 陽馬 |
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本日は7月26日新譜が色々と入荷。
くるりのベスト盤、ボニー・ピンクのベスト盤、SMAP新作アルバム、カーネーション新作、角松敏生新作、ココドール(元スピードのhiro)新作、ファレル・ウィリアムス(N.E.R.D)新作、マドンナライヴCD+DVD盤、中島美嘉新曲、倖田來未新曲、Kinki Kids新曲、クレイジーケン・バンド新曲などなど。
オリコンのアルバム・チャートで1位になるのは、SMAPか、くるりか、ボニーピンクのどれかだと思うのですが、さてどちらに軍配があがるでしょうか。ジャニーズ・パワー&全国ツアーも間近ということでおそらくSMAPが1位になると思うのですが、本日うちの店ではこのくるりのベスト盤(初回のみボーナスCD付の3枚組 VIZL-195 \3,400)が一番の売行きでした。
2枚組CDに全26曲収録、更に初回盤には未発表音源4曲収録のボーナスCD付で結局、3枚組で3,400円というお買い得感も売行きの要因のひとつだと思いますが、それだけではない“くるり”としてのバンドの不思議な魅力に拠るところが大きいような気がします。
岸田繁(Vo&G)によるメランコリックな詞世界&メロディー作り、一聴すると普遍的なロックなようであって、実は様々なルーツが感じられる演奏は、本当はこのようなベスト盤ではなくて、作品ひとつひとつをじっくり聴きすすむことによって噛みしめなければ“くるり”の深い味は出てこないのかもしれませんが、入門編としても最適なので、まだ1枚も持っていない、という人にもオススメのベスト盤です。
♪東京の街に出て来ました 〜 駅でたまに昔の君が懐かしくなります ♪ という歌いだしで始まるこの今日の1曲「東京」は彼らの1999年発表デビュー・シングル。このベスト盤内のブックレットにも、様々な“東京”の風景の写真が散りばめられており、“東京”を意識した作りになっています。
全然関係ないのですがこの「東京」を聴くと、昨年のフジ・ロック、ビーチ・ボーイズのステージを僕は思い出してしまいます。(ビーチ・ボーイズの前に、くるりがグリーン・ステージに出演していて、この「東京」を最後に演奏していました) 森 陽馬 |
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2006年7月26日(水) Leyona 「ワンちゃんのようにね」 |
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数年前にはっぴいえんどの「風をあつめて」をカヴァーしたり、関口和之&砂山オールスターズのアルバムで、サザンの名曲を歌っていた玲葉奈(レヨナ)。約1年ぶりとなる新作アルバム『Clappin'』が発売。(VIZL-194 \3,360)
今までの作品で一番肩の力が抜けた、というかリラックスした雰囲気でレコーディングされたのが伝わってくるような“自然体”な作品で、なおかつ沼澤尚(dr)を中心としたバック・バンドのグルーヴ感も損なわれていない、という素晴らしい内容の1枚。
昨日からの流れで今日のこの1曲は、くるりの岸田繁が楽曲提供した4曲目「Rainy Blue」(モロに“くるり”っぽいナンバー!)にしようと思っていたのですが、7曲目に収録されているこの曲「ワンちゃんのようにね」があまりにも個人的にツボにハマってしまったのでこちらにしました。
聴く人が聴けばすぐにわかると思うのですが、この曲の楽曲提供は今度新作も発売予定!(8/23発売予定)という吾妻光良さん。
もう、まんま同じメロディーで歌詞違いの楽曲が吾妻光良&スウィンギン・バッパーズの作品の中にあったような・・・。とにもかくにも、メロディーだけでなく歌詞も吾妻さんらしいほのぼのとした愛情溢れるリリックで、レヨナの歌唱もすごくイイ感じ!
是非、吾妻さんにもセルフ・カヴァーしたもらいたいものです。森 陽馬 |
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2006年7月27日(木) James and Troy Andrews 「You Send Me」 |
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私事ながら、明日28日金曜日、1日間のみフジ・ロック・フェスティバルに参加してまいります。
天気予報だと大方の予想通り(?)新潟地方は雨の予報なのですが、細野晴臣さんも出ることですし(“ハリー・ホソノ・クインテット”名義で出演!)、昨年のハイドパーク・フェスティバルみたいに細野さんが出演する頃には雨が止んで欲しいものです。
さて、そんなこんなで、「往復の車の中では何を聴きながら苗場に向かおうか」、とかくだらないことばかり考えながら作業をしているのでなかなか仕事がはかどらないのですが、そんな中面白い輸入盤が何点か本日入荷。
James and Troy Andrewsは生粋のニューオリンズ出身で、一般的な認知度は低いかもしれませんが、トランペットとトロンボーンを操るアンドリュー兄弟として現地では彼らが子供の頃から有名な存在。この作品『12&shorty』はその二人のリーダー作なのですがバック陣が凄いメンツ!
ギャラクティックなどで世界的に有名なファンキー・ドラマー、スタントン・ムーア(dr)。フェンダー・ローズを弾いているのはドクター・ジョン。ワイルド・マグノリアスやPa Pa Grows Funkなどニューオリンズ・ファンクのグループに参加しているギタリスト、山岸潤史。ベースはマーク・ブルックスという編成。
これだけのメンツが揃うと、ファンキー一直線!になりそうなところがそうではなくて、最高にゴキゲンな心温まるニューオリンズ・サウンドに仕上がっていて、この今日の1曲、サム・クックのカヴァーなどを聴いていたら、数年前にニューオリンズに旅行したことを思い出しました。
死ぬまでにはまたいつかニューオリンズにも旅行に行きたいと思っています。森 陽馬 |
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2006年7月28日(金) 加藤 登紀子 「檸檬」 |
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これを書いているのは29日(土)の夜。遅い更新でスミマセン。
28日(金)は私事ながらフジ・ロックに行って参りました。
詳細なレポートはまたいつか・・・ということで、個人的なベスト・アクト選。
・加藤登紀子 (超感動のステージ! 涙する若者続出!)
・クロマニヨンズ (ハイロウズのヒロトとマーシー 新バンド!最高!)
・MADNESS (観客皆、夜で疲れているはずなのに超大盛り上がり!)
・String Cheese Incident (今年のトップ・バッター。さすが!のステージ)
・ハリー・ホソノ・クインテット (細野さんらしいほのぼのライヴ)
・矢野顕子 (ピアノ弾き語り。ハリーホソノのステージにも参加)
奇跡的にも雨が降らなかったのが良かったです。
ちなみにこの今日の1曲、加藤さんの「檸檬」は2004年発表アルバム『今があしたと出逢う時』(UICZ-4105 \3,000)に収録。この曲は本当に沁みました。森 陽馬 |
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2006年7月29日(土) The Hollies 「Look Through Any Window」 |
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ホリーズは好きでしたねぇー。
1968年だったと思いますが来日した時に2回も見に行きましたから。
まだグラハム・ナッシュがいた頃のホリーズを体験できたのはラッキーでした。
アラン・クラークとナッシュのハーモニーは鉄壁で、ボビー・エリオットの躍動感溢れるドラミングも印象に残っています。
その来日した頃に日本で編集されたベスト盤がそのまんま縮小された形の紙ジャケット仕様で復刻されました。(『ザ・ベスト・オブ・ホリーズ』 TOCP-67957 \2,600)
当時は14曲だった収録曲も7曲増え、21曲になっているのがうれしいです。
その中から「ルック・スルー・エニイ・ウィンドウ (恋は窓から)」。
トニー・ヒックスの弾く12弦ギターに、ボビー・エリオットのドラムがたたみかけてくるイントロが大好きです。
そういえば今年、ホリーズは再結成されました。
トニーとボビーがいるんだから、聴いてみたいと思っているのですが未聴です。森 勉 |
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2006年7月30日(日) Randy Crawford and Joe Sample 「Last Night At Dance Land」 |
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クルセイダーズ、そしてソロでも活躍するジャズ/フュージョン界の名ピアニスト、ジョー・サンプルが黒人女性ヴォーカリスト、ランディ・クロフォードと組んだ新作を発売。
この二人のコラボでまず最初に思い出されるのは、1979年にクルセイダーズが発表した大ヒット作「ストリート・ライフ」にランディ・クロフォードのヴォーカルをフィーチャーリングしたことでしょうが、1980年に発表されたランディ・クロフォードのアルバム『ナウ・ウィ・メイ・ビギン』もクルセイダーズが全面プロデュースとして関わっており、それなりに縁深い間柄でした。
その後しばらく遠ざかっていたのですが、2005年モントルー・ジャズ・フェスティヴァルで久々に共演したことがきっかけで、トミー・リピューマをプロデューサーに迎え、この新作を録音したそうです。
で、この新作『フィーリング・グッド』(VACM-1283 \2,940)なのですが、26年前のその作品よりもより味わい深い円熟味を感じさせる素晴らしいアルバムに仕上がっていて、この暑い夏の夜にでも、じっくり・しっとり・ゆったりと聴きたい1枚。
11曲目に収録されているこの今日の1曲「Last Night At Dance Land」は、先に挙げた1980年にクルセイダーズ・プロデュースで発表したランディのアルバムの冒頭を飾っていたナンバーのセルフ・カヴァーで、当時のヴァージョンよりも断然こっちの方がいいかも。
この曲を含め14曲中13曲をブラシで叩いているスティーヴ・ガッドのドラミングも聴きものです。森 陽馬
★7月31日(月)は店舗休業日となります。ご了承くださいませ。 |
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2006年7月31日(月) ザ・クロマニヨンズ 「クロマニヨン・ストンプ」 |
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まだフジロックの余韻が冷めやらない今日このごろ。
28日(金)フジロック初日の個人的ベスト・アクトは、文句なし!に加藤登紀子さんだったのですが、感動の質は違うもののそれと同じくらい衝撃的だったのがザ・クロマニヨンズ。元ハイロウズの甲本ヒロトと真島昌利の新バンドです。
まだシングルを1枚も出していない新バンド。どういう曲をやるのかな?と期待していたのですが、いやー、キマしたねー! 全曲新曲! もう登場した時からハンパじゃない盛り上がり。それを煽るように原点に戻ったかのような超ハイテンション・ナンバー連発!
とにかくどの曲も短いのがイイ! 各曲平均2分? たった20分強のステージだったのですが、もうこの20分を体験しただけで、フジ・ロックに来た甲斐があった、と思えるようなロック魂をヒロトとマーシーには見せてもらいました。あんなに笑顔で楽しそうにやっているヒロト見たのは初めてかも。
ちなみにこの「クロマニヨン・ストンプ」はマーシーの作詞・作曲でフジロックでは1曲目に演奏されました。今度9月20日にクロマニヨンズ名義での初シングルも発売が決定(初回限定DVD付 BVCR-19982¥1,575)したようで、それの3曲目に収録予定。
彼らのHPもいつのまにかアップされていましたので、興味ある方はチェックしてみてください。(ツアーも決定したみたい!) 森 陽馬 |
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