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2010年10月1日(金) ネッド・ドヒニー 「恋は幻」 |
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ネッド・ドヒニー、ビルボードライヴ東京での来日公演を観てきました。
名キーボード奏者キャット・グレイ、名作『ハード・キャンディ』でもドラムを叩いているゲイリー・マラバー、イエロージャケッツの凄腕ベーシスト、ジミー・ハスリップを率いてのライヴ、ということでとても楽しみにしていたのですが、ライヴ自体はちょっと期待外れの内容でした。
これは個人的な僕の主観ですが、ドラムがイマイチでしたね。
全体的に繊細さが全くなくて、無駄なハイハットのハーフオープンやスネア連打のみのフィルイン、スティックを落とすミスやシンコペーション・ミスなど粗さが目立ちました。
あと、1stと『ハード・キャンディ』からもうちょっと多く曲をやって欲しかったなあ、というのが正直なところ。
ネッド・ドヒニー自身は声も変わらず、歌も良かったですし、キャット・グレイのキーボード・プレイが素晴らしかっただけに、ネッド・ドヒニーとキャット・グレイの二人だけでも良かったかも、と思いながら見てしまいましたね。(とか文句言いつつ、終演後にはちゃっかりCD買ってサインももらっちゃいましたが・・・)
まあ、キャット・グレイの名演を見れて、ネッド・ドヒニーと握手できただけでも見に行ってよかったと思います。
ということで今日のこの1曲は、ネッド・ドヒニーの1976年発表名作『ハード・キャンディ』(スティーヴ・クロッパープロデュース SICP-20105 \2,500)から、「Get It Up For Love』(邦題:恋は幻)。
ベン・E・キングや、椎名林檎の東京事変もカヴァーしている名曲です。森 陽馬 |
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2010年10月2日(土) Johnny Crowford 「Cry On My Shoulder」 |
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またまた興味深い編集のオムニバス盤が発売されました。
バート・バカラックの珍しい作品ばかりを集めた『RARE BACHARACH』を以前出したオーストラリアのRARE ROCKIN'レーベルから、『Bubbling Under Vol.1』という1枚です。(輸入CD RRR-1029)
アメリカのビルボード・シングル・ヒット・チャートには、一般的によく知られるHOT 100以外にその圏外の曲も色々と発表されていました。
100位以内に入らなかったとはいえイイ曲も多く、近年は<バブリング・アンダー>という言葉でそんな曲たちを救済(?)して紹介しよう、というマニアックな気運も高まってきています。
このCDはそんなもう少しのところでHOT100のチャートインを逃した曲を集めたアルバムです。
1961年から1964年の隠れた名曲が32曲収録されています。
どの曲もこの時代のポップスらしいドリーミーなメロディを持ったもので、有名ソングライターの作品も含まれています。
キャロル・キング&ジェリー・ゴフィンが3曲、バリー・マン&シンシア・ワイルが2曲、その他デヴィッド・ゲイツ、ヘンリー・ミラー、ペリー・ボドキン・ジュニア、ジャッキー・デシャノンなど、ソングライターもののコンピとしても楽しめるアルバムです。
今日はその中から、先日山下達郎DJによるラジオ番組“サンデー・ソングブック”でも特集(この曲自体はラジオではかかっていませんが)されたジャック・ケラーの作品を。
よく出来たポップスだと思うのですが、アーティスト人気が落ち目になっていたため、126位という残念な結果しか残せませんでした。
ジョニー・クロフォードは我々の世代には、テレビ・ドラマ『ライフルマン』という西部劇の子役としても有名な存在でした。
ちなみに、このCDではテレサ・ブリューワーによる「レモンのキッス」(Like I Do)のナイス・カヴァーも収録されています。森 勉 |
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2010年10月3日(日) Charlie Green 「Go Away Little Girl」 |
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なんと!13歳!
チャーリー・グリーンは英国出身(父はイギリス人、母はフィリピン人)、1997年生まれの男性シンガー。
スーザン・ボイルを輩出したことで話題となった英国人気オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』に10歳にしてセミ・ファイナルまで進出した彼の1stアルバム『A Friend Like You』が国内盤でも発売になりました。(OMCZ-1038 \2,000)
単なるジャズ・ヴォーカル的な作品かと思いきや、これが素晴らしい出来の1枚!
彼のイノセンスあふれるシルキー・ヴォイスはもちろんのこと、バックのストリング・アレンジが絶妙。とても上品なサウンドにポップなエッセンスも加わって、13歳のデビュー作とは思えないほど完成された作品に仕上がっています。
スティーヴィー・ワンダー「マイ・シェリー・アモール」、「フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ」、ビートルズ「レット・イット・ビー」、ニール・セダカ「ダイアリー」のカヴァーもNICE!
今日のこの1曲には、キャロル・キング&ジェリー・ゴフィン作「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」。
1971年に当時13歳のダニー・オズモンズがこの曲をカヴァーしヒットさせたことがあります。プロデューサーはそれを知っていて選曲したのでしょう。
全体的な印象としては、マイケル・ブーブレを甘くした雰囲気。
オリジナル曲もとても良いので、ヴォーカルものお好きな方は是非だまされたと思って聴いてみてください。森 陽馬 |
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2010年10月4日(月) フラン・ヒーリィ 「As It Comes」 |
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美しいメロディーを奏でるグラスゴー出身のバンド、トラヴィスのフロントマンであるフラン・ヒーリィが初めてのソロ・アルバム『Wreckorder (レコーダー)』(HSE-60051 \2490)をリリースしました。
タイトルの『Wreckorder (=wreck the order)』は“慣習を壊す”という意味があるそうで、ソロ作を出す際やはりバンドとは違う事をしなければという考えがあったとのこと。
しかしながら彼の穏やかなヴォーカルと切ないメロディーは今までと変わらずで、特に流行の音に走ることもなく(日本盤ボーナス・トラック「ROBOT」のみ80'sぽいシンセが入った曲なのですが...)、一貫してシンプルなアレンジ。とても聴きやすい作品です。
ポール・マッカートニーがD「As It Comes」にベースで参加している事も話題です。
折角なのでもう少しベースラインがはっきり聴こえるとよかったかなぁと思いますが。
他にもニーコ・ケースとの美しいデュエットB「Sing Me To Sleep」、シングル曲E「Buttercups」&G「Holiday」などフォーキーなものや、美しいストリングス・アレンジは聴きもの。
これから寒くなるこの時期聴くのにぴったりの一枚です。東尾沙紀 |
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2010年10月5日(火) Paris Match 「Salon Tokyo」 |
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ジョン・レノンBOX、ボニー・ピンク新作、浜田省吾、秦基博、嵐シングルなど今週の新譜が本日入荷。
その中から今日はお気に入りユニット、パリスマッチの9作目となる新作『To The Nines』(VICL-63669 \3,000)をピックアップ。
2008年発表前々作、2009年発表前作は自主レーベルからの発売でしたが、今年デビュー10周年ということで、メジャーのビクターに戻ってのリリース。
いつもながらにハイセンスなサウンドと上品なアレンジ、セクシーなミズノマリさんの歌声が楽しめる1枚に仕上がっています。
その中で気にいっているトラックは6曲目「Salon Tokyo」。
10月下旬ドリカムのコンサートへ久々に行く予定なので、最近家ではドリカムばかり聴いていたのですが、この「Salon Tokyo」の出だし部分がドリカム「笑顔の行方」に少し似ているため、つい反応してしまいました。
90年代J-POPのエッセンスをおしゃれに着飾った雰囲気も楽しめます。(タイトル『To The Nines』は、“着飾る”という意味の熟語『Dressed Up To The Nines』の慣用句から取られたそう)
秋の夜遊びドライヴにも最適な1枚になりそうですね。森 陽馬 |
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2010年10月6日(水) Neil Young 「Love And War」 |
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ニール・ヤングの新作『Le Noise』が入荷。(輸入CD Reprise 9362-49618-6 限定アナログも発売 国内盤CDは10月27日発売予定)
いやー、これは久々にニール・ヤングらしい問題作ですね。
・ジャケットの雰囲気。
・『Le Noise』というタイトル。
・黒魔術的歌詞カード。
・演奏者クレジットの無い装丁。
もしや・・・と思ったとおり、ほぼ全編エレキ・ギターの弾き語りでした。(アコースティック・ギター弾き語りも2曲あり)
いつも通りにディストーションで歪んだエレキ・ギターを掻き分けるように聴こえるニールの歌声にまで端々に深いエコーがかかっており、最初聴いた時はかなりヘヴィーな印象でした。
極端な表現をすると、ニールが音楽を手掛けた映画『デッドマン』のサントラにヴォーカルが入っている感じ。
ちょっと今回は聴いててキツイな、とか、リズム隊が入っていればな、などと最初は思いましたが、でも聴いているうちに、下手なバック演奏が入るよりはこれで良かったかも、と思えてくるから不思議。(といっても、ニール初心者の方にはあまりオススメできない作品ではありますが・・・)
その中からアコースティック・ギター弾き語りで一番聴きやすいのが4曲目「Love And War」。
この曲のニールの歌声がやたら生々しくて、大音量で聴くとニールがすぐ目の前で弾き語りしてくれているように感じるくらい!
ちなみに毎年ニールが奥さんと主催しているブリッジ・スクール・ベネフィット・コンサート。今年の開催ではなんと!バッファロー・スプリングフィールドが復活するそうです。
久々にニール、スティルス、リッチー・フューレイが揃い踏み。どんな曲をやるんでしょうね。森 陽馬 |
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2010年10月7日(木) RED HORSE 「I Am A Child」 |
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自分の名前に“馬”がつくこともあって、馬ジャケには敏感に反応してしまいます。
今年発売された“馬ジャケ”で気にいっているのがこの1枚。
Eliza Gilkyson、John Gorka、Lucy Kaplansky、3人によるユニット、RED HORSE。(輸入CD RHR CD 233)
Eliza Gilkyson(イライザ・ギルキソン)は、フォーク・グループの先駆け的バンド“Easy Riders”のリーダーだったTerry Gilkysonを父に持つ女性シンガー・ソングライター。
John GorkaとLucy Kaplanskyも各々ソロで活動しているアメリカのフォーク・シンガーですが、その3人が集まったこのアルバムは、それほどフォーキーになることもなく、カントリー色が強すぎるでもなく、穏やかに聴けるシンガー・ソングライター作品に仕上がっています。
その1曲目に収録されているのが、バッファロー・スプリングフィールド(ニール・ヤング作)の名曲「I Am A Child」のカヴァー。
Eliza Gilkysonの歌声は、ただ単に、澄んだ美しいヴォーカル、というのではなく、どこか憂いを含んだ味のある声色をしていて、ニール作のこの曲にとても合っています。
アコースティック・ギターを基調としたアレンジとコーラスの入り方もすごくイイ感じ。ナイス・カヴァーです。
フォーキーなアメリカン・ルーツ・ロック、女性シンガー好きの方にもオススメ! 隠れた名作として語り継がれそうな1枚ですね。森 陽馬 |
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2010年10月8日(金) Gary Lewis 「Happiness」 |
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“ゲイリー・ルイス版ペット・サウンズ”!?
ゲイリー・ルイスというと、“ゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズ”名義での「恋のダイアモンド・リング」が有名ですが、ゲイリー・ルイス単独名義での1967年発表作品『Listen!』がこの度初CD化されました。(輸入CD CRNOW-20)
ジャック・ニッチェがアレンジを担当しており、1966年『ペット・サウンズ』の影響を受けたサウンドがゴキゲンな1枚に仕上がっています。
どれもコーラス・ワークとソフト・ロック的ポップな楽曲が絡み合った良い曲揃いですが、個人的に好きなのは5曲目「Happiness」。
一番ビーチ・ボーイズっぽい、というか『ペット・サウンズ』っぽい1曲で、独特なエコーがかかったアレンジは、まさに“ゲイリー・ルイス版ペット・サウンズ”!
なおこの再発CDには、全曲のステレオ・ヴァージョンとモノ・ヴァージョン、更に「Jill」と「New In Town」という曲のシングル・ヴァージョンを追加した全26トラックが収録。
ゲイリー・ルイスをご存知の方はもちろん、ソフト・ロック好き、『ペット・サウンズ』好きの方にも聴いてもらいたい1枚です。森 陽馬 |
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2010年10月9日(土) ヨルゲン・イングマン 「アパッチ」 |
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一時期はそれなりに出ていたオールディーズのベスト・ヒット曲集ですが、ここ数年はあまり発売されず残念に思っていました。
しかし、ここに素晴らしいオールディーズ・コンピが完成し、2種類発売されました。
企画・選曲はワーナー・ミュージック・ジャパンの宮治淳一さん!
収録したい曲の許諾が下りなかったり、その他色々と障害があったと思いますが、面白い選曲になったのではないでしょうか。
その労をねぎらう意味でも、みなさん買いましょう!
各19曲入って、解説・歌詞・対訳付で1,680円というお買い求めやすい価格です。通常の流通とはちょっと違うのですが、我がペット・サウンズ・レコード店では大好評取り扱い中ですので、よろしくお願い致します。
今日はまず『オールディーズ・スーパー・ヒッツ Vol.1』(WQCP-843 \1,680)の中から、ヨルゲン・イングマンの「アパッチ」。
シャドウズやヴェンチャーズで有名ですが、オリジナルはこのデンマーク出身のギタリスト、ヨルゲンさんのヴァージョンです。
昼、ギターの弦をつま弾いても、“夜弦”(ヨルゲン)とはこれいかに? (失礼いたしました・・・)
その他、ドメニコ・モドゥーニョ「ヴォラーレ」(オリジナル・ヴァージョン)、バリー・ダーベル「なみだの日記」(Lost Love)、ロジャー・スミス「恋の渚」(Beach Time)、カテリーナ・ヴァレンテ「恋のバカンス(日本語)」など、他ではなかなか聴けない曲も収録。
明日は『Vol.2』を紹介しますよ。森 勉 |
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2010年10月10日(日) レーン&ザ・リー・キングス 「ストップ・ザ・ミュージック」 |
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昨日に続いてワーナー・ミュージック・ジャパンの宮治淳一氏企画・選曲による『オールディーズ・スーパーヒッツ』の紹介です。
今回は『Vol.2』(WQCP-844 解説・歌詞・対訳付 \1,680)の中から待望のCD化、レーン&ザ・リー・キングス「ストップ・ザ・ミュージック」を。
イギリス人のディック・ジョーダンのレコードが1963年に日本で発売されていたそうですが、この曲が有名になったのは、1966年日本で紹介されたスウェーデンのこのグループと、デンマークのヒットメイカーズのヴァージョンでした。
ヒットメイカーズの方は、『ベスト・ヒット100〜60's』(5枚組CD 全100曲収録 UICY-4434 \3,980 2008年1月22日のこのコーナーでも取り上げました)に収録され、めでたくCD化されていました。
このレーン&ザ・リー・キングスの方は、本当に待ちに待ったもので、この曲だけでもこのCDを買う価値があると思います。
『Vol.2』のその他の目玉曲としては、
・トロイ・ドナヒュー 「恋のパームスプリングス」
・ジリオラ・チンクェッティ 「夢みる想い」、「雨」
・ジョニー・ソマーズ 「すてきなメモリー (日本語)」
そして、これは珍しい!
・ショー・マルムクヴィスト&ウンベルト・マルカート「太陽にキッス」
レアものはもちろん、有名曲も含む全19曲です。森 勉 |
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2010年10月11日(月) ベル&セバスチャン 「ライト・アバウト・ラヴ〜愛の手紙〜」 |
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今年のフジロックで最終日WHITE STAGEのトリを務めた、ベル&セバスチャンが4年振りの新作『ライト・アバウト・ラヴ〜愛の手紙』(BGJ-10105 \2,490)を日本先行でリリースしました。
いつもと変わらぬポップな楽曲が並ぶベルセバらしい一枚です。
今作には、2人の女性ヴォーカルが参加しています。
D「リトル・ルー」にノラ・ジョーンズ。ベルセバ×ノラ・ジョーンズの組み合わせは意外でしたが、ゆったりとしたバラードで素敵なデュエットを聴かせてくれます。
そして、タイトル曲E「ライト・アバウト・ラヴ」には、映画「17歳の肖像」に主演したイギリスの若手女優キャリー・マリガンが参加。
こちらはゾンビーズ(ほんのり「She's Not There」)風の楽曲にのせて、キュートな歌声を披露しています。彼女の歌は、女優/シー&ヒムのヴォーカルである、ズーイー・デシャネルにちょっぴり似た雰囲気かなと思います。
日本盤にはボーナス・トラック「Last Trip」、「Suicide Girl」の2曲を追加収録。
(ボーナス曲の歌詞・対訳は無し)
最後の「Suicide〜」はタイトルだけ見るとなんか怖いですね。
イントロが80'sぽい、躍動感あるポップな曲なので、こちらもオススメです。東尾沙紀 |
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2010年10月12日(火) 東京ローカル・ホンク 「虫電車」 |
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10月10日(日)、京浜ロック・フェスティバルに行ってきました。
心配された雨も朝方に止み、昼過ぎには晴れて、野外で音楽を聴く心地良さを堪能することができました。会場の川崎東扇島東公園はアクセスが悪いもののもゆったりとした良い雰囲気で、陽が落ちても寒くなく快適でしたね。
NHK連続ドラマ『ゲゲゲの女房』に出演したことで更に人気を高めた星野源率いるSAKEROCK、シーナ&ロケッツ、あがた森魚、トクマルシューゴ、スカンク兄弟&原田郁子、どんとの息子“ラキタ”、清水宏、阿波踊り集団“東京天水連”など様々なアーティストが出演しましたが、この日の目玉はなんといっても、“東京ローカル・ホンク&鈴木茂”でしょう!
東京ローカル・ホンクが2曲やった後、「社会のワレメちゃん」という曲の途中から鈴木茂さんが加わり、「100ワットの恋人」、「はないちもんめ」(はっぴいえんど)、「砂の女」という構成。
ずっと昔から邦楽で一番大好きなバンドであった東京ローカル・ホンクが、はっぴいえんどの曲のバック演奏をやっている、ということでとても感慨深かったですね。
ホンクがやった2曲目「虫電車」、♪蛾が一匹〜♪という歌いだしの時に、どこからか蛾(蝶)がステージ前に飛んできたのが印象的でした。
2005年7月2日蘇我ショッピングモールの外でインストア・ライヴをやった際、この曲演奏中に蛾がアラケンさんのベースにとまった時のことを思い出しました。森 陽馬
★掲載ジャケットは、「虫電車」収録の2005年発表アルバム『Tokyo Local Honk』(MONA-8 \2,500)。しばらくメーカー品切中でしたが、再入荷しました。 |
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2010年10月13日(水) ボニー・ピンク 「Many Moons Ago」 |
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J-POP女性シンガー、ボニー・ピンクがデビュー15周年を記念した11thオリジナル・アルバム『Dear Diary』を発売。(初回盤2CD+DVD WPZL-30212 \3,800)
今までの彼女の作品に関わってきたトーレ・ヨハンソン、會田茂一、James Bryanなどがプロデューサーとして参加し、ポップな魅力とロックなアレンジがうまく絡み合った作品に仕上がっています。
カナダ/トロントでレコーディングされたギタリストJames Bryanが関わった楽曲D「Hurricane」、J「Here I Am」、トーレプロデュースのシングル・カット曲K「カイト」、「ビコーズ・ザ・ナイト」(ブルース・スプリングスティーン作、パティ・スミスで有名)を彷彿とさせるメロディーのI「Birthday Girl」など印象的なナンバーが多数収録。
個人的にはカーリー・ジラフ(高桑圭によるソロ・ユニット)がプロデュースしているG「Many Moons Ago」が気に入りました。
この曲のみ演奏/アレンジは全てカーリー・ジラフが担当。
切ない歌詞ながら温か味があるサウンド・アレンジがNICE! ボニー・ピンクの歌声との相性が良いですね。
ちなみにこの新作、初回盤はB面集15曲入CDとライヴDVDが付いた2CD+DVD仕様で3,800円と超お買い得! ベスト盤しか持っていない方にもオススメの1枚です。森 陽馬 |
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2010年10月14日(木) Wilson Phillips 「Our Prayer」 |
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早いもので10月中旬。
ウィルソン・フィリップスの新作クリスマス・アルバム『Christmas In Harmony』が発売になりました。(輸入盤CD Masterworks 88697-734882)
ウィルソン・フィリップスは、ブライアン・ウィルソンの娘(カーニー&ウェンディ・ウィルソン)と、ママス&パパスのジョン&ミッシェル・フィリップスの娘(チャイナ・フィリップス)からなる3人組グループ。
1990年デビュー後、ソロ活動/各々の結婚・出産を経て、2004年に久々の復活作『California』をリリースしていましたが、今作はそれ以来6年ぶりとなる新録アルバムです。
カーニー&ウェンディ名義でもクリスマス・アルバムをリリースしていたことがあったので、「また?」という思いもありましたが、聴いて納得。
今作は名作1stと2ndアルバムをプロデュースしていたグレン・バラードがプロデュースを担当しており、全編ウィルソン・フィリップスらしいポップなアレンジ♪ 何度聴き返しても楽しめる素晴らしい仕上がりの1枚でした。
クリスマス・スタンダード曲を中心に、ロイ・ウッド作@「I Wish It Could Be Christmas Every Day」カヴァーも収録。
そしてアルバムの最後には、「Our Prayer」!
伝説のアルバム『スマイル』に収録される予定だったビーチ・ボーイズのコーラスが堪能できる名ナンバー(『20/20』、ブライアン・ウィルソン名義『スマイル』にも収録)で、彼女達3人の美しいコーラス・ハーモニーに感動。
今年のクリスマスはこのアルバムがヘビーローテーションになりそうです。森 陽馬
★10月15日(金)17時、J-WAVEの番組『Circus Circus』内で武蔵小山が特集され、当店も紹介されることになりました。
17時40分頃の予定。ラジオ聴けそうな方は是非チェックしてみてください。 |
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2010年10月15日(金) マリリン・モンロー 「I Wanna Be Loved By You」 |
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9月末、俳優のトニー・カーティスが亡くなったニュースが新聞などで報道されていましたが、アーサー・ペン(『俺たちに明日はない』の監督)や池内淳子の訃報と重なったりして思っていたよりさらっと扱われていたことを含めて、亡くなったこと自体残念に思いました。
中学生の時に観たブレイク・エドワーズ監督による『グレートレース』のキザな二枚目役、そして名画座(たしか渋谷の全線座だったと思う)で後追いで観たビリー・ワイルダー監督による『お熱いのがお好き』での女装するサックス奏者役。
この二つの大好きな映画で、僕の中では“永遠のトニー・カーティス”になっています。(そういえば共演は共にジャック・レモンでしたね。)
ということで、トニー・カーティス追悼という気持ちを込めて、『お熱いのがお好き』(Some Like It Hot)のサントラより、マリリン・モンローが歌う「あなたに愛されたいのに」(I Wanna Be Loved By You)を。
この映画でのマリリン・モンロー、かわいくて、妖艶で、本当に素敵でした。
このCDは、英国のエル・レーベル(チェリー・レッド配給)から今年リリースされた『お熱いのがお好き』<拡大版>というようなもので、1959年にユナイテッド・アーティストから出たサントラ盤に、ジャズ・ギタリストのバーニー・ケッセル『プレイズ・サム・ライク・イット・ホット』、ジャック・レモン『シングス&プレイズ・ミュージック・フロム・サム・ライク・イット・ホット』のLPの音源も追加収録したお徳用盤です。
ジャック・レモンの歌う「I Wanna Be Loved By You」、渋い! 森 勉 |
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2010年10月16日(土) エドウィン・コリンズ 「All My Days」 |
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「Rip It Up」のヒットで知られるバンド、オレンジ・ジュースのフロントマンとして80年にデビュー。
バンド解散後はソロやプロデューサーとして活動しているエドウィン・コリンズが、久々の新作『Losing Sleep』(国内盤 HSE-70115 \2,490)をリリースしました。
05年病に倒れ、言葉を発する事もままならない状態から懸命のリハビリで、07年には復帰作『Home Again』(国内未発売)をリリース。
今作は、1曲目のノーザン・ソウル風のポップなタイトル曲「Losing Sleep」をはじめ、イキイキとした楽曲が並び、完全復活を感じさせる快作となりました。
現在も右半身が不自由だという彼を演奏面でサポートするのは、バーリー・カドガン(リトル・バーリー)、ライアン・ジャーマン(クリブス)、ジョニー・マー、ポール・クック、ロディ・フレイム、フランツ・フェルディナンド、ロメオ・ストッダート(マジック・ナンバーズ)、ザ・ドラムス等の若手まで、世代も様々な仲間達。
特に同世代の友人であるロディと共作し、ギターで参加したアコースティック・ナンバー「All My Days」は、彼の低い声に合う味わい深い一曲です。
息子のウィリアムがドラムで参加しています。
国内盤にはボーナス・トラック3曲を追加。ゆったりとした2曲と「Losing Sleep」のインストゥルメンタルも聴きものです。
鳥が沢山描かれたジャケットも良いなぁと思い、クレジットを見たらエドウィン自身が描いたものでした。
素晴らしい! 東尾沙紀 |
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2010年10月17日(日) Seductive Souls 「Love Don't Hurt At All」 |
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久々に、コレは買いっ!な新世代ソウルの作品が登場。
70'sメロウ・ソウルやインコグニートなどのアシッド・ジャズを敬愛するドイツ人プロデューサー、Rob Hardt(ロン・ハート)が手掛けたドイツ産ネオ・ソウル・ユニット、“セダクティヴ・ソウルズ”。
この1stアルバム『SPIRIT』(輸入盤 LR-73-10)は、最近のR&BやHIP HOPと違い全体的にヴィンテージ感漂う70's的音色が心地良いサウンド・アレンジで、楽曲もメロウ・グルーヴ・マナーで統一された2010年新録とは思えない仕上がりの1枚。
アコースティック・ソウルな@「Symetry」、スムースな女性シンガーも魅力のA「Your Love」、リロイ・ハトソンのようなメロウ・ダンサーB「Is This Love」から、BRICKの70'sディスコ人気曲C「Dazz」カヴァー、クール&メロウ・グルーヴィーなF「How It Feels」など全曲聴きもの!
特に気にいったのは、E「Love Don't Hurt At All」。
フリー・ソウルのコンピに入っていても全く違和感がなさそうなHappy&グルーヴィーなキラー・チューン! 熱すぎないクールな男性ヴォーカル(この曲はC.Robert Walkerという人)もNice!
70'sメロウ・グルーヴお好きなソウル・ファンはもちろん、フリー・ソウル好きだった方からヴィクター・デイヴィス等のUKソウル好きな方にも是非聴いてもらいたい傑作です。森 陽馬
★なお国内仕様盤(OTLCD-1436 \2,490)も出ていますが、歌詞カードはおろか日本語解説も入っておらず帯が付いているだけですので、値段の安い輸入盤の方をおすすめします。 |
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2010年10月18日(月) ビートルズ 「シー・ラヴズ・ユー」 |
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ビートルズの赤盤と青盤が発売になりました。
(赤:TOCP-71017 青:TOCP-71019 各\2,600)
さて、いきなりクイズです。
赤盤と青盤に収録された曲は全部で54曲になりますが、オリジナル・アルバム13枚の中では(パスト・マスターズなどの編集盤は除く)、どのアルバムからが一番選ばれているでしょうか?
<答えは、今日のこの文章のラストに。>
今回、曲目をちゃんと見て思ったことを少し。
赤盤と青盤って、同じ曲数だと思っていたら、1曲が短い赤の方が曲数が少なかったんですね。
てっきり同じか赤の方が多いというイメージを持ち続けていたのですが・・・。ということもあり、赤にもう少し曲を追加してもいいのではないか、と思いまして、勝手に2曲増やすなら何を入れようか、なんて考えてみました。
赤には、ジョージ・ハリスンのリード・ヴォーカル曲が全く収録されていないので、まず「タックスマン」。そして自作ではありませんが、「すてきなダンス」(I'm Happy Just To Dance With You)を入れたいな。
後者はリアルタイムで映画『ア・ハード・デイズ・ナイト』を観た方なら7割がた相槌を打ってくれるのではないでしょうか?
まあなんだかんだで遊べるビートルズですね。
<今日のこの1曲>は赤:disc1の4曲目「シー・ラヴズ・ユー」。
この躍動感とスピード感、いつ聴いても体の中の血流が早くなるような高揚感を覚えます。イエー!イエー!
最初のクイズの答えは『ラバー・ソウル』。
6曲も入っています。森 勉
追記:よく考えてみたら違いました。
本当の答えは7曲収録されている『マジカル・ミステリー・ツアー』でした。
どうもアメリカ編集のアルバムをオリジナル・アルバムとして考えていない自分がいるものですから失礼いたしました。 |
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2010年10月19日(火) ザ・ハード 「二人だけの誓い」 |
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昨日も告知しましたが、明日20日(水)に自分の好きな曲ばかりをかけるDJイヴェントを当店地下アゲインで行います。
今回のテーマはイギリスの60'sビート・グループ特集。
<秋の夜長のブリティッシュ・ビート>と題して今まであまりかからなかったあたりにも手をのばしてみたいと思っています。グループだけでなく、ソロ・シンガーとか女性ヴォーカリストなども予定しています。
あのグループが発表した意外な側面を感じさせてくれる曲とか、やり手プロデューサー、ミッキー・モストのいい仕事とか、コーラス・ハーモニーの美しいグループはこの人たちとか、60'sブリティッシュの3大歌姫は誰?とか、ホリーズのヒット曲以外の名曲とか、色々なコーナーを作ってビートルズの他にもこんなアーティストのこんなイイ曲があったんだ、という感じの特集にしたいと思っています。
ということで今日は、1967年にデビューしたザ・ハード。
当時はまだ16歳だった美少年ピーター・フランプトンが在籍。
日本ではアイドル的な話題性で音楽雑誌のグラビア・ページを賑わせていましたが、音は非常にしっかりとしたものでした。
このCDは全27曲入り。(国内盤 解説付 AIRAC-1141 \2,730)
1968年に発表されたアルバム12曲にシングル曲や未発表曲などを15曲プラスした大充実盤。
「二人だけの誓い」(I Don't Want Our Loving To Die)は、1968年全英5位まで上ったヒット曲で、彼らのマネージメントも担当していたケン・ハワード&アラン・ブレイクリーの作品。
ピーター・フランプトンのソウルフルなヴォーカルと途中から出てくるギャリー・テイラーの低音の歌声が魅力です。森 勉 |
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2010年10月20日(水) スティーヴン・ビショップ 「Rhythm Of The Rain」 |
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スティーヴン・ビショップ、幻の4thアルバム『スリーピング・ウィズ・ガールズ』が世界初CD化されました。(国内CD VSCD-2256 歌詞・解説付 \2,625)
1985年香港のみでリリースされ、その後アメリカ/他国では発売されなかったアルバム。
オリジナルLPはAORマニアの間で超プレミアが付いていたそうで、僕は当初その存在すら知らず、シンコー・ミュージック社が出しているディスク・ガイド本『AOR』で初めて知って以来、ずっと聴いてみたいな、と思っていた1枚でした。
1980年代の録音ということで時代を感じさせる音色もありますが、BISH特有の切ないメロディーと歌声を楽しめます。
映画『ホワイト・ナイツ』挿入歌としてフィル・コリンズ&マリリン・マーティンのデュエットで全米No.1となったD「Separate Lives」、映画『トッツィー』挿入歌H「It Might Be You」(邦題:君に想いを)、@「Fallin'」が特にいいですね。
意外だったのが、A「Rhythm Of The Rain」(邦題:悲しき雨音)。
カスケイズで有名なこの“雨の名曲”を、リー・リトナー(G)、リー・スクラー(B)、カルロス・ヴェガ(Dr)という凄腕ミュージシャンを伴い、ミディアム・スローのシンプルなアレンジでカヴァー。
なおこの曲にはブライアン・ウィルソン・バンドでお馴染みのジェフリー・フォスケットもコーラスで参加しています。
他の曲では、エリック・クラプトン(G)、スティング(B)、フィル・コリンズ(Dr)、リア・カンケル、ランディ・クロフォードなども参加。
AORファンは廃盤になる前に買っておいた方がいい1枚ですよ。森 陽馬 |
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2010年10月21日(木) Jimmie Vaughan 「Send Me Some Lovin'」 |
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スティーヴィー・レイ・ヴォーンの兄、ジミー・ヴォーンの新作『Play Blues, Ballads Favorites』が発売。(輸入CD Shout Factory 826663-12106)
CDをかけた瞬間から、60〜70年代のアナログ的質感の音が飛び込んできて、これはホントにブルージーで良い作品ですね。
タイトル通り、彼が好きなブルース・ナンバーを中心にカヴァーしたアルバム(オリジナルは1曲のみ)。選曲も渋くてナイス。
11曲目「Send Me Some Lovin'」は、ジョン・レノンが『ロックン・ロール』でカヴァーしていたことでも知られるリトル・リチャードで有名な1曲。
女性ブルース・シンガー、Lou Ann Bartonがヴォーカルを担当していて、彼女のソウルフル&ブルージーな歌声とジミー・ヴォーンのタメのきいたギターがかっこいい!
学生の時は、弟レイ・ヴォーンの超絶ギターばかり聴いてましたが、最近は兄の味わい深いブルースの方が好きになってしまいました。
とにかくもブルース好きの方には絶対にオススメの1枚です。森 陽馬 |
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2010年10月22日(金) Carol Connors 「Lonely Little Beach Girl」 |
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60'sガール・ポップス、及びサーフィン/ホット・ロッド・ファンにはたまらない編集のCDが出ました。(輸入CD 『Hey, Beach Girls! Female Surf'N' Drag 1961-1966』 ACE CDCHD-1282)
またまたACEレーベルからの発売です。
女性シンガーまたはグループがサーフィン/ホット・ロッド・ソングを歌った曲を集めたマニアックな企画です。
ジャケット写真になったハニーズをはじめ、ドナ・ローレン、エンジェルス、サーファー・ガールズ、アンドレア・キャロルなどそれなりに知れた名前もありますが、無名のレアものもタップリ収録されています。
24ページ・ブックレットに掲載されているジャケットや写真を見ながら、サーフィン・ミュージックが旬だった時代に想いをはせる。・・・そんな秋も良いのでは。
全25曲イイ曲が多いので目移りしますが、レアなものでいきましょうか。
21曲目に入っているキャロル・コナーズ「Lonely Little Beach Girl」。
サーフィン・ブームがもう過ぎ去っていた1966年発表&シングルB面ということもあり、いい雰囲気を持った曲なのですが、全く注目されずに埋れていた曲です。
ちょっと頼りない声ですが、それが魅力なのですね。
曲を作ったのは彼女自身で、プロデュースには一緒にテディ・ベアーズをやっていたマーシャル・リーブが担当しています。
そうキャロル・コナーズは1950年代後半、フィル・スペクターのガール・フレンドだった女性で、テディ・ベアーズにも在籍していたアネット・クレインバードなのです。
1960年代に入ってから改名して、キャロル・コナーズとなり、ソングライターとして活躍しました。森 勉 |
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2010年10月23日(土) トレイシー 「Mama Never Told Me」 |
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ザ・ジャム後期楽曲にコーラス参加、スタイル・カウンシル「Speak Like A Child」のビデオ出演など、ポール・ウェラー・ファンにはお馴染みの女性シンガー、トレイシー。
ポールが設立したレーベル“レスポンド”から1984年リリースされた唯一のアルバム『Far From The Hurting Kind』が再発されました。(VSCD-8153 \2,625 日本語解説付)
サウンドはやはり時代を感じさせるものもありますが、ポール・ウェラー、当時のレーベルメイト、クエスチョンズ、エルヴィス・コステロ作の楽曲、マーサ・リーヴスの「Thank You」カバーなど、ポップな楽曲は今聴いて良いですね。
アルバム未収録だったシングル曲「The House That Jack Built」、「Give It Some Emotion」と、更にシングルB面やデモなどボーナス8曲を追加収録。
その中には08、09年のラジオ・セッションでの「Give It〜」再録等も含まれており、シンプルな演奏で変わらない歌声を披露しています。
レスポンドのコンピレーションに収録されていたシスター・スレッジ「Mama Never Told Me」のカバーもGood! 原曲が良いのは勿論ですが彼女のヴァージョンもとても良いですね。
ブックレットもシングルジャケなど写真も充実してます。初期スタカンが好きな方は是非。
最後にポール・ウェラー最近のニュース。
先日27歳年下のガールフレンドと結婚したそうです。末永くお幸せに!東尾沙紀 |
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2010年10月24日(日) オスカー・ピーターソン・トリオ 「Time And Again」 |
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『Off Stage Talk』というサイトにて、名ドラマー林立夫さんと森 勉の対談がアップされました。
「Off Stage Talk」は、音楽人による交遊“音”録サイト。
石田ショーキチ、林立夫、伊藤銀次などのレジェンドミュージシャン・辣腕プロデューサーが、彼等ならではのゲストを招いて対談した内容を“音”で聴けるサイトです。
全4回でまず第1話がアップ。(第2話は10月30日(土)、第3話は11月6日(土)、第4話は11月13日(土)にアップされる予定)
このサイトには伊藤銀次さんと村田和人さんの対談もありますので、村田さんファン、銀次さんファンの方も是非チェックしてみてください。
さて、以前林立夫さんに印象に残っているドラマーについてお伺いしたことがあったのですが、その際におっしゃっていたのはエド・シグペンでした。
エド・シグペンはオスカー・ピーターソン・トリオで有名なジャズ・ドラマー。
トリオ3人で揃いのタキシードを着ていたことが印象に残っているそうです。森 陽馬
★掲載ジャケットはオスカー・ピーターソン・トリオの1964年録音名作『プリーズ・リクエスト』。1,100円というお買い得な価格で再発されました。(UCCU-9802 \1,100) |
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2010年10月25日(月) Carl Wilson 「Rockin' All Over The World」 |
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ずーーっとずっと、廃盤状態なっていたカール・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ)のソロ・アルバムが再発されました。
1981年と1983年、2枚出た内の今回は1983年発表2ndアルバムの方だけですが約20年ぶり待望の発売です。(『Yooungblood』 ICONCLASSIC records ICON-1019)
カールが36歳の時に録音・発表されたものです。
1980年代前半、カールはビーチ・ボーイズのライヴ・ツアーにも参加せず、少し距離を置いた状態でソロ活動を行っていました。
やっかい者が多いグループ(ごめんね!ブライアン、デニス、マイク)をちょっと離れて、ビーチ・ボーイズで出来ないことをやりたかったんでしょうね。
プロデュースはジェフ・バクスター。
バック・ミュージシャンはエド・グリーン、エリオット・ランドール、ニッキー・ホプキンス、ティモシー・シュミット、バートン・カミングス、ビリー・ヴェラ&ビーターズのホーン・セクション、そしてカールの義理の弟、ビリー・ヒンシュ等が参加。
R&Bテイストを含んだストレートなロックを聴かせてくれます。
全11曲、カールの自作が7曲、ビリーが1曲、あと3曲はカヴァーというラインナップです。
今日はその中から「サーフィンUSA」や「ファン・ファン・ファン」タイプのオールド・ロックン・ロール曲を。
この「ロッキン・オール・オーヴァー・ザ・ワールド」はジョン・フォガティのソロとしては初めてのヒット曲となった1975年作品をカヴァーしたもの。
ホーン・セクションも入り、間奏ではカール(と思いますが)のリード・ギターも炸裂! 本当にかっこいいロックン・ロール・ナンバーに仕上がっています。森 勉 |
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2010年10月26日(火) Summer Snow (feat The Peppermint Trolley Company) 「Flying On The Ground」 |
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10月23日、24日の2日間、ニール・ヤングとその奥方ペギ・ヤングが主催している障害者支援のブリッジ・スクール・ベネフィット・コンサートが開催。
毎年豪華な顔ぶれなのですが、今年はなんと!ニール・ヤング、スティーヴン・スティルス、リッチー・フューレイの3人が集まり、“バッファロー・スプリングフィールド”として久々にライヴを行ったそうです。
椅子に座りながらのんびりアコースティックでやるのかな、なんて思っていたら、youtubeでの映像(海外ファン・サイトにリンク)やweb上の写真(海外ローリングストーン誌のサイト)を見ると本気モードでやっていてビックリ!
スティルスも一時期より精悍な顔つきになっていて3人ともかっこいいですね!
ということで、今日はバッファロー・スプリングフィールド(ニール・ヤング作)の珍しいカヴァー曲を。
Summer Snowという名義になっていますが、ソフト・ロック・グループPeppermint Trolley Companyによるバック・トラックで1967年録音。
米サイケ界の帝王、The Deep/フリークシーンで知られるラスティ・エヴァンスがプロデューサーとして名前が入っているのが興味深いですね。(でも、それほどサイケな感じではなくて、アレンジはとてもポップ♪)
ちなみにこのCDはゲイリー・ルイス『リッスン!』の再発でもお馴染み、英国Now Soundレーベルから発売された好コンピ。(『Book A Trip: The Psych Pop Sounds Of Capitol Records』 CRNOW-19)
キャピトル・レコードの倉庫に眠っていた超貴重な蔵出し音源がタップリ収録。ソフト・ロック・ファンにオススメの1枚です。森 陽馬 |
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2010年10月27日(水) ドゥービー・ブラザーズ 「Don't Say Goodbye」 |
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昨年素晴らしい来日公演を見せてくれたドゥービー・ブラザーズ。
元気いっぱいのトム・ジョンストンはライヴ中のMCで新作を近々リリースすることを話していましたが、やっと発売になりました。(『World Gone Crazy』 SICP-2894 初回DVD付 \3,780 通常盤CDのみは\2,520 国内盤ボーナス・トラック追加収録 ライナーノーツ:天辰保文さん)
これが素晴らしい出来!
ドゥービーというと、初期トム・ジョンストン中心の時と、中期マイケル・マクドナルドが加入してからの時代とで、ファンの間でも好きな作品が分かれると思いますが、この新作はそのどちらのファンも気にいること間違いなしの仕上がりです。
『キャプテン・アンド・ミー』等多くの名作に関わったテッド・テンプルマンがプロデュースを担当し、歯切れのいい演奏とコーラス・ハーモニー、そしてグッド・メロディーが絡んで1曲1曲が充実しています。
イントロが聴こえてきた瞬間ハッとさせられる71年発表デビュー作に収録されているB「Nobody」新録ヴァージョンもかっこいいし、ウィーリー・ネルソンをfeatしたI「I Know We Won」、ビル・ペインが参加したナンバーなども良いのですが、グッときたのはF「Don't Say Goodbye」。
マイケル・マクドナルドが奥さんのエイミー・ホランドと共にこの曲のみヴォーカル参加! タイトなドゥービー・サウンドとR&B色が見事にかみ合った1曲です。
なおこの曲には昨年急逝した名ハーモニカ奏者、ノートン・バッファローも参加しており、哀愁あるハーモニカの響きが沁みます。森 陽馬 |
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2010年10月28日(木) Rick Bowles 「(Tonight I'll Be Your9 Fool Again」 |
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今年はAORブームのようで、珍しい作品が本当にたくさんリリースされました。
今週もマクサスの中心メンバーであったジェイ・グルスカの1st、マーティ・マッコール&ファイヤーワークスの世界初CD化や、ロバート・バーン、ファラガー・ブラザーズなどユニバーサル社から6タイトル発売。
特に気にいっているのが、リック・ボウルズの1stアルバム『Free For The Evening』です。(UICY-94690 完全限定紙ジャケット仕様 \2,800)
リック・ボウルズはノース・キャロライナ出身のシンガー・ソングライター。
以前ドリームズヴィルから1984年制作の作品がCD化されたことがありましたが、このアルバムは1982年発表の1st。甘く切ないメロディアスなAOR作に仕上がっています。
特に極上のスロー・バラードA「(Tonight I'll Be Your) Fool Again」はおすすめ。ロバート・バーン&ブランドン・バーンズ(バーン&バーンズ)によるコーラスも素晴らしいです。
ちなみにこのアルバムをプロデュースしているのは、ジェイ&アメリカンズのデビュー曲「She Cried」のソングライターとして知られているテッド・ダリルという人が担当してます。森 陽馬 |
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2010年10月29日(金) ALEX & SAM 「THE ONE」 |
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CDジャーナル誌前号に記事が掲載され、気になっていた“アレックス&サム”の作品を聴いてみました。
アレックス&サムはロサンゼルスを中心に活動する作曲、ギター、キーボード、ヴォーカル、アレンジなど全体のプロデュースも手掛けるアレックス・シルヴァーマンと、女性ヴォーカル、サマンサ・シドリーの男女デュオ。
アメリカでは今、“インディ・ジャズ”と呼ばれるシーンが盛り上がっているそうで、中でも人気なのがこのユニットなのだそうです。
“インディ・ジャズ”=ジャジーでお洒落、
を想像していたのですが、聴いてみるとビートルズや70年代のソングライター(特にポール・サイモンやランディ・ニューマンが好きなのだそうです)をお手本とした耳馴染みの良いポップスな音作り。
ギターを中心にオルガンやサックス、ヴァイオリン等の編成で、肩の力がフッと抜けるようなリラックスしたサウンドを聴かせてくれます。
クラシックを学んでいたというだけあり、ふんだんに入れられたストリングスも良いアクセントになっています。
中でも個人的にお気に入りなのが「The One」という曲。
ホーンが入ったソウル・ナンバーで、柔らかい雰囲気のサムの歌声が心地良い曲です。ノラ・ジョーンズお好きな方にもおすすめです。東尾沙紀
★ジャケットの写真は1st『SOUND LIKE THIS』(DQC-557 \2,205)。2作目『THE DREAMER』(DQC-572 \2,205)も今月リリースされています。 |
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2010年10月30日(土) triosence ft. sara gazarek 「Like The Wind」 |
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台風の影響で東京は朝から風雨が強かったのですが、夜にやっと雨が止みました。
風の音が時折り窓を叩くものの、外は人も少なく物静かな週末です。
そんな穏やかな夜にゆったり聴きたいオススメ・ジャズ。
トリオセンス・ミーツ・サラ・ガザレク『Where Time Stands Still』。(OMCZ-1037 \2,625)
僕が最近一番気にいっているジャズ・ヴォーカル・アルバムで、毎夜こればっかり聴いています。
トリオセンスはベルンハルト・シューラー(P)を中心に結成されたドイツ出身のピアノ・トリオ。
以前出した3作も素晴らしいアルバムで、キース・ジャレット直系リリカルなアコースティック・ピアノを軸に、ヨーロッパらしい上品なジャズを聴かせる作品でしたが、今作もジャケット同様非常に美しい1枚。
アメリカ出身女性シンガー、サラ・ガザレクも清らかかつ奥行きがある歌声で、トリオセンスの牧歌的ながら上品な世界観に見事マッチしています。
国内盤CDはボーナス・トラック2曲追加で日本語訳歌詞付。
ライナーノーツは、Good Musicをわかりやすく素晴らしい文章で毎度紹介してくれる渡辺亨さんが執筆されています。森 陽馬 |
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2010年10月31日(日) ジョン・コルトレーン 「セイ・イット」 |
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渋谷にあった<デュエット>というジャズ喫茶の話を以前(2009年3月1日の今日のこの1曲コーナーにて)少しだけ書きましたが、この曲の入ったアルバム『バラード』は、その<デュエット>で初めて耳にしました。
まだ高校生だったのですが、元来メロディーの美しい曲が好みだったので、実にすんなり気にいったLPになりました。
それまで聴いていたジョン・コルトレーンのイメージは、もっとハードにテナー・サックスを吹きまくるというものでしたが、この『バラード』は全編抑制のきいた落ち着いたトーンで構成され、とてもゆったりした気持ちにさせてくれる音だったのです。
この「セイ・イット」が録音されたのは1962年11月。
バックには、マッコイ・ターナー(ピアノ)、ジミー・ギャリソン(ベース)、エルヴィン・ジョーンズ(ドラムス)が参加して、地味ながら最高のサポートをしています。
甘く切ないメロディーに身を委ねながら、もの思いに耽るもよし、じっくりコルトレーンの息遣いを確かめながら聴くもよし。
今ならこの名盤が、なんと!1,100円という低価格で発売されています。(UCCU-9851 解説付 \1,100) 森 勉 |
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