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2010年6月1日(火) Natalie Merchant 『It Makes A Change』 |
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ゼロ年代(2000年代)が終わり、2010年代に入って早半年。
この半年間でもいい作品がたくさんリリースされましたが、今日紹介するこのナタリー・マーチャントの新作は、<2010年代女性シンガー・ソングライターを代表する名盤>となりそうな気が早くもしています。
ナタリー・マーチャントは、1980〜90年代に“10,000マニアックス”というグループのメンバーとして活動。以後ソロでも作品を発表し続けてきたニューヨーク/Jamestown出身の女性シンガー・ソングライター。
1995年ソロ1stとして発表した『タイガーリリー』が名作として誉れ高いものの、その後は印象薄い作品が続いていましたが、約7年ぶりとなる新作『Leave Your Sleep』は本当に素晴らしいアルバムに仕上がっていました。(輸入2枚組CD NONESUCH 522304-2)。
彼女が影響を受けた1700〜1800年代英国の詩人や近代作家の詩に曲をつけ、“子供”をテーマに作り上げた2枚組全26曲に及ぶ力作。曲ごとに様々なミュージシャンをfeatし、フォーク、ケルト、ジャズ、ブルーグラス、ケイジャン、ニューオリンズ風、はたまた中国的テイストなど多彩な音楽性でその詩世界を色鮮やかに表現しています。彼女の公式ページで画像や音を聴けたりできます。
楽曲の質もさることながら、格式高い本のような充実ブックレットが付いたアルバムの装丁がとにかく秀逸! ナタリー・マーチャントはご存知でない方でも是非手に取ってもらいたいアートワークです。
ちなみに今日のこの1曲は、♪トゥトゥルトゥトゥトゥトゥル♪という出だしが印象的なポップ・チューン。メデスキ・マーティン&ウッドがバックを務め、スティーリー・ダンのバックで有名なマイケル・レオンハートがホーン・アレンジを手掛けています。森 陽馬 |
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2010年6月2日(水) Stumble Bum 「田舎道」 |
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高田渡、西岡恭蔵がいなくなった今、遠い昔の日本に想いを馳せさせてくれるような日本フォーク・ロックは意外なほど少なくなってしまった。
そんな現代、ついつい70年代URCの作品に手がのびてしまうという方にオススメしたいのが今日紹介するこのアルバム。(Stumble Bum 『Folk Rocker』 XQJA-1001 \2,000)
スタンブル・バムは、関西を拠点に活動していた井上民雄と、UAなどのセッションで知られるベーシスト笠原敏幸によるユニット。
“日本のリヴォン・ヘルム”とも評される名ドラマー、椎野恭一が立ち上げた新レーベル“DEEP ORANGE”からの第一弾作品で、その椎野さんもプロデュース&ドラマーとして参加している。
タイトル『FOLK ROCKER』通り、無駄な音を排除したフォーク・ロック・サウンドに西岡恭蔵さん似の井上民雄による歌声がやさしく沁みる。
椎野さんのレイドバックしたドラム、笠原さんの渋いベース、田村玄一によるペダル・スティールによるアンサンブルは、“21世紀の『街行き村行き』”と称しても過言ではないだろう。
違いのわかる大人のフォーク・ロック。高田渡、西岡恭蔵お好きな方に是非とも聴いてもらいたい1枚だ。森 陽馬 |
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2010年6月3日(木) Mel Torme 「Secret Agent Man」 |
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P.F.スローン&スティーヴ・バリのコンビが1964年から1967年にかけて書いた楽曲を全25曲集めた作品集が、ACEレーベルから発売されました。(輸入CD 『YOU BABY:words and music by P.F.SLOAN and Steve Barri』 ACE CDTOP-1264 \2,280)
サーフィン、ホット・ロッド、ガール・ポップ、ブリティッシュ・ビート、コーラス・グループ、フォーク・ロックなど、この時代の流行を的確に把握して、ソングライティングの幅を広げていった彼らの多彩な作品を、これ1枚でタップリ楽しむことができます。
プロデューサー、ボーンズ・ハウがチョイスしたタートルズ「Can I Get To Know You Better」、「Let Me Be」、アソシエイション「On A Quiet Night」もいいし、ガール・ポップ・テイストのレア・シングル曲、イヴォンヌ・キャロル「Please Don't Go」や彼らの作品としては定番のブルース&テリー「Summer Means Fun」、ファンタスティック・バギーズ「Tell 'Em I'm Surfin'」、ハーマンズ・ハーミッツ「A Must To Avoid」(邦題:あの娘に御用心)など名曲満載です。
今日は、1966年ジョニー・リヴァースの歌で大ヒットした「Secret Agent Man」(邦題:秘密諜報員)を、なんと!ジャズ・シンガーのメル・トーメがかっこよく歌っている珍しいヴァージョンがこのCDに入っていますので、これをこの1曲に。森 勉 |
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2010年6月4日(金) Greg Perry 「How's Your Love Life, Beby」 |
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すでにCD店の告知でご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、全ての音楽ギフトカードの利用期限が8月31日まで、となりました。
ここ数年間で発行されていたギフトカードには有効期限が記載されていて、例えば『有効期限 2013年12月31日』と書いてあれば2013年末までに使えばよい、ということでしたが、その有効期限も関係なく、全ての音楽ギフトカードが9月以降は使えなくなります。
正直言って販売員の立場からすると困りますね。HP上や店頭で利用期限を訴えていても周知させるのは難しいでしょうから、期限以降に店頭に持ってくる方も絶対に出てきそう。(有効期限が3年以上も先で記載されていたりしますから、いつか使おうと思ってタンスにしまってある方も多いでしょうしね。期限が書いてないカードならなおさら。)
その場合店側としては断ってお詫び申し上げることしかできないので、何かしらの補償措置を講じてほしいところですが、ギフトカード自体がこうしていきなり廃止になってしまうくらいですからそれも難しいでしょう。
まあとにかくもこれをご覧になっている方でギフトカードをお持ちの方は、できるだけ早くお使いいただくようよろしくお願い申し上げます。
さて、今日のこの1曲はノーザン・ソウル/デトロイト・ソウルの重要人物、グレッグ・ペリーの世界初CD化作品より。
最近ソウルでいい復刻ものがたくさん出ていて、これもその1枚。
ホランド=ドジャー=ホランドと共に仕事をしてきた彼がRCAから77年にリリースしたソロ2ndアルバム『Smokin'』。(REEL MUSIC 78033-2)
さりげなく入っているストリングスもすごくイイ感じ。フィリー・ソウルっぽい風味も加味されていて聴きやすいオススメ盤。
エディ・ケンドリックスもカヴァーしているC「How's Your Love Life, Baby」、極上ミディアムD「I'll Always Be In Love With Love」は聴きモノですよ。森 陽馬 |
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ジャケットの土岐麻子さんのセクシー・ショット....ちょっとドキドキしてしまいますね。先月末リリースされた新作『乱反射ガール』(RZCD-46547 DVD付 \3,800)はこれからの季節にぴったりの一枚です。
川口大輔を筆頭に、トライセラトップスの和田唱(マイケル・ジャクソンの「Human Nature」をデュエット)、G.RINA、いしわたり淳治、さかいゆう、桜井秀俊(真心ブラザーズ)、奥田健介(NONA REEVES)、渡辺俊美(TOKYO NO,1 SOUL SET)、伊澤一葉(東京事変)など、曲毎に様々なミュージシャンがアレンジや曲提供で参加しています。
アルバム全体のテーマは“夏の恋”でしょうか。
タイトルの“乱反射”、“熱砂”、“海”などのキーワードと、色彩豊かなアレンジ、そしてEPO似の艶やかな歌声が、いち早く夏を感じさせてくれます。
森山直太朗&御徒町凧が作詞作曲、高田漣が参加した「鎌倉」はゆったりとしたメロディーが初夏の空気を感じさせるナンバー。「〜です。〜ます。」口調の詞がちょっとはっぴいえんどを意識した感じの作りですね。
「All You Need Is Love」のカバーも収録されています。東尾沙紀 |
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2010年6月6日(日) Ershel Hickey 「Bluebirds Over The Mountain」 |
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ビーチ・ボーイズがカヴァーした曲のオリジナルを集めたCDがイギリスのCherry Red系のレーベル、“Delay 68 Records”から発売されました。(『Magic Transistor Radio ・ 20 good vibrations recorded by Brian Wilson and The Beach Boys』 CDDELAY06 \1,880)
チャック・ベリー「スウィート・リトル・シックスティーン」、「ロックンロール・ミュージック」やドゥワップ関連「カム・ゴー・ウィズ・ミー」、「アイム・ソー・ヤング」、「恋は曲者」、「イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト」などのお馴染み曲をはじめ、フォー・フレッシュメン「グラデュエイション・デイ」など全20曲が収録されています。
今日はその中から、ブルース・ジョンストンのお気に入り曲だったアーセル・ヒッキーの「ブルーバーズ・オーヴァー・ザ・マウンテン」を。
ニューヨーク出身のカントリー&ロカビリー・シンガーであったアーセル・ヒッキーが1958年に放った唯一のヒット曲。
1分20秒という短い曲ですが、おおらかでのどかな雰囲気を伝えてくれる1曲です。
ビーチ・ボーイズのヴァージョンは、1968年暮れにシングル発売され、1969年発表のアルバム『20/20』に収録。このオリジナルを見事なアレンジでカヴァーしています。森 勉 |
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2010年6月7日(月) アルトゥール&サブリナ 「江戸」 |
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初夏の陽気に心地良く響くアコースティック・ブラジリアンのオススメ盤。
アルトゥール&サブリナは、サンパウロ生まれの男女ユニット。
現在は日本に住んでいる二人が、シンプルなアコースティック・ギターとツイン・ヴォーカルというスタイルでアルバム『バラとひまわり』をリリースしました。(RBCP-2484 \2,310)
鎌倉の人気ブラジリアン・カフェ、cafe vivement dimanche店主である堀内隆志氏がプロデュースを担当。ほぼ全曲オリジナル曲ながら、ブラジル/ボサノヴァに詳しくない方でも和んで聴ける1枚に仕上がっています。
ポルトガル語で歌われていますが、印象的なのは9曲目「江戸」。
日本の地名が歌詞に織り込まれていて耳に残ります。
来月7月30日には当店地下のアゲインにて発売記念ライヴも行われますので、ブラジル好きの方はチェックしてみてください。森 陽馬 |
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2010年6月8日(火) Oasis 「Live Forever」 |
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渋谷のHMVが8月中旬で閉店するそうです。
“渋谷系”という言葉を生み出した90年代、そして現在の場所に移った店舗もよく行っていたので、なくなるのは寂しいですね。
そのHMVが日本に支店を増やしていた90年代から活動し、昨年ノエル・ギャラガーの脱退によって活動休止となったオアシスの歴代シングル曲を全て収録したベスト盤『タイム・フライズ 1994-2009』が本日入荷。(初回限定盤のみライヴCD+ビデオ・クリップ38本収録のDVDが付いた3CD+DVD SICP-2760 \4,410)
リマスターのせいか音に迫力があり、以前聴いた記憶とはまた違って聴こえますね。特に彼らの代表曲である「Live Forever」は別ミックス?と思えるくらい歌も演奏も音色がくっきりして聴こえます。
(別ヴァージョンなのでしょうか? シングルとアルバムのヴァージョン違いもあるのかな? ご存知の方いらっしゃったら教えてください。)
それにしてもこの初回盤はお買い得!
通常盤は2枚組CDで3,150円ですが、これに2009年7月21日のライヴ音源が収録されたCDと、ビデオ・クリップ36曲(38本)をドーンと収めたDVDが付いて4,410円。国内盤はボーナス・トラックとして98年発表日本限定シングル「Don't Go Away」が収録され、更にシークレット・トラックで「Sunday Morning Call」が収録!と至れり尽くせりの内容。
オアシスはあまり聴いたことがない、という方にもオススメの1枚です。森 陽馬 |
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2010年6月9日(水) ラムゼイ・ルイス・トリオ 「ジ・イン・クラウド」 |
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ラムゼイ・ルイス・トリオのインストゥルメンタル・ナンバー「ジ・イン・クラウド」は、ドビー・グレイによるヴォーカル入りヴァージョンのカヴァーということになりますが、「ジ・イン・クラウド」と言えば圧倒的にラムゼイ・ルイスの方が知名度が上のような気がします。
なんといっても、1965年全米第5位という大ヒットとなりましたからね。
手拍子をうまく取り入れたライヴ仕立ての録音もワザあり、という感じがします。なんといっても、1965年全米第5位という大ヒットとなりました。
この『ジ・イン・クラウド』の当時の録音メンバーは、ラムゼイ・ルイス(ピアノ)、エルディ・ヤング(ベース)、レッド・ホルト(ドラムス)でしたが、この後ヤングさんとホルトさんはグループを抜け、自分達のグループを作ります。
それがヤング・ホルト・トリオからヤング・ホルト・アンリミテッドという名になり、1968年の大ヒット「ソウルフル・ストラット」を出すことになります。森 勉 |
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2010年6月10日(木) ハンブル・パイ 「Drift Away」 |
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昨日の今日の一曲で名前が登場したその繋がりで、ドビー・グレイのカバーを一曲ご紹介します。
ピーター・フランプトン脱退、デヴィッド・クレムソン加入後の第2期ハンブル・パイの74年作『サンダーボックス』(限定紙ジャケSHM-CD仕様 UICY-94071 \2,800)に、ドビー・グレイの代表曲である73年ヒット「Drift Away」のカバーが収録されています。
歌うのはスティーヴ・マリオットではなく、ベースのグレッグ・リドリー(スプーキー・トゥース)。
ザ・バンド的なサウンドをバックに歌われる彼の低めで男臭い歌声がこの曲にぴったりで素晴らしい! マリオットの高音が絡み合う聴きごたえのあるカバーです。
ちなみにこの曲の作者はポール・ウィリアムズの弟、メンター・ウィリアムズという人なのだそうです。
その他にもアン・ピープルズ「I Can't Stand In The Rain」と、ステイプル・シンガーズ「OH LA-DE-DA」の73年発表の2曲、ビートルズのカバーで有名なアーサー・アレキサンダー「Anna」、ゴスペルやチャック・ベリー等などカバーを多数収録。
当時セールス的にはいまいちだったようですが、とってもかっこいいアルバムです。東尾沙紀 |
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2010年6月11日(金)ラリー・カールトン&松本孝弘 「ao」 |
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B'zのギタリスト、松本孝弘とラリー・カールトンが共演を果たしたアルバム『テイク・ユア・ピック』(BMCV-8031 \3,059)。音を聴く前に想像していたよりとても聴きやすい音作りで、気に入って最近よく店頭でかけています。
想像していた音はもっと二人で弾きまくってゴリゴリした音の派手な作りになるのでは・・・、と思っていたのですが、なんとも“リラックス音”なのです。
そして何より曲がみんなイイ。
各々が6曲を作曲、全12曲収録。
この「ao」は松本孝弘の作品。ふたりのやわらかいギターのトーンが青い空と青い海を運んできてくれるようです。
ギターのカッティングの次に出てくるリフのメロディーは、1970年代の高中正義を思い出させてくれるフレーズで、思わずニンマリ。
良質なフュージョンCDとして当分楽しめそうです。
そう、ラリー・カールトン1978年発表の名作『夜の彷徨』に入っていた「ナイト・クロウラー」の2010年ヴァージョンも収録されています。森 勉 |
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2010年6月12日(土) Jon Lucien 「You Are My Love」 |
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蒸し暑くなってきた時期に、この男汁タップリなジャケット・・・。
思わず敬遠したくなるかもしれませんが、聴いてみるとこれがスピリチュアル&クールなアレンジで心地良く聴ける1枚でした。
ジョン・ルシアンは1970年代活動していた黒人ミュージシャン。
日本では90年代に橋本徹さんが監修したフリー・ソウルのコンピに彼の楽曲が何曲か入っていたので名前をご存知の方も多いと思います。
そのフリー・ソウルのコンピに収録された70's初期RCA時代の作品(2nd『Rashida』、3rd『Mind's Eye』)は以前CD化されたことがありましたが、この度、米コロンビア移籍第一弾となる75年発表作『Song For My Lady』と76年作『Premonition』が国内盤限定紙ジャケにて世界初CD化されました。
僕も今回初めて聴きましたが、ブラジリアンな2nd&3rdよりソウルフルなグルーヴ感があって、彼の歌声も熱すぎずいい雰囲気。
B「Motherland』、C「You Are My Love」では、チャック・レイニー(B)やハーヴィー・メイスン(Dr)が参加しており、スロー〜ミディアム・ナンバーながら独特なグルーヴ感溢れる演奏がかっこいいです。特にデイヴ・グルーシンによるエレピ/キーボードの音色がNice!
テリー・キャリア、ビル・ウィザース、ウェルドン・アーヴィンなどお好きな方にオススメですね。森 陽馬
★掲載ジャケットは75年作『Song For My Lady』(限定 SICP-2693 \1,995) |
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2010年6月13日(日) Lou Bond 「That's The Way I've Always Heard It Should Be」 |
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昨日に続いて、暑苦しくないソウルのオススメ再発盤をご紹介。
ルー・ボンドは1974年にSTAX傘下のマイナー・レーベル“WE PRODUCE”からアルバムをリリースした黒人ミュージシャン。(国内仕様CD OTLCD-1338 \2,730)
STAXというとオーティス・レディングやエディ・フロイドなど、いかにも黒人的な歌唱&サウンドのミュージシャンが多く在籍していた印象がありますが、このルー・ボンドの作品は一言でいうと、“フォーキー・ソウル”。
リズムはあまり強調せず、ギターとストリングスが中心のサウンドで、まさに“メンフィスのテリー・キャリア”といった雰囲気の1枚です。
白人ミュージシャンの影響も受けていたようで、今日のこの1曲「That's The Way I've Always Heard It Should Be」(邦題:幸福のノクターン)はカーリー・サイモンのカヴァー。
ライナーノーツにも記載されていますが、実際に当時ルー・ボンドはカーリー・サイモンを気に入ってよく聴いていたそうです。
なお1曲目にはジミー・ウェッブ作「Lucky Me」のカヴァーも収録。
どちらも浮遊感ある彼の歌声とストリングス・アレンジが聴くほどに沁みてくる魅力的なフォーキー・ソウルなナンバーです。森 陽馬 |
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6月2日に発売された山下達郎の新曲「街物語」を紹介しそびれていたので、2週間遅れましたが取りあげたいと思います。(WPCL-10788 \1,000)
4月14日に「希望という名の光」が出たので、なんと2ヶ月たらずでまた新曲です。山下達郎が同じ年に2枚のシングルを発売したのは2005年以来ということになります。(『フォーエヴァー・マイン』と『太陽のえくぼ』)
そういえば、その前にも年シングル2枚、という年があって、1998年は『ヘロン」と「いつか晴れた日に」が出ましたね。
何が言いたいかというと、1998年は『コージー』が、2005年は『ソノリテ』が発売になったということを踏まえると、同じ年にシングル2枚出し=ひさしぶりのニュー・アルバムがその年のうちに発売になる、という方程式が成り立つのですよ。
前の2パターンでは、2枚目のシングルが出てから約4ヶ月でニュー・アルバム、ということで9月か10月には・・・。楽しみです。ライヴ・ツアーの途中にニュー・アルバム発売なんていいですね。
さて、この「街物語」はひさしぶりに達郎らしい定番リズムの曲で、「ペイパー・ドール」、「レイニー・ウォーク」、「あまく危険な香り」、などを思い出させてくれます。
TBS系ドラマ日曜劇場「新参者」の主題歌ですが、ドラマは早くも来週が最終回。結構好きなドラマだったのでもっと続いて欲しい気がするのですが・・・。どんな結末になるのでしょうか? 東野圭吾原作の『新参者』は、ドラマが終わってから読もうかと思っています。森 勉 |
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2010年6月15日(火) ビル・エヴァンス 「あなたと夜と音楽と」 |
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音楽業界、相変わらずデフレだなあ、と感じます。
CDは高い、とよく言われますが、昔に比べれば旧譜なんか随分と安く手に入るようになったと思います。また、アーティストによってまちまちのコンサート・チケット代金に比べれば、CDは全アーティストほぼ同じ価格ですから、こういう風潮になってしまったのは音楽に対する価値観が変わったということなのでしょう。
安いことは買う側にとってはいいことだと思いますが、売る側にとっては売上も粗利益も少なくなるので難しいところです。そもそもCDは今の時代、安いから売れる、というものではなくなったと思うので、作品としての質の高さ、そしてアーティスト・パワーの底上げが重要課題だと思われるのですが、そこが一番難しいんですよね。
CD店側としては、売れるものを出して欲しい!という率直な意見が多数でしょうが、僕個人としては、いつまでも店に置きたくなるようないい作品をコンスタントに出していって欲しいな、と思っています。発売週だけ売れればいいや、と作品ばかりでは、店頭在庫も味気なくなってしまいますからね。
とかいいつつ、名盤が安く出るのはやっぱりうれしいもの。
ビル・エヴァンスといえば61年発表『ワルツ・フォー・デビイ』でしょうが、この『インタープレイ』はその後1962年に発表された作品。従来のトリオ編成ではなく、クインテット(5人編成)での演奏で、ジム・ホールのギターもいい感じです。1,100円ですから買っておいて損はないですよ。(UCCO-9027 初回限定価格 \1,100) 森 陽馬 |
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来週23日に発売される寺尾紗穂さんの新作アルバム『残照』、及びインディーズから同時発売となるシングル『放送禁止歌』の音資料が届いたので、いち早く聴かさせていただきました。
2タイトル発売となった理由は、メジャー流通されるアルバム『残照』収録楽曲に、修正を余儀なくされた歌詞があったため。(その歌詞を修正せずに歌った盤がインディーズから同時リリースのシングル盤『放送禁止歌』に収録されます。)
ソロ5枚目となる今作はその歌詞の問題がクローズアップされることとなるでしょうが、それ抜きにしても本当に素晴らしい仕上がりでした。
各々の曲それぞれに魅力が散りばめられていますが、一番印象深いのはやはり8曲目に収録されている「骨壷」という曲。
タイトル通り歌詞も暗い内容ですが、紗穂さんによって歌われると不思議と悲しさを感じさせず、逆に清々しい気持ちになるのです。
(なお、天然文庫から出版された紗穂さんのエッセイ本『愛し、日々』に、この「骨壷」を初披露した日のことが書かれてます。不思議な縁を感じるエピソードなので、この曲を聴いた方には読んでみてもらいたい話です。)
前作『愛の秘密』も良かったですし、2006年作『愛し、日々』、もしくは2007年作『御身』が最高傑作と思っていましたが、今回のアルバムはまさに“彼女の代表作”となりそうな1枚!
当店のみの特典(携帯ストラップ&リーフレット)もありますので、紗穂さんファンはもちろん、まだ聴いたことがない方にも是非手にとってもらいたい新作です。森 陽馬
★掲載ジャケットは6/23発売のアルバム『残照』(MDCL-1502 \3,150)。 |
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2010年6月17日(木) Iggy And The Stooges 「Search And Destroy」 |
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イギー・ポップといえばこの1枚!
と言える73年発表ロック名作『ロー・パワー』のレガシー・エディションが発売になりました。(限定2枚組CD SICP-2712 \3,990)
注目はやはり、デヴィッド・ボウイがミックスした1973年オリジナル盤のリマスター化でしょうか。
実はこの『ロー・パワー』。1997年に再発された時のリマスター盤が、イギー・ポップ本人によるリミックス仕様になっていて、音の雰囲気がオリジナルとは全然違ったものになっていました。
2007年に出た紙ジャケ盤も1997年リマスター盤が基になっていたので、現行のCDは“イギー・ポップ・ミックス”でしたが、今作ではオリジナルLPと同じデヴィッド・ボウイ・ミックス。レコード時代からこの盤を聴き込んでいた方にはうれしい再発といえるでしょう。
ただ、これは人それぞれ、好みの問題だと思いますが、僕は1997年リミックスの方が聴き応えがあって良かったですね。
イギー・ポップ・リミックスの方がリズムや低音が強調されていて迫力があったのですが、オリジナルのデヴィッド・ボウイ・リミックスは、ベース&ドラムが引っ込み気味。ギターとヴォーカルが前に出ていてザラザラとした音の感覚がガレージ色の強い仕上がりです。
“パンク”好きの方には今回のデヴィッド・ボウイ・ミックス、骨太なハード・ロック好きの方にはイギー・ポップ・ミックス、といった感じでしょうね。
まあでもイギーの鬼気迫る咆哮はどちらにしても痛快!
今回新たに同封された1973年『ロー・パワー』ツアーの未発表ライヴ音源も聴きものです。森 陽馬 |
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2010年6月18日(金) ティーンエイジ・ファンクラブ 「Baby Lee」 |
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10月に単独来日公演も決定しているグラスゴー出身のバンド、ティーンエイジ・ファンクラブの9枚目となる新作『Shadows』(HSE-60036 \2,490)が先日リリースされました。
昨年はサマーソニックに出演、ここ数年は他バンドのプロデュース等でメンバーの名前を見掛けることはありましたが、バンドとして作品を発表するのは約5年ぶり。(でも2009年の前半には出来上がっていたらしいです。)
肝心な内容ですが、(曲のクレジットがないので詳細はわからないのですが)今回もノーマン、ジェラルド、レイモンド、3人それぞれが書く楽曲が本当に良いものばかりで、美しいコーラス・ワークやと全体を包む穏やかな空気がなんとも心地良いアルバムです。
ソフトロック風コーラスとドラムがぐいぐいと引っ張る軽快な曲でスタート。
2曲目の「Baby Lee」は彼らの新しいスタンダードとなりそうな名曲!
全体の穏やかなじわじわ聴かせという点で、トラッシュキャン・シナトラズが昨年リリースした最新作『In The Music』に似た雰囲気を持ったアルバムだなと感じました。
ウェールズ出身のエイロス・チャイルズがピアノやコーラスで参加。
フィドラーとして活躍する同郷のジョン・マッカスカーはアルバム中の全てのストリングスを担当。美しいメロディーをより引き立たせています。東尾沙紀 |
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2010年6月19日(土) ドン・ヘンリー 「ボーイズ・オブ・サマー」 |
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新潟県新潟市にある老舗洋食店、『キッチン・ドン』という店が今月末で閉店してしまうそうです。
『キッチン・ドン』は60代のご夫婦が二人で40年以上続けてきた昔懐かしい雰囲気の洋食店。
競馬好きの僕は友人と新潟へ“夏競馬旅行”するのを楽しみにしており、その折には必ずこの店に顔を出していました。
本当のご常連の方からすれば僕なんかは数回立ち寄っただけの名もなき一客人でしょうが、新潟に遠征した時に昭和の佇まいが残るあの場所で美味しい洋食をもう食べれないんだな、と思うとやっぱり寂しいですね。もう一度、ボリュームたっぷりのハンバーグ&ビーフ・シチューを食べたかったです。
“ドン”にちなんで、ドン・ヘンリーの人気曲から今日のこの1曲。
イーグルスのドン・ヘンリーが、ソロで1984年に全米ヒットさせたアップ・ナンバー。後のイーグルス再結成コンサートでも定番となっていますね。
なお、イーグルスは現在全米ツアー中。また日本に来てくれないかなあ。森 陽馬
★掲載ジャケットはドン・ヘンリーのベスト初回限定DVD付仕様。「ボーイズ・オブ・サマー」のクリップも収録されています。(UICY-91494 \3,600) |
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2010年6月20日(日) バリー・マニロウ 「雨にぬれても」 |
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うっとうしい梅雨の時期がやってきました。
東京の天気予報は、これから1週間ずっと雨マークが付きっぱなしです。
あくまでも予報ですから当たらないかもしれませんが、雲マークと共に傘マークがずらっと並んでいるのを見ると、気分もちょっと落ち込み気味になりそうです。
しかしそんな時、音楽ファンには<雨>の歌を楽しむという良い気分転換の方法があるのです。
バート・バカラック作曲、ハル・デヴィッド作詞の名曲「雨にぬれても」は、B.J.トーマスのヒット曲として有名ですが、今日はバリー・マニロウがカヴァーしたヴァージョンで。
2006年発表の『グレイテスト・ソングス・オブ・ザ・シックスティーズ』(BVCP-21520 \2,548)に収録されているもので、バリーの艶のある歌声がやはり印象に残ります。
アレンジは奇をてらったところはないのですが、ラスト30秒が本当にいいアレンジです。
雨繋がりで、映画『雨に唄えば』のフレーズが出てくるのが、なんともニクイ演出です。森 勉 |
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2010年6月21日(月) アンダース・オズボーン 「Standing With Angels」 |
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約15年前ニューオリンズに初めて行った時、様々なアーティストのライヴを生で見てカルチャーショックを受けましたが、僕が一番印象に残っているのがアンダース・オズボーンです。
気のいいお兄ちゃん、といった感じのナイスガイで、ニューオリンズ・ジャズ・フェスティバル時自らのライヴが終わった後には、普通の一般客に混じって楽しそうに他のミュージシャンのライヴを見ていました。赤いTシャツを着ていたのですぐにわかって、話しかけたら気さくに応対してくれたことが昨日のように思い出されます。
その後目立たないながらもコンスタントに作品を発表、この度自身のアルバムとしては3年ぶり、名門ブルース・レーベルのアリゲーター・レコードへ移籍しての新作『アメリカン・パッチワーク』を発表しました。(PCD-93347 \2,415)
昔のやさしい面持ちとは変わり、ヒッピーの生き残りのようなヒゲ面の風貌になってしまったのには驚きましたが、音楽に対する真摯な姿勢はそのまま。
アリゲーターに移籍したこともありブルース色が濃くなったサウンドで、ギャラクティクの名ドラマー、スタントン・ムーアが全面参加しファンキーな魅力が加味。ニューオリンズの風土を活かしたソングライティングも変わらず健在です。
今まではヴァン・モリソンっぽいイメージがありましたが、今日のこの1曲に選んだF「Standing With Angels」はブルース・スプリングスティーンっぽい雰囲気を持った1曲です。森 陽馬 |
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2010年6月22日(火) 寺尾 紗穂 「家なき人」 |
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寺尾紗穂さんの新作『残照』(MDCL-1502 \3,150)とシングル『「放送禁止歌」』(CXCA-1269 \1,050)が本日入荷。
今回は、「アジアの汗」と「家なき人」という楽曲に歌詞を規制しなければならない言葉が入っていたためアルバム&シングル同時発売です。
そうなった経緯は、最初はアルバム販売元のミディとしてはそのまま出したいが、流通はユニバーサル・レーベル社のためその言葉を修正しないとリリースできないことがわかり、急遽インディーズ流通により修正していないヴァージョンを収録したシングルを発売することに決めた、とのこと。
元々、実際には“放送禁止”という歌はなく、各メディアによる自主規制であるため、メジャー・レーベルから修正しないヴァージョンを堂々と収録してリリースしてもらいたかったな、とも思いますが、アルバムに収録された修正ヴァージョンもこうして聴けることになったので、ファンとしては複雑な心境ですね。
その修正ヴァージョンは、寺尾紗穂さんご自身も納得のいく“修正”になっていて、問題の言葉は抜けているもののバックのかぶせる音に少し変化をつけてそれほど違和感のない仕上がり。でもやっぱり、シングルの“完全版”の方が当然ながらしっくりきますね。
これらの経緯・修正に関することや、ジャケット・デザイン、ストリングス・アレンジに関しても寺尾紗穂さんから話を伺ったので、発売記念リーフレットにまとめました。店頭でピックアップできるようにしましたので、是非ご覧になってみてください。
なおシングル3曲目には、昔“放送禁止歌”扱いされていた「竹田の子守唄」のカヴァーも収録されています。森 陽馬 |
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2010年6月23日(水) UA duet with 甲本ヒロト 「夜空の誓い」 |
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UAの新作『KABA』(VICL-63627 \3,150)は15周年を記念したカバー・アルバム。
鈴木正人、青柳拓次、内橋和久などをプロデューサーに迎え、ピンクレディーの「モンスター」、荒井由実「きっと言える」、薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」、洋楽だとレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ビョーク、レディオヘッド、更には「ドロロンえん魔くん」のテーマソングまでジャンルも年代も様々な15曲をカバーしています。
アルバム発売前に先行配信され注目度の高かった甲本ヒロトとの「夜空の誓い」(忌野清志郎/坂本冬美/細野晴臣のユニット''HIS''が91年発表した曲)のデュエットも収録。
意外な組み合わせのデュエットですが、二人の力強いヴォーカルが印象的な一曲です。この曲には細野さんがベースで参加しています。
他にも、♪わてほんまによういわんわ〜♪(最後のオッサンオッサンが楽しい)がさすがにはまっている笠置シヅ子の「買い物ブギ」や、アン・サリーもカバーしている「蘇州夜曲」は優しくとても丁寧に歌われており、改めて表現の幅が広い人だなと実感。
またいつかこういうカバーアルバムを出してほしいですね。東尾沙紀 |
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2010年6月24日(木) さかいゆう 「おはようサンシャイン」 |
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密かに楽しみにしていたさかいゆうのメジャー1stアルバム『Yes!!』が遂に発売。(AUCL-32 \3,059)
インディーズ時代から“山下達郎フォロワー”として話題になっていた彼。現在ではその異名はジャンクフジヤマで使われることの方が多くなってしまいましたが、彼のマルチな才能と美声は変わらず健在。
スガシカオ、山崎まさよし、スキマスイッチで有名なオーガスタ・レーベル所属となりリリースされたこのメジャー1stでも、彼のポップ・センスがキラリと光る良質なJ-POP作品に仕上がっています。
達郎を彷彿とさせるシングル曲A「ストーリー」など、全体的な音圧がありすぎてややオーバー・プロデュースに感じてしまう部分もありますが、突出したソングライティングの良さを改めて感じさせる楽曲が並び、楽しく聴ける1枚です。
特にB「おはようサンシャイン」。
あらきゆうこ(dr)、TOKIE(B)の女性リズム隊と名ギタリスト石成正人をバックに従えたゴキゲンなポップ・チューンで、一度聴いたら口ずさめそうなライヴでも盛り上がりそうな1曲。
インディーズ時に比べると、ソウルフルな面が後退して洗練されすぎてしまった感もあるけれど、一般受けはやっぱりこちらの方がいいのかな? とにかくも末永く活動していって欲しいミュージシャンです。森 陽馬 |
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2010年6月25日(金) 原 由子 「愛して愛して愛しちゃったのよ」 |
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先日、あじさいで有名な鎌倉の長谷寺へ行ってきました。
TVや雑誌で見たことはありましたが、実際に行って見てみると本当にたくさんのあじさいが咲き誇っていて、ただ単にきれいというだけでなく、スピリチュアルなエネルギーを放つパワースポット的な魅力を感じました。
歩道の傾斜がきついので、お年を召された方にはキツいかもしれませんが、この時期鎌倉付近に寄られる方がいらっしゃったら是非。土日は混雑するようなので立ち寄るなら平日がオススメです。
さて、鎌倉といえばサザンオールスターズ。そのサザンの原由子のヴォーカル曲、ソロナンバー、新曲「京都物語」を収録した2枚組ベスト盤『ハラッド』が先日発売されました。(初回限定スペシャル・ブック付 VIZL-390 \3,800)
「あじさいのうた」、「鎌倉物語」という曲もありますが、今日のこの1曲には個人的にお気に入りのカヴァー「愛して愛して愛しちゃったのよ」を。
浜口庫之助作による名曲で、和田弘とマヒナスターズ、田代美代子で有名なナンバー。
映画『稲村ジェーン』のサントラ盤は、サザンの大人気曲「希望の轍」が収録されたことで一般的には印象深いでしょうが、この曲のカヴァーも同じくらい好きで発売当時よく聴いていました。
めでたく今回、原由子さんのベストに収録されてとてもうれしいです。森 陽馬 |
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2010年6月26日(土) ビーチ・ボーイズ 「ワンダフル」 |
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今年1月にもやったのですが、御茶ノ水ウッドストック・カフェにてDJをやることになりました。
テーマはまたビーチ・ボーイズです。
前回デビューから『ペット・サウンズ』発表の1966年半ばまでしか進まなかったので今回はその続きです。1966年秋「グッド・ヴァイブレーションズ」大ヒットから、あの『スマイル』の録音、そして制作中止を隔て1970年代初期の名作『サンフラワー』、『サーフズ・アップ』あたりまで取り上げていく予定です。
日時は6月28日(月)夜19時半から22時くらいまで。
ウッドストック・カフェはおいしいお酒もいっぱい取り揃っています(もちろんソフト・ドリンクも)し、店主の阿部俊典さんも音楽を語る時は熱い方ですが温和な優しい方なので、とても居心地の良い場所なのです。のんびりした会ですが席数が限られてます(限定12名)ので、一応お店の方に確認してみてください。
今日のこの1曲は1967年発表『スマイリー・スマイル』から「ワンダフル」。(限定価格 TOCP-54092 \1,500)
いかにもこの時代のビーチ・ボーイズというか、ブライアン・ウィルソンの作品と言える、ちょっと変わっていますが不思議な魅力を持った曲です。
リード・ヴォーカルはカール・ウィルソン。ブライアン・ウィルソンの自宅スタジオでの録音。森 勉 |
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2010年6月27日(日) The Living Sisters 「Blue」 |
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カメラ・オブスキューラ、ラッキー・ソウル、ピペッツ、シー&ヒム。
60'sガール・ポップをルーツにしたいいグループが近年増えてきましたが、今注目なのが“The Living Sisters”!
ローウェル・ジョージの娘でバード&ザ・ビーでも活動中のイナラ・ジョージ、女性シンガー・ソングライターのエレニ・マンデル、ラヴェンダー・ダイアモンドのベッキー・スタークによる女性3人組。
この『Love To Live』(Vanguard 78042-2)が1stアルバムで、古き良き50〜60's女性コーラス・サウンドを下敷きにした絶妙のハーモニーが夢見心地にさせてくれる極上の1枚です。
雰囲気としては、フリートウッズ、コーデッツ、ティーン・クイーンズを現代的にした感じですね。
オリジナル8曲+ベッシー・スミスカヴァーとナンシー・ウィルソンカヴァーによる全10曲、どの楽曲も3人のコーラス・ハーモニーを活かした穏やかなバック・サウンド。何時聴いてもほんわか和めます。
内ジャケットに写っている3人の写真を見るとイナラ・ジョージは妊娠中のようですが、そのイナラ作によるB「Blue」が本当に素晴らしい!
50'sドゥーワップ特有の♪チュワチュワ♪というコーラスが入っているように、まさに21世紀DooWopな1曲。フリートウッズの名曲「Mr Blue」のアンサー的意味合いがありそうな1曲です。
後半に入る口笛が泣けるA「Ferris Wheel」もNICE! 女性シンガー好きの方はもちろん、オールディーズ・ファン、フリートウッズ好きの方は必聴ですよ。森 陽馬 |
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2010年6月28日(月) エラ&ルイ 「誰も奪えぬこの想い」 |
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山下達郎のNEWアルバムが9月15日に発売決定しました。
(リンク先は日テレ、ズームインSUPERの情報ページ)
タイトルは『WooHoo』。初回限定盤にはライヴ音源を収録したボーナス・ディスク『JOY ver.1.5』が付き、音楽活動35周年を記念して、2枚組CDながら3,500円でリリースされるそうです。
まだ正式な案内が来ていないので、収録曲やボーナスCDの詳しい内容はわかっていませんが、ツアーももうすぐ始まりますし今夏が楽しみになってきましたね。
さて今夏といえば、ブライアン・ウィルソンも新作を発売予定で、その内容はジョージ・ガーシュインの作品集。
ウォルト・ディズニー・レコードから8月中旬にリリース予定(国内盤は未確定)になっており、ガーシュインの楽曲がどのようにアレンジされているか興味深いところです。
ガーシュインの楽曲で一番好きな曲というと、僕はこの曲。
フレッド・アステア主演のミュージカル映画『踊らん哉』(1937年)のために書き下ろされた大名曲「誰も奪えぬこの想い」(原題:They Can't Take That Away From Me)。
ジャズ・スタンダードとして様々なアーティストにカヴァーされていますが、やっぱりエラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロングのヴァージョンが最高!(UCCU-5013 \1,995)
ブライアンも新作でこの曲をカヴァーしています。森 陽馬 |
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2010年6月29日(火) ヤング・ラスカルズ 「グッド・ラヴィン」 |
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ラスカルズのフェリックス・キャヴァリエ、来日が決定しました!
なんと日本での単独コンサートは初めて! リンゴ・スター・オールスター・バンドの一員としてのコンサートとか、ある企業が企画した御得意様のみ招待のライヴでは来日したことがありましたが・・・。
まあラスカルズにしても、キャヴァリエ個人にしても日本での認知度は低いので、今までライヴがなかったのはしょうがないかもしれません。でもせっかく来日が決まったので、盛り上げていきたいと思います。
7月7日にはスティーヴ・クロッパーとのジョイント・アルバム第2作目が出る“現役バリバリ”のキャヴァリエですが、やはり注目はラスカルズ時代の曲。
今日はファースト・アルバム『ヤング・ラスカルズ』(現在ステレオ&モノ・ヴァージョンの両方が1枚に収められCD化されています。Collector's Choice CCM-800)から、シングルでは1966年に全米No.1を記録したゴキゲンなアップ・テンポの曲「グッド・ラヴィン」。
キャヴァリエのヴォーカルとハモンド・オルガンが本当にいいグルーヴを感じさせてくれます。
ジャケットでキャヴァリエが腰掛けているのが、ハモンド・オルガンB-3モデルです。下部分の写真がカットされているのでよく見えませんが、ライヴ会場で年季の入ったハモンド・オルガンを是非じっくり見て聴いて欲しいと思います。
公演日程は今のところ、
2010年9月7日(火) 丸の内コットンクラブ
2010年9月9日(木)、10日(金)、11日(土) ブルーノート東京
2010年9月12日(日) 名古屋ブルーノート
という予定だそうです。森 勉 |
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2010年6月30日(水) 10cc 「Donna」 |
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1ヶ月ほど前に横浜で行われたイベント“グリーンルーム・フェスティバル”で観た生10ccのライブが凄く良かったので色々と聴き返していたところ、現在のメンバーでの2007年のロンドンでのライブ盤が出ているのを知り、最近聴き込んでいます。(『Live In Concert - CLEVER CLOGS』 国内盤未発売 Proper NWP-2)
オリジナル・メンバーはグレアム・グールドマンのみですが、“グレアムとその他4人”という感じではなく、長年活動を共にしてきた仲間との一体感ある演奏を聴かせてくれます。
還暦を越えたグレアムの歌声も若々しく、ドラマー以外の4人でのハーモニーもばっちりはまっています。
特に多数の曲でメインを取るミック・ウィルソン(vo.g.per)の歌声には注目です。
ゴドレイ&クレーム作、ビーチ・ボーイズ風の「Donna」、「The Dean And I」が特に素晴らしくて、高いパートを楽々と歌い上げる彼にライブ中は釘付けになり、またビーチ・ボーイズのライブに来たような感覚になりました。
彼はこれまでクリス・レアやクリフ・リチャードなどの作品やツアー参加、企業CMでの楽曲制作など、ソロとしても色々活躍しているようなので、これからも追っかけてみたいと思います。
来日公演ではカットとなりましたが、グレアム・グールドマン作のホリーズ「Bus Stop」、ヤードバーズ「For Your Love」などカバーコーナーあり、ケヴィン・ゴドレイも2曲ゲストとして参加しています。
「I'm Not In Love」ぐらいしか聴いた事がないという方にも是非聴いてほしいアルバムです。東尾沙紀 |
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