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  今日のこの1曲 “Archives”

<2023月4月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2023年4月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>

2023年4月1日(土) Daisy Jones & The Six 「The River」

『バビロン』、『BLUE GIANT』、『フラッグ・デイ 父を想う日』、『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』等々、サウンドトラックの注目盤が最近多いですね。

そして今、店でよくかけているサントラがこのアルバムです。

DAISY JONES & THE SIX『Aurora』
(輸入CD Atlantic Records 075678624834/輸入LP 07567862627)

2019年発表のベストセラー小説『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』(原題:Daisy Jones & The Six)が、2023年3月からAmazon Prime TVシリーズでドラマ化されて放送開始。
本作は、それに合わせて制作された番組のサウンドトラック盤です。

<Daisy Jones & The Six>は、その物語に出てくる架空のアメリカン・ロックバンド。
時代背景は1970年代、女性シンガーがいるバンド編成から、フリートウッド・マックを想起させますね。
特に、10曲目「The River」は胸熱なロック・キラー・チューン!

西海岸発の新世代ギタリスト/ソングライター、ブレイク・ミルズが全体の音楽を手掛けています。森 陽馬



2023年4月2日(日) Nickel Creek 「Cerebrants」

クリス・シーリー(マンドリン)、ショーン・ワトキンス(ギター)、サラ・ワトキンス(フィドル)によるユニット、ニッケル・クリークが9年ぶりに新作をリリースしました。

ニッケル・クリーク『セレブランツ』
(国内仕様CD 日本語解説・歌詞付 BSMF-6231 2,420円税込 / 輸入CD・LPもあり)

2022年、クリスはパンチ・ブラザーズ、ショーン&サラ兄妹はワトキンス・ファミリー・アワーでアルバムを発表。
個々の活動でもとても充実した作品をリリースし続けている3人は、2024年で結成35周年!
グループ名義では実に9年ぶりですが、さすが阿吽の呼吸。研ぎ澄まされた演奏&ハーモニーを聴かせてくれます。

プロデューサーには2014年作も手掛けたエリック・ヴァレンタイン、ベースにマイク・エリゾンドが参加。

アグレッシブな①「Cerebrants」に始まり、各々メイン・ヴォーカルを取りながら、短めのインスト等を挟み全18トラック。
現在の社会情勢や人間関係などテーマは少し複雑に感じますが、そんなゴタゴタも吹き飛ばすような活気が音にあふれています。

インタビューによると意外にもブライアン・ウィルソン『スマイル』が今作に大きなインスピレーションをもたらしたといいます。従来の型にとらわれない自由で躍動するメロディ...3人の冒険心がこの1枚に詰まっています。東尾沙紀



2023年4月3日(月) Rita Wilson & Jackson Browne 「Let It Be Me」

リタ・ウィルソンの新作アルバムが発売になりました。
通算5枚目のアルバムになるかと思います。

RITA WILSON『Now & Forever : Duets』
(輸入CD Sing It Loud Records SIL0853)

リタ・ウィルソンはトム・ハンクスの奥様で、女優/映画プロデューサーとして活躍している人です。
彼女の好きな曲をピックアップしてカヴァーした2012年発表のファースト『AM/FM』同様、60's、70'sの名曲をナイス・カヴァーしています。

アルバム・タイトルにあるように、今回は全10曲それぞれにゲスト・ヴォーカリストを招いて一緒に歌っています。
例えば、キース・アーバンと「クレイジー・ラヴ」(ヴァン・モリソン作)、スモーキー・ロビンソンと「ホエア・イズ・ザ・ラヴ」、ウィリー・ネルソンと「スリップ・スライディン・アウェイ」、エルヴィス・コステロと「ファイア」(ポインター・シスターズで1978~79年に大ヒットしたブルース・スプリングスティーン作品)、ヴィンス・ギルと「ウィズアウト・ユー」(ニルソンの歌で有名。ピート・ハム作)などなど。

その他の「マサチュー・セッツ」、「イフ」、「アイル・ビー・ゼア」、「ソングバード」(うれしい選曲です。フリートウッド・マックのクリスティン・マクヴィ作)も、いいカヴァーに仕上がっています。

リタ・ウィルソンの少し憂いを帯びた声と男性ヴォーカルのブレンド、いい味出してますね。

今日の1曲は、『AM/FM』にも参加していたジャクソン・ブラウンとのすてきなデュエット「レット・イット・ビー・ミー」を。
日本では山下達郎&竹内まりやのカヴァーで知られているあの曲です。
フランスのジルベール・ベコーが作り、後に英語詞が付けられた名曲です。森 勉



2023年4月4日(火) WACK WACK RHYTHM BAND 「Window Shopping」

WACK WACK RHYTHM BAND(ワック・ワック・リズム・バンド)がバンド結成30周年(祝!)を記念して、ゴキゲンなカヴァー・アルバム『at the FRYDAY CLUB』を発表しました。

WACK WACK RHYTHM BAND『at the FRIDAY CLUB』
(国内CD LBDD-10011 2,970円税込)

高井康生(Ahh! Folly Jet)をfeatしたマーヴィン・ゲイ「What's Going On」、ダニー・ハサウェイ「Valdez In The Country」、ヤング-ホルト・アンリミテッド「Soulful Strut」のカヴァー他全9曲収録。

その中から今日のこの1曲は、2曲目「Window Shopping」を。

オリジナルは英国発ブルーアイド・ソウル/ネオアコ・バンド、The Friday Clubの1985年発表曲で、日本人ガール・グループThe DropsのTakakoによるヴォーカル+原曲に忠実なアレンジが最高にNice♪

パーティーでフロアの皆が楽しそうに踊っているのが目に浮かんできますね。森 陽馬



2023年4月5日(水) 大橋純子 「ブックエンド」

当店がある武蔵小山駅の隣、不動前駅に新しい本屋<フラヌール書店>が先月オープンしました。

店主の久禮亮太さんによりセレクトされた新刊が並ぶ“街の本屋さん”。
とっても心地良い雰囲気のお店で、購入した本に付けてくれるブックカバーのイラストが超かわいい!
フラヌールとは「遊歩者」の意。近くにいらっしゃったら、散歩がてら寄ってみてくださいね。

さて、今日のこの1曲は、本/Bookがタイトルに出てくる曲、ということで、大橋純子「ブックエンド」。
大橋純子が1981年に発表したアルバム『TEA FOR TEARS』に収録されています。

大橋純子『TEA FOR TEARS』
(国内CD 完全限定盤 UPCY-90153 1,650円税込)

「ブックエンド」というと、サイモン&ガーファンクルを思い浮かべる方が多いと思いますが、これは三浦徳子作詞/佐藤健作曲のオリジナル曲で、萩田光雄が編曲を担当。島村英二、長岡道夫、土方隆行、大谷和夫、富樫春生によるクールな演奏と、彼女の伸びやかな歌声が快い風を運んでくれます。

「抜き取った本のタイトル『わがまま』、引き換えに置かれた本は『思いやり』。You and Me まるでブックエンド」
味わい深い歌詞の一節ですね。森 陽馬



2023年4月6日(木) Demian Dorelli 「Pink Moon」

4月に観測される満月は、<ピンク・ムーン>と呼ばれています。
本日4月6日は、ピンク・ムーンの日でした。

東京は風が強く、雲も多い一夜でしたが、皆さんはご覧になれたでしょうか。

さて、今日のこの1曲は、<ピンク・ムーン>に関連した楽曲を取り上げましょう。

デミアン・ドレリ『ピンク・ムーン ~プレイズ・ニック・ドレイク』
(国内CD MZCS-1455 2,750円税込)

ニック・ドレイクが1972年に発表した名盤3rdアルバム『ピンク・ムーン』の楽曲を、ロンドン出身の男性ピアニスト、デミアン・ドレリがピアノ・ソロでカヴァーした作品です。

当時鬱病だったニック・ドレイクの心情を表すように、美しいメロディーの中にも陰があるオリジナル『ピンク・ムーン』に比べ、デミアン・ドレリのピアノはスッキリとしてやや明るめな印象を受けました。

まあでも、ニック・ドレイクのメロディ・センスがより際立ち、聴きやすくて良いのかもしれませんね。
ジャケットも魅力的ですし、穏やかなピアノ・インストがお好きな方は要チェックの1枚です。森 陽馬



2023年4月7日(金) デヴィッド・ボウイ 「Let's Dance」(Live Moonage Daydream Edit)

映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』をTOHOシネマズ日比谷IMAXレーザーで鑑賞。

ご覧になった方の感想を事前にお伺いしていて、かなりアート色の強い内容と覚悟して観に行きましたが、予想よりも見やすく、刺激的な時間を過ごせました。

楽曲を管理しているデヴィッド・ボウイ財団が初めて公認したというこの映画は、時代順に沿って基本的に進んでいきますが、伝記映画によくある関係者のコメント等は一切ありません。
彼が語った言葉と名曲&ライヴ映像が組み合わされ、更に独特なアート映像と融合し描かれています。

ボウイ自身が見ている白昼夢の中で彷徨っているような、インパクトある映像世界を体験できましたね。

なお、映画のサントラは、ボウイ作品を多数手掛けたトニー・ヴィスコンティによるプロデュース。
ボウイのモノローグも収録されているので、映画をご覧になってから聴けばより楽しめると思います。森 陽馬

★デヴィッド・ボウイ『ムーンエイジ・デイドリーム』
(国内2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-18553 3,520円税込)



2023年4月8日(土) THE VOGUES 「Magic Town」

ヴォーグスは1960年代中期から後期にかけて大活躍したアメリカのヴォーカル・グループです。

学生時代に4人が集まり活動を続けていくうちに、CO&CEというレーベルから1965年に発売した「ユーアー・ジ・ワン」が全米ベスト・テンに入る大ヒットを記録。次のシングル「ファイヴ・オクロック・ワールド」も大ヒットと、ミドル60'sの忘れられないグループになりました。

そんな彼らのCO&CEレーベル時代の曲を集めたCDが新しく発売になりました。

The Vogues『At CO&CE - The Complete Singles & More』
(輸入CD Omnivore OVCD512)

1965~1966年に発売された8枚のシングル盤のAB面16曲に、7曲を加えた全23曲収録。
1968~1969年リプリーズ時代の「ターン・アラウンド・ルック・アット・ミー」などは入っていませんが、CO&CE時代の曲がたっぷり聴けるのはうれしいですね。

今日の1曲は、1966年のスマッシュ・ヒット「マジック・タウン」を。
曲を書いたのは、バリー・マン&シンシア・ワイル。

1960年代には、フォー・シーズンズ、ハプニングス、ジェイ&アメリカンズなど、すてきな曲を歌ってくれたヴォーカル・グループがいましたが、ヴォーグスも忘れられない曲を残してくれたグループです。森 勉



2023年4月9日(日) Marshall Crenshaw 「(You're My Favorite) Waste Of Time」

ポップ・ロック・ファンの方で今作が好きという方も多いのではないでしょうか。
アメリカのシンガーソングライター、マーシャル・クレンショウが1982年に発表した名作1stアルバム♪
最新リマスター&ボーナス・トラックをプラスした40周年記念盤がリリースされています。

Marshall Crenshaw『Marshall Crenshaw 40th Anniversary Expanded Edition』
(輸入CD Yep Roc Records YEP-3027X)

全米36位のスマッシュ・ヒット「Someday.Someway」をはじめ、「Maryanne」、「There She Goes Again」、「Cynical Girl」など彼のメロディーメーカーぶりが発揮されたキャッチーな名曲・人気曲が多数収録されています。

ボーナス・トラックには、1981年のデビュー・シングル「Something's Gonna Happen」、「Maryanne」のデモ、パーラメンツ「Look At What I Almost Missed」ライヴ・カヴァー音源、「Brand New Lover」のオルタネイト・テイクなどが7曲(そのうち5曲は初出!)が追加されています。

本日は「Someday Someway」のシングルB面曲「(You're My Favorite) Waste Of Time」を今日のこの1曲に。
皮肉めいた歌詞ながら中身は素敵なラヴ・ソング♪
翌1983年にはベット・ミドラーがカヴァー。ジェフリー・フォスケットもこの曲を取り上げていますね。

2023年11月で70歳の誕生日を迎えるクレンショウ。新作もそろそろ聴きたいですねぇ。東尾沙紀



2023年4月10日(月) Merseybeats 「Janie, I Love You」

ビートルズが1964年全世界的に有名になったので、それに続けとばかりに、本国イギリスでは空前のバンド・ブームが起こり、多くのグループがデビューしてレコードを出しました。

ヒット曲が出て有名になったグループがあれば、レコードは出したけれどもヒットせず歴史の中に埋もれてしまったグループもたくさんあったようです。

今日は、その後者にスポットを当てたCDを紹介したいと思います。
あのティーンズヴィル・レーベル(ソフト・ロック、60'sガールポップのレアものばかり集めたコンピレーションCDで知られていますね)が、満を持して発売したのがこのCDです。

V.A『You Thrill Me To Pieces ~ Beat & Pop From The United Kingdom 1963-1966』
(輸入CD Teensville TV1059 28ページ英文ブックレット付)

1963~1966年に制作されたブリティッシュ・ビート&ポップが28アーティスト・全34曲収録。
ハーバーズ・ピープル、オリジナルズ・フォー、U.K.ズ、エコーズ、ミッキー・クラーク、フレディ・セルフ、ジェニアーズ、サイズ・セゾン・グループ、etc..。

とにかく知らない名前ばかりなのですが、聴いてみたらこれまたガールポップの時と同様、いい感じのブリティッシュ・ビートばかり。
リヴァプール・サウンドやブリティッシュ・ビートがお好きな方には全曲オススメです。

注目曲をいくつか。
・3曲目ニュース「ディス・イズ・ザ・モーメント」、クリス・アンドリュース作。
・5曲目ジョージ・E・ワシントン「スペアー・ア・ソウト・フォー・ミー」、レス・リード作品(エンゲルベルト・フンパーティング「ラスト・ワルツ」、ハーマンズ・ハーミッツやカーペンターズの「見つめあう恋」等名曲も彼の作品)。
・10曲目ゼロ・ファイヴ「ダスティ」、ラグ・ドールズのカヴァー。

今日の1曲は、このグループだけ名前を知っていました、マージービーツ。
でも曲は、当時発表されなかった1964年作品「ジェニー・アイ・ラヴ・ユー」。
バラードタイプのイイ曲です。森 勉



2023年4月11日(火) 鈴木雅之 「Flavor」

鈴木雅之が4年ぶりの新作オリジナル・アルバム『SOUL NAVIGATION』を発表しました。

鈴木雅之『SOUL NAVIGATION』
(初回Blu-ray付 ESCL-5811 4,500円税込/通常盤 ESCL-5813 3,300円税込)

コロナ禍を経て、「音楽を、ライブを、本気で楽しみたい」という鈴木雅之の意欲から、ファンク/ダンスをキーワードに、様々なミュージシャンと“ソウル・セッション”した1枚。

堂本剛、冨田恵一、高城れに、Ayase、橋口洋平(wacci)、水野良樹(いきものがかり)、マハラージャン、在日ファンク、CARTOON+YELLOCK等々、鈴木雅之よりも若い世代の人たちが各曲に参加しています。

今日のこの1曲は、Kinki Kidsの堂本剛が作詞・作曲・編曲も手掛けている③「Flavor」を。

ENDRECHERI(堂本剛のファンク・ユニット、エンドリケリー)のバック・メンバー中心による演奏で、甘いファンク・ナンバーがかっこいい!
2分20秒頃のブレイクから、プリンス+P-FUNK的なアウトロが聴きもの! 森 陽馬



2023年4月12日(水) スピッツ 「祈りはきっと」

スピッツの最新シングル『美しい鰭』が本日発売されました。

スピッツ『美しい鰭』
(国内CD 「祈りはきっと」、「アケホノ」含む全3曲収録 UPCH-6001 1,485円税込)

1曲目「美しい鰭(ひれ)」は、劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』主題歌。
この曲は5月17日発売のスピッツ3年半ぶりとなる新作アルバム『ひみつスタジオ』に収録されますが、2曲目「祈りはきっと」、3曲目「アケホノ」は本シングルのみのトラックとなります。

今日のこの1曲は、スピッツらしいサビのメロディーがさりげなくも心に残る②「祈りはきっと」を。

“巻き戻せない時”は儚くて、切ない気持ちになるけれど、“まだ道が続いている”。
大切な過去の記憶を抱えながら、不安と希望が混じった“新たなる旅路”へ、優しく背中を押してくれる1曲です。

間奏で聴けるハープシコードの音色がとても印象的ですね。
郷愁を覚え、心がキュンとなります。森 陽馬



2023年4月13日(木) 斉藤和義 「Pineapple (I'm always on your side) feat.藤原さくら」

2023年でデビュー30周年を迎える斉藤和義。
22作目となるオリジナル・アルバムがリリースされました。

斉藤和義『PINEAPPLE』
(国内CD オリジナルBIGピンバッジ2種付き初回限定盤 VIZL-2030 4,400円 / 通常盤・LPもあり)

<分断>がテーマの①「BUN BUN DAN DAN」、ニュースで感じたもやもやをストレートに吐き出した②「問わず語りの子守唄」とヒリヒリとしたロック・ナンバーで幕を開ける今作。

「Back In The U.S.S.R」風の間奏も楽しいCMソング「底無しビューティー」、「歩いて帰ろう」を想起させるモータウン調の「100年サンシャイン」、夕焼けの匂いを感じるブルージーな「君のうしろ姿」などポップなものから沁みるバラードまで全13曲が収録されています。

本日は、駒沢裕城のペダル・スティールをフィーチャーした、藤原さくらとのデュエット曲「Pineapple (I'm always on your side)」を今日の1曲に。
2人のハーモニーが心地良い全編英語詞によるCSN&Yを彷彿とさせる1曲です。

2022年に公開され話題となった「明日大好きなロックンロールバンドがこの街にやってくるんだ」は、山口寛雄(b)、真壁陽平(g)、河村吉宏(dr)、松本ジュン(key)らバンドにホーン・セクションを加え、さらに熱気が増したアルバムver.で収録!
こちらも聴きものです。東尾沙紀



2023年4月14日(金) ビートルズ 「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」

4月はテレビ、ラジオの改編の時期ですね。
終わってしまう番組があるかと思うと、新しく始まる番組もあります。

4月9日から毎週日曜日、NHK-FM午後1時~1時50分。
『ディスカバー・ビートルズⅡ』が始まりました!

待望の再開。これから1年間、また楽しめそうです。
ナビゲーターは前回同様、杉真理と和田唱。(この番組のHPのイラストは和田誠)
最初の2回は二人一緒に出演し、その後はひとりD.J.になって交互に担当していくそうです。

この番組はNHKらしく再放送もあります。毎週金曜日午前10時から10時50分まで。
聴き逃しサービスもありますので、ビートルズに詳しい方もまだあまり知らない方も是非。
ナビゲーター二人の話もとても興味深いものが多いと思います。

今日の1曲は、今後、番組内でこの曲に関してのお二人の分析をじっくり聞いてみたい「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」を。森 勉

★掲載ジャケットは、ビートルズ『プリーズ・プリーズ・ミー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-78517 3,080円税込)



2023年4月15日(土) ボブ・ディラン 「I've Made Up My Mind To Give Myself To You」(あなたに我が身を)

ボブ・ディランの2023年来日ツアー、4月14日東京ガーデンシアター公演へ行ってきました。

ライヴというより、“ディラン劇団の舞台”を鑑賞したような、今までにないコンサート体験ができました。
ディラン自身も声が本当に良く出ていて、フジ・ロックで観た時とまた全然違った印象を受けましたね。

ということで、今回の来日公演トピックを以下挙げておきます。

・入場時に携帯電話の電源を切り、自分では開けられない専用ケースにその携帯電話を入れることが義務付け。(専用ケースは退場時、係員に特殊な機械で開封してもらい最後に回収)
・携帯電話をケースに入れた後は、金属探知機でボディ・チェック→更に、カバンの中身チェックもあり。録音禁止及びテロ対策もあるのでしょうが、空港の搭乗時並みに厳しいかも。
・ちなみに、携帯電話だけではなく、スマートウォッチや双眼鏡も持ち込み禁止。
・開演までの間、普通の公演では場内で客入れ音楽がかかっていますが、ディラン公演は全くの無音。
・ホール内に時計の掲示がなく、スマホもないので、独特な緊張感のまま開演を待つのみ。
・東京ガーデンシアターは、東京ドームシティホールを日本武道館くらい大きくしたホール。僕が行った14日はA席で販売した座席を振替していて、最上階&横側は空席がありました。
・当日券は開場と同時に販売開始。僕はその当日券でバルコニー席4列目。とても見やすい席でした。
・ほぼ定刻通りに開演。ステージ上はスポットライトなく暗め。対照的に客席は明るい。バルコニー席から見て、アリーナ席の観客の洋服の色や挙動もよく見えるくらいの明るさ。
・ステージのバンド後ろ、赤いカーテンはデヴィッド・リンチ『ツインピークス』を想起させた。
・ディランはギターを持たず、ずっとピアノだが、そのピアノの奏が素晴らしい。ピアノの音がかなりオンになっていて、ディランはほぼ立ってピアノを弾きながら歌っている。出だしが弾き語りから聴かせる曲も多かった。
・MCないが、曲終了後の「Thank You!」&メンバー紹介あり。
・セットリストは同じ、と思いきや、12日はグレイトフル・デッド「Truckin」のカヴァーを世界初披露したらしい。
・14日は、グレイトフル・デッド『American Beauty』収録曲「Brokedown Palace」が飛び出すも、バックメンバーも予期していなかったのかヘロヘロな演奏で、すぐに「Melancholy Mood」へ移行。
・今日15日の公演では、「Not Fade Away」カヴァーをやって大盛り上がりだったらしい。
・4月14日はハーモニカを2曲で披露。最後の曲でのハーモニカ・ソロは美しく感動的だった。
・最後の曲が終わった後は、ステージ上で恒例のディラン仁王立ち。アンコールはなし。
・約100分強、81歳のディラン歌いっぱなし。圧巻。
・終演後、会場を出るところで、朝日新聞の号外ボブ・ディランが配布される。

4月16日東京、18、19、20日名古屋公演も残っています。
ツアー・タイトルが<ROUGH AND ROWDY WAYS World Wide Tour 2021-2024>ですから、観に行く方は2020年発表の最新オリジナル・アルバム『ROUGH AND ROWDY WAYS』(国内2枚組CD SICP-6341 3,300円税込)を予習していった方がより楽しめるかもしれませんね。森 陽馬



2023年4月16日(日) Neil Young with The Santa Monica Flyers 「Cowgirl In The Sand」

ニール・ヤングが海賊盤でしか聴くことができなかった貴重な未発表音源を復刻している、“オフィシャル・ブートレグ・シリーズ”の新しい盤が発売になりました。

Neil Young With The Santa Monica Flyers『Somewhere Under The Rainbow 1973』
(輸入2枚組CD Shakey Picture Records/Warner 093624885030)

本作は、ニールがサンタ・モニカ・フライヤーズ(ラルフ・モリーナ、ビリー・タルボット、ベン・キース、ニルス・ロフグレン)を率いて、1973年11月5日英国ロンドンのレインボー・シアターで行ったライヴ音源。

1973年というと、6月にローディだったブルース・ベリーがドラッグで急逝。
8月に『Tonight's The Night』(邦題:今宵この夜 後の1975年に発表)を録音した年です。

1972年発表『Harvest』は全米No.1を記録・大ヒットしながらも、クレイジー・ホースの盟友ダニー・ウィッテンが亡くなるなどプライベート含め不安定な時期を乗り越えようと、もがいていた時期でもあります。

ニール・ヤングに関する著書も出しているPete Longがプライベート録音していたテープから、リマスタリングされてこの度リリースされたこの貴重音源なのですが、、、音質はかなり悪い!

まさに海賊盤!といった音質で、はっきりいってマニア向けなアイテムですね。
ニール初心者ならば、ほぼ同時期のライヴ盤『Roxy Tonight's The Night Live』の方がオススメかも。

とか言いつつ、様々な情念が渦巻くような「Cowgirl In The Sand」は、聴いて体中が熱くなりましたね。
裏ジャケにブルース・ベリー、ブックレットにダニー・ウィッテンの写真が使われていることにもグッときました。森 陽馬



2023年4月17日(月) ドクター・フィールグッド 「ブーン・ブーン」

パブ・ロックという言葉は、今ひとつピンときませんでしたが、1970年代中期のドクター・フィールグッドは大好きでしたし、今でも大好きです。

発売されて1~2年経ってから、ファースト・アルバムを初めて聴いたのですが、新鮮でしたね。
ロックという音楽がどんどん複雑になっていく時代でしたが、彼らはR&Bを基調として、ロックンロール一直線という感じがしました。

ということで、1975年に発表されたファースト・アルバムからの曲を。

ヒット曲ではないのに、代表曲的存在の「シー・ダズ・イット・ライト」を今日の1曲に選ぶべきなのですが、今日はカヴァー曲を。

我々の世代はアニマルズで知ったジョン・リー・フッカーの名曲「ブーン・ブーン」。
リード・ヴォーカルはリー・ブリローではなく、ウィルコ・ジョンソンが担当しています。

ドクター・フィールグッド『ダウン・バイ・ザ・ジェティー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-80110 1,540円税込)

アルバム・ラストに入っている「ボニー・モロニー」もナイス・カヴァー。
ジョン・レノンも歌っているラリー・ウィリアムスの曲です。森 勉



2023年4月18日(火) Dave Brubeck Quartet 「Just One Of Those Things」

村上春樹の新刊『街とその不確かな壁』を読了。

彼の作品に通底しているテーマ「喪失と再生」、「無垢な心を希求する精神」、そして「現実と非現実を隔てながらも繋げる壁」が本作にも描かれており、興味深く読むことができました。

1980年に『文學界』に発表した『壁と、その不確かな壁』の改編新版で、1985年名作『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に出てきた“壁に囲まれた街”も登場。『世界の終わり~』がお好きな方なら楽しめると思います。

2023年で74歳を迎えた村上春樹の死生観も、後半の文章の端々に感じられましたね。
新刊にしては珍しく、本人によるあとがきも掲載されていて、それだけの想いが物語に込められているのでしょう。

ちなみに、音楽に関する記載は少なめながら、デイヴ・ブルーベック・カルテット「Just One Of Those Things」が、とあるコーヒーショップでかかっているシーンが出てきました。

デイヴ・ブルーベック・カルテット「Just One Of Those Things」は、コール・ポーターの作品を取り上げた1967年発表アルバム『Anyhing Goes!』に収録されています。森 陽馬

★デイヴ・ブルーベック・カルテット『Anything Goes!』
(国内CD 限定盤 SICP-4021 1,100円税込)



2023年4月19日(水) The Zombies 「Rediscover」

ザ・ゾンビーズ8年ぶりとなる新作がリリースされました。

ザ・ゾンビーズ『ディファレント・ゲーム』
(国内流通仕様CD 歌詞付 COOKCD889J 2,640円税込)

2023年6月で共に78歳の誕生日を迎えるコリン・ブランストーン、ロッド・アージェント。
2019年ロックの殿堂入り以降も精力的にライヴを行い、バンドは現在新作を引っ提げUKツアー中です。

ストリングスを交えた美しいバラード、力強いロックンロール・ナンバーなど、その元気と創作の源は一体どこから?!と思わせるほど、新作もとっても充実した作品となっています。

プロコル・ハルム「青い影」を彷彿とさせるタイトル曲「Different Game」、グルーヴィーな演奏&ソウルフルな歌声「Merry-Go-Round」、柔らかな旋律のラヴ・ソング「Love You While I Can」他どの曲も良いですが、本日は美しいハーモニーを聴かせる「Rediscover」を今日の1曲に。

アカペラ・コーラスから始まり、全編穏やかなハーモニーに彩られたバラード曲。
ロッド・アージェントの味わいあるオルガン・ソロも聴きものです。東尾沙紀



2023年4月20日(木) 生活の設計 「むかしの魔法」

“新世代シティ・ポップ”というより、“ニュー喫茶ロック”なオススメ盤♪

生活の設計『季節のつかまえ方』
(国内CD SKSK-1 2,000円税込)

生活の設計(これがバンド名)は、大塚真太朗と大塚薫平の兄弟二人と、ベーシスト辻本秀太郎によるグループ。
本作は、<街と季節>をコンセプトに制作された9曲入の2023年作です。

70年代の雰囲気を持ったフォーキー&ポップな楽曲に、サニーデイ・サービス直系の甘酸っぱいメロディーが融合していて、懐かしくも新鮮な風を感じられる1枚ですね。

今日のこの1曲は、グッド・タイム・ミュージックなラスト9曲目「むかしの魔法」を。
小西康陽さんが「7インチのアナログで欲しい曲の第1位」と絶賛しているナンバーです。森 陽馬



2023年4月21日(金) NRBQ 「What You To Feel Good Too」

<レコード店へ足を運び、アナログ・レコードを聴いて音楽を楽しもう!>

2008年に米国で始まった、中小レコード店とアナログ・ファンのためのイベント、RECORD STORE DAY。
2023年は4月22日(土)に開催! 様々なレコードがリリースされます。

RECORD STORE DAY JAPAN 2023のアンバサダーは満島ひかりさん♪
彼女と三浦大知による<ひかりとだいち>、ジュンスカ2種、リンドバーグ2種、akiko2種、so nice(江口寿史イラスト!)、くるり、佐藤千亜妃(宇多田ヒカルをサンプリング!)、宇佐蔵べに、美川憲一、渥美マリ、TOKIMEKI RECORDS、ONEGRAM、PYRAMID、Pictured Resort、CHARM PARK、SARATOGA、ゆうらん船、なかの綾、マリ・ペルセン、フルムーン、アル・グリーン、ラウドネス、リカス2種、等多数発売。

輸入盤も、ノラ・ジョーンズ、テイラー・スウィフト、キャロル・キング、ナゲッツLP BOX、ビリー・ジョエル、エルトン・ジョン、クランベリーズ、ダーティ・プロジェクターズ+ビューク、等々入荷しました。

当店にてレコードを5,000円以上お買い上げの方には、先着で特製バックを先着でプレゼント!
よろしければご来店くださいね。

今日のこの1曲は、これぞグッド・タイム・ミュージック♪ NRBQ待望の初アナログ化!
1996年の初来日公演を収めたライヴ盤『TOKYO』から「What You To Feel Good Too」を。森 陽馬

★NRBQ『TOKYO』
(国内LP 完全限定盤 未発表写真含む豪華20ページブックレット封入 HYCA-8052 5,500円税込)



2023年4月22日(土) so nice 「It's so nice!」 Live Version

RECORD STORE DAYは、<レコード店へ足を運び、レコードを聴いて音楽を楽しもう!>という日です。

本日4月22日は、そのRECORD STORE DAY 2023の日で、なおかつ当店の42周年記念日でもありました。
たくさんの方にご来店いただき、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。
重ねてありがとうございました!

さて、RECORD STORE DAY 2023アイテムの中から1枚紹介しましょう。

so nice『It's So Nice!/Dancing All Night Long』
(国内7インチ・アナログ 完全限定盤 OTS-281 2,200円税込)

山下達郎/シュガー・ベイブフォロワーで人気の鎌倉克行を中心としたグループ、so nice(ソー・ナイス)。
本作は、2022年7月10日新潟県阿賀野市にあるSuntopia Worldで行ったライヴ音源から、ロングセラー・アルバム『LOVE』には未収録の曲「It's so nice!」と、人気曲「Dancing All Night Long」をAB面に配した7インチ・シングルです。

今日のこの1曲は、前向きな気持ちになれるグルーヴィー・ポップ・ナンバー「it's so nice!」を。
ジャケット・イラストは江口寿史氏による書き下ろしです♪ 森 陽馬



2023年4月23日(日) Yussef Dayes 「Raisins Under The Sun」(Desert Version)

RECORD STORE DAY商品ではありませんが、最近気に入ってよく聴いているアナログ盤を紹介しましょう。

Yussef Dayes『The Yussef Dayes Experience Live At Joshua Tree』
(輸入LP 片面レコード Brownswood Music BWOOD0298EP)

サウス・ロンドン出身Yussef Dayes(ユセフ・デイズ)は、トム・ミッシュとのコラボでも知られる気鋭のドラマー。
その彼が自身のバンドを率いて、アメリカ/カリフォルニア州の“Joshua Tree”(ジョシュア・ツリー国立公園=U2のアルバム・タイトルで有名ですね)にて行ったライヴ音源です。

これが、クール&メロウで最高にかっこいい!
Yussef Dayesのドラミングはもちろん、Rocco Palladino(ピノ・パラディーノの息子!)のベース、Alexander BourtのパーカッションもNice! Vennaのサックスと、Elijah Foxが奏でるエレピの音色がとっても心地良いですね。

ちなみに、この音源は限定アナログ・レコードとデジタル・リリースのみで、CDは出ていません。
Youtubeに動画&音源がアップされています。是非チェックしてみてください。森 陽馬



2023年4月24日(月) アン・マーグレット 「バイ・バイ・ラヴ」

なんと、アン・マーグレットの新作が発表されました。

アン・マーグレット『ボーン・トゥ・ビー・ワイルド』
(国内流通仕様CD CLOJ2938 3,080円税込)

アン・マーグレットは、1941年4月28日生まれとのことですので、あと何日かで82歳!
80歳を越えてからのレコーディングだと思うのですが、驚きのニュー・アルバムです。
しばらく、レコード/CDを出したというニュースを聞かなかったので、何年ぶりになるのでしょうか。
とにかくうれしい新作の登場です。
そして、オールド・ファンにやさしい選曲というか、安心して聴ける曲ばかりなのもうれしいですね。

収録曲は、「ロック・アラウンド・ザ・クロック」、「サン・オブ・ア・ピリチャー・マン」、「アース・エンジェル」、「恋はくせ者」、「君の瞳に恋してる」、「ワイルドで行こう!」、「ティーチ・ミー・トゥナイト」、「ヴォラーレ」など全13曲。

2017年に旦那であり、彼女のマネージメントを長年やっていたロジャー・スミスが亡くなったので心配していましたが、しゃがれ声ながら元気な声が聴けて安心しました。

アン・マーグレットがアルバムを出すなら、と集まったミュージシャンがなかなかのメンツです。
エアロスミスのジョー・ペリー、フーのピート・タウンゼント、ストレイ・キャッツのリー・ロッカー&スリム・ジム・ファントム、スティーヴ・クロッパー、ブライアン・オーガー、ロベン・フォード、サニー・ランドレス、クリフ・リチャード、パット・ブーン、リック・ウェイクマン等が参加しています。

60~70's、色々な映画に出演して楽しませてくれた彼女。
このアルバムを聴いていたら、映画を観直したくなりました。
やっぱり、まずは『ラスベガス万才』ですかね。
ちなみに、ジャケット写真はお若い時の写真です。森 勉



2023年4月25日(火) アイヴァン・ネヴィル 「Greatest Place On Earth」

ゴールデン・ウィークが近づいてくると、ニューオリンズで行われるジャズ・フェスのことを思い出し、行く予定もないのにソワソワしてしまいます。

今年2023年は4月28日~5月7日の間に開催。
公式サイトをチラッと(じっくり見ると行きたくなって悔しいので)チェックしましたが、目移りするような豪華出演者ですね。

ちなみに、ニューオリンズ・フェスの魅力は、音楽はもちろんのこと、太陽の陽射しが降り注ぐ芝生に寝っ転がりながら、セカンドラインのリズムを聴いて、スパイシーなザリガニ料理やガンボを食べたりできることです。
(・・・なんて、書いていたら、ガンボが食べたくなってきた!)

さて、ニューオリンズ関連の新譜オススメ・アルバムを紹介しましょう。

アイヴァン・ネヴィル『Touch My Soul』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICX-186 2,640円税込)

アーロン・ネヴィルの息子で、Dumpstaphunk(ダンプスタファンク 
2021年5月22日今日のこの1曲で紹介)でも活動しているアイヴァン・ネヴィルが、ソロ名義では約20年ぶりとなる新作を発表しました。

ボニー・レイット、マイケル・マクドナルド、アーロン・ネヴィルが参加している1曲目「Hey All Together」も良いですが、今日のこの1曲は2曲目「Greatest Place On Earth」を。
「この世で最高の場所、世界で一番いい場所、それがニューオリンズだ!」と歌われるセカンドライン・ファンクなニューオリンズ讃歌です。森 陽馬



2023年4月26日(水) 小坂忠 「機関車」

「忘れ物はもうありませんねと 機関車は走るのです。」(小坂忠「機関車」歌詞より)

小坂忠の1975年発表アルバム『HORO』(ほうろう)で有名な「機関車」は、彼が1971年に発表したソロ・デビュー・アルバム『ありがとう』ですでに取り上げていました。(バック演奏は、細野晴臣、松本隆、大野克夫)

歌詞は「学生運動をやっていた人たちが、今までプロテストしていた体制に組み込まれていく時代を歌った」もので、「本当に忘れ物はないだろうか・・・」という気持ちで当時は歌っていたそうです。

その「機関車」初期ヴァージョンが収録されている1stアルバム『ありがとう』が再発売されました。

小坂忠『ありがとう』
(CD 2023年リマスター MHCL-30812 2,750円税込)
(完全限定アナログLP MHJL-246 4,400円税込)
<CD及びLPどちらにも、「ありがとう」アナザー・ミックスがボーナス・トラックとして追加収録>

奥様の高叡華さんへのインタビューを基にした新規ライナーノーツには、小坂忠が逝去した2022年4月29日の翌日、4月30日に行われたSKYEのコンサートに関するエピソードが書かれていました。
ゲスト出演予定だった小坂忠は、「最後のステージになるから「機関車」を歌いたい」と生前に話していたそうです。

忠さんにとって「機関車」は本当に大事な歌だったことが伝わってきて、改めて心打たれました。森 陽馬



2023年4月27日(木) Mike Viola 「Paul McCarthy」

ハスキーな歌声とポップなメロディが魅力♪
アメリカのシンガーソングライター、マイク・ヴァイオラの新作が発売になりました。

タイトルは『Paul McCarthy』....マッカートニーと思いきや「マッカーシー」です。

実在するアメリカの芸術家ポール・マッカーシーが、もし5人目のビートルズだったら??...そんな想像から生まれたタイトル曲も収録された2023年作です。

マイク・ヴァイオラ『ポール・マッカーシー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICX-30166 2,750円税込)

前作『ゴッドマフィン』はマイクによる多重録音でしたが、今回は先頃解散を発表したパニック!アット・ザ・ディスコのブレンドン・ユーリー(dr)、パニック!やウィ―ザー他プロデューサーとして活躍するジェイク・シンクレア(b)とのトリオで制作。

ここ数作の内省的な雰囲気に比べると、今作はエレキ・ギターを多用したロックンロールな楽曲が多く、ポップで活気のあるメロディが戻ってきた感じがします。

今作を作る上で若い2人に聴かせたというのがジェイムズ・ギャング、ブラック・サバスだそうで、他にもウイングスやブライアン・アダムスを意識した曲や、ギターリフが耳に残る「Scientist Alexis」、前述の「ポール・マッカーシー」など、ロック・トリオによる装飾のない演奏と彼らしい遊び心が詰まった1枚。

アルバム最後を締めくくるのはスペース・クマことマイクの娘さん。可愛い歌声とのコラボにも注目です。東尾沙紀



2023年4月28日(金) The Ducks 「Your Love」

ニール・ヤング・マニアの方、このバンドはご存知でしょうか?

The Ducks『High Flyin' 1977』
(輸入2枚組CD Shakey Picture Records 093829885059/輸入3枚組LPもあり)

The Ducks(ダックス)は、ニール・ヤングが、1977年にBob Mosley(ベース&ヴォーカル)、Jeff Blackburn(ギター&ヴォーカル)、Johnny Craviotto(ドラム&ヴォーカル)と一緒に組んでいたバンドです。

このメンバーでのスタジオ録音は残されていませんが、1977年7月15日~9月2日の間に小さいライヴ・ハウスを回ってツアーを行っており、その秘蔵ライヴ音源がニールのアーカイヴ・シリーズの1つ、オフィシャル・ブートレグ・シリーズで公式発売されました。

ニールのブートレグ・シリーズというと、前回の1973年Santa Monica Flyersを率いたライヴ(2023年4月16日今日のこの1曲で紹介)が、あまりにも酷い音質だったので心配していましたが、安心してください。今回は良質な音源でした。

各々のメンバーが持ち寄った楽曲群で、ニール・ヤングは「Are You Ready For The Country」、「Sail Away」、「Human Highway」、「Mr, Soul」、「Little Wing」を披露。他楽曲でもニールの伸び伸びとしたギタープレイを楽しむことができます。

今日のこの1曲は、モビー・グレイプに在籍していたBob Mosleyによる武骨でかっこいいナンバー「Your Love」を。
歌声がデヴィッド・クロスビーに似ていますね。森 陽馬



2023年4月29日(土) 細野晴臣 「漂流記」

1975年は日本人ミュージシャンの注目盤がたくさん発売されました。

・1月 小坂忠『ほうろう』
・3月 鈴木茂『バンド・ワゴン』
・4月 シュガー・ベイブ『ソングス』、かまやつひろし『あぁ我が良き友よ』
・5月 大滝詠一『ナイアガラ・ムーン』
・6月 細野晴臣『トロピカル・ダンディー』、荒井由実『コバルト・アワー』
・8月 センチメンタル・シティ・ロマンス『1st』
・10月 吉田美奈子『Minako』
・11月 ティン・パン・アレー『キャラメル・ママ』、サディスティック・ミカ・バンド『ホット・メニュー』、久保田麻琴と夕焼け楽団『ハワイ・チャンプルー』

この12枚は、発売日から10日以内に買ったレコードだったと思います。
そして、ターンテーブルに毎日のようにのせて、聴いていたレコードです。

今日はこの中から何か1曲聴きましょうか。

細野晴臣『トロピカル・ダンディー』
(国内CD CRCP-20524 2,530円税込)

名曲がずらっと並んでいる名盤ですが、今日は「漂流記」を。
ティン・パンをバックに海を渡り、漂う気分を歌う細野さんは、まさにトロピカル・ダンディーでした。森 勉



2023年4月30日(日) Everything But The Girl 「Nothing Left To Lose」

先週リリースされた、エヴリシング・バット・ザ・ガール約24年ぶりの新作『Fuse』が全英3位にチャート・イン。

EBTGとしてのリリースは1999年発表『Temperamental』以来!
この間、トレイシー・ソーン、ベン・ワットそれぞれソロとして充実した作品を数枚発表していますが、2人揃っての新作を心待ちにしていた方も多かったことでしょう。

Everything But The Girl『Fuse』
(輸入CD Virgin 602448946522 / 輸入カラーLPもあり)

『Temperamental』ら90年代後半の作品の流れを汲むエレクトロ/ダンス・ミュージックがベースとなっていますが、ベン・ワットのソロ作『ヘンドラ』などに通ずる重厚感ある美しいピアノ・バラードも。
時折息遣いまで感じられるようなトレイシーの歌声も、年齢を重ねるたび深みと存在感を増していきますね。

先行シングル「Nothing Left To Lose」は、ダンサー達の動きをワンテイクでとらえたMVも秀逸で、曲のかっこよさを再認識しました。しばらくこのビートが頭から離れないような気がします。東尾沙紀





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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