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  今日のこの1曲 “Archives”

<2025月10月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2025年10月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。
<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2025年10月1日(水) Kingfishr 「Man On The Moon」

アイルランドの大自然に建つ小さな家。
その家の前で佇む青年たち。

Kingfishr(キングフィッシャー)のデビュー・アルバム『Halcyon』は、ジャケット写真の飾らない美しさと力強さが、演奏と歌から伝わってくる1枚でした。

Kingfishr『Halcyon』
(輸入CD Atlantic/Warner 075678598487)

Kingfishrは、アイルランドの南部にある街リメリックで2022年に結成された男性3人組バンド。
ヴォーカル&ギターのEddie Keogh、バンジョーのEoghan 'McGoo' McGrath、そしてEoin 'Fitz' Fitzgibbonの3人による楽曲は、伝統的なアイリッシュ・フォークに、キャッチーなロック・アレンジが加わって、聴く者の心をおおらかに、そして熱くさせます。

今日のこの1曲は、1曲目「Man On The Moon」を。
U2とマムフォード&サンズの魅力を合わせたようなかっこいいナンバーですね。森陽馬


2025年10月2日(木) Say She She 「Disco Life」

レトロな雰囲気だけれど新しい。
ヴィンテージ感がありながら、今の時代を震わすグルーヴ。

Say She Sheの3rdアルバム『Cut & Rewind』は、懐かしさと斬新さが同居したかっこいい快作でした。

Say She She『Cut & Rewind』
(国内仕様CD AMIP-382 2,750円税込)

Say She Sheは、インド系ルーツを持つロンドン生まれの女性シンガーPiya Malik、ニューヨーク出身Sabrina Mileo Cunningham、黒人シンガーNya Gazelle Brownの女性3人を中心に結成され、ブルックリンを拠点に活動しているグループ。

ナイル・ロジャース率いるChicの代表曲「Le Freak」に出てくる歌詞♪C'est Chic♪が、グループ名の由来になっているように、80'sソウル/ディスコのグルーヴと、NY発のNEW WAVEを現代に蘇らせたようなサウンドが新鮮に響きます。

今日のこの1曲は、身体も心も揺らすファンキー・チューン!「Disco Life」。森陽馬


2025年10月3日(金) ボー・ブラメルズ 「グッド・タイム・ミュージック」

10月に入りました。
東京もやっと秋らしい気候になってきました。

ということで、【オータム】にこじつけた今日の1曲です。

今回は、曲を発売したレコード会社の名前が【オータム】という所から引っ張ってきました。

1964年にサンフランシスコで結成されたボー・ブラメルズは、オータム・レコードからデビュー。
1965年には「ラーフ・ラーフ」、「ジャスト・ア・リトル」の大ヒットが生まれました。
彼らのバンド・サウンドを一言で表現するなら、「素朴」という言葉が当てはまるかもしれません。

なお、ドラムスのジョン・ピーターセンは、1966年に脱退し、ハーパース・ビザールに参加。
新しいサウンドを模索することになります。

今日の1曲は、オリジナル・メンバーでは最後のヒットとなった「グッド・タイム・ミュージック」を。
イントロとコーダのコーラスには、ハーパース・ビザールに通じるものを感じます。

ボー・ブラメルズ『イントロデューシング・ブラメルズ +10』
(国内CD 日本語解説付 CDSOL-3163 2,420円税込)

2021年に8枚組CDとして発売されたBOXセットBEAU BRUMMELS『Turn Around:The Complete Recordings 1964-1970』も店頭にあります。森勉


2025年10月4日(土) ミシェル・ルグラン 「風のささやき」

映画『ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家』を新宿武蔵野館で先日鑑賞しました。

『シェルブールの雨傘』、『ロシュフォールの恋人たち』等、数多くの名作映画の音楽を手掛けたことで知られる、フランスを代表する音楽家ミシェル・ルグランのドキュメンタリー映画。

彼の足跡を描いた映像作品は今までにもありましたが、本作は、2019年1月に亡くなった彼が最後に行ったコンサート(2018年12月1日パリ)の模様も描いているところが最大の見どころでしょう。
コンサート当日、リハーサル時から明らかに具合が悪かった彼が、奇跡的に舞台へ上がり完遂したコンサート。その裏側と関係者の証言には臨場感があって、とても感動しました。

あと、ミシェル・ルグランがライヴのリハーサル時に、担当者へ激怒したり、演奏者へ厳しい要求をする場面も描かれていて、面白かったですね。(実際の当事者は大変だったでしょうが...)

ミシェル・ルグランに関してよく知らなくても、本作内のほぼ全編で彼が手掛けた音楽が流れ続けているので、流麗な美しい旋律に身を委ねることができて、心地良い気持ちになることができる1本だと思います。

特に印象に残った1曲は、ラストのエンドロールで流れた、ミシェル・ルグラン自身が歌う「風のささやき」。
映画『華麗なる賭け』でのノエル・ハリソンの唄が有名ですが、ミシェルの美声にもグッときました。

なお、映画パンフレットの濱田髙志さんによる寄稿文『素顔のミシェル・ルグラン』には、来日時の興味深いエピソードが色々と書かれています。是非ご覧になってみてください。森陽馬

★掲載ジャケットは、映画『ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家』サウンドトラック盤。
(国内CD フランス語ライナーノーツ対訳付 UCCM-1279 3,300円税込)


2025年10月5日(日) triosence 「Dear Rainer」

トリオセンス『stories of life』のジャケットは、Rainer Hoffmannという人が描いた絵が使われています。

Rainer Hoffman(ライナー・ホフマン)は、トリオセンスのリーダーでありピアニストBernhard Schuler(ベルンハルト・シューラー)の叔父にあたる人物で、一般的な知名度はないものの、世界中を旅してたくさんの絵を残したそうです。

そのライナー・ホフマンが2023年に亡くなったことをきっかけに、彼を敬愛していたベルンハルト・シューラーが絵画に合わせて作曲し纏めたアルバムが『stories of life』として発表されました。

Triosence『stories of life』
(輸入CD Masterworks/SONY 19802931542/輸入LPもあり)

トリオセンスは、ドイツ人ピアニストのベルンハルト・シューラーを中心としたジャズ・バンド。
通算10作目となる本作のCDブックレットには、収録曲のテーマに沿ったライナーの絵画が10点掲載されています。
ベルンハルト・シューラーが彼のことを想い書き下ろした「Dear Rainer」の流麗な美しいピアノの奏を聴きながら、この絵画を眺めていると、長いようで短い人生の一場面へタイムスリップするような不思議な感覚になります。

最後に、ブックレットに記載されているベルンハルト自身の解説、最後の一文を記します。
「私たちの人生の物語は、無限の広大な時間と空間の中で、風のように過ぎ去っていく束の間の瞬間ではないだろうか?」
森陽馬


2025年10月6日(月) 鈴木博文 「くれない埠頭」 with Bright Young & Old Wan-Gan Workers

ムーンライダーズ鈴木博文の新作ライヴ4CD盤『Fou FEVER』が入荷しました。
当店では、通常の発売日よりも早く、特別に先行販売しております。

鈴木博文『Fou FEVER』
(国内4枚組CD 24ページフォトブック封入 noteron-1014 8,800円税込)

2017年にカーネーションと共演した貴重ライヴと、2024年古希記念ライヴを収めた4枚組CD。
どちらも新代田にあるライヴハウス、FEVERで行われたライヴ音源です。

今日のこの1曲は、ayU tokiO(猪爪東風)が発案・企画し、鈴木博文本人には直前までサプライズで行われた2024年古希記念ライヴから、大団円のラスト「くれない埠頭」を。

猪爪東風とやなぎさわまちこ、鳥羽修、大田譲、夏秋文尚による”鈴木博文&ムーンライダーズ愛”に溢れた入魂のバック演奏が素晴らしい! 青山陽一、3776、XOXO EXTREME、加藤千晶、emma mizuno、直枝政広、あがた森魚がゲスト参加。

ブックレットにはayU tokiO&鈴木博文のミニ・インタビューも掲載されています。森陽馬


2025年10月7日(火) 古内東子 「満月のせいにして」

古内東子の新作『Long Story Short』が好評発売中です。

1993年メジャー・デビューから、通算21枚目のオリジナル・アルバム。
その中でもベスト5に入る傑作だと感じているくらい、僕は気に入っています。

古内東子『Long Story Short』
(国内CD MHCL-3143 3,850円税込)

プロデュースは、彼女の代表曲「誰より好きなのに」他、90年代の名曲を多く手掛けた小松秀行が担当。
バックメンバーも、石成正人、佐野康夫、中西康晴、斉藤ノブ他、素晴らしいミュージシャンが結集。
スタイリッシュでラグジュアリー、なおかつ琴線を震わせる旋律が織り込まれています。

今日のこの1曲は、日常を過ごす中で募る孤独感や焦燥感を唄にした「満月のせいにして」。
恋愛に関する歌だけでなく、人生の<Long Story>を<Short>に表現した歌が心に響きました。森陽馬


2025年10月8日(水) The Dare 「Days」

インドネシアのインディー・ポップ・シーンで活躍中の4人組ガールズ・ポップ・バンド♪

ザ・デアー『369日』
(国内CD 歌詞・対訳付 FCRD-090 2,750円税込 / 限定LP FCRD-090LP 3,960円)

「第二のバリ」とも呼ばれるインドネシア中部に位置するロンボク島にて2017年から活動している女性4人組バンド、ザ・デアー。
(ロンボク島で使用されている言語・ササク語で''女の子''を意味するDedareがバンド名の由来だそうです。)

アーティスト写真でメンバーの1人がティーンエイジ・ファンクラブのTシャツを着ていて、それだけでもどんな音楽が好きなのか伝わってくるのですが、実際彼女たちはサラ・レコードほかUKのインディー・ポップや、タイガー・トラップら1980~1990年代のトゥイー・ポップなどに影響を受けているそうで、その時代のサウンドや精神が引き継がれています。

エモーショナルなインスト「White Sand」、死生観をにじませる「Days」、ママとの攻防を歌ったキャッチーな「Hello Mama」、嫉妬深すぎる彼の仕打ちをやさしいメロディにのせて歌う「Jealous Sky」など、ポップでセンチメンタルな全8曲を収録。全編英語詞で歌われています。

今作を引っ提げての日本ツアーも要チェック♪
11月7日(金)大阪、8日(土)京都、9日(日)東京・下北沢、10日(月)新代田の計4公演が予定されています。東尾沙紀


2025年10月9日(木) 六角精児バンド 「ディーゼル」

NHKの人気テレビ番組『呑み鉄本線・日本旅』でおなじみの六角精児さん。

2014年にCD発売されベストセラー続行中のアルバム『石ころ人生』が、アナログLPとして10月8日発売されました。

六角精児バンド『石ころ人生』
(国内アナログ・レコード TBV0094 5,280円税込)

インパクトのあるジャケットがさらに存在感を増したレコード・ジャケット!
圧巻です。

番組中で使用されている人気曲が「ディーゼル」、「愛のさざなみ」(島倉千代子のカヴァー)、「お父さんが嘘をついた」(♪若い頃からの偏食がたたり、乳酸値が高い~♪という歌詞が話題)と、3曲も収録されています。

今日は、A面1曲目の番組主題歌のような感じになっている「ディーゼル」を。森勉


2025年10月10日(金) Jeff Tweedy 「Lou Reed Was My Babysitter」

・ジョージ・ハリスン『All Things Must Pass』
・ニール・ヤング『Decade』
・グラッシュ『Sandinista!』
この3作の共通点は何でしょうか?

答えは・・・、<3枚組のアルバム>です。
(CDは2枚になっているものもありますが)

ジェフ・トゥイーディは、この中の1枚クラッシュ『Sandinista!』を聴いて、新作を3枚組に、と思ったそうです。
そして、CD3枚組全30曲のオリジナル・アルバム『Twilight Override』が完成しました。

Jeff Tweedy『Twilight Override』
(輸入3枚組CD dBpm Records/Legacy 0514974925-4)

弾き語り中心かと思いきや、息子二人(スペンサー&サミー)含むバンドで録音された楽曲も収録。
「Lou Reed Was My Babysitter」という曲は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドっぽい雰囲気がありますね。

彼らしいルーツも感じられて聴き応えある3CD。ウィルコファンならずとも是非聴いてみてください。森陽馬


2025年10月11日(土) Tift Merritt 「Time And Patience」(Cabin Recording)

「27歳の自分が歌っているのを今聴くと、夢が聴こえる。自分の意図が聴こえる。
<中略> 曲を書き歌うことは、私が自由になるために行っていたことなのだ。」
(『Time and Patience』の内ジャケットに記載されているティフト・メリット自身の解説より)

大好きな女性シンガー、ティフト・メリットの新アイテムとなるアルバムCDが発売されました。

Teft Merritt『Time And Patience』
(輸入CD One Riot Records/Virgin ORR-1010-CD)

2004年発表名盤3rdアルバム『Tambourine』のリリース20周年を記念して制作された1枚。
2002~2003年に台所やキャビン等で録音していた貴重なデモ音源を中心に全10曲収録されています。

可憐ながらも芯の通った歌声には、魂が込められているのを感じました。
デモ音源はシンプルなアレンジながら、若き志が眩しいほどに輝いています。

今日のこの1曲は、アルバムタイトルにもなっている「Time And Patience」(Cabin Recording)を。
見えそうで見えない夢の光を追う情熱が、歌声に内包されています。森陽馬


2025年10月12日(日) マイケル・フランクス 「ナイトムーヴス」

50年ほど前、都内の輸入盤専門店で、このモノクロ写真のジャケットが気になりました。

マイケル・フランクス。
聞いたことのない名前でした。

裏ジャケットを見ると、歌詞と演奏に参加しているミュージシャン名がいろいろと書いてありました。
その中に、ジョー・サンプル、ウィルトン・フェルダー、ラリー・カールトンと、当時大好きだったクルセイダーズのメンバーだった人も写真付で載っていました。
知らない人でもバックが魅力的であれば「買い!」という方針だったので、買ってみたところこれが大当たり!

マイケル・フランクスは次の『スリーピング・ジプシー』で、日本では人気が出るのですが、やはり初めて聴いたこの『アート・オブ・ティー』が忘れられません。

裏ジャケには、プロデューサーのトミー・リピューマの写真も載っていて、ここで初めてお顔を拝見したような気がします。

ということで、今日は1曲目「ナイトムーヴス」を。
マイケル・フランクスのソフィスティケートされたヴォーカルのとりこになったきっかけの1曲です。森勉

★マイケル・フランクス『アート・オブ・ティー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-85137 1,980円税込)


2025年10月13日(月) 大滝詠一 「夢で逢えたら」

大滝詠一/ナイアガラのポスターを当店にて発売中です。
 
・ナイアガラ・レーベル・デザイン B2サイズ 3,000円税込
・All Anout Niagara表紙デザイン A2サイズ 2,000円税込

書籍『All About Niagara 1973-2024』に合わせてリットーミュージックで作成された限定ポスター。
一般店舗で販売しているのは現時点で当店のみ!
店頭及び通販でもお買い上げいただけます。

ナイアガラ関連レコード・CD・カセットのレーベル面が並んでいる『レーベル・デザインB2ポスター』の方は、じっくり眺めると通常作品のレーベルだけでなく、実際には見たことがないプロモ盤のレーベル面が色々載っています。
(例えば、「夢で逢えたら」を集めた『大瀧詠一作品集3』のレーベルは、4CD全86トラック中から9曲を厳選して収めたナンバリング入りサンプラー盤が掲載)

手に入れられた方は、ポスターパネルに入れて是非飾ってくださいね。森陽馬

★掲載ジャケットは、『EIICHI OHTAKI Song BookⅢ 大瀧詠一作品集3 「夢で逢えたら」』。
(国内4枚組CD 「夢で逢えたら」86トラック収録 SRCL-9693 4,378円税込)


2025年10月14日(火) 松田聖子 「風立ちぬ」

♪風立ちぬ 今は秋 今日から私は心の旅人♪
(松田聖子「風立ちぬ」歌詞より 作詞:松本隆)

店内でCDをかけた瞬間、お花畑を歩いているような華やかな雰囲気に包まれました。

松田聖子『Seiko feelings -Eiichi Ohtaki Works-』
(国内SACDハイブリッド仕様 最新リマスタリング 栗本斉による解説付 MHCL-10191 3,520円税込)

本作は、大瀧詠一が松田聖子に作曲提供した楽曲を集めた全11曲の作品集。
当時出たのは、アルバム『風立ちぬ』(1981)A面5曲と、アルバム『Candy』(1982)の2曲。
それに加え、「いちご畑でつかまえて」と「FUN×4」を組み合わせた「いちご畑でFUN×4」と、大瀧詠一自身が歌ったテイクを編集した「風立ちぬ (duet version)」を収録。
更に、初出の「冬の妖精」(カラオケ)と「四月のラブレター」(カラオケ)が追加で入っています。

松田聖子のキラキラとした歌声。
大瀧詠一が手掛けた光と影の両面を内包した楽曲&サウンド。
約44年の時を越えても、輝きを放ち続けていることに感動を覚えました。森陽馬

★細野晴臣編、呉田軽穂(ユーミン)編、財津和夫編も発売中。


2025年10月15日(水) Don Was & The Pan-Detroit Ensemble 「Nubian Lady」

現ブルーノート・レコード社長/アメリカのミュージシャン/プロデューサー、ドン・ウォズ。
自身の故郷デトロイトを拠点に活躍する音楽家と制作したソウル&ジャズ・アルバムを発表しました。

ドン・ウォズ&パン・デトロイト・アンサンブル『グルーヴ・イン・ザ・フェイス・オブ・アドヴァーシティ』
(国内仕様CD 解説付 BSMF-5140 3,190円税込)

ドン・ウォズ&パン・デトロイト・アンサンブルは、ブラス・セクション、パーカッション、キーボード、女性ヴォーカリスト、ら9人編成によるバンド。
本アルバムを引っ提げ、9月下旬に来日。9月27日・28日に有明アリーナで行われたブルーノート・ジャズ・フェスティバルにも出演、素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

今作にはライヴでも披露されたインプレッションズ「This Is My Country」、ハンク・ウィリアムス「I Ain't Got Nothin' But Time」、カメオ「Insane」などSteffanie Christi'anのパワフルなvoをフィーチャーした歌もの、9分を越える「Nubian Lady」(ユセフ・ラティーフ)などのインストもの...カヴァーを主体にジャズあり、レゲエあり、ファンクありのスタジオ/ライヴ録音による全6曲が収録されています。

初めて生で観ることが出来たドン・ウォズ(ベース)はもちろん、特に存在感を放っていたのが、サックス/フルート奏者デイヴ・マクマレイ。(赤の水玉シャツも素敵でした) 力強いプレイに圧倒されました!
近年自身の名義でグレイトフル・デッドの楽曲を再解釈する作品を発表しており、今回の来日では「Loser」も演奏されました。東尾沙紀


2025年10月16日(木) RCサクセション 「甲州街道はもう秋なのさ」-Another Mix-

「こんな素晴らしいレコードを廃盤にしていて申しわけありません」

この文面は、RCサクセションの1976年2月発表アルバム『シングル・マン』が発売数か月後早々に廃盤となった後、吉見佑子氏を中心に<シングル・マン再発売実行委員会>が立ち上がったことを起因として、1980年に正式に再発された際、LP帯に記載された言葉です。

その『シングル・マン』が、RCサクセションのデビュー55周年を記念して新たに再発売されました。

RCサクセション『シングル・マン』(デラックス・エディション)
(2CD UPCY-8060 4,840円税込/2LP限定クリア・ヴァイナル UPJY-9520 6,820円税込)

オリジナル・マスター・テープからzAk氏による最新デジタル・リマスタリングが施され、更にTVK『ヤングインパルス』スタジオ・ライヴなど貴重音源を追加したボーナス・ディスクが追加。約58Pに及ぶブックレットには、今井智子氏、坂井洋輝氏による解説、ジャケットの元になった南大路一氏による図版17点、当時のマルチテープや資料写真が掲載され、手元に置いておきたい仕様になっています。

今日のこの1曲は、「甲州街道はもう秋なのさ」-Another Mix-を。
オリジナル・ヴァージョンには全く入っていない星勝氏が手掛けたストリングスが全面に入っており、本編とは全く違った印象を受けました。マルチテープからzAk氏が本作用にミックスダウンを行ったそうです。森陽馬


2025年10月17日(金) James Taylor 「Deck The Halls」

武蔵小山駅前の樹木に、クリスマス・イルミネーションのライトが設置されました。

朝晩はだいぶ涼しくなってきましたね。
寒さが苦手な僕は、くつ下用カイロを早くも使い出しています。

さて、そんな冬の到来が近いことを告げるように、クリスマス・アルバムが本日入荷しました。

James Taylor『At Christmas』
(輸入CD Columbia/Legacy 19802973262/輸入LP 19802841971)

ジェイムス・テイラーが2006年に発表したクリスマス・アルバム『At Christmas』の再発盤です。
国内盤は廃盤。近年は輸入盤も入手困難になっていました。

デイヴ・グルーシンによるプロデュース作、ジョニ・ミッチェル「River」のカヴァーも素晴らしい傑作
「一番大好きなクリスマス・アルバム」と言える名盤なので、再発はうれしいですね。

2012年に出た本作のExpanded Editionは、オリジナル12曲に「Here Comes The Sun」(ジョージ・ハリスンのカヴァー)と「Mon Beau Sapin」が追加された14曲入りでしたが、今回の再発は更に1曲多い全15曲入りになっています。

今日のこの1曲は、アルバムラストに収録されている追加曲「Deck The Halls」。
本作の元となった2004年Hallmarkストアからの限定発売CD(ジェイムス・テイラーのクリスマス・アルバム『A Christmas Album』)に収録されていたクリスマス・スタンダード曲。約20年の時を経てめでたく収録されました。

なお、アナログLPは黒盤で、オリジナル12曲のみ収録の仕様です。森陽馬


2025年10月18日(土) Boz Scaggs 「It's Raining」

2025年で81歳を迎えたボズ・スキャッグスが新作『Detour』を発表しました。
今回は、ジャズ・アルバムです。

ボズ・スキャッグス『Detour』
(国内CD ボーナス・トラック追加収録 解説・歌詞・対訳付 UCCO-1247 3,300円税込)

ジャズといっても、ブルージーなアレンジかな?、と思いきや、全体を通して予想以上に静謐な作品でした。
テンポはゆったり目。穏やかなピアノと、ボズの味わい深い歌声が中心で、ドラムはほぼブラシのみ。
夜中に静かな空間でひっそりと聴きたい1枚です。

今日のこの1曲は、アラン・トゥーサン作(Naomi Neville名義)の1曲目「It's Raining」。
オリジナルはニューオリンズの歌姫アーマ・トーマスが1962年に歌った名曲ですが、その元曲とは違った落ち着いたアレンジで歌われており、カヴァーだとは最初全く気付きませんでした。

以前にも、アラン・トゥーサン作「What Do You Want The Girl To Do?」をカヴァーしたことがあったボズ。
南部育ちの彼らしいセレクトですね。森陽馬


2025年10月19日(日) ブライアン・ウィルソン 「素敵じゃないか」

昨日10月18日、プライヴェートで来日中のダリアン・サハナジャさんがペット・サウンズ・レコードに来てくれました。
 

・2013年1月ヴァン・ダイク・パークス
・2015年12月ジェフリー・フォスケット
・2016年4月プロビン・グレゴリー
に続く、ビーチ・ボーイズ人脈の方の来店。うれしいですね。

ダリアンは店内をいろいろ見てくれて、レモン・ツイッグスや2025年日本企画として発売された『ロジャー・ニコルス・ソングブック』、大滝詠一の楽曲だけを集めた松田聖子のCDなども、興味深く眺めていました。

店内でかかっていたルラルやマイクロスターにも反応してくれたり、ビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソンの音楽を愛する者同志の共通嗜好を感じられ、本当に有意義な時間を過ごせました。
ダリアンありがとう!

ということで、今日の1曲は、ミュージカル・ディレクター&プロデューサーとしてもクレジットされ、ブライアン・ウィルソンを最大限にサポートしたこのアルバムから、「素敵じゃないか」を。
ブライアンの優しいピアノの音色が心に沁みます。森勉

★ブライアン・ウィルソン『アット・マイ・ピアノ』
(国内CD 日本語解説付 UCCM-1267 2,860円税込)


2025年10月20日(月) Gavin James 「Afterlife」 「Afterlife(Reprise)」

2010年代から活躍するアイルランド・ダブリン出身、1991年生まれの男性シンガーソングライター、Gavin James。

本国ではアルバム・チャート1位を何度も獲得している人気シンガーながら、日本ではあまり知られていない存在かと思います。
(2024年10月に初来日公演を行っています。)

シングアロング系から穏やかなフォーク・ソングまで、エモーショナルな歌声とメロディ、ドラマチックな曲展開が彼の魅力。
制作に4年を費やしたという2025年発表4作目が好評発売中です。

Gavin James『Goldrush』
(輸入CD SONY 19802872792)

本作は初めて本格的にセルフ・プロデュースを手掛けている作品。
歌とギターだけでなく、ピアノ、ドラム、ベース、コーラス、アコーディオン他自身もさまざまな楽器をこなしています。

ポップでエネルギッシュなAサイド、内省的かつ温かみのあるBサイドといった、前/後半趣きの違う二部構成的なつくりになっています。
本日はBサイドから、世界が終わりゆく夢を見た時に感じた、愛する人たちと過ごした時間の尊さ・感謝を歌ったフォーキーな「Afterlife」を今日の1曲に。

もし世界が終わっても、どんな形になってもまたどこかで会えるという希望を歌った「Afterlife(Reprise)」で今作は幕を閉じます。
アイリッシュ・トラッドの雰囲気を感じられる歌い出し、穏やかなピアノが深い余韻を残します。東尾沙紀


2025年10月21日(火) 山下達郎 「Tokyo's A Lonely Town」

山下達郎『ARTISAN』のアナログ盤が本日入荷しました。
2025年最新リマスター&カッティング、180グラム重量盤です。

山下達郎『ARTISAN』
(国内盤レコード WPJL-10262 4,400円税込/カセットテープも発売 WPTL-10011 3,410円税込)
先着特典ポストカード付。更に当店のみのオマケも先着で差し上げています♪

1991年発表。ソロになって第10作目。(ライヴ、企画盤は除いてのカウントです)
2021年の『ARTISAN』30周年の時に、当時のアナログ事情もあり音質重視ということで2枚組アナログ盤が出ましたが、1枚もので本作のアナログ盤が出るのは今回が初めてになります。
A面1曲目は「アトムの子」。B面1曲目は「スプレンダー」です。

今日の1曲は、A面5曲目「Tokyo's A Lonely Town」。
トレイドウインズの「New York's A Lonely Town」を東京に置き換えた歌詞にしてカヴァーした山下達郎ならではのこだわりと、この曲への愛を感じるヴァージョンです。
フェイドアウト寸前の打ち込みドラムスなのに、3連のドンドンドン、お聴き逃しのないように。

いつかシングル・レコード化して欲しい曲です。森勉


2025年10月22日(水) 大滝詠一 「雨のウェンズデイ」

書籍『ALONG A LONG VACATION 大滝詠一、1981年の名盤を探る』が好評発売中です。
(著:湯浅学 レコード・コレクターズ増刊 2,200円税込)

大滝詠一が1981年3月21日に発表した名盤『ロング・バケイション』に関わった人物の証言を集めた1冊。
レコード・コレクターズ誌に連載された項に加え、吉田保と松本隆への新たなインタビューが追加されています。

特にラスト、松本隆の証言は感動的でもありましたね。

「大滝さんの声は悲恋の声で、悲恋の曲だとすごくいい感じに響く声質だ」、ということで、「FUN×4」以外は悲しい歌詞が多いという話や、「雨は好きで、これは外せない、みたいなヒット曲が来ると必ず雨」、等々興味深い話が多くありました。
改めてロンバケの歌詞を読んで聴き直したくなりましたね。

今日のこの1曲は、歌詞のモチーフに小説『微熱少年』の流れも感じさせる「雨のウェンズデイ」を。

ちなみに、松本隆の印税は、大滝詠一に書いた曲が今でも一番売れていて、収入の半分を占めているそうです。森陽馬


2025年10月23日(木) 東京ローカル・ホンク 「お手紙」

祝♪放送開始から30周年!テレビ番組『出没!アド街ック天国』。
それを記念して、雑誌『アド街百景』が発売されました。
(当店でも好評発売中! 交通新聞社 1,650円税込)

アド街の30周年メモリアル・ブックとして、今までの名場面・名所が100か所紹介されています。
とても光栄なことに、PET SOUNDS RECORDも掲載していただきました!(No.34、56ページ目)
読み応えのある1冊、よろしければ手に取ってご覧くださいね。

その取材・撮影の時に、イノッチ部長が購入してくれたのがこのレコードです。

東京ローカル・ホンク『東京ローカル・ホンク』
(国内LP2枚組 完全限定盤 TBV-0067 6,600円税込)

当店が応援し続けているバンド、東京ローカル・ホンクの2005年発表作にボーナス曲を追加した2LP。
プロデューサー久保田麻琴さんによる新ミックス&リマスタリングで、内容も音質も素晴らしい作品です。

特にA面1曲目「お手紙」は繰り返し聴きたくなる名曲!
イノッチも気に入って、ラジオ『S.I.N NEXT GENERATION』でオンエアしてくれました。

♪きれいな月を眺めたよ。おいしいラーメン食べたよ。
口笛が上手く吹けたよ。土手に菜の花咲いてたよ。おーい、君は元気かい♪
(東京ローカル・ホンク「お手紙」歌詞より)

ホンク・メンバーのコーラスが重なる瞬間、胸が締め付けられるような気持ちになるのは僕だけでしょうか。森陽馬


2025年10月24日(金) 無果汁団 「ナサリー」

新しくて、懐かしい。
テクノ・ポップ、シティ・ポップ、AOR、ブリティッシュ・ポップなど、様々なジャンルが掛け合わされたテクノロジー・ポップス・ユニット、無果汁団。約2年ぶりとなる新作がリリースされました。

無果汁団『ナサリー』
(国内CD MKJR-004 3,080円税込)

元blue marbleのショック太郎(作詞/アレンジ、ミックス)、とんCHAN(作曲/キーボード、コーラス)、1st『マドロム』、2nd『うみねこゲイザー』でヴォーカルを務め、この最新作4thで復帰したみさきによる男女3人組。

シンセ×生音の緻密なアレンジ、詩の近未来的な世界観は今作でも全開♪
<これが本当の意味でのファーストアルバム>とメンバーの自信がうかがえるコメントも大納得の充実作です。

切ない気持ちを抱えながら夜の街を走る...都会的なアレンジがクール「TOKIOモノクローム」、日常のすべてが無機質に動くさまを描いた「全自動」も面白い曲。
本編ラスト「モノローグ」の、大貫妙子「都会」を想起させる歌い出しにもニヤリとさせられてしまいました。

今日の1曲は、アルバム名にもなっている「ナサリー」。
イノセントな歌声と美しいメロディの感動的なラヴ・ソングです。

これまでのアルバムと同じく、佐藤清喜(microstar)によるマスタリング!

先着特典でリード・トラック「アトモスフィア」のリミックス音源「Atmosphere (Lovers&Dub)」を収録したCD-Rが付きます。
新作CD・サブスクでは聴くことが出来ない7分に及ぶかっこいいトラック!こちらも是非ゲットしてください。東尾沙紀


2025年10月25日(土) SUPER BELL"Z 「MOTER MAN(秋葉原~南浦和)」

「ドア閉まります。駆け込み乗車はおやめ下さい。電車から離れてください。」

電車に乗るとよく聴くフレーズですよね。
今では自動放送が主ですが、昔は車掌さんがクセの強い声&イントネーションでしていたのが懐かしいですね。

このような車内アナウンスをDJスタイルで歌にし、電子音楽に乗せて仕上げた曲が1999年に大ヒットしました。
それが、SUPER BELL"Z(スーパー・ベルズ)「MOTER MAN」です。

SUPER BELL"Zは、鉄道好きでDJの野月貴弘が中心のユニット。
当時、シングルCDが25万枚以上も売れました。
アイドルではない謎のグループの1stシングルCDがそんなに売れるなんて、今では信じられないですよね。

その「MOTER MAN」が初アナログ化! 7インチ・レコードで発売されました。

SUPER BELL"Z『MOTER MAN(秋葉原~南浦和)』
(国内7インチ・レコード 完全限定盤 PROT-7368 2,420円税込)

久々に聴きましたが、鉄道愛と遊び心が溢れていて最高ですねー。
1999年にはまだ生まれていなかったという世代にも是非聴いてもらいたい1曲。

ちなみに、B面は最強の埼京線ナンバー「MOTER MANⅡ"TRAFFIC JAM"(恵比寿~新宿)」です。森陽馬


2025年10月26日(日) Neil Young & Crazy Horse 「Train Of Love」

オアシスの東京ドーム来日公演(2025年10月25、26日)は盛り上がったようですね。

そのオアシスがメジャー・デビューした1994年は、グリーン・デイ、ベックも登場した年です。
洋楽はマライア・キャリー、ボン・ジョヴィ、エイス・オブ・ベイスが日本でヒットしていました。
(ちなみに邦楽はミスチル、ドリカム、B'z、ZARD、小室哲哉関連など。) 華やかな時代ですね。

一方で1994年は、ニルヴァーナのカート・コバーンが自殺した年でもあります。
カート・コバーンが遺書に、「It's better to burn out than to fade away」(色褪せるよりも燃え尽きた方がいい)というニール・ヤング「Hey Hey My My (Out Of The Blue)」の歌詞を引用したことが報じられたのも印象に強く残っています。

大きなショックを受けたニールですが、その4か月後(1994年8月)にアルバムを急遽発表しました。
それが『Sleeps With Angels』です。

暗く重いタイトル曲以外は、カートが亡くなる前から既に録音済だったようですが、長尺「Change Your Mind」や切ない「My Heart」他、カートの追悼盤のような雰囲気も感じさせます。

今日のこの1曲は、5曲目「Western Hero」と同じ美しいメロディを持ち、歌詞は異なる⑨「Train Of Love」。森陽馬


★ニール・ヤング90年代のアルバム4作を収めたアーカイヴ・シリーズ『Official Release Series Discs 26, 27, 28 & 29』が、輸入CD4枚組とLP8枚組BOXで発売されました。『Harvest Moon』(1992)、『Unplugged』(1993)、『Sleeps With Angels』(1994)、『Mirror Ball』(1995)の4作を収録。



2025年10月27日(月) 高野寛 「夢の中で会えるでしょう」(アルバム・ヴァージョン)

高野寛は1988年10月、23歳の時にシングル「See You Again」でデビューしました。
それからずっといい曲を作り続け、歌い続けて、今年37周年を迎えています。

今日は彼が2018年に発表した3枚組ベスト・アルバムから聴いてみたいと思います。

高野寛『SPECTRA ~30th All Time & Collaboration Best』
(3枚組CD UPCY-7545 4,290円税込)

「虹の都へ」「ベステンダンク」などソロでのヒットに加えて、田島貴男、坂本龍一、高橋幸宏、忌野清志郎などとコラボした楽曲も入っています。全46曲収録。
高野寛自身の言葉で綴られるライナーノーツ・楽曲解説も魅力です。

今日の1曲は「夢の中で会えるでしょう」を。
1994年に坂本龍一プロデュース&アレンジで録音したシングル曲のヴォーカルを、新しく録り直したアルバム・ヴァージョンです。

元々はキングトーンズのために高野寛が書いた曲。
いろいろな事情から高野寛が自ら歌うヴァージョンが出ましたが、キングトーンズも1年後にこの曲を歌っています。
高野寛というメロディーメーカーとしてのセンスがあふれ出た1曲と言えます。森勉


2025年10月28日(火) ザ・クロマニヨンズ 「どんちゃんの歌」

霊長類最強のロック・バンド、ザ・クロマニヨンズの新作『JAMBO JAPAN』が本日入荷しました。

ザ・クロマニヨンズ『JAMBO JAPAN』
(国内CD BVCL-1492 3,204円税込/国内LP 完全限定盤 BVJL-140 3,204円税込)
先着特典ステッカー付

ロックン・ロールのかっこよさ&遊び心が詰まった最高の1枚!

更に、アナログLPは1枚ものでも4,000~5,000円以上当たり前の時代に、3,204円という破格の安さ!
(ちなみに、9月17日に発売されたシングル盤7inchは1,320円!)
どちらも利益は出ていないでしょうが、ヒロト&マーシーの心意気がうれしいですよね。

本作の中で、特にグッときたのが5曲目「どんちゃんの歌」。
ポップで、ロックで、シビれるほどかっこよくて、とっても楽しい歌なのに、何故か涙が出てきそうになる名曲!

ちなみに、この歌の最後の方に出てくる以下の歌詞。
♪みんな違うんだ。名前はおんなじ、どんちゃん。いろんな心のどんちゃんです♪
人種やジェンダーの差別をテーマにしている、というのは考え過ぎでしょうか? 森陽馬


2025年10月29日(水) The Blow Monkeys 「The Penny Drops」

1980年代のヒット「Digging Your Scene」、「It Doesn't Have To This Way」などで知られるUKのソウル/ポップ・バンド、ザ・ブロウ・モンキーズ。

ソロや他ユニットでも勢力的に活動を続けるDr.ロバートを中心に、ネヴィル・ヘンリー(sax,flute)、ミック・アンカー(b)、クリスピアン・テイラー(drs/ガリアーノetc)のラインナップで、2007年の再結成以降もコンスタントに作品を発表しています。

前作『Together/Alone』発表から約1年。13作目となる最新作『Birdsong』がリリースされました。

The Blow Monkeys『Birdsong』
(輸入CD Creation Youth cycdzcd016)

ストリングスと女性コーラスを配した華やかなオープニング・ナンバー「The Penny Drops」、ファンキーな「Birdsong」を筆頭に、美しいピアノ・バラードもありつつ、ポップなグルーヴを感じる作品となっています。

今作はアラン・マッギーと、キリング・ジョークのベーシスト/プロデューサーのマーティン・ユース・グローヴァーらで設立したレーベルCreation Youthからのリリース。
ポール・ウェラー所有のBlack Barn Studioで録音、チャールズ・リースがエンジニアを担当しています。
ミック・タルボットもピアノ/キーボードでクレジットされています。東尾沙紀


2025年10月30日(木) Jonny Greenwood 「One Battle After Another」

映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』をTOHOシネマズ日比谷にて先日鑑賞。

ポール・トーマス・アンダーソン監督、レオナルド・ディカプリオ主演作。
ツッコミどころ満載な展開、下品な言葉遣い多数、等々ありながら、約2時間40分以上の長尺を感じさせないエンターテイメント・ムービーでしたね。

ラストまで緊張感が持続したのは、ジョニー・グリーンウッドが手掛けた音楽の力も大きかったと思います。

レディオヘッド、ザ・スマイルのギタリストである彼のスコアは、場面に合っていないような前衛的サウンドだったりしながら、張り詰めた緊迫感に溢れていて、まさにジェットコースターの乗っているような気分でした。

サントラ盤CD/LPは11月中旬発売予定。
映画館で物語と共に聴いた音楽が、CD/LPではどのように響くでしょうか?

Jonny Greenwood『One Battle After Another』
(2025年11月14日発売予定 輸入CD/LP NONESUCH)

ちなみに、本編終了後のエンドロールでは、僕が大好きなトム・ペティのあの曲や、劇内のセリフに歌詞の一節が出てきたギル・スコット・ヘロンの名曲もかかります。(サントラには未収録) 森陽馬


2025年10月31日(金) Rolling Stones 「You Can't Always Get What You Want」(無情の世界)

映画『アニタ 反逆の女神』を新宿K's Cinemaにて先日鑑賞。

ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズと付き合い、キース・リチャーズとの間に3人の子をもうけ、ミック・ジャガーが想いを寄せたこともあった、アニタ・パレンバーグの人生を描いたドキュメンタリー映画。

アニタは2017年に亡くなっていますが、自伝的な手記が見つかり、それをスカーレット・ヨハンソンがアニタの語りのように朗読。キース・リチャーズや息子・娘の証言も含めて制作された映像作品です。

ローリング・ストーンズとの関わりはもちろんのこと、波乱万丈ながらも晩年はドラック&アルコール中毒を乗り越え、俳優・ファッションモデルとして活躍したロックな生きざまは強烈。

「アニタという人は本当に独特な存在で理解を超えるところがあった。」
「ついていくだけで精いっぱいでね。でもそれが楽しかった」
「彼女のおかげで男になれた」
キース・リチャーズにこんなことを言わせるなんて凄いですよね。

アニタとミックが映画で共演して恋仲になっている最中にキースが書いたという「ギミー・シェルター」。
アニタを想いミックが書いた「無情の世界」。
キースとアニタの間に、息子が生まれた時にキースが書いた「ユー・ガット・ザ・シルヴァー」。

♪欲しいものが得られないことがある。手の届かないこともある♪
(ローリング・ストーンズ「無情の世界」(You Can't Always Get What You Want)の歌詞より)

ローリング・ストーンズの歌が、今までとは違って聴こえてくるようになりました。森陽馬

★掲載ジャケットは、「ギミー・シェルター」、「無情の世界」、「ユー・ガット・ザ・シルヴァー」収録のローリング・ストーンズ1969年発表アルバム『レット・イット・ブリード』。




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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