PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2005月8月>

立退き閉店のため、店舗を一時休業していた
2005年8月に更新した
“今日のこの1曲”コーナー。

廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。


<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2005年8月1日(月) ハイロウズ 「千年メダル」

 フジ・ロック・フェスティバルより戻ってまいりました。

 天候など恵まれなかった部分もありましたが、本当に楽しかった3日間。
 数多くの名演、名曲を見ることができましたが、もし1曲だけ選べ! ということだと、迷うことなく僕はこの曲です。

 29日(金)16時頃のグリーン・ステージ、小雨が降りしきる中でのハイロウズ。
 98年発表アルバム『ロブスター』からのヒット・シングル。
 
 ホントこの曲の時は感動したなあ〜。周りの人、結構泣いてたし。
 ロックン・ロール聞いて泣きたくなる、なんてホント久々。

 ヒロト&マーシー率いるハイロウズは、日本が誇れる“ロックン・ロール”バンドだと実感! MCも良かったですね。

 ということで、フジ・ロックのレポートを一部更新しました。
 おって近々更新していきます。森 陽馬

2005年8月2日(火) Los Lobos 「Let's Say Goodnight」

 ロス・ロボスはデビュー当時から好きで、1985年8月のよみうりホールで演った初来日公演も見ました。

 しかしこのところ発売されるCDはいつもCCCDのため、買うこともなく、ちょっと彼らの音楽に注目することを忘れていました。

 しかし、しかし、7月31日(日)フジ・ロックの会場で彼らの演奏に生でふれることによって、こういう音楽が大好きだという気持ちが復活しました。
 
 午後2時40分ごろだったでしょうか。ホワイト・ステージとフィールド・オブ・ヘヴン/オレンジコートを結ぶボード・ウォーク途中の臨時ステージ“木道亭”でライヴは始まりました。
 道は閉鎖していたわけではないので、演奏している彼らの目前を通行人が歩いていくという特別な状況の中、演奏は続きました。

 興奮していたので曲がなんだったのか?よくわかりませんが、この曲は演ったと思います。

 森の木立の中でアコーディオンの音色とタイトなエレクトリック・セットのリズムが映えてました。(そう「ノット・フェイド・アウェイ」のカヴァーも良かったなあ。)

 個性豊かな場所で聴いたロス・ロボス、ビーチ・ボーイズとともに、何年経っても忘れられぬライヴになりそうです。

 来年も是非、参加したくなりました。
 フジ・ロック主催関係者の音楽を愛する気持ちは、はるばる見に行った観客に確実に伝わっていたと思います。
 ありがとう&おつかれさま。 森 勉

2005年8月3日(水) 佐野史郎 「ちぎれ雲」

 まだレポには書いてないのですが、フジ・ロックで佐野史郎(sanch名義)を見てきました。

 3日目昼、GYPSY AVALONという小さいステージに出演したですが、この日のこの時間帯はとても天気がよく、お客さんもたくさん入っていましたね。

 僕は後ろの芝生の方でのんびりタピオカマンゴー飲みながら見ていたのですが、途中で加藤紀子さんがゲスト・ヴォーカルで出演した時には、「ああ、もうちょっと前で見ときゃあよかったなあ...」と後悔してみたり。(ミーハーですね、スミマセン)

 バックにはエマーソン北村さんがついていたのですが、彼のエレピの音はホント気持ちよかったです。特にジョビン作のボサノヴァ名曲「WAVE」は極上でした。

 ただ、正直いうと、ニール・ヤングやはっぴいえんどのカヴァーとかもせっかくだから聴きたかったなあ、と。
 
 ということで、鈴木茂がゲスト参加しているこのCD(TKCA-72296 \2,500)を引っ張り出して、本日聴いちゃいました。
(ちなみに佐野史郎さん本人のHPにその時のライヴの様子がちゃんとアップされていました。詳しくはこちら。) 森 陽馬 

2005年8月4日(木) My Morning Jacket 「One Big Holiday」

 今年のフジ・ロックの新たな収穫は、文句なしにこのバンドでしたね。

 2日目の夜、グリーン・ステージのBECKを見に行こうか未知のこのバンドにしようか迷って、結局こちらを取り大正解! 歓喜して、フジ・ロックから帰宅後は即注文、即購入! しばらくは個人的にヘヴィー・ローテーション間違いなしになりそうです。

 マイ・モーニング・ジャケットは、アメリカはケンタッキー州出身、熊のような風貌のヴォーカル&ギター、ジム・ジェイムスといとこのギタリスト、ジョニー・クエイドを中心とした典型的なアメリカン・ロック・グループで、この作品がメジャー・デビュー・アルバム(『It Still Moves』 BVCP-21320 \2,548)。
(ちなみにこれ以前にもインディーズからアルバムを何作か発売。)

 “ニール・ヤング的”という噂は聞いていましたが、まさにそんな感じで、更にそれにハード・ロック的な要素、ポップな要素も加味。でも不思議とうるさくはなく、なんか親しみが持てるサウンド&ヴォーカルなんですよね。

 ちなみにこの変わった名前の由来は、地元のバーが火事で焼けてしまった時の遺品として出てきたバスローブに“MMJ”と誰かのイニシャルが書いてあり、それをただ単に冗談で、「これはMY MORNING JACKETの略だ」と言ったのがきっかけだとか・・・。
 それとか、ライヴではその熊のような風貌をした彼のマイクに、かわいいくまの人形がぶら下げてあったり、と突っ込みどころ満載で最高!

 そんな彼らですが、NME誌から“現在最高のアメリカン・ロック・バンド”(ほめすぎ!?)と絶賛されたり、と評価はうなぎ登り。もちろんニール・ヤング好きでない方にもオススメのかっこいいロックですよ。森 陽馬

★ フジ・ロック2日目のレポートをアップしました。 

2005年8月5日(金) 押尾コータロー 「ボレロ」

 フジ・ロック・フェスティバルから早1週間。

 なんだか本当にこの1週間があっという間で、いかにあの3日間が濃かったか、を実感する日々が続いております。なんだか、これから見るライヴがどれも満足できず自分自身が不感症になってしまっていないかどうかが、とても不安でもあるのですが・・・。

 さて、まだ3日目のレポートはアップしていないのですが、その3日目でビーチ・ボーイズに次ぐくらい楽しめたのが、意外にも?押尾コータロー@ORANGE COURTでした。

 彼のことを、“ちょっとイケ面のギターがうまい人”ぐらいに思っている人、生の彼のライヴを見れば、誰しもがその凄まじいギターの技術に驚かされることでしょう。(もちろんギターのことをよく知らない方でも)

 とても一人だけで演奏しているとは思えない技術だけではなく、“一人メンバー紹介”など見せ所も満載。以前、インストア・ライヴで見たことが1回だけあったのですが、その当時よりもパフォーマーとしても格段に成長していて、見ていて感動すら覚えましたね。
 
 ラストはなんと「押尾コール」まで起こり、アンコールにも応え、即席で作った“フジ・ロックの歌”を披露!(観客の手拍子に合わせてなんと押尾コータローが“歌う”!)

 結構、一般的には癒し系に分類されそうな感じですが、今回のこのライヴを見て、実はフェス向きのアーティストだな、と思いました。(ジャケットは2004年発表ライヴ盤 TOCT-25552 \3,500)森 陽馬

2005年8月6日(土) The Tymes 「So Much In Love」

猛暑が続いていますね。
ビーチ・ボーイズもこのぐらいの日差しの下で聴きたかったな、と思いつつも、もし本当にこのぐらい暑かったら、正直言って体力的にきつかったかも、とも想像してみたり。

本日はカメオ・パークウェイのBOXを聴きながら、倉庫を整理したりしていたのですが、やっぱりこの曲は改めていい曲だな、と実感。

 タイムスはフィラデルフィア出身、56年に結成された黒人5人組グループ。
 63年にビルボード・シングル・チャートでNo.1ヒット。

 ティモシー・シュミット(イーグルス)や山下達郎のカヴァーでも有名ですね。

 なんだか黒人って感じよりもホワイト・ドゥーワップ的な雰囲気に感じるのは僕だけでしょうか。

 よーーーく聴くと(聴かなくても?)、コーラスがホント凝ってますね。     森 陽馬

2005年8月7日(日) 原 由子 「愛のさざなみ」

 この曲が収録された『東京タムレ』(VICL-60846 \3,045)が出てから、早3年以上が経ちました。

 1960年代にヒットした日本製ノポップスと歌謡曲のカヴァーを集めたこのアルバムは、なんともいい雰囲気とこんな素晴らしい曲があったことを伝えてくれました。
 続編を期待する意味でも、ここで取り上げておきましょう。

 いい曲ばかりですが、今日のお目当ては2曲目に入っている「愛のさざなみ」。

 オリジナルは、1968年の島倉千代子。
 当時、高校生の僕にとっては、もう興味の対象外だった彼女をもう一度、「いい曲を歌う歌手だなあ」という認識に戻した浜口庫之助−なかにし礼の名曲。

 原由子の歌は、息の抜け方が最高。
 斉藤誠のアレンジもノスタルジックさだけでないビート感がタップリ。

 それにしても、ハラボウとハマクラさんの曲はとても相性がいいようだ。
 『稲村ジェーン』に入っていた「愛して愛して愛しちゃったのよ」も最高でした。森 勉

2005年8月8日(月) Buena Vista Social Club 「De Camino A La Vereda」

 キューバの名歌手、イブライム・フェレールが逝去。

 97年に公開された映画『ブエナ・ビスト・ソシアル・クラブ』。
 この映画が元で、キューバ音楽に魅せられた、という方も多いはず。

 実際僕も、当時、ライ・クーダーがプロデュースなどで絡んでいるということで見に行ったものの、見終わった後の正直な感想としては、「地味な映画だな〜」という感じでした。
 しかし、このサントラ盤(WPCR-5594 \2,447)を聴くうちにジワジワとキューバ音楽の良さが染み渡ってきて、それまで全く関心の無かったキューバ音楽&ワールド・ミュージックに多少なりとも興味を持つようになったきっかけを作ってくれた作品でもあります。

 日本にも来日して、その公演は私は行けませんでしたが、いつかキューバ本国で生のライヴを味わいたいな、とも思っていました。合掌。 森 陽馬

2005年8月9日(火) 小坂 忠 「朝は好きかい」

 9月3&4日に狭山で行われるハイドパーク・フェスティバルが結構近づいてきましたね。

 このフェスティバルはトムズ・キャビンの麻田 弘さんが中心になり、1970年代に細野晴臣さんや小坂忠さんなどが名作をレコーディングした狭山(米軍ハウス跡地)にある稲荷山公園を舞台に2日間、ゆかりのアーティストが多数参加して行われるイベント。(上記のリンク参照)

 細野晴臣さん、小坂忠さんはもちろん、鈴木茂、センチメンタル・シティ・ロマンス、鈴木慶一、更には、佐野元春まで決定! またまた更には、エリック・アンダーソン、マーク・ベノといういぶし銀のシンガー・ソングライターまで来日予定。 天気が良いといいですね。

 ということで、フジ・ロックが終わってしまった現在、今度はこちらの方に気持ちがシフトしています。

 今日のこの1曲は、忠さんが77年に発表した隠れた名作『モーニング』より。バックは、鈴木茂(G)、細野晴臣(B)、林立夫(Dr)、佐藤博(Key)。更には細野さんがヴィヴラフォンも叩いています。

 地味な1枚ではありますが、『ほうろう』(75年)とはまた違った味わい深いじわじわくる作品で、アルバムのダブル・ジャケットの内側には以下のような忠さんからの一言が書いてあるのです。

 「あなたは朝が好きですか?
  朝は昼と夜の間にかかる時の橋です。
  心に朝を向かえた時、この橋を渡って旅に出ます。(以下略)」

 この一節、素晴らしい言葉ですね。
 最近の自分は、心に朝を迎えられているかな・・・と自問自答してしまいそうですが、このフェスでそうなれればいいな、と半ば反省、半ば期待・・・。

 ちなみにこのフェスでは、忠さんのバックは誰が務めるのでしょうかね。
 ティンパン? それともセンチ? それともスーパー・セッション?森 陽

2005年8月10日(水) Prince 「Last December」

 あるサイトで、来年のフジ・ロック10周年を記念して出演してほしいアーティスト、っていうのを発言しあうコーナー(早っ!)っていうのがあって、もちろん皆それぞれの希望なので言いたい放題なのですが、こういうの読んでると、やっぱり楽しいですよね。

 ○○再結成!だとか、超大物ミュージシャンとか、そりゃねーよ、とかとも思うんだけれど、もしそういうのがひとつでも実現したらやっぱり盛り上がるよな〜。

 で、もちろん見たいミュージシャンを挙げていたらキリがないのだけれども、そのコーナー内の発言で、「あー、なるほど!こりゃ見たいっ!」と思ったのが、意外にもこの人!殿下!

 プリンスが野外?! それもフジ・ロック?!
 全然想像できないけれども、なんかスゴイことが起こりそうですよね〜。
 (ちゃんと時間通りに来日してくれるか?ってところからハラハラドキドキだな。笑)

 ちなみにこの“今日のこの1曲”は2001年に久々に“プリンス”名義で発表したアルバム『レインボウ・チルドレン』(VICP-61736)より、ラストを飾る感動のミディアム・スロー・ナンバー。
 
 このアルバムは、結構ジャズ/ファンク色が強いのですが、この曲では殿下お得意のファルセットが泣き節で惜しみなく発揮! ここ数年のプリンスの中では一番好きな曲かも。中間の演奏もかっこいい。
 ちなみにベースはあのラリーグラハム。

 ということで、僕も殿下に一票! 森 陽馬

2005年8月11日(木) Lotus 「Spritualize」

 以前にも“今日のこの1曲”で紹介したことがあるロータス。
 なんと来日が決定していたのですね!

 自らを“オーガニック・トランス・アンビエント・ファンク”と称するアメリカはフィラデルフィアを拠点に活動する5人組グループ。

 単なるテクノやエレクトロニックス・サウンドとは一線を画したその音作り、“生音とエレクトロニカの融合”、ジャム・バンド特有の緊張感あるドラマチックな曲展開は、クラブ・ミュージック/ジャム・バンド・ファンならずとも一聴の価値あり!です。

 昨年末に発売された初のスタジオ録音作となるこの3作目(『ノマド』YB-401 \2,400)も、実は個人的にはかなりヘヴィー・ローテーションだった1枚なのですが、来日を記念して?遂にこちらのコーナーでピックアップ!

 密かにフジ・ロックで初来日、というのを期待していたのですが、まあこれを機にまたフェスなどで来日してくれることを希望。10月1日に行われる朝霧ジャムとはちょっと間が空いちゃっているけど、そっちには出演しないのかな? 森 陽馬

2005年8月12日(金) アート・ガーファンクル「愛への旅立ち」

 サイモン&ガーファンクル(S&G)は大好きで、もちろん名盤名曲が多いのですが、最近はどちらかというと、S&Gよりもアート・ガーファンクルのソロ作の方を聴きたくなることが多いですね。

 75年発表、ソロとしては2枚目となるこのアルバム『愛への旅立ち(原題:Break Away)』(MHCP-200 \1,785)も個人的に昔からフェイヴァリットな1枚で、ゆったり静かに、心豊かになりたい時によく聴く作品。

 収録曲の中では、ブルース・ジョンストン作「ディズニー・ガール」のカヴァーが秀逸で、スティーヴン・ビショップ作も切なくて最高なのですが、このギャラガー&ライル作のタイトル曲「Break Away」で聴ける独特な暖かいエレクトリック・ピアノの音が無性に恋しくなるときがあるのです。

 このエレピ誰が弾いているのかな、と思ったら、リトル・フィートのビル・ペインが弾いていたんですね。更にギターは、ブルース・ブラザーズ・バンドなどでお馴染みスティーヴ・クロッパー。コーラスにはグラハム・ナッシュ、デヴィッド・クロスビー、ブルース・ジョンストンなども参加。

 30年前の作品ながら、今だにエヴァー・グリーンな輝きを僕に与えてくれるこの名作。
 30年後の自分がどのように変化しようとも、このアルバムを聴けばイノセントな自分に立ち戻れる、という魔法をこの作品は持っていると実感できた2005年8月中旬の1日でした。森 陽馬

2005年8月13日(土) Bonerama 「Whipping Post」

 6年ほど前にニューオリンズへ行った時には、有名無名様々なアーティストのライヴを見ることができたのですが、日本ではそれほど知られていないものの、当地では人気があるライヴ・バンド、というような存在のバンドがたくさんいて、どこのライヴ・ハウスへ行っても、素晴らしい演奏を聴けたのが印象に残っています。

 おそらくこのバンドも現在日本ではそれほど知られていませんが、向こうでは大人気のバンドかもしれませんね。

 Bonerama(ボーンラマ、と読むのかな?)は、なんと5人のトロンボーンとスーザフォンによるユニット。

 普通、ホーンのバンドといっても、トランペットやサックスなど混合だったりするのですが、同じような金管楽器が6つもステージ上に並ぶ、という光景はなかなか壮観でしょうね。その場での生音も凄そう。

 で、このアルバム(『Live From New York』 \2,500)は、2004年ニューヨークでのライヴ盤。現場の迫力が伝わるような熱演揃いですが、あえて僕の大好きなこのナンバーのカヴァーをピックアップ。

原曲はオールマン・ブラザーズ・バンドのライヴ定番曲。
ギターのソロ&メロディー部分をトロンボーンにしちゃう、という発想が痛快!

 更には、ギャラクティクのドラマー、スタントン・ムーアや、JB'sのフレッド・ウェズリーもゲスト参加。ジミヘンのカヴァーもやってます。森 陽馬

2005年8月14日(日) Doris Monteiro 「Maita」

 みなさんは買ったのに封を開けないまま棚に眠ってしまっているCDってありませんか?

 例にもれず、僕もそういうのが何枚かあって、本日はそういうCDをちゃんと開封して、1曲目から最後までちゃんと耳を通す、というのを夜やってました。
 そうするとあるんですね。なんで今まで買っていたのに聴いていなかったんだろう?という良い音楽が。

 このドリス・モンテイロの76年発表アルバム『Agora』(TOCP-66054 \2,548)もそういう1枚でした。

 彼女は1934年生まれ、50年代(つまり彼女が10代の頃)から歌っていたそうで、SP盤への録音音源もあるそうです。
 そんな彼女が76年に発表した作品ですから、すでにこの時彼女は42歳だったはずですが、そんな年を全く感じさせないセクシーかつ官能的な歌声。

 全体を通してボサノヴァとはまた違った極上のサウンド。
 美しいエレピの音やメロウなアコースティック・ギター、時折聴こえるアコーディオン、口笛の響きが心地良い作品でした。

 ちなみにこの曲「Maita」は、アルバムの1曲目に収録されている軽快なナンバーで、カフェ系コンピなどにも収録されている人気曲。森 陽馬

2005年8月15日(月) ピンクレディー 「ウォンテッド」

 通販商品の発送などの業務を終えた後、大井競馬場トゥインクル・レースへ。

 入り口付近のミニ・ステージで、開催日は毎日何かしら出し物があるのですが、本日は“TAMA&HAKO”という女性二人(あんまり若くはなさそう)によるピンクレディーのものまねショーというのをやっていて、この曲やっていました。

 1日に20分ほどのステージが3回そこであるのですが、それの全てを見た訳ではないので、「波乗りパイレーツ」(USA versionではビーチ・ボーイズが当時バック・コーラスをしていた曲)をやったかどうかは不明。競馬場でビーチ・ボーイズのコーラス聴きたかったな。

 それにしても我ながら、なんと中身の薄い“今日のこの1曲”・・・。
 スミマセン・・・。

 ちなみにレースに、“カナデ”(僕の好きなスキマスイッチというグループに「奏」という曲がある)という馬が出走していて、買ってみたのですが、見事ハズれました。森 陽馬

2005年8月16日(火) Glen Campbell 「By The Time I Got To Phoenix」

 日本では、知る人ぞ知る、といった存在のグレン・キャンベルですが、アメリカでは40代以上の年齢の人には、知らない人の方が少ない有名シンガー、と言っていいでしょう。

 その彼の出世作でもあり、その曲を作ったジミー・ウェッブの名を世に知らしめたのが、この「恋はフェニックス」。(“フェニックス”は、アメリカ、アリゾナ州の地名)

 1967年、全米26位までの上昇でしたが、セールス以上に業界受けがいい曲だったようで、1967年度のグラミー賞では、この曲によってグレンは最優秀男性ヴォーカルを獲得。そして1年後、1968年度のグラミーでは、この曲が収録されたアルバムが最優秀アルバムに選ばれました。

 美しいストリングスの響き、そして、グレンの憂いたっぷりの歌が素晴らしい。
 3番の歌詞、“オクラホマに着く頃”あたりで、バックのギター・ストローク演奏に、アルペジオが加わるところが好きです。

 このCDは98年に海外で発売された2枚組ですが、日本でも出してくれませんかねえ。1枚にコンパクトにまとめた日本編集でも構いませんから・・・東芝さん! 森 勉

2005年8月17日(水) Eric Benet 「Hurricane」

 最近の“今日のこの1曲”、古い曲ばっかりですね。
 新譜が少なくて反省・・・。
 ということで、本日は久々に今年発売された新譜アルバム(といっても発売されたのはもう2ヶ月前ですが)から、意識的にチョイス。

 エリック・ベネイは90年代にデビューしたソウル/R&Bアーティスト。
 99年に発表した2ndアルバム『A Day In The Life』が大ヒットし、当時、そのアルバムに収録されていたTOTOの「Georgy Porgy」のカヴァーがラジオでもよくかかっていましたね。

 そのアルバムから約6年ぶりとなる新作アルバムがこの『ハリケーン』(WPCR-12058 \2,580)。
 いや〜、これが極上のミディアム〜スローなR&Bナンバーたっぷりでかなり良いですね。

 というのも、この曲「ハリケーン」含む4曲が、なんとあのデヴィッド・フォスター・プロデュース。最近の若いR&Bリスナーにはどう聴こえるかわかりませんが、AORも好きな僕にはとても聴きやすくて、エリック・ベネイのソウルフルながらも熱すぎない“ビター・スイート”なヴォーカルと、デヴィッド・フォスターのメロウなアレンジがマッチしていますね。

 5曲目「マイ・プレイヤー」という曲ではなんと、ヴァン・ダイク・パークスがオーケストラ・アレンジを手掛けていたり、マイケル・ランドゥが“らしい”ギターを弾いていたり(ただちょっとこの曲は大仰しいかな)、他の曲でも、ディーン・パークスやネイサン・イーストが参加し、打ち込みのみの単調なR&Bとは違った名曲揃いの1枚です。
(僕は2曲目「Pretty Baby」が特に好きなパターン。)

 ちなみにエリック・ベネイは、2000年にあの名女優ハル・ベリーと結婚し、その後離婚もしていたんですね。このアルバムのライナー・ノーツ読んで初めて知りました。森 陽馬

2005年8月18日(木) STS9 「Better Days」

 エレクトロニカと生楽器の融合系ジャム・バンドの中では、Lotusと並び人気・実力とも1、2を争うユニット、<Sound Tribe Sector 9>こと、STS9の2005年発表新作アルバム『Artifact』(MCN-3004 \2,835)。

 「サウンドはどんな感じ?」と聞かれると、一言でいうなら、音響・アンビエント系、でしょうか。

 1999年、2000年に発表している昔のアルバムは、もっとジャズ寄りで、生楽器中心。ファンキーかつブレイクビーツ的ナンバーが多かったのですが、この新作はもっと音響寄りでスロー、かつ静かな雰囲気の作品です。

 正直言って、昔は自分自身もこういうサウンドは苦手というか、あんまり興味なかったのですが、最近は、
“深夜などにヴォーカル入りのうるさい音楽はあんまり聴きたくないけれど、何かしら音楽を流していて、気づいたら終わっているCD”
というのを時々聴いていて、まさにこの作品はそんな感じですね。

 エレクトロニカの部分はあるけれども、それがあんまり冷たい感じではなくて、オーガニックな自然な音のような雰囲気。それでいて、時折生楽器の即興性もある、というところが、このユニットの特徴です。

 秋には日本(朝霧ジャム?)に来日するという噂もあって、どういうライヴなのか興味ありますね。森 陽馬

2005年8月19日(金) Neil Young 「Prairie Wind」

 今年4月に脳の異常を訴え緊急入院、脳動脈瘤と診断され心配されていたニール・ヤングが、なんと9月下旬に新作を発表することが決定!

 昨日18日にはナッシュビルでライヴも行ったようで、ホント安心しました。
(でもそんなにすぐに活動再開しちゃって大丈夫なのかな? ファンとしてはその不死鳥ぶりはうれしくもあり、ちょっと心配でもあり・・・。 場所が場所だけにポックリ逝かないことを祈るのみ)

 入魂作だった『グリーンデイル』以来2年ぶりとなるこの新作『Prairie Wind』(Prairieは大草原の意)ですが、どうやら今回はアコースティック中心の内容らしく、後期の名作『Harvest Moon』、『Silver And Gold』的な作品に仕上がっているそうです。

 ちなみに、“今日のこの1曲”とはいえ、この作品はもちろん未聴。
 アップされた新作のジャケットをここに載せたかっただけなのです。
 今日のこの1曲は、僕の“心の中で鳴っている音”ということでお許しください。森 陽馬

2005年8月20日(土) Kui Lee 「I'll Remember You」

 車でちょっと遠出して海へ。
 さすがに混んでいる道もありましたが、不思議なもので、車の中で聴いている音楽によって、気持ちのゆとりも随分と違いますね。

 この1枚は、まさにそんなイライラしそうな時に心を落ち着かさせてくれたアルバム。

 クイ・リーは、ハワイの伝説的なシンガー・ソングライター。
 しかしながら、発表されたアルバムは1966年に発表されたこの作品のみ。同年、彼は癌でこの世を去ってしまったそうです。

 唯一、真に渾身の1枚となった今作『The Extraordinary』(MHCP-719 \1,785)の1曲目に収録されているのが、この曲「アイル・リメンバー・ユー」。
 エルヴィス・プレスリーもカヴァーしているバラード名曲で、ボサノヴァ的リズムながらボッサではなく、だからといってハワイアンでもなく、切ない郷愁を誘うようなシンガーソングライター作に仕上がっています。

 他の曲も、66年発表とは思えないほど充実した楽曲が多く、ハワイアンがそんなにお好きではない方でも気に入っていただけるはず。

 ちなみにこの再発盤は、ハワイアンの名盤を山内雄喜氏が監修しCD化したシリーズの中の1枚で、他にも良質な作品が発売されました。森 陽

2005年8月21日(日) Minnie Riperton 「The Edge Of A Dream」

 この曲が収録されているアルバム『パーフェクト・エンジェル』は、1974年夏にアメリカで発売されました。

 ちょうど僕が大学を卒業しながらも、きちんとした就職もせずに、とある店で初めてレコード販売の仕事をやりだした頃だったと記憶しています。

 B面1曲目のアルバム・タイトル曲がスティーヴィー・ワンダー作とクレジットがあり、気になり、何かの機会にその曲を耳にして、買うに至った経緯がありました。その時はまだこのアルバム収録の「ラヴィン・ユー」は、ヒットはしておらず、その後1975年になってシングル化され大ヒット。
 友達には、「オレは先見の明があるんだよ」と自慢したりした1枚でした。

 スティーヴィーの全面協力もあり恵まれたソロ・デビューでしたが、ミニーはソングライターとしての才能も充分で、「ラヴィン・ユー」をはじめ7曲を「リチャード・ルドルフと共作しています。

 なかでもこの「エッジ・オブ・ア・ドリーム」。
 シンプルな演奏に浮かび上がる彼女のヴォーカルは絶品。
 そして最後のスティーヴィーのピアノ・ソロ。もっと聴きたい!
 フェイド・アウトしないロング・ヴァージョンがもしあったら、いつか聴いてみたい。森 勉

2005年8月22日(月) アルマンド・トロヴァヨーリ 「Sesso Matto」

 渋谷シアター・イメージフォーラムのレイトショーで、73年公開イタリア映画『セッソ・マット』を鑑賞。

 今から10年以上前の90年代初期、モンド・ブームから話題を呼び、更にフリッパーズ・ギターがサンプリング・ネタで使ったことからも、このジャケットは見たことがありましたし、映画のサントラ盤も聴いたことがありました。
 でも映画はまだ観たことがなく、「どうせ、映画の内容はB級のどうしようもないエロ映画なんだろうな」と思っていました。
 
 というのも、お聴きになったことがある方ならご存知だと思いますがこのアルマンド・トロヴァヨーリによるこのメイン・テーマ、クールかつファンキーなホーンにリズム感ある演奏はもちろん素晴らしいのですが、そのサウンドに合わせて妖しく絡むセクシーな女性の喘ぎ声!・・・。まだまだ純粋な学生だった僕が初めて聴いたときは、正直顔が赤くなってしまいましたね。

 でも、初めて映画を観てビックリ!
 というのも、予想以上に面白かったからです。
 もっと脈絡の無いただ単にエロエロな映画を予想していたのですが、全然そこまでエロエロではなくて(といってもエロい?)、もう突っ込みどころ満載のコメディー映画で、かなり笑えました。

 細かいカメラワークや小ネタもとてもしっかり?していて、テンポもよく、見ていて飽きませんでしたね。ラウラ・アントネッリという女優さんの美しい肢体と目線にクラクラでした。(ちなみに映画の内容は、ショートショート的なオムニバス形式で、“9つの性癖”(?)をコメディータッチで描いている。)

 サントラ盤もめでたく再発されました(KICP-724 \2,300)。
 DVDも12月に発売予定とのこと。買っちゃうかも・・・。森 陽馬

2005年8月23日(火)センチメンタル・シティ・ロマンス「マイ・ウディ・カントリー」

 センチメンタル・シティ・ロマンスの2枚組ベスト盤が発売。

 デビュー・アルバムと2nd『ホリディ』、そして他社音源に、更に貴重な75年10月、VAN99ホールでの未発表ライヴ音源も追加収録したデジタル・リマスター全29曲。

 どの曲もアメリカン・ルーツに根ざしたサウンドとコーラスが魅力ですが、あえてこの曲を選んでみました。

 わずか30秒しかないこの曲「マイ・ウディ・カントリー」。
 しかしながら、この30秒にセンチの魅力すべてが詰まっているといっても過言ではないかな、と。
(ちなみに山下達郎もコーラス参加しています。)

 美しいコーラスワークにカントリー・タッチのギター。
 現在もメンバー各々のソロ活動と共にセンチとしても活動中ですが、そのセンチの魅力は今も全く失われていません。

 ちなみにはっぴいえんどのカヴァー「抱きしめたい」も収録されています。森 陽馬

2005年8月24日(水) Eric Andersen 「Blue River」

 エリック・アンダースンも狭山で行われるハイドパーク・フェスティヴァルに出演予定。

 ここ最近も、地道に活動は続けていて、国内盤は発売されないもののコンスタントに良質なオリジナル・アルバムを発表している彼ですが、やはり1枚というとこの72年発表の名作『ブルー・リヴァー』(MHCP-596 デジタル・リマスター&紙ジャケ \1,890)になるでしょう。

 1943年生まれ、アメリカはペンシルヴェニア州ピッツバーグ出身のエリック・アンダースンは、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジから出てきたシンガー・ソングライター。
 60年代はヴァンガードというフォーク・ミュージックを中心に出していたレーベルから作品を出していたため、フォーク・シンガーというイメージもありますが、この名作アルバムは、全体的に音数の少ないシンプルな作品ながらも、一言にフォークという言葉で片付けることはできない味わい深い1枚なのです。

 印象的なイントロのピアノと、エリックの震えるような低音ヴォーカル。
それと対比して、天使のような美しいコーラスを聴かせてくれるのが、あのジョニ・ミッチェル。
 “ラスト・ワルツ”時ニール・ヤング「ヘルプレス」の名演でもそうでしたが、ジョニ・ミッチェルのコーラスというのは、コーラスとはいえ主役をも凌駕する存在感を持っていて、強烈なアクセントを与えてくれますね。

 ちなみに今回の狭山ハイドパーク・フェスティヴァル。
 出演者を改めて見回してみると、女性が少ないですよね。
 ここは是非、吉田美奈子さんか大貫妙子さん、もしくは矢野顕子さんも出演してもらって、この「ブルーリヴァー」のコーラスにもゲスト参加してもらいたいものです。森 陽馬

2005年8月25日(木) Sharon Tandy 「Now That You've Gone」

 シャロン・タンディの存在は10年ほど前に初めて知りましたが、いい歌をたくさん歌っていたんですね。

 イギリス、アメリカでは1曲のヒットもありませんが、生まれ故郷の南アフリカでは、1960年代初期、少しは知られた存在だったらしいです。

 イギリスでは1965年から3年間ほど活動をしていましたが、その時代の音が2004年にCD化され、当時未発表だったものを含めてたっぷり収められています。(VSCD-2887 \2,625)

 素晴らしい曲ばかりで、なぜヒットしなかったのか不思議に思ってしまいます。歌はうまいし、バックのサウンドも迫力あるのに・・・。事務所のチカラが足りなかったのでしょうか。

 24曲目の「ナウ・ザット・ユーヴ・ゴーン」!
 ペトゥラ・クラーク、コニースティーヴンスのヴァージョンが一般的ですが、これは凄い!

 フィル・スペクターのファンは、イントロ10秒でコロリ、のサウンドです。
 後半、シャロンの気張ったヴォーカルも聴き手を熱くしてくれます。森 

2005年8月26日(金)センチメンタル・シティ・ロマンス「うん、と僕は」

 “センチメンタル・シティ・ロマンス”
なんて、素敵なネーミングのグループでしょうか。
 もちろんサウンドも素敵です。

 2005年の今年は、レコード・デビュー30周年!
 あめでとうこざいます!
 
 8月24日に発売になったこのCDは、彼らの1st(1975年発表)と2nd(1976年発表)を2枚組にカップリングして、ボーナス曲は、初期の貴重なライヴ音源と他レーベルで発表した5曲を追加収録。

 何を隠そうこの貴重な未発表ライヴ音源は、僕がカセットで録音したものが採用されました。

 この当時、本当によく聴いた2枚のアルバムだし、ライヴにもよく出かけたし・・・。

 今日のこの1曲をどの曲にするか悩みましたが、告井延隆と中野督夫のギターとヴォーカルに、細井豊のキーボードが絶妙に絡んでくる「うん、と僕は」にしました。
 リマスタリングされたイイ音も、当時の空気をきちんと伝えてくれます。森 勉

2005年8月27日(土) ティン・パン・アレー 「ソバカスの少女」

 狭山で行われるハイドパーク・フェスティバルがあと1週間後に迫ってきましたね。

 自宅から狭山までは日帰りで充分に行き帰りできる距離なのですが、土曜日夜に一度帰って、また次の日の朝に狭山へ向かうのがめんどくさそうなので、狭山付近の格安ホテルを予約。どこも満室かな、と危惧していましたが案外楽勝で確保。あとは天気を祈るのみといった感じです。

 ここ最近は、これが会場で聴けるといいなあ、という曲をよく聴いているのですが、今日なんとなくそう思ったのが、この曲。

 75年発表、ティン・パン・アレー『キャラメル・ママ』のアルバム(CRCP-28134 \1,800)に収録されている鈴木茂と南佳孝によるデュエット・ナンバー。
 バックはティン・パン・アレーのメンツ<細野晴臣(b)、鈴木茂(g)、林立夫(dr)、松任谷正隆(hammond)>に、斉藤ノブ(per)と、ソロ・デビュー前の矢野顕子がエレクトリック・ピアノで参加。

 作曲は鈴木茂ですが、その後の南佳孝の方向性を決定づけたようなゆったりしたボッサ調の雰囲気ある1曲。野外で聴いたら、気持ち良さそうですね。

 今回のフェスに出演する鈴木茂さんのバック・バンドがどのような編成かはまだわからないのですが、こういう曲もやってくれたりするのでしょうか? 興味深いところです。森 陽馬

2005年8月28日(日) 細野晴臣 「僕は一寸」

 昨日に引き続き、“狭山のフェスで聴きたいなあ”と思った今日のこの1曲。

 通称アメリカ村、狭山に当時自宅を構えていた細野晴臣さんが、林立夫(dr)、鈴木茂(g)、松任谷正隆(key)他メンバーを集め、録音したのが73年発表名作『Hosono House』(KICS-1138 \2,300)。
 ある意味、今回のこのハイドパーク・フェスティバルの発端となった作品といっても過言ではないですね。

 ♪ ひなたぼっこでも していきませんか
   そこにまあ すわって お茶でも飲んで 話を ♪
という出だしで始まる「僕は一寸」(2曲目収録)。

 ザ・バンド的なゆったりしたリズムなので、決して派手な曲ではないのですが、リヴォン・ヘルム的な林立夫のドラミング&リック・ダンコ的な細野晴臣のベースが、独特な音と音の隙間を作り出していて、その間がなんとも心地良い。そしてその間を縫うように響く駒沢裕城のペダル・スティールがまた絶妙。

 今となっては、とても当時25〜6歳の人達が作り出したとは思えないほどサウンドも詞も“大人な1曲”ですが、現在還暦に近づいた細野さんが改めてこの曲を歌う姿というのを是非見てみたいものです。

 ♪ どんな話を しゃべりましょうか
   日の出ずる国の 明日のことでも ♪

 細野さんに語りかけられるように生で聴きたいですね。森 陽馬

2005年8月29日(月) The Tremeloes 「Here Comes My Baby」

 彼らは1960年代中期から1970年代前半に活躍したイギリスのグループです。
 いわゆるブリティッシュ・ビート・グループの内で語られます。

 最初はブライアン・プールというヴォーカリストのバック・バンドのような扱いでデビューし、1963〜65年にイギリスでは、No.1ヒットを含む8曲のヒットを放ちました。
 1966年からはベーシストをメンバー・チャンジして、トレメローズとして単独で再デビュー。

 「ヒア・カムズ・マイ・ベイビー」は、1967年に英米で大ヒット。
 面白いリズムのなんとも楽しい曲です。
 作詞・作曲は、1970年代シンガー・ソング・ライターとして大成功を収めるキャット・スティーヴンスです。

 この曲は僕の勝手な思い込みですが、
“ビーチ・ボーイズのアルバム『パーティー』に影響を受けた作りではないか?”
と思うのですが・・・。
 手拍子・口笛・笑い声など、パーティー・ノイズで曲を盛り上げ、コーラスもいい感じ。森 勉

2005年8月30日(火) 佐野元春 「国のために準備」

 今週末に行われる狭山ハイドパーク・フェスティバルのタイム・テーブルがやっとアップされましたね。

 ムムム・・・、なかなか両日とも見所たっぷりで、どこで食事タイムをとろうか、とか早くも個人的に作戦会議中。でも、鈴木茂さん、佐野さん、そして細野さんも各40分ずつしか持ち時間がないのは残念だなあ、と思ったりもしたり。ファンというのはぜいたくなものです。

 でも、それにしても各々のファンに情報が行き届いているかその点がちょっと心配。このへんの音楽が好きな僕の知り合いとかが、このフェスのことをつい最近まで全然知らなかったり、先週になってやっと申し込んだ僕のチケットの番号が、まだ800番台だったり、と前売りはやや苦戦?している様子。
 でも週末の天気は大丈夫そうなので、当日売りが伸びそうな予感はありますね。

 で、今日のこの1曲は、佐野元春が2004年古巣エピック・ソニーを離れ自らのレーベルDaisy Musicを設立、そして発売した久々のオリジナル・アルバム『Sun』(POCE-3800 \3,150)より。

 “国のための準備はもうできてるかい?”という詞で始まるこの曲「国のための準備」は、曲調こそ違うもののニール・ヤングの72年発表名作アルバム『ハーヴェスト』に収録の「Are You Ready For The Country?」という曲にインスパイアされて作られた、と思われるロック・スピリッツ溢れるナンバー。(ちなみにニールの曲の邦題は「国のために用意はいいか?」)

 40分のという短い持ち時間の間に、どんな選曲でやってくれるのかも興味深いところです。森 陽馬

2005年8月31日(水) アーロン・ネヴィル「ルイジアナ1927」

 アメリカ南部を襲ったハリケーン・カトリーナの被害は、僕らが想像しているよりも遥かに甚大のようですね。
 新聞などに掲載されている変わり果てた街の写真、そしてニューオリンズの市長が「数千人が死亡した」という声明を出したことからもその凄惨な様子が伝わってきます。

 ニューオリンズの繁華街、バーボン・ストリートの近くに“プリザベーション・ホール”という本当に小さいほったて小屋のような古い建物があって、そこで今にも死にそうな(失礼!)おじいちゃん&おばあちゃんがゴキゲンなニューオリンズJAZZをやっている名所があるのですが、そことかどうなっちゃったんだろう・・・と心配になります。

 今日のこの1曲「ルイジアナ1927」は、ランディー・ニューマン作。
 1927年にルイジアナ〜ミシシッピを襲った豪雨&ミシシッピ川の洪水により、大災害となった模様を叙事的につづった名曲で、ランディー・ニューマン自身も74年作『Good Old Boys』、そして2003年に発表したセルフ・カヴァー・アルバム『Randy Newman Songbook Vol.1』で歌っています。

 このアーロン・ネヴィルのヴァージョンは91年発表『Warm Your Heart』の1曲目に収録されているもので、バック・コーラスに、リンダ・ロンシュタット、リタ・クーリッジ、ローズマリー・バトラー他参加。ヴァン・ダイク・パークスがアレンジを担当していて、アーロンの美しい高音ヨーデル・ヴォイスが好きな僕はこちらのヴァージョンの方が好きかも。

 ちなみにこの曲、ランディー・ニューマンの代表曲「Sail Away」にそっくりで、初めて聴いたときは同じ曲を違う歌詞で歌っている歌だと思ったほど。未聴の方はチェックしてみてください。

 ともかくもこの曲で歌われている1927年以来の大被害となってしまったようですので、愛すべき街の復興を祈ることにしましょう。森 陽馬




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