PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2007月2月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2007年2月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。

廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。


<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2007年2月1日(木) ゴーグルエース 「さらばシベリア鉄道」 

 ナイアガラ関連早耳遅耳情報ページで先日告知した3月2日発売(CD)ナイアガラ・トリビュート企画盤『Niagara AUTUMN&WINTER』(TOWER-1015 \2,100)を、レーベル担当者の方のご好意で一足早く聴かさせていただきました。

 いや〜! これがどの曲も力作揃いでかなりよかったです。
 特に冒頭1曲目、ゴーグルエースによる「さらばシベリア鉄道」。エレキギター・インストによるカヴァーなのですが、ガツン!とくるかっこいいアレンジ。雰囲気としては、「さらばシベリア鉄道」の下敷きとなったジョン・レイトンの名曲「霧の中のジョニー」を手掛けたジョー・ミークが、サーフ・コースターズのアレンジを手掛けた感じ、とでも申しましょうか? バッチリはまっています。

 ゴーグルエースは長野出身のオールディーズ・マナーなバンドで、以前チャーリー&ザ・ホットホイールズとも対バンしたことがありその際ライヴを見たこともあるのですが、かっこよくて面白いステージ構成がとても楽しかった記憶が残っています。

 ちなみにこの曲以外では堂島孝平楽団による「座 読書」なども聴きもの! カヴァー嫌いの方も一聴をオススメします。森 陽馬

2007年2月2日(金) はっぴいえんど 「春よ来い」

現在営業中の仮店舗は2月20日前後で一時閉店。新店舗準備のため、2月下旬から3月中旬まで店舗休業の予定ですが、明日3日から一時休業するまでの約20日間、“閉店セール”を行います。

店内にある旧譜CD(この半年の間に発売された国内盤新譜商品は除く)、DVD全品、LP全品を割引で販売いたします。通販コーナーに掲載されている商品でも店頭で売れてしまって品切れになってしまっている商品も出てくると思いますのでその際はご了承ください。

 ちなみに在庫残りわずかとなった『はっぴいえんどBOX』限定盤も20%オフになります。ご購入まだだった方はお早めに。(本日のこのコーナーは告知ページとなってしまって申し訳ございません)森 陽馬

2007年2月3日(土) 斎藤 誠 「Change The World」

 『アコギでクラプトン』(GNCL-1103 \3,000)という面白いCDが発売になりました。

 “アコースティック・ギター・マガジン”(ギター雑誌)が企画・監修したアルバムで、日本人ギタリスト陣(斎藤誠、吉川忠英、高田漣、おおはた雄一、中村善郎、有山じゅんじ、バンバンバザール、アナム&マキ他)がエリック・クラプトンの名曲をアコースティック・ギターの特色を生かした形でカヴァーした新録楽曲を集めた好コンピ。

 バンバンバザールによる「LAYLA」のカヴァーを筆頭にどの曲も原曲の良さとオリジナリティがうまくマッチしたカヴァーで、クラプトン好きの方はもちろん、アコースティック・ギター好きの方なら是非聴いてもらいたい1枚です。

 全12曲の中でもさすが!という感じなのが1曲目に収録されている斎藤誠さんのこの曲。ギターももちろんですが、誠さんの渋い歌声もNice!!! イイ味出してます。

 ちなみにブックレット・各曲クレジットの部分には、使用ギターまで細かく明記されていて、そのへんにもこだわりを感じる1枚です。森 陽馬

2007年2月4日(日) The Housemartins 「Happy Hour」

 今週イギリスの国民的人気バンド、ビューティフル・サウスが解散したというニュースが飛び込んできました。
 89年からの長い活動に終止符を打った理由というのが、『音楽性の不一致』ならぬ『音楽性の類似』(??笑)。(仲違いによる解散という訳ではなさそうですが...。) 日本では地味な存在ながらも、これからのそれぞれの活躍に期待したいです。
 
 そんなビューティフル・サウスの中心人物であるポール・ヒートン、デイヴ・ヘミングウェイが80年代半ばに活動していた4人組ギター・ポップ・バンド、“ハウスマーティンズ”。ファットボーイ・スリムのノーマン・クックがいた事でも知られています。

 ビューティフル・サウスへと受け継がれる風刺のきいた歌詞とポップなメロディ、そして見た人をハッピーな気分にさせる【ミュージック・ビデオ】も彼等の魅力の一つです。最近ではyoutubeなど映像サイトが充実しているので是非検索してみて下さい。

 この曲は全英チャート3位となった彼らの代表曲の一つ。(昨年末お買得価格で再発された86年発表1stアルバム『London 0 Hull 4』(UICY-6633 \1,680)に収録。) 他にはカーティス・メイフィールドの名曲「People Get Ready」、ホリーズ「兄弟の誓い」の微笑ましいアカペラ・カバー等も収められています。東尾 沙紀

★2月5日(月)は店舗休業日となります。ご了承くださいませ。

2007年2月5日(月) 桑田 佳祐 「ヨイトマケの唄」

 2月3日(土)より当店では閉店セールを行っていますが、店員である僕らでも驚いたのがその入店客数の多さ!
 入ってきて店内をサラッと見てすぐに出ていくお客様も多いので、正直言って売上自体は全然たいしたことがないのですが、とにかく入店するお客さんの数が普段の営業時とは格段に違う印象です。

 武蔵小山のパルム商店街では、ほぼ1年中謎の“閉店セール”をずっとやっていたり、“閉店セール”垂幕の片隅に(改装のため)と記載する“閉店セール”を乱発しているお店が毎度あって、今まではそれらの店を笑いものにしていましたが、こうも客入りが違ってくると“閉店セール”を乱発したくなる気持ちもなんとなく納得、という感じです。

 普段はCDを購入しないご年配の方の来店が増えたように感じますが、先日店内でこの曲をかけていたら、お年を召したご夫婦の方が反応して話しかけてくることもありました。

 「ヨイトマケの唄」は“オーラの泉”でお馴染みの美輪明宏が自ら作詞作曲した1966年のヒット曲。(“ヨイトマケ”とは土木建築に関連した仕事をしている人の呼称を総じて昔は言ったそうです)
 この唄の歌詞に差別用語である<土方>という言葉が含まれていて、当時は放送自粛となったこともあるのですが、この唄をサザンオールスターズの桑田佳祐が2000年のAct Against AIDSライヴでカヴァーしたヴァージョンが桑田佳祐ベスト盤(『TOP OF THE POPS』 VICL-61006 \3,600)に収録されています。

 このようなこともあり、これからも閉店セール中のこのコーナーは、新譜商品よりも歌謡曲や昔懐かしのヒット曲などが増えてくるかもしれませんが、しばらくご辛抱くださいませ。森 陽馬

2007年2月6日(火) Georgie Fame 「Let The Good Times Roll」

 昨年11月にスペンサー・デイヴィス・グループと共に限定紙ジャケで発売されたものの即完売。ネット・オークションで発売数週間後にも関わらず5,000円近くで取引されていたジョージィ・フェイムの初期作が限定受注生産で再プレス。本日入荷いたしました。

 1964年発表のライヴ録音作『Rhythm And Blues At The Flamingo』(UICY-93169 \2,141)。いかにも60'sイギリス的なハモンド・オルガンの音色と荒々しくも“生きている”演奏が臨場感タップリで最高! さすがに歌声はスティーヴ・ウィンウッドほど黒人的ではないのですが、それでも当時ジョージィ・フェイムは若干20歳ですからね。かっこいい。

 ちなみにこの曲「Let The Good Times Roll」はニューオリンズの1950年代R&B男女デュオ、シャーリー&リーの名曲で、もうニューオリンズでは定番中の定番。ニューオリンズ出身のアーティストは80%以上がカヴァーしたことがあると言っても過言ではない有名曲です。

 このライヴではグルーヴィーな演奏をバックに、その名曲の歌詞を一部変えてジョージィ・フェイム本人が、♪Hey Tell Everybody Mr.Fame's In Town!(フェイム様がやってきたぜ!)♪と歌っています。森 陽馬 

2007年2月7日(水) Doodletown Pipers 「Roger Miller Medley」

『ジャケガイノススメ』シリーズ、今年の第一弾目がソニーから4種類出ました。(掲載ジャケットは、ドゥードゥルタウン・パイパーズ『ヒア・カム・ザ・〜』 MHCP-1259 完全限定盤 \1,890)

 ドゥードゥルタウン・パイパーズというこのグループ、ジャケットは見たことあったのですが、音は今回の初CD化で初めて聴きました。ミッチ・ミラー合唱団ともアニタ・カー・シンガーズとも違う雰囲気をもった大所帯コーラス・グループで、一人一人が一音一音を大切に歌っているのが伝わってきます。メンバーはいったい何人いるんでしょうか? ジャケットには20人くらい写っています。

 この曲は1964〜65年あたりに大ヒットを放ったロジャー・ミラーの名曲をカヴァーしたもの。
 「キング・オブ・ザ・ロード」、「ダング・ミー」、「エンジン・エンジン・ナンバー・ナイン」、をメドレーにして、原曲のカントリー・フレイヴァーを残しつつ、さわやかに聴かせてくれます。

 イントロのベース音がジョー・オズボーンが弾いているような感じですが・・・。とすると、ドラムはハル・ブレイン?だったりするのかな・・・?1966年作品、CBS系のエピック・レーベルからの発売ならありえる話です。ミュージシャン・クレジットはないのですが、そんな音がしています。森 勉

2007年2月8日(木) 古内 東子 「Strength」

 元々、というか今でもうちの店は“町のCD店”なので、店名のようなビーチ・ボーイズ関連やオールディーズ関連だけでなく、新譜から歌謡曲からジャズからワールド・ミュージックなど様々なジャンルのCDを浅く広く(?)在庫しているのですが、閉店セールをやりはじめてからというもの、本当に幅広く売れてます。

 今日売れたものの例でいうと、木村カエラの新譜などに混じって、SAVOY BROWNの輸入盤、三浦洸一(昭和歌謡)、志の輔(落語)、ビーチ・ボーイズウクレレカバー集、冬ソナのサントラ、讃美歌名曲集、etc。

 あと、ここ最近は1990年代に発売された作品のCDが昔に比べて売れなくなった、という傾向があるのですが、閉店セールをやりだしたらちょこちょこ売れるものが出てきました。実際1990年代は音楽名盤不毛な時代、なんて言われますが、良い盤ももちろん色々と発売されています。

 この古内東子の1995年発表4thアルバム『Strength』(SRCL-3306 \2,854)も隠れた大名作アルバム。
 ニューヨーク録音でバックが超豪華メンツ! スティーヴ・ジョーダン(Ds)、デヴィッド・スピノザ(G)、ウィル・リー(B)、ボブ・ジェームス(P)他、先日逝去したマイケル・ブレッカー(Sax)なども参加。どの曲も活き活きしたPLAYで風化しないサウンド&曲の良さがあります。彼女の声もSexyでNice!最近の彼女は空き巣被害に見舞われるなどいい話題がありませんが、是非またこういう素晴らしいアルバムを作って欲しいものです。森 陽馬

2007年2月9日(金) Rickie Lee Jones 「Elvis Cadillac」

 リッキー・リー・ジョーンズの新作『The Sermon On Exposition Boulevard』(LBCY-318 \2,500)。
 1月29日のこのコーナーでも取り上げた2003年発表の前作『The Evening Of My Best Day』があまりにも素晴らしい作品だったので、それを越える感動はなかったものの、彼女らしい独特な世界観は健在で、全体的に地味な印象ながら彼女のファンならば十二分に楽しめる1枚に仕上がっています。

 この曲「Elvis Cadillac」はタイトルそのまま、♪わたしはエルヴィスのキャデラックに乗って天国をドライヴしているのよ♪という歌詞が出てきます。(♪小さなジャニス・ジョプリン♪という表現もあり)

 ちなみに、この次の曲「Road To Emmaus」はギター・インストなのですが、ギターの進行がニール・ヤングの「Heart Of Gold」(孤独の旅路)のイントロ部分に似ていて、最初聴いたときちょっとビックリしちゃいました。森 陽馬

2007年2月10日(土) Bette Midler 「In My Life」

 好きな音楽・好きな映画、というのはその時の気分や境遇によってコロコロ変わったりするものなのですが、個人的に“大好きな映画ベスト5”に必ず入っている作品として『フォー・ザ・ボーイズ』があります。

 音楽映画で彼女の主演作というとジャニス・ジョプリンの半生を描いた『ローズ』の方が有名ですが、劇中でかかる曲やストーリー自体も僕は『フォー・ザ・ボーイズ』が好み。1991年公開作品ですが、映画で描かれている舞台が1940〜70年代アメリカが中心なので、曲の雰囲気もその時代に合わせたものになっています。

 映画内でかかる曲で特に印象的なのがベット・ミドラーが戦地で歌うビートルズの名曲カヴァー「イン・マイ・ライフ」。歌詞の内容がそのままこの映画のテーマにも直結していて、何時見直してもグッとくるシーン&名曲です。

 ちなみにこの映画のサントラ盤(『FOR THE BOYS』 WPCR-75264 \2,000)をプロデュースしているのはアリフ・マーディン。ベット・ミドラーの素晴らしい歌唱はもちろんのこと、アリフによる絶妙なストリングス・アレンジもさすがです。森 陽馬

2007年2月11日(日) The Format 「The Glutton Of Sympathy」 

 カラフルな犬のジャケットがかわいいアリゾナ出身のポップ・ロック・ユニット、フォーマット。(『ドッグ・プロブレムズ』 TECI-21404 \2,300)

 日本盤のみジェリー・フィッシュの「The Glutton Of Sympathy」のカヴァーが収録されています。(オリジナルは2nd『こぼれたミルクに泣かないで』に収録)

 最近はソロ、プロデュース業で活動している元ジェリー・フィッシュのロジャー・マニングがオーケストラ・アレンジを担当しており、親しみやすいメロディのポップな曲が満載です。

 “第2のジェリー・フィッシュ!”と称賛するのはまだ早いかもしれませんが、これからも楽しみなグループです。東尾沙紀

2007年2月12日(月) Norah Jones 「What Am I To You?」

 人それぞれ好みの問題だと思うのですが、先日発売されFMでもよくかかっているノラ・ジョーンズの新作『Not Too Lete』、僕はどうもしっくりこないのです。1曲1曲は悪くないし、ノラの歌声も変わらず素晴らしい。なのに、何かが物足りない印象なのです。

 リトル・ウィリーズ名義の作品を継承したカントリー的な曲が悪いというわけでもなく、これはただ単に僕個人のプロデューサーの好みの差なのかもしれません。(新作は現在のノラの彼氏でもあるリー・アレクサンダーが担当しています。彼にジェラシーを感じているわけではありませんのであしからず・・・)

 2004年発表の2ndアルバム『Feels Like Home』は、アリフ・マーディン(2日前のこのコーナーでも登場しましたね)とノラ・ジョーンズの共同プロデュース。楽曲の良さもさることながら、やはりアリフ・マーディンの無駄な音を作らない、というか楽器ひとつひとつとヴァーカルを際立たせるアレンジの妙がアルバム全体に清涼感&緊張感を与えているように思えます。ちなみに今日のこの1曲「What Am I To You?」はザ・バンドのリヴォン・ヘルム(Dr)とガース・ハドソン(Org)が参加。

 ですが、この2ndアルバム。いまだにコピー・コントロールCDで販売されているのです。もういいかげんCCCDは無用な過去の遺物なのですから全て回収して、再度ちゃんとしたCDで出しなおしをして欲しいものです。森 陽馬

2007年2月13日(火) Sly & The Family Stone 「Thank You」

 ソニーの新譜案内書にはまだ載ってきていないのですが、5月にスライ&ザ・ファミリー・ストーンの名作群がデジタル・リマスター&ボーナス・トラック追加収録、更に紙ジャケット仕様で再発されるのが決まったそうです。(詳しくはこちらのサイトを参照)

 いや〜、これは楽しみですねー。例えば『フレッシュ』なんかは1991年にリリースした盤がいまだにカタログとして残っていてお客様にもオススメしにくかったのですが、それがボーナス・トラックも追加収録され、ソニーからのリリースですからおそらく廉価で(1,890円?)で発売となったら、僕自身も全買いしてしまいそうです。

 なんか今年はこの再発だけでなく、スライ自身も活動が活発になりそう、という噂があって、いつのまにかスライ本人の公式サイト(←音が出ます)がアップされていたり、“ファミリー・ストーン・バンド”(スライの妹であるローズ・ストーンの娘:リサ・ストーンなどがメンバーのバンド)にスライ本人が参加する、という噂もあるようで、うれしいような見るのが怖いような・・・。まあなにはともあれ、今年のスライ情報は要チェックですね。森 陽馬
(掲載ジャケットは入門編にも最適のベスト盤 MHCP-174 \1,785)

2007年2月14日(水) マイクロスター 「sweet song」

 当店が大推薦しているグループ、“マイクロスター”は元ナイス・ミュージックに在籍していた佐藤清喜さんとPちゃん(女性Vo)によるユニット。

 一般的にはほとんど知られていませんが、これがもう超ド真ん中の直球・ゴキゲン・ポップスで、60'sガール・ポップス・ファンやナイアガラ・ファン、フィル・スペクター・サウンド好きの方から、もちろん現代ポップス好きの方まで超オススメのサウンドなのです。

 今日掲載したジャケットのCDは2001年に発売されながら廃盤になってしまったミニ・アルバム(当店ではまだ在庫あります!)なのですが、新作の音が遂に完成したそうで、詳細は未定も今年中にはアルバムが発売されるそうです! ちょっと大袈裟な表現かもしれませんが、うちの店としては今年一番の期待作!と言っても過言ではない1枚なので、まだ聴いたことがない方も騙されたと思って是非,、“マイクロスター”という名前だけでも憶えておいてください。

 ちなみに今日のこの1曲は、特に名曲!として当店では人気絶大のナンバー。新作にはこの曲のAlbum Versionが収録されるそうですので、乞うご期待! 森 陽馬

2007年2月15日(木) クラムボン 「はなれ ばなれ」

 女性メイン・ヴォーカルを中心に携えたバンドがメジャー及びインディーズ問わず雨後のたけのこのように出てきていますが、やはりクラムボンは別格の存在だ、ということを再認識させてくれたライヴ盤。(『3peace』 COCP-50962 \3,150)

 クラムボンは、原田郁子(Vo、P)、ミト(B)、伊藤大助(Dr)によるギターレスの3人組ポップ・ロック・バンド。99年にこの今日の1曲「はなればなれ」でメジャー・デビュー。

 ここ最近は各々のソロ活動や原田郁子さんとハナレグミ・永積タカシのコラボ“ohana”などが話題として取り上げられることが多いのですが、やはり“クラムボン”には“クラムボン”にしか出せないサウンドや躍動感というのがあって、このライヴ盤ではその彼らの熱いパッションが伝わってきます。

 特に「はなればなれ」(作詞:原田郁子 作曲:ミト)は昔から大好きな曲で、一見さりげないようでいてとても切なく、でもとても前向きな詞世界と、“はなればなれ”になった者同士の気持ちを代弁するかのようなリリカルなピアノの響きが深く心に残る名曲。このCDに収録されているライヴ・ヴァージョンも素晴らしいです。個人的には矢野顕子さんがこの曲をカヴァーするのをいつか聴いてみたい1曲。森 陽馬

2007年2月16日(金) シュープリームス 「ベイビー・ラヴ」

 1960年代のシュープリームス(この言い方は正しくないのでしょうが、言い慣れているので今回はこれで)は、本当に凄い勢いを持っていました。

 日本でアメリカのチャートを見ているだけでそう感じたのですから、本国では想像を越える状況だったのでしょう。

 そういうこともあって、彼女たちをモチーフにした『ドリームガールズ』というミュージカルが作られ、そしてこの度映画にもなって話題になってますね。

 いい曲が多くてどの曲も大好きですが、1曲だけ選ぶとなると「ベイビー・ラヴ」が一番かな。ポイントは“1964年のヒット”ということにつきます。森 勉

2007年2月17日(土) Soul Bossa Trio feat noon 「Ribbon In The Sky」

 スティーヴィー・ワンダー祝来日。閉店セール・新店舗準備・引越しの準備などやらなきゃいけないことタップリなのに、店を抜け出してスティーヴィー・ワンダーの来日公演を見に行っちゃいました。

 昨年発表された新作『Time To Love』からの曲が中心かな?と思いきや、セット・リストが今まででもなかったようなベスト選曲! まあ僕的には、毎度のことながら「Ribbon In The Sky」、「Another Star」が聴けただけで大満足なんですけどね。
 途中歌詞を忘れたっぽい箇所があったり、ちょっとドラマーが手数多すぎで散漫という感も無きにしもあらず・・・とも感じましたが、スティーヴィー自身はとても上機嫌でノリも良かったです。本日はまだ当日券がありました。迷っている方は見ておいて損はないですよ。

 ちなみに今日のこの1曲は、noonという日本人女性ヴォーカリストが歌うスティーヴィーの名曲カヴァー。(スティーヴィーのライヴでは必ずやるファンには絶対に外せない曲なのに、この「Ribbon In The Sky」は何故かベスト盤に入らないことが多いんですよね。)

 アン・サリーの名作をプロデュースしたことでも有名なゴンザレス鈴木のユニット、Soul Bossa Trioの楽曲と、彼がプロデュースしたアーティストの楽曲(アン・サリー、畠山美由紀、他)を収録したお得な2CDコンピより。(『Soul Bossa Production 1994-2005 GNCL-1063 \3,150) 森 陽馬

2007年2月18日(日) ポリス 「ロクサーヌ」

 先日のグラミーで再結成され、代表曲「ロクサーヌ」を披露。3月末にはドラマー、スチュワート・コープランドが監督を務めたドキュメンタリー映画の公開や、秋以降の来日ツアーもほぼ決定との噂もあり、今年は何かと注目を集めそうなスティング率いるポリス。

 「再結成かぁ〜う〜ん...」と微妙な心境のままグラミーの映像を見ましたが、思ったより良い感じで、来日公演が楽しみになってきました。(ライブ会場にもよりますけども笑)

 全ての作品を聴いた訳ではありませんが、曲、ジャケット共に1978年発表のこのデビュー・アルバム(『Outlandos D'amour』 UICY-93189 \2,141)が個人的には一番かな、と。ちなみにこの盤には「ロクサーヌ」のエンハンスト・ビデオが収録されています。東尾 沙紀

2007年2月19日(月) Sound Tribe Sector Nine 「Tokyo」

 正直言ってあまり店内演奏には向いていないのですが、僕はこのSound Tribe Sector Nine(通称:STS9)、結構好きです。

 ジャンル分け難しいのですが、このアルバムに関しては音響系。もともとはジャズ・ファンクっぽいこともやっていて、ジャム・バンドとして語られることが多いのですが、ここ最近の作品はエレクトロニカとの融合が顕著で、その独特なアートワークと相まって、唯一無二の世界を作り出しているアメリカはジョージア州出身のグループです。

 このバンドのすごいところは、エレクトロニカとの融合、音響系ながらも演奏はほとんど生でやっているところ。宇宙にトリップしてしまいそうな音世界や静〜かなインストは、最初は全くピンとこなかったのですが、聴いているうちにどんどんハマってきてしまいました。ブックレットとかも不思議な構図の写真やイラストが多くて、このジャケットのデザインだけでも惹きつけられるものがあります。

 ちなみにこの今日の1曲は2005年発表のアルバム『Artifact』より。海外の“Tokyo”のイメージはやはり近代的な感覚なのでしょうか? ユッタリしたダウンテンポなインストです。
 仮店舗での閉店セールもカウントダウン。しかしながら今日は商店街も休みの店が多くて、思ったより暇だったのでこういうCDも店頭でかけていました。森 陽馬

2007年2月20日(火) 川畑 文子 「青空」

 ♪ せまいながらもたのしい我が家 
   愛の日陰のさすところ ♪

 仮店舗営業も明日21日で最後。
我が家ではありませんでしたが♪せまいながらも楽しい仮店舗♪でした。

 以前にもこのコーナーで取り上げたことあったかもしれませんが、「青空」という曲はもともとは「My Blue Heaven」という曲名で、ウォルター・ドナルドソンという人が1924年に作曲したアメリカのスタンダード・ナンバー。
でもこの堀内敬三氏による日本語訳詞がいいんですよね。

 二村定一が1928年に歌ったのが日本での最初のヒットのようですが、1933年録音の川畑文子ヴァージョンも味があっていいですね。森 陽馬

2007年2月21日(水) 大滝 詠一 「君は天然色」

 別に“ヴァケイション”をとるわけではないのですが、これから3週間ほど店をお休みさせていただきます。

 新店舗への引越し、その他諸々なのですが、1年3ヶ月営業してきた仮店舗もそれなりに愛着がわいてくるものですね。

 せまいながらも楽しい仮店舗、みなさんどうもありがとうございました。
 武蔵小山駅前に戻ってからの新しい店もよろしくお願いいたします。

 ラストを飾るのに相応しいのは大滝詠一の『ア・ロング・ヴァケイション』。雨が降ったら「雨のウェンズデイ」にしようと思ったのですが、いいお天気だったので今日のこの1曲は「君は天然色」に。森 勉

2007年2月22日(木) Graham Nash 「Lost Another One」

 本日から引越し&新店舗オープン準備のため休業、ということで、早速一日中店内整理。車の運転中に聴きたい音楽と同じで、やっぱり掃除&整理も好きな音楽を聴きながらやった方が楽しいです。
 夜はグラハム・ナッシュの2002年発表作品『Songs For Survivors』(COCB-53110 \2,520)を繰り返し聴いていました。

 グラハム・ナッシュというと元ホリーズであるとかCSN&Yのイメージが強く、僕らはそういう過去の栄光を美化しがちですが、比較的最近といえるこのアルバムは本当に素晴らしい1枚! これは後世に残る名盤だ!と断言したい私的愛聴盤なのです。

 1970年代に様々なセッションに参加していた名ドラマー、ラス・カンケルとの共同プロデュース。どの曲もいい曲ですが、特に3曲目「ロスト・アナザー・ワン」は泣ける名曲。ナッシュらしいやさしい眼差しが向けられた切ないながらも心にグッとくるミディアム・ロック・ナンバーです。森 陽馬

2007年2月23日(金) ナンシー梅木 「AGAIN」

 当店ペット・サウンズの新店舗、店員の立場である僕としてももちろん楽しみ(?)なのですが、その新しい店舗の地下にできる“AGAIN”というライヴ・イベント・カフェのオープンには、より胸を躍らせています。

 やっとHPもアップされ3月のラインナップがあがってきましたが・・・。いやー、なんともコアな名物小屋となりそうなラインナップですね! ライヴ、DJイベント、落語、トークショー、落語と第一週目から多彩&個性的な興行が目白押しで、そうかと思えば3/30(金)には“関西フォークの雄”大塚まさじさんもライヴ出演、と時間取れれば見に行きたいイベントが連発。3月以降1Fペット・サウンズ店舗にいることとなる自分にとっては、これから仕事が手に付かなくなる夜が続きそうです。(ちなみにオープンしてからはイベントが連日入っていますが、もちろん通常のカフェ営業を行う日もあるそうですのでよろしくお願い致します。)

 で、“AGAIN”というと皆様それぞれの「AGAIN」が思い浮かぶでしょうが、僕はやはりナンシー梅木さんが歌う「アゲイン」。菊地凛子がアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたことで再び脚光を浴びているナンシー梅木は、1957年作映画『サヨナラ』で、日本人初のアカデミー助演女優賞を受賞したことで知られていますが、歌声がまた素晴らしいのです。特にこの「アゲイン」は解説書にも書いてありますが、♪焔♪の部分を♪ほのほ♪と歌う部分が泣けますね。森 陽馬

2007年2月24日(土) アン・サリー 「夜来香」

「お休みしちゃって、どーもスミマセン」(by 三平師匠人形)
  
ということで、引越しの準備中でございます。店頭のCDやLPをダンボールにしまっちゃうと、一気に殺風景になってしまったので三平師匠(の人形)にご登場願いました。

 さて、今日のこの1曲はまだ発売されていないのですが、3/21発売予定『Love』(RDR-3008 \2,625)というコンピに収録予定のアン・サリーによる「夜来香」。

 アルバム・タイトル『Love』はベタなようでいて収録されている曲はかなり通好みな内容。ハナレグミによる書き下ろし曲「oi (オー・アイ)」、湯川潮音による「The Water Is Wide」、サイゲンジによる「It's Too Late」カバー、カットマン・ブーチェやサンディーなどどの曲も聴きものです。

 特に1曲目に収録されているアン・サリーによる「夜来香」。ダブル・フェイマスなどの活動で知られる青柳拓次がプロデュース&ギターを担当し、彼女の美声にエキゾチックな魅力を加味し歌声をより引き立てています。森 陽馬

2007年2月25日(日) セルジュ・ゲンズブール「メロディ・ネルソンのバラード」

 昔から気になっていたジャケット。でも中古LPだと高値が付いていたりして、ちょっと手に取りにくい“あこがれの1枚”だったのですが、サエキけんぞう氏監修の元、昨年紙ジャケットで再発されたこのCD(UICY-93159 限定 \2,548)を閉店前の先日やっと購入しました。

 アルバム『メロディ・ネルソンの物語』はセルジュ・ゲンズブールが、“永遠のロリータ”ジェーン・バーキンと出逢ったことにインスピレーションを受けて制作した1971年発表作。

 アルバム全体に、<メロディ・ネルソンという15歳の少女とゲンズブールによるエロティックな幻想ファンタジー>、というコンセプトが敷かれており、各曲にオーケストラを配して夢の中にいるような音世界を作り出しています。正直聴く前は抽象的&アヴァンギャルドな内容かな?と想像していましたが、思ったよりもロック的なアレンジもあったりして、聴きやすかったです。

 特に吐息のようなジェーン・バーキンとの掛け合いも聴ける2曲目はドキッとするほどセクシーな1曲。
 ちなみにジャケットのジェーン・バーキンは当時すでに妊娠しており、娘となるシャルロットがいたお腹のふくらみを隠すためにぬいぐるみを持っていたそうです。森 陽馬

2007年2月26日(月) THE FRATELLIS 「CHELSEA DAGGER」

 日に日に片付いていく仮店舗。閉店してからまだ一週間経っていないのですが、もう何ヶ月もお休みしているような不思議な気分です。

 2月も終わりに近づき、ようやく冬らしい寒さがやってきた感じがするここ数日。そんな寒さを吹っ飛ばしてくれそうな元気一杯のロックンロールを聴かせてくれるのが、日本デビューを来月に控えたグラスゴー出身の三人組、ザ・フラテリスです。

 今月の音楽誌にレビューが載っていて、『コステロ・ミュージック』というアルバム・タイトルだけで興味が湧いてしまったのですが、数曲聴いたどれもがポップでキャッチーな曲ばかり。UKがお好きな方は気に入るんじゃないかなという好内容です。ヴォーカルがちょっとマーク・ボランに似てるような...(なんて言ったらファンの方に怒られるでしょうか?笑)

 待望の国内盤は3月7日発売、ボーナス・トラック2曲追加&クリップも見れるエンハンスト仕様(UICI-1052 \1,980)です。東尾 沙紀

2007年2月27日(火) 山崎 まさよし 「ADDRESS」

 新店舗の内装も近日中には終了、もうすぐ仮店舗から荷物を運び出します。

 “仮店舗回想録”に書こうと思っていてまだ書いていない(近日中にアップ予定)のですが、やはりこの仮店舗でのハイライトというか一番の記念になったのは、山崎まさよしさんの2006年発表新作『ADDRESS』TV・CMに使っていただいたことでしょう。

 縁あって撮影の現場として選んでいただいたCM監督:大宮エリーさん、並びにスタッフの皆様方、そしてCMを御覧になってわざわざ遠方よりご来店いただいたファンの方々、皆さんに御礼を申し上げたい気持ちでいっぱいです。

 新店舗でも今までの店舗と変わらず、老若男女様々なお客さんが気軽に入れて、その人それぞれのお気に入りの“音 (ペット・サウンズ)”を手に取れるようなお店にしたいと思っています。森 陽馬

2007年2月28日(水) Alessi 「Oh Lori」

 引越し作業ももちろんですが、新店舗の準備もそろそろ・・・、ということで新店舗のための商品を国内盤・輸入盤色々とオーダーしています。

 ただ、「これを新店舗の店頭に入れたいな」と思って注文したものが結構入らないものが多くて、改めてここ最近は生産中止&廃盤のサイクルが早いな、と実感しています。

 その中ではアレッシーの作品群。“名盤の殿堂”シリーズで2002年にユニバーサル社から発売になっていたのですが残念ながら入荷せず。以前出ていたベスト盤すら入りませんでしたが、この名曲「Oh Lori」が収録された1stアルバムは是非再発して欲しいものです。

 アレッシーはイタリア系アメリカ人の双子兄弟グループ。この作品『アレッシー』(UICY-3346 \2,141)はA&Mより1976年発表された彼らの1stアルバムで、それに収録されている「オー、ローリー」はソフィティケイトされたサウンドと絶妙のコーラスが心地良い素晴らしい名曲です。未聴の方がいらっしゃったら是非聴いてもらいたい1曲。森 陽馬



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