PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2007月7月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2007年7月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。

廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。


<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2007年7月1日(日) ニール・ラーセン 「ハイ・ギア」

 1970年代の“クロスオーヴァー/フュージョン”と呼ばれるジャンルの音楽が今でも大好きなのです。

 クルセイダーズ(ジョー・サンプル)、ボブ・ジェイムス、ジョージ・ベンソン、リー・リトナー、アール・クルー、スタッフ、などなど質の高い演奏と聴きやすいメロディーばかりで、30年以上経った現在でも愛聴盤が数多くあります。

 そのうちの1枚がこれ。トミー・リピューマ・プロデュースによるホライズン・レーベルでの1979年発表の2ndアルバム。名作です。(『High Gear』 UCCU-5378 \1,800)
 彼独自の世界を築いたオルガンの音色は胸にジワーァとくる持続度のある哀愁を運んできてくれます。

 スティーヴ・ガッド、エイブ・ラボリエル、マイケル・ブレッカー、等のバックが醸し出す極上のグルーヴに身をまかせながら、ニールのキーボードと息のあった絶妙なユニゾンを聴かせるバジー・フェイトンのギターが味わえる実に贅沢な1曲です。森 勉

2007年7月2日(月) Lucky Soul 「Lips Are Unhappy」

 久々に“ドキドキ!ワクワク!”させてくれるようなガール・ポップスの新星! “Lucky Soul”は現代ロンドンで活動しているポップ・グループ。

 『The Great Unwanted』(Ruffa Lane RUF06CD)は先月発売された彼等のデビュー・アルバムですが、普段新譜を購入されないオールディーズ/60'sガールポップスお好きな方にこそ聴いてもらいたい1枚でもあります。

 ポップス・ファンならば1曲目「Add Your Light To Mine,Baby」から、紅一点の女性ヴォーカリスト“Ali”のキュートな歌声と心弾むような直球ポップスに胸キュンし、マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルで有名な「Ain't No Mountain High Enough」を彷彿とさせる出だしで始まる4曲目「Lips Are Unhappy」の♪シェイク♪攻撃にノックアウトされること間違いなし!

 トレイシー・ウルマン、ピペッツなどよりもオールディーズっぽい雰囲気を持ち合わせていながら、更に新しい息吹をも感じさせるメロディー・センスと音作り。今のところ輸入盤のみですが、ビデオクリップを収めたDVD、もしくはボーナス・トラックを追加して是非国内盤も発売して欲しいものです。森 陽馬

2007年7月3日(火) 畠山 美由紀 「Wonderin'」

 ポート・オブ・ノーツ、ダブル・フェイマスの女性ヴォーカリストとして知られ、ソロでも様々な分野で活動の幅を広げている畠山美由紀の新作『Summer Clouds, Summer Rain』(RZCD-45609 \2,800)が本日発売。

 今作はノラ・ジョーンズ「Don't Know Why」の作者として知られる男性シンガー・ソングライター、ジェシー・ハリスがプロデュース。彼のギターと畠山美由紀の歌声のみ、というシンプルな編成で、彼女のその歌声も心なしか今までの作品の中で最も力が抜けていて、やさしく心に響いてきます。

 収録曲はオリジナルとカヴァーが半々なのですが、その中で意外な選曲だったのがこの「Wonderin'」。

 この曲はニール・ヤングのカヴァーなのですが、実は結構マニアックな1曲。ニールのオリジナルは1983年発表『エブリバディ・ロッキン』というアルバムに収録されていますが、実は1970年代からライヴでは演奏されていたナンバーで、昨年発売されたニールの1970年フィルモア・イーストのエレクトリック・ライヴ盤にも収められていました。
 おそらくそのライヴ盤に触発されてカヴァーしたのだと思うのですが、美由紀さんのヴァージョンはやさしく語りかけるような穏やかなヴァージョンで、後半に入るハーモニカ・ソロもいい感じです。

 ちなみにこのアルバム、最近の作品にしては収録時間が短くて35分ちょっとしかないのですが、かえってこのくらいの方が集中して聴けて、繰り返し聴くことによって味も出てくるのでちょうどいいですね。森 陽馬

2007年7月4日(水) Laurence Elder 「Surrounded By You」

 目下、個人的に超ヘヴィー・ローテーションなのがこの1曲。

 ローレンス・エルダーはマイアミを拠点に活動しているピアニスト/ヴォーカリスト。ジャケット写真や歌声から判断して、もう30代後半〜40代と思われますが、先日発売された『Surrounded』(PVCP-8781 国内盤ボーナス・トラック2曲追加収録 \2,548)が彼の1stアルバムです。

 これがもう絶妙のAOR作品で、センチメンタルなピアノの奏とアーバンな雰囲気漂わせる都会派シティ・サウンド、そして彼の渋い歌声が見事にマッチした1枚に仕上がっています。

 特に極上のミディアム・ナンバー1曲目「Surrounded By You」。切ない恋心を内包したようなピアノの出だしから、演奏が加わっていく構成はAOR/シティ・サウンド好きならツボに入ること間違いなし! ボズ・スキャッグスなどがお好きな方にもオススメです。森 陽馬

2007年7月5日(木) 斉藤 誠 「天気雨」

 親しみを込めてこう呼ばせてもらいます。
“<マコッチャン> ひさびさのシングル発売 おめでとう!”

 これがまた何度も聴き返したくなってしまうイイ曲で、待った甲斐がある素晴らしい出来なのです。

 サザン・オールスターズのサポート・ギタリストとして、AAA(アクト・アゲインスト・エイズ)ライヴでの桑田佳祐バンドのバンマスとして、はたまたキムタクが歌う「ワンダフル・トゥナイト」のバックでギターを弾いていたり、とすっかりテレビでもお馴染みになっている彼ですが、やっとやっと<マコッチャン>が主役の新曲が出ました。(NFCD-27047 \1,050)

 ♪愛しているならもう一度♪ というサビの部分がなんとも覚えやすいメロディで、すでに鼻歌で歌ったりしています。イントロにちょびっと、真ん中あたりの間奏でタップリと聴けるエレキ・ギター・ソロもフレーズに色気を感じさせてくれます。

 僕は和製エリック・クラプトンなんて言いませんヨ。
これぞ“斉藤誠スタイル”。森 勉

2007年7月6日(金) Neil Young 「Four Strong Winds」

 “ニール・ヤングの映画『ハート・オブ・ゴールド』劇場公開祈願!”が遂に実現することとなりました。

 といっても、7月14日(土)吉祥寺バウスシアターでオールナイト一回き、という超限定公開。7月20日に『ハート・オブ・ゴールド』DVD国内盤の発売が決定したこともあり、ささやかな劇場公開となってしまいましたが、“爆音レイトショー”ですので、興味ある方は是非。

 さて、その映画『ハート・オブ・ゴールド』は、2005年ナッシュビルで行われたニールのライヴがベースになったドキュメンタリー作で、演奏されているのは同じく2005年に発表された『プレイリー・ウインド』からの楽曲が中心なのですが、後半では往年の名曲もしっかりやっています。

 その中で特に印象的なのはナッシュビル録音の作品も含まれている78年作『Comes A Time』から「Comes A Time」と「Four Strong Winds」を演奏しているということでしょう。

 映画のタイトルになっている「Heart Of Gold」ももちろんニールの重要曲ではありますが、カナダ人のニールにとって同じくカナダ出身のイアン&シルヴィアによる名曲「Four Strong Winds」のカヴァーはより特別な意味を持った1曲なのでしょう。是非いつか日本でもこの曲の生演奏を聴かせてもらいたいものです。

 ちなみに“ナッシュビル”繋がりというわけではないのですが、同じく7月14日の渋谷東急<ぴあフィルム・フェスティヴァル>にて、ロバート・アルトマンの隠れた名作映画『ナッシュビル』が日本で久々に劇場公開されるそうです。森 陽馬

2007年7月7日(土) Mother Earth 「Mr.Freedom」

 93年、当時アシッド・ジャズ・レーベルからリリースされたファンキー・ロック隠れた名盤、マザー・アースの2ndアルバム「The People Tree」が、シングルB面曲、未発表曲など14曲を収録したボーナス・ディスク付き2枚組デラックス・エディションとして再発されました。(BGP CDBGP2-185 UK輸入盤)

 サウンドはギター、ベース、ドラム、オルガン以外は殆ど余計な音が入らないシンプルなロック+黒人女性ヴォーカルをフィーチャーしたソウル、ファンクといった感じで、今聴いても古臭さを全く感じさせません。
 
 特にこの「Mr.Freedom」は後半のグルーヴィーなオルガンとたたみかけるようなギターがめちゃめちゃファンキーでかっこいい一曲!

 他にもポール・ウェラーの元奥方D.C.リーが参加した名曲「Jesse」もこのアルバムの聴き所です。東尾沙紀 

2007年7月8日(日) Anita Kerr Singers 「Happiness」

 ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズがお好きな方に超オススメしたいアルバムがこれっ!

 シンガー/プロデューサー/編曲家として知られる女性音職人、“アニタ・カー”による男女混声コーラス・グループ、“アニタ・カー・シンガーズ”のアルバム各種がアメリカのColector's Choiceレーベルより世界初CD化されました。

 1曲目の「Happiness」から美しいメロディーはもちろん、夢見心地にさせられるコーラス・ハーモニー、そしてA&M的なサウンドで、ソフト・ロック/コーラス・ファンはお気に召すこと間違いなし!

 このアルバム以外にもベルト・ケンプフェルトの作品集やゴキゲンなカヴァーがたくさん入った作品など5タイトル発売されましたので、オールディーズ好きの方は是非チェックしてみてください。森 陽馬

2007年7月9日(月)Joe Strummer & The Mescaleros 「Straight To Hell」

 先日、渋谷Q-AXシネマでやっているドキュメンタリー映画『グラストンベリー』(リンク先のサイト、音出るので注意)を鑑賞。

 イギリスの南部、グラストンベリーにて1970年代から行われているイギリス最大級の野外フェス、“グラストンベリー・フェスティヴァル”。日本でもお馴染み“フジ・ロック”の元になった、とも言われている音楽ファン垂涎のフェスで、この映画はその歴史とフェスに関わる人達、及び来場者の証言などで綴られたドキュメンタリーです。

 正直言うと、期待して見に行ったせいか映画的にはちょっと今イチな内容で、ミュージシャンのライヴ・シーンとドキュメンタリー部分のバランス・編集が悪かった、という印象。不法侵入を阻むための柵の話やヒッピー世代の観衆による証言などが冗長で、2時間が長く感じてしまいました。

 でももちろん見所はタップリあって、ビョークやレディオヘッド、プライマル・スクリーム、デヴィッド・ボウイのライヴ・シーンはかっこいいので一見の価値ありでしょう。その中でも特にジョー・ストラマー&ザ・メスカレロスによる尖ったライヴ・アクトは身震い&鳥肌もの! できればこの時のライヴ映像をフルで見てみたいものです。森 陽馬

(ジャケットはクラッシュのベスト盤CD『エッセンシャル』にDVDも追加されたお得盤(MHCP-1250 \3,990)

2007年7月10日(火) Pegi Young 「Hold On」

 ニールの奥方、ペギ・ヤングが初のオリジナル・アルバムを発表しました。

 バックはニールの『プレーリー・ウインド』に参加していたメンツが中心で、ベン・キース、スプーナー・オールダム、リック・ローサスなどが担当。アコースティックのニールお好きな方なら絶対におすすめな内容です。

 もちろんニールもギター、ハーモニカ、コーラスで参加していて、特に4曲目に収録されているこの「Hold On」(これすごくイイ曲!)ではニールらしいギター・ソロを聴くことができます。

 更に5曲目「Love Like Water」では珍しいことにニールがエレクトリック・シタールを弾いていて、彼らしいたどたどしいようなソロを独特なシタールの音色で聴くことができるので、是非ニール・ファンにも聴いてもらいたい作品です。森 陽馬

2007年7月11日(水) Ellerine Harding 「A Fool In Love」〜「I Ain't Got Much」

 ボブ・シャッドというプロデューサーが1960年代後半に設立したレーベル、”Mainstream Records”。レア・グルーヴ的ジャズを多く出しているのですが、こういう女性ヴォーカル/ソウルものも発表していたようです。

 エレリン・ハーディングは1970年代にアメリカで女優・コメディアンヌとしても活躍した黒人女性シンガーで、このアルバム『ELLERINE』(世界初CD化!PCD-22285 \2,310)は1972年発表作。バーナード・パーディ(ds)、コーネル・デュプリー(g)、ゴードン・エドワーズ(b)が参加しており、70'sジャジー・ソウルなサウンドも楽しめる1枚に仕上がっています。

 アルバム中盤のファンキーなナンバーもかっこいいのですが、僕は3曲目、4曲目に収録されているミディアム〜スロー・チューンが気に入りました。
 この2曲では彼女はミニー・リパートン的な雰囲気で歌っており、コーネル・デュプリーのギターがメロウに鳴っていて暑いこの季節でも心地良く聴くことができます。

 ボーナス・トラックで、シングル発売されアルバム未収録だったマキシン・ブラウンのカヴァーも収録されているので、ソウル・ファンの方はチェックしておいて損はないアイテムですね。森 陽馬

2007年7月12日(木) アン・サリー with Be The Voice 「All Together Alone」

 わがペット・サウンズの店頭やHPではすっかりおなじみのアン・サリー。2003年に発売された『デイ・ドリーム』と『ムーン・ダンス』は今でもベストセラー続行中です。

 7月18日には待望のニュー・アルバムが発売予定ですが、それまで待ちきれない気持ちがあるので、こんなものを引っぱり出してきました。
 ゴンザレス鈴木のユニット、ソウル・ボッサ・トリオ関連の音源を集めたコンピ(『Soul Bossa Production 1994-2005 GNCL-1063 \3,150)に入っているこの曲「All Together Alone」。

 ハース・マルティネスの名曲をアン・サリーらしい雰囲気でカヴァーしてくれています。原曲の良さをより一層引き出して歌う彼女の歌のうまさは、本当の意味での歌手が少ない日本では貴重な存在なのです。
 この曲ではワダ・ジュンコとのデュエットのようなかたちで歌われています。森 勉

2007年7月13日(金) Neil Young 「Journey Through The Past」

 当店作成のフリーペーパー、“ニール・ヤング新聞”の新しい号(13号)を久々に制作。前号から間が空いたわりには内容が薄い、と突っ込まれそうですが、これからはコンスタントに継続して出していきたいと思っておりますので、極少数の読者の方、これからもよろしくお願い致します。

 さて、今回は好評のソロ・アコースティック・ライヴ盤『Live At Massey Hall 1971』CD&DVDの検証を主に取り上げたのですが、いや〜、この盤のDVDが見れば見るほど奥が深くて毎度新しい発見がタップリ! 何度見返しても飽きませんでした。

 例えばですが、ひとつ例を挙げるとこの付属DVD。CDと同じマッセイ・ホールでの映像のように見せておきながら、実はマッセイ・ホールでのライヴ映像ではないのです!
 マッセイ・ホールの3日後、別の場所であるストラトフォードでのライヴ映像に、CDの音を重ねて編集された映像なのです。
 他にも様々な謎がこのCD&DVDには隠されているので、購入後一度パッと見、しかしていない方は是非もう一度ジックリ御覧になってみることをオススメいたします。

 さて、そのオススメ映像の中で注目していただきたいのが、本編並に充実したボーナス映像。特に<ジョニー・キャッシュ・ショウ>の映像はファン必見でしょう。「ダメージ・ダン」とこの「Journey Through The Past」の2曲のみではありますが、今までは見ることができなかったこの貴重映像が素晴らしい画質で見れるので、ファンの方は是非チェックしてみてください。(トップ・メニューから“ARCHIVES”を選択し、そこから“Video”の部分を選ぶと見ることができます。) 森 陽馬

2007年7月14日(土) 小野リサ 「Nada Mais」(S・ワンダー「Lately」のカヴァー)

 小野リサがエイベックスに移籍。“Dois Irmaos”という新しいレーベルより新作『ソウル&ボッサ』(IOCD-20215 \3,150)をリリースしました。

 前作『Jambalaya』はアメリカン・ルーツ(カントリー、フォークなど)の名曲をボサノヴァ・アレンジに、というコンセプトでしたが、今回の新作は、黒人音楽/ソウル・ミュージックの名曲をボサノヴァ・アレンジにしたアルバム。マーヴィン・ゲイ「What's Going On」、レイ・チャールズ「Georgia On My Mind」など誰でも耳馴染みのある楽曲を、見事に小野リサ・テイストのボッサに仕上げています。

 基本的にはオリジナルと同じ英語詞でカヴァーしているのですが、唯一ポルトガル語で歌われているのがこの曲「Nada Mais/Lately」。
 スティーヴィー・ワンダー80年発表アルバム『ホッター・ザン・ジュライ』に収録されているソウル・バラード屈指の名曲「Lately」のポルトガル語カヴァーです。

 小野リサさんのコメントによると、ブラジル本国でも以前、サンドラ・ジ・サというブラジル人シンガーがカヴァーしたことがあったそうで、当時ラジオでもよくかかっていたこともあり、ポルトガル語でも全く違和感なく歌えたそうです。

 ラストには、小野リサさんが“ソウル”にインスパイアされて作ったオリジナル曲「Eu Voce」(ポルトガル語で歌われてます)が収録されており、その出来が素晴らしく良かったので、カヴァー・アルバムも悪くはないのですが、次回作は久々に純粋なブラジリアン・アルバムを作って欲しいな、と感じました。森 陽馬

2007年7月15日(日) アン・サリー 「手と手」

 現在、入口入ってすぐの店内中央特設コーナーでは、“アン・サリー新作発売記念特集”を展開中。

 その新作『こころのうた』は7月18日発売(VACM-1312 \2,940)。先日サンプルが届いたのですが、これがすこぶる良いのです。

 子供との写真がブックレット内に掲載されているように、“子守唄”的な要素も多々あるのですが、今までの美声から更に母性的な暖かさも加味されて、前々作『moon dance』に勝るとも劣らない出来に仕上がっています。

 特に僕が気に入ったのは、アン・サリー本人が作詞・作曲を手掛けた10曲目「手と手」。バックの演奏は、大貫妙子さんとの仕事で知られるフェビアン・レザ・パネによるピアノのみ。
 そのやさしいピアノの奏に美しい歌詞と暖かな歌声が重なり、まさに“やさしいこころのうた”で聴く者の心を包んでくれます。森 陽馬

2007年7月16日(月) リー・リトナー 「リオ・ファンク」

 1979年録音作品といえば、少し前にニール・ラーセンを取り上げましたが、これもフュージョンの隠れた名作です。(『リー・リトナー・イン・リオ』 VICJ-60187 \1,995) 当時、積極的に日本企画のアルバムを出していたJVCが制作した1枚。

 リー・リトナーをアール・クルー・テイストにするとどうなるか?・・・という感じのサウンドで、リトナーは全編ガット・ギターでリードを弾きまくっています。これがなかなかハマっていて、実に心地良いサウンドを届けてくれるのです。

 アルバム・タイトルは『リオ』。リオ・デ・ジャネイロ録音曲も入っていますが、この曲はニューヨーク録音です。

 耳に残るベースのフレーズをたたき出しているのは、マーカス・ミラー。ここで初めて彼の名を意識することになりました。森 勉

2007年7月17日(火) 中 孝介 「ひとさし指のメロディ」

 これまでにシングル、ミニアルバムなどをリリースし、日本だけでなくアジアでも活躍している奄美大島出身のシンガー、中孝介の1stフル・アルバム『ユライ花』(ESCL-3001 \3,059)が発売されました。
 “男性版・元ちとせ”といった感じの独特のコブシまわし(彼に曲を提供している森山直太朗にも近い感じです)と、裏声がやはり印象的です。

 打ち込みを使ったR&B調の曲もあれば、「アヴェ・マリア」のカバーなどもあり、一貫してゆったりとした歌を聴かせる優しいメロディーの曲が並びます。
 
 その中でも個人的に気に入ったのが、最近ではチャットモンチー等のプロデュースで有名な、いしわたり淳治が作詞を手掛けたこの曲「ひとさし指のメロディ」。
 儚げなピアノのイントロと哀しい歌詞とは対照的な、間奏の力強いピアノとギターが耳に残るアルバムの中でも違った雰囲気を持った曲です。
 
 ブックレットには彼のデビューまでのいきさつと、本人による楽曲解説なども掲載されています。“奄美”といった堅苦しさや気張った感などはなく、意外にも普通のポップスを聴く感覚で聴ける素敵な作品でした。東尾沙紀

2007年7月18日(水) Libby Titus 「Love Has No Pride」

 リビー・タイタスは、もうすぐ来日するスティーリー・ダンのフロントマンであるドナルド・フェイゲンの現在の奥様。

 77年発表の今作『Libby Titus』(SICP-1452 \1,890)は、ポール・サイモン、ロビー・ロバートソン、カーリー・サイモン、フィル・ラモーンがプロデュースしており、女性ヴォーカル/シンガー・ソングライター・ファンには隠れた人気盤ですが、この度紙ジャケット&リマスターで再発になりました。

 注目曲はやはり、ボニー・レイットやリンダ・ロンシュタットの名唱で有名な「Love Has No Pride」。エリック・カズ作の名曲、と今まで思っていましたが、実は彼とリビー・タイタスによる共作の曲でした。

 ボニーやリンダのヴァージョンよりもしっとりとしたアレンジですが、この曲のプロデュースは、数ヶ月前に発売され現在でもロングセラー中『New Music From An Old Friend』(ブライアン・ウィルソンやキャロル・キングの新曲が収録されたアルバム)でもトータル・プロデュースを担当していたフィル・ラモーンです。森 陽馬

2007年7月19日(木) America 「Don't Cross The River」

 先日、川崎LA CITTADELLA(川崎チッタのすぐ近く)特設会場で展示中伝説のフォトグラファー★伝説のロックスター写真展を見に行ってきました。

 入場無料なのですが、ヘンリー・ディルツやボブ・グルーエンなどによる有名なロック・アーティストの写真が約70点ほど展示されていて、その写真を販売もしているのです。その中にニール・ヤングがホワイト・ファルコン(ギターの名前)を持っている僕が大好きな写真もあり、ヘンリー・ディルツのサインも入っているものが展示されていました!
 ←この写真ね。
 こ、これは買わねばっ!と思って値段を見ると、●●●.●●●円・・・。むむむ・・・、一瞬本気で悩みましたが、平常心で冷静に考えて断念しました。ああ、いつかは自分の部屋に飾りたいものです。

 さて、その写真を撮影したヘンリー・ディルツは、アメリカのメンバーとも親しい間柄で、彼等のジャケット写真も多く手掛けており、この72年発表の名作2ndアルバム『ホームカミング』(WPCR-12679 紙ジャケ&リマスター \2,300)もヘンリー・ディルツによるフォト。
 なんとそのヘンリー・ディルツは、写真だけではなくバンジョーも弾いていて、3曲目に収録されている爽快なこの曲では大活躍しています。

 ちなみにこのアルバム、ドラムはハル・ブレイン、ベースはジョー・オズボーンという鉄壁の布陣。メンバーによるコーラス・ハーモニーはもちろんのこと、バックのサウンドも全曲最高にかっこいいので、70'sロック好きの方には是非聴いてもらいたい1枚です。森 陽馬

2007年7月20日(金) レイ・ハラカミ 「river」 

 レイ・ハラカミは、日本を代表するエレクトロニカ・ミュージシャン。“エレクトロニカ”というと毛嫌いする方が多いかもしれませんが、彼のその“エレクトロニカ”は有機的な暖かさがあり、聴いていて心地良さを感じさせてくれる音像を持っています。

 そのレイ・ハラカミが、7月28日公開となる邦画『天然コケッコー』の音楽を担当。サントラ盤(IDCS-1023 \2,100)も発売になりました。

 映画『天然コケッコー』は島根の田舎町が舞台になっていることから、島根にほど近い広島の出身であるレイ・ハラカミが起用された、という経緯もあるのかもしれませんが、サントラでは都会にはない田舎の静寂感がレイ・ハラカミのエレクトロニカで見事に表現されています。

 ちなみに映画の主題歌はくるり「言葉はさんかく こころは四角」なのですが、このサントラには収録されておりません。(蛇足ですが、くるりの岸田繁は大の広島ファンで知られています。) 森 陽馬

2007年7月21日(土) Little Eva 「Loco-Motion」

 デヴィッド・リンチ監督最新作、映画『インランド・エンパイア』。恵比寿ガーデンシネマにて初日の初回11時の回を見に行ってきました。

 10時20分に受付開始、ということだったので、ちょっと早めの10時前に恵比寿に到着し、余裕かな、なんて思っていたら、映画館前はすでに長蛇の列! 改めてリンチ作の人気の高さを感じさせられました。

 で、その肝心の映画ですが・・・。いや〜、これだけ見る側の想像力を試される映画も少ないのではないでしょうか。
 リンチ映画には付き物というべきメビウスの輪、時空の歪みに慣れているリンチ・ファンでも、この映画は一度見ただけではまず理解不能だと思います。パンフレットに記載されている今野雄二さんの解説はかなり的を得ているように感じますが、それも見る人によって感じ方が変わってきそうなので、まあまずは3時間、『インランド・エンパイア』という名の美術館を見に行くような感覚で身を委ねるのがよいと思います。

 さて、映画内の音楽は全体に暗いトーンのノイズが全編を占めているのですが、その中にあって異色だったのが、キャロル・キング&ジェリー・ゴフィン作によるガール・ポップ名曲、リトル・エヴァの「ロコモーション」。前作『マルホランド・ドライヴ』でもコニー・スティーヴンスなどを使用したように、音楽でも“明”と“暗”をうまく使っています。

 ちなみに店頭在庫がないのでここでは取り上げられませんでしたが、映画の最後にかかるニーナ・シモンの「シナーマン」が更に衝撃的・印象的でした。その「シナーマン」がかかっている最中に、あのベン・ハーパーがカメオ出演しています。(主演女優ローラ・ダーンの現在の夫がベン・ハーパーなのだそうです。) 森 陽馬

★ジャケ写は、「Loco-Motion」収録、ガール・ポップ名曲多数収録のコンピ『Girl Group Great』(RHINO R2-76708)。

2007年7月22日(日) TUOMO 「Don't Take It Too Hard」

“北欧のスティーヴィー・ワンダー+カーティス・メイフィールド”
 こんな凄い形容詞が誇張に感じられないほど、素晴らしい作品が登場しました。

 “トゥオモ”はフィンランド出身の白人ソウル・シンガーでこのアルバム『マイ・シング』(PCD-23974 \2,415)がデビュー作。熱過ぎずクール、かつソウルフルな歌声はもちろん、バックの演奏も聴き応えがあってSOUL/R&Bファンには超オススメの1枚です。

 特に5曲目「Don't Take It Too Hard」! 高揚感をあおるようなファンキーなリズムとカーティスの往年の名曲を彷彿とさせるようなストリングス・アレンジの融合が絶妙で、この1曲だけでも買いっ!と断言したくなる最高にかっこいい1曲。
 中盤で入るトゥオモ本人によるエレクトリック・ピアノのソロもセンス抜群。いやはやこんなブルー・アイド・ソウルシンガーが出てくるとは北欧恐るべし! 森 陽馬

2007年7月23日(月) Jim Croce 「Operator」 

 僕にとってジム・クロウチは1970年代前半、最もよく聴いていたアーティストのひとりであり、現在でも大好き度は少しも下がっていないミュージシャンです。

 マカロニ・ウエスタン映画に出てくる悪役のようないかつい風貌ですが、彼の曲と声は本当に優しさに溢れているものばかり。
 残念ながら、人気絶頂時のツアー中に飛行機事故で亡くなってしまいました。1973年9月20日のことでした。

 その彼が生前、テレビ出演した際の音源を集めたのがこのCDです。
 リード・ギターの相棒、モーリー(彼もジムと同じ飛行機に乗っていて亡くなりました)とのコンビネーションもピッタリ。当時日本のテレビでも放送されたりしていたので想い出深い音であります。

 この曲に出てくる“オペレーター”(電話交換手)は、携帯電話が当たり前になった時代には懐かしいキャラと言えますね。森 勉

(ちなみにこのライヴ盤CDは輸入盤ですが、DVDも国内盤で発売されています。)

2007年7月24日(火) Prince 「Chelsea Rodgers」

 本日7月25日新譜が入荷。オレンジレンジ・ベスト盤、ボニー・ピンク新作、Cocco新作、大塚愛、リップ・スライム、ウルフルズ他、通販コーナーにも掲載したアイドルレース再発、エディー&ザ・ホットロッズ、イアン・デューリー、フーの紙ジャケ、杉真理再発などなど色々とあったのですが、プリンスのこの新作『Planet Earth』(SICP-1515 \2,520)にはシビれましたね。

 冒頭のタイトル曲からいきなり、ジョン・レノン「イマジン」の“21世紀プリンス版”のような趣の歌詞で始まり、歌いあげるようなギター・ソロから先行シングルとなった2曲目「Guitar」へ移行。
♪君のことは愛しているけれど、僕のこのギターほどじゃないんだ♪ といういかにもプリンスらしいセンス溢れる歌詞から、プリンス本人によるギターソロ、という展開がNice! ポップな楽曲も魅力です。

 スモーキー・ロビンソンのようにファルセットで歌う3曲目も良いのですが、聴きものは8曲目「Chelsea Rodgers」。
 ソウルフルな女性シンガーとの掛け合いで歌われ、それをあおるようにファンキーなホーンが割り込んでいくサウンドは鳥肌もの! メイシオ・パーカーやシーラEも復活して参加しているようで、往年のプリンス・ファンにこそ聴いてもらいたい1枚です。森 陽馬

2007年7月25日(水) Michael Buble 「Me And Mrs Jones」

 “新世代のボビー・ダーリン”!
と称されているマイケル・ブーブレの新作『Call Me Irresponsible』(WPCR-12627 \1,980)。

 マイケル・ブーブレのインタビューを読むと、実際に彼自身もボビー・ダーリンが大好きなようで、歌い方も意識しているのか似てきたように感じます。
 シナトラで有名な「Call Me Irresponsible」をアルバム・タイトルに持ってくるあたりにも、彼のポピュラー・ボーカリストとしての自信も垣間見えますね。

 さて、どの曲も口当たりの良いワインのように程よく酔えて、かつ安心して聴けるアレンジ・歌唱ですが、特に印象的なトラックが今日のこの1曲「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」。

 ビリー・ポールで有名な70'sソウルのバラード名曲を、嫌味のないアダルトな雰囲気でカヴァーしています。ちなみに曲後半でデュエットしているのは、実際にブーブレの彼女である(らしい)イギリス人女優エミリー・プラント。お熱いですね。森 陽馬

2007年7月26日(木) Joni Mitchell 「Blonde In The Bleachers」

 なんと!ジョニ・ミッチェルが新作を9月19日に発表するのが決定したそうだ。(レーベルは、ポール・マッカートニーの新作もリリースした“ヒア・ミュージック”! 第2弾アーティストがジョニ・ミッチェル!)

 前作『トラヴェローグ』発表後に、「音楽ビジネスからは引退する」、と宣言してから早5年。豪華ゲストが多数参加したトリビュート・アルバムの発売はその前振りだったのかどうかはわかりませんが、とにかくも彼女の復活を素直に喜びたいと思います。

 さて、今日のこの1曲は、その彼女の1972年作『For The Roses<邦題:バラにおくる>』(WPCR-75231 \1,800)より。

 ♪ロックンローラーの手はあまり長く握っていられない。ロックンローラーと一緒ではあまり長くは計画を保てない。ロックンローラーをファンと取り合いすることはあまり長く続かない。♪
 というような歌詞が彼女の失恋体験を想起させる1曲です。(失恋の相手はグラハム・ナッシュ?)
 曲のラストに聴こえるギター・ソロはスティーヴン・スティルスで、クレジットでは“Rock'n'Roll Band”というクレジットになっています。

 ちなみにこのアルバムは、インナーに彼女が全裸で海を眺めている後姿の写真があることでも有名ですね。森 陽馬

2007年7月27日(金) クラムボン 「ナイトクルージング」

 先日の日曜日、日比谷の野音でクラムボンのライヴを見てきました。

 天候も良く、客席からのしゃぼん玉(会場で入場者全員に配られたのです)が夕陽に照らされて、とても心地良いひとときでした。
 やや陽が陰ってきた夕方過ぎ、そんなシチュエーションで演奏されたのがこの「ナイトクルージング」。

 フィッシュマンズのカヴァーですが、この野音で聴いた「ナイトクルージング」は素晴らしく良かったです。CDでは2006年発表のカヴァー・アルバム『Lover Album』(COCP-50924 \2,940)に収録されていますが、どちらかというと独特の浮遊感が野外ライヴ向きかもしれませんね。

 明日は同じ野音で、細野晴臣さんのトリビュート・ライヴが行われます。僕は行けないのですが、見に行かれる方は是非楽しんできてください。晴天を祈っております。森 陽馬

2007年7月28日(土) GARY U.S. BONDS 「New Orleans」

 アメリカのメジャー・リーグ・ベースボールでは、サンフランシスコ・ジャイアンツのボンズ選手がハンク・アーロンの記録を塗りかえようとしていますが、こちらの“ボンズ”は1960年代前半、イキのいいダンス・ナンバーを送り込んだR&Bシンガーです。

 本名はゲイリー・アンダーソン。この曲は1960年代のデビュー・ヒットで、その後エディ・オッジス、ニール・ダイアモンド、ポール・リヴィア&レイダーズなど、多くのアーティストにカヴァーされています。

 レイ・チャールズ「ホワッド・アイ・セイ」のコール&レスポンス手法に影響を受けた、♪ヘーイ・ヘイ・ヘイ・・・♪のところが印象的です。森 勉

2007年7月29日(日)The Peddlers 「Say No More」(「マシュ・ケ・ナダ」の英語カヴァー)

 今年発売されたロード・ラージの『The Load's First XI』(2007年4月30日の今日のこの1曲で取り上げました)でゲストヴォーカルとして参加し、まだまだ現役!な歌声を披露してくれた1943年生まれのイギリスのオルガン奏者、ロイ・フィリップス。

 その彼が60年代、タブ・マーティン(b)、トレヴァー・モライス(ds)と活動していたのがペドラーズというジャズ・トリオ。
 フィリップスの歌い上げるタイプの渋いヴォーカル(いい声!)とハモンドオルガン、「Smile」「Girl Talk」のスタンダードやインストを含む曲のアレンジが素晴らしく、どの曲も本当にかっこいいです!

 2002年に出たアルバム、シングル曲を集めた2枚組の編集盤に未発表音源として収録されているのが、有名曲「マシュ・ケ・ナダ」の英語カバー。タイトルも「Say No More」となっています。

ジャズはあまり聴かない私でもこれは聴きやすくてとてもハマってしまいました。知る人ぞ知ると言ったグループなので国内盤はおろか、あまりCDが出ていないのが非常に残念です。東尾沙紀

2007年7月30日(月) ROVO 「LIQUIX」

 29日(日)フジ・ロックの3日目へ行ってまいりました。
 夕方に雨が降りましたが、どしゃぶりにはならず夜には止んだので、ある意味フジロックらしい1日を楽しむことができました。

 今回見たアーティストは、Fermin Muguruza → マーヴァ・ウィットニーfeatオーサカ・モノレール → THE SHINS → クラムボン → ソウル・フラワー・ユニオン → HEAVEN'S JAM
 どれも素晴らしいパフォーマンスで観客も大盛り上がりでしたが、特に“フジロック”らしかったのが、フィールド・オブ・ヘブンで夜21時から24時近くまでやっていた“HEAVEN'S JAM”。

 “HEAVEN'S JAM”はこの一夜限りのスーパーセッションで、ROVOからの4人<勝井祐二(Vio) 山本精一(G) 芳垣安洋(Dr) 岡部洋一(Dr)>、DACHAMBO(メンバー全員)、シアター・ブルックの佐藤タイジ、エマーソン北村(Key)、エゴラッピンの中納良恵、Soil &“Pimp” Sessionsの元晴などの猛者が集い、強烈なジャム・セッションを展開しました。更には火を使ったダンス集団“ファイアー・ダンサーズ”がステージ横で踊り、LIVE PAINTING集団“Gravity free”による絵画も展示され、独特なサイケな照明と共に演出もまさに“ヘヴン”!な空間でした。

 ライヴ自体も音の洪水・荒波に呑み込まれるような錯覚を感じるほどに永遠に続くかのようなロック・ジャムが演奏され、シアター・ブルック・ナンバーのハイパー・ヘヴン・ヴァージョンとも言うべきジャムは最高にかっこよかったです。
(ちなみにライヴが始まる前には、何故か場内で僕の大好きなニール・ヤングがずっとかかっていて、個人的にとてもうれしかったです)

 ということで、その流れを汲んで今日は、先日発売されたROVOのライヴ盤『LIVE at 京大西部講堂』(RVLN-6 \2,415)から1曲。2004年7月18日に京大西部講堂で行われたライヴの模様を収録したCDなのですが、当時のこのライヴは空調設備のない猛暑の講堂にて超満員で行われたため、室内温度50度!というとんでもない環境だったそう。しかしながら、というかそれゆえか演奏は異様なテンションで、脳髄を刺激されるようなインプロヴィゼーションが展開されています。ジャム・バンド好きな方も要チェックの1枚です。森 陽馬

2007年7月31日(火) くるり 「ブレーメン」

 フジロックで野外フェスの良さを再確認しましたが、9月23日京都の梅小路公園(京都駅から徒歩15分)で行われる予定のくるり主催音楽博覧も非常に興味を惹かれています。

 とにかくも上記リンクHP上に記載されている岸田繁のコメントがいい。
『音楽が商売道具に成りさがってしまった今、いちミュージシャンとして、音楽の復権をここ京都を中心として試みていきたいと思っています。<中略> 我々くるりは、そのきっかけとしてこの京都音楽博覧会を開催し、今後その発展をくみしながら芸術文化都市としての京都の発展と、世界へ向けた音楽シーンの発展を試みたいと思っています。』(以上、岸田繁の開催宣言より一部抜粋)

 フェスの参加アーティストとかそんなことよりも、この心意気が素晴らしいと思う。音や設営など問題点も色々とあるとは思うのですが、是非成功させて定例化させて欲しいものですね。

 ということで、くるりの最新アルバム『ワルツを踊れ』(VICL-62410 \3,045)から「ブレーメン」を。クラシックに影響を受けたアルバムということですが、くるりらしいROCKが全編に溢れている名作です。森 陽馬



トップへ
戻る