PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2010月9月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2010年9月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。


<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2010年9月1日(水) Superfly 「Heart Of Gold」(Live)

 相変わらず暑い日が続いていますが、クリスマスCDのオーダー締切があったりもして、もうすぐ夏も終わりなんだなあ、なんて感じています。

 9月末にはエリック・クラプトン新作、サンタナ新作、ロン・ウッド新作。10月にはエルヴィス・コステロ新作、ジョン・レノンのBOX、ビートルズの赤盤&青盤再発など洋楽新譜が続々リリース予定。
 中でも個人的に楽しみにしているのがニール・ヤングの新作です。

 タイトルは『Le Noise』。ボブ・ディラン『オー・マーシー』やU2の作品を手掛けたことでも知られるダニエル・ラノワがプロデュース。ファンでありながら、期待半分・不安半分といった感じですが、精力的に活動してくれているのは嬉しいですね。

 さて、今日のこの1曲はスーパー・フライの新作『Wildflower&Cover Songs』(WPCL-10855 \2,900)から、ニール・ヤングのカヴァー「Heart Of Gold」(邦題:孤独の旅路)。

 今作はTVドラマ『GOLD』主題歌とNHKサッカーテーマソングなど新曲4曲が入ったNewシングルに、様々なカヴァー15曲を収録したCDをカップリングしたアルバム。

 「ナチュラル・ウーマン」、「ホンキー・トンク・ウィメン」、「ならず者」他、王道曲に混じって、ジャクソン・ブラウン「レイト・フォー・ザ・スカイ」、ジム・クロウチ「リロイ・ブラウンは悪い奴」等、曲名だけでグッとくるカヴァーもやっていて洋楽ファンにも受けそうな1枚です。

 ニール・ヤング「Heart Of Gold」のカヴァーは完コピで、この曲と彼女の歌い上げる歌唱は本音を言うと合わない印象ですが、ハーモニカも越智志帆さん本人が吹いていて、アコースティック・アレンジもいい感じ。

 ちなみに、このアルバムのボーナス8cmCD付初回盤は早々に完売してしまいました。本当にプレス枚数が少なかったようで、うちに入ってきたのはたった○枚。(限定盤は出荷枚数を制限・配分されてしまうのです)
 CD1枚売るのも大変なこのご時世ですから、売り惜しみせずもうちょっと作って欲しかったですね。森 陽馬

2010年9月2日(木) キリンジ 「都市鉱山」

 水槽の向こう側から顔を覗かせるキリンジのお二人。

 10周年アニバーサリー・イヤーだった2008年発表の前作『7-seven-』から約2年半ぶり。2枚組ベスト、2009年各々のソロ活動を経てリリースされた新作『BUOYANCY』(COCP-35901 \3,150)のジャケットです。
 中の写真もマリモに金魚に揺れる水草と、実に涼しげです。

 一曲目は、7月にリリースされたシングル「夏の光」。
 (ナイアガラ、ウォール・オブ・サウンドお好きな方も必聴の名曲!)

 キラキラと疾走感のあるこの曲にガツンとやられた後は、ちょっとクセのある詞・メロディーで聴かせるいつもキリンジ・ワールドにどっぷりです。

 ワケありの人々が集う温泉街を舞台にしたA「温泉街のエトランジェ」(詞もセクシー)、トーキング・ヘッズっぽい(歌い出しもデヴィッド・バーン、もしくは鈴木慶一さん風)のニューウェイヴを意識したG「都市鉱山」も面白い一曲。

 他にも柔らかいバラード曲や、アンビエントな雰囲気のイントロのものなどタイプは様々ですが、一貫して清涼感のある2人の歌声は、ギラギラと暑い日が続く晩夏、ほっと心落ち着かせてくれます。東尾沙紀

2010年9月3日(金) フェリックス・キャヴァリエ 「オンリー・ア・ロンリー・ハート・シーズ」

 ラスカルズの中心人物、フェリックス・キャヴァリエのライヴが近づいてきました。

 数ヶ月前に発売になったスティーヴ・クロッパーとのジョイント・アルバムを聴くと、声も唱法60年代と変わらない状態のようですし、たっぷりラスカルズ時代の曲が味わえそうで、本当に楽しみです。

 「グッド・ラヴィン」、「ロンリー・トゥ・ロング」、「グルーヴィン」、「ア・ガール・ライク・ユー」、「ア・ビューティフル・モーニング」、「ピープル・ガット・トゥ・ビー・フリー」あたりはやってくれるような気がします。

 あとやってほしいのが、今日紹介する1979年発表アルバム『キャッスル・イン・ジ・エアー』(国内盤 限定紙ジャケット仕様 MHCP-780 1,890円)からのヒット曲、「オンリー・ア・ロンリー・ハート・シーズ」です。

 キャヴァリエ唯一のソロ・ヒット・シングルなのですが、ちょっと地味な曲なので無理かなぁ・・・。

 なおこの曲のバックは、スティーヴ・ジョーダン、ウィル・リー、ハイラム・ブロック、ジョージ・ヤング(サックス・ソロあり)などニューヨークの精鋭が参加しています。森 勉

2010年9月4日(土) 石井 里佳 「七色の靴」

 “あせらない おこらない いばらない くさらない まけない”

 広島出身女性シンガー・ソングライター、石井里佳さんの最新アルバム『あおいくま』(GEE-3002 \2,310)は、父から教えられた上記の言葉“あおいくま”から取られています。

 「夢・目標は人それぞれながら、今という時を共に頑張って歩んでいる人達が曲を聴いてくれて、少しでも笑顔になってくれたり、希望のヒカリを感じてくれたら」
という思いを込めて作られた全11曲は、どの曲も伸びのある歌声と前向きな詞が印象的。

 尊敬しているミュージシャンに、ドリカム、竹内まりやさんを挙げているように、老若男女皆が聴いて共感できるような楽曲は、タイアップ向けVIVIDな音作り&売れ線狙いな歌詞全盛の時代において、逆に新鮮にやさしく響きます。

 D「あなたがいつもこころの底から楽しめることを願ってます。」は、広島にいる母への想いが詰まったナンバー。
 私小説的な歌詞の曲でもポップな楽曲に馴染み、全曲親しみやすいJ-POPに仕上がっています。

 特に今日の1曲、H「七色の靴」は心弾む1曲。

 女性シンガーお好きな方、90年代邦楽お好きだった方などにも是非聴いてもらいたい1枚ですね。森 陽馬

2010年9月5日(日) RCサクセション 「よそ者」

 9月3日渋谷BYGにて、東京ローカル・ホンクのワンマン・ライヴを見てきました。

 現在新作を制作中だそうで、そのアルバムに収録予定の「おいでおいで」、「昼休み」、「目と手」、そしてタイトルが決まったばかりという新曲「はじまりのうた」も披露。とても楽しいライヴでした。(ホンクとしては珍しいインスト曲「アジアン・パラダイスのテーマ」もイイ感じでしたね。)

 印象的だったのは、1曲だけカヴァーをやったこと。
 それが、RCサクセション「よそ者」。

 1981年発表『BLUE』(UPCY-6509 SHM-CD仕様 \2,300)に収録されている隠れた名曲ですが、ホンク・アレンジの方がオリジナルのように感じるほど、しっくりくる歌&演奏でした。これも是非新作に入れてほしいですね。

 ちなみに、来週リリース予定、友部正人さん9月15日発売新作アルバム『クレーン』(TM-15 \3,000)のバックを、東京ローカル・ホンクが全曲担当しています。

 “日本のボブ・ディラン”友部正人のバックを、“日本のザ・バンド”東京ローカル・ホンクが務めているのですから期待しないわけにいかないですね。
 なお、2007年発表『生きものについて』も、久保田麻琴さんリミックスでジャケットを新装し、秋に再発売するそうです。森 陽馬

2010年9月6日(月) ペドラーズ 「タイム・アフター・タイム」

 「タイム・アフター・タイム」というタイトルの曲は、同名異曲が何曲かあります。

 40代前後の方には1984年に大ヒットしたシンディ・ローパーの曲が思い出されるでしょう。先日ラジオをつけたらこの曲が流れてきて、やっぱりイイ曲だなぁ、と再認識したのですが、今日はその「タイム・アフター・タイム」ではなく、もっと古いスタンダードの「タイム・アフター・タイム」を。

 作曲はジュール・スタイン、作詞はサミー・カーン。
 1947年制作の映画『下町天国』(It Happened In Brooklyn)のために作られ、映画ではフランク・シナトラが歌っているそうです。(まだこの映画を見たことがないので、こんな言い回しになってしまっています。)

 ちなみにこのジュール・スタイン&サミー・カーンのコンビは、クリスマスの定番曲「レット・イット・スノウ」の作者でもあります。

 さて、こっちの「タイム・アフター・タイム」。色々な人たちがカヴァーしていますが、今日はペドラーズのヴァージョンを紹介したいと思います。
 1967年に発表された2ndアルバム『フリーホイーラーズ』(AIRAC-1474 \2,730)の1曲目に斬新なアレンジで収録されています。

 ペドラーズはイギリスのオルガン・トリオで、60年代当時日本ではほとんど知られていない存在でしたが、CDが再発してから再評価されるようになりました。ソウルフルでグルーヴィーな雰囲気がイカしています。森 

2010年9月7日(火) 鈴木 雅之 「SH-BOOM」

 最近発売されたライヴ盤でオススメなのが、この1枚。
 鈴木雅之デビュー30周年を記念し2010年2月24日NHKホールで行われた一夜限りのコンサートを収録した2CD+DVD『30th Anniversary LIVE THE ROOTS 〜could be the night』(ESCL-3550 初回限定 \4,800)。

 ビッグ・バンドを従えたゴージャスなサウンド、ゲストも鈴木聖美、佐藤竹善、ラッツの佐藤善雄&桑野信義、ゴスペラーズのメンバーなど、演奏も選曲も演出も最高!

 そして何より、タイトルの通り、鈴木雅之のルーツであるドゥーワップへの愛が音だけでも伝わってくるのが素晴らしい!

 大瀧詠一作「いつも夢中」、「Tシャツに口紅」、「Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語」のカヴァー、そしてもちろん「夢で逢えたら」も収録。ラッツ&スターお好きだった方には是非とも聴いてもらいたいライヴですね。

 今日の1曲「SH-BOOM」(シュブーン)は1950年代ドゥーワップ・グループ、The Chords(コーズ)のヒット曲カヴァー。これぞドゥーワップ!というスキャットが楽しい1曲。

 台風が近づいているせいか、風も出てきて暑さも若干やわらいできた感じ。この台風が過ぎ去ると秋が来るのでしょうね。森 陽馬

2010年9月8日(水) Young Rascals 「Love Is A Beautiful Thing」

 前々から騒いでおりましたフェリックス・キャヴァリエのライヴ。
 初日、9月7日(火)丸の内コットンクラブ、行ってまいりました。

 それも1stステージと2ndステージをハシゴして、タップリ楽しんできました。

 なんといっても、中学生の時から大好きなラスカルズ。
 その中心人物の初の単独来日公演ですから・・・。
 熱くならないわけがないカラダになってしまっているのです。

 キャヴァリエ自身のヴォーカルには全く衰えなく、連れてきたバンドも名の知れたメンバーはいないものの、ドラムス、ベース、ギターともにラスカルズのビートやフレーズをちゃんと心得てくれていたので、本当に気持ちよくライヴを楽しむことができました。
 キャヴァリエの娘さんであるアリアを含めたバンドのコーラスもバッチリ決まっていました。

 今回の演奏曲目は予想通り、ラスカルズのヒット曲オンパレード!という感じでしたが、一番意外だったのはこの曲かな。2ndアルバム『コレクションズ』(Collector's Choice CCM-801)に収録されていますが、シングルB面でしたし・・・。
 でもとってもうれしい選曲です。

 間奏のハモンド・オルガン・ソロ、かっこよかったなぁ〜。

 フェリックス・キャヴァリエの人柄の良さがにじみ出てきていたステージ。多く人に見てもらいたいです。
 9月9、10、11日がブルーノート東京、12日がブルーノート名古屋で各2ステージ残っていますよ。森 勉

2010年9月9日(木) Ivan Lins 「Rio Sun/E a gente assim tao so」

 昨日は久々に雨が降って、今日はだいぶ涼しくなりましたね。
 寒いのが嫌いな僕は、暑い夏が終わるのは寂しい、と思ってましたが、いざ秋の気配が近づいてくると、やっぱりこのくらいが過ごしやすくていいですね。

 ということで、今秋ヘビーローテーションとなりそうなオススメのこの1枚。

 1970年代から活躍しているブラジルのシンガー・ソングライター、イヴァン・リンスの新作アルバム『INTIMO』(輸入盤 SOM LIVRE 1692-2)。

 ベルギー、オランダなどで録音された本作は、ジャズ・ベーシスト、ルード・ヤコブスによるプロデュース。
 穏やかなボッサに美しいストリングス、上品なジャズ・アレンジを加えられたサウンドとアダルトなイヴァンの歌声が、秋風にじんわり馴染んでとても心地良いです。

 特にヨーロッパ・ジャズの貴公子、ティル・ブレナーによるトランペットが優雅に彩を添えたG「Rio Sun/E a gente assim tao so」。昼下がりにのんびりうたたねしながら聴きたい1曲。

 他にも、オランダの女性シンガー、トレインチャや、シコ・ブアルキ、ローラ・フィジィなども参加。アメリカの黒人コーラス・グループ、TAKE6が参加したアカペラ曲D「Nosso Acalanto/That's Love」なんかも異質ながらとても良かったです。森 陽馬

2010年9月10日(金)ウーター・へメル feat ジョヴァンカ 「As Long As We're In Love」

 5月にリリースされた新作『While I'm Awake』を引っ提げ8月中旬に来日公演を行った、オランダの黒人女性シンガー、ジョヴァンカ。
 観てきた、というお客様に、とっても素敵なライブだったよ、というお話を聴かせてもらいました。

 彼女と同じく、ベニー・シングスがプロデューサーを務めるオランダのポップ/ジャズ・シンガー、ウーター・へメルがメジャー移籍に伴い、初のベスト・アルバム『ノーバディーズ・チューン〜ベスト・セレクション』(UCCU-1209 \2,500)をリリースしました。

 1st「Hamel」、2nd「Nobody's Tune」から中心に12曲と、日本盤にはボーナス・トラックとしてライブ音源やリミックス6曲が追加収録されています。

 ボーナス・トラックの「We Have Today (Live)」は、以前からライブでは披露されてきたタンゴ調の曲ですが、音源としてCDに収録されるのは今回が初めてとなります。

 日本盤1stのボーナス・トラックだった、ジョヴァンカとのデュエット「As Long As We're In Love」も収録。
 彼が書いた曲の中でもとびきりポップで、ハッピーな気持ちになれる名曲です!

 ウーターは来週ビルボード・ライヴ東京(9月13、14日)、大阪(15、16日)にて来日公演があります。
 ゲストでベニー・シングスも登場予定です。東尾沙紀

2010年9月11日(土) SPEEDOMETER 「You've Made Me So Very Happy」

 ラスカルズのフェリックス・キャヴァリエ、来日公演。
 僕も先日見に行ってきました。

 いやーー、良かったですね。
 もう理屈抜きに楽しかったです。

 ラスカルズの名曲群はもちろんのこと、その曲中に様々な有名曲(「ホワッツ・ゴーイン・オン」や「ビリー・ジーン」から更にはツェッペリンで有名な「ホール・ロッタ・ラヴ」等)を織り込んでいくのが痛快! その日の一部&二部で織り込んでいく曲も違ったそうですね。

 体型も父似(笑)の娘さんアリア・キャヴァリエもソウルフルな歌声でバンドに馴染んでいる雰囲気。
 お客さんは少なかったけれど、キャヴァリエ自身はずっと楽しそうに歌ってくれて、見ていて心温まる気分になりました。

 ちなみに今日のこの1曲は、UKの新世代白人ソウル・ファンク・バンド、スピードメーターの新作『シェイクダウン』(PCD-93361 \2,415)から、ブレンダ・ハロウェイ作の名曲カヴァー「You've Made Me So Very Happy」。

 ロック・ファンにはブラッド・スウェット&ティアーズで有名なこの曲の後半には、バーバラ・アクリン「Am I The Same Girl」が織り込まれています。森 陽馬

2010年9月12日(日) 斎藤 誠 「ノー・ノー・ボーイ」

  斎藤誠が2003年9月に発表した彼の20周年を祝ったようなアルバム『ワルツ・イン・ブルー』(MHCL-314 \3,059)は、僕の愛聴盤です。
 発表から7年も経ちましたが、ペット・サウンズ店内ではよくかかっています。

 このアルバムは一種の企画盤で、斎藤誠を“音楽バカに育てた名曲”(本人のコメントより)のカヴァー・アルバムとなっています。

 オールマン・ブラザーズ・バンド「メリッサ」、ドゥービー・ブラザーズ「ユー・ビロング・トゥ・ミー」、ポール・マッカートニー「マイ・ラヴ」、ブレッド「愛の別れ道」、バリー・マニロウ(ブルース・ジョンストン作)「アイ・ライト・ザ・ソングス」、サザン・オールスターズ「別れ話は最後に」など、ルーツを踏まえた通好みの選曲が魅力です。

 この「ノー・ノー・ボーイ」は、作曲・かまやつひろし、作詞・田辺昭知によるスパイダーズ1966年シングル曲のナイス・カヴァー。

 デュエットしているのは、ナント!奥田民生。
 いい感じに仕上がっています。

 斎藤誠はかまやつひろし作品が大好きで、最新のライヴでも「サマー・ガール」、「バン・バン・バン」をカヴァーしたりしています。

 このアルバムのラストに入っているアルバム・タイトル曲「ワルツ・イン・ブルー」のみオリジナル曲です。これが、“マコト・バラード”の大傑作でイイ曲なんです。森 勉

★なお、9月15日発売、植村花菜さんの最新アルバムは斎藤誠プロデュースです。

2010年9月13日(月) Mel Smith & The Nite Riders 「Pretty Plaid Skirt (And Long Blsck Sox」

 UKの良質な再発レーベル、“ACE”は今までにも面白いコンセプトのオムニバスCDを色々と出してきましたが、このアルバムも音楽ファンならつい手に取ってみたくなる好選曲の1枚。

 “ファッション”関係のタイトル&歌詞が入ったゴキゲンなオールディーズ・ナンバーを集めた全24曲。『RED BLUEJEANS & CHECKERBOARD SOCKS』。(ACE CDCHD-1276)

 カール・パーキンスによる有名曲「Blue Suede Shoes」、ジーン・ヴィンセント、エディ・コクランなどのロックン・ロールを中心に、クローヴァーズ「Blue Velvet」などドゥワップもの、Kirby Sisters「Red Velvet」も収録されており、曲目&ブックレットを眺めているだけでも楽しめるコンピです。

 今日のこの「Pretty Plaid Skirt (And Long Blsck Sox」は、1950〜60年代にいいRock/Soulを色々と出しているSueレーベルから1959年にリリースされていた1曲です。森 陽馬

2010年9月14日(火) 村田 和人 「Rin-Tin-Tinにはなれない」

 今年も村田和人のニュー・アルバムが出ました。
 昨年発売『ずーーっと、夏。』の続編的な意味合いを持った内容で、タイトルは『ずーーっとずっと、夏。』。(UPCH-20206 \3,000)
 ちょっとまぎらわしいタイトルですが、古くからのファンも新しいファンも納得できる出来になっています。

 <今を生きる大人達に贈る永遠の夏の記憶。
 心の中の「ムラタの夏」は終わらない。ずっと、これからも。>

というのが、今回のCDの帯に書かれてあるキャプションです。
 いい文句ですね。実際の内容ももちろん素晴らしいものがあります。

 その中から今日は「Rin-Tin-Tinにはなれない」を。

 犬がテーマになっている安藤芳彦による歌詞が、村田メロディーと絶妙にブレンドされて、とってもいい雰囲気を醸し出しています。

 “Rin-Tin-Tin”といえば、僕ぐらいの御年の方には懐かしい外国テレビ・ドラマ『名犬リンチンチン』を思い出されるのではないでしょうか? コーラスも素敵な曲です。

 全11曲、すべてブランニュー!
 昨今は新しいアルバムがシングル曲で埋め尽くされることが多いので、アルバム全曲が初めて聴く曲!という実に新鮮で、なおかつスリリング。聴きがいのあるアルバムです。森 勉

2010年9月15日(水) Carnie Wilson 「The Christmas Song」

 残暑が続くと思いきや、一気に涼しくなって秋らしくなってきましたね。
 それと同時にクリスマス・アルバムのインフォが色々と出てきました。

 あのウィルソン・フィリップス(ブライアン・ウィルソンの娘二人とママス&パパスのジョン&ミッシェル・フィリップスの娘による3人ユニット)の新作クリスマス・アルバムが10月に発売されるようです。

 なんだかんだいって今年は、マイク・ラヴ&ブルースのビーチ・ボーイズ来日、ブライアンの新作、アル・ジャーディンの新作、とビーチ・ボーイズ・ファンにとってはうれしいリリースが多かったですね。
 来年の“ビーチ・ボーイズ結成50周年”も楽しみです。

 ちなみに今日のこの1曲は、2007年にリリースされたブライアンの娘、カーニー・ウィルソンによるクリスマス・アルバム『Cristmas With Carnie』。(輸入CD BIG3 368112-2)
 クリスマス定番曲を比較的スタンダードなアレンジでカヴァー。

 今度出るウィルソン・フィリップス名義のクリスマス・アルバムでは、ビーチ・ボーイズandママス&パパス的な楽しいアレンジにしてくれるとうれしいな。森 陽馬

2010年9月16日(木) 友部正人 with 東京ローカル・ホンク 「ロックンロール」

“日本のボブ・ディラン”と“日本のザ・バンド”注目の共演作!

 東京ローカル・ホンクがバックで全面参加した、友部正人さんの2年半ぶりの新作『クレーン』(TM-015 \3,000)が本日入荷しました。

 2008年のライブ共演をきっかけに、昨年からゆっくりとしたペースで制作されてきた今作は、コーラス以外は基本的に歌と演奏は同時録音だそうで、聴けば聴くほどに味わい深い一枚!

 泣きのエレキ・ギターソロが聴きものの「いじわるそうな女の子」、
 ♪お客様はみんな玉子です♪というフレーズが印象的な「ダンスホール」など新曲を中心に、72年作「追伸」、ボ・ガンボスのどんととの共作「かわりにおれは目を閉じているよ」、ハシケンとの共作「退屈」などアルバム初収録となる曲も。友部さんの詞の世界観にも引き込まれました。

 今日の一曲は、ライブ初共演時にホンクがアレンジしたものと同じバージョンを採用した「ロックンロール」(84年作『カンテグランデ』収録曲)のセルフカバーです。
 ホンクのコーラスと友部さんのハーモニカがかぶさる瞬間がとても素敵です。

 10月初旬には友部正人 with 東京ローカル・ホンクで、大阪、京都、名古屋、東京でのライブが決定しています。
 ホンクの新作も早く聴きたいですね!東尾沙紀

2010年9月17日(金) Nina Vidal 「Fragile」

 武蔵小山の駅ビルが17日OPENしました。

 9月17日OPENなんてかなり先だな、なんて思っていたらすぐでしたね。
 駅ビルといっても3階までしかありませんが、無印良品やドンク(パン屋)、タリーズ・コーヒー、東急ストアも入って華やかな雰囲気になりました。

 さて、今日は秋聴くのにピッタリ! ジャジー・ソウルな1枚。

 ニーナ・ヴィダルはニューヨーク出身の黒人女性シンガー。
 ちょうど2年前にリリースされた前作1stアルバム(2008年9月12日のこのコーナーで紹介)も、落ち着いた曲調にスムースでジャジーな演奏が心地良い作品でしたが、今作2ndも引き続きオーガニックな味わいが楽しめるゴキゲンな1枚。

 8曲目「Fragile」はスティングの名曲カヴァー。
 ポール・マッカートニー作E「マイラヴ」のカヴァー他、オリジナル曲も穏やかな昼下りに雰囲気良く聴ける仕上がり。

 シャーデーがお好きな方なら間違いなしのオススメ盤です。森 陽馬

2010年9月18日(土) The Strings-A Longs (The FIREBALLS) 「Groovin'」

 ベンチャーズやシャドウズとはまた違ったギター・インスト・バンドが聴きたい!、という方にオススメなのがこのアルバム。
 The FIREBALLS 『EXOTIC GUITAR from the CLOVIS Vaults』。(1,500枚限定 輸入CD ACE CDLUX-4)

 バディ・ホリーのプロデューサーとして有名なノーマン・ペティが1960年代に輩出したギター・インスト・グループ、“ファイアーボールズ”。
 彼らが“The String-A-Longs”という別名義で1968年にリリースしていたアルバムに、更に珍しいレア音源や未発表曲をどーーんと追加した全30曲編集盤で、写真満載ブックレットと高音質なレア・トラックは、“さすがACEレーベル!”といった仕事ぶりの1枚です。

 タイトルにもなっているノーマン・ペティの“CLOVIS スタジオ”で録音されたヴィンテージ感あふれる音感と、ベンチャーズとはまた違ったゆったりまったりとした浮遊感ある演奏がなんともゴキゲン。

 クラシックス・フォーで有名な「Stormy」、ドアーズ「Light My Fire」、オーティス・レディング「Dock Of The Bay」、ラスカルズ「Groovin'」などのカヴァーもNICEアレンジ!

 古いカタログを残すACEレーベルとしては珍しい1,500枚限定プレスですので、60'sインスト・ファンは早めにGETしておいた方がいいと思いますよ。森 陽馬

2010年9月19日(日)デヴィッド・フォスター&マリリン・マーティン「君がいた夏 (愛のテーマ)」

 10月19・20日来日予定のデヴィッド・フォスターがプロデュース&ソングライティングで関わった有名曲を集めた2枚組CD。
 『デヴィッド・フォスタープレゼンツ “ラヴ、アゲイン”』。
 (国内盤 2CD WPCR-13934 \3,480)

 ベタベタなタイトル&ジャケットですが、「これもデヴィッド・フォスターが絡んでいたんだ!」と再発見できるナイス・コンピでした。

 ホイットニーの映画『ボディガード』主題歌、マイケル・ジャクソン「アース・ソング」、ピーター・セテラ、セリーヌ・ディオンの楽曲はもちろん、EW&F「アフター・ザ・ラヴ・ハズ・ゴーン」、シェリル・リン「ガット・トゥ・ビー・リアル」、ホール&オーツ「ウェイト・フォー・ミー」、ナタリー・コール&ナット・キング・コール「アンフォゲッタブル」、チャカ・カーン「スルー・ザ・ファイア」、アル・ジャロウ「モーニン」、松田聖子「抱いて・・・」、マイケル・ブーブレ、キャサリン・ジェンキンス等、洋楽初心者にもオススメできる全34曲。

 ジャンルや発表年代は様々ながら、こうやって通して聴くと時代を感じさせず、1枚のオリジナル・アルバムとしても成立できてしまうような統一感があって、さすがデヴィッド・フォスター!という感じ。やっぱり綺麗なメロディーというのはいい音楽に不可欠ですね。

 今日は、終わりゆく夏を惜しみながら聴きたいこの1曲。
 1988年製作アメリカ映画『君がいた夏』の主題歌となったナンバー。

 映画のストーリーも楽曲同様切なくて、大名作とまでは言い切れないものの心の奥底に引っ掛かっている良作です。(もう22年前の映画なんですね・・・) 初期のジョディ・フォスターが好演。

 ちなみにデュエットしているマリリン・マーティンは、フィル・コリンズとのデュエットで「セパレイト・ライヴズ」(映画『ホワイト・ナイツ』挿入歌)を1985年にビルボード・チャート全米No.1にしていることでも知られる女性シンガーです。森 陽馬

2010年9月20日(月) フィル・コリンズ 「ドゥ・アイ・ラヴ・ユー」

 フィル・コリンズの新しいアルバムが日本盤でも発売になりました。
(『ゴーイング・バック』 解説・歌詞・対訳付 WPCR-13919 \2,580)

 スタジオ録音アルバムとしては8年ぶりだそうです。
 健康上の問題があったり、忙しすぎた過去を振り返って家族といる時間を大切にしたり、でのブランクということですが、約1年をかけてゆっくりと少しずつ録音をしたそうです。
 テーマはモータウン・ソウルを中心とした60's(70'sも少し)名曲のカヴァー。

 1枚もののCDですが、収録曲は25曲の大判振舞いです。
 大ヒット曲あり、マニアックな曲ありで、フィル・コリンズの青春時代をおすそ分けしてもらっているみたい。
 サウンドはなるべくオリジナルのテイストを損なわないように作りたかったというフィルの言葉通り良い雰囲気。聴く前の予想以上にお気に入りになっています。

 一番反応してしまったのは、このアルバムでは異色のモータウン以外の曲。

 アンダース&ポンシアが作ってフィル・スペクターがプロデュースしたロネッツ1964年ヒット「Do I Love You」のカヴァーです。
 大きな音で聴きたくなります。

 その他にも気になる曲がいっぱい入っていますが、順不同で5曲挙げておきます。
・「サム・オブ・ユア・ラヴィン」 (ダスティ・スプリングフィールド)
・「ジミー・マック」 (マーサ&ヴァンデラス)
・「ブレイク・イット・オン・ザ・サン」 (スティーヴィー・ワンダー)
・「サムシング・アバウト・ユー」 (フォー・トップス)
・「ゴーイング・トゥ・ア・ゴー・ゴー」 (スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ)
森 勉

2010年9月21日(火) エリック・クラプトン 「Run Back To Your Side」

 9月22日発売の新譜が色々と入荷。
 不思議と、ロック界大御所のアルバムが集中しましたね。

 エリック・クラプトン、サンタナ、ロバート・プラント、ロニー・ウッド、デヴィッド・シルヴィアン、ポール・マッカートニー参加のフラン・ヒーリィ(トラヴィス)ソロ作、スザンヌ・ヴェガ、スティーヴ・ジョーダン夫妻&ピノ・パラディーノ&奥田民生のThe Verbs等。

 この中で期待半分不安半分だったエリック・クラプトンの新作は、予想以上に渋くて良かったです。

 スタンダード曲「枯葉」(原題:Autumn Leaves)をやっているという情報が先行していたので、ジャジー&ポップな売れ線狙いの作品かな?と思っていましたが全然そんなことはなくて、ブルージィな味わい深いバック演奏がヴィンテージ感ある音色のミックスで入っており、とても聴きやすい素晴らしい仕上がりでした。
 ドイル・ブラムホールUのプロデュース・ワークは見事!

 J.J.ケイル『ナチュラリー』に収録されているB「River Runs Deep」(J.J.ケイル本人も参加)、シェリル・クロウとデュエットで歌われるI「Diamonds Made From Rain」などスロー・ナンバーも良いですが、やはりデレク・トラックスがスライドで参加したL「Run Back To Your Side」が抜群にかっこいいですね。

 クリーム「クロスロード」を彷彿とさせるような出だしから、デレク、ドイル、クラプトンのギターが重なる展開は、感動の2006年来日公演を思い出させます。森 陽馬

2010年9月22日(水) サンタナ feat クリス・ドートリー 「フォトグラフ」

昨日のクラプトンと対照的だったのが、サンタナの新作『ギター・ヘヴン〜グレイテスト・ロック・クラシックス』(国内盤ボーナス・トラック2曲追加 浅井健一をfeatした「ラ・グランジ」も収録 SICP-2842 \2,520)。

 こちらは、予想以上にハード&ヘヴィな1枚でしたね。

 ビートルズ「ホワイル・マイ・ギター〜」、レッド・ツェッペリン「ホール・ロッタ・ラヴ」、AC/DC「バック・イン・ブラック」、ディープパープル「スモーク・オン・ザ・ウォーター」、ジミヘン「リトルウィング」、ローリング・ストーンズなどのロック有名曲を、サンタナが様々なゲストをfeatしてカヴァーした1枚。

 曲目を最初に見たときは心躍りましたが、いざ聴いてみると、思っていたよりもヘヴィなアレンジ。またもや真夏日となった今日、店で聴いていたら暑苦しく感じてしまいましたね。(まあ、それが良い、というのもありますが)

 個人的に気にいったのは、80年代ハード・ロックの名曲、デフレパード「フォトグラフ」のカヴァー。

 ドートリーというアメリカン・ロック・バンドのリーダー、クリス・ドートリーがヴォーカルを担当。彼の歌声はボストンのトム・シュルツを彷彿とさせますね。サンタナのギターもハード・ロックしててかっこいいです。森 陽馬

2010年9月23日(木) Suzanne Vega 「Tom's Diner」

 今年デビュー25周年となるNY出身のシンガー、スザンヌ・ヴェガ。
 自身のこれまでの楽曲をテーマ別に選曲し、セルフ・カバーしていく“クローズ・アップ”シリーズ全4作を、翌年にかけてリリースする予定です。

 先日発売された日本盤は、最初の2作品がカップリングされた限定2枚組(TECI-26627 \2,780 ボーナス・トラック1曲収録)で、随分分厚いブックレットだなと思ったら2枚分入ってました。天辰保文さん、上柴とおるさんによる解説付。

 自身の弾き語りを中心にエレキギターやベースだけの編成によるvol.1『LOVE SONGS』。ヒット曲「ルカ」、「トムズ・ダイナー」などを収録、パーカッションやストリングス・アレンジも施されたvol.2『PEOPLE&PLACES』。

 どちらも凄くシンプルなアレンジで、ギターの音もきれいですし、彼女のことを詳しくなくてもアコースティック作品として楽しめると思います。
 昨日の暑さから一転、冷たい雨が降る一日となりましたが、こういう日にはまた彼女の歌がぴったりとはまりますね。
 
 今日の一曲は1987年発表、彼女の代表曲「トムズ・ダイナー」。
 コーヒーのCMで使用されていましたね。

 アカペラのこの曲がVol.2ではストリングスとベースでよりクールな雰囲気に。気付けばリピートしてます。
 残りの2作も楽しみです! 東尾沙紀

2010年9月24日(金) スー・レイニー 「九月の雨」

 昨日の雨から、一気に寒くなりましたね。
“音楽の秋”といった感じで、新譜だけでなく再発も色々と出ています。

 特にEMI及びユニヴァーサルから出ていたジャズの名盤が999円〜1,100円という超お買い得価格で今週発売になりました。

 その中から今日紹介するのは、アメリカの女性ジャズ・シンガー、スー・レイニーが1960年、19〜20歳の時に録音した名作2ndアルバム。(『雨の日のジャズ』 TOCJ-50012 限定 \999)

 原題は『Songs For A Raney Day』で、名前スー・レイニーの“Raney”と雨の“Rainy”を引っ掛けたタイトルからもわかるように、雨にちなんだ歌を集めて歌った作品です。

 ビリー・メイ楽団による上品なストリングス・アレンジをバックに、彼女の低音ヴォーカルが魅力的に響く“Raney”ソングが全12曲。

 単なるスタンダード曲カヴァーだけでなく、「Blue Tears」という彼女自身が作詞・作曲したオリジナル曲も収録されており、これは17歳の時にしばらく逢っていなかったボーイ・フレンドが交通事故で亡くなったという知らせにショックを受けて書かれた楽曲だそう。
 ジャケット写真もこの曲のイメージで撮影されたのかもしれませんね。

 今日のこの1曲は、アルバム・ラストに収録されている「九月の雨」(原題:September In The Rain)。
 最後に雷&雨の音も入っていて、雰囲気あるコンセプト・アルバムとしてオススメ。値段も安いので買っておいて損ない1枚ですよ。森 陽馬

2010年9月25日(土) ラヴィン・スプーンフル 「デイドリーム」

 ジョン・レノン・ミュージアムに先日行ってきました。

 9月30日で閉館になってしまうこともあり、かなりの人で賑わっていました。2度目の訪館ですが、前回はオープンして数ヵ月後ぐらいに行ったので約10年ぶり。とても新鮮な感覚で楽しんでまいりました。

 なくなってしまうのは残念ですが、いつかまたどこかで再開してくれることを願わずにはいられないほど素敵な場所だと思います。

 今回一番刺激的だったのは、常設展とは別に特別展示されていたひとつのコーナーでした。

<ジョン・レノンが愛したロック、R&Bの名曲41曲>
(タイトルは違っているかもしれませんが、こんな感じのニュアンス)

 この特集コーナーには1964〜66年にジョンがツアーの最中でも自分の好きな曲が聴けるようにと所有していた、持ち運び可能な小型ジュークボックスが飾られていました。

 残念ながら使っていたそのものではなく同型のものでしたが、どんな音がするのか聴いてみたい気がしました。
 ラジカセもカセット・ウォークマンもipodもない時代、あんな大きいもの(普通のジュークボックスよりは小さいのですが)をあちこち持ち歩きながら、大好きな曲をいつも聴きたいと思っていたジョンって、やっぱり本当に音楽好きのいち音楽ファンだったんだなあ、と思いなんだかうれしくなりました。

 チャック・ベリー、バディ・ホリーなどの50'sR&R、ミラクルズなどモータウン・ソウルや60'sR&Bのシングル盤に混じって、ラヴィン・スプーンフルが2枚も含まれていたのが印象的であり感動でした。

 彼らはジョン・セバスチャンを中心にしたアメリカの4人組バンド。
 1965年デビュー・ヒット「魔法を信じるかい?」(原題:Do You Beleive In Magic)、そして1966年全米No.1「デイドリーム」の2曲。

 ジョン・レノンは旅先のホテルでどんな想いを持って聴いていたんだろうな。森 勉

★掲載ジャケットは「魔法を信じるかい?」&「デイドリーム」収録、全28曲ベスト盤。(BVCM-35300 \1,890)

2010年9月26日(日) ジョー・パス 「ストーン・ジャズ」

 一昨日紹介したEMIジャズ名盤999円再発シリーズ。
 これも推薦の1枚です。

 名ジャズ・ギタリスト、ジョー・パスが1966年にリリースしたローリング・ストーンズのジャズ・カヴァー・アルバム『ストーンズ・ジャズ』。(TOCJ-50050 \999)

 1966年というと、ビートルズが『リボルバー』を、ビーチ・ボーイズが『ペット・サウンズ』を、そしてローリング・ストーンズは『アフターマス』をリリースした年。

 『レット・イット・ブリード』等、後に名盤と称される作品がリリースされる前にこの作品はリリースされていたことになります。

 かっこいいE「マザーズ・リトル・ヘルパー」、ボッサ調アレンジA「19回目の神経衰弱」、クールなF「サティスファクション」。洗練されたジャズ・アレンジには初期ストーンズの楽曲のポップな魅力を再認識させられました。

 ラストに収録されている「STONE JAZZ」のみジョー・パスによるオリジナル曲ですが、ストーンズっぽいリズム感ある楽曲で、アルバムに違和感なく溶け込んでいます。

 適度に入っているホーン・アレンジも見事。
 同じく1966年にリリースされたアンドリュー・オールダム・オーケストラによる『ザ・ローリング・ストーンズ・ソングブック』にも通じる雰囲気を持っています。森 陽馬

2010年9月27日(月) EGO-WRAPPIN' 「黒いセーター」

 エゴ・ラッピンらしい昭和歌謡テイスト&夏のお祭りモード全開なシングル曲「BRAND NEW DAY」と、80年代風ジャケットのイメージから、なんとなくアバンギャルドな雰囲気の作品なのかな、と勝手に想像していた新作『ないものねだりのデッドヒート』。(TFCC-86339 \3,000)

 通して聴いてみたら、どの曲もポップなメロディーが耳に残る快作でした。

 ドラムと歌だけで始まる1曲目「デッドヒート」や曲の構成が面白い「Bell 5 Motel」。前述のシングル曲など前半のアッパーな流れから、中納良恵さんの2007年のソロ作「ソレイユ」を連想させる中盤の「方舟」、「黒いセーター」、「キリがない」。
 ノイジーなギターが入っていたり、面白いアレンジがされていますが、メロディアスでまっすぐな歌声にひきつけられます。

 今日の一曲は「黒いセーター」。
中納さん自身の記憶でしょうか。

 ♪あみ物得意 ばあちゃんがあんだセーター 袖丈短くても捨てられない しわだらけの手つないだ歩道橋の階段 あたたかい春の衣がえ♪

 ばあちゃんとの思い出を振り返り綴った詞がちょっとさみしくもあたたかいものだったので印象に残りました。

 終盤はまたポップ&ジャジーに。
 リピート率の高い様々な曲が収められたアルバムです。東尾沙紀

2010年9月28日(火) スピッツ 「シロクマ」

 スピッツのNEWシングル「シロクマ/ビギナー」が発売。(両A面シングル UPCH-5669 \1,200)

 1曲目「シロクマ」、2曲目「ビギナー」。
どちらも、“スピッツ王道メロディー”健在の新曲。
 ここ最近のシングルの中でも、一番90年代的雰囲気を持っている感じですね。

 特に「シロクマ」は、出だしのギターの音色から「空も飛べるはず」を彷彿とさせるサビが印象的な1曲。4曲目にはライヴ・ヴァージョンも収録されています。

 ちなみに、10月27日には3年ぶりの新作アルバム『とげまる』が発売。
 そのアルバムの先行試聴サンプラーがきたので、店内の試聴機に入れてあります。

 これが一聴しただけでも、全14曲、すごくイイ曲!
 各曲約2分でフェイドアウトしてしまいますが、いち早く聴きたい、という方はチェックしてみてください。森 陽馬

2010年9月29日(水) Michelle Branch 「Ready To Let You Go」

 サンタナの2002年発表大ヒット曲「ゲーム・オブ・ラヴ」にヴォーカリストとして参加しグラミーを受賞。一躍有名になったアメリカ人女性シンガー・ソングライター、ミシェル・ブランチ。

 その後は結婚・出産、そしてレッカーズというユニットを経て、ソロ活動のブランクが空いてましたが、この度久々となる新作ミニ・アルバム『Everything Comes And Goes』をリリースしました。(輸入CD Reprise 458940-2)

 収録されている全6曲、“正統派アメリカン・ロック”にカントリー色とポップさをブレンドした快作に仕上がっており、キュートだけれどパンチがある歌声に、芯の通ったかっこいいサウンドが見事にかみ合っています。

 そのバック演奏には、名ペダル・スティール奏者グレッグ・リーズや、ラリー・キャンベル、ジム・ケルトナーなど凄腕ミュージシャンが参加。

 特に1曲目「Ready To Let You Go」。
 ラリー・キャンベルによるカントリー・フレーヴァーあふれるフィドルの音色がNICE!

 全米で今大人気の女性カントリー・ロック・シンガー、テイラー・スウィフトの影響もあるでしょうが、カントリー要素も加味したポップ・ロックなメロディーは、彼女に合っているように感じます。森 陽馬

2010年9月30日(木) Billy & The Essentials 「Remenber Me Baby」

 バリー・マン&シンシア・ワイルが書いた「リメンバー・ミー・ベイビー」は、ビルボード誌などのヒット・チャートには登場していませんが、日本のオールディーズ・ファンにはちょっとした有名曲ではないかと思います。

 山下達郎のカヴァーによって知られるようになったこの曲。
 アールズやシフォンズのヴァージョンぐらいしかないと思っていましたが、なんと!こんな人たちも歌っていたのですね。

 “ビリー&エッセンシャルズ”
 無名のグループですが、録音はニューヨークのスタジオで行なわれているようです。

 イントロのコーラスが新鮮で、リード・ヴォーカリストの声もなかなか良くて、何度もリピートしたくなってしまいます。

 この曲が収録されているCD『Cameo Parkway Vocal Group Vol.1』(ACE CDCHD-1272)は最近発売されたもので、カメオ・パークウェイ・レーベルに残されたヴォーカル・グループものに焦点を当てた好編集。

 1958〜1965年の曲が24曲収められていますが、なんともいい雰囲気の曲ばかりで、これからの秋の夜長には欠かせない1枚になりそうです。森 勉






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