PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2011月10月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2011年10月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2011年10月1日(土) 星野 源 「布団」

 SAKEROCKのリーダー、俳優(10月からスタートのドラマ「11人もいる!」に出演)として活躍する星野源。

 1年3ヶ月ぶり2枚目となるソロ新作『エピソード』(VICL-63781 2,940円))が今週リリースされました。

 3月発売のシングル曲「くだらないの中に」とそのカップリング「湯気」を含む全13曲。

 伊藤大地(drs)、伊賀航(b)、横山裕章(p,org)、高田漣(pedal steel)を中心に、ストリングスやホーンを織り交ぜたアレンジも心地良く、シンプルな言葉で紡がれた詞やメロディは、1st『ばかのうた』同様、穏やかな空気に包まれています。

 オルガンが印象的に響く営業マンの心境を代弁するような「営業」、朝早く出掛けていく夫と「布団」の中の妻、「バイト」先の目上の人の愚痴...誰の日常にも転がっていそうな何気ないエピソードが詰まった何度も繰り返し聴きたくなるアルバムです。

 初回盤スリーヴケース、中にはステッカーとシュールなネタ満載の“デラ新聞”が入っています。東尾沙紀

2011年10月2日(日) Helen Shapiro 「He's A Rebel」

 ビートルズ出現前のイギリスにヘレン・シャピロあり!

 1946年ロンドン生まれの彼女は、EMIのプロデューサー、ノリー・パラマーとそのアシスタントのジョン・シェローダー(彼女のヒット曲の多くを作曲することになります)に認められて、1961年にEMIと契約。その時まだ14歳という若さでした。

 デビュー・ヒット「子供じゃないの」をはじめ、「悲しき片想い」などイギリスではヒットを連発。日本でも弘田三枝子が日本語でカヴァーして、テレビ、ラジオでもよく流れていました。

 このヘレン・シャピロ3枚組ヒストリー・ベストは、ヒット曲はもちろん、アルバムに収められていた珍しいカヴァーや、当時未発表だった曲を含めた全89曲。聴き応えありながら価格はとてもリーズナブルです。(輸入CD 『Ultimate Helen Shapiro』 EMI GOLD 5099907003929)

 さて今日のこの1曲、同時代ヒット的には1964年「恋のハッスル」(Not Responsible)なのですが、珍しいところでクリスタルズのカヴァー「ヒーズ・ア・レベル」を。

 ヘレンの迫力ある低音の声に、フィル・スペクター関連の曲は相性ピッタリ! 森 勉

2011年10月3日(月) Bob B. Soxx and The Blue Jeans 「Zip-A-Dee-Doo-Dah」

フィル・スペクターのBOX、国内盤が12月21日発売決定しました。

 フィル・スペクターのレーベル、“フィレス”から発売された名作オリジナル・アルバム6作と、入手困難だったシングルB面曲を集めたボーナスCDをプラスした7枚組CD BOX。

最新リマスター、国内盤は解説・歌詞・対訳付、高音質ディスクBlu-spec CD仕様で、7CDながら10,500円という低価格設定がうれしいですね。

 注目のB面集には、ゴーゴーナイアガラのテーマ曲で有名な「Dr. Kaplan's Office」(Bob B. Soxx and The Blue Jeans)も入るようで楽しみ。

 限定盤ですし、毎度のことながらいつまで発売しているかわからないフィル・スペクター関連商品なので、“ウォール・オブ・サウンド”好きの方は要チェック! 無事発売になるといいですね。

 なお、“フィル・スペクター”、“ウォール・オブ・サウンド”をご存知でない方には、今日紹介するこのベスト盤がオススメ。

 フィル・スペクターがプロデュースしたロネッツ、クリスタルズ、ダーレン・ラヴ、ボブ・B・ソックス、ライチャス・ブラザーズなど人気曲がコンパクトに入った全19曲お買得収録コンピです。(『Wall Of Sound:The Very Best Of Phil Spector 1961-1966』 輸入CD 88697612942)

入門編として最適! これ聴いてダメなら、フィル・スペクター関連は肌に合わない、と判断できるリトマス紙的1枚でしょう。森 陽馬

2011年10月4日(火) 伊集院 幸希 「Life Is Beautiful」

小西康陽、湯浅学、内田春菊、信藤三雄が大絶賛!

音楽誌でも評判の新人女性シンガー・ソングライター、伊集院幸希の5曲入りデビュー盤『あたしの魂』が本日入荷。(HOTWAXCD-1001 1,260円)

 熊本県出身の彼女の歌声はボニー・ピンクに似ていて、サウンドはアナログ的な質感でソウルフル。

“好きな歌手”としてアレサ・フランクリンやサム・クック、サム&デイヴを挙げているように、最近のソウル/R&Bではなく、まさに60〜70's志向のアレンジでジックリと聴かせます。

 3曲目「Life Is Beautiful」はイントロの雰囲気がモータウン的。
スウィング・アウト・シスターのカヴァーでも有名なバーバラ・アクリン「Am I The Same Girl」に似た雰囲気の1曲ですね。

 “好きなレコード”が、カレン・ダルトン『In My Own Time』だそうで、もっとブルージーかつルーツ・ロック的なアレンジの曲もこれから期待したいところ。

 ボニー・ピンク、Superfly、ラヴ・サイケデリコなどお好きな方、要チェックの女性シンガーです。森 陽馬

2011年10月5日(水) Wilco 「I Love My Label」

今年のフジロックで来日、3日目ホワイト・ステージのトリを務めたアメリカの6人組ロック・バンド、ウィルコ。

 自主レーベル“dBpm Records”(デジベルズ・パー・ミニット・レコーズ)を設立し、約2年ぶり8作目となる新作『The Whole Love』をリリースしました。(国内CD EICP-1476 2,520円)

 いきなり7分を越える@(ニール・ヤングからインスピレーションを受けているという曲、後半でノイジーなギター炸裂!)以外は割とポップな曲も多く、アレンジにはメロトロンやオルガンを中心に、グロッケン、カオシレーター、ウクレレなどが効果的に使われています。スティール・ギターが入るフォーキーな曲もいいですね。

 日本盤ボーナス・トラックには、新作のリード曲「I Might」のEPB面に収められたニック・ロウのカバー「I Love My Label」を収録。

 タイトル通り、新設したレーベルへの愛を込め、この曲を取り上げたのだそうで、割と原曲に近い感じでカバーしています。

秋の北米ツアーではニック・ロウがサポートを務めたそうです。
この組み合わせで観れるなんて羨ましい!東尾 沙紀

2011年10月6日(木) Link Wray 「Rumble」

 映画『ゲット・ラウド』を先日鑑賞。

 ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)、エッジ(U2)、ジャック・ホワイト(元ホワイト・ストライプス)、というギタリスト3人が、ギターに対する想いを語りながらセッションする、というドキュメンタリー作品。

 3人の回想が入り乱れた編集がやや煩雑な印象もありましたが、飽きずに楽しく見ることができました。

 特に面白かったのは、ジミー・ペイジが自宅の音楽ルームで、自らが所有しているレコードをターンテーブルにのせて聴きながら好きな音楽について語るシーン。

 リンク・レイ「ランブル」のEPをかけながら、まるで子供のようにギターを弾くマネをしつつ、“ランブル・ギター考”を語る場面は、見ていて思わず微笑んでしまいました。

 エッジによる学生時の回想やエフェクター話も必見。

 ちなみにエンドロール場面、3人でセッションした曲が意外?なカヴァーでした。何故その曲にしたのでしょうね。(その曲は見てのお楽しみということで) 森 陽馬

★掲載ジャケットはリンク・レイ「ランブル」収録のお買い得編集盤。
(輸入2枚組CD 『Essential Rock'N'Roll Instrumental』 PRMCD-6097)

2011年10月7日(金) クラッシュ 「ロック・ザ・カスバ」

 地デジ化されてから民放BSチャンネルが見れるようになったので、小林克也DJによる『ベスト・ヒットUSA』を時々見ています。

 しかしいつも、ウー・・・ムゥ・・・、とうなってしまうチャートばかり。
まるで浦島太郎状態、知らない名前と馴染み難いサウンドのオンパレード。

 僕のような1960年代からアメリカのヒットソング・チャートに興味を持った古い人間は今のチャートにシンパシーを感じなくなってもしょうがないかな、と思ってしまいます。

 しかしお若い方々も現在のアメリカン・チャートには興味を持てなくなっている方が多いようです。サウンドが偏り過ぎているのでしょうか・・・。HIP HOPとライト・テイストのカントリー・タイプの音楽が多いというかそればかりのような気がします。

 7インチ・シングルがなくなり始めた1990年代前半あたりからアメリカのチャートがヘンテコな感じになってきたと思います。
 同じ曲が10週間以上もNo.1を独占することが多くなったり、チャート内に長期間留まっている曲も大幅に増えたり・・・。人間のからだでいうところの新陳代謝が悪くなってしまったのですね。

 前置きが長くなってしまいましたが、今日はアメリカのヒット・チャートがヴァラエティーに富み、毎週チャート・アクションも楽しみだった昔のベスト・ヒット・USAが放送されていた頃のヒット曲を。

 1982年暮から1983年初頭にかけて大ヒットしたクラッシュ「ロック・ザ・カスバ」はベスト10内に入りましたね。

 1977年にクラッシュがデビューした時からストレートなロックンロールに好感を持っていましたが、まさかアメリカのチャート・ベスト10にランクインするグループになろうとは。なんだかうれしかった出来事でした。

 ちなみにこの曲が流行っていた頃、他にはマーヴィン・ゲイ「セクシャル・ヒーリング」、TOTO「アフリカ」、フィル・コリンズ「恋はあせらず」、ABC「ルック・オブ・ラヴ」、ホール&オーツ「マンイーター」、ジョー・ジャクソン「ステッピン・アウト」などがヒットしていました。森 勉

★掲載ジャケットは「ロック・ザ・カスバ」収録、1982年発表アルバム『コンバット・ロック』。

2011年10月8日(土) YMO 「マッドメン」

東京ローカル・ホンク、11月16日発売新作『さよならカーゴカルト』。
 当店にてお買い上げの方には先着で11月27日(日)当店地下アゲインで行われる発売記念ライヴにご招待する予定ですが、その開演時間が決まりました。

 2部入替制で、各々定員40名。
1部が開場15時、開演16時。
2部が開場18時半、開演19時半。
 ご予約の方から先着でどちらか選んでいただくことになります。

 ライヴだけでなくトークもありのイベントになる予定。
なお他にも何か特典を作成したいと思っております。お楽しみに!

 さて、その新作アルバム・タイトル『さよならカーゴカルト』というのは、名漫画家、諸星大二郎の作品(『マッドメン』など)からインスパイアされたもののようです。

 実際に、アルバム1曲目は「泥男」という曲名。
まだ一度もライヴで演奏されたことがないので、どんな曲か楽しみ!

 ちなみに、YMO「マッドメン」(The Madmen)は、細野晴臣さんが諸星大二郎へのオマージュとして書かれた曲だそうです。森 陽馬

★掲載ジャケットは「マッドメン」収録、1983年発表作YMO『サーヴィス』。(限定紙ジャケットBlu-spec仕様 MHCL-20110 2,500円) なお本来なら綴り“Mudmen”のところ、当時の誤植で“Madmen”になり、そのままできているとのこと。

2011年10月9日(日) ニール・イネス 「Etcetera」

 小さくて薄い紙ジャケのため家の中で行方不明だったニール・イネスのCDを久々に見つけたので、今日のこの1曲で取り上げてみたいと思います。

 元々自身の番組のために書き下ろされたという79年発表作『ブック・オブ・レコーズ』(MSIG-102 2,835円)

 ビートルズ「I Am The Walrus」風の曲や、テクノ・ポップ、レゲエ、ラグタイム・ピアノを取り入れたインスト、優雅なジャズ・ナンバーなどパロディ的要素がたっぷり。

 時々ふと何のアルバムを聴いているのか忘れそうになりますが、ニール・イネスの音楽センスが詰まったとても楽しい作品です。

 中でも一番最後の曲「Etcetera」は、深まる秋にぴったりの心地良いソフト・ロック・ナンバー。

 60年代の雰囲気を醸し出している男女混声コーラスが良い感じです。東尾沙紀

2011年10月10日(月) ジョージ・ベンソン 「抱きしめたい」

 『ブリージン』でお馴染みの名ジャズ・ギタリスト、ジョージ・ベンソンの新作アルバム『ギター・マン』が先日発売。(国内盤ボーナス・トラック1曲追加 UCCO-1114 2,800円)

 2009年発表前作『Songs And Stories』(2009年8月25日のこのコーナでも取り上げました)は、ヴォーカル曲が中心でしたが、今作はタイトル通りギター・インスト中心。(歌っているのは13曲中3曲)

 冒頭@「テンダリー」、続くA「抱きしめたい」(I Want To Hold Your Hand)、更にノラ・ジョーンズカヴァーE「Don't Know Why」では、ナイロン弦ギターを使用し、まるで往年のアール・クルーのような雰囲気♪

 他の曲も温もりあるギターの音色で聴かせます。

 特にビートルズ・カヴァーA「抱きしめたい」。
イントロからして「ブリージン」っぽいアレンジで聴きものです。

 個人的には、切ないF「The Lady In My Life」が沁みました。森 陽馬

2011年10月11日(火) 大貫 妙子 「東京オアシス」

 女性を中心に人気の映画『かもめ食堂』(2006年)、『めがね』(2007年)を手掛けたスタッフによる最新映画『東京オアシス』。(監督は荻上直子ではなく、松本佳奈&中村佳代。主演は小林聡美、加瀬亮、原田知世、黒木華)

 映画音楽は大貫妙子さんが担当していますが、そのサントラ盤が本日入荷してきました。(VPCD-81714 1,500円)

 小倉博和によるギター曲@「サスライの街」他穏やかなインスト中心の全8トラック収録。

 ボーカル入りはタイトル曲「東京オアシス」のみですが、そっと寄り添うようなやさしい歌と詞が印象的。
 林立夫(ドラムス)、鈴木正人(ベース)、小倉博和(ギター)によるさりげないバック演奏も、映画と大貫さんの世界観を見事に音像化しています。

 写真ではわかりにくいですが、透明シートに印刷されたブックレットのデザインも面白い仕様。

 ちなみに映画は10月22日から全国順次公開予定です。森 陽馬

2011年10月12日(水) ザ・ビートニクス 「Didn't Want To Have To Do It」

高橋幸宏(YMO、pupa)と鈴木慶一(ムーンライダーズ)によるユニット、ザ・ビートニクス。

 約10年ぶりとなる新作『Last Train To Exitown』が本日発売。(TOCT-27097 3,000円)

 pupaのメンバー(権藤知彦、高田漣、堀江博久)が参加しているので、pupa的エレクトロニカ要素が濃いと思いきや、生音中心のサウンド。(細野晴臣もベースで1曲参加)
 鈴木慶一のソロ近作とpupaをちょうど合わせたような雰囲気だ。

 10曲中9曲がオリジナル曲。
唯一のカヴァー曲はジョン・セバスチャン作によるラヴィン・スプーンフルの名曲E「Didn't Want To Have To Do It」。

 ロジャー・ニコルス&スモール・サークル・オブ・フレンズのカヴァーも有名なこの曲を、堀江博久のウーリッツァー、権藤知彦によるユーフォニウム(管楽器の一種)、そしてストリングスも交え、オリジナルのテンポは崩さず幸宏さんが情感込めて歌っている。

 なお、日本語で歌われている曲には英訳、英語で歌われている曲には日本語訳がブックレットに掲載されており、歌詞ひとつひとつに様々な暗喩がありそうだ。森 陽馬

2011年10月13日(木) Brian Wilson 「Listen To Me」

11月2日発売予定のビーチ・ボーイズ『SMiLE』限定BOX国内盤。

少量追加入荷が決まりました!
ご希望の方はお早めにご連絡・ご予約ください。(当店ではオマケも!?)

さて、『SMiLE』も出ますが、10月下旬に入荷予定のブライアン・ウィルソンも新作も楽しみですね。

前作ガーシュウィン・カヴァーに続き、今度はディズニー・カヴァー。
聴き馴染みのあるディズニー名曲にどんなブライアン・マジックが味付けされているのでしょうね。

ちなみにブライアン・ウィルソンといえば、先日発売されたバディ・ホリートリビュート盤に新録音源「Listen To Me」が収録されていました。

バディ・ホリー・トリビュート盤は『RAVE ON BUDDY HOLLY』(2011年7月8日のこのコーナーで紹介)が今夏に出たばかりですが、このCDはピーター・アッシャーがプロデュースしVerveからリリースされた別作品。(輸入CD 『Listen To Me BUDDY HOLLY』 全16曲 Verve Forecast 16050-02)

 こちらも豪華ミュージシャン多数で、ジェフ・リン、ジャクソン・ブラウン、リンゴ・スター、スティーヴィー・ニックス、ズーイー・デシャネル(シー&ヒム)、エリック・アイドルも参加。

 ブライアン・ウィルソンはジェフリー・フォスケットやスコット・ベネットを含む現ブライアン・バンドを従え、「Listen To Me」をゴキゲンにカヴァーしています。(なおこちらのトリビュート盤は国内盤が出る予定はないようです) 森 陽馬

2011年10月14日(金) Noel Gallagher's High Flying Birds 「Stop The Clocks」

オアシスの兄の方、ノエル・ギャラガー待望のソロ作が今週日本先行でリリースされました。(ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ 初回DVD付限定盤 SICP-3275 3,150円)

 オアシス解散後、期待も膨らみに膨らんだところで満を持してのリリースとなったノエル初のソロ作品。

 ストリングスやホーン、コーラス等による厚みのあるサウンドは、まさに一人オアシス♪

 思っていた以上にかっこいいアルバムで、ポップなビーディ・アイも良いですが、何度も繰り返し聴きたくなるのはこちらかなと思います。

 特に気になった1曲が、本編最後を飾る「Stop The Clocks」。

穏やかな曲調から一転、終盤の盛り上がりは何度聴いてもかっこいい!
現在はプロデューサーなどで活躍、以前からオアシスとも関わりのあるポール・ステイシー(元ブラック・クロウズ) が、この曲でギターソロを弾いています。聴きもの!

 初回盤に付いているDVDには、アルバム・メイキングやPVなど約43分の映像を収録。パッケージはケース付きのハードカバーブックレット仕様。日本盤ボーナストラックも2曲追加されそれも良い曲です。

来年の1月中旬には初単独来日(東京公演のみ)も決定しています。東尾沙紀

2011年10月15日(土) Nikki Jean 「Sex, Lie & Sunshine」

新人さんです。アメリカの黒人歌手、ニッキ・ジーンのファースト・アルバムですが、それが凄い内容でビックリ!(輸入CD 『Pennies In A Jar』 S-CURVE 0731518012)

 彼女が次に挙げる超大物たちと各曲を共作しているというのです。

 キャロル・キング、ボブ・ディラン、バート・バカラック、ジミー・ウェッブ、トム・ベル、バリーマン&シンシア・ワイル、ジェフ・バリー、ポール・ウィリアムス、ラモン・ドジャー、カーリー・サイモン、etc...。

 最初その情報を聞いた時は眉唾ものだな、と思ったのですが音を聴いて、これはイケる、と感じました。
 どの曲もそのソングライターの味がきちんと沁みていて、思わずニヤリとしてしまうのです。

 特にバート・バカラック、トム・ベル、ラモン・ドジャー、バリーマンとの共作が個人的に気に入ったのですが、その各曲はアレンジも見事で過去の名曲のエッセンスが練り込まれているのがわかります。

 ニッキ自身のヴォーカルは個性的な楽曲を変に強調することがないナチュラルな声で表現しているので、とても聴きやすいものになっています。

今日は最後に入っているカーリー・サイモンとの共作曲を取り上げます。

 全12曲の中で今一番気に入っている曲です。

 60'sポップスを思い起こさせてくれるメロディー、特に♪ウォーホッホー・トゥナイト♪というリフは思わず口づさみたくなるフレーズで、ニッキの歌い方もキュート。
 1日何回も聴きたくなる曲になりそうです。森 勉

2011年10月16日(日) ダニー・ハサウェイ 「NU-PO」(未発表ライヴ)

今日は暑い1日でした。東京は30度近かったようです。

 でも7〜8月と違ってカラッと爽やか。秋の香りが心地良く感じられてくると、ダニー・ハサウェイを聴きたくなります。

ということで、購入しようか迷っていたダニー・ハサウェイ4枚組BOXセット『Someday We'll All Be Free』をついつい買ってしまいました。(国内盤 解説・歌詞・対訳付 WQCP-1075 5,800円)

 RHINOレーベル(フランス・プレス)から昨年発売されていたBOXで、基本的には既発オリジナル作とライヴ音源を4枚のCDに収録。

 未発表ライヴ&デモ音源は計7曲ですから、ダニー・ハサウェイのアルバムを全て持っている、という方にはコレクター的マニアでない限りオススメしにくいものでした。(輸入盤はフランス語によるブックレットでしたし)

 ただ、先日発売された国内盤には印南敦史氏による詳細な解説、そして歌詞・対訳がブックレット仕様で付き値段もそれほど高くないので、ダニー・ハサウェイ好きの方は持ってて損なしだと思います。

 気になる未発表の中で聴きものはやはりライヴ音源2曲でしょう。

 1973年ニューヨーク、カーネギー・ホール・ライヴからの未発表音源。
「NU-PO」というインスト曲と、73年作『愛と自由を求めて』に収録されていた「LOVE LOVE LOVE」(邦題:愛のすべて)のライヴ。

 特に「NU-PO」は、「Valdez In The Country」をもうちょっとジャズっぽくした感じの7分を越すクールなインスト! かっこいい!

今宵秋の夜長はしばらくダニー・ハサウェイ三昧となりそうです。森 陽馬

2011年10月17日(月) ボビー・ヴィントン 「ブルー・ヴェルヴェット」

東京は昨日のように暑い日があったりしますが、秋らしい気候になってきました。

 新聞などを見るとあちこちが紅葉している写真も載っていて、目でも秋を感じさせてくれています。ということで・・・。

 秋になると聴きたくなる声があります。
ボビー・ヴィントン!

 なんとも甘くて、そして愁いを持ったヴェルヴェット・ヴォイス。

 ミドル60'sブリティッシュ・ビートがアメリカのチャートを席巻している時、その合間にラジオから流れてきた彼の声にとても惹かれました。

 曲は「ブルー・ヴェルヴェット」。

 アメリカでヒットしたのは1963年夏から秋にかけてでしたが、僕がラジオで初めてこの曲を聴いたのは、1964年になってからでした。

 本当にいい声、いい曲です。

 ボビー・ヴィントンは、「ブルー・オン・ブルー」、「ローゼス・アー・レッド」、「トラブル・イズ・マイ・ミドル・ネイム」、「プリーズ・ラヴ・ミー・フォーエヴァー」などお気に入りの曲が多いヴォーカリストです。森 勉

★掲載ジャケットは上記の名曲含めいい曲いっぱい全20曲ベスト盤。(国内CD 解説・歌詞・対訳付 MHCP-133 2,520円)

2011年10月18日(火) 斉藤和義 「ウサギとカメ」

「ずっと好きだった」の替え歌「ずっとウソだった」で原発・東電・政府を批判し、今まで以上に注目を浴びることとなった斉藤和義。

 45歳になった彼が15作目となる新作『45 STONES』をリリース。(初回盤USTREAMライヴ+ボーナス曲CD付 VIZL-545 3,500円)

 「ずっとウソだった」は入ってないが、とにかく強烈な1枚!

 これまでもソングライターとしてメッセージ色の強い歌を彼は作ってきたが、今回はまた違った気概というか清志郎の魂を受け継いだような作品だ。

 特に、元ブランキーのドラマー中村達也と組んだC「猿の惑星」、F「オオカミ中年」は痛快!

 “NO NUKES!”と明言し、自らのそして皆の“怒り”を歌と演奏にブチ込んでいる。

 3.11前に録音を開始し、3.11翌日に完成した(歌詞は5月に少し書き替えたそうだ)という1曲目「ウサギとカメ」も素晴らしい。

♪顔のないヒマ人が今日もチマチマ書き込み
でも気にすることないさ どうせ名無しの卑怯者♪
という文句にグッときた。森 陽馬

2011年10月19日(水) Mike Viola 「ME AND MY DRINKING」

マイク・ヴァイオラは90年代から活動しているアメリカの男性ポップ・シンガーソングライター。

 2008年以来の新作『Erectro De Perfecto』(輸入CD HBGR-1CD)をリリースしました。

 ファウンテンズ・オブ・ウェインの新作を取り上げた2011年7月20日の今日のこの1曲で、アダム・シュレンジャーが手掛けた映画『すべてのあなたに』主題歌の話がありましたが、そこで歌を担当していたのがこの人です。

 ビートルズ/ビーチ・ボーイズに影響を受けたポップで良いメロディを書く人なのですが、コーラスも多めで明るい雰囲気だった前作に比べると、今回はロック色がより強く、何かを訴えかけるような歌声が印象的です。

 サビのベースラインにビートルズ「Taxman」を引用した「ME AND MY DRINKING」や「SOUNDTRACK OF MY SUMMER」など、ポップな曲も勿論健在です。

 2曲目「GET YOU BACK」には、アダム・シュレンジャーがベース、元セミソニックのダン・ウィルソンがコーラスで参加しています。東尾沙紀

2011年10月20日(木)ヒダカトオルとフェッドミュージック 「LONELY BOY」 (アンドリュー・ゴールドのカヴァー)

BEAT CRUSADERSというと、イキのいいJ-ROCKバンドというイメージが強かったのですが、その中心人物であったヒダカトオルによる新作は“AOR”がテーマ。

 “AOR”といっても、広義な意味合いでは“70'sサウンド”。
押し一辺倒のロックではなく、ヒダカトオル自身が好きな大人のロック/ポップスを実践するコンセプトがあるようです。

 第一弾となるこのシングルは、そのヒダカトオル&フェッドミュージックと、CUBISMO GRAFICO(松田岳ニ)&櫛引彩香による4曲入スプリット・シングル(HICC-3269 1,050円)。 各々のオリジナル曲と、お気に入り曲のカヴァーを収録。

 超HAPPYでPOPなリフが印象的なヒダカトオルのオリジナル曲「Double Fantasy」も聴きものですが、2曲目ではなんと!アンドリュー・ゴールド「LONELY BOY」をカヴァーしています。

 今年急逝してしまった70'sアメリカンSSW、アンドリュー・ゴールドといえばこの名曲!という「LONELY BOY」を、ちょっとテンポを速め、ほぼ完コピ・アレンジでカヴァー。(できれば、中間部分のギター・ソロも再現して欲しかったですね)

 なおCUBISMO GRAFICO&櫛引彩香の方は、4曲目でリンダ・ルイス「SPRING SONG」をカヴァーしています。森 陽馬


★ちなみに、アンドリュー・ゴールドとグレアム・グールドマン(10cc)が80年代に組んだWAXというグループのアルバム2タイトルが本日再発されました。2W同時購入先着特典で8cmシングルCDが付いてきます。森 陽馬

2011年10月21日(金) 徳武弘文 「サムホエア・オーヴァー・ザ・レインボウ」(虹の彼方に)

ギタリスト徳武弘文のソロ・アルバム『オーヴァー・ザ・レインボウ』が発売されました。(VSCD-3387 2,500円)

 ラストショウ、Dr.K・プロジェクトなど自身が結成したグループをはじめ、細野晴臣、大滝詠一のレコーディングにも参加、その他数多くのアーティストのスタジオ及びライヴでも活躍。

 カントリー・フィーリングを基調とした歌心溢れたギター・サウンドは、裏方とはいえ聴く人が聴けば、さすが!と唸ってしまうものばかりです。

 今回のアルバムはそんな“ドクター・K”こと徳武弘文のギターがたっぷり味わえる作りになっています。

 一人ゴンチチ、または山弦のようなガット&アコースティック・ギターのアンサンブルが素敵なオリジナル曲「サムデイ」や、慕情あふれるヴェンチャーズ・カヴァー「京都慕情」などは、今の季節にピッタリです。

 細野晴臣お気に入りのレイモンド・スコット楽曲カヴァー「アット・アン・アラビアン・ハウス・パーティ」での、オーケストラものを各種ギターの多重録音で表現したヴァージョンもお見事。

 アルバム・タイトルにもなった「虹の彼方に」は、レスポール・サウンドを再現して、より曲の美しさを堪能させてくれます。森 勉

★徳武弘文還暦記念ライヴも予定されています。
10/23(日)横浜、10/27(木)大阪、10/28(金)名古屋、10/30(日)東京。ジェリー・マッギー、マーク・ベノという楽しみなゲストも出演するそうです。くわしくはトムズ・キャビンまで。

2011年10月22日(土) THE NORWEGIAN FORDS 「Superglue Kiss」

数週間前から店内中央コーナーは、“秋に聴きたい推薦盤”特集。

 その特設コーナーで好評なのが、8月1日にHPで紹介したマイケル・フランクスの新作『Time Together』(ジャケットもイイですよね。国内盤も出ました)と、今日紹介するTHE NORWEGIAN FORDSというグループのCDです。

 THE NORWEGIAN FORDSは、ノルウェー出身エリック・エンゾとポール・コールによるロック・ポップ・ユニット。

 これがまさに“ノルウェーのスティーリー・ダン”!

 現代のユニットながら、全体的なサウンドはスティーリー・ダンやマイケル・マクドナルド在籍時のドゥービーが活躍していた頃の雰囲気。

 歌声もドナルド・フェイゲンにそっくり!
『エイジャ』的な演奏センスとメロウ・ポップな楽曲が見事絡み合って現代に録音された1枚。

 AOR/スティーリー・ダン好きの方なら楽しめること間違いなし!でしょう。森 陽馬


★掲載ジャケットは、2011年発表新作『Somewhere Down The Road You'll Listen』。(輸入CD CEM-2) こちらが気に入ったら2008年発表1stアルバム『THE NORWEGIAN FORDS』もオススメです。

2011年10月23日(日)フィル・スペクター・ウォール・オブ・サウンド・オーケストラ 「ドクター・カプランズ・オフィス」

フィル・スペクターBOXセットのアメリカ盤が発売になりました。

 春先から発売が噂され、当初は6月に6枚組、とのインフォメーションもなされましたが、結局CD7枚組ということになり、めでたく店頭に並びました。

 このBOXの正式なタイトルは、『フィレス・アルバム・コレクション』というもので、1962年から1964年にフィレス・レーベルで発売になったLPを各作品ごとにCD化したものです。

・クリスタルズ『ツイスト・アップダウン』
・クリスタルズ『ヒーズ・ア・レベル』
・『クリスタルズ・シング・ザ・グレイテスト・ヒッツVOL.1』
・ボブ・B・ソックス&ブルージーンズ『ジップ・ア・ディ・ドゥ・ダー』
・オムニバス『トゥデイズ・ヒッツ』
・ロネッツ『プレゼンティング・ザ・ファビュラス・ロネッツfeatヴェロニカ』

 上記6枚にシングル盤B面集『フィルズ・フリップサイズ』が加えられての7枚組です。

 今日はその中からフィル・スペクター・ウォール・オブ・サウンド・オーケストラ名義で、収録17曲が全て初CD化という『フィルズ・フリップサイズ』に注目。

 シングルA面を強調するために、そして当時のラジオDJにB面をプッシュさせないために、インストやおふざけのような曲をB面にしたというフィル・スペクターのアイディアと狂気が詰め込まれた作品群!といえるかもしれません。

 3曲目「ドクター・カプランズ・オフィス」は日本のオールディーズ・ファンにはとても有名な1曲。
 大滝詠一ラジオDJ番組『ゴーゴーナイアガラ』テーマ曲として使われていたあの曲です。

 うれしいうれしいオフィシャルでは初のCD化です。

 それにしても1970年代半ばにこのB面曲をテーマソングにした大滝さんって、やっぱりスゴイ人ですね。

 12月21日に国内盤が出ますが、それまで待てない!という方はこのアメリカ盤をどうぞ。収録曲は同じです。森 勉

2011年10月24日(月) Peacebird 「Let The Sunlight In」

ディスク・デシネからリリースされているボッサ・アルバム前3作がいずれも好評だった、スウェーデン出身の男性シンガーソングライター、ヨハン・クリスター・シュッツ。

 昨年日本人女性との結婚を機に移住されたそうで、関東を中心に各地でライブ活動も行われているようです。

 今月彼の新プロジェクト“PEACEBIRD”名義での新作がリリースされました。(『Peacebird』 DQC-784 2,500円)

 ソウル、ジャズ・テイストのゆったりしたものから、キラキラしたテンポのいいポップ・ソングまでメロディアスな曲が詰まった作品になっています♪

 今日のこの1曲は「Let The Sunlight In」。
彼が作詞作曲し、土岐麻子に提供した曲です。(2009年作『TOUCH』収録)

 曲の後半にシタールのような音が聴こえてきます。今作には沖井礼二(ベース)や中松義成(ギター)など日本のミュージシャンも参加。

 声や歌い方はパディ・マクアルーン(プリファブ・スプラウト)に似た雰囲気もあるかと思います。ギターポップ好きな方にもオススメの1枚です。東尾沙紀

2011年10月25日(火) Brian Wilson 「Colors Of The Wind」

話題騒然の『スマイル』より一足先に、ブライアン・ウィルソン新録音盤が出ました。

 タイトルは『イン・ザ・キー・オブ・ディズニー』。
(輸入CD 『In The key Of Disney』 DISNEY 1345502)

 今回はディズニー映画で使われた曲をカヴァーしたアルバムです。

 「星に願いを」(ピノキオ)、「ハイホー」(白雪姫)、「ステイ・アウェイ」(メリー・ポピンズ)、「ベイビー・マイン」(ダンボ)など昔からのディズニー・ファンにお馴染みの曲と、近年のディズニー映画の曲も含まれています。

 「トイ・ストーリー」、「トイ・ストーリー3」(共にランディ・ニューマン作)、「ライオン・キング」からの2曲(エルトン・ジョン作)、「リトル・マーメイド」からの曲も収録し、全てブライアンらしい素敵な仕上がりです。

 そして今作もいつものブライアン・バンドが大活躍。
演奏にコーラスに、随所にビーチ・ボーイズ・テイストを感じさせつつ、ブライアンの作りたい音をあるべき形にしています。

 今日のこの1曲には、第一印象で一番心に響いた曲を。
「ポカホンタス」で使われた「カラーズ・オブ・ザ・ウインド」はやはり名曲ですね。

 ブライアンの優しさあふれるヴォーカルに胸が熱くなってしまいます。

 バックのコーラス・ハーモニーは、リンダ・ロンシュタット「アディオス」(ジミー・ウェッブ作)に参加した時のブライアンを思い出させるアレンジで、それを聴いてまたホロリ。森 勉

2011年10月26日(水) Doris Day 「Disney Girl」

ビーチ・ボーイズ『スマイル』国内盤限定BOX、及び2枚組仕様盤が、11月16日に発売延期となりました。

 当店の特典、ロゴ入りトート・バックも用意ができて、あと1週間!と思っていたところ、いきなりの延期報告・・・。
 残念ではありますが、今まで40年近くも待たされた作品ですから、気長に待つことにしましょう。(ちなみに輸入盤各種と国内盤1枚ものは今のところ延期の案内が来ていません。それらは来週入荷する予定です)

 ちなみに国内盤メーカー特典として、『スマイル』発売記念ポストカードが付くことになりました。

 このポストカードは『スマイル』でなくてもビーチ・ボーイズ関連国内盤を期間中お買い上げの方に差し上げられる予定です。Tシャツやポスターが当たるプレゼント・キャンペーンもあるみたいですね。

 ということで、『スマイル』が出るまでに聴いておきたい、ビーチ・ボーイズ・ファンにオススメのCDを昨日に続いて紹介しましょう。

 ドリス・デイは1940年代から活躍している女優&名シンガー。
87歳となった彼女の新リリース・アルバムが発売されました。
(輸入CD 『My Heart』 SONY 88697927752)

 彼女の息子、故テリー・メルチャーは、ブルース・ジョンストンとのブルース&テリーなどで、ビーチ・ボーイズ人脈の一人として知られる名音楽プロデューサーですが、そのブルース&テリーが関わって今までにレコーディングしていた音源を編集したのが本作のようです。

 これが素晴らしく感動的な仕上がり!

 ブルース作名曲H「Disney Girl」の美しいアレンジ、ブルースの未発表楽曲C「Heaven Tonight」、テリー・メルチャーのヴォーカル&ドリスの語りが泣けるJ「Happy Endings」は、ビーチ・ボ−イズ好きの方に是非聴いてもらいたいナンバー!

 しっとりと歌われるラヴィン・スプーンフル「Daydream」、ビリー・プレストン「You Are So Beautiful」のカヴァー他、ジャズ・ヴォーカル好きの方にももちろんオススメの1枚です。森 陽馬

2011年10月27日(木) トニー・ベネット&レディー・ガガ 「ザ・レディ・イズ・ア・トランプ」

注目&オススメの新譜リリースが続きすっかり紹介が遅れましたが、今月のロングセラー洋楽アルバムがこれ。

御年85歳トニー・ベネットのデュエット・アルバム第2弾『デュエットU』。
(国内CD SICP-3258 2,520円 初回DVD付も3,780円で発売中)

 2006年にリリースされた『デュエット』第1弾は、ポール・マッカートニー、スティーヴィー・ワンダー、ジェイムス・テイラー、ビリー・ジョエル他、往年の名シンガーが集結。フィル・ラモーンがプロデュースを担当し、ゴージャスな内容で好評でした。

 第2弾となる新作も引き続きフィル・ラモーンがプロデュース。
レディー・ガガ、故エイミー・ワインハウス、ジョン・メイヤー、マイケル・ブーブレ、ノラ・ジョーンズなど最近のビッグ・ネームに加え、ウィリー・ネルソン、アレサ・フランクリン、ナタリー・コールなど大御所も参加。

 近年のデュエット曲は別録りが多いそうですが、今作はトニー・ベネットと参加アーティストがちゃんと一緒にスタジオに入り、ライヴ形式で録音されたとのこと。温かい息遣いが伝わってきます。

 特に1曲目レディー・ガガとのデュエット。

 派手なファッションで語られることが多い彼女ですが、堂々とした歌いっぷりは見事の一語! 話題性として1曲目になったのではなく、その素晴らしい歌声だからこそなのだと、この曲を聴いて実感しました。

ちなみに楽曲「The lady Is A Tramp」はロジャース&ハート作(リチャード・ロジャース&ロレンツ・ハート)による1937年上演ミュージカル『Babe In Arms』劇中歌。(歌詞に“ロジャース&ハート”が出てきますね)

 なお、存在感タップリの二人のスタジオ録音風景がこちらのレディー・ガガ日本公式サイトから見ることができます。森 陽馬

2011年10月28日(金) Cliff Richard & Percy Sledge 「I'm Your Puppet」

クリフ・リチャードのニュー・アルバムが発売されました。
(輸入CD 『Soulicious』 EMI 5099908815224)

 今回はデュエット・アルバムです。
最近評判のトニー・ベネットのデュエット盤に比べると、共演者は派手ではありませんが、名R&Bシンガーとクリフがなかなかゴキゲンな歌を披露してくれています。

 この「アイム・ユア・パペット」は1966年にジェイムス&ボビー・ピュリファイが大ヒットさせたダン・ペン&スプーナー・オールダム作品。

 デュエットの相手は、「男が女を愛するとき」のヒットを放ったパーシー・スレッジです。クリフもパーシーもそれぞれイイ味出しています。

 この曲のプロデューサーはラモン・ドジャーが担当。
アルバム15曲中11曲が彼の仕事です。

 その他のデュエットの相手は、キャンディ・ステイトン、フリーダ・ペイン、ブレンダ・ハロウェイ、ロバータ・フラック、ヴァレリー・シンプソン、デニース・ウィリアムス、デニス・エドワーズ、ラッセル・トンプキンス・ジュニア、ピーボ・ブライソン、マリリン・マックー&ビリー・デイヴィス・ジュニア等です。森 勉

2011年10月29日(土) 秋休み 「真っ黄色と真っ赤の間」

この数週間で一気に涼しくなってきました。

 寒がりな僕はコートを出して早くも冬支度。
クリスマス・アルバムも入荷してきて、冬の足音が聞こえてきます。

 ということで、あっという間に過ぎ去ってしまう“秋”のうちに聴いておきたいオススメの1枚を紹介しましょう。

 秋休みは、女性シンガーのゲピと、作詞・作曲を手掛けるバビによる韓国人男女二人組ユニット。(国内CD 日本語対訳&ボーナス・トラック追加 VSCD-9399 2,415円)

 巷で話題のK-POPとは違って、サウンドは温かなアコースティック・ポップ・サウンド。
 親しみやすい女性ヴォーカルとちょっぴり甘酸っぱいポップな楽曲が心地良く優しく胸に響きます。

 “韓国のティーンエイジ・ファンクラブ”とも呼ばれたことがあるそうですが、そこまでギター・ポップではなく、雰囲気としては日本の空気公団に近い感じ。全曲韓国語で歌われているものの、スッと耳に入ってきます。

それにしても、さすが、デシネ・レーベル!
良質で面白い音楽を見つけてきますね。森 陽馬

2011年10月30日(日) ビーチ・ボーイズ 「ワンダフル」

ビーチ・ボーイズ『スマイル』、国内盤1枚もの仕様のサンプル盤が到着しました。

 26日のこのコーナーで、国内盤限定BOX仕様と国内2枚組仕様盤が11月16日に延期になった旨ご報告しましたが、国内盤1枚もの(TOCP-71112 解説・歌詞・対訳付 2,500円)は予定通り11月2日発売となりそうです。

 早速その『スマイル』を聴いてみました。

 これが予想以上に素晴らしい! 感動しました!
 やはり兄弟のコーラス、カールの歌声はイイですね!

ということで、国内盤BOXご予約の方には少々お待ちいただくことになりますが、国内盤も確実に発売になるようですので楽しみにお待ちください。

 なお、音だけでなく、ブックレットに記載されているブライアン・ウィルソン自身による解説! これが本当に必読!

 これ読んで涙出そうになるくらい感動してしまいました。
国内盤での宮治ひろみさんによる翻訳で、全てのビーチ・ボーイズ・ファンに是非とも読んでもらいたいですね。

 円高もあって輸入盤を選択する方も多いでしょうが、上記の翻訳、萩原健太氏による詳細な解説、歌詞・対訳も付いている国内盤をオススメします。森 陽馬


★メーカー施策『スマイル』発売記念ポストカードも届きました。こちらビーチ・ボーイズ関連お買い上げの方に差し上げられます。

2011年10月31日(月) 松尾 清憲 「ラジオ・デイズ」

 ビーチ・ボーイズとは別にもう1枚、“スマイル”が付くタイトルのオススメ新作をご紹介。

 “CINEMA”、杉真理との“BOX”、そしてソロでも活動中の松尾清憲の約4年ぶり新作アルバム『One More Smile』が先日26日に発売になりました。(XQIH-1001 2,940円)

 “一人レノン=マッカートニー”と評されるそのポップ・センスは健在。
(1曲目「WING」はポール的?)

 松尾さんというとブリティッシュのイメージが強かったのですが、今作はアメリカン・ポップスの要素も随所に。

 特にC「ラジオ・デイズ」。

 松尾さんご本人も雑誌のインタビューで、ブライアン・ウィルソンを意識して作った、と語っているように、ビーチ・ボーイズ的なコーラスを重ね、センチメンタルな楽曲に仕上がっています。森 陽馬






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