PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2011月12月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2011年12月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2011年12月1日(木) Toni Stante 「Donde Esta Santa Claus」

 ずーーっとずっと聴いていなかった曲なのに、聴いたとたん「あっ!あの曲だ!」という1曲を最近発見しました。

 オールディーズ・ファンにはこのところ話題のReal Gone Musicから発売された『Cameo Parkway Holiday Hits』というクリスマス曲を集めたコンピレーションCDの中の1曲です。(輸入CD RGM-9)

 店頭で何気なくかかっていたこのCDですが、12曲目になんと!昔々聴いた懐かしい空耳フレーズ、
♪ママ!来た!飛んできたサンタクロース♪
が聴こえてくるではありませんか。

 45年ほど前になるでしょうか? ラジオから流れてきたこのクリスマス・ソングが妙に印象に残っていたんですね。
 今回聴くまで頭の端っこにあったので長年忘れていたのですが、クラス会で久し振りに再会した学友のように会った途端にスイッチが入った感じなのです。

 タイトルにもなっている♪Donde Esta Santa Claus♪のところが、♪飛んできたサンタクロース♪に聴こえるんです。

 当時ラジオで流れた時にも、ディスクジョッキーの人がそんなことを言っていたような、いないような・・・。

 この曲は1965年にアメリカでシングル発売されたようですが、今回調べてみたらカヴァーだったことがわかりました。

 オリジナル・ヒットは1958年、子役であり歌も歌っていたAugie RiosがMetroレーベルから出したもののようです。
 そちらもいずれ聴くことが出来る気がします。
♪飛んできたサンタクロース♪の正確なタイトルがわかったのですから。

 カメオ・パークウェイ・レーベルから1957〜1967年に発売されたクリスマス・ソングが18曲収録されたこのCD。今までなかなかCD化されなかった曲が多く、オールディーズ/クリスマス・ソング・ファンは要チェックです。森 勉

2011年12月2日(金) 赤い靴 「カフェ「セピアの丘」」

 来週7日に新作をリリースする大橋トリオお好きな方にもオススメの1枚。

 06年ミディからデビューしたシンガーソングライター東川亜希子(vo,p)と、大橋トリオや羊毛とおはな、星野源などのサポートで活躍中のドラマー、神谷洵平による男女二人組ユニット、“赤い靴”。

 2011年7月リリース1stアルバム『コマドイルの旅』(PWSR-1025 2,000円)には、大橋トリオ、コトリンゴ、伊藤大地(SAKEROCK)、ジャンクフジヤマが演奏やコーラスで、大橋トリオ作品でお馴染みmicca、市川和則(羊毛とおはな)等が作詞で参加してます。(10曲中4曲は英語詞)

 ポップながらどこか翳のあるメロディと幻想的な世界観の詞を、ストリングスやホーンを織り交ぜたシンプルで心地良いアレンジで聴かせてくれます。

 今日のこの一曲には、個人的に強く印象に残った、神谷さん作詞作曲「カフェ「セピアの丘」。

 メロディーラインとハーモニーが、ミッドレイク等のフォーク・ロック・バンドを彷彿とさせる曲です。

大橋トリオがピアノ、ダブルベース、アレンジで参加したジャジーな「re:sign」も注目です。東尾沙紀

2011年12月3日(土) シェルビー・フリント 「アイ・ウィル・ラヴ・ユー」

 60年代前半のガール・ポップスの中では、シェルビー・フリントの楽曲はちょっと異色といっていいかもしれません。

 自作曲が多いということ、そしていわゆるガール・ポップスらしいキラキラ感はないことが特徴なのです。

 穏やかで上品な歌い方と楽曲は、その後登場するジョニ・ミッチェルやジュディ・コリンズを思い起こさせます。

 このCDは彼女が1960年から1966年にヴァリアント・レーベルで発表したシングルA・B面22曲に、1958年ケイデンス・レーベルでの初シングルA・B面を加えた全24曲。(国内仕様盤 『コンプリート・ヴァリアント・シングルス』 CDSOL-7667 2,625円)

 時代の変化の波間を漂いながら、彼女らしさを発揮した歌がたっぷり楽しめます。

 プロデュースのバリー・デヴォーゾン、アレンジのペリー・ボトキン・ジュニアが若い彼女を好サポート。

 バート・バカラック作品「何かいいことないか仔猫ちゃん」やアドリシ・ブラザーズ作品「ワンダーランド」のように彼女にしては少し派手めな楽曲もいい雰囲気ですが、今日は自作の「アイ・ウィル・ラヴ・ユー」を。

 ケイデンス・レーベルでの録音と聴き比べもできます。森 勉

2011年12月4日(日) Chicago 「My Favorite Things」

 シカゴの新作が発売されました。

 「またクリスマス・アルバムー!?」という感じですが、そうなんです。またクリスマス・アルバムです。(ちなみに1998年と2003年、すでに2枚クリスマス作品を出しています)

 なので、タイトルが『O Christmas Three』。
“Tree”と“Three”を引っ掛けて、3作目のクリスマス作。

 現シカゴとしては、ビル・チャップリンが脱退し、ルー・パーディニという新キーボード奏者が加入してからの初新録音作となります。(ちなみに、ロバート・ラムはもちろん健在!)

 ポール・マッカートニー作カヴァー@「Wonderful Christmas Time」(ドリー・パートン参加)で始まり、盟友アメリカ参加B「I Saw Three Ships」、スティーヴ・クロッパー参加I「Rockin' And Rollin' On Christmas Day」、ビービー・ワイナンスが参加しソウルフルなH「Merry Christmas Darling」他、スウィンギーなFからロック風味なアレンジGまで全14曲。

 フィル・ラモーンプロデュース作のわりにはごった煮感ある仕上がり。
随所にシカゴらしいホーンが入っていて悪くないのですが、“シカゴ・サウンド”はクリスマス曲ではなくオリジナル曲で聴きたくなってきますね。

 まあでも、ビーチ・ボーイズに比べれば、コンスタントに新録作品を出しているからシカゴはエライ!

 スティーヴ・クロッパー参加I、有名曲カヴァーJ「My Facorite Things」、かっこいいです。森 陽馬

2011年12月5日(月) 藤山 一郎 「恋の花束」(奥様お手をどうぞ)

 「丘を越えて」、「ニコライの鐘」、「青い山脈」、「東京ラプソディ」。
 コロンビア時代の藤山一郎の曲はテレビ・ラジオの<懐かしの歌声>等番組で耳にしていましたが、ジャズ/ポピュラー調の曲をこんなに歌っているとは知りませんでした。

 藤山一郎がビクター専属時代の20代前半に録音した貴重な音源がCD化されました。(『ジャズを歌う』 VICL-63813 2,520円)

 瀬川昌久氏監修のもと、全24曲が収録されています。
(テイチクに移籍後の音源も1曲収録)

 ライナーノーツも充実しており、時代背景がわかった上で歌を楽しむことができます。

 昭和流行歌の歌手ではないクルーナーシンガーとしての藤山一郎。いいですね。 森 勉

2011年12月6日(火) 大橋トリオ 「ユニコーン」

 名作『NEWOLD』から約1年。
大橋トリオの新作オリジナル・アルバムが発売になりました。

 それも『L』と『R』、2種同時リリース!
TOYOTAラクティスCM曲「Bing Bang」は、ヴァージョン違いで両方に入っているものの、各々10曲全て新曲です。

 今年3月にはカヴァー作第2弾『FAKE BOOK U』も発表しており、リリース間隔が開いたわけではないので、「あんまり出し過ぎると楽曲の質が落ちるのでは・・・?」と危惧していましたがそれは杞憂でしたね。『L』も『R』もどちらも素晴らしい作品に仕上がってます。

 最初聴いた時は、前作に比べ地味な印象もありましたが、聴き込むほどに沁みてきます。大橋トリオの楽曲は今までもそうでしたが、聴きかえすごとに新しい音が聴こえてくるのです。

 今日のこの1曲は、『L』の1曲目「ユニコーン」。
(『L』 初回紙ジャケット仕様 RZCD-46934 2,415円)

 『NEWOLD』ツアーでも超絶ピアノを聴かせていた東京事変の伊澤一葉によるアレンジ&ピアノがクールでかっこいい! 森 陽馬

★当店にてお買い上げの方には、大橋トリオ・オリジナル・カンバッチを差し上げます。(バッチも『L』と『R』、2種あります)

2011年12月7日(水) 大橋トリオ 「アネモネが鳴いた」

本日も引き続き大橋トリオの新作からこの1曲。

 昨日ピックアップした「ユニコーン」が収録されている『L』は、ボニー・ピンクとのデュエット曲「Be there」や沁みるD「ゼロ」、H「わすれない」も収録され、最初はこちらばかりリピート。

 でも繰り返し聴くうちに『R』の方が好きになってきました。
(『R』 初回限定紙ジャケ RZCD-46935 2,415円)

 それというのも@「アネモネが鳴いた」。
これは感動の名曲ですね。

♪ ありがとうさようなら 今日と言う日よ ♪

サビのこのフレーズが心に響きます。

 ストリングス・アレンジを中島ノブユキが手掛けているのもミソ。

 秦基博が参加したB「モンスター」、G「ホルトノキ」もイイ曲ですね。森 陽馬

2011年12月8日(木) 中島ノブユキ 「Prelude E minor (プレリュード ホ短調)」

 昨日紹介した大橋トリオ「アネモネが鳴いた」で、ストリングス・アレンジを手掛けていた中島ノブユキ。

 一般的には知られていないかもしれませんが、ミュージシャン間で今最も注目されている編曲家/ピアニストかもしれません。

 パリで管弦楽・編曲を学び、映画『人間失格』、アニメーション『たまゆら』の音楽を担当。菊地成孔、UA、ゴンチチ、沖仁、高木正勝、CALMらの作品に参加し、自らもソロ作『エテパルマ』(2006年作)、『パッサカイユ』(2007年作)を発表。

 最近では、ジェーン・バーキン最新公演の音楽監督・ピアニストも務めてます。

 その彼が2010年に発表したアルバム『メランコリア』(国内CD XQAW-1101 3,000円)から今日のこの1曲「Prelude E minor (プレリュード ホ短調)」。

 ブルータス誌2011年11月15日号『気持ちいい音楽』特集で、坂本美雨が<私のお葬式でかけてほしい曲>として紹介していた曲です。

 悲しいけれど美しいピアノの奏。
クラシック、ジャズ詳しくない方にもオススメの音響名作です。森 陽馬

2011年12月9日(金) ビル・エヴァンス・トリオ 「ワルツ・フォー・デビイ」

 今年は“ビーチ・ボーイズ・レコード・デビュー50周年”ですが、ジャズ・ファンにとっては、ビル・エヴァンス・トリオの名盤『ワルツ・フォー・デビイ』が録音されて50周年という年でもありました。

 『ワルツ・フォー・デビイ』は1961年6月25日、ニューヨーク<ヴィレッジ・ヴァンガード>というジャズ・クラブでのライヴ・レコーディングです。

 この日に録音された曲は『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』というタイトルのアルバムにも収録されましたが、やはり名曲「ワルツ・フォー・デビイ」、「マイ・フーリッシュ・ハート」、「マイ・ロマンス」が収録されている『ワルツ・フォー・デビイ』の方が人気が上のようです。

 このセッションでドラムスを担当していたポール・モチアンが、先日11月22日80歳で亡くなったことが新聞に載っていました。
 ベースのスコット・ラファロは27歳、ビル・エヴァンスは51歳で亡くなってしまったので、モチアンさんは長生きしたと言えるのではないでしょうか。

 このアルバム、本当にいいですね。
こんなピアノ・トリオのライヴ体験をしてみたいです。森 勉


★ビル・エヴァンス『ワルツ・フォー・デビイ』、お買得限定価格1,100円で現在発売中です。(国内CD UCCO-9003 1,100円)

2011年12月10日(土) DSK 「Moonlight In The Forest」

 畠山美由紀とのユニット、ポート・オブ・ノーツのギタリストとして知られる小島大介。DSK名義での新作ソロ・アルバム『Trace』が発売されました。(国内CD YZDI-23 2,415円)

 彼による温かい生ギター&エレキ・ギターのメロディーに、クールなバック・トラックを重ねたインスト全14曲。

 ジャズでもCLUB MUSICでもないのですが、なんとも心地良く聴ける作品で、良質なラウンジ・アルバムお探しの方、音響好きからCLUB好きの方にもオススメしたい1枚です。

 トミー・ゲレロをもっと有機的にした雰囲気の楽曲や、初期スペシャル・アザーズをアコースティックで上品にした感じのインスト、ブルース・コバーンのギター・アルバムを彷彿とさせるトラックなど、バラバラなようでいて統一感のある仕上がり。

 ニール・ハートマン(スノーボーダー)とコラボレートしたフォト・ブックレットには、“山中の美しい自然”の写真が掲載され、この世界観が音像に表現されています。

 今日は皆既月食だったので、Moonの付く曲を選びました。
9曲目には「Full Moon Mountain」という曲もあります。森 陽馬

2011年12月11日(日) 畠山美由紀 「花の夜舟」

 ポート・オブ・ノーツやダブル・フェイマスのヴォーカリストとして知られ、今年でソロデビュー10周年を迎えた女性シンガー、畠山美由紀。

 前作『Summer Clouds, Summer Rain』以来、約4年ぶりの新作『わが美しき故郷よ』がリリースされました。(RBCP-2603 2,800円)

 宮城県気仙沼市出身である畠山さん。
3.11以降のさまざまな想いが綴られています。

 おおはた雄一が詞を書きスライド・ギターを聴かせる「その町の名は」、栗原努が作編曲した「風の吹くまま」、中島ノブユキがストリングス・アレンジ「わが美しき故郷よ」、ピアノの旋律にのせた同名の詩の朗読。

 オリジナル以外に「What A Wonderful World」、「Moon River」、「Over The Rainbow」のスタンダードカバー、童謡「浜辺の歌」、笹子重治のギター演奏で歌う「ふるさと」でアルバムは締めくくられます。

 アルバムの中で印象的だったのが「花の夜舟」。
ウェイウェイ・ウーのたおやかなニ胡の音色が響き渡る美しい一曲です。

 故郷の美しい風景を風景を懐かしむように、聴く者を優しく励ますように...。暖かい歌声が胸に響きます。東尾沙紀

2011年12月12日(月)ヴァン・モリソン 「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」

 ヴァン・モリソンはゼム脱退以来、あれだけ多くのソロ作品を発表していますが、本国イギリス(生まれはアイルランドですが)では、ヒット曲らしいヒット曲を持っていないにも関わらず、実力派アーティストになっています。

 アメリカではソロ転向後すぐの1967年に「ブラウン・アイド・ガール」がベスト10に入り、70年代前半には「ドミノ」をはじめ、「ワイルド・ナイト」、「ジャッキー・ウィルソン・セッド」など、モリソン節が冴えた曲が次々とヒット・チャートに登場したのに、イギリスでは全くチャート・インしませんでした。ロック界の七不思議のひとつ?!

 この曲も1989年にシングル発売されましたが、英米共にヒットしませんでした。当時初めてこの曲を聴いた時、あまりのイイ曲に今度こそヒットするのでは、と思いましたがダメでしたね。レコード会社のプッシュ不足が残念でした。

 しかしそれから4年後の1993年、ロッド・スチュワートが『アンプラグド』で歌ったヴァージョンが話題になり、ロッドで大ヒットを記録。この曲を書いたヴァン・モリソンのメロディー・センスが大衆に受け入れられた事実はうれしかったなぁ。

 ということで、今日はヴァン・モリソンの最高傑作バラード「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」。

 美しいストリングスの響きと優しいピアノと生ギターの音色に、ヴァンのソウルフルな節回しが絡みつく名曲です。

 ヴァン・モリソンの中で一番穏やかな雰囲気が伝わってくると言われる1989年発表アルバム『アヴァロン・サンセット』より。(国内CD UICY-93439 限定 2,800円) 森 勉

2011年12月13日(火) Bon Iver (ボン・イヴェール) 「Towers」

 第54回グラミー賞(来年2月授賞式)に4部門ノミネートされている新人、ボン・イヴェール。

 天辰保文氏のブログで先日知り、新作となる2nd『ボン・イヴェール』を早速購入、聴いてみた。

 Bon Iver(ボン・イヴェール)は、アメリカ/ウィスコンシン州出身のシンガー・ソングライター、ジャスティン・ヴァーノンによるユニット。

一聴して頭に浮かんだのは、フリート・フォクシーズとヴァン・モリソン『アストラル・ウィークス』。

 日本盤にはブックレットに歌詞・対訳が付いているがかなり難解な詞世界で、<実験的な現代詩のような原詞ですが、訳出の難しい言葉やフレーズが多く、対訳は参考程度にご参照いただければと存じます>と、対訳担当者による記述があるほど。

 楽曲自体もポップではなく、フリート・フォクシーズのような雰囲気。
叙情的な世界観があり、冬の山小屋内で録音したような独特な音像だ。

 今アメリカではこういう音が流行なのだろう。
(将来このロック・ムーヴメントがどのように形容されるのだろうか。リリシズム・ロック? ピクトリアル・アート・ロック?)

 ちなみにグラミーでは、最優秀レコード賞、楽曲賞、新人賞、オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞、4部門にノミネートされ、楽曲賞で選出されているのは3曲目「Holocene」。

 個人的には、じわじわと音が重なり合っていくC「Towers」が印象に残った。森 陽馬

2011年12月14日(水) SO NICE 「光速道路」

 シュガーベイブ、山下達郎ファン、コレは聴きもの!

 約1ヶ月前、金澤寿和さんのブログで紹介され話題となったSO NICEというグループの作品が初CD化されました。(『LOVE』 OTCD-2441 2,500円)

 1979年録音されていたこのSO NICEの音源。
実際聴いてみてビックリしました! 本当にシュガーベイブそっくり!

 演奏や歌、そしてオリジナルの楽曲自体もシュガーベイブ的。
男性シンガーは達郎似、そして女性シンガーは大貫妙子というよりは吉田美奈子似!(そこがまたソソります。)

 演奏に拙い部分もありますが、あまり気になりませんね。コーラスもなかなかですし。

 1979年当時の大学生が無名ながらこれだけの音を残していた、という事実だけでも驚きです。

 今日のこの1曲は、山下達郎「Love Space」とシュガーベイブ「今日はなんだか」を足して2で割ったようなオリジナル曲A「光速道路」。

 シティ・ポップ好きはもちろん、流線形やジャンクフジヤマなど最近の70'sフォロワー気に入っている方にも是非聴いてもらいたい1枚ですね。森 陽馬

2011年12月15日(木) yanokami 「曇り空」

 今年7月に急逝したレイ・ハラカミと矢野顕子によるユニット、yanokami。

 レイ・ハラカミによる浮遊感あるエレクトロニカ・トラックに、矢野顕子の歌声&ピアノが躍るように漂うサウンド。

 店でかけていると、今かかっているのは何?と普段テクノ・エレクトロニカを聴かない方からも尋ねられるほど不思議な魅力があります。

 そのyanokamiによる新作『遠くは近い』が発売になりました。
(国内CD YCCW-10163 2,625円)

 2007年発表1st以上に聴きやすい仕上がり。

ローリング・ストーンズ「Ruby Tuesday」、オフコース「YES YES YES」、荒井由実「曇り空」のカヴァーは、歌詞を聴けばカヴァーとわかりますが、同時発売『遠くは近い リプライズ』版(レイ・ハラカミのインストのみ YCCW-10164 2,310円)を聴くと、オリジナル曲が何かわからないほどレイ・ハラカミ色の濃いアレンジになっています。

 以前yanokamiのライヴに行った時、「ニューヨークと京都にお互い住んでいるので、一度も会わず、データのやり取りだけで完成させた」と、MCで話していました。

 今作の帯には最終作と書いてありますが、レイ・ハラカミの残されたトラックを元に、是非またyanokami名義の作品を発表してもらいたいです。森 陽馬

2011年12月16日(金) スザンヌ・ヴェガ 「Blood Makes Noise」

 2012年1月21日大阪、23日ビルボードライヴ東京で、3年ぶりの来日公演を予定しているスザンヌ・ヴェガ。

 昨年からスタートした自身の楽曲をテーマ別にセルフカバーしていく『Close-up』シリーズ第3弾『Close-up vol.3 States Of Being』。

 今作のテーマ、合っているかどうか自信がありませんが、彼女の精神状態について歌った曲を過去のアルバムからまんべんなく選曲しています。

 Vol.1〜2と同じく、マイケル・ヴィセグリア(ベース)や、ゲリー・レオナルド(ギター)等が、今作でも演奏・アレンジなどで参加。ストリングスやパーカッションが加わる以外はギターを中心としたシンプルなアレンジです。

 今日のこの1曲は、92年発表異色作『99.9 F°(微熱)』収録の「Blood Makes Noise」という曲です。

 元々のアレンジの金属を叩くような音はなくなったのですが、より重厚な雰囲気に生まれ変わっています。
 ゲリーのノイジーなエレキがかっこいいです。

 リリース日は未定ですが、シリーズ最終作Vol.4のテーマは“Songs Of Family”。
今のところVol.3の国内盤が出る予定はありませんが、Vol.4が出たら前作1と2(2010年9月23日のこのコーナーで紹介)のように2作カップリングで出ると良いですね。東尾沙紀

2011年12月17日(土) Mr. Gasser & The Weirdos 「Hot Rod Hootenanny」

 書籍『ビーチ・ボーイズとカリフォルニア文化』が発売されました。
(P-Vine Books 3,360円)

 ウィルソン家を3代前まで遡り、その家系や人の繋がりまで詳細に記した約440ページ! かなり読み応えのある内容ですが、ビーチ・ボーイズ・ファンは必読!と断言してもいい素晴らしい1冊だと思います。

 元々はティモシー・ホワイト1994年著の洋書『The Nearest Faraway Place』ですが邦訳は初めて。翻訳はとても大変だったと思います。宮治ひろみさん、お疲れ様でした。

 文章だけでなく、カラーページに掲載されている関連アイテムのオリジナル・アナログ・ジャケットやファミリー・ツリー、解説&用語注釈も付いているので、読書は苦手という方にもオススメ。

 当店でお買い上げの方には先着でオマケ付です。
是非手にとってみてください。

 今日の1曲は、ネズミのイラスト(ラットフィンク)を生み出したエド・ロスとゲイリー・アッシャーが組んだユニット、Mr.Gasser & The Weirdos、1963年発表ホット・ロッド名作『Hot Rod Hootenanny』。

 2011年11月25日全米で行われたレコード・ストアデイにおいて、サンデイズド・レーベルからCDとアナログLPで限定再発されました。(輸入CD Sundazed SC5382)

 ちなみに、書籍『ビーチ・ボーイズとカリフォルニア文化』には200ページ目くらいに、エド・ロスについて詳しい記述があります。森 陽馬

2011年12月18日(日) L.J.レイノルズ 「Baby Come Back」

 冬になるとやはりソウルが聴きたくなります。

 “歌モノでいい雰囲気の新作”。
ファンクや再発CDとは違ってこれがなかなかないのですが、L.J.レイノルズの新作アルバムは安心して聴ける仕上がりでオススメできる1枚でした。

 L.J.レイノルズは、1970年代にドラマティックスのヴォーカリストとして在籍。ソロ作品も何枚かリリースしていましたが、今作『Get To This』は2008年発表ゴスペル作は除くと約12年ぶりとなるオリジナル・アルバム。(国内仕様CD UH-6 2,500円)

 マーヴィン・ゲイ『レッツ・ゲット・イット・オン』に収録されていた「Come Get To This」カヴァーを筆頭に、スムースな大人のR&B/ソウルを聴かせます。

 意外だったのはラストI「Baby Come Back」。

 AORファンならお馴染み!
プレイヤー1977年発表、あのヒット曲のカヴァー!

 こうやって聴くと、サビがソウルフルなメロディーですね。森 陽馬

2011年12月19日(月) 村田和人 「Flying Santa Claus」

 クリスマスが近づいてきましたので、クリスマス・ソングを。

 2011年の新作クリスマス・アルバムとしては、キャロル・キング『クリスマス・キャロル』と、ズーイー・デシャネルのユニット、シー&ヒム『ア・ヴェリー・シー&ヒム・クリスマス』がお気に入りでしたが、今日は旧作から1曲。

 村田和人の隠れ名曲「フライング・サンタ・クロース」!

 1988年発表『GO POP』に収められている曲ですが、アルバムがずっと廃盤になったままだったので、この曲も聴けないままになっていました。

 しかし今夏ボーナス曲入りでリマスター再発されたので、今年は店でもかけられ、いいクリスマスになりそうです。(完全限定 VSCD-1722 2,500円)

 伸びのある村田ヴォイスが存分に味わえる
♪ Wow Wow フライング・サンタ・クロース ♪
のサビ・フレーズがたまらなく良くて、何回も繰り返し聴きたくなってしまいます。森 勉

2011年12月20日(火) ビーチ・ボーイズ 「Do It Again」

 ビーチ・ボーイズ再結成!

 来年2012年にビーチ・ボーイズ名義での最新アルバムが発売決定したそうです。

 (すでに海外オフィシャル・サイト及び動画サイトにその再結成録音ヴァージョンの「Do It Again 2011」がアップされています!)

 マイク・ラヴ、ブルース・ジョンストンの現ビーチ・ボーイズ・メンバーに、ブライアン・ウィルソン、アル・ジャーディン、デヴィッド・マークスが加わり、再結成ツアーも決まったとのこと!

 日本にも来て欲しい!
でもやっぱり来日は難しいだろうから、観に行かなきゃだめかな?

 日本のゴールデン・ウィーク時に毎年恒例で行われているニューオリンズ・ジャズ・フェスティバルのヘッドライナーで出演するようなので、これに行きたいですね。

 まさに“Do It Again”!

 ブライアン・ウィルソン1999年ソロ初来日公演、ビーチ・ボーイズ2010年来日公演で聴いたヴァージョンが印象的でしたが、今回のこの新録映像&音源も心にグッときます。森 陽馬


★オリジナル・アルバムとしては69年発表『20/20』に収録されていますが、そのジャケットにはブライアンが写っていないので、掲載ジャケットはグレイテスト・ヒッツVol.2の方を。現在1,500円と安い値段で再発されています。(国内CD TOCP-54326 1,500円)

2011年12月21日(水) ロネッツ 「Baby, I Love You」

 フィル・スペクターによるフィレス・レーベルから彼プロデュースによりリリースされた当時のアルバム6枚に、入手困難なシングル盤のB面を集めたボーナス・ディスクをプラス!
 世界初CD化となる7枚組CD BOXセットの国内盤が本日発売になりました。(国内CD 『フィレス・アルバム・コレクション』 SICP-20330 10,500円)

 輸入盤が約2ヶ月前に廉価で発売されていましたが、こうやって手に取ると断然国内盤の方がいいですね。

 国内盤のみ高品質ブルースペックCD仕様で、中の紙ジャケット及び外側BOX箱もしっかりとした日本製作。日本語ブックレットも超充実していて、亀渕昭信氏と朝妻一郎氏による約1万字対談や土橋一夫氏によるライナー、英文ライナー訳など読み応え充分。

 メーカー在庫もあまりない状態だそうです。
 購入検討されている方はお早めに!
(当店ならオマケも付いてますヨ!)

 ロネッツといえば「Be My Maby」ですが、今日の1曲はこれ。
 独特なエコー感があって、これぞ“音壁”といったサビ部分。
でもロニー・スペクターの声がその音壁に埋れず前に出ていて、最新リマスターの素晴らしさを実感できます。

 なお、来年3月ユニバーサル社から、ライチャス・ブラザーズ、アイク&ティナ・ターナー、エリー・グリニッチ『Let It Be Written, Let It Be Sung…』など、フィル・スペクター関連作名盤のCD化が決定!(詳細後日!)

 フィル・スペクター祭は来年も続きそうです。森 陽馬

2011年12月22日(木) Ian Whitcomb 「The War In Snider's Grocery Store」

 ジャネット・クラインのバック・バンドや単独での来日経験もある、41年英国生まれのシンガー/ピアニスト/ウクレレ演奏家/音楽研究家、イアン・ウィットコム。

 65年にアメリカで「You Turn Me On」という曲をヒットさせている彼。
動画サイトで見れる60年代アイドル的なルックスとモッドな雰囲気の楽曲もいい感じです。

 以後長きに渡って1910〜30年代のアメリカの音楽を研究・演奏し続けている彼の最新作がこの『I LOVE A PIANO』です。(輸入CD BSW-2218)

 「ホワイト・クリスマス」で知られる作曲家アーヴィング・バーリンの作品他1910〜20年代ミュージカル音楽、コメディソングなどを中心に自作曲を織り交ぜた全19曲を、若きラグタイム・ピアノニスト、Adam Swansonとニューヨーク出身のドラマー、Danny Cootsとのトリオで録音しています。

 今日の一曲は、全然関係無いと思いますが、中盤のピアノソロで「赤鼻のトナカイ」を連想させるフレーズが一瞬だけ登場するこの曲を。ただそう聴こえるというだけなのですが...。

 ライナーノーツには本人による各曲の解説付き。
それによると「サンタが街にやってくる」を作曲したJ.F.CootsはDanny Cootsの叔父なのだそうです。東尾沙紀

2011年12月23日(金) 原 めぐみ 「涙の太陽」

 原めぐみの新しいCDが発売になりました。
(『PARTY!』 CRCD-5036 2,400円)

 2009年12月に発売され、ペット・サウンズ・レコードでは大ヒットを記録した『エヴァーラスティング・ラヴ』以来のリリースで、今回は『パーティー』というタイトルのスタジオ・ライヴ盤です。

 ロネッツ「ビー・マイ・ベイビー」、コニー・フランシス「ロリポップ・リップス」、「ボーイハント」、ヘレン・シャピロ「悲しき片想い」、タイガース「シー・シー・シー」、ハーマンズ・ハーミッツやカーペンターズで有名な「見つめあう恋」、オリジナル曲「トビラ〜エヴァーラスティング・ラヴ」、そして今日取り上げるエミー・ジャクソン「涙の太陽」含む8曲入りです。

 「涙の太陽」は中島安敏作曲、湯川れい子作詞。
 60年代和製ポップスの名曲。

 原めぐみのキャンディー・ヴォイスと、バックのエレキ・サウンドもぴったりはまってます。森 勉

2011年12月24日(土) Anita Kerr Singers 「Have Yourself A Merry Little Christmas」

 今年出たクリスマス・アルバムでは、キャロル・キング、シー&ヒムの新譜が評判良かったのですが、個人的にはこれが一番でした。

 アニタ・カー・シンガーズ、1969年にドット・レーベルから発表した『Spend This Holiday With Me』の再発CD盤です。(アニタ・カー・シンガーズ6枚組CD BOXセットに収録 TR-101 12,600円)

 作品数が多いアニタ・カーのアルバムの中でも屈指の名作である『Reflect』(バカラック・カヴァー集)、『Velvet Voices and Bold Brass』と同時期の作品なので、悪いわけがありません!

 オリジナルの良さを活かしつつ、独自の美しいコーラスを配したアレンジが本当に素晴らしい! 多幸感に溢れた1枚です。

 バート・バカラック/ハル・デヴィッド作による隠れたクリスマス名曲「The Bell That Couldn't Jingle」も聴きものですが、今日のこの1曲は優雅なストリングスと優しい彼女の歌声&コーラス・アレンジが沁みる定番曲「Have Yourself A Merry Little Christmas」を。

 2011年のクリスマス、音楽を楽しみながら過ごせることに感謝して。
Merry Christmas♪ Happy Holiday♪ 森 陽馬

★掲載写真は、BOXお買い上げの方への先着特典ポストカードです。

2011年12月25日(日) Quentin Sirjacq 「Et le Noir」

 今日は東京もクリスマスらしい寒い1日でした。

 夜は特に冷えこんで、3連休ラストということもあり、武蔵小山の夜はひっそりとした雰囲気。

 そんな静かな夜、店内でかけていたのがこの1枚。
Quentin Sirjacq 『La Chambre Claire』(国内CD SCH-20 2,100円)。

 クエンティン・サージャックは、フランス/パリ出身ピアニスト。

 ラヴェルやエリック・サティ、モーツァルトやシューベルトに影響を受けたということから、クラシック・ピアノがルーツ。ただセロニアス・モンクなどのジャズ・ピアニスト、そして現代音楽やポップ・ミュージックも聴いているようで、メロディアスな旋律が印象的です。

 今作は2010年にフランスで発表されたアルバムの国内盤で、チェロが入っている曲もありますが、基本的にソロ・ピアノ。

 今日のこの1曲は2曲目「Et le Noir」。
夜の闇にそっと優しく吸い込まれていくような隙間のあるピアノの奏。

坂本龍一やゴンザレス『ソロ・ピアノ』お好きな方にオススメです。森 陽

2011年12月26日(月) ドリス・デイ 「ケ・セラ・セラ」

 現在綾瀬はるかが出ている日本生命のテレビCMに、この曲が使われています。

 1956年に大ヒットした曲が2011年地デジ化された時代のテレビから盛んに流れている、というのもなんとも不思議な感じですね。

 ヒッチコック監督映画『知りすぎた男』で、ジェイムス・スチュワートと共演したドリス・デイが、ラスト近くの緊迫したシーンで歌うのが印象に残っていますが、この曲の良さがわかるようになったのは自分の年齢が30を越えてからでした。

 ビーチ・ボーイズと関係が深いテリー・メルチャーがドリス・デイの息子だときちんと認識したのもその頃だったように思います。
 それがわかったことがよりこの曲を身近な存在にしてくれました。

ビーチ・ボーイズに繋がるものは、すべて好印象に...。森 勉

★掲載ジャケットは「ケ・セラ・セラ」、「センチメンタル・ジャーニー」、「アゲイン」他名曲タップリ全48曲2CD編集盤。(国内CD 『ゴールデン・ガール』 SICP-5011 2,940円)

2011年12月27日(火) ZAZ 「Le Long De La Route」

 ペット・サウンズ・レコードが選ぶ“2011年ベスト・アルバム”
 コラム・コーナーにアップしました。

 今年も良いアルバムが多かったと思います。
 再発関連も色々と出ましたね。

 ピックアップしたアルバム以外にも取り上げたい作品が多くて悩みましたが、特にザーズ『モンマルトルのラブレター』はベスト7に入れなかったものの、衝撃を受けた1枚でした。

 そのザーズのライヴCD+DVDが本日発売。
(2CD+DVD 『ライブ!〜聞かせてよ、愛の歌を〜』 RES-201 3,200円)

 “21世紀のエディット・ピアフ”と評されているフランス1980年生まれ。

キャバレーやモンマルトルの路上で歌っていたこともあるそうですが、聴いていると胸が熱くなってくる求心力ある歌声が本当に素晴らしい!
 前に進んでいく意志が伝わってきます。

 特にB「Le Long De La Route」(邦題:人生の旅路)はかっこいい!

 来年2月には赤坂ブリッツでの単独公演も決定。
生の歌声を聴きたくなりますね。森 陽馬

2011年12月28日(水) David Myhr 「I Love The Feeling」

今年もベスト・アルバムを選ばさせて頂きました。

 カコイミクさんのアルバム『RAFT』収録の「IROHA」がお気に入りでしたが、この曲の作曲者デヴィッド・マイアーのソロ・デビュー作『SOUNDSHINE』が今月リリースされました。(国内CD XQER-1035 2,310円)

 彼はスウェーデンのポップ・ロック・バンド、メリーメーカーズのメンバーとして活躍した人物。

 彼の事を知らないという方も、90年代後半ヒットした曲「Monument Of Me」は一度はどこかで耳にした事があるのではないでしょうか。

 近年は日本人アーティストへの曲提供やプロデュースでも名前を見かける事も多く、PUFFY(コーラス参加!)への提供曲のセルフ・カバー2曲が本作にボーナス・トラックとして収録されています。

 ビーチ・ボーイズやビートルズ、ジェリーフィッシュが好きな彼らしいポップなメロディ&ハーモニーが満載です。

 ポップだけど切ない「Never Mine」、ビーチ・ボーイズ風コーラス+ポール・マッカートニー「The One」など、聴いてすぐ口ずさみたくなる曲ばかり。

 「IROHA」のデヴィッドver.「I Love The Feeling」も収録♪
男性が歌ってもとても良い曲ですね。

1月初旬には急遽来日が決定!
大阪・東京でライブが行われる予定です。東尾沙紀

2011年12月29日(木) 星野 源 「くだらないの中に」

 4、5年前に弾き語りライヴを見てから、星野源はずっとずっと気になる存在でしたが、<今日のこの1曲>で僕が取り上げるの初めてなのです。

 2010年に出たファースト・アルバム『ばかのうた』も気に入ってよく聴いていましたし、この曲「くだらないの中に」が収録された今年リリースのセカンド・アルバム『エピソード』(VICL-63781 2,940円)も彼だけが作り上げられる世界観がタップリ詰まった好盤。
 2011年によく聴いたアルバムということで、この年末に取り上げておきたいと思います。

 あっさり歌っているようで、言葉とメロディーが意外にずっしりと聴き手の中に入り込んでくるのが、彼のうたの特徴かもしれません。

 最近は人気がありすぎて、ライヴのチケットが手に入りにくくなり、ライヴを見れてないのが残念です。
 来年2月中野サンプラザ公演も即売切でしたもんね。森 勉

2011年12月30日(金) サカナクション 「ワード」

 年の瀬になって毎度思うのは、来年の音楽業界はどうなるだろうか?ということ。

 不況で全体的な売上も落ちている中、再販制度撤廃や円高がより進んだ場合、状況が更に悪化することは必至。

 音楽ソフトだけでなく映像ソフトも厳しい状況で、12月1日からは映画の有料配信サービスが開始。来年からタイトルも増え、携帯電話で映画を楽しむ、ということが一般化していくかもしれません。

 ではダウンロード販売や配信事業が伸びているか、というと意外とそうでもないのが難しいところ。

 やはり良質な魅力ある作品を出していくことが一番かもしれませんね。

 “初回限定盤のみDVD付”はもう止めて、コンサート優先予約券など各々のファンが本当に望んでいる特典を、ファンが喜ぶような良質な作品にサービスしていくスタンスが確立すれば、まだまだソフトは売れると思いますし、アーティストも末永く活動できると思うのです。

 サカナクションのように、最初は大ヒットにならなくても、長い目で見てポテンシャルを活かし大きくなっていくアーティストが増えていくといいですね。森 陽馬


★掲載ジャケットは約4年前、2008年1月に発表されたサカナクション2ndアルバム『ナイト・フィッシング』。(VICB-60029 2,100円) このアルバムの1曲目「ワード」を聴いたときの不思議な感覚は今も忘れません。

2011年12月31日(土) 細野 晴臣 「smile」

 今年も様々なアーティスト、色々な音楽を聴くことができました。

気に入った曲はたくさんありましたが、“2011年の1曲”はこの曲でしょう。

 オリジナルはチャールズ・チャップリンによる1936年名作映画『モダン・タイムス』のテーマ曲。

 約2年前川崎で行われた京浜ロック、細野晴臣さんは1曲目にこの曲を歌いました。
 暖かい陽射しの下で聴いたこの時の「スマイル」は、ただ単に「心地良いなあ」くらいにしか感じませんでしたが、今年聴く「スマイル」からは、また違った様々な想いが胸に去来します。

 ♪辛いときも苦しい時も スマイルを忘れなければ 明日には君の心を太陽が照らしてくれる♪

 昨日12月30日のレコード大賞でもこの曲が歌われましたね。

 2012年、皆が健康でスマイルでいられますように。森 陽馬


★掲載ジャケットは、「スマイル」が収録された細野晴臣さんの新作アルバム『HOSONOVA』。(VICL-63777 3,150円)


年始も休まず営業いたします。
2012年1月1、2、3日 14時〜18時
2012年1月4日 11時〜20時
5日以降は通常通り11時〜22時まで営業致します。






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