PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2011月2月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2011年2月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2011年2月1日(火) 玉城 ちはる 「ここにいること。」

 村田和人さんや杉真理さんの近作、大好評だった洋楽リイシュー“ジャケガイノススメ”シリーズ等を手掛けた土橋一夫さんが新レーベル<FLY HIGH RECORDS>を立ち上げました。

 当店ペット・サウンズ・レコードも全面的に応援していきたいと思っていますが、そのFLY HIGH RECORDS第一弾作品が2月23日発売予定の玉城ちはる『ここにいること。』です。(VSCD-1721 \2,200)

 絶賛発売中のコンピCD『午後のボッサ〜カフェ・ビートルズ』にて、「Stawberry Fields Forever」を美しい歌声でカヴァーしていたのが印象的だった玉城ちはるさん。

 その彼女の2ndミニ・アルバムで、CSヒストリー・チャンネル『百十八枚の広島〜写真からみつめる昭和の足跡』主題歌となる「ここにいること。」を収録。全6曲彼女の美声が清らかに沁みわたる1枚です。

 なお、当店にてご予約・お買い上げの方には、貴重な非売品カラオケ3曲収録CD-Rと、独占インタビューを掲載したオリジナル・リーフレットを先着でプレゼント!

 更に発売日当日の2月23日には当店地下アゲインにて、<『ここにいること。』プレミア・リスニング・パーティー>が開催。(その昼には『ここにいること。』写真展も行われます。これら記念イベントの詳細はアゲインで。)

 FLY HIGH RECORDSからは再発含め良質な作品がどんどんリリースされるようですので、是非マメにブログをチェックしてみてください。森 陽馬

2011年2月2日(水) 佐野元春 「レインガール」

 元々「セルフ・カヴァーには懐疑的だった」という佐野元春が、デビュー30周年を過ぎて初のセルフ・カヴァー・アルバム『月と専制君主』を発売。(初回限定DVD付 POCE-9385 \3,500)

 「ヤングブラッズ」以外はシングル曲ではない隠れた名曲を中心に選曲しリアレンジした全10曲。

 バックは古田たかし(Dr)、Dr.Kyon(key)、長田進(G)、井上富雄(B)。
ハートランドとホーボーキング・バンドを合わせた馴染み深い布陣ということもあり、スタジオでのセッションでより熟成させた雰囲気が伝わってくる。

 ただ、ノスタルジックな感じは全くなく、特別新しいことをやっているわけでもないのに、最新オリジナル・アルバムのような空気感で聴けるから不思議。

 それは演奏&サウンド・アレンジの妙はもちろん、佐野さんの歌声と歌詞によるところが大きいのだろう。

♪ジュジュには二度と悲しませたりしないぜ♪ (「ジュジュ」)
♪いつでも君のために闘うよ♪ (「シーズン・イン・ザ・サン」)
♪君がいなければ 喜びの意味さえ知らず 時は流れていただろう♪ (「君がいなければ」)
♪いつか君と少しだけ話したい♪ (「レインガール」)

 作った当時は単なるラヴ・ソングとして書いたのかもしれないが、このアルバムでは、ファン一人一人へのメッセージのようだ。

 3月で55歳となる佐野元春。
自分はまだまだこれから、という想いと、今までの声援に対する感謝が込められた1枚だ。森 陽馬

2011年2月3日(木) 土岐麻子 「Gift 〜あなたはマドンナ〜」

 土岐麻子さんが歌う
♪あなたって不思議だわ〜 あなたっていくつなの〜♪

 篠原涼子、永作博美が出演している資生堂エリクシールシュペリエルのCMソング。昨年はCMと共に本当によく耳にしました。

 EPOさんが書き下ろした軽やかなポップ・ソング「Gift 〜あなたはマドンナ〜」は、先月19日に初回限定で待望のシングル・リリース。そして今週、この新曲も収録した土岐さんの最新編集盤「“LIGHT!” 〜CM&COVER SONGS〜」(RZCD-46733 \2,200)が発売されました。

 これまでの作品からCM使用曲やカバー曲を厳選した一枚。
 「い・け・な・いルージュマジック」のカバーが新録として収録されているので、今までの作品をお持ちの方も要チェックです。

 他にもユニクロCM曲「How Beatiful」、日産CM「ワルツ・フォー・デビィ」、ドコモCM「ALL YOU NEED IS LOVE」の他、最新作「乱反射ガール」から和田唱とのデュエット「HUMAN NATURE」、「青空のかけら」(斉藤由貴)、「小麦色のマーメイド」、江利チエミで有名な「COME ON A MY HOUSE」など洋邦多彩な全12曲。

 春〜初夏を感じさせる爽やかなジャケットも良いですね!
 入門編にもオススメの一枚です。東尾沙紀

2011年2月4日(金) カトリーヌ・ドヌーヴ 「C'est Beau La Vie」

 映画『しあわせの雨傘』を日比谷シャンテで先日鑑賞。

 カトリーヌ・ドヌーヴ主演、フランソワ・オゾン監督の新作フランス映画。
 脚本だけ読むとシリアスそうなテーマながら、テンポの良いコメディ・タッチで描かれ、楽しんで見ることができました。

 ドヌーヴ主演の64年名作映画『シェルブールの雨傘』との繋がりはないものの、ドヌーヴ演じる女性が傘工場の経営者になるなど、見ていて想像力をかきたてられる演出もNICE!

 フィリップ・ロンビ(オゾン監督作品ではお馴染み)が手掛ける音楽や使われている楽曲も、1970年代中盤の舞台設定&映画全体の雰囲気に合っていて良かったです。

 特に印象に残ったのは、冒頭で使われた女性シャンソン歌手Michele Torr(ミシェル・トール)による1970年代ヒット曲「Emmene-Moi Danser Ce Soir」(邦題:私をダンスに連れてって)。

 それと、フランスのポップ・バンド、Il Etait Une Fois(イレテ・ユヌ・フォア)の76年ヒット「Viens Faire Un Toour Sous La Pluie」。

 あとラストにカトリーヌ・ドヌーヴ自身が歌った「C'est Beau La Vie」という曲が良かったです。(元々はJean Ferratという男性歌手の楽曲。「人生は美しい」という邦題が付いていたそう)

 サントラ盤(『Potiche』 輸入国内仕様 KKP-1010 \2,000)には、上記の3曲含め全28トラック収録。サントラ好きの方にもオススメです。森 陽馬

2011年2月5日(土)センチメンタル・シティ・ロマンス 「あの娘の窓灯り」

 センチメンタル・シティ・ロマンスが先日1月27日渋谷マウント・レーニア・ホールで行ったライヴ音源が、限定500枚CDR盤で発売になりました。

 1975年発表1stアルバムを曲順通りにライヴで再現、というコンセプト。
 日本ロックとウエスト・コーストの薫りが合わさった魅力ある作品であることが再認識できます。

 今日のこの1曲は、告井延隆さんによるペダル・スティールの音色が沁みる3曲目「あの娘の窓灯り」。この日のライヴ録音のために、1年ぶりにスティールの弦を張り替えたそうです。

 ちなみに現在のセンチは、中野督夫、告井延隆、細井豊の3人に、元シュガーベイブの野口明彦、若き名ベーシスト瀬川信二による5人編成。(瀬川信二さんが入ってから演奏&コーラスが更にグッと安定して、毎度良い演奏を聴かせてくれます。)

 なお2月24日には76年発表2ndアルバム『ホリディ』、3月24日には77年発表3rdアルバム『シティ・マジック』を全曲演奏、というライヴが同じく渋谷マウント・レーニア・ホールで開催。その2月、3月のライヴも同じく限定500枚CDR盤でリリースされます。
 (2/24がEPO、3/24は村田和人さんが第二部でゲスト参加!)

 ボーナス・ディスクには、センチの貴重なスタジオ音源も入ってますので、ライヴを見に行った方はもちろん、行けなかった方にも是非聴いてもらいたい2枚組CDRです。森 陽馬

2011年2月6日(日) ビーチ・ボーイズ 「ユー・スティル・ビリーヴ・イン・ミー」(ライヴ)

 ビーチ・ボーイズのアル・ジャーディンの来日が近づいてきました。

 昨年『A POSTCARD FROM CALIFORNIA』というソロ・アルバムを発表し、タイミング的にはとても良い時期ではないかと思います。
 その新作からの曲が聴けるのも楽しみですが、それ以上に期待してしまうのはアルならではの選曲によるビーチ・ボーイズ・ナンバーです。

 このライヴ・アルバム『イン・コンサート』(国内CD TOCP-54101 \1,500)では、アル・ジャーディンがリード・ヴォーカルの「素敵じゃないか」、「英雄と悪漢」、「ヘルプ・ミー・ロンダ」、「スループ・ジョン・B」などを聴くことができます。

 そしてもう1曲「ユー・スティル・ビリーヴ・イン・ミー」。
 名盤『ペット・サウンズ』のA面2曲目に収録されていた曲です。

 レコーディングではブライアン・ウィルソンが歌っていましたが、ブライアンはライヴ・ツアーに参加しなくなっていたので、ライヴではアルが歌っていたのですね。いいヴォーカルです。

 ブライアン・ウィルソンやマイク・ラヴに比べると地味な存在かもしれませんが、1960年代から1990年代までビーチ・ボーイズのライヴで縁の下の力持ち的な存在として支えたアル・ジャーディン。

 彼の単独ライヴとしては初のジャパン・ツアーを多くの人に見てもらいたいと思います。

 2月16日大阪、18日&19日東京、共にビルボード・ライヴで各日2回公演あります。皆でアル・ジャーディンを応援しに行きましょう。森 勉

2011年2月7日(月) ジョニー 「GLORIA」

 昨年新作をリリースし来日公演も好評だったティーンエイジ・ファンクラブのノーマン・ブレイクと、その新作に参加していた元ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキのユーロス・チャイルズによるユニット、JONNY(ジョニー)が初のアルバムをリリース。(HSE-30248 \2,490 国内盤ボーナス・トラック4曲追加収録)

 それぞれの作品とは全く異なるものになっているのでは?と想像していましたが、美しいハーモニーとひねくれたメロディー、それぞれの持ち味が上手く合わさったポップ・アルバムになっています。

 全体的に肩の力が抜けた、ジワジワとクセになるナンバーが満載です。

 コーラス・ポップ「Cave Dance」、「Continental」、オルガンを交えた60年代風ロック「Goldmine」、などロック、フォーク、サイケと楽曲のタイプも様々。

 気になった一曲は「GLORIA」です。

 ボーナス曲なので歌詞掲載はありませんが、彼らがファンだというグロリア・エステファンを題材に書かれた一曲。
 歌の中に♪マイアミ・サウンド・マシーン〜 ♪が登場します。

 参加メンバーはドラムにスチュアート・キッド(元BMXバンディッツ)、ベースにデイヴ・マッゴワン(TFCサポート)など。
 2人でヨーロッパをツアーで回るようですが、是非日本にもライブをしに来て欲しいですね。東尾沙紀

2011年2月8日(火) Fistful Of Mercy 「Fistful Of Mercy」

ジョージ・ハリスンの息子、“ダーニ・ハリスン”が音楽活動本格化!

 ダーニがベン・ハーパー、ジョセフ・アーサーと組んだバンド、“フィストフル・オブ・マーシー”のCDが国内盤で発売されました。(国内盤のみライヴ音源2曲追加収録 XQJH-1004 \2,310)

 “新世紀のCSN&Y”と評されているように、3人のコーラスとアコースティックな演奏を基にした全9曲。

 父ジョージの作品でもドラムを叩いていたジム・ケルトナーが参加。
 わずか3日で録音された今作は3人の音楽センスがオーガニックに絡み合い、シンガー・ソングライター好きの方にオススメしたい1枚に仕上がっています。

 今日のこの1曲は、バンド名をそのまま曲名にしたD「フィストフル・オブ・マーシー」。(直訳すると「一握りの慈愛」)

 父譲りのギター・カッティングと“慈愛”溢れる歌声。
内に秘めた熱がじわじわと伝わってきます。

 曲中間のベン・ハーパーによるスライド・ソロ、インストの次曲E「30 Bones」へ繋がる流れもNice!
 この1作のみならず末永く活動していって欲しいですね。森 陽馬

2011年2月9日(水) クリーム 「バッジ」 

 クリームの現役時代は、1966年10月にデビュー・シングルを発表してから1968年11月にラスト・ライヴを行うまでたった2年間の活動でした。

 当時日本では“アート・ロック”とネーミングされ、サイケデリック的なサウンドのグループとして受け取られていましたが、多分にジャケットのイメージが強く伝わりすぎていたかもしれません。

 『Disraeli Gears』(邦題:カラフル・クリーム)や『WHEELS OF FIRE』(邦題:クリームの素晴らしき世界)のジャケットは、本当に衝撃的で音にいろいろな想像の装飾を付けてくれたように思います。

 「クロスロード」、「スプーンフル」などのブルース・ナンバーもいいし、「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」、「ホワイト・ルーム」のポップながら彼らの硬派なイメージを損なっていないシングル・ヒットもインパクトがあります。

 今日はシングルのラスト・ヒットとなった「バッジ」。
 エリック・クラプトンとジョージ・ハリスンの共作です。

 1分過ぎに出てくるレズリー・スピーカーを通したギターリフが大好きで、聴く度にビタミン剤を飲んだ気分になります。もちろん、後半のクラプトンのリード・ギター最高!

 『グッバイ・クリーム』にも収録されていますが、今回はクリームの名曲がたっぷり20曲聴ける『ヴェリー・ベスト・オブ・クリーム』からのチョイス。森 勉

2011年2月10日(木) Joni Mitchell 「Woodstock」

 先日、映画『ウッドストックがやってくる!』を鑑賞。

 1969年に行われた有名な野外フェス“ウッドストック・フェス”。
開催されるまでの裏側を描いたアン・リー監督による映画。

 ドキュメンタリーではなく原作の小説を基に現代の役者が演じる物語になっており、実際のライヴ・ステージなどは全く描かれないものの、当時の平和を望む姿勢やピュアな精神が伝わってきて楽しく観ることができました。ウッドストック・フェスを知らない若い音楽ファンにこそ推薦したい1本ですね。

 さて、そのウッドストック・フェスの1ヶ月後、1969年9月にカリフォルニアで行われた“BIG SUR FOLK FESTIVAL”はご存知でしょうか?

 CSN&Y、ジョニ・ミッチェル、ジョーン・バエズ、ジョン・セバスチャンが出演した野外フェスで、ニール・ヤングのアーカイヴ・ブルーレイBOXにシークレットで一部映像が入っていましたが、この度そのフェスの映像をダイジェストで収めた輸入DVDが発売になりました。(輸入DVD 『BIG SUR CELEBRATION』 国内プレイヤーでも再生可能 IMM940222)

 ウッドストックほど大規模ではないものの、多くの観客が海沿いのステージを取り囲むように集まり、当時の雰囲気が伝わってきます。

 見所はやはりCSN&Yの熱いライヴ映像「Sea Of Madness」、「Down By The River」でしょうが、若きジョニ・ミッチェルが「ウッドストック」を披露しているのも印象的。

 ウッドストック・フェスには出演しなかったジョニが、当時の恋人だったグラハム・ナッシュにウッドストックの話を聴いて作った、と言われている1曲「ウッドストック」。
 71年発表作『レディース・オブ・キャニオン』に収録されましたが、こんなにも早く披露されていたのですね。森 陽馬

2011年2月11日(金) アメリカ 「She's Beside You」

 本日は東京でも一日中雪が降っていました。
当店周辺地域はみぞれ混じりだったので積もりませんでしたが、せっかくなので“雪ジャケ”からこの1曲。

 “雪ジャケ”というと、ブルース・コバーン『雪の世界』(2008年1月21日のこのコーナーでも取り上げてました)、スティーヴン・スティルスの1st、リヴォン・ヘルム&RCOオールスターズ、ジャズだとデューク・ジョーダン『Flight To Denmark』などが有名ですが、このアルバムもお気に入りの作品です。

 70年代に活躍したジェリー・ベックリー、デューイ・バネル、ダン・ピークのユニット、“アメリカ”が1976年に発表した6thアルバム『ハイダウェイ』。

 “アメリカ”というと、「名前のない馬」収録の1st、名作2nd『ホームカミング』、大ヒット曲「金色の髪の少女」収録『ハート』が有名で、この『ハイダウェイ』はやや影が薄い作品ですが、内容は素晴らしい1枚。

 あのジョージ・マーティンがプロデュースしており、彼ららしいウエスト・コースト・サウンドを基調にしたアコースティック・ロックと3人のメロディ・センス、そしてジョージ・マーティンが手掛けるストリングス&ホーン・アレンジがうまくミックスされています。

 6曲目「She's Beside You」は、翌年脱退してしまうダン・ピーク作でどっちかというとアメリカっぽくない1曲ですが、オールディーズ的な楽曲で楽しいナンバー。出だし部分、コーラスからフェイドインするのがイイ感じ。

ジョージ・マーティンがピアノでも参加して、ソロも弾いています。森 陽馬

2011年2月12日(土) Herman kerry & Life 「Share Your Love」

 レア・グルーヴ好きの方には待望のCD化です。

 ハーマン・ケリーは、1970年代にマイアミを拠点に活動していたドラマー/パーカッショニスト。
 その彼が1978年にリリースした唯一のアルバムがこれ!(Herman Kelly & Life 『...percussion explosion』 CSMCD-311 \2,184)

 1曲目「Dance To The Drummer's Beat」が、2 LIVE CREWやジャジー・ジェフなどのHIP HOPサンプリング・ネタに使われ、アナログや12インチが再発になったことはありましたが、CD化は今回が世界初!

 @「Dance To The Drummer's Beat」以外の曲も、マイアミ産らしい開放的なファンキー・チューンで、70年代ディスコティックなファンク好きの方なら気に入ること間違いなしの全6曲です。

 特に5曲目「Share Your Love」。

 パーカッションから始まるグルーヴィーな楽曲ながら、美しい女性コーラスとストリングスの旋律がメロウですごくイイ感じ。(全然違うけど例えるならスピナーズ「I'll Be Around」みたいなメロウ・グルーヴ・チューン)

ちなみにこのCDは限定プレス。購入予定の方はお早めに。森 陽馬

2011年2月13日(日) Tahiti 80 「4 a.m」

 サポートメンバー2人が正式加入し、6人組となったフランスのポップグループ、Tahiti 80。

 前作『Activity Center』から約2年半ぶり、5作目となる新作『The Past,The Present&The Possible』(VIZP-100 初回DVD付 \2,940)をリリースしました。

 前作の割とシンプルな作風から、今作ではまた大胆にエレクトロニカを取り入れて作り込まれたサウンドになっています。
 とはいってもアコースティック主体の曲もあり、メロディーもキャッチーなので、打ち込みが苦手という方でもとても聴きやすいと思います。

 ツアーで家を空ける事も多いミュージシャンのホームシック等を題材にした「4 a.m」。
 音の壁を作るために100のヴォーカルトラックを録音したそうで、幾重にも重なるコーラスがとても綺麗なアコースティック・ナンバーです。

 ボーナス・トラックにはセックス・ピストルズの「ホリデイ・イン・ザ・サン」のカバーなど4曲を追加収録。
さらに初回には、昨年12月フランスでのライブから新曲中心の5曲を収録したDVD付。映像やライティングが凝ったものになっていて、新曲もCDとはまた違ったかっこよさがありました。

 3月末の来日公演でもいつものタヒチとは違うステージが観られそうですね。東尾沙紀

2011年2月14日(月) ナッズ 「オープン・マイ・アイズ」

 トッド・ラングレンが在籍していた4人組のナッズは1969年にデビューしました。

 トッドは1948年生まれですからまだ21歳ですが、早くも才能が爆発しているのがこのファースト・アルバムでも随所に感じられます。

 レコード会社はアイドル・グループ的に売りたかったのでしょうが、そんな思惑にトッドが従うわけもなく、1年ほどでグループを抜けてしまいます。
 しかしアルバム3枚分ぐらいの音源をナッズとして残してくれて、現在ではデモ・ヴァージョン等も含めてCD化されているのはとても嬉しいことです。

 唯一のシングル・ヒット「ハロー・イッツ・ミー」(1973年トッドのソロとしてヒットしたものとは別ヴァージョン)もいいのですが、今日はそのB面「オープン・マイ・アイズ」。

 スピード感あるギターとジェット・マシーンを使ったサウンドがなんともかっこいいのです。森 勉

★掲載ジャケットは、ナッズの1968年発表1stアルバムにボーナス・トラックを11曲追加した限定紙ジャケット仕様CD。(POCE-1001 \2,940)

2011年2月15日(火) 空気公団 「春が来ました」

 14日夜に積もった雪も翌朝にはすぐにとけ、15日は寒いながらもやさしい陽射しの1日でした。

 春の息吹を感じさせる音楽を聴きたくなる季節。
 オススメのアルバムが発売。

 空気公団の新作『春愁秋思』(しゅんしゅうしゅうし)。
(DDVZ-1735  \3,200)

 吟味された言葉、山崎ゆかりの語りかけるような歌声。
 日常の穏やかな風景/温もりが伝わってくる音世界。

 歌と歌、音と音の間にある空間が心地良く感じる1枚です。

 今までよりもデモの段階で作り込まず、ラフな状態で演奏メンバーと作り上げていった、という今作。心のこもった手作り感が伝わってきます。

 特に2曲目「春が来ました」。
日本語の美しさ/季節情緒が見事に表現されています。森 陽馬

2011年2月16日(水) String Cheese Incident 「Jessica」

 アメリカ/ナッシュビルで2002年から行われている野外フェス、ボナルー・フェスティヴァル

 “ジャム・バンドの祭典”と評されていた当初より、だいぶ音楽ジャンルも広げメジャーどころも出るようになったそうですが、やはり一度は行ってみたい音楽フェスです。

 そのボナルー・フェス、今年のライナップが発表!
なんと!その中にバッファロー・スプリングフィールドの名前が! (日本で例えると、はっぴいえんどがフジ・ロックに出る?!みたいな感じでしょうか)

 昨年末、ニール・ヤングが主催するブリッジ・スクール・ベネフィット・コンサートで約42年ぶりの再結成を果たした彼ら。
 1回限りと思いきや、このボナルー・フェスを皮切りに今秋ツアーもあるらしい・・・? ニールとスティーヴン・スティルスがまた喧嘩する前に是非日本にも来てほしいものです。

 さて、その今年のボナルー・フェスに出演予定のストリング・チーズ・インシデント。

 2007年に一度解散宣言をしたのですが、現在また活動中。
 その解散宣言した後、RED ROCKSで4日間行った時の音源から今日のこの1曲。初日8月9日にはオールマン「ジェシカ」のカヴァーをやっています。(『RED ROCKS 08.09.07 CD-R3枚組 2,980円)

 ちなみにそのRED ROCKS4日間、それぞれライヴ音源が出ていますが、どの日もCD3枚組に及ぶ長丁場ながら、やっている曲のダブリがほとんど無い!というのが凄い。まさにジャム・バンド! 森 陽馬

2011年2月17日(木) Beach Boys 「Come Go With Me」

 アル・ジャーディン、2月16日大阪公演を観に行かれた方からご連絡いただきましたが、なんと!大阪公演では終演後サイン会があったそうです!

 18、19日の東京公演でもサイン会があるといいですね。
 見に行かれる方は、サインしてもらうものとカメラをお忘れなく。

 ということで、アル・ジャーディンがボーカルをとっているこの1曲。

 白人黒人混声ドゥーワップ・グループ、デル・ヴァイキングスの50's名曲カヴァーです。 ♪ダン・ドゥビ♪コーラスがゴキゲンな1曲。

 1978年発表『M.I.U Album』に収録されていますが、1981年に全米ビルボード・シングル・チャートで18位を記録。2005年にリリースされたベスト盤『サウンド・オブ・サマー』にも収録されました。森 陽馬

★掲載ジャケットはタミーショーのライヴ映像も付いた限定盤『サイツ・アンド・サウンズ・オブ・サマー』(TOCP-67658 \3,800)。

<2/18追記>18日東京公演ではサイン会がありませんでした。

2011年2月18日(金) The Beach Boys 「Wouldn't It Be Nice」

 アル・ジャーディン、ビルボード・ライヴ東京公演を見て来ました。

 19日の公演もあるので多くは語れませんが、とても楽しいステージでした。

 ちょっと年老いたな、と正直感じたアルの両脇を、息子のマット(マシュー・ジャーディン)とアダムがハイトーン・ヴォーカルでしっかりとサポート。(特にマットの歌声は良かった!)
 見ていて温かい気持ちがこみ上げてきました。

 新しいソロ・アルバム『A Postcard From California』からやった新曲も良かったです。

 でもやっぱり、『ペット・サウンズ』の1曲目「Wouldn't It Be Nice」。
 改めて、イイ曲だな〜、と感激してしまいましたね。

 心配された集客もそれなりに席は埋まって盛り上がっていました。19日見に行かれる方、存分に楽しんできてくださいね。森 陽馬

★なお、大阪であったサイン会はありませんでした。
 でもCDを買ってフロントに預ければサインをしてもらえます。

2011年2月19日(土) Al Jardine 「Don't Fight The Sea」

 アル・ジャーディンの来日公演も19日(土)で終了。
あっという間でしたが、またいつか来日してもらいたいですね。

 来日公演の感想をあと少しだけ。
 セットリストはビーチ・ボーイズのヒット曲が中心でしたが、新作『A Postcard From California』からも3曲やってくれました。
 曲の知名度がないため盛り上がりはイマイチでしたが、その3曲が演奏的にもとても良い出来でしたね。

 特に「Don't Fight The Sea」。

 アル・ジャーディンとテリー・ジャックスの共作で、元々ビーチ・ボーイズの新曲として用意されていた楽曲。

 ブライアン・ウィルソン、マイク・ラヴ、ブルース・ジョンストンと、更に1998年亡くなったカール・ウィルソンのボーカルも入っており、ビーチ・ボーイズらしいコーラスが楽しめるロック・ナンバー。
 地球環境に関わるMCを必ずしてからこの曲をやっていました。

 アルは観客の声援に優しい笑みを終始浮かべながら歌ってくれて、温かい人柄が伝わってくる楽しいコンサートでした。森 陽馬

2011年2月20日(日) ビーチ・ボーイズ 「スージー・シンシナティ」

 またまたアル・ジャーディンの話で恐縮です。

 アル・ジャーディンの来日公演、無事終了いたしました。

 19日(土)2ndステージでは曲目が少し変更になりました。「ゴッド・オンリー・ノウズ」&「ココモ」がセットリストから外れ、マニアックな『サンキスト・アルバム (結成25周年を記念した86年夏コンサート・ツアーのプロモーション用にサンキスト社によって制作された盤)』から、なんと!「悲しき街角(ランナウェイ)」のカヴァーが歌われました。)

 今回アルのライヴは、昨年のマイク・ラヴ&ブルース・ジョンストンのビーチ・ボーイズと選曲が大幅にバッティングするものでした。もう少しアルならではの曲が入れば、集まったファンは更に楽しめたと思います。

 アル自作の「スージー・シンシナティ」、聴きたかったなぁ。
「アド・サム・ミュージック・トゥ・ユア・デイ」のシングルB面にもなった曲だし。(『15 BIG ONES』に収録)

 それから、「コットンフィールズ」、「ペギースー」、「スクール・デイ」、「ゼン・アイ・キスト・ハー」、「アイランド・ガール」などレコードでアルがリード・ヴォーカルを歌っていた曲も聴きたかったなぁ〜。
 ・・・なんて、ないものねだりはいけませんね。

 今回の来日が縁で初めてお会いする方、久し振りにお話できた方など、アル・ジャーディンが取り持ってくれた素敵な出会いがたくさんありました。
 ありがとう、皆さん。ありがとう、アル。森 勉

PS マット・ジャーディン様。
 あなたのファルセット・ヴォイスはとても魅力的で、パンチの効いたティンパニの音と共に、ライヴを引き締めていましたよ。

2011年2月21日(月) ジョニ・ミッチェル 「サークル・ゲーム」

ジョニ・ミッチェルをベスト盤で聴いてみる、というのもたまにはいいのでは。

 今なら充実した選曲の15曲収録で限定価格1,500円で出ていますし、解説・歌詞・対訳付ですし。(『永遠の愛の歌 ジョニ・ミッチェル・ベスト』 WPCR-14055 限定\1,500)

 このベスト盤は1996年にジョニ自身の選曲で発売されたもので、彼女のヒット曲(「ビッグ・イエロー・タクシー」、「ケアリー」、「ユー・ターン・ミー・オン・アイム・ア・レイディオ」、「ヘルプ・ミー」、「フリー・マン・イン・パリ」他)と、他のアーティストでヒットしたジョニ作品の彼女自身のヴァージョン(「ウッドストック」、「サークル・ゲーム」、「ボス・サイズ・ナウ」他)が楽しめる良質な編集です。

 今日はその中から名曲中の名曲「サークル・ゲーム」。

 20歳の頃に聴いて感動したメロディと歌詞の言葉は、30代、40代、そして50代になっても含蓄を増して胸に迫ってきます。

 なお、4月6日に68年発表1stから79年発表『ミンガス』までオリジナル作10タイトル、限定紙ジャケット&SHM-CD仕様で再発予定になっています。森 勉

2011年2月22日(火) 桑田佳祐 「古い風吹く杜」

 桑田佳祐、待望の新作『MUSICMAN』が入荷。
(初回限定DVD付 VIZL-560 \4,500)

 音楽誌のみならず様々なメディア/媒体が特集を組み、“最高傑作!”と評しているのをやや仰々しく感じていましたが、実際に聴いてみるとそれも納得!
 1曲1曲が充実していて、聴き応えのある素晴らしい1枚でした。

 昨年病気が発覚する前にほぼ出来上がっていたようですが、復帰後に作ったのかな、と思える曲もありますね。

 サウンド面では、全体的にポップな仕上がりで、3曲目「いいひと」、5曲目「古の風吹く杜」がサザンっぽい楽曲アレンジ。
 クレジットを見ると、どちらも奥さんの原由子がシンセサイザーで参加していました。

 とにかくも、J-POPを聴いて気分が高揚するのは久々。
 “聴ける喜び”を感じながら、何度も聴きかえしたい作品です。森 陽馬

2011年2月23日(水) BEADY EYE 「Beatles And Stones」

オアシス解体から意外と早く動き出したのが、弟リアム・ギャラガー率いるこのBEADY EYE(ビーディ・アイ)。

 メンバーはゲム・アーチャー(g)、アンディ・ベル(g)、クリス・シャーロック(drs)とノエル・ギャラガーが抜けただけで、オアシスとなんら変わりはないのですが。

 今週日本先行でファースト・アルバム『Different Gear,Still Speeding』(初回限定DVD付 SICP-3048 \3,150)がリリースされました。

 リリース前からいろんなところで取り上げられていたので、期待値もかなり上っていたと思いますが、勢いのあるオープニング・ナンバーから、ポップな楽曲が多くなかなかかっこいい仕上がり!

 リード・シングルB「THE ROLLER」はジョン・レノンの「Instant Karma」、続くC「Beatles And Stones」というタイトルながらザ・フーの「My Generation」を彷彿とさせるアレンジとなっています。

 DVDにはPVやEPKなど約29分の映像を収録。
5月上旬には早くも来日公演が決定...といっても全公演ソールドアウトで、かなりの競争率だったそうです。東尾沙紀

2011年2月24日(木) FUNK'N'STEIN 「DOG & CAT」

 先日イスラエル人の知り合いができて会話する機会がありました。
 イスラエルというと、戦争ばかりやっていた国、というイメージが強かったのですが、現在は街も近代化し若者の趣味も多様化しているそうです。

 今日はそのイスラエル発!
現在進行形ソウル/ファンク・バンド、その名も“FUNK'N'STEIN”!

 誰も知らないインディー・ソウルを輩出している、英国のSoul Unsignedというレーベルから発売されたこの1枚。(『Funky Mission』 SUAR002)

 安っぽいジャケットで期待せずに聴いてみたら、あまりにも良くてビックリ! タワー・オブ・パワーをもう少し洗練させたというかインディーズっぽい雰囲気にしたサウンドがすごくイイ感じ。

 ソウルフルな魅力とホーン・アレンジがゴキゲンで、特に6曲目「DOG & CAT」。

 ポップでキレのある楽曲と演奏が超かっこいい1曲!
 EXIT9の未発表曲、と言われても信じてしまいそうな70's的ヴィンテージ感もあるので、現代ファンク好きの方からタワー・オブ・パワーファン、70'sソウル好きの方にもオススメです。森 陽馬

2011年2月25日(金) ヤン・ヴァン・ダウケレンズ・フィンガープリント 「Baggydog」

 頻繁にくしゃみも出てきて、春の訪れを感じます。
(昼は20℃まで上って、暖かい一日でしたね)

 この春オススメの、新世代ジャズ/フュージョンこの1枚。

 ヤン・ヴァン・ダウケレンは、オランダ出身のトランペット奏者。
 キャンディ・ダルファーのツアー・メンバーとして来日もしており、他にもトレインチャのバックや、オランダ新世代ジャズ・ファンク・バンドのジャズインヴェーダーズにも参加している人気トランペッターです。

 その彼の初となるソロ作がこの『ヤン・ヴァン・ダウケレンズ・フィンガープリント』。(国内CD PCD-93383 \2,415)

 ブレッカー・ブラザーズ、デヴィッド・サンボーンを現代オランダ風に洗練させた雰囲気で、堅苦しくないジャズ&フュージョンを楽しる作品です。

 昨日紹介したFUNK'N'STEINとはまた全然違ったクールなファンクネスもあって、特にD「Baggydog」はソウライヴを彷彿とさせるジャズ・ファンク・キラーチューン!

 クルセイダーズ的なA、クールB、メロウ&スロウなCGなどもかっこいいですね。

 北欧新世代ジャズ・シーン好きの方は必聴の1枚! 森 陽馬

2011年2月26日(土) The Wallace Brothers 「I Need Someone」

 ACEレーベルの大好評ソングライター・シリーズ新譜が発売されました。

 今回はダン・ペン&スプーナー・オールダム作品集。
(『スウィート・インスピレーション〜ソングス・オブ・ダン・ペン&スプーナー・オールダム』 MSIG-713 英文解説対訳付 3,150円)
 全24曲興味深いマッスルショールズの音をタップリ楽しむことができます。

 彼らの曲はサザン・ソウルのシンガーによって取り上げられることが多く、リズム&ブルース色が強く渋い曲ばかりと思われがちですが、それだけではない魅力が詰まった曲もたくさんあって、それがダン&スプーナーの個性になっているような気がします。

 渋味・苦味の中にちょっとだけ誰でも親しめるような甘いポップな味付けを。−−−これに僕はいつもやられてしまうのです。

 昨年夏(2010年8月30日)に取り上げたジェイムス&ボビー・ピュリファイ「アイム・ユア・パペット」(今回のCDにはディオンヌ・ワーウィックのヴァージョンで収録)とか、アレックス・チルトンの声が特徴的なボックス・トップス「クライ・ライク・ア・ベイビー」(今回はアーサー・アレキサンダーで収録)等に代表されるように、大ヒットする要素をちゃんと備えている曲が多いんですね。

 今日紹介する曲はヒット曲ではありませんが、ジュエル・レーベルからの1968年発表シングル曲。
 アトランタ出身の6人組、ウォーレス・ブラザーズのなんともいいメロディー・ラインを持ったナンバー。

 ドラムスがかっこよくイントロを飾り、ソウルフルなヴォーカルと共にオルガンとグロッケンがさりげなく曲に彩をまぶし、南部らしいホーンの音でフェイドアウトしていく2分26秒。
 プロデュースはマッスルショールズのバリー・ベケット&アルバート・ロウ。森 勉

2011年2月27日(日) ジェファーソン・エアプレイン 「あなただけを」

 映画『シリアス・マン』を鑑賞。

 ジョエル&イーサンのコーエン兄弟監督による2009年制作映画で、つい先日日本ロードショー公開。
 『ファーゴ』や『ノーカントリー』のような殺人描写はないものの、映画全体がなんとも奇妙な空気感に包まれていて、不思議な余韻が残る映画でした。

 一般受けはまずしないでしょうが、様々な啓示が込められているようで僕は面白く見れましたね。想像をかきたてられる突然のラストも良かったと思います。

 ちなみに映画の舞台は1967年で、その年にヒットしたジェファーソン・エアプレイン「あなただけを」(原題:Somebody To Love)が印象的に使われていました。(メンバーの名前を呼び上げる場面もあり思わずニヤリ。)

 ただ気になること、というか謎が1点。
サンタナ『天の守護神 (Abraxas)』、CCR『コスモス・ファクトリー』が会話に出てくる場面があるのですが、この2作品は共に1970年発表作なのです。

 1967年にはまだ発表されていない作品が出てくる(音楽はかかりませんが)というのも、映画全体を覆う不条理というテーマの一環なのでしょうか? それとも単なる選盤ミス? 森 陽馬

2011年2月28日(月) Kenny Edwards 「I Can't Stand The Rain」

 昨年8月、ケニー・エドワーズの訃報にはビックリしました。

 ケニー・エドワーズは、リンダ・ロンシュタットが在籍していたストーン・ポニーズのメンバーで、アンドリュー・ゴールド、ウェンディ・ウォルドマン、カーラ・ボノフと共にブリンドルというグループを結成。
 つい数年前にもカーラ・ボノフ来日公演のサポート・メンバーとして来日し、元気な姿を見せていました。

 決して派手さはないものの、アメリカのミュージシャンらしい歌声と風貌が僕は好きでした。

 今日紹介するこの1枚は、死後発表された彼のソロ2ndにしてラスト・アルバム。(『Resurrection Road』 番号なし 2,200円)

 ブリンドルのようなウエスト・コースト色ではなく、ジャケットのイメージ通りな味わい渋いシンガー・ソングライター作品。
 でもこれがイイ! 聴くほどにじわじわ沁みてくる1枚です。

 ほぼ自作曲ですが、アン・ピーブルズで有名な「I Can't Stand The Rain」のカヴァーも収録。昨年フェリックス・キャヴァリエ&スティーヴ・クロッパーの新作でもカヴァーされていたこの曲をマンドリン&ドブロを中心にシンプルに演っています。森 陽馬






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