PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2011月4月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2011年4月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2011年4月1日(金) ハンバート・ハンバート 「波羅蜜」

 昨日掲載したハンバート・ハンバート『シングルコレクション』には入っていないものの、ファンには必聴!とも言える衝撃曲「波羅蜜」。

 彼らの内側に<静&動>、<柔&剛>という対極の情感があるならば、“動”と“剛”が表に出たと言える凄い1曲です。

 「波羅蜜」(はらみつ)とは仏教用語で、菩薩が修めるべき徳目のこと。

 スコットランドのフィドラー・ケルト・ユニット、フィドラーズ・ビド(フィドラー4人とリズム・セクションによるバンド)をゲストに迎え録音。
 読経的なリズムで繰り出される歌と、フィドラーズ・ビドの切迫した演奏は一度聴くと耳から離れません。

 この「波羅蜜」が3曲目に収録されている2009年9月発表シングル『合奏』(CD+DVD VITO-104 1,890円)は、当初はタワー・レコード限定発売でしたが、現在は当店でも販売できるようになりました。

 なお1曲目「妙なる調べ」(映画『プール』主題歌、2曲目「待ち合わせ」(小田急電鉄CM曲)もイイ曲。DVDにはライヴ映像、レコーディング風景が入っています。森 陽馬

2011年4月2日(土) ビートルズ 「I Call Your Name」

 3月21日に発売されたナイアガラ2W購入抽選特典<ロンバケ30周年記念パーティー>。
 開催日は<6月5日(日)都内某所>と告知されました。
(更に4/13応募締切だったのが、5/11締切に変更されました)

<200名ご招待>とのことで、当選確率はおそらく○分の1。
どんなパーティー・イベントになるのでしょうね。

 さて、その『ロンバケ』の曲がライヴで初披露されたのは、1980年12月16日芝郵便貯金ホール(現メルパルク・ホール)だったそうです。

 『ロンバケ』収録曲を中心に、シャネルズが加わってのバリーマン作「Who Put The Bomp」や、フリートウッズのカヴァー、ジョニー・ティロットソン「ドリーミー・アイズ」カヴァー、エルヴィス・プレスリーで有名な「マリーは恋人」等も披露されたとのこと。今では夢のようなライヴですね。

 その日の選曲で珍しいのが、ビートルズ「I Call Your Name」!
ライヴの約1週間前に亡くなったジョン・レノンを偲んで歌われたそうです。

 1964年に発表されたレノン=マッカートニー作(ジョン・レノン作)で、現在は『パスト・マスターズ』(国内CD TOCP-71015 2CD 3,700円)に収録されている1曲。

 ジョン・レノンのソロ曲ではなく、ビートルズ時代のこの曲を取り上げたのが大滝さんらしいですね。森 陽馬

2011年4月3日(日) キャロル・キング 「ミュージック」

 去年の今頃は、キャロル・キング&ジェイムス・テイラーの歴史的なジョイント・コンサートがもうすぐ日本でも見ることができる、という大きな楽しみがありました。

 しかし今年は日本人アーティストのものを含めて、延期・中止になるイベントが数多くあり残念です。

 事情が事情だけに致し方ないとは思いますが、閉塞感を必要以上に持ち続けるのもどうなんでしょう、と思う今日このごろです。

 僕ら音楽好きはやはり自分の好きな音楽を聴くことで、色々なストレスをはねのけていきたいと思います。

 今日はキャロル・キングが『タペストリー』の次に発表したアルバム『ミュージック』からタイトル曲を。(EICP-843 紙ジャケット仕様 1,890円)

 ♪いつも物事が簡単に運ぶわけじゃないけれど、音楽があれば・・・大丈夫・・・♪
というキャロルのポジティヴさが表現された名曲です。森 勉

2011年4月4日(月) ポール・ウェラー 「Wake Up The Nation」

 4月3日、イギリスのブリクストン・アカデミーで“Japan Disaster Benefit Gig”と銘打った日本支援チャリティ・コンサートが行なわれました。

 ビーディ・アイのリアム・ギャラガーの呼び掛けで、グレアム・コクソン、リチャード・アシュクロフト、プライマル・スクリーム、ザ・コーラル、ポール・ウェラー等が参加しました。

 昨夜(深夜2時くらい)から朝方までインターネットfmの中継で聴けたそうなのですが、眠気に勝てず、不覚にも聴き逃してしまいました。

 今回スタッフはボランティア、会場には5千人ほどの観客が集まり、チケット代などで得た収益は被災地のために全額寄付されるとの事です。

 現在新作制作中のポール・ウェラー。
ジャムの曲を交えて割と近年の作品から13曲が演奏されました。
 最後はビートルズの「Come Toghether」をケリー・ジョーンズと歌ったそうです。

 リアムの呼び掛けもあったからかもですが、日本のために何かしたかったというコメントを読んだ時は嬉しかったです。

 今年の来日は無さそうですが、来年は新作を引っ提げて来てくれる事を期待したいです。東尾沙紀

★掲載ジャケットは2010年リリースされた最新作『Wake Up The Nation』(初回リミックスCD付き2枚組 UICI-9041 \4,200)です。

2011年4月5日(火) The Jayhawks 「Tomorrow The Green Grass」

「90年代の好きなアルバムベスト3は?」
と聞かれたら、迷わず選出するのがこの1枚!

ジェイホークスが1995年に発表した『Tomorrow The Green Grass』。

 この名作がボーナス・トラックを追加収録したレガシー・エディション2枚組CDとして再発売されました。(輸入CD american 88697-72732-2)

 “アメリカン・ロックの良心を受け継ぐバンド”として、僕はジェイホークス及び中心人物のマーク・オルソン&ゲイリー・ルーリスが大好きなのですが、特にこのアルバムは最高傑作といっても過言ではないでしょう。

 「Tomorrow The Green Grass」というアルバムのタイトル曲ながら、当時この作品には収録されなかった(「Blue」のシングルB面曲となった)楽曲や、当時録音されながらアルバムからは漏れた未発表曲「You And I」など、初めて聴けた曲もありました。

 改めて聴いてみると、彼らのソングライティングももちろん素晴らしいのですが、ジョージ・ドラキュリアスのプロデュース・ワークが絶妙だった、というのが実感できますね。

 とにかくも、ニール・ヤングやイーグルスなど王道アメリカン・ロック好きの方には絶対にオススメの作品です。森 陽馬

2011年4月6日(水) ジャッキー・デシャノン 「ソー・ロング・ジョニー」

ジャッキー・デシャノンは自分でも曲が書けるシンガーですが、他の人が作った歌もたくさん歌っています。

 その中でもバート・バカラックの曲との相性は特に良いようで、彼女のハスキーな声とバカラックの流麗なメロディがブレンドされるとより耳に心地良い印象が伝わってきます。

 この『コンプリート・リバティ&インペリアル・シングルズ Vol.2』(国内仕様盤 MSIG-714 3,150円)には、1965年の大ヒット「世界は愛を求めている」(What The World Needs Now Is Love)をはじめ5曲のバート・バカラック&ハル・デヴィッド作品が収録されています。

 その中でも1966年発表「ソー・ロング・ジョニー」はプロデュースもアレンジもバカラックが担当し、実に“らしい”作品に仕上がっています。

 ライナーノーツには1964〜7年の激動の音楽界に苦労しながらも力強く美しく生き抜いた模様がくわしく綴られています。(日本語対訳も付いています) 森 勉

2011年4月7日(木) Garth Hudson feat Neil Young & The Sadies 「This Wheel's On Fire」

 ロビー・ロバートソンの新作(3月22日の今日のこの1曲で紹介)が出て、ザ・バンドを久々に聴き返している、という方。
 是非このアルバムも聴いてみてください。

 ザ・バンドのキーボーディストだったガース・ハドソンが、カナダのミュージシャンを迎えてザ・バンドの曲を新録音した作品『Garth Hudson presents “Canadian Celebration of THE BAND”』。(輸入CD CURVE CURV21)

 ガース・ハドソンが選んだザ・バンドの名曲18曲を、ニール・ヤング、ブルース・コバーン、カウボーイ・ジャンキーズなどのカナダ出身ミュージシャンが、ガースのキーボードもfeatしてカヴァー。

 やはり注目はニール・ヤングがリード・ヴォーカル&ギターで参加している4曲目「This Wheel's On Fire」。

 豪放な歌とギターで、独特なガースのキーボードとの相性も抜群!
ニールのオリジナル曲のようにピッタリ合っています。

 なおこの曲のバックを担当しているトロント出身バンド、The Sadiesの演奏がかっこいいですね。クレイジーホースの後釜は彼らで決まり?! 森 陽馬

2011年4月8日(金) Beach Boys 「Good Vibrations」

 4月16日(土)に<Record Store Day>が全世界的に開催されます。

 これは“CD・レコード店の文化”を支えるために、数年前から全米で行なわれるようになったイベントで、Record Store Day限定の商品を販売したり、アーティストのライヴを実施するところもあるようです。

 ただ、日本ではまだ認知されておらず、海外Record Store Dayとの流通が整備されていない状況なので、Record Store Day限定商品が入ってくるかどうかまだ確定しておりません。申し訳ございません。

 ということで現時点で未確定・未入荷ですが、この限定アナログ盤は入ってくる予定になっています。

ビーチ・ボーイズ「Good Vibrations」と「Heroes and Villains」(英雄と悪漢)のカップリング2枚組限定アナログEP盤。
(アーリー・テイクとオリジナル・テイクの2ヴァージョン収録)

 このEP、なんと!78回転!とのこと。
「普通のプレイヤーでは聴けないじゃん!」ってツッコミたくなりますが、まあコレクターズ・アイテムですからね。
とにかくも無事入荷してくることを祈ってます。森 陽馬


★掲載ジャケットはその限定EP盤。(予価1,800円)
 まだ入荷してないので正式にご注文を受け付けることができません。申し訳ございません。

もし入荷したらキープ希望、という方は、直接メールorお電話にてご連絡くださいませ。入荷せずキャンセルとなる可能性もございますのでその際はご了承ください。
 もしちゃんと入荷して当店にてお買い上げいただいたら何かしらオマケを付けたいと思っております。

2011年4月9日(土) フォー・シーズンズ 「シェリー」

今年の東京は例年より寒い日が続きましたが、やっと桜の季節になりました。

日本には季節の移り変わりが美しい四季があります。
アメリカにはコーラス・ハーモニーが見事なフォー・シーズンズがいます。

 ということで、今日は「チェリー」ならぬ「シェリー」を。

 リード・ヴォーカルのフランキー・ヴァリの甲高い声がまず印象に残りますが、それに絡み付いてくるボブ・ゴーディオ、トミー・デヴィート、ニック・マッシの合いの手のようなコーラスも絶妙です。

 この2枚組ベストは1962年の「シェリー」から1976年「ディセンバー1963」まで、及びフランキー・ヴァリのソロ・ヒット「君の瞳に恋してる」や「グリース」なども収録された全30曲。(『ジャージーズ・ベスト』 国内仕様CD CRCD-3211 2,625円)

 とにかく名曲揃いで文句なく楽しめる選曲です。森 勉

2011年4月10日(日) Math And Physics Club 「Everybody Loves Showtune」

 青のワーゲン車のジャケがジャケ買い心をくすぐるシアトルのめがねポップ・トリオ、マス・アンド・フィジックス・クラブ(数学と物理学クラブ)。

 2006年に1stアルバムをリリース、今作は2作目となる最新作『I SHOUDN'T LOOK AS GOOD AS I DO』(国内盤 VSO-0053 歌詞付 1,800円)です。

 2010年にリリースされた輸入盤がネオアコ/ギターポップ・ファンの間でちょっとした評判に。解説や歌詞の対訳はありませんが、ボーナス・トラックを2曲追加収録! 1,600円というお手ごろ価格で先日国内盤が発売されました。

 大体の曲が1分半〜2分半というコンパクトな作り(長くて3分半)で、メロディーもキャッチー♪

 気になったのが「Everybody Loves Showtune」。
バンジョーやアコーディオン、ホーンが入ったカントリーテイストの一曲。

 ボーナス・トラックは、全体の雰囲気とはまた違った打ち込みの曲と、プリファブ・スプラウト風のギターが印象的な曲が収録されています。

 軽快に散歩しながら聴くも良し。
お家でまったり聴くも良し。ほっこり系サウンド。

ベル&セバスチャン等がお好きな方にオススメです。東尾沙紀

2011年4月11日(月) The New Mastersounds 「Up In The Air」

 3.11東日本大震災後は世情や節電の影響もあって、店内でかける音楽もアコースティックなものや全体的に静かなサウンドの作品が多かったです。

ただ、ずっと聴いているとやっぱり刺激が欲しくなってしまいますね。
そういう時に最近よく聴いているのがこの1枚。

 UK新世代ジャズ・ファンク・バンド、ニューマスターサウンズの新作『Breaks From The Border』。(国内CD PCD-93389 2,415円)

 今までの作品も60〜70'sJBファンクをルーツにした野太いジャズ・ファンク・サウンドを聴かせてくれていましたが、今作はボーカル曲も増えて、ちょっとオシャレになった感じ。

 それでもテキサス録音で抜群のグルーヴ感は変わらず。
エディ・ロバーツのギターソロ&リフも切れまくってます。

 “クールなかっこよさ”という点では11曲目「Up In The Air」。
エレピの音色と躍動感ある演奏がNICE! 森 陽馬

2011年4月12日(火) ブライアン・セッツァー 「ゴー・ゴー・ゴジラ」

 今日から日本のプロ野球もやっと開幕。

 こんなご時世に・・・、という方もいらっしゃるかもしれませんが、野球の試合がある日常、というのはやっぱりいいですね。
 贔屓チームの勝ち負けどうこうではなく、各選手・監督の成績&勝負強さ、采配などを野球好きの人と語らい一喜一憂する楽しさ。
 個人的には音楽の楽しみ方に似ている気がしています。

 さて、今日の1曲はブライアン・セッツァーの新作からセレクト。

 ブライアン・セッツァー・オーケストラ名義のリリースが続いていた彼の新作は、約5年ぶりとなるソロ名義。初の全編インストというアルバムです。(『SETZER Goes Instru-MENTAL!』 国内CD VICP-64897 2,625円)

 元々は普通のヴォーカル入り楽曲を作る予定が、録音途中の息抜きで弾いた「Blue Moon Of Kentucky」(ビル・モンロー作 今回の1曲目に収録)から一気に火が点いて作り上げたとのこと。

 アップライト・ベースとドラムの音も入っていますが、基本的にはセッツァーのギターが縦横無尽に駆け回る全11曲。
 これはギター・ファン必聴の1枚ですね!

 セッツァーらしいグレッチだけでなく、バンジョーのピッキングが超クールなC「Earl's Breakdown」(アール・スラッグス作)も聴きもの! ジーン・ヴィンセント作「Be-Bop-A-Lula」カヴァーも入っています。

 7曲目には「Go-Go Godzilla」というオリジナル曲も収録。
この曲のみ♪ゴー・ゴー・ゴジラ!♪という女性コーラスが入ります。松井秀喜への応援曲かな? 森 陽馬

2011年4月13日(水) サイモン&ガーファンクル 「4月になれば彼女は」

 今日はタイトルに“4月”が付いた曲を取り上げます。

 この曲は元々は、サイモン&ガーファンクルの1966年発表2ndアルバム『サウンズ・オブ・サイレンス』の中にひっそりと収められていた歌でした。

 その後1968年に映画『卒業』の挿入歌として使われ、シングル「スカボロー・フェア」のB面となりました。そしてサントラにも収録されることにより、多くの人の耳に届くようになったと思います。僕もそのくちでした。

 原題は「April Come She Will」。
含みを持たせた邦題もなかなかいいと思います。

 この曲を聴くと想い出すのが、番組名や時期は憶えていませんが、昔テレビで見た加藤和彦によるカヴァーです。

 見事なスリーフィンガー奏法によって奏でられたギターの音色と柔らかい歌声は今でも頭の中で時々聴こえてきます。森 勉

★掲載ジャケットは映画『卒業』の名作サントラ盤。(国内CD MHCP-2065 1,785円)

2011年4月14日(木) Art Garfunkel 「Scissors Cut」

 サイモン&ガーファンクルというと、1970年発表名作『明日に架ける橋』の40周年記念盤が4月20日に発売予定。

 その40周年盤に新しく付くボーナスDVDには、最新インタビューを元にした新録ドキュメンタリーや、初DVD化となる1969年のTVドキュメンタリー映像が収録されているとのこと。
“○周年盤商法”に文句を言いつつも、やっぱり買ってしまいそう・・・。

 個人的に僕がS&G関連で一番再発してもらいたいのは、アート・ガーファンクルが1981年に発表したソロ5作目『Scissors Cut』(シザース・カット)ですね。

 アート・ガーファンクルのソロ作品は切ない楽曲が多いのですが、このアルバムは特に悲しく切ない1枚。

 当時アートが付き合っていた女性ローリー・バード(映画『断絶』にも出演)が1979年に自殺。その彼女に捧げられている作品なのです。

 その中でもジミー・ウェッブ作によるタイトル曲「Scissors Cut」。

 恋愛の縺れを“じゃんけん”に例えた歌詞が切ないこの歌。
ジミー・ウェッブ本人も1982年作『エンジェル・ハート』で歌っていますが、アートによる情感を内に秘めた歌唱は何時聴いても胸がいっぱいになります。
 特に曲後半リア・カンケルのコーラスが入る部分が美しすぎるがゆえに心に沁みますね。森 陽馬

★掲載ジャケットはアート・ガーファンクル「Scissors Cut」が収録されているベスト盤『Simply The Best』。(輸入CD 491473-2 全20曲収録)

2011年4月15日(金) Corinne Bailey Rae 「I Wanna Be Your Man」

先月の地震数日前、渋谷AXでコリーヌ・ベイリー・レイのライヴを見ました。

 極上のアコースティック・ソウルを聴かせた2006年発表1st以降は、内縁の夫を亡くしたこともありブランクがあったものの、昨年久々の2ndアルバム『The Sea』を発売。(2010年1月19日のこのコーナーでも紹介)

 更にカヴァー5曲を収録したミニ・アルバム『The Love EP』(輸入CD Capitol 0935220 1,050円)を発表しての来日。
 老若男女様々なファンで大盛況のコンサートでした。

 大ヒットした1stアルバム収録楽曲がやはり反応良かったですが、特に印象深かったのは『The Love EP』1曲目に収録されている「I Wanna Be Your Man」。

 プリンスが1979年に発表した2ndアルバム『Prince』。
その1曲目に収録されているポップなナンバーを、オリジナルに忠実に、そして現代的な味付けも加えてゴキゲンにカヴァーしています。

 今までのジャジー&スムースな彼女のイメージとは違ったキュート&ポップな魅力が放たれた1曲。ジョヴァンカお好きな方なら気に入ること間違いなしのキラー・チューンです。森 陽馬

★掲載ジャケットはその『The Love EP』。ボブ・マーリィ「Is This Love」、スライがカヴァーしたことでも有名な「Que Sera Sera」も聴きものです。

2011年4月16日(土) Ocean Colour Scene 「The Day We Caught The Rain」

 オーシャン・カラー・シーンの2nd『Moseley Shoals』リリースから、今年でちょうど15周年。

 出世作/代表作である今作の2枚組デラックス・エディションが先日発売されました。(国内CD UICY-15003 3,600円) ディスク2はシングルのカップリング曲やデモ等全23曲が収録されています。

 リアルタイムではありませんが、ポール・ウェラーが参加(プロデュースはブレンダン・リンチ)という事で聴いた一枚でした。 マッスル・ショールズをもじったタイトルが物語るようにアーシーで枯れた味わいがあり、近作の方がよりポップで、サウンド的にも若返っているなぁと感じます。

 ギター・リフとオルガンがかっこいい人気曲「The Riverboat Song」、ウェラーがギターで参加「The Circle」、ストーンズ風「40 Past Midnight」など、 ビートルズ「I Am The Walrus」を一部引用した「The Day We Caught The Rain」もソウルフルな名曲!

 地味ながら何度も聴く事で味がでる作品です。

 今のところ延期になっていますが、先月末には「Moseley Shoals」再現ライブが東京で一日だけ行われる予定でした。
 アルバムの曲順通りに演奏されるとしたら、オープニングは「The Riverboat Song」! 一曲目から悶絶ですね。東尾沙紀

2011年4月17日(日) ニノ・テンポ&エイプリル・スティーヴンス 「ウィスパリング」

 ナイアガラ・ファン、及びオールディーズ・ファンにはうれしい!注目すべきCDが発売されました。

 大滝詠一がプロデュースしたシリア・ポールのアルバム『夢で逢えたら』に収録されている「Whispering (ウィスパリング)」。
 この曲の元になったニノ・テンポ&エイプリル・スティーヴンスのヴァージョンが入っている彼らのアンソロジーCDです。(『Hey Baby! The Nino Tempo & April Stevens Anthology』 ACE CDCHD-1301)

 「ウィスパリング」の曲自体は1920年代からあるスタンダードですが、大滝詠一とシリア・ポールのデュエットのお手本はこのヴァージョン。

 アレンジはジミー・ハスケルで、なんともいい雰囲気の男女デュエット・ナンバーに仕上がっていると思います。

 今までこの兄妹デュオのCDは色々と出ましたが、このACEからのCDはレーベルを越えての編集で、音も最新リマスター! オリジナル・シングルの写真なども満載したブックレットも充実! オススメの1枚です。

 エイプリル・スティーヴンスの悩殺ヴォーカルが聴ける「ティーチ・ミー・タイガー」や、フィル・スペクターのセッションにも参加した名サックス・プレイヤーとしてのニノ・テンポのソロ・シングルなど、珍しい音源も収録されています。森 勉

2011年4月18日(月) はっぴいえんど 「明日あたりはきっと春」

 4月16日(土)高円寺JIROKICHIにて、<東京ローカル・ホンクwithスペシャル・ゲスト鈴木茂>を見てきました。

 店内は超満員! 見ている僕等も玉の汗が吹き出るほどの熱気に包まれ、それに呼応してホンク&鈴木茂も炎ほとばしるような演奏を繰り広げてくれました。

 飄々としたMCとは対照的に、茂さんは取り憑かれたようにギターを弾きまくっていましたね。

 LAレコーディングしたはっぴいえんど73年発表3rdアルバムの話から「明日あたりはきっと春」を演奏するなど(「記憶がないほどライヴで演るのは久し振り」とおっしゃってました)、本当にスペシャルな一夜でした。

 「砂の女」、「花いちもんめ」など鈴木茂オリジナル楽曲も良かったですが、個人的にはホンクの曲のバックで弾く茂さんのギター・ソロにシビれました。(「生きものについて」は特に凄かった! あとアンコールで演ったローリング・ストーンズ「クレイジーママ」のカヴァーも!)

 9月に横浜でまた再共演するとのこと。お見逃しなく。森 陽馬

★掲載ジャケットは「明日あたりはきっと春」収録のはっぴいえんど3rd『HAPPY END』(KICS-8801 1,800円)。

ちなみに東京ローカル・ホンクは、新曲「はじまりのうた」をiTunes Storeにて4月20日に配信発売します。最近のライヴでも定番のナンバー。要チェック!

2011年4月19日(火) 細野 晴臣 「カモナ・ガール」

 細野晴臣の新作『HOSONOVA』が入荷。(VICL-63777 3,150円)

 “21世紀のホソノハウス”!という前評判は半信半疑だったのですが、いざ実際に聴いてみるとまさにその表現がピッタリの印象。

 ヴァン・ダイク・パークスの作品から言葉を借りると、“ディスカヴァー・ジャパン”といった雰囲気もあり。

 何度聴き返しても飽きがこない、何年経っても色褪せない名作、と後々まで評されることとなりそうなアルバムです。

 Bossa Novaでお馴染みの“Nova”はポルトガル語で新しいの意。
古いけれど新しい、ゆったりとした味わい深い1枚に仕上がっています。

 最近バックを務めている伊藤大地(Dr)、高田漣(G)、伊賀航(B)を含め、ティンパンのメンバー、コシミハル、ヴァン・ファイク・パークス、そしてCoccoや中村まりもゲスト参加。

 チャップリン作の名曲A「Smile」、ディック・ミネやピーナッツでも知られる1928年米映画主題歌@「Ramona」、エルヴィス・プレスリー(リーバー&ストーラー作)K「Love Me」など極上カヴァーも聴きものです。

 特に滋味深かったのはJ「Kimona Girl」(カモナ・ガール)。

 “細野流エキゾチック日本語ブルース”な1曲。
「この曲には鈴木茂のスライド・ギターが絶対必要だった」と語っているように、タメのきいたギターが絶妙! オノ・ヨーコもスペシャル・ヴォイスで参加しています。森 陽馬

2011年4月20日(水) ロン・セクスミス 「Get In Line」 

 カナダのシンガー・ソングライター、ロン・セクスミスが約2年ぶりに新作をリリースしました。(『Long Player Late Bloomer』 国内盤にはアコースティックverなど弾き語り音源5曲追加収録 YMCP-10002 2,625円)

 鮮やかな色づかいのシャツを着て、いつになく明るい雰囲気を放つジャケットのイメージ通りともいえる非常にポップな作品になっています。

 プロデュースは、マイケル・ブーブレの紹介で知り合ったというボブ・ロック(メタリカ、ボン・ジョヴィなど)。
 経歴だけ見るとちょっと不安になる組み合わせなのですが、柔らかく華やかで開放感のあるアレンジがメロディーを引き立たせてていて、意外にも相性◎。

 レコーディングにはラスティ・アンダーソン(g/ポール・マッカートニー)やジェイミー・エドワーズ(key/エイミー・マン)等が参加しています。

カントリー風味のキャッチーな「Get In Line」からきっと鷲掴みにされるはず!

 歌い方や曲の雰囲気がどことなくレイ・デイヴィス風。
内省的な詞とは対照的に、多幸感に溢れたサウンドが春の空気にぴったりの一枚です。東尾沙紀

2011年4月21日(木) 近藤 房之助 「黒い戦争」

 一般的には「おどるポンポコリン」、音楽通には“日本屈指のブルース・マン”として知られる近藤房之助が、ソウルフルな新作『黒くなれ』を発表しました。(ZCL-24 2,500円)

 プロデュースは沖野修也(Kyoto Jazz Massive)との仕事でも知られる名キーボーディスト、SWING-O。

 バックのメンツもSWING-Oと繋がりのあるROOT SOUL、オーサカ=モノレール、マウンテン・モカ・キリマンジャロなど、新世代日本ソウル・シーンを引っ張るメンツが勢揃い!

 グルーヴ感あるイキのいい演奏で、ネッド・ドヒニー「Get It Up For Love」、ブルース・ホーンズビー「The Way It Is」、定番曲「Ain't No Mountain High Enough」などをファンキーなアレンジでカヴァーしています。

 エドウィン・スターの名曲カヴァー「War」(黒い戦争)で聴ける近藤房之助のギター・ソロも熱い!

 ちなみに話は変わりますが、ジャック・ブラック主演の映画『ガリバー旅行記』を先日見に行きました。ラストでこのエドウィン・スター「黒い戦争」が面白いアレンジで使われていましたね。コメディ色強めながら世界平和・反戦的なテーマも盛り込んでいてエンターテイメント作として楽しめました。森 陽馬

2011年4月22日(金) 荒井 由実 「ユー・アー・マイ・サンシャイン」

 『ISETAN Songs Collection 1972-1986』は伊勢丹デパートの1972〜86年キャンペーン・ソングを全23曲集めたCDです。(MHCL-1872 2,520円)

店内、もしくは放送媒体でしか聴けなかった貴重な音源も含まれています。

・小坂忠「土曜日には汗をながそう」
・山本潤子「友だちをみつけよう」
・加橋かつみ「いっしょに暮らさないか」
・吉田美奈子「なぜ年齢をきくの」
・須藤薫「花いちめん春いっぱい」(「花いちめん夢いっぱい」とは別テイクの松任谷正隆アレンジ)
・須藤薫「アップル畑であいましょう」、など注目曲多数。

 今日はその中からユーミンの荒井由実時代の音源「YOU ARE MY SUNSHINE」。

 アルバム『14番目の月』に収録されていた「避暑地の出来事」の別ヴァージョンで、CMレア・ヴァージョンと言えるものです。

 それにしても収録曲がセンスの良い曲ばかりで、さすが伊勢丹という感じ。CDジャケットもナイス・デザインですね。森 勉


★本日4月22日、当店ペット・サウンズ・レコードはおかげさまで無事30周年を迎えることができました。これもひとえにお客様皆様方のおかげです。
 これからも末永くよろしくお願い申し上げます。

2011年4月23日(土) Chocolat & Akito 「学生街の喫茶店」

 村井邦彦が設立し、YMOや荒井由実など70〜80年代に多数のヒット作を生み出したレコード会社、アルファ。

 そのアルファ・レーベルから出された名曲を現代のミュージシャンがカヴァーした企画アルバム『VELVET SONGS』が発売されました。(XQKF-1001 2,500円)

 全13曲新録音! 曽我部恵一、七尾旅人、中塚武、bird、ヒックスヴィル、流線形、島崎ひろみ、TICA等が各々の個性を活かしたアレンジで、日本ポップスの名曲群をカヴァーしています。

 特に3曲目ショコラ&片寄明人夫妻によるGAROのカヴァー「学生街の喫茶店」、10曲目流線形による吉田美奈子カヴァー「恋は流星 Part U」が突出して良かったですね。

 Chocolat & Akito「学生街の喫茶店」は、TICAの石井マサユキさんがほとんどの演奏を担当。

 デヴィッド・T・ウォーカー好きの石井マサユキさんらしく、出だしのギターのフレーズ&音色からしてモロに“デヴィッド・T”的な雰囲気。ナイス・アレンジです。森 陽馬

2011年4月24日(日) 高野 寛 「君住む街へ」

 2009年発表の前作『Rainbow Magic』(個人的に2009年ベストにも選)が素晴らしい出来だった高野寛。

 彼の約1年半ぶりとなる新作『カメレオン・ポップ』が発売されました。
(UMCC-1048 3,000円)

 今作はほぼ全ての楽器・歌・アレンジを高野寛1人で担当。
生楽器中心だった前作に比べ多少エレクトロニカが入り、社会問題を扱った歌詞の楽曲もありますが、引き続き彼らしいポップな魅力にあふれた1枚です。

 トッド・ラングレンの名曲「I Saw The Light」日本語カヴァー、YMO「君に、胸キュン。」のカヴァーなんて飛び道具もありますが、やはり泣きのメロディーが沁みるオリジナル曲の方が断然オススメ。

 特に10曲目以降のミディアム〜スローな楽曲群が印象的。

 12曲目「君住む街へ」のセンチメンタルな詞世界は、聴き返す度に胸奥へじんじんと響いてきます。森 陽馬

2011年4月25日(月) 王様 「素敵だね」

 洋楽ロックを直訳日本語詞でカヴァーしていることで有名な王様。

 一般的には、ディープ・パープルの日本語詞カヴァー『深紫伝説』が有名ですが、当店の隠れた大人気ロングセラーがこの1枚。

 ビーチ・ボーイズの名曲9曲をメドレー形式でカヴァーした『浜っ子伝説』です。(FHCF-2293 1,121円)

 「波乗り米国」、「たの たの たのしい」、「オイラはコロがす」、「波乗り娘」、「いい振動」、「かわいいホンダ」、「カリフォルニアの娘さん」、「神のみぞ知る」、「素敵だね」、という選曲。

 単なるパロディとしてだけでなく内容もなかなかしっかりしていて、クレジットには書いてありませんが、なんと!山下達郎氏がコーラスで参加しています。

 ちなみにこのCD、しばらくは生産中止状態でずっと品切れしていましたが、先日再入荷しました。
 買い逃していたビーチ・ボーイズ/山下達郎ファンの方は今のうちに手に入れておいた方がいいですよ。森 陽馬

2011年4月26日(火) Fleet Foxes 「Bedouin Dress」

 “山のビーチ・ボーイズ”
 “バロック・ハーモニック・ロック・バンド”
とも評された2008年発表1stアルバムから約3年。

 シアトルを拠点に活動しているロック・バンド、フリート・フォクシーズの新作2ndアルバム『ヘルプレスネス・ブルーズ』が本日発売されました。(国内CD 解説・歌詞・対訳付 初回限定価格 PCDT-37 2,100円)

 1st発売後、新作をほぼ完成させていたそうですが、それを全てボツにして再度今作を作り上げたとのこと。

 独特なエコーの効いた幻想的な音世界はそのままに、より深遠な生音サウンドとコーラスが組み合わされ、不思議な夢の中へと誘うような1枚に仕上がっています。

 全体的な雰囲気としては、デヴィッド・クロスビーの1971年ソロ1st『If I Could Only Remember My Name』と、CSN&Y『デジャヴ』、ヴァン・モリソン『アストラル・ウィークス』を合わせたような印象。

 アルバム・タイトルもCSNからの影響を感じさせる(CSNに「Helplessly Hoping」という曲あり)ように、ミュージック・マガジン誌の渡辺亨氏による記事及びメンバーへのインタビューによると、2010年にグラハム・ナッシュと対談したことも楽曲作りに影響されたそうです。森 陽馬

2011年4月27日(水) ニック・ロウ 「Cruel To Be Kind」(恋するふたり)

 ニック・ロウの来日が8月に決まったそうです。

 会場はビルボード・ライヴで、東京10〜11日/大阪12日。
2009年11月にライ・クーダー等と共に来日しましたが、単独来日は2002年以来だそうですね。バックメンバーの詳細はまだ不明ですが、長年ニックと活動を共にするピアニスト、ゲラント・ワトキンスの来日は確定しているみたいなので非常に楽しみです。

 ここ数年ベストが出たり、ソロ1stが再発になったりとちょこちょことリリースはありますが、ニック作品の多くは廃盤なので、これを期にバンバン再発してほしいところ!

 最近になって、79年の2nd『Labour Of Lust』(MSIG-719 2,940円 ボーナス・トラック「ベイジング・ストリート」を追加収録)も最新リマスターで再発されました。

 このアルバムといえばやはり「Cruel To Be Kind」(邦題:恋するふたり)! 言わずと知れたポップ名曲♪

 他にもボ・ディドリー・ビート「Big Kick,Plain Scrap」、「恋するふたり」タイプの「Dose Of You」、「Love So Fine」などひねりの効いたメロディー/アレンジが満載。
 デイヴ・エドモンズらロックパイル、ヒューイ・ルイスが参加しています。東尾沙紀

2011年4月28日(木) スマイリー・ルイス 「ダウン・ザ・ロード」

 1940年代後半からプロとして音楽活動を始めたデイヴ・バーソロミューは、1950年代前半のロック創世記の時代に多くの有名アーティストを見出し、プロデューサー/ソングライターとして活躍をしていた“ロックの父”ともいえるニューオリンズ/リズム&ブルースの巨人です。

 アラン・トゥーサンの大いなる先達という存在でもあり、ソングライターとしてヒット曲も数多く放ちました。

 50曲以上のチャート・ヒットがあるファッツ・ドミノのその8割の曲はこのデイヴ・バーソロミューが関わっており、このCDにも「ブルー・マンデー」(ジョージ・フェイム)、「ウォーキング・トゥ・ニューオリンズ」(ブレンダ・リー)、「ヴァリー・オブ・ティアーズ」(バディ・ホリー)、「ビッグビート」(デル・ヴァイキングス)などのナイス・ヴァージョンが収録されています。

 このCDはACE編集、ソングライターの作品をいろいろなアーティストで収録し、詳細な解説(国内盤には日本語対訳付)を付けた人気ソングブック・シリーズ。(『ザ・ビッグ・ビート』 国内CD MSIG-724 3,150円)

 今回はちょっと渋めかもしれませんが、全25曲すべてが興味深い曲ばかりです。

 今日のこの1曲は、「アイ・ヒア・ユー・ノッキング」(今回のCDでは1971年大ヒット、デイヴ・エドマンズのカヴァー・ヴァージョンを収録)のヒットを出したスマイリー・ルイスの「ダウン・ザ・ロード」を。

 ニューオリンズならではのノリノリな跳ねたリズムがたまりません。

 ヴォーカルの向こうでグッド・ローリングなピアノを聴かせてくれているのは、ヒューイ・ピアノ・スミスらしいとのことです。森 勉

2011年4月29日(金) David Pastorius & Local 518 「African Boogie」

ジャズ・ファンク系で今一番のオススメがこの1枚。

『リターン・オブ・ジャズファンク・スペシャル:ジャズ・ファンク・ネヴァー・ダイズ』。(国内CD PCD-25129 2枚組CD 2,625円)

 かっこいいジャズ・ファンクの名作を多数CD化させたP-VINE社が、その中から究極にキラーなトラックを厳選し惜しげもなく10曲収録!

 更にもう1枚のディスクに、新世代ジャズ・ファンクの人気グループ(ソウライヴ、ニューマスターサウンズ、スピードメーター、オーサカ=モノレール他)がそのディスク1の10曲を新録音でカヴァーしたトラックをどーーんと収録!
というファンク好きにとっては夢のような企画のアルバムです。

 特にディスク2の9曲目、ジャコパスの甥である新世代超絶ベーシスト、デヴィッド・パストリアスによるネイソン・デイヴィスの激キラーチューン「African Boogie」カヴァー!

 サックス・ソロ、そしてそれに続くフェンダーローズ・ソロ以上にベースのグルーヴ感が際立っていて、強烈にかっこいいです。

 もちろんディスク1のオリジナル音源の方も、ビリー・ウッテン奇跡のライヴ音源を筆頭に聴き応え十二分。これは持ってて損なしですね。森 陽

2011年4月30日(土) Alison Krauss & Union Station 「My Opening Farewell」

 カントリー/ブルーグラス界の女王、アリソン・クラウスの新作『ペーパー・エアプレーン』が先日発売されました。(国内CD ボーナス・トラック1曲追加収録 UCCO-6004 2,800円)

 2007年に発表されたロバート・プラント(レッド・ツェッペリン)との共作アルバム『レイジング・サンド』がグラミー賞を受賞し、一躍ロック・ファンにも注目されるようになった彼女。

 デビューした1980年代後半から活動を共にすることが多いバンド、ユニオン・ステーションを従えての7年ぶり久々となるオリジナル・アルバムです。

 美しい歌声&フィドルもさることながら、ブルーグラスに詳しくない音楽ファンでも馴染みやすいメロディーと演奏のアレンジが魅力の1枚。

 特にリチャード・トンプソン作E「dimming Of The Day」、ジャクソン・ブラウン作J「My Opening Farewell」カヴァーのアレンジは聴きもの。
 ジェリー・ダグラスによる哀愁のドブロ・ギターが効いてます。森 陽馬






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