PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2012月10月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2012年10月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2012年10月1日(月) Ginger & The Snaps 「Seven Days In September」

 ACEレーベルのソングライター・シリーズ、今回新しく出たのはトミー・ボイス&ボビー・ハートのソングライター・コンビによる作品集です。(国内仕様CD 英文解説対訳付 MSIG-814 3,150円)

 ボイス&ハートと言えばモンキーズがデビューした時から深い関わりあいを持っていたコンビです。

 このCDには「モンキーズのテーマ」、「すてきなヴァレリ」の他、スタンデルズがカヴァーした「恋の終列車」(1967)、デル・シャノン「彼女 (She)」、リージェンツ「恋の合言葉 (Words)」など、他にも収録されていますが、今日はボイス&ハートがモンキーズ・プロジェクトに参加する前に書いた曲を紹介したいと思います。

 ジンジャー&スナップス「セヴン・デイズ・イン・セプテンバー」は1965年の作品。

 あまり馴染みのないアーティスト名だとお思いでしょうが、実はハニーズの別名なのです。

 マリリン&ダイアンのローヴェル姉妹とジンジャー・ブレイクの3人組ハニーズは、ジンジャーをフィーチャーしたこんなグループ名でも活動していたんです。
(なんとブックレットには、この曲の日本盤シングル・ジャケット写真が掲載されています。日本でこんなシングル出ていたんですね。驚きです。)

 雷と雨の効果音があって、「夏は終っちゃったの・・・」で歌い始めるナイス・ガール・ポップ・ソング。

 今までボイス&ハートのガール・ポップスものにはあまり目がいきませんでしたが、この曲以外にもこのコンピCDには、シャングリラス、ロイヤレッツ、サンドラ・ジー、アイケッツ、サファイアズなど60'sガール・ポップスの隠れた名曲が色々入っています。森 勉

2012年10月2日(火) エイミー・マン 「Living A Lie」 feat James Mercer

 ティル・チューズデイ時代から数えると、30年近いキャリアとなる女性シンガー・ソングライター、エイミー・マン。

 約4年ぶりとなる新作『チャーマー』が発売。
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 SICP-3590 2,520円)

 近年は自作のミュージカル化に向けて創作していた、という彼女。
2008年前作はコンセプト的な作りでしたが、今作はわかりやすいポップ・ロック・アレンジな楽曲が並び、聴きやすい1枚です。

 聴きものは、ジェイムズ・マーサー(ザ・シンズ)とのデュエット曲E「リヴィング・ア・ライ」。

 エイミー・マン(52歳!)、ジェイムズ・マーサー(41歳)。
年は離れてますが、歌声及びサウンド・アレンジも相性バツグンな感じですね。

 この新作を機に現在欧米ツアー中。日本にも来ないかな? 森 陽馬

2012年10月3日(水) 友部正人 「雨の向こう」

 今週末10月6日(土)、外苑前駅近くにある梅窓院・祖師堂にて、『りんりんふぇす Sing With Your Neighbors〜THE BIG ISSUE Support Live Vol.3』が開催されます。

 女性シンガー・ソングライター寺尾紗穂さんが中心となって、路上生活者を支援している雑誌『THE BIG ISSUE』をもっと多くの人に知ってもらおう、サポートしよう、という音楽フェスです。

 出演者は、ザ・なつやすみバンドのMC.Sirafu擁する片想い、韓国太鼓奏者チェ・ジェチョルを中心としたバンド木蓮、Broom Duster KAN、ソケリッサ、更には友部正人さん、なぎら健壱さん。(もちろん寺尾紗穂さんも)

 料金2,000円で入退場自由、温もり伝わるイベントですので、お時間ある方は是非立ち寄ってみてください。

 今日のこの1曲は、友部正人さん2010年発表作『クレーン』から。

東京ローカル・ホンクがバックを担当しているので、当時何度か取り上げましたが、改めて聴いてもホント素晴らしい1枚。友部さんのまっすぐな眼差しの歌と武骨なホンクの演奏が見事に融合しています。森 陽馬

2012年10月4日(木) バーケイズ 「ソウル・フィンガー」

 数あるソウル・インスト・ナンバーの中でも、とびっきりかっこいいグルーヴを感じさせてくれるのが、バーケイズ「ソウル・フィンガー」なのです。

 トランペットを強調したホーンのイントロに始まり、ベース、ドラムス、ギターのリズムがウネリまくるブリッジ部分に続いて、それら全体の楽器が強烈にメロディーを紡いでいく様は何回聴いても気持ちが熱くなってきます。

 ワーナー・ミュージック・ジャパンより“アトランティック1000 R&Bコレクション”というタイトルで、10月3日発売50タイトルの名作アルバムが再発されました。(1ヵ月後の11月7日にも50タイトル出る予定)

 1000というのは1,000種類出るということではなく、すべて1枚1,000円!という低価格の意です。

 そしてうれしいのは1,000円なのに、解説・歌詞付という、買って、聴いて、読んで、歌って楽しめる日本盤ならではの音楽好き(これから音楽好きになる人も含めて)への心遣い。

 もちろん2012年最新リマスター!
そしてレコードで出ていた時のオリジナル・レーベルのデザインをCDのレーベル面に再現した細やかなこだわり等、再発担当者の心意気を感じる注目シリーズなのです。

 「ソウル・フィンガー」に話題は戻ります。

 米米クラブのバックで活躍しているミュージシャンを中心に結成されたK2C SUNSHINE BANDのライヴ(ビッグ・ホーンズ・ビーも参加)を見た時のこと。
 なんとこの曲をナイス・カヴァーしていました。

 お客さんによる♪ソウル・フィンガー♪の掛け声も絶妙のタイミングで、バンドの引き締まったファンキーな演奏は実に迫力満点でした。森 勉


★掲載ジャケットは、バーケイズ1967年作『ソウル・フィンガー』。
(国内CD WPCR-27517 1,000円)

2012年10月5日(金) ディラン・モンドグリーン 「Come Tomorrow」

 トラッシュキャン・シナトラズ、プリファブ・スプラウト、ベル&セバスチャンなどを彷彿とさせるポップ・サウンドが魅力のノルウェー出身男性シンガー・ソングライター、ボルゲ・シルネースによるプロジェクト、“ディラン・モンドグリーン”。

 前作『ザ・ワールド・スピンズ・オン』から約3年ぶりの新作をリリースしました。(国内CD FCRD-43 1,890円)

 3作目にしてセルフタイトルを掲げた本作。
アコースティック・ギター、ストリングス、サックス、スティール・パン、グロッケンなど生楽器によるアレンジ、優しい歌声がとっても心地良いです。

 今日の一曲は、同郷の女性シンガー、Maria Dueとのデュエット「Come Tomorrow」。

 イントロでジャラーンと美しい音色を奏でるのはオートハープ。
他の曲でも印象的に登場しますが、優しくキラキラとした音色が心地良く耳に残ります。

 アルバム完成頃に娘さんが誕生したそうで、新しい命を授かった父親の心境を歌った「Life As A Father」なども、愛に溢れた良い曲です。

新作リリースに合わせて、10月7日に東京・渋谷echoで一夜限りの来日公演も決定しています。東尾沙紀

2012年10月6日(土) 寺尾 紗穂 「アジアの汗」

 寺尾紗穂さんが発起人となって行われた『りんりんふぇす Sing With Your Neighbors〜THE BIG ISSUE Support Live Vol.3』へ行ってきました。

 決して大きなフェスではないけれど、関わっている方々の良心が伝わってくる素晴らしいイベントでしたね。

 個性ある出演者によるライヴもとても面白かったです。
ザ・なつやすみ・バンドのMC.Sirafu在籍バンド、片想い。
毎週末井の頭公園で路上ライヴを行っているBroom Duster KAN。
奥様がBIG ISSUEを昔から集めているという友部正人さん。
さすがの貫禄なぎら健壱さん。
チャング(韓国太鼓)奏者、チェ・ジェチョルを中心とした木蓮。(熱演!)

 特に印象に残ったのは、路上生活者及び元路上生活者経験者で構成されたパフォーマンス集団、ソケリッサ。

 一見すると奇妙な踊りのようでいて、カラダの内側から湧き上がってくる感情を素直に表現したそのパフォーマンスには圧倒されました。カサンドラ・ウィルソンによるニール・ヤング・カヴァー「ハーヴェスト・ムーン」を流しながらのパフォーマンスなど、不思議だけれども面白かったですね。(ちなみに、ソケリッサも凄いけれど、それを受け入れ自らのライヴでもコラボした寺尾紗穂さんも凄い!)

 ということで、来年以降も行われると思いますので、興味ある方は是非来年参加してみてください。森 陽馬

★掲載ジャケットは、寺尾紗穂「アジアの汗」収録2010年発表名作アルバム『残照』。(MDCL-1502 3,150円)

2012年10月7日(日) Modern Folk Quartet 「This Could Be The Night」

 修行時代のニルソンが作った「ディス・クッド・ビー・ザ・ナイト」を初めて知ったのは、1970年代中期頃。
 イギリス盤でフィル・スペクターの音源が色々と発売された時でした。

 その中に『レア・マスターズ』と題されたLPレコードがあって、そこで初めてモダン・フォーク・カルテットが1965年に録音しながら未発表のままになっていたこの曲が、収められていたのでした。

 イイ曲だし、スペクター・プロデュースの未発表ものだし、現在に比べると少ないスペクター・ファンの間でしたが、かなり話題になった曲でした。

 山下達郎がアルバム『ゴー・アヘッド』の中で、マルチ・プレイによる演奏とヴォーカルでカヴァーしたのが1978年。

 本家のMFQは1980年代にライヴ・レコーディングしたものを発表。

 1990年代にはブライアン・ウィルソンがカヴァーしたりとか、カヴァーすべき人たちがちゃんとカヴァーしてくれている曲でもあります。

 このオリジナル・ヴァージョンはなかなか聴きやすい状態では出てませんでしたが、昨年末発売された2枚組全35曲入りのCD『The Essential PHIL SPECTOR』の中にぽっこり収められていました。(輸入CD Legacy 864222)

 フィル・スペクター関連のコンピレーションCDは数年で出回らなくなる傾向もあるので、ファンは要チェックだと思います。

 このコンピ、日本盤も出る予定で番号まで決まっていたのですが、収録曲の権利関係など色々あって発売中止になってしまったといういきさつもありました。
 フィル・スペクター関連の発売には、いつも何かしらの一悶着がありますが、曲は魅力あるイイ曲です。森 勉

2012年10月8日(月) LaTurbo (ラターボ) 「after rain」

 先週の季節外れ台風を境に、一気に涼しくなりました。

 東京の夜は長袖を着てても肌寒く感じるくらい。
毎度のことながら、短い秋を通り越して、初冬が目の前ですね。

 さて、今秋日本インディーズでオススメなのがこの1枚。

 当店地下アゲインで、毎月第一金曜日にライヴを行っている大阪出身5人組バンド、ラターボ。約2年ぶりとなる新作『Share With』。(SRLT-1 2,000円)

 自身のレーベルから初リリースとなるこの4作目は、ブラジリアンなアレンジは抑え目になり、よりポップな面を打ち出した快作!

 アコースティックなサウンド中心ながら、ジャケット・イラスト同様楽しい温もりが伝わってくる仕上がり。やさしいSAXの音色がいいですね。

 英語詞中心による5曲目「after rain」。
クールな演奏&アンサンブルが魅力なナンバーです。森 陽馬

2012年10月9日(火) アート・ガーファンクル 「ロマンス」

 サイモン&ガーファンクルのアート・ガーファンクル、ソロ作品が6種、限定紙ジャケット&2012年最新リマスターで再発されました。

 大好きな『ウォーターマーク』、ボーナス・トラックが2曲追加された名作1st『天使の歌声』が最新リマスターで聴けるのはうれしいですね。

 中でも今回の目玉は1981年発表5作目『シザーズ・カット』でしょう。(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-20432 2,200円)

当時アートの彼女であり、『ウォーターマーク』のジャケット写真も撮った女優/写真家ローリー・バードが、1979年二人が住んでいたアパートで自殺。
その直後今作は完成。亡くなった彼女に捧げられた作品でもあるのです。

 美しいアートの歌声に、他作品より悲哀を多く含んでいるように感じるのはそのせいかもしれません。

 ジミー・ウェッブ作@「シザーズ・カット」、H「悲しき若葉の頃」(原題:In Cars)、ギャラガー&ライル作「ハート・イン・ニューヨーク」等、秀曲揃いですが、今日の1曲は8曲目「ロマンス」。

 アメリカ盤には未収録であったこの曲は、「ラヴ・ハズ・ノー・プライド」等のヒットで知られるエリック・カズによる作。
 H「In Cars」、そしてラストのジミー・ウェッブ作「愛してる、ただそれだけ・・・」(原題:That's All I've Got To Say)への流れが切なくも美しいです。

 なお、日本語解説は天辰保文さんが寄稿されています。森 陽馬

2012年10月10日(水) 加川良 「あした天気になあれ」

 ベルウッド・レーベルが40周年を迎え、プラジャケで40種類、限定紙ジャケで11種がリマスターされ再発売されました。

 今日は加川良が1974年11月にURCからベルウッドに移籍して発表した4thアルバム『アウト・オブ・マインド』から1曲。(新規ライナー付 KICS-2583 1,500円)

 4曲目に入っている「あした天気になあれ」は、トム・ウェイツ「Ol' 55」(イーグルスでも有名)を彷彿とさせるカントリー・ロック・テイスト。

 村上律のペダル・スティール・ギターがいい味を出しています。

 1970年中津川での全日本フォーク・ジャンボリーで、初めて加川良を聴いて以来、彼らしいスタンスで社会を見つめ続ける唄は、ボクの中では大切な音楽のひとつになっています。

 このアルバムには他にも注目曲があり、「子守唄をうたえない親父達のために」では、高田渡、中川五郎、村上律、中川イサトが順番に唄い継いでいたり(曲中に聴こえる赤ちゃんの声は、高田渡の息子、すなわち高田漣のものと言われています)、「かかしのブルース」には林敏明、田中章弘、佐藤博に加え、鈴木茂が参加し、“鈴木茂とハックルバック”結成のきっかけになったと言われています。森 勉

2012年10月11日(木) 中川イサト 「自転車にのって」 feat 高田渡、細野晴臣、鈴木茂、林立夫、矢野顕子

 ベルウッド40周年記念再発盤40タイトルの中には、今回初CD化されたものもあります。

 ティンパン・ファン、フォーク・マニアにオススメなのがこの1枚。

『フォーク・ギター』 村上律・中川イサト編。
(1974年発表作 2枚組CD KICS-2575 2,000円)

オリジナルLPは高価だったようで、僕も今回初めて聴きました。

いわゆる“フォーク・ギターの教則レコード”で、アーリー・タイムス・ストリングス・バンドの村上律と、五つの赤い風船の中川イサトが、実演を交えつつカーター・ファミリースタイル奏法やアルペジオ奏法等を解説してくれるレコード。

 練習曲が、「12月の雨の日」、「赤色エレジー」、「プカプカ」、「機関車」、「満足できるかな」など、当時の日本フォーク名曲が選ばれており、その各々にあがた森魚、高田渡、細野晴臣、鈴木茂などが参加しています。

 今日のこの1曲「自転車にのって」は、中川イサトがフィンガー・ピックキング奏法の練習曲として最後に実演している1曲。

 高田渡はもちろん、細野晴臣、鈴木茂、林立夫の3人によるバンド演奏も加わる貴重トラック。鈴木茂のかっこいいギター・ソロも聴きもの。
 デビュー前の矢野顕子もコーラス参加しています。(クレジットはありませんが声でわかりますね。)

 ちなみに、今回の再発CDには、当時のレコードに付いていた教則ブックレットも縮小版で封入。
 譜面や詳細解説も付いてますので、これからフォーク・ギターを始めたい、という方にもオススメですね。森 陽馬

2012年10月12日(金) ミシェル・ンデゲオチェロ 「朝日のあたる家」

 ベルリン出身、ワシントン育ちの黒人女性ベーシスト/シンガー、ミシェル・ンデゲオチェロ。

 同性愛者であることをカミングアウトしている彼女が、男性のように歌う女性シンガー、ニーナ・シモンへ捧げた作品を発表しました。(国内CD 『至高の魂のために〜ニーナ・シモンに捧ぐ』 VITO-115 オリジナル解説対訳&渡辺亨氏による解説付 2,520円)

 アフリカ系黒人シンガーのリズ・ライトやコーディ・チェスナット、シンニード・オコナー等ゲストもfeatし、ニーナの自作曲や取り上げていた楽曲を深い愛情込めてカヴァーしています。

 特に印象に残ったのは、アニマルズで有名な(でもニーナの方が先に歌っている)@「悲しき願い」とC「朝日のあたる家」。

 どちらもイントロからして、鳥肌モノのかっこよさ!

 C「朝日のあたる家」は、ニーナ・シモン「Sinnerman」の楽曲アレンジを織り込んだ演奏が痛快! (ちなみに「シナーマン」はデヴィッド・リンチ監督作『インランド・エンパイア』でも使われていましたね)

 ミシェル・ンデゲオチェロをご存知でないニーナ・シモン好きの方に是非聴いてもらいたい1枚です。森 陽馬

2012年10月13日(土) 土岐麻子 「イージュー★ライダー」

 昨年12月発売のベスト盤を挟んで、約1年ぶりにリリースされた土岐麻子さんの新作『カセットフル・デイズ〜ジャパニーズ・ポップス・カヴァーズ〜』(RZCD-59190 2,415円)。

 彼女がカセットテープで当時よく聴いていたという80〜90年代の日本の名曲/ヒット曲をカバーした作品です。

 相性バッチリ!なEPO作・資生堂ソング「くちびるヌード」ほか、松任谷由実「Hello, My Friend」、薬師丸ひろ子「メインテーマ」、オフコース「I LOVE YOU」、岡村靖幸「カルアミルク」、TUBE「シーズン・イン・ザ・サン」、スガシカオ「愛について」の全8曲。

 曲だけでなく、PVもカバー?!と話題の奥田民生「イージュー★ライダー」は、共同プロデュース&8曲中6曲を担当した川口大輔によるアレンジで軽やかなシティ・ポップスに♪

 CDをケースから外した時に見れる写真の中央に置かれているものは...こちらも注目です。東尾沙紀

2012年10月14日(日) 長谷川きよし 「愛の讃歌」

 長谷川きよしは、僕にとって昔から大切なシンガーであり、ソングライターであり、ギタリストであり続けています。

 1969年のデビュー・シングル「別れのサンバ/歩きつづけて」で好きになって以来、彼独特の唄い回しが自作でもカヴァーでも耳に残り、心にじわりと伝わってくるのです。

 一時音楽シーンから遠ざかっている時期もありましたが、近年はまた活発に活動を始めてくれてうれしい限り。

 今年5月にNHK『SONGS』に出演した時のパフォーマンスは、本当に素晴らしくて忘れられません。

 その時NHKのスタジオや京都のお寺で歌っていた曲が、正式にレコーディングし直されたり、2010年にヨーロッパ・ツアーを行った際に録音されたライヴ・ヴァージョンを加えて、CDとして発売されました。

 彼の20枚目となるオリジナル・アルバムのタイトルは『人生という名の旅』。(TOCT-29004 3,150円)

 アンリ・サルヴァドールの曲をカヴァーしたアルバム・タイトル曲もいい仕上がりだし、NHKラジオ『深夜便』のうた「夜はやさし」にも惹かれるし、個人的には一番好きな「歩きつづけて」のロンドンでのライヴもいいのですが、今日は『SONGS』でも歌われた「愛の讃歌」。

 エディット・ピアフで有名な曲です。長谷川きよしの優しさと力強さが同居したヴォーカルと早弾きも含めた情緒あふれるギターが胸に沁みてきます。

 なお、エグゼクティヴ・プロデューサーは子安次郎さん。
曲目解説などライナーノーツを萩原健太さんが担当しています。森 勉

2012年10月15日(月) James Taylor 「Sweet Baby James」

 MFQのメンバーであり、60〜70年代友人ミュージシャンの貴重な写真を数多く撮影していた名写真家ヘンリー・ディルツ。

 彼の写真集が近日発売予定になっています。
(書籍『Unpainted Faces』 P-VINE BOOKS 約160ページ 2,940円)

 ニール・ヤング、CSN&Y、ジョニ・ミッチェル、ジェイムス・テイラー、アメリカ、トム・ウェイツ、ミック&キース、フー、ジミヘンetc...。
 有名なところでは、ドアーズ『モリソン・ホテル』、ジェイムス・テイラー『スイート・ベイビー・ジェイムス』、ママキャス『私の小さな夢』のジャケットが彼の撮影によるものですね。

 1990年10月スイッチ・コーポレーションから発売されたヘンリー・ディルツ写真集『素顔の隣人たち』は絶版で入手困難状態でした。今回はそれに未発表だった貴重フォトも増補されるそうです。

 各々のミュージシャンの本質が表れた写真はロック・ファン必見!

 ちなみに当店のみの特典!ポストカードも先着でプレゼント!
ヘンリー・ディルツの名をご存知でない方も是非ご覧になっていただきたい1冊です。森 陽馬

★掲載ジャケットはジェイムス・テイラー1971年名作『スイート・ベイビー・ジェイムス』。(国内CD 限定紙ジャケ WPCR-13819 2,500円)

2012年10月16日(火) ドナルド・フェイゲン 「ミス・マーリーン」

 スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲン、約6年半ぶりとなるソロ4作目『Sunken Condos』が本日入荷。(国内CD WPCR-14718 2,580円)

 調和の取れたサウンドとドナルド・フェイゲンらしいメロディー・ライン。

 どの曲も大人の色気を持った楽曲が素晴らしい1枚!
期待以上の仕上がりですね。

 トランペット奏者マイケル・リオンハートとの共同プロデュースということもあり、落ち着いた楽曲の中にもリズムにグルーヴ感があって、聴くほどに演奏の深みを感じられます。

 アイザック・ヘイズのカヴァーである6曲目「アウト・オブ・ザ・ゲットー」に続く7曲目「ミス・マーリーン」。

 『ナイトフライ』頃を彷彿とさせるイントロの雰囲気に思わずニヤリ。

スティーリー・ダン好きの方はとにかく必聴のアルバムです。森 陽馬

2012年10月17日(水) デヴィッド・ミード 「No One Roxx This Town No More」

 ドヤ顔&ポーズをジャケットできめているのは、米ナッシュヴィルを拠点に活動するシンガー・ソングライター、デヴィッド・ミード。

 99年にデビューし、これまでに7枚のアルバムを発表しています。
 2作目はアダム・シュレンジャー(ファウンテンズ・オブ・ウェイン)がプロデュース。新作『Dudes』ではエグゼクティヴ・プロデューサーとして名を連ねています。(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SFR-006 2,000円)

 ポール・マッカートニー、エルヴィス・コステロ、ポール・サイモンなどをルーツに持ち、今作では、ペダル・スティールが印象的なフォーク・ナンバー「Dudes」(テディ・トンプソンがコーラス参加)や、コステロ&アトラクションズ的なイキの良い「King Of The Crosswords」など、様々なタイプのポップ・ソングを聴かせてくれます。

 中でも、80年代ぽい懐かしい雰囲気のあるこの曲が気になりました。
メロディーラインやコーラスがちょっとスタイル・カウンシル、ブロウ・モンキーズあたりを彷彿とさせるソウル・テイストの曲です。

 ファウンテンズのオープニング・アクトで来日経験ありとの事ですが、単独ライブも是非いつか実現するといいなと思います。東尾沙紀

2012年10月18日(木) ビートルズ 「Love Me Do」

 リンゴ・スター18年ぶりの来日が決まりましたね。

 メンバーはスティーヴ・ルカサー、リチャード・ペイジ、トッド・ラングレン、マーク・リヴィエラ、グレッグ・ローリー、グレッグ・ビゾネットという豪華メンツ!
 来年2月から3月にかけての来日公演で場所はなんとZEPP! 盛り上がりそうですね。

 ビートルズ関連のリリースは先日『マジカル・ミステリー・ツアー』のブルーレイが出ましたが、注目は11月14日発売予定となっている各オリジナル・アルバムのアナログ再発でしょう。

 2009年リマスター音源でのアナログLP化は初。
(16枚組BOXは59,800円!と高額ですが…。バラは3,600円&4,800円)

 それと同時にアナログ・シングルも発売決定しました。

 デビュー50周年を記念して、デビュー・シングル「Love Me Do」(B面は「P.S.I Love You」)を2009年MONOリマスター、パーロフォンのジャケットを用いた限定盤レプリカ・シングルとして11月14日発売。(国内限定盤 日本語解説付 TOJP-40002 1,000円)

 アルバム・ヴァージョンの「Love Me Do」は、リンゴではなくセッション・ドラマーのアンディ・ホワイトが叩いていますが、このオリジナル・シングル・ヴァージョンはリンゴのドラムです。

 アナログ盤はどれもかなりの限定のようです。お早めに。森 陽馬

2012年10月19日(金) アート・ガーファンクル 「ディズニー・ガール」 

ビーチ・ボーイズ50周年記念コンサートのDVDが12/12発売決定しました。

 日本盤DVDは、国内未発売だった映像作品『Do It Again』も付いた2枚組仕様!(もちろん日本語字幕付! UIBY-15018 4,800円)

 どの公演が収録されるかまだわかりませんが、日本では演奏されなかった曲もたくさん収録してもらいたいですね。
(ちなみにDisc.2『Do It Again』の方も「グッド・ヴァイブレーション」録音時の超貴重なセッション映像などファン必見の内容ですよ)

ということで、今日の1曲は日本公演で披露されなかった名曲「ディズニー・ガール」の素晴らしいカヴァーを。

 アート・ガーファンクル1975年発表2ndソロ作『BREAKAWAY (邦題:愛への旅立ち)』。(国内CD 限定紙ジャケット 最新リマスター SICP-20429 2,200円)

 ブルース・ジョンストン本人もコーラス&ピアノで参加。
美しい口笛もブルースが吹いてます。

 それにしても、アート・ガーファンクルは本当にいいですね。
特に78年発表3rd『ウォーターマーク』。(SICP-20430 2,200円)
 個人的に自分の葬式でかけてほしい1枚です。森 陽馬

2012年10月20日(土) プロコル・ハルム 「青い影」

 ユーミンの11月20日発売ベスト・アルバムが、まだ発売1ヶ月前なのに話題を集めていますね。

 初回限定盤には特典DVDも付くということで、当店でもかなり予約が入ってきています。

 タイトルは『日本の恋とユーミンと』。
(3CD+DVD TOCT-29100 4,200円)

 荒井由実と松任谷由実の両時代の名曲を3枚組CDに収録。
ユーミンの40周年を祝うにふさわしい内容となりそうです。

 その中に唯一新録として収録されるのが、なんとカヴァー。

 ユーミンが13歳の時に聴いて大きな影響を受けたプロコル・ハルム、1967年の大ヒット曲「青い影」をカヴァーするとのこと。
 それも、バックにプロコル・ハルムのゲイリー・ブルッカー等が参加しているとの情報も・・・。

 ユーミン・ヴァージョンの「青い影」はまだ解禁になっていないので、今日はオリジナルを。(国内CD VICP-62732 2,205円)

 やっぱり、名曲だなぁ〜。秋に沁みる曲です。森 勉

2012年10月21日(日) THE MERRY-GO-ROUND 「She Laughed Loud」

 エミット・ローズが在籍、60年代後半に活動していたアメリカのグループ、メリー・ゴー・ラウンド。

 当時まだ17歳だったエミット・ローズ作詞曲によるビートルズ直系のポップなメロディが詰まった、67年唯一のアルバム『THE MERRY-GO-ROUND』が、最新リマスター&SHM-CD初紙ジャケットで再発されました。(国内CD 完全限定盤 UICY-75307 2,800円)

 ステレオ+モノに、アルバム未収録シングル3曲を収録した全28曲。
ブリティッシュ・ビート・グループのような佇まいも良いですね。

 バングルス、フェアポート・コンヴェンションそれぞれが取り上げた「LIVE(リヴ)」や「Time Will Show The Wiser」も良いですが、シタールが登場するシングル曲「She Laughed Loud」もいかにもビートルズで微笑ましいナンバーです。

 エミット・ローズ、ポール・マッカートニーお好きな方は要チェック!

 ちなみに、長門芳郎さんによる詳細なライナーノーツにも記載されていますが、今までに4度ほど来日し毎回素晴らしいライブを見せてくれるフィラデルフィア出身のSSW、ジム・ボジアの'05年作品にエミットとの共作&参加曲が収録されています。東尾沙紀

2012年10月22日(月) ウィ・ファイヴ 「ユー・ワー・オン・マイ・マインド」

 フォーク・ロックを1曲。
1965年に大ヒットしたウィ・ファイヴの「ユー・ワー・オン・マイ・マインド」です。

 カリフォルニアで結成された女性1人、男性4人の5人組。
リーダーでアレンジも担当しているマーク・スチュワートは、キングストン・トリオにも在籍していたことがあるジョン・スチュワートの弟だそうです。

・・・とここまで書いて、前にも同じことを書いた記憶がある気がして調べたところ、2007年10月10日の今日のこの1曲で同じ曲を取り上げていましたね。

 前回は輸入盤しか出ていない状態でしたが、今回はA&M50周年企画でリマスターされ、紙ジャケット仕様でオリジナルLPを再現している優れモノなので、もう一度取り上げてみましょう。
 アルバム全曲のモノラル・ヴァージョンがプラスされているし、それに5年も経っているし。

 今回、ウィ・ファイヴは3種類発売されました。

 この曲が入っている1stアルバム『ユー・ワー・オン・マイ・マインド』(国内CD 限定盤 UICY-75308 2,800円)と、2ndでありオリジナル・メンバーでのラスト作『メイク・サムワン・ハッピー』(国内CD 限定盤 UICY-75309 2,800円)。そしてメンバー・チェンジしての3rdアルバム『リターン・オブ・ウィ・ファイヴ』(これは世界初CD化! 国内CD 限定盤 UICY-75310 2,800円)。

 フォーク・ロック・ファンのみならず、ソフト・ロック・ファンにもオススメのウィ・ファイヴです。森 勉

2012年10月23日(火) BLUE ASIA 「池間口説」 〜『スケッチ・オブ・ミャーク』より

先日、映画『スケッチ・オブ・ミャーク』を写真美術館ホールにて鑑賞。

 宮古島で古くから歌い継がれた歌を追ったドキュメンタリー映画。
久保田麻琴さんが宮古島を訪れ、老婆達の神歌と話を聞き、更にその90歳を越えた歌い手や演奏家を東京へ招いてコンサートを開いた時の映像も交えた映画です。

 まさに、“宮古島版ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”といった趣き。
(パンフレットやチラシにはライ・クーダーのコメントも寄せられています)

 様々な想いが込められた神歌に感動を覚えながらも、現在はそれを歌い継ぐ神事・祭事がほとんどの地区で途絶え、ミャークの神歌が失われつつあるという現実に複雑な思いも感じました。

 とにかくもその神歌は必聴。吉祥寺バウスシアターでは今週末までやっているようですのでお時間ある方は是非。

 今日の1曲は、特にブルージーかつブギ調でかっこいい「池間口説」。

 映画内で、病床の嵩原清さん(この歌を当時録音した人)に完成したCDを聴かせに行く場面は印象的でした。森 陽馬


★掲載ジャケットは久保田麻琴が音楽・監修を手掛けBLUE ASIA名義でリリースしているアルバム『スケッチ・オブ・ミャーク』。(VSCD-9692 2,000円)

2012年10月24日(水) ゲイリー・ルイス&プレイ・ボーイズ 「カウント・ミー・イン」

 1965年から1966年にかけて立て続けに9曲のヒットを連発した彼らの存在は、当時のヒット・チャート・ファンには強く印象に残っています。

 「恋のダイアモンド・リング」、「カウント・ミー・イン」、「君のハートは僕のもの」、「涙のクラウン」、「あの娘のスタイル」、「ひとりぼっちの涙」、「グリーングラス」、「わが心のシンフォニー」、「ペイン・ミー・ア・ピクチャー」。

 どの曲も46〜7年前の曲ですが、いまだに輝きを失っていない楽曲ばかりです。

 リバティ・レーベルのスナッフ・ギャレットによる強力なプロダクション、レオン・ラッセルによるきらめくようなアレンジ、そして父親(映画『底抜け』シリーズで一世を風靡した喜劇役者ジェリー・ルイス)譲りの明るさを持ったゲイリーのヴォーカルとキャラクター。
 この3つがうまく合わさったからなのでしょう。

 今日は彼らの第2弾ヒットとなった「カウント・ミー・イン」。

 曲を作ったのはエルヴィス・プレスリーなどのバックでピアノを弾いていたグレン・D・ハーディン。「わが心のシンフォニー」も彼の作品でしたね。森 勉

★掲載ジャケットはシングル・ヒットを網羅した『ザ・コンプリート・リバティ・シングルス』。(国内仕様盤 CRCD-3140 2,940円)

2012年10月25日(木) あっぷるぱい 「にわか雨」

 シュガーベイブ、シティ・ポップ好きの間で、今話題になっているのがこのバンド、あっぷるぱい。(HRCD-47 1,890円)

 まさに“新世代のシュガーベイブ”?!といった感じ。

 流線形をもう少しバンドっぽいサウンドにした雰囲気ですね。

 歌は女性シンガー中心ながら、2曲目「にわか雨」(シュガーベイブのあの曲にそっくり?)など男性がヴォーカルをとる曲もあり。

 CD帯にクニモンド瀧口さん(流線形)のコメントで、“親がシュガーベイブが好きだった事がきっかけで、シュガーベイブが演奏しそうな楽曲をコンセプトに結成された大学生バンド”と書かれていますが・・・。どことなく聴き覚えのあるようなないような歌声とサウンド・アレンジ・・・。

 とにかくも、流線形など新世代シティ・ポップス好きから、山下達郎/シュガーベイブファンも聴きものの1枚です。森 陽馬

2012年10月26日(金) The Blossoms 「Stoney End」

 待望のローラ・ニーロ作品集です。(国内仕様CD 『ストーンド・ソウル・ピクニック〜ソングス・オブ・ローラ・ニーロ』 MSIG-819 3,150円)

 ACEレーベル/ソングライター・シリーズでの発売なので、選曲も音質も解説も安心マーク付! ワン&オンリーの世界観を持った女性シンガー・ソングライター、ローラの名曲がポップス、ジャズ、ソウルなど様々なジャンルの歌い手によって表現されています。全20曲女性シンガーが歌っているものが選ばれているのは特徴と言えるかも。

 さて、どの曲も聴いてグッとくるものばかりで目移りしますが、今日は5曲目に入っているブロッサムズ「ストーニー・エンド」を。

 「ストーニー・エンド」の初出は、ローラが1967年に発表したファースト・アルバムに入っていたものですが、一番早くカヴァーしたのがこのブロッサムズのようです。

 設立したばかりのODEレーベルのシングル第1弾として、1967年4月ルー・アドラーのプロデュースにより発売。

 ヒットには至りませんでしたが、ローラの曲をフィル・スペクター門下出身らしいウォール・オブ・サウンド的アレンジで歌ってしまうのは、ブロッサムズならではの芸当です。「ストーニー・エンド」、やはり名曲ですね。

 今年の秋は、ローラ・ニーロが歌ったオリジナルと、このコンピCD収録曲を聴き比べしたりして、ローラ色に染まりそうです。森 勉

2012年10月27日(土) Alan Evans Trio 「The Meter's Runnin'」

 桑名正博、そして佐藤博(ティンパンのキーボード奏者としても有名)の訃報が相次ぎ報じられましたが、今日は気合の入ったファンキー・チューンでいきましょう。

 新世代ジャズ・ファンク・バンド、ソウライヴのリーダー&ドラマー、アラン・エヴァンスによるオルガン・トリオがアルバムを発表。(アラン・エヴァンス・トリオ 『ドロップ・ホップ』 PCD-93596 2,415円)

 正直言って、ここ最近のソウライヴより数倍イイ!
武骨なインスト・ジャズ・ファンク(ヴォーカルも一部あり)がかっこいいです。

 その中から7曲目「The Meter's Runnin'」。

 曲名通り、ニューオリンズの名ファンク・バンド、ミーターズの定番ナンバー「Cissy Strut」を彷彿とさせるメロディーを引用?した骨太オルガン・ファンク・インスト。

 ソウライヴ・ファンはもちろん、ミーターズ好きにもオススメの快作です。森 陽馬

2012年10月28日(日) Chris Robinson Brotherhood 「Vibration & Light Suite」

 現在活動を休止しているブラック・クロウズのヴォーカリスト、クリス・ロビンソンを中心としたロック・バンド、“クリス・ロビンソン・ブラザーフッド”。

 2012年7月29日の今日のこの1曲でご紹介した前作『ビッグ・ムーン・リチュアル』と2部作になっており、その<対>となる第2弾『ザ・マジック・ドア』がリリースされました。(国内CD ボーナス2曲追加 SICP-3673 2,520円)

 ブルース、ルーツ・ロックを根底にした武骨なサウンドには変わりありませんが、グレイトフル・デッド、ジャム・バンド的なスケール感があり全曲7分越えが基本だった1作目に比べ、今作には5分程のコンパクトでよりブルージーな曲が多めになっています。

 今日の一曲は、今作で一番長い14分近くある4曲目「Vibration & Light Suite」。

 彼らの楽曲では珍しい軽めな曲調から、ロックなサウンドへと展開していく2部構成の曲。

 かっこよく聴き応え充分!
ニール・カサールのギター聴きものです。東尾沙紀

2012年10月29日(月) uncle-jam (伊藤銀次&黒沢秀樹) 「Crying All Night Long」

 伊藤銀次デビュー40周年(!)を記念した2CDベスト盤が、12月12日発売決定しました。(伊藤銀次 『ゴールデン☆ベスト』 MHCL-2177 3,000円)

 1972年レコード・デビュー曲「留子ちゃんたら」(ごまのはえ名義)から、「幸せにさよなら」、「こぬか雨」、「雨のステラ」等ソロ人気曲、更には黒沢秀樹とのユニットuncle-jamの音源、そして「ウキウキWATCHING」最新録音まで2枚組CDに全37曲の決定盤!

 昔からのファンはもちろん、銀次さんのCDは1枚も持っていない、という方にもオススメ!
 当店のみの特典も制作予定です。乞うご期待!

 ということで、伊藤銀次&黒沢秀樹による現在進行形ユニット、uncle-jam(アンクルジャム)。2012年5月5日下北沢、風知空知(フーチークーチー)でのライヴを録音した300枚限定プレス2CDRから今日のこの1曲。(『uki-uki☆music club vol.7』 D10137 2,500円)

 「Crying All Night Long」は、竹内まりや『ポートレイト』に収録された伊藤銀次作曲ナンバー。
 uncle-jamによるこのセルフ・カヴァー・ライヴ・ヴァージョンは、エヴァリー・ブラザーズを彷彿とさせるハーモニーが素晴らしい仕上がり!

 ちなみに12月12日発売ベスト盤には、この曲のスタジオ録音バンド・ヴァージョンが収録される予定です。楽しみですね。森 陽馬

★掲載ジャケットはuncle-jam 5/5ライヴCDR盤。オリジナル曲だけでなく、「Burn」〜「Highway Star」のかっこいいギター・インスト・カヴァー(5月6日版は「Whole Lotta Love」〜「Purple Haze」)、各々のソロ曲、そして二人の掛け合いMCも楽しいライヴ音源です。

2012年10月30日(火) アレクサンダー・ダンス楽団 「花売り娘」

 今から40年ほど前、チャーリー・チャップリンの映画がリヴァイヴァル上映され、銀座の映画館に観に行った記憶が残っています。

 有楽座だったか、日比谷映画だったか、みゆき座だったか、はたまたニュー東宝だったか・・・。場所は覚えていないのですが、ロードショー館でニュープリントで観たチャップリンの『街の灯』の素晴らしさは忘れられません。

その『街の灯』で印象的に使われた曲が「花売り娘」(La Violetera)でした。

 この曲はチャップリンのオリジナル曲ではなく、『街の灯』が作られた1931年の数年前にヒットしていた曲だそうです。

 スペインの作曲家、ホセ・パディジャが作った実に美しいメロディーで、今ではスタンダードとして広く知られています。

 このCDは、映画監督の小津安二郎が所蔵していたSPレコードを元に編集された2枚組CD。(国内CD JXCP-1047 3,800円)

 SP復刻音源がたっぷり47曲聴くことができます。
「花売り娘」はラケル・メレによるヴォーカル入りの曲も収録されています。森 勉

2012年10月31日(水) 星野みちる 「もう、ランデブー」

 当店大推薦ユニット、マイクロスターの新曲が11月21日緊急発売決定しました!

 昨年9月に発売され大好評だった「夕暮れガール」から約1年。
本当に待望となる新曲タイトルは「夜間飛行」。
(今回も高瀬康一さんによるジャケットが素晴らしい!)

 更にB面はリンジー・ディ・ポールとバリー・ブルーによる1975年発表クリスマス・ソング「Happy Christmas To You From Me」のカヴァー!

 前回に続き限定アナログEPにCDRが付いた仕様で完売必至!
今冬のヘビー・ローテーション確定!の2曲となりそうです。

さて、その新曲を待ちきれない、という方にこの1枚。

 元AKB星野みちるの限定EP+CDR「い・じ・わ・る・ダーリン」(C/W 「もう、ランデブー」)。(国内EP HCR-9656 1,260円)

なんと!マイクロスターの佐藤清喜さんとはせはじむがプロデュース&作曲を担当。

 マイクロスターとはまたちょっと違うシンセ・ポップ・サウンドですが、マイクロスター的甘いポップなメロディーが楽しめます。

 更にB面「もう、ランデブー」は、ネオアコ・ファンにも人気のマンチェスター出身2人組ユニット、CANDY FLIP「This Can Be Real」日本語カヴァー。アイドル・ポップ好きの方も要チェックです。森 陽馬


★掲載ジャケットは、星野みちる「い・じ・わ・るダーリン」のEP。






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