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  今日のこの1曲 “Archives”

<2013月10月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2013年10月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2013年10月1日(火) 中井大介 「夜はこれから」

 10月になりました。あと3か月で2013年も終わりですね。

 音楽業界は相変わらず厳しい状況ですが、いい作品もたくさん出ています。

 今日紹介する中井大介さんの1stミニ・アルバムも多くの方に聴いてもらいたいオススメ盤。

 中井大介さんは、当店が推薦している京都発カントリールーツ・ユニット、パイレーツ・カヌーをリリースしているレーベル、On The Corner Recordsの代表であり、男性シンガー・ソングライター。

 今作『nowhere』は7曲入り1,000円というコンパクトな仕様ですが、内容は本当に素晴らしい!
(中井大介 『nowhere』 otcr-005 1,000円)

 パイレーツ・カヌーのメンバーも参加しているバック演奏、憂いを帯びた彼の歌声、そしてなにより曲がいいですね。

 強引に例えると、星野源をよりルーツ色強めた雰囲気、かな?

 高田漣、おおはた雄一、星野源などお好きな方、必聴ですよ! 森 陽馬


2013年10月2日(水) tricot 「おやすみ」

 第6回CDショップ大賞2014、大賞最有力候補!?

今、日本ロック界で最も勢いを感じさせる京都発4人組(女3+男ドラマー)バンド、tricot。(トリコ)

 待望の1stフル・アルバム『T H E』が発売になりました。
(限定パッケージ盤 DQC-9028 2,900円 通常盤 DQC-1157 2,500円)

 最近のバンドは変拍子で突っ走るタイプのサウンドが多く、正直言って食傷気味でしたが、このtricotはかっこいい!

 演奏のキレキレ感! 爆裂具合! そして爆音に潜むポップ・センス!

 女性ヴォーカリスト/中心人物である中嶋イッキュウのカリスマ性は、約15年前「歌舞伎町の女王」を歌っていた頃の椎名林檎を彷彿とさせるものがありますね。

 椎名林檎とクラムボンを合わせて爆音ジューサーにかけたような破壊力抜群の全13曲。


 ヒリヒリと火傷しそうな音像は聴く人を選ぶでしょうが、これからの日本ロック界台風の目であることは間違いないでしょう。森 陽馬


2013年10月3日(木) Grey Reverend 「Postcard」

グレイ・レヴァレンドことL.D.ブラウンは、ブルックリンを拠点に活動している黒人男性シンガー・ソングライター。

 2011年に1stアルバム『Of The Days』(輸入盤のみ)をリリースしており、ザ・シネマティック・オーケストラ、ボノボなどの作品・ライブ客演でも知られている人物です。

 内省的な詞と、さみしげなメロディー、素朴で飾り気のない歌声。

引き合いに出されるのは、エリオット・スミス、ジェフ・バックリィ、ティム・ハーディンなどなど。

60~70年代フォークの雰囲気を纏った楽曲、彼が爪弾くギターは聴くほどにじわじわと沁み込んできます。

 1stはほぼ全編アコギ弾き語りの非常にシンプルな作品だったのですが、新作2nd『A HERO'S LIE』(国内CD 歌詞・対訳付 国内盤ボーナストラック2曲収録 BRC-393 1,980円)ではアレンジにピアノやストリングスなどを取り入れ、1stより広がりのあるサウンドになっています。

 今日のこの一曲は9曲目「Postcard」。
歌詞に登場する♪“ジョンとヨーコ”、“ポールとリンダ”♪というフレーズが印象的なナンバーです。

涼しくなってきたこれからの季節にぴったりな一枚。東尾沙紀


2013年10月4日(金) ジャッキー・ウィルソン 「Since You Showed Me How To Be Happy」

ピチカート・ファイヴの小西康陽がブランズウィック・レーベルの中から選曲したコンピCDが出ました。

 タイトルは『小西康陽 presents 大都会交響楽 -Readymade DIGS Brunswick-』。
(国内CD CDSOL-5749 1,890円)

 ブランズウィックは名曲の宝庫。
メロウでスウィートなのに、シカゴ・ソウルらしいしっかりとメリハリの効いたリズムがどの曲にも生きています。

 すでに発売された別のコンピに収録のヒット曲・有名曲を外しながらも、聴いていてこんなに気分を良くしてくれる曲をチョイスするのは、さすが小西康陽。

 ノンストップものではなく1曲フルに聴けるのもいいし、曲間が少し短くしてあるので全体の流れが心地良いですね。

 曲が終わり、次の曲が出てくるタイミングやサウンドの雰囲気も最高。

 全曲そんな感じが味わえますが、今日はその中からジャッキー・ウィルソンの1967~68年にかけてのミドル・ヒット「シンス・ユー・ショウド・ミー・ハウ・トゥ・ビー・ハッピー」を。

 大ヒット「ハイヤー&ハイヤー」の二番煎じのような曲調ですが、それがイイんです。

 前の曲、ハーマン「ラヴ・ザ・ワン・ユーアー・ウィズ」のエンディングと、この曲イントロの相性がこれまた良くって・・・。

 ミシガン湖に面したシカゴの街の地図をレイアウトしたジャケット・デザインもカッコイイ! 森 勉


2013年10月5日(土) NRQ 「また変な知らせ」

 来週10月13日(日)、りんりんふぇすVol.4が行なわれます。

 女性シンガー・ソングライター寺尾紗穂さんが中心となって路上生活者を支援している雑誌『THE BIG ISSUE』をもっと多くの人に知ってもらおう、サポートしよう、という音楽フェスです。

 場所は外苑前駅近くにある梅窓院・祖師堂の中で、加川良、七尾旅人、NRQ、寺尾紗穂、石橋幸、ソケリッサが出演。(入場料が前売り2,000円・当日2,500円と安い!)

 おにぎりが無料で配られたり、手作りの入場券だったり、と手作り感が伝わってくるとても良いイベントなので、関東圏の方は是非立ち寄ってみてください。

 ちなみにこのイベント、一昨年のトップバッターはcero、昨年のトップバッターは片想い、でした。

 どちらもその後大ブレイクしましたが、気になる今年のトップバッターはNRQ。

 NRQ(New Residential Quarters)は、yojikとwandaにも参加している吉田悠樹(二胡)と、牧野琢磨(ギター)、服部将典(コントラバス)、中野勘二(ドラムス)によるインスト・バンド。

 イベント開演14時30分から要チェックですね。森 陽馬


★掲載ジャケットはNRQ「また変な知らせ」収録、2012年発表作『のーまんずらんど』。(MYRD-25 2,415円)


2013年10月6日(日) アーティスティックス 「イッツ・ゴナ・ビー・オールライト」

 10月に入り、一気に秋の気配が漂い始めました。

 こういう季節になると、やはりスウィート系のソウル・ヴォーカル・グループが聴きたい気分。

 ということで、アーティスティックス。

 ブランズウィック・レーベルでの1枚目『アイム・ゴナ・ミス・ユー』は1967年発表。

 シングル・ヒット「アイム・ゴナ・ミス・ユー」と「ガール・アイ・ニード・ユー」他、ハズレ曲無し!
シカゴ・ソウルを堪能できる好内容のアルバムです。
(国内CD 解説・歌詞付 CDSOL-5723 1,890円)

 「モンキー・タイム」、「ウム・ウム・ウム・ウム・ウム・ウム」のヒットを持つメイジャー・ランスのバック・コーラスを務めていたこともある彼ら。

 そんな経験に裏打ちされた聴きやすいながらも、シカゴという都市のコーラス・グループの良さがしっかりと音に刻まれています。

 今日のこの1曲は、ヒット曲ではありませんが9曲目に入っている「イッツ・ゴナ・ビー・オールライト」。

 リード・ヴォーカルとコーラスがうまく絡み合ったいい曲です。森 勉


2013年10月7日(月) バッファロー・スプリングフィールド 「For What It's Worth」

 昨日10月6日、リッチー・フューレイ来日公演を見てきました。

 彼の温厚な人間味が伝わってくる良いライヴでしたね。

 今年69歳になったリッチーですが、ハイトーン・ヴォイスは健在!

 リッチーと同年代くらいのギタリストとその息子(ベーシスト)、リッチーの娘さん(コーラス)、若いドラマーを加えた5人編成ファミリー・バンドも、各々が笑顔で楽しみながら演奏していて良かったです。

 バッファロー・スプリングフィールド、POCO、サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンド時の曲など、「こんな曲もやるんだ!」という意外な選曲も。
 リッチーが奥さんへ捧げた新曲も良かったなあ~。

 せっかくの初来日なのにお客さんが少なかったのが唯一残念でしたね。

 10月8日(火)には大阪ビルボード・ライヴで公演が残っています。
東京では2部終演後にサイン会もありましたから、関西お住まいでアメリカン・ロック好きの方は是非チェックしてみてください。森 陽馬


★掲載ジャケットは、リッチー&スティーヴン・スティルス&ニール・ヤングを中心としたバッファロー・スプリングフィールド1966年作1st。現在、解説・歌詞・対訳付の国内盤が限定価格1,380円で出ています。(国内CD WPCR-78099 1,380円)


2013年10月8日(火) センチメンタル・シティ・ロマンス 「旅の途中」 feat 小坂忠

 センチメンタル・シティ・ロマンス結成40周年!

今度の日曜日10月13日(日)、愛知県森林公園野外音楽堂にて、センチの
記念コンサート“えんでにゃ~の”が開催されます。

 センチ歴代のメンバーや縁のあるアーティストが勢揃いするようで、なんと!入場料は無料!

 今年再発された1979年発表ライヴ盤『センチメンタル・ライヴ』と同じ会場、ということで、そのライヴに行っていた、という往年のファンはもちろん、最近ファンになったという方も是非チェックしてみてくださいね。

 ということで、今日のこの1曲はセンチ2011年発表最新オリジナル・アルバム『やっとかめ』から。
(WPCL-10967 3,150円)

 中野督夫さん作の2曲目「旅の途中」には小坂忠さんがゲスト参加。

 センチらしい温もり溢れる演奏と歌声/コーラスが沁みますね。

 なお、このアルバム『やっとかめ』ですが、早くもメーカー生産中止となっていて店頭在庫限りとなります。
まだ手に入れていなかったという方、お早目に。森 陽馬



2013年10月9日(水) 星野源 「地獄でなぜ悪い」

 現在公開中の園子温監督新作映画『地獄でなぜ悪い』に出演している星野源。

 映画主題歌となっている新曲「地獄でなぜ悪い」が先週リリースされました。
(初回限定DVD付 VIZL-590 1,785円

60~70年代ソウル・モータウンを下敷きにしたという、ハチャメチャなストーリーにぴったりなポップ・チューン♪

 伊藤大地(dr)、伊賀航(b)、長岡亮介(g)、ピアノにスガダイロー、コーラスに片想いのオラリーが参加。

 ころころと転がるピアノが特に印象的で、「音そのものを楽しんでほしい」と、この曲のインストゥルメンタルも収録されています。(カラオケがシングルに入るのは初!) 

 ♪生まれ落ちた時から 居場所などないさ♪
こんなにポップなメロディーの中、このフレーズになんだかドキッとさせられてしまいました。

 初回盤には、ライブやドキュメンタリーなどたっぷり69分収録したDVDが付いています。

 先月オフィシャル・サイトでもコメントが発表されましたが、再手術後の経過も良好なようです。
焦らずゆっくり療養して戻ってきてほしいですね! 東尾沙紀


2013年10月10日(木) 今井美樹 「ようこそ輝く時間へ」

 今週出た新譜で一番売れているのがこの1枚。

 今井美樹によるユーミンカヴァー・アルバム『Dialogue』。(TYCT-60001 3,150円)

 中学生の頃から大ファンで当時お小遣いの全てをユーミンのレコードに使っていた、という彼女。

 好き過ぎるゆえあえてカヴァーを避けてきたようですが、夫の布袋寅泰と共にロンドンへ居住を移し、また50歳になったことを機にロンドン録音で制作されたカヴァー・アルバムです。

 ジャミロクワイやビュークを手掛けてきたサイモン・ヘイルと、インコグニートのブルーイをサウンド・アレンジャーとして起用。

 斬新なアレンジもありながら、しかし原曲の良さは崩すことなく、今井美樹及びユーミンどちらのファンでも心地良く聴ける仕上がり。

 今日のこの1曲は『パールピアス』に収録されていた「ようこそ輝く時間へ」カヴァー。

 インコグニートによるサウンド・アレンジがとてもスタイリッシュ!
 最初聴いた時、パリスマッチが関わっているのかな?と思えるようなクールで洗練されたサウンドがかっこいい1曲です。森 陽馬


2013年10月11日(金) GOV'T MULE 「Funky Little Tragedy」 feat Elvis Costello

 10月中旬なのに本日の東京は真夏日(30℃)でした。

 最近は暑い日が続いていますが、その暑さを更に増幅させるような熱い1枚を。

 オールマン・ブラザーズ・バンドのギタリスト、ウォーレン・ヘインズを中心としたバンド、GOV'T MULE(ガヴァメント・ミュール)の新作『SHOUT!』。(輸入CD BLUE NOTE B001880402)

 テデスキ・トラックス・バンドの新作も良かったですが、骨太さ、男臭さならこちらの方が上かもしれませんね。
 ずっしりとした重量感ある武骨なアメリカン・ロックを聴かせます。

 今作の面白いところは、2枚目のボーナス・ディスクに、DISC.1と同じ楽曲を様々なゲスト・ミュージシャンが歌っているトラックが入っていること。

 ベン・ハーパー、ドクター・ジョン、ジム・ジェームス、グレイス・ポッター、デイヴ・マシューズ、更にはエルヴィス・コステロ、グレン・ヒューズ、スティーヴ・ウィンウッドも!

 DISC.1ではアメリカンに感じた楽曲が、英国人であるコステロやウィンウッドが歌うと、ブリティッシュ・ロックな雰囲気になるから不思議ですね。
 (コステロの曲超かっこいい! ウィンウッドの健在ぶりも素晴らしい!)

 ガヴァメント・ミュールまだ聴いたことがない方にも楽しめるアルバムだと思います。森 陽馬


2013年10月12日(土) 山下達郎 「光と君へのレクイエム」

 山下達郎、ひさしぶりのシングルが出ました。
(『光と君へのレクイエム』 初回プレスのみ特典が当たる応募はがき封入 WPCL-11607 1,050円)

 シングルとしては2011年3月発売『愛してるって言えなくたって』以来。
 その間、アルバム『Ray Of Hope』やベスト盤『OPUS』が出たり、シアター・ライヴがあったり、ツアー・ライヴがあったりで、そんなひさしぶりな感じがしませんね。達郎さん、よく働いています!

 さて、2年7か月ぶりシングルは映画の主題歌です。
松本潤と上野樹里主演『陽だまりの彼女』は、越谷オサム原作による同名恋愛小説の映画化です。

 小説の中にビーチ・ボーイズの曲が出てきたりする物語の主題歌なので、どんな曲になるのかとても楽しみにしていました。

 ひさしぶりのミディアム~アップの曲でニッコリ、といった感じでしょうか。
“サンデー・ソングブック”では何回も流れていますが、やはりCDで聴くと曲やヴォーカルの細かなニュアンスの伝わり方が全然違いますね。

 ビーチ・ボーイズの曲が挿入歌として使われている映画のエンディング・テーマということを意識させてくれる言葉が歌詞に入っているのがやっぱりうれしい! “Wouldn't It Be Nice!”。

 映画は本日から全国劇場公開。
嵐ファンで混雑しているであろう映画館に足を運んでエンドロールまでのストーリーも含め楽しみたいと思っています。

 そういえば松本潤が出演している映画で、2005年公開『東京タワー』(主演は岡田准一、黒木瞳)がありましたが、その主題歌は山下達郎「Forever Mine」。
 昔から松潤と達郎は縁があったんですね。森 勉


2013年10月13日(日) Prefab Sprout 「Hey Manhattan!」

 最近流れているH&MのCMで、ティアーズ・フォー・フィアーズ「Pale Shelter」が使われていますね。

 83年発表1stアルバムに収録されている曲です。
新しいような古めかしいような不思議な感覚で、テレビから流れてきたのがなんだか新鮮でした。

 ティアーズ~と同年代にデビュー、現在はパディ・マクアルーン1人で活動を続けているプリファブ・スプラウト。

2009年以来9作目となる新作『Crimson/Red』を発表。
国内盤はBlu-specCD2仕様で、10月23日に発売になります。

新作とても楽しみですね!
本日は待ち切れない気持ちを抑えて、1988年発表の『ラングレーパークからの招待状 (From Langley Park To Memphis)』(国内盤 SICP-30208 1,890円)から。

スティーヴィー・ワンダーがハーモニカで参加した「Nightingales」、ピート・タウンゼントが参加した「Hey Manhattan!」など豪華なゲストも参加した初期の人気作です。

特に個人的に好きなのが「Hey Manhattan!」

キラキラしていて、都会的な雰囲気で、いつまでも色褪せない輝きを放つ一曲です。東尾沙紀


2013年10月14日(月) ジョニー・ドレリ&カトリーヌ・スパーク 「恋よ、さようなら」

 バート・バカラック作品を集めた2枚組コンピが新しく発売されました。

 『バート・バカラック・ソングブック ワーナー・エディション』。
(国内CD 2CD WPCR-15100 監修・解説:坂口修 3,200円)

 日本独自企画の全43曲、いろいろ権利関係などで選曲は御苦労があったと思いますが、ここでしか聴けない珍しい曲も入っていますし、日本盤ならではの全曲解説・歌詞・対訳付がうれしいところです。

 ディスク1には1960~70年代、ディスク2には1980~2000年代に発表されたものを収録。
かゆいところに手が届く好企画だと思います。

 なによりも聴いていて心地良い楽曲ばかり選ばれているのが、バカラックのことをこよなく愛する坂口修監修のブランド力だと思います。

 今日はディスク1の24曲目に収められているイタリア語によるバカラック作品を。

 「恋よ、さようなら」(I'll Never Fall In Love Again)を女優としても有名だったカトリーヌ・スパークと、当時恋人(後に結婚→離婚)だったジョニー・ドレリがデュエットしています。
 カンツォーネ・テイストのバカラックもまた良し。

 なお、<アトランティック・エディション>(2枚組CD 全45曲 WPCR-15098 3,200円)も同時発売されています。森 勉


2013年10月15日(火) ポール・マッカートニー 「Everybody Out There」

 ポール・マッカートニー来日公演、1か月を前に久々の新作が発売されました。
(『NEW』 UCCO-3048 国内盤ボーナス・トラック3曲追加 2,600円)

「これは“バック・トゥ・ザ・ビートルズ・アルバム”なんだ!」と、ポール自身がインタビューで公言している今作。

 アルバム発売前に公式サイトで公開されたリード曲「NEW」には、ビートルズ「All You Need Is Love」を彷彿とさせるハープシコードが使われており、まさにビートルズ的な1曲でしたが、ビートルズっぽいのはその曲くらいで、アルバム全体的には現代の音に呼応したポールらしい作品ですね。

 アデル等で有名なポール・エブワース、エイミー・ワインハウスを手掛けたマーク・ロンソン、ジョージ・マーティンの息子ジャイルズ・マーティン、グリン・ジョーンズの息子イーサン・ジョーンズなど、現在活躍している旬な若い世代のプロデューサーを起用。

音はビートルズ的でなくても、精神的な意味合いで“バック・トゥ・ザ・ビートルズ・アルバム”なのでしょうね。

 正直言って最初聴いたときは多少戸惑いましたが、聴き続けていたら違和感がなくなりました。
ギターの逆回転やサンプリングを使ったりと、71歳にして守りに入ることなく攻めている感じが伝わってきます。

 今日のこの1曲は、今回のツアー・タイトル“Out There”の意志が込められた⑧「Everybody Out There」。

 前に進んでいこうとするポールの気概が感じられますね。森 陽馬



2013年10月16日(水) The Band Of Heathens 「Texas」

 早朝に台風が過ぎ、午前中は暴風が吹き荒れた本日の東京。

 開店前、落ち葉やゴミが転がった店前を掃除し、澄んだ空気の中オープン時にかけて聴いたのがこの1枚。

 テキサス州オースティン出身バンド、The Band Of Heathensの新作 『Sunday Morning Record』。
(輸入CD BOH Records BOH106)

 イーグルスにも通ずる古き良き正統派アメリカン・ロックを引き継ぐ良質な演奏とサウンド。

 アルバム・タイトル通り、日曜日の朝聴くのにもピッタリ合いそうな1枚です。

 今日のこの1曲は郷愁を誘うラスト⑪「Texas」。

 ジェイホークスを穏やかにした雰囲気もあるので、フォーキーなアメリカーナ作品や70'sウエスト・コースト・サウンド好きの方にもオススメです。森 陽馬



2013年10月17日(木) ペギー・リプトン 「It Might As Well Rain Until September」

 長い間再発が望まれていた名作アルバムが遂に世界初CD化となりました。

 ペギー・リプトンが1968年に発表した唯一のアルバム『ペギー・リプトン』。
(国内CD 完全生産限定盤 紙ジャケット仕様 解説:長門芳郎 VSCD-2536 3,150円)

 女性シンガー・ファン、ポップス・ファンにおすすめの1枚です。

 彼女はテレビ・ドラマの女優として『奥様は魔女』、『ヒッチコック劇場』、『インベーダー』などに端役として出演。
 1968年からはABCネットワークで放送された『モッズ特捜隊』の主役として全米で有名になりました。(日本では1969年東京12チャンネル(現テレビ東京)で放送されました)

 そんなペギー・リプトンが女優としてブレイク寸前の時期に、ルー・アドラープロデュースのもと作られたのがこのアルバムです。

 セールス的には残念な結果に終わりましたが、作品の質としては素晴らしい仕上がりになっています。

 同じODEレーベルで同時期に制作されたキャロル・キング、ダニー・クーチ、チャールズ・ラーキーによるあの名作『シティ』のアルバムも売れなかったわけですから、時代が少し早すぎたということなのでしょう。

 バックにはハル・ブレインを中心に、ジム・ゴードン、ジョー・オズボーン、ラリー・ネクテル、ジム・ホーン、ブロッサムズなどが参加。

 ストリングス&ホーン・セクションのアレンジはマーティ・ペイチが担当、と万全の布陣。

 全11曲の楽曲はペギーの自作4曲、キャロル・キング作5曲、ローラ・ニーロ作2曲、という構成。

 1曲目に入っているペギー作品「レット・ミー・パス・バイ」もすごく好きな曲ですが、今日はキャロル・キング&ジェリー・ゴフィン作品「イット・マイト・アズ・ウェル・レイン・アンティル・セプテンバー」(邦題:泣きたい気持ち)を。

 歌手キャロル・キング1962年の初ヒットをナイス・カヴァーしています。

 オリジナルよりぐっとテンポを落としたバラード仕立てのアレンジが、ペギーの魅惑アルト・ヴォイスを引き立たせています。森 勉


2013年10月18日(金) 吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズ 「栃東の取り組み見たか」

 CD帯に<7年ぶりオリジナル・アルバム>と書いてあったので、そんなに間が空いていたかな、と思ってたら2009年1月に出た前作はライヴ盤でしたね。(2009年1月18日今日のこの1曲で取り上げてました)

 といっても、そのライヴ盤からも4年経ってますが、なにはともあれ“日本ジャンプ・ブルース界の絶滅危惧種”!?吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズの新作がめでたく出ました。
(国内CD 『SENIOR BACCHANALS (シニア・バカナルズ)』 HOTRCD-6 2,860円)

 「おまえ誰だっけ」、「誕生日には俺を呼べ」、「俺たち相性いいぜ」、「Gumbo de Twitter」、「電話にコードがあった頃」など、ユーモアとエスプリが効いた曲目&歌詞が本当に最高!

 各々の歌詞は最後にちゃんとオチがあるところもイイですね。

 ライヴではかなり昔から定番だった「栃東の取り組み見たか」も今回めでたく収録!

 元ネタは、カウント・ベイシー&ヒズ・オーケストラが1949年頃演奏していた「Did You See Jackie Robinson Hit That Ball」。(ジャッキー・ロビンソンは1940年代後半から1955年まで大リーグで活躍した名野球選手。)

 つまりは「ジャッキー・ロビンソンのバッティングを見たか」が吾妻さんのアレンジによって、「栃東の取り組み見たか」になったわけです。

美味しいツマミやシャレた音楽もいいけれど、吾妻さんの味わい深い新作も夜のお酒のお供に是非。森 陽馬



2013年10月19日(土) 斎藤誠 「幸せの準備」

 デビュー30周年おめでとう! マコトくん!

 斎藤誠、5年9か月ぶりNEWアルバム『PARADISE SOUL』が出ました。
(初回限定DVD付 TECI-1377 5,000円   通常盤 TECI-1378 3,000円 
当店のみの特典ピック付! 更に斎藤誠さん最新インタビュー・リーフレットもプレゼント中!

 サザンオールスターズ、桑田佳祐のサポート・ギタリストとしての仕事が続いていたので、6年近いインターヴァルがありましたが、間が空いても斎藤誠の一本筋が通った音楽への姿勢は変わらず。

 優しさ溢れるヴォーカルと職人技のギターは、聴く側に音楽の楽しさと誠実さを届けてくれます。

 全11曲プラス別ヴァージョン1曲。
どの曲もマコト印のすてきなラヴ・ソング。

 その中から今日は11曲目「幸せの準備」を。

 後半のスリリングなギター・ソロ、お聴き逃しなく。いいプレイです。

 なお初回限定盤はDVD付。
“ギター少年”斎藤誠のスタジオ内での生演奏&生声たっぷり、そして今年3月に出たDVD未発表映像(2013年1月のライヴ)などが収録されファン必見です。森 勉

★明日10月20日(日)16時半から、
渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて30周年&新作発売記念ライヴがあります。(大阪では10月27日梅田Shangri-Laにて)



2013年10月20日(日) ロバート・パーマー 「セイリン・シューズ」

 僕は1974年生まれということもあってか、1974年前後録音された音が一番好きです。

 ジャクソン・ブラウンでいうと『フォー・エヴリワン』、ニール・ヤングは『渚にて』、1975年だけれどシュガーベイブ『ソングス』等、ジャンル問わず心地良く耳にフィットするんですよね。

 今日紹介するロバート・パーマーのソロ1st『スニーキン・サリー・スルー・ジ・アリー』も1974年発表作。

 この度デジタル・リマスター、紙ジャケット仕様、ボーナス・トラックを4曲追加して再発されました。
(国内CD VSCD-9146 2,625円)

 ロバート・パーマーというと、80年代にデュランデュランのメンバー等と組んだパワー・ステーションのイメージが強いかもしれませんが、今作は全然違います!

 ニューオリンズ録音で、脂の乗り切ったミーターズのバック演奏がとにかく最高の1枚!

 1曲目はリトル・フィートでお馴染み「セイリン・シューズ」。

 ローウェル・ジョージも参加。
セカンドライン・ファンク/グルーヴが渋かっこいいですね。

 ニューオリンズ・サウンド、リトル・フィートファンの方、そして1974年頃の音がお好きな方は必聴のアルバムでしょう。森 陽馬



2013年10月21日(月) ミンディ・グレッドヒル 「Bedtime Song」


 2012年国内盤でリリースされた3rdアルバム『アンカー』のポップで親しみやすい楽曲と素敵な“傘”ジャケが評判となった、カリフォルニア出身女性シンガーソングライター、ミンディ・グレッドヒル。

 
昨年11月発売のクリスマス・アルバム『ウィンター・ムーン』を含み、今作で5枚目となる新作『ポケットフル・オブ・ポエトリー』をリリースしました。
(国内CD VSCD-9455 2,100円

弾むメロディーのタイトル・ナンバー1曲目で、一気にノスタルジックな世界へ連れて行ってくれます。

 ポップな曲から心安らぐバラードまで、前作同様、流麗なストリングスやバンジョーを使った耳馴染みの良いアレンジ。

今日のこの一曲は、ワルツ調の「Bedtime Song」。

♪ 私はあなたにすべてのお話をしてあげられる イソップ物語にグリム童話...
でも私が好きな物語は、「私たちが生きている」というお話 ♪

素敵な詞だと思ったので、自分なりに訳してみました。ちょっと違うかもしれませんが^^;

 今作も手に取りたくなるかわいいアートワークにも注目です。
彼女の胸の部分が四角くくり抜かれていたり、文字の部分がエンボス加工になっていたり、さりげなく特殊ジャケット仕様になっています♪ 東尾沙紀


2013年10月22日(火) 冨田ラボ 「都会の夜 わたしの街」 feat 原由子、横山剣、椎名林檎、さかいゆう


 本日は10月23日新譜が色々と入荷。
(嵐、斉藤和義、青葉市子、くるり新曲、奇妙礼太郎、プリファブ・スプラウト新作、ブルース・スプリングスティーンDVD等々)

 その中からこの1枚。冨田ラボの新作『Joyous』。
(初回限定2枚組CD VIZL-534 3,600円)

『Shipbuilding』(2003)、『Shiplaunching』(2006)、『Shipahead』(2010)、SHIP三部作を経ての今作。

 ポップ・マエストロな音職人ぶりはそのままに、よりアーバンな雰囲気の仕上がり。

 椎名林檎、原由子、横山剣、さかいゆうの歌声も冨田サウンドにフィットしていますね。
(特に②「僕の足跡」においてはスティーヴィー・ワンダーをも彷彿とさせるさかいゆうの歌声が絶品!)

 高揚感溢れる①「やさしい哲学」での椎名林檎の歌声も、東京事変やソロとはまた違った魅力を放っていてステキです。

 今日のこの1曲はゲスト・ヴォーカリストが一同に会する極上メロウAORナンバー③「都会の夜 わたしの街」。

 録音は別々だったそうですが、この4人が並んで歌うところもいつか観てみたいですね。

ちなみに作詞陣も豪華で、この曲「都会の夜 わたしの街」と⑨「この世は不思議」は、坂本慎太郎が書下ろし。
 他の曲も高橋幸宏、中納良恵、堀込高樹、椎名林檎、青山陽一が手掛けています。

 なお、初回限定盤に付いているボーナスCDには、各曲のインスト・ヴァージョン収録がうれしいところ。
ついついこちらの方がヘビー・ローテーションになってしまいそう!? 森 陽馬


2013年10月23日(水) プリファブ・スプラウト 「The Songs Of Danny Galway」


 プリファブ・スプラウトファン感涙!

4年ぶりとなる新作『Crimson/Red』が発売されました。
(国内CD 高音質Blu-spec CD2仕様 解説・歌詞・対訳付 SICP-30401 2,730円)

2009年発表前作『Let's Change The World With Music』は、新リリースとはいえ90年代に録音された作品だったので一聴して昔の音源なんだな、と感じましたが、曲調や歌声、サウンド・アレンジそのままに、今回の新作には現代に呼応した輝きある音感がありますね。

1曲目のイントロからキラキラ度120%♪
長年プリファブ・サウンドを愛してきた人ならばワクワクすること必至!

 視力・聴力に障害がある今のパディ・マクアルーンがスタジオで作業している鮮明な写真もブックレット内に掲載されており、プリファブの未発表アルバム『Devil Came A Calling』を下敷きにしながら、新たな息吹が込められた“入魂の新作”であることが伝わってきます。

 歌詞の面で注目は8曲目「The Songs Of Danny Galway」。

♪ ダブリンのバーで彼に会った ウィチタから来た魔法使い ♪
という歌い出しのこの曲。

 ライナーノーツで渡辺亨さん、対訳で伊藤英嗣さんも指摘されているように、ジミー・ウェッブのことを歌った楽曲のようです。

 そう言われると、ジミー・ウェッブ作「Galveston」っぽいメロディーの曲だな、と思ったりもして・・・。

 ということで、国内盤の渡辺亨さんによる詳細なライナーノーツ、及び伊藤英嗣さんの日本語対訳もファンの方には是非ご覧いただきたいですね。森 陽馬


2013年10月24日(木) ジョージィ・フェイム 「インサイド・ストーリー」


 イギリス、ランカシャー生まれのジョージィ・フェイムは、1960年代初頭から音楽活動を始めて以来、いまだ現役で活躍。

 今年もベン・シドランと一緒に来日しました。

 この曲「Inside Story」は、1969年発表『セヴンス・サン』に収録されていたジョージィ・フェイムの書いたオリジナル。
(コンポーザーのところには、本名のクライヴ・パウエルでクレジットされています。)

 なんともジャジーで、洒落た雰囲気の曲です。

 エレクトリック・ピアノ、ベース、ドラムス、ホーン、そしてジョージィのハスキー・ヴォイス。

 いかしたアンサンブル、大人のサウンド。
渋いなぁ。森 勉

★掲載ジャケットはジョージィ・フェイム『セヴンス・サン』。
(国内CD 限定紙ジャケット仕様 MHCP-1255 1,890円)



2013年10月25日(金) 湯川トーベン 「おはよう今日一日 君は何しているの」

 祝!還暦!&デビュー40周年♪

 湯川トーベンさんの新作アルバム『おはよう今日一日 君は何しているの』。
当店ペット・サウンズで取り扱えることになりました。
(HANA-4060-0001 2,200円)

 子供ばんどやエンケンバンド等、泣く子も黙るぶっとい音を出す名ベーシストとして有名なトーベンさんですが、聴く者の心をやさしく包み込むようなシンガー・ソングライターの側面もあるのです。

 今作もスタイルは各曲それぞれながら、温かい気持ちにさせてくれる芯の通った歌を聴かせてくれます。

 コーラスでうじきつよしも参加している①「おはよう今日一日 君は何しているの」。

 バッファロー・スプリングフィールド「For What It's Worth」をご存じの方なら思わずニヤリ♪の②「お月さんが笑ってる」。

 他にも、歌詞が楽しい⑥「ヨッパライの唄」、痛快な⑧「600Vの男」など、トーベンさんの温和な御人柄が伝わってくる全11曲。

 今日のこの1曲は中野督夫(センチ)、向山テツ、永井ルイ、SASAKLA(笹倉慎介)も参加している③「朝からゴキゲン」。

 入間市にあるSASAKLAの
guzuriスタジオで録音された曲だと思われますが、温もりあるイイ音していますね。森 陽馬

通販コーナーにも掲載しました。


2013年10月26日(土) ニック・ロウ 「空港で過ごすクリスマス」(Christmas At The Airport)

11月ビルボードライヴでの来日公演が迫っているニック・ロウ、新作がリリースになりました。

前作より2年ぶりとなる新作『クオリティ・ストリート』は、キャリア初となるクリスマス・アルバム♪
(国内CD 解説付 MSIG-884 2,940円)

 「きよしこの夜」や「立て羊飼いたちよ」等のスタンダードに、ロン・セクスミスの書き下ろし「Hooves On The Roof」、ライ・クーダーとの共作「1ドルの幸福 (A Dollar Short Of Happy)」、ロイ・ウッド作ウィザードの名曲「毎日がクリスマスだったら (I Wish It Could Be Christmas Every Day)」他カバーを交えた全12曲。

 ジングルベルもなければ、すずも鳴らない。.
特別クリスマス感のあるアレンジではなく、ロカビリーだったり、ニューオリンズだったり、スカだったり...いつもと変わらず味わい深いニック・ロウが堪能できます。

 なかでも、旅行中の混雑を描いた軽妙なオリジナル曲「空港で過ごすクリスマス (Christmas At The Airport)」がとても良いですね!

 空港のアナウンスを入れた遊び心も楽しい1曲です。東尾沙紀


★アナログ盤(国内仕様盤 180g重量盤 3,990円)も、11月15日発売予定です。

2013年10月27日(日) シリータ 「She's Leaving Home」

アトランティックに続いて、モータウン・ソウル名盤も1,000円で色々と発売されました。

 2012/2013年最新リマスター、日本語解説、歌詞付の国内プレス盤。
人気盤のみならず、日本初及び世界初CD化作品もあるので、コアなソウルファンも要チェックのシリーズです。

 今日はその中からこの1枚。

 当時スティーヴィー・ワンダーの奥さんだったシリータ。
1972年発表1stアルバム『シリータ』。
(国内CD 初回限定盤 渡辺亨さんによる解説付 UICY-75808 1,000円)

 もちろん、スティーヴィー・ワンダーが全面プロデュース!

 スティーヴィー72年発表作『心の詩 (Music Of My Mind)』と同じくニューヨーク録音で、バジー・フェイトン、ゴードン・エドワーズ、キース・コープランドが参加。

 彼が当時取り組んでいたシンセサイザーの導入もなされ、『トーキング・ブック』から続く70's3部作の登場を予期するような意欲と躍動感が伝わってきますね。

 今日のこの1曲はビートルズ・カヴァー「She's Leaving Home」。
出始めたばかりのシンセサイザーをサウンドに組み込もうと努力している感が伝わってくる1曲です。

 ちなみに、シリータがこの次に出した74年発表2ndアルバムは更に素晴らしいアルバムなのですが、それは何故か最近CD化されていませんね。権利関係の問題なのかな? 森 陽馬



2013年10月28日(月) ゲイリー・ルイス&プレイボーイズ 「ペイント・ミー・ア・ピクチャー」

 ゲイリー・ルイス&プレイボーイズの楽曲を聴いていると、音楽ライフを豊かにしてくれた要素がたくさん含まれていたことを再認識させてくれます。

 アル・クーパー、レオン・ラッセル、ロジャー・ティリソンなど後にソロ・アルバムを発表することになる渋めなアーティストが作った曲を歌っていたり、バックにはハル・ブレイン、ジョー・オズボーン、トミー・テデスコなど腕自慢のレッキングクルーが参加していたり・・・。

 「恋のダイアモンド・リング」、「セイヴ・ユア・ハート・フォー・ミー」、「エヴリバディ・ラヴズ・ア・クラウン」、「シーズ・ジャスト・マイ・スタイル」、「マイ・ハーツ・シンフォニー」などが1965~6年のヒット・チャートを賑わせていた頃は何も知らずにただ、イイ曲だなぁ、と思って聴いていました、普通のポップスとして。

 そう言えば、プレイボーイズのメンバーとして、このCDジャケットにも写っているカール・レイドル(下段一番左側の人)は、その後デラニー&ボニーのバックを経て、エリック・クラプトンのデレク&ドミノスのベーシストとして活躍することになります。

 今日のこの1曲は、彼らの8曲目のヒット曲「ペイント・ミー・ア・ピクチャー」。

 この曲はレオン・ラッセル、ロジャー・ティリソン、そして彼らのプロデューサーであったスナッフ・ギャレットの共作曲。

 ブラス・セクションを強調したバック演奏に、天性の明るさを持ったゲイリー・ルイスのヴォーカルがそれまでのヒット曲同様映えています。森 勉


★掲載ジャケットはゲイリー・ルイス&プレイボーイズ『コンプリート・リバティ・シングルス』。
(国内仕様盤 2枚組全45曲収録 CRCD-3140 2,940円)


2013年10月29日(火) コーコーヤ 「海沿いの道」

 今秋、穏やかなほのぼのBGMを探している方に超オススメの1枚!

 コーコーヤ 『トラヴェローグ』。(XQJT-1006 2,100円)

 コーコーヤは、名ギタリスト笹子重治、江藤有希(ヴァイオリン)、黒川紗恵子(クラリネット)の3人によるインスト・ユニット。

 ブラジル音楽のジャンルのひとつ、ショーロを日本流にアレンジ♪。

ボサノヴァとは違うリズム感があって、クラリネットの音色がアクセントとなり、温かい音空間を演出してくれます。

“初めて聴く曲なのに、どこか懐かしい彼らの音楽は、いつもす~っっと私の心と体にしみ込んでくる。by EPO”

 上記はCD帯に記載されているEPOからの推薦コメント。

 やさしく暖かな気持ちにさせてくれる作品です。森 陽馬


2013年10月30日(水) 青葉市子 「いりぐちでぐち」

 今作からメジャーレーベルに移籍、4作目となる新作オリジナルアルバム『0 (ゼロ)』(VICL-64215 2,100円)をリリースした90年生まれの女性シンガーソングライター、青葉市子。

 極限までにシンプルなギター弾き語りと彼女の澄んだ歌声は変わらずですが、今作ではフィールド・レコーディングという初の試みも。

 大分県にある国東半島にあるトンネルの中を歩きながら録ったという「いりぐちでぐち」には、足音、コウモリの鳴く声が聞こえてきたりと、まるで自分もトンネルの中に入り込んでしまったような感覚に陥る不思議な曲。

 彼女がギターを始めるきっかけとなった大事な曲だという山田庵巳の「機械仕掛乃宇宙」のカバーも、10分を越える大作! 聴きものです。

 今までと同じスタイルでも、どんどん研ぎ澄まされていくというか鬼気迫る感じで進化を感じます。

来月にはライブツアーも実施されますが、生でどのように表現されるのか聴いてみたくなりました。東尾沙紀
 

2013年10月31日(木) ビーチ・ボーイズ 「Wouldn't It Be Nice」

 映画『陽だまりの彼女』(松本潤/上野樹里主演)を先日鑑賞。

 越谷オサムさんによる原作含め、ビーチ・ボーイズ「Wouldn't It Be Nice (素敵じゃないか)」がテーマ曲として使われているということで、どんな場面でかかるのかな?と楽しみにしていましたが、予想以上に大フィーチャーされていてビックリ!

 印象的な場面でかかるだけでなく、『ペット・サウンズ』のレコード・ジャケットも映画内で何度も登場!

 ブライアン、カール、デニス等、メンバーの名前が出てくる小ネタ場面まで!!
(でも映画内のブライアンがまさかあんなことになろうとは・・・)

 胸キュン恋愛物語ではありますが、ビーチ・ボーイズファンは必見の映画ですね。

 映画自体に関しては、ご覧になった方が物語における重大な秘密を受け入れられるかどうかにかかっていると思うので、人それぞれ評価は分かれると思いますが、僕はとっても面白く、そして感動して観ることができました。
(女性客が多かったけれど、男性目線で描かれているから男性向き映画なのかも。)

 ちなみに映画内でかかるビーチ・ボーイズ楽曲は「Wouldn't It Be Nice (素敵じゃないか)」のみですが、アルバム『PET SOUNDS』に収録されている他の楽曲もこの『陽だまりの彼女』のストーリー展開に反映されているように感じましたね。
(以下楽曲の歌詞から一部抜粋)

①「Wouldn't It Be Nice」・・・♪一緒に暮らせたら素敵じゃないか 僕たちだけの世界でね♪
②「You Still Believe In Me」・・・♪きみは今も僕を信じてくれている♪
③「That's Not Me」・・・♪あなたは僕の愛なしではいられなかったのに 僕はまずい時に出て行ってしまった <中略> 僕にだって夢があった だから荷物をまとめて都会へと向かったんだ♪
④「Don't Talk」・・・♪明日のことなんて考えるのはよそうよ 何も言わないで♪
⑤「I'm Waiting For The Day」・・・♪きみが一からやり直せるようにと僕の愛をささげたんだ♪
⑦「SLOOP JOHN B」・・・♪私はもう疲れきっちゃって ふるさとに帰りたくてたまらない♪
⑧「God Only Knows」・・・♪もしも君が僕から離れていったとしても人生は続くだろう だけど信じて そんな世界など僕には意味のないものだよ♪
⑨「I Know There's An Answer」・・・♪ちゃんとした答えがあることを僕はわかっている。自分でそれを見つけださなくちゃね♪
⑩「Here Today」・・・♪心しておかなくちゃだめだ 愛は今目の前にあるけど 明日になればすぐに消えてしまう♪
⑪「I Just Wan't Made For These Times」・・・♪自分が溶け込める場所を探し続けているんだ♪
⑫「Caroline No」・・・♪僕の知っていた女の子はどこに消えちゃったのかな <中略> 消え去ってしまったものを僕らは再び取り戻すことができるだろうか♪

 極端な意訳ですが、『陽だまりの彼女』は『PET SOUNDS』を現代の日本に置き換えた物語、と言えるかもしれませんね。森 陽馬






これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■


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