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  今日のこの1曲 “Archives”

<2014月10月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2014年10月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2014年10月1日(水) バーナード・パーディ 「COLD SWEAT」

アトランティック・ソウル、チェス・レコード、フュージョン、ジャズ、ブラジル、オールディーズなどなど、1,000円前後での名盤再発が数多く発売されています。

今売れているのはこのシリーズ。
<RARE GROOVE FUNK best collection 1000>

グルーヴィー&ファンキーなオイシイ盤が1,000円+税!
まとめて100タイトル! 一気に出ました。

その中からお気に入りの1枚を今日はご紹介しましょう。

バーナー・ド・パーディ『パーディ・グッド!』
(国内CD 限定盤 日本語解説付 UCCO-90338 1,000円+税)

名ドラマー、バーナード・パーディーが1971年に発表したソロ・アルバム。

1971年といえばアレサ・フランクリン『ライヴ・アット・フィルモア・ウエスト』が発売されたのと同じ年。
キング・カーティスのバンドで躍動感あるドラムを聴かせていた時期の作品ですから悪いわけがありません。

パーディらしい“ダチーチ奏法”(ハイハットのオープン/クローズを連発しフィルに組み込む)、かっこいい!

ジェイムス・ブラウンカヴァー①「Cold Sweat」後半でも、この♪ダチーチ♪が出てきますね。

原田和典氏による日本語解説もしっかりしているので、まだお聴きになったことがない方はこのお買い得盤で是非。森 陽馬


2014年10月2日(木) クール&ザ・ギャング 「モア・ファンキー・スタッフ」

<RARE GROOVE FUNK best collection 1000>から今日のこの1曲。

この「モア・ファンキー・スタッフ」は、「ファンキー・スタッフ」のB面曲ですが、なんとも魅力ある曲です。

ちょっと聴きでは一本調子な感じかもしれませんが、何回も聴いていくとその中に何とも言えぬ味を感じてしまうのです。

まずイントロのギター・カッティング!

カッコイイ!と思わず呟いてしまうフレーズです。

そして曲の大半を占めるワンコードをキープしたカッティングが始まり、いつ終わるのかしら?状態が続きます。

ギタリストはクレイデス・スミス。
クールことロバート・ベルのベースと、ジョージ・ブラウンのドラムスのリズム・セクションがいい感じでリズム・キープしている中で、あっぱれなストロークです。

この曲を聴いていたら、山下達郎ライヴ後半見せ場での達郎自身によるギター・カッティングを想い出しました。森 勉


★掲載ジャケットは「More Funky Stuff」収録、クール&ザ・ギャング1973年発表アルバム『ワイルド・アンド・ピースフル』。
(国内CD 限定盤 解説・歌詞付 UICY-76608 1,000円+税)


2014年10月3日(金) ゲイリー・ベンソン 「Dying To Live With You」

10月に入ったというのに、東京は夏に戻ったような陽気でしたね。

でもこの時期になると、やはりAORが聴きたくなります。

今日のこの1曲は、今秋ヘビーローテーションとなりそうなこの1枚から。

ゲイリー・ベンソン『ムーンライト・ウォーキング』。
(国内CD CMYK-6334 2,300円+税)

UKのシンガー・ソングライター、ゲイリー・ベンソン。
1980年発表アルバムが世界初CD化されました。

ダリル・ホール、マイケル・マクドナルドのソロ作などを手掛けたフレッド・モーリンによるプロデュース作。
リー・スクラー、ラス・カンケル、スティーヴ・ルカサー等が参加。

スロー&メロウなサウンドに、アート・ガーファンクル似の彼の歌声が魅力的。

特にセンチメンタルなメロディーが胸を締め付ける1曲目「Dying To Live With You」。

リア・カンケルによるコーラスが切なすぎて素晴らしい!

AOR好きの方、必聴の1曲です。森 陽馬


2014年10月4日(土) Magic Numbers 「Roy Orbison」

曲名が「ロイ・オービソン」!

英国出身2組の兄妹による4人組ロック・バンド、マジック・ナンバーズ。

新作4thアルバム『ALIAS』にその「ROY ORBISON」が収録されています。
(輸入CD デラックス盤 ボーナス・トラック4曲追加 全15曲収録 caroline CAROL002CDX)

以前から、中心人物ロメオのソングライティング、ルーツに根差した演奏、そして男女ヴォーカル&コーラスには定評があり、ビーチ・ボーイズにインスパイアされた「Carl's Song」という曲(
2007年6月22日今日のこの1曲で紹介)を出したこともあった彼ら。

4年振りとなる今作でも軸はブレず、よりスケールアップした素晴らしい1枚に仕上がっています。

5曲目に収録されている「ロイ・オービソン」。
歌詞には「running scared」(ロイ・オービソンの名曲)という単語も出てきますね。

ロイへのオマージュ的なゆったりした出だしから、徐々にテンポアップしていくアレンジにもグッときます。

ニール・ヤングを彷彿とさせる武骨なギターがかっこいい4曲目「Shot In The Dark」も聴きもの! 森 陽馬


2014年10月5日(日) レインドロップス 「ダ・ドゥ・ロン・ロン」

1977年1月10日にラジオ関東(現ラジオ日本)で放送された大滝詠一D.J.による番組『ゴー・ゴー・ナイアガラ』で初めてレインドロップスを聴きました。

この日の特集はクリスタルズ。

「ダ・ドゥ・ロン・ロン」の4連発聴き比べがあり、大滝さんは<同じ曲でもいろいろなカヴァーがあってそれぞれ持ち味があっておもしろいよ>、ということを教えてくれました。

レインドロップスはこの曲の作者であるジェフ・バリー&エリー・グリニッチのグループ。

それにしてもレインドロップスのCDが、こんなに安い値段で日本盤として出るなんて夢のようです。森 勉


★掲載ジャケットは、レインロドップス『レインドロップス』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-27869 952円+税)



2014年10月6日(月) ライアン・アダムス 「Trouble」

2014年11月で40歳を迎えるアメリカの男性シンガー・ソングライター、ライアン・アダムス。

3年振り14作目となる新作『ライアン・アダムス』がリリースされました。
(国内CD SICP-4300 2,400円+税)

意外にも初セルフ・プロデュースとなる今作。

本人も全曲気に入っているようで、14枚目にしてセルフ・タイトルにしたことからも自信が窺えますね。

エコーがかかった重みのあるギター、飾り気のない歌声。
演奏も特に小難しいことはせず、直球で武骨なロック・アルバムに仕上がっています。

一聴すると地味に感じるかもしれませんが、ニール・ヤングを彷彿とさせるギターがかっこよい「Trouble」、「Stay With Me」など、聴き返すたびに魅力が増していく一枚。

各曲での耳に残るフレーズ、メロディ・センスもさすがです!

鍵盤奏者ベンモント・テンチ(トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ)、ジェフ・ベックのバックで有名になった女性ベーシストのタル・ウィルケンフェルド、ノエル・ギャラガーのバンド等で活躍するドラマー、ジェレミー・ステイシーなどが参加。

ジョニー・デップも一曲ギターでゲスト参加しています。

ライアンの奥さんで今作にも参加しているマンディ・ムーア繋がりで友人だというマイク・ヴァイオラは、6曲の共同プロデュース/サウンドのあらゆること(All sorts of stuffとクレジットされています)で新作に貢献しています。東尾沙紀


2014年10月7日(火) ジャクソン・ブラウン 「The Long Way Around」

<21世紀のウエスト・コースト・アルバム> (日本盤帯より)

名男性シンガー・ソングライター、ジャクソン・ブラウン。
約6年ぶりの新作オリジナル・アルバム『Standing In The Breach』が入荷しました。
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞・対訳付 SICP-30674 2,600円+税)

リード曲「The Birds Of St. Marks」を先月ネット上で聴いて、それなりに期待はしていましたが、その期待を上回る傑作ですね。

もうすぐ66歳(10月9日が誕生日)とは思えないほど、瑞々しい楽曲と歌声。

彼らしい政治社会/自然保護的な歌詞の内容ながら、美しいメロディーで重苦しさを感じさせません。

ジャクソンがデビュー前1967年18歳の頃書いた曲に12弦ギターを重ね初めてスタジオ録音された①「The Birds Of St. Marks」以外も良い曲が多いです。

個人的には味わい深い③「The Long Way Around」が気に入りました。
歌詞に「These Days」という言葉も出てきます。

ちなみに、ジャケットは2010年1月ハイチ大地震の時に首都ポルトープランスで撮影された写真、とのこと。
日本盤の五十嵐正さんによる詳細な解説、中川五郎さんによる歌詞対訳も必読!

なお、ジャクソン・ブラウン2015年3~4月に来日公演も決定!
今作に参加している名ペダル・スティール奏者グレッグ・リーズも一緒に来てもらいたいですね。森 陽馬


2014年10月8日(水) John Hiatt 「Terms Of My Surrender」

もう1人、アメリカン・ロック/シンガー・ソングライターの2014年新作をご紹介。

ジョン・ハイアット『Terms Of My Surrender』。
(輸入CD NEW WEST NW6284)

うーーーん、これは渋い。

ジャクソン・ブラウンの新作が<瑞々しい>と表現するならば、こちらは<枯れた味わい>ですね。

特徴的なしわがれ声もより深みが増した印象。

ナッシュビル録音によるバンジョーやハーモニカを加えたアコースティック中心のサウンド。

一聴したときは地味すぎる感もありましたが、ブルージー&フォーキーな楽曲は今の彼に合っているのかもしれません。

夜のロックバー向きな1枚。森 陽馬


2014年10月9日(木) U-zhaan × Cornelius 「Homesick in Colcutta」

パッケージ大賞2014(というのがあったらだけど)はこの1枚に決定!?

タブラ奏者U-zhaan(ユザーン)。
ソロ名義として初のアルバムを発表しました。
(U-zhaan『Tabla Rock Mountain』 初回限定盤 GDHV-002 3,000円+税)

この初回特殊パッケージの凝り方がとにかく凄い!

構想6年、実製作2年をかけた、手作業満載、採算度外視、3D印刷、オリジナルプリントによる布張り、箔押し、パプリカやターメリックによる香辛料印刷等を駆使した特殊仕様!

購入して中を開けると、見開き部分の手作り感がハンパじゃない!
これは文章で書いても伝わりにくいので、実際にご覧になっていただきたいですね。
(ほんのり香辛料の薫りもしますよ)

単なるCDではなく、ひとつのアート作品として、作り手側の情熱がひしひしと伝わってくる1枚。

音の方は坂本龍一との「Technopolis」カヴァーから、ハナレグミをfeatした「僕の小宇宙」、KAKATOをfeatしたHIP HOPナンバーやDE DE MOUSE、Ametsubが参加したエレクトロニカなど彼の幅広い交友関係が窺える雑種ごった煮な全9曲。

今日のこの1曲は、コーネリアス(小山田圭吾)とのコラボ⑧「Homesick in Colcutta」。
小山田圭吾が弾くギター(作曲も小山田さん)とU-zhaanのタブラのみによるアンビエントなインスト・チューン。

ちなみに最後に収録されているインド古典音楽⑨「Raga Mishra Kafi」が、本秀康さんの雷音レーベルからアナログ発売されることも決まりました。そちらはジョージ・ハリスンの命日11月29日発売予定です。森 陽馬


2014年10月10日(金) Bryan Adams 「God Only Knows」

ブライアン・アダムス、2014年の新作でキャリア初のカバー・アルバムがリリースになりました。
(『Tracks Of My Years』 国内CD UICP-1163 2,500円+税 ボーナストラック入り全17曲)

''自分には音楽しかない!''と確信した若きブライアン(ジャケットは16歳の頃だそうです)が、当時耳にした50~70年代のロック/ソウルのヒット・名曲をあの張りのあるハスキーボイスでカバー♪

ビートルズ「Any Time At All」に始まり、ボブ・ディラン「Lay Lady Lay」、CCR「Down On The Corner」、アソシエイション「Never My Love」、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ「Tracks Of My Tears」、エディ・コクラン「C'mon Everybody」等、どれも原曲を壊しすぎないシンプルなアレンジでとてもかっこいいです。

長年バックを務める旧知のメンバーほか、現在ポール・マッカートニーのバックで活躍しているギタリスト、ラスティ・アンダーソンも5曲参加しています。

今作を制作するきっかけとなったデヴィッド・フォスター、アルバム中3曲でボブ・ロックが共同プロデューサーとしてクレジットされています。

今日の一曲は、ビーチ・ボーイズの「God Only Knows」。
デヴィッド・フォスターのピアノと、マイケル・トンプソンのギターによるしっとりしたアレンジで情感豊かに歌われています。

今作にはオリジナル新曲「She Knows Me」も収録。ポップですごく良い曲です!東尾沙紀

2014年10月11日(土) ソニー・クラーク  「クール・ストラッティン」

最近低価格で再発されたので、今日はジャズの名盤を紹介したいと思います。

ソニー・クラーク『クール・ストラッティン』。
(国内CD 日本語解説付 完全限定盤 UCCU-99006 1,000円+税)

1958年にブルー・ノート・レーベルから発表された実にジャズらしいアルバムです。

初めて聴いたのは高校生の時。
渋谷のジャズ喫茶でまずジャケット・デザインが印象に残りました。

それから何度となくその店で耳にして、ソニー・クラークという人はピアニストだ、ということを知りました。
(発売から10年ほど経過していたのに、人気がある盤だったのでよくかかっていたんですね)

A面1曲目「クール・ストラッティン」は9分もある曲ですが、アート・ファーマーのトランペット、ジャッキー・マクリーンのアルト・サックス、そしてソニー・クラークのピアノと、ソロ・パートのヴァリエーションが楽しめる1曲です。

ベース・ソロもあるポール・チェンバース、ドラムスのフィリー・ジョー・ジョーンズの的確なプレイも、良い緊張感を生み出しているようです。

それにしても素晴らしい構図のジャケットです。森 勉


2014年10月12日(日) 渡辺真知子  「ブルー」

10月11日(土)アゲインにて行われたイベント<yojik VS wanda>。
お越しいただいたお客様、ありがとうございました。

yojikとwandaの音楽ルーツを御二人のトーク交え拝聴。
各々のソロもやってもらい、更にスペシャルなライヴも、という盛り沢山な内容。
企画した本人が言うのもなんですが、楽しかったですねー。
またいつか第2回を実施したいと思っております。yojikとwandaをご存じない方も次回は是非!

そのイベントの第1部。
yojikとwandaへのアンケートで、<初めて買ったレコードは?>の問いにyojikさんが答えたのがこの1曲。

渡辺真知子「ブルー」!

うーーーん、これは名曲!
渡辺真知子というと代表曲「カモメが翔んだ日」が有名ですが、彼女が作詞・作曲自ら手掛けた1978年発表3rdシングル「ブルー」も素晴らしい1曲。

イントロから切なく響くチェンバロの音色がいいですね。
船山基紀による編曲が見事!

ちなみに、yojikさんによるポリス講座やソロでのフェアグラウンド・アトラクション「ハレルヤ」カヴァー、wandaさんによる岡村靖幸「Peach X'mas」カヴァーも印象深かったです。

でも、yojikとwanda、2人揃ったライヴがやっぱり一番の魅力でしたね。

とにかくも、yojikさん、wandaさん、ありがとうございました! 森 陽馬


★掲載ジャケットは「ブルー」他全20曲収録、渡辺真知子『ゴールデン・ベスト』。
(MHCL-1338 1,905円+税)


2014年10月13日(月)アリソン・クラウス&ジェリー・ダグラス 「And When I Die」(ローラ・ニーロ・トリビュート盤より)

以前このコーナーで書きましたが、僕がCD店で働き始めるきっかけはローラ・ニーロ1994年来日公演でした。

素晴らしいコンサートを見て、音楽に関わる仕事をしたいな、と思ったのです。

あれから早20年。
ローラは1997年癌のために49歳という若さで亡くなりましたが、彼女が作った楽曲は永遠に引き継がれる、ということでトリビュート・アルバムが発売になりました。
(国内CD 『マップ・トゥ・ザ・トレジャー ~ ローラ・ニーロ・トリビュート』 SICP-30657 2,600円+税)

アメリカ黒人ジャズ・ピアニスト、ビリー・チャイルズ中心のバンドが演奏/アレンジを担当。
リッキー・リー・ジョーンズ、スーザン・テデスキ、エスペランサ、リサ・フィッシャー、ショーン・コルヴィン、レディシなどがヴォーカル参加し、作品全体のプロデュースをラリー・クラインが手掛けています。

今日のこの1曲はアルバムのラスト10曲目。

現代ブルーグラス/カントリー界の女神、アリソン・クラウスの美声。
そして、ジェリー・ダグラスによるドブロ・ギターが印象的な「And When I Die」。

ローラ・ニーロが17歳(!)の時初めて書いた、と言われている深遠な名曲。

20年前に生で聴いた彼女の歌声が、心の奥から甦ってきます。森 陽馬


2014年10月14日(火) ジェリー・ダグラス 「On A Monday」

台風一過で強風吹きすさぶ秋の朝。
昨年末急逝した大滝詠一さんのベスト盤とBOXの発売決定が発表されました。

早いもので、大滝さんが亡くなってもうすぐ1年。

収録曲がまだ発表になっておりませんが、大滝さん本人が歌う「夢で逢えたら」が収録されるそうです。

大滝さんのジュークボックスに入っていた楽曲のコンピレーションCDも同時発売予定とのことで、詳細な情報入り次第
通販コーナーでもアップしていきたいと思っております。

さて、昨日紹介した楽曲にも参加していた世界随一のドブロ・ギター奏者、ジェリー・ダグラス。
もうすぐ来日します!

ピーター・バラカン主催ライヴ・イベント
<LIVE MAGIC!>
10月25日、26日両日共に出演予定。
細野晴臣さんや高橋幸宏さんなども出演予定なので是非チェックしてみてください。

その予習ということで今日のこの1曲。

ジェリー・ダグラス2012年発表アルバム『トラベラー』。
(国内CD ボーナス・トラック3曲追加 解説・歌詞・対訳付 VICP-75080 2,667円+税)

エリック・クラプトンが参加した「Something You Got」。
ポール・サイモン&マムフォード&サンズが参加したサイモン&ガーファンクル名曲「ボクサー」。
他にもアリソン・クラウス、ドクター・ジョン、ビル・フリーゼルなど豪華ゲストが多数参加していますが、主役はやはりジェリー・ダグラス。

彼の味わい深いドブロ・ギターの音色、最高!

LIVE MAGIC!にも出演予定のジョン・クリアリーがピアノで参加した1曲目「On A Monday」。
ジェリー・ダグラスが自らヴォーカルをとったニューオリンズ録音曲。
来日公演でもやってくれるかな? 森 陽馬


2014年10月15日(水) アーロン・ネヴィル 「テル・イット・ライク・イット・イズ」

1967年1月に全米チャート2位まで上がったアーロン・ネヴィル「テル・イット・ライク・イット・イズ」。
(トップにしてくれなかったのは、モンキーズ「アイム・ア・ビリーヴァー」)

おそらく僕が初めてニューオリンズ産だということを意識した曲だろうと思います。

「グッド・ヴァイブレーションズ」(ビーチ・ボーイズ)、「メロー・イエロー」(ドノヴァン)、「暁の空中戦(Snoopy VS The Red Baron)」(ロイヤル・ガーズメン)、「シュガータウンは恋の町」(ナンシー・シナトラ)、「ジョージー・ガール」(シーカーズ)、「98.6」(キース)、「恋する青春(We Ain't Got Nothin' Yet)」(ブルース・マグース)・・・、などがヒットしていた時期、「テル・イット・ライク・イット・イズ」をラジオで聴いて、お気に入りの1曲となりました。

派手ではなく渋めな曲ですが、ヒット・チャートに登場したことで、こんな曲を知ることができたのは、60'sポップス好きの特権だったのかもしれません。

音楽雑誌のヒット曲紹介のような記事で、アーロンがニューオリンズの人だということを知ったのも、大ヒットしたからこそなんでしょうね。

その後知ることになるミーターズ、ドクター・ジョン、アラン・トゥーサンもヒットを出したり、作ったりしたことで聴くようになりましたし。

それにしてもアーロン・ネヴィルの震える歌声、イイです。

この曲が収録されている『クラッキング・ザ・コジモ・コード~60's ニューオリンズR&Bアンド・ソウル』には、当時はこれがニューオリンズ録音だとは知らずに聴いていた楽曲が色々と入っています。
(国内仕様CD 英文ライナー日本語翻訳付 CDSOL-8163 3,000円+税)

ロバート・パーカー「ベアフッティン」、リー・ドーシー「ゲット・アウト・オブ・マイ・ライフ・ウーマン」、ジェシ・ヒル「ウー・プー・パー・ドゥ」など、セカンドライン・リズムだけではない奥深いニューオリンズ・サウンドが楽しめます。森 勉


2014年10月16日(木) フォー・シーズンズ 「ハニー・ラヴ」

12月3日、大滝詠一ベスト・アルバムと同時発売で、『大瀧詠一のジュークボックス』というタイトルのオムニバスCDが3種リリース決定いたしました。

ジョニー・ソマーズ、シェリー・フェブレー、リトル・ペギー・マーチ等を収録したワーナー・ミュージック編。
ダイアン・リネイ、レスリー・ゴーア、ガス・バッカスヴェルヴェッツ等を収録したユニバーサル編。
エルヴィス・プレスリー楽曲を集めたソニー・ミュージック編。

監修・特別寄稿:亀渕昭信、解説:萩原健太、ジャケット・デザイン:中山泰。
企画・制作:ザ・ナイアガラ・エンタープライズ (各2,000円+税)

今日はワーナー・ミュージック編収録予定の楽曲からこの1曲。

1963年12月、当時ビクターから発売されたフォー・シーズンズ日本盤シングル「ハニー・ラヴ」。
(B面は「メランコリー」 JET-1307)

最近のフォー・シーズンズベスト盤には収録されていませんが、大滝さんフェイヴァリットのナンバー。
(オリジナルはドリフターズ。ちなみにフォー・シーズンズ前身のFour Lovers時代にもこの曲をシングルで出してますね。フランキー・ヴァリ自身もお気に入りの曲だったのかな)

ジュークボックスで1枚1枚聴くように、味わって楽しみたいコンピですね。森 陽馬


★掲載ジャケットは12月3日発売『大瀧詠一のジュークボックス~ワーナー・ミュージック編』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-16222 2,000円+税)


2014年10月17日(金) ハーマンズ・ハーミッツ 「ヘンリー8世君」

別項のように、大滝詠一関連の発売が12月3日に決定いたしました。

来年の3.21には何か出るだろうな、とは思っていましたが、それを逆手に取った12.3発売とは、ちょっとビックリしました。

御本人が自宅で愛用していたジュークボックスに入っていた洋楽オールディーズ・シングル盤の曲を集めたコンピレーション『大瀧詠一のジュークボックス』は、ナイアガラ・ファン及びラジオ番組『ゴーゴー・ナイアガラ』ファンにはうれしい好企画だと思います。

今日はそのコンピに収録予定のハーマンズ・ハーミッツをテーマに。

ハーマンズ・ハーミッツは本国イギリスよりアメリカでの人気が高かったブリティッシュ・ビート・グループですが、当時はアイドルに近い存在でした。

ヒットした楽曲はどれもイイ曲が多く、大瀧さんは大好きだったようです。

12月3日発売コンピには「朝からゴキゲン」、「ユア・ハンド・イン・マイン」、「ハートがドキドキ」、「シルエッツ」の4曲が収録予定です。

今日は今年夏に出たベストCDから「ヘンリー8世君」を。
(『ベスト・オブ・ハーマンズ・ハーミッツ』 国内CD 完全限定盤 解説・歌詞・対訳付 WPCR-15859 1,300円+税)

この曲は『ナイアガラ・ムーン』に収められている「ハンド・クラッピング・ルンバ」の♪2番は1番とチョト違う♪というひと言の元になったピーター・ヌーンのひと事が入っている曲です。

「あの娘に御用心」という同名異曲も入っていますね。

なおこのジャケット写真は、1966年2月に日本公演が行われた時、東京の某ホテルの日本庭園で撮影されたものです。
中央の人物がそのピーター・ヌーンです。森 勉


2014年10月18日(土) 伊藤広規 with SPYCE 「Brand New Sign」

山下達郎バンドの屋台骨、といえば、ベーシスト伊藤広規。

彼がプロデュース&参加したジャズ・アルバムが発売になりました。

伊藤広規 with SPYCE 『SPYCE』
(CD ITOKOKI00008 2,000円+税)

バンド・メンバーは伊藤広規 & His Hokkaido Friendsとして活動してきた北海道出身ミュージシャンが中心。
<伊藤広規(B)、小野健悟(Sax)、外園一馬(G)、工藤拓人(Key)、東広典(Dr)、越智俊介(B)>

広規さんプロデュースなので重低音ファンク!?
と思いきや、予想外に爽やかなフュージョン・サウンド。

楽曲もプログレッシヴにならず、心地良く聴けるメロウ&ポップな仕上がりです。

キーボード奏者工藤拓人作による3曲目「Brand New Sign」。

穏やかな正統派フュージョン・サウンドにサックス、エレピ、ギターがメロディーを奏でていくゴキゲンな1曲。

スタッフ、ジョー・サンプルなどお好きな方オススメです。森 陽馬


2014年10月19日(日) ゴンチチ 「歩いても歩いても」

ゴンチチのベスト盤が2枚組で発売されました。
(2枚組CD ESCL-30013 3,500円+税)

1983年から2014年までの作品から選りすぐった40曲と、新曲2曲の全42曲。
ヴォリュームたっぷりの内容です。

ギター・インストゥルメンタルのデュオでこれだけ長い間活動し、作品を出し続けているということは本当に賞賛に値することだと思います。

くつろいで、ゆったり、ほっこりできるメロディーが満載ですが、その中から「歩いても歩いても」を。

2008年是枝裕和監督の同名映画に使われたなんとも心持ちが良くなる楽曲です。

ちなみに現在ソフトバンクのCMで使われている「放課後の音楽室」も収録されています。森 勉


2014年10月20日(月) We'll Make It Right 「PLEASE CAROLINE」

19,20日とライブを行うため来日中の男性シンガー/プロデューサー、ベニー・シングス。

彼が参加しているユニット<WE'LL MAKE IT RIGHT>の3作目となる新作『HOUSE』がリリースされました。
(国内CD PCD-93848 ボーナス・トラック2曲追加 2,300円+税)

ウィー・ウィル・メイク・イット・ライトは、ベニーも所属するオランダのDOXレコードのレーベルメイト6人で結成されたクリエイター・ユニット。

前2作同様、''休日のための音楽''をテーマに、メンバー自身もリラックスできる環境に身を置き共同作業で制作された本作。

「What A Fool Believes」を彷彿とさせるイントロが印象的でベニーがメインVo.の「WHO AM I」、マルチプレイヤーのディーン・ティペットと紅一点ルース・ヨンカーのハーモニー&アコースティック・ギターが心地良い「PLEASE CAROLINE」など、メロウでメンバーの個性を感じられるポップな楽曲を聴かせてくれます

中村智昭さん(ムジカノッサ)による、メンバー紹介や関連作品に触れた解説もとても丁寧です。

メンバーが携わった作品を改めてじっくりと聴いてみたくなりました。東尾沙紀


2014年10月21日(火) 北園みなみ 「ソフトポップ」

<キリンジと冨田恵一の役割をひとりでできてしまう才能の出現>

この宣伝文句を読んだ時、大袈裟な表現だな~、と思いましたが音源を聴いて納得。

これは完成度高いですね。

北園みなみ『プロムナード』
(CD UVCA-3021 5曲収録 1,500円+税)

北園みなみは、1990年生まれ松本在住の男性シンガー・ソングライター。
作詞・作曲・編曲、そして各種楽器の演奏もできるマルチ・ミュージシャンだそうです。

今作はベース、ギター、鍵盤は彼本人、ドラムは坂田学、パーカッション尾方伯郎、ブラスセクションは武嶋聡チーム、ストリングスが橋本歩ストリングカルテットという鉄壁の布陣。

演奏だけでなく、編曲/アレンジが素晴らしいですね。

特に1曲目「ソフトポップ」。

<シュガーベイブとスティーリー・ダンを通過し冨田ラボを経由した現代シティ・ポップ>
とも表現したい1曲!

ayU tokiO(7月17日の今日のこの1曲で紹介)と共に、これから注目のニューカマーです。森 陽馬


2014年10月22日(水) シリータ&G.C.キャメロン 「All Things Happen For A Reason」

武蔵小山駅前に、石焼き芋屋の車が止まっていました。

今日は寒い1日でしたからね。
こんなところにも冬の到来を感じます。

寒くなってくると聴きたくなるメロウなソウルこの1枚。

シリータ&G.C.キャメロン『リッチ・ラヴ、プア・ラヴ』。
(国内CD 完全限定盤 解説・歌詞付 UICY-76695 1,000円+税)

スティーヴィー・ワンダーの奥方だったシリータと、スピナーズのヴォーカリストとして知られるG.C.キャメロン。1977年発表デュエット隠れ名盤。

国内&輸入盤も永らく生産中止状態だった作品が、久々にCD化されました。

スウィート・ソウル名グループ、スミス・コネクションのMichael L.Smithがプロデュース&アレンジを担当。
デヴィッド・T・ウォーカー、ジェイ・グレイドンも参加。

アルバム全体がコンセプト的な作りになっていて、ミディアムなグルーヴとメロウなバラードが交互に味わえる仕上がり。70'sソウルお好きな方に大推薦したいアルバムです。

今日のこの1曲は7曲目「All Things Happen For A Reason」。

必殺のエレクトリック・シタール!
ブルーマジックを彷彿とさせるイントロからして最高!

スウィート・ソウル・ファン聴きものの1曲です。森 陽馬


2014年10月23日(木) シリータ 「Cause We've Ended As Lovers」(哀しみの恋人達)

この名作も爆安で再発されました!

シリータ『スティーヴィー・ワンダー・プレゼンツ』
(国内CD 完全限定盤 解説・歌詞付 UICY-76685 1,000円+税)

スティーヴィー・ワンダーの元妻、シリータが1974年発表した最高傑作2ndアルバム。

スティーヴィー自身も『ファースト・フィナーレ』をリリースしていた絶頂期。
彼が作詞・作曲、そして渾身のプロデュース&アレンジを手掛けた1枚ですね。

感動の2曲目「Spinnin' And Spinnin'」!
これ本当に大好きな1曲!

でもこの曲は以前に取り上げたことがあったので、今日は6曲目「Cause We've Ended As Lovers」。

名ギタリスト、ジェフ・ベックの1975年発表名作『ブロウ・バイ・ブロウ』。
B面1曲目(CDでは6曲目)に収録されている邦題「哀しみの恋人達」。
タメの効いた泣きのギターでも有名なバラード曲はこのシリータのヴァージョンがオリジナルです。

シリータの神々しい歌声とスティーヴィーのキーボード&コーラス。
ジェフ・ベック・ヴァージョンを繰り返し聴いてギターをコピーしていた、という方。
是非このシリータ・ヴァージョンも聴いてみてください。森 陽馬


2014年10月24日(金) デルフォニックス 「アルフィー」

 バート・バカラック&ハル・デヴィッドの作品は、数多くの歌手や演奏家によって取り上げられていますが、このCDは、黒人歌手が歌ったものだけを集めたものです。

発売及び編集は、コンピのホームラン王、ACEレーベルです。
『レット・ザ・ミュージック・プレイ~ブラック・アメリカが歌うバカラック&デヴィッド』
(国内仕様CD 英文解説の対訳付 MSIG-922 3,000円+税)

サザン・ソウルの雄、ジェイムス・カー「世界は愛を求めてる」。
ニーナ・シモンによる渋い「ルック・オブ・ラヴ」。
メイヴィス・ステイプルズのゴスペル・テイストな「ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム」。
等々、興味深い楽曲が全24曲収録されています。

フィラデルフィア出身グループ、デルフォニックスによる「アルフィー」は1968年シングルB面として発売されたものですが、その後A面に昇格し、R&Bチャートにもチャートインした良い出来の1曲。

名曲「ラ・ラ・ミーンズ・アイ・ラヴ・ユー」同様、ウィリアム・ハートの高い声をいかして、トム・ベル指揮によるストリングス・アレンジが効いています。

そういえば、今年4月中旬のバート・バカラック来日公演から半年。
早く過ぎたようで、いろいろなことがあった6か月でした。森 勉


2014年10月25日(土) 古川麦 「Green Turquoise」

 ソロ・シンガーとしてだけでなく、表現(Hyogen)、cero、あだち麗三郎クァルテットなどのサポート、ギター講師としても活動している1984年生まれの男性シンガー・ソングライター、古川麦(ふるかわばく)。

 作詞・作曲・アレンジなども自身で手掛けたソロ1stアルバム『far/close』がリリースされました。
(growre-001 2,500円+税)

 編成は自身のクラシック・ギターと穏やかな歌声に加えて、元くるりの田中佑司(ドラム)、千葉広樹(コントラバス)、厚海義朗(ベース)ほか、弦のカルテットやハープ、ホーンなど。
 ceroの荒内佑も共作&ピアノで1曲参加しています。

 ブラジル、クラシック、フォーク、ジャズ、民族音楽、ポップス。
色んな要素が融合し、英語詞も半分を占め、洋楽がお好きな方にもおすすめです。

今日のこの一曲は、ミュージック・ビデオも公開されているオープニング曲「Green Turquoise」。

ドラム、コントラバス、ストリングス、と順に重なっていき、そこにハーモニーが溶けるように合わさっていくのがとても心地良い!

タイトルだけでなく、歌詞の中にも様々な色の名前が登場します。

軽やかな旋律の一曲♪ 東尾沙紀


2014年10月26日(日) James Taylor with Jerry Douglas 「Copperline」

10月25日(土)恵比寿ガーデン・ホール、ピーター・バラカン主催イベント『LIVE MAGIC!』へ行ってきました。

チケット販売が苦戦している、という噂を聞いていたのですが、開催1週間前から購入が殺到し、25日の前売りチケットは完売。当日券も早々に売切れたそうです。

細野晴臣さん出演も大きかったでしょうが、この渋いラインナップで売り切れはスゴイ!
来年以降も是非続けてもらいたいですね。

ちなみに印象に残ったのは、ジョン・クリアリー、ジェリー・ダグラス。

ジョン・クリアリーは以前と変わらぬ楽しい貫禄のライヴ。
そしてジェリー・ダグラスは、素晴らしい指捌きのドブロ・プレーが圧巻でした。

10月27日(月
)ブルーノート東京でジェリー・ダグラス単独公演も予定されているので、気に入った方は貴重な単独ライヴも是非!

ちなみにジェリー・ダグラスは今まで約2,000近く!のセッション仕事をやってきた、とのこと。

僕が大好きなジェイムス・テイラーの1曲「コパーライン」にもジェリー・ダグラスが参加していますね。
(ジェイムス・テイラー1997年作『New Moon Shine』に収録)

エリック・クラプトン主催『クロスロード・ギター・フェスティバル』。
記念すべき2004年第1回のステージでは、ジェイムス・テイラー&ジェリー・ダグラス名義で「コパーライン」を演奏しています。森 陽馬

★掲載ジャケットはDVD『クロスロード・ギター・フェスティバル』。
(国内DVD 2枚組限定価格盤 WPBR-90705 4,667円+税)


2014年10月27日(月) ジェイムス・テイラー 「オー・スザンナ」

ジェイムス・テイラーがアップル・レーベルからのファースト・アルバム(1968年発表)を経て心機一転、ワーナーに移籍して発表したセカンド・アルバム『スウィート・ベイビー・ジェイムス』。

このアルバムは昔も今も大切な愛聴盤の1枚です。
(国内CD 限定価格盤 WPCR-78045 1,380円+税)

アメリカでは1970年初めごろ発売になりましたが、日本では約1年ほど遅れて1971年1月発売になっています。

当時日本で新しく設立されたレコード会社ワーナー・パイオニアの最初の方に出た1枚だったと思います。

このアルバムからは「ファイアー・アンド・レイン」、「カントリー・ロード」のシングル・ヒットが出ましたが、今日は「オー・スザンナ」。

トラディショナルなスティーヴン・フォスターの曲を、ジェイムス・テイラーならではのヴォーカルとギター・ピッキングで表現した個性的な素晴らしいカヴァーです。森 勉


2014年10月28日(火) ザディコ・キックス 「DANCE ALL NIGHT」

潮大輔さんとは東京ローカル・ホンク繋がりで出会いました。

関西を拠点に音楽イベントを主催している彼が東京へ来た際、わざわざ当店に立ち寄ってくれたのです。
「なんかいい音楽ありませんか?」と尋ねられ、楽しい音楽話ができたのを憶えています。

そして、横浜・白楽の六角橋商店街、夜行われる路上ライヴ<ドッキリヤミ市>。
ザディコ・キックスを彼と並んで見たのも良い思い出です。
「関西にはこういうバンドいないなぁ」なんて話していましたね。

その潮大輔さんが急逝した、という報を先週聞きました。

本日はザディコ・キックスの新作『クロウフィッシュ・ガット・ソウル!』発売日。
(国内CD CRCD-5106 2,000円+税)

ルイジアナの伝統的ローカル音楽ジャンル、ザディコ。
そのサウンド・ルーツを引き継ぎつつ、日本流にアレンジした楽しく踊れるゴキゲン・ダンスビート♪

音楽愛ある彼にもこの東京発ファンキー・ザディコの傑作、聴いてもらいたかったな。森 陽馬


2014年10月29日(水) Simon Dalmais 「Before and After」

81年生まれのフランス人男性シンガーソングライター/ピアニスト、シモン・ダルメ。

1stアルバム『The Songs Remain』は、2012年夏に国内盤がリリース(本国では2011年)されていましたが、私は昨年の夏頃初めて耳にしました。(
2013年7月22日の今日のこの1曲で紹介)

きれいなピアノの音色、ストリングスの旋律、優しいのにどこか寂しさを湛えた歌声は、聴く度にいつも心落ち着かせてくれます。

2枚目となる新作『Before and After』の国内盤が、前作と同じく橋本徹さん監修のアプレミディ・レコードから発売されました。(国内CD RCIP-0213 2,300円+税)

ピアノ、ストリングスほか、バンジョーを取り入れたフォーク・ロック的なアレンジも。
前作以上に歌とハーモニーに重点を置いている感じがします。

ビーチ・ボーイズ、ニック・ドレイク、ロバート・ワイアット、ガーシュウィン...彼の敬愛するミュージシャンが記載されていますが、今作はロバート・ワイアットの影響を感じさせる繊細な雰囲気の曲が特に印象的です。

余韻を残しながら終わっていく「After」も美しい....。

ひとりの時や、夜ゆっくり聴きたい一枚です。東尾沙紀


2014年10月30日(木) Vashti Bunyan 「Heartleap」

朝晩はめっきり冷え込んできましたね。

その寒さに呼応するように、冬の到来を告げるような作品が出ました。

ヴァシュティ・バニアン『ハートリープ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 YAIP-6030 2,300円+税)

1970年1stアルバム。2005年に35年振り2ndアルバムリリース。
そして2014年、9年振り奇跡の3rdアルバムが今作です。

アコースティック/シンプルながら幻想的な世界観は健在。

美しい白昼夢の如き1枚。

心躍る気持ち。(『Leap』は跳ねる・躍動するの意)
良い音楽を聴いて、いつまでも持ち続けていきたいと思わせる静かな名作です。森 陽馬


2014年10月31日(金)エリック・バーゲン 「クライ・フォー・ミー」(『ジャージー・ボーイズ』映画サントラより)

遅ればせながら、フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズを描いた映画『ジャージー・ボーイズ』を観てきました。

9月27日ロードショー公開から1か月過ぎましたが、丸の内及び新宿ピカデリーというメジャー・シアターで現在も1日3~4回上映されているということは、評判も良くお客さんも入っているということなんでしょうね。うれしいですね。

僕が行ったのは平日の夕方だったのですが、それなりに席は埋まっていましたし、普段の映画よりプログラムを買っている人が多かったように感じました。(公開週はプログラムが売り切れてしまったところがあったそうですね。)

さて、映画ですが興味深く観ているうちにあっという間に時間が経ってエンディング、というイイ映画でした。

ストーリーもうまく作られているし(すべてが事実ではないと思いますが)、とにかく曲がいい。
ボブ・ゴーディオとボブ・クルーのコンビは本当に名曲を量産していったんだなぁ。

個人的なベスト・シーンは、エリック・バーゲン演じるボブ・ゴーディオがフランキー・ヴァリのグループに加入するきっかけとなる場面かな。

この場面で歌われるのはボブ・ゴーディオ作品の中でも今まであまり陽が当たらなかった「クライ・フォー・ミー」という曲。

フランキー・ヴァリのシングル「ユアー・レディー・ナウ」のB面として1966年発表された地味な経歴を持つ曲ですが、このサントラCDには見事に生まれ変わったアレンジの「クライ・フォー・ミー」が聴けます。

フォー・シーズンズらしいヴォーカル・アンサンブルと、メンバーがこの曲の魅力に吸い寄せられていく様子の映像に惹き込まれてしまいました。森 勉

★掲載ジャケットは『ジャージー・ボーイズ』オリジナル・サウンドトラック。
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-15887 2,000円+税)




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■


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