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  今日のこの1曲 “Archives”

<2015月9月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2015年9月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2015年9月1日(火) ゴスペラッツ 「歌の贈り物」

あっという間に7~8月が終わってしまいました。
今年は夏フェスへ行きませんでしたが、『風街レジェンド』は大人の夏フェス(屋内だけど)といった感じで楽しかったですね。

その『風街レジェンド』8/21に出演し、大滝詠一作2曲(「Tシャツに口紅」、「冬のリヴィエラ」)を歌った鈴木雅之。
デビュー35周年を迎えた彼が、佐藤善雄&桑野信義(ラッツ&スター)、村上てつや&酒井雄二(ゴスペラーズ)と組んだ5人組ユニット、ゴスペラッツ結成10周年ということで記念盤をリリースしました。

ゴスペラッツ『ペラッⅡ』
(初回限定LPジャケット仕様 ESCL-4524 3,611円+税  通常盤 ESCL-4525 3,056円+税)

今作では大滝詠一関連作品が3曲収録。
「Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語」、「禁煙音頭」(Live)、「禁煙スウィング」。

「禁煙音頭」はダウン・タウン・ブギウギ・バンド「スモーキン・ブギ」(宇崎竜童作)を大瀧詠一が改詞し、1978年発表アルバム『Let's Ondo Again』で竜ヶ崎宇童(鈴木雅之の変名)が歌った1曲。

「禁煙スウィング」はその「禁煙音頭」をスウィング調にアレンジし2008年に配信限定でリリースされた楽曲で、今回が初CD化。

新曲①「歌の贈り物」(作詞:山田ひろし、作曲:酒井雄二、そして編曲は元シュガー・ベイブの村松邦男)の歌詞にもナイアガラを感じる一節がありますね。

ブックレット最後のページには<Dedicate to 大滝詠一>の一文も記されています。森 陽馬



2015年9月2日(水) キャデラックス 「ZOOM」

9月9日発売の書籍『サウンドデザイナー2015年10月号』(800円+税)。
特集は<大滝詠一「君は天然色」を作る>!

井上鑑さんのインタビュー/レコーディングに参加したエンジニアやミュージシャンの証言から、「君は天然色」バンドスコアを掲載。ロンバケをより深く研究できる特集になっているそうです。(表紙もそそられますね)

さて、今日のこの1曲は、大滝詠一『ロング・バケイション』収録「FUN×4」好きならばビビッ!とくるハズの1曲。

キャデラックス1957年発表1stアルバム『ファビュラス・キャデラック』1曲目に収録「ZOOM」。
(『国内CD 解説・歌詞付 WPCR-16673 1,200円+税)

数ある♪ダンドゥビ♪コーラスの中でも、アップテンポで歌われるこの♪ダンドゥビ♪は最高にゴキゲンですね。

1950年代後半ニューヨークの空気が伝わってくるドゥーワップ名盤。
しっかりした日本語解説・歌詞も付き、お買い得価格で日本初CD化。

オールディーズ、ドゥーワップ好きの方はもちろん、大滝詠一ファンの方にもオススメの1枚です。森 陽馬



2015年9月3日(木) 星野みちる 「INTERSTELLAR」

<現代シティ・ポップ・クイーン>!
ナイアガラ、マイクロスターファンからも人気の女性シンガー、星野みちる。

新作アルバム『ユー・ラヴ・ミー』が発売されました。
(HCCD-9561 2,800円+税)

はせはじむ×佐藤清喜(マイクロスター)によるトータル・プロデュースはそのままに、今作では小西康陽、ヤン富田、高浪慶太郎、奥田健介(ノーナリーヴス)も参加。

はっぴいえんど「夏なんです」のアンサー・ソング的②「夏なんだし」(小西康陽プロデュース)、2015年5月発表「腰抜け男子にアイラビュー」等シングル曲はもちろん、それ以外の収録曲もバラエティに楽しめる全12曲。

今日のこの1曲は、作詞・作曲:はせはじむ、編曲:佐藤清喜による9曲目「INTERSTELLAR」。

リズム・アレンジは、ロネッツ「How Does It Feel?」が下敷きになっていますね。

ハイテンポなドラムのリズムとウォール・オブ・サウンド。
これぞ宇宙歌謡!? 印象的なナンバーです。森 陽馬



2015年9月4日(金) yojikとwanda 「てのつくあそび」

東京在住女性シンガー、yojik(ヨージク)と、関西在住男性ミュージシャン、wanda(ワンダ)。

二人の<愛>と<喜び>と<祈り>が込められた3rdアルバム『フィロカリア』が本日発売されました。
(yojikとwanda『フィロカリア』 compare notes cn-0041 2,000円+税)

ライヴで聴いていた楽曲も入っていますが、MC sirafu(片想い、ザ・なつやすみバンド)、吉田悠樹(NRQ)、服部将典(NRQ)、itoken、岡野勇仁、サポート・バック・メンバーによる演奏が加わった"wandaアレンジ"は、これまでとは違う景色を見せてくれますね。

そして、yojikさんの神々しい美声。
生きること、愛することの楽しさと切なさが見事に表現されています。

今日のこの1曲は3曲目「てのつくあそび」。

ポリス(スティングが在籍していたロック・バンド)好きのyojikさんによるヨーワン版「孤独のメッセージ」!?

スチュワート・コープランドを彷彿とさせるitokenさんのドラミング&服部将典さんのベース。
そのリズム隊に絡むMC sirafuのスティール・パンと吉田悠樹さんの二胡が最高にかっこいい!

ちなみに、11月21日(土)昼過ぎ、当店地下アゲインにてyojikとwandaのイベント決定しました!

PET SOUNDS RECORD presents <yojik VS wanda vol.2>
いつも仲良しyojikとwandaがこの日は対決!
トーク、各ソロ・ライヴ、yojikとwandaライヴ、プレゼント抽選会など盛りだくさんのイベントにしたいと思ってます。乞うご期待! 森 陽馬

★yojikとwandaを当店にてお買い上げの方、先着で以下を差し上げてます
・wanda特製4曲入りカセット(ダウンロード・コード付)
・yojik謹製ヨジワン新聞
・当店作成!独占インタビュー掲載発売記念リーフレット(店内でもご自由にお持ちいただけます)
・そして更に!当店のみの特典としてPV猫人形デザインを元にした丸マグネットをプレゼント!



2015年9月5日(土) itoken 「TAiJiQUAN」

昨日ご紹介したyojikとwandaの新作に参加しているドラマー/パーカッショニスト、itoken。

yojikとwandaをはじめ、トクマルシューゴ、山田稔明、湯川潮音、相対性理論、Sugar meなど様々なアーティストのサポートや、教育番組、ゲーム、CMなどへの楽曲提供、ドラマー/パーカッショニスト/電子・玩具音楽家と多方面で活躍しています。

そんなイトケンさんの13年ぶりソロ新作『Speaker』がリリースされました。
(RYECD-226 2,300円+税)

自称''偽マルチ楽器演奏家''の新作は、ちょっとチープで摩訶不思議な電子音楽集。
グロッケン、ピアニカ、トイピアノなど生の音も交わって、おもちゃ箱をひっくり返したような世界観の作品です。

インスト中心ですが、Suger meとYeYeのコーラスが聴ける「Summer Vacation」、女性シンガーJON(犬)が歌で参加した「Speaker Love's Theme」、UKのバンドThe Wombatsのトード・オーヴァーランド・クヌーゼンをヴォーカルに、トクマルシューゴ、田中馨(ショピン/ex.SAKEROCK)も参加した「Speaker High School Theme」など歌ものも。

12秒の曲から長いものでは4分と曲の長さは様々で全25曲を収録。
エキゾチックな雰囲気の「TAiJiQUAN」が耳に残りました。東尾沙紀


2015年9月6日(日) シャドウズ 「ブルー・スカイ・ブルー・シー・ブルー・ミー」

1960年代はベンチャーズと並んで人気のあったギター・インスト・バンド、シャドウズですが、日本ではオリジナル・アルバムがなかなかCD化されない状態でした。

しかし、この度『LET IT ROCK』シリーズで60年代に出たオリジナル・アルバムが4枚再発されました。
その内3枚は日本初CD化です。

今日はその中から1965年発表4作目『ザ・サウンド・オブ・シャドウズ』を紹介したいと思います。
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-16664 1,200円+税)

全14曲(内3曲はヴォーカル入り)、どの曲も粒揃いの名曲・名演。

ハンク・マーヴィンのリード・ギターが独特のやわらかいトーンでメロディーを奏で、ブルース・ウェルチ(近年はウェルシュと表記するようです)が軽快にリズム・ギターを刻み、ブライアン・ベネットのドラムスはグループの音に溶け込みながらも印象的なフレーズを随所で聴かせてくれます。

「ブラジル」、「ディープ・パープル」の斬新なアレンジや、日本での人気曲「ボッサ・ルー」などにもひかれますが、今日は僕が大大大好きなバラード「ブルー・スカイ、ブルー・シー・ブルー・ミー」を。

ブルースとジョンの哀愁漂う作品をハンクのメロウ・トーン・ギターが彩ります。

今回はオリジナル・ジャケットでの発売ですが、60年代当時の日本盤LPジャケットが懐かしいなぁ。森 勉



2015年9月7日(月) ドミンギーニュス 「O Babulina」

今夏はオールディーズだけでなく、ブラジル音楽の良質な再発盤がたくさん出ました。

特に目玉はこの1枚!

ドミンギーニョス『ドミンゴ・メニーノ・ドミンギーニョス』
(国内CD 生産限定盤 解説・歌詞大意付 UICY-77284 1,000円+税)

ドミンギーニョス(Dominguinhos)は、ブラジル/ペルナンブーコ州ガラニュンス出身の名アコーディオン奏者。
1950年代後半から音楽活動している彼が1976年発表した傑作『Domingo Menino Dominguinhos』。

この度めでたく世界初CD化! それも1,000円!!

「ブラジル本国から買ってきてくれと頼まれた」とおっしゃって購入する方もいるくらい、ブラジル音楽ファンからは待望&大注目&大評判な再発CDなのです。

更に、珍しいだけでなく内容も素晴らしい!

ジルベルト・ジル、トニーニョ・オルタ、ヴァギネル・チゾ等が参加し、イキイキとした演奏が全編にわたって楽しめます。

今日のこの1曲は2曲目「オ・バブリーナ (O Babulina)」。

ファンキーなサンバ・ロック・リズムが最高にグルーヴィー!
タイトルの<バブリーナ>とは、ジョルジ・ベンのニックネームだそうで、彼へ捧げられた1曲といえるでしょう。

ラスト「バイアオン・ヴィオラード」もかっこよくてお気に入りの1曲。

とにかくも、ブラジル音楽に興味ある方なら買っておいた方がいいと思いますね。森 陽馬


2015年9月8日(火) CELSO FONSECA 「Stormy」

今日は1日中雨でしたね。

そんな秋雨の日にピッタリのブラジル新譜。
CELSO FONSECA『LIKE NICE』。(輸入CD Brasil Universal 602547326775)

1980年代から活躍しているブラジル名シンガー・ソングライター/コンポーザー、セルソ・フォンセカ。

2012年発表前作『no meu filme』(
2012年2月16日今日のこの1曲で紹介)はブラジリアン・フュージョンなサウンド・アレンジが心地良くかっこいいアルバムでしたが、今回の新作は清廉なボサノヴァ。

ジョアン・ジルベルトを彷彿とさせる静寂さの中に、クールな情熱も込められた見事なセンス。

音と音の空間を楽しみたい方、オススメの1枚です。

今日のこの1曲は、クラシック・フォー名曲カヴァー、英語詞の「Stormy」。

ちなみに、マルコス・ヴァリが2曲ローズ・ピアノで参加しています。森 陽馬


2015年9月9日(水) ウルフルズ 「ロッキン50肩ブギウギックリ腰」

前作『ONE MIND』から1年4か月ぶり、ウルフルズ13枚目となる新作『ボンツビワイワイ』がリリースされました。
(WPCL-12233 2,700円+税)

雨続きでジメジメしがちな気分を一掃してくれる、パワフルで楽しいパーティー・アルバム!

5月に配信リリースされたリード・トラック「ボンツビワイワイ」、続く「ロッキン50肩ブギウギックリ腰」など、ウルフルズらしい爽快な楽曲満載で聴いていると元気になりますね。

「ロッキン50肩~」はニューオリンズ名曲「Rockin' Pneumonia and Boogie Woogie Flu」が元ネタとなっている1曲。

グルーヴィーですごくかっこいい曲ですが、腰痛、痛風、ヘルニア、貧血、偏頭痛...と色んな病名が出てくる詞は遊び心があって、とにかく楽しいです。

♪メシ食えん 歯肉炎♪ ♪タッチミー 立ちくらみ♪ ♪コールミー こむら返り♪
くだらないのにかっこ良くて最高です。

ライヴ・テイストの濃密なブルース・ナンバー「チークタイム」、サム・クックを彷彿とさせる「愛すれば」など、ソウル&ブルース愛も忘れない一枚♪

ちなみに今作のディスクのレーベル面は、赤×緑のアトランティック仕様。
CDならではの楽しみですね。東尾沙紀


2015年9月10日(木) ロネッツ 「ユー・ベイビー」

ロネッツが出した唯一のLP『プレゼンティング・ザ・ファビュラス・ロネッツ・フィーチャリング・ヴェロニカ』がなんと!1,000円+税という低価格で単体CD化されました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-4525 1,000円+税)

フィル・スペクターのプロデュース、ジャック・ニッチェのアレンジ、ジェフ・バリー&エリー・グリニッチなどのソングライター・チームのバックアップで1964年発表したこのアルバムは、60'sポップスファンあこがれの一品でした。

オリジナルLPは相変わらず高額のようですが、オリジナル・ジャケットのこのCDはリーズナブルな価格で手に入るようになりうれしい次第です。

日本語の解説、歌詞&対訳付、そして1965年に日本盤として発売された時に掲載された亀渕昭信氏によるライナーノーツの原稿も復刻されています。(2011年にBOXセットとして発売された時にも付いていました)

今日はこの全12曲のアルバムから、「ビー・マイ・ベイビー」ではなく、「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」でもなく、「ユー・ベイビー」を。

曲を書いたのは、バリーマン&シンシア・ワイル。
この曲を初めて聴いたのはラヴィン・スプーンフルのヴァージョンでしたが、それからもう50年の時が過ぎたんですね。森 勉


2015年9月11日(金)ayU tokiO 「犬にしても」

2015年11月3日は<レコードの日>

アナログ・レコードのプレス工場<東洋化成>が中心となり、アナログ・レコードの普及を目的としたイベント<レコードの日>が11月3日行われることになりました。

この日に合わせてアナログ盤が多数リリースされるようで、各社からインフォメーションが続々と届いています。

細野晴臣&松本隆がはっぴいえんど前に在籍していたエイプリルフール、内田裕也とフラザーズ『チャレンジ』などLP再発から、流線形、NRQ、LEARNERS、勝新太郎などなど。(詳細は公式サイトをご参照ください)

おそらくこれから更に追加でリリースが決まってくると思います。
当店通販コーナーにも少しずつ掲載・紹介していく予定ですのでよろしくお願い致します。

さて、この<レコードの日>リリース作品中、当店で注目しているのはこの1枚。

ayU tokiO『犬にしても』
(EP+CD 1,000枚限定プレス NRSP-726 2,000円+税)

当店スタッフが選ぶ2014年ベストに、東尾が選出したayU tokiO(アユ・トーキョー)。
待望の新曲です。

マイクロスターの佐藤清喜さんがミックス&マスタリングを担当しているとのこと!
全4曲収録されたCDも付いているので、アナログを聴けないという方もチェックしておいた方がいいですよ。森 陽馬

★なお、この<レコード日>はレコード・ストア・デイと違い、予約・通販も可能です。
入荷枚数が確定していませんが、ご希望の商品ある場合はお早目にお問合せくださいませ。


2015年9月12日(土) リトル・エヴァ 「メイキン・ウィズ・ザ・マギーラ」

8月下旬から怒涛のペースで紹介している<ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツ>シリーズ。

5種類出ているうちのあと1つ積み残しがあったので、紹介しておきたいと思います。

『サム・カインド・オブ・ワンダフル~ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツ Vol.4』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-16658 1,600円+税)

ドン・カーシュナーが設立したディメンション・レーベルの音源で占められているなんともマニアックな選曲です。

1962~65年にかけシングルとして発売された全20曲はほとんどが日本初CD化で、中には世界初CD化音源もあります。

スティーヴ・バリとテディ・ベアーズのアネット・クレインバード(キャロル・コナーズ)が1963年当時組んでいたグループ、ストーリー・テラーズ「タイム・ウィル・テル」や、スペクター・チックなアレンジがイカしているキャロライン・デイ「ティーネイジ・プレア」など、気軽に聴けるようになるなんて、ワーナーさんありがとう!と声をかけたくなってしまいます。

ディメンション・レーベルと言えば、キャロル・キングとジェリー・ゴフィン絡みの良い作品が多数ありますが、今日はその中から15曲目に入っているリトル・エヴァ「メイキン・ウィズ・ザ・マギーラ」を。

曲を作ったのはトニー・パワーズ&ジャック・ケラー。
プロデュースがジェリー・ゴフィン、アレンジをキャロル・キングが担当。

1966年頃、日本でもTBSテレビで放送されていたハンナ・バーベラのアニメ『ゴリラのゴンちゃん』(ザ・マギーラ・ゴリラ・ショー)の主題歌のように使われていたこの曲。

当時、とても大好きでした。
が、歌手も曲名もわからずじまいでした。

10数年の時が過ぎたある日、ひょんなことでこの「ゴリラのゴンちゃん」の曲のことが色々とわかり狂喜乱舞!
現在に至るまで何百回と繰り返し聴いた大切な1曲です。

「ゴリラのゴンちゃん」よろしく!
うれしいうれしい日本初CD化です。森 勉


2015年9月13日(日) Pirates Canoe 「The City Girl And The Mountaineer」

9月も半ばとなり、すっかり秋の陽気ですね。

あっという間に過ぎてしまった2015年夏の思い出、皆さんは何か作れましたでしょうか?

僕は7月18日(土)、茨城にあるcafe la familleでパイレーツ・カヌーのライヴを見たことが印象深いです。

パイレーツ・カヌーはもちろん、
cafe la famille(カフェ・ラ・ファミール)というお店が本当に素晴らしかった!
茨城の辺鄙な住宅街の中から、突如一昔前の南フランスへタイム・スリップしたような素敵な空間。
お食事はどれも美味しくて、店員さんのホスピタリティにも感動。
パイレーツ・カヌーが日本ツアーを次回行う時はここにまた来よう!と思えるくらい楽しい一夜でした。

さて、そのパイレーツ・カヌーの最新アイテムであるライヴCD『Live In New York』(1,000円+税)と、初期セレクトCD『Prologue』(1,500円+税)の2枚が当店でも取扱い開始となりました。

今日はライヴ盤Pirates Canoe『Live In New York』(otcr-008 1,000円+税)から、未CD化だった「The City Girl And The Mountaineer」。
パイレーツは英語詞が魅力の一つでもありますが、この曲で聴けるサラさんの日本語歌唱も僕は好きです。

ちなみにこのCDには、パイレーツ・カヌー2015年2~3月全米ツアー中、2月27日ニューヨーク州ニューパルツという街にある<ご麺ください>というレストランでのライヴ音源を7曲収録。
彼らの代表曲となった「Gull Flying North」が観客含め合唱となる部分は感動的ですね。森 陽馬


2015年9月14日(月) Pirates Canoe 「Down By The Salley Gardens」(live)

昨日に続いてパイレーツ・カヌー。
最新アイテムのもう1枚の方『Prologue』(otcr-009 1,500円+税)から今日のこの1曲。

2011年5月発表ミニ・アルバム『Pirates Canoe』、2012年6月発表ミニ・アルバム『Pirates Canoe, Too』は販売元のOn The Corner Recordsでも品切れのため、2013年8月発表ミニ・アルバム『Pirates Canoe,Three』含めた3作から7曲を厳選。

更にボーナス・トラックとして、「HOTARU」(2015年2月11日京都ガボール)、「CRAZY KRISSIE」(2014年1月26日京都拾得)、「DOWN BY THE SALLEY GARDENS」(2013年9月22日拾得)のライヴ音源を収録した10曲入りCDです。

当店が選ぶ2014年ベストに選出した名作『One For The Pain In My Heart』を気に入った方は、過去作にも良い曲が多いので是非聴いてもらいたいですね。

追加収録された貴重ライヴ音源「Down By The Salley Gardens」は、アイルランドの伝統歌として多くのミュージシャンに歌われているトラディショナル・ソングのカヴァー。
昨日の「the City Girl And The Mountaineer」と同じく、サラさんによる日本語歌唱が出てくるのも聴きどころ。

なお、クレジットには書かれていませんが、ペンギン・カフェ・オーケストラ1984年作「Music For A Found Harmonium」をパイレーツ・カヌー流にアレンジした演奏が、「Down By The Salley Gardens」後続けて披露。

この「Music For A Found Harmonium」は、ペンギン・カフェ・オーケストラの創設者である故サイモン・ジェフスが京都にあった古いハーモニウムに捧げて作ったインスト・ナンバー。
(パイレーツ・カヌー『One For The Pain In My Heart』3曲目に収録「Matty Maloy」のラストにも「Music For A Found Harmonium」が演奏されていました)

「Down By The Salley Gardens」と「Music For A Found Harmonium」を繋げるなんて、さすがパイレーツ・カヌー! 渋いですね。 森 陽馬


2015年9月15日(火) ペイジ・クレール 「メイク・イット・ウィズ・ユー」

ペイジ・クレールという女性シンガーは、この1枚のアルバムを発表しただけで音楽業界を引退し、その後の消息はまったくわからないということです。

1971年MGMレーベルから出たこのアルバムは、ほとんど話題にならず時代の中に埋もれてしまっていました。

しかし、魅力的なこのジャケット、そしてサウンドや声の良さがちょっと話題になり、現在はサバービア・セレクションとして低価格で発売されています。
(国内CD 解説・歌詞付 UICY-77271 1,000円+税)

1枚しかアルバムを出していないというと、ペギー・リプトンのアルバムを思い出します。

それよりプロダクションの規模が小さいながら、ペイジ・クレールの方も耳ざわりの良い音を聴かせてくれます。

「メイク・イット・ウィズ・ユー」はデヴィッド・ゲイツ作、ブレッドの大ヒット曲。

ミュージシャン・クレジットはないのですが、ベースはジョー・オズボーン、ドラムスはハル・ブレインの音がしています。森 勉


2015年9月16日(水) WATKINS FAMILY HOUR 「Going Going Gone」

10月24,25日恵比寿ガーデン・プレイスで行われる、ピーター・バラカンさん主催イベント''LIVE MAGIC! vol.2''に<I'm With Her>という女性3人ユニットで来日するアメリカのフィドル奏者/シンガー、サラ・ワトキンス。

その女性トリオもすっごく良さそうですが、サラ・ワトキンスとニッケル・クリークで共に活動してきた兄ショーンを中心としたカントリー/フォーク・ロック・ユニット、<WATKINS FAMILY HOUR>も、いつか生のパフォーマンスを観てみたいものです。

今年の7月頃にアルバムを発表したWATKINS FAMILY HOURは、フィオナ・アップル(vo)、ベンモント・テンチ(key)、グレッグ・リーズ(pedal steel/dobro)、ドン・へフィントン(ds)、セバスチャン・スタインバーグ(b)と、様々なセッションで活躍する腕利きミュージシャンが参加しています。

ロジャー・ミラー「Not In Nottingham」、フリートウッド・マック「Steal Your Heart Away」、ゴードン・ライトフット「Early Morning Rain」、グレイトフル・デッド「Brokedown Palace」、トラディショナルなどカバーを主に、メンバー1人1曲は必ず歌うスタイル。

ボブ・ディランの「Going Going Gone」を歌うのは、3月のジャクソン・ブラウン公演で来日した名ペダル・スティール奏者、グレッグ・リーズ。
あまり歌のイメージはありませんでしたが、味わいのある歌声と音色を聴かせてくれます。東尾沙紀


2015年9月17日(木) Amy Helm 「Roll Away」

リヴォン・ヘルムの娘、エイミー・ヘルムを僕が初めて見たのは1999年。

ニューオリンズ中心街にリヴォン・ヘルムがライヴ・バーを出していた時だ。

彼を含めたミュージシャンが毎夜セッションしていて、僕が見に行った時ちょうどエイミーが歌っていた。

可憐な外見ながら堂々とした歌声。
リヴォンと和気あいあいとしている様子を見て、リヴォンの若い奥方かと最初思ったことを記憶している。

ちなみに、リヴォンはこの頃すでに喉の病を抱えており歌わなかったが、ドラミングは健在。
演奏後、写真を一緒に撮ってもらった時も、酒瓶を片手に終始ゴキゲンな様子だったのが懐かしい思い出だ。

エイミー・ヘルムは1970年生まれというから、今年12月で45歳。
そんな彼女が初ソロ・リーダー・アルバムをリリースした。

エイミーヘルム『Didn't it rain』
(国内CD ボーナス・トラック2曲追加 解説・歌詞・対訳付 VICP-65332 2,500円+税)

2009年逝去した兄エズラ、2012年逝去父リヴォンの遺志を引き継ぐアメリカン・ルーツに根差した作品。

2000年代一緒に活動していたバンド、Ollabelleのメンバーをバックに、ラリー・キャンベル、ビル・ペイン他職人ミュージシャンも参加。父リヴォンが亡くなる直前、最後のレコーディング・セッション曲も収録されている。

今日のこの1曲は感動的なナンバー、8曲目「Roll Away」。

ザ・バンド好きはもちろん、スーザン・テデスキ、ボニー・レイットお好きな方にも是非聴いてもらいたい1枚。森 陽馬


2015年9月18日(金) キース・リチャーズ 「グッドナイト・アイリーン」

ローリング・ストーンズのキース・リチャーズ。
1992年発表2nd『メイン・オフェンダー』から約23年ぶり!ソロ3作目となる新作が本日世界同時発売されました。

キース・リチャーズ『クロスアイド・ハート』
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞・対訳付 UICY-15429 2,500円+税)

これは彼のソロ最高傑作!と断言していいでしょう!

キースらしいルーズで、ワイルドで、なおかつ優しさを伴った歌とサウンド。
ストーンズ/キース・ファンの方なら100人中99人愛聴盤となることうけあいの1枚!

スティーヴ・ジョーダンがプロデュース。
ワディ・ワクテル、アイヴァン・ネヴィル、ブロンディ・チャップリン、スプーナー・オールダム、ラリー・キャンベル等が参加し、ノラ・ジョーンズとのデュエット曲「Illusion」も収録されていますが、今日のこの1曲はこれ。

トム・ウェイツを彷彿とさせるダミ声でキースが歌う「グッドナイト・アイリーン」。

エリック・クラプトン、ライ・クーダー、BEGINなど多くの人がカヴァーしている名曲。
キースは1934年レッド・ベリーのオリジナルを元にしたそうです。

この「グッドナイト・アイリーン」キース・ヴァージョン、自分の葬式でかけて欲しい、と思ったストーンズ・ファン多いんじゃないでしょうか。
そのくらい心に沁みる名カヴァーですね。森 陽馬


2015年9月19日(土)ジャンゴ・ラインハルト 「ジャンゴロジー」

ジャンゴ・ラインハルトのギターの音色は、セピア色の郷愁と、気持ちをゆったりしてくれる空気をいつも運んできてくれます。

ジプシーの血を引く彼の奏でるギターは、現在ではノスタルジック・スウィングと呼ばれていますが、このアルバム『ジャンゴロジー』が録音された1949年当時は斬新なプレイであり、新しいサウンドだったんだろうと想像できます。

ジャンゴ・ラインハルトのリーダー・アルバムですが、もうひとりの主役はヴァイオリン奏者のステファン・グラッペリ。
ソロを取っていることも多く、ジャンゴのギターを強力にサポートしています。

現在出ているCDはLPレコード時代の『ジャンゴロジー』にボーナス・トラック11曲を追加した全23曲。
(国内CD 日本語解説付 SICP-30226 1,800円+税)

「ラ・メール」、「ペイパー・ムーン」、「世界は日の出を待っている」、「アイ・ガット・リズム」など、スタンダード・カヴァーも良い曲がありますが、今日はアルバム・タイトルにもなったジャンゴとステファンの共作曲「ジャンゴロジー」を。森 勉


2015年9月20日(日) PUGWASH 「THE FOOL HAD BECOME」

''ダブリンのジェフ・リン''こと、トーマス・ウォルシュ率いるポップ・バンド、パグウォッシュ。

前作から約4年ぶりとなる最新作『Play This Intimately (as it among friends)』が入荷しました。
(輸入CD OMNIVORE RECORDINGS OVCD-134)

6枚目となる今作は、北ロンドンにあるレイ・デイヴィス所有のコンク・スタジオ録音。

前作に続きアンディ・パートリッジ(XTC)や、レイ・デイヴィスがバック・コーラスで参加。

そしてトーマスとダックワース・ルイス・メソッドというユニットでコンビを組むニール・ハノン(ディヴァイン・コメディ)が全12曲中8曲鍵盤他を担当。
更に1曲目に<Shout!>でクレジットされているジェフ・リン....と英ポップ界の大御所達が参加しています。

今作もビートルズ、ジェフ・リン・テイストのメロディアスな楽曲が満載で、一聴して地味なようで、フックの効いたメロディはさすが♪
ゆったりめの曲が多く、気持ちよく聴ける一枚です。

秋も近いので、ちょっと切ない「The Fool I Had Become」がじんわり沁みます。東尾沙紀


2015年9月21日(月) Awesome City Club 「Lullaby for TOKYO CITY」

シルバー・ウィーク、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

ゴールデン・ウィークと同じで、武蔵小山は普段の土日よりも人出が少ない印象です。
(近辺お住まいの方は、連休だともっと遠くへ出掛けるからかも)

再開発の影響で商店街入口のたい焼き屋、たこ焼き屋、餃子屋の場所はすでにシャッターで閉鎖。
駅前飲食街も今月末で閉店する店が多いとのこと。
来年の今頃はまた違った街並みになっていると思うと、少し切ない郷愁も感じますね。

さて、この連休中、僕が気に入ってよく聴いているのがこの1枚。

Awesome City Club(オーサム・シティ・クラブ)『Awesome City Tracks 2』
(CD VICL-64421 2,000円+税)

Awesome City Clubはベーシストのマツザカタクミを中心に2013年結成。
atagi、PORIN、モリシー、ユキエを加えた男3人女2人による日本人新世代シティ・ポップ・バンドです。

ビクターへ移籍しての新作は、origamiプロダクションの名グループovall在籍ドラマーであるmabanuaがプロデュースを担当。

これが本当にイイッ! 楽曲はどれもポップで、前向きなアレンジもかなりツボです。
(『はじまりのうた』サントラに影響を受けたようなアレンジが多いのは気のせい?)

強引に例えると、<サカナクション+ザ・なつやすみバンド+シティ・ポップ風味>って感じでしょうか。

これからブレイクを予感させるグッド・バンドですので、是非チェックしておいてください。森 陽馬


2015年9月22日(火) HAPPLE 「Black Whole New World」

キャッチコピーは
<KIRAKUに垣根をなぎ倒す、自由が丘のビースティなBoy & Girls!>

土岐佳裕、斎藤麻美、押田千紗代による3人組。
前作『ドラマは続く』が当店でロングセラーを記録したユニット、HAPPLE(ハップル)。

約2年ぶり新作『Three to 2,1』が本日入荷しました。
(CD MINE'S RECORDS MR-025 2,000円+税)

1999年頃から活動していた前身バンド<いなかやろう>の時は武骨なロック・サウンドが売りでしたが、HAPPLEとなってからの2013年1stは、土岐くんらしいクセがあるソングライティングが魅力的なポップな仕上がりでした。

そして、プロデューサー兼エンジニアに、A×S×E(NATSUMEN)を迎えての今作。
なんと!ほぼ全曲HIP HOP!

昔のいなかやろうを聴いていた方には想像しにくいと思いますが、とってもクールで楽しいHIP HOPポップなのです。

生バンド・サウンドなので、HIP HOPを普段聴かない方でも耳馴染みが良いサウンド&フロウ♪
MC sirafu(片想い、ザ・なつやすみバンド)もゲスト参加。

cero、alfred beach sandalお好きな方も要チェックの1枚!

今日のこの1曲
「Black Whole New World」のPVも、シュールで不思議で面白いですね。森 陽馬


★当店でお買い上げの方には以下3大特典!
・当店のみの特典!HAPPLEバッチ
・当店のみの特典!HAPPLEの「Funky RAG」を踊ってみたDVD-R
・先着特典!HAPPLE特集GHOST WORLD誌Vol.10


2015年9月23日(水) 鈴木茂とハックルバック 「アップルノッカー」

1975年にライヴを中心に9か月だけ活動した鈴木茂とハックルバック。
貴重な音源がCD化されました。
(2枚組CD 鈴木茂とハックルバック 『1975LIVE』 FJSP-239 3,200円+税)

鈴木茂(ギター&ヴォーカル)、佐藤博(キーボード&ヴォーカル)、田中章弘(ベース)、林敏明(ドラムス)がメンバー。
鈴木茂が1974年10月下旬から1か月、アメリカ西海岸でレコーディングしたアルバム『バンド・ワゴン』の楽曲をライヴで再現するために組まれたグループがハックルバックでした。
加川良のバック・バンドとしてなど、関西を拠点に活動していた3人を鈴木茂がスカウト。

1975年はティン・パン・アレー関連のコンサートが多数行われました。
『ベイエリア・コンサート』、『ティン・パン・アレー・フェスティヴァル』、『スプリング・カーニヴァル・イン・日比谷野外音楽堂』、『サマー・ロック・カーニヴァル』などにハックルバックは出演して、ファンを楽しませてくれました。

さて、今回のCDは2枚組。
1975年4月4日大阪サンケイホールでの『ベイエリア・コンサート』6曲と、1975年5月15日京都会館でのライヴ9曲が収録されています。それにプラスして、京都会館でのリハーサル・テイク4曲も収められています。

マスター・ソースはカセットなので、正式録音のような音質ではありませんが、レア音源の発売を歓迎したいと思います。

制作・監修として鈴木茂の名前があることですし、原体験派はもちろん、追体験派のお若い方にも聴く価値ありのライヴ音源だと言えます。

なおバンド名のハックルバックは、1975年2月11日目黒区民センターでの初ライヴの時に、ゲスト&司会の細野晴臣によって初めてコールされました。森 勉


2015年9月24日(木) ダーレン・ラヴ 「Who Under Heaven」

フィル・スペクターによるプロデュース楽曲や、映画『バック・コーラスの歌姫たち』出演でも有名な女性シンガー、ダーレン・ラヴ。

1941年生まれ、今年74歳になった彼女が、なんと!約27年ぶりとなるオリジナル・アルバムを発表しました。

ダーレン・ラヴ『イントロデューシング・ダーレン・ラヴ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-4569 2,400円+税)

これが素晴らしい出来!!!

ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンドのギタリスト、ステイーヴ・ヴァン・ザントがプロデュース&アレンジを担当。
バックの熱い演奏やサウンドの雰囲気は、まさにスプリングスティーンな感じですね。

収録楽曲に関してもブルース・スプリングスティーン、エルヴィス・コステロ、ジミー・ウェッブが入魂の書き下ろし新曲を提供。
バリーマン&シンシア・ワイル作「Sweet Freedom」やフィレス時代の名曲カヴァー「River Deep Mountain High」、ビル・メドレーとのデュエットなど注目曲目白押し。

その中から今日のこの1曲はジミー・ウェッブ書き下ろし新曲⑥「Who Under Heaven」。

リチャード・ハリス「マッカーサー・パーク」を彷彿とさせる感動の1曲!
ストリングスが絡んだ長い演奏部分、鳥肌もの!
ジミー・ウェッブ・ファン必聴のナンバーですね。森 陽馬


2015年9月25日(金) アメリカン・ブリード 「ベンド・ミー、シェイプ・ミー」

アメリカン・ブリードはヒット曲が少ないながらも60'sロック/ポップス・ファンには忘れられない存在のグループではないかと思います。

1967年11月発売されたシングル「Bend Me, Shape Me」は、年末には全米ベスト10に入り、7週間ベスト10内に居座りました。
そして翌年1968年1月27日と2月3日に最高位5位を記録しています。

全米チャートを紹介する当時のラジオ番組でよく聴いたような記憶があったのは、ベスト10に7週間という意外な長期間チャートインがあったからなのでしょうね。

この曲が流行っていた頃、アメリカン・ビート・グループが大活躍していた時期でした。
ストロベリー・アラーム・クロック、ユニオン・ギャップ、レモン・パイパーズ、ジョン・フレッド&ヒズ・プレイボーイ・バンド、ソウル・サヴァイヴァーズ、クラシックス・フォー、ヒューマン・ベイズなど、チャートを賑わせていました。

曲名と同タイトルのこのアルバムは1968年発表シカゴ録音。
(アメリカン・ブリード『ベンド・ミー、シェイプ・ミー』 国内仕様CD 日本語解説付 VSCD-5582 2,600円+税)

スマッシュ・ヒット「グリーン・ライト」やゴフィン&キング作「ノー・イージー・ウェイ・ダウン」、インプレッションズをカヴァーした「アイヴ・ビーン・トライング」、ヴァン・マッコイ作でチャド&ジェレミーのヒット曲「ビフォー&アフター」なども収録した充実の内容。新進グループらしい若い息吹を感じます。

なお、この「ベンド・ミー、シェイプ・ミー」。
イギリスではアンディ・フェアウェザー・ロウがヴォーカルのグループ、エーメン・コーナーがカヴァーしヒットさせました。森 勉


2015年9月26日(土) Neil Young 「Rockin' In The Free World」

PET SOUNDS RECORD企画による天辰保文さんトーク・イベント『Talking Man』。
第2回目ニール・ヤング特集開催が近づいてまいりました。

2015年9月28日(月)19時半から、当店地下カフェ・アゲインにて。

天辰保文さんのニール・ヤング愛が伝わる音楽話。
そして、天辰さん自身のハート・オブ・ゴールドを探し求める旅路話。
お時間ある方はお立ち寄りいただければ幸いです。

さて、僕がニール・ヤングを好きになったきっかけは、
サタデー・ナイト・ライヴに1989年出演して「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」を爆音スタジオ・ライヴしている映像だったと思います。

当時キース・リチャーズのバックを担当していたスティーヴ・ジョーダン(Dr)とチャーリー・ドレイトン(B)、そして盟友フランク"ポンチョ"サンペドロ(G)による熱い演奏!

何度見ても凄まじい! 鳥肌モノ!

スティーヴ・ジョーダンが途中でグリップを持ち替えていたり、最後ニールがギターの弦をブッタ切る場面も見どころですね。森 陽馬


★掲載ジャケットは「Rockin' In The Free World」収録、1989年発表アルバム『フリーダム』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-75679 1,714円+税)


2015年9月27日(日) オハイオ・ノックス 「ランド・オブ・ミュージック」

ニューヨークの街でジョン・リンド等とフィフス・アヴェニュー・バンドを結成し、1969年に1枚のアルバムを制作したピーター・ゴールウェイは、バンドが解散したこともあり、西海岸L.Aへ移り住むようになっていました。

その彼が1971年に発表したのが、『オハイオ・ノックス』でした。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-75400 1,714円+税)

キーボードのポール・ハリス、ドラムスのダラス・テイラー、ベースのレイ・ナポリタン(おいしそうな名前ですね)をバックに、全曲の作詞・作曲・ヴォーカル・ギターはピーター・ゴールウェイが担当。
実質的にはピーターのソロ・アルバムといったニュアンスが強い作りになっています。

ハリウッドのサイラス・ファーヤーの農場にある家で録音されたこの盤は、牧歌的な雰囲気が全編にあふれた好盤。

今日はA面2曲目に入っていた音楽讃歌「ランド・オブ・ミュージック」を。森 勉


2015年9月28日(月) Jon Regen 「Borderline」

ニューヨークを拠点とするピアノマン、ジョン・リーゲンは、10代の頃ジャズ・ピアニストとしてキャリアをスタートさせ、ジミー・スコットのバックを務めていたこともあるという経歴の持ち主です。

ピアニストとしての豊かな才能を生かしながら、シンガーソングライターとして、これまでに3枚のアルバムを発表しています。

前作から4年ぶりとなる2015年発表の新作『ストップ・タイム』は、ミッチェル・フルームがプロデュースを担当。
(国内CD 解説・歌詞対訳付 2,315円+税)

バックにはエルヴィス・コステロ&ジ・インポスターズのメンバーであり、様々なセッションで活躍するピート・トーマス(Dr)、デイヴィー・ファラガー(b)が共に参加しています。

ドン・ヘフィントンがコンガで、ミッチェル・フルームが少しアレンジに手を加えるほか、基本はこのトリオによるシンプルな編成なので、ピアノの音色と低めの落ち着いた歌声を楽しめる1枚です。

「Borderline」にはジャクソン・ブラウンのバック等で活躍するギタリスト、ヴァル・マッカラムが参加しています。
レイドバックした雰囲気の良い曲です。東尾沙紀


2015年9月29日(火) ドニー・フリッツ 「If It's Really Gotta Be This Way」

PET SOUNDS RECORD企画 9/28天辰保文氏トーク・イベント『Talking Man』Vol.2 ニール・ヤング特集。
たくさんのご来場ありがとうございました。

念願だったこのイベント、天辰さんが語るニール・ヤングの魅力に関する話をもっと引き出せたのではないか、と司会者の立場から少し後悔しております。申し訳ございませんでした。

ニール・ヤングは数時間では語りつくせない、ということでお許しを。
このイベントは続けていきたいと思っております。また次回ご期待くださいませ。

さて、ニール・ヤングの歌も良かったのですが、最後に天辰さん最近お気に入りの1枚、ということでかけていただいたドニー・フリッツの新作もグッときましたね。

ドニー・フリッツ『Oh My Goodness』
(10月14日発売予定 国内仕様盤 OM-027 2,000円+税)

南部スワンプ・ロックの雄!
1974年発表1st『プローン・トゥ・リーン』は名作として、アメリカン・ルーツ・ロック・ファンからも評判が高い彼。
約7年ぶりの新作です。

米国南部マッスルショールズの名ミュージシャン、スプーナー・オールダム、デヴィッド・フッドから、アラバマ・シェイクスのブリトニーなども参加。
2曲目「If It's Really Gotta Be This Way」を聴かせていただきましたが、深みが更に増した歌声、シビれました。

なお国内仕様盤は10月14日発売予定。
秋~冬、じっくり腰をすえて聴きたい楽しみな新譜です。森 陽馬


2015年9月30日(水) Nick Drake 「Man In A Shed」

9月最終日、東京はスッキリとした秋晴れで気持ち良く、過ごしやすい一日でした。

空気がカラッと乾いてくると、自然とフォーキーなものに手が伸びます。

ニック・ドレイクはオリジナル3作、どれも名作と言われていますが、69年作『Five Leaves Left』が個人的に一番よく聴く作品です。
(国内CD UICY-77281 1,000円+税)

ファーストらしい瑞々しさと儚さ、繊細さを感じさせるギターと歌声。
凡庸な表現ではありますが、癒しの音色でもあります。

「River Man」、「Way To Blue」、「'Cello Song」など名曲が色々収録されていますが、軽快なピアノとアコースティック・ギターが絡む「Man In A Shed」、特にメロディアスで耳に残る1曲です。東尾沙紀




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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