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  今日のこの1曲 “Archives”

<2016月5月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2016年5月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2016年5月1日(日) The Roches 「Losing True」

当店大推薦のバンド、パイレーツ・カヌー。
6月に新曲3曲入りシングル「What do we have to prove?」発売と、レコ発ツアーが発表されていますね。
大阪と東京では東京ローカル・ホンクとの対バンも。ライヴ、新音源共に楽しみです!

パイレーツ・カヌーといえば、<エリザベスさん、沙羅さん、キャッシ―さん>3人娘のハーモニーが絶品♪

そのルーツとも言えるザ・ローチェス。
マギー、テリー、スージー、麗しのローチェ三姉妹による息のあったコーラスには圧倒されます。

ザ・ローチェス1982年発表3rdアルバム『キープ・オン・ドゥーイング』は、3~4月に再発された''アイリッシュ&ケルティック・ハートビート・コレクション'中の1枚。
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-17117 1,300円+税)

聖歌隊や合唱団で培ったという3人のハーモニーは、''美しい''''心地良い''とも違う力強さを持っています。

今作のプロデュースは、ロバート・フリップ。
トニー・レヴィン、ビル・ブラフォードと、キング・クリムゾンのメンバーも控えめな演奏で彼女達をサポート。

今日のこの1曲は「Losing True」。
ロバート・フリップによる存在感あるギターが、3人のハーモニーと相まって、独特な雰囲気を漂わせています。東尾沙紀


2016年5月2日(月) エルヴィス・コステロ 「ミラクル・マン」

先日、古くからの常連のお客様から、「昔からの愛聴盤・愛聴曲をこのホームページ上でもっと紹介してほしい」という御要望をいただきました。

最近再発されたものではなく、昔から出ているものの中からいいので、という御意見でした。

ありがとうございます。
そう言っていただけるうちが花なので、さっそく、調子に乗って紹介させていただきますね。

エルヴィス・コステロ1977年発表記念すべきファースト・アルバム『マイ・エイム・イズ・トゥルー』は大好物の1枚。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-20210 1,714円+税)

2007年頃に発行されたレコード・コレクターズ誌の別冊『60~80'sロック名盤ベスト100特集』の選定では、第9位に推したほどのお気に入りなのです。(総合順位は29位となかなかの成績でした)

1977年と言えばイギリスから発信されるものはなんでもパンクと言われてしまう時代でしたが、エルヴィス・コステロのメロディーの作り方、歌のうまさはそんなブームを超越したところにあったことを証明してくれる作品だと思います。

ニック・ロウのプロデュース加減も良い塩梅で、さすがブリンズリー・シュウォーツ出身ならではのアメリカン・ルーツまぶしが見事。

名曲「アリスン」、「ビーマイ・ベイビー」のドラム・パターンが印象的な「ノー・ダンシング」、コンサート定番曲「レッド・シューズ」など目移りする曲がいろいろありますが、今日はA面2曲目「ミラクル・マン」を。

なお、CDのジャケットだと小さくてドットのようにしか見えないギンガム柄の小さなマスには、文字が書かれています。

目を凝らして見ると、「ELVISISKING」(エルヴィス・イズ・キング)の文字が見えてくるはずです。森 勉


2016年5月3日(火) Ronnie Spector 「I'd Much Rather Be With The Girls」

英国繋がりでこの新譜を紹介しておきましょう。

「Be My Baby」でお馴染みロネッツのロニー・スペクター。
2016年最新オリジナル・アルバム『English Heart』。
(輸入CD 429records FTN16121)

60'sブリティッシュ・サウンドへの想い出と愛情が込められたカヴァー・アルバムです。

ビートルズ「I'll Follow The Sun」、デイヴ・クラーク・ファイヴ「Because」、ゾンビーズ「Tell Her No」、アニマルズ「Don't Let Me Be Misunderstood」、キンクス「Tired Of Waiting」、ビージーズ「How Can You Mend A Broken Heart」、ジェリー&ザ・ペースメイカーズ「Don't Let The Sun Catch You Crying」等、ロニー・スペクター自身が選んだ全11曲。

どの曲も往年のフィル・スペクター/ウォール・オブ・サウンドを彷彿とさせるアレンジ。
ロニー・スペクターファンはもちろん、60's好きの方は必聴の1枚ですね。

今日のこの1曲は、ローリング・ストーンズ「I'd Much Rather Be With The Boys」カヴァー。

ストーンズが60年代にレコーディングしたものの当時は発表されず、ドナ・リンが"Boys"の部分を"Girls"に替えて1965年シングルで発表。(ストーンズのヴァージョンはレア曲をまとめた編集盤『メタモーフォーシス』に収録)

元々キース・リチャーズがロネッツ「Be My Baby」に影響を受け作った楽曲なので、それをロニーが選んでカヴァーするというのが粋ですね。森 陽馬


2016年5月4日(水) マッギネス・フリント 「When I'm Dead And Gone」

<英国のザ・バンド>と評されるマッギネス・フリント。

そのマッギネス・フリントに在籍、後にアート・ガーファンクル等に楽曲を取り上げられたスコットランド出身名ソングライター・コンビ、ベニー・ギャラガーとグレアム・ライルによるギャラガー&ライル。

マッギネス2作とギャラガー&ライル4作、計6作が最新リマスター&完全限定紙ジャケット仕様でCD化されました。

ほとんどが日本初CD化(ギャラガー&ライル1stは世界初CD化!)。
味わい深い名作揃いですのでこの機会に是非。

今日のこの1曲はマッギネス・フリント1970年発表1stアルバムから「When I'm Dead And Gone」。
(国内CD SHM-CD仕様 ボーナス・トラック2曲追加 解説・歌詞・対訳付 UICY-77741 2,667円+税)

マンフレッドマンのギタリストであったトム・マッギネス。彼の自宅にあったロバート・ジョンソンのレコードを聴きながらグレアム・ライルがマンドリンで作曲したというこの曲。

ギャラガー&ライルの二人は1974年頃ロニー・レインズ・スリム・チャンスに半年ほど在籍しますが、それを予期させるようなグッド・タイム・ミュージックなナンバーですね。

ロニー・レイン好きの方も必聴の1曲です。森 陽馬


2016年5月5日(木) Trashcan Sinatras 「I'm Not The Fella」

今年のフジロック出演が決定しているスコットランド/グラスゴー出身バンド、トラッシュキャン・シナトラズ。

7年ぶりの新作『ワイルド・ペンデュラム』が日本先行で発売になりました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 日本盤ボーナス・トラック1曲収録 VICP-65370 2,500円+税)

''ドラマティックで、遊び心があり、神々しく、そしてちょっとだけ邪悪な感じで、この世のものとは思えないような.ロマンティックなレコード....'' (ヴォーカルのフランシス・リーダーのコメントより)

このコメントに集約されているといっても過言ではないほど、ストリングス等をふんだんに散りばめた煌びやかなサウンドは、これまでのトラッシュキャンとはひと味もふた味も違う印象です。

プロデュースにマイク・モギス(ブライト・アイズ、シー&ヒム他)、ポール・ウェラーのプロデュースでも知られるサイモン・ダイン(ヌーンデイ・アンダーグラウンド)が参加。

メンバーのジョン・ダグラス(エディ・リーダーの旦那さん)の病気などもあり、前作から随分間が空きましたが、今作はどちらかというと明るく、穏やかなムード。フランシスの温かみのあるヴォーカルも変わらずです。

今日のこの1曲は、スタンダードのような趣きの夢見心地なナンバー「I'm Not The Fella」。

ライヴでは新作の曲がどのように表現されるのか、来日が楽しみですね。東尾沙紀


2016年5月6日(金) RCサクセション 「上を向いて歩こう」

ゴールデン・ウィーク、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

僕は昨日、5月3~9日まで日本橋三越本店で行われている
<昭和のスターとアイドル展>を見てきました。
(上記リンク先は公式サイト。ロンバケのジャケットでお馴染み永井博さんによる、高速道路がない日本橋を描いたイメージ・イラスト、素敵ですね。)

歌謡曲が生まれた時代、昭和初期のSPや蓄音機の展示から、美空ひばり特設コーナー、ベストテンや久世光彦氏演出ドラマコーナー、美輪明宏、ジュリーやキョンキョンのコーナー等も懐かしく拝見。とても楽しめました。

「上へ向いて歩こう」コーナーもあり、中村八大直筆の譜面や「SUKIYAKI」としてリリースされた坂本九のレコード、様々なカヴァー・ヴァージョンのレコードも飾られていました。

最近では、ジェフリー・フォスケット2015年12月発表作『クラシック・ハーモニー』にボーナス・トラックとして「上へ向いて歩こう」が収録されており、ジェフリーの日本語の上手さに驚かされたのが記憶に新しいところですね。

今日のこの1曲には、5月2日命日だった忌野清志郎が歌うRCヴァージョンを。
(掲載ジャケットは1980年4月久保講堂で行われたライヴ完全盤『ラプソディー・ネイキッド』 UMCK-1197 4,286円+税)

ちなみに、日本橋三越内にある天女(まごころ)像も久々に拝見しました。
人混みだらけの渋谷、新宿、銀座とは違い、日本橋ではゆったりと時間が流れている感じで良かったです。森 陽馬


2016年5月7日(土) ボズ・スキャッグス 「スロー・ダンサー」

ボズ・スキャッグスと言えば、『シルク・ディグリーズ』(1976)、『ダウン・トゥ・ゼン・レフト』(1977)、『ミドル・マン』(1980)。
3枚のアルバムの印象が圧倒的です。

この後にTOTOとして活躍するメンバー、レイ・パーカーJrやジェイ・グレイドンなどのミュージシャンもこれらのアルバムに参加したことによって、名を上げていった時代でしたね。

ベスト盤にはこの時代のいい曲がいろいろと入っていますが、今日紹介したい曲は5曲目「スロー・ダンサー」。
ボズ人気が爆発する前の名曲です。
(国内CD ボズ・スキャッグス『ヒッツ!エクスパンデッド・エディション』 全15曲収録 解説・歌詞・対訳付 SICP-30628 1,800円+税)

1974年発表「スロー・ダンサー」は全米HOT100にも入らなかった曲ですが、ボズのヴォーカリストとしての実力がいかんなく発揮されています。

後半、声の張りの見事さには拍手を送りたい気分です。

ボズ・スキャッグス30才の名唱。
プロデューサーはジョニー・ブリストル。森 勉


2016年5月8日(日) アート・ガーファンクル 「Another Lullaby」

2016年5月8日は母の日でした。

“母”をテーマにした歌で、僕の大好きなこの1曲。

アート・ガーファンクル「Another Lullaby」(邦題:もうひとつの子守歌)

サイモン&ガーファンクルのアート・ガーファンクル、1973年発表1stソロ作『Angel Clare』(邦題:天使の歌声)。
アルバムのラストに収められているジミー・ウェッブ作です。

この楽曲の歌詞。
♪Close your eyes, my pretty child♪(瞳を閉じてごらん かわいいぼうや)から始まり、
♪闇は深く風は強くてもそばにいてあげるから今夜は何も恐がらずにおやすみ~傍らで歌ってあげよう子守歌を♪と1番は子供へ歌われます。

2番の歌詞。
♪Close your eyes, my sister fair♪(瞳を閉じて、妹よ)となり、
♪雪が落ち木の葉が落ちても抱いていてあげるから今夜は何も恐がらずにおやすみ~傍らで歌ってあげよう子守歌を♪と続きます。

そして3番の歌詞。
♪Close your eyes, my mother wise♪(瞳を閉じて、私の母よ)と歌われるのです。

♪ドアの外の幽霊は追い払ってあげるから、ママ、もう心配しないで。おやすみ。明日が巡ってきても、傍らで歌ってあげよう子守歌を もうひとつの子守歌を♪

母が昔歌ってくれた子守歌。
大人になった自分がその母へ歌ってあげる、という歌詞で幕を閉じる「Another Lullaby」。

この歌を書いたジミー・ウェッブは1946年生まれなので当時まだ27歳。
こんな成熟した素晴らしい歌詞をよく20代で書けたな、と思いますね。

なお、ジミー・ウェッブ自身も2013年発表アルバム『Still Within The Sound Of My Voice』(
2013年9月17日の今日のこの1曲で紹介)でセルフカヴァーしています。森 陽馬


2016年5月9日(月) M・ウォード 「You're So Good To Me」

先日5月5日、今日のこの一曲でご紹介したトラッシュキャン・シナトラズ新作のプロデュースを手掛けたマイク・モギス繋がりで、こちらのアルバムを取り上げておきましょう。

男女デュオ、シー&ヒムや、モンスターズ・オブ・フォーク(コナー・オバースト、マイク・モギス、ジム・ジェームスとのユニット)等の活躍で知られる男性シンガー・ソングライター、M・ウォード。

8枚目となる2016年発表ソロ新作『モア・レイン』。
まったりとしたメロディー、エコーの効いたサウンドが心地良いフォーク/ポップ・アルバム。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 HSE-3190 2,400円+税)

ブライアン・ウィルソン2015年作『ノー・ピア・プレッシャー』にもシー&ヒム名義で参加していた彼ですが、シー&ヒム作でもお馴染みと言えるビーチ・ボーイズ・カヴァーを今作でも1曲♪「You're So Good To Me」を取り上げています。

古い録音のようなアコギのイントロで始まり、「and I love it ~♪」でフワッと広がるコーラス。
ゆる~いですが、気持ち良いカヴァーです。

ジョーイ・スパンピナート(NRBQ)がベースで参加。
エンジニアリングをマイク・モギスが担当。

この曲以外にも、ニーコ・ケース、k.d.ラング、ピーター・バック(R.E.M.)、シークレット・シスターズ他、多彩なゲストが参加しています。東尾沙紀


2016年5月10日(火) ayU tokiO 「乙女のたしなみ」

<2016年新世代J-POPを代表する傑作アルバム>

猪爪東風(イノツメアユ)によるソロ・プロジェクト、ayU tokiO(アユ・トーキョー)。
待望の1stフル・アルバム『新たなる解』が本日入荷しました。

ayU tokiO『新たなる解』
(当店のみの先着特典マグネット&独占インタビュー・リーフレット付 DDCB-12087 2,400円+税)

2014年7月P-VINEからリリースされた5曲入ミニ・アルバム『恋する団地』も良い作品でしたが、今作は深みがより増して、聴き込むほどに新たな発見や音が聴こえてくる仕上がり。

幅広い音楽要素を取り込みながら、それがayU tokiO独自のオリジナリティ溢れるポップ・ミュージックへと昇華されているのが素晴らしい!
オイシイところをなぞっただけのなんちゃってシティ・ポップとは一線を画す傑作だと思います。

今から40年前、1976年の作品で例えるならば、鈴木慶一とムーンライダース『火の玉ボーイ』、あがた森魚『日本少年』、矢野顕子『JAPANESE GIRL』をミックスさせて2016年にアップデートしたような1枚。
わかる人にはわかる、そんな名盤ですね。

コーラス&ホーン・アレンジがふくよかになった①「恋する団地」新ヴァージョンや、マイクロスター佐藤清喜さんがマスタリングしている⑥「犬にしても」など全曲聴きものですが、今日のこの1曲は8曲目「乙女のたしなみ」。

前半メロウなメロディーから後半テンポアップしてグルーヴィーになるアレンジがかっこいい!
(イノツメアユさんによると、この曲のアレンジ・テーマはクロスオーヴァーだったそう。)
2016年4月16日RECORD STORE DAYで発売されたEPとは別ヴァージョンでの収録です。

なお、当店オリジナル特典として、ジャケット・デザイン特製マグネットを先着でプレゼント中。
猪爪東風さんへインタビューしたリーフレットも当店オリジナルで制作しました。

今作をお聴きになりながらこのリーフレットをご覧いただけば、各楽曲の深みをより実感できると思います。
リーフレットは店頭でお持ちいただけるようにしてあります。是非ご覧ください。森 陽馬


2016年5月11日(水) misola 「カゼノフクヨル」

昨日、今日のこの1曲で紹介したayU tokiO『新たなる解』。
大好評で売れております。

今週の当店チャート(オリコンへ集計結果を毎週FAXで送っています)では、ロングセラーとなっている小田和正ベスト盤を凌いで1位になりそうな勢い。
不思議な魅力を持ったこの快作、是非お手に取ってみてください。

そのayU tokiO『新たなる解』1曲目「恋する団地」の新ヴァージョン。
ビーチ・ボーイズやマンハッタン・トランスファーを彷彿とさせるそのコーラス・アレンジが秀逸の出来なのですが、そのコーラスは元「詩人の血」辻睦詞、misolaの平見文生、松本依子の3人が手掛けています。

楽器の演奏よりコーラスがサウンドの軸となっていて、2014年発表ヴァージョンとはまた違った深みを感じますね。

今日のこの1曲は、そのコーラスに関わった平見文生と松本依子が在籍しているmisolaがRECORD STORE DAY2016にリリースした「カゼニフクヨルEP」から。

misola『カゼニフクヨルEP』
(国内EP 400枚限定ナンバリング入り ダウンロード・クーポン付 UCT-021 1,400円+税)

misolaはギタリスト/ソングライター大橋伸行を中心に、ベーシスト平見文生、女性ドラマー北山ゆう子、キーボード/ボーカル松本依子が加わったユニット。

「カゼニフクヨル」は元々2013年発表1stアルバム『Correspondence』収録楽曲で、それをWack Wack Rhythm Bandのホーン隊(國見智子&三橋俊哉)を加え再録音したヴァージョンがこのEPに収録。(B面にはDisco2 Remixヴァージョン収録)
マスタリングはマイクロスター佐藤清喜さんが手掛けています。森 陽馬


2016年5月12日(木) ヴェルヴェッツ 「愛しのラナ」

1963~64年に洋楽を聴いていたほとんどの方は「愛しのラナ」という曲を御存知なのではないでしょうか。

その曲を歌っていたのはテキサス出身の黒人5人組コーラス・グループ、ヴェルヴェッツ。
アメリカでは1961年にシングル発売されていた曲でした。

日本では1963年にB面曲だった「愛しのラナ」をA面として出したところ、ラジオのヒットパレードで大ヒット。
当時、小学6年生だった僕も虜になった1曲でした。

今、考えてみると初めて買ったドゥワップのレコードですね。
その当時はドゥワップという言葉はまだ知りませんでしたけれど。

♪ルルットゥル、リンガリンガリンンガー、ババババァ、オー、ビューティフル・ラナ...♪
と毎日口ずさんでいたものです。

現在、彼らの音源(モニュメント・レーベル)はソニーが発売していますが、60年代当時はキング・レコードが発売していました。

なお、このCDには、キングトーンズが1980年に出した「ドゥワップ・トゥナイト」(大瀧詠一プロデュース)の原曲「夢のお月様」(原題:Tonight (could be the night))も収録されています。森 勉


★ヴェルヴェッツ『ベスト・ソングス』(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-4487 1,300円+税)


2016年5月13日(金) 原田知世 「September」

原田知世、最新作『恋愛小説2 -若葉のころ』が今週発売になりました。
(初回限定盤DVD付 UCCI-9211 3,600円+税)

昨年リリースした洋楽ラヴ・ソング・カバー集『恋愛小説』の邦楽編。
前作に引き続き、プロデュースは伊藤ゴローさんです。

知世さんが''子供の頃に聴いていた楽曲''がテーマという事で、女性シンガーを中心に70~80年代の楽曲が選ばれています。

「September」(竹内まりや)、「やさしさに包まれたなら」(荒井由実)、「夏に恋する女たち」(大貫妙子)、「秘密の花園」&「SWEET MEMORIES」(松田聖子)、「木綿のハンカチーフ」(太田裕美)、特に自身の想い入れが強いという「異邦人」(久保田早紀)と「キャンディ」(原田真二)などなど。

ジャズ、ボッサ、ちょっとロックなテイストも交えた多彩なアレンジで、今作のリード・トラック「September」は途中ジャズに転調、落ち着いた''大人のSeptember''的な雰囲気で素敵です。

「年下の男の子」(キャンディーズ)では、「ハウ~♪」コーラスにキュンとしました。

初回盤のみ、小沢健二の「いちょう並木のセレナーデ」カバーが追加収録。
「September」、「I've Just Seen a Face」の2曲のPVが入ったDVD付です。東尾沙紀


2016年5月14日(土) ポコ 「キープ・オン・トライイン」

ユニバーサルからの名盤発見伝シリーズで、ポコ1975年の名作『ヘッド・オーヴァー・ヒールズ』が出ました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-15493 1,800円+税)

EPICレーベルからABCへ移籍して1枚目、通算だと9作目になります。

ランディ・マイズナー、リッチー・フューレイ、ジム・メッシーナはもういなくなっていますが、ポコという名前をきちんと受け継いでいるこの当時のメンバーは、ラスティ・ヤング、ティモシー・シュミット、ポール・コットン、ジョージ・グランサムの4人。

ガース・ハドソンがピアノで参加した曲があったり、ジミー・ハスケルが見事なストリングス・アレンジを聴かせてくれたり、バンジョーとフィドル、スティール・ギターとエレクトリック・ギターの音が絡み合い、これぞカントリー・ロックという曲があったり、粒揃いな楽曲が並んでいます。

今日はそんな曲たちを代表して、1曲目「キープ・オン・トライイン」を。

ティモシーを中心にメンバーがきれいにハモる地味目の曲ですが、これぞポコのハーモニー。
シングルにもなって、1975年全米50位というスマッシュ・ヒットを記録しています。森 勉


2016年5月15日(日) Bob Dylan 「Maggie's Farm」

当店PET SOUNDS RECORD企画による天辰保文氏トーク・イベント、"Talking Man"。
第4回目ボブ・ディラン特集 5月16日(月)にアゲインで行います。

2016年5月16日(月)
PET SOUNDS RECORD presents
<天辰保文 Talking Man Vol.4 ボブ・ディラン特集>
ライヴ・カフェ・アゲイン 18時半開場 19時半開演 入場料1,500円

ボブ・ディランはあまり詳しくない、という方でもお楽しみいただけるイベントにしたいと思っております。
お時間ある方はお立ち寄りくださいませ。

さて、イベントでは天辰さんが選ぶボブ・ディランベスト3などをご紹介する予定ですが、僕が好きなディランのアルバムをここで紹介しておきましょう。

ボブ・ディラン『激しい雨』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-30496 2,100円+税)

1976年ローリング・サンダー・レビュー・ツアー、5月23日コロラド州ヒューズ・スタジアムで録音された野外ライヴ音源。
当日はタイトル通り激しい雨が降っていたそうですが、その悪天候を吹き飛ばすような迫力!

ギタリスト5人のプレイが痛快な「Maggie's Farm」!
特にデヴィッド・ボウイのバックで有名なミック・ロンソンのギター!かっこいい!

エレクトリック・アレンジの「Shelter From The Storm」も聴きものです。森 陽馬


2016年5月16日(月) Bob Dylan 「Just Like A Woman」

天辰保文氏トーク・イベントTalking Man Vol.4 ボブ・ディラン特集。
無事終了いたしました。

ご来場いただいたお客様、天辰保文さん、アゲイン石川茂樹さん、ありがとうございました。

イベント中に知りましたが、50年前1966年の5月16日はボブ・ディラン『ブロンド・オン・ブロンド』の発売日!
更にはビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』の発売日でもあったそうです!

おめでたい日にこんな素晴らしいイベントを天辰保文さんにやっていただけて本当に良かったなぁ。
ボブ・ディランの魅力も再認識できましたね。

来週5月24日はボブ・ディラン75歳の誕生日。
その翌日5月25日発売されるディラン37枚目の新作スタジオ・アルバム『フォールン・エンジェルズ』も楽しみです。

ということで今日のこの1曲は、本日がちょうど発売50周年、天辰保文さんが一番好きで沢山聴いたというアルバム『ブロンド・オン・ブロンド』から、好きな曲ベスト3に選んでいただいたナンバー「女の如く」(Just Like A Woman)。

ディランにしか吹けないような後半のハーモニカ・ソロ。
50年を経てもディランの生気に満ちた息遣いが伝わってきます。森 陽馬


2016年5月17日(火) エドワード・シャープ&ザ・マグネティック・ゼロズ 「Hot Coals」

5/16Talking Manイベントにて、天辰保文氏が最近気に入っている1枚として紹介した作品。

エドワード・シャープ&ザ・マグネティック・ゼロズ『PERSON A』(ペルソナ)
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 OTCD-5384 2,300円+税)

2007年アメリカ/ロサンゼルスで結成。2011年マムフォード&サンズ、オールド・クロス・メディシン・ショウと共に列車の中でライヴを繰り広げながらカリフォルニアからニューオリンズへ旅した<The Railroad Revival Tour>。その模様をドキュメンタリー映画化した『BIG EASY EXPRESS』(ジャニスやデッドが出ていた映画『フェスティヴァル・エクスプレス』の現代版ですね)がグラミー最優秀長編ミュージック・ビデオを受賞。

更にリーダーのアレックス・エバートは映画『オール・イズ・ロスト』の音楽で第71回ゴールデン・グローヴ作曲賞を受賞するなど、アメリカでは注目されている約10人編成ネオ・フォーク・バンドです。
(ちなみにエドワード・シャープはバンド名の一部で、実際にはエドワード・シャープという人はメンバーにいません)

その彼らによる約3年ぶり2016年発表4thアルバムはニューオリンズ録音。
<The Railroad Tour>終着点であったニューオリンズの一つの部屋にメンバー皆が集まり、一斉に音を出してレコーディングしたとのこと。

フォークの枠に囚われず、ソウル/ブルース/ジャズの要素も呑み込んだ壮大な音楽絵巻。
アルバム通して聴くと独特な余韻を残す名作です。

イベントでは9曲目「Lullaby」をかけていただきましたが、緊張感あるドラマティックな展開に心が躍る①「Hot Coals」を今日のこの1曲に。森 陽馬


2016年5月18日(水) 吉田省念 「青い空」

これはちょっと普通では出てこないような日本ロック/フォークの傑作でしょう。

吉田省念『黄金の館』
(CD PCD-25199 2,500円+税)

1980年京都生まれ京都育ちの男性シンガー・ソングライター、吉田省念。
2011~13年にくるりに在籍したことで知られる彼のソロ・アルバム。

ほとんどの楽器を彼一人で演奏した宅録作品とは思えないほど、バンドを感じさせる素晴らしい演奏。
そして、美しいメロディーを持った楽曲に素晴らしいアレンジ。

くるり/京都ロック好きの方はもちろん、日本フォーク/ソングライターを好んで聴いている方は2016年必ず耳にするべき1枚だ、と断言します。

吉田省念版「Wouldn't It Be Nice」的な②「一千一夜」、細野晴臣コーラス参加③「晴れ男」、④「水中のレコードショップ」という曲から感動的な⑤「小さな恋の物語」等々聴きどころ多数。

今日のこの1曲は忌野清志郎が亡くなった時に作った楽曲という⑩「青い空」。
伊藤大地(SAKEROCK)、柳原陽一郎(たま)、谷健人(Turntable Films)、フィドルでさいとうともこが参加。
ギターの音色、フィドルとのアンサンブルが沁みます。

ちなみに6曲目「デカダンいつでっか」。
細野晴臣さんによるコーラスというか呟き最高! 細野さんファンも聴きものです。森 陽馬


2016年5月19日(木) The Four Cal-Quettes 「Again」

昨年イギリスのチェリー・レッド・レーベルから発売された『All About The Girl ~Lost Girl Group Gems Of The 1960's』という1960年代前半ガール・グループの珍しい楽曲を集めたコンピレーションCDを紹介します。
(輸入CD Cherry Red CR9015)

それにしてもガール・ポップものの発掘作業が進んでいますね。
好きな人が多いから引きも切らずに色々なものが出るのでしょうが、枯れない井戸のごとく次から次へと無名ながらも内容の良い曲がまだまだあるというのは驚きです。

全24曲収録されているこのCDも知らないアーティスト名がいっぱいでしたが、聴いてみるとフィットする曲もいっぱいでうれしい限りです。

Wright Sisters、Fashions、Velvetones、Capri Sisters、Lovettes、Buttonsなどのグループものから、Jennie Smith(低音ヴォイスで有名なロニー・ブライト参加)、Robin Clark、Margie Rayburn、Cathy Caroll(ジャック・ケラー&ハワード・グリーンフィールド作品)など、ソロ・シンガーも充実のラインナップ。

その中から今日はラスト24曲目に入っているThe Four Cal-Quettesの「Again」を。

有名なスタンダード・ナンバーを白人4人組の女の子たちがキュートに歌いあげています。

キャピトル・レコード、1962年のシングルより。
プロデュースはニック・ヴェネット。ナイスなアレンジはジミー・ハスケル。森 勉


2016年5月20日(金) チンプンカンプンとんちんかん 「東京ブギウギ」

名前もジャケットもちょっと不思議なクインテット、チンプンカンプンとんちんかん。

cero、あだち麗三郎などのサポートでも知られるギタリスト/シンガー古川麦と、女性vo.山猫遥子によるボサノバ・デュオ、Doppelzimmer(ドッペルツィマー)を中心に、田中文久(ベース)、葛城梢(マンドリン)、角堂真実(パーカッション)で結成された男女5人組。

ボサノバ、スタンダード、歌謡曲、トラディショナル、俳句、詩...様々な曲を、絶妙なほっこりサウンドでカバーした1stアルバム『拡がる二人部屋』が今週リリースされました。
(12BLDG-03 2,000円+税)

1曲目は、マンドリンの美しい音色&ギターが爽やかなボサノバ・テイストの「東京ブギウギ」。
(ヘイッの掛け声で後半「ブラジルの水彩画」へと自然に流れていくのが良いですね♪)

他にもゴールデン・ハーフで知られる「Chotto Matte Kudasai」、「五十音の唄」(アメンボ赤いな ア・イ・ウ・エ・オ~)、古川麦がリード・ヴォーカルをとる宮澤賢治「星めぐりのうた」、スコットランド民謡「麦畑」(故郷の空)など興味深い曲を色々取り上げていて、山猫遥子さんのライナーノーツを合わせて聴くとより面白いです。

最後に隠しボーナス・トラックが2曲。そのうちの1曲は童謡「ぼくのミックスジュース」。
<ミックスジュース>の部分を、グリーンスムージーや卵酒に替えて歌うのが楽しくて、曲も懐かしくて聴く度にほっこりします。東尾沙紀


2016年5月21日(土)ニーナ・シモン「Seems I'm Never Tired Lovin' You」(恋に飽きることはない)

レコード・コレクターズ最新号(2016年6月号)は、20世紀のベスト・キーボーディスト/ピアニスト100特集。
音楽評論家30名による投票で上位100人のキーボーディスト/ピアニスト名演&名盤が紹介されています。

そこに掲載されていなかった作品で、僕が大好きなピアノ・アルバムこの1枚。

ニーナ・シモン『ニーナとピアノ』
(国内CD 完全限定盤 解説付 ボーナス・トラック4曲追加 SICJ-61 1,000円+税)

初めて彼女の歌声を聴く人のほとんどは、男性が歌っていると思ってしまうくらい低音ヴォイスが印象的な女性シンガー、ニーナ・シモン。

歌声のみならず彼女が弾くピアノも魅力的なのですが、1968年録音今作はそのピアノの弾き語りを中心とした作品。

シンプルながら実に素晴らしいアルバムで、スウィングはせず、時にソウルフル、時にはリリカルに弾かれるピアノと、スピリチュアルな歌声に心洗われる一生ものの名盤です。

今日のこの1曲①「Seems I'm Never Tired Lovin' You」(邦題:恋に飽きることはない)。

しっかりとした意思が伝わってくる強めなタッチで弾かれるピアノの響き。
イントロのピアノ部分を聴いただけでも疲弊した心が浄化される魂の1曲です。森 陽馬


2016年5月22日(日) João Donato 「Espalhado」

キーボーディストの2016年新譜、この1枚。

João Donato『DONATO ELETRICO』
(輸入CD SESC CDSS0073)

ブラジル音楽界で1950年代から活動している名キーボード奏者、ジョアン・ドナート。
1973年発表名盤『ケン・エ・ケン』等で知られる彼の2016年新作が発売されました。

グルーヴ感あるパーカッションやリズム隊、フルート等に絡むフェンダーローズ&ムーグのアンサンブル。
1934年生/今年82歳になるとは思えないほど独創性溢れる新世代ブラジリアン・フュージョンを聴かせます。

今日のこの1曲は4曲目「Espalhado」。

フェンダー・ローズのメロウな音色と叙情的なフルート・ソロが融合したインスト・ナンバー。

フリー・ソウル的ジャズやレア・グルーヴものお好きな方に是非聴いてもらいたい1枚です。森 陽馬


2016年5月23日(月) California Snow Story 「Our New Sun」

緩やかなメロディと囁くような男女ヴォーカルが心地良いギター・ポップ・アルバムが先日リリースされました。

California Snow Story『Some Other Places』
(国内CD 解説・歌詞付 2,300円+税)

California Snow Storyは、スコットランド・グラスゴーのバンドCamera Obscuraに在籍していたDavid Skirvingを中心に2001年結成。
女性ヴォーカルSandra Belda Martinez、日本人キーボーディストMadoka Fukushimaを含めた男女3人組です。

2007年の1stアルバム以来、約9年ぶりの新作。
寡作な彼らですが、今作も時代の流れにとらわれないゆったりとしたメロディ&アレンジ、穏やかなツイン・ヴォーカルを聴かせてくれます。

地味ですがしっかりと耳に残るキャッチーさも持ち合わせていて、気付くと一緒に口ずさんでいたり、「Our New Sun」を聴いてちょっとセンチメンタルな気持ちになったり...。

全10曲で約30分と短めながら、ゆったりと気持ち良い気分に浸れるアルバムです。東尾沙紀


2016年5月24日(火) 星野みちる 「ずっと一緒さ」(山下達郎カヴァー)

当店大推薦ユニット、マイクロスター。
本当に本当に待望!約8年ぶり新作2ndアルバム『SHE GOT THE BLUES』、7月20日発売が告知されました。

↑高瀬康一さんが手掛けた素晴らしいジャケット・デザイン!期待が高鳴りますね。
当店のみの特典も作成したいと思っております。乞うご期待!

さて、今までの作品ほとんどをマイクロスター佐藤清喜さんが手掛けている星野みちる。
最新シングルが本日入荷しました。

星野みちる『ディスコティークに連れてってSINGLE VERSION/ずっと一緒さ』
(EP+CD 完全限定盤 HCCD-9572 1,500円+税)

今回のシングル、佐藤清喜さんは関わっていませんが、要注目は2曲目!
山下達郎「ずっと一緒さ」カヴァー!

あの雄大なバラードをどうカヴァーするのか?
と思っていたら、テンポアップした極上レアグルーヴ・アレンジに!

マーヴィン・ゲイ「マーシー・マーシー・ミー」を彷彿とさせるイントロもNiceですね。

なお、この「ずっと一緒」カヴァーのアレンジは、「ピンク・シャドウ」をカヴァーしたことでも知られる冗談伯爵の新井俊也が手掛けています。森 陽馬


2016年5月25日(水) Sandalsoul(サンダルソウル) 「I can't wait」

<武蔵小山の歌姫♪>sunnyさんによるソロ・ユニット、Sandalsoul。(サンダルソウル)

ヴォーカルとピアノのみによる一発録りセッション・アルバム『Sandal tone』が本日発売されました。
(サンダルソウル『Sandal tone』 SCCD-525 2,000円+税)

伸びやかでソウルフルな彼女の歌声が存分に活かされた全6曲。

エゴ・ラッピン、UAのような女性シンガーお好きな方にオススメです。

なお、6月12日(日)中目黒・楽屋、今作の発売記念ワンマン・ライブが開催。

更に、Sunnyさんは当店地下アゲインにて<サニ子とゆき子>というイベントをほぼ毎月行っており、6月1日(水)にVol.12を行う予定です。

山口県光市出身、武蔵小山愛溢れる彼女のふくよかな歌、是非チェックしてみてください。森 陽馬


2016年5月26日(木) ガッド・ギャング 「マイガール/チェンジズ」

スティーヴ・ガッド、コーネル・デュプリー、リチャード・ティー、エディ・ゴメス、ロニー・キューバーによるガッド・ギャング。

1988年発表セカンド・アルバム『ヒア&ナウ』が低価格シリーズ<ソニー・クロスオーヴァー&フュージョン・コレクション1000>で再発されました。

ガッド・ギャング『ヒア&ナウ』
(国内CD 完全限定盤 解説付 SICJ-132 1,000円+税)

ガッド・ギャングはスタッフのメンバーが3人いるので、それに近い雰囲気ではありますが、ホーンが入っている分、ジャジーなアレンジになっているところもあります。

シンプルなアプローチでグルーヴを大切にしているスティーヴ・ガッドらしいプレイは、随所で聴く者を気持ち良くさせてくれます。

ギターのコーネル・デュプリーが彼ならではの指さばきの妙を聴かせるアルバムとしても注目です。

テンプテーションズの大ヒット曲とジミヘンのバンド・オブ・ジプシーズの曲をメドレーにした「マイガール/チェンジズ」は、そのデュプリーのソロがたっぷり楽しめます。
後半、ガッドのソロもあります。森 勉


2016年5月27日(金) トゥーツ・シールマンス 「Bluesette」

昨日紹介のガッド・ギャングは、<クロスオーヴァー&フュージョン・コレクション1000>というソニーからリリースされた再発シリーズ中の1枚でした。

1,000円という超お買い得価格で100タイトル。
他にも良い作品がたくさんあるのですが、その中から僕の大好きな1枚/今日のこの1曲。

トゥーツ・シールマンス『ブラジル・プロジェクト』
(国内CD 完全限定盤 解説付 SICJ-161 1,000円+税)

1922年生まれベルギー出身の名ハーモニカ奏者、トゥーツ・シールマンス。
彼がブラジルのミュージシャンとコラボレートした1992年発表名作です。

ブラジル名曲のメロディーとハーモニカの相性も素晴らしく、聴いていて本当に心地良い1枚!

カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、ミルトン・ナシメント、イヴァン・リンス、ジョアン・ボスコ、シコ・ブアルキ、ジャヴァン、ルイス・ボンファ、エドゥ・ロボ、ドリ・カイミ、オスカー・カストロ・ネヴィス、イリアーヌ等、ブラジルを代表する名ミュージシャンが多数参加。

リオデジャネイロだけでなくニューヨークとロスでも録音されており、リー・リトナーやマーク・アイシャム(ブライアン・ウィルソン2015年作にも参加していた名トランペット奏者)も参加しています。

今日のこの1曲はラストに収録されている「ブルーセット」。

トゥーツ・シールマンス自身が1960年代に発表した代表曲を、今作に参加したミュージシャン皆が歌や演奏で繋いでいく構成が感動的。

この曲が最後に収録されていることにより、単なるコラボ作というのではなく、トゥーツ・シールマンスへの敬意と音楽愛が伝わってきます。森 陽馬

★今作に続く1993年発表作『ブラジル・プロジェクト2』も限定価格1,000円で再発されました。


2016年5月28日(土) Jerry Cortez 「Medicated Goo」

夏フェスはもちろんのこと、楽しみな来日公演が色々と発表されていますね。

7月フェリックス・キャヴァリエ(ブルーノート)、エディ・リーダー(ビルボード・ライヴ)、9月エルヴィス・コステロ(人見記念講堂)、etc...。

中でも7月タワー・オブ・パワー(ブルーノート)は、股関節手術で昨年メンバーから外れていた名ドラマー、デヴィッド・ガリバルディが復帰。名ベーシスト、ロッコとの強力コンビ復活ということもあり盛り上がり必至でしょう。

そのタワー・オブ・パワーの現メンバー/ギタリストとして活躍中なのが、今日紹介するジェリー・コルテス。

ソロ・アルバム『From The Ground Up』は、ギタリストとしての魅力はもちろんのこと、優しい歌声で聴かせるスムース・ソウルやホリーズ「バス・ストップ」カヴァーなど味わい深い大人のギター&ヴォーカル・アルバムに仕上がっています。
(輸入CD Jerry Cortez『From The Ground Up』 EVSA-339)

サンタナで有名な「Black Magic Woman」、スティーリー・ダン「Chain Lightning」、ローリング・ストーンズ「Sitting On A Fence」等のカヴァーもやっていますが、今日のこの1曲は①「Medicated Goo」。
(オリジナルはトラフィック。スティーヴ・ウィンウッドとジミー・ミラー共作)。

ノリノリ&ファンキーなタワー・オブ・パワーとはまた違う腰の据わったグルーヴ感。
ウィンウッドを意識した歌と見事なギター・ソロもゴキゲンなナイス・カヴァーです。森 陽馬



2016年5月29日(日) ジョージ・ベンソン 「ブリージン」

大ベタですが、ジョージ・ベンソン「ブリージン」です。
(国内CD ジョージ・ベンソン『ブリージン』 WPCR-75369 1,714円+税)

1976年発表同名アルバム1曲目に収録されている名インスト・ナンバー。

何回聴いても飽きのこないこの曲を作ったのはボビー・ウーマック。

その流れるようなメロディー・ラインをベンソンのギターがキープし、途中得意の速弾きを含めて自由に泳ぎ始めるパートは圧巻です。

普段はギタリストのフィル・アップチャーチが弾くゴリゴリした荒削りなベース。
この曲のひとつの魅力になっているように感じるのですがいかがでしょうか?

このアルバムにはベンソンの歌をフィーチャーして大ヒットを記録した「マスカレード」も入っています。
ギタリストからヴォーカリストへ重きを置き変化していくきっかけになったアルバムでした。森 勉


2016年5月30日(月) PAPOOZ 「Stories Of Numbers」

かわいらしい響きの名前と、モデル&アイドルチックな佇まいで日本でも人気が出そう!?なフランスの男性ユニット、PAPOOZ(パプーズ)。

最初に聴いた時に、女性ヴォーカルが参加しているのかな?と思ったくらい中性的な歌声を持つArmand Penicautと、ちょっとハスキー(息の抜ける感じがフランスっぽい)なUlysse Cottinの2人組です。

2015年に4曲入りEPでデビューした彼らの1stアルバム『Green Juice』が先日リリースされました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 RYECD-238 2,300円+税)

それぞれリード・ヴォーカルをとりながら、気持ちのいいハーモニーとエレキ・ギターのアンサンブルを聴かせてくれます。

波の音が入っていたり、トロピカルな雰囲気も加味されて、これからの季節にぴったりの1枚だと思います。

今日のこの1曲は、今作中で一番疾走感のある「Stories Of Numbers」。

アート・リンゼイ「Simply Are」カバーも収録されています。東尾沙紀

2016年5月31日(火) Brenda Lee 「Always On My Mind」

映画『エルヴィス、我が心の歌』を渋谷ユーロスペースにて鑑賞。

昼は工場で働き、夜はエルヴィス・プレスリーのインパーソネイターとして活動する男の夢と現実を追った物語。

家族愛溢れるドラマかと思いきや、「えー!?そこまでエルヴィス模倣する?」と言いたくなる衝撃のラスト!

自我を主張するようなストーリー展開は賛否あるでしょうが、でもその問題のラストへ向けての伏線がセリフ&場面全体に敷かれていて、ある意味凄い映画でしたね。

(アカデミー受賞したイニャリトゥ監督の映画『ビューティフル』、『バードマン』で共同脚本をしていたアルマンド・ボー初監督作。さすが脚本家だった人の監督映画という感じです。)

アルゼンチン映画ながら、エルヴィスへのこだわりも尋常ではなく、実際にエルヴィス・プレスリーのトリビュート・アーティストとして活動していたジョン・マキナニーという人を主役に据え、映画内のライヴでも70年代エルヴィスのコンサートを忠実に再現したセットリスト。(ちなみにエルヴィス本人歌唱曲は映画で1曲も使われておらず、全てジョン・マキナニー演じる主人公によるエルヴィス・カヴァーで構成)
主人公の娘がリサ・マリーと名付けられているのは序の口、エルヴィスが好物だったというピーナッツ・バター・バナナ・サンドウィッチを食べ、晩年のエルヴィスのように増量し、そして白いリムジンを用意して...。

エルヴィスは42歳に自宅で亡くなったそうですが、この映画では主人公が42歳の誕生日を一人で祝うシーンがあり、今年42歳になった僕にはその男の悲哀がひしひしと伝わってきて、色々考えさせられましたね。

ということで、はっきり言って人にはオススメしづらい映画ですが、個人的には面白かったです。

今日のこの1曲は映画内でも使われている70年代エルヴィスの重要曲「Always On My Mind」。

オリジナルはブレンダ・リー1972年発表シングル。
エルヴィスが歌った名曲のオリジナルを集めたコンピCD『この曲を見つけたのはエルヴィス・プレスリー』より。
(国内仕様CD 英文解説対訳付 MSIG-787 3,000円+税) 森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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