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  今日のこの1曲 “Archives”

<2016月8月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2016年8月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2016年8月1日(月) フェリックス・キャヴァリエ 「Only A Lonely Heart Sees」

<夏と、AORと、 ~AOR CITY 1000>
というキャッチコピーのAOR誕生40周年を記念した1,000円シリーズがソニー・ミュージックから発売されました。

日本においては根強い人気のAORという言葉で括られる音楽は、発売当時のファンだけでなく、新しいファンも増えているように感じます。

歌っている歌手、バックで演奏しているミュージシャン、曲を作っているコンポーザー、アレンジャー/プロデューサーの裏方など、いろいろな視点で楽しめるのもAORの良さだと思います。

7月27日にまず50種類出ました。
ボズ・スキャッグス、エアプレイ、ホール&オーツ、ディオンヌ・ワーウィック、ネッド・ドヒニー、J.D.サウザー、リヴィングストン・テイラー、カーラ・ボノフ、ポール・デイヴィス、バリー・マニロウなど有名アーティストに加え、世界初CD化となるナイジェル・オルソン、ルー・ロウルズ、ジェラード・ケニー、日本初CD化のエンゲルベルト・フンパーディンク(ジェイ・グレイドンがアレンジ)、ジョン・ファーラー、トム・スノウなど充実のラインナップ。

8月17日にもラリー・リー、ジョン・ヴァレンティ、ジノ・ヴァネリ、ジミー・ウェッブ、ペイジス、TOTOなど50種類が発売予定です。

今日はそのパイロット盤的な『LIGHT MELLOW ONE DAY』を紹介したいと思います。
(国内CD 3枚組CD SICP-4791 2,778円+税)

金澤寿和氏選曲・監修の3枚組CD全57曲収録、2,778円+税というお買い得価格。
ただのベスト選曲ではなく各ディスクが、
<Morning Glory>、<Afternoon Breeze>、<Dive Into The Night>
というテーマに沿った選曲になっています。

その中からディスク1に入っているフェリックス・キャヴァリエ「オンリー・ア・ロンリー・ハート・シーズ」。

先日の来日公演でこの曲は演奏されませんでしたが、ラスカルズ時代の名曲をたくさん歌ってくれたキャヴァリエによる1979年発表ソロ作品『キャッスル・イン・ジ・エアー』(8月17日に1,000円+税で出ます!)に収録されていた曲です。

なお『LIGHT MELLOW ONE DAY』ジャケット・イラストはレジェンド!永井博氏です。
今なら1,000円シリーズ3枚お買い上げの方先着で、同デザインのポストカードもプレゼント中。森 勉


2016年8月2日(火) サニーデイ・サービス 「I'm a boy」

2016年4月16日(土)昼過ぎ、曽我部恵一さんにご来店いただきました。

RECORD STORE DAY2016アンバサダーであった曽我部さんは、J-WAVEに生中継で声出演。
当店からRECORD STORE DAYの模様をレポートされました。

放送終了後、次の現場へ移動しなければならないのに店内をしばしご覧になり、アラン・トゥーサンのレコードやビーチ・ボーイズのCDもご購入。
少年のような無垢な瞳で、ブライアン・ウィルソン来日公演の話をされる曽我部さん。
音楽愛が伝わってきて、うれしかったですね。

その曽我部恵一さんが中心のバンド、サニーデイ・サービス。
名作『東京』リリースから約20年、新作『DANCE TO YOU』が本日発売されました。
(CD ROSE-198 2,500円+税 アナログLP及びカセットも同時発売)

タイトル『DANCE TO YOU』通り、僕らをダンスへ誘うようなポップ・チューンが並ぶ全9曲。

その弾むような楽曲とは裏腹に、ネッド・ドヒニーのリズムから着想を得たという1曲目「I'm a boy」は、以下の歌い出しから始まります。

♪ きみのことが忘れられない なにをしても手につかない
 僕の中に暗い夜が続く きみと手を取りさまよい続けたい ♪

悩みながらダンスしようとするこの少年は、
ピート・タウンゼントの名言「ロックンロールは僕らを苦悩から解放してくれないし逃避させてもくれない。ただ、悩んだまま踊らせてくれるものなんだ」
を想起させますね。

永井博さんによるイラストをジャケットに配し、キャリア史上最も苦心して制作されたという今作。
青く広がる空のようにポップでいながら、晩夏の少年の如くセンチメンタルな歌心が溢れる1枚です。森 陽馬


★当店にてお買い上げの方、当店のみのオリジナル特典!サニーデイ・カンバッチを先着でプレゼント!



2016年8月3日(水) 片想い 「街の景色」

MC.sirafu、片岡シン、あだち麗三郎、issy、伴瀬朝彦、遠藤里美、大河原明子、オラリーによる男女8人組バンド、片想い。

『片想インダハウス』から丸3年ぶりとなる新作2nd『QUEIRO V.I.P』がリリースされました。
(DDCK-1047 2,593円+税)

新作には、新曲は勿論、10年以上前からライブで披露されている曲も含め、片想いらしい掴みどころがなさそうで、なんだかクセになる全12曲を収録。

ホーン、煌びやかな音色のエレピ、キレのあるドラムで始まる1曲目の「片想インダdisco」、ラップを交えた「Funky Initiations」、ラテンなノリの「V.I.P」等、前半はとりあえず踊れといわんばかりに片想い流のダンス・ミュージックが展開されていきます。

「君の窓」から間髪入れず、伴瀬さん作「感じ方」と歌心のあるナンバーで後半へと流れこんでいくと、オラリーさんがメインで歌う70年代シティ・ポップ的な雰囲気を纏った「街の景色」が耳に残ります。もっと聴きたい所でフェードアウトしていく、issyさんのエレピ・ソロも聴きものです。

橋本翼(cero)、服部将典(NRQ)がゲスト参加しています。東尾沙紀


2016年8月4日(木) ミルトン・ナシメント 「Only A Dream In Rio」 feat ジェイムス・テイラー

いよいよ明日8月5日から始まるリオデジャネイロ・オリンピック。
この大会のために多くの選手・関係者が、ブラジルの地へ胸高鳴る想いで向かったことと思います。

ブラジル/リオデジャネイロ、実は約17年前に行ったことがあるのです。

ブラジル音楽に興味を持ったばかりながら、現地の音を聴きたい!との一心で飛び込むように身を運んだリオ。

まず第一印象は遠い!
アメリカの空港で6時間待ち、約30時間かかってやっと到着。(地球の裏側ですからね。)

でも、その移動の辛苦は、リオに着いて熱気・歓喜、そして夢心地へと瞬時に変化しました。
まさに「ドリーム・イン・リオ」。

今日のこの1曲「Only A Dream In Rio」のオリジナルは、ジェイムス・テイラーが1980年代リオでのロック・フェスに出演した際、熱狂的なブラジル人聴衆に影響を受けて書いた名曲。
(ジェイムス・テイラー1985年発表作『That's Why I'm Here』収録)

そして、ジェイムス・テイラーが歌った1985年から9年後の1994年。
ブラジル男性シンガー、ミルトン・ナシメントがジェイムス本人をゲストに迎えカヴァーしました。

ブラジルへの愛を受けとめ、夢のような美しいアレンジで紡いだミルトン・ナシメントによるこのヴァージョン。
リオで出会った人々の屈託ない陽気な笑顔を思い出します。森 陽馬


★掲載ジャケットは、ミルトン・ナシメント「Only A Dream In Rio」feat James Taylor収録の1994年発表作『アンジェルス (angelus)』。(国内CD 完全限定盤 解説・歌詞付 WPCR-17248 1,200円+税)


2016年8月5日(金) ミウシャ&アントニオ・カルロス・ジョビン「Vai Levando」(夢をたずさえて)

日本の夏といえば、花火。
全国各地で花火大会が開かれていますね。

僕が今まで見た花火で一番印象に残っているのは、実はブラジルで見た花火です。

サルバドールの海岸沿い安宿に泊まっていたある日、朝から周囲が賑やかな感じに。
夕方へ近づくにつれ、人がどんどん集まってきたので僕もその群衆に入ると、舞踊や音楽の催しが開始。
しばらくして目の前で花火が打ちあがりました。

花火自体は日本で見た打ち上げ花火と同じですが、違うのはブラジル人観客の感情の表し方。
一つ一つの花火が上がるたびに歓声が大きくあがり、心の底から喜びを分かち合いながら見ているのです。

僕の真横にいた初老のブラジル人カップル、女性の方が花火を指差しながら歓喜の表情で飛び跳ねていて、それを優しく見守りながら楽しんでいる男性の表情がとても印象的でした。

花火ももちろん良かったけれど、その花火を眺めている二人の眼差しに感動しましたね。
「生きているってこういうことなのかな」と妙に感慨深くなったことを記憶しています。

今日のこの1曲は、ジョアン・ジルベルトの元奥方であるミウシャが、アントニオ・カルロス・ジョビンと共演し作り上げた1977年発表名作『ミウシャ&アントニオ・カルロス・ジョビン』から。
(国内CD 完全限定盤 日本語解説付 SICP-4801 1,000円+税)

1曲目、ミウシャの弟であるシコ・ブアルキが、ブラジル音楽界の雄カエターノ・ヴェローゾと共作したナンバー「Vai Levando」(邦題:夢をたずさえて)。

愛を感じさせるデュエット。
楽しみながらレコーディングした雰囲気が伝わってくる幸せに満ちた1枚。森 陽馬


2016年8月6日(土) マイクロスター 「友達になろう」

ペット・サウンズ・レコード大推薦ユニット、マイクロスター。
2ndアルバム『She Got The Blues』発売記念イベント、開催が決定しました。

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2016年9月10日(土) 17時30分開場 18時開演
入場料1,500円
PET SOUNDS RECORD presents
<マイクロスター『She Got The Blues』発売記念イベント>
出演:佐藤清喜、飯泉裕子、高瀬康一

ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
〒142-0062 品川区小山3-27-3 ペット・サウンズ・ビル地下1F
TEL:03-5879-2251 http://www.cafe-again.co.jp
(ご予約はアゲインにて電話orメールにて受付中)
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マイクロスターのお二人(佐藤清喜さん&飯泉裕子さん)、デザインを手掛けた高瀬康一さんをお招きし、マイクロスター・サウンドの秘密についてじっくり語っていただきます。
ライヴ活動を行っていないマイクロスターですから、このイベントはレアですよね。僕も楽しみにしております。

今日のこの1曲は、そのマイクロスター『She Got The Blues』から4曲目「友達になろう」。

♪喋りすぎれば喋る程 喋っていないのと同じだ♪
♪誰でも1人ひとりひとりでいつか眠る♪という歌詞が心に刺さりますね。

飯泉裕子さんが手掛けたこの歌詞は、アントワーヌ・ド・サン・テグジュペリ著『星の王子さま』からインスパイアされたそうです。

なお、ミディアム・ソウルなサウンドは、70~80年代活躍したあるソウルグループの曲がモチーフとのこと。
印象的な3分30秒前後のシンセ・ソロも、その曲が元になっているそうで、イベントではそういう曲もご紹介できれば、と思っています。森 陽馬


2016年8月7日(日) はっぴいえんど 「12月の雨の日」(1970年8月ライヴ音源)

暑い夏には熱いライヴ・シリーズ2016。
ジョー・ウォルシュ、ザ・フーときましたので、第3弾は日本勢からはっぴいえんどを選んでみました。

はっぴいえんど 『はっぴいえんど LIVE ON STAGE』
(CD URC/ポニー・キャニオン PCCA-50123 2,667円+税)

このアルバムは1970年と1971年に彼らが出演した4つのフェスやコンサートから全18曲が収録されています。

繊細な音作りをしていたスタジオ録音とは違って、出たとこ勝負の豪放なライヴ・バンドとしてのはっぴいえんどが楽しめるCDです。

今日はその中から、1970年8月9日中津川で行われた第2回全日本フォーク・ジャンボリーでの音源から、大滝詠一の「暑くてやりにくいんですが」というMCで始まる「12月の雨の日」。

実はこのライヴに僕は行ってまして、たしかに暑い日でした。

19歳になったばかりの夏。
いい経験させてもらいました。森 勉


2016年8月8日(月) Leyona 「虹色のきらめき」

<夏><海>が似合う女性シンガーLeyona(レヨナ)。
6年ぶりの新作オリジナル・アルバム『わすれちゃうよ』がリリースされました。
(DDCZ-2102 2,800円+税)

今作のプロデュースを手掛けた臼井ミトンのルーツでもある、アメリカン・ルーツ・ミュージックをアレンジの軸に、伊賀航、菅沼雄太、山本たかし等参加ミュージシャンによる絶妙な演奏が、彼女の少しハスキーで素敵な歌声をより引き立たせています。

奥田民生作「忘れちゃうよ」、ニューオリンズ・テイストの仲井戸麗市作「サ・イ・フ」、吾妻光良節全開「Happy Monday」、どことなく荒井由実を彷彿とさせる岡本定義(COIL)作の切ないバラード「アクアマリン」、男女の微妙な距離感を描いた福島康之(バンバンバザール)作「ボーイフレンド」等、豪華ミュージシャンによる書き下ろし曲がどれもすごく良いですね!

今日の1曲は、Leyonaさんの妹でシンガーソングライターSerinaさん作「虹色のきらめき」。
優しい歌声と郷愁を誘うペダル・スティール・ギター。フォーキーで心温まる1曲です。

ウーリッツァーの音色が印象的な大貫妙子「都会」のカバーも注目です。東尾沙紀


2016年8月9日(火) 寺尾紗穂 「いか採り舟の歌」(神奈川/逗子の守子歌)

寺尾紗穂さんがわらべうたをリアレンジしたアルバムを出す、
と聞いた時、どうかなー?、と正直言って最初は思いました。

でも実際に音を聴き、寺尾紗穂さんのわらべうたへの想いやそれに纏わる出会いを伺うにつれ、この作品は日本音楽史において語られるべき、そして残るべき1枚なのだ、と感じるようになったのです。

寺尾紗穂『わたしの好きなわらべうた』
(CD PCD-28030 2,800円+税)

俗に言う童謡集などとは一線を画する作品。
想像を遥かに超える仕上がり、言葉では伝わりにくいので、まずは茨城七草の歌「七草なつな」のMUSIC VIDEOや、WEB本の雑誌のコラムでの寺尾紗穂さんのコラムを是非ご覧いただきたいですね。

今昔様々な人の思いで紡がれ、長い年月をかけ全国各地で育まれながら、現在は途絶えてしまいそうなわらべうた/子守歌/労働歌。それを新たな表現で歌い継いだ全16曲。

今日のこの1曲はその中から、12曲目「いか採りの舟の歌」(神奈川/逗子の守子歌)。

伊賀航さんのベース、あだち麗三郎さんのドラム、そして紗穂さんのピアノと歌。
曲が進むにつれどんどん早くなっていく加速アレンジがとてもかっこいい!

この斬新なアレンジは、紗穂さんが2人に音源を渡した時点で決まっていたそうです。

最後テンポダウンした後、紗穂さんによるピアノも美しいですね。聴きものの1曲。森 陽馬


★当店にてお買い上げの方、先着で3大特典付!
ジャケット・デザイン・マグネット&本のしおり&インタビュ・リーフレット
(インタビュー・リーフレットはお買い上げでなくても店頭にてフリーペーパーとしてお持ちいただけます)



2016年8月10日(水) ダイナソーJr 「Good To Know」

今、爆音でこれを聴いています!

ダイナソーJr、約4年ぶり11作目となる新作『Give A Glimpse Of What Yer Not』。
(国内CD ボーナス・トラック2曲追加 解説・歌詞・対訳付 HSE-6192 2,490円+税)

やっぱりダイナソーJr、最高!

1983年結成、90年代後半に一度離散するも2005年突如再結成。
その年のフジロック見に行ったなぁ~。あれから早11年か。

再結成後のアルバム、2007年『Beyond』、2009年『Farm』、2012年『I Bet On Sky』。
どれも良かったけど今回も期待通りの出来!

キャッチーなメロディー、心身熱くなる疾走感、そしてJ・マスシスのギター。
特にJ・マスシスのどんどん湧き出てくるような泣きのギター・ソロ! 健在ですね。
(ホント、数多いギタリストの中でこの人が一番好きかも。)

今日のこの1曲は、いかにもダイナソーらしいナンバー、6曲目「Good To Know」。

爆走感が足りない!という方は、日本盤ボーナス・トラック⑬「Center Of The Universe」(2016)必聴! 森 陽馬


2016年8月11日(木) Neil Young 「Sugar Mountain」

今年2016年から制定された国民の祝日、山の日。

僕が大好きなニール・ヤングの古い曲で、山(mountain)が付く歌がある。

Neil Young「Sugar Mountain」

ニール・ヤングが19歳の時(1964年)に書いたナンバー。
19歳から20歳、大人になることの不安と嘆きを表した初期名曲だ。

この「Sugar Mountain」のアンサー・ソングと言われているのが、ジョニ・ミッチェル「Circle Game」。

ニールと同郷/カナダ出身の彼女が1965年に書いたその「Circle Game」には、以下歌詞が出てくる。

♪年月は過ぎ、あの少年は20歳になる。
昔彼が抱いていた夢は少し色褪せてしまったけれど、また新しい夢が生まれるはず。
~ 季節はめぐりめぐっていく。サークル・ゲームの中を。♪

「Sugar Mountain」、そして「Circle Game」を聴いて、自分が20歳前後に抱いていた夢のことを思い出した。

あの頃探し求めようとしていた夢(Heart Of Gold)を、僕は見つけられているのだろうか? 森 陽馬

★掲載ジャケットはニール・ヤング「Sugar Mountain」収録1979年ライヴ盤『ライヴ・ラスト』。


2016年8月12日(金) Dan Fogelberg 「Stars」

毎年この時期にみられるペルセウス座流星群。

今年は全国的にもとても良い条件で観られるそうで、今晩~13日未明がピークだそうですね。
ちょっと雲行きが心配ですが、少しでも観る事が出来たら嬉しいなぁと楽しみにしています.。

という事で今日は<星>がつく1曲を。

♪ひとりで過ごす夜 あなたに贈る流れ星をつかまえよう ただあなただけのために♪

ダン・フォーゲルバーグ、72年発表の1st『Home Free』に収録されている「Stars」の一節です。
(『Home Free』 国内CD SICP-1477 1,800円+税)

片想いなのか別れた恋人へか...ちょっと情けなさを感じるも愛する女性への熱い想いと、報われない切ない気持ちが歌われています。

シンプルですが、穏やかなアコースティック・ギターの音色とハーモニーが美しい曲です。東尾沙紀



2016年8月13日(土) 「波~サーフ・ブレイク・フロム・ジャマイカ」

若い頃は夏になれば海へ行くことが年中行事のひとつでしたが、年を取るとそれがなかなか難儀なことになってくるもんですね。

波の音が聴こえる場所で太陽の光を浴びながら、1日中のんびりと過ごしたいけれど...。

そんな時、重宝しているのがこのCDです。

『波~サーフ・ブレイク・フロム・ジャマイカ』
(国内CD ソニー MHCL-103 1,000円+税)

1977年にLPレコードで発売されて以来、ずっと、ずっとお世話になっている夏の必須アイテムです。

普通に発売されている波の効果音CDよりは、波の音が少しおとなし目です。

全編波の音しか入っていませんが、後半かすかにウクレレをつま弾く音が聴こえてくる所があります。
ジャケット写真を撮影した浅井慎平さんがポロローンとやっている、という話がありましたが...。

とにかく、このCDをかけているだけで、部屋の温度が5℃~6℃は下がる気がします。

波の音だけを聴くもよし、それをバックに好きな曲をかぶせて聴くもよし。森 勉


2016年8月14日(日) アート・ガーファンクル 「Skywriter」

ここ数日の今日のこの1曲が、山→星→波ときましたので、今日は空(SKY)が付く曲で大好きな1曲を。

アート・ガーファンクル「Skywriter」

ジミー・ウェッブが1980年代後半アート・ガーファンクルに書き下ろした名曲。

アート・ガーファンクルが1970年代付き合っていた女優/写真家ローリー・バード(1978年発表作『ウォーター・マーク』のジャケット写真も彼女が撮影)が、1979年に二人が住んでいたアパートで自殺。

厳しい現実から逃避したい心情を、ひこうき雲で空に字を書くパイロット(Skywriter)で表現した切ない詞世界は、アートのその苦悩を描いたと言われています。

ニッキー・ホプキンスによるピアノの旋律がこの上なく美しくも切なく心を打ちますね。
ローリング・ストーンズでのセッション仕事やジョー・コッカー「You Are So Beautiful」で有名なニッキー・ホプキンスですが、この曲でのピアノ伴奏は彼のワークス内でもベスト5に入る素晴らしさだと思います。
(なおニッキー・ホプキンスも今作発表の翌年1994年に病気で亡くなってしまいました)

そんな悲しい1曲ではありますが、僕は事あるごとに聴きたくなるのです。
真夜中から明け方、東の空が優しいスケッチの如く白んでくる時間帯に一人でひっそりと...。

1988年ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。
アート・ガーファンクル1993年発表アルバム『Up 'Till Now』に収録され、現在は2012年発表2CDベスト盤『ザ・シンガー』(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-20426 3,800円+税)で聴くことができます。森 陽馬


2016年8月15日(月)The Jayhawks 「Quiet Corners & Empty Spaces」

懐古主義だった学生時代。
1995年頃、渋谷CISCOにて店員の除川哲朗さんに、「新しいバンドも良い作品を出していますよ」と教えてもらったのがジェイホークス『Tomorrow The Green Glass』でした。

それ以来、大好きなアメリカン・ロック・バンドとしてずっと聴き続けているジェイホークス。

2011年発表アルバム『Mockingbird Time』以来、約5年ぶり新作『Paging Mr.Proust』が発売されました。
(輸入CD SHAM HAWK SHAMCD-102)

前作で復帰したオリジナル・メンバーのマーク・オルソンが再び脱退しましたが、ジェイホークスらしさは健在。

ゲイリー・ルーリスが書くポップなメロディーはそのままに、R.E.Mのピーター・バックがプロデューサーに加わり、ちょいサイケな新味ロック・アレンジ曲もあったりして、ジェイホークスの新たな旅立ちを感じさせる1枚です。

今日のこの1曲は、冒頭1曲目「Quiet Corners & Empty Spaces」。

アコースティック・ギターの出だし。ゲイリー・ルーリス作による泣きのメロディー。サビのユニゾン・ヴォーカル。
ジェイホークス大傑作な1枚『Rainy Day Music』(2003年発表作)に入っていても違和感がなさそうな快曲!

他の曲も悪くはないんだけれど、個人的にはこの1曲目みたいな曲がもっと入っていると良かったかな。

まあでも、ずっと好きなアーティストが新作を出してくれて、それを楽しめるのは嬉しいことですね。森 陽馬


2016年8月16日(火) クアルテート・エン・シー(ザ・ガールズ・フロム・バイーア) 「マンハッタン」

リオデジャネイロ・オリンピック開催中に取り上げておきたい、と思い今日はブラジルものです。

ブラジルの4人姉妹で結成されたヴォーカル・グループ、クアルテート・エン・シー。
1967年に発表した『天使のクァルテット』を最近よく聴いています。
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-17266 1,200円+税)

このアルバムは彼女たちがアメリカのレーベル、ワーナー・ブラザーズと契約して、<ザ・ガールズ・フロム・バイーア>の名で出した第2弾。

1966年発表ワーナーでのファースト『パードン・マイ・イングリッシュ』はブラジル録音でしたが、こちらはアメリカ録音。(録音場所は違っても、彼女たちの歌声やバックの演奏のテイストは変わりません)

今日はこのボサノヴァ・テイストの女性コーラスが気持ちいいアルバムから、アメリカのスタンダードをカヴァーした「マンハッタン」を。

作詞:ロレンツ・ハート、作曲:リチャード・ロジャースの名曲をポルトガル語で涼し気に歌っています。

たとえ、ポルトガル語で歌われても、この曲を聴くと1979年の映画『マンハッタン』を思い浮かべてしまいます。
ウディ・アレンとダイアン・キートン主演。美しいモノクロ映像が印象的でした。

リオからニューヨークに辿り着いてしまいましたが、クアルテート・エン・シーの素敵なコーラス、おすすめです。森 勉


2016年8月17日(水) Kandace Springs 「Talk To Me」

10月に約4年ぶりとなる最新作『デイ・ブレイクス』をリリースするノラ・ジョーンズ。
大ヒットした2002年のデビュー作を彷彿とさせるジャズとピアノに回帰したアルバム...と話題ですね。

リード曲「Carry On」がとても味わいのある曲で、新作でもいっそう深みが増した歌とピアノを聴かせてくれるのだろうと楽しみにしています。(国内盤は10月5日発売です。)

ノラ・ジョーンズと同じくブルーノートから、2014年にデビューしたジャズ/ソウル正統派女性シンガー、キャンディス・スプリングス。

プリンスが <雪さえも溶かすほどの声> と称賛した歌声。

ラリー・クライン・プロデュースによる2016年の1stフル・アルバム『Soul Eyes』は、バラードを中心に、ソウルフルかつ温かみのある歌声を存分に聴かせてくれる作品です。
(国内CD ボーナス・トラック3曲追加 UCCQ-1063 2,300円+税)

マル・ウォルドン作のタイトル曲や、シェルビィ・リンのカバー「Thought It Would Be Easier」 「Leavin'」、70'sファンク・グループ、ウォーの「The World Is A Ghetto」など多彩なカバーも。

冒頭の「Talk To Me」と 「Neither Old Nor Young」の2曲は、今作にギターでも参加しているジェシー・ハリスによる書き下ろし曲。「Talk To Me」のシンプルなメロディと流れるような歌声が心地良い1曲です。東尾沙紀



2016年8月18日(木) フランス・ギャル 「天使のためいき」

残暑お見舞い申し上げます。

毎日本当にうだるような暑さが続いていますね。
発表されている気温より実際の体感温度はゼッタイにもっと高いような気がしますが...。

さて、暑い時にフランス語の曲を聴くとちょっと涼しくなる気がするのは僕だけでしょうか?
ということで、ひさしぶりにフランス・ギャルの登場です。

彼女は1947年生まれ。このベストCDに収録されている楽曲は1967年までに発表されたものがほとんどなので、10代の時に歌ったもので占められているわけです。とってもキュート!

結構歌いこなすのが難しい曲が多いと思うのですが、いたいけながら全力で歌っている彼女の歌唱力は評価したいと思います。

それに当時のフランスの作曲家・編曲家・スタジオ・ミュージシャンの質の高さにも注目したい楽曲が多数ありますし、なかなか聴きどころがたくさんあるんですね。

フランス・ギャル『グレイテスト・ヒッツ』から今日は「天使のためいき」(原題:Nous ne sommes pas des anges)。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 全23曲収録 UICY-15052 1,714円+税)

1965年発表のセルジュ・ゲンズブール作品。
「夢みるシャンソン人形」、「涙のシャンソン日記」に続くヒットとなった曲です。

その他「クリスチャンセン」、「ジャズる心」、「ジャズ・ア・ゴーゴー」、「はじめてのヴァカンス」、「娘たちにかまわないで」、「お友達に云わないで」などイイ曲たっぷり。フランス語で涼をお取りください。森 勉


2016年8月19日(金) ザ・スクーターズ 「泣きたい気持ち」

小西康陽氏が<2016年上半期一番のお気に入り曲>として紹介した1曲。

ザ・スクーターズ「泣きたい気持ち」
(EP+CD 限定盤 HCCD-9569 1,500円+税)

オリジナルは、1960年代活動していた4人組女性フィリー・ソウル・グループ、Honey & The Beesの未発表曲。

その隠れた名曲に信藤三雄さんが新たに日本語詞を付けたナンバーです。

スクーターズというと、ガレージっぽいガール・ポップな印象が強いかもしれませんが、この曲はメロウなミディアム/スロー・ソウル・チューン♪

マイクロスター佐藤清喜さんがミックスを担当しているので、マイクロスターファンも要チェック!

ちなみにスクーターズのロニーさんは、マイクロスター「She Got The Blues」にコーラス参加。
「She Got The Blues」のソウルフルな世界観は、この曲「泣きたい気持ち」から引き継がれたのかもしれませんね。森 陽馬


2016年8月20日(土) 中井大介 「船」

ペット・サウンズ・レコードおすすめの男性シンガー・ソングライター、中井大介。

関西発バンド、パイレーツ・カヌーのレーベル<On The Corners Records>代表である彼の2作目『SOMEWHERE』がリリースされました。
(CD 中井大介『SOMEWHERE』 OTCR-011 1,000円+税)

2013年発表1st『NOWHERE』(
2013年10月1日今日のこの1曲で紹介)は当店にて大ロングセラー中。
温もりが伝わってくるとっても良い作品でしたから、本当に待望の新作です。

パイレーツ・カヌーのサポート・メンバーとして、アメリカのフェスSXSW(サウスバイサウスウエスト)含めた全米ツアー及び凱旋日本ツアーに帯同し、様々な場所(somewhere)で育んできた全6曲。

歌声&楽曲から彼の朗らかで真っ直ぐな人柄がほっこりと伝わってきますね。

僕が好きなのは4曲目「船」。
波間をたゆたう小舟のような心を、どこか(somewhere)へ連れていってくれる名曲。

なお、10月8日(土)当店地下アゲインにて、中井大介さんのワンマン・ライヴが決定しました。
パイレーツ・カヌー男性猛者3人(岩城一彦、吉岡孝、谷口潤)に河野沙羅さんも加わっての東上です。
きっと良いライヴになると思いますので是非。森 陽馬


2016年8月21日(日) 山下達郎 「9ミニッツ・オブ・タツロウ・ヤマシタ」

夏だ! 海だ! 達郎だ!

いきなり35年ほど前のキャッチ・フレーズで失礼いたします。
「クリスマス・イヴ」が大ヒットするまでは、山下達郎と言えば、夏男!と音楽業界で言われていましたね。

サウンドもアウトドアで聴くとより映える感じでしたし、なにより当時所属していたレコード会社がそこのところをうまくイメージ付けしてプロモーションしていました。

そんな時代の遺産がこの「9ミニッツ・オブ・タツロウ・ヤマシタ」です。

1982年発表アルバム『FOR YOU』の店頭プロモーションのために作られた非売品ピクチャー・レコードに収録されていたメドレー。

RCA/AIRレーベル時代の13曲をうまく組み合わせて9分間に収めてます。
「ラブランド・アイランド」で始まり、「いつか」で終わります。

オリジナルのピクチャーLPは700枚しかプレスされなかった超レア盤ですが、今はCD『グレイテスト・ヒッツ・オブ・山下達郎』(BVCR-1541 2,427円+税)のボーナス・トラックとして聴くことができます。森 勉


2016年8月22日(月) ビートルズ 「ツイスト&シャウト」

天辰保文氏によるトーク・イベント『天辰保文 Talking Man』。
2016年9月26日(月)開催が決定しました。

第5回目となる今回の特集はビートルズ!

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2016年9月26日(月)
PET SOUNDS RECORD presents
“天辰保文 Talking Man Vol.5”
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
18時半開場 19時半開演 入場料1,500円

PET SOUNDS RECORD企画によるトーク・イベント。
天辰保文氏をお迎えしてミュージシャンの魅力を存分に語っていただきます。
第5回目となる今回はビートルズ特集。
ビートルズ来日50周年となる今年2016年。
『ライヴ・アット・ザ・ハリウット・ボウル』9/9発売、映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK』9/22公開、リンゴ・スター10月来日。
様々なイベントの合間に、天辰保文氏のお話しを伺いながら、ビートルズの楽曲を皆で楽しんで聴きたいと思っております。
ビートルズ・マニアでない方も是非ご参加ください。
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天辰さんのビートルズ話。結構レアだと思いますよ。お楽しみに。

掲載ジャケットは9月9日発売予定、ビートルズ『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 初回生産分のみレア・フォト使用映画割引券カード封入 UICY-15566 2,600円+税/アナログLPは11月18日発売予定)

オリジナルLPは観客の歓声がかなり大きく入っていましたが、今回のリミックス&リマスターではどの程度修正されているのでしょうかね。9月22日公開映画共々楽しみです。森 陽馬


2016年8月23日(火) ブッカー・T&MG's 「ビコーズ~ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」

ジャケットをご覧になっておわかりと思いますが、ビートルズ『アビー・ロード』のパロディ・ジャケットです。

ブッカー・T&MG's『マクレモア・アヴェニュー』
(国内CD 完全限定盤 UCCO-90367 1,000円+税)

ジャケットだけでなく、内容も『アビー・ロード』に収録されていた曲をカヴァーした1970年発表の異色作。

本家の『アビー・ロード』が出た翌年にはこのアルバムが発表されているので、練られた感はありませんが、ブッカー・Tのオルガンを中心としたその他キーボード、スティーヴ・クロッパーのエッジの効いたエレクトリック・ギターがフィーチャーされたビートルズ・ナンバーは独特な味わいがあります。

ちなみにタイトルの『マクレモア・アヴェニュー』は、彼らが所属していたスタックス・レコードのスタジオがあった通りの名前のようです。
道路を渡る時は、横断歩道を利用しましょう。森 勉


2016年8月24日(水) スティーヴン・ビショップ 「Holy Mother」

リオ・オリンピック、高校野球も終わって、夏はもうすぐ終わりだな、と感じますね。

今年2月村田和人さんが急逝し、村田さんのいない夏なんて、、、と思っていましたが、そんな夏もいつも通りに過ぎ去ろうとしています。

村田和人さんが2009年『ずーっと、夏。』をリリースした際、当店で作成したインタビュー・リーフレットにて、<ずーっと、聴いていたいこの1枚>として挙げたアルバムは、スティーヴン・ビショップ『ケアレス』でした。

1976年発表スティーヴン・ビショップのデビュー作『ケアレス』は僕も大好きな作品ですが、その『ケアレス』から約40年を経た今夏、BISHが素晴らしい新作『Blueprint』を届けてくれました。

Stephen Bishop『blueprint』
(輸入CD General Records)

今日のこの1曲は、その新作からエリック・クラプトンとの共作曲「Holy Mother」。

エリック・クラプトン1986年発表作『オーガスト』に収録されていたナンバー。
当時自殺したリチャード・マニュエル(The Band)へ捧げた楽曲のスティーヴン・ビショップ・ヴァージョンです。

彼らしいセンチメンタルな歌心は健在。
聴くほどに切なく心に沁みてきます。森 陽馬


2016年8月25日(木) DYGL 「Let It Sway」

2015年『When The World Is Wide』をリリースし、インディーズ・シーンで人気上昇中の東京発20代前半男性5人組バンド、Ykiki Beat(ワイキキビート)。

全編英語詞というのもあり、初めて聴いた時は外国のバンドかと思ったくらいで...。
US/UKのバンドと言っても通用しそう楽曲、佇まいも含めて今後海外でも高い注目を浴びていきそうです。

そのYkiki Beatのメンバー3人が在籍する4人組、DYGL(デイグロー)もこれからが楽しみなバンド!
5月に6曲入りの1stミニ・アルバム『Don't know where it is』をリリースしています。
(CD HEC-001 1,500円+税 6月にカセット、7月にアナログと三形態でリリースされています。)

リード曲「Let It Sway」ほか、ちょっとけだるそうなのに熱量を感じさせるストレートなロック。
どの曲もポップですし、「Slizzard」のようなパンク・ナンバー疾走感があって凄くかっこいいです。

ストロークス、リバティーンズっぽいという感想も目にしましたが、ロックンロール・リヴァイバルという括りで2000年代に出てきた海外のバンドを彷彿とさせる感じも確かにわかる気がします。

Ykiki Beat、DYGLを筆頭に、日本のロックにまた新しい波がくることを期待しています!

店頭ではCD、アナログ盤(残りわずか)も在庫ございます。東尾沙紀


2016年8月26日(金) Steve Kimock 「Music Tells A Story」

異空間へ連れていってくれる稀有なギタリスト、と言えばスティーヴ・キモック。

グレイトフル・デッド・ファミリー、デッド・ヘッズ、ジャム・バンドファンからも信頼の厚い彼の2016年発表新作『Last Danger Of Frost』。(輸入CD SKP-5)

全編ギター・インストながら、ジャズでもなく、ロックでもなく、環境音楽でもない独特な音世界。

昼に聴いていると青い空へ、夜中に聴いていると暗い闇へ吸い込まれそうになる不思議な魅力を持った1枚。

今日のこの1曲は、4つの章から成る「Music Tells A Story」。

キモック・バンドのジャム的要素とはまた違う、アコースティックながら映画のように情景が浮かんでくる作。

チルアウト、音響系お好きな方も要チェック。森 陽馬


2016年8月27日(土) アート・ガーファンクル 「ディズニー・ガール」

ソニー・ミュージックからの<AOR CITY 1000>シリーズ。
8月分50タイトルが発売になり、このシリーズも全部で100タイトルとなりました。

店内中央入り口前の目立つ所にコーナー展開していることもあり、売上も好調です。
ズバリのその世代の方々が大人買いしてくださったり、発売当時はまだ生まれていない世代のお客様も1枚、2枚...とご購入される方もいらっしゃって、うれしい限りです。

今日は8月17日発売の中から、アート・ガーファンクル。ソロになってからのセカンド・アルバム1975年発表『愛への旅立ち (原題:Breakaway)』をじっくり聴いてみたいと思います。
(国内CD 日本語解説付 SICP-4904 1,000円+税)

スティーヴィー・ワンダー、アントニオ・カルロス・ジョビン、アルバート・ハモンド、ギャラガー&ライル、ソロ・デビューする前のスティーヴン・ビショップ2曲など、ヴァラエティに富んだコンポーザーの作品を取り上げています。

サイモン&ガーファンクルが一時復活した形となった「マイ・リトル・タウン」や、フラミンゴスなどでお馴染みのハリー・ウォーレン作品「瞳は君ゆえに (I Only Have Eyes For You)」はシングルとしても大ヒットした曲で、繰り返し聴きたくなってしまいます。

そんな中から今日のこの1曲は、4曲目に入っているビーチ・ボーイズ・カヴァー「ディズニー・ガール」。

曲を作ったブルース・ジョンストンがピアノとコーラス、そして口笛で参加しています。

アート・ガーファンクルのエンジェル・ヴォイスで歌われる「ディズニー・ガール」。
いいですね。森 勉


2016年8月28日(日) サラ・ダッシュ 「Somebody's Angel」

<AOR CITY 1000>シリーズ、ロックだけでなくソウル関連も色々出ました。

その中で、掘り出しものと言えばこの1枚。

サラ・ダッシュ『クロース・イナフ』
(国内CD 日本語解説付 SICP-4933 1,000円+税)

「グルーヴィー・カインド・オブ・ラヴ」で知られるパティ・ラベル&ザ・ブルーベルズ、そして1974年「レディ・マーマレイド」のヒットで有名な女性3人組コーラス・グループ、ラベルに在籍していたサラ・ダッシュ。

彼女がドン・カーシュナーのレーベル、カーシュナーから1981年発表したソロ3作目が世界初CD化!
デイヴィッド・ウルファートプロデュースによる今作が予想以上に素晴らしい!

ディスコ路線だったソロ1作目&2作目と違い、アーバン/アダルトなサウンド・アレンジ。
ポップな魅力溢れるアップ・ナンバー、そしてメロウなバラード曲、どちらも良いですね。

今日のこの1曲はデヴィッド・ラズリー作「Somebody's Angel」。
これは名バラード!

ちなみに、サラ・ダッシュはローリング・ストーンズ人脈と縁深く、
<PET SOUNDS RECORDが選ぶ2015年ベスト>に挙げたキース・リチャーズ『クロスアイド・ハート』にもコーラスで参加しています。森 陽馬


2016年8月29日(月) レス・デューデック 「City Magic」

昨日に続いて<AOR CITY 1000>シリーズから、当店で人気の1枚。

レス・デューデック『Led Dudek』
(国内CD 期間生産限定盤 日本語解説付 SICP-4919 1,000円+税)

レス・デューデックは、デュアン・オールマンが1971年急逝した後、オールマン・ブラザーズ・バンドのレコーディングに参加し、名曲「Ramblin' Man」と「Jessica」のギターを弾いていることで知られるギタリスト/シンガー。

ボズ・スキャッグス、スティーヴ・ミラー・バンドのスタジオ仕事やツアーにも抜擢され、その後ボズ自らプロデュースを買って出て制作されたのが1976年発表の今作です。

ボズ人脈でジェフ・ポーカロ(ds)、デヴィッド・ペイチ(key)が全面参加。チャック・レイニー(B)やデヴィッド・フォスター(Key)が参加している楽曲もありますが、70'sシティ・サウンドだけでなく、オールマンっぽいギター・リフを聴かせるサザン・ロック的要素も程よくブレンドした仕上がり。

AORファンのみならず、南部ロック/ブルースやフュージョン好きにも楽しめる傑作1stアルバムですね。

今日のこの1曲は冒頭1曲目「City Magic」。

ドゥービーとオールマンを足して、AORスパイスをふりかけた感じのキラーチューン♪

国内盤としてリリースされたのは本当に久々なので、1,000円で買えるこの機会に是非。森 陽馬


2016年8月30日(火) 野宮真貴 「男と女」(en duo avec 横山剣)

1966年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したフランス映画『男と女』。

フランシス・レイが手掛けた音楽含め、多くの人を魅了し続けてきた名作から50年を経た2016年晩夏。
様々な縁に導かれ、野宮真貴さんが<フレンチ渋谷系を歌う>をテーマに新作アルバムをリリースしました。

野宮真貴『男と女 ~野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。~』
(2枚組CD 解説・歌詞付 UICZ-4360 3,241円+税)

2015年11月発表作『世界は愛を求めてる。』に引き続き、坂口修さんがトータル・プロデュースを担当。

クレモンティーヌ、鈴木雅之他が参加した魅惑のスタジオ録音盤ディスク1。
2015年末Billboard Liveでのライヴを収録したディスク2。
そして、坂口修さんによる充実のブックレット解説(
こちらで一部ご覧になれます)。

ピチカート/渋谷系好きでなくても手に取っていただきたい入魂作ですね。

今日のこの1曲は、クレイジー・ケン・バンド横山剣とのデュエットで聴かせる②「男と女」。
日本語訳詞は小西康陽氏が担当。

映画『男と女』製作50周年記念オフィシャル・サポーター・ソングとなったこの曲のオール・スキャット・ヴァージョンもディスク1の7曲目に収録されており、そこではクレモンティーヌ、カジヒデキ、久保ミツロウ、能町みね子、ヒャダインが参加。そちらも聴きものです。

なお、お買い上げの方先着で特典クリア・ファイル付。
更に当店のみの特典として、ジャケット・デザイン・マグネットも差し上げています。森 陽馬


2016年8月31日(水) Leah Dou 「May Rain」

サマーソニック2016に出演した、97年北京生まれの女性シンガーソングライター、リア・ドウ。

母親は人気歌手/女優のフェイ・ウォン、父親はロック・ミュージシャンのドウ・ウェイと両親共に有名人という点でも注目を集めていますが、中華圏のポップスとはまた違った独自の空気感を持った彼女は今後の活動がとても楽しみなシンガーです。

今年の春、ミニ・アルバムで日本デビュー。今月には1stアルバム『ストーン・カフェ』がリリースされました。
(国内CD ボーナストラック2曲追加 UICY-15564 2,315円+税)

作詞・作曲・アレンジも自身で手掛け、全編英語詞による楽曲は、ロック、ポップ、R&B、ジャズ、ボサノヴァ、オルタナティブのテイストも少し。
曇りや雨の日、夜に溶け込むような翳りのあるメロディがちょっとUKロックの影響も感じさせます。
(トム・ヨークが好きなのだそうです。)

アルバムの中ではアコースティック・ギターの音色と多重コーラスが心地良いオーガニックな雰囲気を纏った「May Rain」が今作の中でまず聴いてみていただきたい1曲です。

今作には、UKを拠点に活動するユニットThe Invisible Menとのコラボや、スティーヴ・ポーカロ、その娘さんであるヘザー・ポーカロなども参加しています。東尾沙紀




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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