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  今日のこの1曲 “Archives”

<2017月2月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2017年2月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2017年2月1日(水) ザ★ガソリンズ 「かくれんぼ」

当店が長年応援している東京ローカル・ホンクとも関わり深い門脇大作氏率いるザ★ガソリンズ。

(例えば、東京ローカル・ホンクが近年ライヴで披露している「たまらない夜」。
あの楽しくも不思議な切なさと余韻を残す名曲を作ったのが、ザ★ガソリンズ門脇大作さんです。
1990年代うずまきのメンバーだったことも一時期あったとか。)

その大作さんの音楽活動約30年において初音源商品となるCDが2016年11月発売。
ライヴ会場で販売されていましたが、ペット・サウンズ・レコードにて取り扱いさせていただけることになりました。

ザ★ガソリンズ『ドゥルーズビート』
(国内CD GAS0001 926円+税)

<ロックの源流をさかのぼってぶち当たったブルースと、いつか昔耳に聴いて離れない童謡を脈打つ心臓の鼓動のようなビートで思いっきりシェイクした音楽>・・・『ドゥルーズビート』(門脇大作さん命名!)

今作に収録されたドゥルーズビートな全6曲。
大作さんの真っすぐな歌声と心奥からの叫びのような詞世界、そして武骨な演奏に心打たれます。

初期のRCサクセションや、東京ローカル・ホンクの歌を好きな方に推薦したい1枚ですね。

僕が一番好きな1曲は4曲目「かくれんぼ」。

♪君の顔が見れなくっちゃ さみしいんだ♪
♪苦しい胸を叩きながら 君の名前を叫んでるんだ♪
♪僕はここにいる だから見つけておくれよ♪

喉から血が滲むように吐き出されるこの歌を聴くと、伏し目がちに、でも自らの怖れを振り払うが如く懸命に歌っている大作さんの姿が目に浮かんで、何気ない日常やかけがえのない家族・親友のことが愛おしくなってくるのです。森 陽馬



2017年2月2日(木) スーマー 「もうない船」

少し気が早いかもしれないが、<2017年ベスト・アルバム>候補の1枚が出た。

スーマー『泥水は揺れる』
(国内CD 全12曲+α MS-009 2,593円+税)

2016年末に200枚限定アナログLPとしてライヴ会場及びHPのみで販売、即完売した2ndアルバム。

そのLPに収録されていた10曲に、ライヴで評判の「愛がぶらさがっている」、ビートルズのカヴァーを中村まりと歌う「Mother Nature's Son」、そしてアナログ盤では収録時間の関係でフェイドアウトされていた「Winter Song」をFull Version収録した全12曲(+α)。

スーマーの切ない情念が籠った歌声。そして、
劇画作家エルド吉永氏による各曲毎に描き下ろしたイラストと歌詞を掲載したブックレットがとにかく素晴らしい。

高田渡「酒が飲みたい夜は」カヴァー、心の蝋燭を優しく灯すような「Winter Song」も良いが、つまらない自分の人生を束の間振り返りたくなる「もうない船」を今日のこの1曲に。

たくさんの哀しみや涙が入り混じり、泥水のように濁ってしまった心と瞳。
その奥底に沈殿した過去の忘れたい記憶や想い出。

それらが一緒くたに揺さぶられ、様々な表情で聴く者へ何かを問いかけてくる静かな傑作だ。森 陽馬



2017年2月3日(金) Tift Merritt 「Heartache Is an Uphill Climb」

ここ数年、アメリカで活躍する女性シンガーの良い作品が色々リリースされていますね。

もうすぐキャリア20年となる彼女も2017年に入り、5年ぶりの新作を発表しました。
当店大推薦の女性シンガー・ソングライター、ティフト・メリット6枚目となる『Stitch Of The World』。
(国内CD 解説付 BSMF-6099 2,400円+税)

ロックな曲でのちょっとハスキーな声、バラードでの柔らかくやさしい声。
今作のレコーディング中、お腹に新しい命を宿していたという彼女。
40代となり、円熟味も増したような...心地良い歌声は、変わらず素敵です。

今作は、彼女と親交のあるアイアン&ワインことサム・ビームとの共同プロデュース。
マーク・リボー(g, ukulele, banjo)、ジェイ・ベルローズ(drums)等が参加しています。

今日の1曲は、MVも作られている②「Heartache Is an Uphill Climb」(自然体な姿がグッド♪)。
彼女自身によるピアノ、エリック・ヘイウッドのペダル・スティールも印象的なバラードです。

初回限定盤には今作の中から3曲のアコースティック・バージョンを収録。
サム・ビームとの息のあったハーモニーも聴きものです。東尾沙紀



2017年2月4日(土) ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ 「No Woman, No Cry」(Live)

今日は珍しくレゲエです。

ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ『ライヴ!』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-77305 1,389円+税)

初めてこの盤を聴いたのは、41年前のちょうど今頃の季節だったと思います。

新宿にあるレコード店に勤め始めてのある日、先輩が入荷したてのイギリス盤の『ライヴ!』を店頭演奏する1枚に選び、その日1日何回も繰り返して聴くことになりました。

ハマりましたねぇ。
それまでは「アイ・ショット・ザ・シェリフ」くらいしか認識がなかったのですが、この『ライヴ!』に収録されている「ノー・ウーマン・ノー・クライ」にノックアウトされました。

ボブ・マーリーとコーラス隊の掛け合いに、ウェイラーズのアツイ演奏。
永遠のライヴ名盤です。

時々引っ張り出して聴きたくなるんですね。森 勉



2017年2月5日(日) TORO Y MOI 「What You Want」

この盤、最高にカッコイイ!!!

TORO Y MOI『Live From Trona』
(輸入LP Carpark Records 2枚組限定ピンク・カラー・アナログ盤 677517011715)

コロンビア出身Chaz Bundick(チャズ・バンディック)によるユニット、TORO Y MOI(トロ・イ・モア)。
2016年11月に出たライヴ盤。
CDは出ておらずこのアナログLPor配信のみのリリースです。

ジャケット写真にもなっている米国カリフォルニアのモハベ砂漠にあるトロナ・ピナクルズでのライヴ音源。
ポップかつダンサブルな楽曲を有機的かつグルーヴ感溢れる演奏で聴かせます。
(Andy Woodward(dr)、Patrick Jeffords(B)、Jordan Blackmon(G)、Anthony Ferraro(rhordes)、Brijean Murphy(Per)というバック布陣。)

有料配信で映像&音源ダウンロードもできますが、独特な色味のカラー・レコードで聴く音の雰囲気が最高!

今日のこの1曲は2015年発表作『What For?』冒頭を飾っているキラー・チューン!「What You Want」!

なお、ショコラ&アキトとのコラボ(2016年ベストにも選出)や今作にもゲスト参加している双子ユニットThe Mattson 2と、トロ・イ・モアの新作アルバムも今春発売予定だそうです。森 陽馬



2017年2月6日(月) トム・ウェイツ 「Christmas Card From A Hooker In Minneapolis」

映画『スモーク』デジタル・リマスター版を恵比寿ガーデン・シネマで先日鑑賞。

1995年作映画ですが、公開当時3回劇場へ観に行ったくらい大好きな映画。

約20年ぶりに観ましたが、やはり素晴らしい!
想い出の中に眠っていた感動はそのままでしたね。

この映画を観ると、日々すれ違う人々にも様々な人生があるのだということ、そして、普段は気に留めることがないようなさりげない出来事にも意味があるのだ、と感じられるのです。

映画の最後、ハーヴェイ・カイテル演じるオーギーが語るクリスマス・ストーリー回想シーン。
トム・ウェイツ「Innocent When You Dream」(夢見る頃はいつも)が沁みるんだよなぁ。
(この曲は
2006年12月23日の今日のこの1曲で取り上げました)

ご覧になったことがない方、観たことがあるという方もこの機会に是非!

今日のこの1曲は、映画『スモーク』ではかからないけれど、トム・ウェイツを聴きたい気分なので1978年発表作『ブルー・ヴァレンタイン』からセンチメンタルで切ない「Christmas Card From A Hooker In Minneapolis」(ミネアポリスの女からのクリスマス・カード)を。(国内CD 限定紙ジャケット WPCR-13779 2,095円+税)

今作裏ジャケットには、当時彼の恋人だったリッキー・リー・ジョーンズの後ろ姿も映っています。森 陽馬



2017年2月7日(火) 松原正樹 「旅立ちの日」

名ギタリスト、松原正樹が61歳で亡くなったのは2016年2月8日。

あれからちょうど1年。
松原正樹による最新そして最後のアルバムが発売されました。

松原正樹『旅立ちの日』
(国内CD RCM-1028 2,778円+税)

彼が生前に残した未発表曲、デモトラックのギターパートを元に、盟友ミュージシャンがレコーディング。
奥さまの南部昌江さんプロデュースにより全10曲の素晴らしい作品に纏め上げました。

彼のギターに思い入れがある人には、複雑な心境の方もいらっしゃるかもしれません。
でも、このCDを手に取り、南部昌江さんの解説文を読み、楽曲を聴けばその想いは晴れることでしょう。

今作で聴けるのは、まぎれもなく松原正樹のギター。
参加ミュージシャンの演奏も、ギターに寄り添うような優しい表情で、楽曲&ギタープレイを引き立てています。

今日のこの1曲はタイトル曲③「旅立ちの日」。
高水健司(B)、村上ポンタ秀一(Dr)、斉藤ノブ(per)によるバック布陣。
南部昌江さんによるシンセ音、八木のぶおが吹くハープは、遠い場所への旅立ちを想起させる松原正樹のギターのフレーズを、切なくも温かく包み込むように泣いています。森 陽馬



2017年2月8日(水) The Pen Friend Club 「Wonderful World Of The Pen Friend Club」

本日発売日♪
ザ・ペンフレンドクラブの4枚目となる新作『Wonderful World Of The Pen Friend Club』。
フラゲ日の昨日から店内でもガンガン流れております。
(国内CD SZDW-1029 2,500円+税)

大谷英紗子(sax)が加入、新ヴォーカリスト藤本有華を迎え、現在7人組で活動中のザ・ペンフレンドクラブ。

大滝詠一「夏のペーパーバック」を筆頭に、ロネッツ、フィフス・ディメンション他ポップス・ファンの心をくすぐるカヴァーを交えつつ、サックスも入り、更に厚みが増したサウンド&ハーモニーを聴かせてくれます。

1月にシングルでも発売された「ふたりの夕日ライン」(新潟のアイドル・RYUTistへの提供曲セルフ・カヴァー)と「微笑んで」、大滝さん+ビーチ・ボーイズ「Don't Worry Baby」的な「8月の雨の日」などオリジナル曲も充実♪

アルバム終盤には、バンド初となるオリジナル・インスト曲「Wonderful World Of The Pen Friend Club」も。
『ペット・サウンズ』へのオマージュに溢れた1曲です。

作家・越谷オサムさんによる丁寧なライナーノーツ付(各曲ごとの解説も)で読み応えアリ!東尾沙紀

当店のみの先着特典付き!大滝詠一「夏のペーパーバック」のインスト&アカペラver.収録のCD-R、
特製ロゴ入りボールペン差し上げております。



2017年2月9日(木) 大村憲司 「Tokyo Rose」

2月1日発売された書籍『大村憲司のギターが聴こえる』。
(リットー・ミュージック 150ページ 2,800円+税)


この本は凄いですね。

1998年逝去したギタリスト、大村憲司のワークス等を掲載したCD付書籍ですが、使用ギターはもちろんのこと、ギターのパーツや調整用の細かいツール、彼が収集していたレコードや読書家だった彼の愛書、サングラス・コレクションや洋服、更には小学校時の書道(習字)まで写真掲載。

彼の生い立ち、ディスコグラフィー、参加作品紹介、昔のインタビュー、そして、息子でギタリストの大村真司から村上ポンタ秀一、矢野顕子ほかの最新インタビューも読み応えあり!

大村憲司のギターに一度でも魅了されたことがある方ならば必読の1冊でしょう。

さて、その書籍と時をほぼ同じくして、『ベスト・ライヴ・トラックス』シリーズ第7弾が発売されました。

大村憲司『レインボウ・イン・ユア・アイズ ~ベスト・ライヴ・トラックスⅦ』
(国内CD 解説付 STPR-007 2,400円+税)

貴重ライヴ音源8曲中6曲が完全未発表トラック。
レオン・ラッセル作「Rainbow In Your Eyes」をグルーヴィーにアレンジした1978年六本木ピットイン音源①含め全曲素晴らしい演奏ですが、聴きものは②「Tokyo Rose」。

大村憲司が晩年病に侵され入院している間に書いたというオリジナル・インスト曲。
1997年4月12日チキンジョージ。村上ポンタ秀一、青木智仁、小林信吾との未発表ライヴ音源。

東京ローズとは、太平洋戦争中、日本がアメリカ軍含め連合国向けへ行っていた放送の女性アナウンサーのこと。情念溢れる彼のギタープレイに胸が熱くなります。森 陽馬



2017年2月10日(金) ザ・タイマーズ 「総理大臣」

1988年日本はバブルのピーク。
音楽業界も好景気で、たくさんのヒット・ソングが出ていました。

そんなバブリーな世相と浮かれた業界へのアンチテーゼとして出てきたのがザ・タイマーズ!

忌野清志郎扮するZERRYを中心にした4人組。
RCサクセションや清志郎ソロとも違った強烈なメッセージ性とユーモアを含んだ歌が物議を呼びながらも、多くの人の心の蝋燭に火を点けた1stアルバムに、初期音源を収録したCDと貴重ライヴ&PV映像DVDを付属したスペシャル・エディション版が2016年末出ました。

ザ・タイマーズ『ザ・タイマーズ スペシャル・エディション』
(国内2CD+DVD 高橋ROCK ME BABYによる解説付 UPCY-7179 5,000円+税)

CMで使われた人気曲モンキーズの日本語カヴァー「デイ・ドリーム・ビリーバー」。
「モンキーズのテーマ」を絶妙な日本語で歌った「タイマーズのテーマ」。

更には゛原子爆弾ブルース”とも言える「Long Time Ago」。
♪政治家はただ選挙で争ってる 宗教の奴らは神様で争ってる 科学者ときたら特許で争ってる 企業はひたすら利益を争ってる♪という詞が今作から約30年を経ても変わっていないことを実感させる「争いの河」、、、。

♪なんにもはっきり言わねぇ総理大臣~アメリカ行っても恥ずかしくねぇ様に~プロデュースしてやるぜ♪
と清志郎が歌う「総理大臣」を今日のこの1曲に。森 陽馬



2017年2月11日(土) カウント・ベイシー・オーケストラ 「Dinner With Friends」

武蔵小山には食事処がたくさんあります。

有名店や人気店も多いのですが、チェーンストアにはない心も満たしてくれるようなお店が僕は好きですね。

りんくすという食事処は、中高年のご夫婦がお二人だけで営業している洋食店。
こだわりのブランド豚メニューやフライ、ドライカレーなど美味しいんですよねー。

店内ではいつもスウィング・ジャズがかかっていて、それも僕にとっては魅力のひとつ。
(ジャズの中でもハードバップやフュージョンではなく、必ずスウィングなんです。)

レトロだけれどどこかほっとするような温かい居心地で落ち着くんだよなぁ。

その店にいるご夫婦、そしてお客さんにも合った音楽がBGMとして馴染んでいる感じ。
武蔵小山駅からは少し離れているけれど(定休日は日曜日)、フラッとまた立ち寄りたいと思っています。

ということで、スウィング/ビッグ・バンド・ジャズと言えばカウント・ベイシー・オーケストラ。

そのカウント・ベイシーが゛ニュー・ベイシー”と称され始めた頃1950年代中期の名盤『エイプリン・イン・パリ』。
カウント・ベイシー・オーケストラ『エイプリル・イン・パリ』
(国内CD 完全限定盤 UCCU-99022 1,000円+税)

♪ワン・モア・タイム♪の掛け声で繰り返されるエンディングが有名なタイトル曲「April In Paris」が有名ですが、ラストに収録されているゴキゲンな「Dinner With Friends」を今日のこの1曲に。森 陽馬



2017年2月12日(日) 角川博 「うさぎ温泉音頭」 大瀧詠一プロデュース

大瀧詠一プロデュースによる「うさぎ温泉音頭」は、一般に発売されたものではなく、テレビの劇中でオンエアするため1982年に作られた曲です。

歌っているのは当時人気があって毎日のようにテレビに出ていた演歌歌手の角川博。

水谷豊が主演していたドラマ『あんちゃん』のお祭りシーンで流れたそうです。
実際にそのシーンを見ていないので、どんな感じだったのかお話しできないのが残念ですが、1982年10月の放送と記録には残っています。

それにしても、そんなTVドラマのワンシーンのために曲を作ってしまうなんて、いい時代というしかないですね。
大滝さんのことですから、制作費もそれなりにかかっていそうですし、、、。

♪ 空にウットリ お月様 ほらうさぎと飛び出して ~ うさぎ温泉 湯煙音頭
 ハァ ピョンピョン ハァ ピョンピョン ♪

作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一、編曲:萩原哲晶の素晴らしいトライアングルでの作品です。

そしてこのセッションが世紀の「イエロー・サブマリン音頭」へとなだれ込んでいくわけなのですね。森 勉

★掲載ジャケットは、角川博「うさぎ温泉音頭」収録。
『大瀧詠一 SONGBOOK2 (1971-1988)』(CD ビクター VICL-2154 1,942円+税)



2017年2月13日(月) 高中正義 「Thunder Storm」

映画『LIVE FOR TODAY 天龍源一郎』を新宿武蔵野館にて先日鑑賞。

プロレスラー天龍源一郎が2015年2月引退を発表してから2015年11月15日両国国技館引退試合までの舞台裏&試合の一部を追ったドキュメンタリー作品。

心躍って、興奮して、時折笑って、でもホロッとさせられて、、、これはプロレスファン必見!!

プロレスに対する実直な姿勢はもちろんのこと、奥さんの病気が原因で引退を決意した経緯や娘さんが天龍プロジェクトの代表を務めている背景など、家族への温かい想いも伝わってきて本当に感動しましたね。

昭和プロレスを盛り上げた名レスラーも多数出演。(スタン・ハンセン、小橋、川田、小川、カブキ、藤原、グレート小鹿、鈴木みのる、長州、越中、そしてドリー・ファンクJr! 遅れて会場入りする年老いたドリー。でもリングに上がると闘志むき出しになったその姿に感動の嵐!)

プロレスは「技を出す」スポーツではなく、「技を受ける」スポーツだと僕は考えています。
ここが格闘技との決定的な違いだと思うんですよね。
天龍源一郎はそういう意味でも真にプロレスラーだったな、と実感できた映画でした。
(ちなみに、ガラガラ声&滑舌の悪さで評判?の天龍ですが、映画内の会話は字幕が入りますのでご安心を)

ということで、今日のこの1曲は長年使われた天龍の入場テーマ曲!高中正義「Thunder Storm」!
(高中正義 1981年発表アルバム『虹伝説』収録 UPCY-6718 1,886円+税)

なお、映画内に高中正義本人も出てきますよ。(引退試合の日が初対面だったそう。) 森 陽馬



2017年2月14日(火) ロバート・ランドルフ&ザ・ファミリー・バンド 「Travelin' Cheeba Man」

2003年12月、今はなき新宿リキッドルーム。
゛ペダル・スティール界のジミヘン!”、ロバート・ランドルフ初来日公演には度肝を抜かれましたね。

ジャムバンド・ブームがまだ続いていた時代で、客席後方空間では天使のような恰好をした女性が踊っていたり、ちょっと怪しい煙の匂いが漂っていたり、とヒッピー的な雰囲気が会場内にはありました。

盛り上がる観客を更に煽るように、ジミヘンのカヴァーを披露。
ペダル・スティール・ソロを延々と弾きまくっていた彼の熱演が今も瞼に焼き付いています。

あの強烈なライヴを体感してしまったせいか、その後の彼の作品は食い足りないものをずっと感じていました。
音楽的には成熟していったのかもしれませんが、ロバート・ランドルフの魅力がどうにも伝わってこないのです。

でも本日入荷した約3年ぶりとなるオリジナル5作目『GOT SOUL』。
あの生の興奮を呼び覚ましてくれる素晴らしいアルバムでした。

ロバート・ランドルフ&ザ・ファミリー・バンド『ガット・ソウル』
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック追加収録 解説・歌詞・対訳付 SICP-5170 2,200円+税)

原点に立ち返ったロックで、ソウルで、ブルージーで、ファンキーな、体中が熱くなる1枚!

フーティー&ザ・ブロウフィッシュ(懐かしい!)のヴォーカリスト、ダリアス・タッカーをfeatした「Love Do What It Do」や、スナーキー・パピーのキーボーディスト、コリー・ヘンリー参加のサム&デイヴカヴァー「I Thank You」もいいけれど、ロバート・ランドルフらしい早弾きペダル・スティールが疾走するインスト・キラー・チューン!10曲目「Travelin' Cheeba Man」を今日のこの1曲に。

この曲名になった面白いいきさつは、日本盤ライナーノーツをご覧ください。森 陽馬



2017年2月15日(水) 脇田もなり 「Boy Friend」

マイクロスター・ファン、要チェック!

Especiaに在籍していた脇田もなりのソロ・シングル第2弾は、マイクロスターが完全プロデュース!

脇田もなり『Boy Friend/赤いスカート』
(初回限定CD+DVD 初回のみPV収録DVD付&off vocal ver追加収録 HCCD-9583 1,800円+税)

佐藤清喜さんが作曲&バック・トラック制作&アレンジ&ミックス、飯泉裕子さんが作詞&コーラスを担当。

゛カイリー・ミノーグやシニータをデヴィッド・モーションがプロデュースしたイメージ”で作られたという①「Boy Friend」。
80'sの薫り漂うラグジュアリー・シンセ・ポップな1曲に仕上がっています。

ちなみに②「赤いスカート」も①と同じくマイクロスターのお二人によるプロダクションです。

初回限定盤のみ佐藤清喜制作のバック・トラックが細部までよくわかるoff vocalヴァージョンが追加収録。
限定アナログ(HCR-9673 1,400円+税)も同時発売されました。(掲載ジャケットは限定アナログ盤) 森 陽馬



2017年2月16日(木) The Excitements 「The Mojo Train」

セクシーなタイトスカートでパワフルに踊り歌う姿がティナ・ターナーを彷彿とさせるココ・ジャン・デイヴィスをフロントに、ホーンを擁する演奏も熱いスペインのR&B/ソウル・バンド、ジ・エキサイトメンツ。

本国では2016年発表の最新作『Breaking The Rule』の国内盤が昨日リリースになりました。
(国内CD 解説・歌詞付 PCD-24591 2,400円+税)

ウィルソン・ピケット、エタ・ジェイムス、アイク&ティナ・ターナー他、メンフィス、デトロイト、ニュー・オリンズR&Bなど、50~60年代のソウル・サウンドを現代に受け継ぐ7人組。

ニュー・オリンズ・テイストのリード曲「The Mojo Train」、グルーヴィーなオルガンとギターが絡む疾走感あるインスト「Chicken Pickin'」、男女の会話から始まる「Did I Let You Down」など、ヴォーカルもバンドもキレッキレでとにかくかっこいいです♪

ライヴ・パフォーマンスはさらにアツイという彼ら。
ココ嬢のエネルギッシュな歌を生で体感してみたいものです。東尾沙紀



2017年2月17日(金) 浜田真理子 「春の嵐の夜の手品師」(あがた森魚カヴァー)

恋愛にまつわる歌を書かせたら、古内東子、aiko、そして浜田真理子。
日本人でこの3人より右に出る者はいない、と僕は思っています。

中でも、2002年作『あなたへ』、2006年作『昼も夜も』、2009年作『うたかた』(
2009年12月21日今日のこの1曲で紹介)など、寡作ながら永く聴ける良作をリリースしている名シンガー・ソングライター、浜田真理子。

2017年発表6作目となるオリジナル・アルバム『Town Girl Blue』は、久保田麻琴プロデュースによる入魂作。
(CD 浜田真理子『Town Girl Blue』 VSCD-9725 2,700円+税)

<今回はドロドロした感情を沈殿させ、その上澄みのところを歌った感じかな。決して真水じゃないのよ。元は泥水でそれをろ過したもの。>(
和田靜香さんによる解説文から浜田真理子の発言を抜粋)

たしかに一聴だけだとすっきりした感じかもしれないけれど、歌詞をじっくりと味わいながら聴き込むと、ピアノと歌の隙間から奥深い愛しみ(かなしみ)が伝わってくる1枚。

今日のこの1曲は、あがた森魚のカヴァー「春の嵐の夜の手品師」。

浜田真理子の歌はカヴァー曲より彼女自身の楽曲でこそ美しく生きる、と感じていましたが、この曲のカヴァーに関しては歌詞の雰囲気含め、パズルがピタリと合わさるように今作ラストひっそりと収まっています。森 陽馬



2017年2月18日(土) 大橋トリオ 「りんごの木」

作品が出る度に購入している大好きな男性シンガー・ソングライター、大橋トリオ。

2017年で活動10周年を迎える彼の新作アルバム『Blue』が発売されました。
(大橋トリオ『Blue』 CD+Blu-ray RZCD-86262 4,800円+税/CD+DVD、CDのみの盤も発売中)

温もり溢れる楽曲と、耳・体・心に優しいサウンド・アレンジは健在。

大橋トリオが紡ぎ出す音楽に魅せられたことがあるならば、変わらぬ包容力で温かい気持ちになれる1枚です。

今日のこの1曲は2016年シングル・カットもされた9曲目「りんごの木」。

♪小さな君に伝えたいこと 赤いリンゴが甘いこと♪、の歌い出しから、
♪いつかは君もこの大空を一人で飛びたがる日が来て そしたら僕に教えて欲しいんだ どんな美しい世界か♪
というサビへ繋がる歌詞が印象的。

日々成長していく愛する子供へ宛てた歌でしょうか。

穏やかな歌声、大切に奏でられる音とハーモニー。
ほんわかした想いと同時に、ちょっと切ない感慨/まなざしも感じさせるナンバーです。森 陽馬



2017年2月19日(日) ポール・ウィリアムス 「こんな恋ってはじめて」(I Never Had It So Good)

2016年末発売された『ロジャー・ニコルス・トレジャリー デモ&CMトラックス』は、ロジャニコ・ファンから御好評をいただき、発売から約2か月が経ちましたが、当店ではロングセラー続行中です。

デモ録音と言っても、質の高いものばかりで普通のアルバムと同等に聴ける曲がたっぷり収録されていたのが良かったのではないでしょうか。

そして、それらの曲の多くをポール・ウィリアムスのヴォーカルで聴けたということも、いいなぁ~と思うキメ手になったと思います。

今日はそんなポール・ウィリアムスの歌が聴きたい気分なので、1971年発表アルバム『オールド・ファッションド・ラヴ・ソング』を引っぱり出してきました。

ポール・ウィリアムス『オールド・ファッションド・ラヴ・ソング』
(国内CD 限定盤 解説・歌詞・対訳付 UICY-76750 1,000円+税)

聴いている者を優しく包み込んでくれるポール・ウィリアムスの歌声と、ラス・カンケル、リーランド・スクラー、デヴィッド・スピノザ等によるツボを心得た演奏が見事に結集した1枚です。

「愛のプレリュード」も入っていますが、今日は「こんな恋ってはじめて」を。森 勉



2017年2月20日(月) バーニー・ケッセル 「MEU IRMAO」

ギタリストのお客様から、武蔵小山の喫茶店でかかっていた曲について質問されたことがありました。

その曲はギターのインスト・ナンバーで、リズミカルなラテン的&ボッサ調。
喫茶店では有線かもしれないけれどよくかかっている、とのこと。

バーデン・パウエルなど60'sブラジルのギター曲を聴いてもらったのですが、その時は結局わからず、、、。

でも後日喫茶店で再びかかっている際、Shazam(楽曲が検索できる携帯アプリ)をかざして判明しました!

それが今日のこの1曲!
バーニー・ケッセル「MEU IRMAO」(メウ・イルマオ)

ビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』にも参加していることで知られる名ジャズ・ギタリスト、バーニー・ケッセル。
彼が1969年イタリアにて現地ミュージシャンをバックに録音した作品『Kessel's Kit』に収録。
(バーニー・ケッセル『ケッセルズ・キット』 国内CD 解説付 完全限定盤 SICJ-100 1,000円+税)

2曲目に収録されている「MEU IRMAO」はイタリア人ギタリスト、Carlo Pes(カルロ・ペス)による作曲。

たしかにこれはブラジリアンな雰囲気でかっこいいですね。他の収録曲もとってもイイ感じです。
今なら超お買得価格でCD出ているので、ギターインスト好きの方は是非チェックしてみてください。森 陽馬



2017年2月21日(火) 小沢健二 「神秘的」

小沢健二最新シングル『流動体について/神秘的』が本日入荷。
(国内CD 完全限定盤 TYCT-39050 1,200円+税)

<19年ぶりシングル!>との宣伝文句が一部踊っていますが、2002年作『Eclectic』、2006年作『毎日の環境学 Ecology Of Everyday Life』もあったし、2010年ツアー『ひふみよ』、2012年ツアー『東京の街が奏でる』、そして2016年ツアーで新曲も披露されていましたから、ブランクをそれほど感じないんですよね。

それよりも、<『球体の奏でる音楽』から21年>という印象の方が強いのは僕だけでしょうか。
←小沢健二『球体の奏でる音楽』(2nd『LIFE』に次ぐ1996年発表3作目)

波打ち際を走っていた青年が様々な経験を重ね、21年を経ての視線の先が海辺を歩く子供を見つめるショットとなったことがなんとも感慨深いのです。

時は流れても歌、サウンド、楽曲はあくまで小沢健二のまま。
そういう意味で、曲目は<神秘的>だけれど、歌自体は<現実的>かつ<日常的>な想いも馳せらされる2曲目「神秘的」を今日のこの1曲に。

服部隆之によるストリングス・アレンジ。
インスト・ヴァージョンの美しさと切なさに、青春の郷愁をおぼえました。森 陽馬



2017年2月22日(水) 村田和人 「Boy's Life」

永遠に冬が続いてしまうのでは、と思えるような冷たい雨が降った2016年2月22日。

村田和人さん逝去の報が入ってきたのは、底冷えするそんな日の夜でした。

月並みな言い方ですが長いようで短い、でもあっという間のようで長く感じた1年でしたね。

何事もなかったかのようにさりげなく2月22日が過ぎてしまうのは切ないので、春の訪れを告げるような風が強くなってきた夜、村田さんの曲を繰り返し店内でかけていました。

村田和人『Boy's Life』
(CD 解説付 ボーナス・トラック7曲追加 VSCD-1738 2,600円+税)

1987年6月25日発表5thアルバム。
全曲の作詞を安藤芳彦、作曲を村田和人本人が手掛け、編曲はロニー・フォスターが担当。
A面がLA録音、B面は東京でのレコーディング。湯川トーベン、友成好宏、山本圭右、小板橋博司他参加。

2017年1月2日に行われた杉真理さん主催ライヴ『杉まつり』では、村田和人さんの息子でドラマーの村田彼方さんがこの「Boy's Life」を歌いました。

♪Oh, Boy! 擦り傷ぐらい あたりまえの 毎日さ♪

今まで人前では歌ったことがなかった彼方さんが村田さんの歌を、それも「Boy's Life」を選んだことが感慨深いですね。森 陽馬



2017年2月23日(木) Mondo Gascaro 「Naked」

当店でも人気のアディティア・ソフィアン、爽やかギター・ポップを奏でるダリル・ウェジーなど、インドネシア発の良質なポップスを発掘し届けてくれるプロダクション・デシネから、またまた注目の作品がリリースされました。

インドネシアと日本のハーフで、ジャカルタを拠点に15年ほど前から活躍している男性シンガーソングライター/プロデューサー、モンド・ガスカロ。

本国では2016年リリースの1st『旅する風』は、あたたかく心地よい空間へと誘ってくれる1枚♪
(国内CD 歌詞・解説付 ボーナストラック2曲収録 VSCD-9829 2,200円+税)

穏やかな波音の間から聴こえてくるパーカッションのリズムに、エレピ、ストリングス、ホルン、甘い歌声とハーモニーが重なっていく1曲目「Naked」から、贅沢な音作りに魅了されてしまいました。

60~70年代ポップ/ロック、ジャズ、ソフトロック、AOR、映画音楽、ブラジル、日本のシティ・ポップなどの影響も
滲ませるメロディ&アレンジ。

映画音楽も手掛けてきた手腕が発揮された、優雅なストリングスや女性コーラスを織り交ぜたインストもとてもロマンティックで素敵です。東尾沙紀



2017年2月24日(金) ルービンシュタイン、ハイフェッツ、フォイアマン「ベートーヴェン:大公」

村上春樹著による2017年発表長編小説『騎士団長殺し』が本日発売。
僕も近所の本屋で早速購入しました。

第1部の途中までしか読んでいませんが、村上春樹らしい独特な言葉の表現・流れは不変。
タイトル『騎士団長殺し』は、モーツァルトの歌劇『ドン・ジョヴァンニ』から取られたようです。

この曲以外にもクラシック音楽をアナログ・レコードで聴く場面が小説内で度々登場。
物語とどのように結びついていくか楽しみですね。
読了後、感想含めまたこちらで『騎士団長殺し』で印象的に使われた曲を取り上げたいと思っています。

ということで、今までの村上春樹著書籍内で印象的に使われたクラシック音楽から今日のこの1曲。

『海辺のカフカ』(2002年長編小説)で、中日ドラゴンズファンの星野さんが音楽の素晴らしさに目覚めるベートーヴェン『大公』はこれっ!

ルービンシュタイン、ハイフェッツ、フォイアマン『ベートーヴェン 大公トリオ他』
(国内CD Blu-SpecCD仕様 SICC-30397 1,600円+税)

ベートーヴェンが当時弟子であり恩人であったオーストリア皇帝レオポルドⅡ世末子のルドルフ大公に捧げた曲「大公」(ベートーヴェン:ピアノ3重奏曲第7番変ロ長調)。

アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)、ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン)、エマニュエル・フォイアマン(チェロ)、ソリスト3人によるこの「大公」は1941年録音。
スーク・トリオ(チェコスロバキアのピアノ・トリオ)による「大公」もCD出ていますので、そちらと合わせて聴き比べてみてください。森 陽馬



2017年2月25日(土) つのだひろ 「アイ・ラヴ・ユー」

近頃、日本のロック黎明期のアルバムをよく聴いています。

グループ・サウンズが終わろうとしていた1969年以降、俄然日本ロック・シーンが動き出したという感じでしたね。

はっぴいえんどが一番のひいきでしたが、英語で歌うグループも気になるものが多くありました。

日比谷の野外音楽堂で行われた10円コンサートに行くと、そんなグループがいろいろと出演していて、日本人もみんなうまくなったなぁ、なんて思ったりしていました。

さて、そんな時代に大活躍したのがつのだひろです。
パワフルなドラムス、そしてヴォーカルも達者だということで、引く手あまたでした。

フード・ブレイン、ストロベリー・パス、フライド・エッグで作品を残し、ジャックスや渡辺貞夫グループにも参加して話題を集めたことも、、、。
自身をフィーチャーしたキャプテン・ひろ&スペース・バンドなんていうのもありました。

今日はつのだひろの歌を聴いてみましょう。

「メリー・ジェーン」は定番すぎるので、「アイ・ラヴ・ユー」でいってみましょう。
彼の作曲によるミディアム・バラードの名曲です。森 勉

★掲載ジャケットは、つのだひろ『ゴールデン・ベスト』。
(CD UICZ-6051 1,886円+税)



2017年2月26日(日) ジャスティン・ハーウィッツ「Epilogue」(映画『ラ・ラ・ランド』サントラより)

<ラ・ラ・ランド>・・・ロサンゼルス/ハリウッド地域の愛称。もしくは陶酔する状態のこと、夢の国、、、。

アカデミー賞に多数ノミネートされている話題
映画『ラ・ラ・ランド』を見てきました。

心躍るオープニング、華やかな映像美、胸がワクワクする展開。
様々な名作映画のオマージュを散りばめながら、現代オリジナル作に仕上げた若きチャゼル監督の手腕。

本当に素晴らしい映画でしたが、こんなにも切ない物語だったとは、、、。
賛否両論分かれているのもわかるような気がします。

今日のこの1曲に選んだ「Epilogue」がかかるラスト10分。
走馬燈のように駆け巡る夢か幻か、はたまた現実・二次元をも超えたシーンは、甘くロマンティックでありながら、この上なく切ないものでしたね。

鑑賞後は、人生の分岐点に出会った人、自分が今ある礎となった時期にすれ違った大切な人、でもこれからの人生においておそらく2度と逢うことはないであろうそういう人たちのことが思い出され、その過去を愛おしくもほろ苦く感じさせられました。

なお、映画にはジョン・レジェンドがミュージシャン役で出演。
見事なパフォーマンスも披露し、劇中で歌われた「Start A Fire」がサントラ盤に収録されています。森 陽馬


★掲載ジャケットは、映画『ラ・ラ・ランド』サントラの輸入盤オリジナル・ジャケット。
(国内盤は解説・歌詞・対訳付 UICS-1322 2,500円+税)



2017年2月27日(月) サム・クック 「Change Is Gonna Come」

店内特設コーナーでは、<映画内でかかる名曲特集>としてサントラを中心に推薦盤をご紹介中。

黒人少年の成長と愛を描いた
映画『ムーンライト』がアカデミー作品賞を受賞したということで、黒人映画で使われた名曲から今日のこの1曲。

スパイク・リー監督による1992年製作映画『マルコムX』。
ソウルの名曲が色々使われていましたが、サム・クック「Change Is Gonna Come」が一番印象深いですね。

黒人問題や息子の死、そしてボブ・ディラン「Blowin' In The Wind」からインスパイアされたとも言われる1964年発表楽曲。

ただ、映画『マルコムX』サントラ盤にはサム・クック「Change Is Gonna Come」が収録されていないのです。

サム・クックの編集盤にも入っていないことが多いのですが、このベスト盤には代表曲含め収録。
全31曲入っており歌詞・対訳も付いているので、廉価なベストよりもこのCDをオススメしています。森 陽馬

★掲載ジャケットは、サム・クック『ポートレイト・オブ・ア・レジェンド』
(国内CD 英文ライナー対訳・歌詞・対訳付 UICY-15185 2,095円+税)



2017年2月28日(火) スティング 「Shape Of My Heart」

<映画内でかかる名曲>ということで、僕がまず思い浮かんだのはこの曲でした。

映画『レオン』(1994年製作)で印象的に使われたスティング「Shape Of My Heart」。

スティング1993年発表アルバム『Ten Summoner's Tales』収録曲。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-20449 2,095円+税)

彼と長年活動を共にしているギタリスト、ドミニク・ミラーとの共作曲。
ドミニクによる哀愁込められたギターの爪弾きとメロディーが美しいナンバーです。

ジャン・レノ演じる殺し屋レオンの゛Heart (心)”が、ナタリー・ポートマン演じる少女マチルダとの交流で次第に優しい心へと象られていくものの、切ない結末となるラスト。
そこで、レオンの気持ちを代弁するかのようにかかる「Shape Of My Heart」。

映画『レオン』が製作される前に作られた楽曲ですが、歌詞に出てくる仮面を被ったカード・プレイヤーの葛藤を抱く゛Heart (心)”と見事にリンクした名曲&名場面ですね。森 陽馬





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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