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  今日のこの1曲 “Archives”

<2017月3月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2017年3月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2017年3月1日(水) Brent Cash 「Fade/Return」

ブライアン・ウィルソン、ロジャニコ、アート・ガーファンクル、トッド・ラングレンなどのポップ・センスを凝縮した美しいハーモニー&メロディは健在♪

アメリカ/ジョージア州出身の男性シンガーソングライター、ブレント・キャッシュ。
2011年7月5日今日のこの1曲で取り上げた前作『How Strange it Seems』から約5年半ぶり、3作目となる新作『The New High』が発表になりました。
(輸入盤国内流通仕様CD MA81CDJ 2,100円+税)

前2作同様、ストリングス四重奏の演奏を除くすべての楽器を自身が担当。

10cc「I'm Not In Love」のような余韻を残しつつ終わっていく「The Way You Were」、ビーチ・ボーイズ「Surf's Up」を彷彿とさせる内省的な「Fade/Return」など、後半へと聴き進むにつれ寂しげなメロディが耳に残り、胸が切なくなります。

今作も、ふんだんに取り入れた弦のアレンジが素晴らしく、木洩れ日のように穏やかなコーラス・ワークは一足早く春の空気を運んできてくれます。東尾沙紀



2017年3月2日(木) ディオン 「アブラハム、マーティン&ジョン」

ディオンは1950年代後半から1960年代初めにかけて、「アイ・ワンダー・ホワイ」、「浮気なスー」、「ザ・ワンダラー」、「かわいいドンナ」など多くのヒットを放ちました。
しかし、1964年からの5年間はほとんどヒットが出ない状況になっていました。

1968年11月全米チャートTOP10を紹介するラジオ番組で僕は初めてディオンを知ることになりました。

「アブラハム、マーティン&ジョン」が大ヒットし、ベスト10に入ってきていたのです。

先に挙げた彼のヒット曲はこの後おいおいやっと知ることになるのですが、ずいぶん昔から歌っていたんだなぁ、という印象でした。たかが10年前ぐらいなのですが、、、。

この「アブラハム、マーティン&ジョン」はそれまでのロックンロール/ホワイト・ドゥワップ的なディオンと違ってフォーク調の曲でした。

タートルズ「エレノア」、D.C.スミス「リトル・グリーン・アップルズ」、クリーム「ホワイト・ルーム」、メリー・ホプキン「悲しき天使」、ビートルズ「ヘイ・ジュード」など同時期にベスト10に入っていた曲で、その頃の僕にとっては新しいタイプのお気に入り曲となりました。

アブラハム・リンカーン、マーティン・ルーサー・キング牧師、ジョン・F・ケネディ、ロバート・ケネディに捧げられた静かに魂を揺さぶられる1曲です。森 勉

★掲載ジャケットはディオン『エッセンシャル・ディオン』。(国内CD SICP-4484 1,300円+税)



2017年3月3日(金) 須藤薫 「RAINY DAY HELLO」

須藤薫さんの命日(2013年3月3日逝去)である本日。
7thアルバム『モア・ザン・イエスタデイ』リリース直後1988年4月24日東京・中野サンプラザでの未発表貴重ライヴ音源が初CD化されました。

須藤薫『ライヴ at 中野サンプラザ 1988』
(ボーナス・ディスク付2CD 土橋一夫監修・解説付 DQCL-3289 3,333円+税)

この日のバック演奏は、杉真理のバンド、ザ・ドリーマーズの清水淳(Ds)、京田誠一(key)、嶋田陽一(key)に、杉真理のコーラスを担当していたセイル・アウェイの向井寛(B)、ギタリスト山津亨(G)を加えたメンバー。

資料用に録音されていたカセット・テープ音源ながら音質はかなり良好。
伸びやかな薫さんの歌声には、約29年の時を経ても色褪せないときめきとイノセントな輝きを感じさせますね。

今日のこの1曲は、雨に関するMCから繋がる「Rainy Day Hello」。
1982年発表名作3rdアルバム『アメイジング・トイズ』収録の杉真理作。

薫さんの歌が少し苦しそうになる部分が曲中あるのですが、“生”を感じさせるその息遣いに心動かされます。

ボーナス・ディスクには「Rainy Day Hello」含め、「素敵なステディ」、「涙のマイ・ボーイ」、「恋の最終列車」等を英語詞による仮歌で録音していた未発表デモ音源が7曲収録。

なお、このCDはSony Music Shop通販限定商品ですが、ご遺族・制作関係者によるご厚意で、当店でも販売できることになりました。ご遺族の方々、関係者皆々様、そして薫さん、謹んで御礼申し上げます。森 陽馬



2017年3月4日(土) スティーヴン・ビショップ 「Looking For The Right One」

昔、スティーヴン・ビショップ『ケアレス』の中でどの曲が一番好きか?をある女性と話したことがあった。

定番「On And On」、切ない「Never Letting Go」、静かに沁みる「Madge」、小品的ながら美しい「Little Italy」、しっとりと聴かせる「One More Night」、そして、センチメンタルな「Rock And Roll Slave」etc...。

結局意見は一致せず、なおかつその女性はこんなことも話していた。
「『ケアレス』よりも2作目『BISH』の方がロマンティックよ。
「Looking For The Right One」の後半、ピアノ・ソロからストリングスが入る部分とかね。」

、、、時が経ち、2017年3月4日ビルボードライヴ東京、スティーヴン・ビショップ来日公演。

BISHは風邪をひいて声は辛そうだったけれど、それも含めて素敵なライヴだった。

本編ラストに「On And On」。そして、アンコールに応えて「Madge」。
やはり『ケアレス』の曲が素晴らしいな、と思っていた矢先、客席から声が飛んだ。
「Looking For The Right One」!

当初は別の歌で締める予定だったのだろう。
BISHも最初戸惑っていたが、キーボード奏者Jim Wilsonに指示して曲が始まった。
そう、「Looking For The Right One」。

♪ I 'm Looking For The Right One. When will the right one come along. ~
They say there's no use running afer something You'll never get ♪
(愛する人を探しているんだ いつになったら巡り合えるだろうか お前には無理だって そう人は言うけれど)

かすれ声での歌、後半のピアノ・ソロ。
そして、切ないストリングス、、、は演奏されなかったが、僕の心の中で優しく、確かに響いた。森 陽馬


★掲載ジャケットは、スティーヴン・ビショップ1978年発表2ndアルバム『BISH』(邦題:水色の手帖)。
(国内CD UICY-15161 1,714円+税)
ちなみに「Looking For The Right One」スタジオ録音は、デヴィッド・フォスターがピアノ、マーティ・ペイチがストリングス・アレンジを手掛けている。


2017年3月5日(日) The Move 「I Can Hear The Glass Glow」

ザ・ムーヴのオリジナル・アルバムやライヴ盤が曲を追加した形で2016年から再発されています。
(今日のこの1曲コーナーでも何度か取り上げさせていただきました。)

そして、新しいベスト・アルバムが発売されました。

ザ・ムーヴ『ベスト・オブ・ザ・ムーヴ』(Magnetic Wave Of Sound - The Best Of The Move)』
(輸入国内仕様CD+DVD 若月眞人氏による解説付 3,200円+税)

CDにはシングル&4枚のアルバムから21曲。
DVDには1967~70年のTV出演時のものを中心に約1時間の映像が収録されています。

DVDを再生してまず最初に観られるのは、とても画質が良いモノクロの「I Can Hear The Glass Glow」プロモーション・フィルム。

<優雅にお茶を楽しんでいたと思ったら女の子たちに洋服を剥ぎ取られる>
というシュールな設定ながら、ポップなこの曲に乗せて若くチャーミングなメンバーが楽しめます。

この他、公式では初リリースとなる映像が10曲程あり、時系列にまとめて観られるのは嬉しい限りです♪

メンバーの変遷、服装や髪型、増していく音の厚み...。
3年ほどの間に変化していくザ・ムーヴのサウンドを耳と目で楽しめるお得な1枚です。東尾沙紀


2017年3月6日(月) Tomorrow's People 「Hurt Perversion」

<世のソウル/レアグルーヴ・フリーク達を泣かせてきた究極の1枚>
<現在の取引価格は1,800ドル超えの激レア盤>

上記は、この度世界初CD化されたトゥモローズ・ピープル日本盤帯に記載されている解説文の一部です。

トゥモローズ・ピープル(Tomorrow's People)『OPEN SOUL』
(国内CD 完全限定盤 日本語解説付 PCD-24596 2,400円+税)

こういう売り文句の再発盤は、実際に聴いてみると期待外れということが多々あるのですが、この作品は当たりでしたね。

Tomorrows Peopleはアメリカ/イリノイ州シカゴ出身の4人兄弟を中心に結成したバンド。
彼らが1976年発表した唯一のアルバムが今作『OPEN SOUL』です。

甘茶ソウル④「Hurry On Up Tomorrow」、②「It Ain't Fair」も良いですが、聴きものはファンキーな③「Hurt Perversion」と⑥「Open Soul」でしょう。

3曲目「Hurt Perversion」は、疾走感あるインスト・ファンク・トラック!
当時LPのB面を丸々全部使った20分にも及ぶ⑥「Open Soul」は、DJ/コレクターとして知られるSadar Baharがヘヴィ・プレイしていることでも知られるナンバー。

どちらもファンク好きは必聴のキラーチューンです。森 陽馬



2017年3月7日(火) エリオット・スミス 「Angeles」

アカデミー2017主演男優賞を受賞したのは、大ヒット作『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングではなく、黒人名優デンゼル・ワシントンでもなく、ケイシー・アフレック(映画『マンチェスター・バイ・シー』)だった。

そのケイシー・アフレック及び兄ベン・アフレックが出演し、友人であったマット・デイモンがベンと共に脚本を手掛けたのが1997年公開ガス・ヴァン・サント監督映画『グッド・ウィル・ハンティング』。

心のどこかに孤独というか空虚な苛立ちを抱えながら日々過ごしていた約20年前。
おぼつかない足どりでも見えない出口を目指す勇気をもらえた印象深い名画であった。

その『グッド・ウィル・ハンティング』内、皆の哀しみを代弁するように歌っていたのがエリオット・スミスだ。

映画公開と同じ1997年に彼が発表した3rdアルバム『イーザー/オア』。
20周年を記念したエクスパンデッド盤が未発表曲含む2枚組CD仕様で本日リリース。

エリオット・スミス『イーザー/オア』 (エクスパンデッド・エディション)
(国内仕様CD 1996年インタビュー対訳・歌詞対訳付 2,400円+税)

人気曲「Say Yes」、「Between The Bars」もいいが、なんといっても「Angeles」だろう。

後に自らの心臓を刃物で刺してこの世を去ってしまう彼が、天使達へ許しを乞うように歌う「Angeles」。
聴く度に胸が狂おしく、そして切なくなる名曲。森 陽馬

★ボーナス・ディスクに「Angeles」1997年ライヴ・ヴァージョンも収録



2017年3月8日(水) Scott Walker 「Windows Of The World」

ウォーカー・ブラザーズのリード・ヴォーカリストだったスコット・ウォーカーがソロ作を出したのは1967年でした。

そのスコットの当時のソロ・アルバムが5枚まとまって低価格で発売されています。

Scott Walker『5 Classic Albums』
(輸入CD Spectrum/UMC 5370220)

『Scott』、『Scott2』、『Scott3』、『Scott4』、『'Til The Band Comes In』。
5枚のアルバム全曲(全62曲)聴くことができます。

アルバム単位の収録なので、シングルだけの発売だった「ジョアンナ」や「ライツ・オブ・シンシナティ」などが入っていないのは残念ですが、スコットのあの歌声をたっぷり聴けるのはうれしいです。
(「ジョアンナ」はACEレーベルから2014年出たトニー・ハッチ作品集『カラー・マイ・ワールド ~ソングス・オブ・トニー・ハッチ』に収録されています。)

「いとしのマチルダ」や「ジャッキー」などスコットのダイナミックな歌唱力が発揮されるのもいいですが、今日はバラードを選んでみました。

『Scott2』に入っているバート・バカラック&ハル・デヴィッドの曲「Windows Of The World」(世界の窓と窓)。

この曲を録音した当時、スコットはまだ24歳くらい。
なんというヴォーカルの説得力。素晴らしい! 森 勉



2017年3月9日(木) セロニアス・モンク 「Japanese Folk Song」(荒城の月)

現在大ヒット上映中、2月26日今日のこの1曲でも取り上げた映画『ラ・ラ・ランド』

不思議と後を引く映画で、サントラを聴く度に高揚感であったり、狂おしいくらいの切なさであったり、様々な感情が心奥に甦ってきます。

そのサントラ盤には収録されていませんが、映画『ラ・ラ・ランド』内で主人公のピアニスト、セブがレコードを聴きながら繰り返し練習していたのがこの曲、セロニアス・モンク「Japanese Folk Song」(荒城の月)。

セロニアス・モンク1966年発表アルバム『ストレイト・ノー・チェイサー』収録。
(国内CD 日本語解説付 ボーナス・トラック3曲追加 SICP-4248 1,000円+税)

滝廉太郎が1900年に作曲した古き良き日本の名曲「荒城の月」。
1963年及び1966年に来日公演も行っているセロニアス・モンクは、どこかでこの曲を耳にしメロディーに心奪われ、1966年5月公演最終日で披露したこともあるそう。

ジャズに対して頑なな意志を持っている『ラ・ラ・ランド』主人公セブが、ビル・エヴァンスやキース・ジャレット等ではなく、独特のセンスでモダン・ジャズ・ピアノのスタイルを体現していたセロニアス・モンクを愛聴している、という設定にも、デイミアン・チャゼル監督のこだわりが感じられて興味深いですね。森 陽馬



2017年3月10日(金) Kathryn Williams & Anthony Kerr 「The Very Thought Of You」

白日夢...このアルバムを聴いているとそんな言葉が浮かんできます。
フワフワと夢見心地で独特の空気感を持った作品です。

リヴァプール出身の女性フォーク・シンガー、キャスリン・ウィリアムス。11枚目となる新作『レゾネイター』。
(国内CD MZCF-1345 解説付 2,480円+税)

ジョージィ・フェイムやヴァン・モリソンなど多くのミュージシャンとの共演でも知られるヴィブラフォン奏者アンソニー・カーとコラボした、自身初のスタンダード・カヴァー集です。

「My Funny Valentaine」、「Every Time We Say Goodbye」、「Stormy Weather」、「Autumn Leaves」、「Embraceable You」、日本盤ボーナス・トラックに「Moon River」.など。

トランペットの深い音色、ベースが時折加わりますが、繊細な歌と柔らかく響くヴィブラフォンで形作られたゆったりとした静寂に包まれたアルバム。

今日の1曲は、彼女と同じ英国生まれのスタンダード・ナンバー「The Very Thought Of You」。
<君を想いて>物思いに耽る...そんな夜に聴くのもオススメの1枚です。東尾沙紀



2017年3月11日(土) ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ 「Where Is The Love」

村上春樹2017年発表長編小説『騎士団長殺し』を読了。

彼らしい示唆に富んだ言葉が多く、楽しく読むことができました。
穴であったり、壁であったり、暗闇であったり、春樹ワールドの象徴とも言える情景も存分に出てきたし、主人公の男性がレコードで音楽を聴く、という設定も良かったですね。

ブルース・スプリングスティーン『ザ・リヴァー』をターンテーブルに載せてレコードを聴く場面が後半あり、
<それはCDで続けざまに聴くアルバムではない。『ラバー・ソウル』だって『ペット・サウンズ』だって同じことだ。優れた音楽を聴くには、聴くべき様式というものがある。>
という文面が出てくるのです。
村上春樹の長編小説で久々に『ペット・サウンズ』という言葉を目にできただけで僕は満足ですよ(笑)。

あと別項で、ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイのデュエット・アルバムが出てきたのもうれしかったです。
(『ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ』 国内CD WPCR-27610 952円+税)
今作には「Where Is The Love」(邦題:恋人は何処に)という名曲が収録されていて、この曲と小説内男性"諸君"の想いが繋がっているから使われたのかな、と想像したりして、、、。

そういう春樹的要素を含みながら、東日本大震災、南京大虐殺、ドイツに併合されたウィーンでの悲劇、戦争が生む残虐さ、などもさりげなく描写。彼の現代日本へ向けられた意志のようなものを感じられました。

ちなみに、物語内で印象的に使われている歌劇『ドン・ジョヴァンニ』と『薔薇の騎士』ハイライトを両方収録したCDが4月12日発売。(『ドン・ジョヴァンニと薔薇の騎士~小説に出てくるクラシック』 UCCS-3087 2,500円+税)
『騎士団長殺し』の世界へ浸りたい方はチェックしてみてください。森 陽馬



2017年3月12日(日) ジョージ・ハリスン 「Someplace Else」

ジョージ・ハリスンがもし存命ならば、先月2月25日で74歳でした。

ラジオ日本で放送されている
『ビートルズ10』では毎週ビートルズの曲をベスト10形式で発表していますが、ジョージ、ポール、リンゴ、ジョン(誕生日順)の誕生日周辺ではソロ作品のみに限った<ソロ10>を発表しています。

先日放送された<ジョージ10>では初めて「ファー・イースト・マン」がチャートインしたり、毎年上位に食い込むも首位を獲得できなかった「セット・オン・ユー」が1位になったりと、新しい動きがあって楽しめました。

そんな慈愛の人、ジョージのアップル及びダーク・ホース・レーベルからの13枚のアルバムが最新リマスター&紙ジャケット仕様で再CD化されました。

レコード時代の帯や内袋などをCDサイズにして復元したり、ポスターが入っていた『オール・シングス・マスト・パス』はミニチュア化して封入されていたりと、日本盤ならではの細やかなアートワークが施されています。

今日はその中から、『B10/ジョージ10』No.1獲得記念ということで、「セット・オン・ユー」収録1987年発表アルバム『クラウド・ナイン』からシングルでない曲を選んでみました。
(ジョージ・ハリスン『クラウド・ナイン』 国内CD 完全限定盤 SHM-CD仕様 UICY-78146 2,667円+税)

LP時代はB面2曲目(CDでは8曲目)に収められていた「サムプレイス・エルス」。

このメロディー、この声、このスライド・ギター、ジョージ、、、。森 勉



2017年3月13日(月) ドミン・ギーニョス 「Abri a porta」

ブラジルへ旅行していた友人が帰国、おみやげを持ってきてくれました。

その友人は今までに何度もブラジルを訪れているのですが、今回初めて拳銃強盗に遭ったそうです。

両替所から出てしばらく歩いていると、拳銃を突き付けられ人通りのない場所へ、、、。
現金とiPhoneを盗まれたものの、怪我なく無事だったのは不幸中の幸いだと思います。
(実際に拳銃強盗による死者や怪我人が、五輪後のブラジルでは多発しているとのこと)

こういう話を伺うと、日本という国は平和だな、と改めて感じますね。
ブラジルに限らず海外へご旅行される方、気を抜かずにお気をつけて。

ということで、ブラジルの暗い話になってしまったので、対照的にブラジルの明るい音楽で今日のこの1曲。

ブラジルの名アコーディオン奏者、ドミン・ギーニョス。
1980年録音13作目『ケン・ミ・レヴァラ・ソウ・エウ』から、ジルベルト・ジルとドミン・ギーニョスの共作によるゴキゲンなナンバー「アブリ・ア・ポルタ」を。
(国内CD 限定盤 日本語解説付 SICP-4825 1,000円+税)

ジルベルト・ジルの憂いを帯びた歌声、そして、ドミン・ギーニョスによるアコーディオンの朗らかな音色が魅力的です。森 陽馬



2017年3月14日(火) うずまき 「おいのりのうた」

PET SOUNDS RECORDは1981年4月22日武蔵小山駅前にオープン。

2005年1月末駅前開発による立ち退きで一旦閉店後、2005年末から仮店舗にて営業を再開。
2007年3月15日現在の場所に新店舗を再オープンいたしました。

そして、2017年3月15日。移転してきてちょうど10年目を迎えることになります。

本当にたくさんのお客様皆々様のおかげだと、ありがたい気持ちでいっぱいです。
感謝・感激、重ねてありがとうございます。

これからも良い音楽を皆さんと共有しながら、現在の店舗で営業を続けていきたいと思っております。
末永くよろしくお願いいたします。

ということで、3月15日から2,000円以上お買い上げのお客様に当店ロゴ入り新緑タオルを先着でプレゼント♪

お時間ある時に是非お越しください。

ちなみに、明日3月15日は当店地下アゲイン(アゲインも祝10周年!)にて、東京ローカル・ホンクに記念ライヴをやっていただける予定。とても楽しみですね。

♪どうか笑顔が絶えぬように 愛する人の行く先に どうか光があるように♪(「おいのりのうた」歌詞より)
森 陽馬


★掲載ジャケットは、東京ローカル・ホンクの原点!1999年発表うずまき名義の名作『ヒコーキのうた』。
(国内CD CRCD-5113 2,000円+税


2017年3月15日(水) Diane Renay (ダイアン・リネイ) 「Billy Blue Eys」

ひさしぶりに60'sガール・ポップ・コンピCDの紹介です。

オーストラリアのティーンズヴィルというレーベルから出ている編集盤CD『GIRLS ON 45 Vol.4』。
(輸入CD Teensville TV1018)

副題に『26 Girl Groups, Girlie Pop And Soulful Ladies 1962-1967』とあるように、いかしたガール・ポップが全26曲収録されています。

内容はかなりレアなものが集められていて、初めて耳にした曲が多いのですがイイ曲ばかり。
60'sガール・ポップの奥深さに今さらながら舌を巻いてしまいますね。

何曲か注目曲を、、、。
4曲目と23曲目に入っているキャロル&シェリー。
1965年MGMのシングルですがこのキャロルさん、後のキャロル・ベイヤー・セイガー。
1970年代後半にソロ・アルバムを出した頃はかなりハスキーなお声でしたが、この頃はまだかわいいキュート・ヴォイス。曲もなかなかいい出来。

マーガレット・マンドロフの9曲目はシンシア・ワイル&ラス・タイトルマン作のバラード。
15曲目はなんと日本で1965年人気爆発していたエミー・ジャクソン。
「涙の太陽」ではなく、第2弾「夢見るマイ・ボーイ」が選ばれています。

その他、ガール・ポップ・ファンには楽しめる曲がたっぷり入っています。

今日のこの1曲に選んだのは、ナイアガラ・ファンにオススメの11曲目。
「ネイビー・ブルー」で有名なダイアン・リネイが、MGMに移籍して発表した「Watch Out, Sally」(涙のサリー)にカップリングされていた「ビリー・ブルー・アイズ」という曲です。

大滝さんがどんな風にこの曲に影響を受けたかは、『大瀧詠一SONGBOOK2 ~作品集Vol.2』中に入っている曲で各自お確かめください。

ナイアガラの滝つぼには、まだまだ秘密がいっぱいですな。森 勉


2017年3月16日(木) 大滝詠一 「青空のように」(モノ&カラオケ)

アナログ・シングル盤が9枚、その全18曲を収録したCD、そして16ページブック・レットをBOXに収めた『NIAGARA 45RPM VOX』が本日入荷しました。

(9EP+CD『NIAGARA 45RPM VOX』 4,500セット完全限定盤 SRKL-3041 19,800円+税)

発売日設定は3月21日ですが、今日から店頭出ししていいとのことなので、予約していただいた方々、取りに来ていただいてOKですよ。
予約していないという方には、若干ですがキャンセル分など含め今なら在庫ありますのでお早めに、、、。

シングル盤は9枚中5枚が当時市販されたもの。
その他の4枚は一般人は見たことも触ったこともないプロモーション・オンリー盤を復刻したものになのです。

今日はその中から「青空のように」プロモ盤を。

市販ジャケに『DJ Copy Only~MONAURAL~NOT FOR SALE』のシールが貼ってあるマニア垂涎の一品。

ナイアガラの白レーベルがまぶしい、、、。
A面モノラル・ミックスもいいですが、B面インスト・ヴァージョンもエコーの塩梅、カスタネットの鳴り具合、サイコーです。アレンジは山下達郎&多羅尾伴内。森 勉


2017年3月17日(金) カルメン・マキ 「デラシネ」

カルメン・マキさんが近年ライヴで披露している新曲「デラシネ」が、アナログ・シングル盤で3月22日発売。

カルメン・マキ『デラシネ』(c/w 「望みのない恋 ~挿入朗読詩「波の音」~」
(国内EP glax-001 1,500円+税)

スーマー『ミンストレル』&『泥水は揺れる』も手掛けた桜井芳樹(ロンサム・ストリングス)がプロデュースを担当。

椎野恭一(dr)、西嶋徹(b)、清水一登(p)、桜井芳樹(g)をバックに、マキさんの魂宿った歌声が心奥まで響きます。

B面には、寺山修司「波の音」の朗読を曲間に挿入した「望みのない恋」を収録。
(作詞:ガルシア・ロルカ/日本語詞:長谷川四郎、作曲:桜井李早)

一般流通はしない限定盤で、ライヴ会場及び一部店舗のみの販売ですが、当店でも取り扱いできることになりました。マキさんの“現在(いま)”をアナログ盤でお聴きになってみてください。森 陽馬



2017年3月18日(土) マイクロスター 「She Got The Blues」

PET SOUNDS RECORD2016年ベスト殿堂入りの名盤、マイクロスター『SHE GOT THE BLUES』。

限定アナログ盤が2017年5月24日発売決定いたしました!

<2017年5月24日発売>
・(LP)マイクロスター『SHE GOT THE BLUES』
(国内LP HCR9674 3,200円+税)

2017年に入っても大ロングセラー中の素晴らしい1枚。
アナログ盤で聴きたい!という方も多かったと思います。

収録曲はCDと同じですが、B面(6~10曲目)をアナログで聴いてみたかったんですよね。

高瀬康一デザインによる各曲毎のジャケットやブックレットがアナログ盤ではどのように表現されているのか?
LP用の帯も付くそうなので楽しみです。

今日のこの1曲は、シングル化はされていないアルバム中の大名曲「She Got The Blues」。

もうちょっと聴きたい、というところでフェイドアウトしてしまいますが、そうなってしまったのもLP化されることを想定し製作した(B面の収録時間が長くなり過ぎないようにした)所以だとか、、、?!

まあとにかくも、「She Got The Blues」をアナログで聴けるシアワセ♪
お早めにご予約ください! 森 陽馬



2017年3月19日(日) The Dynamics 「We Found Love」

ノーザン・ソウル/甘茶スウィート・ソウル・ファン狂喜!

デトロイト発60~70'sソウル/ヴォーカル・フループ、ダイナミックスの再発CDが出ました!

The Dynamics『Lights Out』
(輸入CD PLAY BACK Record PBR-8510)

60年代中期RCA時代の「I Need Your Love」、「You Make Me Feel Good」から、1969年メンフィス録音名盤1stアルバム全曲、更に1977年Columbiaからリリースされたレアスウィート貴重EP音源まで、黒汁タップリの美味なところをギッシリ詰め込んだ全20曲編集盤。

今日のこの1曲は、山下達郎サンデー・ソングブックでも昔かかった究極の甘茶ソウル「We Found Love」。
1977年コロンビア・レーベルから7インチリリースされたミディアム・メロウ・キラーチューン♪

この1曲が聴けるだけでも買いですね。森 陽馬


2017年3月20日(月) Jens Lekman 「What's That Perfume That You Wear?」

丁度1か月前くらいになりますが、渋谷クラブ・クアトロでトラッシュキャン・シナトラズ×サニーデイ・サービスのカップリング・ライヴを観ました。

先手のサニーデイは胸が掻き毟られるような熱い演奏。
トラッシュキャンの方は彼らのあたたかい人柄が伝わる心地よいメロディ&ハーモニーの連続。

両バンドとも生は初体験だったのですが、またこの組み合わせでツアーをしてほしいなぁと思いました。

トラッシュキャンのフロントマン、フランシス・リーダーの声がお好きな方にオススメ♪
スウェーデンの男性シンガー・ソングライター、イェンス・レークマンが4年半ぶりの新作『LIFE WILL SEE YOU NOW』をリリース。(輸入CD SC339)

4作目となる今作では、ベン・ワット『ヘンドラ』やトレイシー・ソーンの近作を手掛けたイワン・ピアソンを共同プロデューサーに迎え、サンバやブラジル、ディスコなどをアレンジに取り入れた仕上がり。
これまでの彼のちょっと切ない作風とはまた違った、とてもポップな作品になっています。

トレイシー・ソーンとの共作&コーラスで参加した「Hotwire The Ferris Wheel」、名パーカッション奏者ラルフ・マクドナルド「The Path」をサンプリングしたリード・トラック「What's That Perfume That You Wear?」ほか、彼のしっとりとした歌声が活きるアコースティックな楽曲も聴きものです。
(同じ北欧のアーティスト、ディラン・モンドグリーンの声にも似ていますね。)

ボーナストラック4曲をダウンロードできるコードが付いた国内盤(HSE-6378)も4/5発売予定です。東尾沙紀


2017年3月21日(火) ビーチ・ボーイズ 「サーファー・ムーン」

小山台高校脇の道に1本だけある早咲きの桜。林試の森にある早咲きの桜。
どちらも散り始めていますが、普通の桜の開花がもうすぐというニュース(気象庁では3月24日頃とのこと)が伝わってきています。

もうすぐ春といえば、もうすぐ夏も近いということで、今日はビーチ・ボーイズ。

<今日のこの1曲>に、僕としては今年初めてビーチ・ボーイズについて書くような気がしますが、動機は『NIAGARA 45RPM VOX』に入っていた多羅尾伴内楽団によるインスト「サーファー・ムーン」を聴いたことです。

「サーファー・ムーン」は1962年ボブ&シェリに提供したブライアン・ウィルソン初期の名曲と言っていいでしょう。

アメリカではアルバム『サーファー・ガール』に収められていただけでしたが、日本では1964年「夢のハワイ」B面として「サーファー・ムーン」はシングル化されています。

この曲の歌詞に
♪Blame It All On The Surfer Moon♪
というフレーズが出てくるのが気になりますね。

「Blame It On The Bossa Nova」(恋はボサノヴァ)は1963年1月にヒットし始めています。
ボブ&シェリ「サーファー・ムーン」は1962年10月発売ですが人知れずの状態だったので偶然だとは思いますが...。

「サーファー・ムーン」 ~ 「恋はボサノヴァ」 ~ 「恋はメレンゲ」がぐるぐる頭の中を回り出しました。森 勉


2017年3月22日(水) Bobbi Boyle 「Spring Can Really Hang You Up The Most」

風は肌寒いものの、春らしい陽気になってきましたね。

青い空を店内から眺めながら、昼間に最近よく聴いているお気に入りの1枚。

ボビイ・ボイル『ア・デイ・イン・ザ・ライフ (+2)』
(国内CD 日本語解説付 ボーナス・トラック2曲追加 MZCF-1335 2,400円+税)

Bobbi Boyleは1931年アメリカ/ボストン生まれの女性ジャズ・ピアニスト/シンガー。
60年代ロサンゼルスへ拠点を移し、Encino Recordsから1967年発表した1stアルバムが今作です。

ジミー・ウェッブ作フィフス・ディメンションで有名な「Up Up And Away」(ビートでジャンプ)で幕を開け、同じくジミー・ウェッブ作「By The Time I Get To Phoenix」(恋はフェニックス)、ロジャ・ニコ名曲「Love So Fine」、バカラック作「This Girl's In Love With You」などをゴキゲンなアレンジでカヴァー。

Ron Anthony(G)、Chris Clark(B)、Chuck Piscitello(Dr)という無名のバック・メンバーながら、ジャジーかつポップな楽曲アレンジ及び演奏は素晴らしいの一語。

ジャズ・ヴォーカルというより、ソフト・ロック好きの方へ大推薦したい作品ですね。

今日のこの1曲はジャッキー&ロイの名唱でも知られる「Spring Can Really Hang You Up The Most」。
軽快に、そしてクールに、なおかつ心地良いキラーチューン♪

ちなみに、「Sad Old World」、「Everybody's Talkin」がボーナス・トラックとして追加収録されています。森 陽馬


2017年3月23日(木) Bobbi Boyle 「Rain Sometimes」

昨日紹介したボビイ・ボイル。
世界初CD化された2ndアルバム『シングス』(オリジナルは激レア!)も取り上げておきましょう。

ボビイ・ボイル『ボビイ・ボイル・シングス』
(国内CD 長門芳郎氏による日本語解説付 MZCF-1336 2,400円+税)

1970年発表今作は、1967年発表1stほどソフト・ロック・アレンジではなく、ジャジーかつしっとりと聴かせる1枚。

ジョージ・ハリスン作「Something」、キャロル・キング作「No Easy Way Down」、バカラック作「I'll Never Fall In Love Again」、ブレンダ・ハロウェイ作「You've Made Me So Very Happy」、ウイ・ファイヴやヤングブラッズのヒットで知られるディノ・ヴァレンテ作「Get Together」等、通好みな選曲を落ち着いた雰囲気で楽しめます。

今日のこの1曲はラスト8曲目「Rain Sometimes」。

ナンシー・ウィルソンの歌唱でも知られるアーサー・ハミルトン作。

ゆったりと間をとったピアノ、上品なヴィブラフォンの音色。そして情感豊かな彼女の歌声。
じんわりと沁みる、隠れた<雨>名曲ですね。森 陽馬


2017年3月24日(金) Young Rascals 「Good Lovin'」(モノラル)

3月20日全国の民放ラジオで放送された特別番組「We Love Radio」。
皆さんお聴きになったでしょうか?

『山下達郎と星野源のラジオ放談』というタイトルで各放送局・同内容1時間のオンエアーでした。
楽しい放送でしたね。

トークの合間に、「ラジオでかかった衝撃の1曲コーナー」や、この番組でしか聴けないスタジオ・ライヴ音源があったりと、音楽的にもトーク的にも実の多い番組だったと思います。
ラジオの重要性と楽しさも多くの人々に伝わったのではないでしょうか。

星野源がかけた阪神タイガースのオマリー選手による「六甲おろし」が大きな話題になっているようですね。
天下の珍盤・奇盤好きの山下達郎を前に、この曲を選んだ星野源の大胆さに脱帽です。
(サンデー・ソングブックの珍盤・奇盤特集でも、オマリーはまだかかっていない曲でした)

山下達郎が選んだのは、ヤング・ラスカルズ(1968年からヤングが取れてラスカルズ表記になります)。
1966年全米No.1ヒット「グッド・ラヴィン」。

ロックン・ロールの醍醐味を感じる直球ど真ん中という選曲。
気持ち良かったですね。

そんなラスカルズが発表したシングル盤A面・B面すべてを収録したCDが出ました。

The Rascals『The Complete Singles A's & B's』
(輸入2枚組CD 全47曲 Real Gone/RHINO RGM-0518)

1965年から1972年にアトランティックとコロンビア・レーベルから発表された全シングル曲を収録。
シングルということで、ほとんどの楽曲はオリジナル通りのモノラル・ヴァージョン。

「グッド・ラヴィン」を番組でかけた時、山下達郎が力説していたモノがこのCDで聴けます。

なお
「We Love Radio」の放送はラジコのタイムフリーで3/27まで聴けますので、是非お聴きになってみてください。森 勉


2017年3月25日(土) Geyster 「When Love Breaks Down」(プリファブ・スプラウト・カヴァー)

今月中旬発売になった、渡辺亨さん最新著書『プリファブ・スプラウトの音楽 永遠のポップ・ミュージックを求めて』が評判ですね。

お客様から読み応えがあって面白かったとの感想もお聞きし、早く自分も読みたい!と思いつつ、引越の片付けが一段落した後の楽しみにしようと思っています。

書籍発売と同じ頃、プリファブ・スプラウト「When Love Breaks Down」のカヴァーが収録された、ガイスターの新作『With All Due Respect』が日本先行でリリースされました。
(国内CD 金澤寿和監修・解説 PCD-24605 2,400円+税)

ガイスターは99年に男女デュオとしてスタートし、現在はガエル・ベンヤミンのソロ・プロジェクトとして活動しているフランス発AOR/ポップ職人。

ディスコ調①「Easy」に始まり、女性コーラスを交えたメロウな「Emily」や、エレピ・ソロが聴きものの「Higher Lands」など、ソウル色の強いAORや80s好きな方にオススメです。

そしてアルバム最後を締め括るのは、プリファブ・スプラウトのカヴァー。
エレピを主体としたシンプルなアレンジが洒落ています。東尾沙紀


2017年3月26日(日) ジェフリー・フォスケット 「FISH」

ジェフリー・フォスケットが歌う山下達郎作「踊ろよ、フィッシュ」英語詞カヴァーが収録された限定アナログ盤。
4月6日発売決定いたしました!

ジェフリー・フォスケット『FISH/This Could Be The Night』
(国内EP VSEP-822 1,500円+税)

山下達郎1987年発表(ちょうど30年前ですね)シングル「踊ろよ、フィッシュ」に、アラン・オデイが英語詞を付けた「FISH」。

現在はビーチ・ボーイズ正式メンバーとして活躍しているジェフリー・フォスケット。
1996年発表アルバム『Thru My Window』で好評を博し、彼の近作にも収録の人気曲が初アナログ化です。

なお、B面には山下達郎もカヴァーしている音壁名曲「This Could Be The Night」(フィル・スペクター/ハリー・ニルソン作)カヴァーを収録。

鮮やかなスカイブルーカラー盤(予定)限定プレス!
延期に次ぐ延期の間に予約も多く入っております。お早めにどうぞ。森 陽馬


2017年3月27日(月) ラヴノーツ 「ベイビー・ベイビー・ユー」(ユー・ベイビー)

バリー・マン&シンシア・ワイルが作った楽曲を集めたコンピレーションCDが新しく発売されました。

『オン・ブロードウェイ ~ザ・ソングス・オブ・バリー・マン&シンシア・ワイル』
(国内仕様CD BSMF-7529 2,500円+税)

2009年、2013年にACEレーベルから同様のCDが出ましたが、今回はPLAYBACKというレーベルからです。
ACEレーベルの編集を踏まえた作りで、前のとはダブリがありません。
ブックレットも32ページ、アーティスト写真&解説(英文)も充実。
全28曲、さすがバリー・マン・ブランドの曲という感じで、マニアックな選曲ながら全編楽しめる内容です。

テリー・ナイト「カム・ホーム・ベイビー」、5A.M.イヴェント「ハングリー」、シレルズ「ザ・ゴスペル・トゥルース」、アールズ「リメンバー・ミー・ベイビー」、キース・パウエル「グッバイ・ガール」、トゥワイス・アス・マッチ&ヴァシュティ「コールデスト・ナイト・オブ・ジ・イヤー」(なんと、あのヴァシュティ・バニヤンの若き日の貴重なコラボ!)、チャック・デイ&ヤング・ジャイアンツ「朝日のない街」など、何回もリピートしたくなる曲がめじろ押し。

5曲目「ベイビー・ベイビー・ユー」はイントロを聴いてびっくり!
ビーチ・ボーイズ「ユーアー・ソー・グッド・トゥ・ミー」にそっくり!
このCDって、ブライアン・ウィルソンの作品集じゃないよね、、、。

似ているのはイントロだけですが、ビーチ・ボーイズ・ファンなら反応してしまうことでしょう。

なお、この「ベイビー・ベイビー・ユー」というタイトルは、おそらくこのラヴノーツだけが使ったタイトルで、一般的には「ユー・ベイビー」として知られている曲です。

ロネッツが最初に歌い、ラヴィン・スプーンフル、レン・バリーなどのカヴァーでも知られる曲ですが、このガール・ポップ・グループ、ラヴノーツのヴァージョンはかなり個性的で面白いアレンジになっています。森 勉


2017年3月28日(火) エルヴィス・プレスリー 「Too Much Monkey Business」

ACEレーベルの人気コンピ、ソングライター・シリーズ。
2017年3月18日、90歳で逝去したチャック・ベリー編が発売中。

V.A『ロックンロール・ミュージック!~ソングズ・オブ・チャック・ベリー』
(国内仕様CD 英文解説対訳付 PCD-17762 2,700円+税)

<ロックンロールの祖>と言われるチャック・ベリー。
「Rock And Roll Music」、「Johnny B, Goode」、「Roll Over Beethoven」、「Sweet Little Sixteen」、「Memphis」、「Maybelline」、「Too Much Monkey Business」、etc...

カントリー、ブルース等のルーツを基に<チャック・ベリー・スタイル>を築いた名曲群。
「Memphis」等、全ての楽器を一人多重録音で制作した楽曲もあると言われており、この作品集を聴くと<シンガー・ソングライターの祖>でもあることを実感できます。

そんな彼の楽曲はビートルズ含め他アーティストにカヴァーされることで有名になったものも多いのですが、この編集盤CDでは、埋もれていた質の高いチャック・ベリー・カヴァーを厳選して全24曲収録。

今日のこの1曲は、ロックン・ロールのキング、エルヴィスが歌った「Too Much Monkey Business」を。
エルヴィス・プレスリーが徴兵から戻り復活した1968年『カムバック・スペシャル』の頃に録音されたナンバー。

なお、チャック・ベリーは2016年10月自身90歳の誕生日に、2017年新作をリリースする、と宣言していました。
果たして新作(遺作)は出るのでしょうか? 森 陽馬


2017年3月29日(水) バッキンガム・ニックス 「Frozen Love」

2017年3月は注目の再発盤が色々出ていますが、その中でも“目玉”と言えるこの1枚!

バッキンガム・ニックス『Buckingham Nicks』
(国内仕様CD 限定紙ジャケット仕様 日本語解説付 2,700円+税)

フリートウッド・マックのリンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスが、バンド加入前の1973年にデュオでリリースした唯一のアルバム。

当時はカップルで仲睦まじかった二人。
しかしながら現在は袂を分かち活動しているせいか、ずーーっとCDは出ていませんでした。

スティーヴィー・ニックスの弾けるような魅力と、リンジーの原点的な音楽愛が伝わってくる隠れた名作。
ジム・ケルトナー、ワディ・ワクテル、ホルヘ・カルデロン等も参加。

韓国発レーベルBIG PINKからの再発盤ということで、本当に二人の許諾を得て制作したかは?な感じですが、貴重ライヴ音源などボーナス・トラック11曲追加されたこの作品をCDで聴けるのはうれしいですね。

今日のこの1曲は、7分を超える力作⑩「Frozen Love」。
ミック・フリートウッドが当時この曲を聴き、フリートウッド・マック加入のきっかけとなったそうです。森 陽馬


2017年3月30日(木) Stone Foundation 「Your Balloon Is Rising feat. Paul Weller」

ポール・ウェラー、ソロ13枚目となる新作『A KIND REVOLUTION』が5月12日に本国でリリースされると、本日公式サイトでアナウンスされました。

P.P.アーノルド、マデリン・ベル、ロバート・ワイアット、ボーイ・ジョージ等が参加しているそう。
近作の実験的なサウンドの延長か...? 楽しみ半分と不安半分。期待して待ちたいと思います。

ウェラー最近のお仕事として、この作品が本日入荷しました。

2015年6月19日今日のこの1曲で取り上げた、ホーン・セクションを擁したUKの白人ソウル・バンド、ストーン・ファンデーション。
約2年ぶりとなる新作『Street Rituals』は、ポール・ウェラーがプロデュースを担当しています。
(国内CD 宮子和眞氏による解説付 PCD-24602 2,400円+税)

バラード「Your Balloon Is Rising」でメイン・ヴォーカルを務める他、コーラスやギター、ピアノその他の楽器で全面的に参加。スタイル・カウンシル~ソロ初期を感じさせる楽曲も。
録音もウェラー所有のスタジオが使用されています。

ベテラン・ソウル・シンガー、ウィリアム・ベルとベティ・ラヴェットもヴォーカルでゲスト参加。
ソウル愛がひしひしと伝わるナンバーがどれも味わい深く、渋味のあるアルバムになっています。

2017年5月末にはブルーノートで初の単独公演も予定されています。東尾沙紀


2017年3月31日(金) アート・ガーファンクル 「In Cars」(美しき若葉の頃)

様々な人にとって、その人それぞれの出会いと別れがある季節。
冬から春へと変わるこの時期、救いを求めるように聴きたくなるこの1曲。

アート・ガーファンクルが歌うジミー・ウェッブ作「In Cars」(美しき若葉の頃)

アート1978年発表作『ウォーター・マーク』ジャケット写真も手掛けた女優/写真家ローリー・バード。
二人は恋に落ち、愛し合っていたはずなのに1979年6月彼女は自殺してしまう。

別れ、悲しみ、孤独。
あらゆる切ない感情を胸に秘め歌われたのがこの曲。
1981年発表作『シザース・カット』からのナンバーだ。

二度と戻らない想い出の中にある彼女の姿。
リア・カンケルのコーラス、ポール・サイモンの儚い歌声、夢の中へ誘うようなフリューゲルホルンの音色。

そして、ラストにはサイモン&ガーファンクル名曲「スカボロー・フェア」の一説が歌われる。
♪Remember me to one who lives there. She once was a true love of mine♪

長いようであっという間だった3月も終わり、明日から新しい月が始まる。
この曲を聴き終えれば、春はもうすぐそこにあるはずだ。森 陽馬


★掲載ジャケットはアート・ガーファンクル1981年発表作『シザーズ・カット』。
アート・ガーファンクルベスト盤『シンガー』、輸入5CD『Original Album Classics』等にも収録。




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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