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  今日のこの1曲 “Archives”

<2015月6月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2015年6月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2015年6月1日(月) ウワノソラ'67 「年上ボーイフレンド」

5月30日テレビ東京で放送された『アド街ック天国』。
ご覧になられた方から多くの反響をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

テレビの影響は絶大で、いつもより人出が多く、牛太郎やnemoには行列ができていました。

TVで紹介された店以外にも、武蔵小山には良い店がたくさんあります。
人それぞれお気に入りの<武蔵小山名所>を探してみてください。

(個人的には、アマメリア・エスプレッソ(コーヒー店)、ジャズ喫茶fat mama、インドネシア料理cabe、Gina(bar)、珈琲さいとう(ホットケーキ美味)、パティスリー・トゥルモンド(ケーキ屋)、吉良(そば)、浜田屋などもお気に入りです)

さて、今日から6月ですが、当店一番のオススメ6月新譜はなんといってもこれです!

ウワノソラ'67『Portrait in Rock'n' Roll』
(6月10日発売 UWAN-001 3,000円+税)

5月8日の今日のこの1曲でも紹介しましたが、この作品は本当に素晴らしい!

「シェリーに首ったけ」に続き、
「年上ボーイフレンド」という曲のPVがネット上にアップされましたので是非お聴きください。

「ペパーミントブルー」を意識したというこの曲が一番ナイアガラ色が濃いかもしれませんが、ただ単にナイアガラ・サウンドを模写したのではなく、角谷博栄さんの中に取り込まれた様々なフェイヴァリット・ミュージックから生まれた愛あるオリジナル楽曲に仕上がっているのが見事!

ストリングス含め生演奏で作られたサウンド・アレンジは、数あるフォロワーと比べても群を抜いています。

当店のみの特典としてオリジナル・マグネット付!
更に、角谷博栄さんへの独占インタビューをまとめた特製リーフレットも必読です。森 陽馬


2015年6月2日(火) Neil Young 「Cortez The Killer」

ニール・ヤングの2015年新作オリジナル・アルバム、国内盤が7月29日発売決定しました。

ウィリー・ネルソンの息子2人(ルーカス&マイカ・ネルソン)が在籍しているバンド、Promise Of The Realと組んだアルバム『The Monsanto Years』。
(CD+DVD WPZR-30662 3,124円+税)

遺伝子組換作物や農薬を販売している大手企業モンサント社への抗議を示した内容だそうです。
一企業を糾弾するためにアルバム作って、タイトルにも冠してしまうなんて凄いですね。

さて、ロック魂健在のニール、1986年ライヴ音源が本日入荷してきました。

ニール・ヤング『ライヴ1986』
(国内CD VSCD-3267 2,600円+税)

『COW PALACE 1986』というブートっぽいライヴ盤が数年前出ましたが、その盤ではカットされていた「Cinnamon Girl」を追加し、音質を向上させた2枚組CDです。

「Mr.Soul」から始まり、「Cinnamon Girl」、「When You Dance」、「Down By The River」、「Heart Of Gold」、「After The Gold Rush」初期名曲から、「Hey Hey My My」、「Like A Hurricane」、「Prisoners of Rock'n'Roll」などほぼベスト選曲。

1987年発表作『LIFE』前ということで『LIFE』収録曲も入っていますが、ロックなニールがお好きな方なら楽しめることうけあい!のライヴ盤です。

今日のこの1曲は、40年前の1975年発表隠れた名盤『ZUMA』に収録されている「Cortez The Killer」。
ニールの長尺ナンバー真骨頂! 後半少し早くなるライヴ・ヴァージョンもかっこいい!森 陽馬


2015年6月3日(水) ASH 「Moondust」

フジロック2015に来日が決まっているアイルランド3人組ポップ/ロック・バンド、ASH。

ブリット・ポップ・ブームの最中、10代でデビューした3人もキャリア20年越え!

CDとして出すアルバムは最後だと宣言した前作から約8年、新作が久々にリリースになりました。
(『カブラーモ!』 国内CD OTCD-4411 2,300円+税)

その間、配信や7インチで1年間に26曲を発表するプロジェクトや、フロントマンのティム・ウィーラーのソロ作などもあったので、活動形態は変わりつつも、精力的にファンに音源を届けてくれていました。

6作目となる今作もハード・ロック好きの彼等らしい疾走感あるパワー・ポップ・ナンバーが満載♪
ライブで盛り上がりそうな元気な曲は勿論、ストリングスを取り入れたティムの優しい歌声が映える美しいメロディのバラードも良い曲です。

日本盤はボーナス・トラック4曲追加、解説/歌詞/対訳(28Pブックレット)付きです。東尾沙紀


2015年6月4日(木) エレクトリック・フラッグ 「テキサス」

音楽の無限の可能性を感じさせてくれる作品が1960年代中期にはたくさん発表されました。

その中には現在でも多くの人々に聴かれている名盤もあれば、残念ながら忘れ去られてしまっている隠れた名盤もあります。

今日はそんな後者の中に含まれていますが、僕にとっては忘れられないグループを紹介したいと思います。

1967年モンタレー・インターナショナル・ポップ・フェスティヴァルでデビューし話題になった3人のブラス隊含む8人組、エレクトリック・フラッグ。

自らをアメリカン・ミュージック・バンドと定義し、ロック、ブルース、R&Bを基調としながらも、60'sらしいサイケな雰囲気を漂わせている曲やブラス・ロック先駆け的な曲も得意としていました。

メンバーはポール・バタフィールド・ブルース・バンドを脱退したばかりのマイク・ブルームフィールド(ギター)を中心に、バリー・ゴールドバーグ(キーボード)、ハーヴェイ・ブルックス(ベース)、バディ・マイルス(ドラムス)、ニック・グラヴィナイテス(ヴォーカル)など。

このアルバム『ア・ロング・タイム・カミン』は1968年春発表。
(国内CD 完全限定盤 SICP-20438 2,095円+税)

シングル・ヒットがなかったためになかなか語られることがないアルバムですが、メンバーが一丸となって畳み掛けてくる演奏は迫力タップリ。

「テキサス」はブルームフィールドのギターがフィーチャーされたブルース・ナンバーです。森 勉


2015年6月5日(金) CTA 「Take Me Back To Chicago」

シカゴ、タワー・オブ・パワー、AOR好きの方は要チェック!

「長い夜」などのヒットで知られるバンド、シカゴ。
そのオリジナル・ドラマーだったダニー・セラフィンが、マーク・ボニーラというギタリストと組んだ新ユニットがこのCTAです。
(“カリフォルニア・トランジット・オーソリティ”の略)

彼らの2013年発表アルバムが、金澤寿和氏による監修・解説、ボーナス・トラックを2曲(ジム・ボジア作「Several Thousand」含む)追加し国内発売されました。
(国内CD CTA 『セイクリッド・グラウンド』 PCD-25179 2,500円+税)

シカゴ好きの方なら安心して聴ける楽曲&サウンド。
オリジナル曲中心ですが、シカゴ「Take Me Back To Chicago」、「Hard Habit To Break」(Live)、ブラッド・スウェット&ティアーズ「I Love You More Than You'll Ever Know」カヴァーもやってます。

タワー・オブ・パワーのヴォーカリストを近年まで務めていたラリー・ブラッグスが迫力ある歌声を披露しているのも聴きどころ。

ビル・チャンプリンと息子ウィル・チャンプリンもヴォーカル参加しています。森 陽馬


2015年6月6日(土) Angela Moyra 「Poppin'」

ノラ・ジョーンズ+ジャック・ジョンソン的!?

洋楽女性シンガーで大好評&ロングセラー中のこの1枚。

アンジェラ・モイラ『フィックル・アイランド』
(国内CD 歌詞・対訳付 ボーナス・トラック2曲追加 ZLCP-245 1,800円+税)

サンフランシスコ出身女性シンガー・ソングライターで、今作がデビュー・アルバム。
爽やかで優しい歌声とアコースティック・サウンドが心地良い全14曲。

冒頭にノラ・ジョーンズ+ジャック・ジョンソン的と書きましたが、声質はエディ・リーダーにも似ていますね。

10曲目「Poppin'」は、♪ねぇ踊りましょうよ ヘルツァポッピンみたいに♪という歌詞が出てくる1曲。
(ヘルツァポッピン(Hellzapoppin)とは、1938年ブロードウェイ・ミュージカルで初演され、1941年映画化されているドタバタ・コメディ作品のこと。日本では馴染みがありませんが、若い彼女が歌っているくらいですから、アメリカでは古典として有名なのかもしれませんね。)

ちなみに国内盤ボーナス・トラックには、ミニー・リパートンの名曲「ラヴィン・ユー」カヴァーも収録されています。森 陽馬


2015年6月7日(日) ikkubaru 「Highway」

2015年2月25日に今日のこの一曲コーナーでご紹介したインドネシアの男性4人組バンド、イックバル。

山下達郎、角松敏生、80'sシティ・ポップ・ファン必聴!のロングセラー1stアルバム『Amusement Park』が、日本企画で限定アナログ化、6月24日に発売されます。

アナログのジャケットは、永井博さんが描き下ろし!
彼らの故郷バンドンのランドマークである<Pasupati>という橋が描かれた素敵なジャケットです♪

来週には、福岡・神戸・大阪・東京2か所を廻る初来日公演もスタート。
星野みちるさん、TWEEDEES、クニモンド瀧口、tofubeats、スカート、Neggico、平賀さち枝などなど共演アーティストも様々で、各所盛り上がりそうですね。

今日の一曲はジャケットのイメージにぴったり都会的なナンバー「Highway」を。東尾沙紀

2015年6月8日(月) ウワノソラ 「摩天楼」

6月9日(火)、当店大推薦の1枚!ウワノソラ'67『Portrait in Rock'n'Roll』がいよいよ店頭販売開始されます。

80年代大滝詠一『A LONG VACATION』
90年代小沢健二『Life』
00年代マイクロスター『microstar album』

ウワノソラ'67の今作は上記と並び2010年代を代表する日本ポップス名作として語られることになるでしょう。

その希代の名作発売の前に、ウワノソラ名義でリリースされたレコード・ストア・デイ限定アナログ盤を売切れる前に紹介しておきたいと思います。

ウワノソラ『摩天楼/恋するドレス』
(国内EP 限定アナログ THEP-352 1,600円+税)

いえもとめぐみ、角谷博栄、桶田知道による3人ユニット、ウワノソラ。
2012年11月結成。2014年7月23日発表した1stアルバム『ウワノソラ』からのアナログ・シングル・カットです。

ウワノソラ'67が<ナイアガラ/ウォール・オブ・サウンド/60'sポップス的>と表現するなら、ウワノソラは<山下達郎/シティ・ポップ/フリーソウル的>という感じでしょうか。

当店作成インタビューリーフレットによると、角谷博栄さん永遠の愛聴盤は、山下達郎『SPACY』とビーチ・ボーイズ『PET SOUNDS』とのこと。

A面「摩天楼」、B面「恋するドレス」。
どちらもサウンド・アレンジを手掛けている角谷博栄さんの山下達郎愛が伝わってきます。森 陽馬


2015年6月9日(火) ウワノソラ 「雨降る部屋で」

ウワノソラ'67『Portrait in Rock'n'Roll』、本日店頭販売開始いたしました。
(国内CD 当店のみの特典マグネット付 UWAN-001 3,000円+税)

収録曲はすでに100回は聴いたと思いますが、何度聴いても飽きませんね。
聴く度に新しい音や発見があります。

まさに<21世紀の『ロング・バケイション』>という感じでしょうか。

当店作成発売記念リーフレットに掲載した角谷博栄さんへのインタビュー。
幅広いルーツや音楽愛、そしてレコーディングの苦労が伝わってきます。

6曲目「Hey×3・Blue×3」で聴ける鐘の音は、奈良にある興福寺へ卒業式を休んで録音しに行ったこと。

10曲目「レモンビーチへようこそ」冒頭の波の音は、鳥取までわざわざ行き波の音を録音。

7曲目「Station No.2」で聴けるカスタネットは、真冬の部室で40回の録音をし8時間かかったこと。

他にもナイアガラ道を引き継いだ逸話がございます。アルバムを聴きながらご覧いただければ幸いです。
(リーフレットはお買い上げでなくても、店頭でご自由にお持ちいただけます)

今日のこの1曲は、4曲目「雨降る部屋で」。

角谷さんも僕も大好きな8分の6拍子(ハチロク)バラード・ナンバー。
ビーチ・ボーイズな感じを出したくて作った1曲だそうです。森 陽馬


2015年6月10日(水) シビル・シェパード 「スピーク・ロウ」

読売ジャイアンツの外国人選手マイコラス投手が来日初完封勝利を先日収めました。

その時スポーツ新聞の片隅に載っていた彼の奥さんの写真を見てビックリ!

シビル・シェパードにそっくりなんです。
というわけで、今日はシビルの歌声を聴きましょう。

シビル・シェパードと言えば、1970年代『ラストショー』、『タクシー・ドライバー』などの映画で人気を博し、1980年代はテレビ・ドラマ『こちらブルームーン探偵社』で共演ブルース・ウィリスと共に日本でも知られるようになった女優さんです。

女優と言えども彼女は歌もなかなかのもの。
聴く者をやさしく包んでくれる品のある声がジャズ演奏の中に映えています。

このアルバムは以前『マッド・アバウト・ザ・ボーイ』というタイトルで出ていて、ジャケットも何種類かありましたが、現在は『シビル・ゲッツ・ベター』というタイトル及びこんなジャケットで出ています。
(国内仕様CD OTCD-3852 2,100円+税)

タイトル通りあのスタン・ゲッツがソフトな音色のテナー・サックスをたっぷりまぶしてくれています。

ということで、シビル・シェパードを思い出させてくれたマイコラス投手夫人にありがとう。森 勉


2015年6月11日(木) 大貫妙子と小松亮太 「愛しきあなたへ」

シュガーベイブ『ソングス』40周年ということは、大貫妙子さんもデビュー40周年ということになります。

その記念すべき2015年。
バンドネオン奏者小松亮太と組み、久々の新作アルバム『Tint』を発表しました。
(大貫妙子と小松亮太『Tint』 SICL-275 2,800円+税)

2人の初共演は、大貫妙子2000年作『アンサンブル』の時。
それからもステージ上で何度か共演していますが、2人名義のフル・アルバムは初。

出会ってから15年間、熟成させた味わいを感じさせる1枚に仕上がっています。

1973年生まれの小松亮太は小学生の頃から大貫妙子さんが書く曲が好きだったとのこと。

タンゴというと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのストリングス隊、そしてピアノ、ギター、コントラバス等の楽器とも調和し、大貫さんの独特な歌声をうまく引き立てていますね。
(ちなみに『Tint』は英語で“色彩の配合”の意)

今日のこの1曲は、2014年NHKFM『ラジオ深夜便』テーマ曲としても使われた「愛しきあなたへ」。

大貫妙子さんらしい作詞・作曲に、小松亮太による絶妙なアレンジ。
軽やかな始まりから徐々にストリングスが加わり、3分過ぎバンドネオン・ソロからの展開は感動的です。

大貫さんの歌声もいつになく情熱的に伝わってきますね。森 陽馬


2015年6月12日(金) ヴィニシウス・カントゥアリア 「あなたなしでは生きられない」

梅雨入りして蒸し暑い日が増えてきましたね。

そんなジメジメした日に聴きたい梅雨BGMオススメの1枚。

ヴィニシウス・カントゥアリア『ジョビンを歌う』
(国内CD SONGX028 2,500円+税)

ニューヨークを拠点に活動しているブラジル人シンガー・ソング・ライター、ヴィニシウス。

新しいジャズの形を提示し良質な作品をリリースしている日本発レーベル、SONG X JAZZ(ソング・エクス・ジャズ)によるオリジナル企画の新作です。

ブラジルの名音楽家アントニオ・カルロス・ジョビン作を歌ったアルバム。
ジョビン20周忌に合わせ2013~2014年東京/ニューヨーク/リオにてレコーディング。

ジョビン楽曲の彼らしいシンプルかつ深い解釈が滋味豊かなコーヒーのように味わえる全13曲。
上品かつ清廉なボサノヴァ・アルバムとして末永く聴ける仕上がりです。

今日のこの1曲「Eu não existo sem você」は<あなたなしでは生きられない>の意。
坂本龍一がピアノで参加しています。森 陽馬



2015年6月13日(土) Robin Ward 「Winter's Here」

オールディーズ好きの方にオススメ!
英国ACEレーベル編集!マニアック&ディープなコンピこの1枚。

V.A『SECOND HELPINGS』
(国内仕様CD 英文解説の日本語対訳付 CDSOL-8358 2,800円+税)

オールディーズ大ヒット曲の続編/アンサー・ソング的な楽曲を集めたオムニバスCD。

・・・この説明だとよくわからないと思いますが、例えばバディ・ホリー1957年ヒット曲「Peggy Sue」。
その続編として1966年Buddy Holly with The Fireballs名義で「Peggy Sue Got Married」という曲を発表しています。
(このコンピではその「Peggy Sue Got Married」の方を収録)

他にも、クレスツのドゥーワップ名曲「16 Candles」→「You Blew Out The Candles」。
ブッカーT&MGsのインスト名曲「Green Onion」→「Mo' Onions」。
マーシー・ブレーンのガール・ポップ名曲「Bobby's Girl」→「Bobby Did」。
ジェイ&アメリカンズ「She Cried」→「It's My Turn To Cry」。
マーヴェレッツ「Please Mr Postman」→「Twistin' Postman」。
ポール・アンカ「DIANA」→「Remember Diana」等々、タイトルだけでも面白い楽曲が全24曲楽しめます。

今日はその中から超レアなこの1曲。

オールディーズ夏の名曲として有名なロビン・ワード「Wonderful Summer」。
その続編/冬版とも言えるナンバーがこの「Winter's Here」。

メロディーや音の雰囲気はビルボード・チャート14位まで上がった「Wonderful Summer」と同じ感じ。
しかしながら、1964年シングル・リリースされた「Winter's Here」は最高123位と全然ヒットしなかったようです。

夏が近づくと「Wonderful Summer」を聴きたくなるというオールディーズ・ファンの方。
「Winter's Here」も合わせてお楽しみください。森 陽馬


2015年6月14日(日) THE CYRKLE (サークル) 「Turn Down Day」

約1か月前(2015年5月12日)、クラシックス・フォーを今日のこの1曲で取り上げた時に、アメリカン・ビート・グループのCDがなかなか国内発売されない、と残念がっていたら、うれしいことにサークスのファーストとセカンド・アルバムが1,300円+税という低価格でソニーから発売されました。

ボーナス・トラック入り、解説・歌詞・対訳付という日本盤ならではの心遣いもうれしいところです。

サークルは1966年色々な話題を持ってデビューしました。

まず、ビートルズのマネージャーであったブライアン・エプスタインがマネージメントを引き受けたこと。
バンド名はジョン・レノンが考えたこと。
そして、デビュー曲「レッド・ラバー・ボール」はサイモン&ガーファンクルのポール・サイモン作であったこと。

そんな強力な後押しがあって「レッド・ラバー・ボール」は1966年7月全米2位のヒットとなりました。
(皮肉にも全米No.1を阻んだのは、ビートルズ「ペーパー・バックライター」でしたが・・・)

今日のこの1曲はセカンド・ヒット「ターン・ダウン・デイ」。

♪It's much too groovy a summer's day♪
という歌詞で始まる夏の歌です。

シタールの音がいい効果を上げています。

アルバムのプロデュース&アレンジはジョン・サイモンでした。森 勉

★掲載ジャケットはファースト・アルバム『レッド・ラバー・ボール』
(国内CD ボーナス・トラック8曲追加 解説・歌詞・対訳付 SICP-4453 1,300円+税)


2015年6月15日(月) THE CYRKLE (サークル) 「It Doesn't Matter Anymore」

昨日に続いてサークルです。

今日は1967年発表セカンド・アルバム『ネオン』に入っていた曲です。
(国内CD ボーナス・トラック18曲追加 解説・歌詞・対訳付 SICP-4454 1,300円+税)

「It Doesn't Matter Anymore」
シングルにはなりませんでしたが、なかなかの力作だと思います。

曲を作ったのはバート・バカラック&ハル・デヴィッドで、リッキー・ネルソンが最初に歌ったのがオリジナルです。

サークルのヴァージョンは、ジョン・サイモンが弾くピアノと軽快なドラミング(ハル・ブレイン?)を全面に押し出した力強く聴き応えのあるアレンジになっています。

なお今回のCDにはボーナス・トラックが18曲も追加!
当時このアルバム発売後にシングルとして出た曲やCM曲も収録されています。森 勉


2015年6月16日(火)Elvis Costello And The Attractions 「(The Angel Wanna Wear My) Red Shoes」

アダム・サンドラー主演映画『靴職人と魔法のミシン』を先日観ました。

小さな靴修理店を営む主人公が壊れてしまった愛用のミシンの代わりに、物置にしまってあった先祖代々の旧式ミシンで修理し何気なく履いてみると、靴の持ち主になれることを発見。そこからさまざまな人物になりすまし、ドタバタと展開していくコメディー/ファンタジー映画。

オチが個人的にはちょっと?な展開ではありましたが、クスッは勿論、ホロッと涙させる場面もあり、不思議だけど楽しい作品でした。

ダスティン・ホフマン、スティーヴ・ブシェミ、エレン・バーキンなど、脇を固める俳優陣も何気に豪華です。

映画とは関係ないのですが、靴が沢山出てくる映画だったので、靴が付く曲が何かないかなと考えて最初に思いついたのがこの曲。

エルヴィス・コステロ「(The Angels Wanna Wear My) Red Shoes」。

1977年1stアルバム『マイ・エイム・イズ・トゥルー』収録の初期コステロらしい小気味よいサウンド。
コーラスも印象的な一曲。

掲載ジャケットはエルヴィス・コステロの初作から11枚目までのアルバムから、自身で選曲した22曲入りベスト盤です。東尾沙紀


2015年6月17日(水)ジェイムス・テイラー 「Before This World/Jolly Springtime」

ジェイムス・テイラー、13年ぶり新作オリジナル・アルバム『Before This World』が本日発売。
(国内CD ボーナス・トラック3曲追加 天辰保文氏による解説、歌詞・対訳付 UCCO-1157 2,600円+税)

2002年発表前作『October Road』はジェイムス・テイラーの数多い名作中でも僕が一番好きなアルバム。
それから13年間、カヴァー・アルバム、クリスマス・アルバム、ライヴ盤等もリリースし、各々聴き所はありましたが、『October Road』の崇高さには及ばないな、と正直感じていました。

そして満を持してリリースされた今作『Before This World』。
これが期待通り、いや期待以上に素晴らしい仕上がり!

ジェイムス・テイラーにしか出せないギターの響き、優しい歌声、そして深みのある楽曲。

特に8曲目「Before This World/Jolly Springtime」。

♪この世界が今ある世界になる前 大地も海もまだ生まれる前
光り輝く星たちがまだ創られる前 愛する小さきもの愛しきもの
すべてをわかったふりが誰にできよう ~ この道の行く手 誰に推測できよう ~
だから愛そう 後回しにしないで 世界も年をとった いつまでももたない
僕らの喜びは 過ぎて行った時間にある さあ行こう さあ行こう♪
(「Before This World」歌詞 丸山京子氏対訳より抜粋)

彼が歌へ託している想い。
それが凝縮した1曲だと思います。

スティングのコーラス、ヨーヨーマによるチェロから、Jolly Springtimeのパートへ移る部分。
不思議と子供の頃の記憶へと誘われ、何とも言えない心持ちになるのです。森 陽馬


★当店のみの先着特典!ジャケット・デザイン・マグネット付!

★6月22日(月)当店地下アゲインにて、天辰保文氏をお迎えしJTトーク・イベントを開催いたします。

6月22日(月)18時半開場 19時半開演
PET SOUNDS RECORD presents
『天辰保文 Talking Man Vol.1 ジェイムス・テイラー特集』
カフェ・アゲイン 入場料1,500円 限定40名


2015年6月18日(木)ジェイムス・テイラー 「Up On The Roof」

6月22日(月)天辰保文氏トーク・イベント『Talking Man Vol.1 ジェイムス・テイラー特集』。

そのイベント配布用に、天辰保文さんへJTに関するアンケートを行い、リーフレットを作成いたしました。

天辰保文さんが選ぶジェイムス・テイラーベスト3は?
乞うご期待。

さて、蛇足ながら僕が一番好きなジェイムス・テイラーのアルバムは2002年作『オクトーバー・ロード』なのですが、一番好きな歌というと、、、。
うーーーん、少し悩みますが、「Up On The Roof」でしょうか。

キャロル・キング作カヴァーですが、ジェイムス・テイラーが歌うヴァージョン、好きなんですよね。

ジェイムス・テイラーのアルバム中最も人気がない?1979年作『フラッグ』に収録。
(国内CD 紙ジャケット仕様 VSCD-9149 2,500円+税)

キャロル・キング&ジェイムス・テイラーによる2010年来日公演。
キャロルの弾き語りからジェイムスの温もりある歌声に引き継がれるヴァージョンも印象深いです。森 陽馬


2015年6月19日(金) Stone Foundation feat Dr.Robert 「A Love Uprising」

フジロック・フェスティヴァル2015出演!
英国、ソウル、モッド好きな方注目のバンド、ストーン・ファンデーション。

彼らはイギリス中部ウォリックシャーを拠点とする8人組白人ソウル・グループ。
(公式では8人のようですが、ジャケットには9人。よく見ると何気に猫ジャケです。)

これまでに5枚のアルバムを発表。
6作目で日本デビュー盤となる新作『A LIFE UNLIMITED』が先日リリースされました。
(国内CD 日本語解説:宮子和眞 PCD-93915 2,300円+税)

ホーン・セクション、ハモンド・オルガンを擁したじっくり聴かせるタイプの渋いナンバーがずらり。

ポール・ウェラーがカバーで取り上げた事でも知られる黒人シンガー、ノーラン・ポーターや、知る人ぞ知る60年代の米ソウル・グループ、フォー・パーフェクションズ、現役パブ・ロック・シンガー、グレアム・パーカーなどがゲスト参加。

今作で一番アップテンポの「A Love Uprising」には、ドクター・ロバート(ブロウ・モンキーズ)が参加しています。
新旧ブルーアイドソウルの掛け合いがカッコイイ♪

国内盤にはボーナストラックが1曲追加になっていますが、本編最後の「Old Partners,New Dances」でのピアノとトランペットによるインストにもグッときました。沁みます。東尾沙紀


2015年6月20日(土) The Castells 「I Do」

本日はブライアン・ウィルソン73歳の誕生日!
ということで今日のこの1曲。

ブライアン・ウィルソンが作曲したキャステルズのシングル「I Do」は、ビーチ・ボーイズ・ファンのマスト・アイテムとしてちょっとだけ知られていましたが、1993年山下達郎がシングルCD「マジック・タッチ」カップリング曲としてカヴァーしたことで、達郎ファンを含めて広く知られるようになったと思います。

そのキャステルズとそのメンバーであったチャック・ギラード周辺の音源を集めたCDが、オーストラリアのティーンズヴィル・レーベルから出ましたので紹介しておきましょう。
(輸入CD The Castells And Beyond 『1964-1966』 Teensvill Records tv2012)

ゲイリー・アッシャーがプロデュースしたキース・グリーン(ビーチ・ボーイズの「Girl Don't Tell Me」をカヴァーした当時11歳の少年)による6曲や、チャック&ジョー音源5曲、そしてネプチューンズ2曲なども含む全34曲とヴォリュームたっぷり。

もちろんキャステルズ名義の音源もワーナー・レーベルとデッカ・レーベル時代を網羅した全13曲収録。

ボブ・ゴーディオ作「An Angel Cried」、未発表だった「Remember Me Baby」(山下達郎のカヴァーで有名になったバリーマン作品)など、ホワイト・ドゥワップ・グループとしての良さが味わえるものになっています。

なお、CDのラスト34曲目に入っているのはチャック・ギラード作/ゲイリー・アッシャープロデュースによるビバリー・ウィリアムスという女の子のヴォーカル曲。(Beverly Williams「He Hurtin' Me」)
あまり知られていない曲ですが、なんとも60'sらしい良質ガール・ポップの一品です。森 勉


2015年6月21日(日) フランキー・ヴァリ&フォーシーズンズ 「1963年12月」

いよいよ6月25日より渋谷ヒカリエ内シアターオーブでブロードウェイ・ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』公演が始まります。

クリントイーストウッド監督作品として映画化され、日本でも話題となったフランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズの物語のミュージカルです。

宣伝文句は
『涙はやがて、熱狂の渦へ!! 全世界で2200万人を虜にした真実のミュージカル、ついに日本初上陸!』
というものです。

本場アメリカではミュージカル→映画でしたが、日本では逆の映画→ミュージカルの順番。

とにかく楽しみです。
なんといっても、フォー・シーズンズの素晴らしい楽曲がたっぷり聴けるわけですから。

来日する若い演者たちがどんな風に歌い踊ってくれるのか。
2015年6月25日から7月5日までが「あのすばらしき夜」となる日はもうすぐ。

ステージでこの「1963年12月」が歌われる頃には、感激の涙をハンカチで拭っていることでしょう。森 勉

★掲載ジャケットは『ヴェリー・ベスト・オブ・フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ』
(国内CD 期間限定価格 解説・歌詞・対訳付 WPCR-16261 1,200円+税)


2015年6月22日(月) ジェイムス・テイラー 「Sweet Baby James」

PET SOUNDS RECORD presents 天辰保文氏によるトーク・イベント『Talking Man Vol.1 ジェイムス・テイラー特集』。
ご来場いただいたお客様、ありがとうございました。

天辰保文さんの温かいお人柄が伝わるジェイムス・テイラー話。
とても楽しかったですね。

『マッド・スライド・スリム』収録曲の歌詞に関する考察や、マイケル・ブレッカー「寂しい夜」、ミルトン・ナシメント「ドリーム・イン・リオ」等JT参加曲紹介、印象深かったです。

中でも「JTが書いた歌の中で印象に残っている歌詞のフレーズは?」という質問に天辰さんが答えた<「Sweet Baby James」最後のブロック、♪There's a song that they sing♪から始まるところ>のお話。

♪There's a song that they sing when they take to the highway.
A song that they sing when they take to the sea.
A song that they sing of their home in the sky.
Maybe you can believe it if it helps you to sleep. But singing works just fine for me. ♪
ハイウェイに行く時にみんなが歌う歌がある
海に乗り出す時にみんなが歌う歌がある
天国の家を歌った歌だってある
それで安らかな気分になれるなら信じてもいいね。
でも僕の場合はとにかく歌うのがたまらなく気持ちいいんだ。(中川五郎氏による歌詞対訳を抜粋)

「Sweet Baby James」は、ジェイムスの甥(兄アレックス・テイラーの息子James)に捧げた歌と言われています。

世の中色々な歌があり、好みも人それぞれですが、その一つ一つの歌への優しい眼差し。
当時22歳のジェイムス・テイラーが書いた素晴らしい歌ですね。

今までは初期代表曲としてしか聴いていませんでしたが、天辰さんのお話を伺い、新たな想いでこの歌に接することができるようになってとてもうれしいです。

秋頃にまた『Talking Man Vol.2』を行いたいと思っております。
次回の特集は・・・?
是非お気軽にお立ち寄りください。森 陽馬


2015年6月23日(火) Bill Fay 「Underneath The Sun」

天辰保文さんが最近気に入っているアルバムとして紹介してくれた1枚。

Bill Fay 『Who Is The Sender?』
(輸入CD DEAD OCEAN DOC097)

1960年代から活動している英国出身男性シンガー・ソングライター。
近年ウィルコがライヴでカヴァーしたり、ジム・オルークが敬愛しているということで再評価され、2012年約41年ぶりにアルバム『Life Is People』をリリース。
それからあまり間を空けず、約3年ぶりとなる新作『Who Is The Sender?』を今年発表しました。

レイ・デイヴィス所有のコンク・スタジオ録音。
すき間のあるレイドバックした演奏とビルの渋い歌声。

〝英国のトム・ウェイツ”と評したくなる秀作ですね。
(トム・ウェイツほどダミ声ではなく、狂ってもいませんが、空気感がそういう雰囲気なのです。)

静まった夜中、物思いに耽りながら繰り返し聴いていたくなる4曲目「Underneath The Sun」。
チェロ、フレンチホルン、独特なエフェクトも加わった感動的なナンバーを今日のこの1曲に。森 陽馬


2015年6月24日(水) ヴィンス・テイラー&ヒズ・プレイボーイズ 「Brand New Cadillac」

ロックンロール創世記最初の大ヒット曲と言われるビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が多くの人々に支持されてから今年で60年!

それを記念してソニー・ミュージック、ユニヴァーサル・ミュージック、ワーナー・ミュージックの3社から、『レット・イット・ロック~ロックンロール60周年』というタイトルで、2枚組コンピレーションCDが各々発売されました。

先に挙げた3社は昨年12月に発売された『大瀧詠一のジュークボックス』でも共同で企画した経緯があります。
今回大瀧詠一という大きな冠はありませんがなかなかの内容で、ラジオ番組『ゴー・ゴー・ナイアガラ』でかかった曲も多数含まれています。

各社ともCD2枚組全50曲、解説・歌詞・対訳付で2,300円+税。
日本盤ならではの音楽ファンの気持ちを汲みつつもやさしい値段設定です。

今日はまずワーナー・ミュージック編を紹介したいと思います。
(国内CD 2枚組CD WPCR-16481 2,300円+税)

クロウズ「ジー」、コーズ「シュブーン」、メロートーンズ「ロージーリー」などのドゥワップ。
リッチー・ヴァレンス「ラ・バンバ」、ベン・E・キング「スタンド・バイ・ミー」、リトル・エヴァ「ロコモーション」などの大ヒット。
ジョー・ジョーンズ、バリー&ザ・タマレーンズ、プレイメイツなどのマニアックなものも収録されています。

ロックンロールが聴きたい気分の今日は、ヴィンス・テイラー&ヒズ・プレイボーイズ「Brand New Cadillac」。

クラッシュがアルバム『ロンドン・コーリング』の中でカヴァーしたあの曲のオリジナルです。森 勉


2015年6月25日(木) エリック・カズ 「Just Wanna Be Home」

♪僕はただ正直でいたいんだ 僕が知っていた人の思い出に
僕はただいたいだけ きみと一緒にいたいだけ ♪
(Eric Kaz「Just Wanna Be Home」歌詞より)

ボニー・レイットの名唱で有名な「Love Has No Pride」、リンダ・ロンシュタットのカヴァーも印象深い「Cry Like A Rainstorm」を作った男性シンガー・ソングライター、エリック・カズ。

1974年発表『カル・デ・サック』から41年ぶり!
全曲書き下ろしの新作オリジナル・アルバムを発表しました。
(国内CD エリック・カズ『エリック・カズ:41年目の再会』 解説・歌詞・対訳付 SLCD-1018 1,990円+税)

1曲目「Just Wanna Be Home」。
ピアノのイントロが流れた瞬間、「あぁ、エリック・カズだな」と実感できる憂いを帯びた切ないメロディー。

そして、優しく語りかけてくるような歌声も変わらないですね。

元々は、「Love Has No Pride」や「Cry Like A Rainstorm」等のセルフ・カヴァーも収録予定だったそうですが、質の高い書き下ろし新曲で統一され、あえて昔の曲のセルフ・カヴァーは入れなかったとのこと。

2002年初来日公演を見た時も感動しましたが、今作はそれ以上の感慨を覚えました。森 陽馬



2015年6月26日(金) 細野晴臣 「驟雨の街」

8月21,22日に行われるトリビュート・コンサート『風街レジェンド2015』も話題の中、松本隆作詞活動四十五周年記念トリビュート『風街であひませう』が今週発売になりました。
(完全生産限定盤 2CD+書籍+しおり付 VIZL-842 4,500円+税)

ハナレグミ「Tシャツに口紅」」、中納良恵「探偵物語」、やくしまるえつこ「はいからはくち」、斉藤和義「白いパラソル」、YUKI「卒業」など全11曲。

今作で注目なのは細野晴臣、鈴木茂、松本隆3人での演奏で新たに録音された、はっぴいえんど解散直後に残された未発表曲「驟雨(しゅうう)の街」。

驟雨という言葉は初めて耳にしたのですが、にわか雨の事だそうですね。
この言葉は、聴く人それぞれ色んな捉え方(聴こえ方)が出来るフレーズだと感じました。

松本さんが久々にドラムを叩いていることでも話題ですが、''僕が叩けばはっぴいえんどになる''という言葉通り、独特のタイム感というか特別な存在感を放っています。

他に気になったのは、草野マサムネ「水中メガネ」(オリジナルはChappie)。
松本隆×草野マサムネ作品ですが、作詞も自身だと言われれば疑わない程、草野さんの世界観に溶け込んでいるカバーだと思います。
安藤裕子「ないものねだりのI Want You」(C-C-B)もアレンジ含め弾けっぷりが楽しいカバーです。

ボーナス・ディスクは、17組が参加したポエトリーリーディングアルバム(詞の朗読のみ)。
太田裕美、薬師丸ひろ子、小泉今日子、斉藤由貴他ゆかりのあるアーティストに加えて、斎藤工、有村架純など旬の俳優、最後には松本さん自身による朗読・はっぴいえんど「風をあつめて」も収録。
書籍には、松本隆×宮藤官九郎の対談が掲載されています。東尾沙紀


2015年6月27日(土) ルーカス・アルーダ 「SOLAR」

雨は止んだものの梅雨らしいジメジメした1日でしたね。
そんな湿っぽさを吹き飛ばすような心地良くて爽快な1枚。

ルーカス・アルーダ『SOLAR (ソラール)』
(国内CD PCD-93924 2,300円+税)

2013年発表1st『Sambadi』(
2013年7月18日今日のこの1曲で紹介)は、怖い顔ジャケットとは対照的に、近年でも指折りのブラジリアン・フュージョン傑作アルバムでした。

約2年ぶり2ndアルバムとなる今作は、メロウ・グルーヴ色がよりアップ♪

メロウ・ソウル大御所リオン・ウェアや、北欧/フィンランドのAOR職人アンドレ・ソロンコも参加。
例えるなら、<エヂ・モッタやアンドレ・ソロンコをブラジリアン・フュージョンなアレンジに仕上げた>という感じで、AOR好きの方にもオススメな内容です。

今日のこの1曲は7曲目「SOLAR」。

エレピとシンセの音色、そしてグルーヴ感が最高!
この曲を聴きながら、晴れた海沿いの道をドライヴしたら気持ちいいだろうなぁ~。

ちなみに個人的にはヴォーカル曲よりもこういうインスト・ナンバーを増やしてほしいですね。
(というか、インスト・ヴァージョンのCDとか次作には付いてもらいたいな)

マルコス・ヴァリ、アジムスなどのブラジリアン・フュージョン好きは必聴のキラーチューンです。森 陽馬


2015年6月28日(日) 村田和人 「Summer Invitation」

村田和人さんが2014年7月発表した最新オリジナル・アルバム『ピーカン』。

ライヴ会場限定販売でしたが、当店で7月25日から販売開始することになりました。

歌声も楽曲もサウンドも村田和人全開!な1枚です。
(店頭ではもちろん、通販も7月25日から開始予定!)

今日のこの1曲は、夏の到来を感じさせてくれる①「Summer Invitation」。

<村田和人流ウォール・オブ・サウンド>なエコーの効いたサウンド♪

村田さん自身によるコーラスも厚みがあってイイですね。

山田稔明さんが歌詞を書き下ろした⑧「Brand New Day/Brand New Song」等、他にもイイ曲タップリ。
最近の村田さん作品は聴いていない、という方も今作は是非! 森 陽馬



2015年6月29日(月) リトル・ジョー&スリラーズ 「ピーナッツ」

6月24日に取り上げた『レット・イット・ロック~ロックンロール60周年』ワーナー・ミュージック編に続き、今日はソニー・ミュージック編です。
(国内CD 2枚組CD 浪岡洋海氏による解説付 SICP-4479 2,300円+税)

ソニーはCBS系レーベルに加え、BMG(RCA)音源やフィル・スペクター関連ものも発売できるので充実したロックンロール・コンピになっています。

リトル・ジョー&スリラーズはニューヨーク出身R&Bヴォーカル・グループ。

リード・ヴォーカルのリトル・ジョーことジョー・クックが作った「ピーナッツ」は1957年にヒットしました。

いわゆるワン・ヒット・ワンダーですが、この曲は後世に歌い継がれていきます。

我々の世代ではフォー・シーズンズがカヴァーした「ピーナッツ」が有名で、更にそれをカヴァーしたようなイギリスのグループ、ウィッシュフル・シンキングのヴァージョンで知られていますが、オリジナルはこのリトル・ジョー&スリラーズのヴァージョンです。森 勉



2015年6月30日(火) Janet Klein & Her Parlor Boys 「Music Makes Me」

2015年も今日が折り返し地点。
現在CD店員の間では<CDショップ大賞2016>1次ノミネート作品の投票が行われています。

1月1日から6月30日の間に発表された邦楽新作オリジナル・アルバムが対象で、1人3枚まで選出。
上半期だけでも良い音楽がたくさんリリースされましたね。
皆さんにとって、この半年気に入っていた作品は何でしたか?

さて、今日は最近店内でよくかけているゴキゲンな1枚を。

ジャネット・クライン&ハー・パーラー・ボーイズ『イッツ・ザ・ガール』
(国内CD 解説付 MGR-201 2,222円+税)

1930年代の古いジャズやアメリカン・ルーツ音楽を、現代の音で聴かせる女性シンガー、ジャネット・クラインとその彼女のバンド、パーラー・ボーイズ。約5年ぶりの新作アルバムです。

イアン・ウィットコムやジョン・レイノルズもヴォーカル参加。
小粋でゆるやかで、そして人の心を和ませるグッド・タイム・ミュージック♪

今日のこの1曲「Music Makes Me」はフレッド・アステア&ジンジャー・ロジャース作。

あっという間に過ぎてしまったこの半年。
この作品を聴きながら、ノスタルジックかつ穏やかな気分で振り返ってみるのもいいかもしれません。森 陽馬





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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