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  今日のこの1曲 “Archives”

<2017月7月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2017年7月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2017年7月1日(土) Garland Jeffreys 「14 Steps To Harlem」

最近気に入ってよく聴いているロック・アルバム!

1943年ブルックリン生まれの混血シンガー・ソングライター、ガーランド・ジェフリーズ。
2017年発表アルバム『14 Steps To Harlem』。(輸入CD LUNA PARK RECORDS LP005)

滋味溢れる歌声、深みのある詞、そして活力漲るサウンド。
素晴らしい傑作ですね。

今は亡き盟友ルー・リードへ捧げたヴェルヴェット・アンダーグラウンド「Waiting For The Man」カヴァーや、ビートルズ「Help」をバラード調にしたカヴァーも良いですが、彼のオリジナル作、特にタイトル曲が聴きもの。

父親との昔の想い出が語られるように歌われる感動の1曲「14 Steps To Harlem」。

ヴァン・モリソンを彷彿とさせるソウルフルな歌声に、ルー・リードを意識したような歌い回し。
名曲! 森 陽馬


2017年7月2日(日) FIREFALL 「Livin' Ain't Livin'」

1970~80年代アメリカ西海岸発ロック/ウエスト・コースト・サウンドお好きの方は要注目!

ワーナー・ミュージックから6月28日リリースされた
<WEST COAST 1300>シリーズ。
ウエスト・コースト・ロック名盤が1,300円+税で25タイトル発売になりました。

LPでは持っているけれどCDは持っていなかった盤。
昔よく聴いていたけれどここ○○年耳にしていなかったお気に入りアルバム。
日本初CD化&近年CDが入手困難だった名作、、、etc。
早速色々買って聴き込み、懐かしい想いを抱きながら楽しんでいます。

今日はその中から特に大好きなこの1枚。
ファイアフォール『ファイアフォール』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-17750 1,300円+税)

ファイアフォールはザ・バーズ人脈で知られるリック・ロバーツ(フライング・ブリトウ・ブラザーズ在籍)を中心にした6人組バンド。7枚ほどアルバムを発表していますが、今作が1976年発表1stアルバムです。

ポップかつ切ないメロディー、爽やかな演奏、美しいコーラス・ワーク。
これこそまさに<ウエスト・コースト・ロック>!、と評したい知る人ぞ知る名盤!

マナサスに収録されていた①「It Doesn't Matter」(スティーヴン・スティルス、クリス・ヒルマン、リック・ロバートの共作)も良いですが、今日のこの1曲はかっこいい3曲目「Livin’Ain't Livin'」を。

イーグルス、ドゥービー・ブラザーズ、ポコ、CSN&Y、お好きな方は必聴!
アメリカ西海岸の心地良い風を感じさせてくれます。森 陽馬


2017年7月3日(月) 加藤和彦 「魔法にかかった朝」

フォーク・クルセイダーズのあの「帰って来たヨッパライ」を収録した自主制作盤『ハレンチ』が出たのは、1967年10月頃だったそうです。

そんなこともあって、加藤和彦ソロ作がデビュー50周年記念/名盤発見伝シリーズとして再発になりました。

東芝EMIのエクスプレス・レーベル時代のソロ・ファースト『ぼくのそばにおいでよ』(1969年)、『スーパー・ガス』(1971年)、『それから先のことは...』(1976年)、『ガーディニア』(1978年)、そして2枚組ベスト盤『キャッチー22』(1977年)の5種類です。

今日はその中から、1971年10月発表ソロ・セカンド『スーパー・ガス』からの1曲です。
(国内CD ボーナス・トラック2曲追加 UPCY-7307 1,800円+税)

この当時、1960年代後半から1970年代初期の加藤和彦は日本音楽界を牽引している存在でした。

フォークルのメンバーとして、それから北山修とのソングライター・コンビでベッツィ&クリスの「白い色は恋人の色』の大ヒットを出したり、吉田拓郎「結婚しようよ」編曲を担当したりと大活躍でした。

このアルバムを発表した頃は1曲目「家をつくるなら」がナショナル住宅のCMでよくテレビで流れたり、音楽番組に出演した時は独特のビブラート唱法で「不思議な日」や「「もしも、もしも、もしも」を歌っていたことを想い出します。

日本でいち早くスチールドラムを使った曲や、ドラマーのつのだひろにリード・ギターを弾かせた曲があったり、と実験的な作品もありますが、今日は加藤和彦のジェイムス・テイラー風ピッキングが冴える「魔法にかかった朝」を。

このアルバムを発表後、彼はフォークという看板を下ろして新しい船出をサディスティック・ミカ・バンドで果たすことになります。森 勉


2017年7月4日(火) ビーチ・ボーイズ 「ワイルド・ハニー」(ステレオ・ミックス)

50年前、ビーチ・ボーイズの1967年は洋々たる前途が予想されていました。

1966年12月、シングル『グッド・ヴァイブレーションズ』が見事全米1位に輝き、1966年8月から始まった『スマイル』のレコーディング・セッションは年内40回を超える回数を行い1967年春頃には完成、と思われていました。

しかし、しかしであります。
様々なプレッシャーに押し潰されたブライアン・ウィルソンは『スマイル』を完成させることができずに終わり、精神的にも大きな打撃を受けてしまうことになりました。

そんなこともあり、1967年発表されたビーチ・ボーイズの作品は抜け殻のように言われ、あまり重要視されないのが一般的な評価のようです。でもファンとしては、そういう作品だからこそ肩入れしたくなってしまうんですね。

50周年ということもあり、1967年発表されたアルバム『スマイリー・スマイル』と『ワイルド・ハニー』に関連した音源を集めた2枚組CD『1967~サンシャイン・トゥモロウ』。
(国内CD 28ページ英文ブックレット及びその和訳・歌詞・対訳付 UICY-15607 3,600円+税)

このCDは大きく分けて、8つのパートで構成されています。
①アルバム『ワイルド・ハニー』初ステレオ・ミックス
②『ワイルド・ハニー』未発表セッション(1967年9~11月録音)
③『ワイルド・ハニー』収録曲の未発表ライヴ(1967~70年)
④アルバム『スマイリー・スマイル』未発表セッション(1967年6~7月)
⑤未発表ライヴ・アルバム『レイド・イン・ハワイ』用のスタジオでの追加録音音源(1967年9月11日)
⑥ハワイでのライヴ&リハーサル(1967年8月25、26日)
⑦1967年11月ワシントン及びボストンでのライヴ
⑧その他1967年未発表スタジオ・セッション
、、、と盛りだくさんの全65曲。

その中から今日は、カール・ウィルソンのソウルフルなヴォーカルが魅力の「ワイルド・ハニー」を。
録音時、カールはまだ20歳! 凄い! 森 勉


2017年7月5日(水) ハンバートハンバート 「がんばれ兄ちゃん」feat 細野晴臣

佐藤良成と佐野遊穂による夫婦ユニット、ハンバートハンバート。

オリジナル・アルバムとしては2014年作『むかしぼくはみじめだった』以来3年ぶり。
デビュー15周年記念2016年発表弾き語り作『FOLK』から約1年ぶりとなるアルバム『家族行進曲』が本日発売。

ハンバートハンバート『家族行進曲』
(初回限定盤CD+DVD DDCB-94015 3,400円+税)

制作後スタッフから「家族をテーマにした楽曲が多い」と指摘され付けられたアルバム・タイトル。
現在子供が3人いる二人の日常が反映されているかと思いきや、そこはハンバートハンバート。
ひとクセもふたクセもある様々な境遇の人々・家族模様・心情が描かれています。

両親が離婚している子供の目線で描かれた①「雨の街」。
寓話のような⑦「真夜中」。
今はここにいない家族の仏壇へ語りかけている⑨「ただいま」。
そして、練炭自殺を試みたが一命をとりとめ病室で"ひかり"を実感する⑧「ひかり」。

佐藤良成が手掛けた歌には全て、小説のような物語が内包されていますね。

サウンド的には、カントリー・ミュージックのエッセンスを配したハンバートらしい音作り。
細野晴臣がベース、長岡亮介がギターで参加している②「がんばれ兄ちゃん」を今日のこの1曲に。森 陽馬


2017年7月6日(木) 高田渡 「自転車にのって」

2017年で設立45周年を迎える日本ロック/フォーク名レーベル、ベルウッド・レコード。

7インチ復刻シリーズとして、第1弾3種(大瀧詠一2種&細野晴臣)が7月19日発売予定となっていますが、第2弾3種も8月9日発売決定いたしました。

2017年8月9日発売ラインナップは以下3種になります。
・(EP)高田渡『自転車にのって/珈琲不演唱(コーヒーブルース)』
・(EP)遠藤賢司『東京ワッショイ/不滅の男』
・(EP)細野晴臣『続・東京ワッショイ/哀愁の東京タワー』

ジャケット及び内袋も可能な限りオリジナル盤を再現し、カッティングはオリジナル・マスター・テープから。
国内限定プレス、各1,852円+税。

オリジナル盤は超高値・入手困難ですからね。ご入用の方はお早めに。

今日のこの1曲&掲載ジャケットは、高田渡『自転車にのって/珈琲不演唱(コーヒーブルース)』。
(オリジナル発売日:1971年5月20日(BS-1383) /2017年8月9日再発盤:FJEP-1004 1,852円+税)

大ブレイク中バンドnever young beachが2nd『fam fam』でカヴァーしたことでも知られる「自転車にのって」。
バック演奏ははっぴいえんど。名曲です。森 陽馬


2017年7月7日(金) スピッツ 「楓」

スピッツ結成30周年記念!
3枚組の最新ベスト『CYCLE HIT 1991-2017 Spitz Complete Single Collection -30th Anniversary BOX-』が、今週発売になりました。
(UPCH-7329 3,900円+税)

2006年に発売されたロングセラー・ベスト2枚<1991~1997> <1997~2005>をリマスターしたCDと、新曲を追加した最新ベスト<2006~2017>がセットになり、デビューから今までの全てのシングル曲を網羅した3枚組全45曲。
竹内修さんによる各曲解説もブックレットに掲載されています。

新曲は「ヘビーメロウ」、「歌ウサギ」、「1987→」の3曲。

結成当時を意識した「1987→」は、ロック・バンドを始めた頃の衝動とその気持ちがまだずっと続いている...という30周年に相応しいビートパンクな1曲!

この曲を今日の1曲に...したいところですが、本日は七夕。
スピッツには、メンバーの強い意向(七夕布教活動らしいです)で、7月7月に発売された曲があります。

♪星を待っているふたり♪夏らしいワードと歌詞にキュンとする「涙がキラリ☆」(95年)。
そして名作『フェイクファー』収録曲「楓」も、98年七夕にシングル発売されています。

「楓」...何度聴いても切ない名曲ですね。

ヒット曲として当たり前のように耳に入ってきていた曲に、今改めて聴いて心動かされています。東尾沙紀


2017年7月8日(土) Cheap Trick 「If You Still Want My Love」

2016年4月アルバム『Bang Zoom Crazy...Hello』(2016年4月1日今日のこの1曲で紹介)をリリース。
その頃ロックの殿堂入りを果たしたチープ・トリック。

世代の方だけでなく、20~30代のファンも目立った同年11月の来日公演は大盛況で、メンバーの変わらないパワフルさに終始圧倒されてしまいました。

そして、1stをリリースしてから2017年でちょうど40年。
約1年という短いスパンで届けられた18枚目のアルバム『We're All Right!』も、「俺たち絶好調だぜ!」的な自信も伝わってくる安定&全開のチープ・トリック節♪

チープ・トリック『ウィア・オール・ライト!』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 POCS-24012 2,600円+税)

ハード・ポップな①「You Got it Going On」、パンキッシュな③「Nowhere」、スティーヴン・タイラーが歌ってもハマりそうな⑥「Brand New Name On An Old Tattoo」など、全体的にテンション高めです。

ボーナス・トラックには、ザ・ムーヴ「Blackberry Way」カヴァーや前作収録曲のライヴ音源など計5曲をプラス。

その中の「If You Still Want My Love」はイントロのコーラスが綺麗で、個人的なイメージですがビートルズ「Free As A Bird」+「Because」+彼らのハードな部分を加えたような1曲。

アルバム本編に入らなかったのがなんだか勿体無いと感じたので、この曲を今日のこの1曲に。東尾沙紀


2017年7月9日(日) Dan Penn 「My Heart's In Memphis」

いよいよ夏到来!といった陽気の週末でしたね。
こういう暑い日は、冷房のきいた部屋でこのCDでも聴きながらのんびりしたいものです。

Dan Penn『Something About The Night』
(輸入CD Dandy Records DND004)

サザン・ソウル名曲を多く書いているマッスルショールズ名ソングライター、ダン・ペン。

彼が他アーティストへ提供した楽曲を自身で歌っているデモ音源を集めた知る人ぞ知る人気シリーズ第4弾。
今回は90~00年代の貴重デモ音源を中心に全13曲収録。

デモといってもシンプルなバック演奏も付いており、ダン・ペンのソロ作としても存分に楽しめる1枚です。

スプーナー・オールダムとの共作レアナンバー「Jewel Of My Heart」。
ドニー・フリッツとの共作で完全未発表曲「Headin' Home」、、、etc...。
ダン・ペン好きなら感動間違いなし!のトラック揃いですが、今日のこの1曲は2曲目「My Heart's In Memphis」。

アーマ・トーマス2000年発表アルバム『My Heart's In Memphis』用に、ダン・ペンが書き下ろした隠れた名曲。

優しくて味わい深いダン・ペンの歌声がじんわり沁みます。森 陽馬


2017年7月10日(月) 鳴海寛 「無題」

昨日紹介したダン・ペンに続き、注目のデモ音源集が7月26日発売予定になっています。

バリー・マン&シンシア・ワイル『プライヴェート・トレジャーズ』
(2017年7月26日発売 国内CD 長門芳郎&金澤寿和解説付 解説・VSCD-3954 3,600円+税)

名ソングライター、バリーマンの貴重デモ音源が世界初CD化。
初回入荷分のみ本編未収録4曲を収めたボーナス・ディスク付! 要チェックですね。

なお、未発表/デモ音源音源集では、こんな盤も最近リリースされました。

鳴海寛『僕は詩つくり』
(国内CD RATCD-4398 2,315円+税)

山川恵津子とのデュオ・ユニット東北新幹線(2017年6月28日今日のこの1曲で紹介)、山下達郎『PERFORMANCE 1988-1989』ツアー参加したことで知られる名ギタリスト、鳴海寛。

彼が1975年から1978年にかけて録音していた楽曲を初オフィシャル音源化した編集盤です。

ヤマハのスタジオにて1975年船山基紀氏編曲の下、岡沢章、島村英二ほか参加し録音されていた②「僕は詩つくり」、中学生時からブラジル/ボサノヴァに影響を受けていたという彼がソニア・ローザへ捧げた楽曲「レイディー・ローザ」(イントロのギターはフィフス・アヴェニュー・バンド「Eden Rock」を彷彿とさせる)等全14トラック。

今日のこの1曲は、1975年当時高校3年生で作っていた①「無題」。
ニック・デカロ『イタリアン・グラフィティ』がフェイヴァリットであったという鳴海寛の多重コーラスと切ないメロディー・ラインが美しいナンバー。

細川知嗣(ヤマハディレクター)、信田かずお(編曲家)による寄稿文、詳細な解説文も付いた丁寧な作りのブックレットには、2015年逝去した鳴海寛氏への敬意と愛情が感じられます。森 陽馬


2017年7月11日(火) Artie Garr 「Dream Alone」

「サウンド・オブ・サイレンス」、「明日に架ける橋」等、60年代ヒット曲を多数出したサイモン&ガーファンクル。

1950年代からTom&Jerryという名義で作品を出し、各々ソロで活動していたことは一般的にあまり知られていません。

このCDは、ポール・サイモンとアート・ガーファンクルがサイモン&ガーファンクルとしてデビューする前、1957年から1962年の間にリリースされた二人の初期音源を29トラック収めた編集盤です。

『Paul Simon &Art Garfunkel The Early Years ~Two Young Hearts Afire with The Same Desire』
(輸入CD Hoodoo Records 263570)

Tom&Jerryは1957年発表曲「Hey, Schoolgirl」含めエヴァリー・ブラザーズに影響を受けた楽曲&アレンジ。
悪く言えばエヴァリーの2番煎じですが、二人の美しいハーモニーは原石の輝きを放っています。

ポール・サイモンが別名義(True Taylor、Jerry Landis、Tico & The Triumphs、The Mystics)で出したソロ楽曲も18トラック収録されており、当時ヒットはしませんでしたが、メロディーメイカーとしての才能を感じさせますね。

今日のこの1曲は、アート・ガーファンクルがArtie Garr名義で出していた楽曲。
1959年リリースArtie Garrシングル曲「Beat Love」のB面曲「Dream Alone」。

♪Dream Alone♪と繰り返し歌い回すドゥーワップ・スタイルの自作ナンバー。
若き18歳アートのドリーミーなシルキー・ヴォイスに癒されます。森 陽馬


★アート・ガーファンクルが2017年11月来日決定!


2017年7月12日(水) ウィルソン・フィリップス 「ホールド・オン」

90年代前半、大ヒットを連発した白人女性3人組ウィルソン・フィリップス。

1990年発表ファースト・アルバムが最新リマスターされ再発売されました。
別ヴァージョン、ライヴなどがたっぷり14曲入ったボーナスCD付2枚組仕様です。

ウィルソン・フィリップス『ウィルソン・フィリップス』
(輸入盤に帯・英文ライナーの和訳付国内仕様2枚組CD ユニヴァーサル HSU-19458 2,300円+税)

ブライアン・ウィルソンとハニーズのマリリンとの間に生まれた娘カーニーとウェンディ。
そして、ママス&パパスのジョン&ミッシェル・フィリップスの娘によるウィルソン・フィリップスは、90年代に夢のカリフォルニアを実現してくれたグループでした。

ディスク1には、シングル・カットされ全米No.1に輝いた「ホールド・オン」、「リリース・ミー」、「ユーアー・イン・ラヴ」の他ファースト・アルバム収録10曲に、「ホールド・オン」アカペラ・ヴァージョンがボーナス・トラックとして追加収録されています。

ディスク2はシングル・エディット・ヴァージョンやスパニッシュ・ヴァージョンに加え、1991年来日した際録音された「ホテル・カリフォルニア」、「ホールド・オン」の東京でのライヴも収められています。

ブライアン・ウィルソン初ソロ・アルバム発表、そしてビーチ・ボーイズ「ココモ」(作者の一人としてジョン・フィリップスの名前も)が全米No.1を獲得したのが1988年でした。

そんな良い波に乗って、ウィルソン・フィリップスはデビューしたわけですが、彼女たちのヴォーカル・アンサンブル&ハーモニーはビーチ・ボーイズ・ファンの僕らを喜ばせてくれただけでなく、全世界の若い音楽ファンを虜にするのに充分な魅力で溢れていました。

ショート・ヘアのチャイナちゃん、かわいかったなぁ。

今日はそんなチャイナ・フィリップスがリード・ヴォーカルの「ホールド・オン」を。森 勉


2017年7月13日(木) ジャクソン・ブラウン 「Before The Deluge」

1970年代ウエスト・コースト発、<アメリカン・ロックを代表する名盤>として5指に入る1枚。

ジャクソン・ブラウン『レイト・フォー・ザ・スカイ』
(国内CD 吉成伸幸氏による新規解説・歌詞・対訳付 WPCR-17741 1,300円+税)

デヴィッド・ゲフィンが中心となり、多数の名ミュージシャンを輩出したレーベル、アサイラム・レコード。

そのアサイラム発足第一号アーティストであるジャクソン・ブラウンは、「Running On Empty」(孤独なランナー)や「Somebody's Baby」等ヒット曲を出していますが、ソングライターとしての彼を象徴する名作として1枚挙げるならば、やはり『Late For The Sky』でしょう。

デヴィッド・リンドレーのギター・ソロが印象的なタイトル曲「Late For The Sky」。
近年のライヴでもよく演奏される名曲「Fountain Of Sorrow」。
亡くなった友人へ捧げた「For A Dancer」。

そして、最も重要曲と言えるのがアルバムの最後に収録されている「Before The Deluge」。

現代社会への警鐘、ジャクソンの反戦・反核への想いが込められたナンバー。
2015年3月11日来日公演ではこの曲がラストに歌われました。

2017年10月来日ツアーが決定しているジャクソン・ブラウン。
その来日直前に69歳を迎える彼がどのようなメッセージ/歌を投げかけてくれるのか、楽しみに待ちましょう。森 陽馬


2017年7月14日(金) Chad & Jeremy 「A Summer Song」

初期のザ・フーやキンクス他、60年代ブリティッシュ・ロック・シーンで様々なアーティストを手掛けたアメリカ人プロデューサー、シェル・タルミ―。

契約やお金の事などでアーティストと揉めたりと、ちょっと難ありな人物だったことでも知られていますが、英ace編集による60年代の仕事をまとめたコンピレーションが発売になりました。
『メイキング・タイム ~ア・シェル・タルミー・プロダクション』
(国内CD 英文解説・対訳付 PCD-17763 2,600円+税)

このコンピのタイトル「Making Time」を歌うクリエイション、ザ・フー「Anyway,Anyhow,Anywhere」、キンクス「Tired Waiting For You」をはじめ、マンフレッド・マン、イージービーツ、デイヴィ・ジョーンズ(デヴィッド・ボウイ)、ナッシュヴィル・ティーンズ、ペンタングル、フォーチュンズ、ミッキー・フィン、ロッキン・ヴィッカーズ(モーターヘッドのレミ―)など、全25曲を収録。

その中から、チャド&ジェレミーのヒット「A Summer Song」(64年)。

2人のハーモニーと、美しいストリングスが涼し気なフォーク・ポップ・ナンバー。
ギターのジャキジャキとしたロック・サウンドの中では、ひと際爽やかなこの曲を今日の1曲に。東尾沙紀


2017年7月15日(土) Minnie Riperton 「Inside My Love」

愛をテーマにした歌は数あれど、<本当に人を愛した時の気持ちが伝わってくる歌>というのがあります。
その中から特に心奥へ深く入ってくる愛/LOVEの歌を今日のこの1曲に。

アーバン・ソウル/メロウ・グルーヴの巨匠、レオン・ウェア。
2017年2月逝去した彼の編集盤が、Free Soulで知られる橋本徹氏監修・選曲の下発売されました。

『フリー・ソウル クラシック・オブ・レオン・ウェア&ヒズ・ワークス』
(国内2枚組CD 日本語解説付 UICZ-1655 2,500円+税)

彼のシンガーとしてリリースした楽曲を21曲集め86分も収録されているディスク1。
ソングライター/作曲家/プロデューサーとしてのワークス&名カヴァーをセレクトしたディスク2。
UNIVERSAL及びSONY、WARNER、P-VINE等他社ライセンス音源も許諾を取り丁寧に紡いだ全42曲。

その42曲中、ミニー・リパートン/リチャード・ランドルフ夫婦&レオン・ウェアによる共作曲「Inside My Love」が3ヴァージョン(ミニー・リパートン(1975年)、トリーナ・ブラッサード(1997年)、レオン・ウェアセルフ・カヴァー(1979年))収録されていますが、なんといってもミニー・リパートンの歌が白眉でしょう。

1979年病魔で逝くことになるミニーが自らを削るように歌う「Inside My Love」。

恋人への愛、家族への愛、様々なかたちの愛。
表層的ではなく、相手を思いやり、心の中へ入っていく真実の愛が感じられる名曲です。森 陽馬


2017年7月16日(日) ペリー・コモ 「想い出はやすし」(It's Easy To Remember)

胸に沁みる美しいメロディーと心に残る言葉で綴られる歌詞を情感こめて歌うシンガー。

そんなスタンダード・ナンバーを独自の目線で選んだCDが出ました。

和田誠が企画・監修・選曲・解説・デザインを手掛けた『いつか聴いた歌』の第3弾。
今回は『ブロードウェイ・アンド・ハリウッド』編です。
(国内2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 ソニー SICP-31059 2,700円+税)

曲を聴いて映画のシーンを思い出すもよし。
その逆に曲を気に入ったことにより初めて映画を観るもよし。
全47曲珠玉の楽曲が並んでいます。

「二人でお茶を」(ドリス・デイ)、「恋人よ我に帰れ」(フランク・シナトラ)、「スマイル」(ディーン・マーティン)、「ラヴ・レターズ」(パティ・ペイジ)、「酒とバラの日々」(アンディ・ウィリアムス)、「トゥルー・ラヴ」(ジョニー・マティス)。
そして、アゲイン店主石川さんが大好きな「今宵の君は」(フレッド・アステア)など、名曲揃い。

どの曲も素晴らしいのですが、今日はクルーナー唱法の見本のようなペリー・コモによる「想い出はやすし」(It's Easy To Remember)を。森 勉


2017年7月17日(月) Daniele di Bonaventura 「Orizzonte」

ジャケットに映っている海は、南フランス/ロクブリュンヌ・カップ・マルタンの高台から眺めた地中海だそうだ。

多くの人で賑わう真夏の海もいいが、心が洗われるような美しい景色で魅せる海にも憧憬させられる。

2017年7月17日は<海の日>。
地中海と室内楽をテーマにした今作からこの1曲。

『バー・ブエノスアイレス 地中海と室内楽』
(国内CD RCIP-0255 2,400円+税)

bar buenos aires(バー・ブエノスアイレス)は、吉本宏、山本優樹、河野洋志による監修・選曲トリオ。
アルゼンチン/南米/ヨーロッパを中心に世界のハイセンスな楽曲を紹介・編集。
多くのリスナーから信頼を得ており、今までの関連作品はロングセラーとなっている。

第6弾となる今作も、穏やかで心地良い風を感じるような心安らぐ楽曲を16曲セレクト。

その中から今作のためにレコーディングされた<地平線・水平線>の意を持つ16曲目「Orizzonte」。
イタリアのバンドネオン奏者ダニエーレ・ディ・ボナヴェントゥラによる叙情的な独奏を今日のこの1曲に。森 陽馬


2017年7月18日(火) 細野晴臣 「恋は桃色」

1972年キング・レコード三浦光紀氏が中心となり設立された音楽レーベル、ベルウッド・レコード。

2017年で創立45周年!
10月8日新宿文化センター大ホールでの記念コンサートや、様々な再発盤リリースが企画されています。

中でもレコード・ファンに注目なのが<7インチ復刻シリーズ>。
第1弾として、大瀧詠一『恋の汽車ポッポ』、『空飛ぶくじら』、細野晴臣『恋は桃色』がアナログEPで限定発売されました。

3種とも中古市場では5ケタ以上の超高値で取引されているアイテム。
それをジャケット及び内袋(レーベル紙スリーブ)も可能な限りオリジナル盤に忠実に再現しただけでなく、音にもこだわりオリジナル・マスター・テープから新たにカッティング。

CDや配信とはまた違ったアナログの質感で聴く1970年代ベルウッド・レコード・サウンドをお楽しみください。

なお、この第1弾は大好評ですでにメーカーにて完売、再プレスは一切行わない予定とのこと。
店頭在庫のみとなりますのでご入用の方はお早めに。森 陽馬


★当店のみの特典!ジャケット・デザイン・マグネットを先着でプレゼント!
掲載ジャケットは、1973年9月25日オリジナル盤発売、細野晴臣『恋は桃色/福は内鬼は外』。
(国内EP FJEP-1003 1,852円+税)

★8/9発売第2弾(高田渡、遠藤賢司2W)、9/6発売第3弾(はっぴいえんど3種)も予約受付中。


2017年7月19日(水) 佐野元春&ザ・コヨーテバンド 「純恋(すみれ)」

佐野元春&ザ・コヨーテバンドとしては4枚目、約2年ぶりとなる新作『Maniju(マニジュ)』がリリースされました。
(特別編集版 限定2CD+DVD+100Pブックレット POCE-9393 4,500円+税)

''誰の心の中にもある厄除けのまじないの珠''を指す禅の言葉<摩尼珠>をタイトルに掲げた本作。

エキゾチックなサウンドを取り入れたサイケ・ロックに、「What's Going On」を想起させるソウル・ナンバー、60年代フォーク・ロックなど......鮮やかなジャケットのイメージ通り、多彩な楽曲を収録。

世界や日常のニュースを悲観するようなシリアスなものもありながら、聴く者を鼓舞するようない軽やかで力強いビートは、希望に溢れています。

「この曲を少年達に捧げたい」と自身が語る先行シングル「純恋(すみれ)」は、魔法の季節を生きる思春期/若い世代へのメッセージが込められた瑞々しく、疾走感溢れる1曲。
恋する気持ちを原動力に何事にも前進していってほしいという、そんな熱い想いが感じられます。

限定盤には、ミュージック・ビデオ6曲を収録したDVD、元春レイディオショー特別盤(CD)、特製ピンナップ、100ページ・ブックレット、6枚組ポストカード、未収録曲「こだま-アメリカと日本の友人に」ダウンロード・パスキーが封入されています。東尾沙紀


2017年7月20日(木) 雀斑 Freckles 「Imperfect Lover」

台湾発<シュガー・ベイブ+土岐麻子的>!?

注目の新世代シティ・ポップ・バンドが台湾から登場です。

雀斑 Freckles 『Imperfect Lover』
(国内CD 歌詞日本語訳付 BRRCD-012 2,315円+税)

雀斑 Frecklesは、作詞・作曲及びボーカル&ギターを担当している林以樂(benben)と、実の兄弟である偉博(ウェイボー)、ボーカル&ギター偉安(ウェイアン)、ドラマー菜圃(ツァイプー)で2003年結成した台湾出身4人組バンド。

一旦解散したものの2014年再結成、2017年制作・発表したアルバムが今作です。

ポップなグッド・メロディーに、心地良いサウンド・アレンジがとにかく素晴らしい!
歌詞は台湾の言語ですが、キュートな女性ヴォーカル&シティ・ポップ好きの方は必聴の1枚ですね。

今日のこの1曲はタイトル曲②「Imperfect Lover」。
耳に残るメロディ・ラインと見事な演奏&サウンドがクセになるキラーチューン♪

7月26日には青山月見ル君想フにて、LUCKY TAPESをゲストに迎え来日公演行う予定とのこと。
要チェック! 森 陽馬


2017年7月21日(金) イックバル 「Brighter」

アジア新世代シティ・ポップ・バンドで最も新作が待たれる存在、インドネシアのイックバル。

2015年12月発表された大ロングセラー5曲入りミニ・アルバムが限定アナログ化!
8月19日発売決定いたしました。

イックバル『BRIGHTER』
(2017年8月19日発売予定 国内LP 完全限定アナログ盤 AW-002 2,400円+税)

1stアルバム『Amusement Park』よりメロウ・グルーヴ度が増した全5曲がどれもイイ曲!

80'sなキラキラとしたサウンド・アレンジと切ないメロディー・ラインが何度聴いても飽きないんですよね。

名イラストレーター永井博さんによるジャケット・イラスト含め、本当に大好きな作品!待望のアナログ化です。
2015年6月発売『Amusement Park』アナログ盤はリリース直後即完売でしたので、ご予約はお早めに。

今日のこの1曲は、聴く度胸に込み上げるものを感じるラスト5曲目「Brighter」。森 陽馬


2017年7月22日(土) yojikとwanda 「大きなかぶ」

東京在住女性シンガーyojik、大阪在住男性シンガー・ソングライターwanda。
二人合わせてyojikとwanda。

多くの学生にとって夏休みが始まる本日7月22日、待望の新商品がリリースされました。

yojikとwanda『Summer Gift』
(CD hdhg-1707 2,000円+税)

『ナツ三部作』として2016年フリーダウンロード・リリースされた3曲(「ナツ」、「夜は終わらない」、「午前5時」)のリマスター&リミックス・トラックス。
更にライヴ音源や未発表音源など12トラックにも及ぶボーナス・トラックを追加した大盤振る舞い全18曲入!

yojikとwandaらしい楽しさ、切なさ、そして不思議なユーモアが詰まった夏ギフトな1枚ですね。

『ナツ三部作』の3曲は魅力ですが、ファンにとって今作一番のサプライズは「大きなかぶ」が収録されたことでしょう!

ライヴでは数年前から披露されていた史上最大の珍曲「大きなかぶ」。
初CD化はうれしいものの、実際に見たことがないと音だけではよくわからないだろうなぁ~。

゛大きなかぶ”を観客全体(?!)で引っ張る臨場感。
yojikさんの熱演&ラストの感動はCDでは伝わりにくいかも、、、。

まあでも、この曲聴いてなんだこれ!?と思った方は、yojikとwandaのライヴへ是非足を運んでみましょう! 森 陽馬


2017年7月23日(日) チャレンジャーズ 「ミスター・モト」

せっかくの夏ですので、エレキ・インストいってみたいと思います。

エレキ・インスト界では有名曲のひとつ、ベルエアーズ「ミスター・モト」という曲がありますが、それを共作しそこでドラムを叩いていたのがリチャード・デルヴィーという人でした。

そのリチャードがリーダーとなって1962年後半に結成したのがチャレンジャーズです。

『サーフビート』はVAULTレーベルから1963年1月に発表された彼らのファースト・アルバム。
(国内CD ワーナー ボーナス・トラック2曲追加全14曲収録 解説:長門芳郎 WPCR-16625 1,200円+税)

今日はその中からベルエアーズのヴァージョンを完コピしてセルフカヴァーした「ミスター・モト」を。

この曲、2017年3月21日発売された『NIAGARA 45RPM VOX』に収められていた「霧の彼方へ」の原曲なんですよね。

こんな曲をカヴァーする大滝詠一さんのマニアックぶりとシングル盤にしてしまった大胆さに今更ながら驚いています。

もうすぐ7月28日! ミスター・ナイアガラ生誕69周年ですね。森 勉


2017年7月24日(月) 中野督夫 「Good by the Summer Breeze」

♪ あの日の夏はもう二度と帰らないけど ずっと約束はここにあるよ
あの日の夏が教えてくれたメロディ 今も胸の奥で響いている もう一度 会いたい ♪
(中野督夫「Good by the Summer Breeze」歌詞より)

センチメンタル・シティ・ロマンス中野督夫さん2016年12月発表ソロ作『輪』。
12曲目収録「Good by the Summer Breeze」は2016年2月逝去した村田和人さんへ捧げられたナンバー。

中野督夫『輪』
(国内CD kiss-1090 2,778円+税)

村田和人さんの盟友であった山本圭右がギター、湯川トーベン&永井ルイがコーラス参加。
更に、村田さんが山下達郎ツアーメンバーであった時、同じくコーラスとしてメンバーだった佐野公美さんが"Summer Wind Harmonies"として特別参加。

雄々しいアメリカン・ロックなサウンドに、愛情溢れるコーラス&歌声が夏の青空に沁みます。

なお、この中野督夫『輪』はライヴ会場限定販売CDですが、当店で取り扱いできることになりました。

CD帯には竹内まりやさんからの推薦コメントも!
センチ好きの方はもちろん、村田さんファンなど多くの方に聴いていただきたい1枚です。森 陽馬


2017年7月25日(火) 脇田もなり 「Cloudless Night」 feat イックバル

Especiaに在籍していた女性シンガー、脇田もなり。ソロ1stアルバムが本日入荷。

脇田もなり『I am ONLY』
(国内CD HCCD-9590 2,500円+税)

マイクロスターが楽曲制作・プロデュース・ミックス(⑦「Boy Friend」、⑩「赤いスカート」等)で携わっていることでも注目していた1枚。
実際に聴くとアルバムを通して様々なミュージシャンが参加しているにも関わらず統一感もあって、とっても完成度の高い仕上がりでした。

冗談伯爵の新井俊也プロデュースでキレキレな①「In The City」を筆頭に、NONA REEVESの西寺郷太作&プロデュース③「泣き虫レボリューション」、福富幸宏作・プロデュース⑧「I'm with you」、矢船テツロー作⑨「EST! EST!! EST!!!」他、捨て曲なしの全12曲。

星野みちるなど現代シティ・ポップ好きの方は必聴のアルバムですね。

中でも僕が一番気に入ったトラックは5曲目「Cloudless Night」。

インドネシアの新世代シティ・ポップ・バンド、イックバルが楽曲制作及びバック演奏を担当。
この傑作揃いの中にあって、抜群のグルーヴ&存在感!
イックバルのセルフ・カヴァーも聴いてみたい、と思わせるキラーチューンです。森 陽馬


2017年7月26日(水) バリー・マン 「Kicks」

バリー・マン&シンシア・ワイルの作った数々のヒット曲をいろいろなアーティストの歌で聴ける作品集は今までに何枚か発売され、ブリルビルディング系ソングライター・ファンに高い評価を受けていました。

今回はそういう作品集とはまた違ったもので、バリー・マン家門外不出のお宝音源オンパレード!という興味深いものです。

『バリー・マン&シンシア・ワイル ~プライヴェート・トレジャーズ』(原題:Original Demos,Private Recordings and Rarities)は、タイトル通り作者のバリー・マンが歌ったデモ・テープなどを中心に集めたマニア垂涎の楽曲を集めたものです。
(国内CD ヴィヴィッド・サウンド VSCD-3954 初回のみボーナスCD付2枚組 バリー・マン&シンシア・ワイルへのロング・インタビュー日本語訳掲載ブックレット付。解説は長門芳郎と金澤寿和)

今日は1966年ポール・リヴィア&レイダーズで全米4位のヒットとなった「キックス」のバリー・マン歌唱によるデモ録音を。
マーク・リンゼイの歌に負けないバリーのロックな歌が聴けます。

なお、ブックレットに掲載されているロング・インタビューによると、この「キックス」はバリー曰く「ドラッグに捕らわれてしまっていた我々の友人のために書いた」とのこと。
近年この曲が初めてヒットしたアンチ・ドラッグ・ソングと言われているのは、そんな歌詞だったからなんですね。

ちなみに、ボーナスCDは1990年代半ばに録音されたバリー・マンのピアノ弾き語り4曲を収録。森 勉


2017年7月27日(木) Livingston Taylor 「I Must Be Doing Something Right」

忙しい日々の合間、穏やかにそして心豊かにさせてくれる静かな愛聴盤。

2016年9月心温まる来日公演も記憶に新しいリヴィングストン・テイラー。
音楽活動50周年を迎える2017年、『ブルー・スカイ』以来約3年ぶりとなるオリジナル・アルバムが発売。

Livingston Taylor『Safe Home』
(輸入CD CHESKY JD385)

1990年代発表作『Good Friends』、『ink』と同じジャズ・レーベルCHESKY Recordsからのリリース。

ジャズ・ピアニストShelly Bergを中心にしたバック・サウンドはシンプルかつゆったりとしたアレンジ。

ビートルズ「Penny Lane」、エヴァリー「Bye Bye Love」、スタンダード「My Romance」、「Merry Old Land of Oz/Over The Rainbow」など全14曲。
LIVの作品ながら、Chelsea Berryという女性シンガーがヴォーカルをとっている楽曲が半分近くありますが、クセのない綺麗な歌声は違和感なく今作に馴染んでいます。

今日のこの1曲は、優しい彼の表情が目に浮かぶオリジナル曲①「I Must Be Doing Something Right」を。森 陽馬


2017年7月28日(金) Matthew Sweet 「End Is Near」

2013年発表スザンナ・ホフスとのカヴァー・シリーズ『Under The Covers Vol.3』を挟んで、約6年ぶりとなる新作『Tomorrow Forever』をリリースしたアメリカのシンガーソングライター、マシュー・スウィート。
(輸入CD HH001-CD)

ここ数作の中では、一番ポップでストレートなロック!

枯れた雰囲気もありつつ、メロディアスな部分が戻ってきた感じで全17曲。
アビー・ロード・スタジオでマスタリングされています。

リック・メンクやポール・チャスティン他なじみのメンバーに加え、ゲイリー・ルーリス(ザ・ジェイホークス)、デビ・ピーターソン(バングルス)、ロッド・アージェント(ゾンビーズ)、ジャクソン・ブラウンのバックなどで活躍するギタリスト、ヴァル・マッカラムが参加。

90年代の楽曲を想起させるポップな「Music For Love」、ロッド・アージェントがピアノで参加した「Hello」、メロトロンの音色が印象的でヴァル・マッカラムがスライドを弾く「End Is Near」も切ない余韻を残す曲...沁みます。

独特の雰囲気を放つジャケットの道化師の絵は、MAIOという女性アーティストが62年頃に描いたもので、ブックレットに違う絵がいくつか掲載されているのですが、長年マシューのスタジオの壁に飾られているコレクションの一部なのだそうです。東尾沙紀


2017年7月29日(土) 山田稔明 「Brand New Day, Brand New Song」

♪時計の針は前へ前へ 二度と巻き戻ることはない 夢を見て夜が明けて また新しい日々だ♪
(村田和人2014年発表作『ピーカン』収録曲「Brand New Day, Brand New Song」歌詞より)

村田さんのライヴでは、観客がタオルを振って盛り上がるのが定番だった「Brand New Day, Brand New Song」。

この歌の作詞を担当したGomes The Hitman山田稔明さん、初のライヴ盤が発売になりました。
山田稔明『DOCUMENT』
(2枚組CD 先着で特典ステッカー付 GTHC-0010 3,000円+税)

アコースティック・ギター弾き語りのディスク1、バンド・セットのディスク2、2枚組CDに全27トラック。
ソロ代表曲から未発表曲も含め山田稔明ベスト選曲な実況録音盤です。

そのディスク1、6曲目に「Brand New Day, Brand New Song」セルフ・カヴァーが収録。

ナイーヴな青年が切なさや悲しさを抱えながら青い空へ向けて歌っているような山田稔明ヴァージョン。

山田さんのファンは内気な人が多い印象だけれど、彼がこの曲を披露する時は恥ずかしがらずにめいっぱいタオルを振って欲しいな。

なお、今作タイトル&帯は、山田稔明さんが大好きなバンドR.E.M.1987年発表作『DOCUMENT』へのオマージュになっていますね。森 陽馬

★今作は基本的にライヴ会場限定CDですが、山田稔明さんのご厚意で当店でも販売させていただいております。



2017年7月30日(日) ブルー・ペパーズ 「ずっと」

ブルー・ペパーズの新曲がアナログ・シングル・レコード+シングルCD付で発売されました。

ブルー・ペパーズ『ずっと c/w秋風のリグレット』
(EP+CD VSEP-828 1,500円+税)

2015年10月に『ブルー・ペパーズEP』という6曲入りミニ・アルバムを発表した時から、センスのいい音を出しているなぁ、と思っていました。

ブルー・ペパーズはキーボード井上薫とギター福田直木による男性二人のシティ・ポップ新世代ユニット。
1970~80年代AORサウンドの流れを受け継いださわやかで締まった音作りが魅力なのです。

A面「ずっと」では佐々木詩織のヴォーカルがフィーチャーされています。
彼女の声はブルー・ペパーズの作るサウンドと相性がとても良く感じます。

前作「6月の夢」同様この曲も近年の日本人ヴォーカリストにはない小細工しない素直な歌い方&たっぷりの声量で好感が持てます。
さすが、あの佐々木久美さんの娘さんですね。

あと、この「ずっと」にはもうひとり強力な助っ人が参加しています。
ドラムスに佐野康夫。独特のスティックさばきが楽しめます。

9月には初めてのフル・アルバムが発売されるそうですが、その前に是非このシングルを。
ジャケット写真はAORファンなら話が広がるデザインですね。
なお、CDにはインストゥルメンタル・トラックも収録されています。森 勉



2017年7月31日(月) James Taylor 「Machine Gun Kelly」

ダニー・コーチマー、2017年7月30日ビルボードライヴ東京公演を見てきました。

ジェイムス・テイラーとのフライング・マシーン、キャロル・キングとのシティ、リー・スクラー&ラス・カンケル&クレイグ・ダーギーと組んだザ・セクション、ソウルフルな魅力もあったジョー・ママ、そしてセッション・ギタリストとして数多くの名曲に関わった名ギタリスト、ダニー・コーチマー。

<DANNY KORTCHMAR & FRIENDS>名義での今公演は、Steve Postell(G.Vo)、Bob Glaub(B)、Jeff Young(Key. Vo)、Steve Holley(Dr)という布陣。
予備知識を持たず会場へ足を運びましたが、期待以上に楽しいライヴでした。

ジャクソン・ブラウン『孤独のランナー』(Running On Empty)収録の共作曲「Shaky Town」、映画『初体験リッチモント・ハイ』に使われ大ヒットしたジャクソン・ブラウン「Somebody's Baby」、イーグルスのコンサートでも御馴染みドン・ヘンリー「Dirty Laundry」、「New York Minute」、ジェイムス・テイラー『JT』収録曲「Honey Don't Leave LA」、そしてジョー・ママでも演奏しているジェイムス・テイラー「Machine Gun Kelly」等々。

オリジナルとはまた違った演奏・アレンジながら1970年代アメリカン・ロックを堪能できる良いコンサートでしたね。

特に「Machine Gun Kelly」は驚き!?のレゲエ・アレンジ!
でもこれが意外に凄く良かったんだよなぁ。

とにかくも御年71歳になる“クーチ”がギターを弾いている姿・佇まいを目にできただけで感無量。
終了後は無料でサイン会を実施。長い列ができながらファン一人一人気さくに応じていました。
またいつかその雄姿を見せてもらいたいですね。森 陽馬

★掲載ジャケットは「Machine Gun Kelly」収録、ジェイムス・テイラー1971年発表作『Mud Slide Slim』。



これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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