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  今日のこの1曲 “Archives”

<2018月5月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2018年5月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2018年5月1日(火) Hugh Coltman 「Little Big Man」

風が強く吹いていたゴールデン・ウィーク先日のこと。
通販の荷物を郵便局へ持って行った帰り、「ニューオリンズでは今頃フェスをやっているんだよなあ」なんて想いを馳せていると、新聞紙が風に乗って飛んできました。

自転車のタイヤに引っ掛かったその新聞紙を見てビックリ。
訃報欄にチャールズ・ネヴィル逝去の文字が...。

初めてニューオリンズへ行った時、訪れたライヴハウスで演奏していたのがチャールズ・ネヴィルでした。
ライヴ後、僕の拙い英語に優しく応じ、写真を一緒に撮ったりしてくれたのが昨日のことのように思い出されます。

遠い過去とニューオリンズへの想いが繋がったささやかな偶然へ感謝の意を込め、今日はこの作品を。

Hugh Coltman『Who's Happy?』
(輸入CD sony/okeh 190758131429)

ヒュー・コルトマンは1972年英国生まれ、現在はフランス在住の男性ジャズ・シンガー/ソングライター。
その彼がニューオリンズで録音した2018年オリジナル・アルバムが今作『Who's Happy?』。

スティングを彷彿とさせるドライな歌声と、ニューオリンズ録音らしいワビサビの効いた演奏。
聴き返すほどに味わいが増してくるシンガー・ソングライター作品としてもオススメしたい静かな傑作です。

今日のこの1曲はアルバムのラスト11曲目「Little Big Man」。
語るが如く歌われるその言葉と、ギター&ピアノの伴奏がセンチメンタルに心震わせます。森 陽馬


2018年5月2日(水) ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス 「Midnight In Richmond」

70~80年代AOR、ウエスト・コースト・ロックに影響を受けた爽やかで洗練されたサウンドを現代に鳴らすアンディ・プラッツ(ママズ・ガン)&ショーン・リーのユニット、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス。

2015年発表ロングセラー1stアルバム『West End Coast』から約3年。
待望の新作2nd『AM WAVES』がリリースされました。

Young Gun Silver Fox『AM WAVES』
(国内CD 解説付 PCD-24720 2,400円+税)

メロウでソウルフル!
1stよりさらにポップさも増した印象で、新作も2人のメロディ/サウンド・センスが光る良質な曲ばかりです。
発売になったばかりですが、もうリピートが止まりません。

特に!1、2,、3、4のカウントで始まるオープニング・ナンバー「Midnight In Richmond」...
切ないメロディに、アメリカやイーグルスを彷彿とさせるサビのハーモニーがたまりません。
YGSF必殺の1曲♪

アンディ・プラッツはママズ・ガンで2018年1月末に来日し、素晴らしいパフォーマンスをみせてくれましたが、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスとしての公演も是非近いうちに実現すると良いなぁと思います。東尾沙紀


2018年5月3日(木) Neil Young+Promise Of The Real 「Cowgirl Jam」

ニール・ヤング関連リリースは、『ROXY - Tonight's The Night Live』が大評判(2018年4月21日今日のこの1曲で紹介)ですが、こんなアルバムも発売されました。

Neil Young+Promise Of The Real『PARADOX』
(輸入CD Reprise 2-565704 国内盤は5月30日発売予定)

ニール・ヤングは36年以上連れ添ったペギさんと2014年に離婚。
その後、新しいパートナーとして女優ダリル・ハンナと活動を共にしています。
今作はその彼女が監督・脚本を担当した映画『PARADOX』のサウンド・トラック盤。

ニールが手掛けたサントラ盤というと、『Journey Through The Past』、『Dead Man』がありますが、今作『PARADOX』はそこまでの問題作ではないものの、ニール・ヤングファン上級者向きと言える作品ですね。

近年リリースしたアルバムからの楽曲や新たなインスト・トラックに加え、プロミス・オブ・ザ・リアルのルーカス&ミカ・ネルソン(ウィリー・ネルソンの息子二人)によるタートルズ「Happy Together」カヴァー等、興味深いトラックも収録されていますが、映像を見てからでないとニール・ファンでも楽しめないかもしれません。

今日のこの1曲は、その中でも思わずツッコミたくなるこのナンバー「Cowgirl Jam」。

ニール・ファンなら皆大好き「Cowgirl In The Sand」のライヴ、、、
かと思いきや、イントロとギター・ソロが延々と続き、なかなか歌が始まらないな、という状況のまま10分経過。
その後、歌がないまま楽曲終了、、、という、まさに曲名通りの「Cowgirl Jam」!
ある意味、ニール・コア・ファン必聴の1曲ですね。森 陽馬


2018年5月4日(金) 村田和人 「エイト・デイズ・ア・ウィーク」

ビートルズのカヴァー・アルバムはたくさん出ていて、好きだからと言って全てに反応していると大変です。

ですが、村田和人が歌っている曲が収録されているとなれば話は別で、大いに気になるところです。

このアルバムは2010年に発売されたいわゆるカフェ系コンピで、ビートルズの楽曲を日本人アーティスト中心にボサノヴァ風にアレンジした曲が17曲収められています。

ブレッド&バター、南佳孝、玉城ちはるなどの歌ものがあったり、ギター、ピアノ、スティールパンなどのインストものがあり、ゆったり気分で楽しめる1枚。

12曲目、村田和人による「エイト・デイズ・ア・ウィーク」に注目です。
このアルバムでしか聴けないものです。

学生時代から宅録でビートルズをカヴァーしていた筋金入りのビートルズ・ファンならではの独特な発想と愛情溢れるカヴァー・ヴァージョンになっています。

『午後のボッサ ~カフェ・ビートルズ』
(国内CD Della DLDH-1850 1,800円+税)

発表から8年過ぎましたので、入手困難になる前に要チェックです。森 勉

★永らく品切れしておりました村田和人『My Crew』が再入荷しました!


2018年5月5日(土) クララズ 「Just Coffee For Now !」

2011年結成、東京を中心に活動している女性シンガーソングライター、山内光のソロ・ユニット、クララズ。

2016年発表の3曲入りシングル「コンコース」から2年。
初の全国流通盤となる7曲入りの1stミニ・アルバム『海が見えたら』が今週リリースされました。

クララズ『海が見えたら』
(国内CD CFFEE-003 1,500円+税)

くるり、ティーンエイジ・ファンクラブ他、90年代US/UKロック、ギター・ポップ等の影響を感じさせるメロディ、
小柄で華奢な彼女のヴィジュアルからは想像できない、ザクッとした爽快なギターを主とした骨太なバンド・サウンド、芯のあるまっすぐな歌声が魅力!

収録曲唯一の英語詞であるオープニング・ナンバー「Just Coffee For Now!」のザックリとしたギター&キャッチーなメロディが個人的にマシュー・スウィートを想起させ、非常にツボです。

「リバー」の弾き語りも良いですし、オルタナ感のある「TODAY」も生でガツンと大きい音で聴いてみたくなりました。

フライングVを弾く姿がかっこいい、収録曲「エアメール」のミュージック・ビデオも公開されていますので是非ご覧下さい。

お買い上げの方に先着で、CD未収録曲「マイケル・ショート」がダウンロード出来るコード付きポストカードをプレゼント!東尾沙紀


2018年5月6日(日)ヴァン・モリソン&ジョーイ・デフランセスコ 「Have I Told You Lately」

ヴァン・モリソンの新作アルバムがまたまた発売になりました。

ヴァン・モリソン&ジョーイ・デフランセスコ『ユーアー・ドライヴィング・ミー・クレイジー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-5759 2,400円+税)

昨年2017年は9月に『ロール・ウィズ・ザ・パンチズ』、12月に『ヴァーサタイル』(共に日本盤の発売日を参考にしています)、そして2018年4月下旬にこの「ユーアー・ドライヴィング・ミー・クレイジー」が出ました。
ニール・ヤングに負けじとどんどん出してくれます。

ゼムを辞めて1967年に「ブラウン・アイド・ガール」でソロ・デビューしてから50年でおおよそ(ライヴ盤や共演盤もあるのでこんな表現にしておきます)44枚目のアルバム!
2000年以降になってから数えると14枚目というハイペースです。

さて、今回のアルバムはヴァンが『テュペロ・ハニー』を出した1971年に生まれている巨漢オルガン・プレイヤー、ジョーイ・デフランセスコと組んだブルージーにしてヴァンの歌心が活かされた素敵な作品に仕上がっています。

ヴァンとジョーイの出会いのきっかけは、2017年10月サンフランシスコで行われたジャズ・フェスティヴァルでのスペシャル・セッションだったそうです。
そのライヴで意気投合し、その熱が冷めないうちにステジオへ入り録音されたのがこのアルバムとのことです。

ジャズのスタンダードがあったり、ギター・スリム「シングス・アイ・ユースト・トゥ・ドゥ」やB・Bキングで有名な「エヴリデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース」があったり、ヴァン自身の曲をアレンジし直してセルフ・カヴァーした曲があったり、いろいろな曲が選ばれていますが、どれもヴァンの節回しに酔える曲ばかりです。
ジョーイのグルーヴィーなオルガンも全編でフィーチャーされています。

全15曲どの曲でもいいのですが、今日はスウィンギーに生まれ変わったヴァンの名曲「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」を。

1989年発表作『アヴァロン・サンセット』に収録のヴァージョンとは別曲のような大胆なアレンジですが、聴く度に趣が増してきます。

アルバムのラストに収められているヴァンのアルト・サックス・ソロがふんだんに楽しめるこのアルバム唯一のインスト曲「ケルティック・スウィング」もお気に入りです。森 勉


2018年5月7日(月) The Sea And Cake 「Any Day」

♪僕には進むことができないようだ  遠く はるか先へ♪ (「Any Day」歌詞より)

マッタリした空気中に独特な緊張感が漂っているゴールデン・ウィーク明けの平日。

メランコリックな心と耳に優しく響くオススメのロック・アルバムこの1枚。

ザ・シー・アンド・ケイク『Any Day』
(国内CD 片寄明人による解説・歌詞・対訳付 先着ポストカード付 HEADZ229 2,100円+税)

1993年結成シカゴ発USインディー・ロック・バンド、The Sea And Cake。
ジョン・マッケンタイア(トータス)、アーチャー・プレウィット、サム・クレコップ、エリック・クラリッジによる4人組。
2018年発表今作は、ベーシストのエリックが手根管症候群により脱退し3人組となってのオリジナル作です。

繊細に構築され研ぎ澄まされたサウンドはそのままに、有機的な叙情感も加味された全10曲。
③「Any Day」にはブライアン・ウィルソン・バンドのポール・マーテンズがフルート&クラリネットで参加。

メンバーと長年交流ある片寄明人さんが書き上げたライナーノーツも是非ご覧ください。森 陽馬


2018年5月8日(火) Chris Cornell 「You Never Knew My Mind」

今は亡きジョニー・キャッシュが残した未発表の詩&言葉に、様々なミュージシャンが曲を付けた作品集。

その名も『Forever Words』が発売されました。
(『ジョニー・キャッシュ:フォーエヴァー・ワーズ』 解説・歌詞・対訳付 SICP-5688 2,200円+税)

刑務所でもライヴを行ったジョニーの鬼気迫る決意、そして歌詞に込められたロックな精神。
その詩には夢であり、希望であり、そして愛が感じられるのです。

今作にはジョニーの娘ロザンナ・キャッシュ、映画『ウォーク・ザ・ライン』で音楽を担当したT・ボーン・バーネット、盟友ウィリー・ネルソン&クリス・クリストファーソンに加え、エルヴィス・コステロ、アリソン・クラウス、僕が大好きなジェイホークス、先日1stを発表したI'm With Her、更に新世代黒人ピアニスト、ロバート・グラスパーも参加。

眠っていた詩に、各々の解釈によるメロディーという名の息吹がかけられ新たに躍動する全16曲。

今日のこの1曲は、2017年5月に自死したクリス・コーネルが唄う「You Never Knew My Mind」を。
最後の録音としてこの詩を選んだ彼の歌声が、痛ましくも心に迫ります。森 陽馬


2018年5月9日(水) Ian Matthews 「Gimme An Inch Girl」

ソングライター・シリーズ等が人気のACEレーベルから、ロバート・カービーのワークス集が発売になりました。

『When The Day Is Done:The Orchestrations Of Robert Kirby』
(輸入CD CDTOP 1517)

学友でもあったというニック・ドレイクの作品でストリングス・アレンジ等を手掛けた事で知られる、ブリティッシュ・フォーク・シーンで活躍したアレンジャーです。
(今作の緑枠ジャケットも、ニック・ドレイクの『Five Leaves Left』が元となっていますね。)

このコンピレーションにはニック・ドレイクをはじめ、サンディ・デニー、ヴァシティ・バニヤン、シェラ・マクドナルド、ジョン・ケイル、リチャード&リンダ・トンプソン、イアン・マシューズ、アンディ・ロバーツほか全20曲。
70年代ものを中心にまとめられています。

音の隙間を埋めるためだけではなく、メロディを引き立て寄り添うような美しく叙情的なオーケストレーション。

今日の1曲はフェアポート・コンヴェンションにも在籍していたイアン・マシューズ「Gimme An Inch Girl」(1978年)を。
お琴をはじくような独特な弦の音色にどことなく和を感じさせる1曲です。

東京はここ数日ひんやり雨続きだったので、今日は英フォークの音に浸りたい気分でした。東尾沙紀


2018年5月10日(木) 村田和人 「Summer Invitation」

「来年には続編の『ドピーカン』を必ずリリースします。
今後もあの30年前に村田が作ろうとしていた<夏に最適の音楽、歌>を死ぬまで作り続けます。」
(2015年7月 村田和人さんの言葉より)

村田和人2014年発表アルバム『ピーカン』発売から約1年後の2015年7月。
当時はライヴ会場のみで販売していた『ピーカン』をPET SOUNDS RECORDでも取り扱いさせていただけることになり、それを記念して村田さんへインタビューした際、今後の抱負は?という質問の答えが上記でした。

約半年後、村田さんが病魔に倒れた2016年2月22日まで必死に作り続けた作品。完成しなかった楽曲群。
様々な想いと共にその楽曲を託された杉真理さん他ミュージシャン仲間が、村田さんの遺志を引き継ぎ制作。

そして、遂に、『ド・ピーカン』が完成。2018年7月2日発売が決定しました。

村田和人『ド・ピーカン』
(2018年7月2日発売 国内CD UICZ-4428 3,000円+税)

全曲村田和人書き下ろしの新曲。
杉真理、湯川トーベン、山本圭右、向山テツ、小板橋博司、友成好宏、根本要、山田稔明、他参加。

<夏に最適の音楽、歌>が、2018年夏帰ってきます。森 陽馬


★掲載ジャケットは「Summer Invitaton」収録2014年発表作『ピーカン』。
『ド・ピーカン』予約受付中です。


2018年5月11日(金) ジャネール・モネイ 「Dirty Computer」feat Brian Wilson

ビーチ・ボーイズ2018年夏、楽しみな作品が発売決定しました。

ビーチ・ボーイズ『ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団』
(6月8日発売 国内CD SHM-CD仕様 UICY-15747 2,500円+税)

ビーチ・ボーイズ名曲群のマルチ・トラック・テープからオリジナル・ヴォーカル・トラックを抜き出し、アビイ・ロード・スタジオにて新たなアレンジで録音したロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を組み合わせた作品集。

エルヴィス・プレスリー、アレサ・フランクリン、ロイ・オービソンで好評だった好企画のビーチ・ボーイズ版!
聴きなれたビーチ・ボーイズの曲がどんなアレンジになっているか楽しみですね。

さて、今日はビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソンマニアの方要注目の楽曲を取り上げましょう。

ジャネール・モネイは、新世代黒人女性SOUL/R&Bシンガー。
映画『ドリーム』、『ムーンライト』に出演し女優としても近年活躍している彼女の3rd作『Dirty Computer』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-18003 1,980円+税)

その1曲目に収録されているタイトル曲「Dirty Computer」に、ブライアン・ウィルソンがコーラス参加!
(ちなみにアル・ジャーディンの息子、マット・ジャーディンも一緒に参加)

かなり意外な顔合わせですが、ブライアンらしいコーラスを聴くことができます。森 陽馬


2018年5月12日(土) ライ・クーダー 「Straight Street」

本日、あるお客様が20年以上逢っていなかった知り合いの方と、当店の店内で偶然出会ったそうです。

そのお二人は1990年代関西のレコード店で同僚だったとのこと。
20年以上の時を経て、関西ではなく東京のこんな小さいレコード店で再会するというのが面白いですね。

話を伺ったら、片方のお客様はこちらへ来る途中車が急に不調となり、通常より1時間遅れて到着したそう。
いつも通り順調であったならば、お二人は再会しなかったでしょうから、人と人の縁というのは不思議ですね。

そんな出来事があった後、ライ・クーダー2018年発表新譜『The Prodigal Son』(ザ・プロディガルサン)を聴いていたら、人生は回り道のようでいて、実は予め決められたまっすぐな1本道だったりするのかな、と考えさせられました。

ライ・クーダー『The Prodigal Son』(ザ・プロディ・ガルサン)
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 HSU-10202 2,490円+税)

ロック、ジャズ、ブルース等様々なルーツに根差した楽曲と、彼の自作曲で構成された全11曲。

その中から今日のこの1曲は、1930年頃結成されたゴスペル・グループPilgrim Travelersのカヴァー。
ライの滋味溢れる歌声と演奏が沁みる「Straight Street」を。森 陽馬


2018年5月13日(日) The Magic Numbers 「Runaways」

イギリスの兄妹2組による4人組バンド、ザ・マジック・ナンバーズ。

2014年発表作『Alias』から約4年ぶり、5枚目となる新作『Outsiders』が発売になりました。

ザ・マジック・ナンバーズ『アウトサイダーズ』
(国内CD ボーナス・トラック3曲追加 メンバーによる解説・歌詞・対訳付 VJR-3209 2,400円+税)

<昔も、これからも、周りに合わせることなんてできない、特に今は。>
『アウトサイダーのためのアルバム』と語るフロントマン、ロメオ。

流行に捉われないメロディ、バンドの強みであるロメオと女性陣による特徴的なハーモニーを新作でも活かしながら、より骨太になったサウンドを聴かせてくれます。

スティーヴィー・ニックスを彷彿とさせるコーラス、全てを投げ捨ててでも突き進んでいく、という強い感情が込められた「Runaways」にはグッときました。

この曲に続く、ニール・ヤングの影響を感じさせる重厚な「Sweet Divide」も必聴です。

日本盤には、マグネティック・フィールズ「Papa Was A Rodeo」、ボブ・ディラン作「I Shall Be Released」、ニール・ヤング「Wrecking Ball」のカヴァー3曲を追加収録。

そして、久々の来日も決定!
7月6、7日、東京で行われるザ・ワイルドハーツのアコースティック・ライヴに、ゲスト・アクトとしての出演が予定されています。東尾沙紀


2018年5月14日(月) THE BEATNIKS 「I've Been Waiting For You」

昨日の<今日のこの1曲>で、ニール・ヤングという言葉が出てきたので、今日もニール・ヤングカヴァーを。

高橋幸宏と鈴木慶一によるユニット、THE BEATNIKS(ビートニクス)。
2011年発表作『LAST TRAIN TO EXITOWN』から約7年ぶりとなる新作『EXITENTIALIST A XIE XIE』に、ニール・ヤング「I've Been Waiting For You」カヴァーが収録されています。

THE BEATNIKS『EXITENTIALIST A XIE XIE』
(CD COCB-54260 3,000円+税)

高橋幸宏さんは以前にも「Only Love Can Break Your Heart」、「The Loner」、「Helpless」等、ニール・ヤング初期名曲をカヴァーしたことがありました。

「I've Been Waiting For You」は、ニール・ヤング1969年発表ソロ1stアルバムに収録されていたナンバー。
イントロの♪ハ~♪という謎の吐息部分もちゃんと再現していて、幸宏さんのニール愛を感じますね。

ちなみに、僕はこの曲を聴くと、2001年フジロックを想い出します。
夜も更けたグリーン・ステージに登場したニール・ヤング。
待ちわびた僕らの気持ちを代弁するかのように、この曲を2曲目に披露した時は感動&興奮しましたね。森 陽馬


2018年5月15日(火)ラモント・ドジャー「Little Darling(I Need You)~Give Me Just A Little More Time」

1960年代モータウン・レーベルからはたくさんのヒットが生まれましたが、その中で最も多くのヒットを書いたのが、ブライアン・ホーランド、ラモント・ドジャー、エディ・ホーランドのソングライター・チームだと思います。

そのチームの一員、ラモント・ドジャーのセルフ・カヴァー集が発売されました。
ラモント・ドジャー『リイマジネーション』
(国内CD 28ページブックレット英文解説の和訳及び解説付 VSCD-3955 2,600円+税)

15年前ほどにもセルフ・カヴァー集を出しているラモント・トジャーですが、今回はピアノorギターをバックにシンプルなサウンドでじっくり自分の作品を歌ったものになっています。
そして、チョイ役的にですが、ゲスト・ヴォーカルが多く参加しているのにも注目です。

「ストップ・イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ」にグラハム・ナッシュ、「ハウ・スウィート・イット・イズ」にはジャズ・シンガーのグレゴリー・ポーター、「ディス・オールド・ハート・イット・イズ」にクリフ・リチャード、「ユー・キープ・ミー・ハンギング・オン」に、ルーマーなどが地味にですが参加しています。

とにかくヒット曲のオンパレード。シュープリームス、フォー・トップス、マーサ&ヴァンデラス、マーヴィン・ゲイ等の名曲がコンポーザーの歌で聴ける好企画アルバムです。

プロデュースはフレッド・モーリン。昨年発表されてソングライター・ファンの間で話題になったバリー・マン&シンシア・ワイル『プライヴェート・トレジャーズ』のプロデュースにも関わった人です。

今日のこの1曲は、マーヴィン・ゲイが1966年にスマッシュ・ヒットさせ、ドゥービー・ブラザーズがアルバム『運命の掟』の中でカヴァーした「リトル・ダーリン、アイ・ニード・ユー」と、1970年チェアメン・オブ・ザ・ボードが大ヒットさせた「ギヴ・ミー・ジャスト・ア・リトル・モア・タイム」をメドレーにした13曲目を。
盲目のピアニスト、ゴードン・モートのインパクトあるプレイも魅力です。森 勉


2018年5月16日(水) ダニー・コーチマー 「Sayonara」

5月28日(月)天辰保文氏トーク・イベントを当店地下カフェアゲインにて開催いたします。
記念すべき第10回目となる『Talking Man』、特集は<ダニー・コーチマーとその仲間たち>に決まりました。

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2018年5月28日(月)
PET SOUNDS RECORD presents
天辰保文 Talking Man Vol.10 ダニー・コーチマーとその仲間たち特集
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
18時半開場 19時半開演 入場料1500円
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キャロル・キング、ジェイムス・テイラーとの共演で知られる名ギタリスト、ダニー・コーチマー。
リー・スクラー、ラス・カンケル他、多くの名盤に関わった彼らの魅力を天辰保文さんに語って頂きます。
よろしければ5/28武蔵小山へどうぞお立ち寄りください。

さて、そのダニー・コーチマー、自身名義として久々オリジナル・アルバムが本日発売。

ダニー・コーチマー&イミディエイト・ファミリー『Honey Don't Leave LA』
(国内CD 36Pブックレット 天辰保文氏による解説・歌詞付 VSCD-3956 2,800円+税)
<当店にてお買い上げの方、6/17サイン会参加申込券を先着で差し上げています>

リー・スクラー、ラス・カンケルに加え、ワディ・ワクテル、ジム・コックス、スティーヴ・ポステルによる強力布陣。
更にジャクソン・ブラウン、ジェイムス・テイラー、デヴィッド・クロスビ-、マイケル・マクドナルドもゲスト参加!

ジャクソン・ブラウン大ヒット曲「Somebody's Baby」、『孤独なランナー』収録ダニー作「Shaky Town」、ジェイムス・テイラー/ジョーママで知られる「Machine Gun Kelly」、ドン・ヘンリーとの共作曲「New York Minute」等のセルフ・カヴァー他、新曲含めた全12曲。安心して聴ける大人のロック・アルバムに仕上がっています。

今日のこの1曲は、11曲目に収録されているダニー本人のペンによるオリジナル新曲「Sayonara」。
味わい深いスロー・ナンバーで、マイケル・マクドナルドがヴォーカル参加。

なお、6/14大阪ビルボード、6/16&18東京ビルボード、そして6/20ZEPP TOKYOにて来日公演も決定!
今作のバック・メンバーも一緒で、なおかつ6/20は小坂忠さん等と共演! 楽しみですね。森 陽馬


2018年5月17日(木) Joel Sarakula 「Baltic Jam」

ヴィンテージ感あるソウル/ポップ、AOR、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス気に入られた方にもオススメの1枚。

ジョエル・サラクラ『ラヴ・クラブ』
(国内仕様CD LEGO0138JP 解説付 2,200円+税)

ジョエル・サラクラは、2002年デビュー。
シドニー出身でロンドンを拠点に活動している男性シンガーソングライター。
地元オーストラリアで3枚、拠点を移してから今作で3枚目、計6枚のアルバムをリリースしています。

グザヴィエ・ボワイエ(タヒチ80)に似た甘め&少しハスキーなヴォーカル、トッド・ラングレンや70年代ソウルの影響が窺えるサウンド&メロディ、ホーンやストリングスも取り入れたさりげないアレンジ...一つ一つにセンスを感じさせます。

黒すぎず、甘すぎず、聴いていてとても気持ちよいポップ・アルバムです。

イントロのキーボードから、トッド・ラングレンのカヴァー?と一瞬思わせるような「Baltic Jam」を今日の1曲に。

ザ・マジック・ナンバーズの女性メンバー、ミシェル・ストッダートとの共作曲で先行シングル「In Trouble」、女性コーラスを擁したサイケなインスト・ナンバー「Theme From The Love Club」なども聴きものです。東尾沙紀


2018年5月18日(金) showmore 「恋をした」

Suchmos、cero、Nulbarich、etc...
ソウルフルな魅力を持った日本発男性グループが色々出てきていますが、女性Vo推薦盤を今日はご紹介。

showmore『overnight』
(国内CD DQC-1608 1,852円+税)

showmore(ショウモア)は、根津まなみ(Vo/作詞/作曲)、井上惇志(Key/作曲/編曲)によるユニット。

ジャジーかつアーバン・ソウルな楽曲に、都会的&メロウ・グルーヴなアレンジがクール!
中西道彦(YASEI COLLECTIVE)、タイヘイ(Shunske G&The Peas)、ユースケ(TAMTAM)によるバック演奏。
そして、UAを彷彿とさせる根津まなみの歌声もNice!!

新世代シティ・ポップお好きな方から、UA、Charaを聴いていた方にもオススメしたい1枚です。

今日のこの1曲は、Charaのカヴァー「恋をした」。
Charaのオリジナルとはまた違ったグルーヴィー&ダンサブルなアレンジが耳に残るナンバー。

6月20日には限定アナログEP(B面はオリジナル人気曲「circus」)も発売予定です。DJ要チェック! 森 陽馬


2018年5月19日(土) T-GROOVE & TWO JAZZ PROJECT 「Funky Show Time」

時間帯によって食べたいものが違うように、音楽もその日その時間で聴きたい音というのがありますね。

朝目覚めの曲、昼過ぎに聴きたいサウンド、そして夜向きの音楽。

今日紹介するのは、週末の夜にピッタリの新世代メロウ・グルーヴなアルバムです。

T-GROOVE & TWO JAZZ PROJECT『NU SOUL NATION』
(国内CD Yuki"T-GROOVE"Takahashi本人による解説付 KMKN-011 2,300円+税)

T-GROOVEは、1982年生まれ青森県八戸市出身日本人プロデューサー/トラック・メイカー。
2017年発表1stアルバム『Move You Body』(2018年3月19日今日のこの1曲で紹介)がロングセラー中。
そのT-GROOVEがフランス/マルセイユ出身ユニットTWO JAZZ PROJECTと組んだ2018年発表新作。

ファンキー&メロウなミディアム・ディスコ・チューン②「Funky Show Time」が最高にクール!

1曲目とラスト15曲目にはマーティン・ルーサー・キング牧師の有名な演説をモチーフにしたトラックを配すなど、踊るためだけのディスコ・ダンス作とは一線を画するコンセプトも敷かれたT-GROOVE入魂の1枚。
2018年現行ソウルの指針を示す重要作となりそうです。森 陽馬


2018年5月20日(日) Bettye Lavette 「Political World」

「ボブ・ディランの曲は、ディラン本人が歌うよりカヴァーの方が良いヴァージョンが多いよね」
とは、僕の友人(ボブ・ディラン大ファン)の言葉です。

ディラン、そしてディランファンの方々、ごめんなさい。。。

まあでも、<ディランが優れたソングライター>であり、<良いカヴァーが多い>ということでもありますよね。
と、フォローを入れたところで、最近リリースされたボブ・ディランのカヴァー・アルバムを紹介しましょう。

Bettye Lavette『Things Have Changed』
(輸入CD Verve 00602567267850)

1939年ミシシッピ生まれ、1960年代シカゴからデビューした女性R&Bシンガー、ベティ・ラヴェット。
スティーヴ・ジョーダンをプロデューサーに迎えた2018年発表アルバムは、全12曲ボブ・ディラン作。

近年のディランも顔負けなくらい原曲とは違ったアレンジで、ソウルフル&ブルージーにカヴァー。
スティーヴ・ジョーダン、ピノ・パラディーノ、ディランのバックも経験しているラリー・キャンベルに加え、キース・リチャーズ、トロンボーン・ショーティ、アイヴァン・ネヴィル等もゲスト参加。
貫禄溢れる彼女の歌声はもちろんのこと、バック演奏もガンボスープのような味わい沁みる仕上がりです。

今日のこの1曲は、ディラン1989年発表名作『Oh Mercy』収録曲「Political World」カヴァーを。
キース・リチャーズらしいギター・ソロが堪能できます。森 陽馬


2018年5月21日(月) スピナーズ 「アイル・ビー・アラウンド」

キャロル・キングやジェイムス・テイラー等のシンガー・ソングライター系の洋楽か、URCレーベルを中心とした日本のフォークとロックばかり聴いていた1970年代初期でした。

中村とうよう氏が編集長だった月刊音楽雑誌『ニュー・ミュージック・マガジン』を隅から隅まで読んで、暇があればレコード屋へ行ってレコードを眺め(あまり買えないので)、家に帰ってくればまだ少ない手持ちのレコードを聴いたり、ラジオを聴いたりする毎日でした。

1972年のある日、そんな感じでのんびりとラジオを聴いていたら流れてきたのが、このイントロでした。

スピナーズ「アイル・ビー・アラウンド」。

彼らがアトランティックへ移籍して、リード・ヴォーカリストも変わって放ったヒット曲。
彼らの曲としては初のベスト10ヒットとなった曲。
その曲を作ったのは、トム・ベルです。

それまで、ソウルのレコードはあまり買っていませんでしたが、ソウルのヴォーカル・グループもいいなぁ~、レコード欲しいなぁ~と思った1曲でした。

スピナーズ『フィラデルフィアより愛をこめて』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-27617 952円+税)

このアルバムには、この曲の他に「グッド・イット・ビー・アイム・フォーリング・イン・ラヴ」、「ワン・オブ・ア・カインド」、「ゲットー・チャイルド」のシングル・ヒットが収録されています。森 勉


2018年5月22日(火) ナタリー・コール 「ミスターメロディ」

今週末5月27日(日)は競馬の祭典、日本ダービーが行われます。

先日のオークスは、1着馬アーモンドアイから買っていたのに穴を狙いすぎて外れ、、、。
予想は絶好調なのに馬券は絶不調な最近(というかいつものこと)ですが、ダービーは的中したいですね。

ちなみに、5月6日NHKマイルCというレースでは、「ミスターメロディ」という馬から買っていました。

そう!1976年東京音楽祭グランプリを獲得したナタリー・コールの名曲から命名された馬!
かなりいい感じで先行し直線で一旦先頭に立ったのですが、、、残念ながら4着、、、。
惜しかったな~~。まあでも、これからも追っかけたい1頭ですね。

さて、ナタリー・コール「ミスター・メロディ」が収録されたアルバムが先日CD化されたので取り上げましょう。

ナタリー・コール『微笑』
(国内CD 生産限定盤 解説付 UICY-78734 1,000円+税)

ナット・キング・コールの娘として1975年デビューした彼女。
1991年「アンフォゲッタブル」の大ヒットもあり、ジャズ・シンガーのイメージがありますよね。

でも2ndアルバムとなる1976年発表今作は、ソウルフルかつポップな魅力に溢れた1枚。
チャック・ジャクソン&マーヴィン・ヤンシーによるプロデュース。
3曲目「Sophisticated Lady」(邦題:いきな女)が全米R&Bチャート1位のヒットを記録しています。

なお、「ミスター・メロディ」はアルバム1曲目に収録。
煌びやかなストリングス&ホーンのアレンジがポップで、聴いていて心が弾むナンバーです。

ちなみにダービーの予想。
ドイツの作曲家ワーグナーの音楽に心酔した人を指す言葉から命名、ワグネリアンから勝負しようかな。森 陽馬


2018年5月23日(水) マイケル・フランクス 「The Music In My Head」

マイケル・フランクス2011年発表作『Time Together』は、その年のベストに挙げたほど大好きな1枚。

ジャケットも素敵だし、チャック・ローブによるプロデュース&ギターが素晴らしくて何時聴いても癒されますね。

その『Time Together』から約7年。
18枚目となるオリジナル・アルバム『The Music In My Head』が本日発売されました。

マイケル・フランクス『The Music In My Head』
(国内CD マイケル・フランクス本人による解説&金澤寿和解説・歌詞・対訳付 PCD-27038 2,700円+税)

穏やかで柔らかな語り口、落ち着いたサウンド・アレンジは変わらず。
聴いていて心地良く、ゆっくりと時が過ぎていく全10曲。

でも、どこかセンチメンタルな空気感が伝わってくるのは気のせいでしょうか。

名作『スリーピング・ジプシー』に関わったトミー・リピューマ、1990年作『Blue Pacific』を手掛けたウォルター・ベッカー(スティーリーダン)、そして、近年の彼の作品で重要な役割を果たしてきたチャック・ローブ。
マイケル・フランクスにとって、かけがえのない盟友達が相次いで他界。

73歳を迎えた彼の「The Music In My Head」(頭の中で鳴っている音楽)。
哀しさと切なさを内包した温もりと、溢れる優しさに満ちています。森 陽馬


2018年5月24日(木) Jeffrey Foskett/Jeff Larson 「Shadows Of The Canyon」

降り続いた雨も朝方には止み、爽やかなそよ風が吹いた昼下がり。

そんなシチュエーションにピッタリのウエスト・コースト・サウンド新譜作品が発売されました。

ジェフリー・フォスケット/ジェフ・ラーソン『ELUA ALOHA』
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞付 VSCD-3957 2,315円+税)

ビーチ・ボーイズの現メンバーであるジェフリー・フォスケット。
そして、ウエスト・コースト・ロックの良心を現代に伝えるシンガー・ソングライター、ジェフ・ラーソン。
二人がコラボした新曲、セルフリメイク、カヴァー含めた全12曲入りアルバムです。

ジェリー・ベックリー(アメリカ)、ヘンリー・カポノ(セシリオ&カポノ)、ジェーソン・シェフ(シカゴ)が参加。
コーラス・ハーモニーを主体にした心地良いアコースティック・ポップな1枚。

今日のこの1曲は、穏やかな11曲目「Shadows Of The Canyon」。

ヘンリー・ディルツに関するドキュメンタリー映画のために、ジェフ・ラーソンが書き下ろしたナンバー。
Byrds In Flight、Joni's Blue、そしてJackson Browne、CSNという歌詞が出てきて印象に残ります。森 陽馬


2018年5月25日(金) 空気公団 「美しい重なり」

2017年に20周年を迎えた空気公団。
2016年発表作『ダブル』以来約2年ぶりの新作が今週リリースになりました。

空気公団『僕の心に街ができて』
(国内CD DDCZ-2197 3,056円+税)

様々なゲストが参加した『ダブル』と打って変わり、演奏/録音/ミックスをメンバー3人のみで手掛けた今作。

瑞々しいメロディ、飾らない言葉、山崎ゆかりさんの穏やかなヴォーカル...
近年の作品の中では全体を通しての空気感が特に素敵だなぁと感じた1枚です。

イントロからグッと引き込まれる1曲目「美しい重なり」を聴き、
<なんでもない日が美しい>
という詞が耳に残りました。

天気が良いとか、気持ちいい風が吹いてきたとか、次の日も会えるとか、楽しく会話できたとか。
日常の本当にささやかな幸せをフッと思い起こさせてくれる曲です。東尾沙紀


2018年5月26日(土) ウエス・モンゴメリー 「ジョージア・オン・マイ・マインド」

2018年3月6日は生誕95周年、6月15日は没後50年になるということで、ウエス・モンゴメリーのヴァーヴ及びA&M(CTI)時代のCDが9種類再発されました。

今日はその中から僕の大好きな1枚を紹介したいと思います。

ウエス・モンゴメリー『ダウン・ヒア・オン・ザ・グラウンド』
(国内CD UCCV-3078 1,500円+税)

1967年にヴァーヴからA&Mへ移籍、クリード・テイラープロデュースの下、ドン・セベスキーのストリングスを大胆に導入したアレンジにより、ウエスの新しい魅力が弾けた第1弾『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』に負けない出来の1968年発表A&M第2弾アルバムです。

参加メンバーは、ドラムスにグラディ・テイト、ベースにロン・カーター、ピアノにハービー・ハンコック、ヴィブラフォンにマイク・マイニエリ、フルートにヒューバート・ロウズなどが参加しています。

どの曲もいいのですが、2曲目「ジョージア・オン・マイ・マインド」の叙情あふれるギターは特に絶品です。

ピックではなく、右手親指から軽やかなタッチで紡ぎ出されるやわらかな音色はウエスならではのもの。

ジャズってむずかしい!と思っている方にもおすすめできるアルバムです。

なお、この「ジョージア・オン・マイ・マインド」は、同じこのアルバムに収録されているバート・バカラック作「アイ・セイ・ア・リトル・プレイヤー」とのカップリングでシングルにもなり、ヒットチャートに登場しています。森 勉


2018年5月27日(日) Jo Mama 「Sailing」

5月28日(月)は天辰保文氏トーク・イベント『Talking Man』を当店地下カフェアゲインにて行います。
特集は<ダニー・コーチマーとその仲間たち>!

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2018年5月28日(月)
PET SOUNDS RECORD presents
天辰保文 Talking Man Vol.10 ダニー・コーチマーとその仲間たち特集
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
18時半開場 19時半開演 入場料1500円
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キャロル・キング、ジェイムス・テイラーとの共演で知られる名ギタリスト、ダニー・コーチマー。
2018年5月発表新作『Honey Don't Leave LA』も大好評!
リー・スクラー&ラス・カンケル含め6月来日も決定した彼らの魅力を天辰さんに語って頂きます。乞うご期待!

さて、僕が好きなダニー・コーチマー関連作品から今日のこの1曲。

ダニー・コーチマーがキャロル・キング&チャールズ・ラーキーと組んだユニットTHE CITY解散後、ダニーとチャールズ・ラーキーが中心となり、女性シンガーアビゲイル・ヘイネスを迎え組んだバンド、ジョーママ。
1970年発表、ピーター・アッシャープロデュースによる制作された名盤です。

ジョー・ママ『Jo Mama』
(国内CD 完全限定盤 解説・歌詞・対訳付 WPCR-14831 1,143円+税)

ダニーの新作にも新録音(ジェイムス・テイラー参加!)が収録されている「Machine Gun Kelly」が有名ですが、僕が好きなのは6曲目「Sailing」。

白昼夢のような導入部から、ワクワクするようなイントロ、そして多幸感溢れるサビ&アウトロ。
この曲の後半で聴けるダニー・コーチマーのギター・ソロ、かっこいいですね。森 陽馬


2018年5月28日(月) Don Henley 「Sunset Grill」

5月28日天辰保文氏トーク・イベント『Talking Man』<ダニー・コーチマーとその仲間たち>特集。
たくさんのご来場ありがとうございました。

ダニー・コーチマーの魅力に関して、
「<歌に寄り添うギター>でありながら、脇役ではなく自分の存在をプライドを持って表現している」
と天辰さんが評されたのを聞いて、昔からダニーのギターに惹かれていた理由が実感できましたね。

ダニー・コーチマー含めセッション・ミュージシャンは、リーダー作を多く出しているミュージシャンに比べ、陽が当たらない存在かもしれませんが、「音楽は一人(主役)だけでは作れない」ということも天辰さんにおっしゃっていただき、改めて音楽を聴く楽しみというか、これからまた新たな気持ちで色々な曲を聴いていこう、と思えました。
天辰保文さん、いつもありがとうございます!

イベントでは僕がドン・ヘンリーの曲を間違えてかけてしまって、天辰さん&お客様、そしてドン・ヘンリーに申し訳ない気持ちが残ったので、今日のこの1曲はそのドン・ヘンリーが歌うダニー・コーチマーとの共作曲を。

ドン・ヘンリー『Building The Perfect Beast』
(国内CD 完全限定紙ジャケット仕様 解説・歌詞・対訳付 UICY-75001 2,667円+税)

1984年発表今作はイーグルスのコンサートでも必ず演奏されていたヒット曲「The Boys Of Summer」が収録されていることで有名ですが、「Sunset Grill」はまた違った味わいを感じるナンバー。

ちなみにCDには、当時のLPには未収録だったシングルB面曲「A Month Of Sundays」が8曲目に収録。
裏ジャケットにこの曲は記載されていません(CD帯には記載)。
CD自体が発売されたのはかなり前なのですが、今頃その事実を知りました。お恥ずかしい限りです。森 陽馬


2018年5月29日(火) ニール・ヤング 「Walk On」

今月一番うれしかったニュースは、ニール・ヤング&クレイジー・ホースが復活ライヴを行ったことでした。

2014年、クレイジー・ホースのベーシスト、ビリー・タルボットが脳卒中のためツアーを途中でリタイア。
リック・ローサス(彼も2014年11月急逝)が替わりに入ってそのツアーは続けられたものの、それ以来ニール・ヤングはクレイジー・ホースとのライヴは行っておらず、ビリーの体調など心配されていました。

そしていきなり発表され、5月初旬カリフォルニアで5日間行われたそのコンサート。
メンバーは、ビリー・タルボット(B)、ラルフ・モリーナ(Ds)、そしてニルス・ロフグレン(G)!
往年の人気曲中心に彼ららしい演奏を聴かせてくれたのです。

ニール・ヤングが近年一緒に演奏しているバンド、プロミス・オブ・ザ・リアルも良いのですが、昔の曲をやる時にかぎっては、クレイジー・ホースの重厚なリズム感というかグルーヴがやっぱり合っていますね。
まあとにかくも、ニールが相変わらず元気そうなのがファンとしては本当にうれしいです。

ということで、国内盤が本日入荷したニール・ヤング1973年ロキシーライヴ盤から今日のこの1曲。

ニール・ヤング『ロキシー:トゥナイツ・ザ・ナイト・ライヴ』
(国内CD SHM-CD仕様 解説・歌詞・対訳付 WPCR-18036 2,457円+税)

『Tonight's The Night』録音後に行われた1973年ライヴ(The Roxy Theatreのこけら落とし)が初音盤化。
メンバーは、ビリー・タルボット(B)、ラルフ・モリーナ(Ds)、ニルス・ロフグレン(G)に、今は亡きベン・キース。
ベン・キースのペダル・スティールの音色が泣けますね。

ラストに収録されている「歩き続けろ!続けるんだ!」と歌われる「Walk On」。
冒頭に記した今月の復活ライヴでも、この「Walk On」は5月1日初日に演奏しています。森 陽馬


2018年5月30日(水) Matthew Sweet 「Something Someone」

2017年発表『Tomorrow Forever』から約1年。
マシュー・スウィートの最新アルバムが今月発売になりました。

Matthew Sweet『Tomorrow's Daughter』
(輸入CD HH002-CD)

ポップさが戻ってきた!とファンの方の間で好評だった前作が6年ぶりのアルバムだったので、今回やけに早い!と喜んでおりましたら、今作収録の楽曲は前作と同時期に制作・録音されていたとのこと。

ジャケットには同じアーティストの絵(マシューのコレクション)が使用されており、前作との姉妹作としての位置付けなのでしょう。

もうちょっとそのギターソロ聴きたい!という所であっさりフェイドアウトしてしまう曲が多いのが少し気になりますが、彼らしいガツッとしたギター、爽快&沁みるメロディ、骨太なバンド・サウンドが楽しめる1枚。

本日は、詞の♪Eight Days A Week♪が毎度耳に残る「Something Someone」を今日の1曲に。
ヴァル・マッカラムによるスライド&フィードバック・ギターが良い味出してます。東尾沙紀


2018年5月31日(木) 新崎純とナイン・シープス 「かじゃでぃ風節」

<琉球ペット・サウンズ>!?

限定アナログ音盤化された貴重音源が一部で話題になっています。

新崎純とナイン・シープス『かじゃでぃ風節』
(国内EP EMレコード EM1176 1,500円+税)

「かじゃでぃ風節(ふーぶし)」は、琉球古典音楽・琉球舞踊楽曲。
結婚式などおめでたい席で演奏されるそうです。

その「かじゃでぃ風節」を新崎純というミュージシャンが、総勢13名バンドで1977年録音したのがこの音源。

人間国宝の三線奏者照喜名朝一を招き、琉球音楽の基はそのままに、管楽器、ピアノ、ギター、ベース、ドラム、パーカッションを加えた演奏は、<荘厳なペット・サウンズ民謡>という雰囲気。

リハーサル無し&一度きりの演奏で、当時記録用に録音していた1本のテープを発掘。
そんな約40年前に録音されていた奇跡の音源をアナログ音盤化するとは、さすがエム・レコード!

ちなみにB面には、ポートランドを拠点に活動するアンビエント・エレクトロニカ・ユニット、Visible CloaksによるRemixヴァージョンが収録されています。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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