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  今日のこの1曲 “Archives”

<2019月8月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2019年8月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2019年8月1日(木) 村田和人 「旅は君連れ」

つい先日まで梅雨が続き、冷夏と囁かれていたのが遠い過去のように感じる暑い暑い夏がやってきました。

というよりも、夏がこのリリースを待っていたのかもしれません。

村田和人『エヴァーグリーン・ワークス ~永遠に続く輝き~』
(国内CD 
当店のみの先着特典ポストカード付 STPR-013 2,400円+税)

村田和人さんはMOONレーベルから1982年デビューし5作。1988年東芝へ移籍し3作をリリース。
その後1993年ビクターへ移籍『Hello Again』(1993).『Evergreen』(1994).『Sweet Vibration』(1995)を発表。
今作はビクター社リリース上記3作からの選曲による編集盤です。

今日のこの1曲は、田口俊が作詞を担当している名曲「旅は君連れ」。
村田バンド(山本圭右、湯川トーベン、向山テツ、友成好宏、小板橋博司)&佐橋佳幸によるサウンドもNice!

『ひとかけらの夏』は持っているけれど他は、、、という方にも是非聴いてもらいたい1枚ですね。森 陽馬


2019年8月2日(金) Honey & B-Boys 「You Devil You」

村田和人、山本圭右、西司、平松絵里(愛理)によるユニット、HONEY&B-BOY。
廃盤で長らく入手困難だった1987年発表唯一のアルバムがボーナス・トラック追加で再CD化されました。

HONEY&B-BOYS『Back To Frisco』
(国内CD 山本圭右他によるインタビュー、村田和人セルフ解説掲載 RATCD-4414 2,500円+税)

村田和人5thアルバム『Boys Life』(1987年6月25日発売)の3カ月前3月25日にリリースされた今作。
平松絵里(愛理)が大ヒット曲「部屋とYシャツと私」(1992)を出す前に歌った村田和人書き下ろし曲「My Wish」、シュガー・ベイブ名曲「雨は手のひらにいっぱい」カヴァー(村松邦男アレンジ)等全11曲。
今回の再発盤には初出のカラオケ音源等ボーナス・トラック10トラックが追加収録されています。

今日のこの1曲は、山本圭右作曲、Ralph McCarthy英語詞、村田和人メイン・ヴォーカルの⑨「You Devil You」。
1曲目「Morning Selection」含め、圭右&村田コンビ抜群の相性と伸び伸びとした歌声が堪能できます。森 陽馬


2019年8月3日(土) 松下誠 「Sunset」

日本シティ・ポップ/AOR好きの方必聴!

セッション・ギタリストであり、AB'S、ミルキー・ウェイ、パラダイム・シフトでの活動でも知られる松下誠。
大滝詠一『ロング・バケイション』と同じ1981年に発表した1stアルバムが再CD化されました。

松下誠『First Light』
(国内SHM-CD紙ジャケット仕様 ボーナス・トラック追加 松下誠コメント付 BRIDGE-279 2,500円+税)

タワー・レコード限定で2012年CD化されたことがありましたが、今回は美麗なオリジナル・ジャケットでの復刻。
(以前の再発CDは、版権の問題で1982年出し直しされた際のイラスト・ジャケでプラケース仕様でした)
最新リマスタリングされ、松下誠本人の解説も付いています。

レコード・コレクターズ誌2018年4月号シティ・ポップ特集にて、AORマニアのブラジル人エヂ・モッタが選ぶ日本シティ・ポップ10作中、山下達郎他名盤を差し置き今作をベスト1に選出するなど国内外で再評価著しい1枚。

今日のこの1曲は、本編ラスト9曲目「Sunset」を。
10cc「I'm Not In Love」を彷彿とさせる多重コーラスとサウンドが崇高な美しさを放つ名曲です。森 陽馬


2019年8月4日(日) 須藤薫&杉真理 「砂に消えた涙」

須藤薫さんと杉真理さんが2000年7月に行ったライヴ音源がCD化されました。

須藤薫&杉真理『ライヴ・ポップン・ロール TANABATA July,2000』
(国内CD 土橋一夫氏監修・解説付 DQCL-3555 2,500円+税)

東京六本木STB139スイートベイジル(2000年7月8日)、大阪UMEDA HEAT BEAT(2000年7月10日)のコンサートを、資料用として録音していたDATからCD化した貴重音源です。

包容力溢れる薫さんの歌声、そして杉さん&バック・バンドのサポートも素晴らしい全18曲。
今日のこの1曲は、イタリア人女性シンガー、ミーナの1964年大ヒット曲「砂に消えた涙」カヴァーを。

なお、このCDはSony Music Shop通販限定商品ですが、ご遺族・制作関係者によるご厚意で、当店でも販売できることになりました。ご遺族の方々、関係者各位、そして薫さん、謹んで御礼申し上げます。森 陽馬


2019年8月5日(月) Cornelius 「THE SUN IS MY ENEMY」

コーネリアス94年発表1st『the first question award』、2001年4th『POINT』が最新リマスターで再発。
8月は東京・大阪で、9月以降はアメリカ&カナダでの『POINT』再現ツアーも発表されています。

『POINT』以降の音の間と間を聴かせる研ぎ澄まされたサウンド=コーネリアス...というのがイメージとして強くありましたが、華やかでどこまでもポップなメロディが詰まった『the first question award』は、リリースから25年を経た今聴いても新鮮でかっこいいですね。

Cornelius『the first question award』
(国内CD ボーナストラック3曲収録 WPCL-13066 2,400円+税)

スタイル・カウンシル・オマージュな冒頭の「THE SUN IS ENEMY」からワクワク止まらず、ブロウ・モンキーズ、プライマル・スクリーム、ロジャニコ、ハーブ・アルパート等々、ルーツやその時代の空気を取り込んだ楽曲が楽しい!

当時20代半ばの小山田圭吾さんだったからこその勢いや熱量みたいなものに今とはまた違ったかっこ良さがあり、圧倒されてしまいました。

ボーナス・トラックとして「PELE」、「DIAMOND BOSSA」、「THEME FROM FIRST QUESTION AWARD -English version-」の3曲が追加収録されています。東尾沙紀


2019年8月6日(火) 渡辺美里 「It's All Right!」

<夏>のイメージを持つアーティストといえば、ビーチ・ボーイズ、村田和人、サザン、TUBE、etc...
そして、渡辺美里もそのうちの1人ですよね。

2019年でデビュー35周年を迎えた渡辺美里。
20枚目となるオリジナル・アルバム『iD』が発売になりました。

渡辺美里『iD』
(国内CD 初回限定DVD付 ESCL-5253 5,370円+税/通常CD ESCL-5255 2,778円+税)

奥野真哉(ソウル・フラワー・ユニオン)、本間昭光(いきものがかり、ポルノグラフィティ等を手掛けたプロデューサー)の2人がサウンド・プロデュースの中心となり制作された活気あふれる全11曲。

今日のこの1曲は美里の気合いが感じられる⑨「It's All Right!」。
ストーンズ「ブラウンシュガー」っぽいイントロのギターは仲井戸CHABO麗一!

ちなみにラスト⑩「すきのその先へ」、歌詞&メロディーがとっても素敵でキュンときました。森 陽馬


2019年8月7日(水) 近藤利樹 「Uptown Funk」

2019年7月28日(日)フジロック・フェス3日目へ行ってきました。

ジェイソン・ムラーズ、Superfly、クルアンビン、キュアー、渋さ知らずオーケストラ、Paradise Bangkok Molam International Band等々、天候に恵まれ楽しいライヴをたくさん見ることができました。

中でも特に印象に残ったのがこの人、関西出身12歳の天才ウクレレ奏者!近藤利樹。

Gypsy Avalonという小さいステージ、最初の出番でしたが、初々しいながらも堂々としたパフォーマンス!
ウクレレの技術はもちろんのこと、演奏中ずっと笑顔で人を惹きつける魅力が伝わってきましたね。

今日のこの1曲はフジロックでも披露したブルーノ・マーズ人気曲「Uptown Funk」カヴァーを。
近藤利樹『ウクレレ・デイズ』
(国内CD 2018年7月4日発表ミニ・アルバム AICL-3530 1,759円+税)

なお、メジャー1stフル・アルバム『With U』が2019年11月27日発売決定。ブレイクしてほしいな。森 陽馬


2019年8月8日(木) 竹内まりや 「アフター・イヤーズ」

竹内まりや『Turntable』は9月4日発売決定していましたが、ジャケット及び収録曲の内容が発表されました。

竹内まりや『Turntable』
(国内3枚組CD WPCL-13077 4,000円+税)
初回プレス分のみ別冊まりやちゃんスペシャル・ブック(イラスト:ヤマザキマリ)封入&三方背BOX仕様

発売はまだまだ先と思っていたら、あと1ヶ月を切りましたね。
恒例のリーフレット作りもそろそろ本腰を入れないといけない時期になってきました。
まずは資料集めから...がんばります。

さて、今回の『ターンテーブル』はベスト・アルバム『エクスプレッションズ』に収められなかった主要曲全17曲によるディスク1『モア・エクスプレッションズ』。他アーティストへの提供曲をセルフ・カヴァーした曲やレア曲を全20曲収録のディスク2『まりやズ・レアリティーズ』。そして、<サンデー・ソングブック>で放送されたクラブ活動音源等を全25曲収めたディスク3『プレミアム・カヴァー』で構成されています。
3枚組全62曲、聴きごたえありそうですね。

あの曲を入れて欲しかった、というのは今回はなしにしておきましょう。
イイ曲がいっぱいありすぎて選曲が大変なことはわかっていますから。

ジャケットの写真もなんとも素敵に仕上がっていますし、発売が待ち遠しいです。

今日のこの1曲はディスク1より「アフター・イヤーズ」。
ここに入ってうれしい1曲です。

あの名曲「駅」と両A面扱いのような形で1987年にシングル・レコードとして発売された曲でもあります。
山下達郎によるボサノヴァ・テイストのアレンジ&演奏と、竹内まりやの優しい歌声が魅力です。森 勉


2019年8月9日(金) The Bird & The Bee 「Jump」

ローウェル・ジョージの娘で、ソロやLiving Sistersとしての活動でも知られるイナラ・ジョージと、プロデューサーとしても売れっ子のグレッグ・カースティンによるエレポップ・デュオ、ザ・バード&ザ・ビー。

久々のリリースは、ヴァン・ヘイレン・カヴァー集!

『ジャンプ ~トリビュート・トゥ・ヴァン・ヘイレン』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナストラック1曲収録 HYCA-3088 2,400円+税)

子供の頃からヴァン・ヘイレンが大好きだったという2人。

「Runnin' With The Devil」、「Panama」、ベック参加「Hot For Teacher」、「Ain't Talkin' Bout Love」、キンクスのカヴァー「You Really Got Me」他、デヴィッド・リー・ロス在籍時の人気曲を取り上げ、ピアノ/キーボードを主体に大胆にアレンジ。
洗練されたサウンドとイナラのヴォーカルで見事にカヴァーしています。

オリジナルのシンセサイザーを用いた印象的なイントロを、イナラの多重コーラスで表現した「Jump」も聴きもの!

ヴァン・ヘイレンとデヴィッドに捧げられた「Diamond Dave」(2008年発表『Ray Guns Are Not Just The Future』収録曲)のセルフ・カヴァーも収録。
ヴァン・ヘイレンへのリスペクトと愛情たっぷりの1枚です。東尾沙紀


2019年8月10日(土) ハーパース・ビザール 「カム・トゥ・ザ・サンシャイン」

ポール・サイモンが作った「59番街橋の歌」(フィーリン・グルーヴィー)をハーパース・ビザールが歌ってアメリカのヒットチャートを賑わせていたのは1967年春のことでした。

ハーパース・ビザールは5人組コーラス・グループ。
さわやかなコーラスと新鋭(当時の)ソングライター曲を取り上げる選曲の妙も話題でした。

1967年1stアルバムには、ランディ・ニューマン、レオン・ラッセル、ロン・エリオットが書いた曲も収められています。

ハーパース・ビザール『フィーリン・グルーヴィー』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-27843 952円+税)

今日はその中から、アルバム冒頭を飾っている「カム・トゥ・ザ・サンシャイン」を。
曲を作ったのはヴァン・ダイク・パークスで、ピアノも弾いています。

アレンジはペリー・ポトキン・ジュニア。
アルバム全体のプロデューサーは当時まだ25歳のレニー・ワロンカー。

なお、ハーパース・ビザールのメンバーには、後にドゥービー・ブラザーズ、ヴァン・ヘイレン等を育てた大プロデューサー、テッド・テンプルマンが在籍していました。森 勉


2019年8月11日(日) クルアンビン 「Firecracker」

最初は変な気分になって、ああこんなもんか、と思うけれど、不思議と後を引きクセになる...

クルアンビンというバンドが奏でる音楽は、そんな麻薬のような中毒性を持っていますね。

フジロック・フェス2019、3日目7/28(日)夜フィールド・オブ・ヘヴンのトリで登場したクルアンビン。
アメリカ/テキサス州ヒューストン、地元の教会でゴスペルを一緒に演奏していたMark Speer(G)とDonald"DJ"Johnson(Dr)に、女性ベーシストLaura Leeが加わった3人バンドです。

1960年代からタイムマシンに乗ってきたようなマークによる浮遊感あるエレキ・ギターが絶妙の味。
更に、Laura Leeの妖艶な腰つきから繰り出されるベースがなんだかよくわからないけれどエグい!
単調なようでいて聴き続けていられるインストなんですよね。

今日のこの1曲はマーティン・デニー及びYMOヴァージョンでも有名な「Firecracker」カヴァーを。
2014~15年以前制作した楽曲を収めた日本独自編集CD『全てが君に微笑む』に収録。森 陽馬
(国内CD 松永良平氏解説付 BRC-605 2,200円+税)


2019年8月12日(月) ROCKPILE 「Trouble Boys」

ニック・ロウ来日(8/13、14ビルボード・ライヴ東京、8/15大阪)を目前に、嬉しいニュースが発表されました。

ザ・スパンピナード・ブラザーズ・バンドwith SPゲスト ビリー・ブレムナー来日!(10/24、25、26)

元NRBQのジョーイ&ジョニー・スパンピナート兄弟を中心に結成されたザ・スパンピナード・ブラザーズ。
病気療養中の兄ジョーイは残念ながら公演不参加となりますが、ジョニー率いるバンドと共に強力助っ人としてビリー・ブレムナーがやって来ます。

8月4日に73歳になったビリーは、ニック・ロウ、デイヴ・エドモンズ、テリー・ウィリアムズらロックパイルの一員としての活躍でも知られるシンガーソングライター/ギタリスト。

彼がリード・ヴォーカルを務めたロックパイルの超名曲「Heart」はいつ何度聴いても胸が躍ります。
その「Heart」含め、10月の公演では自身のソロ作からも色々歌ってくれたりするのかな、と今から楽しみです。

本日はビリーの来日決定を祝して、ちょうど40年前1979年8月ニューヨークで行われたロックパイルのライヴを収めた『ライヴ・アット・ザ・パラディアム1979』から「Trouble Boys」を。
(国内仕様CD 赤岩和美氏による解説付 MSIG-1163 3,000円+税)

デイヴ・エドモンズ1978年シングル、シン・リジィもカヴァーしたビリー作のロックンロール・ナンバー。
ライヴ盤でのビリー自身による気合いの入った歌声が最高! キレッキレのバンド演奏にもシビれます。東尾沙紀


2019年8月13日(火) 土岐麻子 「君に、胸キュン。」

NHK EテレのTV番組『ふるカフェ系 ハルさんの休日』
渡部豪太演じるハルさんが全国のカフェをドラマ仕立てで紹介する大好きな番組です。

ただ単に人気店というのではなく、古い建築を活かし意志を持って営業をしているカフェが毎回登場。
店舗に携わるスタッフやお客さん等実在の方々が出演しているのも面白いですよね。

番組内でかかる音楽もハルさんの雰囲気にピッタリ♪
オープニング曲は、つじあやのが歌う「なんとなくなんとなく」(スパイダースのカヴァー)。
そして番組後半で毎回かかり印象的なのが、土岐麻子が歌う「君に、胸キュン。」です。

「君に、胸キュン。」はYMO1983年大ヒット曲。(作詞:松本隆、作曲:細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一)
土岐麻子が歌うこの曲は2006年発表カヴァー・アルバム『WEEKEND SHUFFLE』に収録。

その『WEEKEND SHUFFLE』が限定アナログLP化。(国内LP 311-LDKLP 2,700円+税)
今作には大滝詠一「夢で逢えたら」、シュガー・ベイブ「Down Town」カヴァーも収録されています。
番組『ふるカフェ系』も限定アナログ盤も是非チェックしてみてください。森 陽馬


2019年8月14日(水) ビートルズ 「オー!ダーリン」

ビートルズのアルバム『アビイ・ロード』50周年記念リマスター盤の発売が9月27日に決まりました。

『アビイ・ロード』はビートルズのラスト・レコーディング・アルバムと現在ではわかっているのですが、1969年当時はそうなってしまうことを意識して聴いたりはしていませんでした。
まだ高校3年生、18歳の僕はビートルズの曲が聴けるだけで満足でしたし、作品に対して深く分析する情報も能力もなかったのです。

それに『マジカル・ミステリー・ツアー』とシングル「レディ・マドンナ」、「ヘイ・ジュード」のリリースしかなかった1968年に比べると、1969年のリリース・ラッシュはビートルズ・ファンとしては忙しくもうれしい出来事でした。

1969年7月までに日本盤としてレコードが発売されたのは(この当時は輸入盤の流通はまだまだ一般的ではなくて、日本盤の発売日が我々日本人にとっての初めてそのレコードを手に取れる日でした。)、1月『ザ・ビートルズ』(ホワイト・アルバム)、3月『イエロー・サブマリン』、シングル「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」、6月シングル「ゲット・バック」、7月シングル「ジョンとヨーコのバラード」。
約半年間でこんなに発売されていたのです。1969年は。

解散の話もなかったわけではありませんがただの噂だと思っていましたし、10月には『アビイ・ロード』が発売!
ビートルズの4人がおかれていた当時の立場や想いは、僕らのような若年ファンにはあまり伝わっていなかったのが事実でした。

それにしても、アルバム『アビイ・ロード』の凄さ。
どの曲も凄い、そしてB面の息をもつかせぬ見事なメドレー。
そのアルバムの50周年記念盤が出ます。楽しみです。

今日のこの1曲は、LPを初めて通して聴いた時、最初に大好きになった「オー!ダーリン」を。
ポールのシャウトがたまりません。森 勉


2019年8月15日(木) The Ray Charles Singers 「Windy」

廃盤になる商品は毎月あり、月初リストがデータで到着→月末返品することになっています。
今月はユニバーサル社の廃盤が多く、店頭在庫の廃盤予定商品抜き出しを近日行いました。

何年も売れないで残っている商品ながら、いざ廃盤・返品するとなると口惜しい想いが残りますね。
丁寧に作られた解説・歌詞・対訳付の国内盤。
たった1枚、されど1枚、このCDを発売するのに、制作者・担当者の様々な苦労があったことでしょう。

音楽も消費される時代へ突入している昨今、国内盤の文化的価値を今一度見直す必要があると思いますね。

その今月末廃盤予定のCDから今日のこの1曲。

レイ・チャールズ・シンガーズ『テイク・ミー・アロング!』
(国内CD 紙ジャケット仕様 大江田信解説・歌詞・対訳付 UICY-93262 2,381円+税)

土橋一夫&高瀬康一監修による<ジャケガイノススメ>シリーズの1枚。
あの有名なレイ・チャールズではなく、白人のレイ・チャールズが主宰した男女コーラス・グループです。
流麗なコーラスとオーケストラが魅力的。バカラック、アソシエイションの名曲カヴァーも入ってます。森 陽馬


2019年8月16日(金) エリック・バードン&アニマルズ 「トゥ・ラヴ・サムバディ」

「朝日のあたる家」、「悲しき願い」、「悲しき叫び」、「朝日のない街」、「孤独の叫び」、「ドント・ブリング・ミー・ダウン」、「サンフランシスコの夜」、「スカイ・パイロット」等のヒットを生んだアニマルズは、ミドル60'sの忘れられないブリティッシュ・ビート・グループです。

イギリスのニューキャッスルで1963年に結成され、1968年解散。
今考えればたった5年間でしたが、R&Bやブルースなど黒人音楽の良さを日本のティーンネイジャーの音楽ファンにもわかりやすいかたちで教えてくれたグループでした。

今日はそのアニマルズ、1968年10月L.A.で録音されたラスト・アルバムから1曲紹介したいと思います。

エリック・バードン&アニマルズ『ラヴ・イズ』
(国内CD 紙ジャケット仕様 解説・歌詞・対訳付 UICY-93377 2,571円+税)
<この盤2019年8月末で廃盤になります>

当時のメンバーは、ヴォーカルのエリック・バードン以外は結成当時と全員入れ替わっていましたが、ズート・マニー(キーボード)など達者な連中が揃っていたので演奏も楽しめるものになっています。

ビージーズ「トゥ・ラヴ・サムバディ」をこの時代らしいサイケ色を漂わせながら7分20秒長尺カヴァー。
聴きものです。森 勉


2019年8月17日(土) Bill Callahan 「Call Me Anything」

<羊皮のベストを着た羊飼い>
世の無常を皮肉を込め表したタイトル、そして神秘的なジャケット・イラストが印象的な1枚。

ビル・キャラハン『Shepherd In A Sheepskin Vest』
(国内仕様CD 日本語解説・歌詞付 SIGNS-045 2,400円+税)

ビル・キャラハンは1990年代からSMOG名義で活動していた男性シンガー・ソングライター。
今作は『Dream River』(2013)以来約6年ぶりとなるオリジナル・アルバム。
2018年5月亡くなった母への想いや死生観を込め、地元オースティンで録音された作品です。

アコースティック・フォーキーなサウンドをバックに、低い声質で呟くように歌うスタイル。
レナード・コーエンとトニー・ジョー・ホワイトを足してアシッドで割ったような雰囲気、じんわりと聴かせます。

今日のこの1曲は、カリンバのような音と歌の隙間がマジカルに響く⑬「Call Me Anything」を。森 陽馬


2019年8月18日(日) RIDE 「Future Love」

2014年に再結成を果たした英国の4人組ロック・バンド、ライド。

実に21年ぶりのアルバム・リリースとなった前作『ウェザー・ダイアリーズ』から約2年。
再結成以降2枚目、通算6作目となる新作が先日発売になりました。

ライド『ディス・イズ・ノット・ア・セーフ・プレイス』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナストラック2曲収録 OTCD-6767 2,400円+税)

新作のジャケットを見て、1st『Nowhere』のあの波のジャケットを連想された方も多いのではないでしょうか。
初期の雰囲気を彷彿とさせながら、単なる焼き直しではない成熟したサウンドを聴かせる充実作となっています。

バンド名を冠したノイジーな「R.I.D.E」に始まり、切ないリフと爽やかなハーモニーが同居した「Future Love」、米国アーティスト、バスキアの名が登場するニューウェイヴな「Repetition」、アンディ・ウォーホールの言葉からインスパイアされた「Fifteen Mintutes」など、アンディ・ベル作詞の楽曲からはアートの影響も感じられます。
彼ららしいヘヴィな部分とポップな部分が絶妙な1枚。

11月5日EXシアター六本木、11月6日大阪梅田クラブクワトロでの来日公演も予定されています。東尾沙紀

2019年8月19日(月) Marc Ribot - The Young Philadelphians 「The Hustle」

映画『カーマイン・ストリート・ギター』を新宿シネマカリテにて鑑賞。

ニューヨーク/グリニッジ・ヴィレッジで今も営業しているギター・ショップの1週間を描いたドキュメンタリー。
ギター職人リック・ケリーは、ニューヨークに古くからある建物の廃材を使いギターを製作。
その信念と心意気に惹かれ、PC・携帯電話も持たない彼へ様々な人物が店を訪れる様子が描かれています。

ジム・ジャームッシュ、ビル・フリーゼル、レニー・ケイ、マーク・リーボウ、チャーリー・セクストン、ネルス・クライン(Wilco)、カーク・ダグラス(The Roots)、ジェイミー・ヒンス(The Kills)他出演。

ビル・フリーゼルがアストロノウツ好きだったことを語り、「パイプライン」~「サーファー・ガール」を弾く場面。
ネルス・クラインが盟友を励ますためにギターをプレゼントしたい、と話すシーン。
マーク・リーボウが語る音楽の表と裏の興味深い話など、とても楽しく観ることができました。

弟子の女性シンディもさることながら、電話番をしているリックの母親が醸し出す風情も良かったですね。
ニューヨーク不動産問題をさりげなく提起していたのも印象深かったです。

今日のこの1曲は、奇才マーク・リーボウによるヴァン・マッコイ名曲「The Hustle」インスト・カヴァーを。森 陽馬

マーク・リーボウのヤング・フィラデルフィアンズ『Live In Tokyo』
(国内CD 2014年来日東京公演音源 日本語解説付 PCD-25193 2,500円+税)


2019年8月20日(火) Glen Campbell 「Guess I'm Dumb」

今夏~秋は音楽映画の劇場公開が目白押し!

昨日紹介した『カーマイン・ストリート・ギター』に続き、エルトン・ジョンの半生を描いた
『ロケット・マン』(8/23公開)、ジョアン・ジルベルトを巡るドキュメンタリー『ジョアン・ジルベルトを探して』(8/24公開)、シカゴのドキュメンタリー『ザ・ヒストリー・オブ・シカゴ Now More Than Ever』、ビートルズを題材にした『YESTERDAY』(10月公開)も楽しみですね。

あと、グレン・キャンベルの映画
『アルツハイマーと僕 ~グレン・キャンベル 音楽の奇跡~』も注目しています。

グレン・キャンベルは1960年代前半スタジオ・ミュージシャン集団/レッキングクルーのメンバーとして活動。
60年代後半「By The Time I Get To Phoenix」等ヒットを出したアメリカを代表する名シンガーです。

この映画はアルツハイマー病と診断されながら敢行したコンサートツアーのドキュメンタリー映像作品。
アルツハイマー病の深刻さを焦点にした内容ですが、2017年逝去した彼の雄姿を見届けたいと思っています。

今日の1曲は、ビーチ・ボーイズとも縁深かった彼が1965年に歌ったブライアン・ウィルソン作「Guess I'm Dumb」。
1990年代発売された編集盤『The Capitol Years 65/77』(輸入CD 724382183426)に収録されています。森 陽馬


2019年8月21日(水) サカナクション 「忘れられないの」(カラオケ)

サカナクション2019年6月発表傑作アルバム『834.194』から、近年では珍しいアルバム・カット。
なんと!短冊型8cmシングルCDの仕様で発売されました。

サカナクション『忘れられないの/モス』
(国内8cmCD 完全限定盤 プレイパス対応ダウンロードカード封入 VIDL-30565 1,200円+税)

彼らのルーツは1980年代にあり、当時CD流通において普及していた8cmCDの形態で、という意向のリリース。

実際に手に取ると、「昔は7インチアナログEPの什器を転用して8cmシングルを店頭出ししていたなぁ」とか、「ポニーキャニオンのシングルにはZマークが付いていて返品可だったな」等、色々と思い出しましたね。

サカナクションの今シングルには、遊び心溢れるMusic Video絵コンテが描かれた用紙&フォトカード封入。
更に、その時代にはなかったプレイパス対応(携帯へダウンロードして聴ける)仕様になっています。

また、アルバムには収録されていないカラオケが入っているのもうれしい!
アーティストが作った1曲を噛みしめるようにして聴くシングル盤の楽しさが凝縮された1枚です。森 陽馬


2019年8月22日(木) The Weight Band 「Day Of The Locusts」

アメリカン・ルーツ・ロックの名バンド、ザ・バンド好きの方は要注目の1枚です。

ザ・ウェイト・バンド『World Gone Mad』
(国内CD 日本語解説付 VSCD-3965 2,315円+税)

ザ・バンドが1980年代再結成した際、ロビー・ロバートソンの代わりにギターを弾いていたジム・ウィーダー。
後期ザ・バンドの重要人物だった彼が中心となり組んだのが、ザ・バンド曲名を冠したThe Weight Band。

リヴォン・ヘルムのバンド・メンバー繋がりで集ったこのバンドの音は、まさに<ザ・バンド>していますね。

日本盤ボーナス・トラックとして「Weight」カヴァーのライヴ音源も収録されていますが、今日のこの1曲は、ボブ・ディラン1970年発表作『New Morning』収録曲「Day Of The Locusts」(せみが鳴く日)カヴァーを。

なお、ザ・ウェイト・バンドはビルボードライヴにて2019年8月29日~9月1日来日公演決定!
リトル・フィートのポール・バレル&フレッド・タケットもゲスト出演する予定になっています。森 陽馬


2019年8月23日(金) イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー 「ラヴ・イズ・ジ・アンサー」

テキサス州オースティンで結成された、というとカントリー・ミュジックはたまたブルースのグループと思ってしまいますが、イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーは二人の美しいハーモニーを基調としたAOR風味を持ったユニットです。

1976年「I'd Really Love To See You Tonight」(秋風の恋)が全米第2位を記録して、世界的に名が知られるようになりました。しかし、日本では5年前にもうそれなりに知られるグループでした。「シーモンの涙」(A&Mレーベル)が毎日のようにラジオから流れていて、洋楽ファンには評判の良い曲でした。

その後、イングランド・ダン(ダン・シールズ)の兄であるジム・シールズがダッシュ・クロフツと組んだシールズ&クロフツが「サマーブリーズ」や「ダイアモンド・ガール」の大ヒットを出したことにより、ジムの弟はイングランド・ダンということでちょっと注目もされたりもしました。

さて、今日は彼らが1979年に発表したアルバムを紹介したいと思います。

イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー『Dr.ヘッケル&Mr.ジャイヴ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-17463 1,300円+税)

このアルバムからは1979年5月にベスト10ヒットが生まれました。
トッド・ラングレン作品をカヴァーした「ラヴ・イズ・ジ・アンサー」(愛こそ証し)。

オリジナルは1977年発表ユートピア名義のアルバム『Oops! Wrong Planet』(悪夢の惑星)のB面ラストに収められていたトッドならではのポップで美しいメロディーを持った曲です。

ほぼオリジナルに忠実にカヴァーされていますが、この二人ならではの声が絡む所が聴きものです。森 勉


2019年8月24日(土) Van Duren & Jody Stephens 「Andy,Please」

<ザ・フーのピート・タウンゼントが1967年「リリーのおもかげ」を宣伝するために使った言葉、パワー・ポップ>
(帯掲載文より)

ビートルズやブリティッシュ・ロックをルーツに、パワフルなビート&キャッチーで爽快なメロディを鳴らす70~80年代アメリカのグループの楽曲を集めた英ace編集のコンピレーションが発売になりました。

オムニバス『パワー・ポップ万博70s&80s』
(国内CD 英文解説の日本語訳付 PCD-17807 2,600円+税)

パワー・ポップと呼ばれる元祖的存在ラズベリーズ、ユートピア、ビッグ・スター、シューズ、フレイミン・グルーヴィーズ、ジャケットにも登場ザ・ルビナーズ、ビートルズ色濃いスポンジトーンズ、NYのトリオでスティッフ・レーベル発ダーティ・ルックス、エルヴィス・コステロの歌が始まりそうなイントロが印象的/女性vo擁するザ・シヴァーズなど...有名どころからマニアックなものまで全24曲を収録。

本日はその中から、ヴァン・デューレン&ジョディ・スティーヴンス「Andy,Please」を今日の1曲に。
ナッシュヴィルの男性SSWと、ビッグ・スターのドラマーの共作による75年録音。
ポール・マッカートニー×ラズベリーズなこの曲を聴いて、もっとヴァン・デューレンという人を掘り下げて聴いてみたくなりました。東尾沙紀


2019年8月25日(日) Lighthouse 「One Fine Morning」

いい曲は、カヴァー・ヴァージョンを先に聴いて知ることが多いです。

ライトハウス「One Fine Morning」は、シアター・ブルックがカヴァーしていたことから知りました。

LighthouseはSkip Prokop(Dr)とPaul Hoffert(Key)が中心になり1968年頃結成。
<カナダのBS&T(ブラッド・スウェット&ティアーズ)>とも評されているロック・バンド。
当初13人編成の大所帯で、ロック、ソウル、ジャズ、クラシックの要素も取り入れていました。

シアター・ブルックのカヴァーは1996年発表名作アルバム『TALISMAN』に収録。
佐藤タイジの咆哮とグルーヴ感溢れる演奏がライヴ映えする名カヴァーです。

なお、Lighthouse「One Fine Morning」収録のこの編集盤には、他にもかっこいいナンバーが多数収録。
BS&T、Chase、Tower Of Power等王道から、Crystal Mansionなどマニアックなバンドも入っています。森 陽馬

V.A『灼熱のブラス・ロック&ファンキー・ギター・グルーヴズ』
(国内仕様CD 英文解説翻訳付 5曲目「One Fine Morning」他全17曲収録 PCD-17806 2,600円+税)


2019年8月26日(月) Patrice Rushen 「Number One」

東京では秋風が感じられるようになりましたね。(今週末からまた暑くなる予報ですが...)

爽やかな夕暮れ時、メロウ・グルーヴなソウル/ジャズを聴きたくなった方へこの1枚。

パトリース・ラッシェン『Remind Me:The Classic Elektra Recordings 1978-1984』
(国内仕様CD 英文インタビューの日本語対訳付 STRUTCDJ205 2,200円+税)

1970~80年代に活躍した女性キーボーディスト/ミュージシャン、パトリース・ラッシェン。
1978~84年エレクトラ・レコード在籍時のヒット曲&名曲を集めた編集盤がUK名レーベルSTRUTから発売。

フュージョン系シンガーとしての魅力はもちろん、華やかでグルーヴィーなピアノも素晴らしいんですよね。

「Forget Me Nots」、「Remind Me」等全15曲収録。今日の1曲はクールなピアノソロが素敵な「Number One」を。
6分45秒にも及ぶ長尺12インチ・ヴァージョンで収録されているのがうれしいです。森 陽馬


2019年8月27日(火) Raphael Saadiq 「Something Keeps Calling」 feat Rob Bacon

Toni! Toni! Toni!、Lucy Pearlで知られるネオソウルの旗手、ラファエル・サディーク。
プロデューサー(ソランジュ等)としても活躍中の彼が約8年ぶり新作アルバムを発表しました。

Raphael Saadiq『Jimmy Lee』
(輸入CD Sony/Columbia 190759654927)

タイトル『Jimmy Lee』は、薬物中毒で亡くなったラファエルの実兄の名前から取られているとのこと。
薬物のみならず様々な中毒に陥った人への想いが作品全体のテーマとなっており、とてもダークな内容です。

60's的ヴィンテージ感ある音作りに定評があった彼ですが、今作はHIP HOP/ポエトリー的な要素も加味。
現代の黒人音楽に呼応したサウンドと内省的な世界観は賛否両論ありそうですね。

今日のこの1曲は、4曲目「Something Keeps Calling」feat Rob Bacon。
重い詞世界と相反するスムースなメロディー。ラファエルの情念伝わる歌。そして、Rob Baconのギター・ソロ。
深い哀しさと美しさを感じるナンバーです。森 陽馬


2019年8月28日(水) The Rubinoos 「Heart For Sale」

2020年で結成50周年を迎えるアメリカの4人組ポップ・ロック・バンド、ザ・ルビナーズ。

45周年のメモリアル・イヤーにリリースされた前作『45』(
2015年4月20日今日のこの1曲で紹介)から約4年ぶりとなるオリジナル・アルバム『フロム・ホーム』が発売になりました。

ザ・ルビナーズ『フロム・ホーム』
(輸入国内仕様CD 日本語解説付 BSMF-8033 2,200円+税)

プロデュースは、カリフォルニア出身の男性シンガーソングライターで、ザ・ルビナーズが大好きだというチャック・プロフェット。共作、ギターでも参加しています。

哀愁を感じさせるハーモニー・ポップ「January」、「I Want You Back」風の爽やかなナンバー「Do I Love You」、アコースティック・ギターでしっとりと聴かせる「Heart For Sale」、ペット・サウンズへのオマージュも込められた「Watching The Sun Go Down」など全12曲(約35分)。
彼らの持ち味である清々しいハーモニーとメロディが、3分間の曲中に凝縮されています。

前回の来日は2017年11月。新作を引っ提げてのカムバックも期待したいですね。東尾沙紀


2019年8月29日(木) マーサ・リーヴス&ヴァンデラス 「ハニー・チャイル」

「ヒートウェイヴ」、「ダンシング・イン・ザ・ストリート」、「ノーホエア・トゥ・ラン」のヒットを放ったモータウンの女性3人組(レーベルはGordyから発売)、マーサ・リーヴス&ヴァンデラスは1960年代に来日したことがあります。

1968年2月『モータウン・フェスティヴァル・イン・トーキョー』というライヴがあって、テンプテーションズをメインにスティーヴィー・ワンダーと共に来日メンバーに入っていました。

公演日寸前になって、テンプテーションズが来日中止になるというアクシデントがありましたが、スティーヴィー・ワンダーとマーサ・リーヴス&ヴァンデラスはコンサートを行ってくれました。

メインのテンプテーションズがいないので、なんと全額払い戻しというファンにはありがたい英断というか苦肉の策での対応でした。興行的にはトラブルがありましたが、コンサートそのものはとても刺激的で楽しめるものでした。

バック・バンドも来日しての、いわゆるモータウン・レーベルのパッケージ・ツアー!
これが本場のモータウン・サウンド! そんなライヴが幸運にもタダで見れてしまいました。

特別なその日を想い出して、妄想するために今日はこの1枚。

マーサ・リーヴス&ヴァンデラス『ユニヴァーサル・マスターズ・コレクション』
(国内CD 解説・歌詞付 UICY-77417 1,000円+税)

今日のこの1曲は、来日当時のヒット曲「ハニー・チャイル」を。森 勉


2019年8月30日(金) シェリル・クロウ 「Still The Good Old Days」 feat Joe Walsh

本日発売シェリル・クロウ2019年新作アルバム『THREADS』が凄いっ!

シェリル・クロウ『スレッズ』
(国内CD シェリル・クロウ自身による解説翻訳・歌詞・対訳付 POCS-24014 2,600円+税)

ジェイムス・テイラー、ニール・ヤング、エリック・クラプトン、キース・リチャーズ、スティング、ボニー・レイット、メイヴィス・ステイプルズ、ウィリー・ネルソン、ルーカス・ネルソン、エミルー・ハリス、クリス・クリストファーソン、スティーヴィー・ニックス、ジョー・ウォルシュ、ブランディ・カーライル、ゲイリー・クラークJr、セイント・ヴィンセント、故ジョニー・キャッシュ他、豪華ゲストが全17曲各々に参加。(歌詞カードにゲストとの写真&解説もあり)

原点回帰的なアメリカン・ロック・サウンド+ゲスト・ミュージシャンの個性を活かした楽曲もNice!
スティーヴ・ジョーダンがプロデュースを担当。ニール・ヤングらしいギター・ソロが聴ける⑦「Cross Creek Road」やジェイムス・テイラーの歌声に癒される⑯「Flying Blind」にグッときながらも、今日のこの1曲はコレ!

ジョー・ウォルシュが参加、彼らしさが爆発している⑫「Still The Good Old Days」。
シェリルとジョー共作で、1978年発表ヒット曲「Life's Been Good」のアンサーソング的ナンバー。最高!森 陽馬


2019年8月31日(土) 細野晴臣 「恋は桃色」

<自分の「好き」に忠実に、カッコつけずに選びました。>(星野源 ブックレット記載インタビューより)

音楽活動50周年を迎えた細野晴臣。
10/4から
細野晴臣50周年記念展、10/11~14恵比寿ガーデンホールにてトリビュート的イベント『細野さんみんな集まりました』、11月に50周年記念ドキュメンタリー映画『NO SMOKING』公開、11月30日&12月1日50周年記念公演等、続々とイベントが発表される中、2CDベスト盤が星野源選曲で発売。

細野晴臣『HOSONO HARUOMI Compiled By HOSHINO GEN』
(国内2CD 星野源インタビュー&歌詞付 VICL-65244 4,400円+税/アナログ3LPは9月25日発売予定)

はっぴいえんど、ソロ、YMO、サントラ音源、スケッチショウ、ソロ近作、と時代順に並べられた全38曲。
細野晴臣入門編としても最適な選曲です。

星野源コメントには、細野晴臣の作詞家としての魅力についても着目していました。

♪おまえの中で 雨が降れば 僕は傘を閉じて 濡れていけるかな♪(「恋は桃色」歌詞より)
はっぴいえんどの歌は松本隆だけでなく、細野晴臣が手掛けた歌詞も素晴らしいな、と改めて実感。

なお、小山田圭吾選曲によるベストと、細野晴臣音楽『万引き家族』サントラLPは9/25発売です。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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