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2010年7月1日(木) ウェルナー・ミューラー 「ペピート」 |
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軽音楽・・・言葉は軽くても実に深いジャンルです。
ウェルナー・ミューラー。またの名をリカルド・サントス。
オーケストラを率いてバンド・リーダーとして1940年代から活躍、1950〜70年代日本でも人気があり、数日来日したりレコードも多く発売されていました。
“イージー・リスニングの巨匠”と言われたりもしていましたが、名前は聞いたことがあるけれども音楽をきちんと聴いたことがない、というのが僕を含めて大半だったのではないでしょうか。
そこでこの決定盤! 日本編集の4枚組CD BOX(\8,400)です。
監修者である大江田信選曲の全101曲。
解説もバッチリのブックレットには貴重なジャケット・コレクションの他、コアなファンの方が大切に保存していた来日時のちらしや秘蔵フォトも掲載されています。
音の方も素晴らしい曲ばかり! とにかく演奏がなめらかで、締まっていて、流麗で、そして力強く、聴いていて実に気持ち良いのです。
1950〜1960年代、脂の乗った時代のアレンジャーとしてのウェルナー・ミューラーと、それを実際に演奏した楽団の力量が様々な曲の中にいかんなく発揮されています。
ウェルナー・ミューラーがバック演奏を受け持ったカテリーナ・ヴァレンテやコニー・スティーヴンスなどのヴォーカル入りの楽曲も含まれており、いい曲ばかりで、どの曲を取り上げようか迷いました。
ディスク1<スタンダード編>、ディスク2<ポピュラー編>、ディスク3<ラテン編>、ディスク4<映画音楽編>とヴァラエティに富んでいますが、今日はディスク3の1曲目を。
この曲「ペピート」はテレビ関西の番組『よーいドン!』の人気コーナー・テーマ曲になっているそうです。
残念ながら番組は見ていないのですが、キャッチーなリフがさぞや番組にフィットしているでしょうね。森 勉
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2010年7月2日(金) RADWIMPS 「携帯電話」 |
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宇多田ヒカルが大ヒットしていた一昔前のJ-POP界は、女性シンガー全盛の時代でしたが、最近はイキのいいロック・バンド/グループがたくさん出てくるようになりました。
特にRADWIMPS(ラッドウィンプス)。
メディアにたくさん出ているわけではないのですが、中高生を中心に若い世代から支持されている4人組ロック・バンドです。
そのRADWIMPSが久々となるシングルを2種同時リリースしました。(「マニフェスト」TOCT-40297、「携帯電話」 TOCT-40296 各\980)
選挙間近ということもあり、「マニフェスト」というタイトルの方に目がいってしまいますが、歌詞も含めて気に入ったのは「携帯電話」の方。
バンプ・オブ・チキンをちょっとカントリーっぽくした雰囲気の楽曲に、今や誰もが持っている携帯電話に依存している人の心情を風刺した詞世界(でも切ないラヴ・ソングでもある)がうまく絡み合った1曲。
カップリング曲「ハイパーベンチレイション」も、他のバンドでは真似できないような個性的な転調&演奏で聴きもの。前作に収録されていた「おしゃかさま」を彷彿とさせるかっこいいナンバーですね。
特に初回仕様もなく、2曲入って980円という潔さもNICE!
中心人物である野田洋次郎のソングライティングは、現代J-POP界において非常に秀でていると思うので、まだまだこれからも楽しみなバンドです。森 陽馬 |
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2010年7月3日(土) Jeff Bridges 「I Don't Know」 |
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映画『クレイジー・ハート』を先日鑑賞。
落ち目になったカントリー・シンガーをジェフ・ブリッジスが好演し、アカデミー賞主演男優賞を受賞したことでも話題の音楽映画。T・ボーン・バーネットが音楽を担当しており、ジェフ演じるバッド・ブレイクのライヴ・シーン等はとても楽しく見ることができました。
ただ映画自体は、設定が<映画『レスラー』のカントリー音楽版>といった感じながら、主人公は実は様々な面で恵まれていることと、共感しがたいストーリー展開ということもあり、意外と重厚感に欠ける内容でしたね。まさにカントリー・ソングの歌詞をそのままなぞったような物語ということなのかな。
まあでも、幻のカントリー・シンガー“バッド・ブレイク”に出会える映画、ということだけでも価値ある作品だと思います。
印象に残った曲は、冒頭バッド・ブレイクが場末のボーリング場で行ったライヴで歌っていたこの曲「I Don't Know」。
T・ボーン・バーネットと故スティーヴ・ブルトンによる共作曲で、ポップなカントリー・ナンバー。
サントラ盤にはジェフ・ブリッジスが歌うヴァージョンと、映画内ではその場面でバック・バンド役として出演していたカントリー・シンガーソングライター、ライアン・ヒンガムの両ヴァージョンが収録。(国内CD MSIG-660 \2,940)
なお、スティーヴ・ブルトンはこの映画音楽に関わるも昨年2009年に癌で逝去。今作はブルトンに捧げられている映画でもあります。森 陽馬 |
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2010年7月4日(日) Ryan Shaw 「In Between」 |
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山下達郎が北海道の野外フェス“ライジング・サン・ロック・フェスティバル2010”に出演決定したり、フジ・ロック・フェスのタイム・テーブルが発表されたり、池上本門寺で行われる“Slow Music SLOW LIVE '10”の出演者(大橋トリオ、パリスマッチ、アン・サリー、古内東子等が参加)が決定したり、YMOの3人が中心となって行われる野外フェス“ワールドハピネス2010”の参加メンバーが豪華だったり、と今夏の楽しみな話題がここ数日でドンドン出てきましたね。もう夏はすぐそこ、といった感じです。
じめじめしたはっきりしない天候が続きますが、そんな梅雨を吹き飛ばすような暑苦しいソウルフルな1枚を今日はご紹介。
ライアン・ショウはジョージア州出身、“現代のオーティス・レディング”とも評されている20代後半の黒人ソウル・シンガー。この度新作『It Get Better』をリリースしました。(輸入CD Form Records GO-70402)
2008年発表1st『ディス・イズ・ライアン・ショウ』(VICP-64109 \2,310)は国内盤も発売されましたが、今作はインディー・レーベルからのリリースで国内盤は出なそうな状況・・・。
しかしながら、1stよりグッと生演奏の良さを活かしたソウルフルな作品に仕上がっていて、60'sソウル好きの方に是非聴いてもらいたい1枚に仕上がっています。
カーティス・メイフィールド作、インプレッションズで有名なE「People Get Ready」、エディ・フロイド作ソウル名曲I「Knock On Wood」のカヴァーももちろん良いですが、サム・クックとオーティスを足したような歌唱が光るオリジナル曲B「In Between」、JB的ファンキーなギターの音色と彼のシャウトがかっこいいC「Mama May I」なども聴きものです。森 陽馬 |
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インストゥルメンタル・バンド“SAKEROCK”のリーダー、大人計画所属の俳優(最近では「ゲゲゲの女房」に出演中)など様々な分野で活躍する星野源、ソロ1枚目となる“うたもの”アルバム『ばかのうた』(VICL-632626 \2,940)。
過去ライブなどで歌声を披露した事はあるそうですが、私は聴くのが初めてでした。想像していたよりも太く低めでちょっと枯れてて良い声だなぁと感じました。
サケロックの伊藤大地(drums)&野村卓史(piano,organ)、伊賀航(bass)、高田漣(pedal steel)が参加し、耳に馴染む心地良い演奏を聴かせてくれます。インスト2曲と、アクセントとなるマリンバやグロッケン、バンジョー、マンドリンなどは星野さんご本人によるもの。
歌詞を読んでいると小さい頃の懐かしい記憶が甦ったり、何気無い日常にある幸せを感じる事ができます。
出稼ぎから帰ってきたお父さんの事を歌った細野晴臣さん作曲の「ただいま」は70年代アメリカ・テイストのメロディーが郷愁を誘う一曲。
アルバム全体的にもとっても良いので、サケロックをあまり知らない方にも是非聴いてもらいたい作品です。東尾沙紀 |
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2010年7月6日(火)Steve Cropper & Felix Cavaliere feat Aria Cavaliere 「I Can't Stand It」 |
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ラスカルズのフェリックス・キャヴァリエ、ブッカーT&MG'sの名ギタリスト、スティーヴ・クロッパー。二人が組んだアルバム第2弾『ミッドナイト・フライヤー』が本日入荷。(国内CD UCCO-7032 解説・歌詞・対訳付 \2,500)
2008年発表の前作『Nudge It Up A Notch』(2008年8月19日にこのコーナーでも取り上げました。UCCO-2013 \2,500)と同じくスタックス・レーベルからのリリース。そしてナッシュビル録音ですが、サウンド的にはよりメンフィス・ソウルっぽいタイトな演奏になって、ソウル・ファンにもオススメしたい1枚に仕上がっています。
梅雨時ということで、ローウェル・ジョージもソロ作でカヴァーしていたアン・ピーブルズの名曲J「I Can't Stand The Rain」のカヴァーが歌詞的にもピッタリではありますが、注目はD「I Can't Stand It」。
一緒にデュエットしているのはなんと!フェリックス・キャヴァリエの娘、アリア・キャヴァリエ。ジョス・ストーンのような黒人顔負けの歌声がかっこいい!
ちなみにこの曲もカヴァーで、スペンサー・デイヴィス・グループ(スティーヴ・ウィンウッド在籍)が1stアルバムでカヴァーしていたことでも知られるSmokey McAllister作のソウルフルなナンバーです。
なお、スティーヴ・クロッパー・ファンには、ラスト12曲目に収録されているインスト「Do It Like This」がオススメ! メンフィスの空気感漂うクロッパーのギター・ソロが聴きものですよ。森 陽馬 |
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2010年7月7日(水)音速珈琲廊(Sonic Cafe) 「Omoide (Reminiscences)」 |
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相変わらずはっきりしない天候が続いていますが、今週末7月10日(土)&11日(日)、代々木公園イベント広場にて“インドネシア・フェスティバル2010”(入場無料!雨天決行!)が開催されます。
ダンス&音楽ショーが楽しめるステージ、様々なインドネシア料理を楽しめるフードコート、工芸品やアクセサリーの販売コーナーもあり、僕が大好きなインドネシア料理店“cabe(チャベ)”も出店するそうです。
週末お時間ある方は是非立ち寄ってみてください。
さて今日は、当店おすすめのインドネシア/バリ島の音楽をご紹介。
音楽珈琲廊(Sonic Cafe)と名付けられたこのユニットは、バリ島ウブドで出会ったmichiro-UとSeki Showによるデュオ。
Seki Showさんは当店地下アゲインにてセッション・ナイトを主催されたり、演劇の音楽を手掛けたり、またインドネシアと日本を音楽で結ぶ架け橋役として活躍されている名ギタリストでもあります。
このCDは、流麗なギターとエスニックなカリンバの音色がオーガニックに融合したインスト・アルバム。目を瞑るとバリ島ウブドにタイムスリップできる音空間。心地良く聴けるヒーリング・アルバム、としてもオススメの1枚です。森 陽馬 |
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2010年7月8日(木) Eternity's Children 「Mrs. Bluebird」 |
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この曲のイントロには鳥のさえずりが入っています。
そして、タイトルにも鳥が関係していますので今日はこの曲で。
先月、店の前の小さな木に10羽ほどのツバメが寄ってきていました。
チュッチュッ、というさえずりがとてもかわいらしく、じゃれあいながら枝にとまったり、飛び回ったりしている様子がなんとも幸せな光景でした。
そんなツバメたちを見ていたら、店前のバス停でバスを待っていた方が、「近所に巣があってね」といろいろと教えてくれました。巣立ちしたばかりの子供ツバメ達はいつ頃までここにいてくれるのかなぁ。
ということで、エタニティーズ・チルドレン「ミセス・ブルーバード」。
1968年にちょこっとヒットした知る人ぞ知るソフト・ロックの名曲です。
男性3人女性1人の混声グループによるコーラスもなかなかイイ感じです。
彼らのヒット曲はこれ1曲でしたが、メンバーのブルース・ブラックマンはこの後に、スターバックというグループを結成。1976年に全米3位の大ヒット「ムーンライト・フィールズ・ライト」を生み出すことになります。森 勉
★掲載ジャケットは全23曲収録ベスト盤。『From Us Unto You:The Original Singles』(Rev-Ola CRREV-87)
7/11追伸:もっとここで遊んでいってもらいたかったのですが、残念ながら現在はどこかへ飛び立ってしまいました。 |
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2010年7月9日(金) Vinicius Cantuaria 「ORLA」 |
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暑くなってくると聴きたくなるブラジル音楽。
今年はこのアルバムがヘビー・ローテーションになりそうだ。
ヴィニシウス・カントゥアリアは1951年生まれブラジル/マナサス出身、現在はニューヨークを拠点に活動しているシンガー・ソングライター。
約3年ぶりとなる新作『サンバ・カリオカ』(PCD-93336 \2,415)は盟友アート・リンゼイプロデュース。
マルコス・ヴァリ、ジョアン・ドナート等のブラジル勢が参加したリオデジャネイロ録音と、ブラッド・メルドー、ビル・フリーゼル等によるニューヨーク録音の楽曲が一緒に入っているが、違和感なく融合。
まさに“21世紀の都会派ボサノヴァ”な仕上がりの1枚だ。
特に気に入ったのが7曲目「ORLA」。
ハミングともスキャットともいえる滋味溢れるヴィニシウスの歌と、マルコス・ヴァリによるフェンダーローズの音色、ダヂのギターが絡み合い、夢の中で浮かんでいるような不思議な気分にさせられる。
単なる安らぎ・癒しのボサノヴァとは違った、凛とした佇まいが感じられる傑作だ。森 陽馬 |
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2010年7月10日(土) ニール・ラーセン 「サドゥン・サンバ」 |
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今日はシャキッ!としたフュージョンでいきましょう。
1978年発表、ニール・ラーセンのファースト・アルバム『ジャングル・フィーヴァー』から1曲目「サドゥン・サンバ」です。(UCCU-5377 \1,800)
アンディー・ニューマークの軽快なドラミングからラーセンならではの音に調整した独特のオルガンの音が、実に心地良い雰囲気を運んでくれます。
途中、ラーセンの僚友バジー・フェイトンがちょっと長めのギター・ソロをバッチリときめてくれたり、バックではウィリー・ウィークスが堅実なベース・プレイを聴かせてくれたりと充実の4分11秒です。
録音&ミックス・エンジニアはアル・シュミット、プロデュースはトミー・リピューマのコンビ。音質及び内容ともに素晴らしい仕上がりは言うまでもありません。森 勉 |
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2010年7月11日(日) ベル&セバスチャン 「Don't Leave The Light On Baby」 |
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開催まで一ヶ月を切ったフジロック、3日目(8月1日)に出演予定の人気バンド、ベル&セバスチャン。現在新作をレコーディング中だそうです。
今日は全英トップ10とヒットした2000年リリースの4作目『わたしのなかの悪魔 (原題:fold your hands child, you walk like a peasant)』(TOCP-54206 期間限定価格 \1,500)を取り上げてみたいと思います。
【雨の匂いみたいな切ないメロディー...】
当時出た盤の解説に掲載されている草野マサムネさん(スピッツ)による推薦文の一節です。
男女共にちょっと頼りなげな歌、全体に漂うゆるさが今日みたいに雨が降ってちょっと憂鬱な気分にぴったりとはまります。
ポップなメロディー、かわいい女性ヴォーカル、美しいストリングス・アレンジと、日常の鬱屈を吐き出すような暗めの歌詞の内容とのギャップがまたUK界隈のバンドらしくて面白いです。
今日の一曲は静かなエレピの音色で始まり、パーカッションやホーンが入ったソウルっぽい雰囲気の曲。間奏のストリングスがかっこよくて痺れます。
ジャケ買いもOKの初期人気作『タイガーミルク』、『天使のため息』、『The Boy With The Arab Strap』なども、期間限定価格1,500円で現在発売中です。東尾沙紀 |
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2010年7月12日(月) Crackin' 「Nobody Else」 |
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今夏はAOR人気作が再発ラッシュです。
まず7/21にロビー・ブキャナン、マイケル・ランドウ等が在籍したマクサスのデビュー盤(VSCD-3505 \2,730)。
翌週7/28にはずっとCD化されていなかったブラック系アーバンAORの人気盤、スティーヴィー・ウッズの3タイトル(VSCD-3521 各\2,625)。
8/18に、デヴィッド・フォスタープロデュースによるビル・チャンプリン1980年作(『ランナウェイ』 VSCD-3506 \2,730)と、ジェイ・グレイドンプロデュースによるスティーヴ・キプナー1975年作(VSCD-3509 \2,730)。更にはマーク・ジョーダン2タイトル。
8/25には永らくCDが出ていなかったディック・セント・ニクラウス『マジック』(EICP-1383 \1,995)が限定紙ジャケ&リマスターで遂にリリース! 同時発売でジミー・ウェッブ82年発表AOR作『エンジェル・ハート』もリリースされます。
夏以降にも各社から色々とリリース予定とのこと。CDで持っていない盤がたくさん出てきてどれから買おうか迷いますね。
今日のこの1曲は、アーバンAORの人気グループ、クラッキン。
1978年発表、マイケル・オマーティアンプロデュースによるファンキー&メロウな名作4thアルバム『スペシャル・タッチ』(VSCD-3503 \2,625)から、ソロ・デビュー前だったロビー・デュプリー作による4曲目「Nobody Else」。グルーヴィー・メロウなサウンドと切ないメロディー・ラインがNICE!
ちなみにクラッキンは今年4月にワーナー在籍時の3作がSHM-CD&紙ジャケット仕様で再発されました。どのアルバムもソウルフルなシティ・サウンドで、中期ドゥービー・ブラザーズがお好きな方にオススメです。森 陽馬 |
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2010年7月13日(火) やもり(森山良子と矢野顕子) 「嘆きの淵にある時も」 |
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レコード・コレクターズ最新号(2010年8月号)は、<日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト100>ランキング特集。
今号は1960年から1979年の間に日本でリリースされた作品が対象、ということで、ある程度ランキング上位の順位は予想通りでしたが、正直言って偏りも感じましたね。もし読者投票があったらどんな順位になるのかな? ちなみに来月号は同じく日本のロック・ベスト100ランキングの80年代編だそうです。
ちなみに今回のランキングで、矢野顕子『ジャパニーズ・ガール』の順位の高さには驚きました。もちろん僕も大好きなアルバムですが、同じくらい好きな2nd『いろはにこんぺいとう』がベスト100にも入っていないんですよね。やはりローウェル・ジョージ参加が大きいのかな。
さて、その矢野顕子と森山良子が組んだ新ユニット“やもり”のアルバムが本日発売。(『あなたと歌おう』 YCCW-10116 \3,150)
バックの演奏は矢野さんのピアノを中心に、佐橋佳幸のギター&三沢またろうのパーカッションのみというシンプルな編成。
NHKみんなのうた2010年6・7月楽曲の@「風のブランコ」、日清製粉CMソング「ただいまの歌」など、二人の書下ろし曲やカヴァーなど全13曲。穏やかに聴ける1枚です。
今日のこの1曲「嘆きの淵にある時も」は岡林信康がオリジナルで、1990年発表作『ベア・ナックル・ミュージック』に収録。矢野さんは今年2月にリリースしたアルバム『音楽堂』(YCCW-10108 \3,150)でも取り上げていましたが、今回は森山良子とのユニゾン・ヴォーカルで聴かせます。森 陽馬 |
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2010年7月14日(水) Sheryl Crow 「100 Miles From Memphis」 |
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シェリル・クロウの新作『100 Miles From Memphis』(UICA-1056 \2,500)。
2008年発表の前作『ディトアーズ』も悪くはなかったものの、個人的には今ひとつピンとこなかったのですが、今作はホント素晴らしい仕上がり! 彼女のキャリアの中でも最高傑作の部類に入る1枚だと思います。
まずなんといっても曲がイイ。 開放感あるポップな楽曲にホーンが適度に入り、ソウルフルな味付けも絶妙。
エリック・クラプトンのツアー・ギタリストとしてお馴染みとなったサウスポーのギタリスト、ドイル・ブラムホールUがプロデュースを担当しイイ仕事をしています。
superflyがカヴァーしても違和感がなさそうなかっこいい@「Our Love Is Fading』、キース・リチャーズが参加したA「Eye To Eye」、テレンス・トレント・ダービーのカヴァーB「Sign Your Name」、情感込められた歌声が圧巻G「Stop」なども聴きものですが、一番耳に残ったのはF「Peaceful Feeling」。
ヴァネッサ・パラディ「Be My Baby」を想起させるようなリズムに、ソウルフルな演奏と伸び伸びとしたシェリルの歌声がマッチしています。
なお国内盤ボーナス・トラックには、ジャクソン5カヴァー「I Want You Back」が収録。
何故にシェリルがこのカヴァー?、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、彼女はソロ・デビュー前にマイケル・ジャクソンのバック・シンガーを経験しているのです。歌い方も演奏もオリジナルそっくりで、知らないで聴いたらシェリル・クロウが歌っているとは思えないくらい似ています。森 陽馬 |
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2010年7月15日(木) リンダ・ロンシュタット 「ウー・ベイビー・ベイビー」 |
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リンダ・ロンシュタットのCDが限定紙ジャケット仕様・最新リマスター盤で発売になりました。
作品数が多い彼女のこと、今回はヒット曲を連発した1973年から1978年のアサイラム・レーベル時代の5枚がまず出ました。
『Don't Cry Now』、『Prisoner In Disguise (哀しみのプリズナー)』、『Hasten Down The Wind (風にさらわれた恋)』、『Simple Dreams (夢はひとつだけ)』、『Living In The U.S.A (ミス・アメリカ)』の5枚が出たわけですが、今日はこの中から1978年発表『ミス・アメリカ』からの1曲。(WPCR-13857 \2,800)
スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズの大ヒット「ウー・ベイビー・ベイビー」のカヴァーです。
もちろんオリジナルも素晴らしいのですが、このリンダ・ヴァージョンは出色の出来栄えです。
イントロのラス・カンケルのドラムスからエンディングのコーラス、途中入ってくるデヴィッド・サンボーンのアルト・サックスもいいアクセントになっていて、リンダの円熟したヴォーカルが楽しめます。
当時リンダは32歳。実に艶やかな声で、特にこの曲の聴かせどころである♪ウーウー〜♪の部分(2分41秒あたりから後半)の地声と裏声の使い分けにはいつもシビレてしまいます。森 勉 |
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2010年7月16日(金) Pegi Young 「Side Of The Road」 |
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僕が大好きなニール・ヤングは、現在アメリカをツアー中。
5月から始まったこのツアーでは、アコースティック・ソロながら新曲が7曲くらい披露されていて、ダニエル・ラノワプロデュースで今秋に発売?、という噂があったのですが、そのダニエル・ラノワが先月交通事故に遭ってしまったそうです。
結構重症らしいので、新作は年末になってしまうかもしれません。U2やボブ・ディランのプロデュースでも知られる名ミュージシャン、ダニエル・ラノワの快復を祈りましょう。
さて、ニール・ヤングの奥方、ペギ・ヤングの新作2ndアルバムが先日発売になりました。(『Foul Deeds』 初回DVD付 VAPOR 524523)
約3年前、2007年にリリースした1stアルバム(2007年7月10日のこのコーナーでも取り上げました)も、なかなか味わい深い良いアルバムでしたが、今作も引き続き滋味がじわじわ沁みてくる仕上がりでした。
バックは、ニールの作品やツアーにも参加しているお馴染みのベン・キースやアンソニー・クロフォード、リック・ローサス、カール・ヒメルなどが担当。落ち着いたルーツ・ロック・サウンドを聴かせます。
今日のこの1曲E「Side Of The Road」はルシンダ・ウィリアムスのカヴァー。旦那のニールもエレキ・ギター&ハーモニカで参加しています。
なお初回盤には、ジョナサン・デミが編集・監督したペギ・ヤングのライヴ映像DVDが付いています。森 陽馬 |
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2010年7月17日(土) 寺尾紗穂 「猫のいない夜」 |
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梅雨入りあたりから、帰り道にある一軒家の塀から顔だけを覗かせている白ぶちの猫がいます。
夜しか見ることが出来ず、いつも居る訳ではないので、勝手に幻の猫“まぼちゃん”と愛称を付け、ここ数週間はまぼちゃんが居るか否かを確認するのが日課となっています。見張り番の如く、通り行く人達をじっと観察しているような姿が非常にかわいいです。
その帰り道、いつも思い出すのは、寺尾紗穂さんの「猫のいない夜」です。(彼女の1stアルバム『愛し、日々』に収録 VCCM-2018 \2,000)
寺尾さんの詞は、
♪今日も猫は帰ってこない ひとり待ちぼうけ...♪
飼い猫の事を歌ってらっしゃるのだと思うのですが、どこの猫かも分からないまぼちゃんを見ない夜はなんかちょっと損した気分になります。
♪ランプ消したら 鈴虫が鳴き始めて...♪
というフレーズと、優しいピアノの弾き語りに涼しげな夏の夜の空気を感じます。
本日で梅雨明けとのこと。
またひょっこり姿を見せてくれますように。東尾沙紀 |
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2010年7月18日(日) ルー・クリスティ 「魔法」 |
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近年は洋楽のヒット曲がほとんど出なくなってしまって、淋しいかぎりです。
ラジオでの洋楽だけのカウントダウン形式のヒットパレード番組、というのもないですし・・・。1990年代中頃からはシングル盤という意識もかなり薄くなってきているし・・・。
アルバム単位で語ることも大切ですが、やはり1曲1曲があってアルバムになるわけですから、その中心となるヒット曲の存在は見逃してはいけないと思います。
ということで、こんなCDが出ました。
『ニッポン洋楽ヒッツ!』(2枚組CD UICZ-1352 \3,500)。
1970年代前半を中心として、1968年〜79年に日本で大ヒットした洋楽が全46曲収められています。CCRやサイモン&ガーファンクルなど、メジャー・アーティストの当たり前のヒットも入っていますが、単独ではあまりCD化されることのないアーティストの曲も入っているので注目です。
・「男の世界」(ジェリー・ウォレス)
・「ナオミの夢」(ヘドバとダビデ)
・「ママに捧げる詩」(ニール・リード)←初CD化!
・「シーズン」(アース&ファイアー)
・「霧の中の二人」(マッシュマッカーン)
・「雨」(ジリオラ・チンクェッティ)
・「マンチェスターとリヴァプール」(ピンキーとフェラス)
・「イエロー・リヴァー」(クリスティ)
・「あまい囁き」(ダリダ&アラン・ドロン)等など収録。
今日の1曲には、日本だけのヒットのため輸入盤ベストCDには入らないルー・クリスティの「魔法」を。
アメリカではルー・クリスティといえば、「ツー・フェイセズ・ハヴ・アイ」とか「ライトニン・ストライクス」なのでしょうが、日本ではやはり、断然この「魔法」です。森 勉
★7月20日(火)に地下アゲインで行う<気まぐれ音楽寄席>。
今月の特集は、レコード・コレクターズ誌最新号に掲載されたランキング<日本のロック/フォーク・ベスト25+α>です。 |
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2010年7月19日(月) Djan Djan 「Adventure」 |
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オーストラリア出身の新世代ソングライター/ギタリストのジェフ・ラング。
豪放なスライド・プレイが魅力で、アメリカン・ルーツに根ざしたブルース/骨太なロック、というイメージがありましたが、先日発売されたこのアルバムでは、今までとはまた違ったオリエンタルなスライド・プレイを披露しています。
“ジャン・ジャン”と名付けられたこのユニットは、そのジェフ・ラング(スライド・ギター)と、ボビー・シンというタブラ奏者、そしてアリ・ファルカ・トゥーレの遺作で共演していたトゥマニ・ジャバテの従兄弟で同じくコラ奏者のママドゥ・ジャバテの3人によるインスト・バンド。(PCD-17357 \2,625)
全10曲、3人の独特な即興が絡み合ったインストゥルメンタルですが、アヴァンギャルドというよりはインド/アジアン・テイストなジャム、といった印象。
マリ育ちでアメリカ拠点に活動しているママドゥ・ジャバテのコラは、やはりアフリカンな雰囲気も持っていて、インド・ムンバイ育ちであるボビー・シンのタブラと、ジェフ・ラングが弾くシタールのようなスライドの音色と調和して、独特なグルーヴ感が生まれています。森 陽馬 |
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2010年7月20日(火) Los Lobos 「Burn It Down」 |
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暑い夏がやってきて、野外フェスの季節となりました。
僕はフジ・ロックの2日目(土曜日)に行く予定です。
昼くらいに現地到着→小坂忠with鈴木茂&中野督夫 → シアター・ブルック、→ ジェイミー・カラム → ジョン・フォガティ → デレク・トラックス&スーザン・テデスキ、で1日計画中。
クロマニヨンズやロキシー・ミュージック、22-20sも見たいのですが、時間がかぶっているんですよね。夜中にエゴ・ラッピンもやっているけれど元気が残っているかどうか・・・。
あと心配なのは天気だけ! なんとか晴れてほしいものです。
さて、今日はロス・ロボスの新作『ティン・キャン・トラスト』が入荷してきました。(PCD-24256 \2,520)
昨年はディズニーのカヴァー・アルバム(国内未発売)なんてロス・ロボスらしくない企画盤をリリースしたりしましたが、約3年ぶりとなるこのオリジナル新作アルバムは、シャウト・ファクトリーに移籍しての第一弾作品。持ち味であるルーツ・ロックとラテン的楽曲が合わさったロス・ロボスらしい快作に仕上がっています。
1曲目「Burn It Down」には、フジ・ロックに出演するスーザン・テデスキがコーラス参加。
他にも、グレイトフル・デッドのカヴァーG「West L.A. Fadeaway」、後半のギター・ソロがかっこいいF「All My Bridges Burning」、クンビアを取り入れラテン風味で楽しいB「Yo Canto」なども聴きものです。森 陽馬 |
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2010年7月21日(水) ドノヴァン・フランケンレイター 「Sweet Virginia」 |
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当店でロングセラーとなっている女性シンガーソングライター、ヘイリー・セールズ。
彼女の新作にデュエットで一曲参加していた、フリー・サーファーとしても活動しているカリフォルニア出身のシンガーソングライター、ドノヴァン・フランケンレイター。
ザ・バンドやDr.ジョン、CCR、ボブ・ディランなどをカバーした2007年発表前作『Recycled Recipes』の続編となる最新カバー・ミニアルバム『Recycled Recipes 2』(SRM-1 \1,890)が先月リリースされました。
今回の選曲は、INXS「Don't Change」、トム・ペティ「American Girl」、ブリンズリー・シュワルツ「Peace,Love & Understanding」、ローリング・ストーンズ「Sweet Virginia」、ポール・サイモン「Slip Slidin' Away」、エディ・ブリケル「Circle」の全6曲。
アコースティック・ギターの弾き語りが中心。演奏も凄くシンプルなので、彼のハスキーな声を堪能できるアルバムです。
最近でいう“サーフ・ミュージック”(ジャック・ジョンソン系)はあまり聴かないという方にも、渋めのシンガーソングライター作品として楽しめる内容。
中でも「Sweet Virginia」のハーモニカがとっても良い音色で、全体的にリラックスした雰囲気が伝わってきます。
ちなみに彼は、フジロック最終日グリーン・ステージに出演が決まっています。東尾沙紀 |
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2010年7月22日(木) Steve Gadd & Friends 「Watching The River Flow」 |
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武蔵小山の駅ビルが出来上がってきました。
まだ内装工事中ですが、駅ビル内には無印良品、TURRY'S COFFEE、フィットネス、東急ストア系列が入るようです。
うちの店の隣のビルも竣工し、8月から保育園や事務所、住民票などを取得できるサービス・センターが稼動する予定。このひと夏で駅周辺の雰囲気も随分と変わってきそうです。
さて、今日のこの1曲は名ドラマー、スティーヴ・ガッドの新作『ガッド・ライヴ!』(VACM-1416 \2,625)から、ボブ・ディランのカヴァー「Watching The River Flow」。
スティーヴ・ガッドがリーダーを務めていたジャズ・バンド、“ガッド・ギャング”名義の作品でも取り上げたことから、ガッドもお気に入りの曲のようで、10分弱の長尺を各メンバーのソロで回しながら、楽しく伸び伸びと演奏しています。
ちなみにこの20年以上ぶりとなるガッド名義の新作は、2009年11月アリゾナ州でのライヴ音源で、クルセイダーズの代表曲「ウェイ・バック・ホーム」や、ジミヘンのライヴでも知られるバディ・マイルス作「Them Changes」(ジミ・ヘンの作品では「Changes」)なども収録されています。森 陽馬 |
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2010年7月23日(金) B.J.Thomas 「Rock'n Roll Lullaby」 |
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名曲「雨にぬれても (Raindrops Keep Fallin' On My Head)」で有名なB.J.トーマス。今年68歳になる彼が自身のレーベルから新作『ワンス・アイ・ラヴド』を発表しました。(国内盤 解説・歌詞・対訳付 VICP-64862 \2,625)
ブラジルの名ミュージシャン、イヴァン・リンス、ジョアン・ボスコ、イヴェッチ・サンガーロ、レイラ・ピニュイロが参加したブラジル/ボッサ・カヴァー作品で、B.J.トーマスの低音ヴォーカルがうまくマッチ♪ 良質な大人のブラジリアン・アルバムに仕上がっています。
イヴェッチとのデュエットによる定番「イパネマの娘」、マルコス・ヴァリやワルター・ワンダレイでお馴染み「サマー・サンバ」、ジョアン・ボスコとのデュエットによる「黒いオルフェ」なども聴きものですが、B.J.トーマスを昔から聴いていたポップス・ファンにはやはりH「ロックン・ロール・ララバイ」がうれしい選曲でしょう。
バリー・マン&シンシア・ワイル作によるB.J.トーマス72年発表の代表曲を、ボッサ・アレンジで穏やかに聴かせます。
ちなみにこの曲は、ブラジルでドラマ主題歌として使われたことがあるそうです。(長門芳郎氏のライナーノーツによると『Selva De Pedra』(コンクリート・ジャングル)という人気昼メロ・ドラマ主題歌だったとのこと)
「雨にぬれても」ではなく、この曲の新録ヴァージョンを録音したのは、そういう経緯があったからかもしれませんね。森 陽馬 |
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2010年7月24日(土) ベンチャーズ 「ブルドッグ」 |
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夏が来れば想い出す、というわけではありませんが、今日は“ベンチャーズ”。
通常は“VENTURES”なので、“ヴェンチャーズ”と表記すべきなのですが、日本のレコード会社は昔からずうっ〜と“ベンチャーズ”で通してきているので今日はそれに従います。実はその方がなんとなく慣れているというかなじんでしまっているので・・・。
昭和20年代生まれの日本人にとってベンチャーズはやはり特別な存在と言っていいのではないでしょうか。
1965年からの人気はエレキ・ブームという社会現象になり、テレビにもよく出てくれたことによって、当時の子供達にも浸透していったような気がします。
今回、EMIミュージック・ジャパン(東芝EMIと言ってしまいそうなのですが)から、<プレミアム・ツイン・ベスト・シリーズ>が50種類も発売され、その内の1枚としてベンチャーズも含まれていました。
2枚組30曲収録で2,000円というリーズナブルな価格のドルトン(リバティ)時代ベスト盤で、オールド・ファンにはおなじみの曲「ブルドッグ」も入っています。(TOCP-367 \2,000)
こういうベスト盤企画は、マニアックな再発に比べると安易なことに感じますが、間口を広げるという意味では悪いことではないと思います。他には、ビーチ・ボーイズ、レターメン、アダモ、エディ・コクラン、エディット・ピアフなどが出ました。森 勉 |
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2010年7月25日(日) Mac Rebennack (ドクター・ジョン)「Storm Warning」 |
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米国“ACEレーベル”名コンピが、英国“ACEレーベル”からリマスター&ボーナス・トラック追加でCD化されました。(『ACE STORY VOL.1』 CDCHD-1261 \2,100)
“ACEレーベル”というと、最近では英国の名再発レーベルがオールディーズ・ファンに認知されているでしょうが、ソウル/ブルース好きな方にとっては、1950年代に米国ミシシッピ州で設立された“ACEレーベル”の方がやはり馴染み深いのではないでしょうか。
50年代のニューオリンズ/米国南部サウンドを中心に選曲されたこのアルバムは、元々1979年に米国ACEレーベルからLPでリリースされていたコンピレーション。
今回のCD化に際してボーナス曲を10曲追加、リマスターされ音圧あるイイ音になっており、充実のブックレットを眺めながら50'sグッド・タイムR&Bを存分に楽しめる1枚にグレードアップしています。
フランキー・フォード、ジミー・クラントン、ヒューイ・スミス、ローランド・ストーンなどゴキゲンな楽曲揃いですが、特に注目は9曲目、Mac Rebennackの未発表ヴァージョン音源。
マック・レベナックとは名盤『ガンボ』で有名なドクター・ジョンの変名で、この曲はボ・ディドリー・ビートを活かした超かっこいいロックン・ロール・インスト!
今でこそピアノの前にずっと座っているイメージが強くなってしまいましたが、当時はギタリストとしてこういう音源を録音していました。今回のCDに入っているのは、シングルEPで発売された楽曲の未発表ロング・ヴァージョンです。森 陽馬 |
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2010年7月26日(月) Kings Of Convenience feat.FEIST 「THE BUILD-UP」 |
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昨年10月12日の今日のこの1曲でご紹介した“ノルウェーのサイモン&ガーファンクル”こと、キングス・オブ・コンビニエンス。
このうだるような暑さの中聴くと、ひんや〜りとした音が涼しげでとても気持ち良いです。
何気無い写真ながら目を引くこちらのジャケットは、2004年にリリースされたセカンド『RIOT ON EMPTY STREET』(輸入盤 EMI 0724357166522)。
ブックレットのチェス盤を挟んだ二人の素敵な写真同様、内容も聴いていてとても心地良いアルバムです。
最新作『Declaration Of Dependence』は二人のハーモニーとアコースティック・ギターの演奏がメインの本当にシンプルな作品でしたが、この2ndはピアノ、ストリングス、ホーン、バンジョー、ウッドベース、ドラムなどが入り、若干音数も多め...とはいっても曲の感じはそこまで変わりはないので、最新作の静かな雰囲気が好きな方にもオススメです。
アルバム最後を締める静かなこの曲「The Build-Up」には、カナダ出身の女性シンガー、ファイストが参加しています。この曲の他にもう1曲、ボーカル&共作で参加しています。
ところでジャケット中央に写る女性はファイストなんでしょうか?
ご存知の方がいらしたら是非教えてください! 東尾沙紀 |
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2010年7月27日(火) Jimmy Webb feat Linda Ronstadt 「All I Know」 |
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ジミー・ウェッブが書く曲には他のソングライターにはない“切なさ”があって、聴く度に初恋の時に胸を焦がしたような想いがこみあげてきます。
アート・ガーファンクル「Crying In My Sleep」、「Shine It On Me」、グレン・キャンベル「ウィチタ・ラインマン」、リンダ・ロンシュタット「Adios」、etc・・・。
そんな名ソングライター、ジミー・ウェッブ。セルフ・トリビュート・アルバムとなる新作『ジャスト・アクロス・ザ・リバー』が本日国内盤で発売されました。(解説・歌詞・対訳付 VICP-64861 \2,625)
ビリー・ジョエル参加A「ウィチタ・ラインマン」、ジャクソン・ブラウン参加D「P.F.スローン」など、どれも原曲の良さを活かした暖かいアレンジ。決して派手ではないのですが味わい深いジミーの歌声もいいですね。
他にもマイケル・マクドナルド、マーク・ノップラー、JDサウザー、ルシンダ・ウィリアムス等、豪華ミュージシャンが参加したトラックはどれも聴きものですが、特に感動的なのがラスト13曲目、リンダ・ロンシュタットをfeatした「All I Know」。
アート・ガーファンクルで有名なこの名曲を、シンプルなアコースティック・ギターの伴奏をバックに、ジミーとリンダのデュエットで優しく聴かせてくれます。森 陽馬 |
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2010年7月28日(水) Neil Young 「Already One」 |
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名ペダル・スティール奏者、ベン・キースが亡くなってしまったそうです。
ベン・キースといえば、ニール・ヤングが名作『ハーヴェスト』を録音した時から交流のあるミュージシャンで、最近でもニール・ヤングの奥さん、ペギ・ヤングのアルバムに参加。つい先月もペギさんのコンサートに出演していました。
73歳という高齢ではありましたが突然の訃報で残念です。
『ハーヴェスト』、『ハーヴェスト・ムーン』など、ベン・キースが関わったニール作品には素晴らしいものが多数ありますが、今日のこの1曲には、特に大好きなこの曲。
1978年発表『カムズ・ア・タイム』(WPCR-75095 \1,800)に収録されている「Already One」。
ベン・キースのペダル・スティール・ソロが沁みます。
今は亡きニコレット・ラーソンのハーモニーも美しいですね。森 陽馬 |
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2010年7月29日(木) エディット・ピアフ 「水に流して (私は後悔しない)」 |
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レオナルド・ディカプリオ&渡辺謙が出演していることでも話題の映画『インセプション』を先日鑑賞。
『メメント』、『フォロウィング』を監督したクリストファー・ノーランが脚本から書き下ろした映画、ということで観る前からワクワクしていましたが、その期待通り、いや期待以上に面白かったです。
夢の中で夢を見て更にその夢の中の夢の世界へ入っていく、というやや複雑なストーリー展開で約2時間半の長い映画でしたが、脳内を刺激され飽きずに楽しんで観れました。
ラストの場面、観た人それぞれの解釈ができるようになっている演出も見事。もう1回観たいな、と思わせてくれる久々の映画でしたね。
映画で使われている音楽はハンス・ジマーのスコア以外はほとんどないのですが、エディット・ピアフ「水に流して (私は後悔しない)」(原題:Non, Je Ne Regrette Riew)のみ印象的に使われています。
更にはそのエディット・ピアフの曲をスロー再生したサウンドを音響的に映画内でさりげなく使っていたようで、掘り下げれば掘り下げるほど、この映画には色々な秘密や謎が隠されていそうです。
ちなみに、2007年公開のフランス映画『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』に主演しアカデミーも受賞したマリオン・ コティヤールが、この『インセプション』でも出演しているのは偶然だそうです。森 陽馬
★掲載ジャケットは、エディット・ピアフのベスト盤(TOCP-51017 \2,548)。先日EMIから発売されたプレミアム・ツイン・ベスト・シリーズのエディット・ピアフ2CDベスト盤(TOCP-371 \2,000)にも収録されています。 |
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2010年7月30日(金) インコグニート 「Lowdown」 |
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90年代アシッド・ジャズが流行っていた時に日本でも大人気だったインコグニート。学生時代に渋谷公会堂(現CCLemonホール。満席!)へライヴを見に行ったのが懐かしいです。
結成30周年を迎えた彼らは現在も活動していて近年もアルバムをコンスタントに発表していましたが、先日発売された新作『トランスアトランティック・RPM』(PCD-24253 \2,520)は、全盛期の作品を含めてもベスト5に入るのでは?と思えるほど素晴らしい1枚でした。
それを象徴するかのような1曲目「ロウダウン」!
そう、あのボズ・スキャッグスで知られる名曲をほぼ完コピでカヴァー。単なるファンキーなだけではない、大人のグルーヴ感とスムースな魅力が合わさったかっこいい仕上がりです。
他の曲も、英国らしいセンスの良さを感じさせるグルーヴィーなファンクと程良いCLUBサウンドが見事に融合。チャカ・カーン、リオン・ウェア、そしてインコグニートの定番女性シンガー、メイザ・リーグも参加しており、艶やかな歌声を聴かせてくれてます。
フジロックへ向かう道中、渋滞の時はこれを聴けば爽やかな気分になれそうかな。森 陽馬 |
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2010年7月31日(土) Linda Scott 「Who's Been Sleeping In My Bed」 |
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久し振りに60'sガール・ポップスを聴きたい気分、ということで、リンダ・スコットにご登場願おうと思います。
彼女は1945年ニューヨーク生まれ。
1961年にファースト・ヒット「I've Told Every Little Star」を出したときはまだ15歳でした。アイドルらしいアイドルと言っていいと思います。
この曲は1964年にビルボードHOT100チャートの100位に1週間だけチャート・インした彼女のラスト・ヒット。
この時代の女性アイドル・シンガーの宿命<ハタチに近づくとヒットが出にくくなる>のような事実に当てはまってしまった1曲。でもイイ曲です。
作ったのはバート・バカラック&ハル・デヴィッドのコンビ。
18歳のリンダ・スコットがしっかりとした歌声を聴かせてくれます。森 勉
★掲載ジャケットは22曲収録ベスト盤。(VSCD-2670 \2,520) |
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