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  今日のこの1曲 “Archives”

<2022月5月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2022年5月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2022年5月1日(日) リンダ・ロンシュタット 「Blue Bayou」

映画『リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス』を新宿シネマカリテで鑑賞。

女性シンガー、リンダ・ロンシュタットの生い立ちから、近年の映像も含めた音楽ドキュメンタリー作品。
第63回グラミー賞で最優秀音楽映画賞を受賞した本作が、遂に劇場公開されました。

デビューして間もない頃の貴重なライヴ映像(バックにはイーグルスの面々も!)や、ニール・ヤングの前座を務め人気に火が付いた70年代中期の魅力的な姿を、たくさん見ることができてよかったです。

パーキンソン病を患い、歌手活動を引退したことは残念ですが、リンダの歌へ対する想いが、ひしひしと伝わってきました。若い方や女性にも見ていただきたい音楽映画でしたね。

今日のこの1曲は、哀愁のスローナンバー「ブルー・バイユー」を。

「気がとがめて心がざわめく。どんなときでも孤独を感じる。<中略>
あっちもこっちも切りつめて、太陽が沈んでも働いて、今より幸せなときがくるのを夢見てる。ブルー・バイユーで」
(「Blue Bayou」歌詞より)

ロイ・オービソン作(1963)のカヴァーながら、当時のリンダの心境を表しているようで、熱唱に息を呑むような思いになりました。森 陽馬

★掲載ジャケットは、「ブルー・バイユー」収録のリンダ・ロンシュタット『ライヴ・イン・ハリウッド』(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-18147 2,640円税込)。


2022年5月2日(月) Bryan Adams 「I've Been Looking For You」

ブライアン・アダムスの15枚目となる2022年新作『So Happy It Hurts』。
ジャケット写真のように、拳を高く突き上げたくなる爽快なロックンロール・アルバムです。

Bryan Adams『So Happy It Hurts』
(輸入CD BMG 538712602)

AC/DCやデフ・レパード他、ブライアン・アダムス過去作でもプロデュースを手掛けているロバート・ジョン・''マット''・ランジが共作、演奏で5曲ほど参加。
タイトル曲や、ジョン・クリーズ(モンティ・パイソン)が曲冒頭のナレーションを担当した「Kick Ass」などハード・ポップな曲が目立ちます。60歳を過ぎてもまだまだエネルギッシュでかっこいいですね。

今日の1曲は、ジェフ・リンがプロデュースを手掛けた2015年作『GET UP』収録の「You Belong To Me」姉妹編(というかイントロ同じ?)のような軽快なロックンロール・ナンバー「I've Been Looking For You」を。

ジム・ヴァランスとの共作で、この曲の演奏はすべてブライアン自身によるもの。
ロックパイルを想起させるパブ・ロックみもあり、個人的な推し曲です。東尾沙紀


2022年5月3日(火) Trombone Shorty 「Everybody In The World」

おもちゃのサックスを手にした子供と、穏やかな表情で彼を抱えパレードを眺める母親。

この素晴らしいジャケット写真は、トロンボーン・ショーティ自身の幼少期に撮られたそうだ。

トロンボーン・ショーティ『LIFTED』
(国内CD 日本盤限定ボーナス・トラック収録 解説・歌詞付 UCCQ-1158 2,860円税込)

トロンボーン・ショーティ(トロイ・アンドリュース)は、1986年ニューオリンズ出身のトロンボーン奏者&シンガー。
2017年発表作『Parking Symphony』以来約5年ぶりのアルバムは、亡くなった母親へ捧げられた1枚だ。

前作に続き、白人シンガー・ソングライター/プロデューサーのChris Seefriedによるプロデュース。
ジャズというより、活気あるロック/ファンク的なサウンドが押し出された全11曲が収録されている。

今日のこの1曲は、5曲目「Everybody In The World」 feat New Breed Brass Bandを。
トロンボーン・ショーティの甥ジェナード・アンドリュースが在籍するNew Breed Brass Bandが参加。
賑やかなニューオリンズのセカンド・ラインに、母親への感謝の想いが伝わってくる。
自らの懐かしい想い出と共に、身体も心も熱くなるナンバーだ。森 陽馬


2022年5月4日(水) ポール・リヴィア&ザ・レイダーズ 「グッド・シング」

2019年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット主演の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、とても楽しめた映画でした。

タランティーノ作品らしく、映画内で使用された音楽もいかした曲がいっぱいありました。

中でも、ポール・リヴィア&ザ・レイダーズ「グッド・シング」。
この曲は、メンバーのマーク・リンゼイとポール・リヴィア、そして、彼らのプロデューサーでもあるテリー・メルチャーの共作。

このテリー・メルチャーが、キーポイントなのです。
映画の物語に関係してくる重要な人物が、テリー・メルチャーだったりするのです。
監督のタランティーノは、そこも踏まえてポール・リヴィア&ザ・レイダーズの曲を使うことに決めたんでしょうね。

ポール・リヴィア&ザ・レイダーズ『エッセンシャル』
(国内2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-31307 3,080円税込)

このベストCDには、1965~1972年に彼らが放ったヒット曲が、タップリ36曲収録。
「グッド・シング」の他、「ジャスト・ライク・ミー」、「キックス」、「ハングリー」、「ヒア・オア・ミー」、「アイ・ハド・ア・ドリーム」、「嘆きのインディアン」など、リード・ヴォーカルのマーク・リンゼイをフィーチャーした、ポップでタイトなサウンドが満載です。森 勉


2022年5月5日(木) ザ・チャイチーズ 「サヨナラ」(GAOのカヴァー)

根本要(162cm)、佐橋佳幸(163cm)、難波弘之(165cm)、根岸孝旨(164.3cm)、河村"カースケ"智康(168cm)。

根本要(スターダスト・レビュー)の還暦記念で、身長の“ちっちゃい”凄腕ミュージシャンが集ったバンド。
その名も“チャイチーズ”!
2021年8月13日に東京・豊洲PITで行ったライヴが、2CD、2DVD、Blu-rayで発売されました。

ザ・チャイチーズ『噂のザ・チャイチーズ』
(国内2枚組CD COCP-41747 3,000円税込/2枚組DVD、Blu-rayの映像ソフトも発売)

収録楽曲は全て邦楽のカヴァー曲。
オリジナルにメンバー自身が演奏・編曲で関わっていた曲と、メンバーお気に入り曲で構成されています。

ザ・タイガース「シーサイド・バウンド」で始まり、ゴールデン・カップス「愛する君に」、山下達郎「Bomber」、鈴木茂「砂の女」から、小泉今日子「あなたに会えてよかった」、Cocco「強く儚い者たち」、アン・ルイス「六本木心中」など、女性歌手の名曲も、根本要さんの熱唱と、音楽愛伝わる素晴らしい演奏で楽しめます。

ブックレットの歌詞カード横には、選曲したメンバーの解説が付いているのもうれしい!
(その解説で、RC「雨上がりの夜空に」のオリジナルには、難波弘之さんが参加していることを初めて知りました。)

今日のこの1曲は、GAO「サヨナラ」のカヴァーを。
GAOのオリジナルは、カースケさんが叩いていたとのこと。要さんの歌声がピッタリ合っていますね。森 陽馬


2022年5月6日(金) Neil Young 「Long May You Run」

「Maybe The Beach Boys have got you now with those waves singin' Caroline.
Rollin' down that empty ocean road get into the surf on time」
多分君は今頃ビーチ・ボーイズのとりこになって、「キャロライン」を歌っていることだろう。
人けのない海辺の道を下りながら、時代の波に巻き込まれているんだろう。
(ニール・ヤング「Long may You Run」歌詞より)

海賊盤(ブートレグ)で発売されていた貴重ライヴを、最新リマスタリングを施し良質な音源でリリースする、ニール・ヤングの新しいアーカイヴ・シリーズ<オフィシャル・ブートレグ・シリーズ>(略してOBS)。

昨秋にリリースされ好評だった『カーネギー・ホール1970』(
2021年10月2日今日のこの1曲で紹介)に続き、3種がまとめて本日発売されました。

・NEIL YOUNG『DOROTHY CHANDLER PAVILION 1971』(OBS3)
・NEIL YOUNG『ROYCE HALL 1971』(OBS4)
・NEIL YOUNG『CITIZEN KANE JR. BLUES』(OBS5)

今日はこの中から、1974年5月16日、ニューヨーク/ボトム・ラインでのライヴ盤をピックアップしましょう。
NEIL YOUNG『CITIZEN KANE JR. BLUES』(OBS5)
(輸入CD Shakey Picture Records/Reprise 093624865092 国内盤発売予定なし)

ニール・ヤングの1974年といえば、隠れた名作アルバム『On The Beach』発売、そして、CSN&Yのリュニオン・ツアーがあった年ですが、その一連の出来事前にボトム・ラインでひっそり行われたライヴ。
リラックスした雰囲気で、演奏曲目も『On The Beach』収録曲+「Greensleeves」(歌詞付)など、珍しい選曲ですね。

なお、「Long May You Run」が初めて披露されたのも、この日のようです。
歌詞にビーチ・ボーイズが出てくるところで、観客から笑いがおきるのも、初演ならでは、かもしれません。森 陽馬


2022年5月7日(土) Belle And Sebastian 「Unnecessary Drama」

グラスゴーの人気バンド、ベル・アンド・セバスチャンの10作目となる新作が発売になりました。

ベル・アンド・セバスチャン『ア・ビット・オブ・プリヴィアス』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック2曲収録 OLE1845CDJP 2,420円税込/LPもあり)

配信曲をまとめた作品、映画サントラ、ライヴ盤など近年リリースも色々ありましたが、オリジナル・アルバムとしては2015年発表作『Girls In Peacetime Want To Dance』以来約7年ぶり!

コロナ禍のためLAでの制作予定を断念、全編地元グラスゴーでのレコーディングは2000年作『わたしのなかの悪魔』以来なのだそうです。

先行シングル「Unnecessary Drama」が従来のバンド・イメージとは一味違う、ハーモニカの捲し立てるような音色が印象的なロックですごくかっこいい曲!

次ぐ軽やかなギター・ポップ・ナンバー「Come on Home」、ウクライナへのチャリティ・シングルとしてリリースされたゴスペル風のコーラスを取り入れた「If They're Shooting Me」など、ベルセバらしさと新しい一面を見せてくれるアルバムです。

ボーナス・トラックにはタイトル曲「A Bit Of Previous」、「Sometimes」の2曲を追加収録!東尾沙紀


2022年5月8日(日) 水原弘 「黄昏のビギン」

永六輔作詞、中村八大作曲の名曲「黄昏のビギン」で、一番有名なヴァージョンは、ちあきなおみでしょうか。

1991年にシングルとして発売、京成電鉄のCMとしても使用され、その後、ちあきなおみの再評価があったり、ネスカフェのCMにも使われたりで、彼女のベスト盤には欠かせない曲となりました。

2000年以降、たくさんの歌手にカヴァーされている「黄昏のビギン」ですが、オリジナル・ヴァージョンのことは意外と知られていないかも・・・。

オリジナルの歌手は水原弘。
1959年「黒い花びら」が大ヒットし、その第2弾シングル「黒い落葉」のB面曲として世に出たのが最初でした。

当時まだ小学生だった僕は、親が好きで電蓄でよくかけていた「黒い花びら」は記憶にあるのですが、セカンド・シングルの曲はあまり覚えがありません。

それから30余年、やっと水原弘の「黄昏のビギン」を聴くことができたわけですが、さすが長い年月、永続聴取可能な六八コンビの曲だな、と思う今日この頃です。森 勉

★掲載ジャケットは、六八コンビの名曲が、オリジナルの歌手で20曲収められているコンピCDです。
水原弘、坂本九、ジェリー藤尾、弘田三枝子、坂本スミ子他『永六輔・中村八大 傑作集』
(国内CD TOCT-11145 1,572円税込)


2022年5月9日(月) Joni Mitchell 「California」

ゴールデン・ウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか?

僕は音楽映画三昧!
中でも印象に強く残ったのが、
映画『ローレル・キャニオン 夢のウエストコースト・ロック』でした。


ジョニ・ミッチェル、ザ・バーズ、CSN&Y、ママス&パパス、ドアーズ、タートルズ、フランク・ザッパ、リンダ・ロンシュタット、ボニー・レイット、J.D.サウザー、ジャクソン・ブラウン、イーグルス、etc...
ロサンゼルスのハリウッド・ヒルズ近郊に位置するローレル・キャニオンには、1960年代から70年代半ばにかけて、多くのミュージシャンが住んでいました。
本作は、当時の映像、写真、インタビューで綴った、ウエストコースト・ロックのドキュメンタリー映画です。

興味深いエピソードや貴重な映像、そして、好きな曲がたくさんかかり、とても楽しめました。
また、それらの曲が「人と人の繋がりや様々な出会いがあって、生まれた音楽なのだ」、ということが実感できて、改めて感動しました。

本作では、デヴィッド・クロスビーの人脈と、ママ・キャスの大らかさが、キーポイントとして描かれていましたね。
今日のこの1曲は、クロスビーとの付き合いがきっかけでデビューを果たした、ジョニ・ミッチェルの楽曲を。森 陽馬

★掲載ジャケットは、ジョニ・ミッチェル『Blue』(1971)制作時のデモやBBC音源などで構成された編集盤。
RECORD STORE DAY 2022に、限定アナログ・レコードで発売されました。
2019年に亡くなったエリオット・ロバーツ(ジョニのマネージャーだった)へ捧げられています。
Joni Mitchell『BLUE HIGHLIGHTS』(輸入LP RHINO R1-671028)


2022年5月10日(火) Graham Nash 「Military Madness」(Live)

昨日紹介した映画『ローレル・キャニオン 夢のウエストコースト・ロック』では、CSN(クロスビー、スティルス&ナッシュ)に関する興味深いエピソードがたくさんありました。
3人がハーモニーを初めて重ねた時の話や、1stのジャケット撮影に纏わる逸話も伝説的でしたね。

ジョニ・ミッチェルとグラハム・ナッシュが一緒に住んだ家のことを歌った「Our House」、ジョニがウッドストック・フェスの話を聞いて作った「Woodstock」も印象に残る場面でかかりました。もう1度、劇場でじっくり楽しみたいです。

さて、グラハム・ナッシュの新しいライヴ盤がこの度発売されました。

Graham Nash『Live:Songs For Beginners/Wild Tales』
(輸入CD Proper Records PRPCD161)

グラハム・ナッシュの1971年発表ソロ1stアルバム『Songs For Beginners』、1973年発表2ndアルバム『Wild Tales』の楽曲を、現在の彼のバンドで再現した2019年ライヴ録音盤です。

ナッシュの右腕とも言えるギタリストで、ピーター・バラカンさんの実弟でもあるShane Fontayneを中心としたバンド・サウンドは、ナッシュの切実なメッセージを力強く響かせています。

今日のこの1曲は、戦争における軍隊の狂気と、その愚かさを歌った「Military Madness」を。森 陽馬


2022年5月11日(水) ラリー・カールトン 「ルーム335」

今日は有名なアルバムで失礼いたします。

ラリー・カールトン『夜の彷徨(さまよい)』
(国内CD WPCR-28001 1,100円税込)

1978年発表、フュージョンの大名盤ですね。
ドラムスにジェフ・ポーカロ、キーボードにグレッグ・マティソン、ベースにエイブラハム・ラボリエル(ポール・マッカートニー・バンドで近年ドラムを担当しているのは、この人の息子)などが、参加しています。

ラリー・カールトンは、2022年6月に来日が決定しています。
横浜、東京、大阪のビルボード・ライヴで、計7日間の公演が予定されています。

なんと、この公演は、ファースト・ステージがクルセイダーズの曲、セカンド・ステージはスティーリー・ダンの曲を中心に演奏するそうです。WOW!
ファースト・ステージもセカンド・ステージも両方観たいですね。
アンコールは、このアルバムの1曲目「ルーム335」でしょうか。森 勉


2022年5月12日(木) Taj Mahal & Ry Cooder 「I shall not be moved」

<初めて一緒に演奏をしてから、約60年を経て再び共演し、作り上げたアルバム>

この感慨は、まだ50年も生きていない僕には理解できないものかもしれません。

でも、本作の歌と演奏からは、二人の出逢いと音楽への感謝がじわじわと伝わってきます。

タジ・マハール&ライ・クーダー『GET ON BOARD:The Songs Of Sonny Terry & Brownie McGhee』
(国内CD 英文解説の日本語訳付 WPCR-18505 2,860円税込)

ライ・クーダー17歳、タジ・マハール22歳であった1965年頃に、ライジング・サンズとして共演した二人が、約60年の時を経て再度向き合い、サニー・テリー&ブラウニーマギーの楽曲を取り上げたブルージーな2022年作。
アコギにハーモニカ、そして、ライの息子、ヨアキム・クーダーによるドラミングが、味わい深く沁みる1枚です。

今日のこの1曲は、ラスト11曲目「I Shall Not Be Moved」を。
60年ってあっという間だったし、色々なことがあったけれど、でもまたこうやって音楽を一緒にできるって、素敵なことだよな、、、というような想いが、まったりとした空気の中に感じられます。森 陽馬



2022年5月13日(金) Rumer 「Never Arrive」

カレン・カーペンターを彷彿とさせる包容力ある柔らかな歌声で人々を魅了する女性シンガー、ルーマー。

彼女の最新リリースは、B面曲やカヴァーなど未発表曲を集めた『B Sides & Rarities』第2弾です。

Rumer『B Sides&Rarities Vol.2』
(輸入CD cooking vinyl COOKCD828)

2015年発表の第1弾からおよそ7年ぶりとなるVol.2には、未発表のオリジナル曲をはじめ、カーリー・サイモン「You're The One」、ヴァン・モリソン「I Wanna Roo You」、ビー・ジーズ「How Deep Is Your Love」、バカラック&デイヴィッド作「Anyone Who Had A Heart」、「The Windows Of The World」、ペギー・リーで知られるスタンダード「The Folks Who Live On The Hill」など魅力的なカヴァーもたくさん収録されています。

本日は、米カントリー歌手ヒュー・プレストウッドの楽曲を歌った2020年作『ナッシュヴィル・ティアーズ』同時期に録音されたであろう「Never Arrive」(こちらもプレストウッド作)を今日の1曲に。

公私共にパートナーであるロブ・シラクバリのピアノと、彼女の歌。凛とした空気感に引き込まれます。東尾沙紀


2022年5月14日(土) ローリング・ストーンズ 「JUMPIN' JACK FLASH」(LIVE)

血が燃えたぎるような「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」!
凄まじいライヴ音源が公式発売されました。

ローリング・ストーンズ『Live At EL MOCAMBO 1977』
(国内2枚組CD 英文解説翻訳・歌詞・対訳付 UICY-16065 4,400円税込)

本作は、1977年3月トロントにある300人規模の小さいライヴ・ハウスで行われた、ローリング・ストーンズの伝説的なシークレット・ライヴ音源。『ラヴ・ユー・ライヴ』に数曲入っていましたが、通しで収録されるのは今回が初。

ザ・バンドの50周年盤などを手掛けているボブ・クリアマウンテンによる新ミックスで、音質も素晴らしい!
ビル・ワイマンのベース、チャーリーのドラムス、ロニー&キースのギターがド迫力で圧倒されますね。

今日のこの1曲は、激ハイテンションな「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」!
コレ、超絶に聴きものです! 森 陽馬


2022年5月15日(日) ジョー長岡 「紫陽花」

ジョー長岡さんの新作2ndアルバム『マトリョーシカ』が発売。
当店でも販売させていただけることになりました。

ジョー長岡『マトリョーシカ』
(国内CD 2,000円税込)

ジョー長岡さんは、1970年神戸生まれの男性シンガー・ソングライター/ナレーター/プランナー。
寺尾紗穂さんのコンサートを企画・主催するなど、多くの方々と信頼関係を築いている音楽家です。

本作『マトリョーシカ』は、2017年発表1stアルバム『猫背』以来、約5年ぶりのリリースとなる2ndアルバム。
うのしょうじ(コントラバス)、松村拓海(フルート、ピッコロ)が参加。
おだやかで実直な歌声が、やさしく沁みてくる全11曲が収録されています。

今日のこの1曲は、2曲目「紫陽花」を。

「路地裏の紫陽花は、真夜中に空を飛ぶ。泣きながら笑いながら青色の種を蒔く。
その種は雨になり その雨はやがて歌になり あなたの街に鳴り響く。あなたが目を覚ます。」
(「紫陽花」歌詞より)

まさに、ジョーさんの歌が紫陽花の青色の種のように、心に鳴り響きます。森 陽馬



2022年5月16日(月) スティーヴン・ビショップ 「オン・アンド・オン」

レコード・コレクターズ誌2022年6月号が発売になり、先月に続き、創刊40周年企画第2弾の特集<70年代のロック・アルバム200>が掲載されています。


前号<60年代のロック・アルバム200>のことは、2022年4月18日の今日のこの1曲でも書きましたが、今回も僕の推したい作品がたくさん選外になっていて、ちょっと悲しいので、
Good Timin'コラム・コーナーVol.37にて選んでみました。

今回は1~30位の他にも、はみ出したアルバムが多くありました。
レコード・コレクターズ誌の選者の方々が推す作品も素晴らしいものばかりですが、それ以外にも、こんなもの、あんなものがあったなぁ~と思っていただければ幸いです。

さて、1970年代の名盤。
このアルバムが入っていなかったのは、実に残念でした。
耳馴染みが良すぎて、ロックとは見なされなかったんでしょうか...。

スティーヴン・ビショップ『ケアレス』
(国内CD UICY-15160 解説:大江田信 歌詞・対訳付 1,885円税込)

1976年発表、全曲彼のソングライティングによるファースト・アルバム。
センスあふれる楽曲をソフトなヴォーカルと見事な演奏で聴かせてくれる、僕にとっては大切な大切な1枚です。森 勉


2022年5月17日(火) RCサクセション 「ステップ!」

RCサクセション『FIRST BUDOHKAN DEC.24.1981 Yeahhhhhh…』爆音上映会を六本木EXシアターで鑑賞。

この上映会は、RC初の日本武道館公演(1981年12月24日!)の映像を、大きな画面と音で楽しむイベント。
ほぼほぼ満席で、会場内は感染対策を守りながらも実際のコンサートのように熱気に包まれていました。

僕の斜め前にいたRCTシャツを着込んだ方は、1981年当時その現場におそらくいらっしゃったのでしょう。
1曲目「よォーこそ」で元気いっぱいの清志郎が出てきた瞬間から涙を流していました。
RCの歴史的なライヴの記録であると同時に、様々な方にとっての青春であり、想い出が詰まったコンサートだったのだな、と実感できて、胸が熱くなりましたね。

特に、アンコール前本編ラストの「ステップ!」が最高!
バックの演奏、清志郎の歌が強烈なテンションで、感動を通り越して圧倒されてしまいました。

なお、「ステップ!」の映像は初商品化。色々とアップグレードされて2022年6月1日に発売予定です。森 陽馬

<6月1日発売>
RCサクセション『FIRST BUDOHKAN DEC,24.1981 Yeahhhhhh…』
(国内2LP+CD+DVD+Blu-ray 完全限定盤 UPCY-90093 19,800円/CD+DVD UPCY-7779 4,400円)



2022年5月18日(水) イハラカンタロウ 「I Love You」

新世代シティ・ポップ/和製メロウ・グルーヴの当店オススメ・ミュージシャン!
イハラカンタロウのスペシャルな6曲入りCDが発売されました。

イハラカンタロウ『I Love You』
(国内CD PCD-4556 1,650円税込)

イハラカンタロウは、1992年生まれ埼玉県川越出身の男性シンガー/ギタリスト。
2020年4月に1stアルバム『C』をデジタル配信のみで発表し、同年12月「Gypsy」を7インチ・カット。
そして、2022年2月にリリースした「I Love You」の7インチが即完売して、注目度がアップしています。

「I Love You」は、ウェルドン・アーヴィンの名曲を日本語でカヴァーしたキラー・チューン。
ほぼ完コピのバック・サウンド、日本語詞も良い雰囲気で聴きものです。

このCDには、現在は入手困難な7インチのA面「I Love You」とB面「You Are Right」に加えて、「Gypsy」のNew Mix、「I Love You」のスタジオ・ライヴ・ヴァージョンなども追加収録。心地良いグルーヴが楽しめる1枚です。
シティ・サウンド/AOR好きの方は、是非チェックしてくださいね。森 陽馬


2022年5月19日(木) Yawners 「Rivers Cuomo」

ダイナソーJr.など90年代ロックを想起させる、キャッチーで爽快なスペイン発のギター・ロック/ポップ♪

ヨーナーズ『DUPLO』
(国内CD TSIP-2069 2,530円税込)

ヨーナーズは、スペイン/マドリードを拠点に活動するElena Nietoによるバンド・プロジェクト。
キャップ姿のボーイッシュな出で立ち、白のギブソンSGをかき鳴らす姿が魅力的な女性シンガー・ソングライターです。

好評だった2020年作『Just Calm Down』に続く本作には、ウィーザーのフロントマンの名を冠した「リヴァース・クオモ」なる曲が!

♪リヴァース・クオモ すべてを捧げたい♪

何度も登場する上記フレーズが耳から離れない、彼女のウィーザー愛が伝わる凄くかっこいい曲なのです。

豪快さの中に漂う哀愁あるメロディー、ギターソロは必聴です。
でっかい音で聴きたいキラー・チューン! 東尾沙紀


2022年5月20日(金) Neil Young 「I am a child」(LIVE)

ニール・ヤングの新しいアーカイヴ・シリーズ、<オフィシャル・ブートレグ・シリーズ>。
5月6日にCD発売された3タイトルの、アナログ・レコード盤が本日入荷してきました。

・NEIL YOUNG『DOROTHY CHANDLER PAVILION 1971』(OBS3)
・NEIL YOUNG『ROYCE HALL 1971』(OBS4)
・NEIL YOUNG『CITIZEN KANE JR. BLUES』(OBS5)

「初公式音源ではあるけれど、OBS3とOBS4は『ライヴ・アット・マッセイホール1971』、『カーネギー・ホール1970』とほぼ同じ時期のソロ・ツアー音源だからなぁ...」
と最初は思っていましたが、同じ曲でもイントロやテンポ、全体の雰囲気が当然違って、新しい発見もありました。

その一つが、『DOROTHY CHANDLER PAVILION 1971』(OBS3)の「I am a child」。

1971年2月1日ロサンゼルスで行われたこの公演は、ソロ・アコースティック・ツアー1971の最終日。
この日の「I am a child」は、以下のフレーズが出だしで歌われています。
「I was thinking of you and me. Making love beneath the tree. And now I wonder could it be.」

これは、1992年発表名盤『Harvest Moon』に収録されることになる「You And Me」の歌詞部分。
つまり、「You And Me」は「I am a child」から派生して、すでに1971年に披露されていたわけです。

でも、『ROYCE HALL 1971』(1971年1月30日の公演)の「I am a child」では、このフレーズは歌われていません。
うーーーん、ニール・ヤング道はまだまだ深いですね。森 陽馬


2022年5月21日(土) David Paton & SHEEP 「The Happy Traveller (ご気楽トラベラー)」

英国と日本のポップ・ミュージシャン達によるマジカルなコラボ・アルバム♪

デヴィッド・ペイトン&シープ『メロディ・アンド・エコーズ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 HYCA-8037)

元ビーグル・ハットのリーダー田中久義と、TOM★CATなどで活躍してきた堀尾忠司によるユニット、SHEEP。
前作から約7年ぶりとなる新作3rdは、以前から親交の深いデヴィッド・ペイトン(パイロット/アラン・パーソンズ・プロジェクト)と制作したアルバム!

各々が書いた曲、共作曲、「ご気楽トラベラー」や「僕の中のメロディ」等SHEEPの人気曲を英語詞で新たに歌い直したものも。全編デヴィッドがメイン・ヴォーカルを担当。瑞々しい歌声を聴かせてくれます。

3人の<ポール・マッカートニー大好き>がちりばめれた楽曲、コーラス、アレンジ細部まで楽しんで制作されたことがとても伝わってきます。
特に英語詞で新録したSHEEPの楽曲はどれも素晴らしい。楽曲の完成度の高さを再認識しました。

7月20日には同じくHAYABUSA LANDINGSより、デヴィッド・ペイトンがパイロットの楽曲をセルフ・カヴァーしたアルバム『マジック・コレクション』がリリース予定となっています。東尾沙紀


2022年5月22日(日) 鈴木祥子 「わがままな彼氏」

鈴木祥子さんの新しい作品がCD発売されました。

鈴木祥子『鈴木祥子私的讃美歌集1.』
(国内CD 6トラック収録 BECD-28 2,200円税込)

荘厳なイメージがある讃美歌ですが、<鈴木祥子私的讃美歌集>と題された本作は、超ポップなサウンド。
まさに、<ニュー・クリスチャン・ポップ>なアレンジが楽しめる1枚です。

今日のこの1曲は、キュートなクリスチャン・メロウ・グルーヴ・ナンバー①「わがままな彼氏」を。
シック(ナイル・ロジャース)の楽曲を彷彿とさせるギター・カッティングがNice♪

ダン・ドゥビ・コーラスが印象的に響く②「愛と幻想の旅立ち」2022 New Mixと、6曲目(chorus Extended Mix)も繰り返し聴きたくなりますね。森 陽馬


2022年5月23日(月) Kenny Neal 「Louise Ana」 feat Rockin' Dopsie Jr & The Zydeco Twisters

コロナ禍の影響で、延期・中止が続いていたニューオリンズのフェスは、今年無事開催されたようです。
現場はさぞかし盛り上がったでしょうね。

さて、ニューオリンズを拠点に活動しているブルースマンの2022年作を今日は紹介しましょう。

ケニー・ニール『Straight From The Heart』
(国内仕様輸入CD 日本語解説付 BSMF-2774 2,640円税込)

ケニー・ニールは1957年生まれ、ルイジアナ州ニューオリンズ出身の黒人シンガー/ギタリスト。
本作は、グラミーのブルース部門にノミネートされた2016年作『Bloodline』以来、6年ぶりのアルバムです。

アルバート・キングで有名な③「I'll Play The Blues For You」など味わい深いモダン・ブルースに加え、Tito Jacksonがゲスト参加したソウルフルな④「Two Timing」、Rockin' Dopsie Jr & The Zydeco Twistersをfeatしたザディコ・ナンバー⑦「Bon Temps Rouler」、ホーン隊が加わりタイトルもズバリな⑪「New Orleans」他全11曲収録。

今日のこの1曲は、ルイジアナ産らしいザディコ・ブルースな⑤「Louise Ana」を。森 陽馬


2022年5月24日(火) 大江千里 「Rain」

J-POPの雨名曲、大江千里「Rain」が7インチ・アナログ盤で発売。本日入荷しました。

大江千里『Rain』
(国内7inch ブルーカラー完全限定盤 B面には2018年Jazzヴァージョンを収録 MHKL-62 1,980円税込)

「Rain」は1988年発表アルバム『1234』に収録されていた楽曲で、発売当時シングル化されませんでした。
そのため、今回が初めてのシングル・カット/7インチ化になります。

歌の上手な秦基博や槇原敬之によるカヴァーもありますが、胸が張り裂けそうな想いを乗せて大江千里自身により歌われるこのオリジナル・ヴァージョンが、大村雅朗手掛ける編曲も含めて、僕は好きですね。

ちなみに、アルバム『1234』にコーラスで参加していた渡辺美里による「Rain」のカヴァー(2021年作『うたの木 彼の好きな歌』収録)も素晴らしい仕上がりで聴きものです。森 陽馬


2022年5月25日(水) ジミー・スミス 「ザ・キャット」

ラロ・シフリンは多くの映画音楽を手掛けています。
60's、70'sの有名なところだと『シンシナティ・キッド』、『ブリット』、『ダーティ・ハリー』、『燃えよドラゴン』、etc...。
テレビ・ドラマだと『ナポレオン・ソロ』、『スパイ大作戦』も彼の作った音楽が使われています。

特に、『スパイ大作戦』のテーマ曲は、近年映画『ミッション・インポッシブル』シリーズの人気で、世代を越えて知られるようになっていますね。

そんな彼が、映画音楽を作曲し始めた頃、1964年に担当したのがフランス映画『危険がいっぱい』(原題『LES FELINS』、アメリカ・タイトル『JOY HOUSE』)です。
アラン・ドロン、ジェーン・フォンダ主演、ルネ・クレマン監督作品です。

映画は昔、『太陽がいっぱい』、『太陽はひとりぼっち』と一緒に、アラン・ドロンの3本立で観ましたが、残念ながら内容は全然覚えていません。

さて、『危険がいっぱい』で使われたのが、ラロ・シフリン作曲の「ザ・キャット」でした。
ジミー・スミスのクールなオルガンをフィーチャーしたナンバーで、ジャズ・インストにもかかわらず、1964年全米チャートにも登場したので、知った曲でした。

ジミー・スミス『ザ・キャット』
(国内CD UCCU-5573 1,650円税込)

なお、このアルバムには、映画で使われた曲ではありませんが、ジミー・スミス作曲のアラン・ドロンをイメージした「ドロンのブルース」も収録されています。森 勉


2022年5月26日(木) NRQ 「あの丘のむこうがわへ」

新宿にある寄席、末廣亭が経営難でクラウドファンディングを現在行っています。
コロナ禍の影響で売上げが回復せず、このままでは今夏までに閉店の可能性もあるとのこと。
なんとか、存続してもらいたいですね。

当然のことながら、コロナ禍は音楽業界にも多大な影響を及ぼしました。
ミュージシャンは集まって録音することができず、リモートで制作した楽曲が増加。
ライヴ活動を行えない状況が続き、バンドの方々は本当に苦労が絶えなかったと思います。

NRQの新作も、半分はリモート録音、残りはスタジオにてベーシック・トラックを1日で録音し仕上げたそうです。

NRQ『こもん』
(国内CD Sweet Dreams Press SDCD-054 2,640円税込)

NRQ(New Residential Quarters)は、吉田悠樹、牧野琢磨、服部将典、中尾勘二によるインスト・バンド。
4人の独特なアンサンブルが織り成すバンド・サウンドは、通算5作目となる本作でも健在。

今日のこの1曲は、1曲目「あの丘のむこうがわへ」を。
NRQらしい唯一無二の躍動感で、歌がなくとも幻想の世界へ誘ってくれます。森 陽馬


2022年5月27日(金) ノラ・ジョーンズ 「Something Is Calling You」 tabla version

「1999年にテキサスからニューヨークを目指した時、私が持っていたのは1本のデモ・テープ。古いジャズ・スタンダードをピアノで弾き語りしたものだ。」(ノラ・ジョーンズ本人によるライナーノーツより)

ノラ・ジョーンズがデビュー20周年を迎え、2002年発表1stアルバムのデラックス盤が本日発売された。
上記の言葉は、彼女自身が記したライナーノーツの冒頭の一文である。

ノラ・ジョーンズ『ノラ・ジョーンズ スーパー・デラックス・エディション』
(輸入国内盤仕様3枚組CD ノラ・ジョーンズ自身による英文ライナー翻訳・歌詞・対訳付 UCCQ-1155 5,500円税込 先着特典トート・バック付)

デラックス盤のディスク1は、アリフ・マーディンのプロデュースによる本編。
ディスク2には、ブルー・ノートとの契約のきっかけとなった完全未発表11曲含むデモ音源等全17曲。
ディスク3には、ブルー・ノート契約後、クレイグ・ストリートによるプロデュースでレコーディングされながら、アルバム収録は見送られ、お蔵入りしていた楽曲含む全13曲が収められている。

ノラ・ジョーンズの歌は、光輝く魂だ。
彼女が歩んできた人生の道しるべや喜怒哀楽が歌声に込められている。
それが、多くの人を惹きつけるのだろう。

今日のこの1曲は、ディスク2に収録されている「Something Is Calling You」タブラ・ヴァージョンを。
父ラヴィ・シャンカール、姉アヌーシュカ・シャンカールとの公演でニューヨークを訪れていたタブラの名手、Vikram Gosh(ヴィタラム・ゴッシュ)を迎えて録音されていた貴重音源だ。

なお、ノラ自身によるライナーノーツには、デビューする前に志していた真っ直ぐな想いであったり、人との繋がりや出逢いによって出来上がった作品について語られている。
この解説文を読むと、大ヒット・アルバムである本作の印象がまた違って感じられるはずだ。森 陽馬


2022年5月28日(土) ロバータ・フラック 「やさしく歌って」

ロバータ・フラックが1973年に全世界的に大ヒットさせた「キリング・ミー・ソフトリー・ウィズ・ヒズ・ソング」は、「やさしく歌って」という邦題が付いて、日本でもかなりのヒットになりました。

彼女は自分で曲を書いたりはしないのですが、歌う曲を実にいいセンスで選んでいました。

このベスト盤には、そんな曲がたっぷり収められています。

ロバータ・フラック『ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ロバータ・フラック』
(国内CD 英文ライナー訳・歌詞・対訳付 WPCR-26248 1,430円税込)

「やさしく歌って」はもちろん、「愛は面影の中に」(The First Time Ever I Saw Your Face)、「愛のためいき」(Feel Like Makin' Love)や、ダニー・ハサウェイとのデュエット曲も「私の気持ち」(The Closer I Get To You)など計4曲、ピーボ・ブライソンとの「愛のセレブレイション」、マキシ・プリーストとの「ナイト・トゥ・ミュージック」など全17曲収録。

ロバータのシャウトしないソウルフルな歌声を堪能できるベストCDです。森 勉


2022年5月29日(日) Death In Vegas feat.Paul Weller 「So You Say You Lost Your Baby」

ザ・バーズのオリジナル・メンバー、ディラード&クラーク、ソロなどで活躍したジーン・クラーク。
英ace編集・人気のソングライター・シリーズから作品集が発売されました。

V..A.『You Showed Me The Songs Of Gene Clark』
(輸入CD CDTOP-1611)

他アーティストによるカヴァーを中心にジャンルも年代も幅広くセレクトされています。

現在劇場公開中の映画『エコー・イン・ザ・キャニオン』よりジェイコブ・ディラン&キャット・パワーによるバーズのカヴァーや、ロキシー・ミュージック「霧の8マイル」、息子カイ・クラークが歌う「Train Leaves Here This Morning(今朝発つ列車)」、リンダ・ロンシュタット「He(She) Darked The Sun」他、フライング・ブリトー・ブラザーズ、メグ&ローラのベアード・シスターズ、ディス・モータル・コイルなど全21曲を収録。

ポール・ウェラーがヴォーカルで参加したデス・イン・ヴェガスによる「So You Say You Lost Your Baby」(オリジナルは1967年/ジーン・クラークwithゴースディン・ブラザーズ名義)は発表から20年、ずっと大好きなカヴァーです。

マニ(Stone Roses/Primal Screamベーシスト)、サイモン・ハンソン(現Squeezeドラマー)リズム隊のグルーヴ感、シタールとストリングスを強調したアレンジ。
ゆらぎのあるヴォーカルが妖しげな雰囲気を漂わせる本家とはまた違ったソウルフルなウェラーの歌声も聴きものです。東尾沙紀


2022年5月30日(月) PJ MORTON 「On My Way」 feat EL DEBARGE

マルーン5のキーボード奏者、PJ・モートンが新作ソロ・アルバムを発表しました。

PJ MORTON『Watch The Sun』
(輸入国内仕様CD ERE816J 2,750円税込)

ニューオリンズで生まれ育った彼が、ルーツ・ソウルと現在進行形のブラック・ミュージックをミックスさせ、ハイブリットなサウンド・アレンジで仕上げた1枚。
ニューオリンズにあるGUMBO STUDIOSでレコーディングされています。

ジャマイカン・アーティストChronixxをfeatしたタイトル曲「Watch The Sun」から、ジル・スコットが参加したスムースなR&B、更には、スティーヴィー・ワンダーがヴォーカル&ハーモニカで参加し、NASのRapが畳みかける「Be Like Water」等全11曲が収録。

今日のこの1曲は、エル・デバージが参加した⑩「Oh My Way」を。
ヴィンテージ感あるソウルフルなラスト⑪「The Better Benediction」へ繋がる流れもNice♪ 森 陽馬


2022年5月31日(火) 寺尾紗穂 「Glory Hallelujah」

当店がデビュー時から応援している1981年生まれの女性シンガー、寺尾紗穂の新作アルバム『余白のメロディ』が、6月22日発売決定いたしました。

寺尾紗穂『余白のメロディ』
(2022年6月22日発売 国内CD 先着特典エッセイ冊子付 KHGCD-002 3,300円税込)

先着特典として、寺尾紗穂書き下ろしエッセイ『取り戻せないことの上に』が付きます。
また、当店作成のインタビュー・リーフレットもお渡しできる予定です。
ご希望の方は、お早めにご予約くださいね。

さて、本作最大の注目は、西岡恭蔵「グローリー・ハレルヤ」のカヴァーが収録されていることでしょう。

寺尾紗穂がミュージシャンを志すきっかけとなった1曲で、ライヴでも時々披露していましたが、この度スタジオ録音され、遂にアルバムへ収録されることとなりました。

西岡恭蔵「グローリー・ハレルヤ」は、1997年発表作『Farewell Song』に収録されている楽曲。
1997年4月に愛妻Kuroさんをガンで亡くし、その哀しみを乗り越えるため、悲哀ではなく慈愛に満ちたアルバムを作り上げた彼も、その2年後にあたる1999年4月、彼女の後を追うように天国へ旅立ちました。

♪Glory Glory Hallelujah 愛は生きること。
私が私であることを祈りながら 心の中にある神様の言葉が 祈りの唄になり あなたに届くように。♪

寺尾紗穂の歌声で、この歌を聴けることを楽しみに待ちたいと思います。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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