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  今日のこの1曲 “Archives”

<2023月10月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2023年10月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2023年10月1日(日) Yussef Dayes 「Black Classical Music」

映画『BLUE GIANT』公開、上原ひろみ新作発売など、ジャズ界隈の明るい話題が今年は多いですね。
最近は、<UK発の新世代ジャズ・ムーヴメント>が盛り上がっています。

その現代UKジャズの旗手とも言えるドラマー、ユセフ・デイズが初ソロ・スタジオアルバムを発表しました。

Yussef Dayes『Black Classical Music』
(輸入CD Brownswood Recordings 5054197622212/輸入LPもあり)

本作を聴いた最初の印象は、夜の海を漂うような音世界を地味に感じたのですが、聴く程に深みが増してきました。
ライヴ盤『Live At Joshua Tree』(
2023年4月23日今日のこの1曲で紹介)に入っていた「Raisins Under The Sun」も、スタジオ録音だと雰囲気がだいぶ違いますね。

今日のこの1曲は、タイトル曲の1曲目「Black Classical Music」を。
ロニー・リストン・スミスを彷彿とさせるスピリチュアルな出だしから、急にハイパーな展開になる瞬間がかっこいい!

ちなみに、ベーシストはRocco Palladino(ピノ・パラディーノの息子)!
ユセフが弾き出す変幻自在なドラミングとの絡みが絶妙です。森 陽馬



2023年10月2日(月) Lola Cobach 「Camino Dorado」

当店2022年ベストに選出したフォンテイン、ルーマーなどお好きな方にも♪
ラグビーワールドカップでも今話題のアルゼンチン発、女性シンガーオススメの新作です。

ローラ・コバチ『カミーノ・ドラド』
(国内CD 解説・歌詞付 ボーナス・トラック1曲追加 PCD-25371 2,750円税込)

ローラ・コバチは、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスを拠点に活動している女性シンガーソングライター。
ナチュラルなスペイン語ヴォーカル、自身のペンによる美しいメロディが魅力的で、Dolores Cobach名義で2019年に発表した前作『Plumaje(プルマヘ)』は、70年代UK/USフォーク・シンガーのような味わいで注目を集めました。

4年ぶりとなる新作は、少し趣きかわってソウル、ポップ色が濃くなり、心地良いグルーヴが感じられる作品に。

<秋がやってきた 肌でわかる>
今の季節にぴったりのオープニング・ナンバー「カミーノ・ドラド(黄金の道)」を今日の1曲に。

本編最後に収録された、バート・バカラック作「Close To You」のカヴァー(英語)におけるメロウなアレンジも素晴らしい♪聴きものです。東尾沙紀



2023年10月3日(火) 土岐麻子 「夢で逢えたら」

今日は「夢で逢えたら」が聴きたい気分。
それもたくさん、いっぱい、ずっと聴いていたい・・・。

そんな時にぴったりなのがこのCD。

大瀧詠一作品集Vol.3『夢で逢えたら』(1976-2018)
(国内CD4枚組 ソングリスト・解説・歌詞付 SRCL-9693 4,378円税込)

4枚組CDに同じ曲が全86パターン。
全部が「夢で逢えたら」です。

1976年から2018年にいろいろな歌手や演奏者によって世に出た「夢で逢えたら」を集めて、ナイアガラ・レーベルから発売された世界に類を見ない、同じ曲だけのコンピCDです。

今日はその中から、ディスク2の16曲目に入っている土岐麻子ヴァージョンを。
彼女が2006年に発表のアルバム『WEEKEND SHUFFLE』に収められていたもの。
シンプルなアレンジながら、麻子ちゃんのキュートな歌声がすてきです。森 勉



2023年10月4日(水) はっぴいえんど 「颱風」(Full Size)

日本フォーク/インディー・レーベルの草分けである<URCレコード>の販売権が、ポニー・キャニオンからソニー・ミュージックへ移ったことから、URCの作品各種が2023年最新リマスタリングでソニーから再CD化されています。

中でも特に目玉と言えるはっぴいえんどの3作品が11月1日に発売決定!
初回限定盤には、ボーナス・トラック&約60ページの豪華ブックレットが付属予定です。

そのボーナス・トラック曲目が遂に発表されました。

『ゆでめん』には、「かくれんぼ」(歌入れ最終ダビングTake1)、「12月の雨の日」(最終ダビングTake2)。
『風街ろまん』には、「はいからはくち」(完パケTake1)、「颱風」(Full Size)。
『HAPPY END』には、「風来坊」(吉野金次MIX)、「田舎道」(吉野金次MIX)。
どれも、新たに発掘された未発表トラック!

注目は、『風街ろまん』に入る「颱風」(Full Size)でしょうか。
9分50秒にも及ぶセッション! 早く聴きたいですね!

ちなみに、制作ノートなど貴重な資料も色々と見つかり、それらが掲載されたブックレットは、かなり気合の入った冊子になっているとのこと。
近年はアナログ・レコードが人気ですが、CDの良さを感じられるリイシューとなりそうで楽しみです。森 陽馬

★掲載ジャケットは、はっぴいえんど『風街ろまん』
(2023年11月1日発売 CD 初回限定盤 ボーナス・トラック&ブックレット付 MHCL-30916 3,520円税込)



2023年10月5日(木) ジノ・ヴァネリ 「アイ・ジャスト・ウォナ・ストップ」

今日は大定盤、大ヒット名曲で失礼いたします。

ジノ・ヴァネリ『ブラザー・トゥ・ブラザー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-25014 1,885円税込)

1978年発表、AOR名作アルバムから「アイ・ジャスト・ウォナ・ストップ」を。

ジノ・ヴァネリは兄のジョーと弟のロスの三兄弟。
このアルバムもプロデュースは3人の名義になっています。

三兄弟と言えば、ブライアン、デニス、カールのビーチ・ボーイズ。
そして、バリー、ロビン、モーリスのビージーズ。
映画界では、お古いところで、チコ、ハーポ、グルーチョのマルクス兄弟。
(グルーチョの下にも、ガンモ、ゼッポがいましたが、映画ではこの3人が中心だったので・・・)
現代ではあまり思い当たらないのですが、もうすぐ来日公演があるキティ、デイジー、ルイスのダーラム兄弟(姉弟)がいますかね。

話がそれてしまいましたが、今日はジノ・ヴァネリ。
「アイ・ジャスト・ウォナ・ストップ」は、ヴァネリ三兄弟の才能の粋を集めた名曲だと思います。森 勉



2023年10月6日(金) 村田和人 「SHOW MUST GO ON」

村田和人さんの新アイテムが発売されました!

村田和人『K-A-Z-U HIT RADIO』
(国内CD BRIDGE-385 2,530円税込)

本作は、村田和人さんが英語詞で歌った楽曲をDJによる曲紹介で繋いだ内容で、1986年頃にプロモーション用カセットテープとして配布された作品のマスターテープ(ブックレットに写真も掲載)が奇跡的に発掘!
この度、初めて商品化&CD化された1枚です。

1986年と言えば、村田さんが4thアルバム『SHOWDOWN』を発表した年。
マウイ島の風景を映した環境ビデオ『マウイ・ベース』に、村田さんの音楽を使いたいとオファーがあり、英語詞のヴォーカルを当時新たに録り直して提供しました。その際ムーン・レコードがキャプテン・ジョージ(ケヴィン・クローン)のDJを加えて制作した音源です。
村田さんらしい、張りのある雄々しい歌声がかっこいいですね。

今日のこの1曲は、歌と演奏が熱々!かけると室温が上がる「SHOW MUST GO ON」を。
1985年11月28日発売のシングル曲で、オリジナル・アルバムには未収録のナンバー。
レーベルメイトだった44マグナムのJIMMY(広瀬さとし)とPAUL(梅原達也)がゲスト参加しています。森 陽馬


2023年10月7日(土) CAROL 「Other Room」

心地良い風が吹き抜けていくような伸びやかで澄んだ歌声が魅力的な女性シンガーソングライター。

キャロル『モア・ザン・ア・セイ・グッドバイ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲追加 HYCA-8059 2,420円税込)

キャロルことキャロル・フラハーティは、ニューヨークを拠点に活動しているシンガーソングライター。
シアーシャ・ローナン似の華奢で可愛らしい彼女は解説によると20代半ばとのこと。
バークリー音楽大学在学中から配信を主に作品を発表しており、初のフル・アルバムとなる2023年最新作『モア・ザン・ア・セイ・グッドバイ』は、HAYABUSA LANDINGSから先日国内盤がリリースされました。

翳りのある美しいメロディー、アコースティック・ギターを爪弾き歌う凛とした声は70年代フォーク・シンガーのよう。
バンドの音が加わると90年代ロックっぽさもあり、どこか懐かしさを感じさせます。

別の部屋から聞こえてくる泣き声...その一節と清らかな歌声からさまざまな物語が頭の中をかけめぐる、バンド・サウンドの①「Other Room」を今日の1曲に。東尾沙紀



2023年10月8日(日) コーネリアス 「TOO PURE」

京都で行われている展覧会『AMBIENT KYOTO 2023』へ行ってきました。

『AMBIENT KYOTO』は、アンビエント音楽とアートの融合をテーマにしたイベント。
2022年の第1回目は、ブライアン・イーノによる音と光の展示が評判でした。
今回は、コーネリアス、坂本龍一+高谷史郎、Buffalo Daughter、山本精一による展覧会が中心。
Terry Rileyのライヴ(10/13、14)、コーネリアスのライヴ(11/3)もあり、12月24日まで開催されています。

まず、京都新聞ビル地下1階、坂本龍一+高谷史郎の展示。
元印刷所だったという地下1階が、予想以上に広く、廃墟感漂う独特なスペースで圧巻!
場内では、坂本龍一の2017年発表作『async』がかかりながら、高谷史郎による映像世界が広がります。
僕が観に行った時は、ラスト曲「garden」時に、海・波の映像が重なって壮観でしたね。

京都中央信用金庫旧厚生センターは、コーネリアス「TOO PURE」がかかっている2Fの部屋が良かったです。
7.1chの音響(!)とgroovisions制作の映像が素晴らしくて、5回も繰り返して聴きました。

1Fの「QUANTUM GHOSTS」部屋も、20台のスピーカーから鳴らされる立体音響が凄かったです。
(「霧中夢 -Dream in the Mist」がかかっている3Fの部屋は、霧(ミスト)と照明が幻想的ですが、曲名通り視界が不安定になるので、閉所恐怖症の人にはオススメできないかも。)
とにかくも、コーネリアスをお好きな方は、あの音響装置で聴いてみた方がいいと思いますよ。森 陽馬


★掲載ジャケットは、コーネリアス『夢中夢 -DREAM IN DREAM-』。
(国内CD WPCL-13489 3,300円税込)
ちなみに、コーネリアスのアンビエント楽曲を集めたカセット・テープが会場限定で販売されていました。



2023年10月9日(月) 有賀啓雄 「僕の知らない雨が降る」

今日の東京は15℃前後、冷たい雨が降って、とても寒い1日でした。

色々な想い出が心によぎる雨の日。
<雨>をテーマにした楽曲で構成された名盤を取り上げたいと思います。

有賀啓雄『アンブレラ』
(国内CD MHCL-30851 2,200円税込)

有賀啓雄は1964年東京生まれのミュージシャンで、1987年メジャー・デビュー。
渡辺美里など作曲・編曲を多く手掛け、小田和正や藤井フミヤのツアー・ベーシストを長く担当し、優しい人柄が滲み出たベースプレイが印象的でしたが、2023年2月27日に病気で逝去しました。
その追悼盤として、彼のアルバム3作が最新リマスタリングを施されソニーから再CD化されています。

本作『アンブレラ』は1992年にFUN HOUSEから発表した2枚目のソロ・オリジナル・アルバム。
収録されている全10曲、ほとんどの歌に<雨>が描かれていています。

中でも、クリス松村さんのコンピ『クリス・ミュージック・プロマイド』(
2018年6月1日今日のこの1曲収録)に収録された1曲目「RAIN DOLPHIN」が素晴らしい!コレは本当に名曲!

でもこの曲は初夏の雰囲気なので、今日のこの1曲は、秋~冬の雨を連想させる②「僕の知らない雨が降る」を。

♪頬をうつ冷たい雨 僕の街はBlueに染まる♪
センチメンタルな雨の情景が目に浮かんできますね。森 陽馬



2023年10月10日(火) 村田和人 「HELLO AGAIN」

「想い出だけは今でも、この街にある。いつも出てたライブハウス、今はないけど。」
「時の流れは戻せないね。<中略> 想い出にHELLO AGAIN。」
(村田和人「HELLO AGAIN」歌詞より)

村田和人さんが1993年に発表したアルバム『HELLO AGAIN』が再CD化されました。

村田和人『HELLO AGAIN』+2
(国内CD BRIDGE-392 2,530円税込)

ムーン・レコードから東芝EMIへ移籍して3作(『GO POP』(1988)、『太陽の季節』(1989)、『空を泳ぐ日』(1990))を発表後、21、アロハ・ブラザーズやソロのライヴ活動を経てビクターへ移籍。1993年に発表したオリジナル作です。

近年は入手困難な状況が続いていましたが、2023年最新リマスタリングが施され、値段も少し安くなりました。
川崎太郎氏の解説は、当時の状況や村田さんの心境が伝わってきて、ファンにとってはうれしい読み物ですね。
90年代に行ったライヴのチラシや資料もブックレットに掲載されています。

今日のこの1曲は、山下達郎がコーラスで参加している「HELLO AGAIN」を。
「So Long, Mrs」の続編的な歌詞ながら、印象深いフレーズにグッときます。森 陽馬



2023年10月11日(水) 六角精児 「京都鉄道博物館のうた」

六角精児-俳優としても、近年はNHKテレビの人気番組『呑み鉄本線 日本旅』ですっかりおなじみになっていますね。

六角精児バンド『そのまま生きる』
(国内CD HW036 3,000円税込)

このアルバムは2019年に発表されたもの。
六角さんならではの、ほのぼのとした雰囲気がたっぷり味わえる全11曲。
日常の喜び・楽しみと悲哀がじんわりと沁み込んだ歌詞を聴きながら、バンドのサウンドも楽しめるアルバムです。

テレビでおなじみの「ディーゼル」の別ヴァージョン「(臨)ディーゼル」も収録されています。
この曲を含めて内田勘太郎がスライド・ギターで3曲に参加しています。

今日の1曲は、歌詞の中に「気動車」、「電源車」、「食堂車」や「DD51」、「キハ81」、「モハ80」などが登場する「京都鉄道博物館のうた」を。
こんな歌を聴くと、行ってみたくなりますね。

なお、ブックレットのどの曲に誰が参加しているのかのクレジットは、競馬新聞の出走表(通称:馬柱)風になっています。ひねりのきいたデザインが◎です。森 勉


2023年10月12日(木) Another Michael 「Guitars」

2021年2月24日の今日のこの1曲でご紹介した、アメリカのインディー・バンドAnother Michael(アナザー・マイケル)。

フロントマンMichael Dohertyのまろやかな歌声、牧歌的な雰囲気漂う心地良いメロディ&ハーモニー。
2021年発表の前作は、個人的にその年特にたくさん聴いたお気に入りのアルバムだったのですが、約2年半ぶりとなる新作2nd『Wishes To Fulfill』もとても良くて、この先長く愛聴盤となりそうな1枚です。

Another Michael『Wishes to Fulfill』
(輸入LP イエロー・カラー盤 Run For Cover RUN260)

美しくもひとクセなるコードを奏でるアコースティック・ギター、エレキ・ギターやドラム等が順に重なっていく①「Guitars」のイントロを聴いた瞬間、今作も絶対良い!と確信しました。
「Water Pressure」、「Common Ground」の心和むポップなナンバー、「Angel」のようなじんわり沁みるバラードまで聴く程に好きになっていく優しいメロディの曲が詰まっています。

今作はフィジカルはLPのみで、残念ながらCDは出ておりません。
夜空に浮かぶまんまるのお月さまのような限定イエロー・カラー盤です。東尾沙紀



2023年10月13日(金) Rolling Stones 「Angry」

10月20日に18年ぶりのオリジナル・アルバムをリリースするローリング・ストーンズ。
先行シングル「Angry」の国内シングルCDが本日発売されました。

ローリング・ストーンズ「アングリー」
(国内CD 先着特典:ポスター 歌詞・対訳付 UICY-5138 1,100円税込)

プロデュースは1990年生まれの若きプロデューサーAndrew Watt。
ミック・ジャガー&キース・リチャーズに加え、彼の名前が作曲クレジットにも記載されています。
ストーンズらしい楽曲で、なおかつ現代の空気に呼応した音であるのは、若い彼の手腕かもしれません。

なお、この曲のドラムスはチャーリー・ワッツではなく、スティーヴ・ジョーダンでした。
『ビガーバン』(2005)にも参加していたMatt Cliffordがピアノを弾いています。

ちなみに、フジテレビ系金曜ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』(主演:ムロツヨシ)の主題歌に決定!
洋楽がゴールデンタイムのドラマで主題歌として使われるのは本当に久々ですよね。

配信やストリーミングで聴けるこの時代に、このシングルCDに収録されているのは「Angry」1曲のみ!
でも、何度繰り返し聴いても飽きないですね。
あと100回は聴いて、来週出るアルバムを心待ちにしましょう。森 陽馬



2023年10月14日(土) Richard Dimples Fields 「Taking Applications」

2023年10月1日に山下達郎のラジオ『サンデー・ソングブック』で紹介され、店でも最近よくかけている1枚。

リチャード・ディンプルズ・フィールズ『Mr.Look So Good!』
(国内CD 日本初CD化 完全限定盤 日本語解説付 OTLCD-5483 2,200円税込)

ドナ・サマーやヴィレッジ・ピープルを輩出したCasablanca Recordsの創始者ニール・ボガートが、1980年にL.A.で設立したレーベル“Boardwalk Records”から、1982年に発表された名作です。

サンソンでかかったのは、R&Bチャートで1位を獲得しビルボード・シングル・チャートでも最高47位のヒットを記録した1曲目「If It Ain't One Thing...It's Another」ですが、5曲目「Taking Applications」も聴きもの!

ハチロク(6/8拍子)のバラード曲で、彼の優しく切ない歌声と抑えめなストリングスが美しいですね。
少し肌寒くなってきたこの秋、温かい飲み物を口にしながら、ゆったりと聴きたい1曲です。森 陽馬



2023年10月15日(日) アントニオ猪木とファイターズ 「炎のファイター/INOKI BOM-BA-YE」

映画『アントニオ猪木をさがして』を109シネマズ二子玉川にて鑑賞。

2022年10月1日に79歳で亡くなったアントニオ猪木のドキュメンタリー映画。
生い立ちの話から、藤波辰爾、藤原喜明、オカダカズチカ、棚橋弘至などへのインタビュー、一般人のファンをテーマにしたオリジナル・ドラマ、巌流島での試合を神田伯山による講談で描いたパート等で構成されています。

試合映像は少ないものの、映画としてはよくできていて、ドラマや伯山の講談も面白かったですね。
ただ、どちらかというと猪木を知らない世代向け&猪木入門編的な作りなのかも・・・。
もう少しディープな実像も観たかった気もしますが、それだと映像作品として重くなってしまうだろうからなぁ。

まあでも、後半は感動しましたし、鑑賞後は当時の猪木の試合を改めて観直したくなりましたね。
なんだかんだいって、「元気があればなんでもできる!」といった気分になれてよかったです。

掲載ジャケットは、11月3日レコードの日に復刻されるアントニオ猪木の7インチ・レコード。
アントニオ猪木とファイターズ『炎のファイター/INOKI BOM-BA-YE』
(2023年11月3日発売 完全限定アナログ盤 UPKY-9117 2,200円税込)

ちなみに、映画の最後には、ナレーションも務めた福山雅治による「炎のファイター」がかかりました。森 陽馬



2023年10月16日(月) The BASEBALL PROJECT 「New Oh in Town」

バンド名の如く、楽曲のテーマは彼らが大好きな<野球>♪

元R.E.Mのピーター・バックとマイク・ミルズ、ザ・マイナス5のスコット・マッコーイ、ドリーム・シンジケートのスティーヴ・ウィンとその奥様リンダ・ピットモンらによって2007年に結成され、野球にまつわる様々な曲を送り出してきたThe Baseball Project。

9年ぶりにリリースされた新作4thには嬉しいことに、歴史的偉業を達成した2人の日本人スター選手が登場する曲が収録されています。

The Baseball Project『Grand Salami Time!』
(輸入CD omnivore OVCD-517)

「OH OH OH Shohei Ohtani」の歌い出しで始まる「New Oh in Town」は、大谷翔平選手の功績を称え、スコットが書いた重厚感あるロック・ナンバー。この曲では驚異的な数字''868''と共に王貞治さんのことも歌われています。野球ファンの方も是非チェックしてみてくださいね。

日本盤は出ていないので英語のみですが、歌詞と共にミニ楽曲解説も掲載。
MLBに詳しい方だけでなく、パワーポップ、オルタナティヴ・ロック、ガレージ好きな方も楽しめるアルバムです。東尾沙紀



2023年10月17日(火) ザ・クロマニヨンズ 「ごくつぶし」(ライヴ)

ブルーハーツ、ハイロウズ、ザ・クロマニヨンズは、配信やサブスクを解禁していません。

音楽の聴き方は近年変化していますが、ヒロトとマーシーがモノへのこだわりを持ち続けている限り、サブスク解禁せず、ロックンロールを突き詰めていってほしいな、と個人的には思っています。

さて、ザ・クロマニヨンズ2023年ツアーのライヴ音源が本日発売されました。

ザ・クロマニヨンズ『ザ・クロマニヨンズ・ツアー MOUNTAIN BANANA 2023』
(国内2LP+CD+DVD+写真集 限定盤 BVJL-100 8,250円税込/通常CD BVCL-1300 3,204円税込)

2023年1月に発表した傑作『MOUNTAIN BANANA』全曲に加え、人気曲含む全23曲。かっこいい!最高!

ちなみに、ザ・クロマニヨンズの作品はMONO録音が多いのですが、本作はStereoでした。
(そのかわり、初回限定盤に付いているDVDは、8mmフィルムのモノクロ映像!)

今日のこの1曲は、「生まれてよかった」と叫ぶヒロトの歌に勇気づけられ胸が熱くなる「ごくつぶし」。森 陽馬



2023年10月18日(水) 笠井紀美子 「テイク・ミー」

笠井紀美子は1960年代後半から活動を始めた日本人ジャズ歌手。
1970年代に発表された作品はほとんどが英語詞によるものでした。

このアルバムは1977年に制作された彼女としては異色作と言ってもいい、全曲日本語詞によるもの。
発表当時は賛否両論いろいろな意見が飛び交っていたように感じました。

しかし、現在ではシティ・ポップ・ブームもあり、シティ・ポップ名盤として若いリスナーにも定着しているようです。

笠井紀美子『トーキョー・スペシャル』
(国内CD 解説付 SICJ-116 1,100円税込)

日本語でも楽曲にフィットしているヴォーカルと、鈴木宏昌、松木恒秀、岡沢章を中心としたコルゲン・バンドの演奏が絶妙にマッチした作品になっています。

作詞は安井かずみが全曲担当。
作曲は山下達郎、筒美京平、横倉裕、鈴木勲、矢野顕子などの曲が取り上げられています。

今日の1曲は、コルゲン・バンドのバンマスであり、本作のアレンジも担当した鈴木宏昌の作品「テイク・ミー」を。
松木恒秀のさりげないギター・フレーズに耳が反応してしまいます。森 勉



2023年10月19日(木) インスタント・シトロン 「Mon Oncle」

2020年10月20日に亡くなった片岡知子さんが在籍していたグループ、インスタント・シトロン。
3人体制(片岡知子+長瀬五郎+松尾宗能)で福岡を拠点に活動していた1990年代前半の音源が、新たな編集盤としてCD及びレコードで纏められました。

インスタント・シトロン『IT'S A FANCY DAY 1993-1994』
(国内CD 全11曲 LDCD-019 2,750円税込/国内LP 全10曲 LDLP-018 4,400円税込)

1993~94年は小沢健二がソロ1stと『LIFE』をリリースした頃で、“渋谷系”の真っ只中。
インスタント・シトロンの作品からも、その時代の空気が感じられると同時に、ドリーミーでピュアなポップ・ナンバーからは、約30年を経ても色褪せない、大好きな音楽への愛と情熱が伝わってきます。

今日のこの1曲は、「初期のシトロンの最高傑作」(松尾宗能)という「Mon Oncle」。
ビーチ・ボーイズ好きの長瀬五郎さんが中心になって書いた楽曲と3人のコーラスが素敵ですね。

なお、ブックレットに掲載されている当時の写真や、岡田崇さんによる充実の解説はファン必読!
当店でお買い上げの方には、片岡知子さんがお気に入りだった写真(1994年南仏アルルにて中西ゆき乃撮影)を使用したジャケット・デザインのマグネットを先着で差し上げています。森 陽馬



2023年10月20日(金) ローリング・ストーンズ 「Bite My Head Off」

「こんな凄い新作アルバムを出してくれて、本当にありがとう!」

ローリング・ストーンズの約18年ぶりとなるオリジナル・アルバム『ハックニー・ダイアモンズ』が本日発売。
感動するほど素晴らしい1枚でした。

ローリング・ストーンズ『HACKNEY DIAMONDS』
(国内CD ジュエルケース仕様 歌詞・対訳・解説付 UICY-16195 2,640円税込)
(国内CD デジパック仕様 歌詞・対訳・解説付 UICY-16194 2,860円税込)
(国内CD+Blu-ray Audio+ブックレット+ステッカー付 限定盤 UICY-80360 11,000円税込)
(国内LP 限定アナログ盤 UIJY-75239 7,150円税込)

全12曲(日本盤には「Living In A Ghost Town」がボーナス・トラックとして追加で全13曲)、とにかく最高!
ストーンズらしさが随所にありながら、“今の音”になっていて心を揺さぶられますね。

今日のこの1曲は、ポール・マッカートニーが参加しているパンク(!)な4曲目「Bite My Head Off」。
ポールに触発されたのか、ミック・ジャガー(80歳!)のシャウトが凄まじい! 森 陽馬



2023年10月21日(土) Tedeschi Trucks Band 「Made Up Mind」

テデスキ・トラックス・バンド10月18日東京ドームシティ・ホールでのライヴへ行ってきました。

デレク・トラックス・バンド含め、今までの来日公演も素晴らしいライヴでしたが、今回は特に凄かった!

デレクとも古い仲で重要メンバーだったコフィ・バーブリッジの逝去(2019)や、若き新ドラマー、アイザック・イーディの加入など、メンバーチェンジを重ねた現在のバンドは12人編成。
デレクのギター&スーザン・テデスキの歌とギター、そして、バンドの一体感が更に進化していましたね。
ゲイブ・ディクソンのハモンド・オルガンが良い音していてかっこよかったなあ。

10月22日(日)東京追加、24日名古屋、25日大阪、と続いて、当日券も各日あるようです。
ちょっとでも気になった方、お時間ある方は是非ご覧になって欲しいですね。

なお、テデスキ・トラックス・バンド名義の初期3作が値段が安くなり再CD化されました。
その中から、今日のこの1曲は、2013年発表傑作アルバムのタイトル曲「Made Up Mind」を。

テデスキ・トラックス・バンド『MADE UP MIND』
(国内CD 天辰保文氏による解説・歌詞・対訳付 SICP-31643 2,000円税込)

10/18の公演で、「Made Up Mind」はアンコールで披露されました。
(ちなみにその日は、「Beck's Bolero」(ジェフ・ベック)、「Bell Bottom Blues」(デレク&ドミノス)、「I Walk On Guilded Splinter」(ドクター・ジョン)も演奏! でもそれらが霞むほどオリジナル曲に求心力を感じました。)
セットリストは毎日違うようです。残りの公演ではどんな曲が飛び出すのか楽しみですね。森 陽馬



2023年10月22日(日) ジョー・マカリンデン 「Life」

ポップなジャケットのイメージとは対照的に、夜静かな時間にじっくりと聴き入りたいアルバムです。

ジョー・マカリンデン『ウェアー・ザ・クラウズ・ゴウ・スイミング』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲追加 HYCA-8057 2,640円税込)

ジョー・マカリンデンは、グルーヴィー・リトル・ナンバーズ、スーパースター、BMXバンディッツなどでの活動で知られる男性シンガーソングライター。

解説によると彼は以前から記憶障害に悩まされ、音楽制作も今までとは違う方法で向き合うことになり、影のあるメロディにはその影響も感じられますが、ピアノ、ギター他すべての楽器、コーラスなど一音一音がとても心地良い響きを持った美しい作品を届けてくれました。

鍵盤ハーモニカが印象的に使われているスーパースターの頃の楽曲「Sparkle」の再演や、<~君は僕の人生のすべて>と歌う感動的な「Life」など、どの曲もじんわりと胸に沁みてきます。

今作と同じくHAYABUSA LANDINGSから国内盤が発売されたティム・ボウネス『Late Night Laments』や、ベン・ワットのソロ作の雰囲気がお好きな方にもおすすめの1枚です。東尾沙紀



2023年10月23日(月) ホリーズ 「バス・ストップ」

わたくし、森勉がひさしぶりにD.J.をやることになりました。
まだ1ヶ月以上先ですが、お知らせしておきたいと思います。

2023年12月9日(土) 19時~
恵比寿セイリンシューズにて チャージ500円+ドリンク代
テーマは<ミドル'60'sビート>(ブリティッシュVSアメリカン)

森勉の好きなミドル・シックスティーズのビート・グループを中心に、イギリスとアメリカの対決という感じで、イイ曲をいっぱいかける予定です。

ということで、60'sの名曲がいっぱい入ったコンピCDを紹介したいと思います。

V.A.『60's プレミアム・ベスト』
(国内3枚組CD WPCR-15390 2,530円税込)

全77曲収録。ハニーズ、ブロッサムズ、ボンゾ・ドッグ・ドゥーダー・バンドなど、マニアックなものも入っていますが、基本は1960年代のヒット曲です。
モンキーズ、アニマルズ、アソシエイション、ラスカルズ、ハーマンズ・ハーミッツ、マンフレッドマンなど、ビート・グループものがたくさん入っているので、このCDの中から数曲は12月9日にかかるかもしれません。
現在、選曲に関しては着々と構想及び妄想中であります。
珍しい曲もベタな名曲もバランス良く、と考えています。

今日の1曲は、このCDに入っているホリーズ「バス・ストップ」を。
イイ曲です。1966年当時、日本でもヒットしました。森 勉



2023年10月24日(火) 小坂忠 「Many Rivers to Cross」

<魂の歌声>
小坂忠さんの歌を聴いていると、心が洗われて、穏やかで清々しい気持ちになります。

その忠さんの歌でパッケージ化されていなかった音源や貴重な映像を収めた編集盤が発売されました。

小坂忠『THE LAST SESSION ~with Chu's Friends』
(国内CD+DVD COZB-2038 6,050円税込)

今日のこの1曲は、ピーター・バラカン氏監修の音楽フェスLIVE MAGICの2019年時に、小坂忠さんが出演して歌った「Many Rivers to Cross」を。

オリジナルはジミー・クリフが1969年に書いた名曲。
ピーター・バラカンさんが直々にリクエストして、小坂忠さんにカヴァーしてもらったそうです。

「越えなければいけない、たくさんの河があるんだ」
意志を失わずに人生の苦難を乗り越えよう、というメッセージが伝わってきます。森 陽馬



2023年10月25日(水) 松田聖子×大滝詠一 「風立ちぬ」(duet version)

大滝詠一と松田聖子が「風立ちぬ」をデュエットしているヴァージョン!?
そもそも大滝詠一が「風立ちぬ」を歌っているスタジオ・ヴァージョンなんてあったの!?

今まで全く知られていなかった「風立ちぬ」(duet version)が初めて発売されました。

松田聖子『Bible -pink & blue- Special Edition』
(国内3枚組CD MHCL-30900 4,950円税込)

松田聖子の秋・冬をイメージした楽曲を中心に集めた編集盤に、その「風立ちぬ」は収録。
大滝詠一本人が1980年代当時、遊び心でエディットした音源だそうです。

イントロにカウントが入っており、松田聖子と大滝詠一が交互に歌っていきます。
曲はそのまま終盤へ向かい、「一緒に歌う部分はないのかな?...」と思い始めたその時!
最後の最後、2人の歌声が重なるのです!
大滝さんらしい演出ですね。感動しちゃいました。

「風立ちぬ」(duet version)と「いちご畑でFUN×4」をカップリングした7インチもいつか出して欲しいですね。森 陽馬

★この「風立ちぬ」(duet version)が収録された限定カラー・レコードも発売中!
松田聖子『Bible -milky blue-』
(国内2枚組LP 完全限定アナログ盤 MHJL-300 7,000円税込)



2023年10月26日(木) Cupid's Carnival 「I Look At You (Honey,I'm Your Man)」

<失われたビートルズのアルバム>、<クラトゥの再来>などと評される英国の現行ポップ・ロック・バンド!
ソニーの大好評BeatleDNA(ビートルズの遺伝子)シリーズから、日本デビュー盤がリリースされました。

キューピッズ・カーニヴァル『レインボウ・チャイルド』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 日本独自企画盤 SICX-191 2,640円税込)

同シリーズから発売された2021年のコンピ『Power To The Pop 2』に彼らの楽曲「Everything Is Love」が収録されていたので、既に耳にしていた方も多いはず。

Vo.ローランド・スキルトンのジョン・レノン似の歌声、ヘフナーベースやエレクトリック・シタール、メロトロン、ハーモニウムなど使用楽器に拘ったサウンドも相まって、ビートルズ楽曲の別バージョンか!?と思わず錯覚してしまいそうなほど。
ビートルズ要素が沢山散りばめられていて楽しいですし、何より曲がどれもポップで良いですね♪

意中の女性をなんとか振り向かせたい情熱的な男性の気持ちを描いた「I Look At You」が特にお気に入りです。
リッケンバッカー12弦が良い音を奏でていて、サビのハーモニーも聴く度にワクワクします。

今作は、彼らの通算3作目となる最新作『Rainbow Child』に、過去2作の中から8曲を厳選しプラスした日本独自企画盤。
メンバーによる各曲解説など読み応えのあるブックレットも嬉しいですね。東尾沙紀



2023年10月27日(金) VAGABOND cinema pops arkestra 「Theme from "HIGE"」

<このヴァガボンドは米西海岸のティプシーと並んで、最もイカレタ、またはイカシタ音を出している。>
<50年代のイージー・リスニング系が30~40年代ジャズのマイナー・マスターであるレイモンド・スコットと、70年代L.A.の偉大なロック・バンド、リトル・フィートに高円寺駅前で出会ってしまったような音を出している>
(1997.8.15 細野晴臣によるコメントより)

ヴァガボンド・シネマ・ポップス・アーケストラは、細野晴臣さんや近年の大滝詠一関連作品のデザインを手掛け、世界一のレイモンド・スコット研究家でもある岡田崇さんを中心としたラウンジ・ユニットです。
そのヴァガボンドが1997年にCDで発表した6曲入ミニ・アルバムが、10インチ・レコードで新装リリース!

VAGABOND cinema pops arkestra『Promotion Only (from outer space)』
(国内10inchアナログ・レコード 完全限定盤 CXLP-1053 4,070円税込)

岡田崇さんへのインタビューを基にした松永良平さんによる解説&写真満載のリーフレットや、<冥王星で15週連続トップワンを取ったヴァガボンドが、ラウンジが流行りだした地球へ帰る>、という遊び心満載な設定のすごろくも同封されています。アナログ好きの方には是非手に取ってもらいたい1枚ですね。

今日のこの1曲は、『ぼくの伯父さん』とテルミンが入ったSF映画のテーマ曲を合わせたような、ゴキゲンなインスト・ナンバー「Theme from "HIGE"」(作曲:岡田崇)を。
ちなみに、レイモンド・スコット「Snake Woman」のカヴァーも収録されています。森 陽馬



2023年10月28日(土) Joni Mitchell 「You Turn Me On I'm A Radio」 with Neil Young & The Stray Gators

2023年のベスト・リイシュー候補!
ジョニ・ミッチェルの貴重音源を収めたアーカイヴ・シリーズ第3弾が発売されました。

ジョニ・ミッチェル『Archives Vol.3 : The Asylum Years 1972-1975』
(国内仕様5CD キャメロン・クロウによるジョニへのインタビュー和訳付 WPCR-18635 12,100円税込)

まず、BOXセットを開けた瞬間から、その装丁が素晴らしくて感動しました。
CDが入ったスリーヴや、ブックレットを手にとっただけで、70年代へタイムスリップしたような気持ちになります。

1972年から1975年の間、ジョニは『For The Roses』(1972)、『Court And Spark』(1974)、『Miles Of Ailes』(1974)、『The Hissing Of Summer Lawns』(1975)を発表しており、5枚のCDには、その時期のデモ音源やセッション、ライヴ音源が良質な状態で収められています。
ブックレットに記載されたジョニの証言を読みながら聴くと、より深みが増してきますね。

今日のこの1曲は、ディスク2の7曲目に収録されている「You Turn Me On I'm A Radio」別ヴァージョンを。
1972年4月16~21日に録音された『For The Roses』のアーリー・セッションで、バック演奏はなんと!ニール・ヤング&ストレイ・ゲイターズ!
イントロのハーモニカはニール・ヤング! レイドバックした演奏はまさにストレイ・ゲイターズ! 森 陽馬



2023年10月29日(日) 佐野元春 「Happy Man」

書籍『音楽ライター下村誠アンソロジー 永遠の無垢』を当店で販売させていただけることになりました。
(大泉洋子編著 虹色社 2,750円税込)


下村誠さんは、佐野元春に関わった著書『路上のイノセンス』(1986)で知られる音楽(ビート)ライターで、自身も音楽家として活動しながら、数多くの執筆を手掛けた方です。2006年に51歳で亡くなってから早17年が経ちました。
この本には、彼の音楽評論、繋がりのあった方々の寄稿、下村誠の足跡&世相年表が纏められています。

下村誠さんの文章には、音楽へのまっすぐな姿勢、ひたむきさが感じられますね。
その音楽が持つ熱や力をわかりやすい言葉で伝えていたのだ、と気付かされました。
下村誠さんのことや、評論対象のアーティストをよくご存知ない方も、是非手に取ってもらいたい1冊です。

今日のこの1曲は、下村誠さんも参加している佐野元春「HAPPY MAN」(1982)を。森 陽馬

★11月5日(日)神田レタスにて、『下村誠 SONG LIVE - BOUND FOR GLORY Vol.8 十七回忌ライヴ』が開催。

★掲載ジャケットは、佐野元春『ベスト・コレクション GREATEST SONGS COLLECTION 1980-2004』
(国内3枚組CD 「ハッピーマン」収録 MHCL-30644 4,400円税込)



2023年10月30日(月) リック&キーンズ 「ピーナッツ」

秋らしいいい気候になりましたね。
こんな季節になると聴きたくなるのが、ドゥ・ワップです。
(ドゥ・ワップに限らず、好きなものはいつ聴いてもいいのですが)

今日の曲は「ピーナッツ」。
おつまみとしても最高ですが、曲もゴキゲンです。

1957年にリトル・ジョー&スリラーズというR&Bグループがヒットさせていますが、今日ご紹介するのは、ホワイト・ドゥ・ワップ・グループによる「ピーナッツ」です。

リック&キーンズというダラス出身の女性1人を含む白人5人組(存在する写真では4人組のものも)のグループがカヴァーして、1961年にスマッシュ・ヒットさせています。

『Special Doo Wop Edition 1953-1963 ~ The Golden Age Of American Rock'N'Roll』
(輸入CD 28ページ英文ブックレット付 ACE CDCHD1000)

マーセルズ、クレフトーンズ、ドリフターズ、ダブス、ハープトーンズ、チャーツ、ティーンネイジャーズなど全30曲収録のCDの中に、このリック&キーンズの「ピーナッツ」が入っています。

この「ピーナッツ」という曲は、我々の世代はフォー・シーズンズで知り、その後、イギリスのウィッシュフル・シンキングのカヴァーも思い出に残っています。森 勉



2023年10月31日(火) 遠藤賢司 「満足できるかな」 with 坂崎幸之助

先週10月25日は遠藤賢司さんの命日でした。
今年2023年でもう7回忌なのですね。

見る者の魂を焦がすような歌とギター、そして繊細な眼差し。
情熱的なパフォーマンスは、時が経っても目と耳に焼き付いています。

その遠藤賢司が2004年に坂崎幸之助(THE ALFEE)と録音していた未発表音源が7インチで発売されました。

遠藤賢司『寝図美よこれが太平洋だ/満足できるかな』
(国内7inchアナログ・レコード 完全限定盤 FJEP-1013 2,200円税込)

AB面共に1971年発表アルバム『満足できるかな』からの楽曲ですが、歌詞に出てくる寝図美(ネズミ)というのは、エンケンが当時飼っていた猫の名前ですね。
今日のこの1曲は、2人の激情ギターが絡むB面「満足できるかな」を。

なお、ジャケットには、江口寿史氏のイラストが使用されています。森 陽馬





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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