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  今日のこの1曲 “Archives”

<2023月12月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2023年12月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>

2023年12月1日(金) The Shindellas 「Kiss N' Tell」

街中を彩るイルミネーションに負けないくらいキラキラ、ゴージャスなジャケットが目を引く新世代ソウル・ヴォーカル・グループ、The Shindellas(ザ・シンデラス)。

ニューヨークのソングライター/プロデューサー・チーム<Louis York>が手掛ける2023年発表2ndアルバムは、80~90年代R&Bお好きな方も要チェックです。

The Shindellas『Shindo』
(輸入CD WRDO47-CD)

The Shindellasは、2017年結成、ナッシュヴィルを拠点とするKasi Jones、Stacy Johnson、Tamara Chaunieceの3人組。
彼女達のキレのある本格派ヴォーカル/ハーモニーと、SWVやTLCらを彷彿とさせるちょっとレトロな楽曲&サウンドがとても気持ち良い1枚♪

ダンサブルな「Up 2 You」にはじまり、セクシーなリード曲「Juicy」、ラストにはビー・ジーズの「Love You Inside Out」のカヴァーも。美しいハーモニーを聴かせてくれるミディアム・バラード「Kiss N' Tell」が特に推しです。東尾沙紀



2023年12月2日(土) 寺尾紗穂 「しゅーしゃいん」

2023年12月1日、寺尾紗穂サントリー・ホール/ブルーローズ公演を観てきました。

第1部はピアノ弾き語り、第2部は松井一平のライヴドローイングと同時進行によるソロ・ライヴ。
良い音楽を聴いた、とか、素晴らしいパフォーマンスを観た、とは違う、不思議なライヴ体験でしたね。
演劇を雲の上で鑑賞しているような感じで、終演後は夢から醒めた心持ちになりました。

第2部は、僕が最近よく聴いているジョニ・ミッチェル『アーカイヴスVol.3』のディスク3『Court And Spark Demos』内「PIANO SUITE」(2023年11月24日今日のこの1曲紹介)と同じく、ピアノと唄で様々な曲が繋がっていく展開が新鮮に響き、時間が経つのを忘れさせてくれました。

今回のライヴで特に印象に残っているのは、第1部で披露されたアルバム未収録の新曲「しゅーしゃい」(?)。
靴磨きで生計をたてていた戦争孤児の掛け声「しゅーしゃいん」のことを歌っています。

反戦や世界平和を声高にただ歌うのではなく、悲しく厳しかった過去の出来事を伝え、そして投げかける彼女は、音楽家であり、メッセンジャーなのだ、ということを改めて実感できました。森 陽馬

★掲載ジャケットは、アンコールで最後に歌われた「楕円の夢」収録の2015年発表アルバム『楕円の夢』。
(国内CD PCD-28026 3,080円税込)



2023年12月3日(日) The Beach Boys 「Merry Christmas, Baby」

ビーチ・ボーイズのクリスマス・アルバムがアナログLPで入荷しました。

The Beach Boys『The Beach Boys' Christmas Album』
(輸入アナログLP Black Friday Exclusive Green Vinyl / Capitol 00602455679796)

2023ブラック・フライデー盤です。
レコードの色はクリスマスらしくグリーン・カラー盤です。

ジャケット右上のレコード番号がT2164となっているので、モノラルなのですね。
どこにもMONOの表示はありませんが・・・。
(ジャケット裏に小さくSTEREOもありますの表示が英語で書いてありますが、今回はステレオ盤はないそうです。)

モノラルならもしや1曲目「リトル・セイント・ニック」がLPヴァージョンではなく、シングル・モノラル・ヴァージョンに差し換えてあるのか?・・・シャレたことするなぁ・・・、と思って聴いたところ、そこまでは手が込んではいませんでした。(RHINOならやっていたかも)

なんだかんだ言っても、グリーン・カラー・レコード、いいですね。
ついつい、手が伸びてしまいました。

今日の1曲は、A面4曲目に入っているブライアン・ウィルソンのオリジナル・ソング「メリー・クリスマス・ベイビー」を。森 勉



2023年12月4日(月) Susan Tedeschi 「Just Won't Burn」(Live)

<PET SOUNDS RECORDが選ぶ2023年ベスト・アルバム>を選出する時期が近づいてきました。
最近は、今年出たアルバムや出来事を色々と振り返っています。

観に行ったライヴのベストは、ダントツで、テデスキ・トラックス・バンド10月の来日公演ですね。
東京初日10月18日があまりにも良かったので、22日追加公演のチケットを終演後に急遽購入!
セットリストが両日全然違うにも関わらず、夜なかなか寝付けないほど感動しました。
良いアルバムを制作して、またいつか来日してくれることを切に願っています!

さて、スーザン・テデスキが1998年に発表した名作『Just Won't Burn』の25周年盤を紹介しましょう。

Susan Tedeschi『Just Won't Burn』
(輸入CD Fantasy/Concord 888072519121)

ボニー・レイット似の歌声で話題になり、本作でグラミー賞新人賞にノミネート。
20代後半だった彼女のブルース愛溢れる歌とギターが魅力的に響く1枚です。

今回再発された25周年盤には当時の未発表トラックやライヴ音源等5曲のボーナス・トラックが追加!
その中から、「Just Won't Burn」のライヴを今日のこの1曲に。

古典ブルース・ナンバーのカヴァー、かと思いきや、スーザンのオリジナル曲なんですよね。
このライヴ・トラックは、テデスキ・トラックス・バンドが2022年にビーコン・シアターで行った時の音源。
スーザンの長尺ギター・ソロも堪能できますよ。
ちなみに、今回の来日ツアーでは10月25日最終日大阪公演で披露されたようです。森 陽馬



2023年12月5日(火) Sonny Till 「Someone Up And Told Me」

心身共に(懐も)冷えてしまうような師走の日々が続いていますが、これを聴いて熱くなりましょう!

V.A.『NEVER GET ENOUGH』(Compiled By 佐藤潔)
(国内CD 期間限定盤 佐藤潔氏による解説付 UVSL-2001 1,980円税込)

大のJames Brown愛好家で、仙台のcafe & bar SUPER GOODを営業している佐藤潔さんが選曲・監修・解説を手掛けた、ジェームス・ブラウン関連音源を集めたコンピCDです。

JB自身の珍しい楽曲から、JBファミリーのかっこいい音源等全17曲収録。
佐藤潔さんによるJB愛が注がれた詳細な楽曲解説も読み応えあってイイですね。

今日のこの1曲は、Sonny Till「Someone Up And Told Me」を。
ソニー・ティルは、ドゥーワップ・グループ、オリオールズのリード・シンガー。
1963年頃に発売されたこのシングルは、クレジットがByrd - Rozierで、ボビー・バードとJBによる制作とのこと。

JBのデビュー曲「Please Please Please」は、オリオールズの1952年ヒット曲「Baby Please Don't Go」が基になっており、その恩返し的意味合いもあったのでは、と佐藤潔さんの解説に書かれています。森 陽馬



2023年12月6日(水) 山田稔明 「sweet december」

2023年で結成30周年を迎えた4人組ロック・バンド、GOMES THE HITMANのフロントマン山田稔明。
約10年ぶりとなるクリスマス・アルバム第2弾が発売されました。

山田稔明『Christmas Songs Vol.2 : Carols And Interpretations』
(国内CD GTHC-0021 歌詞付 2,530円税込)

第1弾と同じく、収録曲全ての演奏、アレンジ、プロデュース、録音、ミックスを山田稔明さん自身が手掛けています。

幻想的なオルゴールの音色、印象的なSEが物語を想像させる45秒程のインスト曲「Walk Out to Winter」(Introduction)に始まり、日本の唱歌「もみじ」に詞を加えた「Autumn Leaves」(もみじ)、愛猫ポチ実ちゃんとそのママンが鳴き声で参加したポップなアレンジの讃美歌「O Come, All Ye Faithful」(神の御子は今宵しも)、「Auld Lang Syne」(蛍の光)等々全11曲。
穏やかな歌声と牧歌的な演奏は和やかで、神聖な時間を過ごさせてくれます。

英語での歌唱がメインの中、山田稔明さんの日本語詞によるオリジナル曲「sweet december」を今日の1曲に。
2005年からライヴで毎年12月にのみ歌われてきた、という楽曲が初めて音源化されました。

♪またひとつ年を重ねてゆくその意味を 僕らが見失わないようにと祈る ハレルヤ♪

この曲を聴きながら、いろんな人の顔や出来事を思い出しました。
祈りや想いが胸に響いてくる曲です。東尾沙紀



2023年12月7日(木) Mooney & Kotez 「Boogie Woogie Santa Claus」

昨日に続き、クリスマス・アルバムの2023年新譜を紹介しましょう。

Mooney & Kotez『Let's Christmas』
(国内CD AP1103 2,750円税込)

UNCLE MOONEY、THE CONX等のバンドやソロで1970年代前半から活動しているジャグバンド界のレジェンド、Mooneyさんと、名ハーモニカ奏者Kotezさんが組んだデュオ名義第2弾のコンセプトは“クリスマス”。

椎野恭一(ドラムス)、寺岡信芳(ベース)、西海孝(ギター)他も参加し、クリスマス定番曲を、ロックン・ロール/アメリカン・ルーツに根ざしたアレンジでカヴァーしたゴキゲンな12曲入りです。
「The Five Pennies」(映画『五つの銅貨』)も演っていて、ムーニーさんのルイ・アームストロング愛を感じますね。

今日のこの1曲は、最近のブギウギ人気に乗じて、「Boogie Woogie Santa Claus」を。

オリジナルは女性R&BシンガーMabel Scottによる1948年のナンバー。
ブライアン・セッツァー・オーケストラもカヴァーしていますね。

♪プレゼントなんていらねえ。キャンディなんていらねえ。俺たちブギーでサンタでロッキン♪
ムーニーさんらしい日本語で歌っている部分が後半に出てきて、“ブギウギ”な気分に! 森 陽馬



2023年12月8日(金) Solis String Quartet & Sarah Jane Morris 「Lennon Medley」

今日はジョン・レノンの命日でした。
ということで、ビートルズ/ジョン・レノンカヴァーが収録されている2023年新譜を紹介しましょう。

Solis String Quartet & Sarah Jane Morris『All You Need Is Love』
(輸入CD IRMA records IRMA 2162)

ソリス・ストリングス・カルテットは、ヴァイオリン奏者のチェンツォ・ディ・ドンナを中心に、ルイジ・デ・マイオ(ヴァイオリン)、ジェラルド・モローネ(ヴィオラ)、アントニオ・ディ・フランシア(チェロ、ギター)が組んだイタリアの弦楽四重奏団。

本作は、そのソリス弦楽四重奏団が、ソウルフルな低音ヴォーカルが魅力的なイギリス出身の女性シンガー、サラ・ジェーン・モリスとコラボした、ビートルズのカヴァー・アルバムです。

今日のこの1曲は、5曲目「Lennon Medley」を。
全11曲中この楽曲のみインストで、「A Day In The Life」、「Day Tripper」、「Across The Universe」を5分弱の室内楽として繋げたナンバー。
オリジナルのメロディーはそのままに、弦楽四重奏ならではの独創的なアレンジが面白いですね。森 陽馬



2023年12月9日(土) Papik presents BOSSARAMA 「Love The Life」

今夏に発売されたPAPIK presents Sea Breeze『West Coast Rendez Vous』(2023年8月25日今日のこの1曲で紹介)は、季節が変わってもロングセラーとなっています。

イタリアの名プロデューサー、PAPIK(パピック)が手掛けるサウンドは、何時でも心地良い風を届けてくれますね。

そのPAPIKによる最新プロジェクトBOSSARAMAがIRMA recordsからリリース!
本作もオススメの1枚です!

Papik presents BOSSARAMA
(輸入CD IRMA IRM2285)

Sea BreezeのコンセプトはAOR/ウエスト・コースト・サウンドでした。
今回のBOSSARAMAはブラジル音楽/ボサノヴァ。
「If You Leave Me Now」(シカゴ)、「Alone Again (Naturally)」(ギルバート・オサリバン)、「Like A Rolling Stone」(ボブ・ディラン)のカヴァーやオリジナル曲を、オシャレ&穏やかなブラジリアン・アレンジで楽しめます。

今日のこの1曲は、6曲目「Love The Life」(オリジナル曲)を。
イントロで聴けるアンビエントなシンセ&ピアノの深遠な音世界は、夢の奥に吸い込まれるような不思議な気持ちになって、一人で物思いに耽りたくなります。森 陽馬



2023年12月10日(日) ジェイムス・テイラー 「ニアネス・オブ・ユー」

ジェイムス・テイラーの来日公演が決定しました。
2024年4月6日(土) 東京ガーデンシアター(S席20,000円 A席18,000円)

今のところ、1日限りということみたいです。
2010年4月にキャロル・キング、セクションと一緒に来日してから約14年ぶり。
ジェイムスの単独公演となると、1995年3月以来(そこからだと29年ぶり)になります。

その時は中野サンプラザで2日間(大阪でも1日あり。) S席7,500円 A席6,500円でした。
バック・メンバーはボブ・マン(ギター)、カルロス・ヴェガ(ドラムス)、ヴァレリー・カーター(コーラス)などが参加していたと思います。「Shower The People」を歌った時、ベン・テイラー(カーリー・サイモンとの間にできた息子)が恥ずかしそうにコーラスに加わったのを思い出しました。

ジェイムスの最新作というと、2020年に出たスタンダードを歌ったアルバムになりますね。
来年の来日公演ではその中からも歌ってくれるのでしょうか。

ジェイムス・テイラー『アメリカン・スタンダード』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UCCO-1219 2,860円税込)

ということで、今日の1曲は、スタンダード集から「ニアネス・オブ・ユー」を。
1940年にホーギー・カーマイケルが作曲、ネッド・ワシントンが作詞をしたロマンティックなバラードで、ジェイムスの歌もすてきです。森 勉


2023年12月11日(月) Lesssugär 「Stay Away Go!」

日本のルビー・スパークス、韓国のSay Sue Meを例に本国のみならず、世界での活躍が注目されるインディー・ロック・バンド新星がタイから登場♪

レスシュガー『インターネット・ティーンエイジ・ラヴァー』
(国内CD 歌詞付 PCD-94184 2,640円税込)

レスシュガーは、元々The Birthday PartyというバンドをやっていたJay(ドラムス)、Partrick(ベース)、Den(ギター)に、歌声もルックスもキュートなFang(vo&g)を加え結成された、タイ出身の男女4人組バンド。

2023年7月にデジタル・リリースされたデビュー作『インターネット・ティーンエイジ・ラヴァー』が、日本でのみCD化されました。
ポップなデビュー・シングル「Stay Away Go!」など、爆音に包まれながら聴きたい、全編英語詞によるドリーミーなシューゲイザー・ポップ。
音の塊の中をゆらゆらと揺らいでいる紅一点Fangのウィスパー・ヴォーカルが、夢見心地な空間へと連れて行ってくれます。
CD化に際し、ボーナス・トラック「WRWM」が追加収録されています。東尾沙紀



2023年12月12日(火) Neil Young 「My Heart」

ニール・ヤングの新作アルバム『Before And After』国内盤CDが本日入荷しました。

ニール・ヤング『Before And After』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-18657 3,080円税込/輸入LPは12月下旬入荷)

本作は、2023年6/30~7/24に行われた久々のソロ・ツアーで披露した楽曲群から、13曲を選び新たに新録音して、それを約48分途切れることなく繋げたセルフ・カヴァー・アルバムです。

CDではトラックが一応振り分けられているものの、曲順通りに聴いて欲しい、という意図があるようで、ストリーミングやシャッフルで聴くことが多くなっている現代リスニング環境への警鐘かもしれません。

あと、プロデューサーがルー・アドラー&ニール・ヤングであることにもビックリしました。
ルー・アドラーはキャロル・キングやママス&パパスを手掛けたことで知られますが、2023年で90歳!
今までニールとの接点はあまりなかったので、何故?と思っていたら、ニールの今の奥方ダリル・ハンナに妹がいて、その夫がルー・アドラーだそうです。(つまり、血は繋がっていないけれどファミリー) 色々な縁がありますね。

今日のこの1曲は⑧「My Heart」を。
♪どこかに俺は辿り着かなくては。まだ遅くはない。まだ間に合う。俺はそこに行かなければならない♪
(「My Heart」歌詞より)
ニルヴァーナのカート・コバーンが自殺した後にリリースされたニール90年代の傑作『Sleeps With Angels』(1994)から2曲(この「My Heart」と「A Dream That Can Last」)選ばれているのがうれしいですね。

収録曲に関しては新旧ごちゃまぜで、『Trans』(1982)頃に作られていた未発表曲「If You Got Love」や、近年まで未発表だった「Homefires」も取り上げられているものの、大きな意味は特にないのかもしれません。
『Before And After』というタイトルながら、過去でもその後でもなく、ニール・ヤングは一瞬一瞬を生きている、と感じられる1枚でした。森 陽馬



2023年12月13日(水) Joey Dosik 「Game Winner」

ジョーイ・ドーシック来日公演をブルー・ノート東京へ観に行ってきました。

ジョーイ・ドーシックは、ヴルフペックにも参加しているアメリカL.A.出身男性シンガー・ソングライター。
1stソロ作『Inside Voice』は
当店の2018年ベストに選出した大好きな1枚で、2019年初来日公演も行きました。

2019年来日時はジョー・ダート(ヴルフペック)だったベーシストが、今回はソロモン・ドーシーになり、メンバーも4人→3人編成でしたが、パフォーマンスは変わらず素晴らしかったです。

優しい人柄がにじみ出ているような温もり伝わる彼の歌声を聴いて、日々のさりげない日常が愛おしく感じました。
当たり前のようでいて、奇跡のような瞬間が積み重なって、今この歌を聴いている。
胸が熱くなると共に、幸せな気持ちになれた一夜でした。

今日のこの1曲は、彼の好きなスポーツ/バスケット・ボールをテーマに愛を歌う名曲「Game Winner」。
ライヴでは、<Shohei Ohtani>、<Rui Hachimura>を歌詞に織り込んで歌っていました。森 陽馬

★掲載ジャケットは、2016年EPにボーナス曲を追加した『Game Winner EP』(輸入CD SC363CD)



2023年12月14日(木) ザ・クロマニヨンズ 「あいのロックンロール」

「歌(音楽)は、どうして、人を感動させてくれるのか?」
という意味合いの質問に対して、甲本ヒロトは、書籍『バンド論』の中で以下のように答えています。

「そんなこと、わからない。いいじゃん、別に感動したんだから、それがどうしてかなんて。
美味しいものを食べたら、美味しいっていうだけで、いいじゃん。(中略)
みんな、答えの先を見つけようとしすぎているよ。」

ヒロトらしい返答に、ブルー・ハーツ、ハイロウズ、ザ・クロマニヨンズのROCKな本質を感じましたね。

で、昨日発売されたザ・クロマニヨンズの新曲「あいのロックンロール」。
2曲目「SEX AND DRUGS AND ROCK'N'ROLL」含め最高! 感動しました!

ザ・クロマニヨンズ『あいのロックンロール/SEX AND DRUGS AND ROCK'N'ROLL』
(国内CD BVCL-1349 1,100円/国内7inch BVKL-23 1,320円)

つんのめって倒れてしまいそうなほど、突っ走っていく1曲。かっこいい! 森 陽馬



2023年12月15日(金) Brinsley Schwartz 「Thinking Back (Previously Unreleased)」

2023年10月初旬、4年ぶりに来日し、アコギ1本でゴキゲンなステージを観せてくれたニック・ロウ。
来てくれる度に若返っている気がして、颯爽とステージに駆け上がっていく姿がなんとも素敵で目に焼き付いています。
「次はバンドを連れてくるよ!」とMCで言ってくれていたのでロス・ストレイトジャケッツとの共演期待したいですね。

ニック・ロウが、70年代にイアン・ゴムらと活動していたブリンズリー・シュウォーツのこんなCDが発売になりました。

ブリンズリー・シュウォーツ『シンキング・バック ジ・アンソロジー1970-1975』
(輸入国内仕様CD 日本語ライナーノーツ付 ATOZ165 8,800円税込)

1970年の1st『Brinsley Schwartz』から、1975年録音幻のラスト・アルバム『It's All Over Now』までがセットになったCD7枚組。各ディスクには、イアン・ゴム所有のライヴ音源、The HittersやLimelightなど別名義の楽曲などボーナス・トラックがたっぷり追加されています。

過去に幾度とライヴ・アーカイヴなどが登場していますが、今回はディスク①に未発表が3曲収録されています。
カントリーテイストで、あとは歌をのせるだけといった感じのインスト「Thinking Back」を今日の1曲に。
ニック・ロウの軽妙な歌声が聴こえてきそうです。東尾沙紀



2023年12月16日(土) キャプテン&テニール 「愛ある限り」

今日はダリル・ドラゴンとその奥様の大ヒット曲を。

ダリル・ドラゴンといっても、この名前では一般的に「誰?」ということになってしまいますね。
彼はビーチ・ボーイズとそれなりに深い関係があります。

ブルース・ジョンストンとは高校生の時からの知り合いだったり、ビーチ・ボーイズのサポート・キーボード・プレイヤーを1960年代後半から務め、いつも船長の帽子をかぶっていたことから、マイク・ラヴからあだ名を付けられたり・・・。
そのあだ名がキャプテンでした。

キャプテン&テニール『愛ある限り』
(国内CD 生産限定盤 解説・歌詞・対訳付 UICY-79490 1,100円税込)

このアルバムには、ビーチ・ボーイズ関連曲がいろいろカヴァーされています。
名曲「ゴッド・オンリー・ノウズ」、ブルース・ジョンストン作品「ディズニー・ガール」、「アイ・ライト・ザ・ソング」、デニス・ウィルソンとキャプテンの共作曲「カドル・アップ」。

今日はアルバム・タイトルにもなっている彼らのファースト・ヒットにして1975年全米No.1ヒットを獲得した「愛ある限り」(Love Will Keep Us Together)を。

ニール・セダカ&ハワード・グリーンフィールド作品で、ニール・セダカが1970年代に復活したアルバムに入っていたものをカヴァー。トニ・テニールの多重録音したヴォーカルと、キャプテンのサウンド構築がナイス・ブレンド。森 勉



2023年12月17日(日) Rolling Stones 「Tell Me Straight」

明日12月18日は、キース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ)の誕生日。
あの悪童キースが80歳になります! おめでとう、キース!

ミック・ジャガーはバケモノだけれど、キースも凄いよなあ。
ロックし続けて、ブルースし続けて、そしてまだまだ転がり続けていってほしいですね。

今日は、ローリング・ストーンズの新作『ハックニー・ダイアモンズ』から、キース・リチャーズ作の渋いこの1曲「Tell Me Straight」を。

♪未来はすべて過去の中にあるのか? 俺にはっきり言ってくれ。♪
(「Tell Me Straight」歌詞より)

活気溢れるロックな曲もいいけれど、しわがれ声で歌うキースのナンバーが入っているからこそ、ローリング・ストーンズのアルバムだ!って実感するんですよね。

なお、掲載ジャケットは、新作『ハックニー・ダイアモンズ』のライヴCD付2枚組仕様盤。
ローリング・ストーンズ『ハックニー・ダイアモンズ』2CDライヴ・エディション
(国内2CD 英文解説翻訳・歌詞・対訳・中村明美氏によるライヴ・レポート付 UICY-80376 3,960円)

ボーナスCDには、アルバム発売直前の10月19日、ニューヨークの小さいライヴ・ハウスRACKET NYCにて行われたサプライズ・ギグの音源(レディ・ガガとのデュエット「Sweet Sounds Of Heaven」かっこいい!)が収められています。
ジャケデザインも色違いでファン泣かせだー。でも先着ポスター付! やっぱり買っちゃいました! 森 陽馬



2023年12月18日(月) シャッポ 「ふきだし」

カクバリズムから注目の新人ユニット、“シャッポ”がデビューしました。

シャッポ『ふきだし/オープニング』
(国内7inchアナログ KAKU193 1,760円税込)

CHAPPO(シャッポ)は、細野晴臣さんの50周年記念イベントやラジオ『デイジー・ホリデー』に出演したこともあった福原音と、細野晴臣さんの実のお孫さんである細野悠太による2人ユニット。

A面「ふきだし」、B面「オープニング」。
どちらもインスト楽曲ながら、『HOSONO HOUSE』~『トロピカル・ダンディー』頃の空気感、SAKEROCKの自由な雰囲気、そして現代を繋ぐヴァイヴが感じられるナンバーです。今後も楽しみですね。

ちなみに、シャッポとは別に細野悠太が在籍・活動している3人組バンド、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN(チョコパコチョコキンキン)のデビュー盤『tradition』は2024年1月17日に発売されます。
“Z世代の『はらいそ』”とも評したい、新時代の辺境ポップ・ミュージックとして、こちらも要注目です。森 陽馬



2023年12月19日(火) 桑田佳祐&松任谷由実 「Kissin' Christmas(クリスマスだからじゃない)2023」

桑田佳祐&松任谷由実によるクリスマス名曲が遂に発売されました。

桑田佳祐&松任谷由実『Kissin' Christmas (クリスマスだからじゃない) 2023』
(国内CD 初回プレス紙ジャケット仕様 クリスマス・ステッカー封入 2曲目にはオリジナル・カラオケが収録 VICL-38800 1,100円税込)

「Kissin( Christmas(クリスマスだからじゃない)」は、1986年/1987年に日本テレビで放映された桑田佳祐企画による音楽番組『メリー・クリスマス・ショー』のテーマ曲として作られた楽曲。

♪これから何処に向かって進んでいるのか、時々わからなくて哀しいけど。
きっと大丈夫だよね今夜の鐘。新しい日を夢で変えてゆける。」(Kissin' Christmas歌詞より)
作曲は桑田佳祐、作詞を松任谷由実が手掛けている素敵なデュエット・ナンバーです。

当時は未発売で、桑田佳祐の2012年発売ベスト盤に収録されたことがありましたが、そのヴァージョンにユーミンは参加していませんでした。

この度発売されたのは2023年ヴァージョン! 新録音です!
桑田佳祐とユーミンの2人で歌っており、更に、オリジナルにはなかった「恋人はサンタクロース」、「波乗りジョニー」、「ルージュの伝言」の一節が歌詞に織り込まれています。

なお、「Kissin' Christmas 2023」の7インチ・アナログ盤が2024年2月14日発売決定しました。
でも、7分超ある長い曲が7インチに入るのでしょうか? ヴァージョンや音質など気になりますね。森 陽馬



2023年12月20日(水) 竹内まりや 「君の居場所 (Have a Good Time Here)」

クリスマス前のうれしいプレゼントのようなまりやさんのニュー・シングル。
本日発売になりました。

竹内まりや『君の居場所 (Have a Good Time Here)』
(国内CD WPCL-13527 1,650円税込)

2019年10月発売の『旅のつづき』から、約4年ぶりの新作シングルCDになります。
ひさしぶりのまりやさんの歌、やはりいいです。
曲もほっこりさせてくれる雰囲気で気に入りました。

なんとなく南国を感じさせるアレンジの曲だなぁと思っていたら、タイアップ元のテーマに即したものだったのですね。
Netflixで12月28日から独占配信される『ポケモンコンシェルジュ』は、南の島が舞台になっているので、そういう曲調になっていることがわかりました。

タイアップのテーマにぴったりの曲とアレンジ。
竹内まりや&山下達郎の夫婦コンビネーション、さすがです。

間奏で聴けるマリンバのソロは、難波弘之によるものだそうです。森 勉



2023年12月21日(木) レモン・ツイッグス 「When Winter Comes Around」

PET SOUNDS RECORDが選ぶ2023年ベスト・アルバムをコラム・コーナーに更新いたしました。

当店スタッフが2023年に気に入っていた作品を紹介しています。
よろしければご覧になって、1年を振り返ってみてください。
皆さんの2023年ベストは何でしたか?

僕が大好きで一番よく聴いたアルバムは、レモン・ツイッグス『Everything Harmony』です。

レモン・ツイッグス『Everything Harmony』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 CT358JCD 2,750円税込)

アメリカ/ニューヨーク州ロングアイランド出身ダダリオ兄弟によるユニット、レモン・ツイッグスの4作目。
サイモン&ガーファンクルを彷彿させる切なくも懐かしいメロディ&ハーモニーに感動しました。
5月に発売された本作ですが、秋~冬にかけて聴くほどに深みが増して、心にじんとくる1枚です。

明日12月22日は冬至ということで、今日のこの1曲は①「When Winter Comes Around」を。森 陽馬



2023年12月22日(金) ビリー・ジョエル 「Shades Of Grey」(邦題:見えないのは真実)

洋楽の国内盤CDが最近出ない、買うものがない、と嘆いている方に是非チェックしてもらいたい1枚!

ビリー・ジョエル『ビリー・ザ・ベスト:ライヴ!』
(国内2枚組CD 先着特典:ポストカード 解説・歌詞・対訳付 SICP-31669 3,000円税込)

2024年1月24日東京ドームにて、16年ぶり!一夜限りのコンサートが決定したビリー・ジョエル。
彼のライヴ名演を2CDに収めた日本独自企画のアルバムが出ました。

世界初CD化13曲、日本初CD化6曲含む全32トラックを2023年最新リマスタリングで収録。
70年代から00年代までの素晴らしいパフォーマンスはもちろん、選曲も音質も最高!
ソリアーノ・タナカ氏による丁寧な解説も読み応え充分で、歌詞カードにはMC部分の対訳も記載されています。

今日のこの1曲は、個人的に好きな90'sのアルバム『River Of Dreams』収録曲「Shades Of Grey」(邦題:見えないのは真実)、1993年9月ボストンでのかっこいいライヴ音源を。
ちなみに、出だしのコーラス・アレンジは、クリーム「I Feel Free」から影響を受けたものだそうです。

なお、2023年末現在、ビリー・ジョエルが書いた最後の歌詞入り曲「Christmas In Fallujah」(2007年作)の2008年ライヴ・ヴァージョンも収録されています。森 陽馬



2023年12月23日(土) Norah Jones & Laufey 「Better Than Snow」

♪あなたと過ごすクリスマスは雪よりもいい♪

ノラ・ジョーンズと、アイスランド出身でL.A.を拠点に活動している注目のシンガー・ソングライター/マルチ奏者レイヴェイによる、スペシャルなクリスマス・コラボ・シングル。
2023年11月に配信リリースされた2曲が、7インチ・レコードで発売になりました。

Norah Jones & Laufey 『Christmas With You』
(輸入7inch Blue Note Records 5852106)

♪隣りにいるあなた以上のものを必要としたことはないわ♪

2人の共作曲であるB面曲「Better Than Snow」は、ピアノとアコースティック・ギターのシンプルな演奏に、甘くとろけるようなハーモニーがとっても夢見心地。
はらはらと降り続く雪を眺めながら、暖炉の前で温かいコーヒーを・・・
そんな幸せな空間に居るような穏やかな気分になれる1曲です。

A面にはクリスマス定番曲「Have Yourself A Merry Little Christmas」を収録。
ピアノとチェロのふくよかな音色と歌声に、胸の奥がホワッとあたたかくなります。東尾沙紀



2023年12月24日(日) Danny Kaye 「Jingle Bells」(『5つの銅貨』サウンドトラックより)

細野晴臣さんのラジオ番組『デイジー・ホリデー』2023年12月17日の回は、細野さんの実のお姉さま(理恵子さん)がゲストで出演。色々な映画話が飛び出て面白かったですね。
その中で、映画『5つの銅貨』(1959年作/日本公開1960年)を昔2人で一緒に観に行ったことも話していました。

『5つの銅貨』は、ジャズのコルネット奏者レッド・ニコルスとその家族を描いた物語。
ダニー・ケイがレッド・ニコルス役を演じ、ルイ・アームストロングが本人役で出演。
素晴らしい歌と演奏を楽しめる、心温まる音楽映画の名作です。

今日のこの1曲は、『5つの銅貨』サントラから、ダニー・ケイが唄うクリスマス・ナンバー「ジングル・ベル」を。

『5つの銅貨』オリジナル・サウンドトラック
(国内CD 歌詞・解説付 UCCU-45009 1,980円税込)

このサントラを聴いていると、ノスタルジックでゆったりとした気持ちになれますね。
映画『5つの銅貨』(原題:The Five Pennies)を久々に観直したくなりました。森 陽馬



2023年12月25日(月) ダニー・ハサウェイ 「ホワッツ・ゴーイン・オン」(ライヴ)

近年はライヴ盤を音だけで楽しむCDはあまり発売されなくなってしまいました。
映像でその模様が観れるビデオ/DVD/ブルーレイの時代になり、音だけでは満足できないというのが普通の考え方ですよね。

しかし、僕は耳で聴くだけのライヴ盤が好きです。
どんな表情で歌っているのだろう? どんな衣装だろう? バック・ミュージシャンはどんな人? 会場はどんな感じ? などなど、音を聴きながら、頭の中で想像するのが楽しみでもあります。

ということで、今日は音だけでも充分楽しめるライヴ盤を。

ライヴ名盤として、ソウル・ファンだけでなく、音楽ファンが注目してやまないダニー・ハサウェイのライヴです。

ダニー・ハサウェイ『ライヴ』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-27657 1,047円税込)

1972年発表。レコード時代のA面(CDでは①~④)が1971年8月L.A.のトルバドール。
B面(CDでは⑤~⑧)が1971年10月ニューヨークのビター・エンドでの収録です。

いつ聴いても、何回聴いても気持ちが高揚してくる1枚です。
まずは1曲目「ホワッツ・ゴーイン・オン」を。

このCDは、ワーナー・ミュージック・ジャパンが低価格で2013年に再発して10年経ちますが、廃盤にならず、ベストセラー続行中。森 勉



2023年12月26日(火) 曽我部恵一 「逃げ水」

♪ポケモンカード20万。麦チョコ118円。ヤマタツLP4,400。卵1パック306円。♪
♪芸者は3~4万。戦車は8~9億。送料は無料ですか?♪(曽我部恵一「逃げ水」歌詞より)

これは、曽我部恵一の2023年作『ハザードオブラブ』に収録されている曲「逃げ水」の歌い出しです。

曽我部恵一『ハザードオブラブ』
(国内CD ROSE316 2,200円税込/国内LP ROSE316X 3,300円税込)

アルバム全10曲中、一番地味というか、落ち着いた雰囲気の曲調ながら、とても心に残った1曲でした。
普段の生活を切り取ったさりげない日常と隣り合わせに、“戦車”の値段を挟みこむところが彼らしいですね。

♪マーチン38万。映画は大人2,000円。バターは一人1個まで。物価は上がってるぜ♪

ちなみに、知り合いの息子(高校生)がポケモンカードで儲けている、という話を聞いて作った歌だそう。
30年後に聴いた時、この曲の歌詞はどのように響くでしょうかね。森 陽馬



2023年12月27日(水) レイ・ハラカミ 「1日」

2023年も残りわずかとなり、「よいお年を」と声を掛け合うことが増えてきました。
忙しなく日々が過ぎていく今日この頃ですが、音楽を聴く心の余裕は持っていたいですね。

当店は年末年始も営業いたします。
12月30日まで 11時~21時
12月31日 11時~20時
1月1日 14時~18時
1月2日 12時~18時
1月3日 12時~18時
1月4~8日 11時~20時
1月9日(火)以降は11時~21時

お時間ございましたら、お気に入りの音を探しにお立ち寄りくださいませ。

さて、CD・レコード店員として2023年の雑感は、新品レコードがたくさんリリースされたなあ、ということです。
山下達郎さんのRCA/AIR YEARS8タイトル他、再発盤が本当に多く出ましたね。

最近リリースされた中では、初アナログ化の本作が好評です。

レイ・ハラカミ『天然コケッコー』
(国内LP ライナーノーツ:岸田繁 リマスタリング:砂原良徳 RINR015 4,400円税込)

映画『天然コケッコー』(2007年劇場公開 監督:山下敦弘、主演:岡田将生、夏帆)のオリジナル・サウンドトラックで、音楽はレイ・ハラカミが担当。砂原良徳が新たにリマスタリングを手掛けた音源で初アナログ化されました。

映画の舞台である田舎の静寂と溶け合うような音世界。
夢見心地の極上インスト・アンビエント作品です。
レコードに針を落として、心洗われるサウンドスケープをお楽しみください。森 陽馬



2023年12月28日(木) ビーチ・ボーイズ 「グッド・ヴァイブレーション」

「グッド・ヴァイブレーション」危うし!

1960年代はラジオの洋楽ヒットパレードのようなベスト10番組に一喜一憂していました。
そのような番組では、日本全国からハガキで送られてきたリクエストを集計して、日本独自の洋楽チャートを構成していました。(番組によっては電話リクエストもありました。)
その中でいくつかは、アメリカのビルボード誌のチャートも少し遅い情報ながら紹介してくれる番組もありました。

1966年の年末は、そんなビルボードのチャートを気にしていたビーチ・ボーイズ・ファンにとっては、ハラハラ・ドキドキの年の瀬でした。

1966年10月22日に第81位にチャートインした、ブライアン・ウィルソンが精魂込めた「グッド・ヴァイブレーション」は、その3週間後にはベスト10入りして第4位に上昇。次週は1965年6月の「ヘルプ・ミー・ロンダ」以来のNo.1になれるか?!という勢いでしたが・・・。

シュープリームスの「ユー・キープ・ミー・ハンギング・オン」が2週間第1位を続け、ビーチ・ボーイズはその間連続第2位に。次週こそはと思っていたら、シュープリームスは落ちたものの、ニュー・ヴォードヴィル・バンド「ウィンチェスターの鐘」が第1位に飛び込んできて、またもや第2位に。

普通3週間第2位を続けると、あとは落ちていくだけの曲がほとんどでした。
しかし、「グッド・ヴァイブレーション」は底力を発揮して、1966年12月10日付では遂にNo.1をゲット!
当時、そのことを知ったのは年末近い時期だったので、年の瀬近くには毎年この出来事を想い出してしまいますね。

今日は1曲目に入っているこのCDで、オリジナル・モノ・ヴァジョンを。森 勉

★掲載ジャケットは、ビーチ・ボーイズ『デラックス』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-40328 3,080円)



2023年12月29日(金) MUSEMENT 「スターダスト」 feat.加納エミリ

2007年に始動した矢部浩志(ex.カーネーション)によるソロ・プロジェクト、MUSEMENT(ミューズメント)。

AI音声合成ソフトを用いて制作し2023年7月に配信リリースした約7年ぶりの新作『ソング・パビリオン』を、6組の女性ヴォーカリストをゲストに迎え再録音♪
さらに新曲3曲を追加、タイトルを『Physical Ladyland』と改したCDアルバムが発売されました。

MUSEMENT『Physical Ladyland』
(国内CD 歌詞付 HYCA-8064 2,860円税込)

60~80年代ロック・ポップス曲名(邦題)だけで歌詞が構成された「Melodyland feat.宇佐蔵べに」(対する「歌のパビリオン」は日本の歌謡曲/フォーク曲名が登場、これまた楽しい♪)、アニタ・オデイの歌唱で知られるスタンダードをラヴァーズ・ロックにアレンジ&カヴァーした「バークリースクエアのナイチンゲール feat.飯泉裕子(microstar)」、WAY WAVE姉妹のハーモニーが良い「ドリーミング」などなど、アルバムのトーンに合わせたゲスト陣の穏やかな歌声も印象的で、最近は気付けば今作の曲を口ずさんでいるほど、お気に入りの1枚です。

中でも、「スターダスト」のピュアな世界観とエヴァーグリーンなメロディーは、何度聴いても心が洗われます。
加納エミリさんのやさしい歌声もこの曲にぴったり。
ざわざわする気持ちをそっと落ち着かせてくれる名曲です。東尾沙紀



2023年12月30日(土) Vaundy 「トドメの一撃」 feat. Cory Wong

2023年12月に店で一番多くかけたJ-POPはこの1曲!

Vaundy『reprica』
(2枚組CD 初回パッケージ VVCV-6 4,200円税込/通常盤 VVCV-9 4,000円税込)

2019年に19歳でデビューし、大学を今春に卒業したばかりの男性ミュージシャン、Vaundy。
2枚組CDに全35曲を収録した2ndアルバム『reprica』は、2023年の日本ポップスを象徴する大傑作でした。

カメレオンのように多彩なメロディーやアレンジながら、どの曲も3~4分のキャッチーなポップスに昇華されていて、彼の歌声にもどこか懐かしさを感じさせるものがあるんですよね。
様々な音楽ルーツを基にした“レプリカ”(複製品)に、令和の時代に躍動する彼の“オリジナリティ”(独創性)が融合している名盤だと思います。

特に気に入っているのが、ディスク2のラスト20曲目「トドメの一撃」feat. Cory Wong。

TVアニメ『SPY×FAMILY』 Season 2 ED主題歌で、ヴルフペックのギタリストCory Wongがゲスト参加。
長澤まさみが出演しているMusic Videoもかっこいい! 森 陽馬



2023年12月31日(日) BONNIE PINK 「エレジー」

2023年ご来店・お買い上げいただいた皆々様、ありがとうございました。

2024年は1月1日14時から営業を開始いたします。
1,000円以上お買い上げの方には当店ロゴ入りタオルをプレゼント♪
GOOD MUSICを探しに、よろしければお立ち寄りくださいませ。

2023年最後の今日のこの1曲は、BONNIE PINK2023年発表傑作アルバム『infinity』から「エレジー」を。
(国内CD QYCL-10038 3,300円税込)

♪迷わない日なんてない。間違わない日なんてない。<中略>
疲れない日なんてない。落ち込まない日なんてない。
けれど夕日に立ち止まって、こみあげる想いは明日へのエナジー。
Tomorrow will be better(明日は今日よりよくなるさ)♪ (BONNIE PINK「エレジー」歌詞より)

この歌には何度も励まされました。
夕陽を見れること、明日が来ること、そして、生きていることへの感謝の念を、忘れずにいたいですね。森 陽馬





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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