トップページ        今日のこの1曲アーカイヴス



  今日のこの1曲 “Archives”

<2024月4月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2024年4月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2024年4月1日(月) ビーチ・ボーイズ 「サーフズ・アップ」

これといったニュースがなかったビーチ・ボーイズですが、新しく制作されたドキュメンタリーがディズニープラスで配信されるそうです。

『アン・アメリカン・バンド』(1985)、『エンドレス・ハーモニー』(1998)と、今までも良質なグループ・ヒストリー・ドキュメンタリーが作られていますが、今回はどんな作品に仕上がっているのか楽しみです。
映画館でも公開してくれるとうれしいのですが・・・。

今日の1曲は、おそらく今回の映像でもハイライト・シーンの1つにあるであろう『スマイル』エピソードの中の1曲「サーフズ・アップ」を。

この曲が収録された同名アルバム『サーフズ・アップ』は、アメリカでは1971年夏に発売されました。
日本では4カ月ほど遅れた1971年12月に出ましたが、ほとんど話題になることはありませんでした。

当時はビーチ・ボーイズの作品に同調してくれる仲間もほとんどいなくて寂しい思いをしました。
しかし、時代は変わり、ビーチ・ボーイズを支持してくれる方々は増え、現在この『サーフズ・アップ』は、それなりの人気曲になっているようです。
3つのパートを組み合わせたブライアン・ウィルソンとヴァン・ダイク・パークスの傑作! 森 勉

★ビーチ・ボーイズ『サーフズ・アップ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-25601 1,885円税込)


2024年4月2日(火) Diane Birch 「Jukebox Johnny」

4月に入って、桜がやっと咲いてきました。
桜を眺めていると、歳を重ねた感慨深さと共に、新たな気持ちになりますね。

今日紹介するダイアン・バーチも、新たな想いを込めて、本作をレコーディングしたのかもしれません。

ダイアン・バーチ『Flying On Abraham』
(国内CD ダイアン・バーチ本人による曲解説&日本語解説・歌詞・対訳付 PCD-25390 2,750円税込)

“新世代のキャロル・キング”とも評された2009年発表デビュー作『Bible Belt』(
2009年8月12日今日のこの1曲で紹介)から約15年。2014年発表2ndアルバム『Speak A Little Louder』から約10年ぶりとなる3枚目のオリジナル・フル・アルバム『Flying On Abraham』が本日入荷しました。

ポール・ステイシープロデュースによるイギリス録音で、デビュー作に近い70'sなサウンドに戻りました。
1stがキャロル・キング的だとすれば、本作はリッキー・リー・ジョーンズ的な雰囲気を持った1枚です。

今日のこの1曲は、2曲目「Jukebox Johnny」を。
別れた恋人との惜別を綴ったこの曲は、唄い方もリッキー・リー・ジョーンズへ寄せているように感じます。森 陽馬


2024年4月3日(水) 愚 「あかりが消えたら」

新宿のカレー店、curry草枕が閉店することを知りました。

<ちょっと変わった1階の本屋「模索舎」へ寄り、それから2階の「草枕」でカレーを食べる>
という、新宿へ行った時のルーティーンができなくなるのは残念ですね。

辛さが10段階あり、3番で食べても汗ダラダラ、ヒーヒー言いながら食べていた弱者でしたが、オーガニックな辛さは心と身体に優しい刺激を与えてくれました。
聴きたい時に聴く、観たい時に観る、と同様に、食べたい時に食べる、も心に留めておきたいと思います。

さて、今日のこの1曲は、伊藤銀次さんセレクションによる『URC銘曲集』から、愚「あかりが消えたら」を。

V.A.『URC銘曲集3 伊藤銀次セレクション』
(国内CD ライナーノーツ・全曲解説掲載 2024年リマスタリング MHCL-30976 2,500円税込)

フォークのイメージが強いURCレーベルから、伊藤銀次さんがロックの視点で18曲をセレクトした編集盤です。

愚は、金延幸子、中川イサト、松田幸一、瀬尾一三の4人で1969年~70年に活動していたバンド。
(前身は、西岡たかしを加えた「秘密結社○○教団」)
『み空』(1972)をリリースする前、金延幸子さんのピュアな歌声と感性が胸に響きます。森 陽馬


2024年4月4日(木) paris match 「Desert Moon」

paris matchの2001年発表2nd『PM2』と、2003年発表4th『QUATRO』が、初アナログLP化されました。

・paris match『PM2』(国内LP JSLP218 4,620円税込)
・paris match『QUATRO』(国内LP JSLP219 4,620円税込)

どちらも発売当時は、良質な作品を色々出していたaosis recordsからのリリースでした。
ジャズやボサノヴァ的なジャンルが多かったaosisレーベルの中で、パリスマッチの本作はそういう要素も含んだポップスが新鮮に響き、店内でもよくかけてプッシュしていたのが懐かしいです。

今日のこの1曲は、『PM2』(2001)から1曲目「Desert Moon」を。

スタイリッシュなサウンドながら、何故か切ない気持ちになるメロディーに惹き付けられますね。
松原正樹さんによる、らしいギター・ソロもグッときます。

ちなみに、クールなドラミングは誰が叩いているのかな?と、クレジットをチェックしたら、全曲が杉山洋介さんによる打ち込み(プログラミング)で、ビックリしたことを思い出しました。森 陽馬


2024年4月5日(金) Khruangbin 「Hold Me Up (Thank You)」

アルバム・タイトル『A LA SALA』はスペイン語で『部屋へ集合』の意。
クルアンビンがバンドを始めた頃の気持ち“原点という名の部屋”へ立ち返った作品を発表しました。

クルアンビン『A LA SALA』
(国内CD DOC357JCD 解説・歌詞・対訳付 2,750円税込)

アメリカ/テキサス州ヒューストンの教会でゴスペルを一緒に演奏していたMark Speer(ギター)とDonald "DJ" Johnson(ドラム)に、女性ベーシストLaura Leeが加わった3人組バンド、Khruangbin(クルアンビン)。

単独名義のスタジオ・オリジナル作としては、2020年発表作『Mordechai』(
2020年6月27日今日のこの1曲で紹介)以来、約4年ぶりの新作アルバムです。

前作が全曲ヴォーカル入りだったのに対し、本作は2曲目「May Ninth」以外ほぼインストで統一。
1stや2ndの頃のように独特な空気感を漂わせながらも、ジャケットに映っている窓の外のように、入道雲の奥から青い空が垣間見えるような、穏やかな希望も感じさせる1枚です。

ゆったりと漂うように揺れる曲が多い中、最もグルーヴィーでライヴ映えしそうなナンバー⑧「Hold Me Up (Thank You)」を今日のこの1曲に。森 陽馬


2024年4月6日(土) Brittany Howard 「Power To Undo」

白昼夢のような浮遊感とソリッドなビートが混在する、力強い1枚。

アラバマ・シェイクスのシンガー/ギタリスト、ブリタニー・ハワード。
ソロ2作目となる約4年ぶりの新作『What Now』がリリースされています。

Brittany Howard『What Now』
(輸入CD Isaland 602458769012 輸入LPもあり)

初めて聴いた時はアレンジ等少し複雑にも聴こえたのですが、エネルギーに満ちた歌声はやはり圧巻!
不安や怒り、平和への想いなど様々な感情が詰まった楽曲も彼女にしか表現できない世界観なんだなと聴き込むほどに感じています。

パンデミックの最中に書かれたという強靭な「What Now」もあれば、サイケデリックなスウィート・ソウル・ナンバー「I Don't」等々。録音にはアラバマ・シェイクスのザック・コックレル(b)、ネイト・スミス(drs)らが参加しています。

今日のこの1曲には、彼女に影響を与えたミュージシャンの一人、プリンスを彷彿とさせる「Power To Undo」を。
ギターカッティングがかっこいい1曲です。東尾沙紀


2024年4月7日(日) James Taylor 「You Can Close Your Eyes」

ジェイムス・テイラーの2024年4月6日東京ガーデンシアター公演を観てきました。

現在の最新にあたるアルバム『アメリカン・スタンダード』(
2020年3月1日今日のこの1曲で紹介)の収録曲ではなく、ヒット&人気曲中心のセットリスト。いつまでも見続けていたくなる夢のような素晴らしいコンサートでした。

バンドメンバーは、スティーヴ・ガッド(Dr)、ジミー・ジョンソン(B)、ディーン・パークス(G)、ケヴィン・ヘイズ(key)に、コーラス隊のアンドレア・ゾン(fiddle)、ケイト・マルコヴィッツ、ドリアン・ホリーという布陣。
2024年ツアーの初日ということもあり、序盤は声が濁っていて緊張感漂うステージでしたが、上着を脱いでから(腕の筋肉が凄い!)は、小さいライヴハウスにいるような親密な空間になりましたね。

・ジョニ・ミッチェルのコーラスをJTの生歌・演奏に合わせて流した「Long Ago And Far Away」
・「自分にはもう遅すぎる(若くはない)けれど」と前置きして歌った「Never Die Young」
・フィドルが加わってケルト的なイントロが付いた「Sweet Baby James」
・感動的だった「Up On The Roof」→「Shower The People」の流れ
・JTの妻キムがコーラスに加わり、じっくりと歌われた「You've Got A Friend」
他の曲でも、涙が溢れる瞬間が何度もありました。

今日のこの1曲は、2024年2月に逝去した小澤征爾さんへ捧げられた「You Can Close Your Eyes」を。
JTの妻キムはボストン交響楽団の広報に関わる仕事を長年してきたそうです。
それがきっかけで小澤征爾さんとも親交が深かったことをMCで語ってからこの曲を歌ってくれました。
「When I'm Gone」(僕がいなくなった時でも)というフレーズが出てくるこの歌は、単なる「おやすみ」の唄ではないのだ、ということを今更ながら知りました。

そして、音楽というのは、その歌声や演奏の技術・秀逸さだけでなく、その音楽に付随した聴き手の想い出と繋がることにより、心を動かしてくれるのだ、ということにも改めて気付かされました。森 陽馬

★掲載ジャケットは、「You Can Close Your Eyes」収録アルバム『Mud Slide Slim and The Blue Horizon』。


2024年4月8日(月) エルヴィス・コステロ 「アウト・オブ・タイム」

海外では形のない配信のみのリリース作品が、日本だけでCDとして発売になることが時折あります。
今日はそんな1枚を。

エルヴィス・コステロ『ザ・ボーイ・ネームド・イフ(アライヴ・アット・メンフィス・マグネティック)』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-16211 2,750円税込)
(一部カヴァー曲の歌詞・対訳は付いていませんが、コステロ自身によるコメントの翻訳は付いています。)

2022年発表『ザ・ボーイ・ネームド・イフ』(
2022年1月16日今日のこの1曲で紹介)の配信限定だったデラックス・エディションに追加収録された11曲がCDになったわけです。

日本だけのパッケージ化! うれしい! その選曲もナイス!
全11曲中10曲はメンフィスのスタジオでリハーサル中にバンドでライヴ録音されたもので、そのうち4曲が驚きのカヴァー!

バーズの「ロックン・ロール・スター」、ポール・マッカートニー&ウィングス「レット・ミー・ロール・イット」、クリス・ファーロウ、ローリング・ストーンズの「アウト・オブ・タイム」、ビートルズ「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」をコステロが歌っています。
それから、なんと、オールドファンにはグッときてしまう「エヴリデイ・アイ・ライト・ザ・ブック」もセルフ・カヴァー。

オリジナル曲もいいけど、今日はイントロがキンクス風に始まる「アウト・オブ・タイム」を。
しばらく、「Baby、Baby、Out Of Time」とリフレインを口ずさみそうです。森 勉


2024年4月9日(火) Lucas Arruda 「OMINIRA」

風が強い1日でしたが、まさに春の風を感じさせる新譜が入荷しました。

ルーカス・アルーダ『OMINIRA』
(国内CD 解説・歌詞付 PCD-25388 2,750円税込)

ルーカス・アルーダは1983年ブラジル生まれの男性キーボーディスト/ソングライター。
本作は、2019年発表『Onda Nova』(
2019年3月8日今日のこの1曲で紹介)以来、ソロ4作目となるアルバムです。

『OMINIRA』は、西アフリカのヨルバ語で「自由」、「独立」、「自立」の意。
プロデュースとサウンド・アレンジはルーカスで、演奏もドラム以外はほぼ自身で手掛けています。

今日のこの1曲は、ブラジリアン・メロウ・グルーヴなタイトル曲⑧「OMINIRA」を。
タニア・マリア「Come With Me」を彷彿とさせるアジムス的なインスト・ナンバー。

なお、日本語解説は、ブルー・ペパーズの福田直木さんが執筆しています。森 陽馬


2024年4月10日(水) Graham Parker & The Rumour 「Tripe Face Boogie」

1970年代後半にスタートし、現在も放送されているドイツの長寿音楽テレビ番組<ロックパラスト>。
有名ミュージシャンのライヴが数多く放送され、アーティスト毎にいくつかCD/DVD化もされておりますが、本日は最近再発になったグラハム・パーカー&ザ・ルーモアのライヴ盤を。

Graham Parker&The Rumour『Live At Rockpalast 1978 &1980』
(輸入2DVD+2CD MIG90490)

番組初登場1978年と、1980年の2回分の放送が収録されたものが、2012年にCD、DVDそれぞれ単体で発売されていました。DVDの方は長らく廃盤となっていましたが、今回CD2枚とDVD2枚がセットになり、音と映像両方楽しめるかたちで再発されました。

ホーン・セクションを率いた1978年も良いですが、本日は2度目の登場でアラサーGP&バンドも気合い充分!な1980年のステージから。

同年発表のアルバム『The Up Escalater』に参加していたご縁か、ニッキー・ホプキンスがキーボードを担当しています。
聴きどころのひとつとして、リトル・フィートのカヴァー「Tripe Face Boogie」でのニッキーの転がるピアノ、ブリンズリー・シュウォーツのスライド・ギター、テンション高めの歌とパフォーマンスがとにかくかっこいい♪
前年(1979年)に亡くなったローウェル・ジョージへの追悼の意を表し、ライヴ終盤にこの曲が披露されています。

DVDはリージョン・フリーで、国内のプレーヤーでも再生が可能です。東尾沙紀


2024年4月11日(木) サディスティック・ミカ・バンド 「ロックンロール・バンド」(1974年ライヴ)

サディスティック・ミカ・バンドの8CD+Blu-rayに、充実のブックレットも付いたBOXセットが発売されました。

サディスティック・ミカ・バンド『PERFECT MENU』
(国内8CD+Blu-ray UPCY-90244 22,000円税込)

1st『SADISTIC MIKA BAND』(1973)、2nd『黒船』(1974)、3rd『HOT! MENU』(1975)、『Live In London』(1976)、『天晴』(1989)、『晴天 Live In Tokyo 1989』(1989)の6枚に、全曲初CD化となる『Live At 京都円山公園野外音楽堂 On July 17th 1974』と、レア音源集『Rare Audio Tracks』。更に、ブルーレイ『Rare Video Tracks』が入ってお買得価格。

初期4作はアビー・ロード・スタジオのMiles Showell、第2期の2作は砂原良徳による最新リマスタリング。
場所を取らないCDサイズで、ミカ・バンドの作品をあまり持っていないという方にオススメしたいですね。

昔からのファンにはディスク7『Live At 京都円山公園野外音楽堂 On July 17th 1974』が聴きもの!
名作2nd『黒船』リリース前、キャロルと共にツアーを行っていた時期にあたる1974年7月17日京都で行われたライヴ音源がKBS京都から発掘! 50年間眠っていたマスターテープからの初CD化です。
50年前のライヴにしては良好な音質で、臨場感ある演奏が楽しめます。

特に、オリジナル・アルバムには未収録の小原礼作詞・作曲による「ロックンロール・バンド」!
高中正義のギター・ソロから今井裕のキーボード・ソロへの流れ、高橋幸宏のドラミングがかっこいい!
なお、ブックレットには当時のステージ写真と小原礼の最新インタビューも掲載されています。森 陽馬


2024年4月12日(金) Mark Knopfler 「One Deep River」

美しい夕焼け、海へ繋がる川、そして、架かる橋。
ジャケットを眺めながら聴いていると、長いようで短い人生を想い、感慨深い気持ちになる1枚です。

Mark Knopfler『One Deep River』
(輸入2枚組CD 5曲入りボーナスCD付デラックス盤 EMI 6512665/輸入アナログ2LPもあり)

ダイアー・ストレイツの名ギタリスト、マーク・ノップラーの2018年発表作『Down The Road Wherever』以来ソロ10作目となる、約6年ぶりオリジナル・アルバム『One Deep River』が本日発売されました。

近作と同じく、ロンドンにあるマーク所有のBritish Grove Studios録音。
バンド時代からの盟友ガイ・フレッチャーとの共同プロデュースで、味わい深い作品に仕上がっています。

今日のこの1曲は、亡き友人へ捧げられたラスト12曲目のタイトル曲「One Deep River」を。
マークのギターに絡む、グレッグ・リーズが奏でるペダル・スティールの音色が心に沁みますね。
急かされているような日常に、憂いと優しさを与えてくれます。森 陽馬


2024年4月13日(土) AD LIBS 「The Boy From New York City」

今日はアナログLPからの1曲です。

AD LIBS『Presenting The Ad Libs』
(輸入アナログLP パープル・カラー・レコード ORGM1025)

1965年2月に全米8位まで上昇したヒット曲「The Boy From New York City」を収録した1枚です。

アドリブスはアメリカ/ニュージャージー出身の女性1人・男性4人のヴォーカル・グループ。
リード・ヴォーカルの女性のハツラツとした声と、ドゥワップ・テイストなバック・コーラスがうまくミックスしたスタイルです。

当時、彼らのレコードを出していたのは、ジェリー・リーバー&マイク・ストーラーが設立したレッド・バード・レーベルのサブ・レーベル、ブルー・キャット・レコーズでした。

「ボーイ・フロム・ニューヨーク・シティ」は1981年にマンハッタン・トランスファーによってカヴァーされ、全米7位という大ヒットを記録。

余談になりますが、ビーチ・ボーイズは「The Girl From New York City」というオリジナル曲を、アルバム『Summer Days (And Summer Nights)』の中で発表しています。森 勉


2024年4月14日(日) Matthew Halsall 「Bright Sparkling Light」

本日4月14日は、武蔵小山駅前広場で『ムサコたけのこ祭り』が開催されました。
武蔵小山出身の笠原将弘シェフによる「たけのこ汁」を先着3000名に無料配布、もあって賑やかな1日でしたね。

コロナ禍でお休みしていた時期もありましたが、今回が第10回目。
このお祭りがあると、本格的な春の到来を実感します。

さて、春らしい穏やかな気持ちになれるアナログ盤の新譜アイテムを紹介しましょう。

Matthew Halsall『Bright Sparkling Light』
(輸入LP Gondwana Records GONDEP063)

Matthew Halsall(マシュー・ハルソール)は、イギリス/マンチェスターを拠点に活動しているトランペッター/ジャズ・ミュージシャンで、Go Go Penguinを輩出したGONDWANA RECORDSの創設者でもあるアーティスト。
本作は、2023年発表作『An Ever Changing View』(
2024年2月11日今日のこの1曲で紹介)と同時期にレコーディングされた3曲収録の12インチ・レコードで、2023年EUツアー会場で限定販売されていた1枚。

A面1曲目「Bright Sparkling Light」(7分43秒)、2曲目「Newborough Forest」(7分8秒)。
B面「The Tide And The Moon」(10分3秒)。
Halsallが奏でるカリンバ&トランペット、Matt Cliffeによるフルートが融合して、とても心地良いインスト3曲。
『An Ever Changing View』を愛聴されている方はこちらも要チェックです。森 陽馬


2024年4月15日(月) Elvis Costello 「Look Up Again」~「I Still Have That Other Girl」

8年ぶりに来日公演を行ったエルヴィス・コステロ、最終日の4月12日浅草公会堂に行ってきました。

ステージにはギター数本とピアノ、キーボード。今回は盟友スティーヴ・ナイーヴとの2人だけのステージでした。
このコンビだからこそ出来る演奏曲の幅広さ...どんな曲が飛び出すか予測できないワクワク感、コステロの歌力を存分に味わえた良いライヴでした。

「She」、「(What's So Funny 'Bout)Peace,Love And Understanding?」など、有名・人気曲はもちろん、
スティーヴが可愛いミニアコーディオンに持ち替えての「New Amsterdam」(曲中にビートルズ「悲しみはぶっとばせ」を織り交ぜて)、「Tokyo Storm Warning」、「I Want You」、「Radio,Radio」など最終日のみ演奏された曲も色々ありました。

中盤にスティーヴのピアノのみで歌われたバート・バカラック共作曲が強く印象に残っています。
2023年発売『ソング・オブ・バカラック&コステロ』のディスク2収録「Look Up Again」、続けて披露された名曲「I Stll Have That Other Girl」の熱唱に感動!痺れました...。

最後は「Alison」でしっとりと締めてちょうど2時間のステージ。
次回はどんな趣向を凝らしたステージで驚かせてくれるでしょうか。
また元気で来日してもらえますように。東尾沙紀

★掲載ジャケットはエルヴィス・コステロ&バート・バカラック『ソングス・オブ・バカラック&コステロ』
(国内2CD 大鷹俊一氏による解説・歌詞・対訳付 UICY-16148 3,960円税込)


2024年4月16日(火) Linda Ronstadt 「I Will Always Love You」

エルヴィス・プレスリーの妻プリシラを主人公にした映画『プリシラ』を、渋谷WHITE CINE QUINTOにて鑑賞。

映画『プリシラ』は、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)や『マリー・アントワネット』(2006)等で知られるソフィア・コッポラ監督が、エルヴィスの妻だったプリシラ・プレスリーの自伝小説を基に手掛けた物語。

今までのエルヴィス関連映画と違い、プリシラ目線で終始描かれていて面白かったです。
人気絶頂のエルヴィスと付き合って結婚する、という素敵な疑似体験ができましたね。
60年代の衣装/ファッションやアメリカの車も華やかで、観ていて楽しめました。

音楽に関しては、エルヴィスに関わる映画ながら彼自身が歌っている曲はほとんどかかりません!
でも、ロネッツ、サント&ジョニー、ライチャス・ブラザーズ等当時のヒット曲だけでなく、ラモーンズによる「Baby I Love You」が冒頭で使われたり、ソフィア・コッポラの夫トーマス・マーズが在籍しているバンドPhoenixが全体の音楽を手掛けていて高揚感がありました。

女性としての強さや生き方を貫く姿勢が示されたラストにかかる、ドリー・パートン「I Will Always Love You」も印象に残りましたね。

今日のこの1曲は、ドリー・パートンが作詞・作曲に関わった楽曲を集めたACEレーベルのソングライター・シリーズ編集盤から、リンダ・ロンシュタットが歌っている「I Will Always Love You」を。
映画『ボディガード』主題歌で大ヒットしたホイットニー・ヒューストンのカヴァー・ヴァージョンが有名ですが、ドリー・パートンやリンダ・ロンシュタットの歌から伝わるはかない雰囲気に心を惹かれます。森 陽馬

★掲載ジャケットは、V.A.『A Way To Make A Living : The Dolly Parton Songbook』
(輸入CD ACE CDTOP1626)


2024年4月17日(水) PIPER 「Seaside Runner」

「80年代のPIPERのライヴ音源が40年を経た今、こうしてアルバムになったことに驚いています。<中略> ライヴではバンド編成でやっていましたので、涼しげなスタジオ盤とは違うワイルドなPIPERサウンドを楽しんでいただけると思います。」(山本圭右氏によるコメントより)

村田和人バンドのギタリスト山本圭右を中心としたバンド、パイパーのライヴCDが発売されました。

PIPER『ライヴ・ブリーズ』
(国内CD STPR-042 2,750円税込)

・1982年5月16日LA(高田馬場)
・1984年7月26日SHELL GARDEN(横浜)
・1984年9月12日LIVE INN(渋谷)
・2001年8月25日Electric Church Love(赤坂)
上記会場でオーディエンス録音されたテープが基になっているため、荒々しい音質ではありますが、当時の小さいライヴ会場での臨場感が伝わってくる全16曲入です。

今日のこの1曲は、川崎太郎氏が音源提供した約40年前のライヴ(1984年7月26日横浜)で、村田和人さんもコーラス参加している「Seaside Runnner」を。
なお、未発表曲「Moonlight Drive」の1984年ライヴ音源も収録されています。森 陽馬


2024年4月18日(木) IKKUBARU 「Sound Of Rainfall」

<レコード店へ足を運び、アナログ・レコードを聴いて音楽を楽しもう!>

2008年に米国で始まった、中小レコード店とアナログ・ファンのためのイベント、RECORD STORE DAY。
2024年は4月20日(土)に開催! 様々なレコードが20日(土)当日にリリースされます。

RECORD STORE DAY JAPAN 2024のアンバサダーは、anoちゃん!
当店に入荷する国内盤のタイトルは、ano2種、吉田哲人、ikkubaru、ヴァレリー・カーター、ベティ・ライト他永井博ジャケ3種、akiko、class、小柳ゆき、たま、松平健、あらんどろん、檀雄司、佐井重昭(吾妻光良の叔父)、工藤静香、GACKT、花・花、のはらしんのすけ、ビル・エヴァンス3種、フランシス・レイ3種、Guiba、KASHMERE、SANABAGUN、kaoru inoue、MONDAY満ちる、Neighbors Complain、前野曜子、アン・ヤング、如月小春、稲垣次郎、テリー・ライリー、工藤祐次郎、町あかり2種、DE DE MOUSE、joint beauty、ごいちー/The Pen Friend Club、luv、cruisic、中塚武、PAHUMA、等々。
(輸入盤タイトルは、明日4月19日の今日のこの1曲で紹介予定です。)

4月20日(土)に当店にて3,000円以上お買い上げの方には、特製トートバックを先着でプレゼントします。
よろしければ、ご来店くださいませ。

今日のこの1曲は、RECORD STORE DAY 2024アイテム中の当店オススメ盤から選びました。
インドネシア出身バンド、ikkubaru(イックバル)の新作『DECADE』(国内LP HYCA-8070 4,180円税込)。

A面2曲目に収録されている「Sound Of Rainfall」は、春の休日に聴くプリファブ・スプラウトやアズテック・カメラのように、清らかな切なさを感じさせてくれるナンバーです。森 陽馬


2024年4月19日(金) Sister Rosetta Tharpe 「When The Saints Go Marching In」(Live)

<レコード店へ足を運び、アナログ・レコードを聴いて音楽を楽しもう!>

2008年に米国で始まった、中小レコード店とアナログ・ファンのためのイベント、RECORD STORE DAY。
2024年は4月20日(土)に開催! 様々なレコードが20日(土)当日にリリースされます。

昨日紹介した国内盤タイトルに続き、当店に入荷する輸入盤タイトルも紹介しましょう。
ローリング・ストーンズ2種(2023年ライヴ音源LP、1st再発)、ニール・ヤングwithクレイジー・ホース、ケイト・ブッシュ、デヴィッド・ボウイ、ローウェル・ジョージ、ジョン・レノン、リンゴ・スター、フェイセズ、エヴリシング・バット・ザ・ガール、プリファブ・スプラウト、ポール・ウェラー7inch、ノエル・ギャラガー7inch、ファラオ・サンダース7inch、キュアー、The 1975、ブラー、U2、YES、クイーン、デヴィッド・シルヴィアン、トーキング・ヘッズ、ラモーンズ、ジャミロクワイ、G.Love、リンダ・ロンシュタット、アメリカ、フランキー・ヴァリ、シスター・ロゼッタ・サープ、ナット・キング・コール、『ロスト・イン・トランスレーション』2LP、ダライ・ラマ等々。

今日のこの1曲は、ピーター・バラカン氏のラジオでも紹介された注目盤!
彼女こそ“ロックンロールの祖”!?  シスター・ロゼッタ・サープが1966年11月11日にフランス/リモージュにある大劇場の講堂で行った未発表ライヴ盤から、最高にかっこいい「When The Saints Go Marching In」を。森 陽馬

Sister Rosetta Tharpe『Live In France : The 1966 Concert In Limoges』
(輸入2枚組LP Deep Digs DD-02 2,200枚限定ナンバリング入/輸入CDもあり)


2024年4月20日(土) Neil Young with Crazy Horse 「Walkin' In My Place」

RECORD STORE DAY 2024に、当店へご来店いただいたお客様、ありがとうございました。
今日は天気も良くて、レコード買い物日和でしたね。

他のレコード店もたくさんあるのに、当店へわざわざお越しいただいて、本当にありがたい思いでいっぱいです。
レコードだけでなく、音楽を聴いて楽しむ気持ちを忘れずにいたいですね。

さて、魅力的なRECORD STORE DAY商品はたくさんありますが、個人的なRSD2024はこの1枚!

Neil Young with Crazy Horse『Fu##in' Up』
(輸入LP2枚組 RSD限定クリア・カラー盤 9362484493/国内CD&輸入通常LPは4月26日発売)

78歳を迎えたニール・ヤングが、現在のクレイジー・ホース(ニルス・ロフグレン、ラルフ・モリーナ、ビリー・タルボット)と組んで、1990年発表名作『Ragged Glory』(邦題:傷だらけの栄光)を再録音したアルバムです。

枯れた雰囲気かなと思いきや、オリジナルの『Ragged Glory』と同じく、エレキでガツン!と演っていてカッコイイ!
2023年11月4日にトロントで行われたプライヴェート・パーティで演奏されたライヴ音源ですが、スタジオ一発録り的なクレイジー・ホースらしい荒々しさで、ニールもギターを弾きまくっています。
セルフ・カヴァーながら、曲名が変更になっているのもニールらしいですね。

今日のこの1曲は、元「Mansion On The Hill」の「Walkin' In My Place (Road of Tears)」を。

なお、国内CD及び輸入通常黒盤LPは4月26日発売予定ですが、今日発売のRecord Store Day盤はクリア・カラー仕様で、ジャケット・デザインと同じリトグラフが追加封入りされています。森 陽馬


2024年4月21日(日) ビートルズ 「Now And Then」

ラジオ日本に『ビートルズ10(テン)』という番組があります。

ビートルズの楽曲だけで毎週ベスト10を発表するという番組です。
ハガキ、FAX、eメールで1人3曲まで(当初は1人何曲でもということもあり)毎週リクエストでき、それを基に毎週ベスト20を発表して早9年と6カ月ほど。ビートルズの曲だけでのヒットパレード・・・。大したもんです。ナビゲーターは謎の音楽家カンケさん。

その中にチャート発表とは別に「邦題つけ邦題」というコーナーがありました。
公式に発表された213曲にプラスBBC音源などでの23曲の中から、、日本で付けたタイトルがまだない曲に番組で勝手に邦題を付けてしまおうという企画が以前ありました。

記録によると、「邦題つけ邦題」の第1回目は、2005年10月8日放送。
曲は「Let It Be」。
邦題は・・・「そのうちなんとかなるだろう」でした。
なんとも、クレイジーないいタイトルですね。

2016年11月20日放送、第205回の「The End」(邦題「終わりに」)で一応終了していましたが、2023年に新曲!「Now And Then」が出た事により、ゴールデン・ウィークあたりに臨時復活するそうです。

「Now And Then」→果たしてどんな邦題が付くのか楽しみですね。
ちなみに僕なら、「ジョンの想い」としたいところです。

なお、一度邦題がついた「Free As A Bird」、「Real Love」にも新しいタイトルがつくそうです。森 勉


★掲載ジャケットは、ビートルズ『Now And Then』
(国内CD 生産限定盤 英文解説翻訳・歌詞・対訳付 UICY-80380 1,100円税込)


2024年4月22日(月) Paul Weller 「Soul Wandering」

ポール・ウェラー3年ぶりの新作『66』が5月24日(金)にリリースされます。
発売日翌日に66歳の誕生日を迎えるウェラーの年齢をタイトルに冠した17作目です。

2024年1月下旬~2月初旬に行われた日本ツアーで披露され好評だった新曲2曲「Jumble Queen」、「Nothing」も新作にラインナップされています。
新作からの先行シングルとしてビデオが公開された「Soul Wandering」もイントロからテンションが上がるかっこいい曲♪
この曲の7インチ・シングルが真っ赤なポリドールのスリーヴ&レッド・カラー盤仕様で、RSDアイテムとしてリリースされました。

Paul Weller『Soul Wandering/Rise Up Singing』
(輸入7inchシングル polydor 5895971)

「Soul Wandering」はボビー・ギレスピー(プライマル・スクリーム)が作詞を手掛けた曲で展開も面白い1曲。
もう片面の「Rise Up Singing」は、Dr.ロバート(ブロウ・モンキーズ)、マイルス・コープランドらのプロジェクトMonks Road Socialとのコラボから生まれ2023年に発表された楽曲で、美しいストリングス・アレンジも聴きもののソウル・ナンバー。
この曲も新作に収録されています。東尾沙紀


2024年4月23日(火) リンダ・キャリエール 「Love Celebration」

村井邦彦氏が設立したアルファ・ミュージックは、2024年7月で創立55周年を迎えます。
そのアルファ創立記念日となる7月17日に、お蔵入りしていた幻の1枚が発売決定しました。

リンダ・キャリエール『Linda Carriere』
(2024年7月17日発売 国内CD MHCL-3092 3,300円税込)
(2024年8月3日発売 国内LP 完全限定アナログ盤 MHJL-349 4,730円税込)

リンダ・キャリエールはニューオリンズ生まれの黒人女性シンガー。
本作は1977年に細野晴臣プロデュースで制作され、業界関係者にプロモーション用ラフミックスのテストプレス盤が少量配布されたものの発売に至らなかった1枚。(長年の間、そのプロモ盤は超高値となっていました。)
この度、細野晴臣立ち合いのもとGOH HOTODAによる最新ミックスで、47年の時を経てリリースされます。

作曲は細野晴臣4曲、山下達郎2曲、吉田美奈子2曲、矢野顕子1曲、佐藤博1曲。
作詞は全曲ジェームス・レイガンが担当。
細野晴臣ファン、山下達郎ファンも要注目の再発ですね。

今日のこの1曲は、山下達郎作曲による「Love Celebration」を。
リンダ・キャリエールのヴァージョンは当時お蔵入りしましたが、安井かずみによる日本語詞が付けられ「バイブレイション」として笠井紀美子が歌い1977年にシングルリリース。山下達郎は自身の1978年発表アルバム『GO AHEAD!』で取り上げました。森 陽馬

★掲載ジャケットは、山下達郎『GO AHEAD!』


2024年4月24日(水) RYUSENKEI 「スーパー・ジェネレイション」

昨日紹介したリンダ・キャリエールの復刻CDは、アルファ・ミュージック創立55周年の記念日(2024年7月17日)に発売されますが、それに先んじ、新生アルファの第1弾作品として“RYUSENKEI”の新作が本日リリースされました。

RYUSENKEI『ILLUSIONS』
(国内CD 下井草秀によるライナーノーツ付 MHCL-3082 3,300円税込)

新世代のシティ・ポップ傑作を生み出してきたクニモンド瀧口によるプロジェクト“流線形”が、女性シンガーSincere(シンシア)を新たに迎え、“RYUSENKEI”として再始動。
生バンドのオーガニックな演奏はそのままに、より洗練されたアレンジと世界観を感じさせる1枚です。

今日のこの1曲は、雪村いづみがキャラメルママをバックに従え1974年(今からちょうど50年前)に発表した名盤へオマージュを捧げたタイトルの1曲目「スーパー・ジェネレイション」を。

♪ねぇ、TOKYO 煌めいてる?♪という歌い出しから始まり、新しい時代へ“アクセルを踏む”ような疾走感と刹那が表現されているシティ・ポップ・ナンバー。
なお、この曲のストリングス・アレンジは、シンリズムが手掛けています。森 陽馬


2024年4月25日(木) 竹内まりや 「みんなひとり」

2024年4月22日で、ペット・サウンズ・レコードは1981年の開店から43周年を迎えました。

2005年1月31日に武蔵小山駅前開発&東急目黒線の地下化工事のため一時閉店後、仮店舗営業などもありましたが、2007年3月15日、現在の場所にてまた店を始めることができました。

これだけ長い間、店を続けてこれたのも、ペット・サウンズ・レコードでお買い物をしてくださるお客様があってこそと思っています。ありがとうございます。

ということで今日は、現在の店舗へ移ってから2か月ほど経った頃に出たアルバムを取り上げたいと思います。

2007年5月発表になった竹内まりや『DENIM』。
オリジナル・アルバムとしては通算10作目でした。
今回はその『DENIM』がアナログLP2枚組となって4月24日に発売されました。

竹内まりや『DENIM』
(国内アナログLP2枚組 完全生産限定盤 WPJL-10198 5,500円税込)

大きなジャケットに、針でひろう優しい音色、いいですね。

今日の1曲は4曲目、じゃなくてディスク1 B面の1曲目「みんなひとり」を。森 勉


2024年4月26日(金) 小坂忠 「庭はぽかぽか」

「このアルバムのことは一生覚えていると思います。当時、大学生のただのピアノ弾きだったとはいえ、生まれて初めてのライブレコーディングですから。間違えたら一生残ると思うと、前の晩は全く眠れませんでした。<中略> 僕の全てはここから始まったんだな、とあらためて思います。」(松任谷正隆氏によるコメントより)

1972年3月30日郵便貯金ホールで行われた小坂忠+フォー・ジョー・ハーフのコンサート音源を収めているライヴ盤『もっともっと』が、最新リマスタリングによる高音質CDと美麗なカラーLPで再発されました。

小坂忠+Four Joe Half『もっともっと』
(国内CD MHCL-30982 2,750円税込/国内LP 完全限定盤アイボリー・カラー MHJL-327 4,840円税込)

当時の小坂忠さんの歌声&風貌、Four Joe Half(駒沢裕城、林立夫、後藤次利、松任谷正隆)による味わい深い演奏には、ジェイムス・テイラー&セクションの影響を感じさせますね。

また、忠さんは狭山のアメリカ村へ移り住んだばかりで、ソロ1st『ありがとう』(1971年発表作)に未収録の「春を待っている私はこたつの中」、「庭はぽかぽか」からは、穏やかで牧歌的な生活であったことが伝わってきます。

ちなみに、当時の日本で流行だった「四畳半フォーク」を英語の当て字“Four Joe Half”(フォー・ジョー・ハーフ)にしてバンド名とした名付け親は、小坂忠の奥様、高叡華さんだったそう。
その高叡華さんの最新インタビューと、Four Joe Halfメンバー4人の当時を振り返ったコメントが今回のブックレットに掲載されています。森 陽馬


2024年4月27日(土) 土岐麻子 「ドア」

今日からゴールデン・ウィークの連休で、故郷へ帰省する方も多いようですね。
東京・武蔵小山の街中は、人出がありながらもゆったりとした空気が流れていました。

そんなゴールデン・ウィーク初日の雰囲気にピッタリだったのがこの1枚♪

土岐麻子『Peppermint Time ~ 20th Anniversary Best』
(2CD+Blu-ray+エッセイ 初回限定盤 RZCB-87131 6,600円税込)
(2CD通常盤 RZCB-87133 3,960円税込)

1997年にシンバルズでデビューした後、2004年に父・土岐英史との共同プロデュースで初ソロ作をリリース。
本作は彼女のソロ・デビュー20周年を記念したオールタイム・ベスト・アルバムです。

新録曲「美しい顔」(with 礼賛)、人気曲「Gift~あなたはマドンナ」「乱反射ガール」等含む全31曲。
ポップなサウンドの魅力に加え、歌詞が内面から滲み出ていて、1曲1曲に伝わってくるものがあります。

今日のこの1曲は、夜の落ち着いた時間に聴きたい「ドア」(作詞:土岐麻子、作曲:トオミヨウ)を。
2021年発表アルバム『Twilight』に収録されていた、切なくも美しいナンバーです。森 陽馬


2024年4月28日(日) Iron & Wine 「All In Good Time」 feat Fiona Apple

休日の午前中に、優しい陽射しを感じながら聴きたい1枚。

アイアン&ワイン『Light Verse』
(国内CD 日本語解説付 OTCD-6871 2,860円税込)

Iron & Wine(アイアン&ワイン)は、1974年サウスカロライナ生まれの男性シンガー・ソングライター、サム・ビームのソロ・ユニット。飾らないアコースティックなサウンドと歌声が特徴的で、寂しげでいながら温もりも感じさせます。

僕が彼のことを初めて知ったのは、2004年発表2ndアルバム『Our Endless Numbered Days』でした。
エリオット・スミス、SONGS OHIO、Gillian Welch等と並び、新世代フォークの奇才としてよく聴きましたね。

本作『Light Verse』は、コロナ禍を経て約7年ぶりとなる7作目。
24人編成のストリングスも加わり、サウンドはふくよかになりながら、フォーキーな魅力は健在です。

今日のこの1曲はフィオナ・アップルが参加している3曲目「All In Good Time」を。森 陽馬


2024年4月29日(月) Aoife O'Donovan 「Crisis」

アメリカの女性シンガーソングライター、イーファ・オドノヴァン約2年ぶりとなる新作がリリースされました。

イーファ・オドノヴァン『オール・マイ・フレンズ』
(国内CD 日本語解説・歌詞付 BSMF-6246 2,970円税込)

今作は、2019年に交響楽団から憲法修正第19条施行100周年記念の楽曲制作を依頼されたことをきっかけに、アメリカの女性参政権運動や、その指導者キャリー・チャップマン・キャットらにインスピレーションを得て作られた作品です。

テーマは政治的・社会的でありながら、イーファの歌声はいつものようにしなやか。
夫でチェロ奏者のエリック・ジェイコブセンら兄弟が主宰するオーケストラ<The Knights>の美しい管弦アレンジ、アナイス・ミッチェル、グリフィン・ゴールドスミス(Dawes)、ノーム・ピケルニー(パンチ・ブラザーズ)ら同シーンで活躍するミュージシャンがサポートしています。

本日は''大声で叫ぶ時がきた--女性の時代は今''...キャリー・チャップマン・キャット1918年のスピーチを引用した「Crisis」を今日の1曲に。シエル・ハルがマンドリンで参加しています。

アルバムの最後には、1963年黒人女性に対する痛ましい事件を基にしたボブ・ディラン「The Lonsome Death Of Hattie Carroll(ハッティ・キャロルの寂しい死)」のカヴァーが収録されています。

権利のために奮闘してきた女性たちと、現在/これからを生きる人々へのメッセージが込められた今作。
いろいろと考える・知るきっかけをもらいました。東尾沙紀


2024年4月30日(火) Sandy Salisbury 「Six O'Clock」

春を通り越して、初夏の陽気ですね。
5月初旬に見頃となることが多い近隣の公園にある藤棚もだいぶ散ってしまいました。

そんな晴れやかな季節を感じながら、インドアでひっそりと聴きたい1枚。

サンディ・サリスベリー『Merrow As Sunshine』
(国内仕様CD 日本語解説付 BSMF-7719 2,970円税込)

カート・ベッチャー率いるソフト・ロック・ユニット、ザ・ミレニウムのヴォーカリスト/ソングライターとして活躍したサンディ・サリスベリーが、1966~68年に録音していたデモ音源集です。

以前にもデモが発売されたことがありましたが、今回のは新たに発掘された貴重音源!
サンディ・サリスベリーのメロディー・メーカーとしての実力を実感できる全20曲入。
ギター伴奏にハーモニーやハープシコードを1人で重ねたものながら、退屈せずに続けて聴けるのは、楽曲が晴れやかで“メロウ”な魅力に溢れているからでしょうね。

今日のこの1曲は、しっとりと静かに沁みる「Six O'Clock」を。
ザ・ミレニウムに「5 A.M.」という名曲もありましたね。 森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



トップページ