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  今日のこの1曲 “Archives”

<2024月5月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2024年5月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2024年5月1日(水) 歌島昌智 「うたかた」

歌島昌智さんの2024年発表作『うたかた』(国内CD 2,500円)を、当店で販売させていただけることになりました。

歌島昌智さんは1970年広島県尾道市生まれで、現在は出雲を拠点に活動しているピアニスト/作曲家/民族楽器奏者/身体調律師。ミッキー吉野バンドのドラマー&キーボーディストとしてキャリアを開始した後、世界各国の民族楽器を駆使した音楽活動を続けています。
寺尾紗穂さんの名盤『わたしの好きなわらべうた』に参加し、ライヴで共演していることでも知られていますね。

本作『うたかた』は、彼が新井みつこ(チェロ)、角田健(ドラムス)と制作したピアノ・トリオ・アルバム。
歌島さんが奏でるスピリチュアルかつ美しいピアノの奏を中心としたインストゥルメンタルが10曲収められています。

今日のこの1曲は、9曲目に収録されているタイトル・ナンバー「うたかた」を。
「コロナ禍の中で消えていったもの、生まれるはずだったのに生まれなかったものへ捧げるような気持ちで書いた」そうで、静謐かつ優しいピアノの響きからは、“希望”が伝わってきます。森 陽馬


★当店の店頭及び
通販コーナーからお買い上げいただけます。


2024年5月2日(木) Neil Young with Crazy Horse 「A Chance On Love」(元Love And Only Love)

ローリング・ストーンズが『ハックニー・ダイアモンズ』ツアーを開始して話題になりましたが、ニール・ヤングがクレイジー・ホースを率いて、久々にバンドでのライヴ・ツアー『2024 Love Earth Tour』をスタートさせたことも注目です。

新作『Fu##in' Up』を携えてのツアーで、アルバムではギタリストがニルス・ロフグレンでしたが、ブルース・スプリングスティーンのツアーと被っているため、ライヴではMicah Nelson(ウィリー・ネルソンの息子)がニルスの代わりに参加。その彼が昔のニールと同じようなネルシャツを着てギターを弾いているのがイイですね。

また、1978年のRust Never Sleeps Tour(ライヴ盤『Live Rust』)や、1991年の『Ragged Glory』を携えてのツアー(ライヴ盤『Weld』)を彷彿とさせるステージ・セットなのもグッときました。
ビリー・タルボット&ラルフ・モリーナは80歳、ニールは78歳。
結構タイトなツアー日程ですが、元気に頑張ってもらいたいですね。

ちなみに、4月20日レコード・ストア・デイで先行発売されたLP『Fu##in' Up』の国内盤CDも発売されました。

ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース『Fu##in' Up』
(国内CD 大鷹俊一氏による解説・歌詞・対訳付 WPCR-18667 3,080円税込)

今日のこの1曲はその中から「A Chance On Love」(元Love And Only Love)を。
ニール・ヤングらしいギター・ソロ&15分以上!の長尺。
90年代以降ライヴでよく歌っているナンバーで、最新ツアーでも演奏されています。森 陽馬


2024年5月3日(金) Dusty Springfield 「A Love Like Yours (Don't Come Knocking Everyday)」

ACEレーベルから、また素敵なコンピレーションCDが出ました。

1960年代モータウン・レーベルの主要ヒット曲をたくさん作ったソングライター・チーム、エディ&ブライアン・ホーランドの兄弟とラモント・ドジャー、いわゆるホーランド=ドジャー=ホーランドの作品集です。

『A Different World ~ The Holland-Dozier-Holland Songbook』
(輸入CD ACE/KENT SOUL CDTOP-520 24ページ・カラー英文ブックレット付)

今までも彼らのヒット曲満載のCDは出ていますが、今回は一味違うというか、ちょっとヒネッた選曲になっている所がミソです。全24曲収録。

「Where Did Our Love Go」はドニー・エルバート。
「Baby I Need Your Loving」はマーヴィン・ゲイ&キム・ウェストン。
「How Sweet It Is」はブレンダ・リー。
「Reach Out, I'll Be There」はグロリア・ゲイナー。
「Come See About Me」はバーバラ・メイスン。
と、それぞれ意外なアーティストによるカヴァーが収録されています。

それから、マーサ&ヴァンデラスの「Jimmy Mack」、フリーダ・ペインの「Band Of Gold」は別ヴァージョン。
シュープリームスは1967年に録音されながら1986年まで未発表だった曲。
等々、趣向を凝らした曲が並んでいます。

今日の1曲は、1978年に発表になったダスティ・スプリングフィールドの「A Love Like Yours (Don't Come Knocking Everyday)」を。
マーサ&ヴァンデラス1963年の大ヒット「Heat Wave」のB面曲をナイス・カヴァーしたものです。

それにしても、ホーランド=ドジャー=ホーランドは、イイ曲ばかり書きましたね。森 勉


2024年5月4日(土) The Lemon Twigs 「My Golden Years」

<21世紀の“All Summer Long”>!!?

ブライアン&マイケル・ダダリオ兄弟によるユニット、レモン・ツイッグスの2024年作が出ました。
ビーチ・ボーイズ・ファンに是非聴いていただきたい超オススメのアルバムです!

レモン・ツイッグス『A Dream Is All We Know』
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック追加収録 解説・歌詞・対訳付 CT375JCD 2,750円税込/輸入LPもあり)

2023年ベストに選出した前作『Everything Harmony』は、サイモン&ガーファンクルのような哀愁を帯びたハーモニーが印象的でした。

コロナ禍も明け約1年を経た本作は、ビーチ・ボーイズ的コーラス・ハーモニーに、グッド・メロディーが合わさったサンシャイン・ポップな傑作!
初夏が近づき、心がウキウキしてくる今の季節にピッタリな1枚です。

今日のこの1曲は、ポップスの魔法を感じさせてくれる①「My Golden Years」を。
後半に差し掛かる部分で、カール・ウィルソンを彷彿とさせるシャウトから、ビーチ・ボーイズ的コーラスへなだれ込む展開に感動を覚えました。

ちなみに、「Girls On The Beach」を想起させる6曲目「In The Eyes Of The Girl」は、ショーン・レノンのスタジオでレコーディングされ、ショーンもベースで参加しています。森 陽馬


2024年5月5日(日) THE CYRKLE 「We Were There」

昨日紹介したレモン・ツイッグスは約1年ぶりのアルバムでしたが、こちらは約50年以上ぶり!の新作です。

THE CYRKLE(サークル)『Revival』
(輸入CD 全15曲収録 Big Stir Records BSR-108)

「Turn-Down Day」「Red Rubber Ball」のヒットで知られるソフト・ロックの人気グループ、The Cyrkle。
Mike losekampとPat McLoughlinに、音楽活動を休止していたDon Dannemannが加わって2016年に再編成。
一部メンバーが亡くなりましたが、その後も地道にライヴ活動を続けていました。

本作は1967年発表『Neon』から57年ぶり、サントラの『The Minx』(1970)含めても約54年ぶりとなる、新録音のオリジナル・アルバムです。
CDのレーベル面が『Neon』のジャケットをオマージュしたデザインで、聴く前から思わずニヤリ♪
ポップなアレンジに見事なコーラス・ハーモニーは健在で、とてもゴキゲンな1枚に仕上がっています。

「Turn-Down Day」「Red Rubber Ball」「The Visit」の新ヴァージョンや、「The 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)」のカヴァーもありますが、今日のこの1曲はオリジナル新曲「We Were There」を。

「1960年代ビートルズ旋風が吹き荒れ→ブライアン・エプスタインに見出され→ジョン・レノンにバンド名を付けてもらい→多くの人の前で演奏した→思い出は薄れていくけれど感謝している→たしかに僕らはそこにいたんだ。」
と、まさにTHE CYRKLEの歴史が歌われたナンバー。サビのコーラスがビーチ・ボーイズ風ですね。森 陽馬


2024年5月6日(月) Glen Campbell 「Strong」 feat Brian Wilson

ブライアン・ウィルソンとグレン・キャンベルによる感動のデュエット曲「Strong」を収録した作品が出ました。

Glen Campbell『DUETS : Ghost On The Canvas Sessions』
(輸入CD 全12曲収録 Surfdog Records/Big Machine Records 0084390090211/輸入LPもあり)

2017年に亡くなったグレン・キャンベルの2011年発表アルバム『Ghost On The Canvas』を再構築した作品で、ブライアン・ウィルソンの他にも、キャロル・キング、スティング、エリック・クラプトン、エルトン・ジョン、ブライアン・セッツァー、ドリー・パートン等、豪華ゲストが参加しています。

ブライアン・ウィルソンがヴォーカル&コーラスで参加しているのは8曲目「Strong」。
今から約59年前、1965年にグレン・キャンベルがブライアン・ウィルソンプロデュースでシングル発売した「Guess I'm Dumb」のイントロ&コーラスを、新たに蘇らせたアレンジになっていて泣かせますね。

なお、この曲はダリアン・サハナジャが主なサウンドを手掛けており、ポール・ヴォン・マーテンスやプロビン・グレゴリー等、ブライアン・ウィルソン・バンドのメンバーも演奏に加わっています。森 陽馬


2024年5月7日(火) The Pen Friend Club 「Let It Shine」

ビーチ・ボーイズの楽曲は、ジャンル問わず色々なアーティストにカヴァーされています。
しかしながら、ブライアン・ウィルソンのソロ楽曲は、イイ曲が多いにも関わらずカヴァーが少ないですね。

今日のこの1曲は、その数少ないブライアン・ウィルソンのソロ楽曲カヴァーを紹介しましょう。

The Pen Friend Club『Back In The Pen Friend Club』
(国内CD 全12曲収録 PPRD0006 3,300円税込)

本作はザ・ペンフレンドクラブの9枚目となる2024年発表アルバム。
日英ハーフの女性ヴォーカリストNiinaを新たにメンバーとして迎え、洋楽カヴァーを12曲取り上げています。

その中の6曲目に、ブライアン・ウィルソン「Let It Shine」カヴァーが入っています。
オリジナルは、ブライアンの1988年発表、復活のソロ・アルバム『Brian Wilson』に収録。

この歌だけ女性シンガーの歌唱ではなく、リーダーの平川雄一氏が単独のリード・ヴォーカルで歌っていて、彼のこだわりと“ブライアン愛”を感じさせます。森 陽馬

2024年5月8日(水) Jackie DeShannon 「What'd I Say」

ジャッキー・デシャノンが1962年に発表する予定だった作品が英ACEからリリースされました。

Jackie DeShannon『Nothing Can Stop Me : Liberty Records Rarities 1960-1962』
(輸入CD ACE CDTOP-1643)

今作は彼女がレイ・チャールズのレパートリーを取り上げた作品。
1961年に録音、1962年1月にリリースが予定されていたものの、『ボビー・ダーリン・シングス・レイ・チャールズ』の制作・発表時期が重なり、彼女の方は当時発売が見送られてしまったのだそうです。

「I Got A Sweetie」、「Hallerujah, I Love Him(You) So」、「Georgia On My Mind」他、のちにアルバムやコンピレーションに収録された数曲以外はほとんどが完全未発表!
「What'd I Say」などシャウトした時のしゃがれ声がかっこいいですね!
19歳頃のソウルフルな歌声が楽しめます。

当時お蔵入りとなった11曲に加え、ボーナス・トラックとして、同時期に録音された別のレイ・チャールズ・カヴァーや、名曲「ブレイカウェイ」のコンビで知られるシャロン・シーリーとの共作曲(1962年録音)など13曲がプラスされています。東尾沙紀


2024年5月9日(木) 大滝詠一 「君は天然色」

駅で列車が発着する時のメロディ(駅メロ)に、つい反応してしまいます。
ドアが閉まるまでほんのちょっとの短い時間ながら、そのメロディが聴こえてくると心が和みますよね。

そんな“駅メロ”好きな方にオススメしたい書籍が出ました。


・『駅メロものがたり』
(交通新聞社新書 著者:藤澤志穂子 990円税込)

この本では、特徴的な駅メロが使われている18の駅と、その駅メロを導入し地域おこしに力を尽くした人たちの話が、駅メロ音楽の背景含め紹介されています。

仙台駅「青葉城恋唄」、呉駅「宇宙戦艦ヤマト」、茅ケ崎駅「希望の轍」「海その愛」、川崎駅「上を向いて歩こう」、桃谷駅「酒と泪と男と女」、郡山駅「キセキ」、福島駅「栄冠は君に輝く」、津久見駅「なごり雪」等々。

そして、水沢江刺駅「君は天然色」のことも約15ページ紹介されていました!
松本隆さんへの取材インタビューも掲載されており、読み応えがあります。
(松本さんにとっての「大滝さんとの一番の想い出」も語られています。)

駅メロ好きの方のみならず、大滝詠一ファンの方には是非手に取ってご覧いただきたいですね。森 陽馬

★書籍も当店で販売中!
★掲載ジャケットは、「君は天然色」収録の大滝詠一1981年発表アルバム『A LONG VACATION』


2024年5月10日(金) 山下達郎 「プラスティック・ラブ」(LIVE)

<山下達郎 PERFORMANCE 2024>の日程が発表になりました。

2024年7月12日から12月5日まで、2,000人前後収容のホールで43公演。
毎公演2時間半から3時間の超充実のライヴ・パフォーマンス。
達郎さんは71歳、頭がさがります。

約6カ月のライヴ・ツアーは、体調管理、のどのケアなど大変でしょうが、全国の達郎ファンをまた喜ばせてほしいと思います。
今年も狭き門のチケット抽選となるでしょうが、とにかく楽しみです。

今日のこの1曲は、ライヴ・アルバム『JOY』より、今年は聴けるといいな・・・。
「プラスティック・ラブ」を。森 勉

・山下達郎『JOY』
(国内2枚組CD WPCV-10024 5,016円税込)


2024年5月11日(土) 坂本龍一 「opus」

映画『Ryuichi Sakamoto / Opus』を、109シネマズプレミアム新宿で鑑賞しました。

本作は、2023年3月に逝去した坂本龍一が、NHK509スタジオで2022年9月に録音した映像作品です。
今までに配信やNHKで放送されましたが、曲を追加しソロ・ピアノ演奏計20曲103分で構成されています。

観ていて辛くなったり感傷的な気持ちになるかも、と覚悟して観に行きましたが、坂本龍一の気概が伝わってきて、魂が浄化されるような素晴らしい時間を過ごすことができました。

<Ars Longa, vita brevis>(芸術は長く、人生は短し)
この世からいなくなっても彼の音楽は永遠に残り、聴く者の心を震わせるのだ、ということを改めて実感。

坂本龍一のコンサート・チケットが取れたから行ってみよう、くらいの感覚で観ても構わないと思います。
多くの方にご覧になっていただきたい“opus”(芸術作品)ですね。森 陽馬


★掲載ジャケットは、「opus」が収録されている坂本龍一の1998年発表アルバム『BTTB』。
「energy flow」等が追加収録された20周年盤が2018年に発売されました。
(国内CD 村上春樹によるライナーノーツ付 WPCL-12924 2,860円税込)


2024年5月12日(日) ジョン・レノン 「真夜中を突っ走れ」(Whatever Gets You Thru The Night)

映画『ジョン・レノン 失われた週末』を、角川シネマ有楽町で先日鑑賞しました。

ジョン・レノンがオノ・ヨーコと別居していた1973年秋から1975年初頭の間に、恋人として一緒に過ごしていた女性メイ・パンの証言によって描かれるドキュメンタリー作品です。

タイトルは「失われた週末」ですが、ジョン自身のプライベートはもちろん、音楽的にも充実していた時期だったのだな、ということが実感できました。

1年半の間に、『マインド・ゲームス』(1973)がリリースされ、『ロックン・ロール』を録音。
更に、「真夜中を突っ走れ」が全米シングルチャート1位を獲得し、名盤『心の壁、愛の端』(1974)を制作。
エルトン・ジョンやハリー・ニルソンと出逢い、当時は犬猿の中と言われていたポール・マッカートニーと久々の再会を果たしてセッションも行っていました。
付き合いたてのカップル同様、彼女とお互いの写真をたくさん撮っていたことも感心しましたね。

他にも、1975年にヨーコと復縁した後もメイ・パンはジョンと密会していたことや、元妻シンシアと和解し息子ジュリアンとディズニーランドへ行った話、メイ・パンはトニー・ヴィスコンティと後に結婚した等、本作で初めて知りました。
ジョンは母性的なものをヨーコへ求めていたのかも? 彼の複雑な人間性を改めて感じさせた映画でした。森 陽馬

★掲載ジャケットは、ジョン・レノン「真夜中を突っ走れ」(Whatever Gets You Thru The Night)他、全19曲収録のベスト・アルバム『Gimme Some Truth』。(国内CD UICY-15940 2,750円税込)


2024年5月13日(月) 久保田麻琴 「遠い願い」

音楽を聴くと、忘れかけていた記憶が一瞬で甦ってくることがあります。

アナログ・レコードで先日再発売された本作も、針を落としたら想い出が胸に込み上げてきました。

久保田麻琴『On The Border』
(国内アナログ・レコード TBV-0055 4,400円税込)

『On The Border』は久保田麻琴さんがBEAMS RECORDSから2000年に発表したオリジナル・アルバム。
ハリー&マック(細野晴臣&久保田麻琴)の1999年作『Road To Lousiana』はよく知られていますが、本作もニューオリンズ含むアメリカで録音されており、ザ・バンドのガース・ハドソンやレヴォン・ヘルムが参加している名盤です。

今日のこの1曲は、東京ローカル・ホンクの木下弦二作「遠い願い」のカヴァーを。

発売当時、久保田麻琴が東京ローカル・ホンクをバックに従えて、インストア・イベントを各所で行いました。
タワー・レコード渋谷(地下)で行ったミニ・ライヴでは、東京ローカル・ホンクのメンバー4人が普段のステージと違い、BEAMS店舗で選んだシックでかっこいい洋服を着て演奏していたことを、懐かしく想い出しました。森 陽馬


2024年5月14日(火) Lowell George 「Doctor My Eyes」

ローウェル・ジョージが歌う「Doctor My Eyes」(ジャクソン・ブラウンカヴァー)!

CD及び配信でもまだ出ていない音源が、このアナログ再発盤に収録されています。

Lowell George『Thanks I'll Eat It Here』(Limited 2LP Deluxe Edition)
(輸入アナログ・レコード2枚組 Record Store Day Exclusive RHINO R1-726086)

リトル・フィートのローウェル・ジョージが1979年に発表した唯一のソロ・アルバム『Thanks I'll Eat It Here』(邦題:特別料理 イート・イット・ヒア)の45周年記念盤として、レコード・ストア・デイ限定で発売されたアナログLP2枚組。

名エンジニアのバーニー・グランドマンによるオリジナル・マスターテープからの最新リマスタリング!
更に、2枚目のディスクにアウトテイクなど未発表トラックが追加収録。
その中に、ジャクソン・ブラウン「Doctor My Eyes」のカヴァーが入っています。

デモっぽいのかな、と思いきや、スタジオでしっかりと録音されたヴァージョン!
ローウェル・ジョージ色なアレンジで料理されていました。
リリースから約半世紀を経て、こんな音源が出てくるとは驚きですね。森 陽馬


2024年5月15日(水) Momy & The Mega 「ここから」

ニューオリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティヴァル2024は、ニューオリンズ地元勢に加え、ローリング・ストーンズやニール・ヤング、ビーチ・ボーイズ他豪華アーティストも目白押しで、大盛り上がりだったようですね。
ネット動画でも楽しめましたが、やっぱり現地の空気を感じながら聴けたら最高だろうなぁ。

さて、ニューオリンズで録音した日本人アーティストの新譜CDを紹介しましょう。

Momy & The Mega『Mega』
(国内CD MOAK-0004 3,300円税込)

3人組ファンク・バンド、モミーFUNK!のヴォーカリスト&エンターテイナー、“モミー”。
本作は、彼の長年の夢であったアメリカでのレコーディングを叶えるため、クラウドファンディングで約200万円の支援を集め、Nori Naraokaのプロデュースで、ニューオリンズを拠点にして制作したソロ・アルバムです。

今日のこの1曲は、これぞニューオリンズ!なリズムに、彼の日本語詞が乗った1曲目「ここから」を。森 陽馬


2024年5月16日(木) Mark Nevin 「Deep Long Love」

フェアーグラウンド・アトラクションの名盤『ファースト・キッス』が発表されて、今日5月16日でちょうど36年。

オリジナル・メンバー4人で再結成、バンドとしては35年ぶりとなる来日公演(東名阪全5公演全てソールド・アウト!)も約1ヶ月後に迫ってきました。懐かしい友人と久々に再会するような、楽しいライヴになりそうですね。
さらに9月頃には新作リリースも予定されており、嬉しいニュースが目白押しです。

フェアーグラウン・アトラクションドの楽曲殆どを手掛けるリーダー/ギタリスト、マーク・ネヴィン。
海外では2022年に配信でのみ発表されたソロ最新作が、来日を記念し、日本でのみCD化されました!
HAYABUSA LANDNGSから、嬉しい解説・歌詞・対訳付きでのリリースです。

マーク・ネヴィン『ホワイル・ザ・キングダム・クランブルズ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲追加 HYCA-8072 2,640円税込)

ピュアな歌声と美しいオーケストレーションに魅了される「Show Me Who You Are」、現スクイーズでも活躍中のメルヴィン・ダフィーのペダル・スティールが印象的な「Deep Long Love」をはじめ、彼の楽曲はいつも温かな眼差し、愛情を感じます。
聴く程にじんわり沁みる味わい深い1枚です。東尾沙紀


2024年5月17日(金) ザ・ナスポンズ 「サバの味噌煮」

唯一無二の女性シンガー・ソングライター松浦湊を中心に、春日hachi博文(ギター)、上原yukari裕(ドラムス)、小滝みつる(キーボード)、新井健太(ベース)という強者が集った、現役にして伝説のバンド!“ザ・ナスポンズ”。

2021年頃からライヴ活動を続けていたザ・ナスポンズのCDR『ナスの缶詰め ver.1』(1,000円税込)を、当店でも取り扱いさせていただけることになりました。

「アサリでも動いている」、「アフターわっしょい」、「サバの味噌煮」の3曲入。
メンバー各々の個性が濃縮されたバンド・サウンドはもちろん、松浦湊さんでしか歌えないような情念とユーモア入り混じった不思議な歌世界が、なんだか凄い!
例えようがない独特な求心力がありますね。

ちなみに、ザ・ナスポンズ次回のライヴは、2024年6月15日(土)原宿クロコダイル。
“生”の「サバの味噌煮」で異世界へ吹き飛ばされに行きましょう! 森 陽馬


2024年5月18日(土) 荒井由実 「生まれた街で」~「瞳を閉じて」

荒井由実というミュージシャンに興味を持ったのは、キャラメル・ママがバック演奏を担当することがきっかけだったような気がします。

1973年11月発売のファースト・アルバム『ひこうき雲』を聴いてからは、彼女自身のヴォーカルや作詞・作曲した楽曲にも興味が広がり、新感覚を持った日本人女性ミュージシャンの登場を喜んだものです。

1974年10月には、セカンド・アルバム『ミスリム』発表。
このアルバムではユーミン、そしてキャラメル・ママに加えて、もうひとつ強力な興味ポイントがプラスされていました。

それは、シュガー・ベイブのコーラス参加でした。

レコードを買って、ミュージシャン・クレジットの所に、シュガー・ベイブの名を発見した時はうれしかったなぁ。
シュガー・ベイブはレコードをまだ出していない時でしたが、ライヴ・ハウスには足をよく運んでいた頃だったので、そこに目を付けてくれたユーミンはやっぱりセンスがいいなー、なんて思ったものでした。

ということで、今日は、ユーミン+キャラメル・ママ+シュガー・ベイブのコラボが実現した2曲を続けて・・・。森 勉

・荒井由実『ミスリム』
(国内CD TOCT-10712 2,619円税込)


2024年5月19日(日) Bright Young & Old Wan-Gan Workers 「くれない埠頭」

本日5月19日で70歳の誕生日を迎えたムーンライダーズ鈴木博文の古希を祝うトリビュート・アルバム♪

6月25日の一般発売に先駆けて、本日から公式通販及び一部店舗(当店含む)で先行販売されております。

V.A.『16 SONGS OF HIROBUMI SUZUKI -DON'T TRUST OVER 70-』
(国内CD 6月25日一般発売 NRSD-30130/AICP-040 3,300円税込)

平澤直孝(なりすレコード)、猪爪東風(ayU tokiO/COMPEX主宰)両氏による企画・プロデュースで、あがた森魚wth秘密のミーニーズ、PORTABLE ROCK、3776、MUSMENT、カーネーション、XOXO EXTREME、GRANDFATHERS、やなぎさわまちこ、佐藤優介、スカート等々、個性的な面々が集結。

ムーンライダーズやソロの曲を中心に、マニアックな選曲も交えた全16曲はすべて新緑!
鈴木博文さんの詩情豊かな世界観と、参加アーティスト独自の解釈によるアレンジがマッチした1枚です。

今作ラストを飾るのは猪爪東風(ayU tokiO)編曲による「くれない埠頭」(ムーンライダーズ1982年作『青空百景』収録)。
参加アーティスト(おそらく)全員が歌い繋ぐ、感動的なカヴァーを本日の1曲に。

6月1日(土)には新代田FEVERにて、古希記念ライヴ<Wan-Gan King 70th Anniversary>が開催予定。
完売となっていたチケットですが、明日5月20日の21時から追加販売されるそうなのでこちらも要チェックです。東尾沙紀


2024年5月20日(月) 大橋トリオ 「そんなことがすてきです。」

5月18~19日に福岡で行われた音楽フェス、CIRCLE'24へ行ってきました。

CIRCLEは、毎年5月に福岡・海の中道海浜公園で行われている音楽フェス。
今年は5月18日(土)に、大貫妙子、くるり、大橋トリオ、KIRINJI、折坂悠太(Band)、never young beach、TENDRE、グソクムズ、Nagakumo。
5月19日(日)に、エゴ・ラッピン、ZAZEN BOYS、ペトロールズ、cero、Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin、青葉市子、在日ファンク、グッドラックヘイワ、YONLAPAが出演しました。

海の中道海浜公園のロケーション&絶好のフェス日和で、最高に心地良い2日間が過ごせました。
広い空の下、ゆったりとした気持ちでGood Musicを楽しむことができて、また参加したいと思えるフェスでしたね。

特に胸が躍って感動したのが、大橋トリオ。
富樫マコト(Ba)、高橋直希(Dr)、Takumadrops(Key)、佐藤敬幸(Sax)による20代前半の若く活気溢れるミュージシャン(すごく良かった!)を従えて、とてもフレッシュな演奏と歌を披露してくれました。

今日のこの1曲は、夕陽に沁みた「そんなことがすてきです。」を。
(2008年発表作『THIS IS MUSIC』(PWSR-1018 1,885円)に収録。)

あと、青葉市子さんが、「音楽をすること、聴くこと、健康で過ごせる当たり前の生活に感謝することを忘れずにいたい。地球の皮膚は繋がっているからね。」ということをMCで話していたのが印象に残っています。森 陽馬

2024年5月21日(火) 大貫妙子 「Happy-go-Lucky」(Live)

福岡のフェスCIRCLE'24では、大貫妙子さんのステージを青空が広がる中で観ることができました。
彼女の澄んだ歌声が響きわたって、心が豊かになりましたね。

さて、その大貫妙子さんが2023年11月18日に東京の人見記念講堂で行ったコンサートの模様を、完全収録した2枚組CDとブルーレイが本日入荷しました。

大貫妙子『Taeko Onuki Concert 2023』
(国内2枚組CD COCB-54368 5,500円税込/ブルーレイ COXA-1360 7,700円税込)

本作のバンド・メンバーは、ファビアン・レザパネ、森俊之、小倉博和、鈴木正人、沼澤尚、林立夫、網守将平。
鉄壁な布陣による演奏は、大貫さんの温もりある歌声を優しくサポートしています。

今日のこの1曲は、CIRCLE'24でも披露された「Happy-go-Lucky」を。

オリジナルは坂本龍一が編曲を担当し、1997年5月にシングルで発売されアルバム『LUCY』に収録。

♪Happy-go-Lucky 今日も元気で Good, good, You're so good うれしい時も かなしい時も♪
「Happy-go-Lucky」は“楽天的に、のんきに”の意。
つらい時やかなしい時でも楽天的に生きていこう、という前向きなメッセージが込められたナンバーです。森 陽馬


2024年5月22日(水) スターダスト☆レビュー 「ブギウギワンダー☆レビューのテーマ」

5月23日はスターダスト☆レビュー根本要さんの誕生日!(2024年で祝67歳♪)
そして本日、スタレビの新アイテムが発売されました。

スターダスト☆レビュー『ブギウギワンダー☆レビューのテーマ』
(CD+DVD 先着特典ステッカー付 COZA-2075 2,750円税込)

2022年から約2年間続いていたスタレビのライヴ・ツアー<ブギウギワンダー☆レビュー>も、今週末5月25日で遂に終了予定ですが、そのアンコールで毎回披露されていたのが、「ブギウギワンダー☆レビューのテーマ」です。

これは、スタレビ名曲のサビをディスコ調アレンジにしてメドレー的に繋げた約12分のトラック。
根本要さん曰く、スターズ・オン・45(ビートルズ等名ミュージシャンの人気曲をディスコ調でカヴァー&メドレーで繋げ1980年代に全世界でヒットを記録)を意識して制作したそうです。

CDには約5分のラジオ・エディット・ヴァージョンが追加。更にMusic Video等を収録したDVD付。
音楽愛&ファンへの愛が伝わって、とっても楽しいのと同時に、心の奥がポッと温かくなってくる1枚です。森 陽馬


2024年5月23日(木) Sandy Nelson 「Drums A Go-Go」

サンディ・ネルソンは1950年代後半から1960年代に活躍したドラマーです。

1950年代はセッション・マンとして様々な曲に参加して実績を重ね、1959年からはソロ・アーティストとして活動を始めました。
単独名義でのシングル・ヒットも10曲ほど放ち、アルバムもいっぱい残してくれました。

今日は1965年に発表したアルバムが再発されているので、それを紹介したいと思います。

Sandy Nelson『Drums A Go-Go』
(輸入CD Sundazed SC5663)

インペリアル・レーベルから1965年に発表したアルバムをそのまま紙ジャケCD化したもので、全12曲収録されています。
今日の1曲は、アルバム・タイトルにもなった「ドラムス・ア・ゴー・ゴー」を。

サンディ・ネルソンを念頭にポール・バフが作った曲で、ハリウッド・パースエイダーズというスタジオ・ミュージシャンで作ったヴァージョンがオリジナル。
これはカヴァーということになりますが、サンディ・ネルソンのドラミングを基に作られた曲なので、オリジナルと同じ趣きがあるヴァージョンになっています。

山下達郎さんのサンデー・ソングブックでもおなじみのあの曲のベーシックになっている曲です。森 勉

2024年5月24日(金) 布谷文夫 with ナイアガラ社中 「ナイアガラ音頭」

2023年の第1回に引き続き、7月7日七夕の日に<短冊CDの日2024>の開催が決定!

布谷文夫withナイアガラ社中『大瀧詠一プロデュース:ナイアガラ音頭EP』の発売も告知されました。
(2024年7月7日発売 8cmCD SRDL-4755 完全生産限定盤 1,500円税込)

日本の夏に欠かせない!?大瀧詠一プロデュースによる名曲「ナイアガラ音頭」。
そのヴォーカリストであった布谷文夫さんの13回忌にあたる2024年のお盆に、短冊CD(8cmCD)で出ます!

「ナイアガラ音頭」シングル・ヴァージョンに加え、「Let's Ondo Again」の81'Mixとカラオケ音源。
更に、「夏バテ」(熱中症Version)という未発表トラックも追加収録される予定です。

このリリースと共に、<ナイアガラ盆踊り2024>の開催も7月13日、14日、15日に決まりました!
J-WAVE presents INSPIRE TOKYO 2024の一環として、代々木公園イベント広場・ケヤキ並木にて入場無料。
2023年の第1回が大好評でしたから、とても楽しみですね。森 陽馬


2024年5月25日(土) Paul Weller 「A Glimpse Of You」

5月25日はポール・ウェラー66歳の誕生日!
前日24日に3年ぶり、ソロ17枚目となる新作『66』がリリースされました。

ポール・ウェラー『66』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲追加 2,860円税込)

2024年1月下旬~2月初旬に行われた久々の来日公演で素晴らしい演奏を聴かせてくれたウェラー・バンド。
そこでいち早く披露された新曲「Jumble Queen」、「Nothing」がとても良かったのでリリースが楽しみでしたが、全編こんなに良いメロディーに溢れているとは...!

自然体な歌声も良く、近年の作品には欠かせないハンナ・ピールによる華やかなストリングスやストーン・ファンデーションのブラス組らによる生楽器を主とした豊潤なアレンジも聴きどころ♪
現在のバンド・メンバーをはじめ、作詞陣にサッグス(マッドネス)、ノエル・ギャラガー、ボビー・ギレスピー、NYのグループSay She She(コーラス)などウェラーお気に入りの若手も参加しています。

本日は、こちらもウェラーお気に入りフランスのバンド、ル・シュペールオマールのクリストフ・ヴァイランとのコラボで、美しいストリングスが絡むフォーキー・ポップ「A Glimpse Of You」を今日の1曲に。

シンプル且つインパクト大な今作のアートワークは、ウェラー1995年作『スタンリー・ロード』のジャケットも手掛けた英国のアーティスト、Sirピーター・ブレイク。(ビートルズ『サージェント・ペパーズ~』が有名ですね)

日本盤ボーナス・トラック「That's What She Said」もスタイル・カウンシルっぽさのある洒落た曲。
軽やかなメロディに反して、実体験かな?と想像させる詞がちょっぴり切ないです。東尾沙紀


2024年5月26日(日) レニー・クラヴィッツ 「It's Just Another Fine Day (In This Universe Of Love)」

「CDが売れなくなった」、「洋楽の売り場が縮小」、ということは20年以上前から言われていました。

でも、
山野楽器の銀座本店が2024年7月末でCD/DVDの取り扱いを終了というニュースや、TSUTAYA渋谷店レンタル終了後の現況を目の当たりにして、より顕著になってきたなと感じています。

今までは国内盤が出ていた洋楽アーティストでも、新作は輸入盤のみ、ということが増えてきました。
(国内盤が出ないのは権利関係の要因も多々あるようですが)

レニー・クラヴィッツの新作アルバム『Blue Electric Light』も、国内盤は結局出ないようです。

Lenny Kravitz『Blue Electric Light』
(輸入CD Roxie Records/BMG 5053-893921)

レニー・クラヴィッツは5月26日が誕生日。2024年で還暦60歳を迎えました。
しかしながら、風貌と同様に演奏も、ほぼ一人多重録音での生音中心なロック・サウンドは変わらず。

1曲目「It's Just Another Fine Day (In This Universe Of Love)」のように、ベースが効いたミディアム・ファンクなナンバーでも、レニーらしいシャウトとクレイグ・ロスによるギター演奏が“ロック”しています。森 陽馬


2024年5月27日(月) シェリル・クロウ 「Love Life」

シェリル・クロウは2019年作『Threads』(2019年8月30日今日のこの1曲で紹介)をリリースした後、「アルバムはもう作らない」と発言していました・・・が、約5年を経て、全9曲新録音の素晴らしいアルバムが届きました。

Sheryl Crow『Evolution』
(輸入CD Valory Music/Big Machine 00843930103683 国内盤CDの発売予定はなし)

これがなかなかの力作!
どの曲もメロディアスかつロックな演奏で、かなりイイですね。

大半の曲はMike Elizondo(マイク・エリゾンド)がプロデュースを担当。
彼は元々ベーシストながら、ドクター・ドレーやエミネム等Hip Hop系から、ジュエル、アラニス・モリセット、レジーナ・スペクター等女性シンガーの作品を手掛けたり、ニッケル・クリークの2023年作に参加しており、その幅広い音楽性としっかりしたリズム感が、シェリルの本作にも十二分に活かされている印象です。

今日のこの1曲は、3曲目「Love Life」を。
約5分の曲ながら、2分30秒以降(つまり曲の半分)は♪Na Na Na♪コーラスの繰り返しのみ!
でも、それがシェリルらしいというか、1stの頃のルーズな雰囲気があって、僕は気に入っています。

・・・と、これを書きながら本作を聴いていたら、1995年4月のシェリル・クロウ初来日公演、新宿リキッドルームの最前列で観た時の、胸の高鳴りが甦ってきました。森 陽馬

2024年5月28日(火) Bob Marley & The Wailers 「War/No More Trouble」

映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』を劇場で先日観てきました。

映画サウンドトラック『ボブ・マーリー:ONE LOVE』
(国内CD UICY-16224 解説・歌詞・対訳付 2,860円税込)

ジャマイカが生んだ伝説のレゲエ・ミュージシャン、ボブ・マーリーの人生を描いた音楽伝記映画です。
ドキュメンタリーではなく、映画『あの夜、マイアミで』でマルコムXを演じ、ヒット映画『バービー』にも出演していた男性俳優キングズリー・ベン=アディルが、ボブ・マーリーを熱演しています。

ボブ・マーリーの息子ジギー・マーリーや、妻だったリタ・マーリーが製作に関わっているため、事実より美化されていることが多々あって、ボブの昔からのファンからは辛口な評があるようですが、僕は興味深く鑑賞できました。

1970年代ジャマイカの政局や一般人の日常を背景に、ボブ・マーリーが発していたメッセージがどのように伝わっていたかを観て、彼の音楽をより身近に感じることができましたね。

敵対していたジャマイカの二大政党の党首を、コンサートのステージ上で握手をさせるなど、36才という若さで亡くなったボブ・マーリーの平和への情熱は、音楽を通じて確かに心へ響きました。

今日のこの1曲は、映画内のライヴで披露され衝撃的だった「War/No More Trouble」を。
なお、映画のサウンドトラックは、海外では配信のみで、CD化されているのは日本だけです。森 陽馬


2024年5月29日(水) Camera Obscura 「Only A Dream」

スコットランド・グラスゴーの人気インディー・ポップ・バンド、カメラ・オブスキュラ。
2013年発表作『Desire Lines』以来、11年ぶりとなる新作をリリースしました。

Camera Obscura『Look To The East, Look To The West』
(輸入CD MERGE RECORDS MRG839)

2015年にキーボーディスト、キャリー・ランダーが亡くなり、同年からしばらくバンドは活動を休止。
親友を失い、バンドを続けること、アルバムを作ることの意義を見失ってしまったことも...。
しかし、ベル&セバスチャンが主催する2019年The Boaty Weekender(クルーズ船内での音楽フェス)に出演し、仲間やファンと共に良い時間を過ごせたことが本格的な活動再開、新作制作へと繋がっていったのだそうです。

現キーボーディストDonna Maciociaの優しいピアノとハーモニーは、トレイシーアンのヴォーカルととても良い相性で、アルバム全編が穏やかな空気に包まれ、前作よりさらに成熟したサウンドを聴かせてくれます。

「あなたは心の中にいて、わたしは引き裂かれている...」と歌われる、メランコリックで美しい「Only A Dream」を今日の1曲に。東尾沙紀


2024年5月30日(木) フランキー・ライモン&ティーンエイジャーズ 「恋は曲者」

「恋はくせもの」(Why Do Fools Fall In Love)という曲を教えてくれたのは、ビーチ・ボーイズでした。

発表から1年遅れで知った『シャット・ダウンVol.2』というアルバムに入っているのを聴いて、お気に入りの曲となりました。

オリジナルのティーンエイジャーズのヴァージョンを初めて聴いたのは、それから8年あまり後でした。
映画『アメリカン・グラフィティ』のサントラ盤に入っていて、ビーチ・ボーイズのとはちょっと違う雰囲気でしたが、このオリジナルもすぐにお気に入りとなりました。
曲目表記は「恋は曲者」となっていました。

今日紹介するCDと同じジャケットのLPを輸入盤屋さんで見つけたのは、オリジナルを聴いてから、また3年後ぐらいだったかな。
もちろん、再発盤でしたが、その鮮やかな色彩のLPを手に入れて、とてもうれしかった記憶がよみがえってきます。

ということで今日は、アメリカで1956年に大ヒットを記録したこの曲を。
リード・ヴォーカルのフランキー・ライモンはこの頃まだ13歳でした。森 勉

『ティーンエイジャーズ・フィーチャリング・フランキー・ライモン』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-27852 1,047円税込)


2024年5月31日(金) Lauryn Hill 「To Zion」 feat Carlos Santana

<Apple Musicが選ぶ史上最高のアルバム ベスト100>が先日発表になりました。

ロック、ソウル、ジャズ他オール・ジャンル、年代も問わず!のベスト100。
第3位ビートルズ『Abbey Road』。
第2位マイケル・ジャクソン『Thriller』。
そして、注目の第1位は、、、このアルバムでした!

ローリン・ヒル『The Miseducation of Lauryn Hill』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-31376 2,200円税込/輸入2LPもあり)

1990年代初めから活動していたソウル・グループThe Fugees(フージーズ)の女性シンガー、ローリン・ヒルが1998年に発表したソロ1stアルバムです。

発売当時、日本でも大ヒットしましたね。洋楽を聴かない方でも、彼女が車の中で「Ex Factor」を歌っているCM(SONY stamina乾電池 RED HOT)を憶えている方も多いのではないでしょうか。
サンタナが参加し、美しいギターを聴かせる「To Zion」も印象に残っています。

ただ、率直に言って、これが第1位とは驚きました。
このアーティストがベスト100に入っていない!という意見も多々あるでしょう。
音楽作品の順位付けは難しいな、と改めて実感。

ちなみに、ビーチ・ボーイズ『PET SOUNDS』は第20位でした。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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